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Master's Thesis / 修士論文
固体基板上を展開する界面活性剤溶液のフ
ィンガリング現象
吉田, 有志
三重大学, 2007.
三重大学大学院工学研究科博士前期課程分子素材工学専攻
http://hdl.handle.net/10076/9009
,.:
:i'It-∴
・こ.享..≡さ \、∴
.:
軽部溶液
のブィンガ,tiジグ哉象
平成旦8年慶
三富東学東学鑑三革新党静
博士前栽罷馨分子褒顧二学尊教
国
有
志
固体基板上を展開する界面活性剤溶液
のフィンガリング現象
平成18年度
三重大学大学院工学研究科
博士前期課程 分子素材工学専攻
吉田 有志
三重大学大学院
工学研究科
目次
第一章
序論
1
第二章
実験
5
5
2-1試料
2-2
装置
6
2-3
光源の最適化
6
2-3・1透過光
6
2・3・2
落射光
6
2・3・3
反射光(D
7
2・3・4反射光②
7
2-4
恒湿槽の設計
7
2-5
相対湿度(RH)の調節
8
2-6
基板の洗浄
8
2-7
基板の選択
8
2・8
表面張力測定
9
2-9
粘度測定
9
2-10溶液の展開の観察
第三章
10
結果と考察
20
3-1光源の最適化
20
3-1-1透過光
20
3-1-2
落射光
20
3・113
反射光(丑
20
3-1・4
反射光②
21
A-.車人芋大J羊院
I-.学研究村
3・2
基板の選択
21
3・3
表面張力測定
37
3・4
粘度測定
41
3-5
溶液の展開の観察
47
3-5-1溶液の濃度とRHによる展開のパターンの変化
47
3-5-2
不安定な系における展開の時間発展の比較
71
3-5・3
展開の速度と溶液の表面張力及び粘度の関係
86
第四章
結論
90
今後の展望
91
参考文献
92
謝辞
93
:.車人'?I:人下院
1'.J';I:研究科
1
第一章
序論
固体基板上を展開する界面活性剤溶液の接触線が形成する不安定化の研究は、
比較的歴史が浅く、
1981年にMarmurらによって最初に報告された(1)。彼らは
濃度を臨界ミセル濃度(critical
micelle
concentration
:
cmc)付近で様々に変
化させたアニオン性、ノニオン性,及びカチオン性の界面活性剤の水溶液を乾
いたソーダ石灰ガラス基板に滴下し,その展開の様子を観察した。この研究で、
彼らはアニオン性の界面活性剤であるスルホコハク酸ジー2-エチルヘキシルナト
リウム(AerosolOT:AOT)を用いたときに、濃度がcmc以下のときは均一な
円形状に展開していくのに対し、
cmc以上の濃度ではフィンガーと呼ばれる指
状のパターンを形成しながら不安定化することを報告した。
同様の研究をTroianらも行っている(2)。彼らもMarmurらの研究でフィンガ
ーが観察されたAOT水溶液を用いているが、
皮(Relative
Humidity
:
Marmurらが基板の周囲の相対湿
RH)を45-50%で固定して実験を行ったのに対し、
彼らはRHをコントロールすることが可能な箱の中で実験を行い、基板の周囲
のRHを様々に変化させた。これにより基板表面に0.1から1.Opmの水の膜を
形成させた。この研究により、彼らは完全に乾いた基板上では不安定化せず、
逆に水の膜の厚みによっては、
cmc以上の濃度でもそれ以下の濃度でも不安定
化するということを発見した。このことから、基板表面の水の膜と界面張力の
勾配が不安定化の必要十分条件で、つまりはMarangoni効果が不安定化のメカ
ニズムの駆動力であると提案している。
多くの研究者が水溶液を用いた研究を行っている中で、
:.車人芋人学院
l'.I?I:研究科
Cazabatらは界面活
2
性剤にノニオン性のPolyoxyetbylene
10 Lauryl
Ether
(C12EIO)を、溶媒にエ
チレングリコールを用いて、この溶液がシリコン基板上を展開するときの不安
定化に関する研究を行った(3)。この研究において彼らは基板の周囲のRHを変化
させ、また、溶液の濃度をcmc付近で変化させて、図1・1に示すように安定な
広がりと不安定な広がりの分岐を調査した。また、溶液の表面張力測定や粘度
測定を行い、これらの関係と溶液の展開についての考察を行っている。
本研究はこのCazabatらの研究を参考に、炭素鎖の数が違うノニオン性の界
面活性剤Polyoxyetbylene
10
Stearyl
Ether
(C18EIO)のエチレングリコール溶
液を用いて研究を行った。不安定化の研究は本研究室でも多くなされており、
例えば、
Hele-Shawセルと呼ばれる透明な二枚の板をわずかな隙間を空けて固
定したセル中に高粘性の流体(油、高分子溶液など)を注入し、この流体中に
さらに低粘性の流体(空気、水など)を注入したとき、これら2流体の界面は
指状の様々なパターンの得られるヴィスコスフィンガリングと呼ばれるこの現
象は本研究室で多くの研究がなされ、たくさんの論文も発表されている(4)・(7)。ま
た、別の不安定化の研究としては、液体中を上昇する泡のダイナミクスを調査
している。この研究では、
Hele-Shawセル中に水や高分子溶液といった液体を
満たし、その中を上昇する泡のダイナミクスを泡のサイズ、液体の温度、溶液
の濃度などを変化させ,それによる泡の上昇速度、形、振幅など-の影響を調
査しており、こちらも本研究室で多くの研究がなされてきた(8)・(ll)。一方、本研
究である固体基板上を展開する液滴の不安定化の調査は、本研究室では初めて
の試みであり、そのノウ-ウはほとんどなかった。そのため、まずは液滴の観
察を行うための実験系を確立することから始めた。第一に、液滴を観察するに
当たって鮮明な画像を得ることは極めて重要であり、そのためには照明を工夫
