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賃貸住宅を借りたら (3月3日放送分)

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賃貸住宅を借りたら (3月3日放送分)
賃貸住宅を借りたら
(3月3日放送分)
消費生活相談で、この時期多いのが、賃貸住宅の明け渡し後の相談です。
相談の多くは、「預けていた敷金が戻ってこない」とか「敷金では足りずに、家主からさ
らに修繕費用を請求されている」というものです。
敷金とは、家賃の滞納や、借りている人が部屋を不注意で傷つけたり汚してしまった場合
の修繕費用に充てるため、契約の時に家主に預けておくお金です。ですから、家賃の滞納や
修繕の必要がない場合には、住宅の明け渡しの後、借主にお金が戻ってきます。
では、どうして敷金に関する相談が多いのでしょうか。
賃貸借契約書には「借主は明け渡しに際し、住宅を原状回復しなければならない」という
ことが書いてあります。この「原状回復」という言葉の意味が分かりにくいからですね。
原状回復の「原状」の原の漢字は、「原因」の原の字です。原っぱの原という字です。漢
字の意味通り解釈すれば、
「原状に回復する」ですから、
「部屋をもとの状態に戻すこと」と
読めそうです。
しかし、原状回復とは、決して「借りた当時のままの状態に戻して返す」という意味では
ありません。住んでいればそれだけで家は古くなり傷んできます。これを「経年劣化」と言
いますが、経年劣化は避けられないことなので、貸した当時の状態にまで部屋を新しくして
返せということは、家主は言えないのです。
例えば、畳の自然な変色や冷蔵庫などの背面の壁の黒ずみなど、通常の使用による汚れは、
経年劣化ということになりますので、借主に修繕義務はありません。
ただし、借主の不注意や手入れを怠ったために生じた傷や汚れは、借主のほうに修繕をす
る義務があります。
国土交通省は賃貸住宅のトラブル防止のために「ガイドライン」を作成しています。ガイ
ドラインには法的拘束力はないのですが、原状回復の考え方のめやすになっているので、修
繕義務をめぐってトラブルが起きた時に参考になります。
賃貸住宅を借りるときは、次のような点に注意してください。
1、住宅を契約する時には
契約書や重要事項説明書という書類をよく読んで、原状回復に関する借主の負担について
確認しましょう。契約書に「退去時には、借主はクロスの全面張替の費用を負担する」など、
借主に過剰な負担を負わせる条項があれば、見直してもらいたいと交渉しましょう。
2、入居前には
室内の汚れや傷について家主や管理会社と立会のうえ確認し、証拠写真を撮るなどしてお
くと後で揉めません。撮影日が分かるように新聞紙の日付を入れて写真にするなどしておく
といいでしょう。
3、入居中の注意としては
やはり住宅を丁寧に使うように心がけるべきです。タバコのヤニやペットによる汚れは借
主が修繕する義務があります。
賃貸住宅を賢く借りて、快適な新生活をスタートしたいものですね。
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