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Kobe University Repository
Kobe University Repository : Thesis
学位論文題目
Title
インテリジェント・スケジューリングにおけるルール獲
得に関する研究
氏名
Author
諏訪, 晴彦
専攻分野
Degree
博士(工学)
学位授与の日付
Date of Degree
1997-03-31
資源タイプ
Resource Type
Thesis or Dissertation / 学位論文
報告番号
Report Number
甲1667
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/D1001667
※当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。
著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。
Create Date: 2017-03-30
博
士
論
文
イ ンテ リジ ェン ト ・スケ ジュー リング
におけるル ール獲得 に関す る研 究
平成 9年 1月
神戸大学大学院 自然科学研 究科
諏訪晴彦
目次
1
緒論
第 2章
スケ ジュー リング問題 とその解 法
2.
1 ス ケ ジュー リング問題 の定 義
5 に
リ 史U8
第 1章
,
2.
2 ス ケ ジュー リング問題 の分類
.
.
.
2.
3 対 象 問題 の記述 .
2.
3.
1 単 一機 械 ス ケ ジュー リング問題 .
2,
3.
2 フ ロー シ ョップ ・ス ケ ジュー リング問題
2.
3.
3 ジ ョブ シ ョップ ・ス ケジュー リング問題
2.
4 スケ ジュー リング問題 の解 法 .
2.
4.
1 解 法 の分類 .
.
.
2.
4.
2 一般 のス ケ ジュー リング ・ルー ル .
2.
4.
3 局所探 索 法 に よるス ケ ジュー リング .
2.
5 インテ リジ ェン ト ・ス ケ ジュー リング
2.
5.
1 インテ リジェン ト ・ス ケ ジュー リング とは .
2.
5.
2 メタ戦略 ‥
2.
5.
3 知 識ベ ース ・スケ ジュー リング法 .
第 3章
スケ ジュー リング ・ル ールの帰納 的獲得
3.
1 ルー ル獲得 の考 え方 .
3.
2 帰 納 的学習法 .
3.
2.
1 帰納 的学習 とは ‥ .
3.
2.
2 I
D3学 習 アル ゴ リズ ム .
3.
2.
3 C4.
5学習 アル ゴ リズ ム .
3.
3 2仕事 入 れ換 えに よる ルールの獲得 .
3.
3.
1 ルー ル獲得 の流 れ ‥
3.
3.
2 事例 の構成 .
3.
33 訓 練例 集合 の生成
7 99234447
91
n
U1
1
lワ
一つ
︼︻
-7
01
1
1
4
⊥1
1
1
1
1
19
12
ワ
︼り
んへ
ソ
︼り
ユ 7
2222333333
2.
2.
1 機 械特 性 に よる分類
2.
2.
2 仕 事特 性 に よる分類
2.
2.
3 評価 基準 に よる分類
l
l
ル ール獲得 の基礎 的検討
4.
1 対 象 問題 の設定 .
4.
2 事例 の作 成 .
4.
2.
1 特徴 の設定 ‥
4.
2.
2 事例 の発 生法 .
4.
3 適用事例 数 の検討 .
4.
3.
1 訓 練例 集合 の性 質 .
4.
3.
2 矛盾事例群 に よる訓練例集合 の定量表現
4.
3.
3 数値例 ..
4.
4 学習実験 ‥ ‥
4.
4.
1 ルールの獲得 と評価 .
4.
4.
2 1機械 問題へ の適用 .
4.
4.
3 2,
3機械 フロー シ ョップ問題へ の適用
.
4.
4A 訓練例集 合 のエ ン トロ ピー H・
Tの検討 .
4.
5 考察 .
4.
5.
1
4.
5.
2
4.
5.
3
4.
5.
4
事例 特徴 の付加 .
学習 アル ゴ リズ ムの検討 .
訓練例集合生成法 の検討 .
サ ンプ ル ・スケ ジュール と分類木 ‥ .
4.
6 ま とめ .
フロー ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
5.
1 ルール獲得 の基礎 的検討 .
5.
1
.
1 事例 の構成 と発 生法 ‥
5.
1
.
2 ルールの獲得実験 ‥ .
5.
1.
3 事例数 の検討 .
5.
1.
4 事例特徴 とルール条件部 の考察 .
5.
1.
5 ルー ルの性能評価 ‥ .
5.
2 獲得 ルールの記述 ‥
5.
3 ルール に基づ く局所探索 .
5.
3.
1 ルー ルの選択 方法 と探索 手続 き .
5.
3.
2 数値 実験 ‥
5.
4 獲得 ルールの タブ ー探索法へ の適用 .
5.
4.
1 ルール を利用 した タブ ー探索法 .
5.
4.
2 数値 実験 .‥
5.
4.
3 実行 時 間 ‥ .
5.
4.
4 探索解 の精度 .
1l15569 1 5J
Tた
り 父U父U9 0 ウ︼
66666667 71
-7 7 7 7 C
X
U 父U
第 5章
1 l ワ︼2 2 3 3 4 4 5 5 7 史UI 3 3 5 7 9 0
4444444 44444 45555556
第 4章
93
9
3
3.
3.
4 訓練例 集合 か らの ルールの帰納
3.
3.
5 適用 ルールの選択 ...
目次
11
1
5.
5 多 目的 フロー シ ョップ問題 へ の適用 .
5.
5.
1 多 目的 フローシ ョップ問題 .
5.
5.
2 獲得 ルール を利用 したス ケジュー リング .
5.
5.
3 2日的 フローシ ョップ問題 へ の適 用 .
5.
5.
4 3日的 フローシ ョップ問題へ の適用 .
5.
6 ま とめ .
ジ ョブ ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
6.
1 隣接 タス ク対 の入 れ換 えに基づ く事例作成 .
6.
1
.
1 隣接 タス ク対 の定義 .
6.
1.
2 特徴 の選択 .
6.
1.
3 事例 の作成例 .
6.
2 ルールの獲得 .
6.
3 獲得 ルールに よる局所探索 とその効 果 .
6.
3.
1 隣接 タス ク対 入 れ換 えに基づ く局所探索 .
6.
3.
2
6.
3.
3
6.
3.
4
6.
3.
5
6.
3.
6
近傍探索過程へ のルールの適用 .
数値 実験 ‥
探索 時 間 とマ ッチ ング時 間 .
獲得 ルール による近傍 の大 きさ .
解 の精度 ‥
6.
4 適用事例数 の検討 .
6.
5 ルールの性能評価 ‥
6.
6 納期 を考慮 した問題へ の適用 .
6.
6.
1 ルー ルの獲得 ‥ .
6.
6.
2 ルールに よるスケジュー リング .
6.
6.
3 2日的 ジ ョブ シ ョップ問題へ の適用 .
6.
7 ま とめ ‥
結論
3
2
1
謝辞
5
2
1
参考文献
獲得 ル ールの記述
9
2
1
孟A
付会
1
2
1
第 7章
77t
-父
U9 1 3 3 3 5 5 5 rU
08 4 6 6 7 8 9
9 9 9 9 .9 日
Un
Un
U0 0 n
U0 0 0 1 1 1 1 l 1
111111111111111
第 6章
27t
-t
-9 2 6
88父
U8 父
U9 9
5.
4.
5 探索 時 間 とマ ッチ ング時 間 ‥
ガン ト ・チ ャー ト例 (
Jは仕事,M は機械 )
機械 の遊休時 間 と仕事 の処理待 ち時 間 (J は仕事 ,M は機械 )
フローシ ョップ問題 での仕事 の流 れ .
例題 2.
3の選択 グ ラフ表現 の例 .
例題 2.
3の選択弧対解消後 のグ ラフ と実行可能 スケジュール .
インテ リジェン ト ・スケジュー リングの分類 .
解 の循環 ‥
2.
8 ルール獲得機構 を付加 したスケジュー リング ・システム [
7
ト
3.
1
3.
2
3.
3
3.
4
3.
5
ルール獲得 の場面 .
訓練例集合か らの分類木 ・ルールの帰納例 .
ルール獲得 の流 れ ‥ .
特徴 ・
3.の値 の設定例 .
訓練例集合の生成 .
4.
1 事例 の生成 .
4.
2 適用事例数 Nlとエ ン トロ ピ一万 T.
4・
3 ルール (
D1
2)による解 の MST ルールに よる解 との相対偏差
5 9
8n
U4 7 父
U 3
662
56
2
3一へソ
5
11
1ハ
ソ
︼「ソ
] ウ
14 4
︼3 3 3 3 」
1
2.
1
2.
2
2.
3
2.
4
2.
5
2.
6
2.
7
,
4・
4 ルール (
El
l)
,
(
E2)
,
(
E1
3)に よる解 のランダム ・サーチに よる最小
解 との相対偏差 .
4.
9 逐次的入れ換 え法 に よ り得 られた分類 木 .
5.
1 事例 の作成 と着 目機械 の選択
.
5.
2 事例 の作成例 .
・
5
.
3 発生事例数 Ns の変化 に伴 う誤分類率 .
5.
4 適用事例数 Nlの変化 に伴 う誤分類率 .
5.
5 各特徴 のルール条件部へ の出現数 .
Ⅴ
り
︼6
O 2 4L
-史
U9
I
.I
J
J8
A
.I rU
L
.I
, 6 6 6 6 6
4.
5 ルール (
F1
)による解 の最適解 との相対偏差 (
F2
/
/C m ax)
4.
6 ルール (
G1)による解 の J
ohns
onルー ルに よる解 との相対 偏差
(
F3
/
/
Cma
T)
4.
7 C4.
5によ り得 られた分類木 .
4.
8 事例 の生成法 (逐次 的入れ換 え法 )
Vl
5.
9 TS+7
1に よる解 の探索過程 の例 (
F/
/∑TJ
5,
1
0 機械台数 とt
m言∴
5.
11解 の探索 (2日的 fl
,f2の場合 )
5.
1
2 利用率 の変化 に伴 う解 の分布 (
3×20,(
∑CJ n,∑TJn))
5.
1
3 獲得 ルールによる解集合 (
∑TJ n,∑CJn)..
5.
1
4 獲得 ルールによる解集合 (
∑TJn,CrnaT) .
5.
1
5 獲得 ルールに よる解集合 (
3×1
0,(
Cm ax,∑CJn,∑TJT
7
)
)
5.
1
6 獲得 ルールによる解集合 (
5×20,(
Cmax ,∑CJn,∑TJn)
)
1 2 3 4
6 6 6 6
事例作成例
01
2
1
4仁
U8
4 5
′
IC
X
38
8
8 0
9 1
93
9 9
9
7
5.
6 各特徴 の出現数 の累積 ..‥ .
5.
7 7
85の各 ルールの評価値 改善率 .
5.
8 平均 CPU 時 間 .
.
Ns の変化 に伴 うルール ・セ ットの誤分類率
Niの変化 に伴 うルール ・セ ットの誤分類率
獲得 ルールによる解集合 (
1
0×1
0,(
Cm ax,∑ Ut
))
.1
20
表 目次
2.
1 例題 2.
3 (
3×4ジ ョブ シ ョップ問題 )
(
ソ
︼2 3 2 5
44455
123456
444444
事例特徴 とその値 (
xl
,
1 X 6)
例題 4.
2(1機械 5仕事 問題 )
事例 の一例
エ ン トロピー
H7-.
669
555
事例特徴 を付加 した場合 の解 の相対偏 差 (
%ト
Gd)お よびルール (
Gb)による解 の最適解 との相対偏差
ルール (
(
%ト
41
7 ルー ル (
Gd)による解 のルール (
Gb)による解 との相対偏差 (
%)
4.
8 分類 木の生成結果 .‥ .
5・
4 事例特徴 とその億 (
xI
F ∼x
I
F
2
)
5.
5 F/
/Cm aal問題へ の適用結果 .
5.
6 f
ソ/∑ γ 問題へ の適用結果 .
5.
7 TS+ 7
8の 1サ イクルあた りの評価値計算 回数 と探索 ステ ップ数
5.
8 TS お よび TS+7
1に よ り得 られた最小解 .
5・
9 f
m お よび f
c(×1
0 5s
e
c).‥
5・
1
0給マ ッチ ング時 間の給評価値計算時 間に対 す る比 (
t
m・
N /㌔・
Nc)
6・
4
6.
5
6・
6
6.
7
6.
8
6.
9
各局所探索法 の平均実行時 間
i
:
Cと t
m(
ms
e
c
)
(
s
e
c
)
近傍 の大 きさの平均 ((
)内 は最大値 )
各局所探索法 に よる最小解 .
誤分類率 の変化 の幅 ‥ .
誤分類率 の変化の幅 .
vi
i
V
J9 2 6 6 ロ
ー9 3 3
9 90
n
U0
01
l1
1
10
11
11
6・
1 事例特徴 とその値 (
xIJ ∼xf)
6.
2 例題 6.
2(5×5ジ ョブ シ ョップ問題 )
6.
3 獲得 したルー ルの条件部 .
26
4ロ
1
37
︻
-7
7 8
08
38
58
5
6
ー7
(
xi∼x
i
f
)
5.
1 事例特徴 とその値
F
5.
2 例題 5.
2(
3×4フローシ ョップ問題 )
5.
3 各 ルール ・セ ットの評価値改善率 .
Vl
l
l
6.
1
0 獲得 した ルールの改善率 ‥ ‥
6・
11納期 に関する事例特徴 とその値
6.
1
2 獲得 した ルール ・セ ット .
6.
1
3 得 られた解の最小値 と平均
(
X ∼xI
J
l)
B
J
第 1章
緒論
近年の生産設備の自動化 ・高機能化 ・高速化 を推進する技術進歩 により,工場
内の物の流れに関わる諸設備の自動化 ・統合化 による FA(
ファクトリー ・オー
トメーシ ョン)が実現 されている.このようなシステムにおいて生産効率 を向
上 させるために,ネットワーク機器などのハードウェア機器の充実化,導入 され
ている生産設備 の効率的な管理 と運用が重要である.前者は導入 コス トが問題
になることが多 く,後者では適切 な生産計画の立案 と,運用法の策定 など,計
画,管理,運用 に関するソフ トウェア的側面の充実が問題 となる.何 らかの製
品を生産する工場では,多数の仕事 を種 々の生産設備 で処理する場合,生産設
備への仕事 の投入順序 を決定する必要がある.また,処理する仕事 に資源や設
備 などを適切 に配分 し,ある定め られた目的を達成で きるような計画 を立 てる
ことが望 まれている.このような生産計画の立案 をスケジュー リング とい う.
FAの進展,生産工程の複雑化,需要動向の変化 などにともない,生産の場
におけるスケジュー リングのコンピュータ化お よび自動化が大 きな課題 となっ
てきている.また,消費者ニーズの多様化 に応 じた多品種生産に対応する場合,
生産の場におけるスケジュー リング問題 は非常 に難 しい問題の 1つ となる.こ
の間題 に対 して,整数計画法や分枝限定法等の最適化手法 は,数学モデル構築
の困難性,また計算量の爆発等の問題があ り,実用面 に問題 を残 している.
これに応えて,積極的にヒュー リステ ィックスを利用 したインテ リジェント・
1
]
.広義の意味 における
スケジュー リング ・システムの研究が活発化 している [
インテ リジェント ・スケジュー リング ・システムは,問題解決のアプ ローチ に
よって Comput
a
t
i
ona
lI
nt
e
l
l
i
g
e
nc
e
(
CI
)
,Ar
t
i
ic
f
i
alI
nt
e
l
l
i
ge
nc
e(
AI
)と呼ばれる
2つのカテゴリに分類 される.Clは,人間さらには生物の行動のダ イナ ミクス
をモデル化 し,問題解決に利用するものである.CIの代表的な解法 は,遺伝 ア
ルゴリズム,模擬アニー リング法,タブー探索法 などのメタ戦略 (メタ ・ヒュリステ イクス)である.これ らメタ戦略 にしたがってアルゴリズムを組むとき
は対象問題の厳密なモデ ルを必要 とせず,問題 に応 じてアルゴリズムを作 るこ
とによって,比較的簡単 に良好 な解 を生成することが可能である.また CIの解
法 として,さらにニューラルネットワーク,ファジイ推論 など,他分野の新技術
1
2
第 1章 緒論
を利用 した解法が提案 されている.CIは簡単 に利用 で きる反面,計算能力 に余
知識ベー
裕 を持 つ コンピュー タが前提条件 となる.一方 ,AIはエキスパー ト (
ス)・スケジュー リング ・システムに見 られる ような専 門家 の経験 的知識 による
問題解決過程 を事例 ない しはルールの形 でモデ ル化 し,満足 のい くスケジュー
ルを生成す る ものであ る.知識ベ ース構築 に際 しては,知識工学技術者がスケ
ジュー リングの専 門家か ら抽 出 した知識 を計算機 が処理 しやすいルールの形 に
変換 す る. この知識工学技術 者が介在 した知識ベース構築過程 を知識獲得 と呼
ぶ. しか し,製 品 ・生産設備等 の周 囲の環境 が変化 した場合 に,スケジュー リ
ングの専 門家が適切 な知識 を有 している とは限 らず,状況 に応 じて既存 のルー
ルを修正 した り,新 たにルール を追加 してい くことがで きる とは限 らない.ま
た,知識工学技術者 も品質の高い知識 を組み込 むため に,対象 問題 に精通 し専
門家 の話 を理解 す ることが必要 となる. この間題 は知識獲得 のボ トルネ ックと
呼 ばれる.
この知識獲得 のボ トルネ ックを解消す る方法 として,以下の 2つのアプ ロー
チが研 究 されている [
2
,
3
]
.
● 知識獲得支援 システム
●機械学習 に よる 知識 自動獲得
前者のアプ ローチは,システムのユーザ ・インターフェースを充実 させ,スケ
ジュール専 門家が直接 システムの動作 に介入で きるようにすることによって,ス
4,
5,
6
ト
ケジュー リングの解法 に専 門家の知識 を効果的に反映 させ る方法である [
知識獲得支援 システムは,システム と専門家の相互作用 を積極 的に取 りつつ,ス
ケ ジュール専 門家 の持 つ知識 の構造 を同定す ることを目的 としている.
後者のアプ ローチは, システムの対象 問題 自体 の解析 に よ りスケジュー リン
8
,
7
]
.知識ベースに学習機
グ問題 に対す る知識 を自動 的に獲得 する方法である [
構 を組み込 むことによ り,状況 に応 じて柔軟 に対応 で きるスケジュー リング ・シ
ステムを狭義の意味 においてインテ リジェン ト・スケジュー リング ・システム と
呼ぶ.機械学習 に よるアプ ローチでは,スケジュー リング ・システムにおいて
与 え られるスケジュー リング問題 をシステムの機能面あ るいは効率面で過去 に
比べ て うま く解決で きる ようにす る とい ったダ イナ ミクス を実現することを目
的 としている. この ような機械学習 を利用 した学習機構 の構築 の際,専 門家へ
の依存 か ら脱却 した知識の 自動獲得 方法 の確 立が重要である.機械学習 による
アプ ローチ を とっている研 究 の多 くは,以下の方法でルールの形 で知識 を自動
獲得 す るこ とを提案 している.まず,予め考 え られたスケジュー リング ・ルー
ルの適切 さをシ ミュ レーシ ョンによ り評価 し,スケジュー リング状況 と適用 し
たス ケジュー リング ・ルールのペ アを事例 として蓄 える.そ して,蓄積 した事
例集合 か ら帰納 的学習法 を利用 して,状況 に適 したルール選択 を学習 させ る と
い う考 え方 を とっている.す なわち,動 的環境 下で状況 に適切 なデ ィスパ ッチ
ング ・ルールを選択 し利用す るためのルー ル獲得 を行 な う.
3
本研 究ではこれ らとは異 な り,所与 の環境 下 において考 え うる多数 のスケジ
ュールの特性 を解析 す るこ とに よ り,それに内包 されている適切 なスケジュー
リング ・ルール を個別 的に獲得 す る とい う方法 とその適用可能性 について考 え
9,1
0,ll,1
2
]
. この ような方法 を取 る場合 ,
る[
(
1
)ルール獲得 のためのアルゴ リズム
(
2
)知識 の表現 お よび事例 の発生法
1
)については,与 え られた多数 のスケジュールか らス ケ
が検討課題 となる.(
ジュー リング ・ルールを帰納するアルゴ リズムが必要である.そ こで,有効性 が
D3学習 アルゴ リズム [
1
3
]
,お よび C4.
5学
示 されている帰納 的学習法 である,I
習 アルゴリズム [
1
4
]を適用 し,それ に適 した問題 の定式化 を考 える.(
2
)につい
ては 1つのスケジュールのパ ター ンを 1つの事例 として捉 え,多数 の事例 内に
存在す る何 らかのルールを知識 と して 自動獲得 す るこ とを考 える.スケジュー
ル ・パ ター ンに基づ く事例 の発生法 は さまざまな方法が考 え られるが ,本研 究
ではその基本 的方法 の一つ として,任意 に発生 したスケジュール上 の仕事対 の
入れ換 えによ り事例 を作成することとす る.仕事対 の入れ換 えは比較 的単純 な
スケジュー リング操作 であ るため,スケジュー リング操作 の特徴抽 出が容易で
あることが期待 される. この よ うに して得 られた事例群 に対 して,学習 アルゴ
リズムを適用 し,ルール獲得 す る方法 について検討す る,
次 に本論文 の構成 を述べ る.第 2章 では,スケジュー リング問題 の定義 と多
様 なスケジュー リング問題 を機械特性 ,仕事特性 ,評価 関数 の 3つの側面 か ら
分類整理する.また,一般 的なスケジュー リング問題 の解法 について概説 し,最
近研究が活発化 しているメタ戦略,知識ベース ・スケジュー リング といった イン
テ リジェン ト ・スケジュー リング法 について述べ ,その様 々な研 究 を概観 する.
第 3章では,本研 究で提案す る帰納 的学習 よるスケジュー リング ・ルールの
獲得 方法 について述べ る.まず,スケジュー リング ・ルール獲得 のアプ ローチ
とその実現 を目指 した研 究 について述べ ,本研 究で ルール獲得 に利用す る I
D3
学習 アルゴ リズムお よび,C4.
5学習 アルゴ リズムの概 要 を述べ る.次 に,本研
究で提案す る 2仕事 入れ換 えに基づ いたルール獲得 方法 について述べ る.学習
デ ー タとなる事例 の構成法 お よび発生法 について説明 し,学習 アル ゴ リズム に
よるルールの帰納 , さらにスケジュー リングに適用す るルールの選択 方法 につ
いて説明す る.
第 4章 では, ルール獲得 の基礎 的研 究 として単純 な最適化 ルー ルの存在 す る
対象問題 に対 して提案 方法 を適用 し,それ らの ルール と等価 なルールの 自動獲
得 を試み ることに よ り,提案方法 によるルール獲得 の可能性 について検討 する.
ここでは比較 的解析 が容易である と考 え られる 1機械 スケジュー リング問題 を
対象 として,提案方法 によるルール獲得 の可能性 を考察す る. さらに, 1機械
問題 で検討 したルール獲得 方法 を 2機械 お よび 3機械 フロー ・シ ョップ問題 に
適用 し,本研 究で提案す るルール獲得 方法 の有効性 を検討 す る. また, よ り効
4
第 1章 緒論
采 的 なルールの獲得 を目的 として,事例特徴 の付加 ,学習 アル ゴ リズム,訓練
例 集合 の生成法 について考察す る.
第 5章 で は, フローシ ョップ ・ス ケジュー リング問題 を対 象 と して,本研 究
で提案す る 2仕事 入れ換 えに基づ くルール獲得 方法 の有効性 を検討す る.まず ,
評価 関数 と して給所 要時 間 を取 り上げ,事例 の構成要素 となる事例特徴 に対 す
る考 え方 とその設定 の仕 方 を中心 と した事例 の作成 を考 える.獲得 したルール
の条件部 と事例 の特徴 の関連性 ,お よび,スケジュー リング ・ルール としての有
用性 について考察 す る.次 に,仕事対 入 れ換 えに よる近傍探索 スケジュー リン
グ とい う観 点か ら,局所探索法 お よび タブ ー探索法 に獲得 ルール を適用 し,そ
の有用性 を考 察す る. ここで は納期 を考慮 した問題 も取 り上げ る.最後 に, よ
り複雑 な問題 と して多 目的 フローシ ョップ ・ス ケジュー リング問題へ のルー ル
の適用 を試 み る. ここで は, ルー ルの汎用性 を重視 し,多 目的問題 に合 わせ て
新 た に事例特徴 を考 えるので はな く,単 一 目的問題 で得 られたルール を利 用す
る こ とを図 る.
第 6章 で は,スケジュー リング分野 で困難 な問題 とされてい る一般 の ジ ョブ
シ ョップ ・スケ ジュー リング問題 に対 す るルール獲得 について検討 す る.評価
関数 と して給所 要時 間 を対 象 と し, ジ ョブ シ ョップ ・ス ケジュー リング問題 に
適合 した事例 の構成法 お よび発生法 を検討す る. また,獲得 ルール を局所探索
法 に組 み込 む こ とに よって,ス ケジュー リング ・ルール としての有効性 を考察
す る. さらに,納期 を考慮 した問題 を対 象 と して,提案 方法 に よるルール獲得
方法 とルールの有効 性 を論ず る.最後 に多 目的 ジ ョブ シ ョップ ・スケジュー リ
ング問題へ の獲得 ルー ルの適用 可能性 について論ず る.
第 7章 で は,本研 究 の ま とめ と今後必 要 な研 究課題 について述べ る.
第 2章
スケ ジュー リング問題 とその解 法
本章では,スケジュー リング問題 の定義 を述べ ,多様 なスケジュー リング問
題 を機械特性 ,仕事特性 ,評価 関数 の 3つの観点か ら分類整理す る. また,一
般 的なス ケジュー リング問題 の解法 について概 説 し,最近研 究が活発化 してい
るメタ戦略,知識ベース ・スケジュー リング とい った インテ リジェン ト ・スケ
ジュー リング法 について述べ ,その様 々な研究 を概観す る.
2.
1 スケ ジュー リング問題 の定義
スケジュー リング問題 は,生産計画の段 階で ま とまった一連 の仕事 (
人,機
械 な どを利用 して処理 される対象 )のある定め られた 目的を達成 で きる ような
日程計画 を立 て ようとす る ときに起 こる問題 である.本研 究で対象 とす るスケ
ジュー リング問題 の定義 は,以下の通 りである [
1
5,1
61
.
m 台の機械 M1
,
.
.
.
,
Mm で n個 の仕事 Jl,‥.
,
Jn の各 々を加工す る もの
とする.加工す る仕事 の機械 を通 る順序 と各仕事 の各機械上での処理時 間
が既知である時 ,処理上 の適 当な制約下で評価 基準 (スケジュー ルの評価
尺度 )を最小 (ない しは最大 )にする仕事 の処理順序 と機械への割当てを
決定す ることをスケジュー リング問題 とい う.
(
1
)各仕事 は複数の機械 で同時 に処理 されることはな く,(
2)各機械 は複数 の仕
事 を同時 に処理す るこ とはで きない ことが基本条件 となる. また,本研 究で扱
うスケジュー リング問題 は静的な場面,す なわち,一定個数 n個 の仕事 の処理
準備 が既 に完 了 してお り,いつで も着手可能 である状況 を前提 とす る.
この とき,スケジュール とは各仕事 に対 して各機械上 での処理順序 を表す も
のである.スケジュールは,一般 にガン ト・チャー ト (
Gal
l
t
tCha
r
t)で図示する
とわか りやすい.ガント ・チ ャー トは,図 2.
1に示す ような,横 軸 に時 間,縦軸
に機械 (
nl
a
C
hi
neor
i
e
nt
e
d)ない しは仕事 (
j
obo
r
i
e
nt
e
d)を表 した ものである.
i- 1,
・
・
・
,
n)は r
L
t個 の タス ク 02,
1
,
.
.
,
,0.,n- で構成 され,各 タス
各仕事 Jl(
ク Oi
.
.
I(
j- 1
,
・
,
・
,
n2
)は機械 岨 ⊆ i
Ml
,
-,
M m )上で ,所与 の処 理時 間 p
7
,
,
5
第 2章 スケ ジューリング問題 とその解法
6
(
a)Machi
neOr
i
ent
ed
t
l
me
(
b)JobOr
i
ent
ed
図 2.
1:ガ ン ト ・チ ャー ト例 (
Jは仕事 ,M は機械 )
C1
C3
C2 t
i
me
J
l
-」之-
I
dl
et
i
meon
M2
-止し-
-一迫-
l
dl
et
i
meon
M3
-止三
・
・
-waitingtimeofJ
3
wai
t
i
ngt
i
meof
図 2.
2:機械 の遊休時間 と仕事 の処理待 ち時間 (
J は仕事 ,M は機械 )
2.
1スケ ジュー リング問題の定義
7
で処理 される もの とす る.例 えば F
Lt,
∫ - M 2の場合 ,仕事 J
tの j番 目の タス ク
0号,
Jは機械 M2 で処理 される ことを表す. また ,F
L
i
,
i- (Ml,M2,M3)の場合 ,
,
,は Ml
,M2,M3 の うちのいず れかの機械で処理 されることを表す.
タスク Oi
各仕事 J
tに対 して,以下の記号 を定義す る.
n
t
- ∑ pゎ)
pt:仕事 Jiの処理時 間 (
3
=1
rl :仕事 の開始可能時刻
d
t:納期
wt:処理時間や納期 に諌せ られるペ ナルテ ィー (
重み )
納期 とは,仕事 が終了 しなければな らない締切 りの時刻 を表す ものであ る.何
iお よびその各 タス ク 0号,
J に対 し
らかのスケジュールが決定す る と,各仕事 J
,Ci
,
, が得 られる.スケジュールのガン ト チ ャー トに注 目す る
て完了時刻 Ci
i
dl
et
i
me)が生ず る.
と,各機械 には タス クを処理 する時間 とは別 に遊休時 間 (
また,各仕事 はあ る機械 M kl上 での処理終 了後 ,次 の機械 M k2 での処理 開始
までの機械 M k2 に対 す る加工待 ち時 間 (
wa
i
tt
i
me)が生ず る.例 えば,図 2
.
2
では,i
2,i
3は機械 M2,M3での遊休時 間を表 し,wlは仕事 Jlの機械 M 2 に
対 する加工待 ち時 間,W3 は仕事 J3 の機械 Mlに対 す る加工待 ち時 間 を表す.
また, この例 で は機械 Mlは遊休時 間 を生 じてお らず,仕事 J2 は処理す る機
械 に村す る加工待 ち時 間は生 じていない.
同一機械上 で 2個以上 の タス クを同時 に処理 してお らず, また同一仕事 内の
タス クが 同時 に処理 されていないスケジュールは実行 可能 (
f
e
a
s
i
bl
e)であ る.
実行可能ス ケジュールの うち,評価 基準 に対 して比較 的良好 なスケジュール と
して以下のスケジュールが存在 する [
1
7
]
.
(
1
)セ ミア クテ ィブ ・スケジュール
各機械上での タス クの処理順序 を変更す ることな くしてほ どの タス クの処
理 開始 も早めることがで きないスケジュール
(
2)ア クテ ィブ ・スケジュー ル
各機械上での タス クの処理順序の変更 を行 って も,どの タス クの処理 開始
も早めることがで きないスケジュー ル
(
3)遅 れ な しスケジュール
ア クテ ィブ ・スケジュールであって,かつ どの機械 もいず れかの タス クを
処理 開始で きる時刻 に遊休状態 にはないスケジュー ル
この とき,セ ミア クテ ィブ ・スケジュール,ア クテ ィブ ・スケジュール,遅 れ
な しスケ ジュー ルの問には,次 の包含 関係 がある.
(
遅 れな し)⊆ (ア クテ ィブ )⊆ (セ ミア クテ ィブ )
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
8
あ る実行 可能 ス ケ ジュールが所与 の評価 関数 を最小 にす る とき,そ のス ケ
ジュールは最適 スケジュール と呼ぶ.その最適 スケジュールは必ず しも遅 れな
しスケジュールである とは限 らず,ア クテ ィブ ・スケジュールであ って遅 れな
しスケジュールでない場合がある.す なわち,セ ミア クテ ィブ ・スケジュール
か ら 1つのア クテ ィブ ・スケジュールが生成可能 であるため,アクテ ィブ ・ス
ケジュール集合 内 に最適 スケジュールが存在 する.
2.
2 スケ ジュー リング問題の分類
スケジュー リング問題 の種類 は膨大 であ り,問題解決 に利用す る解法 もスケ
ジュー リング問題 の種類 に応 じて異 なる. ここで は ,Br
uc
ke
申8
]によるス ケ
ジュー リング問題 の分類 を紹介す る.スケジュー リング問題 は 3つのカテ ゴ リ
に よって大 き く分類 される.
α;機械特性 による分類
β;仕事特性 に よる分類
7;評価 基準 による分類
/
β/
Tで表す こととす る.
以下では,スケジュー リング問題 を α
2.
2.
1 機械特性 による分類
機械特性 は,機械 の台数 と種類 により表 され,以下に示す ような単一機械 ,複
数 台あ る場合 の並 列型お よびシ ョップ型 の 3種類 に大別 される. これ らの機械
特性 に よるスケ ジュー リング問題 を,単一機械 問題 ,並 列機械 問題 , シ ョップ
問題 と呼ぶ こととす る.
(
1
)単一機械 (
α- 1)
機械台数が 1台 の場合 .
(
2)並列型
並列型では各仕事 は単一の タス クのみで構成 され (
単一工程 ),設定 され
た複数 の機械 の うちどの機械で も処理 されて もよい.並列型 は機械 の性能
に よって, さらに 3種類 に分別で きる.
(
a)i
de
nt
i
c
l par
a
al
l
e
lmac
hi
ne
s(
α- P)
全ての機械 M k (
k- 1,… ,
m)が等価 (同一性能 )であ り,その性能
は仕事 に関係 な く一定 (
p7
-Pt
,
k) であ る.
(
b)uni
f
or
m pa
r
a
・
l
l
e
lmac
hi
ne
s(α -Q)
機械 ごとの性能 は異 なるが,機械 の性能比
(
p
3
- 5肌 ,
k) であ る.
.
Sk
は仕事 に関係 な く一定
2.
2スケ ジュー リング問題の分類
9
(
C
)unr
e
l
a
t
e
dpa
r
a
l
l
e
lma
c
hi
ne
s(
α-R)
機械 ごとの性能 は異 な り,性能 の比 は仕事 ごとに異 なる.
(
3)シ ョップ型
シ ョップ型では,機能が異 なる機械が多数配置 されてお り,各仕事 は 1台
ない しは複数台の機械 により処理 される.すなわち, 1つの仕事 は複数 の
タスクで構成 される.一般 に, 1つの仕事 を構成する任意のタスク間には
g
e
ne
r
a
ls
ho
p)と呼 ばれ
先行 関係が存在 し, このモデ ルは一般 シ ョップ (
る.一般 ショップは,機械 の構成順序 によって,次の 3種類 に大別 される.
(
a)ジ ョブ シ ョップ型 (
α-∫)
各仕事 のタス クが異 なる.
(
b)フローシ ョップ型 (
α-F)
ジョブ ショップ型の特殊 な場合であ り,全ての仕事 は同一の タス クか
らな り,またその処理順序 も同一である.
(
C
)オープ ンシ ョップ塑 (
α-0)
フローショップ型の特殊 な場合であ り,全ての仕事 は同一のタス クか
らなるが,その処理順序 は異 なる.
2.
2.
2 仕事特性 による分類
仕事特性 による分類 を以下に示す とお り,仕事 に対する種々の制約条件 を表す.
(
1
)中断可能 (
pr
e
e
mpt
i
o
n,β-pmt
r
L
)
基本的には処理 を開始 した タスクの中断は禁止 されるが,特急 の仕事や技
術 的な理 由により処理中のタスクをいったん中断 し,後で処理再開で きる
場合 を表す.
(
2)先行 関係 (
pr
e
c
e
de
nc
er
e
l
a
t
i
ons
,β-pr
e
c
,
c
hai
n,
i
ni
r
e
e,
o
ut
i
re
e)
仕事 間に処理 の先行 関係 が存在する場合であ り,記号 「
く」により表現す
2は J
lの全 ての処理 を終 了 した後 に J2を処理す る
る.例 えば,Jl<J
ことを意味する.
(
3)処理 開始可能時刻 (
r
e
l
e
a
s
eda
t
e
s
,/
3-rl
)
機械が仕事 を処理可能 な状態で も,仕事の到着時刻 などにより処理開始す
ることがで きない場合 を表す.
(
4)単一処理時 間 (
uni
tpr
oc
e
s
s
i
ngr
e
q
ui
r
e
me
nt
,pt
(
pu)-1)
全ての タス クの処理時間を同一 と見 なす場合 を表す.
(
5)納期 (
dueda
t
e(de
a
dl
i
ne)
,,
a -dt
)
各仕事 の納期 を考慮する場合 を表す.
10
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解 法
(
6
)タス ク数 (nt< n′)
シ ョップ型 問題 を対 象 とす る ときに, タス ク数 の上 限 を制 限す る場 合 を表
す.あ る仕 事 が 1つの機 械 で複数 回処理 される場合 を除いて は,機 械台数
の上 限 を制 限す る こ ととなる.
(
7
)バ ッチ処 理 (
ba
t
c
hi
ngpr
o
bl
e
m,β-b
at
c
h)
複 数個 の仕 事 を- ま とめ に して (
バ ッチ ング ),機 械 で連続 して処理 す る
場合 を表す.バ ッチ 内の仕事 の処理完 了時刻 は全 て,最後 に処理 された仕
事 の処 理完 了時 刻 に等 しい もの とす る.
2.
2.
3 評価基準による分類
スケ ジュールの有効性 の尺度 を表す もの をスケジュールの評価 基準 と呼ぶ.ス
ケ ジュー ル の評価 基準 は各仕 事
J
iの完 了時刻
Ci に関
して様 々な コス ト関数
f
3
(
C2
)を定義す る こ とに よ り定式化 され る.評価 基準 「′は各仕事 の コス ト関数
値 の最大 を とる形 の 関数 や総和 を とる形 の関数 ,す なわち,
7
7
- ma
X
t
f
%
(
Ci
)
l
i
- 1,...,
n)
†
1
- ∑f
t
(
C2
)
t
=
1
の よ うな 2つ の形式 で定 義 され る こ とが多 い.以 下で は, これ らのス ケ ジュー
ルの評価 基準 となる関数 T を評価 関数 と呼ぶ こ ととす る.仕事 の完 了時刻 のみ
に関す る,す なわち f
i
(
Ci
)-Ctの場合 の評価 関数 を以 下 に示 す.
