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断 酒 例 会 の あり方

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断 酒 例 会 の あり方
断 酒 例 会 の あり方
〈『指針と規範』、
『松村語録』、
「大阪府断酒会役員一日勉強会資料」を参考にして吹田市断酒会が
作成したものです。それを大阪府断酒会研修部が注釈、加筆しました。※部分〉
1. 例会では 会員は断酒歴・断酒会歴に関係なく平等です。しかしながら、会
員それぞれの生活や環境も違いますから、話される体験談は千差万別であり、す
べての体験談が個々人の大切な人生の一こまであり、尊重されるべきものです。
本音が語られていれば十分過ぎるほどに十分であり、こうでなければという体験
談のおしつけやほかの人の体験談についての批判はやめましょう。
また、例会中は私語を慎み、ほかの人の体験談を熱心に聞きましょう。「熱心
に聞く努力を止めるようになると、実際経験したことが無数にあるにもかかわら
ず、話せることが段々と少なくなり、自分を語るのにマンネリ化し、同じ話のく
24 』
り返ししか出来なくなるのです。」(『松村語録○
)
※体験談の押し付けや、新しい人に対しても一律に『例会では体験談に始ま
って、体験談で終わる』と言うようなことは控えるべきだと思います。時
期が来れば理解されます。特に病院から来られている人には配慮しましょ
う。
※例会中の私語は絶対してはいけない。語っているひとに迷惑です。
※例会中にお茶等を入れに回らないこと、例会が始まる前か間の休憩時間に
するべきです。親切の安売りしないこと、例会の運営の支障になります。
※出されたお菓子・アメ等をパリパリ、ぽりぽり音を出して食べないこと参
加されている方にとって、非常に耳ざわりです。
2. 体験談について 体験談は「言いっぱなしの、聞きっぱなし」が基本です。
飲んでいたころの言動を包み隠さず口にすることで、自分の問題行動とこころ
の動きを確認することができ、それを聞いている人は、埋もれていた記憶を呼び
覚まして自分の体験を思い出すことができたりします。
記憶の糸を手繰っていく作業はしゃべっていくうちに、当時のことを急に思い
出したり、また、これ以上は恥ずかしいからしゃべりたくないと思っていた枠を
話の延長で外して口にすることができるようになります。そのためには、体験談
を途中でとめてしまうと折角の内容が引っ込んでしまうことがあります。
そのための「言いっぱなし」であり、例会場では何をしゃべってもいいという
意味ではないのです。特に入会の新しい人は過去を振り返るきっかけになるため
にということで、体験談が少々長くなっても途中でとめないで話してもらう様に
配慮しましょう。
一方、体験談は深く、細かく掘り下げれば掘り下げる程、個人のプライバシ-
にかかわる内容になってきます。本人は何よりも周りの人を信頼した上で、口に
したことが、例会が終わったあとその内容が外部へ漏れたらとんでもないことに
なります。体験談の内容は「聞きっぱなし」で、本人以外は絶対その内容を口に
しないくらいの取り決めがあってもいいのではないかと思います。
例会終了後、本人に対して例会で語られた体験談の内容を話題にする人を見か
けますが、体験談は人に聞かせるものですが、自分の過去を振り返るために語ら
れるものであり、他の人がそれを聞いて自分の過去を思い出すためのきっかけに
なるもので、体験談を聞いてあの人はああいう人だと判断するためのものではな
いということです。
また、体験談の中で自分自身の体験を語らずに、ほかの会員のことを話題にす
るのはやめましょう。私たちは、個々の体験談をその人本人の口から直接聞くた
めに、例会に出席しているのですから。
※『言いっ放しの聞きっ放し』の原則は守る。
※例会で話したことは絶対に外に漏らさないこと、特に家族の体験談は要注意。
家族は体験談を話さなくなります
3.新入会の方に対して 心から温かく迎えましょう。新しい方が参加された時に話
される体験談は最初のうちは少々わき道にそれることもありますが、勇気を奮い
起こして話を続けるうちに次第に過去の掘り起こしができるようになってこら
れます。少々長くなっても出来るだけ辛抱強く聞いてあげるようにしましょう。
新しい方の体験談に対するアドバイスは、体験談の中で直接取り上げて答える
のではなく、「そのアドバイスはやはり自分の体験発表の形でなされるべきだ」
