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モバイル壁
Case study AGC 旭硝子が、全社ポータルを刷新し 世界50,000ユーザーを結ぶ コラボレーション基盤を構築 HPコンサルティングサービスが、Microsoft SharePoint 2013の導入と 災害対策システムの構築・運用を全面的に支援 業界 製造 目的 日本・アジア圏を中心に 50,000 ユーザーが活用する 「全社ポータル」の刷新。コラボレーション機能と文 書 管 理機能を統合し、組 織や国境を越えた知識・情 報の共有を促 進して“オール AGC ”としての競争力を 高める。同時に DR システムを構築し災害に備える。 アプローチ Microsoft SharePoint 2007から同2013に移行し、SNS 機能、スマートデバイス対応、セキュリティ機能を活 用。セールス部門を中心に1,300 台のスマートフォンを 配布し、時間と場所を選ばないコミュニケーションと、 より生産性の高いワークスタイルの実現を目指す。 ITの効果 ・国内実績のなかった Microsoft SharePoint 2013 の採 用に際して、HP コンサルティングサービスが導入・移 行・運用まで全面的に支援 ・最新バージョン導入時の特有の課題に対して HP がノ ウハウを提供 ・HP が課題の抽出・分類をリードし着実な解決を実行 ・数百件 の 課 題に対し、AGC− HP −マイクロソフトが チームとして目標を共有し迅速な解決を実現 ビジネスの効果 ・SNS /モバイル機能を活用し組織の壁を越えたコラ ボレーションを推進可能に ・DR システム構築により災害に際してビジネスへの影 響を最小化 ・スマートデバイスからの時間と場所を選ばないアクセ スとセキュリティを両立 「HPには、山積する課題に対して、逃げることなく最後まで粘り 強く取り組んでもらえたと思います。プロジェクトを通じて、HP のチームには、技術力、解決力に加え“やり遂げる意思”を改め て強く感じました」 −旭硝子株式会社 グローバル ITリーダー 情報システムセンター長 神庭 基氏 知識と情報の結合を促進して競争力を高める AGC 旭硝子が「全社ポータル」を刷新し、組織の壁を越えたコラ ボレーションを加速させている。全社の知識と情 報の結合を促 としての 競 争力を高め ることが 狙いだ。日 進して、 “オール AGC ” 本・アジア圏で 16,000 ユーザー、北米および欧 州圏を加えると 合計 50,000 ユーザーが接続するポータルには、最新の Microsoft SharePoint 2013 を採 用。HP のコン サル ティングサービ スは、 山 積する課題の解決をリードしながらプロジェクトを全面的に 支援した。 Case study | 旭硝子株式会社 旭硝子株式会社 グローバル ITリーダー 情報システムセンター長 神庭 基 氏 旭硝子株式会社 情報システムセンター グローバル IT企画グループ プロフェッショナル (IT 基盤、IT 運用技術) 三堀 眞美 氏 旭硝子株式会社 情報システムセンター OA・ネットワークグループ 主席 浅沼 勉 氏 チャレンジ ① SharePoint 2013 の 機 能 に より 組 織 の 壁 を越えたコラボレーションを推進すること グローバル競争を勝ち抜くために総力を結集 ② SharePoint 2007 の デ ー タ を 継 承し 最 新 30 日間にわたる熱戦を繰り広げた「 2014 FIFA バージョンの 2013 環境で活用可能にすること ワールドカップ」―― 開催国であるブラジルの ③ド キュメント・知 財 管 理 にお けるセキュリ 12 会 場に設 置された競技者用ベンチには、圧 ティを強化すること 倒的な透 明 性と耐 衝撃 性、耐傷 性を 備えた化 ④災害時の事業継続を可能にするデータ保護 学強化ガラス「 Dragontrail X」が採用された。 の仕組みを確立すること 提供したのは AGC 旭硝子(以下、AGC)である。 「組織横断的にコミュニケーションを活発化さ 「 私たちは、素材型の BtoB 企業として初めて、 せる、という目標が第一にあります。これをさら ワールドカップブラジル大 会 への AGC 製品の に進めて『もっと広く技術情報を共有し、新商 提 供に関するブランドライセンス契 約を締 結 品を共同開発し、マーケティングでも連携しよ しました。2013 年 10 月に は、AGC ガ ラス・ブ う』 『オール AGC でもっと多くのビジネスチャ ラジル社の 操 業を開始しています。これらは、 ンスを 獲 得しよう』というような コラボレ ー 成 長 戦 略 のひとつである『 第 2 のグローバリ ションを加速させたいと考えています」と神庭 ゼーション』を象徴する事例と言えるでしょう」 氏は話す。 