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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する

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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
このホワイトペーパーでは、多数のラップトップ PC やデスクトップ PC の管理を担当する、各業界の IT
関連の意思決定者および実務担当者を対象に、以下の項目について説明します。

等価年間コスト分析に基づいた、最適な PC リフレッシュレート用の総所有コスト (TCO) 評価フ
レームワーク。 このフレームワークでは、PC の取得、管理、保証に関わるコストを検討対象に
します。

インテル® vPro™ テクノロジでもたらされる、更なる TCO 削減機会の分析、およびこれらのメリ
ットを定量化するためのフレームワーク。
PC リフレッシュレートの最適化およびインテル vPro テクノロジによってもたらされる省電力効
果の調査。

このホワイトペーパーとの併用が欠かせないものに、特定の企業の環境に合わせてカスタマイズが可能
な、Web ベースの投資利益率 (ROI) 評価プログラムがあります。 この評価プログラムは、
www.intel.com/business/vpro/roi/demo.htm で利用できます。
著者:
Timothy Morey、Roopa Nambiar
Wipro Consulting Service Product Strategy and Architecture Practice
2009 年 5 月
協賛:
インテルコーポレーション
Copyright© Wipro Ltd. 2009. All rights reserved. 本書のいかなる部分も、著者の許可なくして使用または複製することはできません。
使用または複製についての詳細は、www.wipro.com を参照してください。 情報は特定の時点で入手できた最善のリソースを元にし
ています。 意見はその時点での判断を反映しており、変更される可能性があります。
1
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
目次

要旨




目次
エグゼクティブサマリ
はじめに
時間の経過と共に増加する保守およびサポートコスト

o PC の経過年数によって増加するセキュリティインシデントの解決コスト
最適な PC 更新サイクルの計算
o モバイルコンピューティングの追加メリット






インテル® vPro™ テクノロジでアップグレードのメリット
o インテル® vPro™ テクノロジとは
インテル® vPro™ テクノロジがユーザの生産性に与える影響
インテル® vPro™ テクノロジへの投資の財務的メリット
省電力
o PC は新しければ新しいほど消費電力が少ない
o ラップトップ PC は消費電力が少ない
o インテル® vPro™ テクノロジで実現するリモート シャットダウン
結論と推奨事項
付録 1: 方法論
o データ収集
o

