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プラチナ構想ネットワーク - プラチナ社会研究会
わがやの省エネコンテスト開会式 2010年12月18日(土曜日) 「プラチナ構想ネットワーク」 小宮山 宏 三菱総合研究所 理事長 東京大学 総長顧問 重要な視点1:人工物は飽和する 事例:世界各国の四輪乗用車保有台数(2007年) 日本 アメリカ イギリス 保有台数(百万台) 58 138 31 人口あたり保有台数(台) 0.45 0.45 0.51 フランス ドイツ 中国 インド 31 41 32 13 0.50 0.49 0.02 0.01 資料:社団法人自動車工業会、総務省統計局 日本における人工物の飽和 総住宅数と世帯数の推移(八百万軒の空き家) 70000 60000 総住宅数(千戸) 世帯数(千世帯) 50000 40000 30000 20000 10000 0 1958 1963 1968 1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 2015 資料:1958~2008:「平成20年住宅・土地統計調査(速報集計)概要」(総務省) 2015~2030:「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(2008年3月推計)」国立社会保障・人口問題研究所 2020 2025 2030 中国も2~10年で飽和へ 人口一人当たりセメント生産量 人口一人当たりセメント生産量[ton/人] 1.2 1.0 Japan China USA France 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 1900 1920 1940 1960 Year 1980 2000 セメント生産量:国連統計年鑑 人口:UNSD Demographic Statistics、 および国連統計年鑑より 2種類の需要が重要 普及型需要 →高度成長国へ向かい、飽和する ・今現にある商品 家、車、テレビ、新幹線、原子力発電所等 創造型需要 →内需を生み、雇用を創出する ・生まれつつある需要 →グリーン成長産業 高効率給湯器、LED照明、太陽電池等日本優位 ・これから生まれる需要 →シルバー成長産業 高齢社会に不可欠な製品群・・・ ビジョンを共有し、 「ものづくり力」と「文化力」を活かす 文責 小宮山 宏 ビジョン2050 エネルギー効率3倍 再生可能エネルギー2倍 物質循環システムの構築 地球温暖化、エネルギー、物質に関する人類の答 世界のビジョンで日本に有利 地球持続の技術、岩波新書、1999 重要な視点2:エネルギー効率 2050年自動車の効率は5~10倍に 0.2 米欧車 日本車 燃料消費量 [L/km] 0.15 0.1 0.05 ハイブリッド 原点 電気自動車・燃料電池車 0 0 500 Data Source:Yahoo! Japan Autos 1000 1500 車体重量 [kg] 2000 2500 出所:「課題先進国日本」P24 3000 セメントは技術移転で世界の効率改善 (MJ/t) 6,000 ー省エネは回収できる投資ー トン当たりの消費 5,000 US Denmark Belgium France Sweden Japan 4,000 3,000 2,000 理論値 1,000 0 1960 1970 1980 1990 年 Source: Japan Cement Association 出所:「課題先進国日本」P114 金属リサイクルは省エネルギーになる 還元と融解のエネルギーの比 鉄 27倍 アルミニウム 83倍 2050年、総体としてエネルギー効率3倍が妥当 文責 小宮山 宏 ビジョン2050のシナリオ (a) 現状 60 15 CO 2 3 6 9 p p m 非化石 化石 (b) 2050 (なりゆき) 22 0 15 CO 2 6 0 0 p p m (c) ビジョン2050 45 30 CO 2 4 6 0 p p m (d) 22世紀以降 CO 2 2 8 0 p p m ビジョン2050を達成すれば、その後は明るい 出所:「地球持続の技術」P161 途上国の生産は権利、効率は義務 Emission, G C-ton 20 17.5 15 10 5 5.0 なりゆき 5.8 1.7 2.5 2050 1997 0 1997 Developed Countries 先進国 80%削減 fossil 化石資源 2050 Developing Countries 途上国 効率は義務 non-fossil 非化石資源 先進国のエネルギー消費は省エネで減る 文責 小宮山宏 日本の戦略は明確 ものづくり オフィス ものづくり 家 庭 ものづくり 日々のくらし 日々のくらし 「日々のくらしで削減、高効率ものづくりでリード」 輸送 輸送エネルギーの理論値はゼロ Ⓒ 小宮山 宏 家庭部門用途別エネルギー消費割合 照明 10% 