とグ ロ ーバ ル IT リー ダー 情 報 システムセン AGC では、たとえば大手顧客に対して、板ガラ ター長の神庭基氏は語る。 ス事業部門、ディスプレイ事業部門、化学品事 1907 年に創業し、100 年を超える革新と挑戦 業部門など、各事 業部門が多様な商品を提 供 の歴 史の中で、AGC はガラス・化 学・セラミッ しており、クロスセルのチャンスも少なくない。 クスのコア技 術を確 立させた。そして、それぞ 一方、セールスやエンジニアに求められる製品 れの 技 術 を 融 合 さ せ た 新 材 料や 新 製 品 の 開 や技 術 の 情 報・知 識 は膨 大 な量になる。チー 発、新市場の開拓、世界の新興市場への展開を ムとしての連携強化は不可欠だ。 加速させている。 「だからこそ、実 効 性の高いコラボレーション 「世 界規 模 でコミュニケーション基 盤 を 統 合 基盤が必要でした。自由なコラボレーション環 す るプ ロ ジ ェクト(Global Communication 境は新たな発想を生み出す場ともなります。情 Enhancement Project:GCEP)に 取 り 組 み、 報と知識と人を結びつけて、新たなビジネス価 2012 年 11 月にこれを完了させました。このイ 値 を 生 み 出す。そ のため の SharePoint 2013 ンフラ上で情報や知識を結合させ、マネージメ への移行です」 (神庭氏) ントやワークスタイルを 変 革していくことが 神庭氏らが着目した 1 つは、SharePoint 2013 現在の大きなテーマです」 (神庭氏) が 備える“ SNS 機 能 ”である。これを 利 用すれ 背景には、社会インフラやスマートシティに代 ば、企業内ポータルにソーシャルネットワーキ 表される事業部門を超えたビジネス領域の広 ング サービ スを 実 装 で きる。プ ロジェクト 専 がりがある。AGC を 全 社レベルでの 変 革へと 用のコミュニティサイトを立ち上げるだけで、 突き動かすのは、 「グローバル競争を勝ち抜く ニュースフィード上で情報共有やメッセージ交 ために“オール AGC ”の総力を結集する必要が 換が容易に行える。PC だけでなく、スマートフォ ある」 (神庭氏)との強い意思だ。 ンから社外でも利用できることがポイントだ。 「 2009 年 から、SharePoint 2007 を 文 書 管 理 「 業 務システム から 参 照 で きるようなデ ー タ システムとして利用してきました。段階的にこ と、外に出なければわからない今起こっている れ に 機 能 集 約 を 進 めて、2012 年 の 後 半 には 変 化―― 情 報というのはその両方あるわけで “全社ポータル”へ格上げしました。単なるリン す。社 内 SNS には、ひらめきやアイディアを 結 ク集ではなく、コラボレーション基盤という位 びつけて有益な情報にまで高めるポテンシャ 置付けです」と説 明するのは、情 報システムセ ルがあると思っています」と、移行プロジェクト ンター グローバル IT 企画グループの三堀眞美 をリードした情 報システムセンター OA・ネッ 氏である。 トワークグル ープ 主 席の 浅 沼 勉 氏は言う。移 行プロジェクトがスタートしたのは、2013 年 3 月 2014 年 2 月、AGC は次の計画を実行に移した。 である。 全 社 ポ ー タル の SharePoint 2013 へ の バー ジョンアップである。 全社ポータルを SharePoint 2007 から 同 2013 へ移行 AGC の 全 社 ポー タル は、日 本・アジ ア 圏 で 約 16,000 ユーザーが活用している。北 米と欧 州 の拠 点を加えると、合計約 50,000 ユーザーが 接 続 可能な 環 境である。SharePoint 2013 へ の移行に際して、AGC 情報システムセンターは 4 つの方針を掲げた。 2 ソリューション SharePoint 2013 への移行に立ちはだかった 数百の課題 AGC が SharePoint 2013 移行のパートナーに選 んだのは、HP コン サル ティングサービスであ る。HP は、従 来から「GCEP」の推進パートナー として中心 的な役 割を果たしてきた。また、認 証/メール/クライアント管理/セキュリティ など、AGC の情報系システムの構築・運用にも 深く関わっている。 