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Instructions for use Title 木材切削機構の研究(第1報

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Instructions for use Title 木材切削機構の研究(第1報
Title
木材切削機構の研究(第1報) : 切削方向の分類及び鋸刃
に近い条件における切削
Author(s)
土肥, 修; 金内, 忠彦; 横山, 正夫; 高津, 幹雄; 佐藤, 滋記
Citation
北海道大學工學部研究報告 = Bulletin of the Faculty of
Engineering, Hokkaido University, 65: 1-17
Issue Date
1972-12-16
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/41104
Right
Type
bulletin (article)
Additional
Information
File
Information
65_1-18.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
木材切削機構の研究(第1報)
一切削方向の分類及び鋸刃に近い条件における.切削一
土肥 修 金内忠彦 横山正夫
葦弩津幹雄…* 佐藤即言己**
(昭和47年4月28日受理)
Studies on Wood Cutting Mechanistn (Papet 1)
一Classification of Cutting Directions, and
Cutting adjacent to Sawing一
Osamu Doi Tadahiko KANAucm TIV{[asao Yoi〈oyAMA
Mikio TAKATsu S}iigel〈i SATo
Abstract
’
The mechanism of chip formation in wood cutting differs from that of homogeneous
istropic materials and is so comp}ieated that the wood cutting mechanism still. remains
unelucidated.
The authors treated a lumber as a polar anisotropic cylinder from a general point of
view. ln cases where any two axes of three geometrical. ones of a lumber, namely radial
(7一),・tangential(のand longi.tudinal(驚〉, coincide with cutting and depth direction.s, cutting
and depth directi6ns are represented by comb面.n.gプ, O and x, employing the sign十〇r
一 for r, x to distinguish the direction of wobd growth. The authors carried oint cixtting
e: periments with a cutting tool adjacent to a saw tooth for the sixteen combinations of
’ cutting and depth directions.
From the results of the experiments concerning principal factors rela£ed to the cut−
ting force and cutting energy, the following conclusions were obtained.
(1) The differences of cutting forces with regard to 十 and 一 in cutting and depth
directions and also with regar(1 to south and north parts of a lumber are not cl.early
observed.
(2) The cutting force is considered approximately as a linear function of the cut−
ting tool width.
(3) There is no effect of cutting speed on cutting force in a range from O.6 to !2.2 m/s.
(4) From the experiments using various shapes of test pieces, it is evident that the
cutting force and energy are affected remarl〈ably by patterns of wood fiber deformation.
*.住友ゴムエ.漿㈱研究・部
**
@ 新 日本製鉄 (株) こ[:作ヨ本?}IS
2
2
土肥 修・金内忠彦・横山正夫・高津幹雄・佐藤日記
目
次
1.緒 言………………・・…… …・・ 2
2.切削方向及び切込方向の分類……・ ……… 2
3,実!寄灸・・・・・・・…一…一一・・・・・・・… 3
3−1 被削材及び切削条件……・… … ……… 3
3−2 実験装資及び方法・・………………… …・・ 5
4.切肖llま籔抗・■■・・・・・・…一・・・・・ …一 ・一一・・・・・・・・・… 5
4−1 切削方向,切込方向の影響…… ・…・ 5
4−1−1 ユゾマッの場合……・… …・・ …・・ 5
4一レ2他の材種の場含∴……・ …・…… 8
4−2 被削材形状の影響・・……… ・・… …・・ 9
4−2−1 エゾマツの場合・……・ …… …… 9
4−2−2 他の材種の場合・…・… …・・ ……10
4−3刃幅の影響・……………… …・・…
@ 12
4−3−1 エゾvツの場合・・…… 12
4−3−2 他の材種の場合…・・…… 12
4−4 切削速度の影響………・・… …・・… !5
5. ・結 諄禽 ・… 一・・。・・・・・・・・・・… 一一一 ・・・・・・・・ … !7
6.参考文献………・……・……… 1. 緒
…・…
@
……
@ 17
言
均質等方性体の切削の問題は既に多くの先人により種々の角度から検討されているが,木材,
複合材料及び強く圧延された金属等異方性を有する物質については,充分な検討がなさ.れていな
い。木材切削に関する従来の研究も切削機構i及び切削力算定式1)一3)など,ある程度の解析は行な
われているが,切削方向及び樹種は限られており,異方性体である木材の特徴を考慮した一般的
取扱いはなされていない。
本研究では先ず木材の強い方向性と組織の不均一性を考慮し,切削の方向及び方位について,
一般的な分類を示し,次に鋸による製材作業を考慮して,鋸刃に近い工具を採用し,5種類の樹
種及び5種類の形状の異なる被削材(木材)を切削し,切削力と切削エネルギを測定し,更に鉛に
ついて同様の実験を行ない,木材切削の特徴を検討した。
2. 切削方向及び切込方向の分類
従来,:木材の切削方向は木口面,柾目面,板目面に分け,それぞれの面内で刃の進行方向に
つき,繊維に直角と平行の二つに分類しているが1)∼3>,これは古来の経験的分類で,例えば木裏
面と木表面及び末口と元口を区別し,木材切削の特徴を正確に表示したい場合にはなお不十分で
ある。
切削機構及び切削抵抗が木材においては,切削方向と切込方向の組合せによってかなり大幅
に根違することが考えられるので,著者等は木材原木を一謡斐的に極異方性円筒と考え,切削及び
切込の方向をそれぞれ原木円筒の三主軸方向,すなわち半径方向ろ接線方向0,軸方向之によっ
て表わし,半径方向1’と軸方向Zについては生長の方向性を示すものとして±の符号を採用し
て,+は生長の方向を示すこととした。その他木材の代表的な特微である繊維細胞の組織の粗
3
木材切削機構の研究(鎗1報)
・3
表1 切削方向と切込方向の摺合せ
\鱒胴纏方向 接線方向
切削力(’tj一一\i、ア¶出
半径加馳\
末
z+ロ
葉
接線方向。 θノ・±
軸
方
向
tTttttrT...一丁一tumttt/twwtt nvt wwmm ww
喉軽li プア 【脅J 之± z±ノー±
・
軸方向
e
驚±
r + (/ 1 i’+ x +
Xl oz.