する必要があったので、この検討から行った。次に、本実験では液滴の周囲の
二FT7.:人'、j・':人Jl;I:院
IJ_苧研究科
3
相対湿度を一定にする必要があるので、照明や内部での実験のしやすさなどを
考慮した新しい恒湿槽を設計した。そして、液滴を滴下する基板の選択は液滴
の正確な展開の画像を得て、正しい測定を行うのに重要であるので数種類の基
板を用いて実験を行い、最も適当であると考えられる基板を選択した。
これらの実験系の確立を行った上で、実際に液滴の観察を行い、これらの展
開の様子を溶液の濃度や相対湿度、そして表面張力や粘度といったパラメータ
ーに関連付けて検討を行ったので報告する。
二車大J、羊人'?: I;;t
T-./、l::研'JJt]i
fll・
剖
>
-、三
〉丁
-,三
・さT
r.1I
-、三
三
\_こ
「亡
二こ
0.01
C★
=濃度(c)/臨界ミセル濃度(cmc)
A
図1-1 C12EIOエチレングリコール溶液の分岐図
5
第二章
実験
2-1試料
界面活性剤
・
・
・
Etber
(C12EIO)
Polyoxyetbylene
10
Lauryl
Polyoxyethylene
10
Stearyl
Etber
(C18EIO)
Polyoxyetbylene
20
Stearyl
Etber
(C18E20)
(SIGMA社)
化学構造式を図2-1に示す。各試料は、再結晶及び減圧蒸留による精製を試
みたが、いずれの方法も上手く精製することはできなかった。そこで精製は断
念し、どの試料もそのまま用いることとした。
cH31cH2jJocH2CH2TjTOH
m=12、
n=10、
図2-1
CmEn界面活性剤の構造式
溶媒
・
Etbyleneglycol
(アミノ酸自動分析計用、ナカライテスク社)
特に精製は行わずそのまま用いた。
・脱イオン水
純水製造装置(Elix
5、
MILLIPORE社)により精製したものを、さらに超
二.T7.:人芋人苧院
卜芋LTA)r・光村
18
20
6
純水製造装置(Milli-QAcademic・AIO、
MILLIPORE社)で精製し使用した。
基板
・ソーダ石灰ガラス
・クラウンガラス
・石英ガラス
装置
2-2
CCDカメラ(TI-24ACCD
・
・顕微鏡(STM5・UM、
Du
・
NEC社)
OLYMPUS社)
Notiy表面張力試験器(株式会社伊藤製作所)
Rbeometer
・
CAMERA、
MCR300
(Paar Physica社)
光源の最適化
2・3
本研究において、液滴の観察に用いる光源を検討することは鮮明な画像を得、
さらには正確な測定を行う上でとりわけ重要である。そのため、本研究では初
めに幾つかの光源を試みて光源の最適化を行った。
2-3-1
透過光
実験系の概略図を図212に示す。高周波の蛍光灯を基板の下に置き、基板の
下側から光を照射した。そして基板に脱イオン水を滴下して上方からCCDカメ
ラを用いて液滴の観察を行った。
2-3-2
落射光
実験系の概略図を図2・3に示す。基板に脱イオン水を滴下して、上方からス
:_
J-.′ui:
LT-)r-究fこト
ET7..L人Jll・':人`、i,I:院
7
ポットライトを用いて光を照射した。これを上方からCCDカメラを用いて観察
した。
2-313
反射光(事
実験系の概略図を図214に示す。この系では透過光と同様に光源である高周
波の蛍光灯の上に基板を設置するが、このとき光が基板を透過しないように基
板の下にフィルターを置く。そして、上方にダンボ-ルにアルミホイルを均質
に貼った反射板を設置し、これに反射させた光で基板上の試料を照射した。尚、
反射板には穴が開いており、この穴からCCDカメラのレンズを出すことによっ
て上方から観察を行った。
2・3・4
反射光②
実験系の概略図を図2-5に示す。光源であるスポットライトを側方に置き、
基板とカメラの間に設置したプラスチック製の透明な反射板に光を照射して光
を下向きに反射させることによって、観察方向と光の照射方向が同じになるよ
うにした。
恒湿槽の設計
2・4
本実験では測定時の相対湿度を様々に変化させる必要があるので、新たに恒
湿槽を設計した。設計図の写しを図2-6-2・8に示す。この恒湿槽は2・3で検討
した光源を用いることができ、さらに中で作業をするのに十分な広さがある一
方で、次に説明するように、塩水を用いて湿度を調節するのに大きすぎないサ
イズになるように設計している。また、中での作業が容易に行えるようにグロ
ーブが取り付けてあり、また、グローブに手を出し入れしても内圧が変化しな
:_
L-.J'l-I:
1T-)r・光村
tT7._-大一、j,'二人J、il'二院
8
いように、後方の窓にビニール袋を取り付けた。素材は全面アクリル製で、実
験の様子が外部から観察しやすく、また、反射板を中に入れれば光源は外に設
置できるという特徴がある。
相対湿度(RH)の調節
2-5
湿度の調節には塩の飽和水溶液を用いる塩水法を用いた(12)(13)。用いた塩と調
節できるRHを表1・1に示す。これらの飽和水溶液をシャーレに25mL入れた
ものを二組作り、恒湿槽中に静置することで恒湿槽中のRHをコントロールし
た。
表1-1.用いる塩と調製される相対湿度
塩の種類
調節される相対湿度(%)
溶解魔(g/100mL、25○C)
塩化マグネシウム
32.78土0.16
55.2
臭化ナトリウム
57.57土0.40
94.5
塩化ナトリウム
75.29土0.12
35.9
硫酸カリウム
97.30土0.45
12.0
基板の洗浄
2-6
水洗いした基板を50倍に希釈した無リン系の洗剤(SCAT
20Ⅹ-PF、第一工
業製薬株式会社)に一晩以上浸した。その後流水で3時間以上すすぎ、さらに
脱イオン水で表面を流した。そして、窒素ガスを吹き付けて乾燥を行った。
2-7
基板の選択
ソーダ石灰ガラス、クラウンガラス、石英ガラスの三種類から、本実験を行
:.