2
データモデリング
 電力モデリングの前提条件
 インテル® vPro™ テクノロジ導入コストの前提条件
 モデル企業
付録 II: メリットの財務的要約
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
エグゼクティブサマリ
IT 予算の有効活用の観点からは、PC の更新時期を遅らせて、PC のライフサイクルを延長することが効果
的だと思いがちです。 これは確かに PC の取得コストを減らす効果はありますが、旧式の PC は保守コス
トが増すため、実際には、総所有コスト (TCO) を増大させる結果となります。
現在の PC の保有および管理コストを正確に評価するため、Wipro のアナリストは北米および欧州の 15 業
種 106 社から詳細データを収集しました。 各企業は少なくとも 2,500 台の PC を所有し、そのうち少なく
とも 25 % はラップトップ PC でした。 各企業はすべて社内 IT スタッフで PC を管理していました。 収集
したデータによれば、大部分の企業で、最適な PC 更新ライフサイクルは、ラップトップ PC とデスクト
ップ PC で共に 3 年でした。
この分析では、PC の取得コスト、PC の製造年別の、報告されている故障率をベースとした問題解決およ
び保守のためのコスト、保証期間終了後の修理コストを検討対象としました。 3 年を超えた PC の場合、
問題解決および保守のためのコストは高くなり、新しいシステムを購入し直した方が安くなります。
リサーチデータによればサポートコストは年と共に増加します。例えば、5 年経過した旧型の PC は、新
しい PC の 2 倍のサポートコストが必要です。 保守コストを増加させる要因の 1 つは、旧型システムでは
セキュリティインシデントの発生が増えるという事実です。例えば、4 年経過した旧型の PC は、1 年目
の PC に比べて、セキュリティインシデントの発生が 53 % 増加します。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
Wipro では、リフレッシュレートの他に、インテル® vPro™ テクノロジが導入された PC へアップグレード
することの潜在的な影響も評価しました。 インテル vPro テクノロジは IT チームによるシステムのリモー
ト管理機能を改善します。これは PC の電源がオフになっていたり、オペレーティングシステムが応答し
ない場合でも有効です。 IT 技術者は、インテル vPro テクノロジで実現されるセキュアな帯域外通信チャ
ネルを使用してリモート管理を行うことができます。 Wipro のアナリストは、調査データに基づいて、
コストが最適の 3 年リフレッシュレートを採用している、30,800 台の PC を保有している企業は、インテ
ル vPro テクノロジ対応システムを導入すると、3 年間で更に 210 万ドルの保守コストが節約できると試
算しています。 これはビジネス用のコストを除き、 IT プロセスの変更を折り込んだ節約額であり、節約
の要因の大部分は、PC 問題の解決のためスタッフによるオンサイトサービスが減ることです。 このシナ
リオでの 1 台の PC ごとの予測節約額を、表 1 に示します。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
多数の PC を保有する企業は、電力節約についても関心があります。 旧型システムの回収による PC 更新
の最適化およびインテル vPro テクノロジベース PC の導入は、この目標達成をサポートします。 Wipro の
調査データによれば、30,800 台の PC を保有する企業は、インテル vPro テクノロジを導入して 3 年更新サ
イクルで最適化すると、年間で 214,000 ドルの電力消費コストを削減できます。 この節約額は、上述し
た保守コスト節約額の追加分です。
PC 更新サイクルの最適化およびインテル vPro テクノロジ導入による予測節約額は、企業によって異なり
ます。 例えば、PC の台数、ラップトップ / デスクトップの比率、PC の年式と種類、IT 実施基準、IT 人件
費などが、PC の TCO に影響するメトリクスの例です。 このホワイトペーパーには、この調査で対象とし
た企業の平均値に基づく、企業の典型的な節約額が含まれています。 アルゴリズムと前提条件は、
www.intel.com/business/vpro/roi/demo.htm にあるオンライン評価プログラムに組み込まれています。 財
務、IT、運用のプロフェッショナルは、このオンライン評価プログラムを使用すると、TCO 分析を企業固
有の状況に合わせてカスタマイズすることができるので、一層正確な予測が可能になります。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
はじめに
IT 部門は、コスト削減圧力に直面すると、PC 購入を遅らせて、既存の 4 年、5 年、あるいはひどい場合
には 6 年経過したシステムでも、使用し続けることを考慮する場合があります。 PC 取得を遅らせること
は、一見、資本温存に効果的であるように見えますが、このような短期的な節約額は、PC のサポート、
保守、ユーザダウンタイムのコストを考慮するとなくなってしまいます。 総所有コストの観点からは、
PC 更新サイクルを遅らせることは、かえって高くつくことであることがわかります。
Wipro のアナリストは、ラップトップ PC とデスクトップ PC の導入と保守に関わるコストを把握するため、
2009 年 3 月に北米、英国、ドイツの 106 の IT 部門から情報を収集しました。 プロセスとコストについて
詳細な知識を持つ IT 関連の意思決定者および実務担当者によって、PC 更新実施基準、クリティカルなコ
スト要因、障害率、PC 管理実施基準、電力管理、ユーザダウンタイムに関する詳細データが Wipro に提
供されました。 Wipro のアナリストは、最適な PC 更新ライフサイクルを判断するために、これらの情報
に基づいて財務モデルを構築しました。
このホワイトペーパーでは、調査に協力していただいた企業の例を使用して、ラップトップ PC とデスク
トップ PC の最適なリフレッシュレートの判断に寄与している要因を探り出しました。
www.intel.com/business/vpro/roi/demo.htm にはオンライン評価プログラムが用意されています。このプロ
グラムでは、このホワイトペーパーで分析を行うために使用したアルゴリズムと同じアルゴリズムが使
用されています。財務、IT、運用のプロフェッショナルは、このプログラムを使用すると、企業固有の状
況に合わせてカスタマイズしたビジネスケースを作成することができます。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
このホワイトペーパーでは、更新サイクルの最適化で実現できるメリットの他に、インテル vPro テクノ
ロジ対応 PC への更新によるメリットも追加しました。 インテル vPro テクノロジは、PC の管理コストと
電力コストに影響します。 インテル vPro テクノロジを使用すると、IT 部門は PC が無応答だったり、オ
ペレーティングシステムがダウンしていたとしても、PC にアクセスして、サービスすることが可能にな
るため、リモートで解決できる問題の種類が拡大します。 IT チームは、セキュアな電源投入機能、障害
PC の診断および修理機能、PC のリモート監視および追跡機能、および感染したシステムの迅速な切り離
しおよび修理機能を使用して、PC をリモートでアップデートできます。 このホワイトペーパーとオンラ
イン評価プログラムの両方によって、更新サイクル最適化によるメリットとインテル vPro テクノロジの