(
1
) 給所 要 時 間 (
ma
k
e
s
pa
n)
7- c m ax -(
Ci
l
i- 1,… ,
n)
n
(
2) 給 滞留 時 間 (
t
o
t
a
lf
lo
wt
i
me) 7 -∑
ci
i
=1
さらに,スケ ジュ ー ルが 決 定 す ると仕事 iにつ い て 以 下
関数 f
t
(
C2
)が 求 ま る .
J
納期ず れ (laeness)
L. 納期遅 れ (tad
i
ne
s
s)
T
2納期余裕 (e l
i
nes
s)
Ei 絶対偏差I (as
ol
ut
ede
v
i
ain) D
i 遅れペナル テ ィ (uni
tp
ena
l
t
y) U8 t
r
a r
b
納期 を考慮 し
た
評
t
o
の
期
納
に
関す るコス
ト
Ci-d
i
m Xt0,
Ci
- t)
m X(0,di-C i)
l
Ci-d
il
0(i
fCt≦di・)orュ(ot
h
e
ri
s
e)
a
a
d
w
価 関数 として以下の ものが考え られる.
I
納期ずれはスケジュー リング理論 の定義 にしたが うと Liであるが,現実的には納期の遅れ
と余裕 に対す る非負 のペナルテ ィと考 えられるため,以降では納期ずれの総和 を対象 とすると
きは Dtで表す こととす る.
2.
3対象 問題の記述
11
(
3) 最大納期ず れ (
ma
x
i
mum l
a
t
e
ne
s
s)
7
-L-ax - 葦 二㌔(
Lt
)
7-皇
T
i
t
=1
(
4) 給納期遅 れ (
t
。
t
a
lt
a
r
di
n。
s
s
)
n
(
5) 給納期ず れ (
a
bs
o
l
ut
ed
e
v
i
a
t
i
on)
7-∑ D8
1
=
1
γ
乙
(
6) 納期遅 れ仕事数 (
t
o
t
a
luni
tpe
na
l
t
y) 7-∑ Ut
t
=1
(
3)は最大納期遅 れ (
ma
xi
mumt
a
r
di
ne
s
s
,i
m
a
x(
=
1
,
.
.
.
,
r
7
,TJ)と等価 であ る.また,完
了時刻 ない しは納期 に対 す るペ ナルテ ィー (
重 み ) W之を考慮 した評価 関数 と
して,
T
L
(
7
) 重 み付 き給滞留時 間 (
we
i
g
ht
e
df
lo
wt
i
me)
7- ∑
(
8) 重 み付 き給納期遅 れ (we
i
ght
e
dt
a
r
di
ne
s
s
)
7
・
-∑wI
T
t
W7
C7
u
一
一
一
r
L
t
=1
n
(
9) 重 み付 き給納期ず れ (
we
i
ht
g
e
da
bs
o
l
ut
ed
e
v
i
a
t
i
o
n)
7-∑ wt
DZ
u
I
I
i
l
があげ られる.評価 関数 の うち,完了時刻 Ciの全 ての値 に関 して単調増加 であ
る評価 関数 を正規 関数 と呼ぶ .上記 の うち,Etを含 む もの (-Ciを扱 うもの )
を非正規 関数 と呼ぶ .
2.
3 対象問題 の記述
2.
3.
1 単一機械 スケ ジューリング問題
単一機械スケジュー リング問題 (
以下 ,1機械問題 )では,n個の仕事 Jl"
..
,
Jn
は 1台 の機械 で処理 される.す なわち,各仕事 Ji(
i- 1,… ,
n
)は 1つ の タス
ク O l,1 のみで構成 される. 1機械 問題 では,以下 の記号 を定義 す る.
a: 琉
∼
<>
W
_
+
i I∼
仕事 Jtの処理完 了時刻
: 仕事 Jtの処理 時間重 み
‥仕事 Jtの納期ず れ重 み (CL
仕事 Jtの納期ず れ重 み
ヽ
ノ)
T
dJ
α
C 5W
仕事 Jiの総処理時 間
2の納期
仕事 J
仕事 J
tに対 す るこれ らの仕事属性 の値 (ci は除 く)はあ らか じめ与 え られ
ている もの とす る.
12
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
2.
3.
2 フ ローシ ョップ ・スケ ジュー リング問題
フローショップ ・スケジュー リング問題 (フローショップ問題 )の定義 は以下の
とお りである [
1
8
]
.n個 の仕事 Ji(
i- 1,...,
n)は, m 個 の タス ク Oi
J,
・
・
・
,
0号,m
よ りな り,m 台 の機械 M1
,
- ,
Mm で,
Ml- M2 - 日・- Mm
の順 に処理 され る.す なわち, フロー シ ョップ問題 で は仕事 Ji の j番 目の タ
ス ク 0名,
Jを処理す る機械 F
Lt
,
J は全 ての仕事 J
t(
i- 1,
… ,
n
)に対 して同 じ機械
M,であ る.
図 2.
3は,フローシ ョップ問題 での仕事 の処理 の流 れを表 している.m 機械 n
仕事 のフローシ ョップ問題 を以下では m xm フローシ ョップ問題 と表記す る.
iは納期 d
号
を有 し,機械 Mk
(
k- 1,
・・
・
,
m)上 で の タス ク 0%
,
kの
各仕 事 J
,
k
,Ci
,
kとす る. 1つのスケジュー
処理時 間お よび処理完 了時刻 はそれぞれ pt
ルが決定 した際 の仕事 J
iの給処理時 間 と滞留時 間はそれぞれ p
も(
- ∑kPt
,
k
)
,
(-C
岬)
で表 される・また,全 ての仕事 は分割 な しに加工 される もの とする・
C
t
-
f
l
owofj
obs
図 2.
3:フローシ ョップ問題での仕事 の流 れ
一般 の m 機械 フローシ ョップ問題 では,仕事 の追い抜 き (ガン ト ・チ ャー ト
で同一機械上 で仕事 を飛 び越 し移動 した り入れ換 える)を許可す るが,最初 の
2機械 Ml,M2 上お よび,最後 の 2機械 Mm _1,Mm 上の仕事 の処理順序 は同
一 として も一般性 を失 わないことが保証 されている. したが って,m >3の と
n!
)
ml2個存在 す る (
m ≦ 3 の場合 は n!個 の実
き仝実行 可能 スケジュールは (
行 可能 スケジュールが存在 す る).各機械上 での仕事 の処理順序 が 同一であ る
場合,順列 フローシ ョップ問題 と呼 ばれる.順列 フローシ ョップ問題では,実行
可能 スケジュールは 1機械 問題 の場合 と同様 ,n仕事 の順列 スケジュールに対
応 し,n!個 の実行 可能 スケジュールが存在す る.
2.
3.
3
ジ ョブ ショップ ・スケ ジュー リング問題
ジョブショップ ・スケジュー リング問題 (
以下,ジョブ ショップ問題 )を以下の よ
1
8
]
.n個 の仕事 Ji(
i- 1,...,
n)を m 台の機械 Mk
lk- 1,
… ,
m)
うに定義する [
で加工す る もの とす る・各仕事 J
iは , ni個 の タス ク 0り (
j- 1,… ,
ni
)か ら
2.
3対象問題の記述
13
な り,機械 を通過す る順序 は与 え られている もの とす る.す なわち,各 タス ク
は以下の処理先行 関係 を有す る.
Oi
,
1- 01,2 - - -
.(
i- 1,
・
・
・
,
n)
0 %,
a
また,各 タス ク Oi
,
,は機械 鮎 上で処理時 間 p8
,
,で分割 な しに加 工 され,同一
機械上では 2回以上加工 されない (
F
it
,
,1 ≠F
L7,
,2; j
l
,
j
2- 1,
.
..
,
7
7
"jl≠j
2)もの
,(
i- 1,...,7
7
,
j- 1,
.
・,m)を処理 す る
とす る. この とき,nl - m ,か つ 07,
(
- 帖 )と決 まっている とする と,2
・
3・
2項 で述べ たフロー シ ョップ問
機械が M,
1ジ ョブ シ ョッ
題 となる,m 機械 n仕事 のジ ョブ シ ョップ問題 を以下で は m x7
プ問題 と表記す る.
選択グラフによる表現
V,
Cur)
)
ジ ョブシ ョップ問題 は,タス クを節点 に対応 させ た選択 グ ラフ G -(
による表現が可能 であ る.ただ し,
V,C,D の定義 は次 の とお りであ る.
V:タス ク 07,Jに対応する節点 l(l- N2 +1,...,Nl;N0- 0潮 -∑と=171L
,
)
,
_1
お よび,仮 の開始節点 Sと仮 の終了節点 土の集合 を表す.節 点の重 み は
それ に対応 するタス クの処理時 間 pi
,
, である.ただ し,節点 S
,tの重 み
は O とす る.
C:(c
onj
unc
t
i
vear
c) :有 向弧 の集合 ((
u,
V)
l
u,
V∈V)を表 し,
(
1
) 1つの仕事 内で, タス ク uが タス ク Vに先行 す る.
(
2)u- 3, タス ク Vが仕事 内で最初 に処理 される.
(
3) タス ク uが仕事 内で最後 に処理 され , r
u-tであ る.
u,
V)に相 当す る.
の 3つの場合 が,有 向弧 (
D :(di
s
j
unc
t
i
vea
r
c):選択弧対 (
u,
V)-(
(
u,
V)
,
(
i
,
,
,
u)
)の集合 it
u,
可I
u,.
U∈
V)を表 し,タスク u,Vが同一機械で処理 される場合が選択弧 (
u,
V)
,
(
V,
′
u)
,
に相 当す る.
4は,表 2.
1に示す問題例 を選択 グ ラフによ り表現 した ものである.図 2.
4
図 2.
の選択 グラフでの 節点 (
V),有 向弧 (
C),選択弧対 (
D) は以下の とお りと
なる.
V- (01,
1
,
01
,
2
,
01
,
3
,
02
,
1
,
02,
2
,
03
,
1
,
032
,
04
,
1
,
0
,
C
5
,
i
)
4,
2,
04
,
3
,
- ((
3,
01
,
1)
,
(
・
5
,
02
,
1
)
,
(
5,
03
,
1
)
,
(
5,
04
,
1
)
,
(
01
,
1
,
01
,
2
)
,
(
01
,
2
,
01
,
3日 02
,
1
,
02
,
2
)
,
(
03
,
1
,
03
,
2
)
,
(
04
,
1
,
04
,
2
)
,
(
04
,
2
,
04
,
3)
,
(
01
.
3,
i
)
,
(
02
,
2
,
i
)
,
(
03
,
2,
i
)
,
(
04
.
:
3
,
i
)
)
D - (
(
0 1,
2,
03
,
1
),
(
03
,
1,
04
,
1
),
(
01
,
2,
04
,
1),
(
01
,
1
,
02
,
2
),
(
02
,
2
,
04
.
2)
,(
01
,
1
,
04
,
2)
,
(
01
3.
02
,
1
),
(
013
,
03
;
2
),
(
01
.
3
,
04
,
3),
(02
,
1
,
03
,
2
),
〈02
,
1
,
04
,
3),(
03
,
2
,
04
,
3日
,
14
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
この とき,選択弧対 を解消 (どち らかの有向弧 を選択 )することは,それに対
応するタス クの各機械上での処理順序 を決定することに相 当する.そこで,閉
路 を生 じさせ ない ように全 ての選択弧対 を解消 (
完全選択 )するによって, 1
つの実行可能 スケジュールを得 ることがで きる.また,開始節点 βか ら終了節
点 tに至 る最長パス (クリテ ィカル ・パス)の長 さが給所要時間 Cm arに対応
する.
クリテ ィカル ・パス上のタス ク集合 β は,次 の条件 を満足する とき,ブ ロッ
クと呼ぶ こととする.
1
.β 内の作業数 は 2つ以上である.
2.月 内の全作業は同一機械上で連続 して処理 される.
3.月 の先頭 (
最後 )のタス クの同一機械上 での直前 (
直後 )の タス クはク
リテ ィカル ・パス上 には存在 しない.
図2
,
5は例題 2.
3において,各機械上で
〟 1
M2
〃 3
03,1 - 04,1 - 01,2
01,1 1 04
,
2- 02
,
2
0 2,
1 - 03
,
2- 04
,
3- 01,
3
の タス ク間先行 関係 を与 えた ときの (
a)実行可能 なグラフお よび (
b)実行可能
スケジュールのガン ト ・チ ャー トを表す. この とき, クリテ ィカル ・パスは,
,
i
)
(S
,
03
,
1
)
,
(
03
,
1,
04
,
1
)
,
(
04
,
1,
04
,
2
)
,
(
04
,
2
,
02
,
2
)
,
(
02
,
2
,
01,
3
)
,
(
01,
3
によ り与 え られ,その長 さは 6
6であ り,総所要時 間 Cm ar
-6
6を得 る.一方,
図2
.
5のスケジュール上でのブ ロ ックは,
(03
,
1
,
04
,
1
)
,
(
04
,
2
,
02
,
2
)
の 2つである.
実行可能 スケ ジュールの生成
ジ ョブ シ ョップ問題 では,規模が比較的大 きい場合 に,何 らかの規則 を与 え
ず に選択 グ ラフを方向づけする と,閉路 を生 じやす く実行可能 スケジュールを
得 に くいことがある.本論文では,以下に示す同一機械上での タス クの競合 を
解消することによる実行可能スケジュールの生成法 を利用することとする. タ
ス クの競合 とは,同一機械上で 2個 の タス クが同時 に処理 される状態 を表す.
競合解消に基づ く実行可能スケジュールのアルゴ リズムは次の とお りである.
St
e
p・1所与のジョブ ショップ問題 を表す選択 グラフを G -( ,
A)とし,A
C とす る.
V
-
2.
3対象問題の記述
15
.
1
:例題 2.
3 (
3×4ジ ョブ シ ョップ問題 )
表2
タス ク (
機械 ,処理時 間)
JI
J2
J3
J4
01,1 (
M 2,
l
l
) 01,2 (
Ml,20) 01,3 (
M3
,
1
9)
(
M3,20) 0 2,2 (
M2,14)
03,1 (
M1,
6) 03,2 (
M3,10)
04,
1(
Ml,
1
6
) 04,
2(
M2,
ll
) 04,
3(
M3,
6
)
0 2,
1
l
l
+ conj
unct
i
vea「
C
-・
・
・di
sj
unct
i
vear
c
図2
.
4:例題 2.
3の選択 グ ラフ表現 の例
16
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
(
a)グ ラフ表現 (実行可能 グ ラフ)
1
0
20
30
40
5
0
60
t
i
m e
[
コJ
I⊂
コ.
I
,[
コJ
][
コJ
J
(
b)実行可能 スケジュールのガ ン ト ・チ ャー ト表現
図 2.
5:例題 2.
3の選択弧対解消後 のグ ラフ と実行可能 スケジュール
2.
4 スケ ジュー リング問題の解法
17
Sl
e
p・2 現在 のグ ラフ G -(
V ,
A)の各 ノー ド (タス ク)の最早 開始時刻 を求
める.
Si
e
p.3 選択弧集合 D 内で競合 を起 こ しているタス ク対 (
選択弧対 )の うち,
u,
可 を選ぶ .各機械上 の全 ての タ
最早開始 時刻が最小 であ る選択弧対 i
スク対 の競合が なければ終 了.
St
e
p.4競合 を解消する.
A -Au(
u,
V)
, または A-Au(
V,
u)
.
D
-D-(
u,
可.
Sl
e
p.5St
e
p.度
日こ戻 る.
また,上 記のアルゴ リズムにおいて欲張 り法 (
gr
eedymet
hod)[
1
9
]を利用 す
ることによ り,手軽 に良好 な実行 可能 スケジュールの生成 が可能 である.欲 張
り法 とは,一般 に評価 関数値へ の貢献度 に対 す る局所 的な評価値 に基づ いて 1
変数ずつ固定 しつつ,実行可能解 を直接構成 してい く方法である.本研究 では,
給所 要時 間が小 さ くなる ような選択弧対 (
競合 している 2つの タス ク)の解消
方法 を とることとす る.欲張 り法 による実行 可能 スケジュールの生成 アルゴ リ
ズ ムは,上記 のアルゴ リズムでの Si
e
p.4を以下 の手続 きに置 き換 えた もの と
す る.
(
u,
V)あるいは (
V,
u)と選択弧対 を解消 した場合 に得 られる総所 要時 間をそ
T,C孟a
xとす る. この とき,実行 可能 スケジュールの生成 アルゴ リ
れぞれ Cムa
ズムにおいて,
St
e
p.4競合 を解消す る.
C三
l
a
r<C孟a
rであれば,A -Au(
u,
,
U
)
.
C左a
T≧Cゑa
l
,であれば,A -Au(
′
U,
a)
.
D - D - (u
,
可.
とす る.
2.
4 スケ ジュー リング問題 の解法
2.
4.
1 解法の分類
スケジュー リング問題 の解法 としては,最適性 あ るいは求解時 間の効率性 を
考 えた場合 ,次 の 2つの方法 に大別 で きる.
●列拳法 (
el
l
t
l
nl
e
l
・
at
i
ol
】met
hod)
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
18
appr
oxi
mat
i
onal
gor
i
t
hm)
・ 近似解法 (
ス ケジュー リング問題 は ,n 佃 の仕事 を m 台の機 械で処理 す る とすれば,
(
n!
)
m通 りのスケジュールが存在す ることとなる. したが って,所与 の評価 関
数 に対 す る最適 スケジュールは理論上有限回数 の計算で求め られる組み合 わせ
最適化 問題 として定式化 で きる.すなわち,スケジュー リング解法 の最 も基本
的なアプ ローチは,整数計画法や分枝限定法 な ど組合 わせ最適化 問題 の最適化
1
5
]
. しか し, この ような最適化
手法,す なわち列挙法 を利用す ることである [
手法では,解 の最適性 は保証 される ものの,実用 的な時間内において最適 スケ
ジュールが求め られる問題 はご く限 られている.また,数学モデル構築 の困難
)
困難であることか ら実用面で問題が
性や,スケジュー リング問題 の多 くが N 7
残 されている.
近似解法 は,スケジュールの最適性 は保証 されないが,実用時 間で可能 な限
り良好 なスケジュールを求めることを目的 としている.近似解法は以下の 2つ
のアプ ローチが考 え られる.
●発見的方法
●探索法
一般 に発 見的方法 は ヒュー リステ ィックスを利用 し,良好 なスケジュールを求
める方法 である.基本的には,工程や評価 関数 を絞 った場合が多い ものの,一
般性 をある程度犠牲 にすることによ り,特定 の問題 に対 して非常 に効果 を発揮
1
8,2叶 例 えば,ジ ョブシ ョップ給所要時間最小化問題 を対象
する解法である 【
Shi
f
t
i
ngBot
t
l
e
ne
c
kPr
oc
e
dur
e)[
21
]では,ボ トル
とした移動 ボ トルネック法 (
ネック (
最大負荷 )となる機械 に着 目し,ジョブショップ問題 を疑似 1機械問題
化 しその部分問題 を繰 り返 し解 くことによって解 を求めている,この方法では,
最適性 は保証 されていないが,ほ とん どの場合で最適 スケジュールを生成する
強力 な解法 である といわれている.また最近では,現場のスケジュール専 門家
の持 つ経験的知識 を積極 的に利用 した知識ベース (
エキスパー ト)・スケジュー
リング ・システムの研究が活発化 している.知識ベースを利用 した解法 につい
ては後述する.
探索法 は,対象問題の実行可能領域の部分集合内を探索することによって,そ
の中で最 も良好 なスケジュールを求める方法である.最近では,遺伝 アルゴリ
22
]や模擬 アニー リング [
23]法 な どの メタ戦略 (Me
t
aHe
ur
i
s
t
i
c
s) と称
ズム [
す る新 たな枠組みが提案 され,スケジュー リング問題 に様 々なアプ ローチで適
用 されている.近似解法であるため大域 的最適性 の保証は されないが,システ
ム に組み込み易 く有用性が高い解法である.
一方,特定 のスケジュー リング問題 に対 しては,最適解 の生成が保証 されて
いる様 々なスケジュー リング ・ルール (
デ ィスパ ッチ ング ・ルール,作業規則 )
が存在する.これ らのルールは別のスケジュー リング問題で も良好 なスケジュー
ルを生成する場合があ り,近似解法の側面 も有する.次項以降では,代表的なス
ケジュー リング ・ルール と局所探索法 によるスケジュー リングについて述べる.
2.
4 スケ ジュー リング問題の解法
19
2.
4.
2 一般 の スケ ジュー リング ・ル ール
スケジュー リング ・ルールは,特定のスケジュー リング問題 に対 しては,最適
スケジュールの生成 が保証 されている比較 的簡単 なルール (
以下,最適化 ルー
ル)が存在す る [
1
5,1
6]
.以下では,代表 的な最適化 ルー ルを述べ る・なお,以
i- 1 ,
7
7
J
)とす る.
下では i番 目に処理 される仕事 を J,m(
,
…
。EDD(Ea
r
l
i
e
s
tDueDa
t
e)ルール (
1
//Lma
r)
1機械最大納期遅 れ最小化 問題 において,仕事 J
lの納期 dtの非減少順 ,
d,
T
l≦ d,
T
2 ≦.
.
.≦ d,Tn
に仕事 を処理す ることによ り最適 スケジュールを得 る.
・SPT(Shor
t
e
s
tPr
oc
e
s
s
i
ngTi
me)ルール (
1
/
/∑C
2
)
1機械総滞留時間最小化問題 において,仕事 Jlの処理時間 p2の非減少順,
l≦ p,T2 ≦-・≦
p,
T
p,
Tn
に仕事 を処理す るこ とによ り最適 スケジュールを得 る.
・WSPT(We
i
ht
g
e
dShor
t
e
s
tPr
oc
e
s
s
i
ngTi
me)ルール (
1
//∑ Wヱ
Ct)
1機械重み付 き総滞留時間最小化 問題 において,仕事 J
iの処理時 間の重
み比 p
i
/wtの非減少順 ,
_
壁 土 <_
里 吐
く ...< 遭竺 _
W7
r
l
W7
T
2
W7
T
n
に仕事 を処理す ることによ り最適 スケジュールを得 る.
・J
ohns
o
nルール (
F2
/
/
Cm ar )
2機械 フローシ ョップ総所要時 間最小化 問題では,以下のアルゴ リズムに
より最適 スケジュールが得 られる.
St
e
pl.n個 の仕事 Jt(
i- 1,
… ,
n)の集合 を J とし,Jl- (Jt
t
pi
,
1≦
p
i
,
2
)とす る.
St
e
p2・Jl内の仕事 を pl
,
1の増加順 に並べ る.
St
e
p3・J-Jl内の仕事 を pl,2 の減少順 に並べ る.
/
Cm ar問題で max(
pt
,
2
)≦mi
ni
恥1
)または ma
xt
p
i
.
2
)≦m
i1
1
(
p
7
,
,
,
)
また,F3/
を満足す る場合 ,pl,1
+pi,2 お よび pt,2+p"3 を新 たに pt,1,Pl,2 と置 き直
す ことに よ り最適 スケジュールが得 られる.
・Ja
c
ks
o
nルール (
J2/
n%≦2
/
Cm ax )
n個 の仕事 を 4つの集合 J .
,J2,J12,J21に分割す る.ただ し,Jk(
k1,
2)は機械 ML
・のみで処理 される仕事 の集合 ,J,
k(
jk-1
2,
21
)は,機械
叫 ,ML
・の順 に処理 さj
tる仕事 の集合 を表す.この とき,J2
/nl
≦2
/
Cm a.
r
問題 では,以 下のアルゴ リズムに よ り最適 スケジュールが得 られる.
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
20
St
e
p1.J12 に対 して Johns
onルールを適用す る.
St
e
p2.J21 に対 して Johns
onルールを適用す る.
St
e
pa.機械 Ml上での処理順序 を J1
2,
Jl
,
J21 とする
(
Jl内は任意順).
Sl
e
p4
.機械 M2 上での処理順序 を J2
1
,
J2
,
J12 とする (
J2内は任意順 ).
また,MST(Mi
ni
mum Sl
ac
kTi
me)ルールは最適化 ルールではないが,納期
遅 れに関する評価 関数 と対象 とした ときに有効であることが多 い.MST ルール
とは,納期余裕 d
i- Ptの最小順 に仕事 を並べ ることである.
2.
4.
3 局所探索法によるスケ ジュー リング
局所探索法は,スケジュール β (
評価値 頼 ))を少 し変 えることによって得 ら
S)の中で,f(
S
′
)<f(
S
)(
S
′
∈
れるスケジュールに より構成 される近傍 の集合 N(
N(
S)
)なるスケジュー ル S′が存在 した とき,スケジュールを新たに S
′に更新す
る手続 きを可能 な限 り繰 り返 し行 う方法 である.局所探索法 によるスケジュー
リング法 は以 下の とお りである.
Si
e
p.
1任意 に発生 させた実行可能スケジュール Sを初期 スケジュール とす
る.
S
*:
-3,f(
S
*
):
-f(
s)
,k:
- 1.
Si
e
p・kf(
S
′
)<f(
S)(
S
′∈N(
S)
)なるスケジュールが見 つかれば,S* =- 3′,
f(
S*
):
-f(
3
'
)
.k:
-k+1とし St
e
p.kへ .そ うでか ナれば,終了する (
S*
が暫定 スケジュール となる).
以下では,St
e
p.kの手続 きを近傍探索 の 1サ イクル と定義す る.近傍 内のスケ
ジュール S
′を探索す る際,以下の 2つのアプ ローチがある,
●実行 時 間を重視
スケジュール S′が見つか り次第,現在 のスケジュールを更新す る.
●解 の精度 を重視
近傍 内全 てのスケジュールを探索 した後,現在 のスケジュールをその うち
の最良スケジュールに更新す る.
以 下で は,前者 をフ ァース ト改善 (j
i
r
s
ti
mpr
ove
l
ne
nt),後者 をベ ス ト改善
(b
e
s
ti
mpr
ov
e
me
nt) と呼ぶ こととす る.
最終 的に得 られるスケジュールは,近傍 N(
L
q
)内でそれ よ り良いスケジュー
ルが存在 しない とい う意味 において,局所 最適 なスケジュールである.局所探
索法 は,比較 的良好 なスケジュールを生成す る反面 ,未探索 の実行可能領域 に
さらに良好 なスケジュールが存在 す る可能性がある.この問題 を解決す る方法
の 1つ と して,初期解 を多数発生 させ,その各 々に局所探索法 を適用する多 ス
2.
5 インテ リジェン ト ・スケ ジュー リング
21
Mu
l
t
i
s
t
a
r
tLo
c
a
lS
e
a
r
c
h)があ る. さらに, ランダ ム要素
タ- ト局所探索法 (
を含 む欲張 り法 を利用 して初期解 の生成 を行 う GRAS
P(Gr
e
e
d
)
,
Ra
nd
o
mi
z
e
d
Ad
a
pt
i
v
eS
e
a
r
c
hPr
oc
e
d
u
r
e)[
2
4
]と呼 ばれる方法がある.
2.
5 インテ リジェン ト ・スケ ジュー リング
2.
5.
1 インテ リジェン ト ・スケ ジュー リング とは
インテ リジェン ト スケジュー リング [
1
]は,図 2.
6に示す ように,問題解決の
n
l
P
u
t
a
t
i
o
na
lI
n
t
e
l
l
i
g
e
nc
e
(
(
て
Ⅰ
)
,Ar
t
i
f
i
c
i
a
lI
n
t
e
l
l
i
g
e
nc
e(
At
)
アプ ローチによって Co
と呼ばれる 2つのカテ ゴ リに分類 される.CIは,人間 さらには生物 の行動 のダ
イナ ミクスをモデ ル化 し,問題解決 に利用す る ものである.例 えば , 遺伝 アル
ゴ リズム,アニー リング法 な どの メタ戦略や,さらにはニューラル ・ネ ットワー
ク,ファジ イ推論 な どが挙げ られる.CIは厳 密 なモデ ルを必要 とせず,問題 に
応 じてアルゴ リズ ムを組 むことに よって比較 的簡単 に良好 な解 が生成 可能 であ
るが,計算能力 に余裕 を持 つ コンピュー タが前提条件 となる.一方 ,AIはエ キ
2,3
]に見 られる よ うな
スパー ト (
知識ベース )・スケジュー リング ・システム [
専 門家 の経験 的知識 に よる問題解決過程 を事例 ない しはルー ルの形でモデ ル化
し,満足 のい くスケジュールを生成す る ものであ る.
アプ ローチによる知識ベー
以下では,CIの代表的な方法であるメタ戦略 と AI
ス ・スケジュー リング法 について述べ る.
2.
5.
2 メタ戦略
スケジュー リング分野 における代 表的な メタ戦略 と して,
・模擬 アニー リング法 (
S
i
mu
l
a
t
e
dAn
n
e
a
l
i
n
g
(
SA)
)
・ タブー探索法 (
Ta
b
uS
e
a
r
c
h(
TS)
)
・
遺伝 アルゴ リズム (
Ge
l
l
e
t
i
cAl
g
o
r
i
t
h
m(
GA)
)
がある. メタ戦略 は,探索 的手続 きを行 う近似解法であ り,その基本 は局所探
索法である. メタ戦略 の特徴 は,探索過程 に確 率要素 を取 り入れた り,探索 の
禁止領域 を設けることに よって,局所解 を改善す る手続 きが組み込 まれている
とい う点であ る. また, メタ戦略 に したが ってアルゴ リズムを組 む ときは,厳
密 なモデ ルを必要 とせず,対象問題 に応 じてアルゴ リズムを組 むこ とに よって
比較 的簡単 に良好 な解 が生成可能であることが強味 である.
メタ戦略 は問題解決 の枠 組み を与 える ものであ り,それに したが うアルゴ リ
ズムは問題 に依存す るため, メタ戦略 を利用 したスケジュー リング法 は多数提
案 されている. これ らの研究では,利用す る メタ戦略 に対 して どの ように対象
スケジュー リング問題 をコーデ ィングするか,す なわち,解の探索範 囲内にある
22
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
l
n
t
e
"
i
g
e
n
t
Sc
h
e
d
u
l
i
n
g
Al(Ar
t
i
f
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aHnt
eHi
gence)
t)
Knowl
edgeBased(Exper
Schedul
i
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s
t
em
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nl
ng
-l
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t
i
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or
c
ementLear
nl
ng
CI(Comput
at
i
onaHnt
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l
j
gence)
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i
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i
c
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i
t
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at
edAnneal
i
ng
TabuSear
ch
Mul
t
i
St
ar
tLocal
Sear
ch
Neur
al
Net
wor
k
Fuz
zySet
s
図 2.
6:インテ リジェン ト ・スケジュー リングの分類
スケジュール群 の生成 方法が重要である. このスケジュール群 を探索 における
近傍 とい う.スケジュー リング問題 を対象 とした場合,比較 的単純 なスケジュー
リング操作 である仕事 (タス ク)対 の入 れ換 え,ない しは仕事 の移動 に基づい
2
5
]らはジ ョブ シ ョップ
て近傍 を定義す る とい った方法 が多 い.例 えば,山田 [
問題 を対 象 と した SA 法 において, クリテ ィカル ・パス上の各ブ ロ ック内の任
意 の タス クをそのブ ロ ックの先頭 ない しは最後 に移動することによって得 られ
るスケジュー ル群 を近傍 と してい る. また,Laar
hove
nら[
23
]はジ ョブ シ ョッ
プ 問題 を対象 とした SA 法 において, クリテ ィカル ・パ ス上 の各ブ ロ ック内の
隣接 タス ク対 の入れ換 え操作 に より得 られるスケジュール群 を近傍 としている.
この よ うに, メタ戦略 に よるアプ ローチは探索過程 においてス ケジュールの微
小 な変化 を利用するため,計算能力 に余裕 を持 つ コンピュー タが前提条件 とな
る.以下 に,本研 究で取 り上げ るタブー探索法 を紹介す る.
タブ ー探索法
タブ ー探索法 (
t
abus
e
ar
c
h)[
26
1は,局所探索法 をベース として,次 の 2つ
の手続 きを行 う特徴 がある.
2.
5 イ ンテ リジ ェン ト ・スケ ジュー リング
23
F
e
a
s
i
b
l
eRe
g
l
0
n
図 2.
7:解 の循 環
1.タブ ー ・リス ト T を作成 す る こ とに よって,一度得 られたス ケジュー ル
βが再 び暫定 スケジュー ルになる とい った解 の循 環 を回避 す る,
S)内で最 良ス ケジュール L
q
′を求 め,L
l
'に
2.暫定 スケ ジュール Sの近傍 N(
'
′に更
関す る情報 が タブ ー リス トに存在 しない限 り,常 にスケジュー ル L
新する (
評価値 が悪 くなる場合で もスケ ジュール を更新 す る ).
7に示す ように,スケジュール Sの近傍 N(
5)内の最良スケジュー
解 の循環 は図 2.
ルが S
′であ り,S
′に更新後近傍 N(
S
′
)内の最 良スケジュー ルが βであ る よ う
な場合 を表す.
一般 の タブ ー探索法 の手続 きを以下 に示す.本研 究 で は,所与 のス ケジュー
ル S 上で同一機械上 の任意 の仕事対 を入換 えるこ とに よ り得 られ るス ケジュー
S)とす る. タブ ー ・リス ト T はスケジュー ルの更新の際 に
ルの全 てを近傍 N(
入 れ換 えた仕事対 の履歴 とす る. タブ ー探索法 は解 の改悪 を受理 す る場合 があ
e
p6.で は,例
るため に,明示的 に手続 きの終 了条件 を設定 す る必要があ る.St
えば最大探索 回数 な どを設定す る.
St
e
pl.任意 に発 生 させ たスケジュール さを初期 ス ケジュー ル とす る.
β
*:- ・S,f(
S
*
):
-I(
S)
.T - 4
,
.k:
-0.
St
e
pi
'
.Sl
E
P3.か ら 一
S
t
e
p6.を繰 り返す.
,
†
f
c
l
)3.最 良ス ケジュー ル L
'
′∈▲
1
r
(
.
)
-T を探索 す る.
Sl
e
p4
,タブ ー リス ト T を更新 す る.
SI
E
l
'5.も Lf
(
3
'
)<f(
S*
)な らば L
q
*‥
-5'
,f(
,
5
*)-I(
.
5
'
)
.
Sf
F
,
I
)6
'
.L
l:
-
L
l
+1.も し ん>
M
n.
r な らば終 了.
24
第 2 章 スケ ジュー リング問題 とその解法
(
S+
)は暫定最良スケジュール S*の評価値 を表す.タブー探索法では,
ただ し,f
St
e
pt
9
.
-St
e
p 6.までの手続 きが近傍探索 の 1サ イクルに相 当する.
2.
5.
3 知識ベース ・スケジューリング法
知識ベース ・システム (Kn
o
wl
e
dg
eBa
s
e
dS
y
s
t
e
ms(
KI
i
S))は,AIアプ ロー
2
,3
]
.知識ベースに
チ として生産スケジュー リング分野で広 く利用 されている [
よるスケジュー リング法 (
以下,知識ベース ・スケジュー リング法 )は,対象
問題 に特化 した ヒュー リステ ィックス を利用 してスケジュールの生成 を行 うも
のであ る [
27,28]
.知識ベースは,多 くの場合 ,知識工学技術者がスケジュー リ
ング専 門家か ら摘 出 (インタビュー) した経験 的知識 を計算機 が処理 しやすい
形 に変換 す るこ とによ り構築す る. この過程 は知識獲得 と呼 ばれ,知識獲得 に
よ り構築 された知識ベース ・スケジュー リング ・システムはスケジュー リング ・
エ キスパ ー ト ・システム とも呼ばれる.スケジュー リング問題 を対象 とした場
令 ,知識表現 はルール,ペ トリネ ット,スキーマ な ど様 々なタイプが存在 す る
[
29,30,3]
J.
スケジュー リング ・エキスパー ト ・システムでは,製品 ・生産設備等 の周 囲
の環境 が変化 した場合 に,スケジュール専 門家が適切 な知識 を有 している とは
限 らず,状況 に応 じて既存 のルールを修正 した り,新た にルールを追加 してい
くこ とがで きるとは限 らない.この問題 は,知識獲得 のボ トルネ ックと呼 ばれ,
知識ベ ース構築 におけ る大 きな問題 となっている.
この知識獲得 のボ トルネ ックを解消する方法 として,次 の 2つのアプ ローチ
が研 究 されている.
● 知識獲得支援 システム
対象 システム とスケジュール専 門家 との相互作用 を取 りつつ,専 門家の経
験 的知識の構造 を同定す ることを目的 とす る.
●機械学習 による知識 の 自動獲得
対象 システムにおける様 々な タス クを効率面 ない しは機能面で過去の振 る
舞 いに比べ て うま く解決で きるようにするようなシステムの動作の実現 を
目的 とす る.
知識獲得支援 システムに関す る研 究では,スケ ジュー リング ・エキスパー ト ・
システムのユ ーザ ー ・インターフェースを充実 させ ることによ り,スケジュー
リング専 門家が直接 システムの動作 に介入で きる ように した協調型 スケジュー
1
]
.
リングが提案 されている [
森下 [
4
]らは,ユ ーザ ー ・インターフェースに柔軟性 を持 たせ スケジュール専
c
l
l
e
l
)
1
a
l
、)を開
門家の知識が的確 に反映 されるス ケジュー リング ・システム (S
発 し,あ る製鉄所 において実用上の効果 を得 た と報告 している.
2.
5 イ ンテ リジ ェン ト ・スケ ジュー リング
25
図2
・
8‥ルー ル獲得機構 を付 加 したス ケ ジュJ )ング ・システ ム [
7
]
荒木 [
5
]らはスケ ジュー リング問題 を対象 と したエ キスパ ー ト ・シス テム構 築
SCH ) を開発 してい る. この シス テ ムで は,ス ケ ジュー リン
ツール (ARES/
グ操作 の手続 きを構 成 す る基本 的 な操作 単位 を用意 してお り,そ れ らを組 み合
わせ て フローチ ャー トを生成 す る こ とに よって,対 象問題 に応 じたス ケジュー
リング法 を開発 す る こ とが可能 であ る.
6
]は,事 例 ベ ース推 論 を利用 した問題 解 決 お よび知 識獲得 の統 合 シス
宮下 [
テ ム (CABI
NS)を提 案 してい る. この システムで は,スケ ジュー ル専 門家 の
ス ケ ジュー ルの修 正 過程 と修 正 結果 に対 す る判 断 を過去 の修 正事例 と して貯 え
て,その事例 を利 用 した反復修 正 に よるス ケ ジュー リング とリアル タ イムの ス
ケ ジ ュー ル修 正 を実現 してい る.
一 方 , システ ムの対 象 問題 自体 の解析 に よ りス ケ ジュー リング問題 に対 す る
ルール を 自動 的 に獲得 す る よ うなスケ ジュー リング ・システ ムが提 案 され てい
2.
