...

ブラザーコミュニケーションレポート

by user

on
Category: Documents
32

views

Report

Comments

Transcript

ブラザーコミュニケーションレポート
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
‘
‘At your side.’
’
の精神で
持続的な価値創造を目指します
あらゆる場面でお客様を第一に考え、優れた価値を創造し、
迅速にお届けしたい。
“ At your side.”
という言葉には、そんなブラザーグループの
思いが込められています。
ユニークでオリジナリティーのある製品やサービスの提供を
目 指して常にチャレンジし、世 界 中 の お客 様が実 現したい
新しいライフスタイルやワークスタイルを応援していきます。
01
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
Contents
03
At your side.”story
03“At your side.”を追求し続けて
05 ブラザーの歩み
07 ブラザーの今
09 ブラザーの価値創造
11 ブラザーの目指す姿
13 ビジョンと進捗
13 ステークホルダーの皆さまへ
17 財務・非財務ハイライト
19 事業別概況
21
23
25
27
28
29
プリンティング・アンド・ソリューションズ
(P&S)
事業
パーソナル・アンド・ホーム
(P&H)
事業
マシナリー・アンド・ソリューション
(M&S)
事業
ネットワーク・アンド・コンテンツ
(N&C)
事業
工業用部品事業
新規事業
31 価値創造を支える取り組み
31
33
35
37
39
40
42
商品開発体制
人材への取り組み
環境への取り組み
地域社会への貢献
社外取締役からのメッセージ
コーポレートガバナンス
役員一覧
43 会社概要
43 会社情報
44 グローバル体制
45 技術と製品の歴史
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 02
“At your side.”story
1
“At your side.”
1928
最初のブラザー製品
ブラザーグループの源流は、1908 年、ミシンの修理・部品製造を行う「安井ミシン商会」の
設立にさかのぼります。明治から大正にかけて、日本のミシン市場は欧米メーカーに独占され
ていました。のちに「日本ミシン製造」
(現在のブラザー工業)を創業する安井兄弟は、家庭用
ミシンの国産化を目指すなかで 1928 年(昭和 3 年)に「麦わら帽子製造用環縫ミシン」※を
製造しました。このミシンはドイツ製のミシンと比較しても耐久性が高いと評判となりました。
また兄弟が協力してミシンの製造に挑んだことから商標を「ブラザー」としました。
「日本の機械技術の発展史上、重要な成果を示すもの」と評価され、2007 年「機械遺産」第 15 号に認定されている。
※日本機械学会によって、
03
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
を追求し続けて
2015
最新のブラザー製品
2015 年、グループの創業から107 年が経ちました。ここにあるのはブラザーの最新の製品です。オフィス、家庭、
工場などにおける幅広いお客様のニーズにお応えし、新たな価値とご満足を提供できるよう努めています。
「麦わら
帽子製造用環縫ミシン」とこれらの製品すべてが、ブラザーが追求してきた価値創造のあらわれです。あらゆる
場面でお客様を第一に考える
“ At your side.”の精神で、私たちはこれからもずっとお客様の声に耳を傾け、優れた
価値を生み出していきます。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 04
“At your side.”story
2
ブラザーの歩み
技術を磨き続けることで
より多くのお客様に価値を提供してきました
1908 年に、ミシンの修理業から始まったブラザーグループ。その後、独自の技術開発に注力し、蓄積したコア技術を
駆使して事業の多角化を推進することで成長してきました。
あらゆる場面でお客様を第一に考えたユニークでオリジナリティーのあるモノ創りが成長の原動力となっています。
1932
切削技術
1932
鋳造技術
1961
1962
プレス技術
精密加工技術
シャトルフックの開発で使われた、
炉 で 溶 かした 金 属 を 鋳 型に流し
金 属や樹 脂などの 素 材を型にあ
ミクロン単位の正確さが求められ
素 材 を 削って 部 品 をつくる加 工
入 れ ることで、さ ま ざ ま な 形 の
て、圧力を加えることで成型する
る高 度 な 加 工 技 術。高 精 度 なネ
技 術。複 雑で精 密 な 機 構を持 つ
金属製品を成型する技術。ミシンの
技術。タイプライターでは、部品
ジ穴加工を可能としたタッピング
ミシン 部 品 の 製 造 に お い て は、
ボディーなど、強度を求められる
の 加 工や活 字 の 成 型に使われて
マシンの技術は、
高い精度が求められていました。
部分に使われています。
います。
現在の工作
機械事業に
受け継がれ
ています。
シャトルフック
1992
通信技術
家庭用ミシン
15 種 70 型
欧文ポータブルタイプライター
タッピングマシン
JP1-111
BT1-201
1995
1997
電子写真技術
インクジェット印字技術
通 信 回 線 で ソ フト を 配 信 す る
帯 電させた感 光 体にレー ザ ー 光
インクの微粒子を圧力で射出する
パソコンソフト自動販売機の開発を
などを照射し、トナーを付着させ、
ことで印字する方式。ブラザーは、
通して通信、ネットワーク、データ
用紙に転写したうえで、熱と圧力を
電 圧 を 加 えると変 形 するピエゾ
圧 縮 などの 技 術 を 社 内 に 蓄 積。
かけることでトナーを紙に定着させ
素子(圧電素子)による印字技術の
そ れらを ベ ー スに通 信カラオケ
る印字技術です。
研究開発を行っています。
分野に参入しました。
通信カラオケ
モノクロレーザー複合機
インクジェット複合機
JOYSOUND
MFC-4500ML
MFC-7000FC
売上高推移
1908
05
1960
1930
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
1970
1980
(百万円)
800,000
1971
1988
ドットインパクト印字技術
サーマル印字技術
ピンを縦横に並べた印字ヘッドでイ
熱によって紙媒体に印字する方式。
ンクリボンを叩いて、文字や図柄を
感熱紙を使用するタイプとインクリ
ドットのパターンで印字する技術。
ボンを使用するタイプがあり、ラベ
ブラザーのプリンティング技術の
ルライターやモバイルプリンター
原点です。
などに使われています。
高速ドットプリンター
ラベルライター
M-101
PT-6
600,000
400,000
200,000
0
1990
2000
2010
2014 (年度)
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 06
“At your side.”story
3
ブラザーの今
世界各地のニーズに合った製品やサービスを
グローバルな体制で提供しています
1954 年のアメリカ販売会社設立以降、積極的な海外
への事業展開を進めたブラザーグループは、現在、40
以上の国と地域に生産拠点や販売・サービス拠点を
持ち、海外売上比率は全体の約 8 割を占めています。
各 地 の ニ ーズに合った事 業 活 動を世 界 規 模で展 開
するとともに、生産・開発力、人材など、事業の成長を
支える経営基盤のグローバル化も推し進めています。
(2015年 6月末現在)
●
◆
◆
◆
■
■
●
グループ本社
主要事業国内グループ会社
主要事業海外グループ会社
その他国内グループ会社
研究開発拠点
生産拠点
販売・サービス拠点
情報通信機器の売上が約7割
バランスのとれた市場別売上高比率
工業用部品事業 2.5 %
その他 2.1%
ネットワーク・アンド・
コンテンツ事業
プリンティング・アンド・
ソリューションズ事業
(通信カラオケ・コンテンツサービスなど)
(プリンター・複合機・電子文具など)
マシナリー・アンド・
ソリューション事業
6.9 %
(工業用ミシン・産業機器)
14.2%
パーソナル・
アンド・
ホーム事業
日本
7.3%
米州
18.1%
事業分野別
売上高構成比
(2014年度)
市場別
売上高構成比
67.1%
24.3 %
(家庭用ミシンなど)
32.9 %
(2014年度)
24.7%
アジア他
連結売上高(2014年度)
7,072億円
07
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
欧州
日本以外で働く従業員が約7割
米州 4.0 %
欧州 4.9 %
日本
世界11の国と地域で各国環境ラベル取得
ブルーエンジェル
(ドイツ)
ノルディックスワン
(北欧 5カ国)
31.3%
地域別
従業員数※内訳
(2015年3月現在)
59.8 %
アジア他
中国環境表示
環境チョイス
グリーンマーク
(中国)
(ニュージーランド)
(台湾)
韓国環境ラベル
エコマーク
(韓国)
(日本)
連結従業員数※ (2015年3月現在)※正社員のみ
34,988人
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 08
“At your side.”story
4
ブラザーの価値創造
私たちの価値創造はすべてお客様の声から始まります
ブラザーグループにとって、
「お客様の声」がすべての価値創造の原点です。その声にお応えするために、独自の
マネジメントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント( BVCM )」を構築し、お客様の元へ優れた価値
をお届けするまでの過程を、
「デマンドチェーン」
「コンカレントチェーン」
「サプライチェーン」の 3 つのチェーンで
つなぎ、実践しています。私たちは、常にお客様を第一に考える
“ At your side. ”
の精神でこの一連の流れを進化
させながら、より優れた製品・サービスをお届けしていきます。(▶ P. 31 - 32「商品開発体制」ご参照)
お客様の声
BVCM
サプライ
チェーン
価値の伝達
Brother Value Chain Management
ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント
コンカレント
チェーン
価値の創造
09
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
デマンド
チェーン
価値の選択
お客様の声 “価値”
のチェーンの始まり
お客様の声
ブラザーの「現在のお客様」と「将来のお客様」の声が、
すべての事業活動の出発点です。お客様との重要な接点
BVCM
であるコールセンターに寄せられたお問い合わせやご要
望をデータベースに登録し、グループ全体でグローバルに
共有します。
デマンドチェーン 価値の選択
コールセンターに寄せられたご意見や、販売・サービス
BVCM
デマンド
チェーン
活動、市場調査データから得た情報をもとに、営業部門・
設計部門が一体となって、さまざまな角度からお客様の
ご期待・ご要望を分析し、製品コンセプトをつくり上げます。
コンカレントチェーン 価値の創造
試作の前後にシミュレーションやモニター試験を何度も
BVCM
行い、高い品質レベルを実現しながら、スピーディーで
より効果的な開発設計を行います。そして、超精密加工
技術などの生産技術を最大限に活用して、お客様の求め
コンカレント
チェーン
る価値を製品として形にします。
サプライチェーン 価値の伝達
部品調達先などパートナーと密に連携しながら、製造工程
サプライ
チェーン
BVCM
や品質管理体制を強化して生産された高品質な製品を、
世界各国・地域の販売拠点を通じてお客様に届けます。
そして、オンラインサポートやコールセンターなどを通じ
て、迅速・丁寧なサポートを実施します。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 10
“At your side.”story
5
ブラザーの目指す姿
持続的成長に向けすべてのステークホルダーから
信頼される企業を目指します
ブラザーグループがあらゆる場面でお客様を第一とし、
「現在のお客様」はもちろん、
「将来のお客様」にも優れた
価値を提供し続ける企業であるために、中長期ビジョン「グローバルビジョン 21」を策定しています。
このビジョン達成のロードマップとして、中期戦略「 CS B2015」を策定。また、グローバルな CSR 経営を推進し、
すべてのステークホルダーから信頼される企業となるべく、
「ブラザーグループ グローバル憲章」の浸透にも取り
組んでいます。
お客様
従業員
環境
At your side.
ビジネス
パートナー
地域社会
グローバル
ビジョン 21
株主
ブラ
ザ
ル
ーグ
グロ
ープ
ステークホルダーからの信頼
ーバ
ル憲
章
Brother
Earth
従業員の誇り
中長期ビジョン「グローバルビジョン21(GV21)」
「グローバルマインドで優れた価値を提供する
高収益体質の企業」になる
独自の技術開発に注力し「傑出した固有技術によってたつ
モノ創り企業」を実現する
形だけでなく価値観のグローバル化を進め、あらゆる変化に柔軟に
差別化されたコア(核)となる独自技術や特許を保有し、お客様を第一
対応し、スピーディーに変化しつづけるとともに、高収益かつ強固な
に考えたユニークでオリジナリティーのあるモノ創りを進めます。
財務体質を築き上げます。
「
“At your side.”