導入による追加メリットが獲得できます。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
時間の経過と共に増加する保守およびサポートコスト
PC は経過年数と共に、IT 関連の問題が増加します。 Wipro は、PC の総所有コストを増加させる原因とな
る典型的な問題を収集しました。
主要なコスト要因は、以下の通りです。
1.
PC のアップデート。典型的な作業は、以下の通りです。
a. 新しいアプリケーションの導入
b. サービスパックの導入
c.
d.
e.
2.
3.
パッチまたはマイナーアップデート
定期的なセキュリティパッチ
緊急セキュリティパッチ
PC の診断および修理。主要なソフトウェアおよびハードウェア障害に対するヘルプデスクサポ
ート。
セキュリティインシデント。次のような影響を受けた PC の切り離しと復旧。
a. ウイルス、トロイの木馬、その他の悪意ある攻撃によるホスト感染の試み
b.
c.
d.
管理エージェントの偶発的な設定誤り
管理エージェントの意図的な設定誤り / 悪意ある設定誤り
ネットワークその他の DoS 攻撃
一般的に、PC アップデートの日常作業が最大のコスト要因です。 PC アップデート関連の障害は PC ユー
ザすべてで非常に一般的であり、これらの問題を人手で解決するのは、時間とコストのかかる作業です。
北米、英国、ドイツにおけるラップトップ PC とデスクトップ PC の平均コストを、図 5 および 6 に示し
ます。 このデータによれば、システムが古ければ古いほどコストがかかることがわかります。
PC の経過年数によって増加するセキュリティインシデントの解決コスト
一般に PC は初年度に 30 のセキュリティインシデントが発生し、この数はシステムの経過年数が増加す
るにつれて増加します。 また、調査回答者は、旧式の PC の障害からの復旧には、より経験を積んだ IT
スタッフによる作業が必要になると報告しています。 言い換えると、新しい PC のセキュリティ問題の解
決は、5 年を経た PC の解決と比べ、半分のコストで済みます。
PC は旧型であれ、新型であれ、ウイルスやスパイウェアに対しては脆弱ですが、システムが古ければ古
いほど露出の機会が多かったことになります。 システムでが古ければ古いほど、感染した場合は、修理
をするために、高度な、経験を積んだコストの高いスタッフを必要とします。特に、PC の種類が豊富で
複雑さが増している企業であればなおさらです (Wipro のホワイトペーパー、「New Insights on PC
Management: Benefits of Controlled PC Hardware Diversity」を参照)。
分析によれば、更新サイクルが長ければ長いほど、PC インフラストラクチャの複雑さは増加します。
Wipro のアナリストは、企業ではこれが原因でセキュリティパッチなどのソフトウェアを導入する際にハ
ードウェア構成の割合が減少し、結果として導入失敗率が高くなっていると考えています。 ソフトウェ
ア導入の失敗は、旧式のハードウェア構成でより多く発生する傾向がありますが、そのことは品質保証
プロセスで見落とされがちです。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
Wipro のアナリストは、ウイルスや DoS その他のネットワーク攻撃は、セキュリティインシデントの中
で、最も多く見られる形態であることを発見しました。
調査回答者は、ラップトップ PC でもデスクトップ PC でも、1 年目からの 4 年間でサポートコストは
59 % 増加すると報告しています。 システムが古くなればなるほど、アップデートにコストがかかるよう
になります。旧式のシステムではソフトウェアが互換性の問題に直面するためです。
PC サポートコストはいくつかの要因によって高くなります。 1 つ目は、旧式の PC はより多くのソフトウ
ェアを搭載していることです。そのため、時間の経過と共に PC のパフォーマンスが損なわれています。
この原因の一部は、ユーザが未承認の、非標準アプリケーションをダウンロードしていることです。こ
れは企業アプリケーションのパフォーマンスを損なったり、パフォーマンスに干渉する原因となります。
また、1 年平均でラップトップ PC の場合は 35 回、デスクトップ PC の場合は 51 回行われる計画的なパッ
1
チおよびソフトウェアのインストールにより複雑性も増大しています 。 5、6 年目のシステムは、ソフ
トウェアパッケージによっては、最新バージョンを実行できるだけの RAM を搭載していません。 これも
セキュリティインシデントを増加させる要因です (詳細は、「PC が古くなればなるほど増加するセキュ
リティインシデント」の補足記事を参照)。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
最適な PC 更新サイクルの計算
コストデータによれば、サポートおよび保守コストの増加が原因で、新規に PC を購入した方が、旧式の
PC を保守するよりも安くなる分岐点が存在します。
Wipro のアナリストは、PC の最適な更新サイクルを評価するための、最善の意思決定フレームワークと
して等価年間コスト (EAC) を採用しました。 企業が最大のリターンを求めるため、大部分の投資決定に
は、最善の投資オプションの選択が含まれます。 財務プロフェッショナルは、プロジェクトの投資対象
について情報に基づく選択を行うために投資決定フレームワークを策定しており、そこでは、多くの場
合に正味現在価値 (NPV) 計算を使用しています。 ただし、PC の購入は、通常、PC を購入するかどうかの
問題ではなく、購入する頻度についての問題です。 正攻法の NPV 計算は多くの投資決定に有効ですが、
各種のライフスパンを考慮する必要がある PC 更新サイクルの場合は、等価年間コストの方が優れたツー
ルになります。 各種のライフスパンで構成されるプロジェクトを比較する場合は、NPV は使用すべきで
はありません。一方、EAC は PC の保有と運用の年間コストをライフスパン全体に渡って定量化できるの
で、複数の更新サイクルオプションを比較するために使用することができます。 EAC を使用すると、IT
部門は、プロジェクトの NPV を年度係数で割ることにより、2 年、3 年、4 年、5 年のいずれの更新サイ
クルが、自社の業務にコスト最適であるか評価することができます。
モバイルコンピューティングの追加メリット
2009 Wipro PC 管理調査に協力した企業のうち 75 % は、デスクトップ PC ではなくモバイル PC を使用する
従業員が増えていると回答しています。 これにはいくつかの要因があります。 1 つ目の要因は、モバイ
ル PC がロールベースで割り当てられ、しかも、モバイル PC を必要とするロールの種類が増加している
ことです。 58 % の企業は、それがモバイル PC の採用が増えた要因であるとしています。 リモートコラ
ボレーションツールによってテレワークが増加し、ホームオフィスの使用も増加しているため、作業環
境の構成も変化しています。13 % の企業は、テレワークプログラムの拡大がモバイル PC の採用の増加の
要因であるとし、28 % はホームオフィスワーカーの増加が要因であるとしています。 すべてをモバイル
PC で実装するというポリシーを持つ企業は 13 % しかありませんが、Wipro のアナリストはこの数字は将
来は増加すると考えています。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
したがって、Wipro は EAC を PC の最適な更新サイクルの分析のためのフレームワークとして採用しまし
た。 このモデルには、次のような主要なメリットがあります。


