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6報告書 - 倉庫業青年経営者協議会

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6報告書 - 倉庫業青年経営者協議会
■視察レポート(7月10日(木)) ⑨ Del Mar Race Track
※ 本件視察先 Del Mar Race Track は、川崎陸送株式会社樋口社長様からご紹介いた
だきました。
【視察先概要】
・デルマー競馬場は、1937年当時の映画スターであった「ビング・クロスビー」と「パット・オブ
ライエン」の両者の協力をもって、カリフォルニア州政府により開場された。デルマーは映画の都
ハリウッドを抱えるロサンゼルスの南150キロ、アメリカ西海岸の保養地として有名なサンディエ
ゴより北30キロ程の沿岸上に位置するリゾート地であり、同競馬場も優雅なたたずまいを有して
いる。そして同競馬場は、デルマー・フェアグランドと言う各種大エベントが開かれる広大な土地
に位置している。
・競馬の運営は、Del Mar Thoroughbred Club(デルマー・サラブレッド・クラブ)によりなされ、
今回お世話いただいたボー氏は、同クラブの理事を務められている。同理事会の理事は無償の
奉仕サービスで、同氏も競馬馬の売買会社を所有する経営者である。
【視察概要】
・我々が視察した7月10日は、同フェアグランドと同競馬場を利用して行われるデルマー・フェア
(サンディゴ郡カウンティ・フェアとも言う)が幕を閉じた数日後であった。毎年アメリカ独立記念日
(7月4日)を主要日として行われるこのカウンティ・フェアは、全米から100万人もの人が訪れる
人気フェアである。カウンティ・フェアという大エベントは全米各地で開かれるが、それは農産物、
畜産酪農動物を一般市民に身近に感じてもらうため、農業関係者により開かれるフェアのこと。
今回もその大エベントが終わり、まもなく始まるレースシーズンの準備に競馬場敷地は追われて
いた。本年の同競馬シーズンは7月16日から9月3日までで、その間43日間レースが行われる。
カウンティ・フェアが7月6日(日)に終了し、7月16日レース開催までの期間の僅か9日間で、
レースに参加する2,100頭もの競走馬、馬主、トレーナー、ジョッキー、サポート人員、各器具
、餌等の物流移動が行われなくてはならず、そのための組織的運営も需要である。
・これら2,100頭の競走馬も3,000~4,000頭のエントリーがある中から選ばれた優秀競争
馬である。殆どの馬はロサンゼルスにあるハリウッド・パーク競馬場から送られて来る。
ロサンゼルス、サンディゴといったカリフォルニア州の大都市は南カリフォルニア地方に属し、
その南カリフォルニア地方では3つの競馬場がある。ハリウッド・パーク(ロサンゼルス)、
サンタアナ競馬場(ロサンゼルス)、そしてこのデルマー競馬場である。毎年1年を通じこの
3箇所が持ち回りで競馬シーズンを開催する。毎年1月から4月はサンタアナで5月から7月は
ハリウッド・パークで、7月から9月はデルマーで、そして10月から11月は再びサンタアナと
言った具合である。
・レースは、周6日間開催、毎日10レースが行われる。各馬は、期間中2回から3回のレースを
行う。平均売上は2005年で1日当り1,400万㌦(約15億円)、総期間中売上は約6億㌦
(約600億円強)であった。特にオープニング・デーは地元の人たちの社交の場として使うため
来場者が多く2006年初日には約4万3千人もの観客が集まった。1937年創設時の初日には
2万人が来たとのことで、現在はその倍以上の盛況振りである。1990年代施設創設もその
一助となっている。同競馬場の入場料もシーズンチケットから各種あるが、基本はストレッチ・
シートで6ドル、クラブハウスで10ドルである。
・馬の持ち込みは、専用トラックで行われ数頭のトラックから15頭積載可能のトレーラーまでが
頻繁に搬入を行う。我々の視察中も小型トラック、大型トレーラー等で搬入作業が行なわれてい
た。実際にトレーラーの中を見せていただいたが、内部仕切りのポジションを動かし間切る事に
より、トレーラー内各区画当り4頭積載タイプと6頭積載タイプに調整することができる。
各競走馬のオーナーは、小規模オーナーから大規模オーナーまでおり、所有馬数によりその
運搬車輌のサイズは様々である。1頭や少数馬オーナーの場合、自分でトラックを所有し、持ち
運んだりする。大規模オーナーの場合は通常、競走馬を専門とする移動トラック運送会社に
依頼する場合が殆どである。競馬場敷地に入場は9日間であればいつでも自由な時間に持ち
込むことができる。ただそのためには運営母体であるデルマー・サラブレッド・クラブの事務所
に前もって申請書類を提出し、その許可(レース出馬許可)を得ないと入場は不可である。
