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APS の設定

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APS の設定
C H A P T E R
14
APS の設定
自動保護スイッチング(APS)は、回線が故障した場合に、SONET(Synchronous Optional Network)
接続を別の回線に切り替えることを可能にする SONET ネットワークの保護メカニズムです。保護
インターフェイスは、実行インターフェイスのバックアップ インターフェイスとして機能します。
実行インターフェイスが故障すると、保護インターフェイスはただちにトラフィック負荷を引き継
ぎます。この章では、次の APS 機能について説明します。
•
MR-APS(p.14-1)
•
SR-APS(p.14-10)
MR-APS
Multirouter Automatic Protection Switching(MR-APS)機能によって、回線が故障した場合に、イン
ターフェイス接続を 1 つの回線から別の回線に切り替えることができます。ルータ故障、チャネル
信号の劣化または損失、手動介入が発生すると、インターフェイスが切り替わります。マルチルー
タ環境では、MR-APS 機能によって、SONET 保護インターフェイスを SONET 実行インターフェイ
スとは別のルータに常駐させることが可能です。
この機能に使用される保護メカニズムには、リニア 1+1 アーキテクチャ(Bellcore の
TR-TSY-000253、
『SONET Transport Systems; Common Generic Criteria』Section 5.3 に記述)がありま
す。この接続は、双方向、およびリバーティブまたは非リバーティブに設定できます。単一方向
MR-APS はサポートされていません。デフォルトは、双方向になります。スイッチング モードは、
接続の遠端でも同一である必要があります。
1+1 アーキテクチャでは、保護インターフェイス(回線)が各実行インターフェイスとペアになり
ます。通常は、保護インターフェイスと実行インターフェイスが Add/Drop Multiplexer(ADM;
add/drop マルチプレクサ)に接続され、同一の信号ペイロードが実行インターフェイスと保護イン
ターフェイスに送信されます。
図 14-1 は、MR-APS の設定を示します。この図では、実行回線と保護回線の終端が、異なる 2 つの
ルータに搭載された別々のラインカードとなります。MR-APS 設定におけるインターフェイスは、
SONET または SDH(Synchronous Digital Hierarchy)フレーミングのどちらかで設定できます。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
OL-2226-20-J
14-1
第 14 章
APS の設定
MR-APS
図 14-1
MR-APS の設定
ATM 2/0/0
A
ATM 1/0/0
ATM 1/0/0
SONET
ATM 3/0/0
95570
B
ADM
保護回線では、SONET フレームの Line Overhead(LOH)からの K1/K2 バイトが APS 接続の現在の
状態を示し、アクションの要求を伝達します。同期化を維持するために接続の終端間では、シグナ
リング チャネルが使用されます。
ルータを終端とする実行回線および保護回線自体は、実行回線および保護回線から引き離された、
独立通信チャネルを通じて同期化されます。図 14-1 では、この独立チャネルが異なる Asynchronous
Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)接続または低帯域幅の接続である可能性があります。
MR-APS 用に設定されたルータでは、保護インターフェイスの設定に、実行インターフェイスを持
つルータの IP アドレス(通常、ループバック アドレス)が含まれます。
この章では、次の MR-APS 機能について説明します。
•
MR-APS 機能の履歴(p.14-2)
•
MR-APS の制約事項(p.14-2)
•
MR-APS の設定作業(p.14-3)
•
MR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス(p.14-9)
MR-APS 機能の履歴
Cisco IOS リリース 説明
必要な PRE
12.0(23)SX
この機能が Cisco 10000 シリーズ ルータに導入されました。 PRE1
12.0(26)S
この機能が Cisco IOS Release 12.0(26)S に統合されました。 PRE1
12.3(7)XI2
12.2(28)SB
この機能が Cisco IOS Release 12.3(7)XI2 に統合されました。 PRE2
この機能が Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合されました。 PRE2
MR-APS の制約事項
Cisco IOS Releases 12.3(7)XI2 および 12.2(28)SB では、次のラインカードの MR-APS がサポートされ
ます。
•
4 ポート OC3/STM-1 ATM ラインカード
•
1 ポート OC-12 ATM ラインカード
•
1 ポート チャネライズド OC-12/STM-4 ラインカード
•
4 ポート チャネライズド OC-3/STM-1 ラインカード
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
14-2
OL-2226-20-J
第 14 章
APS の設定
MR-APS
Cisco IOS Release 12.0(26)S では、次のラインカードでも MR-APS がサポートされます。
•
6 ポート OC-3/STM-1 Packet over SONET ラインカード
•
1 ポート OC-12 Packet over SONET ラインカード
MR-APS の設定作業
MR-APS 機能を設定するには、次の作業を行います。
•
非チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定(p.14-3)
•
チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定(p.14-4)
•
スタティック ルートによる MR-APS の設定(p.14-5)
非チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定
非チャネライズド ライン カード上で MR-APS を設定するには、グローバル コンフィギュレーショ
ン モードを開始して、次のコマンドを入力します。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# redundancy
冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのライ
ンカードを冗長ペアとして関連付けることができます。
ステップ 2
Router(config-r)# associate slot
slot-one mr-aps
APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に関連
付けます。
MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行イン
ターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応する保護
インターフェイスに関連付ける必要があります。
ステップ 3
Router(config-r)# exit
冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレー
ション モードに戻ります。
ステップ 4
Router(config)# interface type number
インターフェイスのタイプと番号を指定します。インター
フェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 5
Router(config-if)# aps group
group-number
ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実行
インターフェイスをサポートできるようにします。
ステップ 6
Router(config-if)# aps working
circuit-number
インターフェイスを実行インターフェイスとして設定しま
す。
ステップ 7
Router(config-if)# exit
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了
し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻りま
す。
ステップ 8
2 番めのルータ上でステップ 1 ∼ 5 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット
番号、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 5 が完了したら、
ステップ 9 に進みます。
ステップ 9
Router(config-if)# aps protect
circuit-number ip-address
インターフェイスを保護インターフェイスとして設定しま
す。
ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータの IP
アドレスを指定します。
ステップ 10 Router(config-if)# exit
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了
し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻りま
す。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
OL-2226-20-J
14-3
第 14 章
APS の設定
MR-APS
チャネライズド ライン カード上での MR-APS の設定
チャネライズド ライン カード上で MR-APS を設定するには、グローバル コンフィギュレーション
モードを開始して、次のコマンドを入力します。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# redundancy
冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのライ
ンカードを冗長ペアとして関連付けることができます。
ステップ 2
Router(config-r)# associate slot
slot-one mr-aps
APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に関連
付けます。
MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行イン
ターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応する保護
インターフェイスに関連付ける必要があります。
ステップ 3
Router(config-r)# exit
冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレー
ション モードに戻ります。
ステップ 4
Router(config)# controller SONET
slot#/subslot#/port#
インターフェイスのタイプと番号を指定します。コント
ローラ設定モードを開始します。
ステップ 5
Router(config-controller)# aps group
group-number
ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実行
インターフェイスをサポートできるようにします。
ステップ 6
Router(config-controller)# aps working
circuit-number
インターフェイスを実行インターフェイスとして設定しま
す。
ステップ 7
Router(config-controller)# exit
コントローラ設定モードを終了し、グローバル コンフィ
ギュレーション モードに戻ります。
ステップ 8
2 番めのルータ上でステップ 1 ∼ 5 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット
番号、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 5 が完了したら、
ステップ 9 に進みます。
ステップ 9
Router(config-controller)# aps protect
circuit-number ip-address
インターフェイスを保護インターフェイスとして設定しま
す。
ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータの IP
アドレスを指定します。
ステップ 10 Router(config-controller)# exit
コントローラ設定モードを終了し、グローバル コンフィ
ギュレーション モードに戻ります。
例 14-1 は、ATM インターフェイス上の MR-APS の設定を示します。この例では、ルータ A に実行
インターフェイス、ルータ B に保護インターフェイスが設定されています。ルータ A 上の実行イ
ンターフェイスが使用できなくなると、自動的にルータ B 上の保護インターフェイスに接続が切り
替わります。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
14-4
OL-2226-20-J
第 14 章
APS の設定
MR-APS
例 14-1
MR-APS の設定
ルータ A(実行インターフェイス)
configure terminal
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.7 255.255.255.0
!
redundancy
associate slot 2 mr-aps
!
interface atm 2/0/0
aps group 1
aps working 1
ルータ B(保護インターフェイス)
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.6 255.255.255.0
!
redundancy
associate slot 3 mr-aps
!
