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Digital Cinema Now!…川上 一郎

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Digital Cinema Now!…川上 一郎
デジタルシネマ Now !
103
103
HDR はどこへ行くのか?
川上 一郎 数式1 Bartenによる 視覚閾値関係式
図1 HDR への異なる取組み
�
1
1
�
1
2
�
1
1
�
�
1
Bartenの式引用元 : “Contrast sensitivity of the human eys and its effects on image quality”, Eq.(3.26), Peter G.J. Barten,1999 uitgeverij HV Press Knegsel
下記の係数は “Contrast Sensitivity Experiment to Determine the Bit Depth for Digital Cinema”, Mattew Cowan,, SMPTE Motion Imaging Journal, September 2004 より引用
k = 3.0 , T = 0.1 sec , η=0.03 , σ⁰= 0.0083 arc deg , Xmax = 12 deg , Φ₀ = 3x10-⁸ sec deg2 , C ab = 0.0013 arc deg/mm , Nmax = 15 cycles , u₀ = 7 cycles/deg
0.8
Rec.709
WHP283
ARIB B67
0.6
図2 視覚閾値とガンマ係数
PQEF
今までの CRT での電気信号と画面表示
知できる輝度変化量は鈍ってきており、い
IBC2015 でも各種展示が行われて話題に
輝度信号とのガンマカーブ特性を拡張して、
わゆるサチレーション状態となってくるこ
なっている HDR(High Dynamic Range)
より広範囲の輝度に対応させようとする考
とが知られている。Dolby 方式ではこの視
を 巡 る 話 題 に つ い て 紹 介 し て い く。 え方と、Dolby 提案の PQEF カ ーブとは
0.4
0.2
0
0
0.5
iPhone やデジカメの画像処理ではすっか
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
全く互換性が無く、ガンマ方式拡張による
り定着している HDR について欧州・米国・
HDR 対応は対応フレームに埋め込んだメタ
日本がそれぞれ独自の HDR 表示を巡る規
データで LUT を切り替えて表示させる、も
格を提案し、次世代画像圧縮の主導権争い
しくはブロック毎の輝度制御が可能なバッ
でも MPEG 陣営やその他のコーディック
クライトでの対応を想定ており、MPEG に
関連団体が HDR での主導権争いを行って
代表される圧縮画像での拡張レイヤーもメ
いる。その一方で、
“ポスプロできっちりと
タデータによる
HDR
対応を指向している。
図3 人間の視覚特性と
Dolby
Vision
0.1
コントラスト
さ て、 今 月 号 で は 先 般 開 催 さ れ た
月の無い星空
満月の夜
事務所
黄昏時
晴天の青空
これに対して、Dolby
方式では数式 1 に示
HDR 対応のレンダリングさえしておけば良
桿体視細胞活動域
いのでは?”との冷めた意見もあるのが現
状である。
LMS 錐体視細胞活動域
しているバーテンによる視覚特性カーブを
明所視
暗所視
錐体細胞
桿体細胞
薄明視
せた黒の輝度制御などについては想定して
試写室
映画館
EBU マスモニ
れている ITU-R BT.Rec.709 に規定され
いない。Dolby Vision
ているおなじみのガンマカーブと、欧州放
図 2 は、ガンマ係数を変化させた場合の
Standard TV Signal
送連合が ITU で審議を進めている BBC WHP283 に記載されている 400%迄の
マスモニ
Dolby Vision
Dolby Vision Mastering Display
Dolby Vision Mastering Display
Standard TV Signal
2015 Dolby Vision
輝度変化とバーテンの視覚特性式による識
2015 Dolby Vision TV
2016 Dolby Vision
2016 Dolby Vison TV
別可能な輝度変調特性とを比較しており、