馬の輸送にはまた空輸が使われることもある。そのためアメリカでは、馬の空輸専門会社
テックス・サットン社があり、主にフロリダ、ケンタッキー、ロスアンゼルス間の馬の空輸輸送を
行っている。現在競馬の国際レースの人気が非常に高まり(それは売上の向上を意味する)、
日本等からも有名馬がこちらに空輸されてくる。その場合は、動物検疫が勿論求められ、
アメリカ入国時にはロサンゼルス空港近郊のハリウッド・パーク競馬場の検疫施設を使い、
また日本へ帰国時にはロサンゼルス空港動物検疫所を使い、伝染病防止を義務付けている。
・厩舎エリアの各馬屋に馬は運ばれ、その後は各オーナーにより管理される。合理的馬管理の
ためには、運営母体のアレンジによる一括サービスが適切ではないかとの参加者の質問もあっ
たが、ボー氏の答えはノーであった。馬の世話から、食事提供、トレーニング、馬屋内整理等は
各オーナーが専業員を雇い管理しているとの事である。それは、オーナーにより管理の好みが
異なるからとの事でした。例えば、飼料もオーナーによってその馬の特性や好みによる餌選び
をしたいから、逆に一括サービスはなじまないとの事でした。ドーピング検査も行うがそれに反
しなければ、オーナー任せということになる。一番厄介な作業は、糞尿の始末で、これに関して
は、同クラブが一括サービスを提供している。各厩舎から各々のオーナーお抱えの作業員が
糞尿を厩舎前に出す訳だが、2,100頭からの糞尿と残余藁は数トンにおよびそれをまとめて
トラック輸送し、近郊の主にマッシュルーム栽培農家に送り出している。
・馬のトレーニングは、毎朝5時から10時まで行われている。各馬のエントリーはレース日の
2日前にジョッキーにより行われなければならない。彼らやトレーナー、作業員の宿泊施設も
同敷地内にあるが、2,000名以上のキャパシテイを有している。通常馬には馬主がおり、
ジョッキー、トレーナー、作業員等でチームを組んでいる。馬がケガ、病気に襲われた際には
軽いものや緊急であれば同施設内の簡易治療室で対応する。深刻なものは約5キロ離れた
所のハイテクで手術もできる最新設備の獣医病院で対応する。
・飼料に関しては、飼料提供会社4社が出入りしている。彼らは同競馬場と道を境に野外の
飼料置場を持ち、自社飼料を保管している(野積み)。主な飼料はわら、アルファルファ干草、
穀物、栄養補助剤である。干草や穀物もオーナーのリクエストに答えるべく各種品揃えをして
いる。各オーナーチームが飼料の発注をすると、その飼料会社が厩舎へその注文品を運搬す
る。参加者も驚いたのは、南カリフォルニア地方では夏期の間殆ど雨が降らないということから、
それら飼料がカバー無しで野積みされていたことであった。
・レーストラック内にも案内頂き、馬場の検証も行った。地面は従来の砂地でもなくターフ(芝)
でもなく最新の合成素材が使用されており、成分は砂ワックス、ゴム素材、繊維質、プラスチック
から成っていた。雨が降ると、砂地は泥状になる欠点があり、芝は柔弱化する欠点がある。
それに比べ、この新素材の合成素材は水引けも良く、雨後でもすぐ通常の状態でレースができ
る代物である。この素材は15年前イギリスで開発され、2年前程前からアメリカの競馬場でも
使用されるようになった。ちなみにこの合成素材で一番重要なのは砂質だそうで、一番適合
良質なものはシカゴ産の砂で、同競馬場もシカゴ産の砂を取り寄せているとの事でした。
・最後に参加者の質問で、レース期間は約2ヶ月だがそれ以外にこの広大な施設は遊ばせて
おくのかとの問いが出た。前述のとおり、この競馬場の土地、施設はカリフォルニア州に属して
おり、州を通じ各種催事が行われている。春にはホース・ショーと言って競走馬ではなく乗馬用
、ロデオ用の馬の売買が2ヶ月に渡って行われる。それ以外にも地元主催で銃、ボート、車、
植物等のイベントとして利用されているとの回答であった。
以 上
【視察風景】
新素材の馬場
競走馬運送用大型トレーラー
飼料会社の飼料保管場所(野積み)
⑩ Ceva Logistics
【視察先概要】
・Ceva ロジスティクス社は、世界100ヶ国以上に600箇所の倉庫、5万人の社員、2006年
度年商6,000億円以上を誇る総合ロジスティクス大企業である。
・今回の視察は同社のPoway支店で、南カリフォルニアの主要都市サンディエゴの北30キロ
程の産業地区に位置している。 同支店の業務は巨大複合企業であるGeneral Electrics
(GE)社を顧客とし、その製品を販売する巨大ホームセンター小売企業であるHome Depot社
(HD)社の消費者向けの家電デリバリーを行っている。
・同支店は、倉庫、事務所部分の勤務は10名で回しており、高収益体質となっているとのこと。
なお、運送のドライバーは、個人事業主のドライバーで現在13名が契約勤務している。
※GE社について
GE社は、製造、ファイナンス、娯楽等か数々の部門を有し、2007年財政年度年商で1,727