な企業文化」を定着させる
サービスのみならず企画・開発・設計・製造などのあらゆる場面でお
客様を第一に考えた企業文化を育成し、お客様から「信頼できるブラン
ド」
として認識されることを目指します。
11
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
中期戦略 CS B2015
ブラザーグループは、
「グローバルビジョン21」
(以下「 GV21」)実現に向けたロードマップとして、2011 年度から2015 年度までを対象とした中期
戦略「CS B2015」を策定。
“Back to Growth ∼成長への再挑戦∼”
をテーマに、持続的成長に向けて取り組んできました。
「GV21」実現のための次のロードマップを策定いたします。
2015 年度はその最終年度として「CS B2015」の当初の目標の達成を目指すとともに、
各事業の目指す姿
P&S事業(プリンター・複合機・電子文具など)
グローバルに成長戦略を推進し、SOHO ※1、SMB ※2 市場においてトップクラスのポジションを築く
P&H事業(家庭用ミシンなど)
安定成長を図り、収益性を確保する
M&S事業(工業用ミシン・産業機器など)
カテゴリー No.1 の商品群で、成長と収益を両立する
N&C事業(通信カラオケ・コンテンツサービスなど)
通信カラオケ事業を中核とし、ネットワーク・アンド・コンテンツの分野において新規事業を拡大する
新規事業
サービスやソリューションを提供する事業などにおいて、次世代を担う新規分野での事業化を実現し、
事業を拡大する
※1 SOHO:Small Office, Home Officeの略称。
※2 SMB:Small and Medium Businessの略称。小規模な事業所や中小企業、複数拠点に分散する企業のオフィスなど。
投資戦略
経営基盤の重点戦略
研究開発および設備投資に加え、戦略投資で成長を加速
開発/製造/販売・マーケティング/人材/ CSR・ブランド
研究開発
「新商品開発」
「新規事業」
設備投資
「生産体制強化」
「新商品・事業」
戦略投資
「M&A」
「アライアンス」
“真のグローバル化”の加速
ステークホルダーへの責任
「 Brother」を、
ブラザーグループは、中長期的な視野に立ってグローバルな CSR 経営を推進することで、さらなる事業の成長を目指すとともに、
お客様をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼されるグローバルなブランドとして確立すること、そして、従業員にとってブラザーグループ
が心の底から
「誇りの持てる企業」
となることを目指しています。
こうした考えのもと、ブラザーグループはステークホルダーから信頼される活動を一つひとつ積み重ね、持続的に成長していきます。
ブラザーグループ グローバル憲章
地域社会への貢献
世界中のグループ会社とグループ従業員の日々の意思決定と実行に
ブラザーは「グローバル憲章」において、所属する国や地域に対する
関する「基本方針」と「行動規範」を定めたものです。これを礎として、
貢献を常に意識し、地域社会に対する社会的・経済的・文化的責任を
異なる文化や慣習の違いを超え、グローバル企業にふさわしい体制を
可能な限り分担することにより、よき企業市民となるよう努力すること
つくり上げていくため、継続的に浸透活動を進めています。
を約束しています。
(▶ P.33「グローバルに価値観を共有する」
ご参照)
(▶ P.37-38「地域社会への貢献」
ご参照)
環境スローガン「Brother Earth」と中期環境行動計画
ブラザーグループは、環境スローガン「 Brother Earth」のもと、企業
活動のあらゆる面で地球環境への配慮に前向きで継続的な取り組み
を行うことを約束しています。中期環境行動計画ではそれぞれの分野
で意欲的な目標を掲げ、持続的発展が可能な社会の構築に貢献する
ため、環境配慮型製品の創出や事業活動での環境負荷の削減、各国
法規制対応、環境社会貢献活動などをさらに加速させています。
(▶ P.35-36「環境への取り組み」
ご参照)
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 12
ビジョンと進捗
ステークホルダーの皆さまへ
持続的な成長を実現し
未来永劫に繁栄し続ける企業を目指します
グローバルビジョン 21
「グローバルマインドで優れた価値を提供する
高収益体質の企業」になる
独自の技術開発に注力し「傑出した固有技術に
よってたつモノ創り企業」を実現する
「
“ At your side. ”
な企業文化」を定着させる
ブラザー工業株式会社
代表取締役社長
小池 利和
13
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
中長期ビジョン「グローバルビジョン21」の実現を
目指して
「CS B2015」― 事業領域の拡大に向けて
ブラザーグループの売上高のうち、約 7 割を占めているのは、プリン
1908 年にミシン修理業から始まったブラザーグループは、一世紀
ターや複合機、電子文具などの情報通信機器ですが、その他、創業時の
以上にわたり、時代の変化に対応しながら独自の製品やサービスを
製品であるミシンをはじめ工作機械、通信カラオケ、工業用部品など、
提供してまいりました。今日では、40 以上の国と地域に拠点を置き、
さまざまな事業が支えあっています。海外進出は1950 年代に開始して
プリンターや複合機、電子文具などの情報通信機器事業を中心とした
おり、現在、海外売上高は全体の約 8 割を占めています。市場別では
事業活動を展開しています。ブラザーグループは、
さらなる成長に向け、
米州約 3 割、欧州約 3 割、日本約 2 割、中国・アジアほかが約 2 割と、
開発、製造、販売、人材育成などあらゆる面において“真のグローバル
一つの地域に偏らないバランスのとれた売上高比率となっています。
化”を推進し、中長期ビジョン「グローバルビジョン21」の実現を目指し
ブラザーグループを取り巻く世界の環境はめまぐるしく変化して
ています。
います。先進国においてはミシン市場、プリンティング機器市場が
「グローバルビジョン21」の実現に向けたロードマップとして 2011 年
成熟化し、価格競争に巻き込まれない高付加価値の商品の開発が
4 月からスタートした中期戦略「 CS B2015」では、さまざまな事業
急務となっております。一方、新興国では経済成長に伴いプリンティング
環境の変化があるなかで、成長戦略を描き、事業の拡大を目指すという
機器の需要が増加しており、市場の拡大が見込まれます。
基本方針を継続しております。
そのようななかブラザーグループは、中期戦略「 CS B2015」の
“ Back to Growth ∼成長への再挑戦∼”をテーマに、売上高 7,500
億円、営業利益 580 億円を目指して取り組んでおります。最終年度で
ある2015 年度は、この目標を達成すべく、グループ一丸となって取り
組んでまいります。
「グローバルビジョン21」実現のための中期戦略「CS B2015」
(単位:億円)
中期戦略「CS B2015」
“Back to Growth ~成長への再挑戦~”
10,000
4,974
5,161
2011年度
2012年度
6,168
2013年度
7,072
7,500
2014年度
2015年度
(目標)
GV21
目標
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 14
ビジョンと進捗
各事業の取り組み
将来の成長のために積極投資
プリンティング・アンド・ソリューションズ事業のプリンター、複合機
ブラザーグループでは、あらゆる場面でお客様を第一に考えた
においては、先進国ではすでに高いマーケットシェアを獲得している
“ At your side.”の精神のもと、ユニークでオリジナリティーのある
※1
のお客様に
モノ創りを通じて、世 界 中 の お客 様に優れた価 値を提 供し続けて
対応した高機能製品の販売を強化してまいります。新興国では、モノ
います。さらなる成長に向けて、既存事業においては付加価値の高い
クロレーザー製品および大容量インクタンクを装備したインクジェット
新規製品の創出、また、サービス・ソリューションの領域や産業用の
製品の販売拡大を目指してまいります。電子文具に関しては、オフィス・
領域など新規事業の拡大により、グループの事業ポートフォリオを強化
SOHO
向けの製品に加え、印刷枚数の多い SMB
※2
ホーム市場での安定成長を目指すとともに、CIV
※3
およびソリュー
してまいります。
ション領域での成長を加速させます。
そのため、2015 年度の設備投資・研究開発費はともに過去最高額
パーソナル・アンド・ホーム事業においては、家庭用ミシンの普及機、
を予定しており、今後も積極的な投資、研究開発を進めてまいります。
刺しゅう機能のついた高級機、およびカッティングマシンの販売が順調
また、事業領域の拡大に向けて、モバイルプリンター、通信カラオケ、
に伸びており、今後も刺しゅう用ミシンおよびクラフト領域での販売を
Web 会議、減速機・歯車、音楽コンテンツ、産業用プリンティング
拡大するとともに、新興国市場での販売を強化してまいります。
などの事業の M&A を継続的に実施してまいりました。 M&A、アライ
マシナリー・アンド・ソリューション事業の産業機器においては、需要
アンスの構築については、会社が継続的な成長を遂げるうえで非常に
が好調な IT 関連顧客に加え、自動車関連顧客などの安定市場にも販売
重要であると考えており、これからも引き続き積極的に進めてまいり
を伸ばしてまいります。工業用ミシンにおいては、他社にない機能を
ます。
搭載した新製品の投入などによりシェア拡大を目指します。
ネットワーク・アンド・コンテンツ事業では、通信カラオケ機器の新
価値創造を支える取り組みも継続
製品の拡販に加え、
直営カラオケ店舗の拡大、
業務コスト削減を実現し、
収益の安定化を図ります。
工業用部品事業では、高効率ギアモーターをはじめとする減速機の
拡販や歯車事業の収益力向上と合わせ、工場環境の整備や生産能力の
増強などによるモノ創りの体制の強化を進めます。
考えるモノ創りの仕組み「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント
( BVCM)」システムを通じて新しい価値を創造しています。常にお客
様を中心に考え、
“At your side.”
の精神でこの一連の流れを進化させ
ながら優れた製品・サービスを提供し続けています。
※ 1 SOHO:Small Office, Home Office の略称。
※ 2 S MB:Small and Medium Business の略称。小規模な事業所や中小企業、
※3
ブラザーグループは、
「お客様の声」をすべての事業活動の原点と
(▶ P.31-32「商品開発体制」
ご参照)
複数拠点に分散する企業のオフィスなど。
CIV:Commercial Industrial Vertical の略称。特定業務用途向け。
既存事業における付加価値の高い新規製品の創出と、新規事業の拡大
産業用の領域への拡大
15
ブラザーコミュニケーションレポート
付加価値の高い新規製品の創出
2015
サービス・ソリューションの領域への拡大
また、この価値創造を支えるうえでは人材の力が欠かせません。
ブラザーグループには、現在世界 40 以上の国と地域に34,988 名の
従業員がいます。言語、人種、国境や地域を超えて判断基準を共有
するため、私たち経営層との対話によるコミュニケーションなどを
通じて、世界中のグループ会社とグループ従業員の日々の意思決定と
行動に関する基本方針と行動規範である「ブラザーグループ グロー
バル憲章」の浸透活動を行っています。
お客様に信頼される企業となるために
ブラザーグループは、お客様に信頼される企業となるために、従業員
にとって誇りの持てる企業となるために、そして、未来永劫に繁栄し
続ける企業となるために、変革と挑戦を続けてまいります。今後とも
ブラザーグループにご理解・ご期待を賜りますようよろしくお願い申し
上げます。
世界の市場で成功していくには、それに見合った人材も必要です。
グローバルに活躍できるスタッフの採用や海外トレーニー制度などの
人的交流をはじめ、若手リーダー育成のための「チャレンジ塾」を開催
するなど、人材育成にも努めています。
(▶ P.33-34「人材への取り組み」
ご参照)
ブラザーの事業を展開している国や地域で地球環境への配慮を実践
するため、
「よりよい地球環境を、あなたとともに。」をメッセージとした
環境スローガン「 Brother Earth」のもと、製品の地球環境負荷低減に
配慮したモノ創りや各国の法規制に対応した独自の環境情報システム
による環境経営を推進しています。
(▶ P.35-36「環境への取り組み」
ご参照)
さらに、各国・地域が連携して、統一感を持った従業員参加の社会
貢献活動を推進し、よき企業市民となるよう努力をしています。
(▶ P.37-38「地域社会への貢献」
ご参照)
ブラザー工業株式会社
代表取締役社長
M&A・アライアンスの取り組み
2011年
2012年
2015年
2015年
ネフシス
株式会社ニッセイ
テイチクエンタテインメント
ドミノ プリンティング サイエンス
Web 会議システム
工業用部品事業
音楽レーベル
産業用プリンティング
クラウドを活用した Web技術獲得
産業用の領域の拡大
音楽コンテンツ強化
産業用の領域の拡大
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 16
ビジョンと進捗
財務・非財務ハイライト
「グローバルビジョン21」の目指す姿となるために
事業活動に取り組んでいます
「グローバルマインドで優れた価値
を提供する高収益体質の企業」に
なる
市場別売上高
地域別従業員数
約8割
海外売上高比率
人材をグローバルに配置
■ 米州 ■ 欧州 ■ アジア他 ■ 日本
(単位 : 百万円)
● 海外売上高比率
■ 米州 ■ 欧州 ■ アジア他 ■ 日本
800,000
40,000
700,000
35,000
600,000
500,000
400,000
77.0%
77.0%
●
79.5%
30,000
81.9%
●
●
●
25,000
75.8%
●
20,000
300,000
15,000
200,000
10,000
100,000
5,000
0
0
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度
(予想)
独自の技術開発に注力し
「傑出した固有技術によってたつ
モノ創り企業」を実現する
(単位 : 人)
設備投資・減価償却費
研究開発費・売上高比率
持続的成長に向けて設備投資
新規事業創出のため研究開発に注力
■ 設備投資 ■ 減価償却費
39,800
34,858
35,000
25,000
(単位 : 百万円)
46,000
40,000
30,000
■ 研究開発費 ● 売上高比率
(単位 : 百万円)
45,000
27,833
30,237
23,069
27,613
44,100
44,000
34,064
42,523
31,900
28,205
42,000
24,476
40,000
20,000
40,137
39,232
●
15,000
38,000
7.9%
7.3%
●
37,514
6.5%
●
6.0%
●
5.8%
●
10,000
36,000
5,000
0
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
(予想)
「
“At your side.”
