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資料1−1
NEDO技術開発機構について
平成19年4月24日
NEDO技術開発機構
<目次>
1.NEDOの沿革
・・・・・P 2
2.独立行政法人化の効果
・・・・・P 3
3.我が国の科学技術開発体制におけるNEDOの位置付け
・・・・・P 5
4.NEDOの業務
・・・・・P 6
5.NEDOの業務運営の基本方針(その1)
・・・・・P 7
6.NEDOの業務運営の基本方針(その2)
・・・・・P 9
7.NEDOの成果
・・・・・P10
8.国民の理解を得るための「わかりやすい情報発信」の推進状況 ・・・・・P11
9.今後の取組の方向
・・・・・P12
1
1.NEDOの沿革
z NEDOは、第二次石油危機後の昭和55年度に、新エ →【参考資料P2】
ネルギーの開発を促進する特殊法人として設立された。
z その後、省エネルギー業務や、ほぼすべての産業技
術分野にわたる研究開発・技術開発関連業務の追加
が行われてきた。
z 他方、国の業務の整理合理化の中で、アルコール製 →【参考資料P3∼5】
造・販売業務、石炭合理化業務、石炭鉱害復旧業務な
どの広範な業務も抱えてきたところであるが、これらの
業務については、独立行政法人化を契機に廃止し、産
業技術一般及び環境・エネルギー技術の研究開発機
関としてほぼ純化したところ。(アメリカのNSF、NIH、 →【参考資料P6】
フランスのAII、ADEMEと似た機能)
z また、研究開発業務においても合理化を進め、研究基
盤施設整備に係る出資事業についても、平成17年度
末までに全5社の株式を処分し、事業を廃止した。
z さらに、「京都メカニズム・クレジット取得事業」が平成 →【参考資料P7】
18年度に追加された。
2
2.独立行政法人化の効果
z 平成11年に成立した独立行政法人通則法に基づく独立行政法
人化の最大の狙いは、従来の特殊法人の問題点を解消し、
① 業務の効率性・質の向上
② 法人の自律的業務運営の確保
③ 業務の透明性の確保
を図るための仕組みを導入すること。
z NEDOの独立行政法人化においても、このような政府全体の基
本的な方針の下に、
① 自律性・裁量性・専門性・機動性の最大限の活用
② 従来の個別プロジェクト別・単年度の補助金に代わる、より
広範・弾力的な使用が可能な運営費交付金制度の大幅な
導入
が行われた。これは、柔軟性・機動性が求められる研究開発業
務の実施においては、極めてふさわしいものである。
3
z具体的には、NEDOは、独立行政法人化に伴って、次の
ような事業遂行が可能となり、かつ、実施してきたところ。
①事業遂行上の自主性の向上を踏まえて、従来の、あらかじめ政府に
設定された個々具体的なプロジェクトについての単なる資金提供機
関から転換し、
9 具体的な研究開発プロジェクトの選定・フォーメーションの設定
9 研究開発プロジェクトの評価・管理
9 各研究開発プロジェクト間の相互連携の追求(例:材料プロジェクトと
デバイスプロジェクトのマッチング)
等の総合的な研究開発マネジメントを主体的に実施。
②運営費交付金制度の導入による予算執行制約の縮小に伴い、企業
等の実施者の立場に立脚した柔軟な仕組み(複数年度契約、年複
数回採択、プロジェクトの中止、加速化等)を導入。
③時宜を得たNEDO内組織の統廃合、意志決定プロセスの合理化等、→【参考資料P8】
柔軟な組織運営を実施。
例:エネルギー・環境技術本部の設置等
4
3.我が国の科学技術開発体制におけるNEDOの位置付け
政府の科学技術予算3.5兆円
文部科学省
2兆3121億円
経済産業省 5033億円
(NEDOの他、特許、原子力等を含む。)
ミッション1
技術による我が国の産業競争力の強化 (1493億円※ )
NEDO 2165億円
※
研究開発
大学・国研
基礎研究
技術シーズ
発掘のための
大学等への
研究助成
(59億円)
企業の
ナショナルプロジェクト
(中長期ハイリスク研究開発) 実用化
支援
(1253億円)
(168億円)
産業界
(12.7兆円のうち
商品化12兆円)
もっぱら製品化研究開発
ライフサイエンス、情報通信、ナノテク・材料、新製造 等
環境、省エネルギー、新エネルギー 等
実証
国際事業(68億円)
導入普及
※一部重複する事業
京都メカニズム
があるので合計は
クレジット取得事業(129億円)
一致しない。
ミッション2 技術による環境・エネルギー問題への対応(782億円※)
5
4.NEDOの業務
zNEDOは、固有の研究開発施設を保有せず、政府の基本的な政策の方針(科学技