8に
る.これは,機械 学習 を利 用 した知識 の 自動獲得 に関す る研 究であ り,図 ・
ルールの 自動獲得機 能 を付 加 した ス ケ ジュー リング ・シス テ ムの枠 組 み を示 す
[
7
]
.
ス ケ ジュー ラ (
Sc
hc
dul
e
r)は基本 的 なスケ ジュー リング ・デ ー タか ら, ルー
Rul
eBase) に貯 えれ られ てい るスケ ジュー リング ・ルー ル を利 用
ル .ベ ース (
し,ス ケジュー ル を作 成 す る. ルー ル ・ベ ースは,学習機構 (
I
nduc
t
i
oT
7Unl
f
)
によ り獲得 されるルー ルに よって構成 される.学習 に必 要 なデ ー タは,システ ム
の状態 や ス ケジュー リング ・デ ー タを もとにシ ミュ レー シ ョン機 構 (
S油,
ul
(
L
t
/
I
on
Un
J
i
t
)で ス ケジュー リング ・シ ミュ レー シ ョンを行 い,何 らか の構 成法 に した
第 2章 スケ ジュー リング問題 とその解法
26
が った事例形式 と して与 え られる.獲得 されるルールは,
(
i
)
i
f (s
ys
t
e
mc
onf
igur
a
t
i
on
t
he
n (s
c
he
dul
i
ngs
t
r
a
t
e
ie
g
s
とい うスケジュー リング状況 に適 したスケジュー リング ・ルールの利用 を表す
ys
t
e
mc
on丘gur
at
i
onは,機械 の状況,時間 とともに変
形式 をとる場合 が多 い.s
化 するライン情報,所与 の制約条件や評価 関数 を表す.s
c
he
dul
i
ngs
t
r
a
t
e
gi
e
sは
一般 のデ ィスパ ッチ ング ・ルールや,簡単 なヒュー リステ ィックスに相 当す る.
他 のルール表現 として,スケジュー リング戦略 自体 を条件部 に組み込 んだ,
(
i
i
)
i
f
(s
ys
t
e
mc
onf
igur
at
i
on
a
n
d (s
c
he
dul
i
ngs
t
r
at
e
ie
g
s
t
he
n (s
ys
t
e
m pe
r
f
or
ma
nc
e)
とい う形式 を とる場合 もあ る.
Shaw[
7
]らは ,FMSの リアルタイム ・スケジュー リング を対象 として,ルー
ルの獲得 と洗練化 を行 う帰納 的学習機構 を組み込 んだ,パ ター ン指 向型 のスケ
PDS) を提案 している. この研 究では,予め考 え られたスケジュー
ジュー ラ (
リング ・ルールの適切 さをシ ミュレーションによ り評価 し,スケジュー リング状
況 と適用 したスケジュー リング ・ルールのペ アを事例 として多数蓄 える.そ し
て,蓄積 した事例集合か ら I
D3学習 アルゴ リズムによって,状況 に適 したルー
ル選択 を学習 させ る とい う考 え方を とっている.
中須賀 ら [
8
]らは,基本的 には上述 の PDSと同様 な学習型のスケジュー リン
グ ・システム を提案 している_
.ルー
ール獲得 のアルゴ リズム として_
,学習デ ー タ
となる事例群 を再帰 的に 2つの部分集合 に分 けてい く二分木生成 アルゴ リズム
を利用 している. さらに,事例 の構成要素 となる特徴 を単純 な四則演算 によ り
組み合 わせ るこ とに よって,対 象問題 に適 したルール生成 も行 っている. これ
ら 2つの研 究 では,上記 の (
i
)のルール形式 を利用 している.
Pi
e
r
r
e
val
[
32,33
]らは,フローショップ型の生産システムにおいて適用 したデ ィ
スパ ッチ ング ・ルールとその ときのシステムの振 る舞いに関連す るルールを学
習す る学習型の知識ベース ・スケジュー リング ・システム (GENREG )を提
i
i
)のルール形式 を利用 しているルールの学習 は,
案 している. この研 究で は,(
ルール条件部 を比較 して一般化 ・洗練化 を行 うこ とを目的 としたボ トムア ップ,
トップダ ウンと呼 ばれる比較 的単純 なアルゴ リズムによって行 われる.
第 3章
スケ ジュー リング ・ル ールの帰納 的
獲得
本章では,本研究で提案する帰納 的学習 よるスケジュー リング ・ルー ルの獲
得 方法 について述べ る.まず,スケジュー リング ・ルール獲得 のアプ ローチ とそ
D3学習 アル
の実現 を目指 した研 究 を概観 し,本研 究でルール獲得 に利用する I
5学習 アルゴリズムの概要 を述べ る.次 に,本研 究で提案する 2
ゴ リズム と C4.
仕事入 れ換 えに基づ いたルール獲得 方法 について述べ る.学習デ ー タとなる事
例 の構成法 お よび発生法 について説明 し,学習 アル ゴリズ ムによるルールの帰
納 , さらに,スケジュー リングに適用す るルールの選択 方法 について説明す る.
3.
1 ルール獲得の考 え方
ルール獲得 アルゴ リズム として帰納 的学習法 を適用す る際,スケジュー リン
グの どの段 階で どの よ うな表現形式のルールを獲得するかの検討 が必要である.
スケジュールの ガン ト ・チ ャー ト作成段 階 に着 目す る と,スケジュー リング操
作 に対 す るルール獲得 の場面 は,
Al
l
oc
at
i
onType)
・割当て型 (
・改善型 (
I
mpr
ov
e
me
ntType)
の 2つの タイプ に大別で きる と考 え られる.
.
1
(
a)に示す ようなスケ ジュールの作 成段 階で末割 当て
割 当て型 とは, 図 3
7
]や LADS[
8
]
の仕事群か ら割当可能 な仕事 を選択す るような場面 である.PDS[
で は,機械 のバ ッフ ァ ・サ イズやブ ロ ッキ ング状態 な どスケジュー ルの状態や
環境 を表す多数 のデ ー タか らスケジュー リング状況 を分類 し,それに適 した優
先規則 を選択 す るためのルールを獲得 す る.割 当型のアプ ローチ は,主 にダ イ
ナ ミック ・スケジュー リング を想定 してお り,現場モデ ル- の適用 が容易であ
27
28
第 3 章 スケ ジュー リング ・ル ールの帰納的獲得
J
o
bSe
t
(
a)Al
l
ocat
i
onType
(
b)I
mpr
ovemen
tType
図 3.
1:ルール獲得 の場面
∫
3.
2帰納的学習法
29
る と考 え られる. しか し,事例 表現 はモデ ル に特化 す る場合が多 く汎用性 に乏
しい場合がある.
改善型 のアプ ローチは,図 3
.
1
(
b)に示す よ うに何 らかの方法 で作成 されたス
ケジュール上 の仕事 を移動 や交換 す るこ とによって,ス ケジュールを反復 的に
改善 (
修正 )する場合である.これは静 的なスケジュー リングや,再スケジュー
リング を考 えた場合 に相 当す る.
本研 究では,ルール獲得場面 として後者の改善型 を取 り上げ ,
「ス ケジュー ル
を改善す る ような仕事対 の入れ換 え」 に着 目 し,ルー ル獲得 を検討す る.仕事
対 入れ換 えを取 り上げ る利 点 として,
1
.スケジュー リング操作 の特徴抽 出が容易 であ ること
2.汎用 的なスケジュー リング ・ルールの事
由出
が期待 される.一方,仕事対 の入れ換 え操作 は摂動 的なスケジュールの遷移操作
であるため,大規模 な問題 に対 しては計算能力 に余裕があ るこ とが必要 となる.
3.
2 帰納的学習法
3.
2.
1 帰納的学習 とは
帰納 的学習 は,所与 の事例集合 を用 いて新 たな知識 (
一般 的なルール )を抽
出す る記号表現 に よる概念学習であ り,近年活発 に機械学習 の分野で研 究が行
われている.帰納 的学習 は,
(
1)記述子 (
学習対象問題 の特性 ・特徴 )の選択
(
2
)一般化
(
3)洗練化
とい う 3つの段 階か らな り,(
2)が帰納 的学習の主要 な部分 であ る.事例 は,学
習対象 問題 の性質 を表 した事例特徴 と事例 が属 す るカテゴ リで構成 される.一
Tr
ai
ni
ngSe
t) と呼び,訓練例集
般 に学習 に利用 される事例集合 を訓練例集合 (
合 は学習対象 に属す る正事例 ,それ と相 反す る負事例 か らなる. また,学習結
f
t
he
nルールや分類木 (
De
c
i
s
i
onTr
e
e)で表現 されることが多い.
果の知識は,i
2に,分類木 お よびルールの帰納例 を示す.帰納 的学習 に よるルー ル獲
図 3.
得 は,人 間に とって理解が容易である よ うに,可能 な限 り簡単 な知識表現 を目
指す ことにある.図 3.
2の例では,2つの分類木が生成可能であ り,分類木 1は
分類木 2に比べ て よ り一般 的な知識表現である とい える. しか し,可能 な限 り
簡潔 な知識 を獲得 すること,す なわち,生成 されるルー ルを最小 にす るこ とは,
J
Vア困難 な問題 である.さらに,獲得 したルール ・セ ットには一般 に冗長性 を生
30
第 3 童 スケ ジュー リング ・ル-ルの帰納的獲得
Tr
ai
ni
ngSe
t
D
e
c
i
s
i
o
n
T
r
e
e
1
A
,
N
Rul
eSe
t1
i
f A=O t
henP
i
f A=l t
henN
De
c
i
s
i
onTr
e
e2
P
NP
N
PPNN
nnnn
eeee
h
H
H
th
l
日
日h
H
Uh
H
H
1
0011
一一ここ
AAAA
dd.
一
ud
nnnn
aaaa
0101
一二一一
BBBB
一
・ー t t 一
l
Rul
eSe
t2
図 3.
2:訓練例集合 か らの分類木 ・ルールの帰納例
3.
2帰納的学習法
31
じているため,その中か ら適 当な組み合 わせ を選択す ることが必要である.そ
こで,ルール獲得 にはヒュー リステ ィックスを用いたアプ ローチが必要 となる.
以下 に代表的な帰納 的学習法 を示す.
(
1)AQ (
Mi
c
hal
s
ki
,1
97
5)[
1
3]
全 ての正事例が少 な くとも 1つのルールによって分類 されるまで,ルール
の生成 を繰 り返す.ルールを求める方法 として,よ り多 くの正事例 を包含
し, よ り多 くの負事例 を排除で きる よ うな記述子 の組み合 わせ を優先す
る. しか し,直接 的にルール獲得 を行 うために冗長 なルール ・セ ットを生
じ易い.また,冗長なルールを除去する際,ランダムにルール選択 を行 う
ためルール獲得 の効率性が問題 となる.
(
2)I
D3 (
Qui
nl
an,1
983)[
1
3
]
事例か ら分類木 を生成する方法であ り,正事例 もしくは負事例 だけの事例
部分集合 になるまで,事例集合 の分割操作 を再帰 的 に行 う.分割基準 は,
情報量の期待値 に基づいて選択 された記述子の値が利用 される.アルゴ リ
ズムが比較的単純で理解 しやすい反面,分類木その ものの表現能力が不十
分であることや,分類木生成 に利用する事例 の個数が少 ない場合 に分類木
の細部 まで完全 に学習することが困難 になることが問題 となる.
(
3)CN2 (
Cl
ar
k,
Ni
bl
e
t
t
,1
989)【
341
分類 リス トとよばれる i
f
t
he
ne
l
s
e形式 のルール ・リス トを構築する方法
である.全 ての正事例が消去 されるまでルール生成 とルールを満足す る
正事例 の消去 を繰 り返す.記述子の選択 の際,記述子の情報量の期待値が
用い られる.このアルゴ リズムでは,一般 にルール生成段階におけるルー
ル ・セ ットの洗練化 が必要 とされる.
(
4)GREEDY3 (
Pagal
l
o,Haus
s
l
e
r
,1
990)[
35
]
CN2と同様,分類 リス トを利用 したルール獲得方法である.異 なる点は,
記述子の選択の際,ベ イズ規則により個 々の記述子 を評価することである.
(
5)C4.
5 (
Qui
nl
an,1
993)[
1
4]
C4.
5は,I
D3の事例分類 の再帰操作 における記述子 の選択段 階で,事例
の分類精度 を高めた ものである.さらに,生成 した分類木 に対 して枝刈 り
を行 うことにより,より一般的な分類木が生成可能である.また,分類 木
f
t
he
nルールを分類木か ら生成す ること
生成 のみにとどまらず, さらに i
がで きる.
D3やそれを発展 させ た C4.
5 といった分類木 に よる帰納 的
これ らの中で も,I
学習は,現在現実問題 の レベルで利用 されている帰納 的学習法である.
これ ら分類木 による帰納 的学習の場合,先 に述べ た帰納 的学習の 3段 階は,
(
1)事例 特徴 の選択
32
第 3章 スケ ジュー リング ・ルールの帰納的獲得
(
2
)分類木 の生成 (- ルールの摘出)
(
3)枝刈 り (- ルールの冗長性除去 )
に相 当す る.特 に C4.
5は効率 的に学習 を行 い,アルゴリズムその ものの汎用
性 も高い.
D3学習アルゴリズム と C4.
5学習 アルゴ リズ
本研 究では,ルールの獲得 に I
ムを用 いる.
3.
2.
2 I
D3学習アルゴリズム
I
D3学習アルゴ リズム (
以下 ,I
D3)は帰納 的学習の 1つであ り,計算機 によ
り特定 の例題 か らそれ らを分類す るようなルールを推論す る.訓練例集合内の
,
個 々の事例 は以下の問題 を特徴づける性質の集合 (
事例特徴 )xl
例が属す るカテゴ リ C によ り構成 される.
,
Xq
と,事
(Xl
,
x 2,
・
・
・
,
Xq
,
C)
一般 に事例特徴 は,連続値 ない しはバ イナ リ変数 や文字記述 (
Hi
gh,Mi
ddl
e
Lo
w)な どの離散値 を持 つ.また,カテゴリは 2つ (
Po
s
i
t
i
v
eo
rNe
g
a
l
i
v
e
,以下
P,N) とし,P に属する正事例 と N に属する負事例か らなる.I
D3ではまず,
所与の訓練例集合 を正事例 または,負事例 だけになるまで再帰的に分割操作 し
分類木 を構築する.分類木のノー ドお よび枝 は,事例の特徴 とその値 により構成
され,終端 ノー ドはカテゴリで構成 される.分類木のノー ドを決定するには,各
特徴 の持つ情報の利得比お よび期待情報量 に基づいて行 われる.訓練例集合 に正
,
β個存在 した とする と,特徴 X?(
i- 1,
.
.
.
,
q
)
事例 お よび負事例がそれぞれ α,
の利得比 G(
Xi) は式 (
3.
1
)で定義 される.
G(
Xi
) - I(
α,
β)-E(
x 2
・
)
・(
a,
β) -
-
一
議
l
o
g2
品
(
3.
1
)
-B
l
o
g2
諾
否
) - 差 等諾 I
(
a
S
,
p
"
(
3・
2)
(
3,
3)
∫
(
αβ ) ; 分類木 の期待情報量
E(
X之
) ; 特徴 Xtをルー トに持 つ分類木 に必要 とされる期待情報量
α3
,
P
3 ; 特徴 Xl
の j番 目の枝での正事例 お よび負事例 の個数 (
j- 1,
- ,
C)
I
D3では全 ての特徴 を生成する木 のルールあるいは ノー ドの候補 と して各 々
a(
Xi
)を算出 し,G(
Xt
)を最大 にする Xiに分岐す るように特徴 を選択する.
さらに選択 された特徴 を除いた事例 の部分集合 に対 して,上述の操作 を繰 り返
す.生成 される分類木のルー トか ら終端 ノー ドに至 る各 々のパスは以下の形式
3.
2帰納的学習法
33
を した 1つの i
f
t
he
nルールを形成 している.す なわち,分類木か ら 1つのルー
ル ・セ ットが得 られる.
2
'
f Xl∧x 2∧- ∧Xq t
he
n C(
Po
rN)
これ らのルールは,その条件部が事例特徴 の部分集合で,結論部が事例 のカテ
ゴリで表現 されるような形式 をとり,一般 にはカテゴリが未知 の事例 を分類す
るために利用する. さらに,個 々のルールに対 して元の訓練例集 合に依存す る
条件部 を取 り除 くために,条件部 として適用 された特徴 を評価 し,分類上貢献
しない特徴 を除去することによ りルールを簡潔 な ものにすることが提案 されて
3
6
]
.またルール ・セ ット内の全体 として必要のない冗長 なルールを除去
いる [
することによって,ルール ・セ ットの洗練化 を図ることも提案 されている [
3
6
ト
作成 した訓練例集合 には,特徴 は同一であるが,カテゴリが異 なる事例群 (
以
下,矛盾事例群 と呼ぶ)が存在することがある.I
D3では矛盾事例群が生 じる
1
3
]
.
訓練例集合 に対 して以下の操作が行 われる [
「
特徴が同 じである C S 個の事例群 に対 して,カテゴリが Pの事例数が C P 個,
カテゴリが N の事例数が
CN個 の とき (
cS-cP+cN)
,
cp>cNであれば, p
P≦cNであれば, N
iC
を,その事例群 のカテゴリとする.
」
3.
2.
3 C4.
5学習アルゴリズム
C4.
5学習 アルゴリズム (
以下 ,C4.
5)は,I
D3の事例分類 の再帰操作 におけ
3
.
1
)の代 わ りに次式 (
3.
4)を利用することにより,
る特徴選択段階において,式 (
生成 される分類木 の事例分類 の精度 を高めるように改良 されている.
G(
XL
)
I(
α,
♂)
-E(
Xt)
S(
Xi)
S(
xi
) - -差
u
l
og2
宝器
S(
X7
) ; 特徴 x2
の期待情報量
I
D3の欠点 に,特定 の事例 を分類するため に得 られる分類 木が複雑 にな りや
す く, また特殊 なルールが得 られることな どがあげ られる.C4.
5では, この
ような欠点 を解消するために生成 された分類木の冗長 な部分木 を削除す ること
(
pr
uni
ng,枝刈 り)により,より一般 的な分類木 を生成で きるように している.
分類木の削除の対象 となる 1つ以上の部分木 を終端 ノードない しは枝の 1つで置
き換 えることによって,事例 を誤 って分類する率が低 くなる場合,枝刈 りが行 わ
5は分類木生成のみにとどま らず,前節で述べた ような i
f
t
he
n
れる.また,C4.
ルールの生成 も自動 的に行 う.
第 3 章 スケ ジュー リング ・ルールの帰納的獲得
34
3.
3 2仕 事入 れ換 えによるル ールの獲得
3.
3.
1 ル ール獲得の流 れ
本研 究で は,スケジュー リング操作 としてスケジュール上 の仕事対 入れ換 え
操作 を取 り上げ,効果 的な入れ換 え操作 を記述す るルールを獲得 す ることを考
えている [
9,11
]
.本研究 によるルール獲得 は,図 3.
3の流 れに したがって行 われ
3の i∴ iv. について述べ る.
る.以下 にルール獲得 の手続 き 図 3.
i
. Ge
ne
r
a
t
ec
a
s
e
sbyi
nt
e
r
c
ha
n
gl
ngt
WOj
obs
onas
c
he
d
ul
e
"
"
"
I
n
du
c
t
i
v
e.
i
.
盟.
T
.
r
!
.
I
.
n
g
"
""
.
.
i
i
. Ge
ne
r
a
t
eade
c
i
s
i
ont
r
e
ef
r
omt
hec
a
s
e
s
i
i
i
. Gener
a
t
ear
ul
es
e
t
sf
r
omt
hede
c
i
s
i
ont
r
e
e
i
y. Ext
r
a
c
ts
omenユ
l
e
sf
r
om 山eml
es
et
図 3.
3:ルール獲得 の流 れ
3.
3.
2 事例 の構成
帰納 的学習では,事例 の構成要素 となる特徴 の記述 は最 も重要 な検討課題 で
あ る.特徴 の記述 は人間によって行 われる ものであ り,事前 に与 えておかなけ
ればな らない. しか し,特徴 を多 く列挙す ることは対象 問題 に特化 した ものに
なる恐れがあ り,逆 に少 なす ぎると,対象問題 を過度 に一般化 す る恐 れがある.
本研 究で は,事例 の汎用性 を重視 し,事例 の特徴 は仕事対 か ら得 られる仕事属
性 な どの基本 的な情報のみで記述す ることとす る.特徴 は以下 に基づいて記述
される.
●仕事属性値 の差
● スケジュール上 での局所 的 な位置情報
3.
3
2仕 事入 れ換 えに よるル ールの獲得
35
対 象 問題 に よって関連 の ない特徴 が含 まれ る こ とが考 え られ る.そ こで ,関連
の ない ことが 自明 な特徴 は,利用 しない こととす る.す なわち,本研 究では,記
述 した特徴 を全 て利用 す るので はな く,問題 や評価 関数 に応 じて取捨 選択 し利
用 す るこ ととす る.
事例 の特徴
k-1
,
..
.
,
m)に順序付 け られた 2仕 事 J"J,(
J"<J,) の対応す る
機械 Mk (
タス ク 0乞
,
打
た
,
0,,打k (これ を以 下,機械 Mkt の 2仕事 と呼ぶ )の順 序 を入 れ換
える もの と して,以 下 に考 え られ る特徴 を列挙 す る. た だ し,0t
,
汀
kは仕 事 Jz
の機械 Mk上 で処理 される タス クを表す もの とす る.
1.評価 関数 に関連す る特徴 (
特徴 の値 :<O, ≧o)
(
i
1)p71P,
(
1
2)dl- d,
(
1
3日 di-Pt
)- (
d
,-p,)
(
1
4)wt
pt-W,
p,
rL・
l/
I ,I
I
,・,,I
w
l
/
wl-W,
I
/
wT
(
1
1
6)
2.タス ク ・デ ー タに関す る特徴 (
特徴 の値 :<O, ≧ o)
(
2
1
)p t,打k - PJ
,
Tk
(
2
2
)p
rた-
P t,
Tk
p ,ec2,
(
23)p p,ecJ爪 - Pj,Tk
(
24)pL,打k - Pn
e
叫
打k
(
2
5)pJ
,
Tk - P
n
e
的 ,打た
(
2
6日 d
l- C も,
汀
k
)一(
d,-C,
,
T
k
)
(
2
1
7
)(
d
汀
-(
d
,- C,)
ct)
3.スケジュール上 での位置 に関す る特徴 (
特徴 の値
(
3
1
)Oi
,
汀k は機械 Mk 上 で最初 に処理 され る
(
3
2)0,
,
T
kは機械 Mk 上 で最後 に処理 される
c
(
33)Op
re t,
打k と 07
,
T
kは隣接 してい る
(
34)Op
,
e
c
,
,
r
kと 0,
,
打k は隣接 してい る
(
35)Ol
,
打k と on
e
r
t
i
,
汀k は隣接 してい る
:yeβ,No)
第 3 章 スケ ジュー リング ・ル ールの帰納 的獲得
36
(
3
1
6)OJ
,
Tkと on
叫 ,
T
kは隣接 している
wi,Wl,Wl は仕 事 J
iの処理 時 間,納期余裕 ,納期 遅 れ に対 す る重 み を表す.
,
e
c
t
,
T
k(
On
叫 T
k)は, タス ク 02
,
打
kの 1つ前 (1つ後 )に機械
また, タス ク Op
Mk 上 で処 理 される タス クを表 し,pp,e
c
8
,
打
k
(
pne
叫T
k
)はその処理時 間 を表す.
(
1
1
)か ら (
1
6
)の特徴 をルー ルの単 一条件部 と して表現 す る こ とは,ス ケ
ジュー リング におけ る以下の よ うなルール に対応 す る.
(
1
1
) pt-p,≧ 0
(
1
2) d
,-d,≧0
(
1
3
)(
d
i-Pt
)- (
d
J-P,
)≧ 0
(
ト4) wi
Pi-W,
Pj≧ 0
(
1
5) p
J wi- P
,
/W,≧ 0
- 単位重 みの処理時 間の非減少順
(
1
6
)w
l
/
W1
--可/
wI ≧0
-
-
(
給 )処理 時 間の非減少順 に並べ る
納期 の非減少順
-
納期余裕 の非減少順
重 み付 き処理 時 間の非減少 順
納期ず れ重み比 の非減少順
1.の特徴 の値 は入 れ換 える仕事対 の仕事属性 か ら直接得 られるの に対 して 2.お
よび 3.の特徴 は さ らに仕事 の処 理順 序 が決 まった後 に得 られ る, また, これ
らの特徴 は 「タス ク単位 での入 れ換 え」 と見 なす こ とに よ り得 られ る ものであ
.の特徴 をルールの単 一条件部 として表現 した場合 ,それぞれ以 下の意味
る.2
を持つ.
(
2
1)
Pj
,
打k ≧ 0
最小 タス ク処 理時 間順
p i,
Tk -
ー
(
2
2) pp
r
e
c
叩 k- P
t
,
T
k≧ 0
- 最小 タス ク処 理時 間順 (
07
,
打
kとその直前 の タス ク間での比較 )
(
22) pp
r
e
c
J
,
T
k-P,
,
打
k≧ 0
- 最小 タス ク処理時 間順 (
Oj
,
Tk とその直前 の タス ク間で の比較 )
(
2
2
) pt
,
T
k-Pn
e
r
l
i
,
汀
k≧0
- 最小 タス ク処理時 間順 (0.
,
Tk とその直後 の タス ク間での比較 )
(
22) pj
,
汀
k-Pn
e
的,
T
k≧ 0
- 最小 タス ク処理 時 間順 (0,
,
Tk とその直後 の タス ク間での比較 )
(
2
6) (
d2-C叩た
ト (
d
J- ら ,
打
た
)≧ 0
ー タス クの完 了時刻 か らの納期余裕 が少 ない方 を先 に処理 す る.
(
2
7) (
di-Ct
)-(
d
,-C,) >
_0
→
仕事 の完 了時刻 か らの納期余裕 が少 ない タス クを先 に処理 す る
3.の 特徴 は入 れ換 える タス クの前後 関係 を表す もので あ り,処理前後 の機械
Mkの遊休 時 間の有無 を表す特徴 と見 なす こ とがで きる. また,3.の特徴 は入
sない し
れ換 えタス クの位置 がそれぞれの特徴 を満足 す るか どうか に よ り,Ye
は ⅣOを とるこ ととす る.
0,.
だ人
特徴 3・の値 の設定例 を以下 に示す・図 3・
4の ように Mk上 の タス クOw k、
,
o
を入れ換 える もの とす る・この とき
t
.
汀
L
_
は Op
r
e
c
m と隣接 し,0m は 0,
1
e
T
t
,
,
汀
k
_
と隣接 している・言 い換 える と,ol
,
汀
んの処理直後 と 0,
,
汀
kの処理前 には機械 ML
-
3.
3 2仕事入れ換 えによるルールの獲得
[
コJ
37
r
o
c
ess
edo・
〟k
obsp
h
)
(
3
4
)
(
3
5
Ye
sN
oN
C aract
er
i
st
i
cs (
31
)(
3
1
2) (
33
VaL
u
es
No
No
1(
36)
o
Yes
図 3.
4:特徴 3.の値 の設定例
の遊休時間が発生 している. したがって,特徴
値 をとる.
(
3
1
)
∼(
3
6
)は図 に示す ような
事例 の カテゴリ
事例 のカテゴ リは,スケジュールの評価値 に基づいて分類 される.ここでは,
仕事対 の入れ換 え操作 による評価値 の変化 の良否 をとることを考 える.所与の
'が得 られた とす
スケジュール SL上の任意 の仕事対 を入れ換 えスケジュール Sl
,S
l
'の評価値 をそれぞれ I
L
,I
lとした とき,以下の ように設定する.
る,SL
I
l
/>I
lな らば good (
正事例 )
J
J≦JJな らば bad (負事例 )
∈P)あるいは bad (
∈N)に属する事例 をそれぞれ good
以下では,good (
事例 ,bad事例 と呼ぶ こととす る.
3.
3.
3 訓練例集合の生成
図 3.
3の i
.の訓練例集合の生成 は以下の手続 きにしたがって行 う.まず,何 ら
かの方法で作成 した Ns個の任意順序のスケジュール S.,
.
.
.
,
SN _.上の各々で,
5
占
,
・
・・.S
L,
5
_1
任意の仕事対 を 1回入れ換 えることにより,Ns個 のスケジュール S
を発生 させ る. この とき,図 3.
5の ように ▲
ゝ‖ l
- 0,… ,
Ns- 1)か ら Sl
'を生
成する過程 を事例 とする・各事例 を入れ換 えた ・
5
'
l上の 2仕事 J
"J
,の属性値
,SI
Jの評価値 を I
l
,I
l
'とし,各
か ら得 られる情報 により特徴づける.また ,Sl
入れ換 え操作 で得 られる事例 に対 して評価値 の変化 の値 I
l
'-I
Lを記憶 させ て
お く.Ns 個 の事例 を生成 した後 ,全 ての事例 を I
l
/-I
lの増加順 に並べ 直 し,
38
第 3 章 スケ ジュー リング ・ル ールの帰納 的獲得
Cas
e1
Cas
e2
Cas
eNs
Ib
-I
o
I
1- I1
I
ks
_
1I I
Ns
_
1
So
r
un
g
Tr
ai
ni
ngSet
図3
.
5:訓練例集合 の生成
3.
3 2仕事入 れ換 えに よるル ールの獲得
39
I
l-I
l>0の大 きい もの及 び J
l
'
-I
l≦ 0の小 さい ものか ら各 Nt個 を取 り出 し,
計 2Nl個 の事例 を訓練例 集合 とす る.
3.
3.
4 訓練例集合 か らのルールの帰納
図3
.
3の ii.,iii.の手続 きは,前節 3.
3.
3項 の生成手続 きに よ り得 られ る 2Ni個
D3ない しは C4.
5 に よ り訓 練例 集合 内の事例 を分類 す る
の訓練例 集合 か ら,I
ルール ・セ ッ トを帰納 的 に獲得 す る こ とに よ り行 われる.ただ し,I
D3は手続
i
nl
a
n[
36
]に従 って
き ii.の分類木生成 まで を行 い,ルール ・セ ッ トの生成 は Qu
行 うもの とす る.
得 られるルールは次 の形式 を した i
f
t
he
l
lルール を形成 している.
2
'
f Xl∧x 2∧.- ∧Xq t
he
n goodorbad
以 下で は,結論部 が good,bad であ るルール をそれぞれ goodルール ,bad
ルール と呼ぶ こ ととす る.
サ ンプ ル ・スケジュール と して Ⅳ γ個 のスケジュールを任意 に発生 させ る.令
.
3の i.∼ i
i
i
.の手続 きを行 うこ とに よ り計
サ ンプ ル ・スケジュールに対 して図 3
Nr 個 のルール ・セ ッ ト 781,...
,
7
tNr を生成 す る.
3.
3.
5 適用 ルールの選択
図 3.
3の iv.の手続 きは以 下の通 りである.生成 されるルール ・セ ットは,複
数個 の goodルール と badルールで構成 されている.ルー ルの適用段 階で は ま
ず,本研 究 におけ るカテ ゴ リの性 質 に基づ いて,スケ ジュー リング操作 の際の
評価値 の改善 に効果 的で ない と考 え られる bad ルール をルー ル ・セ ットか ら除
去す る こ ととす る.
一方,上記 の手続 きでは,サ ンプ ル ・スケジュールを任意 に発生 させ るため ,
常 に同一 の訓練例集合 が生成 されるわけで はな く,得 られ るルール ・セ ッ トも
試行 ご とに異 なる と考 え られる.そ こで ,生成 した N,
.個 の ルー ル ・セ ッ トを
1つ に統合 し,新 た にルール ・セ ッ ト 7
8を作成 し, ルール ・セ ット 7
1をス ケ
ジュー リング に利用 す るこ ととす る.
獲得す るルールは訓練例集合 内の事例 に対 して,複数個 の事例 を正 し く分類
す るルール と,特定 の事例 のみ を正 しく分類 す るルー ル とに大別 され る.前 者
のルールは後者 のルー ルに比べ て一般性 の高 いルールであ る と考 え られ,後者
の ルールは条件部 の制約 が強 く有用性 が低 い場合 が多 い. この こ とか ら, ルー
ルの適用段 階で は可能 な限 り前者 のルール を選択 す る ことが望 ま しい.そ こで,
特定 の事例 を分類 す るルー ルを判断す る基準 の 1つ と して,統合 した ルー ル ・
セ ット 7
8中の ルー ルを以 下の 2つの タイプ に大別 す る.
(
a)711,
.
.
.
,
7
iN,の中の複数個 のルール ・セ ッ トに存在
40
第 3 章 スケ ジュー リング ・ル ールの帰納 的獲得
(
b) 1つのルール ・セ ッ ト 7
8*∈(
7
8
1
,
.
・・
,
7
t
N
,
)のみ に存在
ルールは帰納 的 に生成 されるため,前者 のルールは比較 的頻繁 に生成 されるルー
ルであ り,後者 のルールは特定 の事例 を分類 す るため に獲得 された ルー ル と考
えるこ とがで きる.次章以 降の実験 では ,(
a)に従 うルールを選択 し適用す るこ
とを考 える.
第 4章
ル ール獲得 の基礎的検討
スケジュー リング問題 の中で,既存 の最適化 ルール,あ るいは良好 な ヒュー
リステ ィック ・ルールの知 られている問題 は非常 に少 ない.本章ではまず,単純
な最適化 ルールの存在す る対象 問題 に対 して提案方法 を適用 し,それ らの ルー
ル と等価 なルールの 自動獲得 を試みるこ とによ り,ルール獲得 の可能性 につい
て検討す る [
9,37
ト つ ぎに,比較 的解析 が容易 であ る と考 え られる 1機械 スケ
ジュー リング問題 を対象 として,提案方法 によるルール獲得 の可能性 を検討 す
る. さらに, 2機械 ,お よび 3機械 フローシ ョップ問題 を対象 と して,本研 究
9
,
3
8
]
.
で提案するルール獲得方法 の有効性 を検討す る [
4.
1 対象問題 の設定
ここでは以下の 7種類 の問題 を対象 とする.
(
A)1
/
/maxLt 1機械最大納期ず れ最小化 問題
1機械総滞留時 間最小化 問題
(
B)l
/
/ECi
(
C)1
/
/
∑w
t
Ci 1機械重み付 き稔滞留時 間最小化 問題
1機械納期遅 れ最小化問題
(
D)1//∑γ
(
E)1
/
/
WI
D-
(
F)F2//Cmar
(
G)F3
/
/
Cmar
1機械重 み付 き総納期ず れ最小化 問題
2機械 フローシ ョップ給所要時 間最小化 問題
3機械 フローシ ョップ給所要時間最小化 問題
A)
,(
B)
,(
C)の問題 はそれぞれ,EDD ルール ,SPT ルール,WSPT
なお,(
ルールにより最適解 を得 ることがで きる [
1
5,1
6
]
・また,(
F)お よび mi
n(
pt
,
3
)≧
ma
xi
pi
,
2
)を満 たす (
G)の問題 は,J
ohns
onルー ルに よ り最適解 を得 るこ とが
で きる [
1
5,1
6]
. さらに,(
D)の問題 では MST ルールによ り,比較 的良好 な解
1
6
].
が得 られることがわか っている [
41
42
第 4 章 ル ール獲得の基礎 的検討
4.
2 事例 の作成
4.
2.
1 特徴 の設定
3.
3.
2項 で定義 した特徴 の うち,表 4.
1に示す 6個 の特徴 xl∼X6 を利用する.
表 4.
1
‥事例特徴 とその値 (
x l - X6)
Xl,k
:
P
i
,
k- P
J,
A
d,
X3 ・
Wl
'/
wl- /
wT
X4 : Wt
P8-WJ
PJ
X5 :Pi/w t- P,
/
W,
X6 =(
d
8-p
t
)-(
d
,-p
,
)
x2
:d
2-
W
,
+
\
ノ) ) ) ) )
0 0 0 n
Un
U0
^F^[^f^l^r
^1
0 0 0 0n
U0
<(
<(
く(
く(
<(
<
/
し
,1
X.,k は k番 目の機械上での仕事 の処理時間差 を表 わす.
以下 に事例 の作成例 を示す.表 4.
2で与 え られる例題 4.
2のスケジュール S。
(
処理順序 JI
J2
J3
J4
J5)上の 2仕事 J2
,J4を入 れ換 えて,スケジュール S占(
処
理順序 J
I
J4
J3
J2
JS)が得 られた とす る.
2:例題 4.
2 (1機械 5仕事 問題 )
表 4.
仕事
JI J2 J
3 J4 J5
処理時 間 (
p
i
)
納期 (
di)
処理時 間重 み (
wi
)
納期余裕重 み (
wl)
納期遅 れ重 み (
W{
6
9
4
1
0
5
2
3
1
5
2
1
2
8 4 1
6
1 6 3
2 4 3
4 1 1
)
2
8
評価 関数 を最大納期遅 れ とする と,S。お よび S昌の評価値 I
o,I
dはそれぞ
れ,I
0- 1
7
-1
6であ り,事例 は表 4.
3の よ うになる.
,
I
6
4.
2.
2 事例の発生法
図 4.
1の よ うに,あ る与 え られた n仕事 に対 す るサ ンプル .スケジュール S。
上 の 2仕事 J
"J
,(
Ji<J,
)を入れ換 える ことによ り,事例 となるスケジュー
k- 1,
2,・
-,
nC2
)
. この とき,訓練例集合 の特性 は
ル Sk は nC2個発生 させ る (
サ ンプ ル ・スケジュール S.によって影響 される.た とえば ,sDが評価 関数 に
対 して最適 スケジュールである場合 , どの ような 2仕事 を入れ換 えて もそれ以
4.
3適用事例数の検討
43
表 4.
3:事例 の一例
XI
x 2
X3 X4 X5
X6
≧0 ≧0 <0 <0 ≧0 <O
Cat
e
90r
y
good
上改善 されることはな く,得 られる事例 のカテゴリは全 て bad にな りルール獲
得 は不可能 になる.この ようなサ ンプ ル ・スケジュールの影響 を抑 えるため に,
ここでは Ⅳ γ個 のサ ンプル ・スケジュールを発 生 させ,そのおのおのか ら上 記
の手順 によ り取 り出 した全 ての事例 を訓練例集合 とす る.以上 をまとめ る と,
。発生事例数 Ns :nC2 ×Nr
●訓練例集合 の大 きさ :2NIXN,
である.ただ し,Nlは 3.
3節 の図 3.
5における適用事例数 を表す.
Al
l
Schedul
ePat
t
er
ns
=
>
Cl
L
i
L
e1
cas
e2
Sampl
eSchedul
e
S
o
Cas
eN
N=1
1C2
図 4.