な企業文化」
を定着させる
34,000
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
(予想)
価値観の共有のための取り組み
翻訳された言語数
27ヵ国語
「ブラザーグループ グローバル憲章」は、100 年以上の
歴史を持つ企業のなかで受け継がれてきた「世の中の役
に立ち、良い会社をつくりたい」という思いを言葉にした
(▶ P.33)
もので、全世界の従業員に配布されています。
共有リーダー数
約
370 名
グローバル憲章共有活動を推進するために重要な役割
を果たしているのが、各組織において選出された共有
リーダーの存在です。世界の共有リーダーが、それぞれ
の組織における活動の中心を担っています。
17
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
営業利益・営業利益率
営業利益率
8.1%(+1.1 ポイント)
ROE・ROA
2015 年度の ROE は約 10% の見込み
● ROE ● ROA
(単位 : 百万円)
■ 営業利益 ● 営業利益率
70,000
(単位 : %)
18.0
57,541
60,000
58,000
●
16.0
12.0
43,301
40,000
34,183
6.9%
30,000
●
29,775
8.1%
7.0%
●
5.8%
7.6%
6.0
●
20,000
8.0
●
●
●
0
10.4
8.7
7.2
7.1
●
●
25.00
5.3
4.5
●
24.00
●
4.3
10.00
5.00
0
2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度
400
350
300
24.00
250
206.68
●
200
150
15.00
0
(予想)
24.00
20.00
● 6.9
2.0
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
30.00
30.00
12.1
●
4.0
10,000
36.00
35.00
10.0
●
●
■ 1株当たり配当金 ● 1株当たり当期純利益(単位 : 円)
40.00
16.8
14.0
50,000
1 株当たり当期純利益※・1 株当たり配当金
2015 年度配当は年間 36 円へと2 割増配
●
72.95
66.65
●
●
136.73
●
100
50
72.20
0
2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
(予想)
※2015年度予想につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益を記載しております。
製造系拠点の従業員数
事業規模の拡大に合わせて増員
事業活動全体を通じた CO2 排出量の削減を推進
ブラザ ーグ ル ープは 世 界 各 国・地 域 で 事 業 展 開 するグロ ー バ ル
■ 製造系従業員数 ● 全従業員に占める割合 (単位 : 人)
23,000
22,500
22,000
66.8%
●
●
65.4%
●
21,500
64.6%
●
64.8%
●
21,163
21,000
20,731 21,394
20,500
20,000
22,686
67.6%
企業として、地球温暖化防止への取り組みを最重要課題の一つと
位置づけ、CO2 排出量の 2020 年度中期目標を定めています。その
マイルストーンとして、
「ブラザーグループ中期環境行動計画 2015」
( 2011 ∼ 2015)のなかで、国内 8 事業所は絶対値、海外生産拠点
※
( USA 除く)
は売 上 高 原 単 位 比で、ともに年 率 1% の CO2 排 出 量
削減目標を掲げています。
19,942
19,500
2020年度中期目標
19,000
国内8事業所で2020年度のCO2排出量を1990年度比30%削減(絶対値)
18,500
海外生産拠点(USA除く)
で2020年度のCO2排出量を2006年度比20%削減
18,000
2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度
(売上高原単位比)
※海外生産拠点のUSAは、施設が販売拠点の一部であることから、CO2排出量は販売拠点の実績
として管理しています。
海外生産拠点売上高原単位の推移
経営層と従業員の対話
直接対話
経営層からのメッセージ
年間
200 回 以上
売
上
高
7 年前倒しで
26.9 %
10 言語で配信
20.0%
削減
削減 を達成
2014 年 度 は、経 営 層によるグロー バ ル 憲 章 共 有 会 議に
おいて「新たな成長を目指したチャレンジを」と宣言されまし
た。それを受けて、ブラザーの良き DNA を継承しながらも
一人ひとりの意識改革を目指して、経営層と従業員の直接
2006
年度
2007
年度
2008
年度
2009
年度
2010
年度
2011
年度
2012
年度
2013
年度
2015
年度
2020
年度
対話が 200 回以上実施されました。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 18
事業別概況
すべての事業で優れた
価値を提供し
プリンティング・アンド・ソリューションズ(P&S)事業
主要製品
お客様のライフスタイルと
プリンター、複合機、ファクス、電子文具、
スキャナーなど
ワークスタイルを
支援します
ブラザーグループは、あらゆる場面でお客様を第一に
考え、モノ創りを通して優れた価値を創造し、迅速に
提供することを使命としています。
「情報通信機器」
「家庭用ミシン」
「工業用ミシン・産業機器」
「通信カ
ラオケ・コンテンツ配信」
「減速機・歯車」など幅広い
分野で、ブラザーならではの製品やサービスをお客様
にお届けしています。
パーソナル・アンド・ホーム(P&H)事業
主要製品
家庭用ミシン、カッティングマシンなど
マシナリー・アンド・ソリューション(M&S)事業
主要製品
工業用部品事業 2.5%
ネットワーク・アンド・
コンテンツ事業
プリンティング・アンド・
ソリューションズ事業
(プリンター・複合機・電子文具など)
(通信カラオケ・コンテンツサービスなど)
マシナリー・アンド・
ソリューション事業
ネットワーク・アンド・コンテンツ(N&C)事業
6.9%
(工業用ミシン・産業機器)
14.2%
パーソナル・
アンド・
ホーム事業
工業用ミシン、産業機器
その他 2.1%
7.3%
主要製品・サービス
事業分野別
売上高構成比
(2014年度)
67.1%
通信カラオケシステム、カラオケ店舗運営、
コンテンツサービスなど
(家庭用ミシンなど)
工業用部品事業
主要製品
減速機、歯車
19
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
Printing & Solutions
レーザーやインクジェットなどのプリンティング技術を追求しながら、
常に新しいワークスタイルを提案しています。代表的な製品としては、
コンパクト性を追求したプリンターのほか、1 台にプリンター・ファクス・
コピー・スキャナー などの 機 能を搭 載した 複 合 機、使 いやすさに
こだわったラベルライターがあります。これらの情報通信機器で、
SOHO ※1や SMB ※2 などで幅広いニーズにお応えします。
※ 1 SOHO:Small Office, Home Office の略称。
※ 2 S MB:Small and Medium Business の略称。小規模な事業所や中小企業、
複数拠点に分散する企業のオフィスなど。
Personal & Home
家 庭 用ミシンを中 心としたソーイング関 連 の 製 品とサ ービスで、
手づくりの楽しさを提案します。また高級刺しゅうミシンにおいては、
IT を活用したサービスを通じて手づくりの新しい可能性を広げます。
加えて世界で初めてスキャナー機能を搭載したカッティングマシンは、
クラフト市場において新たな価値を創造しています。
Machinery & Solution
使いやすさ、高品質な縫製、省エネルギーを実現した工業用ミシン、
スマートフォンなどの IT 関連機器や自動車・オートバイの部品加工に
最適な工作機械をお客様に提案し、密着したサポートをすることで、
生産性向上と新たな価値創出をお手伝いしています。
Network & Contents
業務用通信カラオケシステムの提供およびカラオケ店舗の運営で、
国内の通信カラオケ事業において業界第 2 位のポジションを築いて
います。また通信カラオケで培ったコンテンツや配信技術を活用し、
健康分野に向けたサービスや映像コンテンツの配信など、新たな顧客
価値を追求しています。
Industrial Part Business
小型ギアモーターをはじめとする減速機事業において、豊富な製品
バリエーションや特注品対応力を持ち、歯車事業においては、各種小型
歯車の生産力や一貫生産能力などを強みとし、日本国内で高いマー
ケットシェアを維持しています。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 20
事業別概況
プリンティング・アンド・ソリューションズ(P&S)事業
通信・プリンティング機器につきましては、先進国では印刷枚数の
多い SMB 市場のお客様に対応した高機能製品、新興国ではモノクロ
レーザー製品および大容量インクタンク搭載のインクジェット製品、
日本では家庭向けインクジェット製品の販売を強化します。
電子文具につきましては、新興国を中心にオフィス・ホーム市場での
さらなる成長を目指すとともに、オフィス市場で事業を拡大していき
ます。
米州
日本
アジア 他
通信・プリンティング機器・電子文具の市場動向
■ 売上高:通信・プリンティング機器 ■ 売上高:電子文具
6.6 %
● 営業利益
※1
売上高
(単位:億円)
通信・プリンティング機器では、先進国の
SOHO
6,000
19.4%
40.8%
5,090
5,000
市場で成熟化が進み、厳しい価格競争が続くなか、
4,743
357
310
動きが活発化しています。日本市場においてはインク
220
337
2,000
188
ジェット製品の競争が激化していますが、拡大傾向に
1,000
ある新興国市場ではチャンスが広がっています。
0
欧州
代表取締役 専務執行役員
2011年度
市場別売上高構成比
石川 茂樹
(2014年度)
プリンティング事業統括
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
(予想)
電子文具につきましては、先進国のオフィス・ホーム
市場は成熟化していますが、新興国向けはまだ成長が
期待できます。また、配電盤や通信ケーブルへのマー
キング、製造現場でのラベリングなど、業務用の用途
2014 年度の概況
製品紹介
■ 売上高:通信・プリンティング機器 ■ 売上高:電子文具
売上高
● 営業利益
(単位:億円)
営業利益
6,000
5,000
4,743
2,000
600
500
4,308
4,000
3,000
5,090
3,372
400
3,508
357
310
220
337
300
200
188
1,000
100
0
0
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
(予想)
カラーレーザー複合機
売上高:4,742 億 5 千 7 百万円(前年同期比+10.1%)
●通信・プリンティング機器 4,217 億 9 千 7 百万円(前年同期比+9.8%)
日本国内での販売は、消費増税の影響による需要減などにより落ち込ん
だものの、主にアジア地域において製品本体の需要が堅調だったことに
加え、海外で消耗品の需要が堅調だったことなどにより、全体では増収と
なりました。
●電子文具 524 億 5 千 9 百万円(前年同期比+12.4%)
主に海外市場において需要が堅調だったことなどにより、増収となりました。
営業利益:357 億 2 千 2 百万円(前年同期比+15.4%)
販売費および一般管理費の増加の影響はあるものの、増収効果および為替の
プラス影響などにより、増益となりました。
21
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
600
500
4,308
※2
4,000
印刷枚数が多い
市場での販売拡大に向けた
SMB
3,508
3,372
3,000
33.2%
営業利益
モバイルプリンター
400
300
200
100
0
Printing & Solutions
成長戦略
は需要が拡大しています。
通信・プリンティング機器につきましては、得意分野である量販店や
ブラザーの強み
インターネットを経由した SOHO 市場でのビジネスにおいて激化する
通信・プリンティング機器につきましては、ブラザーはレーザー、インク
ジェット、サーマルの技術を保有しており、レーザープリンターでは特に
SOHO 市場向け製品で確固たる存在感を発揮してきました。各国市場
ごとに異なるニーズに合わせた機能や価格の製品を開発して提供
できることで、評価を得ています。また、1990 年代から海外生産を
加速してきたことにより、高い価格競争力を保っています。
電子文具は、高い操作性や機能性、豊富で多様なラベ ルのライン
アップ、お客様のご要望に応えたソフトウェアの搭載やインターフェイ
スの対応などにより、非常に強いブランド力をグローバルに維持して
います。
競争に打ち勝つため、商品開発と販売の一層の強化を図ります。 SMB