Case study | 旭硝子株式会社 AGCグループ 50,000ユーザー (日本・アジア圏で16,000ユーザー) デスクトップ モバイル スマートフォン SharePoint 2013 Active Directory Exchange 2013 ポータル/ 文書管理/ SNS/RMS 統合認証基盤 メール 日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクノロジーコンサルティング事業統括 製造・流通サービス事業本部 第十部 吉川 由 氏 DRシステム 災害対策 日本・アジア共通基盤 (GCEP:Global Communication Enhancement Projectにて整備) 統合運用・保守サービス System Center 2012 日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクノロジーコンサルティング事業統括 製造・流通サービス事業本部 第十部 関口 豪 氏 日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクノロジーコンサルティング事業統括 プリセールス本部 モビリティソリューション部 コンサルタント 日向 直人 氏 「 当 時、SharePoint 2013 は 国 内 で の 導 入 例 「毎日数件 の課 題 が発 生するような 状 態 が 続 がほとんど なく、2007 から 2013 へ の 移 行 実 き まし た。こ れ ま で の SharePoint 環 境 の 構 績は皆 無でした。2013 ではユーザーインター 築・運用経 験から得たノウハウを活かして、解 フェースも大きく変わりましたので、2007 から 決 の 突 破口をつくることが 私 たちのミッショ データを引き継ぐにあたって問題が発 生する ンと捉えて取り組みました」と同事業本部の関 であろうことは予測していました。だからこそ、 口豪氏は言う。 SharePoint に 精 通 し た HP の 協 力 が 不 可 欠 吉川氏ら HP のプロジェクトメンバーは、数百件 だったのです」と浅沼氏は振り返る。 に及ぶ課題をインフラ、アプリケーション機能、 HP とマイクロソフトは長年にわたりグローバ 画面レイアウトという 3 つのカテゴリーに分類 ルレベルでの緊 密な 協 調 関 係 を築 いてきた。 し、それぞれの関連性を含めて可視化。過去の 実 際にこの 強 固なアライアンスは、移 行 中に 実績で有効だった解決手順を示すなど、一手先 明 らか に なった 問 題 を 解 決 する 上で 大 き な を見据えた動きで浅沼氏をサポートした。 力となった。だが、山 積する課 題を抽出・分 類 し、優 先順位を付けて解決をリードしたのは、 「 課 題 解決を開 発 元に任せているだけでは時 SharePoint の深い知識を持った HP のコンサ 間が 経 過するばかりです。HP のコンサルタン トは、豊富 な知 見と過 去 の 事例に照らして 不 ルタントだった。 具合 の原 因を 予 測し、先 手 を打って解 決 の 道 「SharePoint 2007 から引き 継 いだデータを 筋を描いてくれました」と浅沼氏は振り返る。 SharePoint 2013 で 表 示 さ せ た 際 に、多くの サイトにお いて 画 面レイアウトが大きく崩れ AGC − HP −マイク ロ ソ フト が 課 題 を タイム る現 象 が 発 生しました。製 品 上の 不 具合の 場 リーに共有し、並行して解決に取り組んだこと 合、原則、開発元の対応を待たなければなりま で、移行スケジュールへの影響は最小限となっ せんが、問 題 がどのような 条 件下 で 発 生する た。 のか、再現性はあるのか、設 定値によって現 象 から提 示され がどう変 わるのか、といった 情 報を 体 系 的に 「初 期 段 階 で 整理してタイムリーにマイクロソフト社と共有 た移行スケジュールには説得力 することで、解決をスピードアップさせました」 がありました。必要な作業工数 と、日本 HP テクノロジーコン サル ティング 事 予見される課 題と 業統括 製造・流通サービス事業本部の吉川由 だけでなく、 氏は話す。 その解決を見 通した 緻 密な 計 HP 算がなされていたのです。今回 のプロジェクトを 通じて、製 品 に対する深い理解があってこそ これ が 可能 なのだと実 感しま した」ー浅沼氏 3 Case study | 旭硝子株式会社 ソリューション 概略 検討支援サービス ・HP UC&C(Unified Communication & Collaboration)オフィスツアー 導入サービス ・情報共有基盤設計構築サービス 導入ソフトウェア ・Microsoft SharePoint Server 2013 ・Microsoft Windows Server 2012 ・Microsoft SQL Server 2012 ・Microsoft System Center 2012 ・Microsoft Active Directory Rights Management サービス 災害対策システムを構築し ビジネス継続性を確保 SharePoint 2013 への移 行と並行してスマー トフォンの導入も進められた。