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室内環境における消費者製品に含まれる化学物質管理

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室内環境における消費者製品に含まれる化学物質管理
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる
化学物質の管理手法の開発」
成果報告書
平成25年3月29日
(独)産業技術総合研究所
安全科学研究部門
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
本報告書は経済産業省の平成24年度環境対応技術開発等「室内環境における消費者製品
に含まれる化学物質の管理手法の開発」によって実施された内容です。
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
分析・調査:独立行政法人
産業技術総合研究所 安全科学研究部門
環境暴露モデリンググループ
グループ長 東野晴行
主任研究員 梶原秀夫
研究員 篠﨑裕哉
契約職員 村井賀子(2章、3章)
契約職員 高井淳(1章、2章)
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
目次
1.
はじめに .......................................................................................................................... 1
2.
実施内容の概略 ............................................................................................................... 2
3.
実施内容およびその結果................................................................................................. 3
3.1.
室内濃度に関する情報収集・測定及び室内濃度推定のためのアルゴリズムの作成
3
3.1.1.
3.1.1.1.
実施内容 .................................................................................................... 3
3.1.1.2.
フタル酸エステル類分解について ............................................................ 3
3.1.1.3.
ホルムアルデヒド生成について ................................................................ 7
3.1.1.4.
アセトアルデヒド生成について .............................................................. 10
3.1.1.5.
モデル式の検討 ....................................................................................... 12
3.1.2.
3.2.
製品中での化学物質生成・分解に関する情報収集とモデル化........................ 3
換気回数の測定............................................................................................... 13
3.1.2.1.
実施内容 .................................................................................................. 14
3.1.2.2.
方法.......................................................................................................... 14
3.1.2.3.
対象家屋 .................................................................................................. 15
3.1.2.4.
測定結果 .................................................................................................. 16
3.1.2.5.
住環境因子との関連性 ............................................................................ 21
3.1.2.6.
小空間のモデル化.................................................................................... 21
製品情報の収集 ...................................................................................................... 24
3.2.1.
流通商品調査 .................................................................................................. 24
3.2.1.1.
商品の種類と商品購買数の入手 .............................................................. 24
3.2.1.2.
販売時点情報管理(POS)システム ...................................................... 24
3.2.1.3.
リスト化の対象商品 ................................................................................ 24
3.2.1.4.
情報入手対象データ ................................................................................ 25
3.2.1.5.
商品の販売量データ ................................................................................ 26
3.2.1.6.
その他商品種類に関する調査(塗料) ................................................... 39
3.2.1.7.
製品別商品選択についての検討結果 ...................................................... 41
3.2.1.8.
化学物質含有成分の調査 ......................................................................... 42
3.2.1.9.
まとめ ...................................................................................................... 57
3.2.2.
塗料及び接着剤の購入・使用に関するアンケート調査................................. 58
3.2.2.1.
実施内容 .................................................................................................. 58
3.2.2.2.
目的.......................................................................................................... 59
i
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
3.3.
3.2.2.3.
アンケートの概要.................................................................................... 59
3.2.2.4.
モニター属性 ........................................................................................... 62
3.2.2.5.
アンケート調査結果 ................................................................................ 62
3.2.2.6.
暴露係数の決定 ....................................................................................... 78
室内濃度推定モデルのプロトタイプモデルの作成 ............................................... 81
3.3.1.
既存モデル ...................................................................................................... 81
3.3.2.
室内濃度推定モデルと発生源モデルの非定常化............................................ 88
3.3.2.1.
定常モデルと非定常モデルの使用方法に関する考察 ............................. 88
3.3.2.2.
吸着モデルに関する考察 ......................................................................... 92
3.3.2.3.
室内空気質モデルの開発 ......................................................................... 94
3.3.2.4.
発生源モデルの開発 ................................................................................ 94
3.3.3.
室内環境の世帯分布を推定する統計モデルの作成 ........................................ 95
3.3.3.1.
推定対象 .................................................................................................. 96
3.3.3.2.
推定方法とその結果 ................................................................................ 96
3.3.4.
インターフェイスとデータベースの作成 ...................................................... 99
3.3.4.1.
ツールの構成 ......................................................................................... 100
3.3.4.2.
データベースの作成 .............................................................................. 103
4.
まとめ .......................................................................................................................... 104
5.
参考文献 ...................................................................................................................... 107
6.
付録 .............................................................................................................................. 111
6.1.
塗料・接着剤の購入・使用に関するアンケート調査の設問リスト..................... 111
6.2.
アンケート結果 .................................................................................................... 139
6.2.1.
スクリーニング............................................................................................. 139
6.2.2.
塗料 ............................................................................................................... 141
6.2.3.
接着剤 ........................................................................................................... 161
ii
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
1.
はじめに
室内環境下において、消費者製品等に含まれる化学物質への暴露によって生ずるシック
ハウス症候群や本態性多種化学物質過敏状態(いわゆる化学物質過敏症)などの健康影響
(以下「SHS・MCS 等」という。
)は、様々な対策がとられてきたものの依然解決されて
いない。SHS・MCS 等は、消費者製品に使用されている化学物質を室内で繰り返し使用(暴
露)することが発症の要因の一つであると考えられている。したがって、SHS・MCS 等の
対策には、消費者製品に含まれる化学物質の適切な管理が重要となり、多種多様な製品が
混在する室内空気中の化学物質濃度(以下「室内濃度」という。
)や、製品の使用などに伴
って生じる化学物質濃度の変化の情報を得る必要がある。
室内濃度の情報は、一般的にモニタリングや数理モデルによる推定などで得ることが可
能である。しかし、現状のモニタリング方法では、簡易な方法はあるものの、製品の使用
前と使用後などの室内濃度の変化をモニタリングで把握出来るような環境は整っていない。
またモニタリングでは、現状の濃度を知ることができるものの、費用や労力の面から測定
試料数は自ずと限られ、室内環境の化学物質濃度の全体像を簡易に把握することは難しい。
一方、既存の数理モデルによる推定では、将来および過去の室内濃度推定が実施可能であ
り、室内濃度に対する製品別寄与率などを求めることも可能である。しかしながら、一部
のモデルを除き、複数の発生源を設定した推定や室内濃度の世帯分布の推定ができない、
モデル計算に必要な情報が不足しているなどの問題がある。さらに海外のモデルを使用す
る場合には、暴露シナリオが我が国の実情に対応していないという問題もある。
以上のように、SHS・MCS 等の対策に資するための室内濃度の情報が不足していること
から、室内で使用される多種多様な製品からの化学物質放散等に関する基礎データの収集、
データベース及び数理モデルの作成を実施することで、研究者や製品開発者等の専門家だ
けでなく、一般消費者でも室内濃度を推定し、SHS・MCS 等に対する対策を検討できるよ
うにする。
(独)産業技術総合研究所において開発された室内暴露評価ツール(iAIR)は、一般の
方の使用を前提としたユーザーインターフェイスやデータベースを備えた、我が国に流通
している多種多様な製品を放散源として室内濃度や暴露濃度の世帯分布を推定できる唯一
のツールである。iAIR は、長期平均的な室内濃度の世帯分布の計算、世帯人員の推定によ
る個人暴露濃度の分布の計算、製品の持ち込み数や化学物質の放散速度の推定などの機能
を持つ。そして、モンテカルロ・シミュレーションを用いることで室内濃度や暴露濃度の
分布を推定できること、複数の製品からの放散を同時に評価できること、データベースか
ら自動的にデフォルト値を算出するユーザー補助の機能があること、種々の我が国の統計
データを備えていることなどの特徴がある。そこで本事業では iAIR をベースとして改修や
データの追加を実施することで、研究者や製品開発者等の専門家だけでなく、一般消費者
でも室内濃度を推定し、SHS・MCS 等に対する対策の検討を可能とすることを目的とする。
1
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
2.
実施内容の概略
室内環境下において、消費者製品等に含まれる化学物質への暴露によって生ずるシック
ハウス症候群や本態性多種化学物質過敏状態(いわゆる化学物質過敏症)などの健康影響
(以下「SHS・MCS 等」という。
)の対策に資するための室内濃度の情報が不足している
ことから、以下の項目について調査・研究・開発を実施することで、研究者や製品開発者
等の専門家だけでなく、一般消費者でも室内濃度を推定し、SHS・MCS 等に対する対策を
検討できる環境を整備する。
(1)室内濃度に関する情報収集・測定及び室内濃度推定のためのアルゴリズムの作成
1)製品中での化学物質の生成・分解に関する情報収集とモデル化
2)換気回数の測定
(2)製品情報の収集
A)流通商品調査
B)塗料および接着剤の購入・使用に関する調査
(3)室内濃度推定モデルのプロトタイプモデルの作成
1)室内濃度推定モデルと発生源モデルの非定常化
2)室内環境の世帯分布を推定する統計モデルの作成
3)インターフェイスとデータベースの作成
実施体制は、以下のとおりである。
経済産業省
指示
協議
委託
プロジェクトリーダー
安全科学研究部門
環境暴露モデリンググループ付 東野晴行
(独)産業技術総合研究所
役務(外注)
株式会社 インテージリサーチ
役務(外注)
エヌ・アンド・エス株式会社
図 1
実施体制図
2
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
3.
実施内容およびその結果
3.1.
室内濃度に関する情報収集・測定及び室内濃度推定のためのアルゴリズムの作成
SHS・MCS の評価を行うためには、化学物質濃度の時間的変化の情報を得る必要がある。
特に MCS を考慮するのであれば、厚生省ガイドラインの13物質をはじめ、従来は影響が
ないと思われる微量成分についても発生源および生成に関する情報を得る必要がある。ま
た、換気は室内濃度を決める重要な因子であるが、国内では実測例が少ない。そこで室内
濃度の推定に欠かせない、放散に関する文献調査および換気に関する現場調査を実施した。
3.1.1. 製品中での化学物質生成・分解に関する情報収集とモデル化
製品部材中(例えば本棚やタンスなどの木工製品の部材中)での化学物質の生成・分解
に関する文献調査を行い、製品部材中の化学物質の生成・分解を考慮したアルゴリズムを
作成した。特に、接着剤中の脱ホルムアルデヒド反応、木材中のアセトアルデヒド生成、
樹脂材料中可塑剤であるフタル酸ジ-2-エチルヘキシルの分解および分解物である 2-エチル
-1-ヘキサノールの生成について検討した。その結果、反応アルゴリズムとしては、フタル
酸ジ-2-エチルヘキシルの分解に関しては水分含量を考慮した1次反応モデル、ホルムアル
デヒドの生成に関しては湿度条件を考慮した定常モデル、アセトアルデヒドの生成につい
ては酵素反応モデル(ミカエリス・メンテン式)の適用が可能と考えられ、本調査・開発
事業の目標を達成した。以下に詳細を記載する。
3.1.1.1. 実施内容
室内環境では、部材中(ケース1)、部材表面(ケース2)、気体中(ケース3)におい
て多岐にわたる化学反応が起こることが知られている(Uhde と Salthammer 2007)
。この
ような化学反応により生成する化学物質を二次生成物質と呼び、ヒト健康への影響が無視
できない可能性が指摘されている。そこで本事業では上述のケース1からケース3のうち、
まずケース1を対象として反応機構および反応速度に関する文献検索を実施した。対象と
したのは、SHS の原因物質として考えられている代表的な物質(ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、2-エチル-1-ヘキサノール)である。
文献調査は、1. 国立情報学研究所論文情報ナビゲータ(CiNii)による国内文献の検索、
2.収集文献の引用文献の調査、3.サイエンスダイレクトおよびウェブオブサイエンス
による国外文献の検索、4.抽出文献の引用文献の調査の順番に調査を行った。ここで、
1、2については 1980~2012 年、3、4については主として最新文献である 2005~2012
年を対象とした。
3.1.1.2. フタル酸エステル類分解について
フタル酸エステル類の一つであるフタル酸ジエチルへキシル(DEHP)は部材中等の水
分と反応して 2-エチル-1-ヘキサンノール(2E1H)となることが知られている(Uhde と
3
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Salthammer 2007)
。検索単語として分解される物質名、生成物質名、および材質などの単
語を用い、調査を実施した1。さらに文献の要約等から放散機構あるいは放散速度について
の報告であるものを取り上げた2。
表 1
調査結果の概略
調査工程
検索後の文献数
絞り込み後の文献数
1.国内調査
19
12
2.1の引用文献
18
2
3.国外調査
6
5
4.3 の引用文献
11
1
合計(重複を除く)
54
20
以降に該当文献の概略を示す。
Sjöberg(2000)は、コンクリート上に床材を配置した構造の床からの 1-ブタノールと
2E1H の 発 生 機 構 な ど が 調 査 可 能 な 手 法 の 構 築 を 目 的 で 、 Field and Laboratory
Emission Cell (FLEC)による測定を実施し、床材から 360 μg m-3 h-1 の放散を報告し
た。
柴田ら(2002)は 2E1H の室内濃度の調査を実施し、床から 620、623 μg m-2 h-1 の発生
を報告した。
上島ら(2003)は 2E1H の放散量や、発生に関与すると考えられるコンクリート中の水
分含有率について検討するため、室内 2E1H 濃度の測定を実施した。著者らは、床コン
クリート上から 12 mg m-2 h-1 の 2E1H が放散されていたこと、部位により濃度差がある
こと、カーペット上よりコンクリート上で放散量が多いことを報告し、コンクリートか
らのアルカリ水によって加水分解が起こっていること、壁や天井からの放散は吸着後の
再放散の可能性があることを示唆した。
横田ら(2004)は、塩化ビニル床材内の可塑剤分解物等の放散メカニズムの解明を目的
として、塩化ビニル床材単体とセルフレベリング(SL)材に塩化ビニル床材を施工した
複合建材の放散量などの測定を実施した。著者らは、塩化ビニル床材からの 2E1H の放
散の原因として DEHP の加水分解だけでなく酸化も考えられること、SL 材内部のアル
カリ水分により DEHP が分解し、2E1H 放散量が増加すること、加水分解による 2E1H
の放散量はある程度時間が経過した後に増加することを報告した。
1
2
ここまでの文献を「検索後の文献」とする。
「絞り込み後の文献」とする。
4
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
長尾ら(2005)は横田ら(2004)に続き SL 材の含水率、水分の状態が化学物質放散量
に及ぼす影響を検討した。著者らは、実験で使用した SL 材は含水率が 4%程度を境に、
それ以上の含水率を有している場合は液水が支配的であり、それ以下では水蒸気が支配
的であると考えられること、2E1H 放散量は床下地材の水分の状態において液水が支配
的である場合に増加し、水蒸気が支配的である場合には増加しないことを報告した。
上島ら(2005)は、2E1H について室内濃度、発生源、自覚症状についてまとめた。著
者らは、床材がコンクリート表面に接していない部屋では放散量が少ないこと、床材と
コンクリートが接触している部屋では放散量が多いこと、部屋間の DEHP の濃度差は
2E1H の濃度差と比べ小さいことから、2E1H の発生はコンクリート中の pH12~13 の
アルカリ性水分と接触した DEHP が加水分解したものと考察している。
Nalli ら(2006)は、微生物による可塑剤分解および 2E1H の生産について検討を行い、