1-.J、アニ研究科
・T・.:大'?-'人'l-i:-'院
9
うのに適した基板の選定を行った。最初にそれぞれの基板にC18E20エチレング
リコール溶液を滴下し、その広がり方を調査した。次に、基板表面の顕微鏡観
察を行い、基板表面の様子を観察した。
表面張力測定
2・8
Du
Noiiy表面張力試験器を用いて表面張力測定を行った。初めに脱イオン水
の測定を行い、この値が文献値(14)である71.8mN/mになるように装置を校正
した。その後、エチレングリコール及び濃度を変化させたC12EIOエチレングリ
C18EIOエチレングリコール溶液(C18EIO・EG)の測
コール溶液(C12EIO・EG)、
定を行った。各測定は3回ずつ行い、その平均値を表面張力の値とした。測定
した濃度は以下のとおり。尚、測定温度は全て25oCで行った。
C12EIO-EG:
1.25、
C18EIO・EG:
0.069、
2.5、
5、
0.1、
10、
0.138、
20、
25、
0.25、
50、及び100mM
0.5、
0.69、
0.75、
1、
1.25、
2.5、及び
5mM
粘度測定
2-9
エチレングリコール及び下に示した濃度のサンプルにおいて、レオメーター
を用いて定常流測定により粘度の測定を行った。プレートは直径75mm、角度
loのコーンプレート(CP75・1)を用い,ギャップは0.05mmで行った。また、
測定温度は25oCで行った。せん断速度は1000、
35、
20、
10、
6、
3.5、
2、
1、
0.6、
600、
350、
:
1.25、
C18EIO-EG
:
0.069、
2.5、
25、及び50mM
0.138、
0.25、
100、
0.35s・1の順に各1分間ずつ連続測定を行っ
た。尚、どのサンプルにおいても,この1分の間に定常値を取った。
C12EIO-EG
200、
0.5、
二車人`、;::人J?'二院
0.69、
1.38、及び2.76mM
I-.′、j,I:
bL)rL
'先村
60、
10
2-10溶液の展開の観察
装置の概略図及び写真を図2・9、
2-10に示す。恒湿槽中にCCDカメラ、ガラ
RH調節用のシャーレ及びサンプルを入れ蓋をし、その後の操
ス基板、反射板、
作はグローブを通して外部から行った。サンプルの基板-の滴下はマイクロピ
ッペットで行った。光源は装置の外部から照射し、内部の反射板で反射させる
ことによりサンプルを照射した。観察は上方からCCDカメラを使って行い、ビ
デオテープに録画した。この動画をコンピューターに取り込み、画像解析ソフ
ト(Cosmos32、株式会社ライブラリー)を用いて画像解析を行った。観察を行
55、
RHは35、
った濃度は以下の通り。尚、
75、及び95%で行い、実験温度は
25oCで行った。
C12EIO-EG
:
1.25、
C18EIO・EG
:
0.069、
2.5、
25、及び50mM
0.138、
0.25、
0.5、
0.69、
1.38、及び2.76mM
・-.
FJJ'E I-.J、j・':研一光村
・T;.:人一-;::人J、;::
き1
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図2・2透過光による観察の概略図
負
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>
L-、己
ヽ
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L-、三
宝
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図2-3落射光による観察の概略図
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図2-4反射光①による観察の概略図
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宮子
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図2-5反射光②による観察の概略図
15
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図2-6恒湿槽の設計図(部品1)
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[T7:人′、;;:人ノ、j,'二院
16
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ア液、L象r3ミ.