社外での滞在時 間の長いセールス、セールスエンジニアを中心 に、約 1,300 ユーザーがスマートフォンから全 社ポータルへアクセス可能になる計画だ。 ベネフィット 知識と情報を結びつけ、 新たな価値を創造 2014 年 2 月、SharePoint 2013 による全社ポー タルの運用が始まった。導入から 4 か月が経過 したが、この間、情報システムセンター主導で社 員 600 人へ のトレーニングが 実 施されたとい う。早くも変化が表れ始めた。 「スマートフォンでの利用を前提にクライアン トセキュリティの強化を図りました。具体的に は、ファイルを暗号化して参照や編集・印刷を 「いくつかの部門で独自サイトが立ち上がり、情 権 限 のある 社 員に制 限するとともに、いつ誰 報共有や意見交換に SNS 機能を使い始めてい が操作や編集を行ったか履歴を管理できるよ ます。部門横断的な活用も見受けられ、まさに うにしています」と日本 HP テクノロジーコンサ 狙い通りと思っています。ユニークなのは、会議 ルティング事業統括 プリセールス本部 モビリ を終えた後にニュースフィード上で議論が継続 されるようなシーンです。オンライン上で建 設 ティソリューション部 日向直人氏は話す。 的な議論が進んで、翌週の会議を待たずに解決 SharePoint 2013 の Information の方向性が見えてくるような例もありました」 これらの機能は、 Rights Management(IRM)と Active Directory (浅沼氏) ベースの ID 管理システムによって実装された。 暗 号 化 さ れ たファイル は、別 の デバイスにコ 知 識と情 報を 結びつけ、新たな価 値を創 造す ピーしたり、メールを転送しても権限のない第 る―― 全社ポータルを活用した AGC の新しい チャレンジが始まった。 コラボレーションの成果 三者は参照できない。 が“オール AGC”として発揮されたとき、AGC は 「さらに、災害への備えとして DR システムを構 次の成長のステージに立つことになるだろう。 築しました。全社の主要な文書が管理され、日 本・アジア圏だけで 16,000 ユーザーが毎日の 「アイディアはある、だが会 議で 発 表するほど 業務に活用するシステムです。データ保護とビ のことでもない、それならフィードに書き込ん ジネス継 続 性の 確 保は喫 緊の課 題でした」と で意 見を聞こう――こうした流 れで議 論 が 交 わされているのを見ると、新しい可能性を感じ 三堀氏は話す。 ます。創 造 的 な 意 見を出しやすくなって、それ 本 DR システムにおいては、本番サイト− DR サ が実現に向けて素早く動き出すような組 織や イト間で確実にデータを同期させること、被災 仕組みに変えていかねばなりません。そのよう 時にシンプルな手順 で 切り替えを行えること な“文化”に変えなければと考えています」と神 が重視された。 庭氏は言う。 「 SQL Server のログシッピング を 利 用し、DR そして神庭 氏は、プロジェクトを振り返って次 システムにデータベースの 複 製を 作成する方 のように語った。 法を採用しました。これにより、15 分前の状態 までデータを戻して復旧させることが 可能で 「 HP には、山積する課題に対して、逃げることな く最後まで粘り強く取り組んでもらえたと思い す」(三堀氏) ます。たとえ製品の仕様に起因する問題であっ ても、きっちり受け止めて解決 方法を提示して くれました。プロジェクトを通じて、HP のチー ムには、技術力、解決力に加え “やり遂げる意思” を改めて強く感じました」 詳しい情報 HP コンサルティングについてはこちら www.hp.com/jp/services メールニュース配信登録 http://hp.com/go/getconnectedjp 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 記載事項は2014 年 8月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、 閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。 © Copyright 2014 Hewlett-Packard Development Company,L.P. 日本ヒューレット・パッカード株式会社 〒136-8711 東京都江東区大島2丁目2 番 1号 CSO13612-01 2014 年 8月