瀞….皿
7
密,年輪幅を考慮するため東西南北の方位の
略
区別をもつけた。切削方向,切込方向の組合
せを作れば表1のように合計16通りがある。
McKenz圭e2)が木材2次元切削の切屑生成
過程を説明するために用いた分類法と著者等
の分類法との関係は図1のようになる(()内
図1 切削方向と切込プア向
はMcKenzie方式)。前者の分類法は繊維方向
を基準にして,刃幅方向と切削方向で表わし,その方向に対して平行,直角を0,90としている。
したがって,切削方向の半径方向と接線方向の区別,原木の元口と末口の区別,さらに切込方向
の木裏,木表の表示が出来ない欠点がある。
製材作業を著者等の分類で示すと次のような対応となる。
縦挽き プ±x±02± Ordinary Sawing(0)
長手挽き 2±1’± x±0: Longitudina}SaWing(L)
横挽き Olk 7・±O Cross Sawing(C)
製材,木工などの切削作業では作業方法や木材の部位によって,一般的にはこれ等の中間方向の
場合が多い。また方位については,木口面を立木の方位:によって東西南北に区分するが,市販の
原木など,その立木の方位を判定出来ない場合は,木目面を観察し,最も生長が畢く,年輪幅の
大きい方位を南とする。
本実験に供した被削材は南と北の辺材を選定した。
一3. 実
験
3−1 被毛材及び切削条件
切削実験に用いた樹種はxゾマツ,トドマツ,イタヤ,ラワン,ホウで原木径は20∼100cm
である。比較のため均質等方性体の例として鉛を採用した。表2ぱJISに準じた方法で測定した
各試料の機械的性質であるが,特にプ±Xth方向では厳密な意味のせん断強さは側管困難で,繊維
の曲げの影響があると考えられる。但し,せん断試験における方向も切削の場合に準じ,せん断
方向とせん断刃先線直角方向との組合せで表示する。
木材が繊維構造であるため,方向によるほか,被削材形状によっても切削力,切削機構が異
なるので,被削材形状を図2のようにN,1,U, T, H型の5種類につき切削方向,切込方向を組
せ,刃側画,刃下面が切削力,切削機構に及ぼす影響を調べた。被削材の長さぱ20mmに統一
してある。
この実験では被削材長さが小さいため,切削温度を考慮する必要はなく,使川工具は焼入れ
焼もどしたS45Cとし,帯鋸,丸鋸などによる切削を想定して,すくい角25度,逃げ角10度
4
4
土月巴 修・金内’舐彦・:横江1正ジミ・高涛郵除雄…・で左藤滋言己
表2 被削材の機械的性質
向
..プ菰.
強
種
樹
さ
引張り
エ ゾ マ ツ
圧 縮
水分王1∼20%
iせん断
1
曲 げ
トドマツ(心材)
フt( 分 10∼12%
イタヤ(乳材〉
O.38
O.27
9.50
南
0L34
0.34
ユO.85
北
e,40
O.38
4.20
南
0.44
0.44
4.00
司薦嗣δ1・1瞬・.
4.04 (r+x+)
北
23.9
南
26.2
O.63 ! O.60
5.48
せ ん 断
0.80 (r+ 0) 1 /.24 (zv + 0)
5.99 (r+2+)
り
1.66 1 O.82
9.58
縮
2.20 」 1.60
5.90
引
張
せ
ん
断
i璽.1・98瞬・・
4.95 (r+x“
圧 縮
1.02
1.07 1 5.40
せ ん 断
0.78 (r+0)
1.30(窓+0) 3.26(ザ+之+)
ラワン(南材)
引 張 り
O.53
O.46
水分10%
せ ん 断
0.51(1一+の
098(驚+θ〉
ホ ウ(心材〉
!v型
北
圧 縮
圧
水分10∼12%
0
1層
〈kg/mme)...