interface atm 3/0/0
aps group 1
aps protect 1 10.7.7.7
スタティック ルートによる MR-APS の設定
スタティック ルートにより MR-APS を設定するには、次の手順を実行します。
•
非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定(p.14-5)
•
チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定(p.14-7)
非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定
MR-APS を非チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートにより設定するには、グロー
バル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します(任意)。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# redundancy
冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラ
インカードを冗長ペアとして関連付けることができま
す。
ステップ 2
Router(config-r)# associate slot slot-one
mr-aps
APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に
関連付けます。
MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行イ
ンターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応す
る保護インターフェイスに関連付ける必要があります。
ステップ 3
Router(config-r)# exit
冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュ
レーション モードに戻ります。
ステップ 4
Router(config)# ip route prefix mask
{ip-address | interface-type
interface-number [ip-address]} [distance]
[name] [permanent] [tag tag]
固定 IP アドレスを設定します。
APS を設定する場合、ルーティング パフォーマンスを
向上させるために、インターフェイスのオプションの IP
アドレスを指定することを推奨します。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
OL-2226-20-J
14-5
第 14 章
APS の設定
MR-APS
コマンド
目的
ステップ 5
Router(config)# interface type number
インターフェイスのタイプと番号を指定します。イン
ターフェイス コンフィギュレーション モードまたはコ
ントローラ設定モードを開始します。
ステップ 6
Router(config-if)# ip route static update
immediate
(任意)インターフェイスがアクティブになった直後に
スタティック ルートがルーティング テーブルに追加さ
れるように指定します。
ステップ 7
Router(config-if)# carrier-delay [seconds
| msec seconds]
秒単位またはミリ秒単位でキャリア遅延タイマー値を
設定します。
このコマンドを使用すると、リンクの停止をフィルタリ
ングし、キャリア遅延タイマーが切れる前に発生した場
合でもリンク ダウン イベントとして報告しないように
できます。MR-APS では、リンク ダウン イベント メッ
セージが最小限に保たれ、システム パフォーマンスを
強化できます。
ステップ 8
Router(config-if)# aps group group-number
ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実
行インターフェイスをサポートできるようにします。
ステップ 9
Router(config-if)# aps working
circuit-number
インターフェイスを実行インターフェイスとして設定
します。
ステップ 10 Router(config-if)# exit
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終
了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻
ります。
ステップ 11 2 番めのルータ上でステップ 1 ∼ 8 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット
番号、IP アドレス、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 8 が
完了したら、ステップ 12 に進みます。
ステップ 12 Router(config-if)# aps protect
circuit-number ip-address
インターフェイスを保護インターフェイスとして設定
します。
ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータ
の IP アドレスを指定します。
ステップ 13 Router(config-if)# exit
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終
了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻
ります。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
14-6
OL-2226-20-J
第 14 章
APS の設定
MR-APS
チャネライズド ライン カード上のスタティック ルートによる MR-APS の設定
MR-APS をチャネライズド ライン カード上のスタティック ルートにより設定するには、グローバ
ル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを入力します(任意)。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# redundancy
冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのラ
インカードを冗長ペアとして関連付けることができま
す。
ステップ 2
Router(config-r)# associate slot slot-one
mr-aps
APS プロセッサの冗長性に対してスロットを論理的に
関連付けます。
MR-APS を動作させるためには、最初のルータの実行イ
ンターフェイスのスロットを 2 番めのルータの対応す
る保護インターフェイスに関連付ける必要があります。
ステップ 3
Router(config-r)# exit
冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュ
レーション モードに戻ります。
ステップ 4
Router(config)# ip route prefix mask
{ip-address | interface-type
interface-number [ip-address]} [distance]
[name] [permanent] [tag tag]
固定 IP アドレスを設定します。
ステップ 5
Router(config)# controller SONET
slot#/subslot#/port#
インターフェイスのタイプと番号を指定します。コント
ローラ設定モードを開始します。
ステップ 6
Router(config-controller)# ip route static (任意)インターフェイスがアクティブになった直後に
update immediate
APS を設定する場合、ルーティング パフォーマンスを
向上させるために、インターフェイスのオプションの IP
アドレスを指定することを推奨します。
スタティック ルートがルーティング テーブルに追加さ
れるように指定します。
ステップ 7
Router(config-controller)# carrier-delay
[seconds | msec seconds]
秒単位またはミリ秒単位でキャリア遅延タイマー値を
設定します。
このコマンドを使用すると、リンクの停止をフィルタリ
ングし、キャリア遅延タイマーが切れる前に発生した場
合でもリンク ダウン イベントとして報告しないように
できます。MR-APS では、リンク ダウン イベント メッ
セージが最小限に保たれ、システム パフォーマンスを
強化できます。
ステップ 8
Router(config-controller)# aps group
group-number
ルータ上で複数の APS 保護インターフェイスおよび実
行インターフェイスをサポートできるようにします。
ステップ 9
Router(config-controller)# aps working
circuit-number
インターフェイスを実行インターフェイスとして設定
します。
ステップ 10 Router(config-controller)# exit
コントローラ設定モードを終了し、グローバル コン
フィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 11 2 番めのルータ上でステップ 1 ∼ 8 を繰り返し、保護インターフェイスを設定します。該当するスロット
番号、IP アドレス、インターフェイス タイプ、およびインターフェイス番号を代入します。ステップ 8 が
完了したら、ステップ 12 に進みます。
ステップ 12 Router(config-controller)# aps protect
circuit-number ip-address
インターフェイスを保護インターフェイスとして設定
します。
ip-address 引数は、実行インターフェイスを持つルータ
の IP アドレスを指定します。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
OL-2226-20-J
14-7
第 14 章
APS の設定
MR-APS
コマンド
目的
ステップ 13 Router(config-controller)# exit
コントローラ設定モードを終了し、グローバル コン
フィギュレーション モードに戻ります。
例 14-2 は、ATM インターフェイス上のスタティック ルートによる MR-APS の設定を示します。
ルータ A に実行インターフェイス、ルータ B に保護インターフェイスが設定されています。ルー
タ A 上の実行インターフェイスが使用できなくなると、自動的にルータ B 上の保護インターフェ
イスに接続が切り替わります。172.16.1.0 はトラフィックの宛先ネットワークのアドレスで、Peer
Group Protocol(PGP)リンクを介したルートは、MR-APS 実行インターフェイスより大きい距離メ
トリックの番号を持ちます。
例 14-2
スタティック ルートによる MR-APS の設定
ルータ A(実行インターフェイス)
configure terminal
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.7 255.255.255.0
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
redundancy
associate slot 2 mr-aps
!
interface atm 2/0/0
aps group 1
aps working 1
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 2/0/0 10
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 1/0/0 10.7.7.6 20
ルータ B(保護インターフェイス)
configure terminal
interface atm 1/0/0
ip address 10.7.7.6 255.255.255.0
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
redundancy
associate slot 3 mr-aps
!
interface atm 3/0/0
aps group 1
aps protect 1 10.7.7.7
ip route static update immediate