0.000001 0.00001 0.0001
0.001
0.01
0.1
1
10
100
1000
10000
100000 1000000
デジタルシネマにおけるガンマ係数 2.6 を
輝度範囲をカバーする高輝度側を対数カー
http://www.dolby.com/us/en/technologies/dolby-vision/dolby-vision-white-paper.pdf
引用元: http://www.ecse.rpi.edu/~schubert/Light-Emitting-Diodes-dot-org/Sample-Chapter.pdf,Re
る輝度変調係数を規定する考え方)を規定
0.01
0.1
1
10
100
輝度 [cd/m2]
"Color and Mastering for Digital Cinema", Glenn Kennel, Focal Press,Figure 4-2. Human Vision Modulation Threshold and Equations with Various Gamma Values.. している。
こ の EOTF に よ る 新 た な 表 示 系 で の
輝 度 変 調 の 規 格 策 定 を 受 図4 デジタルシネマのカメラガンマ
けてカメラ側
C oS M E-G amma
1024
策定も動き出している。ただし、カメラの
768
TM
P analog
OETF 特性規格化については実機で採用さ
640
C i n eon T M
R ec.709+K nee80%
れるか否かは、はなはだ不透明であること
512
384
に加えて、それ以前にカメラが
RGB 信号
256
と称して出力してくる色信号の分光特性を
128
明確にしないことには実用的に意味が無い
1.0
0.0
ことははっきりしている。
規定する根拠となった特性図である。ちな
提案している 18%グレー反射板によるビ
みに図 2 では黒実線で示している視覚閾
デオ信号レベル 50%を基準に正規化して
値より上部の範囲では視覚的に輝度変化が
数式 2 には、HDR に関係する規格関係
対数カーブで延長する方式、そして Dolby
認知できないことを示しており、ガンマ係
式を示している。本年 7 月に公開されたば
が SMPTE に提案した視覚特性に基づく
数 2.6 では 8 カンデラ付近までは視覚的
かりの電波産業会(ARIB)による B67 規
PQEF カーブを比較している。
に認知できないガンマ特性である。また、
格では、ビデオ信号レベル 50%(反射率
10 カンデラを越えた領域では視覚的に認
18%の標準白色版による白色基準信号レ
FDI・2015・10
ガンマ3.0
より詳細に映像信号のデジタル値にたいす
0.001
0.001
ブで延長する方式、そして NHK が ITU に
44
ガンマ2.6
従来のガンマ係数を規定するだけでは無く、
Function 光・896電 気 変 調 係 数 ) の 規 格
デジタルシネマ
映画館
ガンマ2.0
Transfer Function 電気・光 変換係数 :
象輝度範囲や表示系での周辺環境光に合わ
試写室
薄明視
ガンマ1.5
までを対象として EOTF(Electro-Optical
R ec.709
で の OETF( Optical-Electro
Transfer
暗所視
視覚閾値
0.01
そのまま表示系に適用する方式であり、対
明所視
リファレンスプロジェクター
図 1 には、現行の HDTV 放送で使用さ
覚特性関係式を用いて 10,000 カンデラ
0
2.0
3.0
露光指数
4.0
5.0
数式 1 Barten による 視覚閾値関係式
1
�
�
1
2
1
�
1
1
�
�
1
Barten の 式 引 用 元 : “Contrast sensitivity of the
human eys and its effects on image quality”, Eq.(3.26),
Peter G.J. Barten,1999 uitgeverij HV Press Knegsel
0.8
Rec.709
下 記 の 係 数 は“Contrast Sensitivity Experiment to
Determine the Bit Depth for Digital Cinema”, Mattew
Cowan,, SMPTE Motion Imaging Journal, September
2004 より引用
k = 3.0 , T = 0.1 sec , η =0.03 , σ 0= 0.0083 arc deg ,