PC のコストダイナミクスを明確で把握可能な方法で表現できる
TCO 総計に与える影響を表示するため、what-if 分析および感度分析を実行したり、コストに関す
る前提条件を変更するのに必要な柔軟性を提供

異なる時間帯を比較する方法を提供
この調査では、Wipro のアナリストは EAC を使用して、1 年、2 年、3 年、4 年、5 年の PC ライフサイク
ルのコストを比較しました。 EAC には、特定の期間に異なるライフサイクルを持つ PC の購入と保守に関
2
わるキャッシュフローを評価する機能が備わっています 。
以下の表は、PC の購入と保有に関わるコストを示します。 この計算では、取得コスト、サポートコスト、
および「保証期間終了後」のサポートコストのみを使用していることに注意してください。 この計算で
は、バッテリやドッキングステーションの交換といった旧型 PC 特有の追加コストは使用しません。 同様
に、この分析では、電力コストやユーザ生産性が低下することによる影響も除外されています。 焦点を
当てたのは、IT 予算に計上される PC のコスト項目のみです。すなわち、PC の購入および保守コストです。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
キャッシュフローを EAC 値に変換するには、まず、金額の時間的価値を考慮に入れるためコストを現在
価値に変換し、次に、それを年度係数で割ります。 EAC は、単純に言えば、基礎となっているコストス
トリームと同じ寿命と現在価値を持つ年度額です。 これを使用すると、均等ではないキャッシュフロー
のセットを、比較が容易な、滑らかで、定期的なキャッシュフローに変換することができます。 計算は
極めて単純です。すなわち、PC のライフサイクルに渡るサポートコストの現在価値に PC の取得コストを
加え、資産を保有する年数に関連する年度係数で割ります。 この例では、10 % の割引率を想定していま
す。したがって、1 年目の更新年度係数は 0.91、2 年目の更新年度係数は 1.74、3 年目の更新年度係数は
3
2.49 というようになります 。
この調査で Wipro のアナリストがインタビューした企業の場合、ラップトップ PC を保有するコスト最適
な期間は 3 年でした。 企業が PC を 1 年しか保有しない場合は、サポートコストは僅かですが、PC の購
入コストが総所有コストの合計額を押し上げるため、年間で 1,926 ドルになります。 同じ企業が PC を 2
年保有する場合は、合計額は 2 年で 2,804 ドルとなり、年度当たり 1,402 ドルという計算になります。 サ
ポートコストが若干増加しますが、PC 取得コストを 2 年に渡って償却できるという事実が等価年間コス
13
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
トを大幅に引き下げることに貢献しています。 同様なことが 3 年保有についても言えます。 企業がラッ
プトップ PC を 4 年保有しなくてはならない場合は、PC 取得コストを 4 年に渡って分割できたとしても、
サポートおよび保証コストが増加するため、等価年間コストはマシンを 3 年保有する場合に比べて 47 ド
ル高くなります。 5 年以上のライフサイクルの場合は、保有コストと等価年間コストは更に上昇します。
デスクトップでも同じパターンが成立します。 4、5 年目ではサポートコストおよび保証期間終了後の修
理コストが増加し、取得コストを多年度に渡って償却するメリットを上回るようになるため、3 年の更新
サイクルが最も低い総所有コストを示します。
この調査では、3 年の更新サイクルが、ラップトップ PC とデスクトップ PC で共にコスト最適であり、そ
の結果、他の更新サイクルに比べて大幅なコスト節約を実現できることを示しています。 調査に協力し
ていただいた企業から報告のあった平均保守コストに基づいたモデル企業の場合は、3 年更新に移行した
場合の資本回収期間は、ラップトップ PC については 17 ヶ月、デスクトップ PC については 15 ヶ月にな
ります (ラップトップ PC とデスクトップ PC のコストを、それぞれ、1,150 ドル、600 ドルと仮定)。
(また、3 ページの 1 図と、4 ページの図 2 を参照して)
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
インテル® vPro™ テクノロジでアップグレードのメリット
PC 更新サイクルを最適化して等価年間コストを引き下げることには、上述したように、明確なメリット
があります。 IT 部門は PC にインテル vPro テクノロジを導入することによって、更に保有コストを削減
することができます。 節約額は実際には企業ごとに異なりますが、3 年の PC 更新サイクルを採用してい
る、調査結果に基づくモデル企業の場合は、インテル vPro テクノロジを導入すると、更に 3 年間で 210
万ドルの節約を図ることができます。
Wipro Consulting Service の Product Strategy and Architecture Practice では、以前に、エンタープライズ IT と
IT アウトソーサーの設定で、インテル vPro テクノロジのメリットについて複数の調査を行っています
(intel.com/vpro からダウンロードできる「The Benefits of Intel® Centrino™ 2 with vPro™ Technology in the
Enterprise」を参照)。 これらの調査は、多くの業種の規模の異なる企業の IT 実務担当者 200 人以上に対
するインタビューを通じて収集した一次リサーチをベースにしています。 インテル vPro テクノロジ対応
システムで更新することにより獲得できる追加メリットを評価するため、以前の調査でインテル vPro テ
クノロジの影響について判明した事項を今回の PC 更新サイクルの調査に反映させています。
インテル® vPro™ テクノロジがユーザ生産性に与える影響
ユーザダウンタイムを減らすことは、ユーザ生産性を向上させることになるはずです。 ただし、PC ダウ
ンタイムのすべての時間が生産性が失われる時間というわけではありません。従業員は PC とは無関係の
作業を行ったり、作業時間を延長して生産性を維持することがあるためです。 Wipro のアナリストは IT
ダウンタイムの一般的な影響を定量化するため、調査回答者に対して、PC で問題が発生し、 IT 部門によ
るシステム修復が必要になってユーザの作業を阻害したとき、ユーザはどうするかを尋ねました。 回答
は次の 3 つのカテゴリに分類されます。
2.
作業時間は変化せず、作業の出力が減った従業員がいました。 このような場合は、インテル
vPro テクノロジによってダウンタイムが減らせるならば、生産性の向上に結び付きます。
作業時間を延長して、所期の作業を達成した従業員がいました。ただし、残業代は増えました。
3.
このような従業員の場合は、インテル vPro テクノロジによってダウンタイムが減らせるならば、
残業代の支出を節約できます。
作業時間は延長したけれども、残業代は請求しなかった従業員がいました。 PC ダウンタイムを
1.
減らしても、企業にとっては、直接、財務面でのメリットはありませんが、従業員は、自由な時
間が増えるため、ライフワークバランスが改善されます。
Wipro のアナリストは、回答者に対して、知識労働者、固定作業労働者、データエントリ労働者の平均給
与も尋ねました。 ROI 評価ツールでは、給与が出力価値の代用品として使用されます。 利潤の大きな企
業の場合、一般的に従業員はコスト以上の生産を行っているため、この方法では明らかに従業員の出力
を低く見積ることになりますが、給与は、調査回答者が正確に回答できる情報であるため、価値の最善
の代用品として使用されます。
15
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
インテル® vPro™ テクノロジとは
インテル vPro テクノロジは、PC 管理コストを低減し、電力消費コストを低下させます。 メリットは、以
下の通りです。