carrier-delay msec 8
!
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 3/0/0 10
ip route 172.16.1.0 255.255.255.0 atm 1/0/0 10.7.7.7 20
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
14-8
OL-2226-20-J
第 14 章
APS の設定
MR-APS
MR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス
MR-APS の設定を監視およびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次のコマンドのいずれか
1 つを入力します。
コマンド
目的
Router# show aps
APS が設定されたインターフェイスについて表示します。
Router# debug aps
APS に関連するデバッグ情報を表示します。
Router(config-if)# aps force circuit-number
(unchannelized line cards)
同等または高いプライオリティの要求が有効でない場合
は、手動で指定された回線を保護インターフェイスに切り
替えます。
または
Router(config-controller)# aps force circuit-number
(channelized line cards)
circuit-number は、保護インターフェイスに切り替える回線
番号です。
(注)
Router(config-if)# aps manual circuit-number
(unchannelized line cards)
保護チャネルがすでにアクティブなチャネルの場
合は、このコマンドは機能しません。
手動で回線を保護インターフェイスに切り替えます。
または
Router(config-controller)# aps manual
circuit-number (channelized line cards)
Router# aps lockout [POS | SONET]
slot#/subslot#/port#
注意
チャネルがアクティブ、現用、または保護状態に自動的に
切り替わらないようにします。
デバッグ出力は CPU プロセスで高優先順位に割り当てられているので、システムを使用不能な状
態にする可能性があります。そのため、特定の問題をトラブルシューティングする場合、またはシ
スコシステムズのテクニカル サポート担当者とのトラブルシューティング セッション時以外はデ
バッグ コマンドを使用しないようにしてください。また、ネットワーク トラフィックが低く、ユー
ザが少ないときにデバッグ コマンドを使用するのが最適です。このような時間にデバッグを行え
ば、デバッグ コマンドの増加したオーバーヘッド処理によってシステム利用に影響が及ぶ可能性
が軽減されます。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
OL-2226-20-J
14-9
第 14 章
APS の設定
SR-APS
SR-APS
Cisco 10000 シリーズ ルータは、OC-3 ATM、OC-12 ATM、OC-12 POS、6 ポート OC-3 POS、チャ
ネライズド OC-12、およびチャネライズド 4 ポート STM-1 ラインカードの SONET Single-router
Automatic Protection Switching(SR-APS)冗長性をサポートします。次のタイプの SR-APS がサポー
トされます。
•
シングル ポート付きラインカード(OC-12 POS など)の SR-APS 1+1 サポートはカード間で実
行されます。アクティブ回線が故障すると冗長回線に引き継がれます。
•
マルチ ポート付きラインカード(OC-3 POS など)の SR-APS 1:1 サポートはポート間で実行さ
れます。Performance Routing Engine(PRE)からアクティブ回線および冗長回線にデータが送
信されます。アクティブ ラインカードのポートが故障すると、冗長ラインカードの対応する
ポートに引き継がれます。複数のポート ライン カードは、ポート フェールオーバーに加えて
ラインカード フェールオーバーもサポートしています。実行カードが故障すると、保護カード
およびそのカード上のすべてのポートがアクティブになります。
スロットを関連付けると、ソフトウェアによって、奇数番号のスロットがその次の偶数番号のス
ロットに対応付けられます。
•
奇数番号のスロット ― プライマリ カードつまり現用カードを搭載します。
•
偶数番号のスロット ― セカンダリ カードつまり保護カードを搭載します。
図 14-2 に、Cisco 10008 シャーシの冗長スロット ペア構成を示します。
図 14-2
Cisco 10008 シリーズ ルータの冗長スロット ペア構成
FANS
OK
FAN
FAILURE
MULTIFAN
FAILURE
When hot CAUTION
removal swapping
this fan
be done and replaceme
tray,
system in under two nt must
shutdown
minu
will occutes or
r.
1
2
CISCO
10000
3
FA
CISCO
10000
4
IL
FA
CISCO
10000
0A
PROC
0B
ESSOR
ONLY
IL
FA
CISCO
10000
FA
IL
CISCO
10000
5
IL
CISCO
10000
6
CISCO
10000
FA
N
S
O
O
E
1
OT
SL
0
OT
SL
N
E
K
IT
R
AC
Y
N
E
E
S
O
LE
T
X
TIV
TH
1
OT
SL
0
OT
SL
LI
N
E
K
IT
R
Y
N
E
T
CA
CA
CA
IE
M
OP
R
AR
LO
AL
M
OP
R
RR
IE
AR
LO
AL
M
OP
R
RR
IE
AR
LO
M
OP
R
AL
RR
IE
AR
LO
CA
AL
RR
POWER
FAULT
MISWIR
E
TIV
TH
LI
N
X
AU
AC
8
CISCO
10000
IL
FA
C
LE
IL
FA
AU
IL
O
CISCO
10000
FA
IL
C
7
CISCO
10000
CA
RX
TX
RX
TX