1:事例 の生成
4.
3 適用事例数の検 討
4.
3.
1 訓練例集合の性質
訓練例集合 の大 きさが十分でなければ,獲得 されるルー ルは特定 の事例 を分
類 するための特殊 な もの となる可能性 が高 い と考 え られ,逆 に多過 ぎる とい く
つかの事例 が冗長 な学習デ ー タとな り,計算時 間的に非効率 的なルー ル獲得 と
なる と考 え られる.そ こで,効率 よ く信頼性 の高いルールを獲得 するため には,
適切 な適用事例数 ,す なわち,Niの設定 について検討 す るこ とが必要であ る.
0個 に
なお,本論文では前節 に述べ たサ ンプ ル ・スケジュールの発生数 N,は 1
固定 した.
44
第 4章 ルール獲得の基礎 的検討
訓練例集合 の生成法 において ,2
Ni個 の事例 は獲得 されるルールの信頼性 に
関与す ると考 え られる.ルールは帰納 的 に形成 されるため ,Nlが数個程度であ
る場合 は,獲得 されたルールが発生 させ た事例全 て をうま く分類 する とは限 ら
ず,適 当数の事例が必要 となる.一方,獲得 されるルールの分類精度 をよ り高め
Ⅳ `個 の事例 は明確 にカテ ゴリ分類 されるべ きであ り,矛
るために,これ らの 2
盾事例群 ,す なわち, どち らのカテゴ リに も属 す る可能性 のあ る事例群 は抑制
すべ きであ る. この矛盾事例群 は,学習 アル ゴ リズムの分類操作上不確 かな情
報であ り,獲得 されるルールの信頼性 を低減す る原 因になる と考 え られる. し
か し,これ らの事例群 は,Ntの増加 に伴 い同一特徴 を有する事例 も増加するた
め,その発生確率 は高 くなる.そ こで,訓練例集合 を矛 盾事例群 の有無 に着 目
したエ ン トロピーで定量表現 し,エ ン トロピーの減少 に基づ いた適用事例数 を
検討 す る.
4.
3.
2 矛盾事例群 による訓練例集合の定量表現
訓練例集合 の評価 の基準 として,同一特徴 を有する事例群 のエ ン トロピーの
加重平均 を用 いることとす る.所与の訓練例集合 T 中の同一特徴 を有する事例
群 ICk (
k- 1,
2,- ,
W)のエ ン トロピーを次式 (
4.
1
)で定義す る・
Ck
F
I
(
Ck
P,
ck
N)
ck
P
.
Ck
P+ck
N ⊥
)52c
k
P +c
k
N
l・
.
ヽ
1
(・
.
\
-
Ck
F+ck
N ⊥
)b∠
ck
P +c
k
N
(
4.
1)
I
(
Ck
P,
ck
N) ;事例群
C
k
P
Ck
r
ICk のエ ン トロピー
;事例群 ICk 中の カテゴ リ Pの個数
; 事例群 ICk 中の カテ ゴ リ N の個数
4.
2)の ように,ICkのエ
この とき,訓練例集合 T のエ ン トロピー HT を式 (
ン トロピーの加重平均 に よ り定義する.
E
,
C
k
P+C㌘I(
Ck,
ck
N)
-∑
tI
II.
,
α+ β
P
(
4.
2)
HT の値 の と りうる範 囲は 【
0,
1
]であ り,HT -0の場合 ,訓練例集合 T は矛
盾事例群 を含 まない ことを意味 す る.逆 に,〟 7 - 1で は同一特徴 を有する事
例群 は全 て矛 盾事例群 であ り,かつ
い こ とを意味す る.
C
k
P-c
k
N であれば最 も事例 を分類 しに く
4.
3.
3 数値例
ここで,Nt-5,
1
0,1
5,- ,
1
0
0と変化 させたときに生成 される訓練例集 合のエ
2は,(
A)
-(
E)の 1機械 問題 (
n- 30,
50)
ン トロピー HTの変化 を調べ る.図 4.
4.
4学習実験
45
3
o
5
2
>o
aT
J
l
uu O6e
o
i
a^V
2
o
5
」
o
50
100
1
50
200
Si
ze ofTr
ai
nl
ng Set
50
100
150
200
Si
ze ofTr
ai
nl
ng Set
図 4.
2:適用事例数 Niとエ ン トロピ一万T
において,上述の操作 に従 った数値 シ ミュレーシ ョンを 30回行 った ときの平均
育丁)を表 している.
エ ントロピー (
図 4.
2のように,Nl
が増加するに したがって,訓練例集合のエ ントロピ一万 ・
Tは
増加することがわかる.すなわち,Nl
の増加 に伴 い同一特徴 を有する事例群が存
在 しやす くなる.このような Niの増加 に伴 う育Tの増加傾 向は,フローショップ
- 50で
問題 において も同様 の結果 を得 ている.この図か らは,適用事例数 2∧1
05以下であることがわかる.た
あればその訓練例集合 のエ ントロピー HT は 0.
05 とは,適用事例数 50個 の中で 3個以下の事例 を含 む矛盾
とえば,HT ≦ 0.
事例群が存在す ることを示す.次節以降のルール獲得実験では, 1つのサ ンプ
ル ・スケジュールか ら得 られる事例 の うちで,50個 の事例 を用 いることとす る.
4.
4 学習実験
4.
4.
1 ルールの獲得 と評価
以下の条件でルール獲得 を行 う.
50
●仕事数 :30,
.サ ンプル ・スケジュール数 N, :1
0
・適用事例数 Ni:25 (
訓練例集合の大 きさ :500(
- 2×NIXN,))
●I
D3により訓練例集合か ら分類木 を生成
46
第 4 章 ルール獲得の基礎的検討
ただ し, 1つのサ ンプ ル ・スケジュール上で仕事対 の全 ての組み合 わせ につい
個 のスケジュールを発生 させ ることとす る.
て入 れ換 え操作 を行 い , nC2
また,ルールを適用す る際,評価 関数が総所要時間最小化 であれば,処理時間
は評価値 に影響 す るが,納期や重みな どの仕事属性 は影響 しない ことか ら,処
理時 間に関す るルールのみ に着 目すれば よい と考 え られる.そ こで,3.
3.
5項 の
ルール選択 の考 え方 に基づいて以下の項 目か らなる選択条件 を満 たすルールを
得 られたルール ・セ ッ トの中か ら選択 し,その妥当性 を検討す る.
[
選択 条件]
(
1
)条件部 (
特徴 )全 てが評価 関数 に直接 関連す るルール
(
2)結論部が good のルール
1
)は,ルールの条件部 として採用 された仕事属性が評価値 に影響
選択条件 (
す るか どうか を判 断す るための ものであ る. また,選択条件 (
2)は,本研 究 に
おけ るカテ ゴ リの性質 に基づいて,スケジュー リング操作 の際の評価値 の改善
に効果 的でない と考 えられるルール (カテゴ リが bad)を除去するための もの
/
/
CmaL
.の場合で,以下の よ うな 3つのルールが得 られた
であ る.例 として F2
とす る.
(
a)i
f Xl
,
1≧ 0^x2≧O t
he
n good
(
b)i
fXl
,
1≧0∧Xl,
2<O t
h
e
n good
(
C
)L
f Xl
,
1<O t
he
n bad
ルール (
a)は納期 に関す る条件 x2>0が含 まれてお り,総所要時 間を最小化
す るこ とには関連が な く選択条件 (
1
)を満足 しない.また,ルール (
C
)は選択条
件(
2)を満足 しない. したが って, この例 ではルール (
b)のみが採用 されるこ
ととなる.
ルールの適用方法 に関 しては,選択条件 によ りルールを取捨選択 することと,
個 々のルー ルのスケジュー リング ・ルール としての効果 を検討す るため に,過
常 のルール ・セ ットを適用する方法 ではな く,個 々のルールを繰 り返 し利用す
る.その際,入 れ換 え候補 となる仕事 が 3個以上存在 する場合 は,それ らの中
か ら任意 に選択 した仕事 を入れ換 え,ルールの条件部 を満足 する仕事 が存在 し
な くなるまでそのルールを適用する.
0,
30,
50,
70,
1
00の
得 られたルー ルの評価 は,各評価 関数 においてジ ョブ数 1
問題 をおのおの 50個発生 させ,得 られたルールによるスケジュールを最適 スケ
ジュールや既存 のデ ィスパ ッチ ング ・ルールによ り得 られるスケジュール との比
較 に よ り行 な う.仕事 の処理時 間,納期 ,重 みは一様乱数で与 え,スケジュー
v(
f
o
)は,以下の式 に
ルの初期状態 は任意順序 とする.なお,f
.の相対偏差 de
よ り算 出す る. この場合 ,負 の偏差 であれば良好 な解 であること示す.
4.
4学習実験
47
de
v(
f
o
)
-垂一
幸ヱ
×1
00
f
. :抽出 した ルールに よる解
(
4.
3)
J
*:比較 の基準 となる解
4.
4.
2
1機械問題への適用
ここでは,(
Aト (
E)の 5種類 の問題 に対 して帰納 的学習法 を適用 した結果 に
Aト (
C)においては,最適 ス
ついて考察す る.最適化 ルー ルの存在す る問題 (
ケジュールでの仕事 の並 び順 は,最小処理時 間順 や最早納期順 な どであ り明確
な特徴 を有す る.提案方法 に よるルール獲得 の第 1段 階 と して,既存 の最適化
ルール と等価 なルールの獲得 を実験す ることによって,提案 方法 に よるルール
獲得 の可能性 の基礎 的検討 を行 う.
(
A)1
/
/
ma
xLi
生成 した訓練例集合か らは ,30ジ ョブでは 9個 ,50ジ ョブでは 6個 のルール
が抽 出 された. これ らの うち,選択条件 を満 たす ルールは以下の ものであ る.
(
A1
)i
f
.
¥2
>O t
h
e
l
l good
このルールの述語 的な意味 は,「2つの仕事 を入れ換 える際,納期 の小 さい仕
事 を前 に移動 させ れば
(
x 2 ≧0
),スケジュールの評価値 は改善 される」 とな
る. したが って,ルール (
A1
)は EDDルール と等価 となる.
(
B)1
/
/∑Ci
生成 した訓練例集合 か らは,ジ ョブ数 30,50の どち らの場合で も選択条件 を
満たす以下のルールが抽 出 された.
(
B1
)i
f X l,1 ≧O t
h
e
n good
このルールは,「2つの仕事 を入れ換 える際,処理時 間の小 さい仕事 を前 に移
xl
,
1>
_ 0),スケジュールの評価値 は改善 される」 こ とを意味 す
動 させ れば (
PT ルール と等価 であ る.
る. このルールは S
(
C)/
/Ewi
Ci
問題 (
B)の場合 と同様 に,ジ ョブ数 3
0,5
0の どち らの場合 で も選択 条件 を
満 たす以下のルールが抽 出 された.
(
Cl
l) i
f X5 ≧O t
h
e
n good
このルールは,「2つの仕事 を入れ換 える際,単位重みあた りの処理時 間の大
48
第 4章 ル ール獲得の基礎的検討
x5≧0),スケジュールの評価値 は改善 され
きい ものを後 ろに移動 させ れば (
る」 こ とを意味す る. このルールは WSPT ルール と等価 である.
A)
∼(
C)の問題へ の提案方法 の適用結果 か ら,最適化 ルール と等価
以上 の (
なルール を獲得 で きた.つ ま り,提案方法 によるルール獲得 では,評価 関数 に
対 し影響 のある重要 な特徴 を有 したルールの獲得が可能であ る.つ ぎに,スケ
ジュールの特徴 が明確 で ない ような 1機械問題 において, 目的関数 に影響 のあ
る特徴 を有 す るルールの獲得 を試みる.
(
D)1
/
/∑¶
生成 した訓練例集合 か ら得 られたルールの個数 は,30ジ ョブの場合で 1
0個 ,
50ジ ョブの場合で 6個 であ った.以下 に選択条件 を満たすルールを示す.
(
DI
1) i
f X6 ≧O
t
he
n good
(
D2) i
f X6 ≧ 0∧x 2 ≧O t
he
n good
ルール (
D1)は MSTルール と等価であることがわかる.図 4.
3にルール (
D2)
の MST ルール との平均相対偏差 を示す.ルール (
D2)は MST ルールに比べ
て良好 な解 を導 出す るルールであるこ とがわかる. このルールは 「最小納期余
裕順」に加 えて 「最早納期順」の性質 も条件部 に付加 されているところが MST
ルール と異 なる.
(
E)1
/
/Ew i
Di
生成 した訓練例集合 か ら得 られたルールの個数 は,30ジ ョブ の場合 で 6個 ,
50ジ ョブの場合で 2個 であ った.以下 に選択 条件 を満 たす ルールを示す.
(
EI
1) i
f x 2 ≧ 0∧X3 <O t
he
n good
f X1,
1<0∧x 2≧O t
he
n good
(
E2) i
(
E3) i
f x 2 ≧O
t
he
n good
ルール (
E」)
∼(
E3)の妥当性 を (
D)の問題 の場合 と同様 に数値 シ ミュ レー
シ ョンに よ り検討 す る.比較 の基準 となる解 P は全実行可能解 n
!の中か ら
50000個 のスケジュールをランダムに発生 させ ,それ らの うちの最小 の もの と
4に, ルール (
E1)
-(
E3)と J
*との平均相対偏差 を示す. ランダ
す る.図 4.
0の場合 , ルー ル (
E」)お よび
ム ・サ ーチ に よる最小解 と比べ て,特 に n> 1
(
E3)が良好 な解 を導 出 していることがわか る.
4.
4.
3 2,
3機械 フローショップ問題への適用
ここで は,複数機械 の場合でのルール獲得 を試 みる.提案 方法 においては,
事例 の特徴 と して仕事 に関す る特徴 のみ を考慮 し,機械 に関す る特徴 を考慮 し
てい ない.機械台数 を増加 させ た場合 で, これ らの特徴 をその まま利用可能で
ある と考 え られる対 象問題 の 1つ として,各機械での処理順序が一定であ るフ
F)お よび (
G)の問題 に対 して提案方法 を適用
ローシ ョップ問題があげ られる.(
4.
4学習実験
49
(% )uo!
lt2!
^e凸
O
^
!
l
t
2
一
e
丘 06t
2
J
O^V
1
0
30
50
70
1
00
NumberofJobs
図
4
・
3
:ルール (
D2
)に よる解 の MS
Tルールに よる解 との相対偏 差
0
5
00
50
0
(% )uo!
t
t
E
!
^o凸 e^!
l
eIe tj06eLeI
^V
1
0
30
50
70
1
00
NumberofJobs
図4
・
4:ルー ル (
E1
)
,
(
E2
)
,
(
El
3
)に よる解 の ランダム ・サ ーチ による最小 解 との
相対偏差
第 4章 ル ール獲得 の基礎 的検 討
50
した結 果 につ い て考 察 し,ルール獲得 の可能性 を確 認 す る.以 下で は ジ ョブ数
30,
50と し, トレーニ ング ・セ ッ トは前章 と同様 な条件 で作 成 す る.
(
F)F2//CmaX
生成 した訓練例 集合 か ら得 られた ルールの個数 は ,3
0ジ ョブ の場合 で 11個 ,
5
0ジ ョブ の場 合 で 1
4個 であ った.以 下 のルー ル (
F1
)はそれ らの うちで選択 基
準 を満 たす ルー ルで あ る.
(
F1
)i
f Xl,1 ≧ 0∧Xl,2 <O t
he
n good
ルー ル (
F1)に よる解 を J
o
hns
onルー ル に よ り得 られ る最適解
r と比較 す
る.5
0回の数値 シ ミュ レー シ ョンに よ り,ルー ル (
F1)に よる最適解導 出回数 と
最適 解 との平均相対偏 差 を検討 した結果 を図 4.
5に示 す. また,解 の精度 を検
討 す るため に,総所要時 間で は比較 的良好 なス ケジュー ルを作 成 す る SPT ルー
ル に よる解 も示 す.
%
( u
o!
l
e!^e
3
)
凸
2
l
el
Ot
j
>!
0
?
L
a^V
O 6 t
1
0
30
50
70
1
00
NumberofJ
obs
図 4・
5‥ルー ル (
F1
)に よる解 の最適解 との相対 偏差 (
F2
/
/
CmaT)
ルール (
F1)は J
ohns
o
nルー ル と等価 で は ないが ,SPT ルー ルに比べ て良好
な解 を導 出す るルー ルで あ るこ とが わか る.抽 出 した ルール ・セ ッ トの 中で選
択 条件 を満 たす ルールが高 々 1つ だけであ った こ とか ら,得 られたルー ル ・セ ッ
ト内で はルー ル (
F1)が最 も有用 なルー ルであ る.
(
G)F3//
Cmax
生成 した訓練例 集 合 か ら得 られた分類 木 の構 造 は複雑 で ,抽 出 した ルー ルの
4.
4学習実験
51
個数 は,30ジ ョブ の場合 で 24個 ,50ジ ョブの場合で 17個 であ った.以下 の
G1)はそれ らの うちで選択 基準 を満 たす ルールであ る.
ルール (
(
G1) i
f Xl,1≧ 0)<Xl,3 <O t
hen good
ルール (
G1)を,以下の ように 2つの場合 に対 して,それぞれ 50回の数値 シ
ミュ レー シ ョンに よ り,比較検討す る.
(
1
) 処理時 間が条件 m
i n(
pt
,
3
)≧maxi
pl
,
2
)を満たす場合
比較対 象 の解 J
*は Johns
on ルール による最適解 と し,図 4.
6(
a)にルー ル
(
G1)お よび sPT ルールの最適解 との平均相対偏差 を示す.
(
2) 条件 mi
n(
p
t
,
3
)≧ max(p
l
,
2
)を満 た さない場合
比較対象 の解 は SPT ルールによる解 J
*とし,図 4.
6(
b)に J
*との平均相対
偏差 を示す.
(
1
)の場 合では,SPT ルールに比べ て良好 な近似解 を導 出す るルールであ る
G1)の条件部 を見 る限 りでは,(
1
)の ような処理時間 に
ことがわかる.ルール (
関す る条件 を付加 した場合 ,Ml
,M3 上での処理時 間が総所要時 間に大 き く影
2)の場合では,(
1)の場合 と同様 に S
PT ルールに比
響 することがいえる.また (
べ て良好 な近似解 を導 出す るルールであるこ とがわか る. この問題 では簡単 に
G1)が抽 出 した 2つのルール ・
最適解 を得 られるルールが存在せず,ルール (
セ ットの中で唯一選択条件 を満 たす ものであることか ら,現段 階の特徴表現 で
は,得 られたルール ・セ ット中で最 も有効 なルールである. しか し,スケジュー
リング ・ルール としては, さらなる条件部 の付加が必要であ る と思 われる.
4.
4.
4 孟
l
"
練例集合のエン トロピI H7の検討
対 象問題 (
A)
∼(
G)において生成 した事例数 500個 の訓練例集 合のエ ン トロ
4に示す.表 中の (
)内は矛盾事例群 の中で カテ ゴ リを書換 えた
ピー HTを表 4,
事例 の割合 を表 わ している.
エ ントロピーが 0.
05以上 になった原因 として,1
0種類 のサ ンプル ・スケジュー
ルか ら取 り出 した訓練例集合 を合せ て 1つの訓練例集合 と したため,新た に矛
盾事例群が発生 したことが原 因の 1つ として考 え られる.今後,適用事例数 Nt
とサ ンプ ル ・スケジュール Ⅳ γを考慮 した訓練例集合 のサ イズの検討が必要で
B)お よび (
C)では,矛盾事例群 が存在 し
ある.納期が関係 しない問題 である (
ないことが わか る. フロー シ ョップ問題 の場合で は, 1機械 問題 の場合 に比 べ
てエ ン トロピーが大 き く,機械台数が増 えるに従 って,矛盾事例群 は発生 しや
すい傾 向があ る といえる. 2仕事 の仕事属性 とい う局所 的な情報 によるルール
獲得 のために,評価 関数が複雑 になった り,問題規模 が大 き くなる と特徴 が得
られに くくなることがエ ン トロピーが大 きくなっている原因 として考 え られる.
第 4章 ル ール獲得の基礎的検討
(
% )uo毒 ^OQ e^!
l
eI
Ot]e6eJo>V
(
%)
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tt
2
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5 3
3.
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2
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0 tj 0 6。LO > V
5
2
30
50
70
1
00
1
0
30
NumberofJobs
t
zy
(
a)AvlrJ
L
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L
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SolutioAJ 上y R 14l
G-1) 4J
l
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z
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Z
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50
7
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00
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l
b) Av8raq■ RJlAtivJ p●viAとioJ
IOE
solt
z
tioz
I
J by Rule(
G
F
-1J Er oJ
)SolutioJ
l
bv Spy Rt
z
14
図 4.
6: ルー ル (
G1) に よる解 の Johnson ル ー ル に よる解 との相対 偏 差
(
F3
/
/
Cm ax)
表 4.
4:エントロピー HT
仕事数
(
A)1
/
/maxLi
(
B)1
/
/∑Ci
(
C)1
/
/
Ew
i
Ci
(
D)1
/
/∑℃
(
E)1
/
/E wiDi
(
F)F2//Cma
x
(
G)F3
/
/
Cm ax
30
0.
1
0.0
0.
0
0.
09
0.
08
0.
22
0.
3
4
(
4.
6%)
(
0.
0%)
(
0.
0%)
(
3.
0%)
(
3.
0%)
(
6.
6%)
(
1
3.
0%)
50
0.
07 (
2
.
4%)
0.0 (
0.
0%)
0.
0
(
0.
0%)
0.
01 (
0.
2%)
0 .0
0 (
0.
0%)
0.
1
2 (
5.
0%)
0.
30 (
1
2%)
4.
5考察
53
一方, Nt- 100,200の訓練例 集合 ,す なわち Nl- 50の場合 に比べ 大 きな
エ ン トロピー を有 す る訓練集合 か らルー ル獲得 を行 うと,複雑 な分類 木 お よび
A)1
/
/
LmaT問
ルールが生成 されやす い傾 向があ るこ とが わか った.例 えば ,(
港 で は,以 下 に示す よ うか レールが獲得 された.
i
f Xl
,
1≧0∧x 2 ≧O
t
he
n good
1<0∧x 2 ≧ 0 ∧X6 ≧O t
he
n good
i
f Xl
,
これ らの ルールは獲得 した最適化 ルール (
Al
l
)の条件部 に他 の特徴 を付加 した
形 となってい る.す なわち,訓練例 集合 のエ ン トロピーが大 き くなる と多数 の
ノー ドを有 す る分類木 が生成 され,そ こか ら得 られるルールの条件部 は複雑 に
な りやすい傾 向があ る と考 え られる. したが って,訓練例集合 のエ ン トロ ピー
を可能 な限 り小 さ くす るこ とに よ り,有効 なルール を獲得 す るこ とが可能 であ
る とい える.
4.
5 考察
4.
5.
1 事例特徴 の付加
以上 では,仕事属性 のみ を先見 的情報 ,す なわち 自明 な知識 と してルール獲
得 を行 なった. しか し,対象 問題 の固有 の情 報 をその先見 的情 報 に組 み込 む こ
とに よって,対 象 問題 に対 して関連 の深 い効 果 的なルールが獲得 可能 であ る と
考 え られる.す なわち,これまでの事例 に問題 固有 の特徴 を付加す る ことによっ
て,よ り有用 なルールの獲得 が期待 される.以下では, 2, 3機 械 フローシ ョッ
プ問題 を取 り上げ , これ らの問題 固有 の事例 の特徴 を付加 す る こ との有効 性 を
検討 す る.
ここで対 象 としている 2機械 お よび 3機械 フローシ ョップ問題 では,総所 要時
間を評価 関数 と した場合 ,仕事 の処理時 間のみ に着 目すれ ば,効果 的 なルー ル
獲得 が可能 であることがわかる.本研 究で設定 した処理時 間に関す る特徴 は,各
機械上 での処理時 間の差 のみであ り,機械 間の相互 的な関係 は考慮 してい ない,
しか し, 2機械 お よび 3機械 の フロー ・シ ョップ 問題 の解析 的結果 として, 2仕
,
1+
pl2,
Pi
,
2+p
i
,
3 な ど,処理 時 間に関 して機械 間
事 の先行 関係 を決定す る際 ,pi
の相互 的な関係 が存在す る [
1
5]
.そ こで,これ らを考慮 したつ ぎの ような特徴 を
,
J
,(i<j)を
付加 す るこ とを考 える・ただ し,所 与 のスケジュー ル上 の仕事 I
I
i
,
入 れ換 える こ ととす る.
X7 : (
pi
J+p,,
m)- (
p,,
1
+pt,
m)
(
≧0,
<0)
X8 : (
粧 1
+pJ,
2
)-(
p
,
,
1
+pl
,
2
)
(
≧0,
<0)
X9 ‥ (
pも,
m-1+
p,
,
m)- (
p,
,
m-1+
pi
,
m) (≧ 0
,
<0)
既存 の特徴 に,これ ら 3つの特徴 を付加 してルール獲得 を行 な うが ,m,
=2の
場合 は どの特徴 も同 じ意味 を もつ こ とにな り, この とき x8と x 9 は省 くこ と
にす る.
54
第 4章 ルール獲得の基礎的検討
(
F)
,(
G)の問題 に対 して,4・
4と同様 な学習実験 を行 った・その結果抽 出 さ
れたルール ・セ ッ トの中で,選択条件 を満 たす ルールは以下の ものである.
・(
F)F2//
Cmax
he
n good
(
Fa) f X7 ≧ 0∧Xl,1 ≧O t
he
n good
(
Fb) f X7 ≧0∧Xl,2 <O t
X7 ≧O
t
he
n good
(
FC
) f
・(
G)F3//Cmax
(
Ga) i
f X7 ≧0∧Xl,1≧O t
he
n good
f X7 ≧ 0∧Xl,
3 <O t
he
n good
(
Gb) i
f
X7 ≧O
t
he
n good
(
GI
C
) i
上記 の 6つのルールの条件部 は,特徴 X7 が付加 されてお り,それ以外 の条件
部 は先 の実験 で抽 出 した各 ルールの条件部 と同 じものであ ることがわかる.す
なわち,付加 した特徴 は訓練例集合の分類上重要 な特徴 である とい える.以下
では,新たに獲得 した 6つのルールの妥当性の検討 を行 う.数値 シ ミュレーショ
0,
30,
50,
70,
1
00に対 し,50回行 な う
ンは,先 の実験 同様 , 5種類 のジ ョブ数 1
こ ととす る.
(
F)F2//C max
比較 の基準 となる解 J
*は,ルール (
F1
)により作成す る. 表 4.
5は,ルール
(
Fa)
,(
Fb)お よび (
FC)に よる解 と J
*との平均相対偏差 を示す.表 4・
5か ら,
FI
C
)はルール (
F1
‖こ比べて良好 な解 を導出 していることがわかる.ま
ルール (
た,ルール (
Fb)とルー ル (
F1
)のスケジュー リング ・ルール としての性能 は
ほ とん ど変 わ らない ことがわかる.ルール (
F1
)とルール (
Fb)は同個数 の条
件部 であるが,条件 その ものは後者のルールの方がその制約が強いため,前者
に比べ てスケジュー リング操作 が行 いに くい とい う欠点があ る. しか し,ジ ョ
ブ数が増 える とその間題 も彼和 される と考 え られるので,数百 のジ ョブ数であ
れば新 た に獲得 したルールの方が効果 的であ る と思 われる.
(
G)F3//
C max
比較 の基準 となる解 J
*は,ルール (
G1)によ り作成する.ルール (
Ga)
,(
Gb)お よび (
GC
)に よる解 と J
*との平均相対偏差 を表 4.
5に示す.得 られたルー
ルか ら, 3機械 フロー ・シ ョップ問題 でのルール獲得 の際 ,I
D3 が Ml,
M3 上
F)の問題 の場合 と同様 に,
での処理時 間に着 目 しているこ とがわかる. また ,(
GC
)はルール (
G1)に比べ て常 に良好 な解 を導 出 しているが,新 たに
ルール (
獲得 した 3つのルール とルール (
G1
)のスケジュー リング ・ルール と しての性
能 は差が ない こ とがわか る. この原 因の一 つ として, フロー ・シ ョップ問題 で
は機械台数 が増 えるにつれて,仕事処理時 間の機械 間での相 互的な影響 が複雑
とな り,それ に伴 う解析 が困難 になるこ とが考 え られる.
4.
5考察
55
表 4.
5‥事例 特徴 を付加 した場合 の解 の補対 偏 差 (
%)
仕事数
1
0
30
50
70
1
00
(
Fa)
5.
4 1.
59 1.
5
9
1.0
0.
5
Fb) 0.
02 0.
08 -0.
01 -0t
1
0 .0
(
FC) - 0.6 -0,
2 -0.
07 -0.
07 -0.
05
(
Ga) 0.
08 0.
9 -0.
04 0 .06
0.
2
(
G-0.
2 0.
2
0.
1
0.
3
0.
2
(
G-0.
6 -0.
1 -0.
1 -O.
05 、
一0.
05
(
b
C
)
)
4.
5.
2 学習アル ゴリズムの検討
ここで は, 2機 械 お よび 3機 械 フ ロー シ ョップ 問題 に対 して C4.
5 をルー ル
獲得 に適用 した結果 について考察す る. と同様 な実験 条件 で ,C4J
'を利用 して
7(
1)
,(
2)はそれぞれ ,F2
/
/
Cma
ご,F3//C川り
,
ルール獲得 の実験 を行 った.図 4.
で得 られた分類木 を表す.
これ らの分類木 か らは以下の ルールが得 られる,なお,ルー ル番 号 (
*つ
)は前
項 で得 られたルール (
*)と等価 であ る こ とを示す,
●C4.
5に よ り得 られたルール
F2
/
/
Cma
r
(
Fb'
) i
f Xl,2 <0∧X7 <O t
he
n bfgood
C
'
)i
f
X7≧O
t
he
n good
(
FI
F3
/
/
Cma
r
(
Ga'
) i
f X7 ≧ 0∧Xl,1 ≧O t
he
n good
2<O then good
(
Gd) i
f X7 ≧ 0∧Xl,
F2
/
/
Cma
rの場 合 は効 果 の低 か ったルー ル (
Fa)を生成 してお らず ,C4.
5を
利 用す る こ とに よって効 率 的 に良好 なルー ル を求 め られ る こ とが考 え られ る.
F3
/
/
Cma
rの場 合 で は,ルー ル (
Gd)は新 た に得 られた ルー ルであ る. ルー ル
(
Gd)に対 して以 下の 2つの場合 について有効性 を検討す る.
(
1
) 処理 時 間が条件 m
in(
p
t
,
3
)≧ma
xく
れ2
)を満 たす場合
6にルール (
Gd)お よびルール (
Gb'
)に よる解 と最適解 との平均相対偏
表 4・
差 を示す.
表 4・
6か ら,C4.
5によ り新 た に得 られたルー ル (
Gd)はルー ル (
Gb)に比べ
て良好 な解 を導 出す るルー ルであ る ことが わか る.
第 4 章 ル ール獲得 の基礎 的検討
56
(
a)∩
=30
x7T
(
b)n=
50
,:= …:Sd
:=
X7-l: ;
'
l:I
,:=
g
ir
:
d
…
:
:
d
(
1
)F2
/
/
Cmarの場合
(
a)n=30
x7T
I
,o
o= b
i・
7て
<
2.
0=
g
i,
:
d
T ,0_ bad
<0- g
o
o
d
-0- g
o
o
d
(
b)∩
=50
x7T
;0
.=
b
B
a?
翫
t≡
:
=x
:
i
g
o
o
,
d
>0-
b
ad
<0-
9
0
0
d
=O-
x6
-l
tL
T≡O.
=
…
:
S
d
(
2)F3
/
/
CmaL
l
の場合
図 4.
7:C4.
5に よ り得 られた分類 木
表 4・
6‥ルー ル (
Gd)お よびルール (
Gb)に よる解 の最適解 との相対偏差 (
%)
仕事数
1
0
3
0
50
70 1
00
(
Gd) 1.
5 0.
48 0.
24 0.
20 0,
1
5
表 4・
7:ルール (
Gd)に よる解 のルール (
Gち)に よる解 との相対 偏差 (
%)
仕事数
1
0
30
50
70
1
00
-1
.
2 -0.
7
6 -0.
35 -0.
26 -0.
22
57
4.
5考察
(
2) 条件 mi
n(
pi
,
3
)≧max(
pt
,
2
)を満 た さない場合
比較 の基準 となる解 をルール (
Gb)によ り求め, ルール (
Gd)に よる解 と比
7に示す.
較 した結果 を表 4.
(
1
)の場合 と同様 にルー ル (
Gd)は I
D3に よるルールに比べ て良好 な解 を導
出す るルールであ る ことが わか る. これ らの結果か ら,C4.
5に よ り I
D3と同等
か さらに効果 的なルー ルが獲得 可能 であ る とい える.
4.
5.
3 訓練例集合生成法の検討
前項 のルール獲得実験 に よ り,C4.
5が I
D3に比べ ,良好 な解 を導 出す るルー
ル を獲得 す る可能性 が高 い ことが確 認 された. しか し,仕事 数 の違 い に よ り分
類 木の形状 が異 なるため,結果 的 に良好 なルールが常 に得 られ る とは限 らない.
この原 因の 1つ として,訓練例集合 の生成段 階 におけ るサ ンプ ル ・スケ ジュー
ルの訓練例集合 の特性- の影響 が考 え られる. ここで はサ ンプ ル ・スケ ジュー
ルの影響 を硬和 した訓練例 集合 の生成法 を検 討す る.
逐次的 な事例 の発 生
図 4.
8の よ うに,あ る与 え られた n仕事 に対 す るサ ンプ ル ・ス ケジュー ル S。
上 の任意 の仕 事対 を Ns 回繰 り返 し入換 える こ とに よ り,Ns個 のス ケ ジュー
ル
SL
(
I
-1
,
・・
・
,
Ns) を発 生 させ る.以下で はスケジュール Sl_1 で の 2仕事 J"
J
,(
Jt<J,) (2タス ク O i,
T
k
, 0,
,
打
た)を入 れ換 えて スケジュー ル Slが生成 さ
れ る とす る. この とき, Sト 1 か ら slを生成 す る過程 を事例 とす る.各事例 を
入 れ換 えた Sl11 上 の 2仕事 J" J, の属性値 か ら得 られ る情 報 に よ り特徴 づ け
る. この手続 きは,3.
3節 の図 3.
5におけ る事例 の発 生段 階 において,
Sム
-Sl,Si
-S2
,
S
;
-S3
,
‥.
,
Sん。
_2-
SNs_1
となる.以下で は,上記 に よる訓練例集合 の生成法 を逐次 的入 れ換 え法 ,図 4.
1
に したが う訓練例集合 の生成法 を組み合 わせ 入換 え法 と呼ぶ こ ととす る.
以下の実験 で は,任意 に作成 したサ ンプ ル ・ス ケジュール上 の仕事対 を逐次
的に 1
0000回入 れ換 え,Nt-250 と して合計 500個 の事例 を取 り出 し,訓練
例 を作成 す る. また,分類 木 の生成 お よびルールの獲得 には C4.
5を利用 す る.
(
F)F2/
/
C m ax
F2
/
/
C m aL
l
問題 において逐次 的入 れ換 え法 によ り生成 した訓練例 集合 か らは,
仕事数 が 3
0,50の場合 で も図 4.
9(
1)の よ うな分類木が生成 された.さらに,1
0,
7
0,1
00の仕事数 に対 して も,C4.
5によ り図 4.
9(
1)と同様 な分類 木 を得 た.こ
の結果 か ら,訓練例集 合 の生成法 を改 良す る こ とに よ り仕事数 の違 い に関係 な
9(
1)の分類木か らは,以 下 の
く分類木 が収束 してい るこ とが確 認で きる.図 4.
ルール (
FC)と等価 なルー ルが獲得 される.
第 4章 ル ール獲得 の基礎 的検討
58
・
1
i
1
甲
壷
-
-
ー
_
Case1
甲ヨ I
Case2
Cas
eNs
匿 ヨJ
o
bJ
,
・
E
EヨJ
o
bJ
j
図 4.
8:事例 の生成法 (
逐次 的入れ換 え法 )
x7T
;:
=
…
:
S
d
(
1
)F2//C m axの場合
(
a)∩
=30
<0
Ⅹ7T
≧O
-
b
a
d
ち,
2
>0
b
a
d
<0=0-
9
0
0
d
g
o
o
d
(
b)∩
=50
.
o=
x7l
l: ≡
≡
:
S
d
(
2)F3//C marの場合
図 4.
9:逐次的入れ換 え法 によ り得 られた分類木
4.
5考察
59
(
FC
) i
f X7≧O t
he
n good
(
G)F3
/
/
C m ax
F3
/
/
Cmax問題 に対 して,逐次 的入れ換 え法 によ り生成 した訓練例集合か ら得
9(
2)に示す.図 4.
9(
2)の分類木 は,図 4.
7(
2)における分類
られた分類木 を図 4.
0の分類
木 に比べ て,さらに簡略化 された もの となっている.特 に,仕事数が 3
Gd)の条件部 となる特徴 x1
,
2,XTのみで構成 される分類木 であ
木 はルール (
7(
2)の分類木か ら冗長 な枝 を除去す ることによ り,洗練 した構
る. また,図 4.
9(
2)の分類木 か らは.最終
造 の分類木であ る と考 え られることもで きる.図 4.
的に次 のルールが得 られる. これ らのルールは先 の実験 で良好 な解 を導 出す る
ルールであ ることが確認 されている.
(
GC
(
G-d
)
if
)
if
X
X7>
_0
7≧
0∧X12 <
,
O
t
he
n good
t
he
n good
4.
5.
4 サ ンプ ル ・スケ ジュール と分類木
以上の実験では,有効 な分類木 の生成 とルール獲得が可能であることがわかっ
た. しか し,訓練例集合 の特性がサ ンプ ル ・スケジュー ルに影響 す る と,有効
な分類木 ない しはルールが得 られる とは限 らない. ここでは,分類 木 の形状 に
基づ いてサ ンプ ル ・スケジュールの分類木 お よびルール に対 す る影響 に関す る
考察 を行 う.
0の F2
/
/Cmar問題 に対 して,組み合わせ入 れ換 え法 お よび逐次
仕事数が 5
的入れ換 え法 によ り,各 々1
0種類 の訓練例集合 を作成す る.この とき各生成法
8に示す.ただ し,分類木
か ら得 られた分類木 の種類 と生成個数 を表 4.
r :(ノー ド (Xl,
1,
Xl
,
2
,
x2
,-・
,
X9))
昌 は生成 された分類木の種類 を表す番号 )
の ように表す.
表 4.