優れた電源管理のリモート電源オン機能を使用し、PC のセキュアなアップデートおよび高速な
ソフトウェア導入を実現します。インテル vPro テクノロジには、高度暗号化規格 (Advanced
Encryption Standard) の 128 ビット暗号化とトランスポート層セキュリティ (Transport Layer
Security) を使用した、PC のリモート電源制御用の、信頼性のある、よりセキュアな暗号化された
通信トンネルが備わっています。 従来よりも短時間で、アプリケーションおよびセキュリティ
アップデートを含むパッチを導入することができます。特に、失敗した導入から復旧するための
時間を著しく短縮します。 このような時間短縮は、問題の診断の単純化、オンサイトサービス
の回数の減少、およびターゲットシステムの特定を誤ったことによる導入失敗の減少の結果とし
て実現しています。
すべての従業員カテゴリについて、平均でダウンタイムの 80 % が生産性に影響を与えることがわかりま
した。 財務サービスの従業員は作業時間を延長してダウンタイムを吸収する傾向があり、欧州の従業員
は残業代を請求して作業する傾向があり、データエントリ作業者は作業時間を延長してダウンタイムを
吸収する傾向が最も少ない、というように、業種、地域、職種によって違いがありますが、その差は僅
かです。
インテル vPro テクノロジを導入してユーザダウンタイムを低減すると、30,800 台の PC を保有するモデ
ル企業の場合、残業代のコストを回避することで年間で 2380 万ドル、および生産性を向上させることで
更に 2170 万ドルの利益が創出できます (職種ごとの時給については、表 4 を参照)。 回避できる残業代コ
ストを最も具体的な生産性向上指標として採用し、ビジネスケースに適用すると、インテル vPro テクノ
ロジ対応の PC の資本回収期間は、10 ヶ月未満になります。 モデル企業では、モバイル PC (モデル価格は
1,100 ドル) の取得コストを 9.4 ヶ月、デスクトップ PC (インテル vPro テクノロジ対応のより高価なデス
クトップ PC を考慮して、モデル価格は 750 ドル) は 7.2 ヶ月で回収することができます。

改善されたリモート PC 診断および修理機能。インテル vPro テクノロジを使用すると、IT 部門は、
オペレーティングシステムが無応答だったり、システムがブートしない場合でも、PC にリモー
16
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
トアクセスすることができます。 IT 部門は、時間がかかるオンサイトサービスを回避し、ユーザ
の介入なく、リモート管理コンソールを通じてシステムをテストし、改修作業 (システムが修復


不可能な場合は、新規 PC の発注を含む) に取り組むことができます。
PC 資産のリモート検出。インテル vPro テクノロジが導入されていると、電源のオン / オフに関
わらず、PC を正しく特定することが容易になります。 そのため、インベントリ障害、監査障害、
数え直し、資産の誤認が減少します。 Wipro の調査によると、インテル vPro テクノロジプロセ
ッサー対応のラップトップのインストールでは、従来は人手に頼っていた改修作業を最大で 70 %
回避することができるようになりました。
感染した PC の切り離しと回復。多くの場合、ワームやウィルスの攻撃のようなセキュリティイ
ンシデントに対する最も効果的な対策は、管理ソフトウェアによってポートとネットワーク接続
を短時間で設定し直し、IT 部門がリモートで、通常のネットワークではなくバックチャネルを使
用して、感染した PC をネットワークから切り離し、隔離した PC を回復することです。 インテ
ル vPro テクノロジは、再設定を行うために人手による作業が必要なケースを実質的に除去する
ため、IT 担当者の迅速な対応を可能にします。 また、インテル vPro テクノロジ対応のツールを
使用すると、セキュリティアップデートの導入時間が短縮できるので、IT マネージャは脆弱な時
間帯を最小化することができます。
これらのメリットをコスト低減額として表現するため、Wipro は調査回答者に対して、問題解決テクニッ
クの時間と作業量の見積りを依頼しました。 Wipro のアナリストは、ユーザの問題を解決するために一
般的に使用されている 4 つのテクニックについて、データを収集しました。


電話でユーザを支援
リモート管理ツールを使用し、ネットワークでユーザを支援


ユーザが PC を IT サービスデポに出荷または配送
IT 部門によるオンサイトサービス
解決のための各テクニックはある程度の IT プランニングと作業を必要としますが、インテル vPro テクノ
ロジを使用すると、最後の 2 つのテクニック、すなわち、ラップトップを IT 部門に出荷することとオン
サイトサービスに必要な時間と作業が削減できます。 この 2 つのテクニックにおいて、作業量は著しく
削減できます。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
インテル® vPro™ テクノロジへの投資の財務的メリット
インテル vPro テクノロジで達成できる節約額を定量化するため、Wipro のアナリストは、調査に協力し
たすべての企業からの回答を平均化してモデル企業を作成しました。 この仮想企業は、11,500 台のラッ
プトップ PC と 19,300 台のデスクトップ PC を保有します。 モデル企業のラップトップ PC の約 20 % とデ
スクトップ PC の約 19 % の経過年数が 3 年を超えています。
モデル企業では PC の購入について規則を定めており、PC 構成が複雑になるのを避けるため、ラップトッ
プ PC とデスクトップ PC の両方について、年間でそれぞれ 5 モデルに制限しています。 モデル企業では、
従来からの更新計画に基づいて、60 % のラップトップ PC と 50 % のデスクトップをインテル vPro テクノ
ロジベースのシステムにするように計画しました。 これはかなり控え目な計画であることに注意してく
ださい。多くの企業では 85 % 以上のシステムをインテル vPro テクノロジ対応にするためです。
モデル企業の場合、3 年のリフレッシュレートに移行することで、合計で 300 万ドルを節約します。 こ
の節約額は、デスクトップ PC のコストが 600 ドルであることと、インテル vPro テクノロジ対応の PC は
存在しないという前提条件を元に計算されています。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
代わりに、モデル企業が、インテル vPro テクノロジ対応システムで更新した場合のメリットはどのよう
になるでしょう ? インテル vPro テクノロジ対応のデスクトップ PC は、通常、価格の高いエンドシステム
になるため、Wipro のアナリストはこの計算ではより高い取得コスト 750 ドルを想定しました。 ラップ
トップは常に一定の価格 1,150 ドルで計算します。 3 年の更新に移行することのメリットは、取得コスト
が上がったため、図 9 に示す通り、3 年間で 210 万ドルの節約に減っています。 ただし、インテル vPro
テクノロジを使用したリモート管理機能の導入によって、サポートおよび保守コストが下がるため、300
万ドルの追加節約額が生じます。 結局、モデル企業は、インテル vPro システムを導入した 3 年更新サイ
クルでは 510 万ドルを節約します。一方、インテル vPro システムを導入しない 3 年更新サイクルでは
300 万ドルしか節約できません。
このシナリオの前提条件は、60 % のラップトップと 50 % のデスクトップしかインテル vPro テクノロジ
対応に移行しないことです。 インテル vPro テクノロジに移行する PC の割合を増やすと、リモート管理
コストが節約できます。 更に、これらの節約には、 IT 予算に明確に影響を与える IT 管理コストの具体的
な金額のみを含めており、電力消費量の削減やエンドユーザの生産性向上による追加メリットは含めて
いないことに注意してください。
19
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
省電力
最近の Wipro の調査によると、大部分の企業が、コストを低減し、政府の規制を満たし、事業運営が環
4
境に与える影響を減らすために、省電力イニシアティブを発足させています 。 インテル vPro テクノロ
ジが提供する新機能を採用し、PC 更新サイクルを最適化することは、消費電力の削減にも役立ちます。