DEHP の微生物的分解によって 2E1H だけではなく、2-エチルヘキサン酸を生産するこ
とを報告した。さらに、著者らは非生物学的な加水分解による半減期が長い(100 年)
ことなどを引用し、微生物分解以外の 2E1H の生成経路が重要ではないと指摘した。
長尾ら(2006)は長尾ら(2005)に引き続き 2E1H 放散量に対する接着剤の影響を調査
した。著者らは、一部のアクリル樹脂エマルジョン系接着剤より 2E1H および 2-エチル
-1-ヘキシル基を持つ化合物が放散すること、接着剤を塗布する面の状態(含水率)によ
り、接着剤から放散する 2E1H の放散量は大きく異なること、複合建材(塩化ビニル床
材+接着剤+SL 材)からの 2E1H 放散量は接着剤の種類に大きく影響を受けることを報
告した。
砂澤と松本(2006)は、2E1H の捕捉材を床材に添加することによる放散の低減化を目
的として、室内空気中の実態調査や放散の再現試験を実施した。著者らは、室内環境中
で 2E1H およびその酸化物である 2-エチルヘキサナールを検出したこと、アルカリ水接
触後の床材は非接触の床材に比べ放散速度が高いこと、含水率の高いモルタルに施工し
た塩ビ床材では一旦放散速度が増加後減少することなどを報告した。
米本ら(2006)は、2E1H の発生メカニズムとその抑制方法に関する検討を実施した。
著者らは、一部のアクリル系接着剤では 2E1H および 2-ブタノールが発生すること、金
属板と SL 材との比較では同じ接着剤でも SL 材の放散速度が高いことなどを報告した。
粟木ら(2006)は 2E1H の発生状況の把握を目的に、コンクリートの含水率と 2E1H の
発生量の関係について検討を行った。著者らは、水分が多ければスラブ形状にかかわら
ず 2EH1 が発生すること、水分が少なければ発生量が少なくなる可能性があることを報
告した。
5
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
千野ら(2007)は、塩化ビニル床材内の DEHP の加水分解等により発生する 2E1H の
放散メカニズムを解明することを目的として、高含水のセルフレベリング材に DEHP 含
有や特徴が異なる床材を施行し、床材の違いが 2E1H 放散量にどのように影響するか検
討した。著者らは、クッションフロアを使用した場合は初期の 2E1H 放散量が非常に大
きいこと、床タイルを使用した場合には放散量は低いが長時間経過すると放散量は徐々
に増加すること、床材間での放散量の増加傾向の違いが床材内での化学物質や水の拡散
性状、DEHP 含有量に影響を受けるものと考えられることを報告した。
Uhde と Salthammer(2007)は室内環境下における化学反応についてレビューを行っ
た。この中で、有機エステルがカルボキシル酸あるはアルコールへ加水分解されること
が報告されており、その例として、DEHP から 2E1H の生成、フタル酸ジ-n-ブチルから
n-ブタノールの生成、フタル酸イソブチルから 2-ブタノールの生成があげられている。
なお、加水分解に必要な水分は、室内環境中の水分、たとえば製品中の水分や室内の気
中に含まれる水分である。
桑原と近藤(2007)は、アクリル樹脂の未反応モノマーであるアクリル酸-2-へキシルを
含む硬化塗膜からの 2E1H の放散に関する実験を行った。著者らは、塗料中のアクリル
酸-2-へキシルは、弱アルカリ性によって一部は加水分解し、2E1H が生成する可能性が
あり、セメントモルタル板に塗装された塗料は強アルカリ性になり、加水分解が促進さ
れて、界面付近に大量の 2E1H を生成すること、生成された 2E1H は塗装後に徐々に塗
膜表面に移行し放出されること、塗料中にアクリル酸-2-へキシルが存在しなければ、
2E1H を生成する反応は生じないと考えられることを報告した。
横田ら(2007)は 2E1H の発生メカニズムの推定を目的として、塩化ビニル床材および
SL 材に塩化ビニル床材を施工した複合建材からの 2E1H の放散について検討した。著者
らは、複合材では 2E1H の放散が認められること、その放散はある程度の時間が経過し
た後に増加すること、複合材からの放散は SL 材の含水率に関係する水分状態が液水支配
である場合に放散量が増加し、水蒸気支配である場合は増加しないことを報告した。
千野ら(2008)は床用接着剤が床面からの 2E1H 放散に与えている影響を検討するため、
接着剤の種類と 2E1H 放散量との関係を求める検討を行った。著者らは、一部の接着剤
で 2E1H の放散を求め、時間とともに速やかに減衰すること、接着剤の種類によっては
高含水の床下地と塩ビ床材を接着しても 2E1H 放散量は増加しない場合があること、接
着剤の種類によっては 2E1H 以外にブタノールが生成すること、長期渡る放散に関して
は加水分解の寄与が大きいとの推測が成り立つことなどを報告している。
柴田ら(2008)はセメントの種類による 2E1H 発生量の変化に着目して実験を行った。
著者らは、セメント 6 種類に DEHP を添加した実験で、いずれのセメントでも 1 日後 5
mg m-2 h-1、その後 10 mg m-2 h-1 を超える 2E1H の発生があったことを報告し、コンク
リート柱のセメントと DEHP の接触が原因となることを示唆した。
6
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Chino ら(2009)は 2E1H の放散メカニズムの解明を目的として、高含水 SL 材に床材
を施工し、2E1H の放散を測定した。著者らは、床材と SL 材の組み合わせの放散速度は
床材だけの場合と比較して時々高いこと、接着剤がゴムラテックス樹脂の場合には低い
こと、ゴムラテックス樹脂およびアクリル樹脂の場合には徐々に高くなることを報告し
た。
Sakai ら(2009)は 2E1H の季節変動を検討するために、2004 年~2007 年に 56 建築
物の 67 部屋から夏季と冬季の 2E1H 濃度を測定した。著者らは、大規模建築物の室内空
気の主たる有機化合物のひとつが 2E1H であること、室内と室外濃度の有意な相関関係
がないこと、夏季の 2E1H 濃度の幾何平均値が 55.4 μg m-3 と 冬季の幾何平均値 13.7
μg m-3 と比較して有意に高いこと、この結果が床からの高い放散速度に由来することな
どを報告した。さらに著者らは種々の根拠から、これらの結果は 2E1H の放散速度は床
材中の DEHP のアルカリ加水分解に影響を与える因子に由来する可能性を示唆した。
Westberg ら(2009)は、フタル酸からの加水分解物の放散に関するモニタリング方法の
検討とその方法を用いた測定を実施した。著者らは、フタル酸のフタル酸ジ-n-オクチル
とフタル酸ジイソノニルを用いた試験で pH10 または pH11 より pH12 や pH13 の条件
下で生成量が多くなることなどを報告した。
3.1.1.3. ホルムアルデヒド生成について
尿素樹脂等の樹脂成分が加水分解することでホルムアルデヒド(HCHO)が生じること
が知られている(中西と鈴木 2009)
。検索単語として分解される物質名、生成物質名、およ
び材質などの単語を用いた。
表 2
調査結果の概略
調査工程
検索後の文献数
絞り込み後の文献数
1.国内調査
40
8
2.1の引用文献
7
1
3.国外調査
25
2
4.3 の引用文献
12
7
合計(重複を除く)
84
18
以降に該当文献の概略を示す。
窪田ら(1978)は尿素-ホルムアルデヒド(UF)樹脂合板からの HCHO の放散メカニズ
ムについて検討した。著者らは、硬化物から放散する HCHO は温度の影響を受け、温度
が高いほど放出量が大きいこと、高温下でも乾燥状態では放散が認められないこと、メ
チロール基が HCHO の放散に関わることを報告した。
7
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Myers(1984)は HCHO 濃度と換気回数(N)や試料負荷率(L)との関連性について既存文
献をまとめ、合板などからの HCHO の定常放散に関して報告した。著者らは、チャンバ
ー実験による濃度データと N および L に対する関係性は N/L を独立変数として含む 2
パラメータの方程式として記述されるとしている。
Meyer ら(1986)は、UF 樹脂で接着された木製品からのホルムアルデヒド放散機構に
ついてまとめた。著者らは、UF 板では HCHO は様々な存在形態(メチレングリコール
モノマーまたはオリゴマー、UF 樹脂結合状態など)をとること、これらの状態が潜在的
な加水分解 HCHO 源であること、
フェノール-ホルムアルデヒド(PF)ボードでは、HCHO
は様々な存在形態(メチレングリコールモノマーまたはオリゴマー、PF 樹脂結合状態な
ど)をとること、拡散過程はパネルからの放散速度に大きく影響することなどを報告し
た。
Godish(1988)は、HCHO に関する発生源と室内の現状についてまとめ、UF 樹脂中コ
ポリマー構造の終端のメチロール基が加水分解されることにより、ホルムアルデヒドが
放出されるとしている。
World Health Organization(1989)は環境健康クライテリアで HCHO を取り上げた。
この中で、木材製品から継続的に、低率であったも何年間にもわたる長期間放散しうる
ことを報告した。
Smith と Satola(1999)は、建材や家具から化学物質放散に関する研究や新たな知見よ
り、二次生成について、ケース 1:材料製造時の反応生成物が消費者のもとで放散、ケー
ス 2:消費者のもとで、表面または異種材料間での反応が起こる(例えば、コンクリート、
接着剤と床材間など)
、ケース 3:消費者のもとで、一次生成物が他の一次生成物や反応
性気体と反応、の 3 通りを想定した。これらの二次排出の原因の一つとして加水分解が
扱われており、ホルムアルデヒドの発生機構に関係して、UF ベースの接着剤は水に対す
る安定性が低く、材料中の水分の存在が N-O 結合の加水分解につながること、これによ
ってホルムアルデヒドが生産されること、UF ベースの接着剤は、一般的であり、したが
ってこれに由来するホルムアルデヒド濃度が住宅やオフィスでかなり高くなる可能性が
あること、特に、UF-結合パーティクルボードの上に水性床材用接着剤が塗布されてい
ると、ホルムアルデヒドの高濃度、長期的な排出を引き起こす可能性があることを報告
した。
岩下と木村(1999)は、合板からの HCHO 放散量の経時変化を算定する手法に検討し、
た。著者らは、一次減衰モデル、二重一次減衰モデル、定常発生を加味した二重一次減
衰モデルの適合を試み、定常発生+二重一次減衰モデルの適合性が最も高いことを示し
た。当該モデルのうち定常発生が「脱 HCHO 反応であると仮定されており、その値は
0.523~0.611 mg m-2 h-1 であった。
8
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
保利ら(2003)はスモールチャンバー法と既存の測定方法の比較を行った。著者らは、
建材に使用される接着剤の分解によって HCHO が徐々に放散されること、表面含有率の
減少後内部拡散が律速となり放散速度が徐々に小さくなること、その後の放散速度の減
少は小さく、長期にわたって放散が継続することを示唆した。
鈴木ら(2007)は、スモールチャンバーと簡易大型チャンバーとの比較試験において複
数の家具から放散する HCHO について検討した。著者らは、納入 10 年以上経過した家
具の一部において、F スター表示なしに相当する放散速度を示すことを報告した。発生
源あるいはメカニズムについての言及はないものの、未反応 HCHO だけでなく、加水分
解後の HCHO の可能性もあると考えられる。
Uhde と Salthammer(2007)は反応生成物の室内空気質への影響のレビューを行い、
ホルムアルデヒド(HCHO)の生成についても言及している。著者らは、パーティクル
ボード生産などに関わる尿素ホルムアルデヒド(UF)縮合樹脂を含む接着剤において、
未反応なホルムアルデヒド(遊離 HCHO)ではなく、縮合物内の C-N 結合が加水分解さ
れ、HCHO が放散する機構が存在することを示した。
市原ら(2008a、2008b、2008c、2008d)は建材からの長期間にわたる温湿度別放散傾
向の違いについて一連の検討を行った。著者らは、長期放散(100 日)において 28℃と
35℃では大きく異ならないこと、一方で 15℃の放散は非常に低いこと、ブランクと比較
して合板は長期間の放散が認められることを報告し、長期放散は加水分解により新たな
HCHO が生成することの影響であると考察している。さらに相対湿度が高いと放散速度
が減衰しにくい傾向にあること、湿度が低いと温度影響が認められなくなること、湿度
10%では著しい放散速度の減衰が認められること、一方でブランクでは顕著な差が認め
られないことなども報告した。
WHO Regional Office for Europe(2010)は室内空気質に関する化学物質のガイドライ
ンをまとめ、HCHO も対象物質であった。この中で発生源に関して Kelly ら(1999)や
Salthammer ら(2010)を引用し、まとめられている。
Salthammer ら(2010)は室内環境の HCHO に関するレビューを行い、HCHO の放散
メカニズムについてもまとめた。著者らは、UF の水耐性が低く、C-N 結合が加水分解
することを示した。
Hun ら(2010)は、新築ではない住宅の HCHO 放散源を検索するため、築年数 5 年以
上の住宅を中心にデータ解析を実施した。著者らは、放散のメカニズムの一つとして二
次放散について取り上げ、加水分解が長期間に渡る低放散の発生に寄与する可能性があ
ることを指摘し、解析した住宅においてもこのメカニズムが存在した可能性が高いこと
を示唆した。
9
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Blondel と Plaisance(2011)は、室内発生源の確認と定量、室内濃度と室内環境の関連
性の確認などを目的として、学生寮(24 室)の建物や家具の放散速度、室内や室外濃度
の測定を実施した。著者らは 7 年以上経過した建物や家具からの放散を認め、室内濃度
が温度に依存することを報告した。発生メカニズムについての言及はないものの、未反
応 HCHO だけでなく、加水分解後の HCHO による影響の可能性もあると考えられる。
3.1.1.4. アセトアルデヒド生成について
木材へのエタノール添加においてアセトアルデヒドが生成することが知られている(中
西ら 2007)
。検索単語として分解される物質名、生成物質名、および材質などの単語を用い
た。
表 3
調査結果の概略
調査工程
検索後の文献数
絞り込み後の文献数
1.国内調査
14
6
2.1の引用文献
3
2
3.国外調査
1
0
4.3 の引用文献
0
0
合計(重複を除く)
18
8
以降に該当文献の概略を示す。
堀ら(2004)は室内環境におけるアセトアルデヒドの発生源の検討として酢酸ビニル系
接着剤、木質材料などについて実験・実測を行った。著者らは、酢酸ビニル系接着剤では
乾燥開始後 16-18 時間の総発散量は 10~30 μg g-1、その後も(5 日間)1/5~1/10 程度の
放散があったこと、湿度 12%と 65%で 20 h の放散量を測定した結果、高湿度側で 4 倍
の平均発散速度を示したこと、木質材料では乾燥した心材からもアルデヒドが生成し発
生源になりうることを報告した。
塔村ら(2005)は、木材(素材)から放散される VOC を測定した。著者らによると、
アセトアルデヒドは外国産材ラミナで初期に 50~80 μg m-2 h-1 と高いこと、30 日後には
全ての試料で定量下限値に近い 3 μg m-2 h-1 以下に減少したこと、ヒバを除きプレーナー
加工の方が未処理より放散速度が減少したことを報告した。
10
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Tohmura ら(2005)は、スギと米マツの集成材についてアセトアルデヒド放散量を測定
した。集成材の接着剤は、フェノールレゾルシノール樹脂接着剤(PRF)としたが、7%
のメタノール添加版(M-PRF)と、エタノール添加版(E-PRF)を用いて実験を行った。
著者らは、エタノール添加の接着剤を使用した集成材でアセトアルデヒド放散量がスギ
で 595~1,006 mg m-2 h-1、米マツで 89~552 mg m-2 h-1 と大きいことを報告し、放散す
るアセトアルデヒドの主な部分は、既に存在しているのではなく、硬化過程でエタノー
ルと木材の接触による相互作用(おそらく酸化)で生成されたと考えられることを示唆
した。
秋津ら(2006)はアセトアルデヒドの放散源や放散メカニズムを明らかとするために、
住宅等に使用される木材、接着剤、塗料および溶剤から放散されるアセトアルデヒドを
測定した。著者らは、接着剤や塗料に使用される溶剤のうち、エタノールでアセトアル
デヒドの放散量が多く、接着剤や塗料から発生するアセトアルデヒドの原因として、エ
タノールが関係することを示唆したが、その起源については特定していない。
秋津ら(2007)は秋津ら(2006)に続き、単板と石こうボードを用いたときの放散特性
について、透湿性能や木材成分との吸着や反応と関連づけて検討した。著者らは、エタ
ノールを木材中に拡散移動させる場合、トドマツでは、エタノールに含まれる以上のア
セトアルデヒドが放散されることから、木材成分と反応しアセトアルデヒドが生成され
る可能性があることを示唆した。
石川ら(2009)は放散速度の低減方法を検討するため、杉材からの VOC 放散速度に対
する乾燥処理の影響を検討した。著者らは、乾燥方法によってアセトアルデヒドの放散
速度が変化しなかったことを報告した。
斉藤ら(2010)は、近年の住宅室内における空気中化学物質の実態を調査するため、実
測を行った。著者らは、硬化した酢ビ接着剤は加湿により未硬化時と同様の化学物質を
放散すること、木質建材・接着剤から発生後床下空間に滞留し隙間から徐々に放散が示
唆されること、酢酸ビニルが加水分解し、アセトアルデヒドまたはビニルアルコールが
生成し、不安定なビニルアルコールはアセトアルデヒド又はエタノールに変化する可能
性があることを報告した。なお、 これに先立つ斉藤ら(2005)の小型チャンバー法によ
る測定では、塗布直後の未硬化酢ビ接着剤から発生する主な揮発性物質として MMB,ア
セトン、酢ビ、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドを検出したとされる。
11
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Tohmura ら(2012)は、Tohmura ら(2005)に続き、木材へのエタノール添加による
アセトアルデヒドの放散メカニズムについて検討した。著者らは、エタノールが木材に
追加されたときにのみのアセトアルデヒド生成(10.5~438 μg 24h-1)が認められること、
スギとヒノキ両方のサンプルで辺材に比べ心材でより大きなアセトアルデヒド生成が認
められたこと、酸化エチレンガス滅菌では生木でアセトアルデヒド排出量減少効果があ
ったが、気乾材では効果がなかったこと、オートクレーブ滅菌では生木と気乾材両方か
らのアセトアルデヒド排出を防ぐことができたことを報告した。また、木材に最初から
あるアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)と外部からとりこまれた ADH がエタノール
の添加により誘導されることでアセトアルデヒド生成し、これが木材から放散する主要
因であると想定されることを示唆した。
3.1.1.5. モデル式の検討
本事業では、情報データベースのキーワード検索だけでは対象外の文献を多く含んだこ
とから、文献要旨から放散機構あるいは放散速度での絞り込みを実施した。さらに引用文
献調査も実施したことから、各項目に関しておおむね網羅的な検索が実施できたと思われ
る3。しかしながらモデル化まで実施している文献はほとんどなかった。また、モデル化を
検討するための必要となる分解生成物等の時間的変化に関する情報もなかった。したがっ
て本項ではこれまでの知見を総合して反応機構についてまとめ、反応機構から適用可能な
計算アルゴリズムを提案した。
【フタル酸エステル類】
フタル酸エステル類の分解に関しては、微生物による分解(Nalli ら 2006)
、アルカリ条
件下における加水分解(上島ら 2003 など多数)の二つの反応機構が提案されている。2E1H
放散に関して複数の報告例がある強アルカリ条件下では微生物が分解反応を担うことが困
難であること、微生物分解を報告した文献において加水分解を否定した根拠となった加水
分解速度の報告文献がコンクリート条件下の測定ではないこと、測定 pH が 8.0 とアルカリ
性と言いがたいことも考慮に入れると、現状では微生物による分解の寄与は低いと考えら
れる。アルカリ条件下における加水分解には水分が必要であり、材料中の水分に関しては
液体と気体が存在するが、これまでの調査の結果では液体が重要な役割を果たしているも
のと推定されている(横田ら 2007)
。計算アルゴリズムとしては、水分含量を考慮した1次
反応モデルの適用が可能と考えられる。
【ホルムアルデヒド】
原材料に含まれるホルムアルデヒドが残留し放散するケースも考えられるがそれ以外に
尿素樹脂の分解によるホルムアルデヒドの生成についても多くの報告がある。反応機構に
3
国内情報は学会発表要旨も対象としたので、全体として国内情報がやや多めである。
12
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
ついて検討した文献は多くないが、尿素樹脂のメチロール基が加水分解され、ホルムアル
デヒドが生じるメカニズムが妥当だと考えられる(窪田ら 1978)。この生成は加水分解反応
であることから、材料や環境の湿度条件が重要であり、10%などの低い条件では加水分解反
応自体が起こらないこと、十分な湿度条件であれば湿度依存性および温度依存性が認めら
れていることが示されている
(市原ら 2008a、
市原ら 2008b、
市原ら 2008c、
市原ら 2008d)
。
モデルについては一例存在する(岩下と木村 1999)。このケースでは二重一次減衰モデル
と定常モデルの組み合わせで放散速度を推定しており、定常モデル部分が加水分解のホル
ムアルデヒドに相当している。ただし、基本としている二重一次減衰モデルは一次減衰モ
デルよりも長時間の放散に対して適合性がよいことが指摘されているが(岩下 1999)、数ヶ
月にも及ぶ場合には二重一次減衰モデルは過小評価となりべき乗関数モデルが適切である
との報告(Han ら 2012)もあり、岩下と木村のモデルをそのまま利用することは困難であ
ると考えられる。しかし、反応機構から他の放散に比べて相対的に遅い反応であることは
確実であることから定常モデルに近似することは可能であると考えられる。したがって湿
度条件を考慮した定常モデルの適用が可能と考えられる。
【アセトアルデヒド】
アセトアルデヒドの生成については情報が少なく、速度論的な検討を行うところまで到
達していない。定性的にはアルコールデヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.1 等)によるエタノール
の脱水素反応で、その分解産物としてアセトアルデヒド生成されるものと考えられている
(Tohmura ら 2012)
。アルコールの起源は溶剤など日常的使用されている消費者製品に含
まれていたものと想定されている。この他の反応機構としては、酢酸ビニル系接着剤の加
水分解による放散が考えられている(堀ら 2004、斉藤ら 2010)
。反応機構としては木材か
らの放散には酵素反応モデル(ミカエリス・メンテン式)の適用が可能と考えられ、一方
酢酸ビニルに関するモデルについては反応機構に関する情報が少なく、アルゴリズムの選
択は困難であった。
3.1.2. 換気回数の測定
室間換気やクローゼット・押し入れなどの小空間における換気状況を検討するため、延
べ 6 軒の住居において 1 軒当たり 12 点の換気状況測定(換気回数など)を実施した。換気
回数は住宅周辺の環境、生活行動だけでなく、室外の風速、室内外温度差によって変動す
る。これらのことから、同一住宅において異なる時期に2回の測定を行った4。換気回数の
測定には二酸化炭素(CO2)を利用した JIS A1406 の濃度減少法を用いた。また、一般家
庭における測定時の安全性に配慮して、高圧ボンベを用いない CO2 の発生方法を利用する
ものとした。同時に居住者に対して目的、方法、安全性などの説明を行い、十分な同意を
得た上で測定を実施した。取得した換気回数データと住環境因子との関連性について相関
4
居住者の同意が得られた場合のみ実施した。
13
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
関係の検討を行い、さらに重回帰分析を実施し、小空間に関する換気回数推定のための簡
易モデルを作成した。それに加えて、モデル化の検討として、これまでに実施した住環境
と換気状況に関するアンケート調査の結果をまとめ、簡易モデルのパラメータについての
情報を整理し、本調査・開発事業の目標を達成した。以下に詳細について述べる。
3.1.2.1. 実施内容
室内濃度を推定する上で重要なパラメータとして換気回数がある。換気回数は、1 時間あ
たりの空間内の空気が入れ替わる割合と定義することができ、国内外で複数の住宅に関す
る調査事例がある。しかしながら、国内の測定事例では測定対象数が少なく、長期にわた
る測定の結果も報告されていない。一方、住宅全体の換気回数ではなく、防虫剤を対象と