冷暖房 28% オフィスでの消費 冷暖房50% 、照明20% 動力他 24% 厨房 8% 給湯 30% 冷暖房の理論エネルギーはゼロ エネルギー・経済統計要覧2009年版より 給湯エネルギーは8割減 ヒートポンプ 電気×4= 200% 瞬間湯沸かし器 蓄熱型 燃料電池 80% 40% 36% + 50% 火力発電 42%→36% 給湯CO2 ゼロ 日本発巨大な新市場の創出 文責 小宮山 宏 省エネは回収できる投資:負担論は変だろう 1991年製 16240 1997年製 1991年製 946.2 1997年製 10384 680 2000年製 2000年製 44 7 5258 2004年製 2004年製 616 236 2005年製 0 5000 10000 15000 20000 208 0 200 2005年製との電気代差額(円) 400 600 800 1000 消費電力(kWh) 図. 年間電気代の差額 図. 冷蔵庫の消費電力推移 1991年製の冷蔵庫を2005年製→6年で回収 1995年製 1995年製 13794 1996年製 1997年製 919 2006年製 882 2007年製 374 0 945 2005年製 1188 2006年製 963 2004年製 1760 2005年製 947 2003年製 2156 2004年製 990 2002年製 1804 2003年製 1017 2001年製 2750 2002年製 1068 2000年製 3344 2001年製 1159 1999年製 4466 2000年製 1201 1998年製 6468 1999年製 1302 1997年製 7392 1998年製 1492 1996年製 9614 2000 4000 6000 8000 10000 12000 2007年製との電気代差額(円) 図. 年間電気代の差額 14000 16000 865 0 200 400 600 800 1000 消費電力(kWh) 1200 1400 1600 図. エアコンの消費電力推移 (出展)財団法人省エネルギーセンター 1995年製のエアコンを2006年製→7年で回収 小宮山エコハウス:技術的には簡単 ! ヒートポンプ給湯: COP=4 高断熱: K=1.6 W/m2K エアコン新設 冷蔵庫・照明新設 ハイブリッド自動車:22.6km/l 太陽電池: 3.6 kW 家庭と輸送で81%削減 12年で投資回収 Ⓒ 小宮山 宏 25%削減はできる:チーム小宮山案 日 々 の く ら し 住宅/オフィス エネルギーマネジメントの見える化、多くの新築 をエコ化、省エネリフォームの推進 輸送 エコカーへの早期移行、移動手段・物流手段の変 更 6 ものづくり 産業界の更なる省エネ化 3 3 発電・送電 原子力発電稼働率改善、バイオマス、家庭電源高 圧化 5 5 農業 農作物の植物病被害低減ならびに耕作放棄地・余 剰農地における堆肥・緑肥生産 1 6 12 5 森林 適正に手入れされている森林の確保 4 CDM 鉄鋼、セメント、紙パルプ、発電、鉄道、原子力 発電 5 5 30% 30% 合計 Ⓒ 小宮山 宏 2050年日本のビジョン:自給率 エネルギー 70% 資源 70% 食料 70% 水 100% 「資源の輸入国」から「21世紀のモデル」へ 文責 小宮山 宏 Japan’s experience with Kitakyusyu Source:Japan as a forerunner for addressing emerging problems in the world P27 昭和42年の隅田川 環境省 図で見る環境白書 昭和57年 http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/zu/eav11/eav110000000000.html 現在の隅田川 東京屋形船案内 http://www.t-yakata.com/tyh_dkship.htm 環境と経済を両立させた国 Mt Fuji and Metropolis of Tokyo Genkai nuclear power plant Source: Nikkei Inc. 東京電力ホームページより作成 http://www.tepco.co.jp/csr/report/download/2006/015-j.pdf) http://www.tepco.co.jp/custom/LapLearn/mission/env_02-j.html) Emission of Sulfur Oxides from Thermal Power Plants 4.8 アメリカ U.S. 3.7 1999年 3.2 U.K. イギリス 2002年 2.6 1.2 Germany ドイツ 0.7 7.1 France フランス 2.0 2.7 Italy イタリア 1.7 4.0 3.9 Canada カナダ 0.2 0.2 日 本 Japan 0 1 2 3 4 5 6 発電量当たりのSOx発生量 SOx (kg/kwh) [g/kWh] Data Source: Tokyo Electric Power Company, web-site 火力発電所からの硫黄酸化物排出原単位の国際比較 7 8 22 21世紀のパラダイム 有限の地球 20th Century 21st Century 無限の地球 •気候変動 •資源枯渇 •汚染 •食糧・水… 高齢化する社会 •長寿 •少子化 •飽和需要 •年金 •医療 •介護 •ワークシェアリング •バリアフリー … http://www.ipss.go.jp/syoushika/seisaku/html/111a2.htm 爆発する知識 2000 1900 O2 Sunlight CO2 Chlorophyll H 2O H 2O Carbohydrate CO2 光合成 出所:「課題先進国日本」P134 機能的健康度の変化パターン -全国高齢者20年の追跡調査ー 男性 自立 3 Resilient (10.9%) 健康維持 (11%) 手段的日常 生活動作に 2 援助が必要 比較的若くに死亡 Early Decline (19.0%) (19%) 徐々に健康悪化 Graduate Decline (70%) (70.1%) 基本的&手 段的日常生 1 活動作に援 助が必要 死亡 0 63-65 66-68 69-71 72-74 75-77 78-80 81-83 84-86 87-89 年齢 出典) 秋山弘子 長寿時代の科学と社会の構想 『科学』 岩波書店, 2010 シルバーイノベーション 知識産業、教育産業 快適ハウス、バリアフリー オンディマンドバス、歩行者天国 支援ロボット、再生医療 文責 小宮山 宏 世界をリードする国はどこだろう? ローマ、唐、ベニス、フランス、イギリス、アメリカ 人工物は飽和する 人を惹きつける町 学びに行きたい町、旅したい町、住みたい町 文責 小宮山 宏 ビジョンはプラチナ社会 エコロジカルで 高齢者が参加し 人が成長し続け 雇用がある社会 グリーン・シルバー・ゴールドに燦然と輝く 持続可能社会 文責 小宮山 宏 国家モデルの転換が必要 「坂の上の雲」の時代:途上国モデル→所得倍増計画 国が主導して、産業を導入すれば、 GDPが増えて、市民の暮らしがよくなる 「雲に入ったら霧」:先進国モデル:→プラチナ構想 市民主導で、暮らしをよくしようとすれば、 新産業が興り、GDPが増え国も強くなる プラチナ構想ネットワークがスタート! 文責 小宮山 宏 運動体としてのプラチナ構想ネットワーク 秋田県 北九州市 横浜市 茨城県 柏市 青森県・青森市 都市のネットワーク 福岡県 秋田県立大学 弘前大学・北日本 新エネルギー研 究センター 宮城県 アジア低炭素化 センター MRIプラチナ 社会研究会 JST低炭素社会 戦略センター 和歌山県 江戸川区 茨城大学 東京大学 ICAS 柏キャンパス 大学のネットワーク SSC FDC FC 姉妹都市のネットワーク Ⓒ 小宮山 宏 プラチナ構想ネットワーク 自治体会員 入会状況<2010年12月15日現在> 東京23区 知事が入会(or入会前向き)の都道府県 Ⓒ 小宮山 宏 市町村長のみ入会(or入会前向き)の都道府県 プラチナ・アクション・プログラム事例(1) ○省エネ機器の大量発注(エコ×経済) =(HEMS規格統一)×(大量生産) =(省エネ冷蔵庫大量購入)×(無償貸与) ○ビニールハウスに太陽電池(エコ×農業) =(薄型軽量太陽電池開発)×(ハウスに設置)×(自家発電) ○間伐材の伐採・輸送の効率化(エコ×林業) =(間伐材輸送用トラクター開発)×(大量生産) ○農業効率化とバイオマスの統合(農業×エコ) =(高収量米栽培)×(米粉製品開発・販売)×(稲わら混焼) ○太陽光発電のレンタル産業化(エコ×経済) =(太陽電池レンタル業)×(地元融資)×(保険システム) ○自然と一体化した地域での社会実験(エコ×農業×観光) =(エコ住宅整備)×(タンチョウ鶴)×(牧場)×(ヨード温泉) ○高効率農業(農業×経済) =(GPS端末配布)×(データ収集)×(経営分析) 文責 小宮山 宏 プラチナ・アクション・プログラム事例(2) ○住宅改善と健康関連データ活用(エコ×高齢化) =(エコ住宅整備)×(健康診断、レセプト、介護データ統合) ×(会員制導入) ○ゼロエミッションスクール(エコ×教育×雇用) =(校舎のエコ化)×(見える化)×(技術者養成) ○中央ヘルスバレー構想(高齢化×雇用×経済) =(遠隔医療ネットワーク)×(最先端医療技術)×(国際会議) ×(高速輸送機関整備) ○オンデマンドバス全国展開(高齢化×経済×雇用) =(IT活用による移動手段確保)×(路線バス廃止) ×(ゴールデンルートの整備) ○特徴的な地域おこし(エコ×農業×教育×芸術) =(土着菌による無臭化)×(焼酎づくり)×(故郷創世塾) ×(芸術家招請) 文責 小宮山 宏 プラチナ構想ネットワーク事務局 URL:www.platinum-network.jp E-mail:[email protected]