市場においても、販売力を強化し、堅牢性、信頼性を向上させた高機能
製品を開発していきます。新興国では、モノクロレーザー製品、大容量
インクタンクを装備したインクジェット製品の拡販のため、地域の特性
に合わせた販売網の拡大や販売促進の強化に積極的に取り組みます。
厳しい状況が続く日本市場では、積極的な広告戦略、年賀状アプリに
よる訴求など、家庭向けインクジェット製品のシェア拡大に向けた施策
を進めます。
電 子 文 具 に つ き まして は、
オフィス・ホーム市場の安定
プリントボリューム
多
ビジネスセグメント
成 長を維 持しつつ、業 務 用
※ 1 SOHO:Small Office, Home Office の略称。
※ 2 S MB: Small and Medium Business の略称。小規模な事業所や中小企業、
複数拠点に分散する企業のオフィスなど。
ラ ベリング・マ ー キ ング に
おいて新たな顧客価値を
創造し、新市場を開拓すると
ともに、新興国等開拓の余地
既存領域
少
ホーム SOHO SMB
コーポレート
の大きい市場への取り組み
を強化していきます。
ブラザーの価値創造
プリンターでデザイン賞受賞
インクジェット複合機およびラベルプリンターが、優れたデザイン
や品質の製品に贈られる「 iF DESIGN AWARD
2015」 を受賞
しました。 iF 賞とは、ドイツ・ハノーバー工業デザイン協会によっ
て設立された国際的なデザイン賞です。外観の美しさだけでな
く、機能性や環境への配慮など多くの審査基準を満たす iF 賞の
モノクロレーザー複合機
インクジェットプリンター
受賞製品は、国際的にも高く評価されます。インクジェット複合機
は「2014 年度グッドデザイン賞」も受賞しています。
ラベルライター
ラベルプリンター
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 22
事業別概況
パーソナル・アンド・ホーム(P&H)事業
家 庭 用ミシンの 普 及 機、刺しゅう機 能 のついた高 級 機、および
カッティングマシンの販売が順調に伸びており、今後も刺しゅう用
ミシンおよびクラフト領域での販売を拡大するとともに、新興国
市場での販売を強化します。
日本
米州
家庭用ミシンの市場動向
■ 売上高 ● 営業利益
アジア 他
9.2 %
売上高
(単位:億円)
家庭用ミシンにつきましては、欧米市場が緩やかに
600
11.6 %
514
拡大し、新興国市場も伸長しましたが、日本市場は
51
433
500
49
57.5 %
21.6 %
42
横ばいで推移しました。欧米のメーカーが中高級機
338
307
40
30
200
20
を中心に展開するのに対し、
当社をはじめ日本企業は
26
25
2011年度
市場別売上高構成比
久野 光康
(2014年度)
2012年度
より販売は好調に推移しました。
製品紹介
■ 売上高 ● 営業利益
売上高
(単位:億円)
600
514
500
433
400
300
200
307
26
338
49
60
50
40
42
30
25
20
10
100
0
営業利益
530
51
0
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
(予想)
売上高:514 億 4 千 5 百万円(前年同期比+18.9%)
一般用ミシン
主に米州において、高付加価値モデルの新製品投入効果などにより販売
が好調に推移し、増収となりました。
営業利益:49 億 2 千 9 百万円(前年同期比+16.9%)
増収に伴い、増益となりました。
刺しゅうミシン
23
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
2013年度
2014年度
2015年度
北米で高付加価値モデルの新製品を投入した効果に
パーソナル・アンド・ホームカンパニー プレジデント
2014年度の概況
50
300
0
提供する戦略を展開しています。なかでもブラザーは、
執行役員
60
400
普及機から高級機までのフルラインアップの製品を
100
欧州
営業利益
530
(予想)
10
0
Personal & Home
ブラザーの強み
成長戦略
当社は、高性能かつ高付加価値の製品を提供できる業界随一の開発
今後は新たな付加価値の提案と販売・サービス網のさらなる強化を
力を有しています。特に電子技術の強みを生かした最先端の機能を
図っていきます。中高級機では、利便性の良い実用ミシンによるシェア
使いやすい形でお客様に提供することで、市場をリードしてきました。
拡大および付加価値の高い刺しゅうミシンによる顧客満足度の向上を
製造面では台湾、中国、ベトナムに工場を持ち、高級機から普及機まで
図ることにより収益の拡大を目指します。また、職業用刺しゅうミシン
お客様に十分な満足を実感していただける製品を生産しています。
「PR シリーズ」
によるスモールビジネス市場の開拓を進めていきます。
販売面においては、北米では有力な大手小売店との強いパイプを
クラフト市場においては、カッティングマシンでペーパークラフト分野
生かし抜群の知名度を誇ることに加え、高級機を販売する大手ミシン
に進出しました。今後も競争力の高い製品群を投入することにより、
ディーラーなどの有力なビジネスパートナーと緊密な関係を構築して
さらなる成長を目指します。
います。さらに、グローバルに展開する販売拠点が、優れた製品に加え、
きめ細やかなサービスや教育を提供することにより、強いブランド力を
維持・強化しています。
クラフト
事業
職業用
刺しゅう
領域
既存領域
新興国
中国/アジア
中南米
ロシア/東欧
ブラザーの価値創造
高級家庭用ミシンが高い評価を得る
2014 年に発売した高付加価値モデル XV8500D は、アメリカで
1 万ドル近い価格で販売されている高級機です。大きなディス
プレイを備えたことによる使いやすさに加えて、カメラ機能を
カッティングマシン
用いて刺しゅうの位置合わせができるなど、さまざまな機能を搭載
しています。北米、西欧のお客様に高い評価をいただき、順調に
売上を伸ばしています。
職業用刺しゅうミシン
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 24
事業別概況
マシナリー・アンド・ソリューション(M&S)事業
工業用ミシンにおいては、他社にない機能を搭載した新製品の投入
と販売力の強化でアジア市場の拡大を目指すとともに、欧米市場を
中心にガーメントプリンター※の販売を拡大します。
産業機器においては、需要が好調な IT 関連市場に加え、自動車、
一般機械などの安定市場でも販売を伸ばしていきます。
日本
7.5% 5.8%
16.4%
工業用ミシン/産業機器の市場動向
● 営業利益
■ 売上高:工業用ミシン ■ 売上高:産業機器
米州
欧州
売上高
( 単位:億円 )
1,200
営業利益
1,078
1,006
工業用ミシン市場は、中国からの縫製品輸出の落ち
1,000
162
160
需要が急増しました。また、産業機器につきましては、
120
614
150
631
400
83
自動車・一般機械
IT 関連市場の需要が拡大する一方、
50
200
市場は安定的な伸びを見せています。
0
40
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
アジア 他
常務執行役員
市場別売上高構成比
川那辺 祐
(2014年度)
マシナリー・アンド・ソリューションカンパニー プレジデント
2014年度の概況
製品紹介
■ 売上高:工業用ミシン ■ 売上高:産業機器
売上高
● 営業利益
( 単位:億円 )
1,200
1,006
1,000
800
704
614
●
150
631
40
2011年度
240
160
120
80
83
200
0
●
営業利益
200
162
600
400
1,078
2012年度
50
40
2013年度
2014年度
2015年度
0
(予想)
売上高:1,006 億 1 千 7 百万円(前年同期比+59.5%)
工業用ミシン
●工業用ミシン 273 億 2 百万円(前年同期比+1.9%)
中国において、縫製産業の需要低迷による影響があったものの、東南
アジアおよび欧米における縫製産業の設備投資需要の拡大や、為替の
プラス影響もあり、全体では増収となりました。
●産業機器 733 億1千4百万円(前年同期比+101.9%)
IT 関連顧客向けの需要が好調に推移したことに加え、自動車関連顧客へ
の販売強化などの効果もあり、大幅な増収となりました。
営業利益:162 億 1 千 9 百万円(前年同期比+225.0%)
主に産業機器の増収に伴い、大幅な増益となりました。
ガーメントプリンター
※ガーメントプリンター:パソコン上のイメージを
そのままプリントできる衣類用高機能プリンター
25
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
200
●
800
込みに伴う需要の減少があった一方で、
東南アジアでは
●
704
600
70.3%
240
2015年度
(予想)
80
40
0
Machinery & Solution
ブラザーの強み
サポート力の強化などを進めることにより、自動車 ・ 一般機械市場での
工業用ミシンでは、お客様視点に立った使いやすさを追求し、圧倒的
販売拡大を図ります。
な高生産性で市場における優位性を確保しています。産業機器に
おいても、工作機械本体のメカ部分と機械を制御する NC 装置 ※ の
ブラザーの工作機械 SPEEDIO の環境性能 他社比較
両方を自社で開発する機電一体開発に基づいた製品開発により、生産
しています。
※ NC 装置:NC は numerical control(数値制御)の頭文字をとったもので、プログ
ラムなどで入力された図面の座標や形状情報をもとに制御して動かす工作機械の
頭脳。
1 サイクル消費電力※
消費電力量
性に優れ、省エネルギーを実現する環境性能の高い工作機械を提供
約
80 %
DOWN
(kw/h)
成長戦略
工業用ミシンでは、革新的な新製品の開発を加速させ、商品力・販売
力の強化によりアジアでの市場拡大を目指します。また、ガーメント
プリンターなど、非ミシン分野の強化にも注力していきます。一方、成長
著しいアジア市場においては、販売拠点がある香港を中心に重点的に
経営資源を投入します。
一般的なマシニングセンタ
SPEEDIO
※当社用意の加工プログラムで作動させた一例
産業機器事業では、自動車・一般機械市場を対象とした戦略製品を開発・
投入します。さらに、中国・東南 / 南アジアをはじめとした新興市場では、
テクニカルセンターの増強、定期的なお客様サポートの実施、技術
ブラザーの価値創造
工作機械の生産台数累計で10万台突破
ブラザーの工作機械 ※は、ミシン部品加工用の社内生産設備を
自社で開発したことから始まり、今日では IT 関連機器や自動車・
オートバイ、家電製品などの一般機械の部品加工に利用されるなど
活躍の場を広げています。2014 年 6月には、NC 工作機械の生産
台数が累計で10万台に達しました。
工作機械
10万台生産達成記念式典
※ 対象となる工作機械は、NC ボール盤(タッピングセンター)と小型マシ
ニングセンタ( SPEEDIO )。非 NC 工作機械およびワイヤ放電加工機の
生産台数は含みません。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 26
事業別概況
Network & Contents
ネットワーク・アンド・コンテンツ(N&C)事業
通信カラオケ事業を核に、コンテンツ事業、直営店舗事業を一層連携
させ、着実に拡大させることで収益の安定化を図ります。
カラオケ機器の市場動向
通信カラオケ機器の販売対象となる業務用カラオケ市場のうち、カラオケボックス市場は比較
的堅調に推移しているものの、酒場市場は漸減傾向です。また新たに福祉施設向けの市場が
増加しています。
ブラザーの強み
ブラザー工業の連結子会社である株式会社エクシングは、業務用通信カラオケ市場での
先駆的な存在として信頼性の高いハードやコンテンツを企画・開発しており、配信曲数は業界
※
最多の 25 万曲、
「うたスキサービス」
の会員数は 1,000 万人強です。また積極的な M&A な
どにより、カラオケ直営店舗数は順調に増加しています。
※「うたスキサービス」:エクシングが運営する通信カラオケ「JOYSOUND」と連携した会員制カラオケ SNS。
成長戦略
取締役 常務執行役員
神谷 純
新製品の拡販や新規出店、
大規模改装によるカラオケ直営店舗の充実を進め、
収益を確保します。
ネットワーク・アンド・コンテンツ事業統括
また新たに子会社化した音楽・映像ソフトの企画・制作・販売などを手掛ける株式会社テイチク
エンタテインメントとのシナジー効果を生むビジネスモデルの構築に取り組みます。
2014年度の概況
製品紹介
■ 売上高 ● 営業利益
売上高
(単位:億円)
600
500
459
営業利益
556
501
490
476
50
400
40
300
30
23
17
200
20
0
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
売上高:489 億 5 千万円(前年同期比+2.9%)
カラオケ店舗の運営事業は堅調なものの、通信カラオケ機器の需要サイ
クルの影響もあり、若干の増収にとどまりました。
営業損失:8 億 5 千 6 百万円
(前年同期 営業利益 4 億 5 千 1 百万円)
売上構成の変化に加え、開発費などの費用増加の影響により、営業損失と
なりました。