した衣装ケースの測定なども実施されている。しかし押入やクローゼットなどの測定例は
ない。このような現状のため、室内濃度推定時の換気回数設定においても困難が伴ってい
る。そこで、換気回数の情報がない押入やクローゼットに関しての測定を実施し、推定モ
デルの作成を最終的な目的とした換気回数と環境因子との関連性の解析を実施した。
3.1.2.2. 方法
【換気条件の検討】
無換気、24 時間換気、レンジフードによる換気など、換気条件を変更して対象小空間の
換気回数の測定を実施した。換気条件とは、換気を行わない場合(「換気なし」)
、24 時間換
気設備を使用した場合(
「24 時間換気」)、キッチンにある換気扇・レンジフードを使用した
場合(
「換気扇」)
、扇風機:部屋に設置した扇風機を使用した場合(「扇風機」)、部屋に設
置されているエアコンを稼働させた場合(「エアコン」)
、小空間が設置されている部屋の出
入り口を開放した場合(
「部屋の開放」)
、小空間の扉を開放した場合(「開放」)などの小空
間の換気の状態が変化する実験条件である。
換気回数は二酸化炭素を対象空間に導入し、対象空間の二酸化炭素濃度の減衰から算出
した。二酸化炭素の発生源としてドライアイスを用いた5。濃度測定には、センスエア社製
非分散型赤外線吸収法センサー(NDIR 方式センサー)およびティアンドデイ社製ワイヤレ
スデータロガー対応二酸化炭素測定装置(NDIR 方式センサー)を用いた。方法の詳細につ
いては JIS 法に準じた。なお、換気回数の推定は比較的単純な二酸化炭素濃度推定式によ
る予測値と測定値の残差を最小となるように統計的に処理を実施した。
【連続測定】
日常の換気回数を把握するために、二酸化炭素の発生源を居住者の呼吸のみとし、対象
小空間内の二酸化炭素濃度の変動から換気回数を算出した。濃度の測定および換気回数の
二酸化炭素はステンレス容器内で 20℃前後まで加温し、気体として 10 m 以上のテフロ
ンチューブを通して供給した。
5
14
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
推定方法は上記の【換気条件の検討】と同様である。
3.1.2.3. 対象家屋
温度条件の異なる二季節の実施を基本としたが、調査協力者の了承が得られないケース
もあり、全ての住宅で複数回の試験は実施できていない。
表 4
住宅
測定環境
建て方
構造
築年数
TkE
戸建
木造 2 階建て
約 10 年
TkN
戸建
木造 2 階建て
約 30 年
TkM
戸建
木造 2 階建て
約 10 年
TcA
戸建
木造 2 階建て
約 15 年
TcS
共同
軽量鉄骨
約 30 年
TkH
共同
鉄筋コンクリート
約5年
換気
24 時間換気
24 時間換気
それぞれの住宅で、2カ所の測定場所を選出6し、換気条件を変更して換気回数を測定した。
6
一部の住宅では諸事情により 1 カ所の場合がある。
15
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 2
測定場所
3.1.2.4. 測定結果
【換気条件の検討】
6 軒の住宅において換気条件を変更した換気回数測定を実施した。基本的には 1 住宅あた
り 2 小空間を対象として、1換気条件あたり 5 分以上、6 回の測定を実施した。測定準備、
CO2 の供給、
CO2 の排気などを含めて一住宅あたり 1.5~4 日間の測定期間が必要であった。
このため協力者の負担が大きく、協力者が辞退する事例があった。今後測定数を増やすた
めには、測定方法の変更、測定数の削減などの工夫が必要である。
以下の図は実際の測定結果の一例で、換気回数推定のための二酸化濃度の変化を示した。
16
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図 3
二酸化炭素濃度の測定例(TkH 住宅)
17
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表 5
換気回数(h-1)の測定結果
測定条件
住宅
換気条件
小空間
番号
扉の
測定
換気
24 時間
時期
なし
換気
換気扇
扇風機
エア
開放
コン
形状
TkE
1
2
TkN
1
2
TkM
TcA
TcS
TkH
折り戸
開き戸
引き戸
開き戸
秋
1.55
-
-
4.6
9.7
16
冬
2.05
-
-
2.2
8
122
秋
5.5
-
11
-
-
-
冬
1.04
-
11
2.4
1.2
34.4
秋
8.3
-
22
9.4
-
15
冬
12.8
-
14.3
7.0
-
15.5
秋
1.2
-
4.0
1.9
0.13
16.6
冬
1.2
-
7.2
1.4
4.6
54.9
1
引き戸
冬
2.8
-
2.1
2.0
1.6
2.1
2
開き戸
冬
2.5
-
3.6
4.2
-
11.3
1
引き戸
冬
0.93
3.1
-
4.0
-
5.4
2
開き戸
冬
0.93
0.60
-
0.21
-
0.84
1
引き戸
夏
2.4
-
1.5
1.6
-
16.5
冬
1.1
-
-
-
-
夏
0.58
0.56
0.23
-
-
20.4
冬
0.74
0.93
0.84
0.59
-
10.8
夏
1.3
0.41
1.5
-
-
13.0
冬
1.7
2.2
2.6
1.5
1.3
35.9
1
2
引き戸
折り戸
換気なし:換気を行わない場合、24 時間換気:24 時間換気設備を使用した場合、換気扇:
キッチンにある換気扇・レンジフードを使用した場合、扇風機:部屋に設置した扇風機を
使用した場合、エアコン:部屋に設置されているエアコンを稼働させた場合、開放:小空
間の扉を開放した場合
【連続測定】
2 軒の住宅について 1 週間程度の連続測定を実施した。日常的な行動時の換気回数の変動
をとらえるために各家庭において生活制限等はない状況で測定を実施した。測定は 1 ある
は 2 分ごととし、毎時 00 分から 59 分までのデータを用いて換気回数を算出した。ただし、
測定誤差を考慮して、対象小空間とその小空間が接続する部屋の二酸化炭素濃度差が対象
小空間の 5%よりも小さい場合には欠測値としてデータ解析から除いた。
18
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「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・小空間:TkH-1
1 分ごとの測定結果を以下の図に示した。押入は対象小空間、部屋は対象小空間の接続し
ている部屋、隣室はその部屋の隣の部屋を指す。対象小空間(押入)は子供部屋の押入で、
ほとんど開閉がない。部屋の二酸化炭素濃度は、夜間に高くなり、朝通学によって留守と
なることで換気が進み低くなる傾向が認められた。小空間の二酸化炭素の変動は部屋の変
動に付随して起こっていた。
図 4
TkH-1 における連続 CO2 濃度測定の結果
換気回数の推定結果を以下の図に示した。日常生活を行っている部屋の測定結果から換
気回数を算出したことから換気回数の変動が大きい。
図 5
TkH-1 における換気回数の推定結果
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「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・小空間:TcS-1
2 分ごとの測定結果を以下の図に示した。押入は対象小空間、部屋は対象小空間の接続し
ている部屋、隣室はその部屋の隣の部屋を指す。対象小空間(押入)は和室の押入である。
部屋の二酸化炭素濃度の変動は、利用頻度が低いこと、利用時間が短いことから、周期性
のない結果となっている。小空間の二酸化炭素の変動は部屋の変動に付随して起こってい
た。
図 6
TcS-1 における連続 CO2 濃度測定の結果
図 7
TcS-1 における換気回数の推定結果
現状の方法では、押入のある部屋の利用頻度が低く、換気回数を推定できる条件(二酸
20
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
化炭素の供給)が整っていないと推察された。また部屋を利用するときには押入の開閉を
伴っていると思われ、比較的高い換気回数であった。
3.1.2.5. 住環境因子との関連性
統計的な解析として相関関係の検討を実施した。
【換気条件】
換気回数と温度や湿度などの部屋の条件との相関関係を検討したところ、相関係数は、
換気条件:0.20、部屋の換気回数:0.17、小空間の湿度:-0.14、扉の形状:0.13、部屋と
の温度差 0.03、小空間の温度:0.03 となり、換気回数と相関関係の高い部屋の条件はなか
った。
【連続測定】
・TkH-1
環境因子との相関関係を検討した。小空間の温度:0.44、部屋との温度差:0.63、小空間
の湿度:0.24、部屋との湿度差:-0.33 の相関係数であった。今回測定した換気回数は検討
外の他の因子、たとえばレンジフードなどによる換気、押入の開閉などを含む1時間の平
均的な値であることを考慮すると温度差の相関係数 0.63 も高い値であったと考えられる。
・TcS-1
環境因子との相関関係を検討した。押入の温度:0.40、部屋との温度差:0.33、押入の湿
度:0.07、部屋との湿度差:0.19 の相関係数であった。高い相関係数を示す項目はなかっ
た。
3.1.2.6. 小空間のモデル化
これまでの情報から換気回数のモデル化を試みた。上述の相関関係を考慮すると単独の
パラメータではモデル化が困難なことが予想されたことから重回帰分析を実施した。パラ
メータは部屋の換気回数、家の建て方、扉の形状、換気条件、小空間の温度、温度差、外
気温の7つとし、このうち家の建て方、扉の形状、換気条件についてはダミー変数を用い
て解析に組み込んだ。この結果によると、相関係数 0.39、決定係数 0.15 であり、決定係数
は低いものの相関係数はある程度の高さを持つモデル式となった。この原因は、住宅の構
造、扉の形状によって大きく換気回数が異なる結果となったことから換気回数を説明でき
なかったものと推定された。今後、1.住宅の構造、扉の形状のことなる測定例を増やす
こと、同一測定場所で長期間の連続測定を実施し、環境因子との関連性を解析することで、
詳細なモデル化を行うことが可能になると思われる。
21
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「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
換気回数=部屋の換気回数×0.14―家の建て方×1.3+扉の形状×5.4+換気条件×1.3―小
空間温度×0.43―小空間湿度×0.25+温度差×0.46+外気温×0.32+5.75
上記モデル式のうち有意なパラメータは「部屋の換気回数」(P<0.05)、「扉の形状」(P
<0.05)
、「換気条件」(P<0.01)の3つであった。そこで3つのパラメータについて過去
のアンケート調査の結果をまとめ、モデル化の検討として情報の整理を実施した。
以下の表に示したように窓、24 時間換気やレンジフードの使用に関してはアンケート調
査((独)産業技術総合研究所と(独)製品評価技術基盤機構 2010)を実施している。上
記の3パラメータのうち「部屋の換気回数」、「換気条件」に関しての情報は得られると考
え、アンケート結果についてまとめた。なお、「換気条件」パラメータとは、「換気条件」
は、
「換気なし」
、
「24 時間換気の使用」、
「レンジフードの使用」、
「部屋の開放」、
「小空間の
扉の開放」など7の実験条件である。
表 6
換気に関するアンケート調査の実施状況
調査年度
回答者数
内容
平成 19 年度 a
1,080 人
窓の有無と開閉頻度、換気扇の有無と使用頻度
平成 20 年度
1,715 人
エアコンの有無と使用時間、窓の開放時間、24 時間換気の
有無
平成 21 年度 a
2,313 人
24 時間換気の有無と使用時間
(独)産業技術総合研究所と(独)製品評価技術基盤機構 2010
7
測定住宅および測定小空間の形状や換気機能の有無によって全ての条件を実施できてい
ない。また記述した以外の換気条件について検討を加えた場合もある。
22
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 7
換気に関するアンケート調査の結果のまとめ
項目
窓
回答
有無
開放時間
レンジフード
24 時間換気
有無
居室・寝室
91%
平成 19 年度 a
寝室
95%
平成 20 年度
居室
96%
平成 20 年度
夏(分/日)
519±511
平成 20 年度
冬(分/日)
83±188
平成 20 年度
春・夏(分/日)
404±397
平成 20 年度
居室・寝室・キッチン
45%
平成 19 年度 a
キッチン
94%
平成 19 年度 a
24%
平成 20 年度
17%
平成 21 年度 a
14±10
平成 20 年度
17±10
平成 21 年度 a
有無
使用時間
調査年度
(時間/日)
出典:
(独)産業技術総合研究所と(独)製品評価技術基盤機構 2010
以上のようにモデル化にともない必要となるパラメータのうち「部屋の換気回数」、
「換気
条件」についての情報はある程度得られた。今後、
「扉の形状」に関するデータの取得が必
要となると思われる。
23
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
3.2.
製品情報の収集
3.2.1. 流通商品調査
一般消費者用として市場に流通している商品の種類や化学物質含有率に関する情報を収
集した。製品は家庭用塗料、家庭用接着剤、住宅用クリーナー、住宅用ワックス、芳香消
臭剤、防虫剤、殺虫剤、シャンプー、洗濯用洗剤、トイレ用クリーナー、バス用クリーナ
ー、台所用洗剤、ガラス用クリーナーの全14種類とした。14製品の実際に市販されて
いる商品リストを主として販売時点情報管理(POS)システム情報に基づき作成し、あわ
せて量的な情報も収集した。さらにその内容物についての情報を、公開情報に基づき集約
をはかり、本調査・開発事業の目標を達成した。以下に詳細について述べる。
3.2.1.1. 商品の種類と商品購買数の入手
商品の種類の調査として、実際に購入された商品リストの作成を試みた。方法としては、
販売時点情報管理(POS)システム情報に基づく商品種類、商品購買数を入手し、そのデ
ータを集計した。
3.2.1.2. 販売時点情報管理(POS)システム
POS システムは、販売店の会計時に商品のバーコード情報を読み取ることで商品管理を
行うもので、製造(販売)企業、商品名、購入数、購入価格などの情報を収集している。
国内では、以下の表に示したデータベースが存在している。
表 8
入手可能な販売時点情報管理システム情報の例
データベース
対象店舗
備考
日経 POS 情報サービス
スーパーマーケット、ドラッグストア
TOPPAN POS
スーパーマーケット、ドラッグストアなど
400 店舗
流通経済研究所
スーパーマーケットなど 342 店舗
KSP-SP
スーパーマーケットなど 840 店舗
インテージ SRI
スーパーマーケット、ホームセンターなど
食品のみ
3,110 店舗
3.2.1.3. リスト化の対象商品
本調査の対象となる製品群は、ホームセンターでの販売も考えられることから、
(株)イ
ンテージの構築しているインテージ SRI が最も適切であると思われた。このデータは、ス
ーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストア、コンビニエンスストアの 3,110 店舗
で購入された雑貨品(以下の表)の販売個数、販売金額などを収集したもので、全国推計
24
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
値なども入手することが可能である。
SRI 雑貨の製品種類
歯ブラシ、電動歯ブラシ、歯磨、マウスウォッシュ、義歯用剤、その他口中衛生用品、
石鹸、入浴剤、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、アウトバスヘアケア、ヘア
カラー、ホームパーマ剤、育毛トニック、制汗剤、洗濯用洗剤、中性洗剤、漂白剤、柔
軟剤、洗濯のり、その他衣料洗剤、台所用洗剤、クレンザー、住居用クリーナー、住居
用ワックス、トイレ用クリーナー、バス用クリーナー、ガラス用クリーナー、パイプク
リーナー、その他住居用クリーナー、粘着クリーナー、家庭用手袋、化学雑巾、たわし・
スポンジ、水切り袋、廃油処理剤、殺虫剤、防虫剤、カビ防止剤、芳香・消臭剤、トイ
レタンク用芳香洗浄剤、脱臭剤、除湿剤、ラッピングフィルム、アルミホイル、食品包
装用品、アルミガスマット類、食品保存用容器、フードカップ、ティッシュペーパー、
トイレットペーパー、ペーパータオル、ぬれティッシュ、使い捨て紙クリーナー、紙お
むつ、大人用紙おむつ、生理用品、生理用ショーツ、防水・撥水剤、しわとり剤、絆創
膏、使い捨てカイロ、綿棒、靴クリーム、血圧計、体温計、低周波治療器、コンタクト
用剤、その他ベビー用品、サポーター、テーピング、歯槽膿漏治療薬、肛門洗浄剤、避
妊具・潤滑剤、清浄綿、マスク、磁気製品、フットケア用品、その他雑貨品、ドッグフ
ード、キャットフード、その他ペットフード、ペット用品、ペット耐久用品、写真用フ
ィルム、ビデオテープ、電池、カミソリ、掃除機用紙パック、電球、カーお手入れ品、
浄水器、線香、ろうそく、接着剤、粘着テープ、園芸用品、その他男性化粧品、クレン
ジング、洗顔クリーム、コールド&マッサージ、化粧水、乳液、栄養クリーム、パック、
美容液、化粧用紙製品、その他化粧品、ハンド&スキンケア、ボデイ用、日焼け・日焼
け止め、エチケット品、リップクリーム、化粧下地、ファンデーション、おしろい、ほ
おべに、口紅、その他リップ、眉目料、マニキュア、香水・コロン、ヘアブラシ、化粧
用コットン、化粧用小物、美容関連、ドリンク剤
3.2.1.4. 情報入手対象データ
本調査の目的を考慮して、上記データから以下の条件の集計データを入手した。
25
平成24年度環境対応技術開発等
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表 9
本事業において入手したデータの概要
項目
内容
店舗業態
スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストア、コンビニエン
スストア
対象市場
雑貨品
対象期間
2009 年 1 月から 12 月の年計
データ指標
販売個数、販売金額、販売容量8
対象製品
洗濯用洗剤、台所用洗剤、住居用クリーナー、住宅用ワックス、トイレ
用クリーナー、バス用クリーナー、ガラス用クリーナー、シャンプー、
殺虫剤、防虫剤、芳香・消臭剤、接着剤、粘着テープ
対象データ
図 8
製品の販売個数・金額、容量の上位 50 製品リスト
データのイメージ
3.2.1.5. 商品の販売量データ
各製品別に販売シェアを記載するとともに、代表的な含有成分を選定するための商品9個
数について検討した。なお、商品個数の検討においては商品の形状などを考慮せず、50%10
8
集計可能な製品のみ
正確には商品ではなく、商品ブランド別に近い単位である。すなわち、容量あるは詰替商
品など内容物が同じにもかかわらず製品番号が異なるものを合わせて一つの商品としてい
る。
10 データとしては、販売個数、販売金額、販売容量がある。シェアの計算には販売容量を
9
26
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
のシェアを超す商品個数と設定した。
【住居用クリーナー】
販売個数、販売容量では3商品、販売金額では4商品で寄与が 50%を超えた。代表的な
含有成分を選定するための商品個数は3商品(販売容量)である。
図 9
住宅用クリーナーの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【住居用ワックス】
販売個数、販売容量、販売金額において2商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は2商品(販売容量)である。
図 10
住宅用ワックスの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【殺虫剤】
販売個数、金額において上位50製品で寄与が 50%を超えない。したがって本調査のみで
用いたが、製品の内容によっては販売容量の情報を収集できない場合があった。この場合
には、販売個数などでシェアを推定した。
27
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
は代表製品を選択することができない。
図 11
殺虫剤の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
殺虫剤は製品の用途や形状などで36のカテゴリーに分けることができる。これによる
と「ハエ・蚊」用が 33%、
「虫除け」24%、
「ゴキブリ」用が 13%とこれらで寄与が 50%を
超えた。それぞれの中では、以下が主たる製品である。「ハエ・蚊」では約半数(45%)が
「ハエ・蚊用エアゾール」
、
「虫除け」では半数以上(54%)が「シートタイプ、携帯タイプ
を除いた虫除け」
、
「ゴキブリ」は「ゴキブリ用エアゾール」と「毒餌剤」で半数以上(59%)
であった。
【殺虫剤(ハエ・蚊用エアゾール)
】
販売個数、販売金額において2商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成分を選定す
るための商品個数は2商品である。
図 12
殺虫剤(ハエ・蚊用エアゾール)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
28
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
【殺虫剤(虫除け)
】
販売個数、販売金額において8商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成分を選定す
るための商品個数は8商品である。
図 13
殺虫剤(虫除け)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【殺虫剤(ゴキブリ用エアゾール)
】
販売個数、販売金額において1商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成分を選定す
るための商品個数は1商品である。
図 14
殺虫剤(ゴキブリ用エアゾール)
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【殺虫剤(毒餌剤)
】
販売個数、販売金額において2商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成分を選定す
るための商品個数は2商品である。
29
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 15
殺虫剤(毒餌剤)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【防虫剤】
販売個数、販売金額では3商品、販売容量では2商品で寄与が 50%を超えた。代表的な
含有成分を選定するための商品個数は2商品(販売容量)である。
図 16
防虫剤の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【芳香消臭剤】
販売個数、販売金額、販売容量において上位50製品で寄与が 50%を超えない。したが
って本調査のみでは代表製品を選択することができない。
30
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 17
芳香消臭剤の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
芳香消臭剤は製品の用途や形状などで10カテゴリーに分けることができる。これによ
ると「トイレ」が 40%、
「室内」が 35%、
「衣類」用が 22%で、これらで寄与が 90%を超え
た。
【芳香消臭剤(トイレ)
】
販売個数、販売金額では4商品、販売容量では3商品で寄与が 50%を超えた。代表的な
含有成分を選定するための商品個数は3商品(販売容量)である。
図 18
芳香消臭剤(トイレ)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【芳香消臭剤(室内)
】
販売個数、販売金額では6商品、販売容量では3商品で寄与が 50%を超えた。代表的な
含有成分を選定するための商品個数は3商品(販売容量)である。
31
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 19
芳香消臭剤(室内)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【芳香消臭剤(衣類用)
】
販売個数、販売容量、販売金額において1商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は1商品(販売容量)である。
図 20
芳香消臭剤(衣類用)の販売シェア
【接着剤】
販売個数、金額において上位50製品で寄与が 50%を超えない。したがって本調査のみ
では代表製品を選択することができない。
32
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 21
接着剤の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
入手した POS データでは、詳細なカテゴリーの設定がなされていない。そこで上位 50
位の商品について接着剤(以降以外)、瞬間接着剤、シーラントの3カテゴリーに分けて集