Xmax = 12 deg , Φ 0 = 3x10-8 sec deg2 , C ab = 0.0013
arc deg/mm , Nmax = 15 cycles , u0 = 7 cycles/deg
WHP283
数式2 HDR 関係式
ARIB STD-B67
{
PQEF
0.4
数式2 HDR 関係式
E’ =
ARIB B67
0.6
0.2
γ √E
a・ln( E- b ) + c
0<E<1
1<E
γ=0.5 , a=0.17883277, b=0.28766892, c=0.55991073
E はビデオ信号レベル50%の White(18% 白色チャート)で正規化された信号
0
0
0.5
1
(α1-α2)
2
2.5
3
3.5
4
(EBU)
ITU-R BT.1886 EOTF
L = k(Vc+b)
α1
L = k[V+b]
1.5
図1 HDR への異なる取組み
[V+b]
α2
for V < Vc
for Vc < V
VC:0.35, α1=2.6, α2=3.0, b=0.0183
*
0.1
PQEOTF(Dolby) Y = L
(
V
1/m
C1
C3V
C2
1/m
)
1/n
0 < V <1
L =10,000
m =78.8438
n =0.1593
C1=0.8359
C2=18.8516
C3=18.6875
ITU-R BT.709 EOTF
V=1.099L
0.45
- 0.099 for 1 > L > 0.018
V=4.500L
for 0.018> L > 0
コントラスト
視覚閾値
ガンマ1.5
ガンマ2.0
0.01
ガンマ2.6
ガンマ3.0
EBU-HDR BBC-WHP283
{
V=
4.5L
αL
0.45
for 0< L <β
-(α-1)
ηln(L)+ρ
for β < L < μ
for L>μ η=0.45αμ
0.001
0.001
0.45
0.45
ρ=αμ (1-0.45lnμ)-(α-1)
μ=0.12314858
α
β
10bits
1.099
0.018
12bits
1.0993
0.0181
0.1
1
10
100
輝度 [cd/m2]
"Color and Mastering for Digital Cinema", Glenn Kennel, Focal Press,Figure 4-2. Human
Vision Modulation Threshold and Equations with Various Gamma Values..
図2 視覚閾値とガンマ係数
資料出所 BBC Research & Depelopment White Paper
WHP 283. July 2014, “Non-linear Opto-Electrical Transfer
Functions for High Dynamic Range Television” , Tim Borer
6.0
0.01
て 0.17883277 倍してビデオ信号 50%
0.8359 を 減 算 し た 結 果 を 分 子 と し て、
での値を加算して HDR 対応の EOTF 特性
18.8516 からビデオ信号に 1/78.8438
ベル)で正規化したビデオ信号にたいする
としている。
をべき乗して 18.6875 を乗算した結果を
HDR 応答特性を規定しており、50%以下
ま た、Dolby 方 式 で の EOTF は 最 大 輝
分母として割り算して結果に 1/0.1593
ではビデオ信号値の平方根に 0.5 を乗算し、
度 10,000 カンデラに対する変換特性と
をべき乗して 10,000 カンデラを乗算する
50%以上ではビデオ信号から基準の黒信号
して規定しており、入力ビデオ信号に対
関係式を採用している。
レベル値を減算した結果を自然対数変換し
して 1/78.8438 をべき乗した結果から
EBU での EOTF は、0.0181 以下では
45
FDI・2015・10
月の無い星空
満月の夜
事務所
黄昏時
桿体視細胞活動域
暗所視
晴天の青空
LMS 錐体視細胞活動域
錐体細胞
桿体細胞
明所視
薄明視
明所視
暗所視
リファレンスプロジェクター
薄明視
試写室
デジタルシネマ
Dolby Vision
Dolby Vision Mastering Display
Standard TV Signal
2015 Dolby Vision
0.01
0.1
1
マスモニ
バックライトとしての発光素子をもうける
Dolby Vision
ことはコスト的に実現性は無く、前述の放