PC は新しければ新しいほど、プロセッサー効率が改善されているため、消費電力が少なくなっ
ています
ラップトップ PC の消費電力はデスクトップ PC よりも少なくなっています
インテル vPro テクノロジは、終業時に PC をリモートシャットダウンしたり、パッチのインスト
ールやサービスを行うときにリモートブートする機能を備えています。 従来は動作中のまま放
置していたシステムでも、ユーザの習慣を変えずに、使用していないときは電源をオフにするこ
とができるようになりました。
IT および財務部門のプロフェッショナルは、ROI 評価ツールを使用すると、より新しい PC に切り替えた
場合の電力節約量と、リモートシャットダウンで生じる節約量を計算することができます。 両方の使用
例を以下で説明しますが、これらは保守および取得に関する項目とは、別個に検討してください。これ
は、通常、IT 部門は電力会社からの請求書には関与しないためです。 小規模ビジネス、および PC 更新サ
イクル最適化の財務面への影響を評価するユーザの場合、節約額はツールの結果セクションに概要が表
示されます。
PC は新しければ新しいほど消費電力が少ない
インテル® Core™ 2 Duo Processor E8500 のような新世代の インテル® プロセッサーは、インテル® Pentium®
4 Processor 630 のような旧プロセッサーに比べると、アクティブモード時で約半分の電力しか消費しませ
ん。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
PC は新しければ新しいほど消費電力が少なくなるので、PC の更新頻度を増やすと消費電力の節減という
メリットが増加します。 この節約のみでは更新頻度を増やすことを正当化することはできませんが、モ
デル企業の場合は、3 年の PC 更新ストラテジの採用で生ずる価値を高めます。 11,500 台のラップトップ
PC と 19,300 台のデスクトップ PC を保有するモデル企業の場合は、3 年の更新サイクルに移行することで、
消費電力を年間で 84,000 ドル分節約できます (現在の PC の経過年数は付録に記載した通りで、電力コス
トは KWH 当たり 0.1 ドル、デスクトップユーザはシステムを毎日 7 時間使用し、残りの 17 時間はアイド
ルのまま放置すると仮定しています)。
ラップトップ PC は消費電力が少ない
ラップトップ PC は電力効率のパフォーマンスに対して最適化されています。したがって、デスクトップ
PC からラップトップ PC に切り替えると、著しく消費電力を節約することができます。 調査した企業の
うち 75 % は、ラップトップ PC を使用するユーザを増やすために、何らかのイニシアティブを発足させ
ています (詳細は、「モバイルコンピューティングの追加メリット」の補足記事を参照)。 デスクトップ
PC の電力管理の現状とラップトップへ移行するユーザ数の規模に依存しますが、これらの節約額はかな
りの規模になり、ラップトップ PC の取得に必要な追加コストを相殺するのに役立ちます。
モデル企業には、現在、19,300 人のデスクトップユーザと 11,500 人のラップトップユーザがいます。
Wipro のアナリストは、PC の経過年数と、デスクトップは一晩中、サービスがアイドルのまま放置され
ているという状況を勘案すると、企業が PC の電力使用料金として支払っている金額は、年間で 1,162,000
ドルに達すると考えています。 モデル企業が現在のデスクトップユーザの 95 % をラップトップユーザに
移行させることを決断すると、予測年間電力コストは 463,000 ドルに低下し、年間で 699,000 ドルも節約
できることになります。 1 台のシステムで見ると、年間電力使用料金は、37 ドルから 15 ドルに低下しま
す。 これらの計算では、デスクトップの電力消費量の見積りを控え目に行っていることに注意してくだ
さい。従来のインテルの調査によれば、CRT モニタその他非常に多くの電力を消費する周辺装置が付属し
5
た管理対象外の PC を使用している企業もあり 、その場合には 1 台のデスクトップの年間電力使用料金
は、50 ~ 100 ドルになります。
21
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
ンテル® vPro™ テクノロジで実現するリモート シャットダウン
最近の調査によると、多くの企業が電力消費量と二酸化炭素排出量の削減に向けて努力しているにも関
わらず、米国のオフィスでデスクトップ PC を使用している従業員のうち 50 % が終業時に PC の電源を切
6
らずに帰宅しています 。 これにはいくつかの要因があります。