計11を実施したところ、以下の表となった。
表 10
製品カテゴリー別市場構成
製品カテゴリー
接着カテゴリー内の割合
販売個数
販売金額
接着剤
18.9%
12.5%
瞬間接着剤
10.3%
8.2%
シーラント
15.6%
14.0%
50 位までの製品
47.7%
35.9%
各カテゴリーの代表容量がそのカテゴリーの中で最も販売個数の多い製品12の容量であ
ることを仮定して、カテゴリーごとの販売容量を推定した。これによると、上位 50 位の商
品ではシーラントの販売容量の寄与が大きい。カテゴリーの寄与率が 50 位以下の商品でも
一定であるとしたならば代表製品としてシーラントを選択可能である。販売個数では5商
品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成分を選定するための商品個数は5商品である。
11
一部に障子や襖用ののりが含まれていたので除外した。
接着剤 4901490130238、瞬間接着剤 4901490301157、シーリング 4901761385152 を採
用した(数字は JAN コード)
。
12
33
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 11
販売容量の概算結果
製 品 カ テ ゴ リ 製品個数
代表容量
推定した販売容量
ー
mL
L
千個
割合
接着剤
4,300
20
86,000
7%
瞬間接着剤
2,400
2
5,000
0%
シーラント
3,600
330
1,200,000
93%
【粘着テープ】
今回入手した POS データでは粘着テープカテゴリーに混乱が見られる。たとえば最も販
売個数の多い商品は DIY に使用されているような粘着テープ製品でなく、10位までの商
品のうち9商品が粘着テープ商品ではなかった。上位50位までとしても粘着テープ製品
は一部であった。
図 22
粘着テープの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【シャンプー】
販売個数では20商品、販売容量では24商品、販売金額では50商品で寄与が 50%を
超えた。代表的な含有成分を選定するための商品個数は24商品(販売容量)である。
34
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 23
シャンプーの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
シャンプーは製品の用途や形状などで4カテゴリーに分けることができる。これによる
と「共用」が 94%、
「男性」が 6%で、これらの寄与は約 100%であった。
【シャンプー(共用)
】
図 24
シャンプー(共用)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
販売容量では20商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成分を選定するための商品
個数は20商品(販売容量)である。
【洗濯用洗剤】
販売個数、販売容量では6商品、販売金額では7商品で寄与が 50%を超えた。代表的な
含有成分を選定するための商品個数は6商品(販売容量)である。
35
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 25
洗濯用洗剤の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
洗濯用洗剤は製品の用途や形状などで7カテゴリーに分けることができる。これによる
と、
「粉末」が 60%、
「液体」が 39%で、これらの寄与が 99%であった。
【洗濯用洗剤(液体)
】
販売個数、販売容量、販売金額において3商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は3商品(販売容量)である。
図 26
洗濯用洗剤(液体)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【洗濯用洗剤(粉末)
】
販売個数、販売容量、販売金額において5商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は5商品(販売容量)である。
36
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 27
洗濯用洗剤(粉末)の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【トイレ用クリーナー】
販売個数、販売容量、販売金額において3商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は3商品(販売容量)である。
図 28
トイレ用クリーナーの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【バス用クリーナー】
販売個数、販売容量、販売金額において2商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は2商品(販売容量)である。
37
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 29
バス用クリーナーの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【台所用洗剤】
販売個数、販売金額では7商品、販売容量では9商品で寄与が 50%を超えた。代表的な
含有成分を選定するための商品個数は9商品(販売容量)である。
図 30
台所用洗剤の販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
【ガラス用クリーナー】
販売個数、販売容量、販売金額において2商品で寄与が 50%を超えた。代表的な含有成
分を選定するための商品個数は2商品(販売容量)である。
38
平成24年度環境対応技術開発等
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図 31
ガラス用クリーナーの販売シェア
内側の円グラフは上位 50 商品のシェア、外側の円グラフは上位4商品のシェア
3.2.1.6. その他商品種類に関する調査(塗料)
入手した POS データには一部の製品のデータが含まれていなかった。ここではその製品
カテゴリーの情報収集を行った。具体的には家庭用塗料について大手2社のホームページ
から情報を収集し、用途と商品名をまとめた。
[関西ペイント]
URL:http://www.kanpe.co.jp/products/all_products/index.html
39
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 12
家庭用塗料の一覧(関西ペイント)
用途
商品名
水性多用途
水性ペイントパウチ、ハピオセレクトマイルド、ハピオフレンズ、カントリーライフカラー、
水性つやあり塗料専用つや調整剤水性、水性ウレタンガード、ハピオセレクト、ハピオカラー、
アレスアーチ
油性多用途
油性トップガード
屋内壁用
水性かべ紙クロス用、水性浴室かべ用、珪藻土塗料(エアクリーンウォール K)、室内かべ用
塗料、残塗料処理剤
外壁用
水性シリコン外かべ用、水性シリコン凹凸外かべ用
さび止め用
水性さび止め、サビテクト、速乾さび止めペイント、超速乾さび止め 、速乾エポキシさび止
め
屋根用
水性シリコン遮熱屋根用、油性シリコン遮熱屋根用、水性シリコン遮熱屋根用専用下塗り剤、
油性シリコン遮熱屋根用専用下塗り剤、水性シリコン屋根用、油性シリコン屋根用、ハピオル
ーフ
かわら専用
水性かわら用屋根ペン
トタン専用
油性ウレタンアクリルトタン用、アクリルトタン用油性、油性トタン VII、油性トタン用
床用
水性コンクリート床用、油性コンクリートフロアー用、パーキングライン
木部・鉄部用
油性鉄部木部用、油性ウレタンガード、回塗りハウスペイント、油性ウレタン鉄部
シーラー
水性カチオンシーラー、油性密着シーラー
スプレー・工作用
マーキングスプレーK、室内かべ浴室用スプレー、水性シリコンカラースプレー、油性シリコ
ンラッカースプレー 、カンぺマーキングスプレー、カンペラッカースプレーA、蛍光色スプ
レー、テルモスプレー
下塗り用
メッキ仕上げ用
さび止め用
プラスチック用密着スプレー、非鉄金属用密着スプレー 非鉄金属用密着スプレー
メッキみたいスプレー、メッキみたい下塗り仕上げ用スプレーA
上塗り兼用さび止めスプレー 、透明さび止めスプレー
透明さび止めスプレー、速乾さび止
めスプレー 、速乾さび止めスプレーS 、速乾エポキシさび止めスプレー、ジンクリッチスプ
レー
ホビー・工作用
タッチペンシリーズ
ヌーロ nüro、ホビー・工作用スプレー、水性工作用、カンペ工作用ラッカー
水性タッチ、油性タッチ・油性タッチ専用うすめ液、室内かべタッチ、ラッカータッチ・ラッ
カータッチ専用うすめ液、ニスタッチ、ニスタッチ油性、水性さび止めタッチ
木部用
水性ガーデン木部用、コンゾラン
木部保護
水性木材保護塗料、油性木材保護塗料、プラスウッド、プラスウッド専用うすめ液、水性木部
保護塗料、油性木部保護塗料、キシラデコール、キシラデコール白木やすらぎ、油性ランバー
ステイン、アウトドアステイン
40
平成24年度環境対応技術開発等
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[日本ペイント]
URL:http://www.nipponpaint.co.jp/personal.html
表 13
家庭用塗料の一覧(日本ペイント)
用途
商品名
水性多用途
水性グロス、水性セミグロス、水性フラッシュワイド、水性エコバー、水性つやあ
り EXE
室内かべ、浴室
水性ノングロス、水性エコファミリー、水性スマイル(かべ・浴室用)
、
浴室用
塗料スプレー、水性しっくい風かべ塗料
かわら屋根
水性シリコンベスト瓦用
トタン屋根
シリコントタン屋根用、アクリルトタン屋根用、トタン屋根用、鉄部・トタン屋根
用スプレー
鉄部・木部・アル
油性グロス、建物用プラス、屋外用シルバー、油性つやあり EXE、鉄部・建物・ト
ミ
タン用、油性ウレタントップ、アルミカラースプレー
ガーデニング木
油性ウッドステイン、水性ウッディガード、ウッディガード、油性デッキ&ラティ
部
ス、水性木部ステインカラー、水性ガーデン用ステイン、ガーデン木部用スプレー、
水性木部保護塗料、油性木部保護塗料
ホビー工作品
ミニホビー用スプレー、ラッカーハケ塗り用、エナメル、水性エナメルミニ、水性
蛍光塗料、長時間夜光スプレー、蛍光スプレー、ラメカラースプレー、水溶性つや
出しニス、つや出し・つやけしニススプレー、木部用マーカー、木工家具補修マー
カー、ニッペ純ペイントマーカー、修正・ふきとりマーカー
さび止め
カラーさび止め塗料、カラーさび止めスプレー、速乾さび止め、超速乾さび止め、
水性さび止め、水性エポキシさび止め、さび止めスプレー、
ジンクスプレー、
さびチェンジ
薄め液
徳用ペイントうすめ液、徳用ラッカーうすめ液、ニューラッカーうすめ液、徳用合
成ボイル油
コンクリート床、
水性屋上防水塗料セット、水性コンクリートカラー、水性ラインカラー、パーキン
アスファルト
グサインシリーズ
外壁
水性しっくい風かべ塗料、水性つやなし保護クリヤー、弾性ブロック・外かべ用 S、
水性シリコン外かべ用、
3.2.1.7. 製品別商品選択についての検討結果
本項での検討結果を以下の表にまとめた。なお、粘着テープ、塗料などについては、販
売容量(あるいは個数)についての情報が得られなかったことから除外した。
41
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 14
製品別商品選択についての検討結果
製品
代表商品個数
住居用クリーナー
3商品
住宅用ワックス
2商品
殺虫剤
ハエ・蚊用エアゾール
2商品
虫除け
8商品
ゴキブリ用エアゾール
1商品
毒餌剤
2商品
防虫剤
2商品
芳香消臭剤
トイレ
3商品
室内
3商品
衣類用
1商品
接着剤
シーラント
5商品
洗濯用洗剤
粉体
5商品
液体
3商品
バス用クリーナー
2商品
台所用洗剤
9商品
ガラス用クリーナー
2商品
3.2.1.8. 化学物質含有成分の調査
国内では家庭用品品質表示法、化学物質安全性データシート(MSDS)あるいは業界団体
の成分開示情報などあり、情報の入手は容易である。そこで、本調査では各企業の Web ペ
ージを中心に検索を行い、成分についての情報を収集した。なお、家庭用品品質表示法で
は、含有界面活性剤のうち含有率が 3%以上のものについて化学物質名と含有率を示すと定
められており、全ての成分が 3%以下の場合は含有率の最も高い化学物質の名称を示すとな
っている。洗浄補助剤などの添加物は 10%以上の成分に関して含有率の順番で機能の総称
と化学物質名を記載するとされており、1%以上 10%未満の場合には機能の総称で示すとの
記載がある(http://www.caa.go.jp/hinpyo/)。また、日本石鹸洗剤工業会による家庭用消費
者製品における成分情報開示に関する自主基準では、1%以上の成分について成分名称、機
能
に
つ
い
て
順
番
に
記
載
す
る
と
な
っ
て
い
る
(http://jsda.org/w/01_katud/jsda/JSDA_jishukijun_seibunkaiji.pdf)
。
収集した情報について以下にまとめた。対象とした商品は、前項の検討の結果により選
択した13。
13
粘着テープ、塗料などについては、販売容量(あるいは個数)についての情報が得られ
なかったことか除外した。
42
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・住居用クリーナー
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用品
界面活性剤(1% アルキルアミンオキシド)
、泡調整剤、
品質表示法
アルカリ剤
業界自主
水(工程剤)
、アルキルグリセリルエーテル(調整剤)
、
基準
エタノールアミン(アルカリ剤)、アルキルアミンオキ
シド(界面活性剤)
、アルキルグリコシド(界面活性剤)、
香料(香料)
、着色剤 (着色剤)
B社
商品 B
家庭用品
界面活性剤(0.2% アルキルアミンオキシド)、泡調整
品質表示法
剤
業界自主
水(工程剤)
、エチルアルコール(泡調整剤)
、グリコー
基準
ルエーテル (泡調整剤)
、アルキルアミンオキシド (泡
調整剤)
、アルキルグリコシド(界面活性剤)
、塩化ベン
ザルコニウム (界面活性剤)
、エタノールアミン(アル
カリ剤)
、クエン酸塩(pH調整剤)
、香料(香料)
C社
商品 C
家庭用品
界面活性剤(1% アルキルアミンオキシド)
、泡調整剤、
品質表示法
アルカリ剤
業界自主
水(工程剤)
、アルキルグリセリルエーテル(泡調整剤)、
基準
エタノールアミン(アルカリ剤)、アルキルアミンオキ
シド(界面活性剤)
、アルキルグリコシド(界面活性剤)、
香料(香料)
、着色剤(着色剤)
D社
商品 D
家庭用品
界面活性剤(7% アルキルエーテル硫酸エステルナトリ
品質表示法
ウム)
、分散剤、pH 調整剤
業界自主
水(工程剤)、ポリアクリル酸塩(分散剤)、アルキル
基準
エーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)、アル
キルベンジルジメチルアンモニウム塩(界面活性剤) 、
エタノールアミン(アルカリ剤)、脂肪酸塩(界面活性
剤) 、エチルアルコール(溶剤)、アルケニルコハク
酸塩(界面活性剤)、香料(香料)、着色剤(着色剤)
43
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・住居用ワックス
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
合成樹脂(アクリル樹脂)
、水
MSDS
水(30~40%)
、金属架橋型アクリル系樹脂エマルジョン(40
~50%)、高融点ワックスエマルジョン(5~10%)、レベリ
ング剤(1~5%)
、界面活性剤(1%以下)
、可塑剤(5~10%)
、
防腐剤(1%以下)
B社
商品 B
Web
界面活性剤(5% ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、
光沢剤、光沢助剤
業界自主
水(工程剤)、アクリル酸塩メタクリル酸塩系共重合物(光
基準
沢助剤)
、グリコールエーテル(光沢助剤)
、エチルアルコー
ル(光沢助剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界
面活性剤)
、ポリエチレン系ワックス(光沢剤)
、ポリプロピ
レン系ワックス(光沢剤)
、シリコーン(表面改質剤)
、防腐
剤(防腐剤)
、香料(香料)
・殺虫剤
[ハエ・蚊用エアゾール]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
d-T80-フタルスリン 0.465w/v%、フェノトリン 0.17w/v%
(ピレスロイド系)
B社
商品 B
Web
ピレスロイド(d-T80-フタルスリン、d-T80-レスメトリン)
その他の成分:香料、ケロシン(灯油)、LPG、DME
44
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[虫除け]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
テルピネオール(ユーカリオイルなど天然精油)
B社
商品 B
Web
ディート 原液濃度 9.75%(0.080g/mL)
、エタノール、
無水ケイ酸、トウモロコシデンプン、LPG
C社
商品 C
Web
殺虫成分なし
D社
商品 D
Web
1 缶(100mL)中ディート 2g(原液換算:10%)
E社
商品 E
Web
1 缶(100mL)中ディート 2g(原液換算:10%)
F社
商品 F
G社
商品 G
殺虫成分を含んでいない
Web
ディート 原液濃度 9.75%(0.080g/mL)
、エタノール、
無水ケイ酸、トウモロコシデンプン、香料、LPG
H社
商品 H
Web
ディート 12.0 、エタノール、香料
[ゴキブリ用エアゾール]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
イミプロトリン(ピレスロイド系)0.4755w/v%(プラ
ルとして 0.951 w/v%)
[毒餌剤]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
フィプロニル(フェニルピラゾール系)0.05%(w/w)
B社
商品 B
Web
ヒドラメチルノン
・防虫剤
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
パラジクロルベンゼン、香料
B社
商品 B
Web
パラジクロルベンゼン、香料
C社
商品 C
Web
パラジクロルベンゼン、防カビ剤(チモール)
45
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・芳香・消臭剤
[トイレ用]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
無機系消臭剤、植物精油、香料、界面活性剤(非イオン、陰
イオン)
B社
商品 B
Web
両性界面活性剤系消臭剤、香料、界面活性剤(非イオン、陰
イオン)
、色素
C社
商品 C
Web
植物抽出消臭剤、香料、除菌剤、エタノール
D社
商品 D
Web
両性界面活性剤系消臭剤、香料、エタノール、植物抽出物
[室内用]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
Web
両性界面活性剤系消臭剤、香料、界面活性剤(非イオン、陰
イオン)
、色素
B社
商品 B
Web
無機系消臭剤、植物精油、香料、界面活性剤(非イオン、陰
イオン)
C社
商品 C
Web
アミノ酸系消臭剤、吸水性樹脂
D社
商品 D
Web
不明
[衣類用]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
製品表示
トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系 Quat)
、香料、水
46
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・接着剤
[シーラント]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
MSDS
シリコーン樹脂(80 ~ 90%)、無晶シリカ(1 ~ 10%)、メ
チルエチルケトンオキシム(0.1 ~ 1.0%)、顔料
B社
商品 B
MSDS
シリコーン樹脂(80 ~ 90%)、シリカ(1 ~ 10%)、メチル
エチルケトンオキシム(0.1 ~ 1.0%)
C社
商品 C
MSDS
変性シリコーン(20~30%)
、無機質充填剤(50 ~ 60%)、
酸化チタン(0 ~ 5%)、ポリエーテルポリオール(1 ~
10%)
、フタル酸イソノニル(10 ~ 20%)
、フタル酸ビス
(2-エチルヘキシル)
(0.1 ~ 1%)
、スズ化合物(0.1 ~
1%)
D社
商品 D
不明
E社
商品 E
不明
47
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・洗濯用洗剤
[粉末]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用品
界面活性剤(22%、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
、アルカリ
品質表示法
剤(炭酸塩)
、水軟化剤(アルミノけい酸塩)
、工程剤(硫酸塩)
、分散剤、蛍光増白剤、酵素
業界自主
炭酸塩(アルカリ剤)
、アルミノけい酸塩 (水軟化剤)
、硫酸塩(工程剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
基準
ム(界面活性剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)、ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤)、塩化
ナトリウム(工程剤)
、ベントナイト(工程剤)
、けい酸塩(アルカリ剤)
、水(工程剤)
、アルキル硫酸エステルナトリ
ウム(界面活性剤)
、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)
(界面活性剤)
、ポリエチレングリコール(分散剤)
、亜硫酸ナト
リウム(安定化剤)
、香料、蛍光増白剤、酵素、着色剤
B社
商品 B
家庭用品
界面活性剤(15% アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)、ポリオキシエチレンア
品質表示法
ルキルエーテル)、水軟化材(アルミノけい酸塩)、アルカリ剤(重炭酸塩、炭酸塩)、工程剤(硫黄塩)、漂白剤、酵素
業界自主
炭酸水素ナトリウム(重曹)
(アルカリ剤)
、炭酸塩(アルカリ剤)
、アルミノけい酸塩(水軟化剤)
、硫酸塩(工程剤)
、
基準
アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム(界面活性剤)、水(工程剤)、過炭酸ナトリウム(漂白剤/酸素系)、純石
けん分(脂肪酸ナトリウム)(界面活性剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)、アクリル酸/マレイ
ン酸系高分子(水軟化剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、香料、酵素、着色剤
C社
商品 C
家庭用品
界面活性剤(21%、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
、水軟化剤
品質表示法
(アルミノけい酸塩)
、アルカリ剤(炭酸塩)
、工程剤(硫酸塩)
、分散剤、漂白剤、酵素
業界自主
アルミノけい酸塩(水軟化剤)
、炭酸塩(アルカリ剤)、硫酸塩(工程剤)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
基準
ム(界面活性剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)、ポリアクリル酸ナトリウム(分散剤)、塩化
ナトリウム(工程剤)、ベントナイト(工程剤)、過炭酸ナトリウム (漂白剤)、けい酸塩(アルカリ剤)
、アルキル硫
酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、水(工程剤)、ポリエチレングリコール(分散剤)
、純石けん分(脂肪酸ナトリ
ウム)
(界面活性剤)
、香料、酵素、着色剤
48
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
D社
商品 D
家庭用品
界面活性剤(22%直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム)、安定剤(砥
品質表示法
酸塩)、アルカリ剤(炭酸塩、けい酸塩)、水軟化剤(アルミノけい酸塩)、酵素、蛍光増白剤
業界自主
硫酸塩(安定化剤)
、炭酸塩(アルカリ剤)
、けい酸塩(アルカリ剤)
、アルミノけい酸塩(水軟化剤)
、アルファオレフ
基準
ィンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、水(工程剤)、