4.07
霧
遮光板
壷
==p
り
1型
u型
b
光源
噂
b
フォトトラ〉ジスタ
光量検臓置
面
.旋
板
’盤
寧
動歪計
上
DM−3P
刃
ア型 ’騙k.
奪
物
雰
7e
、 ∼跨
〃型 ℃ ミ
2蒼
ね
紹.1艇
管蚤
b ・= tD削輻
島
か ±=切込深さ
図2 被削材形状及び寸法
図3 実
験 装
置
5
5
木材切削機構の研究(第11報)
を採用,刃幅は2,4,8,!6mmとし,切削速度はO.6∼12.2 m/sの/ffi一[JMに変化した。
3−2 実験装置及び方法
図3のように被削材を旋盤の面板に取付けて圃転させ,所定の切削速度に達した時,刃物台
に圃定された工具により,所定の切込深さで切削するが,弓削材切削軌跡は直径320mmの円弧
を描く。切削力は切物台に固定された検出器(歪ゲージ応用〉により2成分(主.切削力,背分力)
の歪を応答周波数4000Hzの動歪計DM−3 P(共和電業)に導いて検1」二iするとともに,切削長さ
(刃先の変位)はフォトトランジスタを組込んだ光量検出装置により検出し,それぞれブラウン管
オッシロスコープの縦軸,横軸に入れる。この装置により,切削中の工具の移動量に対応する主
切削力と背分力の変化が記録され,主切削カー切削長さ曲線を積分すれば,:被削材長さ20mmの
切削に要する切削エネルギ(E)が求まりゴ主切削カー切削長さ曲線の極大点P1,1)2…の相加平均
値を最大主切削力Pm。、とし,切削終了時(被削材末端)に生じる被削材の割れに相当する部分を
除去した定常切削過程の、1三均値をもって平均主切削力P,。。。。とする。
4.切削抵抗
4−1 切削方向,切込方向の影響(三幅4mm,切削速度3.5 m/s>
4−1−1 エゾマツの場合
N時季削材に対し著者等の分類に従った切削方向及び切込方向の全組合せについて行なった
結果が図4,図5である。切込深さ,すくい角,刃幅等の切削条件は各方向とも同一である。図4,
図5から,切込方向及び方位より切削方向が主切削力,切削エネルギに及ぼす影響が大きく,平
均主切削力,切干エネルギが大きい順に(7一±z±,Ox±),(7kO, er±),(x±1”±,2±0>の3グループに
大別出来るが,これは前記4)製材作業の分類のO,C, L(略記号)に相当する。これ等星グループ
の違いは刃先に対する繊維の配列構成が異なり,各グループにおいて切1脊生成機構が相異するた
めと考えられる。
切削方向及び切込方向の÷と一による差違を調べるため,麟4,図6の南材と北材につい
て,平均主切削力,最大主切削力を平均値で比較すると表3のようになる。切込方向を同…・にし
たN,1型の切削方向i’+と2一.及び新とx.の差違は!0%前後認められるが,これについては
kg
JrO
主40
二£ソマツ /V型
嗣儲
切
切込深さ /ノηm
口材{畿
/
削
30
カ
20
10
o
・工
A e
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ノiZ.砿凶z. r.z.θz.θ■一4θムθ〃rtθムzみz−r+z・r−z−r−z・θz一θ
}一騒き(・)一門翻・)rk一騨きωづ
図4 主切削力と切削方向,切込方向及び方位の関係(1)
6
6
土肥 修・金内忠彦・横肉正夫・高津幹雄・佐藤滋記
被削材によって年輪幅,繊維細胞の大きさ,水分等が相異することがあり,それ等に起因すると
考えられる切削力のバラツキが既に±5%程度まであることを考慮すれば,』断定は困難である。
N,1型とも同一切削方向において,切込方向2+とZ一一,プ+と7’.との間に明確な差はみられ
ない。
図8はN,1型の切削力変動率(1)㎜。。一Pmean>/P㎜,anを示す。 x±0, z±7‘±では切削力,切削
エネルギが最も小さいにも拘わらず,変動率が大きく,反対にアk2±, OL・±では切削力は大きい
が変動率は小さくなる。変動率が大きいことは切層生成が断続的で,割れ長さが大きいことを示
す。ね鞭,0級の変動率は0に近いが,いわゆる金属切削の流れ型とは異なり,切込方向に割
れ(下割れ)が生じる。木材切削における割れの形態を図gに示す。各切削方向とも主切削カー
切削長さ曲線中,横軸の実切削長さは被削細長さど一致せず,N型被削材の場合, r±(7,01一±,
1’
}麹,Ox±では実切削長さが被削材より長、く,x±0,糀プ±では逆に短い。この原因は各方向とも
Ag・ctn
70
60
倶
切
削
50
、、
Gソマツ
ノ〉型
切込深さ
z〃〃
0 南材
●
}
北材
工
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ネ
ル 40
ギ
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O
rt Zf!二21. r.■一r. z−fiZt oz一/謬 r. e Or. Er一盈み且ηz,r−z−r−z. fiエ6
ト臨き(・)一一iト生き(・)→ト長魏(・・刊
図5 切削エネルギと切削方向,切込方向及び方位の関係(1>
エソマツ 1型
30
切込量さ 1mm
主
x
切
削2”
r
蓋
・材{合葬喬
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3
力
la
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ト‘・ノ刊ト(ω一→ft ・L・一一一H
図6 主切削力と切削方向,切込方向及び方位の関係(2)
7
木材切削機構の研究(第弐報)
7,
毎。御
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切
●
削
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Hソマツ
工
切込深さ
ネ3e
∫型
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恂k材
ル
ギ
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o
ert er一 z.r. zmr. z+r一 z−rp z.s z−e
斤Zや仁Z←瓜Z−1=二乙θZ争θ孟!}θr−B
トー‘・?・Hトー(c?一トω一i
図7 切削エネルギと切削方向,切込方尚及び方位の関係(2)
表3 切削方向と切込方向(1’±,2±の十と一〉び)相違
方
ノ’十
向
主切戸力
プ十潭±
ノ・
(,,IEung)
平
N 型
王 型
2十
7’..