R
IE
RR
CA
M
OP
R
R
IE
RR
CA
IE
AR
LO
AL
RR
M
OP
R
OC–12/STM–4 POS SM–IR
CH OC-12-DSO SM-IR
OC–12/STM–4 POS SM–IR
CH OC-12-DSO SM-IR
PERFORMANCE ROUTING ENGINE
S
TA
TU
S
FA
IL
C
R
IT
IC
A
M
L
A
JO
R
M
IN
O
R
CA
IE
FAULT
MISWIR
E
AC
O
AR
C
R
IT
IC
A
M
L
A
JO
R
M
IN
O
R
LO
AL
RR
AC
O
PERFORMANCE ROUTING ENGINE
CH OC-12-DSO SM-IR
CH OC-12-DSO SM-IR
CH OC-12-DSO SM-IR
CH OC-12-DSO SM-IR
POWER
S
TA
TU
S
FA
IL
38541
PROC
ESSOR
ONLY
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
14-10
OL-2226-20-J
第 14 章
APS の設定
SR-APS
(注)
Cisco 10005 シャーシで APS 冗長に使用できるのはスロット 1 と 2、およびスロット 3 と 4 だけで
す。スロット 5 には対応する次の偶数番号のスロットがないので、APS 冗長には使用できません。
この章では、次の SR-APS 機能について説明します。
•
SR-APS 機能の履歴(p.14-11)
•
SR-APS の設定(p.14-11)
•
SR-APS のディセーブル化(p.14-12)
•
SR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス(p.14-12)
•
threshold コマンド(p.14-14)
SR-APS 機能の履歴
Cisco IOS リリース 説明
必要な PRE
12.0(21)ST
この機能が Cisco 10000 シリーズ ルータに導入されました。 PRE1
12.2(13)BZ
この機能が Cisco IOS Release 12.2(13)S に統合されました。 PRE1
12.3(7)XI
この機能が Cisco IOS Release 12.3(7)XI に統合されました。
12.2(28)SB
この機能が Cisco IOS Release 12.2(28)SB に統合されました。 PRE2
PRE2
SR-APS の設定
SR-APS を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して、次のコマンドを
入力します。
コマンド
目的
ステップ 1
Router(config)# redundancy
冗長設定モードを開始します。このモードでは 2 つのライン
カードを冗長ペアとして関連付けることができます。
ステップ 2
Router(config-r)# associate slot
odd-slot even-slot
2 つのラインカードを冗長ペアとして関連付けます。
SR-APS を動作させるには、奇数番号のスロットに搭載したラ
インカードを冗長ペアの最初の番号に指定し、2 番めのライン
カードを右隣の偶数番号のスロットに搭載します。
ステップ 3
Router(config-r)# exit
(注)
冗長設定モードを終了し、グローバル コンフィギュレーショ
ン モードに戻ります。
冗長性を設定すると、ソフトウェアではこのペアを 1 つのスロットに搭載されているかのように処
理します。インターフェイス スロット番号は常に冗長ペアの奇数番号です。たとえば、スロット 5
と 6 に搭載した冗長ペアの場合、show interface pos 5/0/0 コマンドはアクティブ カードを表します
(アクティブ カードがスロット 6 に搭載されている場合も同様です)。
Cisco 10000 シリーズ ルータ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド
OL-2226-20-J
14-11
第 14 章
APS の設定
SR-APS
SR-APS のディセーブル化
SR-APS 冗長動作をディセーブルにするには、associate slot コマンドの no 形式を使用します。次に、
例を示します。
Router(config-r)# no associate slot 3 4
冗長構成がディセーブル化されると、ソフトウェアは次の方法で実行コンフィギュレーションを変
更します。
1. すべての SR-APS 構成情報を削除する。
2. プライマリ カード用と保護カード用の 2 つの構成を作成する。
表 14-1 に、冗長性がイネーブルの場合とディセーブルの場合のコンフィギュレーション ファイル
の例を示します。
表 14-1
コンフィギュレーション ファイル ― 冗長性がイネーブルの場合とディセーブルの場合
冗長性がイネーブルの場合
冗長性がディセーブルの場合
card 5/0 1oc12pos-1
card 6/0 1oc12pos-1
!
redundancy
associate slot 5 6
!
interface POS5/0/0
ip address 5.5.5.5 255.255.255.0
no ip directed-broadcast
ip mtu 1500
loopback internal
no keepalive
aps mode linear 1+1 nonreverting
unidirectional
aps signal-fail BER threshold 3
aps signal-degrade BER threshold 5
crc 32
clock source internal
pos scramble-atm
pos threshold sd-ber 5
pos flag c2 0
pos flag j0 0
card 5/0 1oc12pos-1
card 6/0 1oc12pos-1
!
interface POS5/0/0
ip address 5.5.5.5 255.255.255.0
no ip directed-broadcast
ip mtu 1500
loopback internal
no keepalive
crc 32
clock source internal
pos scramble-atm
pos threshold sd-ber 5
pos flag c2 0
pos flag j0 0
!