パッチや修理のために、システムを一晩中電源を入れたままにしておくことを要請していた昔の
IT ポリシー
PC ユーザが、シャットダウン、スタンバイ、スリープ、スクリーンセイビングの違いを理解し
ていないこと (このうち著しく電力消費が少ないのは、シャットダウンとスリープのみ)
インテル vPro テクノロジを使用している PC は、リモートで、電源投入、パッチのインストール、電源切
断が可能です。 この機能はパッチのインストールのためにシステムを一晩中電源を入れたままにしてお
く必要性をなくし、インテル vPro テクノロジの最も一般的な使用法の 1 つになりました。
このメリットを示すため、モデル企業を対象にして検討します。 この企業は、11,500 台のラップトップ
PC と 19,300 台のデスクトップ PC を保有しています。 ラップトップ PC は、終業時に、シャットダウンし
て家に持ち帰るか、どこかにしまわれるため、この計算からは除外します。 Wipro のアナリストは、現
在のユーザは、一日のうち 7 時間は PC をアクティブのままにしておき、勤労日の残りの 17 時間と、週
末の 48 時間はシステムをアイドルの状態で放置していると仮定しました。 ユーザはシステムをオフにし
ません。 モデル企業が KWH 当たり 0.1 ドルを支払うとすると、現在のデスクトップ PC の電力使用料金
は年間 990,000 ドルになります。 3 年の更新サイクルでインテル vPro テクノロジ対応のシステムに切り
替えると、ユーザがオンのまま帰宅したとしても、IT 部門がシステムをリモートでシャットダウンでき
るようになるため、電力使用料金は年間で 776,000 ドルとなり、年間で 214,000 ドルを節約できることに
なります。1 台のデスクトップでいえば、年間で 11 ドルの節約になります。
電力節約の他に、電力効率の優れた PC の採用を促進するために多くの公益事業が用意している割引プロ
グラムがあります。 このようなプログラムは国または個々の公益事業によって異なりますが、Wipro の
アナリストは、複数のプログラムで特定の PC モデルの購入に対し最大で 15 ドルの割引があることを見
出しました。 オンライン ROI 評価プログラムは、高度な設定タブで、割引額を引いて PC の購入価格を下
げることにより、このような割引に対応することができます。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
結論と推奨事項
IT 予算の切り詰めを考えるとき、節約対象は一定期間 PC の更新を遅らせるか、または更新を中止するこ
とが候補になります。 このアプローチは、短期的に見れば支出を遅らせることはできますが、PC 管理コ
ストが増加するため、最終的には高いものになります。 3 年の更新サイクルは、新しい PC 取得のための
先行投資と旧型 PC でしばしば発生する PC サポートコストの上昇とをバランスさせることができるため、
最もコスト効率が良い PC 管理ストラテジです。
IT 部門は、更新サイクルの最適化の他に、インテル vPro テクノロジの導入について前向きなビジネスケ
ースを検討する必要があります。 この調査では、インテル vPro テクノロジにより共通の IT 作業が減らせ
るため、IT 管理コストが削減できることを示しました。 IT 部門は、インテル vPro テクノロジを使用する
と、パッチおよびアプリケーションの導入、PC インベントリの監査、およびソフトウェア / ハードウェ
ア障害のためのオンサイトサービスに費やす時間を減らすことができます。 また、インテル vPro テクノ
ロジによって、IT 部門はセキュリティインシデントに対して、従来よりも迅速な対応が可能になります。
要約すると、企業にとっての追加メリットは、ユーザおよび IT 部門の生産性の向上です。
最後になりましたが、インテル vPro テクノロジと組み合わせて、PC のライフサイクルを短縮することは、
電力消費量と二酸化炭素排出量の削減に効果があります。 企業は、電力使用について、コスト、規制、
環境の観点から厳しい態度で臨むようになっており、そのため PC の電力消費量を下げることの重要性は
増しています。
Wipro では、最適化された 3 年の PC 更新サイクルとインテル vPro テクノロジ固有のメリットは、財務面、
運用面、事業面で大きなメリットを得るのに寄与する最良の組み合わせだという結論を得ました。 この
ホワイトペーパーで指摘した有力な節約方法およびその節約額を、以下の表に示します。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
付録 1: 方法論
データ収集
2009 年、Wipro PSA のコンサルタントとテクニカルアーキテクトは、北米と欧州に本社がある 106 社の
CIO、IT ディレクタ、シニア IT マネージャに対して調査票を送付しました。 回答者の 50 % は北米、25 %
は英国、25 % はドイツでした。
以下の属性を持つ代表的なサンプル企業を選び出しました。



北米の場合は、少なくとも 5000 台の PC を保有し、欧州の場合は、少なくとも 2500 台の PC を保
有する
PC 全体のうち、少なくとも 25 % がラップトップ PC
PC サポートを社内 IT スタッフが担当している (つまり、アウトソースしている企業は除外)
Wipro PSA は、多様な業界、管理実施基準、 ユーザ分布を対象に代表する企業を選出しました。 すべて
の調査協力者は、本調査で対象とした管理プロセスのプランニングとデリバリに積極的に関わっており、
サービスデリバリ固有のコスト構造について、細かく理解していました。 そのため、すべてのレポーテ
ィングが、実際の管理実施基準の実践経験を直接反映したものになりました。
データモデリング
各調査回答者によって、現在の管理実施基準、PC インシデント、コスト、および計画中のデータについ
て、約 400 種類のデータポイントが提供されました。 Wipro のアナリストは、生のデータを、現在の平
均 PC 管理コストの計算のベースとして使用し、その平均データに基づいて一般的な企業の最適な PC 更
新ライフサイクルを導き出しました。
電力モデリングの前提条件
Wipro のアナリストは、電力節約の計算で、PC タイプ別に 2009 年、2008 年、2007 年、2006 年の平均電
力使用量を調査し、平均使用量を計算しました。 PC の電源が投入されている時間、アイドルの時間、電
源が切断されている時間は、ユーザや企業によって異なります。ROI 評価プログラムではユーザ入力とな
ります。
インテル® vPro™ テクノロジ導入コストの前提条件
インテル vPro テクノロジを使用した PC を導入することによる予測純利益は、一時的な実装コストおよび
PC 1 台ごとの実装コストと年間節約額をバランスさせて計算しました。 インテル vPro テクノロジを使用
した PC の導入は、企業の通常の更新プロセスに合わせて実施されると仮定したため、年間節約額は更新
サイクルが進むに連れて増加しています。
分析には、以下のように一時的な実装コストと PC 1 台ごとの実装コストの両方を含めました。