※ネットワーク・アンド・コンテンツ事業の売上は、日本での売上が大半を占めるため、
市場別の記載は省略しております。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
ブラザーの価値創造
(予想)
△9
27
業務用通信カラオケシステム
10
5
100
0
60
通信カラオケで培った技術・
ノウハウを生かした新事業展開
通信カラオケで蓄積した音源制作技術を活用し、1 台でクラシック
やポップスをはじめ、多彩なジャンルの楽曲 300 曲以上をフルコー
ラスで生演奏できる世界初の高級オルゴール「プリモトーン」を
開発しました。
Industrial Part Business
工業用部品事業
ブラザーグループの販売ネットワークを活用し、アメリカ、中国を
中心に海外売上高の拡大を目指します。
工業用部品の市場動向
ギアモーターの国内市場は縮小傾向にありますが、お客様の生産コスト削減につながる
高効率モーター需要は高まっています。一方、北米、韓国、中国などの海外市場では事業機会
の拡大も予想されます。またロボット用歯車につきましても、今後の市場拡大が期待できます。
ブラザーの強み
ブラザー工業の連結子会社である株式会社ニッセイは、17万機種を超える豊富な製品群と
短納期対応によって、国内の小型ギアモーター市場においてトップクラスのシェアを占めて
います。特注品を中心とした歯車事業においても、国内最大規模の生産能力を誇ります。
成長戦略
工場環境を整備するなどモノ創りの体制を強化し、国内市場での安定した収益の確保と海外
市場の開拓強化を進めていきます。また、高効率ギアモーターの国内販売を拡大するとともに、
取締役 常務執行役員
石黒 雅
ロボット用歯車に注力することにより、歯車事業全体の収益力向上を目指します。
工業用部品事業統括
2014年度の概況
製品紹介
■ 売上高 ● 営業利益
売上高
(単位:億円)
250
201
200
161
174
50
40
30
150
100
15
50
0
営業利益
37
3●
2012年度
20
●
●
10
11
3
2013年度
2014年度
●
減速機
歯車
0
2015年度
(予想)
売上高:174 億 4 千 3 百万円(前年同期比+8.4%)
日本国内での需要が堅調だったことに加え、北米での事業強化に取り組
み、増収となりました。
営業利益:2 億 8 千 6 百万円(前年同期比△ 74.1%)
ブラザーの価値創造
ニッセイとの連携から生まれるシナジー
歯車や減速機で高い国内シェアを持つニッセイの技術力とブラザー
の販路を活用し、アメリカや中国など海外市場での事業拡大を
目指すとともに、
技術連携による新事業の開発に取り組みます。
増収効果はあるものの、設備投資の増加による減価償却費の負担増などの
影響により、減益となりました。
歯車製造の新工場
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 28
事業別概況
New Businesses
新規事業(スキャナー、Web会議システム)
スキャナーを活用し文書などの電子化やデータベース化を支援する
「ドキュメント活用」と、Web 会議システム「 OmniJoin」で業務の
効率化を図る「遠隔コラボレーション」の 2 つの領域で、SMB ※ の
お客様をターゲットにしたソリューション分野での事業の拡大を
目指します。
※ S MB: Small and Medium Business の略称。小規模な事業所や中小企業、複数拠点に分散する企業の
オフィスなど。
ブラザーの強み
コンピュータを経由せずにクラウドに直接アクセスでき、高速でスキャンした書類や写真を
簡 単にアップロードできるなど、SMB の お客 様にとって使 い 勝 手 のよいドキュメント
スキャナーを提供しています。また、
「 OmniJoin」においては、大学教育におけるオンライン
講義や遠隔からの営業活動やサポート、地域間連携医療への取り組みなど、利用範囲は
広がっています。
成長戦略
取締役 常務執行役員
佐々木 一郎
スキャナーおよび従来から SOHO ※、SMB で強みを持つ複合機などのハードウェアを基盤に
サービス・アンド・ソリューションズ事業統括
してさまざまな Web サービスと連携することで、付加価値が高いソリューション分野において
事業を拡大し、多様化するワークスタイルに対応します。
※ SOHO : Small Office, Home Office。自宅などをオフィスとして個人や少人数のグループで起業する
ワークスタイル。
製品紹介
ブラザーの価値創造
革新的な商品として外部機関から高い評価
2013 年、スキャナー「 ADS- 2600 W 」は、信頼性、生産性、画質、
ユーザビリティーなどの観点からオフィス機器を評価している
アメリカの独立評価機関 BLI 社よりその高い機能が評価され、
スキャナー
Web会議システム
29
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
「 Outstanding Achievement in Innovation 」賞を受賞
しました。
New Businesses
新規事業(ヘッドマウントディスプレー)
2012 年に商品化を実現したヘッドマウントディスプレーにおいて、
業務用途に絞り込んで機能・使いやすさを徹底的に追求し、新たな
ウエアラブル端末の市場を開拓していきます。
ブラザーの強み
業務用途の市場に特化して製品開発を進めており、現在の製品は第一世代の製品をお使い
いただいたお客様からフィードバックを得て改良・進化させました。映像の見やすさの追求、
ずれにくい自然な着装感の実現、さまざまな映像出力機器に簡単に接続できるインター
フェイスの採用などで業務用途の要望に応えています。
成長戦略
(愛知万博)
にコンセプトモデルとして出展し、2012 年に商品化を実現
2005 年に「愛・地球博」
したヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」は医療分野や製造・作業支援などの業務
分野の各種システムにおける映像サブモニターとしての活用に加え、技能伝承やトレーニング
の用途での可能性も広がっています。今後も業務用途での活用事例の蓄積を進め、業務用
ヘッドマウントディスプレーのトップランナーとしての地位を確固たるものにしていきます。
常務執行役員
松本 勇美夫
E&I事業統括
製品紹介
ブラザーの価値創造
多品種少量生産支援システムに採用
パナソニック群馬工場では、
コンビニ、
スーパーマーケットに向けた
食品の冷蔵ショーケースの生産ラインの多品種少量生産支援
システムにお い て 、業 務 用 ヘッドマウントディスプレー「 エア
スカウター」が試験的に採用され、作業の習熟スピードが高まる
など業務効率の向上に貢献しています。
ヘッドマウントディスプレー
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 30
価値創造を支える取り組み
商品開発、人材や環境、
地域社会への取り組みが
ブラザーの価値創造を
支えています
ブラザーグループは、あらゆる場面でお客様を第一に
考える”At your side.”の精神で、製品やサービスなど
優れた価値を創造し、迅速に提供するため独自のマネジ
メントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジ
メント( BVCM)」を構築しています。
「 BVCM」の根幹
の一つである「商品開発」、その仕組を動かす「人材」、
社会的責任の観点から価値創造に影響を与える「環境」
「地域社会」への対応、それぞれの場面で真摯に取り組
んでいます。
商品開発体制
ブラザーグループは常に
お客様視点で商品開発を
行っています
ブラザーグループでは「お客様の声」を価値創造の
起点として
・お客様第一のマーケティング、商品企画、開発設計
・
「お客様ご迷惑率」
を低減させる設計品質、製造品質
・安全・安心な製品設計
を実践することで優れた製品・サービスを生み出し
ています。
あらゆる国と地域のお客様にご満足いただく
新製品の企画段階において、お客様への訪問、グループインタ
ビュー、Web サイトでのアンケート、コールセンターに寄せられ
た意見などをもとに、さまざまな国や地域の製品の使用環境や
ご感想・ご要望などを徹底的にリサーチ・分析します。
「より多く
のお客様にご満足いただける製品」を提供するために、お客様
ご自身も意識されていない「潜在的なニーズ」も顕在化させて
製品開発に反映します。それぞれの製品に求められる性能は国
BVCM
や地域によって異なります。そのなかでお客様が期待する製品
像を探り、製品コンセプトをつくり上げ、これに基づいて設計・
価値創造を
支える取り組み
製造することで、お客様に新たな価値とご満足をご提供できる
よう努めています。
お客様の声を的確にタイムリーに反映する
商品開発体制
環境への
取り組み
営業担当はお客様からご納得いただける価格帯を設定し、設計
担当は、お客様にとって不必要な機能を削ることでお客様の
コスト負担を最低限に抑えます。また生産技術担当者は、お客様
が望むタイミングで製品を提供できるように最適な生産ライン
を設計します。このように、各部門が同時進行でお客様の視点で
考えることにより、お客様のご要望を迅速に形にすることが可能
人材への
取り組み
31
ブラザーコミュニケーションレポート
地域社会への
貢献
2015
となります。
市場対応
優れた品質
安全・安心
あらゆる国と地域の
お客様にご満足いただく
お客様視点を製品の
隅々にまで反映
徹底した安全教育の推進
お客様からの
信頼の獲得
迅速
優れた品質
お客様の声を的確に
タイムリーに反映する
「お客様ご迷惑率」を
限りなくゼロに近づける
お客様視点を製品の隅々にまで反映する
世界中の国や地域でご利用いただいているブラザー製品は、その設置
徹底した安全教育を推進する
「製品の安全は品質保証の原点であり、お客様に安全な製品をお届け
環境や使用方法が多様です。品質保証担当部門では、市場で起きた
することを何よりも優先する」という基本的な考え方に従い、
「製品安全
さまざまな問題に関わる情報をデータベース化し、そのデータベース
に関する基本方針」を定めています。この考え方に基づき、各組織に
から製品の品質基準と評価方法を作成しています。さらに、想定される
応じた製品安全教育を徹底しています。さらなる安全性向上に向けて、
問題を未然に防止するため、その対策を設計段階から織り込み、お客様
2004 年より製品安全リスクアセスメントを導入しています。あらゆる
に安心してお使いいただける製品づくりをしています。これが「顧客
可能性を想定し製品に潜む危険性を抽出するとともに、対策の妥当性
品質基準」です。この「顧客品質基準」は固定されたものではなく、
を検証する手法で、製品開発に携わる技術者を対象に、この考え方を
修理依頼やコールセンターに寄せられる情報などを精査して常に見直し
学ぶ講習を実施しています。また、海外の生産拠点でも現地スタッフが
を図っています。
中心となって製品安全教育を行うなど、グループ全体が一丸となった
製品安全リスクマネジメントを推進しています。
「お客様ご迷惑率」を限りなくゼロに近づける
ブラザーグループでは、出荷後お客様から返品または修理のために
戻ってくる製品の割合を「お客様ご迷惑率」と定義しています。これは、
どんな小さな不具合でも、その修理のためにお客様にご負担いただか
ねばならない時間や手間は、お客様にとって「ご迷惑以外の何ものでも
ない」という考えによるものです。
「お客様ご迷惑率」を限りなくゼロに
近づけることこそ、お客様満足向上への最優先課題と捉え、各部門が
一体となった品質向上活動を続けています。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 32
価値創造を支える取り組み
人材への取り組み
グローバルに優れた価値を提供
できる人材を育成します
ブラザーグループは、40 以上の国と地域にある生産拠点
や販 売・サ ービス拠 点から世 界 中 の お客 様に製 品や
サービスを提供しており、人種・言語・文化・習慣など、
事業を取り巻く環境が異なるなか、全従業員がグローバル
チームブラザーの一員として働いています。
ブラザーグループは、人材について右のような取り組み
を行っています。
多様な人材を採用する
グローバルに価値観を共有する
人材への取り組みの基盤となるのが「ブラザーグループ グローバル
グローバルビジョン21 で掲げられている「グローバルマインドで優れた
憲章」
(以下グローバル憲章)の「基本方針」に掲げた「従業員の多様性
価値を提供する高収益体質の企業」を目指すためには、形だけでなく
を重視し、さまざまな能力を発揮できる職場環境とチャレンジングな
価値観のグローバル化を進めることが必要です。その一環として、
仕事への機会を提供する、そして、努力と成果に対しては、公正な評価
グループ経営に関わる「基本方針」と従業員の「行動規範」を定めた
と正当な報酬で応える」という考え方です。また、
「グローバル憲章」の
「グローバル憲章」を全従業員が常に意識できるように、浸透活動を
「行動規範」では「常に一人ひとりの人格、多様性を尊重し、信義と尊敬
を持って行動する」
ことを定めています。
ブラザーグループでは 40 以上の国と地域に34,988 名 ※ の従業員が
継続的に行っています。
「グローバル憲章」の「基本方針」では、グループ経営、グループの成長
に加え、お客様・従業員・ビジネスパートナー・株主・地域社会・環境と
在籍しており、これらの考え方に基づいて各拠点では、採用・評価・昇進