{o 畑㌔
悔・・匹二陣・諦越一
[
四
21.4 1 5.O
22.4 1 6.6
大
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29.4
平 均1.1M
レ 大絢
之一.
ミ
P 25.8 1 5.6 1 26.2’
5.0 ’
17A 1 一 1 16.9 i 一
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… 3.2
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P
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動
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2
エゾマツ南材
切込深さ1伽
O〈〆型
△ 1型
△
1
・ 1ム Q oゐ
£
a
rtl. r.z. rtZ一 tLzT az. ez一 rte r−e er. “t: z.rt zTil z.[ z−ti z. e IJff
トーω刊ト(・)一1トーω州
図8 主切削力の変動率
15.7
8
8
土肥 修・金内忠彦・横山正夫・高津幹雄・佐藤滋記
割れが生じるためで,その割れの長さは樹種,切込深さ,すくい角等
により変化し,切込深さが小さくなると実切削長さと被削材長さとは
一致してくると考えられる。
木材は一応極異方性体とみなせるが,均質でなく,東酋南北の方
位で,年輪幅及び細胞密度が相異し,一般的には特に南と北の差があ
る。供試エゾマツでは年輪幅が南の方位で平均2.0,北では1.4mmの
P)1
程度で,同一方位の年輪幅バラツキは小さかった。
一一一一
横割れ
刃
一 切屑
次に年輪幅に南と北で差があることを考慮し,図4,N型につい
て,16通りの切削方向及び切込方向の平均主切削力の平均値を比較す
ると,南材で13.9 k9,北材で14.4 kg,図6,1型についてぱ軟材で
7.5kg,北材で8.2 kgとなるが,いずれも±二5%程度のバラツキがあ
る。この場合,年輪幅では南は北より30%程度大きいが,表2のよ
うに機械的性質(引張り強さ,圧縮強さ等)にも±!0%前後の変動が
先割れ
図9 割れの型態
認められることを考慮すると北材が南材より切削力が大きいと断定することもできない。
4−1−2 他の材種の場合
前述したように,エゾマツの切削力,切削エネルギ及び主切削カー切削長さ曲線に3つの異
なったグループが存在するので,樹種ごとに,それ等各グループから切削方向と切込方向の継合
せの一例を取り出し,鉛と比較したのが図10である。同一切削方向でも樹種によって切削力,切
削エネルギが異なり,イタヤが各切削方向とも最も大きな値を示すが,トドマツ,ラワン,ホウ
の比較では切削方向によって,最大主切削力と平均主切削力の学位が入れ変る。これは生育地に
より,年輪の有無(北洋材,南洋材),繊維細胞の大きさと針葉樹と広葉樹などの組織構造が切削
力の変動に影響しているためである。
次に各樹種の平均主切削力につい
惣忽伽 70
て,3方向の変動を調べるため,次の式
で計算される標準偏差5で比較する。
ノV型
切込深さ
6〃
1〃〃
一跡葛・一「♪ギ
△ 最大主{露削力
主
▲ 平均主切削力
切削
O切 肖虹ネルギ
・P・i(m,an):平均主切削力k9
50
ヘ島θσ“
♪:P,i(mean>の平均値k9
o
島砿
40
リ
表4はその結果である。方向による平
o
o
削工
均主切削力の変動はイタヤが最も大き
o
く,トドマツ,ホウではその変動は小
ネ 30
泣M 20
さい。表4は切込深さ1mmの場合で
あるが,切込深さを変えた場合の標準
偏差sは年輪の影響で表4のような傾
/0
表4 平均主切削力漂準偏差
O
4z_
/≧〃
2f菰
4z†4〃 z+4
μ21†
るθz轟
ん2ヲ_
乙〃z一θ
卜鼎到惚襯ド認朝楠宥一r鉛
図10 主切削力,切削エネルギと材種の関係
エゾ
トド
マツ
マツ
標欝88
3.7
樹 種
L
イタヤ ラワ湾ホウ
LH.