8:分類木 の生成結果
生成法
分類木
生成個数
組み合 わせ入 れ換 え法
T2
1:
:(
xT
)
T
(
x7
,
X1
,
2
)
T3 :(
x7
,
X1
,
1
,
x 2)
T4 ‥(
x7
,
X1
,
1
,
X3,
x 2)
7
1
I
1
60
第 4 章 ルール獲得の基礎的検討
先 の実験 か ら,分類木 Tlか らは評価 関数 に対 して有効 なルールが生成 され
るこ とが確認 されている.表 4.
8か ら,組み合 わせ入れ換 え法では,分類木 Tl
以外 に 3つの異 なる分類木が生成 されてお り,逐次 的入れ換 え法で は,常 に分
類木 Tlを生成 していることがわかる.仕事数 を変化 させた場合や 3機械 の場合
にもほぼ同様 の結果が得 られている.したがって,逐次 的入れ換 え法では,組み
合 わせ入れ換 え法 に比べ てサ ンプ ル ・スケジュールに影響 が少 ない訓練例集合
を生成する ことがで き,一般性の高い分類木 を得 ることが可能 である といえる.
4.
6
まとめ
本研 究で は,1機械 問題 と 2機械 お よび 3機械 フローシ ョップ問題 を対象 とし
て,帰納 的学習 によるスケジュー リング ・ルー ル抽 出法 を提案 し,その有効性
を検討 した.ルール獲得 は, トレーニ ング ・セ ットをサ ンプ ル ・スケジュール
上 の 2仕事 を入 れ換 えるこ とによ り生成 し,J
か3ない しは C4
.
5によ り分類木
を求めることに よって行 われる.対象 問題 に対 して提案方法 を適用 して得 られ
たスケジュー リング ・ルール について検討 した結果 は以下の とお りであ り,揺
案方法 はルール獲得 方法 として有効 である といえる.
(
1
)簡単 な最適 ルールの存在す る問題では,得 られたルールはそのほ とん どが
既存 のルール と等価 である.
(
2
)簡単 な最適 ルールのない問題では,良好 な結果与 えるルールを得 ることが
で きた.
(
3)エ ン トロピーによ り訓練例集 合を定量表現 し,エ ントロピーが最小 となる
訓練例集合か ら有効 なスケジュー リング ・ルールが得 られやすいことを確
認 した.
(
4
)C4
.
5を利用す る ことによ り,I
D3によ り獲得 されるルー ルに比べ,良好
なルールの獲得 が可能である,
(
5)訓練例集合の生成段階において,仕事対 の逐次的な入れ換 えによる生 成を
行 うことによ り,サ ンプ ル ・スケジュールの影響が小 さい分類木の生成 が
可能 である.
なお, よ り複雑 な問題 におけるルール獲得 ,スケジュール ・パ ター ン群 の大 き
さを含 めた学習の効率化 に対 す る トレーニ ング ・セ ットの生成法 な どは今後 の
課題 であ る.
第 5章
フロー ショップ問題 におけるル ールの
獲得 と適用
本章では,第 4章 の拡張 として m 機械 n 仕事 フローシ ョップ問題 を対 象 と し
たルール獲得 方法 を提案す る.5.
1
節 では,フローシ ョップ問題 に適応 した事例
の構成 と適用事例 数 について検討 し, さらに獲得 ルールのスケジュー リング ・
ルール としての性能 を観察す る [
1
0,ll ,39
]
.評価 関数 と して (
H)給所 要時 間
Cmax を取 り上げ る.5.
3節 では仕事対 入 れ換 えによる近傍探索 スケ ジュー リン
グ とい う観点か ら,獲得 ルールの有用性 について検討す る [
1
2,40]
.5.
3,5.
4節
では,評価 関数 cmaTに加 えて,(
Ⅰ
)総納期遅 れ ∑T
i を取 り上げ る [
11,1
2]
.最
後 に 5.
5節では,複雑 な問題へ の拡張 として多 目的 フローシ ョップ問題へ の適用
を試みる [
41
,42]
.多 目的フローシ ョップ問題 では,c mα訂 ,∑γ, さらに (
∫)紘
tを考 え, これ ら 3個 の評価 関数 を対象 とす る.本章 で は,訓 練
滞留時 間 ∑C
例集合 か らのルールの帰納 に C4.
5を利用す ることとする.
5.
1 ル ール獲得の基礎的検討
5.
1.
1 事例の構成 と発生法
3.
3.
2項 で定義 した特徴 の うち,表 5.
1に示す 1
5個 の特徴 X
i
F∼xi
号 を利用
tの 7
T
k番 目の タス クを処理 す る機械 ML
.
す る.フロー シ ョップ問題 では仕事 J
は同 じである (F
樟 た- Mk ). よって,Ol,打
k,Pt,Tk はそれぞれ,07
,
k,Pt.k (
仕
事 J
tの機械 Mk 上 での タスクお よびその処理時 間) と表記す る.
事例 の発生方法 は図 5.
1に示す逐次 的な入れ換 えに基づ いて行 うこ ととす る.
所与 の m x n フローシ ョップ問題 で,任意順序 のサ ンプ ル ・スケジュール S
上 の任意 の仕事対 を Ns 回繰 り返 し入 れ換 えることに よ り,Ns個 のスケジュー
。
L
(
l- 1
,
- ,
Ns) を発生 させ る.以下で はスケジュール Sト 1 での 2仕事 J
ルS
J
,(
JL
<17) (2タス ク Ol
,
k,0J
,
k) を入れ換 えてスケジュール Slが生成 され
Cl) とす る.各
る とす る. この とき, lllか ら Slを生成 す る過程 を事例 l(
"
s
61
第 5章 フロー ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
62
:p7
1,
k- P,,
k
,,
k
Xi
言
Xi
f
と ot
+1,
k は隣接 している
:0,,
k と O,
+1,
k は隣接 してい る
:o i
,
k
・
,
二 ,;
o-
I
Cas
e
.
I.
X;
F :、p,_1,k- Pi,k
Xi
F :pt,A- PL+.,k
Xi
F ‥p,,k- Pi+.,k
Xi
F :o t,k は最初 に処理 (i- 1) される
XI
F :0 は最後 に処理 (j-n) される
Xi
F :0 111,kと o t,kは隣接 している
X;
F :0,_1,k と 0,,k は隣接 してい る
)))1
1ノ)
) ) ) ) ) )
0 0 n
U0 n
U000000
ルルルルⅣ〃
>一>一>一>一>一
i
F :pt,A- P,,k
X
X;
F
J'J
J.J
J
.
I, PJ
J
〇 〇 〇 〇 〇 rI
p
L
p
レ
β
し
p
L
e
β
L
<(
</
く(
く′
く
y(
y′
y
yt
y(
y
し(
/
し
し
t
l(
表 5.
1:事例特徴 とその値 (
xi
F∼xi
f)
1
Cas
e2
叫
r
/
他 ・仙
:
:
, I
;
,
.
:
- I cas
em+7ll
m.1- I
m
l
l
m+1
:
I
l
n
.
i ,
・
.
帆 -
Cas
eNs
l
LJ
o
bi E
ヨJ
o
bj
3
図 5.
1:事例 の作成 と着 目機械 の選択
I
Ns-I
Ns
l
1
5.
1ル ール獲得 の基礎 的検 討
63
事例 を入 れ換 えた SL_1 上 の 2仕事 J" Jt
jの属性 値 か ら得 られ る情 報 に よ り特
徴 づ け る. また,各 入 れ換 え操作 で得 られ る事例 に対 して,評価 値 の変化 の値
I
l
-I
l
_1 を記憶 させ てお く.Ns 個 の事例 を生成 した後 ,全 ての事 例 を I
l-Il_1
の増 加順 にソー トし,I
l-Il_1 >0の大 きい もの及 び J
l-I
l
_1≦ 0の小 さい も
のか ら 各 Ni個 を取 り出 し,計 2Nt個 の事例 を訓 練例 集 合 とす る.
フ ロー シ ョップ 問題 で は, 2仕事 の入 れ換 え を行 な った時 どの機 械 に着 目す
るか に よって特徴 は異 な り,仕事対 の入れ換 え操作 の対 象 となる機 械 (
以下 ,着
目機 械)を考 える必 要 が あ る.事例 の特徴付 け の際 , m 機械 の うち特 定機 械 上
の仕事 属性 を選択 し,図 5
.
1
(
a)に示 す よ うに事例 作成 の各段 階で特 定機 械 を
Mk
・か ら Mk+1 (
k≡ (
l+ll
1
0dm)
)にシ フ トさせ てい くこ ととす る.例 えば,
m - 3の場合 で は,サ ンプ ル .ス ケ ジ ュー ル Soか ら逐 次 的 に仕事対 を入 れ換
えてス ケ ジュー ル を発生 す る際 ,
・1- 言
4
T
J
j
.
・
J
・2
.・
;
5
3
T
・5-
c
,
l
・廿.I;
l
.
♪
TI
.・;
事例
0
着 目機械
(
♪
ス ケ ジ ュール
の よ うに着 目機 械 を変化 させ る.
上 記 の生成 手続 きで は,サ ンプ ル ・スケ ジュール を任意 に発生 させ るため,常
に同一 の訓 練例 集 合 が生成 され るわけ で は な く,得 られ るルー ル ・セ ッ トも試
行 ご とに異 なる と考 え られ る.そ こで ,サ ンプ ル ・ス ケ ジュー ル を Nr個 任 意
に発 生 させ ,各 サ ンプ ル ・ス ケ ジ ュール に対 して上記 の手続 きを行 うこ とに よ
り計 Nr個 の ルール ・セ ッ トを生成 す る こ ととす る. さ らに, これ ら Nr 個 の
ルール ・セ ッ トを 1つ に統合 し,新 た にルー ル ・セ ッ ト 7
1を作 成 す る.各 々の
ルール ・セ ッ トを統 合 す る こ とに よ り,頻 出の度 合 いが高 い ル ー ル,あ るい は
特 定 の事例 を分類 す るため に獲得 された ルー ルな どの判断 が行 いや す くなる こ
とが期待 され る.
事例 の作 成例
ス ケ ジュー ル上 の仕事対 の入 れ換 えか ら事例 を作成 す る まで のプ ロセス の一
2で与 え られ る例題 5.
2のスケ ジュー ル S。 (
処理順序 JI
J2J3JJ)
例 を示す.表 5.
上 の 2仕事 J2,J3 を入 れ換 えてス ケ ジュー ル
JI
J3J2J4) が得 ら
とす る.各機 械 M l
,
M2,
M3
Sl(
処理順序
れ た とす る.た だ し,評価 関数 は総所 要時 間 Cmar
に着 目す る と,図 5.
2に示す よ うな手続 きか ら事 例 が得 られ る. この と き, ぶ。
か ら slの生成 で は着 日機 械 は M lであ り, Sl
生成 過程 におけ る事例 は以 下の
もの とす る.
(<0,≧ 0,<0,<0,≧ 0,No,No,Yes,Yes,Ye ,Yes,ba(
I)
s
64
第 5 章 フローショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
表 5.
2:例題 5.
2(
3×4フローシ ョップ問題 )
2
4
\
J
))0
)
6
・
_・,6
11
一...
._
16
t
3 3 3 3
1 2 3 4
0 0 0 0
メ
)
)
) 0
6
7(
5(
1
/
し(
2
3
J4
2
2
J
3
2
1
JI
J2
0 000
ヽ
ー
)
) 0
8
1)
6
・
_・,5
1(
/
l1l 1
1 2 3 4
00 0 0
タス ク (
処理時間)
S
c
h
e
d
u
l
eS
o
S
c
h
e
d
u
l
eS
l
EEヨE]
[
l
n
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J
3
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c
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f
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J
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F
,x漂 xb
F
,x)
F
,xk
F
;x琉 xi
吉,
x1
7) cat
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y
Char
ac
t
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i
sc
t
i
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sl
ngOnMl
(<O
,
_
'O,<O,<O,I
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,Y
e
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,Y
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bad
Char
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L,0
,<O
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'O,_
'O,<O
,No
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,No
,No
,No)
bad
Char
ac
t
er
i
sc
t
i
c
sFocu
sI
ngOnM2
(
_
,0,'O
,'O
,'O
,
_
,0,No,No,No,Yes,Yes,No)
図.
5
.
2:事例 の作成例
bad
5.
1ルール獲得の基礎 的検討
65
5.
1.
2 ルールの獲得 実験
ルールの獲得 は,3.
3節 で述べた仕事対 の入れ換 えによるルール獲得 方法 [
11 ,
39]に したが って行 う. 1つの 3×1
0 フローシ ョップ問題 で仕事 の処理時 間 を
[
1
,
99
]の一様乱数 で与 え,以下 に示す条件下で訓練例集合 を作成す る.N ,Ns,
Nlの設定値 の妥 当性 については次節 で検討す るこ ととする.
r
● サ ンプ ル ・スケジュール数 Nr:5,1
0
●発生事例数 Ns : 20000
●適用事例数 2Ⅳ ` : 1
000
5種類 のサ ンプル ・スケジュール (
N,- 5)か らルール獲得 の手続 きに よ り得
られた各 々のルール ・セ ットを統合 して得 られるルール ・セ ットを 7
85 とす る.
同様 に Nr- 1
0で最終 的に得 られるルール ・セ ットを 781。とす る.上記 の条
6個 のルールを有す るルール ・セ ット
件で作成 した訓練例集合 か ら,69個,11
られた.good ルールお よび bad ルールの個数 は, 785 の場 合で
各 々3
5個 ,3
4個 ,781。の場合では 59個 ,57個 であった.獲得 したルールの一
例 を以下 に示す.
715,711。が得
i
f Xi
F<o
∧
x;
F≧ o
∧
xi
f-No t
he
n good
このルールは,「
機械 Mk 上 で 3つの条件 ,p‡,k- P],k ≦ 0かつ p… ,k- P∼,七>O
かつ J
,の処理直後 に機械 Mk の遊休 時 P
B
u T,
+1,k が存在 す るこ とを満 たす 2
仕事 J
i,J
,(
Jl
<J,) を入れ換 える とスケジュー ルは改善 される」 こ とを意味
す る.
5.
1.
3 事例数 の検討
発生事例数 (
仕事 の入れ換 え回数 )Ns, 適用事例数 Ntの適切 な個数 を検討
の変化 に伴 うルール ・セ ットの分類精度 を観察す る.ルー
するため に,Ns,Nf
ル ・セ ットの分類精度 は,ある問題 に対 して得 られたルール ・セ ットが同 じタ
イプの問題 のテス ト事例 を誤 って分類 す る割 合 (
誤分類率 ) とす る.テス ト事
例 は,ルール獲得 に利用 した事例 とは別 に新 た に 1
0000個作成す る.
5
0,1
00の計 6規模 の問題 を各 々1
0種類作 成
まず,機械台数 3- 5,仕事数 ・
(
仕事の処理時 間は [
1,
99]の一様乱数 に従 う)す る.これ らの問題 に対 して Ns
,
Nl
を変化 させ,各 Ns,Nt
についてルール獲得 を行 い,生成 されたルール ・セ ッ
5.
1
)で定
トの誤分類率 をテス ト事例 を用 いて算 出する.なお,誤分類率 は,式 (
義 される.
(
誤分類率 )=
(
誤 って分類 された事例 の数 )
×1
00
(
適用 した事例数 )
(
5.
1
)
66
第 5章 フロー ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
.
3は,Nt- 1
00
0と し,発生事例数 Ns を 5
00
00個 まで変化 させ た場合
図 5
の,各 Nsについて得 られたルール ・セ ットの平均誤分類率 を表 している.また,
図 5.
4は,Ns -1
00
0
0とし,適用事例数 Ntを 2
00
00個 まで変化 させた場合 の,
各 Nl
について得 られたルール ・セ ットの平均誤分類率 を表 している.図 5
.
3で
は Ns >1
0
0
00で は誤分類率 が ほぼ一定である.す なわち,Ns >1
00
0
0であれ
ば,スケジュールを全数発生 させ な くて も,同精度 を有す るルール ・セ ッ トが
,
4では,8
00< Ni< 7
00
0程度 であれば
得 られることが考 え られる.また,図 5
誤分類率 に変化 はな く,それ以外 の範 囲で は,誤分類率が高 くなっている.Nt
が小 さい場 合は,事例 を分類 す るには不十分 をルールが生成 されるこ とが考 え
が大 き くなるにつれて,評価値 の変化 が微小 である事例 が訓
られる. また,Ni
練例集合 内 に増 える. この とき誤分類率が増加す るこ とか ら,有意 な特徴 をあ
ま り有 きない事例 の増加 もまた有効 なルールの獲得 の障害 となる とい える.
5.
1.
4 事例特徴 とルール条件部の考察
ここでは,帰納 的学習法の分類木生成段 階の観点か ら,獲得 したルールの条
件部 となる事例特徴 を考察す る. 1つのルールは分類木 のルー トか ら終端 ノー
ドに至 るパスの 1つであ り,ルール条件部 の 1つの条件 は, 1つの事例特徴 と
その値 の組 に相 当す る.分類木 は事例 の特徴 のエ ン トロピー を利用 して生成す
るため に,事例 の特徴 は分類木 のルー トに近い ものほ ど分類操作 に重要 な もの
であ る. また,木構造 とい う性質上 ,獲得 したルール ・セ ット中の条件 の多い
ルールは,条件 の少 ないルールにい くつかの事例 の特徴 とその値 の対 を付加 し
た形 を とる. したが って,事例特徴 はルール条件部 によ り多 く含 まれるほ ど重
要 な ものであ り, ルールはその条件部が少 ないほ ど有効 な ものであ る と判 断 さ
れる.
Xi
F∼xi
図 5・
5は,各特徴
F の 715,7
81
。中の ルール条件部 に含 まれている
総数 をヒス トグ ラムで図示 した ものである. なお,前節 の実験結果か ら,ルー
85(
-6
9+1
1
6)個 である.特
ル ・セ ット 715,711。を合 わせたルールの総数 は 1
に,特徴 i
F, g は,それぞれルール全体 の 7
6.
8%,91.
9% で利用 されてお
り,設定 した事例特徴 の中では重要 なものである.事例特徴 の内容で考 える と,
x xi
入れ換 え仕事対 Jlお よび Jjの処理時間差 と,J号の処理直前 の機械 の遊休時 間
の有無がスケジュール評価値 の変化 に影響 がある といえる.
次 に,ルール条件部へ の各特徴 の出現数 の変化 を観察す る.図 5
.
6は,横 軸
15 中の g
ood ルール (
35個 )を条件数 の小 さい順 に並 べ,
にルール ・セ ット 7
.
6の上側 は 特徴
縦軸 に各特徴 の出現 回数 の累積数 を図示 した ものである.図 5
Xi
F∼x去F,下側 は特徴 Xi
F∼xi
f の累積数 であ る. この図の場合 ,傾 きが
1の直線 であれば,その特徴 は 715 内の全 ての ルールの条件部 に存在す る こと
xi xi
5 と同様 に特徴
F と 百 は事例 の分類操作上 ,重要 な特徴 で
を示す.図 5.
0% 以 下ではあ る
あ る こ とがわか る.その他 の特徴 は,ルール ・セ ッ ト中に 5
がルールの条件部 に存在 している.利用 した特徴 を,A(
Xi
F)
,B(
X;
F∼ x.
;
F)
,
5.
1ル ール獲得 の基礎 的模討
67
3machi
neS +
4machi
nes +
'
.
L
Lo L山
)
0
4
(%
e6
t
l
I
b
: 七㌔ ■E
B一
5machi
neS
7
匹
5
3
a
^
V
一
・
ー
+
●
●
◆
__一一-I--一一一一一
B…
㌧
廿
.
___
l
、、サ
-
1
0000
30000
50000
NumberofGener
at
edCas
es
(
a
)5
0J
Obs
3machi
nes .
∼
4machi
nes +
5machi
nes 勺・
・
(
%)
」
2」山
6
8e
Jo^V
b
d
.p
35
-8E
P 一一一一一一ト
I
■
暮
■
■◆●
1
0000
ー一一一〇一一一一11- -一一1--
30000
50000
NumberofGener
at
edCases
O
)
)1
∝りobs
図 5.
3:発生事例数 Ns の変化 に伴 う誤分類率
68
第 5章 フロー ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
(% )
L
oJL山 06
。
J
e^V
35
1
0000
NumberofAppL
I
edCases
(
a
)5
0j
obs
40
(% )J
oJJ山
お
06eJG^V
1
0000
NumberofAppL
L
edCases
(
b)1
00J
Obs
図 5.
4:適用事例数 Niの変化 に伴 う誤分類率
5.
1ル ール獲得の基礎 的検討
69
0
8
1
0
∠
U
1
0
4
1
0
つ一
1
0
O
1
0
Q
U
P
u
Ol
nt
j U!
POPn
s
0
∠
U
0
4
uanboj
J
一ゝD
0
つJ
X
I
Fx
2
Fx
3
Fx'
言x
5
Fx6
Fxダx
8
Fx
9
Fx
f
oX
F
I
CaseChar
ac
t
er
i
st
i
cs
図 5.
5:各特徴 のルール条件部へ の出現数
C(
XiF,x;
F
)
,D(
Xi
F∼xi
f
)と 4つのグループ に分類 す る.A は仕事対 の処
理時 間差 ,Bは仕事対 の処理前後 の仕事 との処理時 間差 ,Cお よび D は仕事対
の処理前後 の仕事 の有無 と機械 の遊休 時 間の有無 を表す.上述 の実験結果 か ら
比較 的 A,D に属 す る特徴 が事例 の分類 に有効 であ る.これ らの特徴 と同様 な
点 に着 目したスケジュー リング ・ルール として,J
o
hns
o
nの作 業規則が挙げ ら
れる.このルールは処理時 間の差 と機械 の遊休時間に着 目し,1機械上でのフォ
ワー ド ・スケジュー リング と 2機械上でのバ ックワー ド ・スケジュー リングによ
り遊休時間の最小化 を行 う.このことか ら,A,D に属 する特徴 はスケジュー リ
ング操作 の着眼点 として妥当である と考 え られる.従 って,本研 究で提案す る
ルール獲得 の手続 きに よ り,総所要時 間最小化 に関係 の深 い特徴 の抽 出 とルー
ルの獲得 が可能 となっている とい うこ とがで きる.
5.
1.
5 ルールの性能評価
本研 究でのカテゴ リの定義か ら,goodルールは正事例 ,す なわちスケジュー
ル評価値 の改善 を示す事例 を満 たす ルールであ る こ とが期待 され る. しか し,
獲得 した good ルールを実際 にスケジュー リング ・ ルール として適用 した場合
の有効性 までは保証 されない. ここでは,獲得 した ルールのス ケジュー ル評価
値 の改善能力 を観察す るこ とによ り,スケジュー リング ・ルール と しての有用
70
第 5章 フローショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
5
3
0
3
5
2
0
2
5
1
0
1
5
SO!
lS!
Je
P
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lt?LJOaS
eO 0
JL
eq∈ nNO>!le
l
nu
J
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5
1
0
1
5
2
0
25
30
35
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i
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ai
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2
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1
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SO
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l
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2
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4J
aq
∈nNa^!
l
t
2
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)
5
1
0
1
5
20
2
5
30
3
5
CumuJ
at
i
veNumberofObt
ai
nedRul
es
図 5.
6:各特徴 の出現数 の累積
71
5.
2獲得ル ールの記述
性 を考察す る.ルール獲得 に利用 した 3×1
0フローシ ョップ問題 で 50種類 の
任意順序 のスケジュールを発生 させ,全 ての仕事対 の組合せ (
1
。C2×3×5
0)の
総数 を NE とす る. また,ルール ・セ ット中の各 ルールに対 して,NE個 の仕
事対 の中か らそれぞれのルールを満足する仕事対 を入 れ換 え (
総数 Ea
l
L
)
,入れ
換 え操作 によ り評価値が改善するような仕事対 の総数 を E+ とする.この とき,
Eallに対 す る E+ の割合 をルールの評価値改善率 と定義す る.表 5_
3は,ルー
ル ・セ ット 715 お よび 711。中のルールの評価値改善率 の最大 ,最小 ,平均 を表
している.図 5.
7は,7
15
(
Nr -5)の各 ルー ルを評価値 改善率 の大 きい順 に並べ
た ものであ る.7
81。の場合で も図 5
.
7と同様 な評価値改善率 の傾 向 を得 ている.
表 5.
3か ら good ルールは bad ルールに比べ て評価値 を改善す る能力が高 い
といえる.bad ルールの中には 7
0% 程度 の評価値 改善率 であ るルールが存在
7か らこマ)ようなル ールは 1個 のみ獲得 されただけであ り,bad
す るが ,図 5.
ルールは 3
0% ∼ 50% ぐ らいの評価値改善率であるといえる.一方 ,goodルー
0% 程度 のルールは高 々3個 であ り,good ルールは
ルの中で評価値改善率が 5
60% ∼ 80% の評価値改善率である とい える.
これ らの結果か ら,good ルール群 は bad ルール群 に比べ て,評価値 を改善
するような仕事対候補 が存在する割 合が高い.すなわち,獲得 したルール ・セ ッ
トはカテ ゴ リ別 に観察 した場合 に,評価値 の変化 に対 して明確 な傾 向 を持 つ と
考 え られる. また ,good のルール群 の中には評価値 の改善 に有効 か レールが
多数存在す ることがい える.
表 5.
3:各ルール ・セ ットの評価値改善率
最大
7
15
715
7810
最小
平均
(good) 89.
6% 49.
4% 7
0.
6%
(bad) 69.
4% 23% 41.
0%
(good) 89.
1
% 36.
1
% 65.
4%
5.
2 獲得ル ールの記述
前節 では総所要時 間最小化 問題 を取 り上げ て, フロー シ ョップ問題 を対象 と
した場合 の事例 の構成方法 を検討 し,獲得 したルールの形式 について考察 した.
本節以降では,それ らの検討事項 に基づ いて新 た にスケジュー リング ・ルー
ルを獲得 し,獲得 ルールを近傍探索 スケジュー リングに適用す る とい う観点か
ら,フローシ ョップ問題 におけ るルールの有用性 について検討す る.5.
3節 お よ
.
4節 では評価 関数
び5
72
第 5章 フローショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
〇
〇
〇
〇
〇
○
○
0
′
人
U
〇
〇
㌦
〇
〇
〇
〇
%
〇
〇
〇
〇
○
○
0
4
(
%)l
Ua∈a^0L
d∈〓oo!
t
t
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∝
8
0
1
0
20
30
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8
○
tu
aE oJd∈ O
(% )
0
′
人
U
a^
0
4
こO
〇
〇
〇
〇〇〇
○○ 〇〇〇
!
tt2∝
〇
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇へ
1
0
20
〇
〇
〇
〇
30
3
3b
a
dr
u
l
e
sSo
r
t
e
db
yDe
c
r
e
a
s
ei
nRa
t
i
oE+
図 5.
7:785の各ルールの評価値改善率
5.
2獲得 ル ールの記述
(
H)給所要時 間
73
Cma
r
(
Ⅰ
)給納期遅 れ ∑γ
を取 り上げ る. また ,5
.
5
節 で は複雑 な問題 - の拡張 と して多 目的 フロー シ ョッ
プ問題へ の適用 を試 み る. ここで は,(
H)
,(
Ⅰ
)に加 えて,
(
J)総滞留 時 間 ∑C
i
を対 象 とす る.
事例 の特徴 は次 の とお りとす る. まず ,前章 の実験 に よ り効果 の少 ない と判
x2
F∼x
C
m
XI
F∼x
X9
F∼xI
断 した特徴
5
Fを省 く.次 に,前節 では
axに着 目 していたが ∑T
iに
4に示す 1
2個 の特徴
I
F
2を新 た に利用 す る こ と
も注 目す るため,表 5.
F
2は評価 関数 が ∑T
tの場合 にの
とす る,ただ し,納期 に関す る特徴
叫 . なお,表 5
.
4中の (
)内の特徴 は前章 で利 用 した特徴 であ る.
み利用 される [
/
L
; 1・
Jl 1・1・
4‥事例特徴 とその値
表 5.
(
XI
F∼ x
.
F
2
T
)
(
-xi
F) :pl,k - P,,k
:pt-pJ
(
<0,
≧ 0)
(
< 0,
≧ 0)
(
Ye
s,No
)
(
-xi
F) ‥0,,
k は最後 に処理 (
j-n) され る
(
Y ,No
)
(
Ye
s,
No
)
(
Ye
s,
No
)
(
Ye・
5
,No
)
(
Yes,No
)
(
-xi
F) :oi
_1,k と oi
,
k は隣接 してい る
-x;
F
) ‥0,_1,k と 0,,k は隣接 してい る
(
-xi
百) ‥oi
,
k と 02
+1,k は隣接 してい る
(
-xi
f) ‥0,,k と O,+1,k は隣接 してい る
(
di- d
J
(
di- Pt
,
k
)-(
di- PJ
,
k
)
(
di- Cl)- (
d
,- C
3)
(
d
i- P
i
)
-(d,-p,)
es
ーヽ
一ノ
)
n
U0 n
Uー
n
U
>一>一
>一>一
〇〇〇 〇
</
<
<
(
し/
し
,
/
・
7 1,1・畑宜宜
(
-x占
F
) ‥ot,k は最初 に処理 (i- 1) される
(
<
表 5.
4の事例 の特徴 を もとに,5.
1.
1
項 の手続 きを利用 し,以 下 の条件 下で訓
練例 を作成す る.す なわち, 1つの 3×1
0フローシ ョップ問題 で任意 に作 成 し
0種類 のサ ンプル ・スケジュールの各 々か ら,(
Ns.
Ni
)- (
20000,・
500)に し
た 1
たが って 1
000種類 の事例 を有す る訓練例集 合 を 1
0個作成 す る.
● 問題規模 :3×1
0
・処理時 間 ‥[
1
,
9
9
]の一様乱数
・ 納期 ‥l
cI- C
,
Ci+c
Hc- C1
*m
i1
1
t
Cl
)
)の一様乱数
●サ ンプ ル ・スケジュール数 Nr:1
0
74
第 5章 フロー ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
●発生事例数
Ns : 20000
4 適用事例数 2Nt : 1
000
納期 は,任意順序 のスケジュールを 1つ発生 させ た ときに得 られる各仕事 の処
理完 了時刻 Ctを算 出後設定す る もの とす る.C1-0の場合 ,給納期遅 れ最小
化 問題 での最適解 の 1つ は O に等 しくなる.
上記 の条件 に したが って 10個 の訓練例集合 を作成 し 1
0個 のルール ・セ ット
を獲得 した.これ らのルール ・セ ットを統合することによ り新たに作成 したルー
ル ・セ ットは付 録 A に示す通 りである. ここでは ,3.
3.
5で述べ た条件 に した
が って以下のルールを利用す ることを考 える.
L
jI
T半 里
∧∧ ∧∧
0 0 00
> ><一
<一
FIFIFIFl
的帆的5
;
)
ヽ
J)
2 34
1)
F
I
I
I
H
1
、H
1
1
1
'H
1H
-
(
H)F/
/
C
m ar
III(
;
Ye
s^X7
F-yes^x8
F-yes
F-yes
No^X6
No∧X8
F-yes
No^X7
F-No
(
I
)F/
/∑Tt
(
I
l
l
) X9
F>o^
xI
F
l>0
C
∑
′
t
刃 旬 刊旬 刊旬 刊刊刊
i
"
‖
川
Ⅶ3
日\ロ リ ーJ、口 付 口 付
i
Z
'
∫
ー
I
T
J
(
I
1
2) X
9
F>o^
xI
F
2>0
(
I
1
3
) X9
F>o^xI
F
.>o
(
I
4) XI
F>o^x9
F>o
ヽ
ー) ヽ
J) )
10
-11
.12
. -3.14
.
J(
J/
J
∫(
∫
(
しー
Ⅳ ∧∧
二 〇〇
VI
≦ > >Vl> :VI
F8> >
ギ ガ ガガガ ギ ギ ガギ ガ ギガ ギ ガ 畑ギ ギ
≦o∧x2
F>o∧x7
F-No
>o∧x6
F-yes∧x7
F-yes∧x8
F-yes
>o^x7
F-ye
s^x8
F-ye
s
>o ∧x4
F≦o
>o^x3
F>o^x5
F-No^X8
F-ye
s
>o^x2
F>o^x7
F-No
o∧
x2
F>o∧x6
F-ye
s∧x7
F-No
o ∧・
i
'
2
F>o∧x3
F-ye
s∧xS
F-No
o^X3
F-ye
s^x5
F-No
^x2
F>o^x6
F-yes
o∧X3
F-ye5∧X7
F-No∧X8
F-yes
O^X4
F-No^XS
F-yes
o
0
F-No^X8
F-ye
s
No^X6
F-yes ^x7
o∧x2
F>o^x6
F-No∧X7
F-yes
))
15
.1
J(
J
(
x2
F>o^xS
F-No
x2
F>o^x6
F-yes^x7
F-yes
5.
3ル ールに基 づ く局所探索
75
5.
3 ル ール に基 づ く局所探索
5.
3.
1 ルールの選択方法 と探索手続 き
獲得 した ルールは,事例 の構造上 ,そのルール を満足 す る仕事対 を入 れ換 え
るこ とに よ りスケジュールの改善 が行 える とい う性 質 を持 つ.す なわち,獲得
ルールを利用 したスケジュー リング法 は,ルールに より生 じるス ケジュールの集
合 を近傍 とす る局所探索 的 な手続 きとなる.獲得 したルー ルに よるスケ ジュー
リング を行 う際,ルール ・セ ットか らどのルールを選択 す るかが問題 となる.こ
こで は各 ルール に対 して選択確 率 を与 えて ルール選択 を行 な うこ とを考 える.
さらに,選択 したルール を適用 した結果評価値 が改善 され る と,その ルー ルの
選択確 率 を高 くす る こ とに よ り,問題 に応 じた効 果 的 なルー ルの選択 に柔軟性
を持 たせ る こ とを考 える.ルール ・セ ット 7
8内のルール
r
,
(
u-1
,
・
・・
,
L
7
a
l
)の
選択確 率 Puを式 (
5.
2
)で定義す る.
Pu-N(
r
u)
/
N(
7
8) (
u- 1,
・・
・,l
7
il
)
(
5・
2)
ただ し,N(
r
u
)は各 ルールの適用 回数 ,N(
7
1)は 7
1内の ルー ルの総適用 回数
と し,初期値 を N(
7
1)-q,N(
r
,
,
k
)- 1とす る・ この とき,Ml,・・・,
Mm の順
に,入れ換 え候補 の仕事村 が な くなる まで,以下 の アル ゴ リズ ム を繰 り返 し適
用 す る.
局所探索 における近傍 は,スケジュール上 の仕事対 の全 ての組 み合 わせ に よっ
て得 られるス ケジュー ル集合 と定義 す る.す なわち ,㍑個 の仕事 が与 え られた
場合 , nc 2 個 のスケジュールが近傍 に相 当す る.局所探索 の手続 きは,近傍 内
で良好 なスケ ジュールが見 つか り次第 ,それ を暫定 スケジュール とす るフ ァー
ス ト改善 を行 う.以下では,局所探索法 お よび近傍探索 に獲得 ルール を利用 し
た近傍探索 をそれぞれ ,LS,LS+7
1を呼ぶ こ ととす る.
前節 5
.
2で獲得 した ルー ル を局所探索 の近傍 内探 索プ ロセ ス に利用 す るこ と
5.
2
)で定 義 した各 ルールの選択確 率 に基
を考 える. ルールの選択 方法 は,式 (
づ いて行 われ る.ルールによる局所探索 は,以下の手続 きに したが って行 われ,
1回のスケジュールの更新 を 1サ イクル とす る.
LS+7
1の手続 き
St
e
p 0.7
1* -
7
8;
St
e
p l.Puに よ りルール
ru ∈7
8*を選択 す る.
St
e
pL
'.ru に よ り f
(
1
5
)>f′
(
S)なる仕事対 を取 り出す. なけ れば ste
p4へ
St
e
p 3.取 り出 した仕事対 を入 れ換 える.
N(
r
u)-N(
r
u
)+1;N(
7
8*
)-N(
7
8*
)+1;
Puを更新 して ,St
e
p5
へ
76
第 5章 フローショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
St
e
p4
.78* - 7
8*- (
r
u);7
㌢ ≠ ¢な らば st
e
plへ
St
e
p5.m 回連続 して 7
8*- ¢な らば終了す る.
k- k+1(
k- 1 i
f k- m)として St
e
pOへ
5.
3.
2 数値 実験
(
H)CmaTお よび (
I
)∑T
tを対象 とし,Cmax では前節で獲得 したルール (
Hi
)
∼(
H4)を,∑ Ttで はルール (
I
1
)
∼(
I
4)を利用す ることとす る.適用問題 は,
ルール獲得 に用 いた 3×1
0フローシ ョップ問題 よ り大 きい規模 の 1
0×1
0
0フ
0個作成 した.
ローシ ョップ問題 を考 え,以下の条件 で任意 に 1
● 問題規模 :1
0×1
00
・処理時 間 :[
1
,
9
9
]の一様乱数
C7- C,
C2
+C](
C- C
1*mi
n(Ct)) の一様乱数
・納期 ‥[
これ らの問題 に対 し,LSお よび LS+7
8を各 1
0回適用 した.なお,数値実験
unSPARC St
a
t
i
on20を利用 した.表 5.
5は,F
/
/
Cmax問題 に LS お よび
はs
LS+7
1 を適用 した結果 を表す.また,表 5.
6は,F
/
/∑T
i問題へ の適用結果
0試行 の各 々で得 られた解 の うち最小値 を表 し,
を表す.表 中の 「最小解 」 は 1
「平均実行 時 間」お よび 「平均 サ イクル数」は,解導出 まで に要 した実行 時間,
給サ イクル数 の試行 1
0回の平均 を表 している.
F/
/
Cmax 問題 に対 しては,LS の最小解 に対 す る LS+71の最小 解 の相対
偏 差が -0
.
2% ∼ 1.
0% と, どち らの場 合で も解 の精度 はほ とん ど変 わ らない.
LS+7
8の実行時 間は,LS の 3倍 はかかっているが,探索 ステ ップ数 は少 な
い こ とがわか る.す なわち,仕事対 を入れ換 えさらに評価値 (
給所要時 間)を
計算 す る時 間に比べ て,ルールを満足 す る仕事対 の探索 に要す る時 間が長 くか
かる とい える.
F/
/∑T
i問題 に対 しては,LS+7
8を利用す ることによ り,良好 な解 が得 ら
れてい る. また,実行時 間,探索 ステ ップ数 に関 しては ,LS のそれ よ りも半
分 の時 間で行 えるこ とがわかる. この結果 よ り,ルールを満足 す る仕事対 の探
索 に要す る時 間は,仕事対 を入れ換 えて評価値 (
総納期遅 れ)を計算す る時 間
に比べ ,非常 に小 さい ことが考 え られる.