図2-7恒湿槽の設計図(部品2)
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灘
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蛸
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蛸
鷲
雑
翠
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7}u'
図2・8恒湿槽の設計図(組み立て図)
図2-9実験装置の概略図
′ー
′
7t■
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図2-10実験装置の写真
20
第三章
結果と考察
3-1光源の最適化
3-1-1透過光
透過光で観察した脱イオン水の画像を図3・1に示す。赤い丸で示した部分に
試料があるが、基板と試料のコントラストが非常に悪く,どこに試料があるの
かほとんどわからない状態である。この為、本研究においては透過光による観
察は不適切であると判断し、その他の光源を模索することにした。
3-1-2
落射光
落射光で観察した脱イオン水の画像を図3・2に示す。赤い丸で示した部分に
試料がある。尚、下に見える目盛りは基板の下に置いた定規の目盛りである。
透過光で観察したものと比較すると、基板との試料との接触線が多少は観察で
きるようになった。しかしながら、光が当たっていないほうのコントラストは
良いものの、光が当たっている側のコントラストは依然として悪く、また試料
に光源が映りこんでしまっているのが観察される。これらの事から、光源は落
射光をベースに改良を行うこととした。
311-3
反射光Q)
反射光①で観察した脱イオン水の画像を図3・3に示す。反射板を用いたこと
により上方から試料を均等に照射することができたので場所によるコントラス
トの偏りや光源の映りこみは無くなった。しかしながら、基板と試料の接触線
:_
!;)こ 1-_'、j:・'研究村
・T7.:人'、j-'二人J、j-':
21
は、認識はできるものの、ぼやけていてはっきりと観察することはできない。
その為、さらに別の方法を検討することにした。
3・1・4
反射光②
反射光②で観察した脱イオン水の画像を図3-4に示す。基板とCCDカメラの
間に反射板を置くことにより観察する方向と光軸が同一になり、かなり良いコ
ントラストを得ることができた。また、この方法であれば反射板さえ基板とカ
メラの間に設置できれば、光源自体は離した場所におくことができるので、恒
湿槽の設計を行う点でも有利であった。その為、本研究の実験系における光源
にはこの方法を採用することとした。
基板の選択
3-2
本研究を進めていくにあたり、基板には当初は一般的に用いられている光学
ガラスであるクラウンガラスを用いていた。しかしながら、実験を進めていく
うちに図3-5に示すような異方性が発生することがわかった。この原因として、
いくつかのことが考えられたので、一つずつ検討を行った。
①ステージの傾斜
第一の原因として、ステージが傾斜しているということが考えられた。これ
を確認するために次のような実験を行った。
もしステージが傾斜しているならば,ステージにどのような向きに基板を設
置しても、基板の向きに関係なく同じ方向に異方性が現われるはずである。よ
って、ステージに設置する基板の方向を変化させて溶液の展開する方向を確認
した。この様子を図3・6に示す。図からわかるように、異方性は基板の向きに
I.
,T7_:人'?二人芋lちこ J1.学研光村
22
沿って発生している。従って、異方性はステージの傾きではなく基板表面の何
らかの影響によって発生していると判断した。
②洗浄時の洗剤の残存
基板の洗浄方法は実験項に記載したとおりだが、流水で基板をすすぐ過程に
おいて、本研究では図3-7
(左)のように基板をビーカーに立て、底の方から流
水を流すことで洗浄している。もしも基板表面に洗剤が残存していることによ
り異方性が発生しているなら、図3・7
(右)のように基板を倒して洗浄すること
により異方性の方向が変化すると考えられる。この方法で洗浄した基板を用い
て観察した画像を図3-8に示す。図からわかるように異方性の方向は変化しな
かった。従って、異方性は洗剤が基板表面に残存しているためではないと判断
した。
③基板自体に異方性がある
①及び②の検討から異方性はステージの傾きや残存する洗剤によるものでは
ないということがわかった。そこで、この異方性は基板が元来持っている異方
性によるものではないかと考えた。しかしながら、ガラスは本来非晶質であり、
ガラス自体が異方性を持っているとは考えにくい。おそらく、ガラスの製造工
程で基板表面にわずかな異方性が生じているのではないかと考えられる。通常
の使用では全く問題の無いこのわずかな異方性にフィンガーは敏感に応答し、
パターンとなって現われるのではないだろうか。本題からはそれるが、この原
理を用いればガラス表面の異方性のチェックができると考えられる。
しかしながら、本実験では異方性の発生するガラスは正確な測定ができない
ので用いることができない。そこで、次に異方性の発生しないガラスを検討す
:_垂人`'j:二人ノi・':院 1-_'、i,I:
LT-)F
I')t村
23
ることにした。
(a)ソーダ石灰ガラス
最初に、安価であり身近に使われているソーダ石灰ガラスを基板として試し
た。図3・9に展開の様子を示した。図からわかるように異方性が発生した。興
味深いことはクラウンガラスとは90o違う方向に異方性が発生したことである。
これは、両者の製造工程がわずかに違っていることに起因するのではないかと
推測できる。
さらに、この基板表面の様子を調査するために顕微鏡観察を行った。その顕
微鏡画像を図3110に示す。赤い丸で示したように所々に小さな傷があることが
観察された。このような傷があるとフィンガーは図3-11に示したように傷を避
けるように展開していく。このような要因があると正しい測定ができないので
基板としては不適切である。
以上のことから、ソーダ石灰ガラスは本研究に用いる基板として不適切であ
ると判断した。
(b)石英ガラス
ガラスの中で最も純度が高い石英ガラスを基板として試した。図3・12にこの
基板上を展開する溶液の様子を示す。図からわかるように他のガラスと違い特
別な異方性は現われなかった。さらにソーダ石灰ガラスと同様に基板表面の顕
微鏡観察を行ったところ、図3-13に示すように細かい傷は観察されず、非常に
きれいな状態であることが確認された。
以上のことから、本研究に用いる基板には石英ガラスを用いることとした。
:_有人芋人学院
I-_学研究村
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図311透過光を用いて観察した脱イオン水の様子
-・J?