一時的な実装コスト。 このコストは以下の項目から構成され、インテル vPro テクノロジの実装
の初年度に発生します。
o IT インストールおよびサポートスタッフの訓練
24
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
o
インテル vPro テクノロジ固有の作業を含む、IT インストールおよびサポートプロセスの
リエンジニアリングに伴うスタッフ / コンサルティングコスト
インテル vPro テクノロジの機能を既存のインベントリ、トラブルチケット管理システム、
警報 / イベントデータベースなどへ統合するためのエンジニアリングコスト
PC 1 台ごとの実装コスト このコストは以下の項目から構成され、PC をインストールするたびに
発生します。
o

o
o
o
OEM インテル vPro テクノロジの課金 – インテル vPro テクノロジベースの PC の OEM に
よる追加プレミアム課金
設定コスト – PC にインテル vPro テクノロジを設定するための追加コスト
インベントリコスト – インベントリ更新時に PC に インテル vPro テクノロジをインスト
ールするための追加コスト
PC 管理 / セキュリティソフトウェアの独立系ソフトウェアベンダー (ISV) からインテル vPro テクノロジを
使用した PC をサポートするための追加ライセンス課金はないと仮定しています。通常のリリースアップ
デートに含まれるためです。 ただし、これら前提条件は、企業固有の状況を反映するため、オンライン
ROI 評価ツールでは変数になります。
すべてのコストは、モデル企業の調査で説明した分析で一様に使用されます。 ただし、オンライン ROI
評価プログラムでは、インテル vPro テクノロジの機能を使用してビジネスプロセスを再設計するための
コストと、ビジネスプロセスのコンサルティングで検出される項目の適格性審査とセットアップに必要
なコストのデフォルトの予測値は企業の規模によって変化します。 このコストは、インテル vPro テクノ
ロジの機能を、既存のトラブルチケット管理システム、警報 / イベントデータベース、インベントリ追
跡システムへ統合するためのコストを含みます。
デフォルトの設定は、サポート対象の PC の台数に依存して、次のように設定しました。



100 台未満の PC しか保有しない小規模企業では、プロセスコストやエンジニアリングコストは
発生しない
100 ~ 1000 台のシステムを保有する企業では、20,000 ドルの費用が発生する
1000 台を超えたシステムを保有する企業では、80,000 ドルの費用が発生する
これらの設定はすべて変数であり、ROI 評価プログラムのユーザは、高度な設定タブで調整して企業固有
の状況を反映することができます。
モデル企業
Wipro のアナリストは、モデル企業というコンセプトを使用して、更新とインテル vPro テクノロジのメ
リットを説明しました。 モデル企業は、Wipro PSA で受信した 106 の調査回答データを元に作成された概
念的な企業です。 いくつかの外れ値を削除した、平均的な回答者をベースにしています。 特定の産業や
企業タイプを表すものではありません。
モデル企業は、以下の経過年数分布を持つ、11,500 台のラップトップ PC と 19,300 台のデスクトップ PC
を保有しています。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
モデル企業のラップトップ PC の約 20 % とデスクトップ PC の約 19 % の経過年数が 3 年を超えています。
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総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
付録 II: メリットの財務的要約
このページは、財務プロフェッショナル向けに 1 ページ分の切り取りページになるように作成されてお
り、コスト最適なリフレッシュレートについて重要な成果を要約しています。
27
総所有コストを使用して最適な PC 更新ライフサイクルを判断する
この調査は、インテルコーポレーションからの委託および出資の下に作成されました。
1
この例の「パッチ」には、1) 新しいビジネスアプリケーション、2) サービスパック (アプリケーションであり、OS ではない)、3)
パッチ、ソフトウェア、またはエージェントのアップグレード、4) 定期的なセキュリティパッチ (アプリケーションまたは OS)、お
よび 5) 緊急セキュリティパッチ (アプリケーションまたは OS) が含まれます。 これらのうち、定期的 / 緊急セキュリティパッチの
平均数は、モバイルシステムとデスクトップシステムでほぼ同数です。 ただし、調査回答者によると、新規ビジネスアプリケーシ
ョン、サービスパック、パッチの数は、デスクトップ PC の方がラップトップ PC よりも 2 倍程度多くなっています。 これは、ユー
ザがデスクトップの方に多くのアプリケーションを読み込んでおり、したがって、より多くのパッチが必要になることを意味しま
す。
2
Wipro のアナリストは、3 年を評価期間として使用しました。 例えとしては、川の水量の測定を使用することができます。 川の水
量を PC の取得コストとサポートコストと対比します。 水量が少なければ、ちょろちょろとしか流れませんが、水量が多ければ、
激流となります。 川の水量を測定するには、分、時、または年の一定の時間枠を設定する必要があります。 使用する時間枠を固定
しておく限り、時間枠には意味はありません。 結果としての測定値は、異なる時間帯の水量レベルの正確な比較となります。 同様
に PC のコストでは、 EAC は、異なるリフレッシュレートの異なるコストレベルを表現します。
3
EAC (等価年間コスト) = PV / 年度係数。ここに、年度係数は ((1+r)^n-1)/r*(1+r)^n) です。r は割引率で、n は年を表します。
4
2009 年 3 月の企業調査によると、調査に協力した企業のうち 96 % は電力節約イニシアティブを発足させていました。 詳細は、
「Reducing Industrial PC and Embedded System Support Costs with Intel vPro Technology」を参照してください。
5
詳細は、インテル Capabilities Forum の Energy Efficient Performance 2.0 のページを参照してください
(http://www.intelcapabilitiesforum.net/EEP-page_all/)。
6
「PC Energy Report 2009」、Alliance to Save Energy (www.ase.org)
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