評価 関数 によって実行時間に差が生 じる原因 としては,en
L
a
Eと∑ Tl
の計算オー
ダの差が影響 す る と考 え られる.仕事数 を n とし各仕事 の完 了時刻が計算 済み
であ る と仮定 した とき,∑ γ の計算 オーダは 0回 であ るの に対 し, フロー
1
)となる. これは, CIm"x が最
シ ョップ問題 の場 合の Cmax の計算 オーダは 0(
後 に処理 される仕事 の完 了時刻 に等 しいためであ る.
実験 か ら,給所 要時 間最小化問題 に対 しては,ルールを適用 した結果の評価
値計算 時 間 を短縮す るこ とを検討す る必要がある ものの, ルールを利用 した近
77
5.
3 ル ール に基 づ く局所探索
表
5
.
5
:F/
/
Cma
x問題 へ の適用 結果
最小 解
平均 実行 時 間
平均 サ イクル数
LS LS+78 LS LS+71 LS LS+78
5857
587
8
591
2
601
0
592
4
5960
571
3
5752
5699
5838
5895
5930
5998
592
4
5975
5693
5746
5757
1
0.
9
ll.
7
1
2.
1
8.
0
l
l.
5
1
0.
6
1
4.
1
1
6.
5
1
8.
3
3
5.
1
33.
3
3
0.
1
39.
8
41.
3
3
4.
6
39.
0
50.
1
52.
8
71.
3
67.
0
68.
8
63.
7
62.
6
65.
0
86.
7
11
2.
8
1
25.
9
63.
3
51.
8
5
4.
2
4
65.
60.
4
68.
3
60.
3
1
00.
0
95.
8
表5
.
6
:F/
/∑Tl問題 へ の適 用 結果
最小 解
LS LS+78
504
324
21
7
900
3
49
473
1
94
11
48
598
224
1
32
1
25
464
2
97
393
51
1
039
265
平均 実行 時 間
平均 サ イ クル数
エ∫ LS+7
8 LS LS+78
11
2.
7
1
40.
4
11
3.
8
4
1
26.
1
23.
9
4
1
40.
1
31.
1
1
58.
5
1
26.
5
25.
3
26.
5
2
4.
6
26.
2
27.
0
27.
3
26.
4
27.
7
25.
0
561
.
1
61
8.
4
4
583.
570.
6
593.
6
595.
8
579.
4
621.
4
564.
8
241.
2
260.
3
2
47.
8
259.
1
274.
4
265.
4
262.
8
273.
7
245.
3
78
第 5 章 フローショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
傍 内の効率 的な探索 と良好 な解 の生成 は可能である といえる. また,給納期遅
S+78は LSに比べ実行時 間が短 か く, さらに良
れ最小化 問題 に対 しては,L
好 な解 が導 出で きることがわか った.
次 に問題規模 の観 点か ら考察す る.仮 に 1
0×1
00フローシ ョップ問題で事例
の作成 を考 えた場合,適用事例数 と発生事例数 は 3×1
0フローシ ョップ問題 の
場合 に比べ膨大 な数 を設定す ることが必要 とな り,ルール獲得 に要す る時 間そ
の ものが問題 となる.計算量 を考 える と,比較 的規模 の小 さな問題 で獲得 した
ルールを規模 の異 なる問題へ適用で きることが重要である と考 え られる.実験
では 3×1
0問題 で獲得 したルールを 1
0×1
00問題 に適用 した結莱,その適用
問題 で良好 な解 が生成可能であ るこ とを示 した.一方,問題規模 が影響す る部
分 として,事例 の構成方法 とルールの形式 の 2つが考 え られる.提案方法 では,
入 れ換 える仕事対 の仕事属性 と局所 的な位置情報 のみで事例 の特徴 を定義 して
い るため,事例 の構成 方法 は問題規模 に依存 しない,ルールの形式 は これ らの
事例特徴 の集合 で構成 されるため,ルールの形式 も同様 に問題規模 に依存 しな
い.す なわち,大規模 問題 を対象 とした場合で も,提案方法 を小規模 問題 に適
用 し獲得 したルールを有効 に利用で きる とい える.
5.
4 獲得ル ールの タブ ー探索法への適用
5.
4.
1 ル ール を利用 した タブ ー探 索 法
ここでは, タブー探索法 を取 り上げ,その近傍探索 に 5
.
2
節 に示 したルール
を組み込 む こ との効果 を検証する [
4叶 タブー探索法 は,スケジュー リング問
題 において適用 の しやす さ,良好 な解 の導 出で有効性が知 られているメタ戦略
1
]
・ なお,本節では評価 関数 として (
H)CmaEお よび (
I
)∑ Tiを
の 1つである [
・
2
節 に示 したルール (
HI
1
)
∼(
H1
4
)を,∑ Ttではルール
対象 とし,Cmax では 5
(
Ⅰ
1
)
∼什4)を利用す るこ ととす る.
)
利用するルール・
セット内の q個 のルールを任意の順 に並べた ものを (r.,...,rq
とす る. この とき,2.
5.
2項で述べ た タブー探索法の手続 き st
e
p,
9
.を次 に示す
手続 きに置 き換 える.以下では, タブ ー探索法 お よび近傍探索 に獲得 ルールを
利用 した タブ ー探索 をそれぞれ ,TS,TS+7
8 と呼ぶ こととする.
St
e
p31.rl を選択 す る.
Sl
e
p32・Nc
(
a
)=
-t
s
′
′∈N(
S
)-TI
s
〟は .
5上 のルー ル rlを満足 す る仕事対
を入 れ換 えるこ とに よ り得 られるスケジュール )
St
e
p・
3
3.Nc
(
S
)内の最 良スケジュー ル 3
'∈Nc
(
.
5
)を見つける.
St
e
p3
4
・もし f(
3
'
)>f(
S
)あるいは Nc
(
S)- 少ならば,r1 - 7
・
2
,
… ,
r-1 q
rq)rq L r
l
5.
4獲得 ルールの タブ ー探索法への適用
79
近傍 は選択 したルールを満足す る仕事対 によ り得 られるスケジュール群 となる.
st
e
p3
1
4,は,可能 な限 り全 てのルールを利用するため に評価値 の改善効果が得
られなか った場合 に,ルールを利用す る順序 を変更す る ものであ る. この手続
きでは,近傍探索 1サ イクル につ き 1つのルール を利用す ることとなる.
ルールを利用する際,近傍 内のスケジュールの評価値 の計算時間に加 えて,仕
事対 の総数 N(
- 7
1
C2)個 の中か らルールを満足 す る仕事対 を探索す る時 間 (以
下,マ ッチ ング時 間)が必要 となる,近傍探索 の 1サ イクルに要する時間の平均
を fcとし,近傍 内の 1つのスケジュールを生成 し評価値計算 を行 う時 間の平
)
Vのマ ッチ ング時間の平均 をそれぞれ f
T
c
,t
,
m.と
均 ,1組 の仕事対 に対 するルー'
す る と,
fc
(
TS+7
8) - t
T
c
I
Nc
+t
T
m.
N +wl
甘 3)
fc
(
TS) - 。
・
Ar+W 2
t
と表せ る.ただ し,Nc(≦N)
は選択 したルールを満足する仕事対 の総数 , LL,
1
.W2
はルールの順序変更 など t
c
,t
m の他 に要す る時 間であ り,右辺第 1項 お よび第
2項 に比べ て無視 で きる時 間であ る. また ,fcは実際 に仕事対 を入れ換 える時
間を含 み,t
mはマ ッチ ングの際の仕事対 を事例特徴表現 に変換 する時 間を含む
もの とす る.
この とき,式 (
5
.
4)が成立すれば,解 の探索時 間に対す るマ ッチ ング時間の影
響 が少 な く,ルールによ り近傍探索 が効率 的 に行 われる と考 え られる.
fc
(
TS+7
1)<fc
(
TS)
(
5.
4)
す なわち,ルールを利 用す ることによってマ ッチ ング時間を必要 とす るが,評
価値 の計算時 間を軽減す ることによって近傍 の探索時 間を短縮す る ことが期待
される.
以下の数値実験では,フローシ ョップ問題 に TSお よび rs+7
8を適用 し,そ
CPU 時 間),探索解 の精度 ,探索サ イクル数 を観察す る.
れぞれの実行時 間 (
また,探索時 間に対す るルールのマ ッチ ング時 間の影響 について考察す る.
5.
4.
2 数値 実験
タブ ー探索法 に関 して,近傍 はスケジュール上 の 2仕事 入れ換 えに よ り得 ら
れるnC2個 のスケジュール集合 とし, タブ ー ・リス トは最近入 れ換 えた仕事対
1
0個 によ り構成 す る. また,終 了条件 は近傍探索サ イクル数 が 1
000回に到達
3,仕事
す るか,評価値 が連続 して 3回悪 くなった場合 とする.機械台数 m = .
数 7
1-3
0,
50,
7
0,
1
00の 4種類 の問題 に対 して ,1
0個 の例題 を作成 し (
処理時
間,納期 の与 え方は前節 同様 ),各 々の例題 について TS お よび TS+7
1を 5
回適用 した.なお数値実験 は,SunSPARCSt
at
i
on・
2
0を利用 した,
第 5 章 フローショップ問題におけるル ールの獲得 と適用
80
5.
4.
3 実行時間
表 5.
7に TS+7
8の 1サ イクルあた りの評価値計算 回数 の平均 と TSのそれ
に対 する比 を示す.また,図 5.
8に,最良解生成 までの各仕事数での平均 CPU
時 間を示す.上側お よび下側の図は,評価 関数がそれぞれ給所要時間 Cm a。,紘
iの場合であ る.F
/
/
Cma
r問題 の場合 (
図 51
8(
a)
),仕事数が少 な
納期遅 れ ∑T
い ときは,TSの方が解導出は速い. しか し,仕事数が増加す るにつれて TSの
CPU 時 間が指数関数 的に増加 しているの に比べ ,TS+7
8の場合ではほぼ線形
増加 しているこ とがわか る. したがって,仕事数が 1
00個以上 の ときは,ルー
ルを利用 した近傍探索 を行 うことによって ,CPU 時間によ り効果があることが
期待 される.F
/
/
∑T
l問題 の場合 (
図 5・
8(
b))は,その傾 向が さらに顕著 に表
れてい る.特 に仕事数が 1
00の ときでは,ルールを利用す ることによって CPU
時 間がお よそ 1
/1
3に短縮 されていることがわかる.これは,TSが近傍 内の全
てのスケジュールの評価値 を計算 が必要であるのに対 して,TS+7
8では表 5.
7
に示す とお り,その 1
0%以下の個数 を計算 していることが理 由の 1つである と
考 え られる. さらに,ルールを適用す ることによって探索サ イクル数 を少 な く
す るこ とが可能であ ることもわか った.
表
5
.
7
:TS+7
8の 1サ イクルあた りの評価値計算 回数 と探索 ステ ップ数
(
H)F
/
/
CmaT
仕事数
30
50
70
1
00
#1
1
9.
8
23.
3
33.
1
48.
2
#2
4.
6%
1.
9%
1.
4%
0.
9%
#3
97.
6
42.
5
29.
8
1
9.
6
#4
1
29.
3
35.
64
1
07.
4
7
6.
6
(
b)F/
/∑Tl
仕事数
30
50
7
0
#1
36.
8
9
2.
3
1
73.
6
#2
#3
#4
8.
5% 50.
9 ll.
7
7.
5% 1
28.
2 257.
9
7.
2% 235.
3 335.
8
#1: 1サイクルあたりの評価値計算回数
#2: TSの評′
r
酎直計算回数 (
n
c2
)との比
#3:
#4:
TS+7
2の平均探索サイクル数
TSの平均探索サイクル数
5.
4獲得ルールのタブ ー探索法への適用
81
(msec)
0
2
1
0
0
1
0
8
0
6
o∈!
)⊃d386。J
a^
V
30
50
70
NumberofJobs
1
00
(
a)M akespan
(msec)
0
0
0
1
0
0
8
0
0
6
0
0
4
9∈!
)⊃dOa6eJ
a^
V
30
50
70
NumberofJobs
(
b)Tot
alt
ar
di
ness
図,
E
)
.
8:平均 CPU時間
100
82
第 5 章 フローショップ問題におけるルールの獲得 と適用
5.
4.
4 探索解の精度
表 5.
8は,各問題で TS お よび TS+7
8を それぞれ 5回適用 した ときに得
られた解 のなかの最小値 (
以下,最小解 )を表 している.C。mα。の場合,各問
題 で TS を 5回適用する と常 に同 じ解が得 られた.また,予備実験で ,m -2,
n-3
0- 1
0
0の問題 で TS は最適解 を常 に生成 していた ことか ら,表中 cm〔LX
の解 のほ とん どは最適解 もしくは準最適解であ る と判断で きる.TS+7
8によ
る最小解 は,
C m a3
:\
を評価 関数 としたとき,TSの解 との相対偏差が 6
% 以下で
ある.また,∑ γ が評価 関数の ときでは,40個の問題 の うち 37個 の問題で最
適解 を生成 してお り,獲得 ルールによる解 の探索 は有効である といえる.一方,
TS は 評価 関数 を∑Ttとした とき TS+花 に比べ解 を十分 に探索 しきれてお
らず ,TS によ り得 られた最適解 の個数 は 1個 だけであった.
図 5.
9は 3×30フローシ ョップ問題 (
評価 関数 ∑TL
)での,TS+7
Zによる解
の更新お よびルール利用の変化の一例 を表 している.なお ,3
0サ イクル以前 は
値が大 きいために省略 しているが,ルール (
Ⅰ
1
)により解の値 は単調減少 してい
ることがわか っている.80 サ イクルあた りか ら,解の改悪が受理 され同時に適
42サ イクルで最適解 を導 出 している.その
用 ルールの変更が頻繁 に起 こ り,1
後 3回連続 して評価値 が悪 くなったことによって,アルゴ リズムが終了 してい
る. この図では,探索 の前半では急降下的に解 を更新 してい き,後半では 「ス
「スケジュールの改善方向ケジュールの改悪 を受理」,「適用 ルールの変更」,
の探索」 とい う操作 を繰 り返 していることがわかる. しか し, 60- 80 サ イク
ル間や 90- 98 サ イクル間では,ルールを変更することな く局所解 に留 まって
いる場合が見 られる.今後 ルールの適用順序 についての検討が必要である.
5.
4.
5 探索時間 とマッチ ング時間
5.
4.
3項では,獲得 ルールによって探索対象の近傍 の大 きさが縮小 されるため
に,解探索 にかかる時 間が減少することを確認 した. しか し,ルールを利用す
る際,ルールのマ ッチ ング時 間が新たに必要 となって くる. ここでは,近傍探
索 スケジュー リングにおけるルールのマ ッチ ング時間の影響 について考察する.
t
.
9は 1回の仕事対 の入れ換 えにおけるマ ッチ ング時間の平均 mお よび 評
表5
価値 の計算時 間の平均 左 を表 している.また,表 5
.
1
0は,近傍探索 1サ イクル
m・
N の評価値計算時 間の総和 i
C
・
Ncに対 する
におけるマ ッチ ング時間の総和 t
,
n・
N/
f
c
・
Nc
)を表 している.表 5
.
9か ら, 1組の仕事対 に対す るマ ッチ ン
比 (i
グ時 間 f
m に比べ て,i
Cの時間が 3
.
1- 1
3.
3倍 と非常 に大 きい ことがわかる.
す なわち,
lm
<t
c
(
51
5)
が成立す る. さらに,表 5.
1
0では,近傍探索 1サ イクルで,評価値 の計算時間
の総和 f
c
・
Ncに比べ,マ ッチ ング時 間の総和f
m.
N の方が 1.
9- 7.
9倍 ほ ど大 き
5.
4獲得ル ールの タブ ー探索法への適用
83
表 5.
8:TS お よび TS+7
1によ り得 られた最小解
H
=30
(
a)F
/
/
c m。1
.
r
L= 5
0
7
7
′= 7
0
H
.= 1
00
TS TS+78 TS TS+78 TS TS+7
1 TS T,
ヾ+ 7
1
1
61
6
1
625
1
664
1
657
1
656
1
657
1
691
1
820
1
717
1
.
618
1
636
1711
1
663
1
660
1733
1
694
1
867
1718
2702
2586
2592
2640
261
9
2628
2680
2671
2680
2798
2630
261
6
2677
2664
2664
27
42
2698
2728
3800
3344
3333
3344
3355
3680
3689
371
6
3707
3908
3407
40
34.
3540
3549
3856
381
6
3836
3890
4947
4972
4966
,
5
∠
1
.
5
6
5129
5087
51
91
4984
.
E
'
)
420
5053
51
39
511
3
,
T
)
626
5265
5230
5327
5251
54.
50
(
t
〕
)F/
/∑ Ti
n= 3
0
n= 50
n= 7
0
・
n= 1
OO
TS TS+′
疋 TS TS+78 TS TS+78 TS TS+78
9
21
21
20
0
30
17
23
80
0
0
0
0
0
0
0
0
0
261
1
00
30
3
4
86
23
1
99
77
213
0
0
32
0
0
0
0
0
0
1
35
35
48
1
25
46
11
67
41
58
0
0
0
0
0
0
0
0
0
371
1
39
1
62
1
05
336
1
71
1
34
1
25
51
0
4
0
0
0
0
0
0
0
0
第 5 章 フロー ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
84
Ch
a
n
g
eo
f
So
l
u
t
i
o
n
1
00
0
800
o
E 600
■
」
T
6
∽
400
200
0
0
20
40
60
80
1
00
1
20
1
40
1
60
1
20
1
40
1
60
Nu
mb
e
r
o
f
St
e
p
s
Ch
a
n
g
80
fRu
l
e
s
Ru
一
e
s
b4
b3
b2
b1
0
20
40
60
80
1
00
Nu
mb
e
r
o
f
St
e
p
s
図 5・
9:TS+
7
1に よる解の探索過程 の例 (
F//∑Tt
)
5.
4獲得 ル ールの タブ ー探索法への適用
85
表 5.
9:㍍ お よび 〔 (×10 5 s
e
c)
Cm ax
∑γ
㌔
i
m
t
c
1.
93 8.
20 2.
58 8.
l
l
1.
95 1
3.
30 2.
61 1
2.
69
1.
93 1
7,
98 2,
60 1
7.
55
仕事数
30
50
7
0
fm
表 5.
1
0:給 マ ッチ ング時 間の総評価値計算 時 間に対 す る比
Cm aT
仕事数
30
50
70
1
00
平均
6.
8
7.
8
7.
9
7.
7
(
t
m.
N/
t
c
・
Nc)
∑γ
最大 平均 最大
1
0.
7 4.
4 1
5.
3
9.
5
3.
1 21.
0
9.
1 2.
2 2.
7
8.
6
1.
9 2.
8
い ことがわかる.す なわち,
i
c
I
Nc<i
m・
N
(
5・
6)
が成 り立つ. さらに,式 (
5.
5)を Ⅳ 倍 す る と,
t
m.
N <t
c
・
N
(
5・
7)
i
c
・
Nc< l
m.
N <i
c
I
N
(
5.
8)
とな り,次式 (
5.
8)が得 られる.
また,表 5.
9において, i
A
m/
fc が最小 となっている問題 は, ∑ T
lで仕事数 30
個 の場合 である.この とき,tm は fc の 31.
8% 程度 であ る. したが って,次式
(
5.
9)が成立する.
l
c
・
Nc+i
m・
N <i
c
・
1
V
(
51
9)
上式 (
5・
9)の関係 を式 (
5・
4)に代 入す る と,式 (
5.
4)の関係 が実験結果か ら得 ら
れる.す なわち,ルールを適用す ることに よって,ルールのマ ッチ ング時 間を
新 たに必要 とす るが,それ以上 に時 間を費やす評価値計算が軽減 される ことか
ら,近傍探索時 間全体 を短縮す ることが可能であ る.
m,fc の変化 を観察する.
次 に,仕事数 nお よび機械台数 m の大 きさに伴 う I
お よび 。の実行時 間を示 した表 5.
9か ら,仕事数 の増加 に伴 い fm は明 らか
に増加す るが 左はほぼ一定であ ることがわか る.機械台数 の変化 に伴 う結 果
t
T
m
t
,
86
第 5章 フローショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
(
Ⅹ1
0も S
。
。
)
3.
5
0.
3
2.
5
0.
2
1.
5
0.
1
0.
5
0
20
40
60
80
1
00
NumberofMachi
nes(
30j
obs)
(
a
)Ma
ke
s
pa
n
(
xl
03
ms
ec)
20
40
60
80
1
00
NumberofMachi
nes(
30j
obs)
(
b)Tot
a
lTa
r
di
ne
s
s
図 5.
1
0‥機械台数 とi
L
mj c
87
5.
5 多 目的 フローショップ問題 への適用
を図 5.
1
0に示す.機械台数が増加する と t
m, f
rは ともに線形 的に増加す るが,
明 らか に両者 の差 は大 き くなってい くことが わか る.す なわち,仕事数 お よび
機械台数 が増加 した場合 で も,近傍探索時 間全体 ではマ ッチ ング時 間がボ トル
ネ ックとなる可能性 は非常 に低 いこ とがいえる.
5.
5 多 目的フローショップ問題への適用
5.
5.
1 多 目的フローショップ問題
本節では, よ り複雑 な対象 問題 として多 目的 フローシ ョップ問題 を取 り上げ,
多 目的問題 に対 す る獲得 ルールの適用方法 を提案 し,その適 用 可能性 について
検討す る.多 目的スケジュー リングでは評価 関数 間の トレー ドオフが生 じるた
め,非劣解集合 を意思決定者 に提示す る よ うな方策 をとる場 合が多 い.非劣解
l
(
L
q
)
,
…
は,あ るスケジュール Sの r 個 の評価 関数 f
(
3
)- (
f
l
(
S)
,
.
.
.
,
I
,
(
S
)
)
T に対 して,
値ベ ク トル f
Jl
,
(
S)を要素 とす る評価
f
(
3
'
)<I
(
S
)
となる評価値 ベ ク トル f(
sI
)を有す るスケジュール S
′が実行可能領域 に存在
S
)の こ とであ り,Sは非劣 ス ケジュー )
I
,と呼 ばれ る. フロー
しない よ うな f(
シ ョップ型 を対象 とした多 目的スケジュー リング に関す る研 究で は,総所要時
間,給滞留時 間,最大納期遅 れ を目的関数 とした 2目的ない しは 3目的の 2機
械 フローシ ョップ問題 [
4
3,4
4
]などがあ る.これ らは,ランダム ・サ ンプ リング
4
3
]
,重 み係数法 をベ ース と
法 をベース と して (
近似 )非劣解集合 を求めた り [
4
4
]によって非劣解 を求めている. また,遺伝 アル
した ヒュー リステ ィックス [
ゴ リズムの解集合 による探索 とい う特性 を利用 し,非劣解保存戦略 を行 な う方
4
5
]の研 究が活発である.
法[
Ave
r
a
geFl
owTi
me,∑ CJ7
7),辛
ここでは評価 関数 として,平均滞留時 間 (
Ave
r
a
geTar
di
ne
s
s
,∑TJn),総所要時 間 (
Cm ar) の 3個 を取 り上
均納期遅 れ (
lはそれぞれ給納期遅れ ∑T" お よび総滞留時間 ∑CJ r2
げ る・∑TJ n と ∑ CJr
を仕事数 n で割 って得 られる評価 関数 であ る.
5.
5.
2 獲得 ル ール を利用 したスケ ジュー リング
本研 究では,ルール ・セ ットか ら取 り出 したルールを満足 す る仕事対 の入れ
換 え操作 によるスケジュールの改善手続 きによ り,非劣解 ス ケジュール集合 を
近傍探索 的 に求め るようなスケジュー リング法 を検討す る. また,評価 関数 ご
とに得 られたルール ・セ ットに対 して利用率 を与 えスケジュールを生成す るこ
とを考 える.別 のスケジュールを求める際 に利用率 を変化 させ るこ とに よって,
解 に多様性 を持 たせ ることを考 える [
4
2
]
.
88
第 5 章 フロー ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
e
io
g
n
a f
l(
5')≧ fl (
S
)
r
f
2(
S')≧ f
2(
S)
e
gi
o
nb fl (
5')≦ fl (
S
)
r
2(
5')之 f
2(
S
)
f
e
gi
o
nc fl (
5')≦ f
l(
S
)
r
f
2(
S')≦f
2(
S
)
e
io
g
n
d f
l(
S')≧ fl (
S
)
r
f2 (
S・15j2 (
S)
図5
.
l
l
:解 の探索 (2日的 fl,f2の場合 )
r個 の評価 関数 f
l
,
… ,
f
r の各 々に対 して得 られた ル ー ル ・セ ッ トをそれ
ぞれ 7
8(
f
l
)
,- ,
7
1(f
r)とす る.各 ル ー ル ・セ ットに対 して,利 用率 右 (
i1,・
.
.,
r;
∑右 - 1
)を定 義 し,各 ルー ル ・セ ッ ト 7
8(
f
t
)(
i- 1
,
- ,
r)を確 率
右 で選択 し利用す る こ ととす る. この とき,基本 的 には以下の手順 に したが っ
て解 の更新 を繰 り返 し行 う.
1・確 率 右 で ルール ・セ ッ ト 7
8(
fl
)を選択 す る.
2.選択 した ルール ・セ ッ ト内か ら 1つのルール r をランダム に選択 す る.
3.現在 のス ケジュール β上 の,ルール γを満足 す る仕事対 を入 れ換 え,
f
t
(
S
'
)≦f
l
(
S
)
(
5.
1
0)
なるスケ ジュー ル β
′を見 つける.
以 下で は,例 として 2日的問題 (
fl
,
f2)の場合 を取 り上げ る.例 えば 7
1(
f
l
)
を選択 した場合 ,スケジュール 5
・
'
は,図 .
5
.
1
1での領域 b
, C に存在す る こ とと
l
1
,3
1
2
)
.スケジュール S
'が領域 aに存在 す る (5左)場合 は, fl,f
2の
なる (s
値 が ともに改悪 となるため, この領域 の解 に更新 させ るこ とはない.常 に領域
C の方 向 に解 を更新 させ るのが理想 的であ るが,多 目的問題 の性 質上制約 が厳
しく,更新手続 きがす ぐに終 了す る可能性 が高い.逆 に領域 bへ の移動 を認め
る と,最終 的 に得 られ る解が実行 可能領域 内 に分散 して しま うこ とが予備 実験
に よ り明 らか になった.
′に対 して,受理確 率
そ こで,上述 のステ ップ 2.の条件 を満 たす β
5.
5多 目的 フローショップ問題への適用
89
mi
n(
1
,
e C
(
f2(
s
l
)
-f
2(
S
)
)
) i
f 7
8(
f
l
)を選択
mi
n(
1
,
eC(
fl(
5
'
) jl(
S)
)
) i
f 7
8(
f2
)を選択
(
Cは正 の定数 )
を定義 し,解 の探索 に柔軟性 を持 たせ ることを図る.これを図 5.
11で説明する
/
.は常 に受理 (
確率 1)され,領域 bの
と,7
1(
fl
)を選択 した場合,領域 C の S
・
5
'
2は f
2
(
3
'
2
)-f
2
(
S
)が大 きいほ ど受理 されに くくなる意味 を持つ.7
1(
f2
)を選
とは f
l
(
S
も
)-I
.
(
S)の大 きさによる確率 に応 じ
択 した場合 も同様 に,領域 dの S
て受理 される.この ように解 の探索方向をある程度制御す ることによ り,解 の
多様性 を目的 としたルール ・セ ットの利用率 を反映 させ ることが期待 される.例
-0.
1(
入2 -0.
9)の とき評価値 f2を重視 した解 の生成が可能 となる.
えば, ll
rl
圏の評価 関数 の多 目的問題 の場合 も同様 に,上記のステ ップ 2.の条件 を満
たす S′に対 して,次の受理確率 を定義する.
mi
n(
1,
eC(ft'(S')-ft'(S))) i
f 7
8(
ft
)を選択
(
i
′- 1
,
.
.
.
,
r,
t
′
≠t
, Cは正 の定数 )
5.
5.
3
2日的フローショップ問題への適用
5・
2節で得 られたルール (
Hl
l
)
∼(
H4)
,(
I
1
)
∼(
I
1
4)
,(
∫1
)
∼(
J1
6)を利用する.
また,以下の 2つの 2日的フローシ ョップ問題 を取 り上げ る.
∑笥/n,∑でJn)
・平均納期遅 れ と平均滞留 時間 (
・平均納期遅 れ と総所要時間 (
∑TJn,Cm ax)
3×1
0,3×20フローシ ョップ問題 をランダムに 1
0個作成 した (
仕事 の処理
時 間お よび納期 の与 え方は前節 と同様 である).初期 スケジュールは 50個 とし,
解探索 の終了条件 はルール条件 を満たす仕事対 が存在 しないか,解 の更新 回数
が1
000回に達 した ときとす る.
1(
f
l
)の利用率 右 -0.
2,
0.
5,
0.
8
図 5・
1
2は,3×20フローショップ問題 において 7
JT
tに
の場合の解 の分布 の一例 を表 している.図 5.
1
2の 11- 0.
2の場合 ,∑T
5,0.
8の ときに比
対す るルール ・セ ット7
8(
f2
)の利用率が o・
8であ り,l1 -0.
べ て,∑ TJn を重視 した解が得 られていることがわかる.すなわち,ルール .
セ ットの利用率 を変化 させ ることによって,一方の評価関数 を重視 した解 の導
出可能性が考 えられる.
次 に,3×1
0,3×20フローシ ョップ問題 で,ilを 0.
0,
0.
1,
.
.
.
,1.
0 と変化
させ ることにより得 られた解 の一例 を図 5.
1
3に表す.3×1
0の場 合では,利用
率 を変化 させ ることによ り,一様 にひろがる非劣解集合が得 られた. また,得
られた 550個 の解 の うち 7
0% にあたる 385個が非劣解であ り, さらに非劣解
∑ c Jn,
∑ TJn)- (
403,
0)
,解 (
b
)(
290,
459)
,解 (
C)(
361,1
2)
のなかで解 (
a)
(
a
)
,(
b
)
,
はそれぞれ 1
20,11
4,7
6個であった・この とき初期解 の 561
3'
Y
oは解 (
(
C
)に収束することとなる.すなわち,3×10程度の規模ではある特定の解 に収
90
第 5 章 フローショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
0
0
5
0
0
0
L
u!pLe1 06t2e-^V
s
sO
4
5
0
5
00
550
600
650
Avera9e F w Ti
me
一
o
(
a)l l - 0
.
2, 人
2- 0
・
8
0
0
5
0
0
0
0
0
5
p
J
eト OBtZLO >V
ssou!
◆
●
●
・
'
-礎
45
0
50
0
、
.
i.
.
55
0
60
0
6
50
Av
e
r
a
g
eF
l
o
wTi
me
(
b)l1 -0.
5,12 -0.
5
1
oo
0
00
5
.・
・ .,
;
・
・
・
・8
X
・・
′
・+
A.
4'
oo
5
ssou!
pJ
el e6?
t
J
o^V
45
0
50
0
5
50
6
0
0
6
5
0
Av
e
r
a
g
eF
J
o
wT
i
me
(
C
)A1 -0.
8,人2 -0.
2
図 5・
1
2:利用率 の変化 に伴 う解 の分布
(
3×20,(
∑ Cl
/
7
7
p
,∑TJn))
5.
5多 目的 フロー シ ョップ問題 への適用
91
ss a⊆
0
0
3
ト a6eJo^V
p Le
260
300
340
380
420
Av
er
a
g
eF
l
o
wTi
me
(
i
)3×1
0フ ロー シ ョップ問題
0
50
ト
P
J
t
? 86t2
s
Se
l
u!
0
∞
Je^V
0
50
ー
400
450
500
550
600
650
Av
er
a
g
eF
I
o
wTi
me
(
i
i
)3×20フローシ ョップ 問題
,
図 5・
1
3=獲得 ルー ルによる解集合 (
∑TJn ∑CJl
t
)
92
第 5童 フロー ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
束 しやす く,非劣解 の個数 は少 ない傾 向があ る といえる.3×20の場 合は,非
劣解 となる解 の割合が 1
0仕事 の場合 と比べ て少 ない ものの,ほぼ全域 に分布
す る非劣解集合が得 られた. この ような傾 向は,作成 した他 の問題 に も同様 に
見 られた.
図 5.
1
4に給所要時 間,平均納期遅 れの 2目的の場合 の結果 を示す.問題規模
は,ルール獲得 の場合 と同規模 の 3×1
0フローシ ョップ問題 と,それ とは異 な
る 5×20 フローシ ョップ問題 を取 り上げ た. どち らの場合 で も,先 の数値実験
同様 ,一様 にひろがる解集合が得 られていることがわかる.
5.
5.
4
3日的フローショップ問題への適用
平均納期遅 れ ∑T
Jn,総所要時 間 Cma3
" 平均滞留時 間 ∑CJ n の 3つの評
価 関数 を対象 とす る 3日的フローシ ョップ問題 を考 える.
問題規模 は,ルール獲得 の場合 と同規模 の 3×10フローシ ョップ問題 と,それ
-∑TJ n,f2- cmar,
とは異 なる 5×20フローシ ョップ問題 を取 り上げた.fl
f ∑CJnの利用率 11,
人2
,人3 は,以下の 7通 りとす る.
3
-
-
(
0・
33,
0.
33,
0.
33)
(
0・
2,
0・
4,
0・
4)
(
0・
4,
0・
2,
0.
4)
(
01
4,
OA,
0・
2)
(
0・
5,
0・
25,
0・
25)
(
0・
25,
0・5,
0・
25)
(
0・
25,
0・
25,
0・
5)
・
.I :
仙仙︰
:
=
-:
.i :
W.
仙
(
ll
,
12
,
13
)
これ らの設定値 は,(
i
)全 ての利用率が等 しい場合 ,(
i
i
)2つの評価 関数 を重視
i
i
i
) 1つの評価 関数 を重視す る場合 に分 け られてお り,一様 に分布
す る場合 ,(
す る解 の生成 を目的 としてい る.初期 スケジュールは 50個 と し,各初期 スケ
ジュールに対 して上記 の 7通 りの利用率で解 を探索 し,計 350個 の解 を導 出す
る.解探索 の終了条件 はルール条件 を満 たす仕事対 が存在 しないか,解 の更新
回数が 1
000 回に達 した ときとす る.
1
5,5.
1
6に,3×10フローシ ョップ問題 お よび 5×20フローシ ョップ問
図 5.
題 に適用 した結果 を示す.図 5.
1
5(
i
)は横軸 に∑CJn,縦軸 に∑T
l/n をとった
ものであ り,図 5・
1
5(
i
i
)は,横 軸 に Cmar,縦軸 に∑T
Jr
Lをとった場 合 を表 し
てい る.
両 者 の問題 で は,(
∑Ci
/
n,Cma
.
r
)の 2日的 フ ロー シ ョップ 問題 で は評価 関
数 間の トレー ドオ フが生 じない ため ,非劣 解集 合は得 られてい ない.以下 で
∑TJn,∑CJn)お よび (
∑TJ7
1
,cmaT) の場合 に着 目す る.3× 10 フ
は,(
ロー シ ョップ問題 の場合 では,ほぼ全域 に分布 す る非劣解集合が得 られた. ま
∑Ti
/
n,∑CJn)と (
∑TJ '7.c
m
a
l
l
)の 2目的の非劣解 集 合 に注 目す る
た ,(
1
3,図 5.
1
4 と同様 な解集 合が得 られていることがわかる.5×207
と,図 5.
93
5.
5多 目的フローショップ問題への適用
∞
8
7
∞
∞
3
● ●
●
∞
∞
5 4
●
● ●■ ヽ
●
00
6
P
J
d
ト一
e
t
O1
aJ
!
S の
00
2
●
●
●
I
55
0
600
650
700
75
0
8
00
Mak
espan
(
i
)3×10フローシ ョップ問題
200
f
t
●∼+ ● ●
● ....
■ .
.
.
800
000
600
400
●ヽ
t
O
の
S
OU!
P
J
d
ト一
e1
200
●
●●
●
●●
●●●
●
●
4
*
++
+
+●
.
・
}
1
3
00
1
4
00
1
5
00
1
600
1
700
Mak
espan
(
i
i
)5×20フローシ ョップ問題
図・
5,
]
4:獲得ルールに よる解 集合 (
∑TJr
L
,Cma
L
)
94
第 5章 フローショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
0
0
5
4
0
0
0
0
3
0
0
2
人
U
0
1
SSau!
PLCl l
e1
01
0
0
0
7
1
∞
7
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6
∞
6
0
0
0
0
0
0
0
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5
4
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2
S
S
aUF
P
L
eトI
e1
01
∞
00
00
00
5
4
3
2
S
S
au!
P
L
dil
e1
0ト
00
3
20 340 360 380 400 420 440 460
A
v
e
r
a
g
eFl
o
wT
l
me
●
鞄・
;
,
・
.
1
;
.
:
.
550
600
650
700
.
75
0
800
Ma
k
e
s
p
a
n
図 5・
1
5=獲得 ルールに よる解集合 (
3×1
0,(
Cm ar,∑Ci
/
n、∑TJn)
)
5.
5 多 目的フローショップ問題への適用
5
0
0
SSa
ulPLeト 一
C
1
01
L
S
]5.
(
1
6‥獲 得 ルー ル に よる解 集合 (
5×20,(cm ,L
L
l
l.
∑ C/
1
,
/
n.∑ TJ'
7))
95
96
第 5 章 フローショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
ローシ ョップ問題 の場合 は, トレー ドオフ関係 のある (
C m ar
,∑T
Jn)お よび
(
∑c
Jn
,∑T
Jn)では一様 に分布する非劣解集合が得 られていることがわかる・
す なわち, 3日的問題 を対象 とした時,評価 関数 ごとに得 られたルール ・セ ッ
トは利用可能である.一方,問題規模が 5×20の場合では,3×10の場合 と比
べ て,図 5.
1
6の解 (
a)お よび (
b)など ,探索手続 きがす ぐに終了することによ
り得 られた解が多 く存在 し, また解 の広 が りが大 きくなっていることがわか っ
た.今後 ,非劣解 の生成率 を高めること含めた解探索法の改良が必要である.
5.
6 まとめ
本章では,フローシ ョップ問題 を対象 として,帰納 的学習 に よるスケジュー
リング ・ルールの獲得法 を提案 し,その有効性 を検討 した.事例 をスケジュー
5を利用することによ りルールの獲
ル上 の仕事対 を入れ換 えにより生成 し,C4.
得 が行 う.まず,事例 の構成法 ,適用事例数 , さらに獲得 したルールの性能評
価 を行 ない,フローシ ョップ問題 に適応 した特徴 の設定 ,適切 な事例数 を示 し
た.また,数値実験 を行 った結果,フローシ ョップ ・スケジュー リングに効果の
あるルールが獲得可能であることを示 した.