52 』
(『松村語録○
)とされています。そして励ましのことばも、例会中ではなく、
始まる前、休憩時間、終った後などにかけていくようにしましょう。
4.受付について 出席名簿は代筆を頼むことなく、必ず本人が記帳しましょう。時
間の途中での退席などの事情がある人は、前もって司会者に伝えましよう。
病院等からの紹介状があるときは、支部長に渡すようにして下さい。
※ 出席証明を渡す時の注意点:必ず両手で手渡ししましょう、投げるように
渡されると不愉快になります。
5.司会をする時に 例会の開始時聞と終わりの時間(例えぱ 7 時~9 時)を厳守しま
しょう。「酒のために生活の折り目切り目を失っていた私達が、断酒して社会に
適応するために一番手近にあってやれることが、この時間励行でもあるのです。」
28』)また、参加者にとって、たとえその例会の内容が素晴らしいも
(『松村語録○
のでも、時間オーバーになると帰りの交通機関が気になり、イライラして全てが
台無しになってしまいます。
司会者が体験談に注釈をつけたり、アドバイスをしたりすると、ほかの人の体
験談に触発されて湧いてくる「自分も本音を語ってみよう。」という気持ちにまで
影響を与えてしまうことがあります。参加者同士の体験談が交換される中で次第
に生まれて来る断酒への決意という例会の雰囲気を壊し、逆に参加者の反感をか
って例会への不参加につながってしまいます。体験談の受け止め方、感じ方は人
ごとに違うことを十分に認識して、司会者は例会の進行のみに徹してください。
また、新しい方に対して、体験談のたびに励ましのことばをかけるのはやめま
しょう。断酒の道を歩み出したばかりの新しい方は、往々にして「自分は生徒で
周りは先生」だと錯覚されてしまう場合もあるようです。
断酒会は上下関係のない仲間関係という組織であり、例会において交換される
お互いの体験談を通じて会員同士が教えかつ教えられるという自助グループで
す。新しい方の体験談から断酒歴、断酒会歴の長い人も十分に学ばせてもらい、
自分の断酒の糧にさせてもらう訳ですから、その体験談に対して一方的に「頑張
って下さい。」という発言はおかしいということになります。
※ 司会者が体験談を語るときは、参加者が全員体験談を語り終わって時間が
余ったときです。司会は進行のみに徹す。
6.支部長の役目
※ 例会の最後に支部長が挨拶する訳ですが、せめて直近の行事報告をする事
は大事なことだと思います。
7.家族について 家族の誓いにもあるように「アルコール依存症は家族ぐるみの
病気です。病気だから治さなければなりません。」断酒会では、家族も酒害から
共に回復していくために例会に出席して、それぞれの体験談を語ります。自分の
家族ではなく、ほかの会員の家族の体験談を聞いて、過去の記憶を取り戻すこと
がよくあります。
給茶等は家族の役割だとまかせることなく、貴重な体験談を語ってくれる仲間
として、家族も会員と同じ立場で例会に参加していることを認識しましょう。
本人が入会する前に家族だけで参加されている方もおられます。本人は飲酒が
まだ続いており、飲んでいるときの気持ちを何とか理解したいという思いでおら
れます。私たちには、例会において近況報告や決意表明でなく、ひたすら酒害体
験を語っていくことが求められます。
※給茶等は家族の役割ではありません、例会に参加する事が大切です。家族も給
茶等をしていればいいとは思わないで下さい。
8.その他 会員間での金銭の貸し借りはやめましょう。特に、先輩が立場を利用し
たような貸借関係は絶対にやめてください。新しい方にとっては断りきれません。
貸しても借りても問題が起きた時に気まずくなり、やがて会を離れる原因に繋が
ります。仕事の世話もしないほうがいいようです。仕事での関係が出来ますとそ
れが上下関係につながります。
個人や会の批判はやめましょう。新しい方が例会出席を重ねて断酒会の印象を
自分自身で感じ取り、自分なりの断酒会との関わり方を築き上げていく前に、先
輩会員が自分の意見をおしつけると偏った先入観を与えてしまうことにもなりま
すし、断酒会についての誤った理解の原因にもなりかねません。
会員には、色々なタイプの人がいますが、断酒に対する前向きな姿勢さえあれ
ば、断酒会はどんな性格のひとでも受け入れる大きい包容力を持っており、個人
差を理由に批判されることはないと確信して下さい。
「例会で学んだことをただひたすらにこつこつと積み重ねることによって、ま