いうブラザーグループの 6 つのステークホルダーの定義や、各ステーク
などにおいて、民族・国籍・宗教・思想・性差・学歴・年齢・障がいの有無
ホルダーとの関係を定めています。また、
「行動規範」は、
「個人に
など、あらゆる差別を排除することを目指しています。
対する信義と尊敬」
「順法精神・倫理観」
「チャレンジ精神・スピード」と
いう3 つの項目で構成され、従業員一人ひとりが日々の行動を確認でき
(※連結従業員数 2015 年 3 月現在)
るようにしています。
「グローバル憲章」は、グループの全従業員が共有できるように27 言語
に翻訳されています。
「グローバル憲章共有リーダー」として任命され
た約 370 名の従業員による浸透活動が、各拠点で行われています。
また、経営層と従業員の対話は年間 200 回以上実施され、対話の内容
は 10 言語で、社内 Web サイトを通じて共有されています。
33
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
多様な
人材の採用
人材育成環境
の整備
チャレンジングな
仕事への機会提供
グローバルに
価値観を共有
人材育成環境を整備する
ブラザーグループ各社では、
「グローバル憲章」の考え方に基づき、
グローバルな「モノ創りの伝承」
各国、各地域、各事業に則した人材育成と関連制度の充実を図る
ブラザーグループでは、1990 年代に中国に生産拠点を作ったころから
ことが、従業員の長期にわたる才能・スキルの発揮に結びつくと考え、
製造の海外シフトが急速に進み、その後ベトナム、フィリピンへと拡大
育成環境の整備とさまざまな制度の構築を進めています。
「全世界を
しています。そのなかで一貫して課題となっているのが「モノ創りの
相手に、腹を割って自分をさらけ出し、本音で現地の人間と付き合える」
伝承」です。
人間を育成することを目標にしています。
グローバルにブラザーのモノ創りを伝承していくには、多様な国籍の
従 業 員 が 協 力し合うことが 不 可 欠 です。ブラザ ーグ ル ープでは、
各段階に則した人材育成
例えば、20 年近くモノ創りに従事し技術やノウハウが継承されている
新入社員、若手、中堅、次世代リーダー、それぞれの段階に合わせて
台弟工業股份有限公司の従業員が、中国やベトナムの工場に出向い
ブラザー独自の人材育成を行っています。例えば、入社 1 年目の新人に
て日本の技術者とともに指導にあたるなど、多様な国籍の従業員が
海外の現場を体験させることにより、早い段階から「気付き」を感じて
グローバルに交流し合いながら「モノ創りの伝承」に継続的に取り
もらう取り組みをしています。
組んでいます。
若手、中堅社員に向けては「ブラザービジネスマインド塾」という、
ブラザー独自の商品開発や販売、財務の仕組みなどを詳しく知るため
の課程を15 講座設置しています。講座では中堅社員が講師を務め、
講座によって生徒と講師が入れ替わり互いに教え合う、といった経験を
繰り返すことにより専門領域への理解を深める仕組みです。
また執行役員や部門長の推薦を受けた30 ∼ 40代の次世代リーダーに
対しては、社長が自ら講師となり勉強会を開催。社長が自らの経験談や
失敗談を直接語ることにより、リーダーとしての気概やチャレンジ精神
などの大切さについて伝えています。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 34
価値創造を支える取り組み
環境への取り組み
地球環境への配慮に前向きで
継 続 的 な 取り組 み を 行って
いきます
ブ ラ ザ ー グ ル ー プ は、グ ル ー プ 全 体 の 統 一 指 針
「ブラザ ーグ ル ープ 環 境 方 針 」に従 い、事 業 活 動に
おけるあらゆる場面で、地球環境保全のための取り組み
をグロ ー バ ルに 展 開して い ます。そ の 一 環として、
右の 4 つの活動に注力するとともに、Brother Earth で
目指す姿を実現いたします。
「ブラザーグループ環境方針」
Brother Earth
ブ ラ ザ ー グ ル ー プ は、環 境 ス ロ ー ガ ン
「 Brother Earth」のもと、企業活動のあら
ゆる面で地球環境への配慮に前向きで継続
的な取り組みを行うことを約束し、グロー
バルに統一した環境メッセージを発信して
いきます。環境イメージを向上させることで、
すべてのステークホルダーから信頼される
ブランドとなることを目指します。
Brother Earth で目指す2015年のブラザーの姿
お客様から
「環境意識の高い企業」
として認められている
地域社会から
「環境意識の高い企業」
として認められている
環境意識の高い従業員にあふれ、中期環境行動計画を達成している
ブラザーグループ中期環境行動計画2015
基本理念
ブラザーグループは、持続的発展が可能な社会の構築に向け、企業
活動のあらゆる面で環境負荷低減に前向きで継続的な取り組みをして
いきます。
1. 省エネを中心に環境配慮製品の創出に強力に取り組む
2. グループを挙げてCO2 排出量削減に取り組む
3. 世界の法規制に対して迅速に対応し、機会損失をなくすとともに、
ビジネスチャンスを広げる
4. 環境情報を開示し、ステークホルダーとの双方向コミュニケー
環境基本方針
ションを充実させ、理解を高める
環境への配慮は、全ての活動の基本となる。製品が開発・設計され、
製造され、お客様によって使用され、やがて廃棄され再利用されるまで、
全ての段階で安全かつ環境に対する影響を十二分に配慮する。
製品のライフサイクルにおける環境配慮
ブラザーグループでは、製品の開発・設計から回収・リサイクルに至る事業活動のすべてのステージにおいて、さまざまな環境配慮・環境活動
を行っています。
2|調達
1|開発・設計
有害な化学物質の有無や製造工程
を確認し、環境に配慮した部材を
優先的に購入
6|回収・リサイクル
3|生産
ISO14001 に 従 い、汚 染 物 質 の
低減や廃棄物の再利用などに
配慮して製品を生産
5|使用
可能な限り廃棄物を減らす梱包、
運送時の CO2 排出量削減を心が
けた物流
各国・地域の法律や規制に則り、
製品の生涯を通じた環境配慮を
考えた設計を行う
使い終わった製品の回収・リサイ
クルに、お客様が協力できる体制
づくりの取り組み
35
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
4|包装・物流
お客様が余分なエネルギーを
使わず、心地よく安全に製品を
お使いいただけるよう配慮
世界の
法規制への
対応
環境配慮製品
の創出
持続的発展が
可能な社会の構築
CO2
排出量の
削減
環境コミュニ
ケーションの
充実
環境負荷低減活動に継続して取り組む
環境配慮製品の開発
世界の環境法規制 / 社会動向への対応
ブラザー独自の低待機電力技術「グリーンスタンバイ」は、プリンターや
「 REACH 規 則 ※ 1」
「 RoHS 指 令 ※ 2」など、各 国・地 域 の 法 規 制 を
複合機の電源 OFF 時(待機時)に、電源基板の出力と製品の大部分を
順守するのはもちろん、調達した部品に含まれる特定の化学物質を
停止させることで、業界トップレベルの限りなくゼロに近い低待機電力
調査・管理するための IT システム「環境情報システム」の運用や、部品・
を実現しています。
消耗品の回収・リサイクル
材料を調達するお取引先各社への監査を実施することで、グループ
全体での化学物質保証体制を確立しています。
イギリスやスロバキアなどに自社のリサイクルセンターを設置し、
「評価」
「認可」
「制限」など
※ 1 REACH 規則:生産品・輸入品の全化学物質の「登録」
ブラジルでトナーリフィル事業を立ち上げるなど、トナーカートリッジの
※ 2 RoHS 指令:電気電子機器に含まれる有害物質の使用禁止を定めた EU 指令。
再生や部品のリユースを実施。日本では、ブラザー工業を含むプリン
ターメーカー 6 社で「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」を展開して
います。
エネルギー起源の CO2 排出量の削減
について定めた EU 規則。
環境コミュニケーション
ブラザーグループは、従業員やその家族による日々の環境配慮行動
にポイントを付与する「ブラザーエコポイント活動」を実施しています。
2014 年度には約 26,000 名の従業員が参加しました。この活動を通じ
ブラザー工業の刈谷工場と瑞穂工場でそれぞれ約 100kW、ブラザー
て集まったポイントは決められたルールで金額に換算され、その資金を
インターナショナル コーポレーション( U.S.A.)で約 120kW の発電
もとに従業員参加の生物多様性保全活動などが、世界各地で実施され
能力を持つ太陽光発電システムを導入したほか、海外工場においても、
ています。
省電力設備への刷新、窓ガラスや屋根の断熱化などの活動を通じ、
CO2 排出量を着実に削減しています。
環境負荷削減のキーワード「5R」
ブラザーグループでは、
「 5 R 」をキーワードとして、環境保全に
5Rの考え方
Refuse(リフューズ)
:環境負荷となるものをなるべく購入しない
向けた活動に取り組んでいます。 特に「リフォーム」は、事業と
Reduce(リデュース)
製品を、時代の変化に合わせて、人や地球の環境に配慮した新しい
Reuse(リユース)
価値を生み出すものへとつくりかえるという、ブラザーグループ
独自の考え方です。
:排出量を減らす
:排出物をそのまま再利用する
Reform(リフォーム)
:形を変えて別の用途に使用する
Recycle(リサイクル)
:資源として再利用する
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 36
価値創造を支える取り組み
地域社会への貢献
ブラザーグループ全体で
グローバルに統一感を持った
社会貢献活動を推進します
ブラザ ーグル ープでは、
「地 域 社 会に対する社 会 的・
経済的・文化的責任を可能な限り分担することにより、
よき企 業 市 民となるよう努 力する」という「ブラザ ー
グループ グローバル憲章」の考え方に基づき、社会貢献
活動を行っています。グループ全体で一体感を持った
社会貢献活動を推進するため、
「社会貢献活動の基本
的な考え方」をベースに右の 3 つの活動をグローバルに
展開しています。
ブラザーグループの社会貢献活動の基本的な考え方
1.ブラザーグループにおける社会貢献活動とは
ブラザーグループの社会貢献活動は、ブラザーの中長期ビジョン
ゴールデンリングプロジェクト
「リレー・フォー・ライフ」は 、参加者がリレー方式で 24 時間歩き続けて
寄付を募るがん患者支援チャリティーイベントで、世界 20カ国以上
「グローバルビジョン21」達成に向けた CSR 経営の実践の一つです。
で開催されています。ブラザーグループでは「リレー・フォー・ライフ」
その実践にあたっては、地域社会との双方向のコミュニケーションを
もしくは類似のイベントに積極的に参加するプロジェクトを2011 年度
通じて、ブラザーへの要請や期待を正しく把握したうえで、私たちが
から展開しています。各拠点の活動の軌跡をつなげると、世界地図に
果たすべき責任と、事業の成長につながる新たな機会を見いだし、
美しい輪(リング)
が描けることから、
「ゴールデンリングプロジェクト」
と
その両立を目指して積極的に行動することが重要です。
名付けました。2014年度は、
ドイツとフィリピンの2拠点が新たに活動へ
参加し、グローバルに一体感のある社会貢献活動となっています。
2.活動選定の基準
ブラザーグループが実施する社会貢献活動は、以下の範囲です。
1)次の条件を満たし「事業の成長」につながる活動
①ブラザーが保有する資源が生かせる
②ステークホルダーからの要請や期待へただ対応するだけで
なく、それらを機会として捉え、積極的に関わっていく
③従業員が共感し、誇りにつながる
2)社会影響の大きい案件(例:大規模災害)
37
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
「地域」
「人づくり
(従業員を含む)」
を意識した活動
地球環境への
配慮に関連
した活動
地域社会に対する
責任の分担
ブラザー
グループの
事業に関連
した活動
被災地に建設した「きずな公園」の整備(日本)
タイのマングローブ環境保全活動(アジア・オセアニア)
ブラザーグループ従業員からの義援金「絆ファンド」を活用して建設
タイの沿岸部にかつて広がっていた広大なマングローブ林が、近年の
された宮城県七ヶ浜町の「きずな公園」は、
2013年7月のオープン以来、
塩田開発やエビ養殖の影響により急速に減少し、近隣の生態系が危機
地域住民の憩いの場となっています。 2014 年度は、
「絆ファンド」の
にさらされています。この状態を緩和するため、ブラザーコマーシャル
一部で、公園内のあずまやを補修するとともに、新たにうんていを設置
(タイランド)は、2009 年からマングローブ林の再生支援を続けて
しました。補修されたあずまやを
います。すべてのステークホルダー
見た住民の皆さんからは、
「新品
から尊敬される組織でありたいと
みたいでピクニックに来たくなる
願っている同社は、ブラザーの環境
ね!」
といった声をいただきました。
保全に対する意識がタイの社会に
広まることを願っています。
職場に子供たちを招待し、独自のプログラムで子供たち
の記憶に残る一日に
(米州)
環境への取り組みが評価され
アメリカでは毎年 4 月の第 4 木曜日は、親が職場に子供を連れてきても
ブラザーインダストリーズ( U.K.)