純石けん分(脂肪酸ナトリウム)(界面活性剤)、香料、酵素、亜硫酸塩(安定化剤)
、ポリエチレングリコール(工程
剤)
、蛍光増白剤
E社
商品 E14
家庭用品
界面活性剤(19%、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、水軟化剤(ア
品質表示法
ルミノけい酸塩)、アルカリ剤(炭酸塩)、工程剤(硫酸塩)、柔軟剤(ベントナイト)、分散剤、酵素
業界自主
アルミノけい酸塩(水軟化剤)
、炭酸塩(アルカリ剤)
、硫酸塩(工程剤)
、ベントナイト(柔軟剤)
、直鎖アルキルベン
基準
ゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
、ポリアクリル酸ナト
リウム(分散剤)
、塩化ナトリウム(工程剤)
、水(工程剤)
、けい酸塩(アルカリ剤)
、アルキル硫酸エステルナトリウ
ム(界面活性剤)
、ポリエチレングリコール(分散剤)
、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)
(界面活性剤)
、亜硫酸ナトリ
ウム(安定化剤)
、香料、酵素、着色剤
14
商品名が商品 F に変更されていた。
49
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[液体・ジェル]
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用品
界面活性剤(32%:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)、水軟化剤、安定化剤、
品質表示法
アルカリ剤、分散剤、蛍光増白剤、酵素
業界自主
水(工程剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(界面活性剤)
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
、
基準
純せっけん分(脂肪酸ナトリウム(界面活性剤)、水酸化ナトリウム(pH 調整剤)、アルキルエーテル硫酸エステル塩
(界面活性剤)、クエン酸 (水軟化剤)、クメンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)、アルコキシル化ポリエチレンイミ
ン*(分散剤)
、エチルアルコール(安定化剤)
、ホウ酸(安定化剤)
、アルキルトリメチルアンモニウム塩(界面活性剤)
、
エタノールアミン(pH 調整剤)
、アルコキシル化ポリエチレンイミン15(洗浄助剤)
、香料、プロピレングリコール(安
定化剤)
、酵素、DTPMP 塩(金属封鎖剤)
、水添ヒマシ油(安定化剤)
、蛍光増白剤、シリコーン(泡調整剤)
、着色剤
B社
商品 B
家庭用品
界面活性剤(35%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、直鎖アルキルベンゼン系)、安定化剤、アルカリ剤、pH 調整
品質表示法
剤、分散剤、酵素、蛍光増白剤
業界自主
水(工程剤)
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(界面活性剤)
、
基準
クエン酸塩(pH 調整剤)
、ブチルカルビトール(安定化剤)
、エチルアルコール(安定化剤)
、アクリル酸塩系共重合物
(分散剤)、脂肪酸塩(界面活性剤)、エタノールアミン(アルカリ剤)、塩化カルシウム(安定化剤)、亜硫酸ナトリウ
ム(安定化剤)
、香料、蛍光増白剤、酵素、着色剤
C社
15
商品 C
家庭用品
界面活性剤(30%:ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸エタノールア
品質表示法
ミン)
、柔軟成分、水軟化剤、安定化剤、アルカリ剤、分散剤、泡調整剤、酵素
異なる 2 種類のアルコキシル化ポリエチレンイミンを使用
50
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
業界自主
水(工程剤)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(界面活性剤)、純せっけん分(脂肪酸ナトリウム)(界面活性剤)、ポ
基準16
リオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
、プロピレングリコール(安定化剤)
、水酸化ナトリウム (pH 調整
剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(界面活性剤)
、クエン酸
水軟化剤
クメンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)
、アルキルトリメチルアンモニウム塩(界面活性剤)
、ホウ酸(安定化剤)
、エ
チルアルコール(安定化剤)
、エタノールアミン(pH 調整剤)
、香料、アルコキシル化ポリエチレンイミン(分散剤)
、
DTPMP 塩(金属封鎖剤)
、酵素、水添ヒマシ油(安定化剤)
、カチオニックヒドロキシエチルセルロース (柔軟成分)、
シリコーン(泡調整剤)
、着色剤
16
販売終了の模様。後継商品 D の内容を記載した。
51
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・トイレ用クリーナー
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用品
界面活性剤(4% 脂肪酸アミドプロピルベタイン)
、金属封鎖剤、泡調整剤
品質表示法
業界自主
水(工程剤)
、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(金属封鎖剤)
、エチルアルコール(泡調整剤)
、脂肪酸アミドプ
基準
ロピルベタイン(界面活性剤)
、クエン酸ナトリウム(金属封鎖剤)
、アルキルグリコシド(界面活性剤)
、塩化ベン
ザルコニウム(界面活性剤/除菌成分)
、ポリカルボン酸系共重合物(表面親水化剤)
、香料
B社
商品 B
家庭用品
界面活性剤(アルキルアミンオキシド)、グリコール酸(0.8%)
品質表示法
C社
商品 C
家庭用品
界面活性剤(アルキルアミンオキシド)
、水酸化ナトリウム(1%)
、次亜塩素酸塩
品質表示法
業界自主
水(工程剤)
、次亜塩素酸塩(酸化剤)
、水酸化ナトリウム(アルカリ剤)
、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、
基準
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、ポリエチレングリコール硫酸エステルナトリウム (粘
度調整剤)
、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)
(界面活性剤)
、香料
・バス用クリーナー
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用品
界面活性剤(9% 脂肪酸アミドプロピルベタイン)
、泡調整剤、金属封鎖剤
品質表示法
業界自主
水(工程剤)
、ブチルカルビトール(泡調整剤)
、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(金属封鎖剤)
、脂肪酸アミド
基準
プロピルベタイン(界面活性剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)、アルキルグリコシド(界
面活性剤)、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)、塩化ベンザルコニウム
(界面活性剤/除
菌成分)
、純石けん分(脂肪酸ナトリウム)
(界面活性剤)
、クエン酸ナトリウム(金属封鎖剤)
、香料、着色剤
52
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
B社
商品 B
家庭用品
界面活性剤(5% 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、泡調整剤、キレート剤
品質表示法
業界自主
水(バランス剤)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(泡調整剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナト
基準
リウム(界面活性剤)
、水酸化ナトリウム(pH 調整剤)、純せっけん分(脂肪酸カリウム)
(界面活性剤)
、エチレン
ジアミン四酢酸塩(金属封鎖剤)
、クエン酸(金属封鎖剤)
、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、香料、アルキ
ルアミノ脂肪酸ナトリウム(界面活性剤)
、キサンタンガム(増粘剤)
、除菌剤
・台所用洗剤
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用品
界面活性剤(43%、高級アルコール系(陰イオン)、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルグリコシ
品質表示法
ド、アルキルアミンオキシド、アルキルグリセリルエーテル)
、安定化剤、除菌剤
業界自主
水(工程剤)
、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、エチルアルコ
基準
ール(安定化剤)、アルキルヒドロキシスルホベタイン(界面活性剤)、アルキルグリコシド(界面活性剤)、
トルエンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)
、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、アルキルグリセリルエ
ーテル(界面活性剤)、塩化マグネシウム(安定化剤)、ポリプロピレングリコール(安定化剤)、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル(界面活性剤)、プロピレングリコール(安定化剤)、硫酸亜鉛(除菌剤)、亜硫酸
ナトリウム(安定化剤)
、香料
B社
商品 B
家庭用品
界面活性剤(31%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンア
品質表示法
ルキルエーテル)、安定化剤、粘度調整剤、酵素
53
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
C社
商品 C
家庭用品
界面活性剤(18%、高級アルコール系(陰イオン)
)
、安定化剤
品質表示法
業界自主
水(工程剤)
、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、エチルアルコ
基準
ール(安定化剤)、アルキルヒドロキシスルホベタイン(界面活性剤)、アルキルグリコシド(界面活性剤)、
プロピレングリコール(安定化剤)
、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、トルエンスルホン酸ナトリウム
(安定化剤)
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
、塩化マグネシウム(安定化剤)
、防腐剤、
水溶性ポリマー(表面改質剤)
、亜硫酸ナトリウム(安定化剤)
、香料、着色剤
D社
商品 D
家庭用品
界面活性剤(29% アルキルアミンオキシド、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレン
品質表示法
アルキルエーテル)、安定剤
業界自主
水(バランス剤)
、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、アルキルアミンオキシド(界面
基準
活性剤)、エチルアルコール(安定化剤)、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド(界面活性剤)、ア
ルキルスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、ポリエチレングリコール(安定化剤)
、p-トルエンスルホン酸(安
定化剤)
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(界面活性剤)
、水酸化ナトリウム(pH 調整剤)、クエン酸(安定
化剤)
、スルファミン酸(安定化剤)
、香料、安息香酸ナトリウム(安定化剤)
、酸化亜鉛(除菌剤)
E社
商品 E
家庭用品
界面活性剤(30% アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルアミ
品質表示法
ンオキシド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド)、安定剤
業界自主
水(バランス剤)
、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、脂肪酸アミドプロピルジメチル
基準
アミンオキシド(界面活性剤)
、エチルアルコール(安定化剤)
、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミ
ド(界面活性剤)
、アルキルスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界
面活性剤)
、p-トルエンスルホン酸(安定化剤)
、安息香酸ナトリウム(安定化剤)
、ポリエチレングリコール(安
定化剤)、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)、水酸化ナトリウム(pH 調整剤)、クエン酸(安定化剤)、
香料、硫酸亜鉛(除菌剤)
、ゼラチン(表面改質剤)
54
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
F社
商品 F
家庭用品
界面活性剤(33%、高級アルコール系(陰イオン)、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミンオ
品質表示法
キシド、アルキルグリコシド)
、安定化剤
業界自主
水(工程剤)
、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、エチルアルコ
基準
ール(安定化剤)
、アルキルヒドロキシスルホベタイン(界面活性剤)
、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、
アルキルグリコシド(界面活性剤)
、トルエンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)
、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル(界面活性剤)
、塩化マグネシウム(安定化剤)
、ポリオキシエチレングリセリルエーテル(安定化
剤)
、アミド型アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、クエン酸ナトリウム(安定化剤)
、除菌剤(硫酸亜鉛)
、
ポリプロピレングリコール(安定化剤)
、亜硫酸ナトリウム(安定化剤)
、香料
G社
商品 G
家庭用品
界面活性剤(38%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポ
品質表示法
リオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド)
、安定剤
業界自主
水(バランス剤)
、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノ
基準
ールアミド(界面活性剤)
、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、エチルアルコール(安
定化剤)、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド(界面活性剤)、安息香酸ナトリウム(安定化剤)、
p-トルエンスルホン酸(安定化剤)、アルキルスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)、ポリエチレングリコール
(安定化剤)、クエン酸(安定化剤)、香料、水酸化ナトリウム(pH 調整剤)、スルファミン酸(安定化剤)、
酸化亜鉛(除菌剤)
H社
商品 H
家庭用品
界面活性剤(3%、ポリエーテルポリオール)
、アルカリ剤(炭酸塩)
、工程剤(硫酸塩)
、漂白剤(炭酸塩)
、水
品質表示法
軟化剤(クエン酸塩)
、分散剤、表面改質剤、漂白活性化剤、酵素
業界自主
炭酸塩(アルカリ剤)
、硫酸塩(工程剤)
、過炭酸ナトリウム(漂白剤)
、クエン酸塩(水軟化剤)
、けい酸塩(ア
基準
ルカリ剤)
、ポリエーテルポリオール(界面活性剤)
、シリカ(表面改質剤)
、マレイン酸系共重合物(分散剤)
、
アクリル酸系共重合物(分散剤)
、テトラアセチルエチレンジアミン(漂白活性化剤)
、ソルビタン脂肪酸エス
テル(界面活性剤)
、ポリカルボン酸系共重合物(表面改質剤)
、香料、酵素、着色剤
55
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
I社
商品 I
家庭用品
界面活性剤(33%、高級アルコール系(陰イオン)、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミンオ
品質表示法
キシド、アルキルグリコシド)
、安定化剤
業界自主
水(工程剤)
、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
、エチルアルコ
基準
ール(安定化剤)
、アルキルヒドロキシスルホベタイン(界面活性剤)
、アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
、
アルキルグリコシド(界面活性剤)
、トルエンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)
、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル(界面活性剤)
、塩化マグネシウム(安定化剤)、トルエンスルホン酸(安定化剤)、ポリオキシエ
チレングリセリルエーテル (安定化剤)
、硫酸亜鉛(除菌剤)、ポリプロピレングリコール(安定化剤)
、亜硫
酸ナトリウム(安定化剤)
、香料、
56
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・ガラス用クリーナー
会社
商品名
成分表示
A社
商品 A
家庭用
界面活性剤(0.4% アルケニルコハク酸カリウム塩)、泡
品品質
調整剤
表示法
業界
水
自主
ーテル
基準
性剤、エタノールアミン
ド
B社
商品 B
工程剤、エチルアルコール
泡調整剤、グリコールエ
泡調整剤、
アルケニルコハク酸カリウム
界面活性剤、香料
界面活
pH調整剤、アルキルグリコシ
香料、着色剤
着色剤
家庭用
界面活性剤 (0.1% アルキル硫酸エステルアルカノール
品品質
アミン)、溶剤、LPG
表示法
業界
水
溶剤、イソプロピルアルコール
自主
アミン
アルカリ剤、
アルキル硫酸エステルアルカノール
基準
アミン
界面活性剤、アクリル系ポリマー
香料、着色剤
溶剤、アルカノール
増粘剤、香料
着色剤
3.2.1.9. まとめ
これまで製品の化学物質成分やその量について情報を集約することは困難であったが、
本事業で検討した商品販売情報(ここでは POS データ)と化学物質の含有情報(ここでは
企業の公開情報)を合わせることで推定が可能となった。
図 32
製品の化学物質含有量調査の方法
本方法にもいくつかの問題点がある。一つは POS データの範囲である。今回入手した
POS データはスーパーマーケット以外にドラッグストアやホームセンターでの購買行動の
結果が含まれている。どの製品においてもこれらの対象店舗の寄与が大きい場合には問題
とならない。しかしながら製品によっては集計対象店舗以外の寄与が大きい場合がある。
57
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
次項のアンケート調査結果17では、塗料の場合、対象店舗での購入の寄与が大きいが、接着
剤の場合、所謂 100 円ショップでの販売が一定の寄与(30%)を占めることから、POS デ
ータから代表を選択した妥当性について検証が必要である。また、成分表示に関しては本
事業ではほとんどの情報を入手可能であったが、一部の製品については MSDS が一般に公
開されていない場合などがあった。また情報が入手できたとしても化学物質に関する情報
が十分でない場合もある。今後、商品の成分測定など他の手法による補完が必要と思われ
る。
3.2.2. 塗料及び接着剤の購入・使用に関するアンケート調査
前項で調査した製品のうち塗料及び接着剤に着目し、消費者の購入に関する行動の情報、
それらの使用状況や生活行動パターンに係る情報を収集した。本調査事業では、回答の精
度向上のために、製品(塗料と接着剤)×調査項目(購入行動と使用状況)の4カテゴリ
ーに分けて回答項目が比較的少ないアンケートを実施した。購入行動に関する調査は、塗
料・接着剤の購入頻度(普及率)
、種類(化学物質含有量)、用途、製品形状、購入者の属
性、所有数などの20項目(以降に示したモニター属性項目を含む)について約 1,000 人
のアンケートを実施した。使用状況に関する調査は、使用頻度(行為者率)
、使用量、使用
時間、換気の有無、使用場所など28項目(以降に示したモニター属性項目を含む)につ
いて約 1,000 人のアンケート調査を実施した。また、各アンケート調査において、モニタ
ー属性項目、例えば住宅の建て方、世帯主との関係、世帯での回答者の役割、日曜大工の
経験などの基礎的な項目も同時に取得した。これらの情報をもとに、製品の使用行動と一
般的な属性(個人)との関連性について検討を行い、データベースに追加することでデフ
ォルト値設定の基礎データとした。以下に詳細について述べる。
3.2.2.1. 実施内容
国内における消費者製品の購入・使用など暴露評価に必要な項目のうち、店舗調査や実
験的に求まらない項目についてはアンケート調査を実施する必要がある。購入や使用に関
するアンケート調査は断片的にはいくつか報告があるものの、大規模な調査は少ない。我々
はこれまでアンケート回答者の属性やその住居の属性の基本情報から家電、家具や消費者
製品(芳香剤、消臭剤、防虫剤など)の購入頻度や使用状況、あるいは換気行動、部屋の
滞在時間や掃除の頻度などの生活行動の情報に至るまで複数の項目について、約 1,000~
2,000 人のアンケート調査を行った。以下の表はその調査の概要である。
17
購入店舗に関する設問を設定した。
58
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 15
消費者製品の暴露評価に関連したアンケート調査の例
調査
時期
回答者数
主なアンケート項目
平成 19 年度 a
H20.1
1,080 人
住環境、滞在時間、換気行動、家電の所有数
平成 19 年度 b
H20.1
1,080 人
住環境、掃除・洗濯行動、殺虫剤・芳香剤の使用
平成 20 年度
H20.9
1,715 人
住環境、滞在時間、家具の所有数、防虫剤の使用
平成 21 年度 a
H21.11
2,313 人
住環境、塗料・接着剤の使用、書籍の購入
平成 21 年度 b
H22.1
1,917 人
住環境、暖房器具の使用、カーテンの数
3.2.2.2. 目的
これまでの調査では、使用とイベント回数、種類、作業日数、使用時間、使用量、安全
対策(手袋・換気など)が調査されている。アンケートの回答数は最大約 2,000 あり、そ
の回答数自体には問題がないものの、接着剤や塗料の使用者は非常に少なく(接着剤では
延べ 14%が使用したと回答)
、このデータの解析を実施したとしても、精度の面から問題と
なる可能性がある。また、これまでの調査では塗料や接着剤の使用に関連すると思われる
「日曜大工」
・「住居の所有」などの項目がアンケート対象ではなく、個人・世帯の基本属
性と製品使用との関係の検討が困難であった。本事業では、これらの項目を加えた塗料・
接着剤のアンケートを行った。
3.2.2.3. アンケートの概要
製品(塗料と接着剤)×調査項目(購入行動と使用状況)の4カテゴリーに分けて回答項
目が比較的少ないアンケートを実施した。以下に概略を示す。
表 16
調査結果の概略
調査
塗料
設問数
設問内容
スクリーニング
4
購入者と使用者の選択
購入
5
用途、種類、購入回数、購入量、保管場所
使用
13
種類、使用回数、使用量、マスク・手袋の着用、換気行動など
属性
15
年齢、性別、世帯主との関係、住宅の構造・所有・築年数、DIY
の有無など
接着剤
スクリーニング
4
購入者と使用者の選択
購入
5
用途、種類、購入回数、購入量、保管場所
使用
13
種類、使用回数、使用量、マスク・手袋の着用、換気行動など
属性
15
年齢、性別、世帯主との関係、住宅の構造・所有・築年数、DIY
の有無など
59
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
アンケートの分岐は以下の図に示した。塗料・接着剤の購入者はスクリーニング 4 問、
購入アンケート 5 問、モニター属性アンケート 15 問の合計 24 問、塗料・接着剤の使用者
はスクリーニング 4 問、購入アンケート 13 問、モニター属性アンケート 15 問の合計 32 問
のアンケートである。
図 33