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亀
毒
・・・\、.、、奉
毒
筆
図3-2落射光を用いて観察した脱イオン水の様子
筆
董
重
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書
1mm
図3-3反射板(彰を用いて観察した脱イオン水の様子
1mm
図3-4反射板②を用いて観察した脱イオン水の様子
亡1
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L:. :
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2mm
図3-5液滴の展開における異方性の様子
●-、
賢、
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基板の設置方向
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図3・6基板の設置方向を変化させたときの展開の様子
(左)斜め向き, (右)横向きにそれぞれ基板を設置したとき
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図3-7洗浄方法の比較(左)従来の洗浄方法、
(右)基板を倒しての洗浄方法
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園3-8横向きに洗浄した基板を用いての展開の様子
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図3・9ソーダ石灰ガラス基板上を展開する溶液の様子
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図3・1 0ソーダ石灰ガラス基板表面の顕微鏡観察画像
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図3-11基板の傷の影響を受けたフィンガーの様子
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園3-1 2石英ガラス基板上を展開する溶液の様子
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図3-13石英ガラス基板表面の顕微鏡観察画像
37
表面張力測定
3・3
本研究における展開の駆動力は表面張力の勾配により不安定化が生じる
Marangoni効果であるので、・試料の表面張力を知っておくことは重要である。
また、
cmcの文献値が無いC18EIO-EGでは、
cmcを求めるためにも表面張力の
値が必要である。そのためDuNoiiy表面張力試験器を用いて測定を行った。結
果を表3-1に示す。また、
3-14に、
C12EIO・EGにおける濃度対表面張力のプロットを図
C18EIO-EGのプロットを図3・15にそれぞれ示す。尚、横軸は濃度の対
数としてプロットした。この結果を元に図3-16のようにC18EIO-EGのcmcを
求めた。まず、表面張力が減少していく領域で近似線を引く。さらに表面張力
が一定になった領域で直線を引き、この交点の濃度をcmcとした。この結果、
C18EIO-EGのcmcを1.38mMと決定した。一方、
C12EIO-EGのcmcは文献値(3)
より25mMと決定した。これ以降の濃度表記にはcmcを元にc★
-濃度(c)
/cmcと定義し、用いることとする。すなわち、cmcの2倍の濃度であれば2c★、
cmcの1/10倍の濃度であればo.1c★と表記する。
表3-1表面張力測定結果
溶液の種類
C12E10-EG
濃度(mM)
表面張力(mN/m)
1.25
46.5
2.5
42.9
5
38.4
lコ
10
34.2
lコ
20
33.8
l′
25
34.0
′l
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34.1
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図3・14 C12El。-EGにおける濃度対表面張力のプロット
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図3-15 C18El。-EGにおける濃度対表面張力のプロット
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CmC
-3
-2
Log
(c)
図3-16 cmcの決定方法
41
表3・1表面張力測定結果(続き)
溶液の種類
表面張力(mN/m)
濃度(mM)
C12E10-EG
100
34.1
C18E10-EG
0.069
48.6
0.1
48.4
E]
0.138
47.3
lコ
0.25
45.2
0.5
41.4
0.69
39.4
0.75
39.1
′′
′′
l′
lコ
lコ
1
′′
′′
l′
38.1
1.25
38.0
2.5
37.0
5
37.1
49.0
エチレングリコール
粘度測定
3-4
Marangoni効果が溶液の展開の駆動力である一方、溶液の粘度は展開を阻害
する原因になると考えられる。その為、各濃度における粘度測定を行った。
C12EIO-EGの粘度測定結果を図3-17に、
にそれぞれ示す。また、
C18EIO・EGの粘度測定結果を図3・18
C18EIO-EGの低濃度部分を拡大したものを図3・19に示
す。 C12EIO-EGではエチレングリコールと比較して、
0.05c★では粘度の減少が見
られたものの、その他の濃度ではわずかに上昇するという結果となった。一方、
C18EIO-EGではc★以下の濃度で粘度のわずかな減少が見られた。逆にc★以上の
:.
ETl.:人Jtj::人J?I:院 1-.J、;,':研究科
42
濃度では粘度の上昇が見られた。これはcmc以上の濃度では溶液中にミセルが
形成されたことによると考えられる。しかしながら、
c★以上の濃度ではせん断速
度が低くなるにつれて粘度の上昇が見られた。このため、
c★以上の二つの濃度に
関しては粘度を決定することができなかった。
これらの結果から、値のばらつきの少ない1000、
600、
350、
200、及び100s-1
の値を平均したものを各濃度の溶液の粘度として用いることとした。表3・3に
その値を示す。
表3・3各溶液における粘度の値
溶液の種類
濃度(c')
C12E10-EG
粘度(Pa.s)
0.05
1.42×10
2
lコ
0.1
1.56×10
2
lコ
1
1.55×10
2
2
1.58×10-2
′l
C18E10-EG
0.05
l′
′′
E]
′l
1.55×10
2
0.1
1.51×10一2
0.18
1.52×10ー2
0.36
1.49×10ー2
0.5
1.48×10t2
1.54×10
エチレングリコール
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100
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図3-17 C12El.1EGの粘度測定結果(○=0.05c'、
102
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(s
103
1)
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◇=c'、
×
:2c'、 ▲=EG)
0.035
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100
Shear
図3-18
102
101
rate
(s
C18El。-EGの粘度測定結果(○:0.05c★、口:0.1c★、
+:0.5c'、
I:c*,
●:2c'、鬼:EG)
103
1)
◇:0.18c★、 × :0.36c★、
0.02
0.018
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0.012
0.01
100
101
Shear
102
rate
(s
図3・19 C18El.-EGの粘度測定結果(○:0.05c'、ロ=0.1c'、
+:0.5c'、盈:EG)
103
1)
◇=0.18c'、
×
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図3-20安定な広がり(左)と不安定な広がり(右)の例
47
3・5
溶液の展開の観察
3・5・1溶液の濃度とRHによる展開のパターンの変化
固体基板上を展開する溶液は、濃度やRHを変化させることにより図3・20に
示すような安定な広がりを示す系と不安定な広がりを示す系に分岐する。表3-2
及び3・3にC12EIO・EGとC18E101EGの液滴の状態を示す.