Dolby Vision Mastering Display
熱手段の実装は不可能と言わざるを得ない。
Standard TV Signal
Dolby Vision の試作機では 64 画素を一ブ
2015 Dolby Vision TV
2016 Dolby Vision
0.001
めて困難となってくる。RGB 一画素毎に
映画館
EBU マスモニ
0.000001 0.00001 0.0001
減光手段をどのように実現するのかがきわ
試写室
映画館
2016 Dolby Vison TV
10
100
1000
10000
100000 1000000
引用元: http://www.ecse.rpi.edu/ ∼ schubert/Light-Emitting-Diodes-dot-org/Sample-Chapter.pdf,Re
http://www.dolby.com/us/en/technologies/dolby-vision/dolby-vision-white-paper.pdf
ロックとして独立したバックライトをもう
けるなどの妥協手段を採用しており HDR
モードで高輝度側にシフトしたときの黒浮
が目立ってしまう問題がある。
図 3 に、 人 間 の 視 覚 特 性 と Dolby
図3 人間の視覚特性と Dolby Vision
Vision の特性比較を示している。人間の視
覚は 0.000001 カンデラの暗闇から太陽
表面の 100 万カンデラまでをカバーして
C oS M E-G amma
R ec.709
いるが当然のことながら豊かな色彩と物体
1024
の微細構造まで見分けられるのは数千カン
デラから数カンデラの範囲であり、デジタ
896
ルシネマで規定している最高輝度 48 カン
768
640
P analog
TM
デラより暗い輝度範囲では薄明視と呼ばれ
C i n eon T M
る明暗のみを識別できる桿体視細胞と色覚
R ec.709+K nee80%
を担っている LMS 錐体視細胞が混在して
視覚を構成する領域となる。次世代ディス
512
プレイの輝度信号変調規格として議論され
384
ている EOTF についても最高輝度を数百カ
ンデラとするのが妥当な輝度範囲であり、
256
黒のレベルは通常の事務所や居室での黒レ
128
0
0.0
ベルである数カンデラを対象とするのが妥
当な輝度範囲である。
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
露光指数
デジタルシネマの規格としてはリファレ
ンスプロジェクターの最低輝度(黒)はピ
ーク輝度 48 カンデラの 1/2000 と規定
図4 デジタルシネマのカメラガンマ
している。実際の上映館では、ピーク輝度
は調整可能であるが最低輝度は上映中で足
4.5 倍、0.0181 ∼ 0.12314858 迄 は
Dolby 方式が提案している 10,000 カ
下の段差が視認できる 0.1 カンデラ程度に
0.45 のべき乗として現行 Rec.709 と互
ンデラの輝度は晴天時の青空の明るさであ
保たざるを得ない現実がある。当然のこと
換性を持たせており、0.12314858 以上
り、この輝度レベルを表示装置で実現する
ながら最終的なマスタリング結果を確認す
では自然対数演算結果に係数を乗算する方
にはハード面での問題が大きい。LED 等の
る試写室では 0.03 カンデラ未満に保って
式をとっており現行方式との親和性が高い
発光素子でこの輝度を実現しようとすると
充分なコントラスト比を確保することが必
特徴がある。
放熱の問題が大きく立ちはだかってくると
須である。
ともに、この輝度以外の画素に対する遮光・
デジタルシネマの新規格を巡る話題で数
46
FDI・2015・10
年前にも 3D 上映時の映像ブレを無くす
さて、図 4 にはカメラ側での各種ガンマ
多重露光が簡単にできるが動画としてどの
ためにフレームレートを倍増以上に上げる
カーブを示しているが、フィルム時代のス
ように多重露光をおこなっていくのかは技
HFR が取り上げられたが、HFR を売り物
キャナー読取りでの光線透過率特性に対応
術的に興味深い分野である。
にした“ホビット”も興行収入面での顕著
した Cineon が業界標準として存在してい
な優位性が出せないまま下火となってしま
たが、現材では ALEXA や Sony の S-Log
表示系での EOTF 特性については各種規
った。デジタルシネマでの HDR について
をはじめとして各社独自の Log ガンマが乱
格化団体が独自の方式を提案しているが、