13.4
8.1 1 3.9.
9
木材切削機構の研究(第1報)
野
向になるとかぎらない。一一一一般にSの小
さいものほど等:方性体の切削に近く
なる。
6D
kg
エゾマツ南材
忽・cm
主50
4② 論議材形状の影饗(夢幅4m無,
切
切削速度3.5m/s)
削
刀
む
Pmax
ム
4−2−1 エゾマツの場合
木材は繊維細胞から構成されるた
め,被肖1材形状によv)て,切削力,切
削機構は変化すると考えられる。切屑
生成過程の形態を左右する基本的な
要因を知る乎がかりとして,図2のN,
Qu型
▲7『型
1
4a
1[?meatJ
7
切30
■〃型
購
む
了⊥
削
工
ネ
Y
li
エ
ル 20
ギ
T
E
10
o
の比較から,被削材の刃側面,刃下面
き
i
of
金
A
1 f4
も
▲瞳
い,切削力,主切潮カー切削長さ曲線
ム
xL A
ム
A
E Pmeon Pmox E YC?mean Pmox E Pmeon Pmax
r一 zJ(o) r一 e (c) z一 e cL)
の影響を検討する。
切削力,切削エネルギと被削材形状の関係(!>
pa ll
図11,図!2は切込深さ1mm,2
mm,エゾマツ各店の切削の結果であ
る。等方性材料の切削ではU型とN
エゾマツ南材
kg・cm
lao
oN璽
切込深さ2ノη〃7
r
o口
型,T型とH:型の切削力,切削エネル
ム∫型
主
ロu型
4ア型
口
翼BO
1・..0,x−03方向ともU型とN型, T
型とH型とでその差違が見られ,いず
ムーτ型
口
1,U, T, H型それぞれの切削を行な
ギはほぼ等しいが,エゾマツの7’一.Z…,
O〈ノ型
切込深さノ〃柳
o
t
口
ム
恥、。
顧〃型
?
れもN型よりU型が,T型よりH型
が大きく,この差はプ.、0の場合特に大
きい。切削機構も両型の間で大きな変
化があり,N型は刃先の圧入と共に二
幅方向に割れ(横割れ図27)が進展し,
繊維強度が大きいため横割れした部分
の諾方向の繊維を刃側縁で切断出来
ず,刃先すくい面上に押し上げられ,
蜘げ変形の後に破壊分離される。U型
A
招
寧
乱
言
ロロ
⊥
乗ua
ム
r
峯
黒
E 2a
k
:
:aj
A
窄
kム
全
A
o
E’ Pmean Pmax E Pmeon Pmar E Pmea” Pptax
r一 z. (o) r一 e (c) z“ e (o
図12 切削力,切削エネルギと被削材形状の関係(2)
は溝切削を行なうため,品品方向の割れ(横割れ)は拘束されぞ刃先刃側縁で繊維をせん断ずる。
T型とH型の場合もU型とN型の関係と似ており,切屑の生成過程に発生する割れの形態及び
挙動が切削力,切削エネルギに大きな影響を与える。7’一一X..とx一.0ではU型とN型,T型とH
型との切屑生成過程に本質的な相異はなく,切屑の形状も似ており,切削軌跡輻と刃幅とはほぼ
一致する。・it.z.一各型の切屑形状ぱ2’方陶に連続的につながったものでなく,田面で分離した細
かな小片になる。2..0は各論とも7’.LY.一の形状と異なって,一定間隔(先割れ長さ)で折れ曲った
形状を示す。
切削力,切削エネルギについて,各型の関係は被削材’形状から1型と[1)型の和はN型に,1
型とHの和はU型に近い値を示すと考えられるが・それ等の和はN型;U型とは一致レない。
被削材刃側面,刃下衛の影響を調べるため,エゾマツについて,1型;T型のN型に対する
lg
10
土肥 修・金内忠彦・横山正夫・高津.幹雄・佐藤内記
表5 切削エネルギ,切削力の比
被 削 材
エ ゾ マ ツ
切込深さ(mm>
切
Ps
削
1.0
プ_堵...
j−.一之..
7’rmXm
xme
es
O.13
O.88
O.26
O.05
O,34
O.36
f3 mean
0.15
0.83
0.13
0.03
0.30
0.35
ノ忌max
0ユ6
0.67
0.11
0.12
0.03
0.32
・・ ioマ6
O.11
O.88
O.67
O.27
O.5!