表3・2 CIBE10・EGにおける濃度及びRHを変化させたときの液滴の状態
35%RE
75%RH
95%RH
安定
安定
安定
不安定
0.1c*
安定
安定
不安定
不安定
c★
安定
不安定
不安定
不安定
2c★
安定
不安定
不安定
不安定
0.05c*
表3・3
55%RE
C18EIO・EGにおける濃度及びRHを変化させたときの液滴の状態
35%RH
55%RH
75%RH
95%RH
0.05c★
安定
安定
安定
安定
0.1c★
安定
安定
安定
安定
0.18c*
安定
安定
安定
不安定
0.36c*
安定
不安定
不安定
不安定
0.5c★
安定
不安定
不安定
不安定
亡◆
安定
不安定
不安定
不安定
2c★
安定
不安定
不安定
不安定
これらの結果から,
35%RHでは試料や濃度に関係なく安定な広がりを示すこと
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I
・'/巾:人′、;:
]三脚111L-:千.l
48
がわかった。また、濃度やRHが高いほど不安定性が起こりやすいという結果
となった。この中から不安定を示したものに関して、その時間発展の様子を図
3・21-3-42に示す。
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滴下1秒後
10秒後
30秒後
20秒後
図3-21
C12El。-EGのc★、
55%RHにおける時間発展の様子
40秒後
滴下1秒後
5秒後
10秒後
20秒後
30秒後
40秒後
図3-22 C12EIO-EGの2c★、
55%RHにおける時間発展の様子
滴下1秒後
5秒後
20秒後
10秒後
40秒後
図3-23
C12EIO-EGの0.1c★、
75%RHにおける時間発展の様子
2mm
滴下1秒後
5秒後
10秒後
20秒後
30秒後
40秒後
図3-24
C12EIO-EGのc★、
75%RHにおける時間発展の様子
ーー】
○
2mm
滴下1秒後
5秒後
10秒後
20秒後
30秒後
40秒後
図3-25 C12El。-EGの2c★、
75%RHにおける時間発展の様子
2mm
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滴下1秒後
5秒後
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30秒後
図3-26
C12El.-EGの0.05c'、
95%RHにおける時間発展の様子
40秒後
2mm
滴下1秒後
5秒後
10秒後
20秒後
30秒後
40秒後
園3-27 C12El。-EGの0.1c★、
95%RHにおける時間発展の様子
2mm
20秒後
図3・28
C12E灯EGのc★、
5秒後
10秒後
30秒後
40秒後
95%RHにおける時間発展の様子
2mm
滴下1秒後
5秒後
10秒後
20秒後
30秒後
40秒後
図3-29 C12E灯EGの2c★、
95%RHにおける時間発展の様子
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5秒後
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図3-30
C18El.1EGの0.36c'、
55%RHにおける時間発展の様子
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55%RHにおける時間発展の様子
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55%RHにおける時間発展の様子
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国3-33 C18El。-EGの2c★、
55%RHにおける時間発展の様子
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図3-34
C18EIO-∈Gの0.36c★、
75%RHにおける時間発展の様子
40秒後
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図3・35 C18El。-EGの0.5c★、
75%RHにおける時間発展の様子
40秒後
2mm
滴下1秒後
5秒後
30秒後
図3-36
C18E灯EGのc★,
75%RHにおける時間発展の様子
10秒後
40秒後
2mm
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滴下1秒後
5秒後
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20秒後
30秒後
40秒後
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園3-37 C18El。-EGの2c★、
75%RHにおける時間発展の様子
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8c'、 95%RHにおける時間発展の様子
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図3-39 C18El。-EGの0.36c★、
40秒後
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図3・40 C18El。-EGの0・5c★、
95%RHにおける時間発展の様子
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95%RHにおける時間発展の様子
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C18E灯EGの2c★、
95%RHにおける時間発展の様子
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図3■2
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71
3・5・2
不安定な系における展開の時間発展の比較
不安定化が発生したものに関して、画像解析を行い展開の時間発展の比較を
行った。解析方法は、まず図3-43のように任意の3本のフィンガーを選び,そ
れぞれ中心から先端までの長さを求めた。そして、これらの値の平均値を液滴
の半径Lと定義した。尚、各時間において選択する3本のフィンガーは、全て
同じものになるようにした。また、フィンガーの発生する直前のLをLoと定義
し、時間に対してL2-Lo2のプロットを行った。これを各RHについてそれぞれ
行った。
C12EIO-EGのプロットを図3-44-3・46に、
C18El。-EGのプロットを図3・47
-3-49にそれぞれ示す。このプロットは時間に対する液滴の面積の変化を示し
ているので、その傾きは液滴の展開速度であると考えることができる。この傾
きを比較すると濃度がc★のときに展開速度が最も早くなるという傾向が得られ
た。これは、
c★よりも低い濃度のときは界面活性剤濃度が低いために界面張力の
勾配が′トさく、従って展開の駆動力であるMarangoni効果が十分に得られない
ので展開速度が遅くなると考えられる。一方、
c★よりも高い濃度ではMarangoni
効果は十分に得られるものの、溶液中にミセルが形成されることによって溶液
の粘度が上昇し、これにより展開が阻害されるものと考えられる。これらに関
する考察は次項で詳しく行う。