も同様に最高輝度を 100 カンデラ程度に
立している。放送用カメラの OETF 特性に
実用的にどの方式が定着するのかは予測が
まであげて HDR 対応としても、同一フレ
ついては欧州放送連合(EBU)が精力的に
難しいところがあり、まして撮影用カメラ
ーム内での白黒格子パターン投影時のイン
活動しており、12 ビットまでを視野にい
の OETF 特性については規格化よりは業界
トラフレームコントラストが 200 倍以上
れて反射輝度に対するビデオ信号出力特性
標準がどこに向かうのかが話題となってく
に保てなければ黒浮が発生し、画質的には
を正確に定義しようとしている。この放送
る。
“豊かな色表現が可能!!”等の広告宣
逆効果となってしまうことから、レンダリ
用 OETF 規格策定で注目されているのはス
伝キャッチフレーズに対して、現在の放送
ング時に HDR 効果が視認しやすいように、
ポーツ中継時の白飛びを防ぐスポーツ中継
が未だに色信号を間引いた色差信号形式を
撮影時の多重露光手段を考慮した映画制作
用 HDR 特性の定義である。日陰となって
採用していることに対する問題提起が ITU、
のほうが現実的であると言える。
いるグランドでプレイする選手をきちんと
EBU、ARIB 等では公然と行われていない
映像にしながら、日差しの入り込むスタン
が 12 ビットでの高画質映像を前提とし
同様に、テレビ放送向け HDR について
ドや空の高輝度領域も白飛びをおこさずに
た HDR 議論の中で色差信号から脱却して
もシーン毎でのメタデータによる LUT 書き
映像として撮影するための新規格であり、
RGB4:4:4 でのフルカラー放送に向け
換えもしくは入れ替えで HDR 対応とする
もっとも効果の出やすい領域であると言え
た規格化議論を開始すべきではと強く感じ
のか、HDR 対応部分の映像をアルファブレ
る。
ている。さらに、MPEG 等の既存画像圧縮
ンディングで合成するのかの選択について
シネマ用カメラのガンマに Log カーブを
技術は色差信号を前提にして輝度成分に色
は MPEG 等のコーディックが既存の映像
採用するには最低限のビット幅は 12 ビッ
情報を若干加えた Y’信号の強弱でしか画
ストリームと下位互換性を保ちながらどの
トである。8 ビット・10 ビットで Log カ
質劣化を判定していないために家庭用ディ
ように実現していくのかの課題がある。
ーブを採用したカメラでは映像表現として
スプレイが 12 ビット信号をハンドリング
最も HDR 対応で障壁が少ないのは次世
は階調再現性が損なわれると同時に色再現
可能となる時代が目前となっていることか
代ブルーレイである。対応プレイヤー内で
性も損なわれてしまうのでアマチュア向け
ら色相誤差を画像圧縮技術の優劣判断の最
のアルファブレンディングもしくは LUT
として割り切る必要があることは言うまで
優先課題とする新しい画像圧縮技術の開発
書き換えについても放送インフラとの親和
も無い。カメラ用 HDR での今後の課題は
に注力していただきたい。当然のことなが
性を考慮する必要が無く、HDR 対応シー
色再現性をどこまで担保できるかである。
ら非圧縮映像を家庭に届ける画像伝送方式
ンがあるブロックのみ拡張レイヤーを追加
圧縮形式でしか録画できないカメラを含め
の開発こそが最優先課題であることは言う
記録するのみでいいことから実現しやすい
て商業作品の撮影にどこまで耐えるカメラ
までも無い。この非圧縮画像伝送・映像配
と言える。ただし、ディスプレイ側への
なのかはテスト撮影時での画質検証を行っ
給はデジタルシネマが今後も生き残るため
HDR メタデータ送出が必要か否かについ
た関係者の責任であることを肝に銘じなく
にも必須の技術的課題でありノーベル賞候
ては問題があるが、デジタルシネマにおい
てはいけない。
補になりえる技術開発であると筆者は信じ
ても JPEG2000 の上位バージョンとして
一方で、映画撮影用 HDR カメラについ
ている。
HDR 対応拡張レイヤーを含む新バージョン
てどのように考えるのかはこれからの議論
が DCI2.0 で定義されればシネキャンバス
であるが、単板 CMOS による撮影が主力
基板などと同様に HDR 対応基板の追加実
となっていることからカメラヘッドに HDR
装、もしくはファームウェア更新で対応で
対応の拡張輝度信号出力回路を付加して 4:
きる可能性も残されている。
4:4:4 出力とする等の検討も行われてい
る。iPhone やデジカメでの静止画像では
Ichiro Kawakami
デジタル・ルック・ラボ
47
FDI・2015・10
Fly UP