Comments
Description
Transcript
リネン検査装置の最新バリエーションについて
リネン検査装置の最新バリエーションについて バージョンアップ可能なリネン検査装置・ビデオメジャーシステム 東都フォルダー工業㈱ 東都フォルダー工業 ㈱ ●はじめに∼リネンサプライ工場での品質管理と検査工 概要・構成 程に求められているものは? 0 0シリーズはリ ビデオメジャーシステム・VMS−GL−1 シーツの仕上げ工程において、シミ(汚れ) ・ヤブレ等 ネンサプライ業界におけるベッドシーツなどリネン製品 の品質検査はますます重要さを増してきている。 「どのよ の「乾燥 ・ アイロンがけ ・ 折畳み」のラインで製品に付 うな検査体制を有しているか」は品質管理上の問題だけ 着した汚れや製品の破れの有無を検査する装置である。 でなく、ホテル等への営業上重要な訴求点の一つになっ 装置の構成と特長は以下のとおりである。 ているという声も多く聞くようになった。 東都フォルダー工業では、1 9 9 0年代後半よりビデオカ メラによるシーツ・デュベカバー検査装置「ビデオメ ジャー(VMS)シリーズ」を開発し、多くのリネンサプ ライ工場に納入してきた。その後、VMSシリーズは年々 厳しくなる検査工程の要求に応えるべく、検査状況を 0シリーズを開発 ディスプレイで確認できるVMS−GL3 した。 しかし2 0 0 0年代後半になると、検査工程には新しい課 題が多く発生するようになった。ロールアイロナーやリ ネン類投入機が飛躍的な進歩を遂げ、いままで手作業で 処理(検査も同時に)していたリネン類の投入機による 処理が増え、新たな検査体制が必要になったことが大き な要因といえる。また、人件費やエネルギーコストが高 騰するなかで、多様な納入先の厳しい品質に応える必要 ※上記は基本的な排出例。工場のレイアウトに合わせて も生じていた。 排出場所が選択できる。 そこで、東都フォルダー工業では、2 0 0 8年に最新のC CDカメラとまったく新しい検査方法を搭載したVMS−G ①高精度CCDカメラ L−1 0 0シリーズを発表した。 画素数も従来のカメラ「2 0 4 8画素」に対して、従来の 0 0シリーズには、後述する高精度な検査方式に加 GL−1 3倍以上の画素数で検査する新開発の「7 4 50画素」のシー え「バージョンアップ機能」が搭載されている点が大き ツ検査用特殊カメラの採用により、検査が高精度で可能 な特徴になっている。今回は、 となった。また、淡色系であればカラーシーツにも対応 ①GL−1 0 0のおもな特長 可能になった。 ②バージョンアップ機能の活用について ②検査バック(背景)は「白・黒」2色方式を採用 ③2 01 2−2 0 1 3年に発表された、新しいバリエーションの 従来方式では、黒い検査背景で検査していた。ところ 3点についてレポートする。 が、長年の研究により「破れ」は黒板の上で検査すると 見やすく、 「シミ」 「黒汚れ」は白板の上で検査するとよ ●バージョンアップ可能なリネン検査装置・ビデオメ り見やすくなることがわかった。VMS−GL−1 0 0シリーズ ジャーシステムの特長 ではこのノウハウに基づき、黒板と白板の2つを使用し 1)ビデオメジャーシステム・VMS−GL−10 0シリーズの て検査をする方式を採用している。 なお、VMS−GL−1 0 0シリーズには様々なラインに対応 するため、下記のバリエーションがある。 ・VMS−GL−1 00S:シングルレーン専用 00M:マルチレーン対応(1∼5レーン) ・VMS−GL−1 ●実際の検査での特長は VMS−GL−10 0シリーズを使用した検査は、以下のフ ローで行われる。 カラーCCDラインカメラでシーツを撮像→ 「 ビデオメ ジャー本体 」 で種々の演算処理→設定値との対比・欠陥 検査→検査結果の画像出力→フォルダーでの仕分け(良 品・汚れ・ヤブレ) (特長) ・きめ細かい設定とトラブル防止機能 (白黒2色の検査背景を採用するメリット) VMS−GL−1 0 0シリーズでは検査のための各種設定が ・より色素の薄い「シミ」 「黒汚れ」の感知が可能に。 従来品に比べて細かく設定できるようになっている。適 「シミ」 「黒汚れ」は白板上で検査を行うことにより、黒 切に設定を行うことによって、高精度になった検査差装 板の影響を受けずに検査の十分なコントラストが得られ 置の性能を最大限引き出すことが可能となる。 る。そのため、より色素の薄い「シミ」 「黒汚れ」まで感 また、リネンサプライ工場特有の環境に配慮して、最 知することが可能になった。 適の条件で検査を行えるような機構が用意されているの ・ 「破れ」と「黒汚れ」の判別がより明確になった。 も大きな特長である。 黒板上で検査した場合、貫通したヤブレはカメラには「黒 ①検査範囲の設定 い点」と認識される。しかし、白板での検査ではヤブレ VMS−GL−1 00Sは前後左右の不感領域(非検査)を1 の箇所では何も検出されない。