一方、図3-50-3・55に濃度を固定してRHを変化させたときのプロットを示
した。どの試料及び濃度においてもRHが高いほど展開速度が速くなるという
結果となった。これは、
RHが高いほど基板表面に存在する水の膜の厚みが大き
くなり、試料との界面張力の勾配が大きくなるので、結果としてMarangoni効
果が大きくなったことによると考えられる。これは、序論で述べたTroianらの
結果を支持していると考えられる。
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図3■3液滴の解析方法
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図344
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70
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C12El.1EGにおける55%RHでの時間対L2-Lo2のプロット(○
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40
50
60
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C12El.-EGにおける75%RHでの時間対L2-L.2のプロット(◇
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(s)
C12EIO-EGにおける95%RHでの時間対L2-Lo2のプE)ツト(△
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30
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(s)
図3■7 C18EIO-EGにおける55%RHでの時間対L2-L。2のプロット(△
25
30
35
:0.36c★、 ◇ :0.5c★、 ○
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20
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30
(s)
図3-48 C18El.-EGにおける75%RHでの時間対L2-L.2のプロット(△
:0.36c',
◇:0.5c', ○
‥c',
□ :2c*)
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図349
30
(s)
C18El.1EGにおける95%RHでの時間対L2-L.2のプロット(
◇:0.5c'、 ○:c*、ロ:2c')
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△
:0.36c'、
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25
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C12EIO-EGにおける0.1c*での時間対L2-Lo2のプロット(□
:75%RH
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図3-51 C12El.-EGにおけるc'での時間対L2-L.2のプロット(◇
□:75%RH
)
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、○:95%RH
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(s)
図3-52 C12EIO-EGにおける2c'での時間対L2-Lo2のプロット(◇
□:75%RH
35
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25
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(s)
園3153 C18EIO-EGにおける0.36c'での時間対L2-L.2のプロット(◇
55%RH、ロ:75%RH
、
○:95%RH
)
40
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30
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35
(s)
図3154 C18El.-EGにおける0.5c'での時間対L2-Lo2のプロット(◇
□:75%RH
)
、○:95%RH
:
55%RH、
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図3-55 C18EIO-EGにおけるc★での時間対L2-L。2のプロット(◇
□:75%RH
)
、○:95%RH
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55%RH、
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(s)
国3-56 C18E灯EGにおける2c★での時間対L2-L。2のプロット(◇
□:75%RH
35
=
55%RH、
86
3・5-3
展開の速度と溶液の表面張力及び粘度の関係
溶液の展開速度と表面張力及び粘度の関係をCazabatらは次の式を用いて表
している(3)0
dr
s∝22Tヱ
q
ここで、
Sは展開速度、
の表面張力、
(1)
d(Log c*)
eは基板上の水の膜の厚み、
77は溶液の粘度、
γは溶績
c★は溶液の濃度である。 RHが一定であるとき、基板上の水の膜の
厚みは一定であるので、右辺の27teは一定と見なすことができる。従って、式
(1)は次のように表せる。
dr
1
∫-∝77 d(Log
つまり、
(2)
c*)
RHが一定ならば、展開速度は表面張力のプロットの勾配を粘度の値で
割ったものに比例すると見なすことができる。これを基に実際の液滴の展開速
度と表面張力及び粘度の対応関係を調査した。
展開速度は図3・44-3-49に示した面積と時間のプロットから傾きを計算し、
これを展開速度Sとして用いることとした。ただし、これらのプロットの中に
は傾きが線形にならず曲線を示すものがある。これらに関しては初期勾配をこ
の曲線の傾きであるとみなして、展開速度として用いた。
一方、
d†/dLogc★は図3-14、
3-15から決定した。本来ならばこれらのプロッ
トのフィッティングを行いそこから傾きを求めるべきであるが、フィッティン
グを行うのが困難であったので、傾きを求めたい濃度のプロットとその隣のプ
ロットの二点から傾きを求め、それを近似的にその濃度の傾きであるとした。
そして、求めた傾きを表3・3の粘度の値で割ることにより(d†/dLogcり/¶を決定
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1-.J1'i,::
fT')r・光村
87
した。
これらの方法で計算したC12EIO-EGの結果を図3-57に、
C18El。一EGの結果を
図3-58にそれぞれプロットした。それぞれ上のグラフには濃度に対する表面張
力と(d†/dLogcり/¶のプロットを、下のグラフには濃度に対する各RHでの展
開速度のプロットを示している。また上下のグラフの横軸のスケールは統一し
てあり、上下での比較が可能である。