Dsmeani O.71
e.16
0.78
0.71
0,0
O.54
0.05
0.62
0.64
0.1
0.50
2bB
鉛
!.0
!.e
2.0
rmO
ウ
ホ
…
ノ>3 max O,59
割合を次式で求め,表5に示す。刃側面,刃下面の影響をそれぞれs,Bの記号に付して区別する。
E,
Pi
es == 1−
!評1−
P,v
EN
.ん+舞 eB =: !一象
PN,1)1,1)T:各型の最大主切削力kg
EN, EI, E・r:各界の切削エネルギkg・cm
表5から,’n2一のAとPBを比較してPBが大きいが,7’.Oでは反対a: P,,よりP、が大きい。
r・・X一のPBが大きいことは西門の切削力,切削エネルギが小さいことになり,切込方向の繊維
を刃先で切断するエネルギが大きいことを意味する。1’一θのpsが大きいのは,1型の切削力,切
削エネルギが小さく,刃由縁で二幅方向の繊維を破壊分離するエネルギが大きいためである。
以上のことから,木材切削では繊維の変形及び破壊が刃先のどの位置で起るかによって,切
削力,切削=ネルギに与える影響は大きい。
4−2−2 他の材種の場合
エゾマツと同様にイタヤ,ラワン,ホウについて調べたのが図!3,図14,図15である。.
図16は等方性材料の1例としての鉛の結果である。
エゾマツの切込深さ1mmの場合,被削材形状の比較から切削力,切削エネルギの大きい
順は,r一『x一(O)ではU, N,1, H, T,1’一〇(C)ではq, H, N, T,1,2−0(L)ではU, H, N, T,1と
なる。但し,方向により切削力,切削エネルギが近い値を示すものがあり,(O)ではTとH,(C)
ではNとT,(L)ではUとHが近い値を示す。以上の結果をイタヤ,ホウ,ラワンと比較すると,
(0),(C)はほぼ同様な傾向を示すが,(L)になると,各型の順位が入れ替るものがあり,例えば
HとNの順位が明確でない。鉛の場合も同様の比較をすると,N, U,1, H, Tの順に小さくな
るが,U型とN型lH型とT型の切削力,切削=ネルギがほぼ等しくなる。鉛切削と木材切削
は根本的に切削機構が異なり,木材切削のように割れの現象はなく,金属切削で説明されるよう
に刃先すくい面上ある角度のせん断ずべり変形によって切屑が生成され,主切削カー切削長さ曲
線の変動も小さい。したがって,切屑形状も木材の3方向(O,C, L>切削の切屑形状と異なり,
いわゆる流れ型を呈する。
次にエゾマツのP,,編と同様にして求めたホウと鉛のp、,錫を表5に示す。切削方向プー㍑
のエゾマツとホウの近い値は繊維の変形破壊の:機構が同じであることを示す。この場合,割れと
11
木材切削機構の研究(第!報)
王1
共に,2方向繊維が刃先により’r方向に曲げられる。ホウでは1型とN型の切削力,切削エネル
ギの差が1’一一2一より2一θの方が小さいので,p、も小さくなる。(航のN切削では(7’一θ)Nのような
刃幡方向の割れば生じないが,エゾマツと同様に切削方向(之方向)に割れ(先割れ)が進展する。
1型も同様な割れが生じ,1型とN型の切屑生成過程はよく似ている。
ん9
kg・cvn
ロ
以一1:の各被削材の結:果から,切削力,.切削
80
o
エネルギの数値に,各方向とも樹種による違い
l
がみられるが,割れの形,切屑の形状,主.切論
la
l
削
。/V型認められない。
切込深さlmm
n
切60
カー切削長さ顧線の破形等は樹種による相異が
イタや南材
む
主
△1型
A
〔1σ型
力
▲γ型
n
Pntean
Pmar 50
i4
切
ks・cm
50
oH型
ム
o
削
工40
拒
N・
ル
ギ30
。〈!型
力
△∫型
Pmean
。θ型
Pmax 30
ムア型
ロ
l
ム
O
ii
切
肖彗
:,
20
切込深さlmm
切40
肖1
ロロ
ロ
ネ
ラワン南材
oo
主
工 20
蚤
ネ
1. 70
:,
1
革 〃
工磁
?
み
ル
A
ノ0
冒〃型
呂
A
画
A
ムロ
A
柘
o
E’ /[m?een PmaN E Pmean Pmox E Pmean Pmax
o
tE’ Pmba” Pmex Er Pmean Pmax E Pmean Pmax
r, Z,CO) ’ f, e (C) z, r, (L)
r+ Z+(の ムθ(0) 乙A(∠)
図13 切削力,切削エネルギと被削材形状の関係(3)
図14切削力,切削エネルギと被削材形状の関係(4)
ん9
ホウ南材
忽仰
X20
ロ
1
切込深さ2mm
●
01v型
主ノoa
Ag
△∫型
切
・匁仰
50
ロ(ノ型
削
o
▲7型
力
sa
Pmean
Pmax
1
。
ロH裂
切60
削
?
A
工
ネ
g
ル 40
ム
ギ
r
6 P
lIL
o
胡
2
o
:・を
lc?.., 3a
切
工 20
ネ
A
ル
1・
口σ型
▲ア型
Oo 臓〃型
“2i
乳
ギ
4 A
ム
2
削
鉱
A
A1型
Pmean
呈
ム
a
切込深さlmm o〃型
力
m
A
2a
主
切
40
削
鉱
la
A
E Pmevn Pmox E Pmeen Pmox E’ Pmean Pmax
。
ノ=Z一(「0) !=OCC) ■一θr∠)
E Pmeon Pmax
図15 切削力,切削エネルギと被削材形状の関係(5)
図16 切削力,切削エネルギと
被削材形状の関係(6)..