(以下 BIUK)は、イギリスにおいて
Responsible Business Award 2014を受賞(欧州)
よい日となっています。ブラザーインターナショナルコーポレーション
優れた社会貢献活動を行った企業に与えられ、CSR 活動の評価として
( U.S.A.)では、子供の教育および地域社会貢献の一環として二つの
最も名誉ある
「Responsible Business Award 2014」
を2部門で受賞
オフィスがボランティアチームを結成し、ブラザー製品の紹介資料や
しました。以前から BIUK では事業活動のあらゆる面で環境負荷低減
職場見学のプログラムを作成しました。当日参加した 100 名以上の
に取り組んでおり、2013 年には生産過程で発生する CO2 排出量を
子供たちにとって地域社会で働く
2010 年比で 34 % 削減しました。
大人と出会い、ブラザーの製品や
また使 用 済 みトナーを無 料 回 収
技術に触れたことは、貴重な経験と
す る 仕 組 み を 作 り、回 収 数 を
なりました。
2005年比で20倍以上に増加させ
ました。これらの取り組みへの評価
が今回の受賞につながりました。
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 38
価値創造を支える取り組み
社外取締役からのメッセージ
早くから採用した複数の社外取締役体制が
着実な成果を上げる
ブラザー工業の社外取締役は現在 5 名で、一般株主の利益保護と
いう観点からは十分な人数です。
ブラザーの役員、従業員は同じ企業文化のなかで育ち、小池社長の
リーダーシップのもと心を一つにし、目標を目指して事業活動を行って
います。これに対し、業種やキャリアがまったく異なる5 名の社外取締
役が取締役会でさまざまな視点から質問や指摘をし、建設的な議論を
起こしています。過去の慣習にとらわれない広い視野からの発言は、
執行状況の監視や提案内容のレベルアップに貢献しており、高い水準
のコーポレートガバナンスの維持に寄与するものと確信しています。
ブラザーが社外取締役を複数にして10 年近くが経ちますが、他社に
社外取締役
平野 幸久
先駆けたこの体制が現在着実に成果を上げており、今後も大いに期待
しています。
異なる知見をベースに、経営の透明性と
健全な執行を確認
社外取締役の役割は、それぞれに異なる経歴のなかで育まれた価値
観に基づく意見・判断が会社の経営に生かされることによって果たされ
ると理解しています。
私の場合は、長年にわたった総合商社、IT 企業における国内外での
経験をベースに発言し、経営の透明性と健全な執行を確認することに
あると考えます。
取締役 11 人中 5 人、監査役 5 人中 3 人が社外で構成されるブラザー
工 業 の 取 締 役 会では、議 案・報 告につ いて活 発 な 質 疑がなされ、
社外取締役・監査役の発言に対しても真摯な対応がなされています。
独善的・恣意的な業務執行の余地は少なくガバナンスが有効に存在
しているのです。
このガバナンスの有効性をもってグローバルな事業展開を進める
ことがブラザーの企業価値の向上に結びつくものと考えます。
39
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
社外取締役
西條 温
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンス
取締役会:社外取締役が約半数
取締役会は取締役 11 名(うち社外取締役 5 名)で構成され、毎月の
基本方針:監査役制度と執行役員制度を採用
定例取締役会のほか、必要に応じ開催される臨時取締役会において、
ブラザー工業では、ガバナンスの基本として監査役制度を採用し、取締
経営上の重要事項の決定と業務執行の監督にあたっています。また、
役の職務執行を監査役が監査する体制を整えています。また、社内
一部取締役は、戦略会議を通じて、部門の業務範囲に関する戦略立案
組織として執行役員制を導入することによって、業務執行と監督を分離
および指導を行っています。
し、意思決定の迅速化とガバナンスの強化を図っています。執行役員
は取締役会で選任され、それぞれが担当する各部門、社内カンパニー、
監査役会:社外監査役が過半数
グループ子会社の業務執行に対し責任を負っています。
監査役会は監査役 5 名(うち社外監査役 3 名)で構成され、各監査役は、
コーポレートガバナンスにおいて外部からの客観的・中立的な経営監視
監査役会で定めた監査基準に従って、取締役会などの重要会議に出席
の機能は重要であり、多数決原理に服しない形で経営陣を監視する
して意見を陳述するほか、監査役スタッフを用いて業務および財産の
監査役による監査に加え、経営に対する監督機能の強化を図る仕組み
状況を調査するなどして、取締役の職務執行を監査しています。
として、複 数 の 独 立した取 締 役による監 督がふさわしいと考えて
戦略会議
います。そのため、取締役 11 名のうち 5 名は社外取締役です。
なお、取締役および執行役員の選任および報酬に関する取締役会の
機能の独立性・客観性を高めるため、取締役会の任意の諮問委員会
として「指名委員会」および「報酬委員会」を設置し、各委員会は 6 名の
取締役(うち社外取締役 5 名)
で構成されています。
戦略会議は、役付執行役員を中心として構成され、経営戦略の立案
およびグループ運営に関わる重要事項を含む業務執行について審議
しています。
リスク管理体制
ブラザーグループのリスク管理体制の整備を行うために、ブラザー
グループ全体の重要なリスクを識別、評価し、適切な対応指示を行う
コーポレートガバナンス体制の概要
独立した経営管理組織としてリスク管理委員会(委員長:代表取締役
組織形態
監査役
設置会社
監査役の人数
5名
(社外3名)
社長)を設け、内部統制と危機管理を含むリスク管理体制の充実を
取締役会の議長
社長
監査役の任期
4年
また、リスク管理委員会を頂点に、その下部組織として個別リスク委員
取締役の人数
11名
(社外5名)
社外取締役
5名
重要なリスクを総合的にマネジメントしていく体制としています。発生
取締役の任期
独立役員の人数
社外監査役
3名
1年
図っています。
会を設置し(下図参照)、それぞれの個別リスクに対応して、グループの
時の影響が最高レベルと評価されたリスクについては「危機対応段階」
と見なし、優先的に対応します。
ブラザー工業ガバナンス体制図(2015 年 6 月末現在)
監査役会
株主総会
選任・解任
取締役会
取締役11名(うち社外5名)
社 長
戦略会議
執行役員
本社各部門
パーソナル・アンド・
ホーム カンパニー
監査役5名(うち社外3名)
監査
指名委員会
報酬委員会
各種委員会
◎リスク管理委員会
○コンプライアンス委員会
○安全保障貿易委員会
○PL委員会
○情報管理委員会
○安全衛生防災委員会
○環境委員会
マシナリー・アンド・
ソリューション カンパニー
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 40
価値創造を支える取り組み
内部統制
情報セキュリティー
財務報告の透明性と信頼性を確保するために
情報リスクアセスメント※活動の実施範囲を拡大
2006 年 5 月 の 新 会 社 法 施 行 や、2009 年 3 月 期 から の 内 部 統 制
ブラザー工業および国内子会社では、2009 年度から業務のプロセス
報告書提出義務化など、社会は企業の財務報告に一層の透明性・
を対象とした情報リスクアセスメントを実施し、業務担当者自身が情報
信頼性を求めています。ブラザーグループは、これを業務の効率化、
リスクを抽出し、対策を実施する活動を進めています。 2011 年度は、
リスク対応力の強化、グループ経営の推進、ひいては企業価値の向上
情報リスクアセスメントの活動をアジアの開発・生産拠点にまで拡大し
を図る好機と捉え、体制の整備を進めました。
ました。 2012 年度以降は、国内では全従業員参加で情報リスクアセス
そしてブラザーグループ各社は、毎年、内部統制が有効に機能して
メントを実施し、全従業員のセキュリティー意識の向上を図っています。
いるかどうかをチェックリストなどで自己点検し、さらに内部監査部門
また、ブラザー工業では、
「情報管理規程」を定めるとともに、情報管理
が、独立的な観点から監査を実施することで、継続的な内部統制の
委員会を設け、ISMS(情報セキュリティーマネジメントシステム)に
向上を図っています。また、内部統制の目的や重要性、グループの
準拠した活動を実施しています。
活動状況などを共有するためにホームページをイントラネットに開設
したり、各種研修を通じて理解をさらに深めてもらうなど積極的な
啓発活動も行っています。
コンプライアンス体制
CSR 経営の基盤として法令・倫理の順守を徹底
ブラザーグループは、
コンプライアンス
(法令・倫理の順守)
が CSR 経営
の基盤を支え、さまざまなリスクを回避するうえで不可欠なものである
と考えています。グループ全体でコンプライアンスを徹底するために、
「ブラザーグループ グローバル憲章」の行動規範の一つである「順法
精神・倫理観」および、企業としての責任を明確に定義し行動していく
ための「ブラザーグループ社会的責任に関する基本原則」に基づいて
従業員の行動基準を定めています。また、コンプライアンス委員会を
設置し、相談通報窓口(ヘルプライン)を設けて不祥事の未然防止や
早期対応、再発防止に努めています。海外を含むグループ各社でも
個別にコンプライアンス委員会、通報窓口を設置して対応しています。
重要案件については、ブラザー工業のコンプライアンス委員会にも
通知され、グループとしてリスク対応の一元化が行われています。
41
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
※リスクアセスメント: 情報資産に対して、脅威の頻度、脆弱性、影響の大きさなどを
基にリスクを評価すること。
役員一覧(2015年6月23日現在)
取締役
代表取締役社長
小池 利和
代表取締役 専務執行役員
代表取締役
取締役 常務執行役員
取締役 常務執行役員
取締役 常務執行役員
石川 茂樹
長谷川 友之
神谷 純
佐々木 一郎
石黒 雅
プリンティング事業統括 兼 開発管理部、知的財産部 担当
株式会社ニッセイ 代表取締役社長
ネットワーク・アンド・コンテンツ事業統括 サービス・アンド・ソリューションズ事業統括
兼 ネットワークシステム開発部、
兼 IT戦略推進部、
ソフトウェア第1開発部、
N&C事業推進部 担当
兼 株式会社エクシング 代表取締役会長 ソフトウェア第2開発部、
アプリケーション開発部 担当
工業用部品事業統括
兼 経営企画部 担当
社外取締役
社外取締役
社外取締役
社外取締役
社外取締役
平野 幸久
西條 温
服部 重彦
深谷 紘一
松野 聰一
KDDI株式会社 社外監査役
住友商事株式会社 顧問
一般社団法人日本ケーブルテレビ
連盟理事長
株式会社すかいらーく 社外取締役
株式会社島津製作所 代表取締役会長
田辺三菱製薬株式会社 社外取締役
サッポロホールディングス株式会社
社外取締役
明治安田生命保険相互会社 社外取締役
株式会社日本経済新聞社社外監査役
株式会社ジェイテクト 社外監査役
株式会社デンソー 相談役
監査役(常勤)
監査役(常勤)
社外監査役
社外監査役
社外監査役
成田 正人
高次 正樹
海野
丸山 弘昭
有田 知德
公認会計士
税理士
株式会社アタックス 代表取締役
アタックス税理士法人 代表社員
トヨタ車体株式会社 社外監査役
フジパングループ本社株式会社 社外監査役
弁護士
株式会社ゆうちょ銀行 社外取締役
WDBホールディングス株式会社
社外監査役
株式会社リソー教育 社外取締役
内部監査部、
新規事業推進部、
新規技術開発部 直轄
中部国際空港株式会社 顧問
監査役
雄
長谷川香料株式会社
取締役 兼 副社長執行役員
執行役員
常務執行役員
執行役員
グループ常務執行役員
浅井 侯序
亀之内 孝文
藤井 宗高
久野 光康
片山 俊介
グローバルCSR推進部、
コーポレートコミュニケーション部、
法務・総務部 担当 兼 グローバルCSR推進部長
プリンティング事業推進部、
E&I事業推進部 担当
兼 ブラザーインターナショナル株式会社
代表取締役社長
財務部 担当
パーソナル・アンド・ホームカンパニー プレジデント
ブラザー販売株式会社
代表取締役社長
石川 博
川那辺 祐
担当
QM推進部、CS推進部 担当 マシナリー・アンド・ソリューション
カンパニー プレジデント
兼 兄弟高科技(深圳)有限公司、
兄弟工業(深圳)有限公司、
珠海兄弟工業有限公司 董事長
鈴木 雅彦
IE開発部、IE技術部、総合デザイン部 三輪 祐司
製造企画部、製造部、購買部、
環境推進部 担当
星 真
マシナリー・アンド・ソリューション
カンパニー
産業機器事業 担当
兼 エグゼクティブ バイスプレジデント
グループ執行役員
只 雄一
ブラザーホールディング(ヨーロッパ)
取締役社長
ブラザーインターナショナル
(ヨーロッパ)取締役会長 兼 社長
武田 進
ブラザーインダストリーズ(ベトナム) 取締役会長 兼 社長
野地 勲
池田 和史
生産技術部、部品技術部、電子技術部、
試作技術部 担当
第1営業企画部、第2営業企画部、
マーケティング推進部、
サービス&ソリューションズ事業推進部
担当 兼 第2営業企画部長
ブラザーインターナショナル
コーポレーション(U.S.A.)
取締役社長
若原 宏之
桑原 悟
人事部 担当 兼 人事部長
電子システム開発部、LE開発部 担当
兼 LE開発部長
松本 勇美夫
服部 親将
E&I事業統括 兼
開発企画部、
メカシステム第1開発部、
メカシステム第2開発部、
ES開発部 担当
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 42
会社概要
会社情報(2015年3月31日現在)
商
号
ブラザー工業株式会社(BROTHER INDUSTRIES, LTD.)
本 社 所 在 地
〒467-8561 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号
設
立
1934年1月15日
資
本
金
192億9百万円
従
業
員※
34,988名(連結) 3,946名(単独) ※正社員のみ
本社
技術開発センター
刈谷工場
瑞穂工場
星崎工場
東京支社
ブラザーコミュニケーションスペース
展示館・ショールーム
ブラザーコミュニケーションスペース
(展示館)
ブラザーコミュニケーションスペースは、ブラザーが培ってきた「モノ創りのDNA」を
100 年以上の歴史を通して紹介しながら、世界市場で挑戦し続けるブラザーの現在、
そして未来をご覧いただける展示館ですので、お気軽にお越しください。
所 在 地:名古屋市瑞穂区塩入町 5 番 15 号
開館時間:10:00 ∼ 17:00
休 館 日:第一・第三・第五土曜日、日曜日、およびブラザー工業指定休業日
※開館予定日でも、イベントなどの「貸切り」により休館にする場合があります。
W E B:http://www.brother.co.jp/bcs/
T E L:052-824-2227 F A X:052-824-2069
ブラザー東京ショールーム
ブラザー東京ショールームは、情報通信機器を中心に、ホーム向けからオフィス向けまで
幅広いブラザー製品を体験できるスペースです。ブラザー製品をお使いのお客様の
相談の場として、また、これからブラザー製品を購入するお客様の検討の場としてご利用
いただけます。
所 在 地:東京都中央区京橋 3 丁目 3 番 8 号
開館時間:10:00 ∼ 18:00
休 館 日:土・日曜日、祝日およびブラザー販売指定休業日
W E B:http://www.brother.co.jp/tokyo-showroom/
T E L:03-3281-1125 F A X:03-3281-4462
43
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
グローバル体制
日本
ヨーロッパ
アジア・オセアニア・
中近東・アフリカ
グループ本社
主要事業海外グループ会社
研究開発拠点
ブラザー工業株式会社
DOMINO PRINTING SCIENCES PLC
BROTHER SYSTEM TECHNOLOGY DEVELOPMENT
(HANGZHOU) LTD.
主要事業国内グループ会社
株式会社 ニッセイ
ブラザーインターナショナル株式会社
三重ブラザー精機株式会社
株式会社エクシング
生産拠点
BROTHER INDUSTRIES (U.K.) LTD.
生産拠点
BROTHER INDUSTRIES (SLOVAKIA) s.r.o.
TAIWAN BROTHER INDUSTRIES, LTD.
BROTHER INDUSTRIES TECHNOLOGY (M) SDN. BHD.