(d†/dLogc') /Tlのプロットと展開速度のプロットを比較すると、前者は下に
凸なピークが、後者は上に凸なピークが現われることがわかった。そして、そ
れぞれのピーク位置は多少の誤差があるものの、ほぼ一致している。この関係
は式(2)に示した比例関係と一致している。これは、濃度による展開速度の違
いが溶液の界面張力と粘度に起因するということを証明している。一方、
RHを
変化させることは基板上の水の膜の厚さを変化させることになるので、式(1)
のeの値を変化させるのに等しい。ここで実際のプロットを見てみると、
変化させることにより確かに展開速度は増加するが、そのピーク位置には変化
が無い。つまり、基板上の水の膜の厚みを変化させることは展開速度に大きく
関わっているものの、濃度の変化による展開速度の変化には関与しないという
ことがわかった。
以上のようにCazabatらが提唱した式を用いることにより、溶液の展開速度
と界面張力、粘度の関係、さらに基板上の水の膜の厚みの影響を検討すること
ができた。
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プロットと(下)展開速度Sの濃度に対するプロット
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図3・58 C18EIOIEGにおける(上)γと(d†/dlogc')/Tlの濃度に対する
プロットと(下)展開速度Sの濃度に対するプロット
(△:55%RH、
□:75%RH、
○:9,5%RH)
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90
結論
第五章
本研究を行うための光源として最適なものを決定するためにいくつかの方
法を検討したところ、試料とCCDカメラの間に反射板を設置し、側方から
光を照射する方法が最も良いということがわかり、採用することとした。
検討した光源を用いることができ、さらに塩水法を用いることができるなど、
本研究を行うのに最適であると考えられる恒湿槽を設計した。
一般的な光学ガラスを用いて実験を進めたところ液滴の広がりに異方性が
見られたので、基板の検討を行った。その結果、石英ガラスを基板とするの
が最も良いということがわかった。
溶液の濃度とRHを種々に変化させて展開の様子を調査したところ、フィン
ガーの発生しない安定な系とフィンガーの発生する不安定な系に分かれる
ことがわかった。
濃度を変化させると、
cmcで最も展開速度は速くなり、それ以上の濃度でも
以下の濃度でも展開速度は遅くなるということがわかった。
RHを変化させると、
RHが高いほど展開速度は速くなるということがわか
った。
Cazabat
らが提唱した式を用いることにより、展開速度と溶液の界面張力、
粘度、さらに基板上の水の膜の厚み.の関係を検討することができた。その結
果、展開速度は界面張力と粘度を含んだ式に比例するということがわかった。
一方、基板上の膜の厚みは展開速度に関係するものの、濃度の変化による速
度の変化とは無関係であることがわかった。
:_竜人′、;I:人一'i::院 T-.J、f:研究村
91
今後の展望
本研究を実際に進めたことで、様々な展望が見えたので示す。
まず第一に基板を洗浄方法も含めて再検討するべきである。これは結果と考
察で示した展開の画像を見ればわかるが、基板に関して様々な検討を行ったに
もかかわらず,実際の画像では基板の影響を受けているのが確認される。それ
だけフィンガーは些細な影響も受けやすいともいえるが、より良い基板や洗浄
方法は必ず存在するはずである。これを見つけることが、より正確な測定を行
う上で重要であると考えられる。
次に、より多くのサンプルで測定を行うことが考えられる。本研究では実験
系を確立するのに多くの時間を費やしてしまったので二種類のサンプルでしか
実験を行うことができなかったが、多くのサンプルで実験を行うことによりた
くさんのデータを得、その中からサンプルの種類に依存しない共通の規則性を
見つけることができれば、溶液の展開というものをより深く理解できるはずで
ある。
また,本研究で見つかった異方性を研究するのも面白いと思われる。それは、
基板の種類によるものだけに関わらず、例えば基板に意図的に傷を付けたり、
基板に何かを塗布してみるといったことも考えられる。
以上のように、本研究によって様々な展望が広がったといえる。
・-.有人l';::人l、;'二院 1L.'、if二研Jj^=i科
92
参考文献
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-A_重大芋人草院
1977,
0(StandazTds.
l'D
TECHNIQUES
1A_苧研究科
81A,
Industry
OF
89
1948,
CHEMISTRY
25,
73
Vol.)I
93
謝辞
月日が経つのは早いもので、私が本研究室に配属されてから二年の歳月が流
れました。その間、有機素材化学研究室の皆様には特別なお取り計らいを頂き、
誠に有り難うございました。
川口正美教授は他所の研究室からやってきた私に、非常に興味深く、そして
やり甲斐のある研究テーマを与えてくださいました。そして、研究を通じて沢
山のことを教えて頂きました。それは界面科学やレオロジーといったことだけ
に留まらず、研究者としての心構えや物事の考え方など多岐にわたります。こ
れらは全て私の人生の宝です。そして、二年という短い間でしたが、先生に師
事できた事を誇りに思います。本当に有り難うございました。
樋口真弘助教授、野村伸志助手には研究に行き詰ったときに適切なアドバイ
スを頂きました。そして日常生活においては冗談を言い合ったりしてかわいが
って頂きました。心から感謝いたします。また、生意気な学生だったかもしれ
ませんがご容赦ください。
技術員の山本みどりさんには、日常生活においても研究においても面倒を見
ていただきました。研究が滞りなくスムーズに行えたのは山本さんのおかげで
す。また、私は研究テーマが近いこともあり様々なアドバイスを頂きました。
本当に有り難うございました。
M2のみんなは本当に良い仲間でした。初めて研究室に来たその日、本当はみ
んなと上手くやっていけるのか不安でした。でもそんなことは杷憂で、みんな
すぐに私を受け入れてくれました。どれ程嬉しかったことか。そして、みんな
:_重大早大苧院
I-.学研究科
94
がいたから二年間頑張ってこられたのだと思います。本当に有り難う。これか
らみんな別々の道に進むことになるけど、お互いに頑張ろう!そして、たまに
は酒でも飲みましょう!
Mlのみんなは有機素材においては私と同期だったね。なので、ちょっと頼り
ない先輩だったかもしれないけど、それでも先輩として頼ってくれたことは嬉
しく思ってます。また、みんなのサポートがあったから無事に研究できたのだ
と思います。本当に有り難う。これから、就職活動や研究と大変だろうけど頑
張ってください。
B4のみんなは一年という短い間だったけど、お世話になりました。特に金子
君には最後の追い上げのときに手伝ってもらって本当に助かりました。有り難
う。これから進学する人、就職する人様々だけど、みんなそれぞれの道で頑張
ってください。
最後に、私をここまで育て、そして幼稚園から数えると実に20年もの間教育
を受けさせてくれた両親に深く感謝します。こうして無事に修士論文を書き上
げることができました。本当に有り難うございました。
それでは、皆様のご健康とますますのご発展をお祈りして謝辞とさせていた
だきます。
:_
[A.J、i,I:研究科
tT7_:人l';・':人J';I:院
Fly UP