12 土肥 修。金内忠彦・横山正夫・高津幹雄。俊藤滋記 12
4−3 刃幅の影響(切削速度3.5 m/s)
4−3−1 エゾマツの場合
本実験では刃幅を2,4,8,16mmに変化した。図17から7’+Z..,1・一一〇,2+7’一の各方向の主切
削力は歩幅に対してほぼ直線的に増大しており,主.切削力と刃幅の関係を次のように置くことが
出来る。
1’ =:: A,x÷B
x:刃幅 A,B:定数
実験結果から定数A,Bを求めると,表6のようになる。 A㎜。。,B皿。。は最大主切削力に対する
定数,Am,an, B㎜,a、は平均主切削力に対する定数である。各方向のうち, r+2一一のAm。。, Am,。。
が最も大きく,Am。。の他が3方向ともAm,a。より大きい。なお, Bの値には刃側面の摩擦力の
影響が大きいと考えられる。
4−3−2 他の材種の場合
トドマツ,ホウについて,=ゾマツと同様な切削条件で行なったのが図19∼22である。切削
100
エゾマツ南材
〔r、¢コ
切込深さlmm
主
uvT)a
●最大
切
Q平均
削
力
5Q
¢鉢一’
窟一 (ρθ亟.一。
ζ≠二二二二.処)tr一
,∫零二二:ニー・一一=r=8;==’:“i一一一『
(z・虫_。
ノ,ク ._一一一つ一騨一’
,一〇’ ,”
メコ 〆「・一’一〇”
o
16mm
14
刃 幅
図17 主切削力と刃幅の関係(1)
表6 切削力の定数A,βの数値
樹
種
削
切
Amax
(kg/mm)
ホウ南材N型
(kg)
Bmean
O.49
O.45
15.0
9.5
0.22
0.16
11.5
6.0
x十1略.・.
0ユ0
0.08
11.0
8.0
O.65
O.47
2,0
!.0
rO
0.23
0.15
11,0
6.O
之十ノ’.
0.53
0.L7
0
L.5
ブ十之...
O.70
O.47
5
2.5
r .0
0.18
0.13
12.0
6.5
之十r一一
0.75
0.60
1.0
1.0
ノ’
トドマツ南材N型
Bmax
ノー..θ
ア一
エゾマツ南材N型
A皿ean
glgg〈gkguzmmm>..
¥之.一
。内..
13
13
木材.切削:機構の研究(策1.報)
kg・cm’
kS£ti)pl>
ノ50
切
削
い
エソマツ南材
エ
切込深さ肋卯
ネ
ル
ギ
/00
50
一_一一一働…図・8
.切削鵬ネ.ルギと刃幅の関係(1)
/.’一 (,zusr−L2)bLt一.
ノ〆
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一
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ノ
er一
0
一
t
4
2
6
8
12
ノ0
16mm
14
刃 幅
kg
100
T”)tl
トド」マツ南密才
驚 切込深さfmm
主
⑧最大
切
0平均
/’
ソ測
./(r、砂
削
力
/
/
一“
tレ卵/
ダ
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ノ ノ
/ノ
/ ΨゆレーP
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/ !〆 /
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図19 霊切削力とメ溜ilの関係(21
(四迦一々
ノ ピ ノ
/を一,,1プ感4/’ _
_劣 一 ./’ ,〆一’
4汐チζニー一一一」’
eoX= “
o
2
IO
6 8
12
16mm
tZF
刃 幅
kg
rb)範
しい
ホウ南材
rloo
切込深さ伽η
⑧最大
主
0平均
切
tr./Z)N
削
力
50
(坦♪星一一・
, 一
一’
一i
図20 主.り刺力と刃帳の1.;業1係(3>
(β鉢_一〇
一一●一’
一 一
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一’一Q’
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o
2
4
6 8
刃 幅
to
A2
f6 mm,
三4
土肥 修・金内忠彦・横山蕉夫・高津幹雄・佐藤滋記
14
/
忽。石
2詔
トドマツ南材
NJ
込民
切込深さ〃η〃
場
削
工 150
ネ
」し
ギ
loa
図21.LJj削エネルギと刃幅の関係(2>
ノ
少膨
,/’
se
,/
/
/’ _____佐の猛_◎
がメグ
ノ /づニニジン
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〆’/
0
2
4
6
8
10
12・ /4
16 mm
刃 幅
kg・cm’
/50
切
削
エ
ホウ南材
ネ
切込深さlmm
ル
ギ
ノoa
図22 切削エネルギと刃幅の関係(3)
50
__佐1聾一一・
ロ
////
の一
ノ’
o
2
4
6
8
刃 幅
/0
/2
/4
ノ6mm
15
15