術基本計画、経済成長戦略大綱、京都議定書目標達成計画、新・エネルギー国家戦
略等)に沿い、経済産業省の中期目標及び同省が認可した中期計画に基づいて、更
に、総合科学技術会議と常に密接に連携をとりながら、以下の具体的な事業を遂行
する機関である。
①ナショナルプロジェクト(中長期ハイリスク研究開発)
→【参考資料P9∼10】
9単独企業では取り組めない中長期・ハイリスクのテーマについて、産・学・官の総力を結集
し、最適な研究チームを構成して推進。
9ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、新製造等の技術
分野が、中期計画で定めた重点分野。
②企業の実用化開発の支援
9実用化に近い段階の技術開発への支援により即効的な経済活性化へ貢献。
9ただし、単なる個別企業への補助金ではなく、テーマの選定∼研究開発の実施に際して
成果の最大化に向けた研究内容の変更等のアドバイスを実施。
③技術シーズ発掘のための大学等への研究助成)
9産業界の要請を受けた、将来の産業応用につながる技術シーズの研究を助成。
④エネルギー実証事業等(国際事業を含む)
9省エネルギー・新エネルギー技術の開発と、実証試験、導入普及のための助成事業を積
極的に展開することにより、更なる省エネルギーと新エネルギーの利用拡大を推進。
⑤京都メカニズム・クレジット取得事業
9京都議定書の温室効果ガスの削減約束の達成に向けて、国内対策に最大限努力しても
なお生じる不足分について対応するため、国の委託に基づき京都メカニズム※を活用した
クレジットを取得。
※海外での排出削減量(クレジット)を自国の排出削減量として計上できる制度。
6
5.NEDOの業務運営の基本方針(その1)
∼成果を挙げるための取組∼
zNEDOはあくまでも現実的な産業、社会の要請に応えることを最大の狙い
としており、研究開発の社会的効用(雇用の創出、新産業の創出等)を意識
して、出口を見据えて研究開発を実施。
zただし、これは基礎研究を軽視するということではなく、必要に応じて基礎研
究まで遡って研究開発を実施。
例:燃料電池分野において、NEDOに設置したシニア・プログラム・マネージャー(前大学
学長)の統括の下で基礎研究レベルの材料メカニズム解析を実施。
①現場主義の徹底
9 日頃から産業界、学界等との徹底的な議論を行うとともに、定期的に「企業・大学インタ →【参考資料P11】
ビュー」を実施し、研究現場の最新のニーズを把握
②選択と集中
→【参考資料P12】
9 日本の産業競争力強化につながるテーマへの「選択と集中」
重点分野: 従来は産業技術全般 → 現在は重点4分野に集中
燃料電池分野: 従来は3種類の燃料電池 → 現在は固体高分子形燃料電池に集中
9 真に競争力ある企業のみによるフォーメーションへの「選択と集中」
半導体: 従来は大手5∼10社が横並びで参加 → 現在は実力ある1∼2社のみに限定
9 より新しいブレークスルーのある分野への「選択と集中」
太陽電池分野: 従来はシリコン結晶系 → 現在は非シリコン結晶系
超電導分野: 従来は多様な材料・多種の応用機器 → 現在はイットリウム系の線材に集中
7
③研究開発の効率化
→【参考資料P13】
9 ピアレビュー・審査などの審査体制整備⇒外部有識者の知見を最大限活用 (約5,000人)
9 『強い産業をさらに強く』⇒安易な業界横並び体制を排す
9 『世界のフロンティアとして大胆に取り組む』⇒日本オリジナルの技術で世界一を目指す
④厳格な評価制度の導入
→【参考資料P14∼15】
9 中間評価結果に基づき、当該プロジェクトの中止・縮小・加速・拡充など、臨機応変に対応
例: 15年度にフライホイール電力貯蔵用超電導軸受技術開発を中止、16年度に精密高分子技術を中
止
9 研究開発プロジェクト終了後の追跡調査・評価の結果得られた知見を蓄積し、その後のN
EDO全体の事業の改善に活用
⑤外部人材の積極的な登用
→【参考資料P16】
9 大学・産総研等の専門性を有する外部人材をプログラムマネージャー等として登用し、研
究開発マネジメントを高度化
⑥異分野・異業種連携の強化
→【参考資料P17】
9 垂直連携(例:材料−半導体−家電等)での異業種による研究チーム作り
9 省庁の垣根を越えた学際連携
例:厚生労働省とNEDOがそれぞれ同一テーマに資金を拠出し、医工連携チームによるガン対策を目
指す悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器開発
8
6.NEDOの業務運営の基本方針(その2)
∼「利用しやすい制度」への改善∼
z 複数年度契約の導入等柔軟な執行
9 従来は単年度ごとの契約が必要だったが、通常複数年度にわたって実施する研究開発事業の