株式会社スタンダード
販売・サービス拠点
ブラザー販売株式会社
BROTHER INTERNATIONAL EUROPE LTD.
株式会社BMB インターナショナル
BROTHER INTERNATIONAL GmbH
BROTHER INTERNATIONAL GmbH (Austrian Branch)
その他国内グループ会社
BROTHER FRANCE SAS
ブラザーロジテック株式会社
BROTHER U.K. LTD.
ブラザー不動産株式会社
BROTHER INTERNATIONAL (NEDERLAND) B.V.
ブラザーリビングサービス株式会社
株式会社ブラザーエンタープライズ
株式会社ビートップスタッフ
株式会社ブラザーファイナンスジャパン
BROTHER NORDIC A/S
BROTHER NORWAY, branch of BROTHER NORDIC A/S
BROTHER SWEDEN, branch of BROTHER NORDIC A/S, Denmark
ZHUHAI BROTHER INDUSTRIES, CO., LTD.
BROTHER MACHINERY XIAN CO., LTD.
BROTHER INDUSTRIES (SHENZHEN), LTD.
BROTHER INDUSTRIES (VIETNAM) LTD.
BROTHER TECHNOLOGY (SHENZHEN) LTD.
BROTHER INDUSTRIES SAIGON, LTD.
BROTHER INDUSTRIES (PHILIPPINES), INC.
BROTHER MACHINERY VIETNAM CO., LTD.
NISSEI GEAR MOTOR MFG. (CHANGZHOU) CO., LTD.
BROTHER FINLAND, BROTHER NORDIC A/S Denmark, branch in
販売・サービス拠点
Finland
BROTHER INTERNATIONAL S.A. (PTY) LTD.
BROTHER CENTRAL AND EASTERN EUROPE GmbH
BROTHER INTERNATIONAL (AUST.) PTY. LTD.
BROTHER INTERNATIONAL (BELGIUM) NV/SA
BROTHER INTERNATIONAL SINGAPORE PTE. LTD.
BROTHER INTERNATIONALE INDUSTRIEMASCHINEN GmbH
BROTHER INTERNATIONAL (NZ) LTD.
BROTHER INTERNATIONALE INDUSTRIEMASCHINEN GmbH
BROTHER INTERNATIONAL (HK) LTD.
(Italian Branch)
BROTHER INTERNATIONAL (GULF) FZE
BROTHER (SCHWEIZ) AG
BROTHER INTERNATIONAL (GULF) FZE (Turkey Branch)
BROTHER INTERNATIONAL CORPORATION (IRELAND) LTD.
BROTHER COMMERCIAL (THAILAND) LTD.
生産拠点
BROTHER ITALIA S.p.A.
BROTHER MACHINERY (ASIA) LIMITED
BROTHER INDUSTRIES (U.S.A.) INC.
BROTHER INTERNATIONAL CZ s.r.o.
BROTHER INTERNATIONAL (MALAYSIA) SDN. BHD.
BROTHER INTERNATIONAL HUNGARY KFT.
BROTHER INTERNATIONAL PHILIPPINES CORPORATION
BROTHER IBERIA, S.L.U.
BROTHER (CHINA) LTD.
BROTHER IBERIA, S.L.U. (Lisbon Branch)
BROTHER INTERNATIONAL (INDIA) PRIVATE LTD.
BROTHER LLC
PT BROTHER INTERNATIONAL SALES INDONESIA
BROTHER POLSKA Sp. z o.o.
BROTHER INTERNATIONAL TAIWAN LTD.
BROTHER SEWING MACHINES EUROPE GmbH
BROTHER INTERNATIONAL (VIETNAM) CO., LTD.
BROTHER SEWING MACHINES EUROPE GmbH (U.K. Branch)
BROTHER INTERNATIONAL KOREA CO., LTD.
南北アメリカ
販売・サービス拠点
BROTHER INTERNATIONAL CORPORATION (U.S.A.)
BROTHER INTERNATIONAL CORPORATION (CANADA) LTD.
BROTHER INTERNATIONAL DE MEXICO, S.A. DE C.V.
BROTHER INTERNATIONAL CORPORATION DO BRASIL, LTDA.
BROTHER INTERNATIONAL DE CHILE, LTDA.
BROTHER INTERNATIONAL CORPORATION DE ARGENTINA S.R.L.
BROTHER MACHINERY SHANGHAI LTD.
BROTHER MOBILE SOLUTIONS, INC.
その他
BROTHER INTERNATIONAL DEL PERU S.A.C.
BROTHER FINANCE (U.K.) PLC
BMB (SHANGHAI) INTERNATIONAL CORP.
NISSEI TRADING (SHANGHAI) CO., LTD.
BROTHER HOLDING (EUROPE) LTD.
ブラザーコミュニケーションレポート
2015 44
技術と製品の歴史
コア・テクノロジー
表面焼入れ技術
鋳造技術
木工技術
切削技術
モーター技術
1920
1930
1940
ミシン専業の時代
1950
1960
メカ技術による多角化の時代
1970
’32
’55
’68
家庭用ミシン
15種70型
軽合金全自動ジグザグミシン
ペースセッター
FZ2-B1
電動ミシン
B-701
1980
メカトロニクスの時代
’76
’79
’91
コンピューターミシン
オーパス8
コンピューター
刺しゅう機付きミシン
サマンサ/ミモレ
電子ミシン
コンパルDX
’28
麦わら帽子製造用環縫ミシン
(昭三式ミシン)
1990
’36
’61
工業用本縫ミシン
95種B1型
高速本縫ミシン オーバーロックミシン
DB2-B755 EF4-B955
’54 ’56
電気洗濯機
BWM-1
プレス技術
扇風機
BEF-1A
’65
’81
’88
コンピューター刺しゅう機
BAS-400
電子ポケットセッター
BAS-750
’92
’63
’69
’73
’86
掃除機
SP-111
電動オルガン
GO-101
電子レンジ
ER-101
センサーオーブンレンジ
グルメット300
’54
’80
’84
家庭用編機
KH1-B1
電子編機
トピカル
太糸用パンチカード編機
パンチナイン
KH-260
精密加工技術
’61 ’62
’56
’95
電子閂止めミシン
LK3-B430E
イオン水生成器
AQ-110
’95
コンピューター編機
トピカル7
’85
教育用小型旋盤
BSL-250T
’95
CNCタッピングセンター
TC-211
タッピングマシン
BT1-201
TC-203
’77
オートバイ
ダーリン号
’91
コンピューターキーボード
’61
欧文ポータブル
タイプライター
JP1-111
’65
’78
電動タイプライター
JP2
’80
ボール活字電動
タイプライター JP14
電子オフィス
タイプライター EM-1
’64
’68
手動
レジスター
JR-111
加算機
JA4-110
’82
’85 ’86
電動ポータブル
タイプライター
CE-60
コアラ
電子ポータブル
タイプライター
AX-10
電子ポータブルタイプライター
WORDSHOT V
’94
スクリーン電子タイプライター
EM-1000
電子タイプライター
EX-530/630
’87
欧文ワープロ
WP-1
’95
スタンプクリエーター
SC-200PCE
’82
’84
電子パーソナルプリンター
EP-20
電子技術
’66
’88
’90
ラベルライター
PT-6
PT-10
日本語ワープロ
ピコワード
サーマル印字技術
’87
’92
FAX-100
’71
高速ドット
プリンター
M-101
’75
24ドット漢字
プリンター
K-2000
FAX-600
’94
’85
ドットマトリックス
漢字カラープリンター割付名人
M-1024
電子写真技術
24ピンドットマトリックスプリンター
M-9224
’87
’94
モノクロ
レーザープリンター
HL-8
’89
フルカラー複写機
ルネッサ
’86
ソフト自販機
TAKERU
( )内の製品カテゴリーは現在生産しておりません。
45
ブラザーコミュニケーションレポート
2015
’95
HL-630
モノクロ
レーザー複合機
MFC-4500ML
インクジェット
印字技術
通信技術
’94
P-touch PC
’70
電卓
LSI電卓
キャルサー130 キャルサー710
ドットインパクト
印字技術
’92
PT-8000
’92
カラーインクジェット
プリンター
HS-1PS
’92
通信カラオケ
JOYSOUND
2000
ネットワーク・コンテンツの時代
’96
’03
刺しゅう
PRO
刺しゅうミシン Innov-is 4000
Innov-is N80
’97
’04
’10
’12
’14
PC刺しゅうデータ作成機
PE-DESIGN NEXT
Innov-is V7
XV8500D
’03
’10
職業用刺しゅうミシン
PR-1000
’03
製品カテゴリー
家庭用ミシン
職業用
刺しゅうミシン
’08
本縫ダイレクト
ドライブミシン
S-7200A
6頭電子エンブロイダリーミシン
BES-960BC
’08
Innov-is I 職業用刺しゅうミシン
PR-600
’98
本縫電子千鳥縫ミシン
LZ2-B856E
2014
2010
工業用ミシン
’13
本縫ダイレクトドライブ
自動糸切りミシン
S-7200C
ダイレクトドライブ
プログラム式
電子ミシン
BAS-311H
カッティングマシン
CM550DX
’12
ギアモーター
G3LM-22-30-T020
カッティングマシン
’13
画像認識技術
歯車
ハイレシオ
ハイポイドギア ’13
’14
減速機
APGZ12K-3M100S1
IE3ギアモータ
減速機/歯車
(家電)
(編機)
’98
’03
’05
’08
’10
’14
TC-22A
TC-32B
TC-S2C
TC-S2D
TC-S2DN
コンパクト
マシニングセンタ
SPEEDIO
S1000X1
(キーボード)
工作機械
タイプライター
’96
電池駆動パーソナルタイプ
PY80/50
’97
カラーインクジェットワープロ
DP-525CJ
(ワープロ)
’99
’02
スタンプクリエータープロ
SC-2000
SC-370pc
スタンプ作成機
’15
TP-M5000N
’02
’04
ピータッチ
170
ラベル
ピータッチ24
プリンター
QL-550
’05
’07
’13
ICタグプリンター
RL-700S
TD-2130N
’02
’06
’10
’11
モバイルプリンター
MW-100e
MW-260
PocketJet
PJ-663
RJ-4040
’96
’00
’02
’05
’08
FAX-170CL
FAX-800CL
FAX-1100CL
FAX-350CL
FAX-380DL
オリジナルデザイン
テープ作成機
ラベルライター/
ラベルプリンター
モバイルプリンター
ファクス
(ドットプリンター)
ドキュメント
スキャナー技術
’11
’13
DS-700D
ADS-1500W
スキャナー
’99
’01
’03
’05
’08
’13
’14
HL-1240
MFC-9800J
HL-5040
MFC-7820N
HL-5340D
MFC-1818
MFC-1910W
’05
カラー
レーザー複合機
MFC-9420CN
’07
’09
’13
’14
カラー
レーザープリンター
HL-4040CN
HL-3040CN
MFC-9340CDW
MFC-L8850CDW
’97
’03
’04
’06
インクジェット複合機
MFC-7000FC
MFC-150CL
MFC-5840CN
MFC-850CDN MFC-6490CN
’08
’10
’13
’14
MFC-J850DN
MFC-J6920DW
MFC-J5620DW
インクジェット
ヘッド技術
モノクロレーザー
プリンター/複合機
カラーレーザー
プリンター/複合機※
インクジェット
プリンター/
複合機
高速インクジェット
プリンター
’12
HL-S7000DN
’07
’12
ガーメントプリンター
GT-541
GT-381
ガーメントプリンター
’11
’15
シースルー型
ヘッドマウント
ディスプレー
AiRScouter
ヘッドマウント
ディスプレー
AiRScouter
WD200S
Web会議システム
’12
Web会議システム OmniJoin
高級オルゴール
’13
高級オルゴール
MBX-100H
’97
HyperJoy
’03
’06
’09
’12
HyperJoy
V2
HyperJoy WAVE
JS-W1
CROSSO
JOYSOUND f1
JS-F1
ヘッドマウント
ディスプレー
通信カラオケ装置
’99
’06
’09
’14
着信メロディサービス
ポケメロJOYSOUND
ソーシャルメディア
ネットワーク
うたスキ
JOYBEAT
Lukyou
ブラザーコミュニケーションレポート
コンテンツサービス
※ LED方式含む
2015 46
編集方針
私たちの事業活動の持続可能性について、より多くのステークホルダーの皆さまに正しく知っていただくために、
従来、英文のみで発行していたアニュアルレポートと CSR 報告のダイジェスト版を兼ねた会社案内とを統合し、
「ブラザーコミュニケーションレポート 2015」として発行いたしました。
より詳細な情報は、ブラザーグループの以下の各 Web サイトをご覧ください。
企業情報 トップページ
http://www.brother.co.jp/corporate/
株主/投資家の皆様へ トップページ
http://www.brother.co.jp/investor/
CSRの取り組み トップページ
http://www.brother.co.jp/csr/
環境への取り組み トップページ
http://www.brother.co.jp/eco/
環境スペシャルサイト
「Brother Earth」トップページ
http://www.brotherearth.com/ja/
発行/2015年6月
2015
Fly UP