アンケート調査の流れ
以下に設問内容について示す。詳細は付録に記載。
表 17
スクリーニング調査の概略
番号
項目
内容
1
購入・使用の有無
1 年間での購入・使用の有無
2
購入製品の使用場所
購入製品の使用予定場所
3
使用場所
使用製品の使用場所
60
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 18
番号
塗料・接着剤の本調査の概略
対象
項目
内容
1
全員
購入・使用の有無
1 年間での購入・使用の有無
2
購入
使用予定用途
1 年間に購入した製品の使用を予定している用途、
製品タイプ
用途別の製品タイプ
3
購入
購入頻度
用途別の製品購入回数
4
購入
購入個数
用途別の製品購入個数
5
購入
購入店舗
用途別の製品購入店舗
6
購入
製品の保管場所
用途別の製品の保管場所
7
使用
使用用途・製品タイプ
1 年間に使用した製品の使用用途、用途別の製品タイ
プ
8
使用
使用回数
用途別の一年間の使用回数
9
使用
使用時間
用途別の1回あたりの使用時間
10
使用
最長作業時間
一つの作業として最も長い作業時間
11
使用
使用量
用途別の1回あたりの製品使用量
12
使用
保護具の使用(手袋)
用途別の手袋の使用の有無とその程度
13
使用
保護具の使用(マスク)
用途別のマスクの使用の有無とその程度
14
使用
換気の状況(窓)
作業中の窓開け換気の有無とその程度
15
使用
換気の状況(換気扇)
作業中の換気扇の使用の有無とその程度
16
使用
換気の状況(その他)
作業中のその他換気手法による換気の有無とその程
17
使用
作業後の滞在場所
18
使用
製品の廃棄
作業後における作業者の滞在場所
度
平均的な製品の廃棄頻度
19
使用
主たる使用者の確認
用途別に回答者が世帯の中で最もよく使用するかの
確認
20
属性
リフォーム
自身で実行したリフォームの有無
21
属性
電動工具
回答者および世帯での電動工具所有の有無
22
属性
住宅の建て方と構造
戸建、共同住宅、鉄筋、木造など
23
属性
住宅の所有の関係
所有、賃貸の区別
24
属性
住宅の床面積
住宅の延べ床面積
25
属性
住宅の築年数
住宅の築年数
26
属性
世帯主の確認
回答者が世帯主であるかの確認
27
属性
世帯主との関係
世帯主ではない場合
28
属性
性別
回答者の性別
29
属性
年齢
回答者の年齢
30
属性
居住地
回答者の居住地
31
属性
婚姻
回答者の婚姻状態
32
属性
同居人数
回答者世帯の人数
33
属性
世帯年収
回答者世帯の年収
34
属性
個人年収
回答者の年収
61
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
3.2.2.4. モニター属性
スクリーニングは以下のモニターに対して人口構成を考慮して実施した。
表 19
アンケート調査会社のモニター構成
(インテージ資料より)
3.2.2.5. アンケート調査結果
結果の詳細は付録に掲載し、結果の概要のみ示した。
・塗料
[スクリーニング
約 110,000 人に対するスクリーニングを実施し、46.7%のモニターから回答を得た。本事
業では「購入」と「使用」を区分して回答を得たが、大部分のモニターが「購入かつ使用
する」のカテゴリーであった。
塗料の使用者率は 9.1%、このうち室内での使用率は 34.0%であり、室内での塗料使用者
率は 3.1%(95%信頼区間 2.9~3.2%)であった。塗料は製品用途からは化学物質の放散量
への寄与が大きいと考えられたが、使用者率は低いと推定された。
62
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[購入]
本調査はスクリーニング結果の回答者年齢、性別、地域性を考慮したモニターを選択し、
回答率は 74.7%であった。この[購入]では、「購入し、使用した」および「購入したが、
使用しなかった」と回答したモニターを対象として実施し、その数は 1,064 人であった。
モニターの特徴としては、
・ドライバー・インパクターの所持率が 68%であること、
・住宅の種類としては戸建て住宅が 67%であること18、
・住宅の持ち家率は 77%であること19
・性別は男性が 66%を占めたこと、
が挙げられる。
購入(大部分の方が使用されている)製品の用途(複数回答)は、室内に限定した調査
であったことから内装(91.5%)が最も多く、次に家具の組立・修繕(62.1%)、生活用品
の組立・修繕(59.2%)となる。複数回答の結果、一人の回答者が平均 3.67 用途に塗料を
使用したいと考え、購入している結果であった。
図 34
使用用途別の購入割合
総回答数 100 として水性塗料と油性塗料のシェア検討したところ、室内は水性化率が高
く、業界団体等のヒアリングと一致する。なお、室外や自動車用は油性塗料の寄与が高く
なる。
18
19
国勢調査での全国平均は約 50%である。
国勢調査での全国平均は約 60%である。
63
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 35
使用用途別の製品種別
購入頻度について検討すると、どの用途でも 6 ヶ月から 2~3 年(2.5 年と表示)に一度
の購入の寄与が 50%を超える。平均的には内装では 630 日、家具組立・修繕では 570 日、
生活用品組立・修繕では 570 日、趣味では 310 日となり、趣味以外の項目では2年に一度
の購入頻度であった。
表 20
用途別購入頻度
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
974
630
620
家具組立・修繕
661
570
580
生活用品組立・修繕
630
530
570
趣味
433
310
430
室外
517
550
570
自動車
311
520
570
その他
378
480
580
購入個数について検討すると、すべての用途で 1 個の寄与が最も大きく、5 個まで考慮す
ることで、95%を超える寄与であった。趣味では複数個購入の寄与も大きく、5 個でも 80%
程度である。平均的には内装では 2.1 個、家具組立・修繕では 1.7 個、生活用品組立・修繕
64
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
では 1.7 個、趣味では 3.6 個であった。
表 21
用途別購入個数
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
974
2.1
2.2
家具組立・修繕
661
1.7
1.7
生活用品組立・修繕
630
1.7
2.0
趣味
433
3.6
3.9
室外
517
2.2
2.2
自動車
311
2.0
2.5
その他
378
1.8
2.5
購入店舗について検討すると、ホームセンターでの購入が最も多く、内装では 85%、家
具組立・修繕では 85%、生活用品組立・修繕では 84%、趣味では 67%であった。趣味の 19%
を除き小売店・専門店の寄与は少なかった。
保管場所について、屋内(居室、押入・クローゼット、床下収納や納戸、その他屋内)、
屋外(庭、ベランダ、物置やガレージ)
、不定・不明(決まっていない、わからない)に分
けて集計したところ、室内保管は趣味以外の項目では 40%以下であった。個別には、物置
やガレージでの保管が最も多く、その次は押入・クローゼットであった。ただし、趣味用
途だけは異なり居室での保管が多い。なお、物置は屋外に置かれていることを前提として
選択肢として設けたが、モニターが同じ前提で回答したのか確認が必要である。
65
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 36
用途別の保管場所
[使用]
この[使用]では、
「購入し、使用した」および「購入しなかったが使用した」と回答し
たモニターを対象として実施し、その数は 1,104 人であった。
使用製品の用途(複数回答)は、室内に限定した調査であったことから内装(83.5%)が
最も多く、次に家具の組立・修繕(67.7%)、生活用品の組立・修繕(60.8%)となる。複
数回答の結果、一人の回答者が平均 3.45 用途に塗料を使用したと考えられる。
66
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 37
用途別の使用者割合
総回答数 100 として水性塗料と油性塗料のシェアを検討したところ、室内は水性化率が
高く、業界団体等のヒアリングと一致した。
図 38
用途別の塗料種別
作業回数について検討すると、趣味を除く用途で年間作業回数 4 回までの寄与が約 75%
67
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
であった。平均的には内装では 3.1 回/年、家具組立・修繕では 2.5 回/年、生活用品組立・
修繕では 2.5 回/年、趣味では 6.0 回/年であった。
表 22
用途別作業回数
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
925
3.1
4.1
家具組立・修繕
750
2.5
3.2
生活用品組立・修繕
674
2.5
3.5
趣味
488
6.0
7.1
室外
532
2.3
3.1
その他
453
2.4
3.8
製品の一日あたりの作業時間について検討すると、作業時間 30~60 分にピークがある。
平均的には内装では 82 分、家具組立・修繕では 57 分、生活用品組立・修繕では 45 分、趣
味では 91 分であった。なお、45 分の選択肢の寄与が 30 分や 60 分より少ないが、これは
選択肢の設定が適切でなかったものと思われる。
表 23
製品の用途別一日あたりの作業時間(分)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
925
82
160
家具組立・修繕
750
57
120
生活用品組立・修繕
674
45
71
趣味
488
91
210
室外
532
80
180
その他
453
51
120
最長作業期間について検討すると、平均的には内装では 2.6 日、家具組立・修繕では 1.9 日、
生活用品組立・修繕では 1.9 日、趣味では 4.4 日であったが、内装では 46%、家具組立・修
繕では 59%、生活用品組立・修繕では 63%、趣味では 39%が最長作業期間 1 日であった。
3 日までの作業期間に回答者の 80~90%が含まれた。
68
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 24
用途別最長作業期間(日)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
925
2.6
4.7
家具組立・修繕
750
1.9
3.1
生活用品組立・修繕
674
1.9
3.3
趣味
488
4.4
7.6
室外
532
2.3
4.3
その他
453
2.3
4.6
使用量に関してはいくつかの単位で回答を得た。そこで、塗料メーカー各社が公表して
いる塗料量と塗装面積のデータを収集し、相関関係から換算式を作成した。なお、内装や
室外用は畳によるデータが多く、L、g や kg のデータは少なかった。
図 39
塗装作業における使用面積(畳)と使用量(L)の関係
図 40
塗装作業における使用面積(m2)と使用量(L)の関係
69
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
一年あたりの使用量について検討すると、平均的には内装では 0.45 L、家具組立・修繕
では 0.50 L、生活用品組立・修繕では 0.55 L、趣味では 0.90 L であった。
なお、使用量が不明の回答者が多数存在しており、使用者の半分程度の回答率であった。
使用量に関してはアンケート設問および選択肢を再設計すべきである。
表 25
用途別使用量(L)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
513
1.7
3.5
家具組立・修繕
354
1.2
4.1
生活用品組立・修繕
289
1.0
4.2
趣味
217
1.3
4.2
室外
256
1.5
3.4
その他
154
1.1
3.4
保護手段、手袋・マスクの着用、窓・換気扇・その他換気の使用について検討したとこ
ろ、最も多いのは窓で「使用した」
、
「ときどき使用した」を合わせると 69%であり、次に
手袋の 57%、換気扇の 41%と続く。
図 41
塗装作業時の保護手段
70
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
・接着剤
[スクリーニング]
約 110,000 人に対するスクリーニングを実施し、46.7%のモニターから回答を得た。本事
業では「購入」と「使用」を区分して回答を得たが、大部分のモニターが「購入かつ使用
する」のカテゴリーであった。
接着剤の使用者率は 29.1%、このうち室内での使用率は 79.0%であり、室内での塗料使
用者率は 23.0%(95%信頼区間 22.6~23.3%)であった。接着剤は製品用途からは化学物質
の放散量への寄与が比較的大きく、使用者率も高いと推定された。
[購入]
本調査はスクリーニング結果の回答者年齢、性別、地域性を考慮したモニターを選択し、
回答率は 74.7%であった。この[購入]では、「購入し、使用した」および「購入したが、
使用しなかった」と回答したモニターを対象として実施し、その数は 1,020 人であった。
モニターの特徴としては、
・ドライバー・インパクターの所持率が 49%であること、
・住宅の種類としては戸建て住宅が 62%20であること、
・住宅の持ち家率は 75%21であること、
・性別は男性が 60%を占めたこと、
が挙げられる。
購入(大部分の方が使用されている)製品の用途(複数回答)は、室内に限定した調査
であったことから内装(91.2%)が最も多く、次に生活用品の組立・修繕(79.1%)、家具
の組立・修繕(67.0%)となる。複数回答の結果、一人の回答者が平均 3.73 用途に接着剤
を使用したいと考え、購入している結果である。
20
21
国勢調査での全国平均は約 50%である。
国勢調査での全国平均は約 60%である。
71
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 42
使用用途別の購入割合
総回答数を 100 として接着剤種別で集計したところ、室内は水性接着剤と瞬間接着剤の
割合が高い。個別には瞬間接着剤が最も高く、次に木工用接着剤であった。
図 43
使用用途別の製品種別
72
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
購入頻度について検討すると、どの用途でも 6 ヶ月から 2~3 年(2.5 年と表記)に一度
の購入者が回答者の 50%を超える。平均的には内装では 440 日、家具組立・修繕では 450
日、生活用品組立・修繕では 360 日、趣味では 300 日となり、趣味以外の項目では 1.5 年
に一度の購入頻度であった。
表 26
用途別購入頻度
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
930
440
470
家具組立・修繕
683
450
430
生活用品組立・修繕
809
360
380
趣味
450
300
380
室外
352
510
490
自動車
142
470
510
その他
444
400
460
購入個数について検討すると、全ての用途で年間購入個数 1 個の寄与が最も大きく、購
入個数 3 個まで含めると寄与率は 95%を超える。平均的には内装では 1.6 個、家具組立・
修繕では 1.3 個、生活用品組立・修繕では 1.4 個、趣味では 2.0 個であった。
表 27
用途別購入個数
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
930
1.6
1.5
家具組立・修繕
683
1.3
0.88
生活用品組立・修繕
809
1.4
1.2
趣味
450
2.0
2.2
室外
352
1.4
1.3
自動車
142
1.3
1.2
その他
444
1.3
1.3
購入店舗について検討すると、ホームセンターでの購入が最も多く、内装では 74%、家
具組立・修繕では 72%、生活用品組立・修繕では 8%、趣味では 64%であった。また、100
円ショップが 17.6~34.2%であり、ホームセンターに次いで大きな寄与を示した。一方、小
売店・専門店の寄与は少なかった。
73
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
保管場所について、屋内(居室、押入・クローゼット、床下収納や納戸、その他屋内)、
屋外(庭、ベランダ、物置やガレージ)
、不定・不明(決まっていない、わからない)にわ
け集計したところ、室内保管は趣味以外の項目では 40%以下であった。個別では、居室が
最も多く、次に押入・クローゼットであった。
図 44
用途別の保管場所
[使用]
この[使用]では、
「購入し、使用した」および「購入しなかったが使用した」と回答し
たモニターを対象として実施し、その数は 1,072 人であった。
使用製品の用途(複数回答)は、室内に限定した調査であったことから、生活用品の組
立・修繕(81.4%)が最も多く、次に内装(78.4%)、家具の組立・修繕(74.9%)となる。
複数回答の結果、一人の回答者が平均 3.64 用途に接着剤を使用したと考える。
74
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 45
用途別の使用者割合
総回答数を 100 として接着剤種別で集計したところ、室内は水性接着剤と瞬間接着剤の
割合が高い。
図 46
用途別の塗料種別
75
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
作業回数について検討すると、趣味を除き年間作業回数が 4 回以下の寄与が 75%であっ
た。平均的には内装では 3.3 回/年、家具組立・修繕では 2.6 回/年、生活用品組立・修繕
では 2.9 回/年、趣味では 5.7 回/年であった。なお、選択肢について課題が認められ、3、
5 回の回答数に比べ 4 回の回答数が少なかった。
「3~4 回」を設けるなどの選択肢に関して
工夫が必要であったものと思われる。
表 28
用途別作業回数
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
840
3.3
3.9
家具組立・修繕
803
2.6
3.0
生活用品組立・修繕
873
2.9
3.1
趣味
519
5.7
6.5
室外
385
2.0
2.9
その他
486
2.6
3.4
製品の一日あたりの作業時間について検討すると、2~10 分にピークがあり、平均的には
内装では 22 分、家具組立・修繕では 23 分、生活用品組立・修繕では 20 分、趣味では 51
分であった。
表 29
製品の用途別一日あたりの作業時間(分)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
840
22
57
家具組立・修繕
803
23
29
生活用品組立・修繕
873
20
40
趣味
519
51
74
室外
385
45
66
その他
486
28
62
最長作業期間について検討すると、1 日までで 80~90%の寄与があり、平均的には内装
では 1.3 日、家具組立・修繕では 1.1 日、生活用品組立・修繕では 1.1 日、趣味では 2.1 日
であったが、内装では 69%、家具組立・修繕では 76%、生活用品組立・修繕では 78%、趣
味では 60%が最長作業期間 1 日であった。
76
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 30
用途別最長作業期間(日)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
925
1.3
2.6
家具組立・修繕
750
1.1
1.4
生活用品組立・修繕
674
1.1
1.6
趣味
488
2.1
4.1
室外
532
1.3
2.6
その他
453
1.2
2.3
一年あたりの使用量について検討すると、平均的には内装では 180 mL、家具組立・修繕
では 1,400 mL、生活用品組立・修繕では 590 mL、趣味では 390 mL であった。なお、使
用量が不明と回答したモニターが多数存在し、約 30%を占めた。使用量に関する設問・選
択肢については検討が必要である。
表 31
用途別使用量(mL)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
270
180
960
家具組立・修繕
260
1400
22000
生活用品組立・修繕
293
590
8800
趣味
173
560
5700
室外
96
390
36000
その他
134
202
1300
平均値としては少し高いことから、年間使用量が 10L 以上の回答を除いた集計も実施し
た。内装では 130 mL、家具組立・修繕では 81 mL、生活用品組立・修繕では 77 mL、趣
味では 120 mL であった。なお、外れ値の設定によっては平均値が変化する可能性があり、
外れ値について詳細な検討が必要である。
77
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 32
年間使用量 10L 以上を除いた用途別使用量(mL)
用途
回答者
算術平均
標準偏差
内装
269
130
340
家具組立・修繕
259
81
1300
生活用品組立・修繕
292
77
680
趣味
172
120
530
室外
95
250
3600
その他
133
91
260
保護手段、手袋・マスクの着用、窓・換気扇・その他換気の使用について検討したとこ
ろ、最も多いのは窓で「使用した」
、
「ときどき使用した」を合わせると 24%であり、次に
手袋の 18%、換気扇の 13%と続く。大部分の使用者が保護手段を用いないことが分かる。
図 47
塗装作業時の保護手段
3.2.2.6. 暴露係数の決定
年間使用回数、年間使用量とモニター属性との関連性を検討した。モニター属性として
は「リフォーム」、「電動工具の所有」、「住宅の建て方」、「住宅の所有の関係」、「住宅の築
年数」
、
「モニターの年齢」とした。なお、「リフォーム」、
「電動工具の所有」
、「住宅の建て
方」
、
「住宅の所有の関係」は半定量的な変数として設定した。
78
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[塗料]
塗料の使用回数とモニター属性との関連性を検討したところ、リフォームとの相関係数
が 0.26 と最も高く、以降電動工具の所有との相関係数 0.24 であったが、いずれも相関係数
としては低い値であった。また、塗料の使用量とモニター属性との関連性を検討したが、
相関係数 0.1 を超える項目はなった。なお、使用回数と使用量の間にも相関関係は認められ
なかった。
[接着剤]
接着剤の使用回数とモニター属性との関連性を検討したところ、リフォームとの相関係
数が 0.31 と最も高く、以降電動工具の所有との相関係数 0.27 であったが、いずれも相関係
数としては低い値であった。また、接着剤の使用量とモニター属性との関連性を検討した
が、相関係数 0.1 を超える項目はなった。なお、使用回数と使用量の間にも相関関係は認め
られなかった。
表 33
年間使用回数、年間使用量とモニター属性との関連性を検討結果(相関係数)
項目
塗料
接着剤
使用回数
使用量
使用回数
使用量
リフォーム
0.26
0.039
0.32
0.092
電動工具の所有
0.24
0.045
0.27
0.028
0.024
0.031
-0.0022
0.024
住宅の所有の関係
-0.021
0.037
0.00073
0.019
住宅の築年数
-0.066
-0.064
0.00059
0.044
モニターの年齢
-0.098
-0.075
0.0024
0.029
住宅の建て方
次にアンケート結果から暴露係数を算出し、以下の表にまとめた。
79
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 34
暴露係数
項目
単位
3.1
23.0
内装
%
2.6
18
家具
%
2.1
17
生活用品
%
1.9
19
趣味
%
1.4
11
%
37
10
内装
%
31
8.5
家具
%
31
5.8
生活用品
%
32
10
趣味
%
46
21
回
4.4±4.5
4.7±4.9
内装
回
3.1±4.1
3.3±3.9
家具
回
2.5±3.2
2.6±3.0
生活用品
回
2.5±3.5
2.9±3.1
趣味
回
5.9±7.1
5.7±6.5
分
68±150
34±47
内装
分
83±160
22±57
家具
分
57±120
22±29
生活用品
分
45±71
20±40
趣味
分
91±210
51±72
mL
1,300±3,800
110±830
内装
mL
1,700±3,500
130±340
家具
mL
1,200±4,100
81±1,300
生活用品
mL
1,000±4,200
77±680
趣味
mL
1,300±4,200
120±530
手袋
%
57
18
マスク
%
36
6.8
窓
%
69
25
換気扇
%
41
14
溶剤製品の割合
用途別
年間使用回数
1回あたりの時間
用途別
年間使用量
用途別
保護手段の使用率
接着剤
%
行為者率
用途別
塗料
80
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
3.3.