木材「切酬機構の研多ピ(第1報)
力は刃1幅に対しほぼ漉線的に増大する。表6から1・ドマツ,ホウの比較では両樹種ともAmeai、よ
り!/maxが大きい。 Bma:,Bmeanについて,いずれもぬ0が大きいのは摩擦力が切削力に与える
影響が大きいためと考えられる。
4−4 切削速度の影響(刃幅4mm)
すでに発表されている研究の結果ぱ必ずしも一・致せず,切削力が速度に比例して,増大する
もの4),速度の影響はないとするものs>,あるいは低下するとするもの6)など違った結論が珪{され
ている。
図23∼26ぱ著者等がエゾマツについて行なった実験で,各方向について切削速度を0.6
(36.o m/min)から12.2 m/s(732 m/min)まで変えた場合,.切削力及びエネルギと》,削速,度との関
係を示す。図の各点は8∼!e点のむ珂定平均値で示してある。(7’..2、)N,(・r.のN,(プ0)i,(L・.のNのい
ずれも,本突験グ)速度範囲では顕著な変化々よ認められなか./,た。(1・のNO)切削速度(o.6∼8.8m/s>
に対する切屑の変形形態は図27のようになり,図25に対応する1型被削材のヨ三.切劇カー切削長
O切肖tiユニネノレt#i
kg
忽伽
se
主
エゾマツ南材(ん幻〃
切込深さ
/!η〃
△最大主切閉力
▲平均主切削力
o
o
P
削 oo
力
ム
△
4
ム
削 eo
△
エ
▲
ネ
ゐ
ル 2e
ギ
IO
o
2 4 S e lb 12 M/S
切削速度
図23 切削力,切削xネルギと切肖ll速度の関係(1.)
kg
kg・cm
o切肖1エネノ蒔
エゾマツ南材にθ♪“
リ込深さ1備
主
切so
o
@ o
削
o △
か、。
詔
4
乗・・
「最大主切削力
」平均主切削力
4 ▲
ム
A
A
窒
0
2 4 6 B 一to ;2 M/S
切削速度
図24 切削力,切削エネルギと.り蛸ll速度の関係(2)
16
土肥 修・金内忠彦・1黄山正:夫・!蒲言二捧彰傘雄・佐藤滋記
kg
kg ・cm
エソいマ ツ 南}オ (!二〃ノ/
0切削工ネル¥
認5 切込深さ1””
△最大主切削力
《平均主切削力
主
力4 ム ム
“,”,,3F’ee e’
工 台
ネ2』 ▲ム A
輩1一一一 ζ
ou r’4 6 s lom/s
切削速度
図25
りj削力,切削エネルキとり」削速度の関係(3)
kg
主kg’cm
エゾマツ南材 (■一 e]N
切 20
切込深さ1〃7〃1
ム最大主切削力
A平均主切削力
肖Sj
力
15
欝
10
欝
5
輩
0切削エネルギ
Apt
o
o
o
A
0
2468/0/2m/s
切削速度
図26
切削力,り鰯エネルギと》硝li速度の関係④
灘響難灘鞭饗.癖06幽
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nT
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’iT o’ @2 4 6 s lo 12 i4 i6 18 1.・1//1“,
図27(i一.のN切削にお[”1國る切削速度・∼・の影響
図28(’¶一の1切削の主切削カー切削長さ曲線
(切削速度の影響〉
17
木材切削機構の了UF究(第!報)
17
さ曲線を図28に示す。図27から,切削速度の増大とともに切屑1生成時の横割れ長さが幾分小さ
くなって衝撃の影響が強くなる頷向が認められる。
5.結
論
=ゾマツ,トドマツ,イタヤ,ホウ及び鉛について行なった切削実験の結果を要約して,次
の結論が得られた。
(1)著者等が分類した切削方向と切込方向の維合せを作ると,切削力,切削機構の異なる3
グループ(1一±Xth, OX±),(旺0,01・rk>,幅傷,擁0)に分けられ,それぞれ製材作業の分類表示の縦挽
き(O),横挽き(C),長乎挽き(L)に相:顯することが判明した。
(2)切込深さ!mmの場合,各樹種についての.一li::記3グループ間の切削力の標準偏差は,そ
の樹種の異方性の度合を表わす数値と考えられるが,その数値を大きい順に配列すると,イタヤ,
エゾマツ,ラワン,ホウ,トドマツの願になる。
(3)切削方向及び切込方向について,木材の生長方向を区別するr+と1’・.,kN+とx一の違い
によって切削力,.切削エネルギの差は認められなかった。
(4)東西南北に分割作製した南材と北材の被削材について行なった実験から,方位の影響が
あるとは断定臨来なかった。
(5)被肖1材の異なるN,1,U, T, H各型について切削実験を行なった結果,切屑の生成過程
に大きな差違がみられ,切削力にも大きな違いがあることが認められた。
(6)切削力,.切削エネルギと下層の関係はほぼ直線的である。
(7)エゾマツについて行なった切削速度0.6∼12.2m/sの繊期の切削実験では,切削力,切削
エネルギに及ぼす切削速度の影響はほとんど認められなかった。
6.参考文献
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