このロジックにより、汚 Ú単位で設定可能。シーツは勿論、円形クロスにも対応 れとヤブレの判別がより明確に可能となっている。 可能である。 ③検査の際の画像処理にはPCを使用 検査結果を得るための画像処理や結果のディスプレイ 出力にはPCを使用している。このPCは、厳しい作業環 境での使用に耐えうるよう特殊仕様となっている。ディ スプレイには1 7インチの大型タッチパネルを採用し、検 査結果を確認や設定が容易となっている。また、検出レ ベル設定を変えてPC本体に記憶された検査画像により 再検査する「シミュレーション機能」や検査結果を最大 ②額縁包布にも対応が可能 8倍まで拡大して確認する機能など、より信頼性の高い 更に不検査領域を設定することによって、額縁包布の 検査体制を構築するための機能が多数搭載されている。 検査も可能になる。 具体的には、穴の周りが異なった色で縁取られている 額縁包布(図)はその部分を不感領域 ( 非検査)に設定 し、GL−1 0 0による検査を行う。 ③現場でのトラブルを減らす機能を搭載 ③コーナーマスク/センターマスク機能 実際のシーツ類の仕上げ工程では、外部環境に起因す マークがあるコーナーのみ非検査領域を拡大したり、 るトラブルも少なくない。光量の増減やシーツ等のシワ 中央付近にホテル名などのマークが付いている品物でも による検査不能が発生する場合がある。このような誤作 マスク機能を使用して検査が可能になった。 動によるトラブルを防止するために「光量自動更正機能」 「シワ緩和ロジック」 (シワによる誤検知を低下させる) などを搭載している。 ●バージョンアップ機能 GL−1 0 0シリーズでは検査装置本体に特殊仕様のPCを ④カビ検出機能の強化 採用しているために、 「バージョンアップ」と呼ばれる作 カビ専用の独自ロジックを開発し、さらにカビ検出能 業で簡単にそれまでにない機能を追加することが可能と 力が向上した。 なった。この機能を有効に使い、問題の発生の回避や新 しい品物への対応に役立てているエンドユーザーが多い (※バージョンアップ用のプログラムの更新作業は有 料) なお、以下の機能が新機能としてGL−1 0 0シリーズ発表 以降にアップデートされたものである。今後も、エンド ユーザーの要望に合わせて新たなプログラムを発表予定 である。 ①形状不良の検出機能 シーツの形状不良(斜め投入や折れ)が発生し、これ が原因となってフォルダーでのつまりや納品先でのク レームなどのトラブルが生じることが少なくない。GL− 1 0 0シリーズでは、形状不良も「不適合品」の対象として フォルダー外に排出する機能を有している。 (下の写真参照) ②ストライプシーツへの対応(※要サンプルテスト) シーツのストライプ線をマスクし非検査領域に設定す ることにより、ストライプシーツも検査可能となった。 ストライプは縦縞、横縞どちらでも検査可能。 広がるバリエーション∼ハードウェアの新製品 ▲2 013年秋の個展「元気が出る展示会8」 のGL−500 (左) とV I S I ON (右) 2 0 1 3年秋の個展では、 GL−1 00シリーズの基幹技術を応 両面検査をデュベラインに導入したいが、 「ライン全 用した、リネン類検査装置の新しいバリエーションが発 長を長くしたくない」 「複雑な機構になりすぎる」との理 表された。これらの新製品には、上述のバージョンアッ 由で見送っていたエンドユーザーからは、注目が集まっ プによって開発された機能が出荷時に搭載可能となって ている。 いる。 ①大幅に設置高さをカット・GL−5 0 0 従来機GL−1 0 0シリーズの高い検査精度をそのままに、 カメラ高さを1/2以下(約7 0 0Ù)に凝縮したのが、G L−5 0 0である。設置高さの制約から検査装置の導入をあ きらめていたラインにも導入が可能となった。 ②コンパクトな裏面検査装置VISION また、新型裏面検査装置「VISION」は新検査方法の 採用により、奥行方向の設置スペースは従来比の1/2 (約1m)となり、省スペースを実現した。 VISIONで採用された検査方式はリネンの裏面を直接 なお、今回紹介した検査装置は、岩槻研修センターで カメラが撮影する「ミラーレス方式」といわれている。 の実証テスト等も可能となっている。導入の検討の際に 撮影にミラーを使用しないので、画像のゆがみ等の心配 は、現場で発生した汚れ・ヤブレ等のサンプルを持参し がない。また従来の「リネンを反転させる機構」は採用 ての訪問も可能である。また、 「導入事例集」ご希望の方 されておらず、リネンを通過させるだけで裏面を検査す は下記まで問合せを。 ることが可能となっている。 また、シーツフォルダーと接続する際にVISIONに ●問合せ先:0 4 9−2 2 5−6 12 5 東都フォルダー工業㈱ シーツ類の長さ測長機構を設けることで、シーツフォル 営業部 前嶋 ダーの投入コンベアーを短縮することが出来、さらに省 スペース化が図れる。