室内濃度推定モデルのプロトタイプモデルの作成
室内で一般消費者が化学物質暴露によって受ける様々な影響(SHS・MCS 等)を評価し、
適切に管理することに資するため、非定常の室内空気質モデル、発生源モデルおよびイン
ターフェイスなどを統合し、室内濃度の時間変化と世帯分布が再現できるよう、プロトタ
イプモデルの開発を実施した。本調査事業では、これまで開発を行ってきた iAIR の改良を
行うことで、調査事業の目的の達成を図った。改良のベースとなる iAIR は世帯分布の推定
機能、ユーザーインターフェイス、データベースを備えているが、濃度時間変化の推定機
能を持っていない。そこで、iAIR に濃度時間変化の推定機能を追加することで、本調査事
業の要求内容を実現した。以下詳細について記述する。
3.3.1. 既存モデル
既存の室内濃度推定ツールについて概略を示す。
81
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
ソフト
European Union System for the Evaluation of Substances(EUSES)
http://ecb.jrc.it/Euses/
概要
吸入、経皮、経口の暴露評価が実施可能なスクリーニングモデル。室
内濃度推定は定常を仮定したボックスモデルが用いられている。また
評価には旧バージョンの ConsExpo も使用可能である。
パラメータ
製品量、製品の使用頻度、化学物質の含有率、化学物質の物性や部屋
の容積、換気回数などの数値が必要である。データベース等は準備さ
れていない。
放散速度推定
定常
インターフェイス
備考
吸着や気中分解には対応せず。
82
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
ソフト
ConsExpo 4.1
http://www.rivm.nl/en/healthanddisease/productsafety/ConsExpo.jsp
概要
RIVM によって開発された消費者製品を対象とするモデル。室内濃度の
推定だけでなく、吸入、経皮、経口経由の摂取量も推定可能である。
対象製品は消費者製品(非食物)である。室内濃度推定は非定常のボッ
クスモデルが用いられている。
パラメータ
暴露経路の共通のパラメータとして、製品の使用頻度、ヒトの体重、製
品量または製品中化学物質含有率が必要となる。吸入暴露(すなわち室
内)の評価には暴露期間、部屋の容積、換気回数の情報を設定する必要
がある。追加的に揮発性有機化合物の吸入評価には、適用期間、放散面
積、物質移動速度や製品の平均分子量、またスプレーの吸入評価にはス
プレー時間、部屋の高さ、放出速度、密度や粒子の分布等が必要である。
暴露シナリオのデータベースが搭載されており、シナリオの選択によっ
て上記のパラメータの大部分のデフォルト値が設定される。
確率密度関数を設定することも可能であるが、デフォルト値は用意され
ていない。
放散速度推定
瞬時拡散、定常、蒸発、スプレー
インターフェイス
備考
吸着や気中分解には対応せず。パラメータの確率分布を考慮可能。
83
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
ソフト
Exposure and Fate Assessment Screening Tool(E-FAST) v2.0
http://www.epa.gov/opptintr/exposure/pubs/efastdl.htm
概要
米国の EPA によってスクリーニングを目的に開発されたモデル。大
気、水域に排出された化学物質による暴露、一般的なヒトへの吸入や
飲料水と魚の摂食による暴露を想定している。この中の一つのモジュ
ールとして消費者製品の使用に伴う吸入・経皮暴露の評価が可能。室
内濃度推定は非定常のボックスモデルを用いている。
パラメータ
化学物質含有率、化学物質の蒸気圧や分子量が必要ある。他のパラメ
ータは、シナリオの選択(洗浄剤、塗料、繊維保護、固形芳香剤、石
けん、廃油)により使用頻度、製品量、使用期間、換気回数、暴露期
間、体重などのデフォルト値が入力される。
放散速度推定
一次減衰、二重一次減衰、蒸発
インターフェイス
備考
使用時の生活行動と使用製品の状況などについて 1 時間ごとの入力が
可能である。
84
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
ソフト
Wall Paint Exposure Model(WPEM) v3.2
http://www.epa.gov/oppt/exposure/pubs/wpemdl.htm
概要
米国の EPA によって開発された塗料からの暴露を推定するモデルで、
ブラシ等を使用して塗られたペンキから消費者がどの程度暴露するか
を推定する。室内濃度推定は非定常のボックスモデルを用いている。
パラメータ
住居の種類,塗布面積,換気回数,塗布表面形状,塗料量,塗布期間、
塗料の種類、化学物質の種類を選択が可能で、塗布期間以外はデフォ
ルト値を搭載している。
放散速度推定
一次減衰モデル(パラメータ推定機能を含む)
インターフェイス
備考
吸着モデルの選択が可能。
85
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
ソフト
Multi-Chamber Concentration and Exposure Model(MCCEM) v1.2
http://www.epa.gov/oppt/exposure/pubs/mccemdl.htm
概要
米国の EPA によって開発された建て方別の化学物質の室内濃度の平均
値とピーク濃度を推定するモデルで吸入暴露評価に用いる。室内濃度
推定は非定常のボックスモデルを用いている。デフォルトでは家、ア
パート、タウンハウスのみを推定可能であるが、ユーザーがデータを
準備することで他の室内にも適用可能である。
パラメータ
建物、解析時間、放散源の場所、放散開始時間、放散終了時間、放散
速度係数、吸着速度、生活行動、呼吸率を設定する必要があり、ユー
ザーが入力を行う。建物に関してはデータベースを持ちデフォルト値
を入力できる。
放散速度推定
定常、一次減衰、二重一次減衰
インターフェイス
備考
複数発生源(最大4つ)
、複数の部屋を設定可能。吸着モデルの選択が
可能。モンテカルロ法による放散速度と吸着係数の評価が可能。
以下に一覧としてまとめた。
86
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
表 35
既存の室内濃度推定ツールの一覧
ツール名
EUSES
v2.1
室内モデル
完全混合
定常状態
発生源
製品
放散モデル
定常
瞬間
定常
ConsExpo
v4.1
完全混合
非定常状態
製品
揮発
スプレー
E-FAST
v2.0
WPEM
v3.2
MCCEM
v1.2
22
完全混合
非定常状態
完全混合
非定常状態
(吸着モデル)
最大 4 ゾーン
完全混合
非定常状態
(吸着モデル)
クリーナー
ラッテクス塗料
一次減衰、二重一次減衰
アルキド塗料
ラッテクス塗料
一次減衰
製品(複数)
定常、一次減衰、二重一
次減衰
必要なデータ
製品使用量、製品中の物質重量比、部屋の容積、
日平均暴露発生回数、暴露時間
製品量、製品中の物質重量比、分子量、蒸気圧、
部屋の容積、換気回数、暴露時間
製品量、製品中の物質重量比、放散時間、部屋
の容積、換気回数、暴露時間
使用量、製品中の物質重量比、分子量、蒸気圧、
使用時間、放散面積、放散時間、部屋の容積、
換気回数
スプレー製品量、スプレー時間、不揮発性成分
比率、大気中浮遊比率、部屋の容積と高さ、換
気回数、暴露時間
製品使用量、製品中の物質重量比、分子量、蒸
気圧、部屋の容積、換気回数、暴露頻度、暴露
時間、生活行動 等
塗料中の物質重量比、塗装面、塗装回数、塗装
時間、分子量、蒸気圧、建物の種類と容積、塗
装空間、換気回数
放散量、初期放散量、製品量、減衰定数、吸着
面積、吸着速度、住居の種類、ゾーン容積,ゾ
ーン間換気量、ゾーンごとの活動時間、呼吸率
SHS の場合、○:適用可能、×:適用不可、MCS の場合、○:適用可能、△:適用可能な場合がある、×:適用不可
87
適用性等22
SHS:×
MCS:×
SHS:○
MCS:×
SHS:○
MCS:×
SHS:○
MCS:×
SHS:○
MCS:×
SHS:○
MCS:×
SHS:○
MCS:×
SHS:○
MCS:△
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
SHS への適用には室内および発生源の非定常モデルが必要である。加えて非定常時の精
度を高める上で、吸着の考慮が必要と思われる。またユーザーの使い勝手を考慮すると、
既存モデルでは十分ではない化学物質、製品、住環境のデータベースを搭載すべきと考え
られた。非定常モデルおよび吸着モデルの有効性について次項で検討した。
3.3.2. 室内濃度推定モデルと発生源モデルの非定常化
改良のベースとなる iAIR の室内濃度推定モデル(計算パラメータは床面積、換気回数、
吸脱着、室外濃度、気中分解、放散速度など)は定常ボックスモデルであることから、時
間変化を推定するために非定常状態を扱える室内濃度推定モデルを作成した。また、発生
源モデルは、iAIR の発生源モデルに瞬時拡散モデルを加え、さらに二重一次減衰モデルを
追加した。なお、複数製品を放散源として計算可能なモデルの開発が求められているが、
iAIR は最大約 60,000 の放散源から室内濃度を計算することが可能であり、プロトタイプモ
デルには iAIR の仕組みを適用した。以上によって、E-FAST、ConsExpo4.1 や MCCEM
以上の機能を持つ室内濃度推定モデル及び発生源モデルとし、本調査・開発事業の目標を
達成した。
3.3.2.1. 定常モデルと非定常モデルの使用方法に関する考察
従来の定常モデルと、新規に開発を予定している非定常モデルによる室内濃度の推定結
果の比較を実施によって暴露シナリオ別のモデルの有効性を検討し、非定常モデルが必要
な暴露シナリオについて考察した。
表 36
推定条件
非定常モデル
モデル式
印刷インキ
接着剤
𝑉
使用量
𝑑𝐶
= 𝐸𝐹 − 𝑛𝑉𝐶
𝑑𝑡
1.77×10-5 kg/頁
定常モデル
𝐶=
𝐸𝐹
𝑛𝑉
同左
溶剤含有率
32%
同左
トルエン含有率
14%
同左
残存率
2&
同左
使用量
166 g/回
同左
溶剤含有率
4.2%
同左
トルエン含有率
24%
同左
残存率
100%
同左
88
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
以下の3つのシナリオを検討した。
表 37
検討シナリオ
項目
シナリオ
雑誌の購入1
週刊誌に使用された印刷インキに含まれるトルエンの一部が雑誌表面で一部残存し、
消費者の雑誌購入および持ち帰りにより、トルエンが一般住宅に持ち込まれるとした
シナリオを設定した。
雑誌:400 頁/冊
雑誌の購入2
購入:週に一度
破棄:購入日から4週後
週刊誌に使用された印刷インキに含まれるトルエンの一部が雑誌表面で一部残存し、
消費者の雑誌購入および持ち帰りにより、トルエンが一般住宅に持ち込まれるとした
シナリオを設定した。
雑誌:400 頁/冊
接着剤の使用
購入:1~28 冊/月
破棄:別表の確率分布
接着剤に含まれるトルエンの一部が雑誌表面で一部残存し、消費者の雑誌購入および
持ち帰りにより、トルエンが一般住宅に持ち込まれるとしたシナリオを設定した。
使用:1~12 回/年
表 38
使用間隔:無作為
雑誌の破棄頻度に関するアンケート調査
破棄頻度
割合
週に一度
1.9%
2~3 週に一度
5.3%
月に一度
18%
2~3 ヶ月に一度
6 ヶ月に一度
年に一度
それ以上の間隔
11.6%
7%
4.6%
3.5%
出典:
(独)産業技術総合研究所と(独)製品評価技術基盤機構 2010
【雑誌の購入1】
非定常モデルと定常モデルの結果を比較すると、非定常モデルの推定最大濃度は定常モ
デルの推定濃度の 0.65~1.5 倍の範囲であった。
89
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 48
雑誌購入シナリオ1による非定常モデルと定常モデルの濃度推定結果
【雑誌の購入2】
購入頻度別に非定常モデルと定常モデルを用いて推定した。破棄頻度として確率分布を
採用したことから 10,000 回の無作為抽出で破棄期間を設定した。以下の図は 28 冊/月の
購入頻度における結果の一例である。
図 49
雑誌購入シナリオ2による非定常モデルと定常モデルの濃度推定結果の一例(28
冊/月)
以下の図に示したように購入頻度が低いと、非定常モデルの推定最大濃度は定常モデル
の推定濃度の 3.5 倍となった。雑誌の購入頻度が低く、実際の暴露シナリオでは、定常モデ
ルは 1/2 倍程度の過小評価となる可能性が高いと考えられた。
90
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 50
雑誌購入シナリオ2による非定常モデルと定常モデルの推定値の比較
【接着剤の使用】
非定常モデルの推定最大濃度は室内環境指針値(260 μg/m3)を超える場合があり、また
使用頻度が低いと定常モデルの推定濃度の 300 倍以上となった。実環境を想定した場合、
約 100 倍の差が認められる可能性があると推定された。
91
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 51
接着剤使用シナリオによる非定常モデルと定常モデルの推定値の比較
以上のことから、日常的に製品を購入する「雑誌の購入2」シナリオでは非定常モデル
の推定最大濃度は定常モデルの推定濃度の 2 倍となるがリスク評価結果には大きな影響を
及ぼさない一方で、使用頻度が低くかつ使用量が大きい「接着剤の使用」シナリオでは非
定常モデルの推定は定常モデルの推定の 100 倍となりリスク評価結果に重大な影響を及ぼ
すことが示唆された。消費者製品の室内への持ち込み当初に代表される、ごく短時間の高
濃度暴露による影響(例えば SHS)の評価には非定常モデルが必要であると思われる。
3.3.2.2. 吸着モデルに関する考察
既存モデルの室内濃度推定モデルはボックスモデルで統一されている。しかしながら、
吸着の取扱が異なり、一部のモデルにはパラメータとして含まれている。そこで、室内濃
度推定における吸着の寄与を検討し、吸着モデルの有無による推定精度の評価を実施した。
評価は、何らかの製品から蒸気圧(VP)3,000 Pa の物質 A が放散し、壁紙などの部屋表
面に吸着するとしたシナリオと同じ仮定で VP が 20 Pa の物質 B が放散するとしたシナリ
92
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
オの2つである23。なお、前者はトルエン、後者は 2-エチル-1-ヘキサノール(2E1H)を想
定している。
表 39
吸脱着に関するパラメータ
蒸気圧 VP
吸着速度 Ka
脱離係数 Kd
(Pa)
(m/h)
(1/h)
A
3,000
0.19
0.37
B
20
0.78
0.12
物質
Ka、Kd の推定式24は iAIR マニュアルより
推定の結果を以下に示す。蒸気圧が高いと吸着の寄与が小さく、最大値を比較すると吸
着なしモデルは 1.2 倍の過大評価あったものの、リスク評価結果には大きな影響を及ぼさな
いと考えられた。
図 52
吸着ありモデルと吸着なしモデルを用いた物質 A の室内濃度の推定結果
一方で蒸気圧が低いと吸着の寄与が大きく、最大値を比較すると吸着なしモデルは 2.4 倍
の過大評価であり、オーダーは異ならないものの、リスク評価結果に影響を及ぼすと考え
られた。
23
24
t 時の放散速度は𝐸𝐹𝑡 = 𝑀0 𝑘𝑒𝑥𝑝(−𝑘𝑡)として M0 を 100 mg/unit、k を 0.1 h-1 と仮定した。
ln𝐾𝑎 = −0.281ln𝑉𝑃 + 0.590、ln𝐾𝑒𝑞 = −0.569ln𝑉𝑃 + 3.568および𝐾𝑒𝑞 = 𝐾𝑎 ⁄𝐾𝑑
93
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
図 53
吸着ありモデルと吸着なしモデルを用いた物質 B の室内濃度の推定結果
物質 B よりもさらに蒸気圧が低い物質の場合、過大評価が大きくなり、推定精度が低下
することが考えられる。以上のことから SHS の評価のためには吸着モデルを採用すること
が精度の面から有効だと判断した。
3.3.2.3. 室内空気質モデルの開発
これまでの検討から iAIR をベースとして非定常の室内空気質モデルの開発を実施する。
iAIR に搭載しているモデル式は、
𝑉
𝑑𝐶
= ∑ 𝐸𝐹 + 𝑛𝑉𝐶𝑂 − 𝑛𝑉𝐶 − 𝐾𝑎 𝐶𝑆 − 𝐾1 𝑉𝐶
𝑑𝑡
を変形した式であり、この式に脱着項を追加した式が、
𝑉
𝑑𝐶
= ∑ 𝐸𝐹 + 𝑛𝑉𝐶𝑂 − 𝑛𝑉𝐶 − 𝐾𝑎 𝐶𝑆 + 𝐾𝑑 𝑀𝑆 − 𝐾1 𝑉𝐶
𝑑𝑡
である。この式を用いたモデルを開発した。
3.3.2.4. 発生源モデルの開発
iAIR では定常放散と一次減衰モデルを用いており、E-FAST や ConsExpo4.1 では、これ
に加え瞬時拡散などのモデルが用いられている。本事業では、iAIR の発生源モデルに瞬時
拡散モデルを加え、さらに二重一次減衰モデルを追加し、E-FAST や ConsExpo4.1 以上の
機能とする。
[瞬時拡散]
時間 Wt(min)の間に製品一定の割合 Wf(%/回)が放散するとしたモデルである。
94
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
EF 
W W f
Wt 60
t ≤ Wt
EF=0 t > Wt
EF は放散速度(kg/h)、W は製品重量(kg)、t は評価時間(h)である。
[一次減衰モデル]
放散速度が指数関数的に減少することを仮定した経験式であり、初期の放散速度の変化
には良く適合するが、長期に渡る放散を再現できないとの欠点を持つ。本事業では iAIR と
同一のモデルを採用する。
材料中の化学物質(Ms)が一次減衰すると仮定し、一次減衰定数を k とすると
dM s dt  kM s
となる。t = 0 の時、Ms=M0 を与えて上記の式を解くと、
M s  M 0 exp  k1t 
となる。放散した化学物質重量(R)は、
R  M0  Ms
 M 0  M 0 exp  k1t 
となり、t 時の発生源の放散速度を算出すると
EF  dR dt  M 0 k1 exp  k1t 
となる。
[二重一次減衰モデル]
放散速度が蒸散型と内部拡散型の二つから構成され、それぞれが指数関数的に減少する
ことを仮定した計算式であり、一次減衰モデルと比較して長期間の放散を再現することが
可能なモデルである。モデルは一次減衰モデルと同様の考え方で導出する。
EF  k 01 fM 0 exp  tk 01 f  k 02 1  f   k 02 1  f M 0 exp  tk 01 f  k 02 1  f 
f は放散速度のうち蒸散型の占める割合、k01 は蒸散型放散速度の減衰定数、k02 は内部拡
散型放散速度の減衰定数である。
3.3.3. 室内環境の世帯分布を推定する統計モデルの作成
室内濃度の世帯分布を推定可能な無償の室内暴露評価ツールは iAIR 以外に存在しない。
95
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iAIR は確率分布を扱うことができ、地方自治体別、地域別などの家屋情報などから計算パ
ラメータを作成することが可能な統計モデルである。プロトタイプモデルでは、iAIR の計
算エンジンを利用してモンテカルロ・シミュレーションによりパラメータの確率分布を再
現することを可能とし、本調査・開発事業の目標を達成した。
3.3.3.1. 推定対象
本事業では、室内濃度推定に重要な寄与を示す住宅の容積を推定対象とした。
3.3.3.2. 推定方法とその結果
開発のベースとした iAIR は建物建て方、延べ床面積、居室割合、居室数、居室面積など
の情報について、統計調査の結果から導出した経験分布をパラメータとしたモンテカル
ロ・サンプリング手法によるマイクロシミュレーションモデルを搭載している(
(独)産業
技術総合研究所 2012)。プロタイプモデルでは、iAIR のマイクロシミュレーションモデル
を利用した。以下にその内容について述べる。
建て方
床面積
居室割合
居室数
居室面積
住居の属性
図 54
住環境のマイクロシミュレーションモデルの概略
・住宅の建て方
住宅の建て方とは、戸建、長屋建、共同住宅などの種別のことである。iAIR では、総務
省統計局による「平成17年度国勢調査(以降、国勢調査)」
(2006、2007、2008)の住宅
の建て方別世帯数をもとに各自治体別の戸建、長屋建、共同住宅の割合を算出し、乱数を
用いて住宅の建て方を判定している。以下の図はモデルによる判定結果と、もととなった
統計値の比較結果である。モデルの結果に問題がないことから本事業では同様の推定モデ
ルを搭載した。
96
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住宅の建て方(総世帯に占める割合)
100%
戸建
長屋建
共同住宅
iAIR計算値
80%
60%
40%
20%
0%
0%
図 55
20%
40%
60%
統計値
80%
100%
住宅の建て方の自治体別割合の計算値と統計値の比較
・延べ床面積
住宅の延べ床面積のばらつきを表現するため、iAIR では、国勢調査の住居の建て方別延
べ床面積の階級別世帯数に対して、正規分布、対数正規分布、ワイブル分布の3分布の適
合性を検討し、推定誤差の最も少ない分布形状および係数を決定し、延べ床面積を決定し
ている。検証として、計算した延べ床面積の自治体別平均値と総務省統計局(2005)によ
る平成 15 年住宅・土地統計調査(以降、住宅・土地統計調査)の延べ床面積の自治体別平
均値の比較を行ったところ、統計値に対して計算値は概ねファクター2 以内(1/2~2 倍)
であった。
97
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2
住宅の床面積(m /世帯)
300
戸建
長屋建
共同住宅
iAIR計算値
250
200
150
100
50
0
0
図 56
50
100
150 200
統計値
250
300
延べ床面積の自治体別平均値の計算値と統計値の比較
上図に示した延べ床面積の自治体別平均値の検証では延べ床面積のばらつきを検証でき
ないことから、全国の延べ床面積の階級別世帯数を算出し、その結果を、先述と同じ住宅・
土地統計調査の結果と比較した。この結果、計算値と統計値は概ね一致していると考えら
れた。モデルの結果に問題がないことから本事業では同様の推定モデルを搭載した。
図 57
全国の延べ床面積の階級別世帯数の計算値と統計値の比較
98
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・居室面積
延べ床面積は、居住空間以外の室内環境、たとえばトイレ、バスルーム、キッチンなど
の床面積を含む。ヒトの滞在時間が長い居住空間で化学物質への暴露が起こるとするなら
ば居室空間の化学物質濃度が暴露評価に必要である。iAIR では、住宅・土地統計調査の統
計情報に基づく経験分布関数から乱数によって居室の床面積に占める割合を決定している。
本事業では同様の推定モデルを搭載した。
・居室数
居室数の推定は、生活行動を考える上でも、室内濃度を算出するための床面積の推定の
上でも重要である。しかしながら居室数に関するデータが十分にあるとは言い難い。住宅・
土地統計調査の結果によると、延べ床面積の自治体別平均値と居室数の自治体別平均値の
間に正の相関関係が認められ、その関係は線形であった。iAIR では住宅・土地統計調査の
統計情報から乱数によって値を決定した。以下の図に計算値と統計値を比較した結果を示
した。この結果、計算値は統計値のファクター2(1/2~2 倍)以内であった。モデルの結
果に問題がないことから本事業では同様の推定モデルを搭載した。
住宅の居室数(室/世帯)
10
戸建
長屋建
共同住宅
iAIR計算値
8
6
4
2
0
0
図 58
2
4
6
統計値
8
10
居室数の自治体別平均値の計算値と統計値の比較
3.3.4. インターフェイスとデータベースの作成
ユーザーの利便性向上を目的として、iAIR では、インターフェイスをはじめ、計算パラ
99
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メータの推定機能、製品などの項目に関してデフォルト値設定機能を持つ。iAIR の持つ化
学物質に関連する計算パラメータのうち吸着係数・一次減衰定数・粒子吸着係数について、
物理化学的性質(例えば蒸気圧など)から値を推定する機能を、本事業において開発のプ
ロトタイプモデルにも搭載した。また、iAIR と同等の専門家でなくとも運用可能なユーザ