interface POS6/0/0
ip address 6.6.6.6 255.255.255.0
no ip directed-broadcast
ip mtu 1500
no ip route-cache cef
no keepalive
≡
SR-APS 設定のモニタリングおよびメンテナンス
SR-APS の設定を監視およびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次のコマンドのいずれか
を入力します。
コマンド
目的
Router# show aps
APS が設定されたスロットの状態を示します。
Router# aps clear [POS | SONET]
slot#/subslot#/port#
チャネルの SR-APS コマンドを消去し、自動 SR-APS スイッ
チングをイネーブルにします。
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14-12
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第 14 章
APS の設定
SR-APS
コマンド
目的
Router# aps force [POS | SONET]
slot#/subslot#/port# from [working | protection]
スイッチを現用チャネルから保護チャネルに、または保護
チャネルから現用チャネルに切り替えます。
from working ― スイッチを現用チャネルから保護チャネ
ルに切り替えます。
(注)
保護チャネルが現在アクティブなチャネルの場合
は、このコマンドは機能しません。
from protection ― スイッチを保護チャネルから現用チャネ
ルに切り替えます。
(注)
現用チャネルが現在アクティブなチャネルの場合
は、このコマンドは機能しません。
Router# aps lockout [POS | SONET]
slot#/subslot#/port#
チャネルがアクティブ、現用、または保護状態に自動的に
切り替わらないようにします。
Router# aps manual [POS | SONET]
slot#/subslot#/port# from [working | protection]
現用チャネルから保護チャネルに、または保護チャネルか
ら現用チャネルに手動で切り替えます。
from working ― 現用チャネルから保護チャネルに手動で
切り替えます。
(注)
保護チャネルが現在アクティブなチャネルの場合
は、このコマンドは機能しません。
from protection ― 保護チャネルから現用チャネルに手動で
切り替えます。
(注)
例 14-3
現用チャネルが現在アクティブなチャネルの場合
は、このコマンドは機能しません。
チャネルの SR-APS コマンドを消去
例 14-3 に、スロット 5 および 6 に搭載した冗長チャネライズド OC-12 POS カードの SR-APS コマ
ンドを消去する方法を示します。
Router# aps clear pos 5/0/0
例 14-4
SR-APS 切り替えの実行
例 14-4 に、スイッチを現用チャネルから保護チャネルに切り替える方法を示します。
Router# aps force POS 5/0/0 from working
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14-13
第 14 章
APS の設定
SR-APS
例 14-5
手動による SR-APS 切り替え
例 14-5 に、アクティブ チャネルを現用チャネルから保護チャネルに手動で切り替える方法を示し
ます。
Router# aps manual POS 5/0/0 from working
threshold コマンド
threshold コマンドを使用すると、カットオーバーを開始する基準を指定できます。さらに threshold
コマンドで設定した基準以外にも、Section Loss of Signal(SLOS; セクション信号損失)クリティカ
ル アラーム、Section Loss of Frame(SLOF; セクション フレーム損失)クリティカル アラームおよ
び Line Alarm Indicate Signal(LAIS; 回線アラーム検出信号)メジャー アラームによってもカット
オーバーは開始されます。
SR-APS 信号劣化 BER しきい値の指定
aps signal-degrade BER threshold コマンドを使用して Bit Error Rate(BER; ビット誤り率)しきい
値を変更します。このしきい値を超過した場合、APS カットオーバーが開始されます。
aps signal-degrade BER threshold value
[no] aps signal-degrade
value は 10-5 ∼ 10-9 です。この値には 5 ∼ 9 の整数を指定します。
デフォルトの信号劣化 BER しきい値は 10-6 です。
しきい値をデフォルトに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。
次の例では、しきい値が 10-8 に設定されています。
Router(config)# interface pos 8/0/0
Router(config-if)# aps signal-degrade BER threshold 8
SR-APS 信号障害 BER しきい値の指定
aps signal-fail BER threshold コマンドを使用して BER しきい値を変更します。このしきい値を超
過した場合、APS カットオーバーが開始されます。
aps signal-fail BER threshold value
[no] aps signal-degrade
value は 10-3 ∼ 10-5 です。この値には 3 ∼ 5 の整数を指定します。
デフォルトの信号障害 BER しきい値は 10-3 です。
しきい値をデフォルトに戻すには、このコマンドの no 形式を使用します。
次の例では、しきい値が 10-4 に設定されています。
Router(config)# interface pos 8/0/0
Router(config-if)# aps signal-fail BER threshold 4
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