ず自分自身の改善に全力を集中する人。自分自身の改善は行動の中から自然にで
きると考えて、例会だけでなく酒害相談、教宣活動と最初から幅広く動く人。例
会は安らぎを与えてくれる場所と考えて、ゆったりとした表情で座っている人。
例会は厳しさを教えてくれる場所と考えて、いつも緊張した表情でいる人。暗い
過去を主にして体験発表をする人。明るい現在の生活を主にして体験発表する人。
断酒に真剣に取り組む姿勢は同じでも、性格の違いから来る断酒方法論はさま
ざまです。そうした時、どちらの考え方が良いか悪いかを、断酒会は論じるよう
な愚かなことはしないのです。基本的な断酒会の持つ理念さえ理解されていれば、
方法論はその人その人の体験の中で少しずつ変わったり、または変わることなく
しっかりと自分の心の中に定着するのです。日常の実践活動が真剣になされてい
37 』
ればとやかく批判されることはないのです。」(『松村語録○
)
※会員同士での金銭の貸借はしない。
※会の批判や個人の批判はしない、会のことは例会の中で言うべきでは有りませ
ん、別の場所で役員と話すこと。個人の批判は絶対しない事。
9.最後に例会の検討 新人の定着が悪かったり会員の離脱について、来なくなった
人にだけ原因があるのではなく、会の運営や例会にも問題があることも考えられ
ます。定期的に役員会などで会や例会の中身の検討をしていきますので、疑問に
思うこと、気付いたことがあれば、遠慮なく役員まで伝えるようにしてください。
※例会の中で気まずい思いをすると、次から来なくなります。
※会を離れる最大の原因は会員同士と会員と家族の人間関係の不和か
らです。
以
上
松村語録
1. 例会には必ず出席しよう。
2.
一人で止めることはできない、無駄な抵抗は止めよう。
3.
断酒に卒業なし。
4.
今日一日だけ止めよう。そして、その一日一日を積み重ねよう。
5.
前向きの断酒をしよう。
6.
例会には夫婦共に出席しよう。
7.
例会の二時間は断酒の話のみ真剣に。
8.
自分の断酒の道を見出だそう。
9.
断酒優先をいつも考えよう。
10. アル中は心身の病気である。
11. 例会で宗教や政治の宣伝をしてはいけない。
12. 酒害者の最大の敵は自分自身であり酒ではない。
13. 自信過剰は失敗のもと。
14. 失敗したらすぐ例会へ。
15. アル中は一家の病気である。
16. 断酒会は、酒害者の酒害者による酒害者のための会である。
17. 酒害者は酒のため墓場へ行くか、断酒会で酒を断つか二つの道しかない。
18. 会員は断酒歴に関係なく平等である。
19. 自覚なき酒呑みの多い中で入会された勇気に敬意を表する。
20. 断酒会員には普通の人より何か優れたところがある。
21. 節酒は出来ないが断酒は出来る。
22. 飲酒に近づく予防のため自己の酒害を常に認識しよう。
23. 酒害者に対する奉仕は自分の断酒の糧である。
24. 仲間の体験をよく聞き、自分の断酒を再確認しよう。
25. 家族、同僚の協力を得るために、絶対飲んではいけない。
26. 断酒会に入会すること。
27. 最初の一杯に口をつけないこと。
28. 時間励行。
29. 仲間に励ましの手紙を書こう。
30. 全国組織の拡大につとめよう。
31. 厳しさのないところに断酒なし。
32. 実践第一。
33. 他力による断酒ではなく、自力、自覚の上に立つ断酒であること。
34. 失敗しても悲観するな、成功への糧とせよ。
35. 消極的だが初心者は酒席に出ないこと。
36. 姓名を堂々と名乗り、断酒会員であることを明確にせよ。
37. 各人の性格の相違を認め、各人が自らの体験を通じて体得せよ。
38. お互いが欠点や失敗を話し合って、裸の触れ合いが出来るように努めること。
39. 酒の奴隷になるな。
40. 断酒会員であることを誇りに思え。
41. どんなことがあっても会から離れるな。
42. 条件をつけて断酒をするな。
43. 酒害者の最後の一人までも残すな。
44. 素直な心で話を聞こう。
45. 一年半したら会の運営に参加しよう。
46. 私の屍を乗り越えて断酒会を益々発展させて下さい。
47. 一県、一断酒会。
48. 会員は人に疑われるような場所に行くな。
49. 初志貫徹。
50. 君と僕は同じ体質だ。断酒するより他に生きる道はない。
51. 語るは最高の治療。
52. 例会は体験発表に始まり体験発表に終わる。
53. 聞くは最高の治療。
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