次 に,獲得 したルールを局所探索法 お よびタブー探索法 に適用 し,仕事対入
れ換 えによる近傍探索 スケジュー リング とい う観点か らルールの有用性 につい
て検討 した.ルールを近傍探索過程 に利用することによって,効果的な解 の探
索が行 なえることがわか り,特 に給納期遅 れ最小化問題 の場合では良好 な解 の
導 出が可能であることがわかった.
最後 により複雑 な問題 として多 目的フローショップ問題 を取 り上げ,獲得 ルー
ルを利用 した非劣解集合 の生成法 を提案 した.数値実験の結果,評価 関数 ごと
に得 られたルール ・セ ットは 2日的お よび 3目的の問題 において も利用可能で
あることを示 した. また,ルール ・セ ットの利用率 の変化 による評価 関数の重
要度 に応 じた解 の導 出可能性 を示 した.
第 6章
ジ ョブ シ ョップ 問題 におけ るル ールの
獲得 と適用
本章では,ジョブ シ ョップ問題 を対象 と して,本研 究 によるルール獲得 方法お
よび獲得 ルールの有用性 について検討 す る.ジ ョブ シ ョップ問題 では,解空 間
に非実行可能領域が存在 す るため,ある機械上 の任意 の仕事対 (
以下, タス ク
対 とす る)の入 れ換 えが行 えない場合があ る.そ こで,まず常 に実行可能 ス ケ
ジュールを生成す る ようなタス ク対 の入換 え手続 きの導入 について論ず る.評
K)給所 要時 間 Cm axを取 り上げ る. また,獲得 したルー ルを
価 関数 と して ,(
局所探索法-適用す ることに よ り,近傍探索過程 におけ るルールの有効性 を検
証する.最後 に,仕事 の納期 を考慮 した問題 お よび 2日的問題 に提案 方法 を適
用 し,その有効性 を考察す る.
6.
1 隣接 タスク対の入れ換 えに基 づ く事例作成
6.
1.
1 隣接タスク対の定義
ジ ョブ シ ョップ問題 に対 す るルール獲得 は,フローシ ョップ問題 の場 合 と同様
:
婚石で述べた タス ク対 の入れ換 えによるルー ル獲得手法 によ り行 う. しか
に,3.
し,ジ ョブ シ ョップ問題 では,タス クに先行 関係 が存在す るため,タス ク対 の入
れ換 え操作後 ,実行可能 スケジュールが生成で きない場合があ る.そ こで,入
れ換 え操作後 のスケジュールが実行可能 である ようにするため に,以 下に示す
入れ換 え操作 を考 える.
q を表す完全 選択 され た選択 グ ラフ を
「所 与の実行 可能 スケ ジュー ル L
(
,
I
(
・
5
)-(,
C) とす る.ただ し,
V,C はそ れぞ れ, タス クに対 応 す る
節点,有向弧 の集 合であ る. この とき,
V
I
)
∈V は同一機械 上の隣接 す る タス ク対 である.
1
.タス ク tl,
97
98
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
2.有 向弧 (
u,
V)∈C は ク リテ ィカル弧 ,す なわち G(
S)の クリテ ィカ
ル ・パ ス上 の弧 であ る.
の 2つの条件 を満足す る タス ク対 u,Vの入れ換 え操作 を行 う.
」
す なわち,クリテ ィカル ・パス上 の各ブ ロック内の隣接 タスク対 が入れ換 え候補
となる.上述 の条件 を満足す る タス ク対 を入 れ換 えた後 のスケジュールが実行
可能であ ることは La
a
.
r
hov
e
n[
23
]らによって証明 されている .例 えば,2.
3・
3項
の図 2.
5で は, ク リテ ィカル ・パス上の タス クは,03,
1
,04,
1,04,
2,0 2,
2,01,
3
であ るので,入 れ換 え候補 となるタス ク対 は,
(
0 3,
1
,
0 )
,(
4,
1
0
4
2
,
0
2
,
2
)
,
の 2つ となる.
6.
1.
2 特徴の選択
XI
J∼x! を利用
3.
3.
2
項 で定義 した特徴 の うち,表 6
.
1に示す 7個 の特徴
す る.
X.
x2
特徴 Jお よび Jは,入れ換 えタス ク対 Oi
.
Tk,0,
,
Tkの処理時 間の差,それ
らが構成要素 となる仕事対 Ji,J
,の処理時 間の差 を表す.特徴 3
J .
J,
は,仕事対 J" J,の完了時刻 の差 ,J" J,の処理が残 っているタス クの給処理
時 間の差 と給滞留時間の差 を表 してお り,ジ ョブ シ ョップ問題 で新た に利用 して
い る特徴 である. フローシ ョップ問題 で は,全 ての仕事 は機械 を通 る順序が 同
一であ るため,完 了時刻 に関す るこれ らの特徴 は利用 されていない. また,特
X,x x5
J
X x7
徴 6
J, J は,ブ ロ ック内での位置 (
先頭 ない しは最後 )を表す特徴 である.
隣接 す る タス ク対 の入れ換 えを行 うため,フローシ ョップ問題 で利用 した タス
5.
2節 の X5
F ∼x
8
Fな ど)は省 いている.
ク対 の隣接 関係 を表す特徴 (
表6
.
1
‥事例特徴 とその値 (
XIJ
∼x7
J)
(
<0
,
≧0
)
X3
J:
C:C
(
<0,
≧0)
(<0
,≧0
)
x2
J:
pl-PJ
]
:∑ET
kPt
,
L-∑?
:打
たP,
,
I
X5
J ‥(c t,n一一ci,
T
k
)-(
C,,n
‥ot
,
打た はブ ロ ック内の先頭 の タス クである
X7
J:
o
J,
Tkはブ ロ ック内の最後 の タス クである
X
4
J
X
6
J
"
"
\
ノ)
0 0
>一>一
n
Un
U
く く
XI
J:
pi
,
T
k-P
J
,
打
k
(
Ye
s,No)
(
Ye・
5
,No)
6.
1隣接 タスク対の入 れ換 えに基 づ く事例作成
99
表 6.
2:例題 6.
2 (5×5ジ ョブ シ ョップ問題 )
0
-ノ
)
)
29
14
13
8
0
000
;
..
;Uj
4
日
(( t(t
l 1 1l 1
1 23 4 5
0 0000
つ
一
3T
1
「T
5
T
J
T
J
J
J
l
∫
タス ク (
機械 ,処理 時 間 )
(
M5,
1
8
) 01,
3(
M4.
2) 01,
4(
M2
,
9)
(
M4.
1
8) 0 2,
3(
M5,
6
) Or
l4(
Ml
,
1
6)
(
M3
,
7) 03,
3(
M4
,
1
9) 03,
4(
Ml
.
1
)
01
,
5(
M3.
1
0)
,(
M2.
8
)
(
M2,2)
0 25
0 3,
5
04.
3(
A/
Il
,
1
3) 04,
4(
M2,
1
0) 04.5 (
M3,
5)
0 5,
3(
M3,
6) 05,
4(
Ml,1
7) 05.
5(
M2,
8
)
6.
1.
3 事例 の作成例
ク リテ ィカル ・パ ス上 の隣接 タス ク対 の入 れ換 えに基づ く事例 の作成 過程 の
一例 を示す.
表6
.
2に示す 5×5ジョブ ショップ問題 に対 して,任意 にサ ンプ ル ・スケジュー
c
m
ル S.を作成す る.図 6,
1に示す よ うに S。の評価値
arは 9
1となる.SDか
1 と合 わせ て簡単 に示す.ス ケ ジュー
らタス ク対 を 2回入 れ換 える操作 を図 6,
ル S。上 での クリテ ィカル ・パ ス上 の タス クは,
,,
,
0 217
0 22 0 3,
37
03,
4,
03,
5
,
01,
4,
05
,
5
7
04,
4,
0 2,
5
であ る. これ らの うち入れ換 え可能 な隣接 タス ク対 は,
(
02,
2,
03,3),
(
02,
2,
03,3),
(
03,
5
,
01
,
4)
,
(
01,
4,
05
,
5
)
,
(
05
,
5
,
04,4)
,
(
04,4,
02
,
.
5
)
の 6組 であ る・ ここで ,03,5 と 01.4,す なわち機 械 M 2 上 で処理 され る仕事
J3,Jlを入 れ換 え,新 た に得 れ らるス ケジュールを slとす る, ス ケジュー ル
。の処理時 間,処理完 了時刻 , さ らに 仕事 J3 お
Soでの タス ク 0,,5 お よび 01,
よび Jlの総処理時 間,処理完 了時刻 は,
,
C3,5) - (
2,
43,59)
(
p3,
5,P3
(
p
l
,
4
,
P
l
,
C1
,
4
,
C1
,
5
)- (
9,
41,
68,
78)
となる. したが って,各事例特徴
x ∼x7
Jの値 は次 の通 りとなる.
I
J
(
XIJ
,
x2
J
,
x,
J
,
xJ
,
x5
J
,
x6
!
,
X7
J
)
-(
<0,
≧0,
<0,
<0,
<O ,
yes,
1
Vo)
4
スケジュー ル S。お よび Slの評価値 (
総所 要時 間)は,それぞれ 94,95であ
るか ら,得 られる事例 の カテ ゴ リは ,bad となる.す なわち,5'
。上 の隣接 タス
ク対 03.
5,01,
。を入れ換 える こ とによ り,以 下の事例 が得 られる.
(
<0,
≧0,
<0,
<0
.
<0,
Ye
s
,
No,bad)
さらに,図 に示す よ うなスケ ジュール Slでの隣接 タス ク対 03,
3,0
..
3 (機
械 M4 で処理 される仕事 J3,Jl) を入れ換 える こ とに よ り得 られるスケジュー
ルを S2 (
給所要時 間 91) とした とき,同様 の手続 きに よ り以下の事例 を得 る.
(
≧0,≧0,
<0,< 0,
<0,
No,res,good)
100
第 6 章 ジョブ ショップ問題におけるルールの獲得 と適用
5
0
6
0
i
;
+
1
,
4
J n喝
I
n
t
e
r
c
h
a
n
g
eJ
3a
n
dI
;
:
i(
Sc
h
e
dul
eS1
9
09
4t
L
me
8
0
)
O
0
03,
3
叫喚竹崎
ー
雪 .
雪 ー
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l
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n
g
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,
5a
n
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7
0
1
,
3
Ca
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e
go
y
y
2
0
3
0
40
5
0
60
70
9
09
5t
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8
0
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a
n
g
e03
,
3a
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d0 1
,
3
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h
a
n
g
eJ
3a
n
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(lnt
)
2
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3
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4
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5
0
四
6
0
70
8
0
[
コJ
l[
∃J
2E
ヨJ
,
方
因
10
□Task
9
0
Ca
t
e
g
o
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.
8
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g
叫喚竹崎堕
Sc
h
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2
州
%
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雪 ー
ち ー
雪 .
雪 裏 Jー萄 ー雪
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1
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3
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.州3
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l
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J
5
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t
Pa
t
h
XJ
Jx2
Jx3
Jx4
Jx5
Jx6
Jx7
J c
at
e
go
r
y
<o>o<o<o<OY
e
sNo
b
a
d
≧o≧o<o<o<oNoY
e
s g
ood
→ト
ー B
ytheprocessofthegenerati
on Sl
Jトー
B
ytheprocessofthegenerati
on S
2
図 6.
1:事例作成例
6.
2ルールの獲得
101
6.
2 ルールの獲得
1つの 1
0×1
0 ジ ョブ シ ョップ問題 で,以下 に示す条件 で訓練例集合 を作成
する.
nl-n2- .
・
・-nn)
・各仕事 の タス ク数 :m (
・各 タス クの処理時 間 :[
1
,
9
9
]の一様乱数
● サ ンプ ル ・スケジュール数
八㌧ :1
0
.発生事例数 Ns :30000
.連用事例数 2Ni:2000
1
0種類 のサ ンプル ・スケジュールか ら得 られた各ルール ・セ ットを 1つ に統合す
る と,46個 の goodルール と 32個 の bad ルールを有す るルール ・セ ットが得
3節 のルール獲得 方法 に したが って,good ルールのみ を抽 出 し,節
られた.3.
3に,獲得 した 46個 の goodルールの条件
た にルール ・セ ット 7
8とす る.表 6.
0個 のルール ・セ ットの うち,各
部 を示す.ただ し,表中の #1は,獲得 した 1
ルールが含 まれていたルール ・セ ットの個数 を表す.例 えば,ルール (
K1)は,
i
f
XI
J≧o ∧ x
4
J<o ∧ x7
J- yes
t
he
n good
なる i
f
t
he
nルールで,獲得 したルール ・セ ットの うち 7個 に含 まれていた こ
とを表 している.
ルールの条件部 を観察す る と,
x4
J<07 x
6
J- yes, x
7
J- ye
s
の 3つの条件が比較 的多 く利用 されている. これ らの条件 はそれぞれ,以下の
意味 を持 つ.
X4
J<o '
.残 り処理時 間が大 きい タス クと交換
X6
J- ye
s :ク リテ ィカル ・パス上 の 1つのブ ロ ック内で,先頭 の タス クを交
換 す る.
X7
J-yes '
.クリテ ィカル .パス上 の 1つのブ ロ ック内で,最後 の タス クを交
換 す る.
6
J- ye
sお よび X
7
J- ye
sは,ジ ョブ シ ョップ総所要時間最小 化問題 に
特に X
1
6
]や ,SA法での近傍構造 [
2
5
]な どに利用 され
おいて分枝 限定法 の下界 設定 [
てお り,スケジュー リング ・ ルール としての効果が期待 される.
(
K1ト (
K8)のルー ルは獲得 された回数が比較 的多 く,これ らのルー ルの条
l
t1
3)
件数 は 2ない しは 3である.一方,単一のルール ・セ ットか ら得 られた (
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
102
表 6.
3:獲得 したルールの条件部
e qje
y y㍗
e
e
e
q
)
3e
J
,e
.I
.q
.
I
.
5 5 e
5e
8e
5e
5e
5e
5
e
J0e 0 e
y y yⅣy 〃 y yyy y yy y
二 二 二二二 二 二 二二二 二 二二 二
ノ7
J7J7J7J7J7
J7J7J7J7 ノ7
J7
J7J7
ズ >]ズ ズ ズ ズ ズ
ズ ズズ ズ ズ
V
.ど
.r
Je
q
Je
.J
)00 e
L
r
.ど
.(
.
e
y y y y ⅣⅣ yy
二 二 二 二 二二 二二
J7ノ7ノ7
J7J7J7JTJ7
ズ ズ>
:ズ ズ ガ ガガ
- ye
s^
x6
J=ye
s^
ズズ
<
0
J3J3
I
'
:
_
・≡ミ '
l
二二 二
J7J7 J7
ガガ ガ
ガ
0
<∧ <
000
>一く く
JLJIJI
J1
< < < << < < ∧ < <∧
000 0000 0 000
>一
>一
>一
>一
<
< >一
>一< >一> 一
J 2J2J2J2J2J2J2
'J2J2J2J2
ズ ズ ズ ズ ズ k:ズ kCズ ズズ
く
ノ4
es
X6
J=y
y
ガ
x4
J <o<
xb
J<o< x6
J= ye
s∧
7J7J7
J7
t
< ガ ガガ
ガ
<<
<∧ <
.
' .J
J.I
../
.'/
..J
I V
J.r
J
e E ee A
.)e 0 ee
y y yy y y Ⅳ yy
二 二二二 二 二 二 二 二
J6
J6J6J6J6J6J6
ガガガズ∫ズ
<
0
<
.・
1・
・
]
ズ
<
x6
J= ye
s
<<
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J4
J4
ズズ
x6
J= ye
s^
ズ
x5J<o ^
x5
J≧ o <
XE
J<o^
X5
J≧o∧
J <o<
xS
.<
X3
J≧o <
X6
J= ye
s
>一
Jl
ズ
x.J <o<
x2
J<o< x3
J≧o<
<o ∧
<0<
x6
J- ye
s^
X5
J<o^
x 6
J
x5
J<o<
x3
J≧o^
X4
J< o <
X.
J≧ o ∧
芸妄… 3 ニ
x2
J <o ^
x2
J≧ O ^
x5
J<o<
寄
…o
oニ
J <o ^
xI
XI
J<o<
x5
J≧。<
x.
J<o<
J≧o<
x2
X.
J≧ o ∧
x.
J <o <
xI
J< o ^
XI
J≧o<
x,
J≧o<
x4
J<。∧
ニ
芸獄
XI
J≧ o ∧
x2
J≧ o <
xG
J= ye
s∧
室 …呂 ニ
X3
J <o^
X5
J≧ o ∧
x3
J≧o <
x3
J<o^
x2
J< o <
x6
J= ye
s
x7
J=No
X7
J-ye
s
x4
J< o <
X4
J< o ^
x4
J<o ^
x6
J= ye
s^
X4
J<o∧
xI
J≧ o ∧
xI
J <o^
XI
J< o ^
XI
J≧ o <
XI
J<o^
X4
J<o^
J-ye
s^
X6
xG
J-ye
s
x2
J≧o<
x2
J≧ o <
x2
J≧o<
x5
J≧ o ∧
x5
J <o ^
X4
J <o ∧
x4
J<o ^
x7
J= ye
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xG
J-ye
s
巨
:.
:
x2
J≧o∧
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J <o<
XI
J< o ^
J< o <
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J< o ^
XI
J≧ o <
XI
J< o ^
xI
J<o^
xI
J≧o<
J6
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J<o^
い
1
1
い
1
5
) 1 1 ) ー ー ・lノ) ー ) ヽ
ノヽ
ノー ー ) ) ) ー ) ー ー I I ) ) ) ) ー ) ー ) ) ヽ
ノー ) ) ) l l ) ー ) ー ヽ
′ヽ
JJ
I
1 234 5 6 7 8 9 0 234 67 8 90 12 34 5 67 8 9 0 12 345678 9 0 1 23 4 5 6
「
⊥
l
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▲
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2
2
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▲
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4
L
1
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l 111
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12 つ
-つ
l3 3 3 3 3 3 3
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l4 4 4 .
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<・
]爪 =爪 T
f人 心 :(
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⋮t
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mt
mt
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mー
mt
i′
い
・
l
・
・
l
r
l
J<o<
x2
J≧ o ∧
x2
J≧o<
#1:各 ルールを含 んでいた獲得 ルール ・セ ットの個数
6.
3獲得 ル ールによる局所探索 とその効果
103
∼(
K46)のルールの うち 7
O% は条件数 が 4以上 であ り,前者の方がその構造
が簡潔である とい える.一般 に,帰納 的学習法 に よ り得 られるルールは,簡潔
な構造 は ど一般性 が高い と考 え られるので ,(
K1
ト(
K8)は事例 を分類 す る能
6.
3 獲得ル ール による局所探索 とその効果
6.
3.
1 隣接 タスク対入れ換 えに基づ く局所探索
局所探索法 として,探索時 間を重視 したフ ァース ト改善,解 の精度 を重 視 し
たベス ト改善の両者 を取 り上げ る.これ ら 2つの局所探索法 と,各々に獲得 ルー
ルを利用 した局所探索法 をそれぞれ,
LSJ ・
lフ ァース ト改善の局所探索法
LSb :ベス ト改善 の局所探索法
LSf+7
8:獲得 ルールを利用 した LSJ
LSb+7
1:獲得 ルールを利用 した LSb
と呼ぶ こととするILSfお よび LS調 ,2・
4.
3項の手続 きに したが う.また ,LSj+
7
8お よび L
Sb+71は次項 の手続 きに したが う.
所与のスケジュール βの クリティカル・
パス上の l(
t
S
)個のブ ロックを B1
,.
・
.
,
Bl(S)
とし,それぞれに含 まれるタス クの個数 を 7
1
P,・
-,
nRs
)とす る・ この とき,各
ブ ロ ック内の全 ての隣接 タス ク対 の総数 Ⅳβ は,
I
(
s
)
NB -∑ (
n
,
B-1)
1
i
l
(・
り
6
と表す ことがで きる.す なわち,隣接 タス ク対 の入れ換 えに よる近傍 の大 きさ
は,仕事数 ない しは機械台数 の増加 に伴 って,線形増加す る. ここでは,スケ
ジュール Sの近傍
れ換 えて得 られる
N(
S
)は, クリテ ィカル ・パス上の全ての隣接 タス ク対 を入
〃 β個 のスケジュール とす る.
6.
3.
2 近傍探索過程 へのルールの適用
次 に,近傍探索過程 における獲得 ルールの利用方法 を示す.所与 のスケジュー
ル β上で選択 したルール rを満足するタス ク対 を入れ換 えて得 られるスケジュー
ル集合 ,す なわちルールに よる近傍 Nc
(
・
5
日⊆N(
S
)
)とす る. また,暫定 ス ケ
ジュールの更新手続 きは次 の とお りとす る,
・L・
5
′
f+71の場 合,f(
S
'
)<f(
1
5)なるスケジュール S
′∈Nc(可 が見つか り
次 第,.
5
′を暫定 スケジュール とす る.
104
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
・LSb+7
1の場合 ,Nc(S
)内を全 て探索 した後 ,Nc(S
)内の最良スケジュー
ル 3'∈Nc(
S
)を暫定スケジュール とす る.
この とき,LSf+7
8,LSb+7
8とも以下の手続 きに したが って適用 ルールの選
*)はスケジュール *の評価値 (ここでは CmaT) とする.
択 を行 う.ただ し,f(
l
o獲得 ルールを任葦順 に並べ たルール列 を R-(
r1,.,・
,r
q
)とす る・k- 1.
2'ルール r
kによ り近傍
Nc(
S)内 を探索す る.
3'Nc(5
)- ¢あ るいは f(
3
'
)>f(
S
)な らば k- k+1とする.
4
ok>qな らB
fk-
1 とす る.2
0に戻 る.
3'
のステ ップでは,現在 のルール rk を満足するタス ク対 が存在 しないか ,
rk で
+1
)す る. こ
評価値 の改善効果が得 られなか った場合 に適用 ルールを変更 (rk
れは可能 な限 り全 てのルールを利用することを目的 としてい る.以下では,ス
ケジュールの更新手続 き 1回分 を 1サ イクル と呼ぶ こととする.
近傍探索過程 においてルールを適用す る際,ルールを満足す るタス ク対 を探
索 す る時 間 (
以下,マ ッチ ング時 間)を考慮す る必要がある.獲得 ルールの有
用性 を検討す るため に,5.
4節 での議論 と同様 に,ルールのマ ッチ ング時間を含
めた近傍探索 の 1サ イクルにおける探索時 間を観察す る. ここで,局所探索法
の近傍探索 の 1サ イクル に要す る時 間の平均 を f とし,近傍 内の 1つのスケ
ジュール を生成 し評価値計算 を行 う時 間の平均 ,1組 の仕事 に対 す るルールの
C
,t
m とする.上記 4つの局所探索法 の近傍
マ ッチ ング時 間の平均 をそれぞれ t
\
ノ )
4 5
6
6
′
t(
i(
LSb+7
1) - t
c
・
NB
/+i
m・
NB+W
、
)
3
6
(
- fc・
NL+w
f(
LSb) - t
c
I
NB+w
i(
LSf+7
8) - t
c
・
Ni
;
+f
m・
NL+ w
T(
LSf)
)
2
6
(
6・
2)∼ (
6.
5)で表す ことがで きる.
探索 に要す る時 間は次式 (
ただ し,鶴 ,NgL
<NB)お よび Ni
;(
≦Ni
i
)は選択 したルールを満足 す る タ
ス ク対 の総数 , W はス ケジュー ルの更新時 間や ルールの順 序変 更時 間な ど t
c
,
6,
2)
∼(
6.
5)の右辺第 1項 お よび式 (
6.
4)
,(
6.
5)
t
m の他 に要する時 間であ り,式 (
の第 2項 に比べ て微小 な時 間である. また, 1サ イクルにおける評価値計算時
c
I
NB は問題 規模 が増大 ,す なわち NB の増加 に伴 い線形増加す る. また,
間t
マ ッチ ング時 間 f
m・
NB は NBお よび 事例 の特徴個数 の増加 に伴 い線形増加す
る. この とき,
f(
LSJ) >i(
LS/
+78)
(
6.
6)
f(
LS
.
b)>i(
LSb+7
8)
(
6.
7)
あ るいは,
が成立す る と, フ ァース ト改善あ るいはベス ト改善 において, ルー ルによる効
率的な近傍探索 が行 える と考 え られる.
6.
3獲得ル ールに よる局所探索 とその効果
105
6.
3.
3 数値 実験
p
l
.
0
)
1
0×1
0ジ ョブ ショップ問題 を 1
0個 (
P llo ,
p12. … , ,15×20ジョブ シ ョッ
プ問題 を 1
0個 (
P1
1
5
,
P1
2
5…
,
P
1
5
0
)任意 に作成 した.各仕事 の タス ク数 は機械台
1
,
9
9
]の一様乱数 によ り与 えた.計 20
数 と同一 と し,各 タス クの処理時 間は [
個 の問題 について ,4つの方法 を 1
0回適用 した.ただ し,局所探索 の最大サ イ
000回 と し,探索サ イクル数が 1
000回に達 するか,評価値が 3回以
クル数 は 1
l
i
c
on
上更新 されない場合 ,探索 を終 了す ることとす る. なお,数値実験 は,Si
Gr
aphi
c
s社 の I
ndi
go2 (
CPU ‥MI
PSR4400,250MHz) を利用 した.
6.
3.
4 探索 時間 とマ ッチ ング時間
表 6・
4は ,1
5×20 ジ ョブ シ ョップ問題 において, 4つ の局所探索法 (
LSf,
LSJ
+78,LSb,LSb+71)を適用 した ときの実行 時 間を表 している.表 6.
4(
b)
の括弧 内は,LSf
+78お よび LSb+71の実行時 間の うち,ルールの タス ク対 と
5は, 1回の タス
のマ ッチ ングに要 した時 間の割合 を示 している. また,表 6.
cを
ク対入れ換 えにおけるマ ッチ ング時 間の平均 m と評価値計算時 間の平均 f
表 している.1
0×1
0ジ ョブ シ ョップ問題 では,実行時 間が非常 に短か くマ ッチ
ング時間が計測で きない場合があ ったため,表 中には記 していない.
t
1
0×1
0ジ ョブ シ ョップ問題 の場合 ,LSf+7
8は常 に LSJよ り実行時 間が小
8の実行時 間は LSb のそれに比べ て 28% ∼57% 程度 である. ま
さ く,LSb+7
5×20ジ ョブ シ ョップ問題 の場合 では,特 に LSf+7
8の実行時 間 は 上▲
ゴブ
た ,1
のそれに比べ て 1
2.
2% ∼ 1
8.
7% であ る. これ らの結果 か ら,ルー ルを利用す
ることによって局所探索法 の実行時 間を低減 させ ることが可能 であ るこ とがわ
かる.
マ ッチ ング時間の実行時間に対 する割合 に注 目する と,表 6.
4か ら,ファース
ト改善の場合で 11% 以下,ベス ト改善の場合で 22% 以 下であ る.また,表 6.
5
か ら,評価値計算時 間の平均 fc は マ ッチ ング時 間の平均 f
m と比べ て,お よそ
1
6倍 と非常 に大 きい ことがわかる.す なわち,選択 されたルールの 〃 β個 の タ
ス ク対 とのマ ッチ ング時 間は cmα。の計算 時間に比べ非常 に長 く,マ ッチ ング
時 間は探索過程 におけ るボ トルネ ックにはな らない と考 え られる.
6.
3.
5 獲得 ルールによる近傍 の大 きさ
表 61
6は,各近傍探索法 における近傍 N(
S
)(IJ
Sf,LSbの場合 ),N
c
(
S
)(LSf
+
7
8,LSb+7
8の場合 )の大 きさの平均値お よび最大値 を表 している. この近傍
の大 きさは,入れ換 え候補 となるタス ク対 の数 に相 当する.式 (
6・
2)
∼(
6.
5)を
考慮する と,LSf,LSf
+78,LSb,LSb+7Zの近傍 の大 きさは,それぞれ Ni"
N芸,NB,Ni
;
′であ る.
表 6.
6か ら,ファース ト改善,ベス ト改善 ともにルールを利用することによ り
NB(LSf+78)
近傍の大 きさは小 さくなることがわかる.ファース ト改善の場 合,
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
106
表 6,
4:各局所探索法 の平均実行 時 間 (
s
ec)
(
a)1
0×1
0 ジ ョブ シ ョップ問題
.
Pl
l
LSJ
LSf
+78
LSb
LSb+7
1
0.
1
7
0.
0
3
0.
25
0.
07
op1
4
. p1
5
op1
6
.
P1
3
p1
2
b
0.
11
0.
05
0.
29
0.
11
0.
1
6
0.
06
0.
27
0.
1
0
0.
1
9
0.
03
0.
28
0.
09
0.
25
0.
05
0.
3
4
0.
1
4
0.
1
5
0.
04
0.
26
0.
1
5
1
9
op1
1
.
0
p1
7
. p1
8
. p
0.
1
6
0.
03
0.
27
0.
1
2
0.
1
2
0.
03
0.
30
0.
1
0
0.
22
0.
06
0,
27
0.
1
2
0.
1
8
0.
03
0.
20
0.
ll
(
b)1
5×20ジ ョブ シ ョップ問題
Pl
1
5
P1
2
5
P1
3
5
P14
5
P1
5
5
P1
6
5
P1
7
5
P 18
5
P1
9
5
Pl150
LSf
3・
76 5・38 5・
61 4・
24 4・
40 5・
55 4・
80 5・07 4・97 4・27
0.
6
4 0.
72 0.
76 0.
7
8 0.
82 0.
78 0.
58 0.
82 0.
68 0.
62
LSf+78 9.
8 9.
0 10.
9 8.
8 9.
3 7.
3 9.
5 8.
5 9.
7 10.
6
LSb
LSb+′
疋
8.
01 7.
37 8.
30 7.
07 6.
8
4 9.
09 7.
83 8.
36 7.
40 7.
1
0
4.
2
4 2.
58 4.
27 3.
8
0 4.
28 3.
46 2.
7
4 3.
35 2.
63 2.
80
14.
1 4.
0 16.
3 20.
2 15.
0 12.
6 21.
7 18.
4 16.
7 13.
2
太字 はルールの タス ク対 とのマ ッチ ング に要 した時 間の割合 (
%)
表 6・
5‥i
Cとt
m(
ms
e
c)
LSf+7
a
Pl
1
5
P1
2
5
P1
3
5
P1
4
5
P1
5
5
P1
6
5
P1
7
5
P1
8
5
P1
9
5
P1
1
5
0
LSb+7
8
i
c
fm
fc
3・
96
4・
00
3・
95
3・
61
3・
8
4
3・
9
4
3・
7
2
3・
96
3・
7
5
3・
64
2・
90×10-2
2・
56x1
012
2・
90×1
0-2
2・
88xlO12
2・
65×1012
2・
29x1
0-2
2・
58×10-2
2・
30xl
Ol2
2・
42x1
0-2
2・
86×1
0-2
4・
07
4・
02
4・
03
4・
3
4
4・
0
4
4・
03
4・
1
0
4・
1
3
4・
06
4・
1
5
i
m
2・
40×1
0-2
21
52xl
0-2
2・
51×1
012
2・
57xl
O-2
2・
48×1
0-2
2・
47xlO-2
2・
7
8×1
0-2
2・
90xl
0-2
2・
47xl
O-2
2・
46×1
0-2
) ヽ
ノ ) lノー
8 1
C
X
U1
仁
Ur
ln 7
1
l
1
_
1
t
l1
7
1
′
し(
4 6 父
U4 6
8 6 6 8 8
、
ーノ\
ノー \
J、
11
ノ\
ノ) )
6 6 (
こ
リ(
6
上
-一
-/
4
6
′
し
J′
l7
′
し(
3 4 4 4 4 3 3 2 3
1 1 1 1 1 1 1 1 1
)
6
(
3
1
) ∼
ノ)
5
4(
4
′
t(
4 4 3
1 1 1
1
ノ)
4(
5
(
4 4
1 1
ー
1
2
(
6
8
\
一ノ\
ノ \ノ
4(
5(
3
ー
4 4 3
1 1 1
)
9
1
(
8
8
'
if Jli
i
L=
) \
ノ\
ノ
り
3
5
1︼(
1(
1
(
87 5
4 4 4
NL
Ni
;
4・
4(
1
2) 1
・
4(
4)
3・
9(
1
2) L
I
B(
5)
畑i
i ㍑ ・i
=
㍑ i=
f
・i
-・ノ)
) ) \ノ\
3 1
4 3
2
4
1
1(
1(
1
(
/
し
(
I.1
1'
/
J9 5
4 4 4 4 4
\
ノ\
Iノ
t
-史
U
1
1
t
′
l
2 3
父
U8
LSb+78
)
7
1
(
9
6
LSb
LSf+ 7i
LSf
107
6.
3獲得ルールによる局所探索 とその効果
6‥近傍 の大 きさの平均 ((
)内 は最大値 )
表 6.
(
a)1
0×1
0 ジ ョブ シ ョップ 問題
(
b)1
5×2
0 ジ ョブ シ ョップ問題
NB
′
108
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
LSf) に対 する大 きさの平均 は,1
0×1
0規模 では 27・
1
% ∼38・
4,1
5×20
の NL (
規模 で は 1
7.
0% ∼ 22.
8% であ る.ベス ト改善 の場合 ,NS
'(LSb+7
8)の NB
(
LSb) に対 す る大 きさの平均 は,1
0×1
0規模 では 1
3.
6% ∼21.
2%,1
5×2
0規
模 で は 8.
0% ∼ 1
0.
5% であ る.
以上 の数値実験結果か ら,
i
;
+t
m ・
Ni
i<ic・NL
ic・
N
I
c
・
NB
′
+t
m・
NB<
i
c
・
NB
が得 られる. したが って,式 (
6・
6)
,(
6.
7)が得 られる.す なわち,近傍探索過程
にルールを適用する と,ルールのタス ク対 とのマ ッチング時間を要するが,評価
値計算時間を軽減す るために,近傍探索時間全体 を短縮す ることが可能であ る.
次 に問題規模 の観 点か ら考察す る.6.
3.
1
項 で定義 した近傍 の大 きさ NB は,
(
Y
,
m)のオーダーで求 まる.NL,N芸,NS
仕事数 n と 機械台数 m に対 して 0
は最大 N
B と等 しくなるので同様 に 0
(
mn
)のオーダーである.すなわち,ルー
6か ら 1
0×1
0規
ルを利用 して も近傍 を求める計算量 は変 らない. しか し,表 6.
模 と1
5×2
0規模 の近傍 の大 きさを比較す る と,NB,NL の大 きさの変化 に
比べ,N
i
;お よび N
B
′の大 きさの変化 は非常 に小 さい.NB,N左 は 2,3倍 ほ
B
/は 1
.
2倍程度 であ
ど大 きくなるが,ルールに よる近傍 の大 きさ NBお よび N
6に示す実験結果か ら,近傍探索過程 にルールを組み込 むこ
る.すなわち,表 6.
とによ り,問題規模が増大 した場合 で も近傍 の大 きさを抑 えることが可能 であ
ることが わかる.問題規模 の観点か ら,ルールによる近傍探索 は有効 である と
い える.
6.
3.
6 解の精度
表 6・
7は,各 問題 に対 して 4つの局所探索法 LSJ,LSf
+78,LSb,LSb+78
をそれぞれ 1
0回適用 して得 られた解 の うち最小解 を表 している.LSf
+78は,
LSj よ り良好 な解 を生成す る場合がある ものの ,LSf
+78による解 の LSj に
9.
4% である.フ ァース ト改善で ルー
よる解 との相対偏差 を計算 する と,最大 1
ルを利用 した場合 ,探索時間は短 くなるが,近傍 を十分 に探索 しきれない こと
が わか った.一方 ,LSb+7
1はルールを利用 しないベス ト改善 LSb に比べ良好
な解 を生 成 している.特 に,15×2
0ジ ョブ シ ョップ問題 ではその傾 向が顕著 に
表 れている.従 って ,C,nax を評価 関数 とす るジ ョブ シ ョップ問題 に対 しては,
ベス ト改善 に よる局所探索法 に獲得 ルール を利用す ることに よ り,効果 的な探
索 とよ り良好 なスケジュールの生成が可能である といえる.
6.
4 適用事例数の検 討
ルール獲得 に必要 か ヾラメー タ,発生事例数 Ns , 適用事例数 Nlの適切 な
1.
3節 での実験 と同様 に,Ns お よび Nlの変化 に伴 う
個数 を検討 するため に,5.
6.
4適用事例数の検討
109
表 6.
7:各局所探索法 による最小解
(
a
)m - 10, n - 10
問題
LSf LSJ
+7t
Pl
l
o 927 1020
P1
2
. 1060 1090
P1
3
0 956
91
5
P1
4 936
1
077
P1 1040 1061
PI
G
.
990
1
037
P1
7
.
7
95
81
8
P
1
8
0
1
039
11
25
P1
9
. 1039 1111
Pl
l
o
O IO78
1
0
00
0
5
0
LS♭
LSb+7
8
937
91
8
843
861
920
1
008
77
3
976
968
1
003
91
7
926
891
831
93
4
91
7
725
955
95
4
86
4
(
b)m - 1
5, n - 20
問題
LSf LSf+7i
LSb
LSb+7
t
Pl
1
5
P1
2
5
P.
3
5
P1
4
5
P1
5
5
P1
6
5
P.7
L
,
P1
8
5
P1
9
5
21
09
211
6
2111
1
966
2059
1
962
201
8
21
27
231
7
211
3
2038
2330
2026
2045
21
08
1
935
211
6
2244
2236
2201
1
7
04
2027
1
8
54
1
5
49
1
771
1
683
1
7
50
1
826
1
928
1
917
P
l
1
.
,
0
21
84
2352
21
81
21
52
2
41
9
21
37
2292
2201
2285
25
23
110
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
ルール ・セ ットの分類精度 を観察す る.
5×1
0 ジ ョブ シ ョップ問題 ,1
0×1
0ジ ョブ シ ョップ問題 をそれぞれ任意 に
1
0種類作成 した.これ らの問題 に対 して Ns
,Niを変化 させ ,各 Ns, Nlにつ
いてルール獲得 を行 い,生成 されたルール ・セ ットの誤分類率 をテス ト事例 を
1
,
99
]の一様乱数 により与え,
用 いて算 出 した.ただ し,各 タス クの処理時 間は [
ルール ・セ ットの誤分類率 は 5.
1.
3節 の式 (
5.
