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ハイブリッドキャプチャー法 - なぜHPV検査が必要なのでしょうか?
ヒトパピローマウイルスについて ヒトパピローマウイルス(HPV) 子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV) は 150 種類以上の型のあるウイルスのグループの名称で す。うち約 13 種類の型は高リスク型と呼ばれ、子宮頸が んを引き起こす可能性があります。HPV 感染はごくありふ れた性感染です。感染しても何の症状も現れないことが多 いため、自覚症状がないうちにウイルスを感染させている 可能性もあります。約 80%の女性が、生涯のどこかの時 点で HPV に感染すると考えられています。感染したウイ ルスが体内から排除されない場合、持続感染になります。 HPV に持続感染すると、細胞が異常に変化して、異形成を 引き起こす場合があります。異形成を早い段階で見つけて治療しないと、時間をかけてがんに進行す ることがあります。 HPV と子宮頸がん 世界では、子宮頸がんは乳がんの次に 2 番目に多く見られる女性のがんで、年間約 50 万人の女性がこの病気に かかり、約 30 万人が亡くなっています。日本では、年間 15,000 人の女性が子宮頸がん(上皮内がん含む)にか かり、約 3,500 人の女性が死亡しています。最近では 20 代、30 代の若い女性の間で増えています。 研究によると、患者や死亡者数のうち 80%は、病気や予防検診、治療に対する意識が低い開発途上国で起きてい ます。こうした開発途上国の多くでは、子宮頸がんは乳がんをしのいで女性のがんの中で一番死亡率の高いがん になっています。 子宮頸がんが HPV と関連があることは国際的社会で広く知られており、この病気を征圧しようという方向性は定 まっています。子宮頸がんの原因が HPV 感染であることを発見したのはドイツの研究者、ハラルド・ツア・ハウ ゼン博士で、この発見により 2008 年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。HPV は、がんの原因であること が解明された最初のウイルスです。HPV が子宮頸がんの原因であることが分かっているため、子宮頸がんは予防 することも、完治することさえも可能です。ただし、予防も完治も、がんに進行する前の段階の前がん病変を検 査で確実に発見して、治療できるかどうかにかかっています。ここ数年で、子宮頸がんの検診と細胞診 ASC-US の両方において、HPV 検査の価値は欧米のガイドラインで認められてきました。こうした動きは、細胞診と比較 して HPV 検査のほうが、臨床的感度が非常に高いことを裏付ける科学的研究 1 が確実なエビデンスとなったこと を意味します。この高い臨床感度によって、子宮頸がん発症率を減少させるだけでなく、子宮頸がん検診の受診 間隔を広げて受診回数を少なくできるなど、多くのメリットがあります。 子宮頸がん検診における細胞診と HPV 検査の併用が、費用対効果が高いことが次第に認められてきた結果、 2008 年には米国政府の子宮頸がん検診プログラムに HPV 検査が導入され、メキシコ政府では国が指導する HPV 検査プログラムとして、digene HPV Test(日本ではキアゲン HPV Test)が選ばれました。同じような試みは世界 中で見られ、QIAGEN(キアゲン)の技術が極めて重要な役割を担っています。 1 1 Clavel C, Mausre M, Bory JP, et al. Human papillomavirus testing in primary cervical screening for the detection of high-grade cervical lesions: a study of 7932 women. Br J Cancer. 2001 Jun 15; 84(12):1616-23. Press Sheet ̶ Status:November 2010 ヒトパピローマウイルスについて HPV 検査の市場 HPV 検査は、世界中で 1,000 億円以上の潜在市場があり、遺伝子診断市場の中でも非常に大きく、また急成長を 遂げている分野です。開発途上国でも先進国でも、子宮頸がんの定期検診における HPV 検査の有用性は、約 100 万人の女性を対象とした数多くの研究で実証されてきています。その結果、HPV に対する意識とともに HPV 検査 もまた、子宮頸がんの定期検診における併用検査として、この数年でより広く認識されるようになってきました。 しかしこのような状況にも関わらず、HPV 検査は市場全体のうちまだほんの一部にしか普及していません。HPV 検査の最大市場である米国においてさえ、未だ約 40%の普及率です。米国以外の国では、HPV 検査と細胞診との 併用検診は導入され始めたばかりで、今後大きく市場が成長する可能性があります。HPV ワクチンは、子宮頸が んの予防において補助的な役割を果たします。しかし、ワクチンが世界中に広まったとしても、効果的な検診は やはり必要です。ワクチンは子宮頸がんの原因となる全ての高リスク型 HPV に対して有効なわけではないため、 ワクチンを接種しても、やはり定期的な検診を受け続ける必要があります。けれども、ワクチン接種と HPV 検査 を両方行なうことによって、近い将来子宮頸がんを征圧できるようになるでしょう。 QIAGEN と HPV QIAGEN 社は、子宮頸がん検診に使用される世界で初めて FDA に認可された HPV 検査、キアゲン HPV Test を 販売しています。13 種類の高リスク型 HPV の感染の有無を調べることによって、子宮頸がんにかかるリスクの ある女性を確認することができます。キアゲン HPV Test は HPV 検査法の世界標準として広く認められています。 北米だけでも、過去 5 年の間に 4,000 万人以上の女性が細胞診 ASC-US のトリアージや、また 30 歳以上の女性 の場合は細胞診との併用診でキアゲン HPV Test を受診しています。 ハイブリッドキャプチャー法の測定原理 ハイブリッドキャプチャー(HC2)法は QIAGEN 社の技術を用いた核酸ハイブリダイゼーションアッセイです。 HC2 法では“RNA プローブ”を用いて、ヒトパピローマウイルス(HPV) 、クラミジア(CT) 、淋菌(GC)を 検出します。検出対象の細菌やウイルスが検体中に存在した場合は、 “RNA プローブ”が検体中の“ターゲット DNA”と結合し“ハイブリッド”として検出することができます。この“ハイブリッド”は特殊なプレート上に“キャ プチャー(捕捉) ”されます。次のステップで、特異的な標識抗体と酵素が反応溶液に追加され、“キャプチャー” された“ハイブリッド”が存在した場合は、化学発光シグナルが検出されます。 1. ターゲット DNA と RNA プローブ をハイブリダイゼーションさせる。 2. ハイブリッドを捕捉する 3. 化学発光基質を加え生じた発光を 測定する HPV に関するその他の情報については www.thehpvtest.com をご覧ください。 2 Press Sheet ̶ Status:November 2010