実態に則して、運営費交付金を財源とする全事業を対象に「複数年度契約」を導入
・毎年度の契約・検査手続き等を大幅削減することにより研究開発への専念を促進。機器の
前倒し発注を可能としたほか、事業計画の前倒し・後倒し変更にも柔軟に対応
z 年間2回のテーマ公募・採択
9 従来は年間1回だったテーマ公募型研究開発助成事業の公募・採択について、原則年間2回
(春・秋)実施
z 経費算定方法の簡素化
9 従来は企業ごとに証拠書類を提出させて設定していた間接経費率について、証拠書類を不要
化
9 労務費の支払い時に証拠書類として求めていた労務日誌について、一部の事業で不要化
z 事前チェックから事後チェックへの転換(事務手続きの簡素化、迅速化)
9 契約時の書類の大幅削減、事務手続きの簡素化により、公募締切から採択決定までの期間を
短縮(特殊法人時2∼3ヶ月を約1.5ヶ月に短縮)。さらに毎年度実施者からのヒアリング等を
基に見直しを実施
9 概算払い手続きの簡素化・迅速化(特殊法人時約2ヶ月を約1ヶ月に短縮)
9 検査体制の整備(専門部署設置等)、適切な執行方法に関しての周知(マニュアルの充実、説
明会・個別指導の実施、ヘルプデスク設置等)
9 不正を行った事業者に対しては厳正な処分(補助金等交付停止期間を最大6年間)
z NEDO自らの効率化も推進
9 一般管理費の大幅削減(特殊法人比、15%削減達成の見込み)
9
7.NEDOの成果
z 中期計画に基づき、NEDOの研究開発事業の成果の指標とし
て設定されている論文数(期間中に1000本)、特許出願数(期
間中に国内5000件、海外1000件)等の目標については、ほ
ぼ達成する見込み。
z また、総合科学技術会議等が主催する産学官連携功労者表彰
において、NEDO事業の実施者が4年連続で大臣賞を受賞する
など、社会的にも高い評価を受けている。
z しかしながら、NEDOは産業・社会の現実的要請に役立つため
の機関であり、これらの数値目標などはNEDOの成果を適切に
示すものとは言い難い。
z この観点からして、NEDOの真の成果は、
9
9
9
9
太陽光発電技術による日本がトップシェアを誇る新産業創出
半導体製造技術による日米トップシェアの逆転
エネルギー分野の国家目標への貢献(省エネ目標の3割など)
二国間政府レベルのセミナーの主体的な運営(日中、日印等)
といった、現実の要請に応え、社会的・経済的にどれだけ寄与し
ているか、というもの。
z この他、NEDOの成果には、太陽光発電技術の成果が半導体
分野や液晶分野へ波及した例のように、当初想定していた直接
的な効果のみならず、他分野への波及効果もある。
→【参考資料P19∼21】
→【参考資料P22】
→【参考資料P23】
→【参考資料P24】
→【参考資料P25】
10
8.国民の理解を得るための「わかりやすい情報発信」の推進状況
z 技術関連の情報をわかりやすく発信する観点から、各種広報活
動を積極的に展開。
① 従来の専門誌から一般紙への情報発信の拡大
9「プレス懇談会」の定期的開催により、技術及び成果をわかりやすく説明
9研究現場で実際の成果物を見学しながらのプレス発表の実施
9わかりやすい研究成果をとりまとめたパンフレットを毎年発行
② 小・中学生に対する情報発信
9太陽電池工作コンクール、春休み地球環境アカデミー 、子供未来博など
小中学生向けの参加型イベントを積極的に開催
9修学旅行生の受け入れ等、学習の機会を積極的に提供
③ 各種展示等の充実
9「愛・地球博」に参加し、独立のNEDOパビリオン、新エネルギー実証プ
ラント、次世代ロボットなど、これまでの研究成果の実証試験を兼ねた展
示を実施
9科学技術館にNEDOブースを設け、最新の成果をわかりやすく展示
→【参考資料P26】
11
9.今後の取組の方向
z 独立行政法人の利点を活かし、以上に述べた取組をより一層推
進していきたい。このような取組を効率的・効果的に実施するた
めには、何よりも末端の職員一人一人までの意識の向上が極め
て重要であり、特にこの点に尽力していきたい。
z この他、今後の課題として、以下が挙げられる。
9 業務の効率化(電子化)
9 NEDOの成果の評価方法
9 政府の科学技術予算の増加傾向と、独立行政法人の一般通則に基づい
たNEDO予算の抑制方針とのギャップの問題
9 京都メカニズム・クレジット取得事業の遂行のために大幅な増加が必要と
見込まれる同事業に要する予算の、独立行政法人の一般通則に基づい
たNEDO予算の抑制方針における取扱いの問題
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