1)を利用す る.テス ト事例 は,新
た に作成 した 1
0×1
0 ジ ョブ シ ョップ問題 で,Ns - 20000,Nt- 1
000の条件
0
t
oo個 を利用 した. ルール ・セ ッ トの誤分類率 は,テス ト事
で作成 した事例 1
000個 の うち誤 って分類 した事例 の個数 の割合 を表す こととなる.
例 1
図 6.
2は,Ni
- 500お よび Nl
-1
000とし,発生事例数 Ns を 1
000-35000
まで変化 させ た場合 の,各 Nsについて得 られたルール ・セ ット 1
0個 の平均誤
分類 率 を表 している.図 6.
3は,Ns - 20000お よび Ns-30000 とし,適用事
00- 1
5000 まで変化 させた場合 の,各 Nlについて得 られた ルー
例数 Ntを 1
ル ・セ ット 1
0個 の平均誤分類率 を表 してい る.誤分類率 を観察す るため に設
定 した Ns お よび Niの値 を以下 に示す.
発生事例数
Ⅳ∴
1
000,
2000,
30
00,
4000,
5000,
1
0000,
1
5000,
20000,
250
00,
30000,
35000
適用事例数 Nt:
1
00,
200,
300,‥.
,
1
000,
2000,
3000,
‥.
,
1
0000,
11
000,
1
2000,
… ,
1
5000
また,表 6.
8お よび 表 6.
9は, 凡 を 5000個ずつ増加 させ た ときの平均誤分
類率 の変化 の幅,Nlを 1
000個ずつ増加 させた ときの平均分類率 の変化 の帽 を
表 している.
2か ら,Nl
-500の場合 Ns >1
0000,
適用事例数 Ns について考察する.図 6.
Ni
-1
000の場合 Ns >20000であれば,ルール ・セ ットの分類精度 の変化 の幅
は 3% 未満であ る.また,表 6.
8で は,凡 が 1
0000個以上では,それ以下の
場合 に比べ て誤分類率 の変化 の幅が小 さ くなっているこ とがわか る. したが っ
0000であれば事例分類 に関 して同精度 を有す るルール ・セ ットの獲
て,Ns >1
得 が可能 である ことが考 え られる.
次 に適用事例数 Ntについて考察す る.図 6.
3では,1
000<Nt<6000の と
きにルール ・セ ットの誤分類率 は最 も低 く,Niの個数がそれ以外 の範 囲の とき
では,誤分類率 は高 くなることがわか る.また,表 6.
8では,Ns が 20000個 お
よび 30000個 の場合 で も,Nl<1
00
0や Nl>1
000
0の範 囲では誤分類率 の変
化 の幅が大 き くなる傾 向があ る.これ らの ことか ら,Ntの個数 は Ns の個数 の
5% ∼ 20% 程度であれば,ルール ・セ ットの誤分類率 には大 きな変化 はな く,か
つ比較 的精度 の高いルール ・セ ットの獲得 が可能である と考 え られる.以上 か
ら,Ns お よび Niの個数 は Ns >1
0000,Niは Ns の 5% ∼ 20% の値 が適切
-1
000- 4000である.
であ る.例 えば,Ns-20000 とした場合 Nl
6.
4適用事例数の検討
111
5
0
r
l
︹
i
(
㌔)
J
oヒ山06eJe^V
5
5000
1
5000
25000
35000
Nu
mb
e
ro
f
Ge
n
e
r
a
t
e
dCa
s
e
s(
Ns
)
(
a)∧1-5
0
0
L
0
5
0
2
1
1
ヒ山06eLOV
^
(
%)o
ー0
5000
15000
25000
35000
Nu
mb
e
r
o
fGe
n
e
r
a
t
e
dCa
s
e
s(
Ns
)
(
b)Nl - 1
000
図 6.
2:凡 の変化 に伴 うルール ・セ ッ トの誤分類率
112
第 6 章 ジョブ ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
J
o
(
%) J
J
u6
-6e
5
2
O ^V
L
5000
10000
15000
Numbero
fAppl
i
edCas
es(
Nt
)
(
a
)Ⅳ 3-20000
L
O
(
%) ヒ山6
6 eLO^V
5
2
5000
10000
15000
NumberofAppl
i
edCases(
Nt
)
(
b)Ns -30000
図 6.
3:Ntの変化 に伴 うルール ・セ ッ トの誤分類率
6.
4適用事例数の検討
113
表 6.
8:誤分類率の変化 の帽
Cha
ng
eo
fNs m =5
∧1-m
50=
01
0
∼ 5000
5000∼ 1
0000
1
0000∼ 1
5000
1
5000∼ 20000
20000∼ 25000
25000∼ 30000
30000∼ 35000
7.
1
%
2.
6%
0.
2%
0.
3%
0.
3%
0.
2%
0.
8%
1
0.
1%
1.
5%
1.
6%
0.
3%
1.
6%
1.
0%
0.
6%
N -l
OOO
m.
=5 m = 1
0
i
4.
2%
2.
9%
1.
1
%
1.
8%
0.
1
%
0.
4%
0.
2%
4.
9%
2.
4%
1.
0%
0.
8%
5%
0.
0.
5%
1.
2%
=5
: 5×10ジ ョブ シ ョップ問題
m =1
0 : 1
0×1
0ジ ョブ シ ョップ問題
m
表 6.
9:誤分類率の変化 の帽
Cha
ng
eo
fNl m,
N
s- 2
0000
Ⅳ 8- 3
0000
=5 m = 10 m = 5 m = l
O
∼ 1
000 9.
6%
1
000) 2000 0.
7%
2000∼ 3000 1.
0%
3000∼ 4000 0.
1%
3%
4000 ) 5000 0.
0%
5000∼ 6000 1.
6000∼ 7000 0.
7%
1
0.
6%
0.
7%
0.
2%
4%
0.
0.
0%
0.
0%
0.
6%
8.
2%
0.
6%
0.
4%
0.
3%
0.
8%
0.
1
%
1.
8%
1
2.
3%
0.
6%
0.
0%
0.
1
%
0.
2%
0.
2%
0.
7%
7000∼ 8000 0.
4%
8000∼ 9000 0.
0%
4%
9000∼ 1
0000 0.
1
0000∼ 11
000 0.
2%
11000∼ 1
2000 0.
4%
1
2000- 1
3000 0.
0%
1
3000∼ 1
4000 1.
9%
0.
8%
0.
0%
0.
7%
1.
0%
0.
2%
1.
2%
0.
5%
0.
7%
0.
8%
0.
4%
1.
2%
0.
9%
0.
1
%
0.
9%
0.
4%
0,
3%
0,
1%
1.
2%
0.
1%
4%
0.
0.
.
5
%
′
′
′
′
川=5
: 5×10ジ ョブ シ ョップ問題
m =1
0 : 1
OxlOジ ョブ シ ョップ問題
114
第 6章 ジョブ ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
6.
5 ル ールの性能評価
獲得 したルールを実際 にスケジュー リング ・ルール として適用 した場合 の有
用性 について考察する.1
0×1
0ジ ョブ ショップ問題で多数のスケジュールを発
生 させ ,ルール ・セ ット中の各 ルールに対 してそれを満足するタス ク対 を入れ
換 える, ここで以下の記号 を定義す る.
NE :入れ換 え可能 な全 ての隣接 タス ク対 の総数
NE+ :NE の うち入れ換 え操作 により評価値が改善するようなタスク対 の総敬
Eall: NE の うち各 ルールを満足するタス ク対 の総数
E+ :Eal
lの うち入れ換 え操作 により評価値が改善するようなタス ク対 の総数
E
:Eallの うち入れ換 え操作 により評価値 が悪 くなる タスク対 の総数
EO :Eal
l-(
E+
+E-)
E-)の比 を改善率 (
改悪率 ) と呼ぶ こととする.
Eallに対 する E+ (
表 6.
1
0に NE の総数が 1
000に達 した ときの各 ルールの Eal
l
,E+お よび評
価値 の改善率 を示す.表左側 「ランダム」の列 はスケジュールを任意 に逐次作
GREEDY」の列 はスケジュールを 2.
3.
3項で述べた欲
成 した場合 を,表右側 「
K刃 で 「ランダム」
張 り法 によって逐次生成 した場合 を表す.例 えば,ルール (
の場合 は,1
000個 の任意の タス ク対 の うち 1
54個が条件部 を満足するものであ
り,それ らの タス ク対 を入れ換 えた結果,1
44個 (
93.
5%)に関 して評価値が改
善 された ことを表す.この表では,改善率が高いほ ど,そのルールの評価値改
善能力 は高い.改善率が 50% に近い ものは,ランダム性が高 く,ルール として
lはそのルール とマ ッチ ングするタス
の評価値改善能力 は低 くなる.また,EaL
ク対 の個数 と等 しく,ルールの利用 しやす さの指標 となる.
表 6.
1
0か ら以下のことがわかる.
(
1
)Eallはルールの条件数 に比例 して減少する.
(
2)獲得 ルールは任意 に作成 したスケジュール (「ランダム」)に対 して改善
能力が高い.
(
3) 「ランダム」での改悪率 と 「GREEDY」での改悪率 はほぼ同 じである.
(
4)改善率 は 「ランダム」の場合 よ り 「
GREEDY」の場合の方が低 い.
(
1
)か ら獲得 したルールはその条件数が少ないほど利用 しやすいといえる.表 6
.
1
0
では,条件数が 2,3個 のルールであれば,給 タスク対数 の 1
0% ∼ 30% ほどの
タス ク対 が入れ換 え候補 の対象 とな り,4個以上の条件数 を持 つルールに比べ
6.
5ル ールの性 能評価
115
表 6.
1
0:獲得 したルールの改善率
ラ ンダ ム
ルール
条件 数
( -1)
(
K2)
(
K3)
(
K4)
(
K5)
(
K6)
(
K7)
(
K8)
(
K9)
(
K1
0)
(
Kll
)
(
K1
2)
(
K1
3)
(
K1
4)
(
K1
5)
(
K- )
(
K1
7)
(
K1
8)
(
K1
9)
(
K20)
(
K21
)
(
K22)
(
K23)
(
汰24)
(
K25)
(
K26)
(
K27)
(
K28)
(
K29)
(
K30)
(
K31
)
(
K32)
(
K33)
(
K34)
(
K35)
(
K36)
(
K37)
(
K38)
(
K39)
(
K40)
(
K41)
(
K42)
(
K43)
(
K44)
(
K4.
5)
(
K46)
3
3
3
3
3
3
2
2
4
3
3
3
3
4
3
4
4
3
3
3
5
4
4
5
3
3
6
4
4
4
3
4
4
4
4
3
3
4
4
5
6
5
4
3
.
5
3
K
16
Eatt
1
54
1
30
1
97
1
34
11
4
11
3
284
295
68
1
80
1
87
1
46
21
0
48
1
34
36
77
1
23
1
62
11
8
90
76
40
4
1
20
1
90
1
56
63
42
1
02
43
51
53
63
1
33
1
81
22
39
48
1
4
26
54
90
29
11
5
E十 改善宰 改悪率
1
44 93.
5%
0.
0%
11
6 89.
2%
1.
3%
1
90 96.
4%
0.
0%
1
27 9
4.
8%
0.
4%
1
05 92.
1
%
0.
8%
1
06 93.
8%
0.
0%
271 95.
4%
0.
4%
274 92.
9%
1.
4%
6
4 94.
1
%
0.
0%
1
73 96.
1
%
1.
7c
/
c
(
,
1
79 95.
7%
0.
9%,
1
35 92.
5%
1.
0%
1
93 91.
9%
2.
3%
45 93.
8%
2,
9%
11
7 87.
3%
2.
2%
32 88.
9%
1.
1
%
73 94.
8%
1.
5%
11
3 91.
9%
1.
3%
1
58 97.
5%
0.
7%
11
3 95.
8%
1.
3%
89 98.
9%
0.
0%
69 90.
8%
2.
2%
3
4 85.
0%
1.
7%
2 5
0.
0%
0.
0%
11
2 93.
3%
1.
2%
1
80 9
4.
7%
1.
7%
1 1
00.
0%
0.
0%
53 94.
6%
0.
8%
61 96.
8%
0.
9%
36 85.
7%
2.
4%
96 94.
1
%
2.
3%
39 90.
7%
0.
5%
50 98.
0%
0.
6%
50 94.
3%
0.
0%
5
4 85.
7%
2.
1
%
11
7 88.
0% ■2.
6%
1
69 93.
4%
1.
8%
21 95.
5%
6.
8%
35 89.
7%
0.
5%
43 89.
6%
2.
1
%
1
2 85.
7%
9.
4%
21 80.
8%, 4.
0%
47 87.
0%
0.
5%
82 91.
1
%
1.
7%
28 96.
6%
0.
0%
1
01 87.
8%
0.
8%
Eat
l
80
74
73
62
79
40
11
5
1
85
44
78
92
89
1
33
32
1
23
1
9
45
51
59
77
27
55
26
17
62
1
08
1
41
25
33
70
1
7
37
1
9
39
70
1
06
1
7
1
4
34
1
4
28
45
35
6
1
07
GREEDY
E十 改善率 改悪率
47 58.
8%
0.
0%
48 64.
9%
2.
1
%
56 76.
7%
0.
0%
43 69.
4%
0.
7%
5
4 68.
4%
0.
8%
30 75.
0%
0.
0%
82 71.
3%
0.
6%
1
23 66.
5%
1.
4%
23 52.
3%
0.
0%
52 66.
7%
'
2,
0%
63 68.
5(
7
0
1.
2%
55 61.
8%
1.
G(
y
(
ー
75 56.
4%
3.
2%
1
9 .
5
9.
4%
3.
6%,
75 61.
0%
1.
9%
1
7 89.
5%
2.
0%
23 51.
1
%
2.
4%
33 64.
7%
1.
4%
42 71.
2%
0.
4%
43 55.
8%
0.
7%
22 81.
5%
0.
0%.
31 56.
4%, 2.
5%
1
5 57.
7%
2,
9%
1
0 58.
8%
0.
0%
37 59.
7%
1.
9%
70 64.
8%
1.
7%
1 1
00.
0%
0.
09
7
(
,
22 53.
7%
1.
4%
1
6 64.
0%
1.
2%
20 60.
6%
8.
0%
41 58.
6%
4.
7%
1
4 82.
4%
0.
9%
22 59.
5%
1.
4%
1
5 78.
9%
0.
0%
1
8 46.
2%
3.
1
%
37 52.
9%
'
2.
5%
69 65.
1
%
1.
9%
11 64.
7%
2.
8%
11 78.
6%
1.
1
%
22 64.
7%
2.
7%
6 42.
9%
9.
4%
1
9 67.
9%
2.
89
も
29 64.
4%
0.
4%
25 71.
4%, 2.
0%
5 83.
3%
0.
0%
71 66A%
0.
9%
116
第 6章 ジョブ ショップ間違におけるルールの獲得 と適用
2
)か ら獲得 ルールは任意 に作成 したスケジュールに対 して効
利用 しやすい.(
果的であることがい える.
欲張 り法 によ り作成 したスケ ジュールは,多 くの場合任意 に作成 したスケ
ジュールに比べ良好である.すなわち,欲張 り法 によるスケジュール上での Eall
に対 す る NE+ の割合 は,任意 に作成 したスケジュール上 でのそれに比べて少
ない. さらに表 6.
1
0か ら, Eallお よび E+ の個数 は少 ない ことがわかる.∼
方 ,(
3)の結果が得 られた ことか ら,欲張 り法による良好 なスケジュール上では
任意作成 によるスケジュールに比べ,EOの存在する割合が多いことがわかる.
これ らのことか ら,(
4)に示す 「
GREEDY」の改善率が低 いことは,E+ が少
な く EOが増 えた ことによる ものである と判断 され,ルールの改善能力その も
のが低 いわけではない といえる.
以上の結果 と,「ランダム」お よび 「GREEDY」に関わ らずルールの改悪率は
非常 に低いことか ら,獲得 したルールはスケジュー リング ・ルールとして効果
がある といえる.特 に (
K7)
,(
K8)
,(
K1
5)
,(
K26)
,(
K37)
,(
K46)の 6個
のルールは条件数が少 な く,「GREEDY」の場合で も 65% 以上の改善率 を持 つ
ため,獲得 したルールの中で も特 に有用性が高い と考 え られる.
6.
6 納期 を考慮 した問題への適用
6.
6.
1 ル ールの獲得
よ り複雑 なジョブシ ョップ問題 の 1つである,仕事の納期 を考慮 した問題 を対
象 としたルール獲得 を試みる.評価関数 として,総納期遅れ (
∑℃ ),納期遅れ仕
事数 (
∑U
t
)の 2つ を取 り上げる.6.
2節 と同 じ条件 (
Ns - 30000,Nt-2000,
Ⅳ γ- 1
0,1
0×1
0ジ ョブシ ョップ問題 )で訓練例集合 を作成する.ただ し,仕
事 の納期 は任意順序 のスケジュールを 1つ発生 させた ときに得 られる各仕事 の
処理完了時刻 C%を算 出後設定する もの とす る.この とき最適解 の 1つは Oに
等 しい.
x
J
lを付加する.こ
また,6.
1L
2項 の特徴 に加 えて,表 6.
11に示す特徴 8J ∼xI
れ らの特徴 は,3,
3.
2項 で定義 した納期 に関する特徴 (
1
2)
,(
2
6)
,(
2
7)
,(
1
3)
/
/
∑T
2問題 で利用 した特徴 と等価 である.
であ り,F
q
XI
J
o
XI
J
l
(
< 0,
≧ 0)
(
d
]-CJ
,
打
た
)(
<0,≧ 0)
(
d
,-C,
,
n) (
<0,≧ 0)
(
d
1-pJ)
(
< 0,
≧O
)
、
J
1
汀\
‖一
q 由
X
9
J
〟-
X8
J
一 ︼ l I
︰
岬︰
押 付、
琉
表 6.
11‥納期 に関する事例特徴 とその値 (
x8J ∼ x
I
J
l
)
1
0種類 のサ ンプル ・スケジュール
(
Nr = 10)か ら得 られたルール ・セ ット
6.
6納期 を考慮 した問題への適用
117
表6
.
1
2:獲得 したルール ・セ ット
∑ Ti
goodルール数
単独 ルール数
条件部 (
特徴 )の聡数
∑ UZ
.
1
1
0 11
4
1
03 1
0
6
473 501
を 1つ に統合す る と,表 6
.
1
2に示すルール ・セ ットが得 られた,以下 は獲得 し
たルールの条件部 の一例 である.
●∑ r
XI
J≧o∧
x2
J>
_o∧x7
J- yeS∧
XI
J
.≧o
J<o^x
6
J-yes
XI
J<o^x4
● ∑U
X4
J<o^x -No^X8
J<o
6
J
X.
5
J<o^
x7
J-yes^
xJ
l
-No
I
表6
.
1
2は,goodルールの個数 と,獲得 した 1
0個 のルール ・セ ット中の 1つ
のルール ・セ ットにのみ存在 す るルールの個数 (
単独 ルール数 ), さらにルー
X8
J∼xl
ルの条件部 におけ る特徴
I
J の総数 を表 している.
表6
.
1
2か ら,獲得 したルール ・セ ットに共通 したルールの発生の割合 が非常 に
少 な く,∑Tiと ∑ Utを評価 関数 とした場合 では,訓練例集合 の分類 が行 い に
くい.また,c m α∬の場合 に比べ て獲得 したルールの個数が多 い ことが わかる.
tと ∑ Utの場 合でそれ
ルールの条件部 おける納期 に関す る特徴 の割合 は,∑T
ぞれ 2
4.
3%,2
6.
1
% である.納期 に関する特徴 を有 したルールの個数 は,前章
のフローシ ョップ問題 の場合 に比べ て少 ない結果 となった.
6.
6.
2 ル ール に よるスケ ジュー リング
ここでは解 の精度 を考 え,前節 で獲得 したルールを タブー探索法 に適用す る.
5.
4節 で述べ た手続 きと同様 な方法 に よる タブ ー探索 法 を行 うもの と し,獲得
ルールによって近傍 内の探索 を行 う.以下では, タブ ー探索法 お よび獲得 ルー
8 と呼ぶ こととす る.
ルを利用 した タブー探索法 を,それぞれ TS, TS+7
6.
3
節 で作成 した 1
0個 の 1
0×1
0機械 ジ ョブ シ ョップ問題 (P
l
o,
p120 … ,
p
l
l
o
U
)に TS+7
8お よび TS をそれぞれ 1
0回適用 した.ただ し,各仕事 の納期 は,
各 々の問題 で任意 に作成 した実行可能 スケジュールでの各仕事 の処理完 了時刻
118
第 6章 ジョブ ショップ問題 におけるルールの獲得 と適用
に等 しい もの とした.なお,数値実験 は,Cm axの場合 と同様 に Si
l
i
c
onGr
aphi
c
s
社の I
ndi
go2 (
cpu :MI
PSR4400,250MHz)を利用 した.
表 6.
1
3は各問題 で TS+7
1と TS を 1
0回適用 して得 られた解 の平均 お よび
最小解 を表 している.∑Tlの場合で TS+7
1お よび TSで得 られた最小解 は,
5個 の問題 (
P1
2
.,p
1
3
.
,p1
5
.
,p1
7
.
,pl
l
.
0)で同 じであ り,これ らの解 は最適解
である.P.
4
.お よび P
1
9
.では TS+7
8は最適解 を生成 していない ものの,納期
l
oと p1
8
.では TS+7
1は TS よ
遅 れ となる仕事 は 1個 だけであった.また,Pl
り良好 な解 を生成 してお り,納期遅 れの仕事数 は どち らも TS+7
8の方が少 な
い ことがわかった.
表 6.
1
3:得 られた解 の最小値 と平均
∑γ
∑ Ui
TS+7i
最小
平均
P1
1
0 206 61
4.
6
P1
2
.
0 27
0.
7
P1
3
0
0
1
49
P1
4
.
24 487.
3
P1
5
0
21
4.
4
0
P1
6
0 118
P1
7
0
0
P1
8
0 100
P1
9
0
85
Pl
l
.
0
0
7
47.
2
21
8.
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TS
最小
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0
0
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0
∑Uiの場合 では 5個 の問題 (
Pl
l
.
,p1
3
.
,p1
4
.
,p1
5
.
,p1
6
.)で同 じ最小解が生
成 された. これ らの問題 の うち Pl
l
.と P1
6
.は表 6.
1
3か ら,良好 な解 を導出す
8 と TS を 1
0回適用 した ことによる
るのが困難である と考 え られる.TS+7
l
.で 291.
5,3
96.
5であ り,P1
6
.で 502.
5,7
53.
0であっ
給納期遅 れの平均 は,Pl
l
oと p1
6
.では納期遅 れ を考慮する と,TS+7
1の方が良好 な解 を生成 し
た.pl
ている といえる.
以上 をまとめる と,獲得 したルールは納期 を考慮 した場合 のジ ョブ シ ョップ
問題 に対 して効果がある といえる.
6.
6.
3
2日的 ジョブ ショップ問題への適用
より複雑 な対象問題 として,2つの評価関数 を目的とする 2日的ジョブショッフ
問題 を取 り上げ,獲得 したルールの適用可能性 について検討する.ここでは,5.
ち
6.
7まとめ
119
節で提案 したルールによる多 ス ター ト局所探索法 を利用す る.評価 関数 として,
総所要時間 Cm ax と納期遅れ仕事数 ULの 2個 を取 り上げ る (
以下,(
Cm ar ,
∑U
L
)
とする).f
1- c m ax,f
2-∑ U2の利用率 1
1
,人2は以下の 5通 りとす る.
(
ll
,
人2
):(
0・
0,
1・
0)
,(
0・
3,
0・
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,〔
OJ,
,
0.
ち)
,(
0・
7,
03)
,(
1・
O,
01
0)
初期スケジュールは 1
0個 とし,各初期 スケジュールに対 して上記 の 7通 りの利
用率で解 を探索 し,計 50個 の解 を導出す る.解探索 の終了条件 はルール条件 を
000 回に達 した ときとす る.
満たす タス ク対 が存在 しないか,解 の更新 回数 が 1
3節 で作成 した 1
0個 の 1
0× 1
0機械 ジ ョブ シ ョップ 問題
上 記の手続 きを 6.
l
(P.
,
p
1
2
.-
,
p
l
l
.
0)に適用 した.図 6.4に Pi
5
.で得 られた解集合の一例 を示す.
4で
この解集合の分布 の傾 向は,他の 9個 の問題 について も同様 に見 られた.図 り.
a
)お よび (b)である.非劣解 (
a
)((
cm(L
ユ
・
,
∑ U,
)- (1001,0)) は,
は,非劣解 は (
ll
,人2
)- (
01
0,1
.
0)の利用率の ときに得 られた解 であ り,∑ Ulに関 して最適解
(
b)((
Cm a
x,
∑ 桔)- (
998,1)) は,(
11月 2
)- (
1O.
0.
0)
となる.また,非劣解 (
の利用率 の ときに得 られた解 であ り,表 6・
1
3の LSfお よび LSbの結果 と比較
す る と,c m ax に関 しては良好 な解 である.
.
一方,得 られた解集合 の分布 の形状 か ら,(
Cm aTお よび ∑ UL
)間で は明確 な
トレー ドオフ関係 は成立 しに くいことがわかる.c m α
T, tの どち らかの単 一
一
目的問題 として解 を求める と,他 方の評価 関数 について も良好 な解 となってい
∑U
る. しか し,ある解が
rについて最適解 となる とき,∑ ULについて も常 に
Cma
最適解 となることは保証 されないので,(
Cm a。,∑ Ui
)の 2日的問題 におけ る最
Cm aT,∑ Ui
)の 2日的問題 で
適解 は常 に 1個 である とは限 らない.すなわち,(
・
4の解 (
a
)
,(
b
)の ように非劣解集合が存在 する こととなる.獲得 ルー
は,図 6
ルを利用 した多 ス ター ト局所探索法 は,非劣解集合 を求め る方法 として有効 な
手段 の一つであ る とい える.
6.
7 まとめ
本章では,総所要時間最小化 ジ ョブ シ ョップ問題 を中心 として,本研 究で提
案す るルール獲得 方法 と獲得 ルールのスケジュー リング ・ルール と しての効果
を検証 した.ルール獲得 は,訓練例集合 を所与 のスケジュールで 同一機械上で
5によ り行 われる.
処理 される隣接 タス ク対 の入れ換 え操作 によって生成 し,C4.
結果 をま とめ る と以下の とお りであ り,提案方法 に よ りジ ョブ シ ョップ ・スケ
ジュー リングに有効 なルールが獲得可能である とい える.
(
1)獲得 ルールを局所探索法 に利用することによ り,効率 的な近傍探索 が可能
であ る.
(
2)特 にベス ト改善による局所探索法 にルール適用 した場合,よ り良好 な解 を
生成す ることがで きた.
第 6章
ジ ョブ ショップ問題 におけるル ールの獲得 と適用
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0
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5
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300 1
400 1
500
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図 6.
4‥獲得 ルール に よる解集合 (
1
0×1
0,(
Cma
J,
∑ Ut))
(
3
)ルールの事例 の分類精度 に基づ く連用事例数 の設定 の可能性 について検討
した.
(
4)ルールの評価値 改善率 を観察 し,獲得 ルールがスケジュー リング ・ルール
と して利用 可能 であ る こ とを確認 した.
(
5)納期 を考慮 した問題 や 2日的問題 において も,提案方法 に よ り評価 関数 の
最小化 に効 果 のあ るルー ルの獲得 が可能 であ る.
第 7章
結論
本研 究で は, フロー ・シ ョップ問題 お よびジ ョブ ・シ ョップ 問題 を対 象 と し,
帰納 的学習法 に よるスケジュー リング ・ルールの獲得 方法 を提 案 し,そ の有効
性 を示 した.ルールの獲得 は,訓練例集合 をサ ンプ ル ・スケ ジュール上 の仕事
対 (タス ク対 )を入れ換 える こ とに よ り作成 し,帰納 的学習法 を利 用 す る こ と
に よって行 われ る.各章 ご との ま とめ と得 られた結果 を以 下 に述べ る.
第 2章 で は,スケ ジュー リング理論 に基づ いて多様 なスケ ジュー リング問題
を体系 的に分類 した上で,本研 究で対 象 と した フロー ・シ ョップ 問題 お よびジ ョ
ブ ・シ ョップ問題 の定義 を述べ た. また,一般 の スケジュー リング解 法 を整理
し,近年研 究 が活発化 している インテ リジェン ト ・スケジュー リング におけ る
ルール獲得 方法 の確 立 の重要性 を述べ ,本研 究 の位置付 け を明 らか に した.
第 3章では,スケジュー リング ・ルール獲得 のアプ ローチ について整理 し,本
研 究で提案 した ルールの獲得 方法 の位置づけ を明確 に した. ルール獲得 に必 要
な帰納 的学習法 について述べ,本研 究で利用 した C4.
5学習 アルゴ リズ ムの詳細
を述べ た. また,本研 究 によるルール獲得 の手続 きを説明 し,重 要 な検討課題
であ る事例 の構成法 ,訓練例集合 の生成法 と して仕事対 の入 れ換 えに基づ く方
法 を提案 した.
第 4章 で は,本研 究 で提案 した ルール獲得 法 を 1機械 問題 と 2機械 お よび 3
機械 フロー シ ョップ 問題 に適用 し,ルール獲得 の基礎 的検討 を行 なった.結 果
と して,簡単 な最適 ルー ルの存在 す る問題 で は,得 られたルー ルはそのほ とん
どが既存 のルー ル と等価 であ る ことが わか った. また,エ ン トロ ピー に よる適
用事例数 の設定 の可能性 について検討 し,事例特徴 の付加 ,事例 の発生法 を考
え, よ り効 果 的 なルー ルの獲得 法 を検討 した.
第 5章では,フローシ ョップ問題 を対 象 として,帰納 的学習 に よるス ケジュー
リング ・ルールの獲得 法 を提案 し,その有効 性 を検 討 した.訓練例 集合 はス ケ
与を
ジュー ル上の仕事対 を入れ換 えるこ とに よ り生成 し,ルー ルの帰納 には C4.
利用 した.まず,総所要時 間最小化 問題 を取 り上げ,フローシ ョップ問題 に適 合
した事例 の構成法 ,適用事例 数, さ らに獲得 したルー ルの性能評価 を行 なった.
そ の結果 ,フロー シ ョップ問題 におけ る提 案 方法 に よるルー ル獲得 が 可能 で あ
121
122
第 7章 結論
るこ とがわか った.次 に,獲得 したルールを局所探索法お よびタブー探索法 に
適用 し,仕事対 入れ換 えによる近傍探索 スケジュー リング とい う観点か らルー
ルの有用性 について検討 した.ルールを近傍探索過程 に利用す るこ とによって,
効果 的な解 の探索が行 なえるこ とが わか り,特 に総納期遅 れ最小化 問題 の場合
では良好 な解 の導 出が可能 であることがわか った.最後 によ り複雑 な問題 とし
て多 目的 フローシ ョ.
)プ問題 を取 り上げ,獲得 ルー ルを利用 した非劣解集合 の
生成法 を提案 した.
第 6章で は,ジ 畠ブ シ ョップ 問題 を対象 としたルール獲得 お よびルールの有
用性 につ いて検討 した. ジ ョブ シ ョップ問題 では,解 空 間に非実行 可能領域 が
存在す るため,スケジュールの選択 グ ラフ表現方法 を取 り入れ,クリテ ィカル ・
パス上 の同一機械 で処理 される隣接 タス ク対 の入 れ換 えに基づいた事例 の作成
を提案 した.ルール獲得 の実験 を行 い,適用方法 の 1つ として局所探索法 に獲
得 ルールを適用 した結果 ,ルールは探索実行時間の短縮 に非常 に有効 であるこ
とが わか った. また,第 5章 と同様 ,発生事例数 お よび適用事例数 について考
え,それ らの適切 な個数 を数値 シ ミュ レーシ ョンによ り検 討 した. さらに,柄
期 を考慮 した問題 を対象 としたルール獲得 お よびルールの有用性 について検討
した.最後 に よ り複雑 な問題 と して給所要時 間 と納期遅 れ仕事数 の 2日的ジ ョ
ブ シ ョップ問題 を取 り上げ,獲得 ルールによ り良好 な非劣解が得 られることを
示 した.
以上 ,代 表 的なスケジュー リング問題 である 1機械問題 ,フローシ ョップ問
題 ,お よびジ ョブ シ ョップ問題 に対 して提案 方法 に よ りルールを獲得 し,スケ
ジュー リング に効果 のあ るルールが獲得 可能 であ ることを示 した. さらに,そ
れ らのルールを用 いてスケジュー リング を行 うことに よ り,良好 なスケジュー
ルを生成 で きる ことを示 した. この ことか ら提案 したルール獲得 方法 は インテ
リジェン ト ・スケジュー リング ・システムの 自動 ルール獲得 方法 として有効 な
方法 である といえる.なお,モデ ル化 自体 が困難である とされる現実 の複雑 な
問題へ の適用 は今後 の課題 とす る.
謝辞
本研 究 を遂行 す るにあた り,その機会 を与 えて下 さ り,終始懇切 な御指導 お
よび御鞭桂 を賜 りま した神戸大学 工学部 藤井進教授 に慎 んで感謝の意 を表す と
ともに,厚 く御礼 申 し上げ ます.研 究途上 において常 日頃懇切 な御指導 お よび
御教示 を賜 りま した神戸大学工学部 森 田浩助教授 ,上原邦昭助教授 ,熊本悦子
助 手 に慎 んで感謝 を申 し上げ ます.流通科学大学情 報学部 三遷弘明教授 には,
研究途上 において懇切 な御 指導 お よび御教示 を賜 りま した.慎 んで感謝 の意 を
表 します.スケジュー リング理論 に関 して御教授 お よび御討論 を賜 りま した神
戸大学工学部 玉置久講師には,深 く感謝の意 を表 します.
神戸大学工学部 近藤敦技官 には,研究環境 を整備 して戴 き,研 究生活 におい
て公私 ともに助けて戴 きま した.心 か ら感謝 いた します. また,新天地 での御
活躍 をお祈 り致 します.研 究生活で常 日頃お世話 になった藤井研 究室 の学生 の
ul
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o氏 ,舛 岡征浩君 ,河崎利信君 ,官
皆様 に感謝いた します.特 に,Pa
本哲也君 ,加 えて金輪拓也君 には関連研究の勉強 に協力戴 いた こ とを感謝 いた
します.
123
参 考 文 献
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1
993)
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4
]森下真一,沼尾雅之,戸沢義夫 ,協調型スケジュー リング に よる製鋼 工程
l
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スケジュー リング ・エキスパ ー トシステム;人工知能学会誌 ,Vo
,
pp・
1
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[
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1
989)
[
8
]中須賀慎 一,吉 田武稔,概念学習 における知識抽 出 を利用 した製造 ライン
5回システムシンポジウム,pp.
367
37
2
のダイナ ミック・スケジュール,第 1
(
1
989)
[
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1藤井進,諏訪晴彦,森 田浩 ,2仕事入換 えによるスケジュー リング ・ルー ル
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2,pp.
261
270(
1
996)
の帰納 的学習 ,計測 自動 制御 学会論文集 ,v
125
126
参 考 文 献
[
1
0
]諏訪晴彦 ,森 田浩,藤井進,帰納的学習法 によるスケジュー リング ・ルー
ルの自動獲得 - フローシ ョップ給所要時間最小化問題へ の適用,システ
ム制御情報学会 (
投稿 中)
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11
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9]茨木俊秀 ,アル ゴリズム とデ ー タ構造 ,昭晃堂 (
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11
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1
992)
参 考 文献
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Vol
・42,No・4,pp・
677
6
87(
1
99
4)
[
25
]山 田武士 , 中野 良平 , ク リテ ィカルブ ロ ックシ ミュ レーテ イッドアニ ー リ
ング法 によるジ ョブ シ ョップ スケ ジュー リング問題 の解 法 ,電気 学 会論 文
l
.11
4,No.4,pp・
476
482(
1
99
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h33,pp.
1
729
(
1
988)
[
29
]斎礼 ,谷 島敬 士 ,変種変量生 産 におけ るス ケ ジュー リング支援 エ キスパ ー
トシス テム構 築 の ため のル ー ルベ ー ス の構 造化 方法 ,情 報処 理 学 会論 文
l
.33,No.ll,pp.
1
31
41
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1
992)
誌 ,Vo
[
3
0
]関根 史麿他 ,専 門家 モデ ルに基づ く生 産 ス ケジュー リング ・シス テム,人
工 知能 学会誌 ,Vo
l
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[
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参 考 文 献
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pp.
304307(
1
987)
[
37
]藤井進,諏訪晴彦 , 2仕事入れ換 え法 に基づ くスケジュー リング ・ルール
の学習,システム 制御情報学会第 4回インテ リジェン ト FA シンポジウム
講演論文集 ,pp.
1
89
1
90(
1
993)
[
38
]藤井進 ,諏諭 吉彦 ,森 田浩 ,フロー .シ ョップ問題 における帰納 的学習 に
よるルール獲得技法 の検討 ,神戸大学大学 院 自然科学研 究科紀要 1
3B,
pp,
991
06(
1
995)
[
39
]諏訪晴彦 ,藤井進,森 田浩, タス クの位置情報 によるスケジュー リング ・
ルールの帰納 的学習,生産スケジュー リング ・シンポジウム'
95講演論文
集 ,pp.
1
391
44(
1
995)
囲
諏訪晴彦,藤井進,森 田浩,フローシ ョップ問題 を対象 としたスケジュー
リング ・ルールの帰納 的獲得 とタブー探索法へ のルールの適用,神戸大学
大学 院 自然科学研 究科紀要 (
投稿 中)
[
41
]諏訪晴彦 ,森 田浩 ,藤井進,帰納的学習 によるスケジュー リング ・ルール
の 自動獲得 一納期 を考慮 した フローシ ョップ問題へ の適用 ,精密工学会
1
996年度 関西地方定期学術講演会講演論文集 pp.
757
6(
1
996)
[
42
]諏訪晴彦,藤井進 ,森 田浩,帰納 的学習 を利用 したスケジュー リング ・ルー
ルの 自動獲得 一納期 を伴 う多 目的フローシ ョップ問題へ の適用 -,生産ス
ケジュー リング ・シンポジウム'
96講演論文集 ,pp.
223
228(
1
9
96)
[
43
]森揮和子,長沢啓行 ,西 山徳之,給処理時間 ・給滞留時間 ・最大納期遅 れ
時 間最小化 の 3日的 2機械 フローシ ョップ ・スケジュー リング ー 複合 ラ
ンダム ・サ ンプ リングによる多 目的スケジュー リング法 ,日本経営工学会
l
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3,pp・
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1
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付録 A
獲得 ル ールの記述
以下 に 5.
2節 で獲得 したルー ルの条件部 を記す.
(
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129
付録 A 獲得 ル ールの記述
130
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132
付録 A 獲得 ル ールの記述
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