ーインターフェイス、計算に必要な製品・住宅などのデータベースをプロトタイプモデル
へ追加し、ユーザーの利便性を確保した。これに計算パラメータ表示・出力機能を追加し、
本調査・開発事業の目標を達成した。以下に概略について述べる。
3.3.4.1. ツールの構成
ツールはインターフェイス部、計算部、データベースから構成され、初期画面の選択に
よって3つの計算が可能な仕様である。
図 59
プロトタイプモデルの概要
v0.3 は個別家庭を対象としたバージョンで、製品の導入(イベント)に関してはユーザ
ー自身が入力する使用で、一つのイベントしか計算ができないが、時間変化の推定が可能
である。v0.4 は v0.3 のイベントが乱数で制御されたもので、住宅情報などの数値をユーザ
ーが設定すると、計算が可能となる。この計算で得られるのは、最高濃度の分布、閾値の
超過時間の分布等である。一方で v0.5 は地域を選択することで個別世帯に関する情報を推
定するモデルを搭載しており、地域全体を求める計算が可能である。v0.5 がすでに開発さ
れている iAIR と同等の住宅情報の推定能力を持つ、非定常版のモデルとなる。
100
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「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
なお、全てのバージョンにおいて化学物質に関しては iAIR と全く同じ推定機能を搭載し
ており、吸着係数・一次減衰定数・粒子吸着係数について、物理化学的性質(例えば蒸気
圧など)から値を推定可能である。
非定常化に伴う入力画面、計算パラメータ表示、出力画面の開発を行った。以下に画面
の一例を示す。
図 60
モデル選択画面
101
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図 61
計算パラメータ入力・表示画面
図 62
計算結果の表示画面
102
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3.3.4.2. データベースの作成
アンケート結果によるデータについてまとめ、塗料、接着剤の使用頻度、使用量のデー
タをプロトタイプツールのデータベースに追加した。また、それ以外の項目については iAIR
と同等のデータベースをプロトタイプモデルに搭載した。したがって、化学物質は約 100
物質のデータがあらかじめ準備されており、住宅情報に関しても全国の市町村別データを
持っている。
103
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4.
まとめ
(1)室内濃度に関する情報収集・測定及び室内濃度推定のためのアルゴリズムの作成(室
内濃度推定のモデル化に関する情報収集)
1)
【製品中での化学物質の生成・分解に関する情報収集とモデル化】
製品部材中(例えば本棚やタンスなどの木工製品の部材中)での化学物質の生成・分解
に関する文献調査を行い、製品部材中の化学物質の生成・分解を考慮したアルゴリズムを
作成した。特に、接着剤中の脱ホルムアルデヒド反応、木材中のアセトアルデヒド生成、
樹脂材料中可塑剤であるフタル酸ジ-2-エチルヘキシルの分解および分解物である 2-エチル
-1-ヘキサノールの生成について検討した。その結果、反応アルゴリズムとしては、フタル
酸ジ-2-エチルヘキシルの分解に関しては水分含量を考慮した1次反応モデル、ホルムアル
デヒドの生成に関しては湿度条件を考慮した定常モデル、アセトアルデヒドの生成につい
ては酵素反応モデル(ミカエリス・メンテン式)の適用が可能と考えられ、本調査・開発
事業の目標を達成した。
2)
【換気回数の測定】
室間換気やクローゼット・押し入れなどの小空間における換気状況を検討するため、延
べ 6 軒の住居において 1 軒当たり 12 点の換気状況測定(換気回数など)を実施した。換気
回数は住宅周辺の環境、生活行動だけでなく、室外の風速、室内外温度差によって変動す
る。これらのことから、同一住宅において異なる時期に2回の測定を行った。換気回数の
測定には二酸化炭素(CO2)を利用した JIS A1406 の減少法を用いた。また、一般家庭に
おける測定時の安全性に配慮して、高圧ボンベを用いない CO2 の発生方法を利用するもの
とした。同時に居住者に対して目的、方法、安全性などの説明を行い、十分な同意を得た
上で測定を実施した。取得した換気回数データと住環境因子との関連性について相関関係
の検討を行い、さらに重回帰分析を実施し、小空間に関する換気回数推定のための簡易モ
デルを作成した。それに加えて、モデル化の検討として、これまでに実施した住環境と換
気状況に関するアンケート調査の結果をまとめ、簡易モデルのパラメータについての情報
を整理し、本調査・開発事業の目標を達成した。
(2)製品情報の収集
A)
【流通商品調査】
一般消費者用として市場に流通している商品の種類や化学物質含有率に関する情報を収
集した。製品は家庭用塗料、家庭用接着剤、住宅用クリーナー、住宅用ワックス、芳香消
臭剤、防虫剤、殺虫剤、シャンプー、洗濯用洗剤、トイレ用クリーナー、バス用クリーナ
ー、台所用洗剤、ガラス用クリーナーの全14種類とした。14製品の実際に市販されて
いる商品リストを主として販売時点情報管理(POS)システム情報に基づき作成し、あわ
せて量的な情報も収集した。さらにその内容物についての情報を、公開情報に基づき集約
104
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をはかり、本調査・開発事業の目標を達成した。
B)
【塗料および接着剤の購入・使用に関する調査】
前項で調査した製品のうち塗料及び接着剤に着目し、消費者の購入に関する行動の情報、
それらの使用状況や生活行動パターンに係る情報を収集した。本調査事業では、回答の精
度向上のために、製品(塗料と接着剤)×調査項目(購入行動と使用状況)の4カテゴリ
ーに分けて回答項目が比較的少ないアンケートを実施した。購入行動に関する調査は、塗
料・接着剤の購入頻度(普及率)
、種類(化学物質含有量)、用途、製品形状、購入者の属
性、所有数などの20項目(以降に示した基礎項目を含む)について約 1,000 人のアンケ
ートを実施した。使用状況に関する調査は、使用頻度(行為者率)、使用量、使用時間、換
気の有無、使用場所など28項目(以降に示した基礎項目を含む)について約 1,000 人の
アンケート調査を実施した。また、各アンケート調査において、基礎項目、例えば住宅の
建て方、世帯主との関係、世帯での回答者の役割、日曜大工の経験などの基礎的な項目も
同時に取得した。これらの情報をもとに、製品の使用行動と一般的な属性(個人)との関
連性について検討を行い、データベースに追加することでデフォルト値設定の基礎データ
とした。以上のように本調査・開発事業の目標を達成した。
(3)室内濃度推定モデルのプロトタイプモデルの作成
室内で一般消費者が化学物質暴露によって受ける様々な影響(SHS・MCS 等)を評価し、
適切に管理することに資するため、非定常の室内空気質モデル、発生源モデルおよびイン
ターフェイスなどを統合し、室内濃度の時間変化と世帯分布が再現できるよう、プロトタ
イプモデルの開発を実施した。本調査・開発事業では、これまで開発を行ってきた iAIR の
改良を行うことで、本調査・開発事業の目標の達成を図った。改良のベースとなる iAIR は
世帯分布の推定機能、ユーザーインターフェイス、データベースを備えているが、濃度時
間変化の推定機能を持っていない。そこで、iAIR に濃度時間変化の推定機能を追加した。
1)
【室内濃度推定モデルと発生源モデルの非定常化】
改良のベースとなる iAIR の室内濃度推定モデル(計算パラメータは床面積、換気回数、
吸脱着、室外濃度、気中分解、放散速度など)は定常ボックスモデルであることから、時
間変化を推定するために非定常状態を扱える室内濃度推定モデルを作成した。また、発生
源モデルは、iAIR の発生源モデルに瞬時拡散モデルを加え、さらに二重一次減衰モデルを
追加した。なお、複数製品を放散源として計算可能なモデルの開発が求められているが、
iAIR は最大約 60,000 の放散源から室内濃度を計算することが可能であり、プロトタイプモ
デルには iAIR の仕組みを適用した。以上によって、E-FAST、ConsExpo4.1 や MCCEM
以上の機能を持つ室内濃度推定モデル及び発生源モデルとし、本調査・開発事業の目標を
達成した。
105
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2)
【室内環境の世帯分布を推定する統計モデルの作成】
室内濃度の世帯分布を推定可能な無償の室内暴露評価ツールは iAIR 以外に存在しない。
iAIR は確率分布を扱うことができ、地方自治体別、地域別などの家屋情報などから計算パ
ラメータを作成することが可能な統計モデルである。プロトタイプモデルでは、iAIR の計
算エンジンを利用してモンテカルロ・シミュレーションによりパラメータの確率分布を再
現することを可能とし、本調査・開発事業の目標を達成した。
3)
【インターフェイスとデータベースの作成】
ユーザーの利便性向上を目的として、iAIR では、インターフェイスをはじめ、計算パラ
メータの推定機能、製品などの項目に関してデフォルト値設定機能を持つ。iAIR の持つ化
学物質に関連する計算パラメータのうち吸着係数・一次減衰定数・粒子吸着係数について、
物理化学的性質(例えば蒸気圧など)から値を推定する機能を、本事業において開発のプ
ロトタイプモデルにも搭載した。また、iAIR と同等の専門家でなくとも運用可能なユーザ
ーインターフェイス、計算に必要な製品・住宅などのデータベースをプロトタイプモデル
へ追加し、ユーザーの利便性を確保した。これに計算パラメータの入力画面および室内濃
度の時系列変化など非定常モデルの計算によって得られる結果の表示・出力機能を追加し、
本調査・開発事業の目標を達成した。
(4)今後の課題
今後、SHS 等の評価のためのツール開発には、
・換気回数の測定および換気回数推定モデルの開発
・暴露係数(普及率、行為者率、使用回数、使用量)の収集のためのアンケート調査
・暴露評価に必要な対象空間の情報の推定モデルの開発
・製品からの化学物質放散速度に関する情報収集(試験を含む)
などが必要であると思われる。
106
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5.
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平成24年度環境対応技術開発等
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「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
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.
110
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
6.
付録
6.1.
塗料・接着剤の購入・使用に関するアンケート調査の設問リスト
ここで示す画像は、アンケートの設問について、ウェブサイトに掲示した順を追って示
したものである。
<塗料に関するアンケート>
111
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 6 用途について
同様な設問がある
112
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 6 用途について
同様な設問がある
この他 6 用途について
同様な設問がある
113
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 6 用途について
同様な設問がある
この他 6 用途について
同様な設問がある
114
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
115
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
116
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
117
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
118
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について同様な設問がある
この他 5 用途について同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
119
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
120
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
家族が所有している工具に
ついても同様な設問がある
121
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
122
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
123
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
124
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
<接着剤に関するアンケート>
125
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 6 用途について
同様な設問がある
126
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 6 用途について
同様な設問がある
この他 6 用途について
同様な設問がある
127
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 6 用途について
同様な設問がある
この他 6 用途について
同様な設問がある
128
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
129
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
130
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
131
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他 5 用途について
同様な設問がある
132
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
この他
この他 5
5 用途について
用途について
同様な設問がある
同様な設問がある
133
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
この他 5 用途について
同様な設問がある
134
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
家族が所有している工具に
ついても同様な設問がある
135
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
136
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
137
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
138
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
6.2.
アンケート結果
6.2.1. スクリーニング
塗料・接着剤の購入・使用者を選択するために、スクリーニング調査を実施した。
実施期間:2013/1/28~2013/02/04
依頼数:111797
有効回答数:52262(回収率 46.7%)
回答時間:0:01:01(中央値)
Q1
購入・使用の有無
139
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q2
購入商品の使用場所
Q3
使用場所
140
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
6.2.2. 塗料
調査票タイトル
Q1
塗料に関するアンケート
調査期間
2013/02/12 ~ 2013/02/14
調査区分
本調査
依頼数
1575 s
調査依頼した対象者数です。
有効回答数
1177 s
集計対象とする有効回答の対象者数です。
回収率
74.7 %
(有効回答数/依頼数)
回答時間中央値
00:08:45
回答時間平均値
00:23:54
有効回答者の回答時間をソートした時、中央に位
置する値です。(時:分:秒)
有効回答者が回答完了までに要した時間の平均
値です。(時:分:秒)
購入・使用の有無
141
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[購入]
Q2
使用予定用途と製品タイプ
Q3
購入頻度
142
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q4
購入個数
Q5
購入店舗
143
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q6
製品の保管場所
[使用]
Q7
使用用途と製品タイプ
144
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q8
使用回数
Q9
使用時間
145
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q10 最長作業時間
146
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q11
使用量
使用量が不明のモニター割合
使用量の単位
147
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
使用量
Q12 保護具の使用(手袋)
148
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q13 保護具の使用(マスク)
Q14 換気の状況(窓)
149
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q15 換気の状況(換気扇)
Q16 換気の状況(その他)
150
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q17 作業後の滞在場所
151
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q18 製品の廃棄
廃棄頻度の決まっていないモニターの割合
製品の廃棄頻度
152
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q19 主たる使用者の確認
[モニター属性]
Q20 リフォーム
153
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q21 電動工具
Q22 住宅の建て方と構造
154
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q23 住宅の所有の関係
Q24 住宅の床面積
単位
155
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
床面積
Q25 住宅の築年数
156
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q26 世帯主の確認
Q27 世帯主との関係
157
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q28 性別
Q29 年齢
158
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q30 居住地
Q31 婚姻
159
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q32 同居人数(本人も含む)
Q33 世帯年収
160
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
6.2.3. 接着剤
調査票タイトル
Q1
接着剤に関するアンケート
調査期間
2013/02/12 ~ 2013/02/14
調査区分
本調査
依頼数
1694 s
調査依頼した対象者数です。
有効回答数
1107 s
集計対象とする有効回答の対象者数です。
回収率
65.3 %
(有効回答数/依頼数)
回答時間中央値
00:09:09
回答時間平均値
00:27:00
有効回答者の回答時間をソートした時、中央に位
置する値です。(時:分:秒)
有効回答者が回答完了までに要した時間の平均
値です。(時:分:秒)
購入・使用の有無
161
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[購入]
Q2
使用予定用途と製品タイプ
Q3
購入頻度
162
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q4
購入個数
Q5
購入店舗
163
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q6
製品の保管場所
[使用]
Q7
使用用途と製品タイプ
164
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q8
使用回数
Q9
使用時間
165
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q10 最長作業時間
166
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q11
使用量
使用量が不明のモニターの割合
使用量の単位
167
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
使用量
Q12 保護具の使用(手袋)
168
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q13 保護具の使用(マスク)
Q14 換気の状況(窓)
169
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q15 換気の状況(換気扇)
Q16 換気の状況(その他)
170
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q17 作業後の滞在場所
Q18 製品の廃棄
171
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
廃棄頻度の決まっていないモニターの割合
Q19 主たる使用者である確認
172
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
[モニター属性]
Q20 リフォーム
Q21 電動工具
173
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q22 住宅の建て方と構造
Q23 住宅の所有の関係
174
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q24 住宅の床面積
単位
床面積
175
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q25 住宅の築年数
Q26 世帯主の確認
176
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q27 世帯主との関係
Q28 性別
177
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q29 年齢
Q30 居住地
178
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q31 婚姻
Q32 同居人数(本人も含む)
179
平成24年度環境対応技術開発等
「室内環境における消費者製品に含まれる化学物質の管理手法の開発」成果報告書
Q33 世帯年収
180
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