億ドル(約18兆円強)、純利益で222億ドル(約2兆3,000億円程)をあげる巨大企業である。
娯楽部門ではアメリカテレビ4大ネットワークの一つNBC、映画会社、テーマパーク運営の
ユニバーサル・スタジオを配下においている。ファイナンスでも全米最大規模を誇り商業融資、
個人融資、大型機器ローンやリースを行っている。
製造部門では列挙するだけでも大変な範囲に及ぶが、今回のCeveで扱う「白物」と言われる
台所や洗濯関連の大型家電またはAV(オーディオ・ビジュアル)系製品等を製造している。
※HD社について
HD社は、全米第二位の年商を誇る小売企業である。同社業態はホームセンターであり、2007
年年商は773億ドル(約8兆円強)である。店舗当り3,500坪から4,000坪の倉庫型ホーム
センターを全米、カナダ、メキシコに2,200店舗以上展開している。同社従業員総数は33万人
以上とこれまた巨大企業である。
建材から、園芸、大小道具工具、住宅内備え付け機器、各種金具まで品揃えをしている同社
だが、近年の消費者動向と市場の拡大のため、現在は大型家電の販売に注力し始めており、
Cevaのビジネスを後押ししている。
【視察概要】
・参加者の多くが、同支店のビジネスモデルに非常に興味を示しアポイント予定時間を1時間
以上も上回る視察となった。
(我々をご案内いただいた同支店業務部長カーノウスキー氏は、業務多忙にも拘らず、丁寧な
対応をしていただいた)
・Cevaビジネスの位置付けは、HD社で販売されるGE社の大型家電(冷蔵庫、洗濯機、乾燥機
、取り付け型電子レンジ等)を消費者が購入後、その商品の宅配と取り付けを行うというもの。
面白い点は、ライバルとも言える大型家電メーカーのMaytag社や韓国メーカーのLG社も
GE社のこの物流システムを利用し、Ceva社に宅配、取り付けを行ってもらっているということ
であった。きっと物流システムを支えるために量的なるマクロ経済効果を求めててのことと推測
できるが、実にアメリカ的発想である。ただCevaの顧客はGE社であり、参加者の質問で業務
で一番注意している点を聞いた時に、カーノウスキー部長は即座に以下2点について回答して
くれた。
それは、予告時間帯の配達とCS(カスタマー満足度)である。
GE社は、同社製品を購入していただいた顧客に抜き打ちに電話をかけて、製品に対する感想
や宅配、取り付けに関する満足度を調査している。
その採点は、GE社よりCeva社全体に対しても毎年出される訳だが、同社は100点満点で
97点と高評価を得ている。しかも数年続いているということで同社の品質の高さが分かる。
なお、採点対象は予告時間枠内配達項目だけではなく、配達ドライバーの服装、態度、取り付
け後の清掃にまで及んでいるとのことである。
・運送トラックは26フィート(7.8メートル)サイズ。このトラックは同社が一般乗用車のレンタル
も行うアメリカ大手レンタカー会社エンタープライズ・レンタカーからリースをしているもので、これ
を個人事業主ドライバーにサブリースするという形をとっている。ドライバーは月1,275ドル
(約13万5千円)をCeva社に支払う事になる。ただ、トラックのメンテや修理費用等はその
リース料金に含まれており、エンタープライズが必要時においてサービス提供している。
・ドライバーへの賃金は、配達件数と商品取り付け内容と件数により決まる。1件配達すると
35ドル(約3,700円)、製品を配達先で取り付けると更に取り付け賃金を支払う仕組みで
ある。取り付け料金はその製品の取り付け難易度で異なり、例えばディシュ・ウォッシャー
なら35ドル、取り付け型電子レンジであれば22ドル(約2,300円)。そうなると1件ディシュ・
ウォッシャーのデリバリーで7,000円の賃金である。これは悪くない、というより凄く良い気
がする。通常のドライバーは、そのデリバリーを一日平均13件から15件程こなすというのだ。
事業主ドライバーがCeva社に納める月間経費は前述のトラックのリース代(13万5千円)、
労災保険料900ドル(約10万円近く)、トラックの保険料(約5万5千円)の小計30万円程で
ある。また、ガソリン代は自前のため出費は増加傾向にある。現在1リットル当り130円近く
のガソリン代(ディーゼルではない車両)であると月間15万円程度になる見込み。
それにしても上記の賃金体系は良く、新米ドライバーでも2週間勤務の手取り(税引き後)
初任給で3,500ドル(約37万円)で、ドライバーが一度に払うのは困難のため、初勤務から
2週間毎の給料時に労賃の10%を預託積立として天引きされるのだ。しかしこの預託金も
3,500ドルに達した時点で天引きはストップされる。また退職時に何も問題なければ、無利子
だがこの預託金は事業主ドライバーに払い戻される。ドライバーは何らかの不備でトラックや、
商品、またデリバリー先家庭の住宅や設備に被害を与えた場合の責任を持つ。その際ドライ
バーの支払い能力が無い場合、この預託金から払ってもらう。これらを払って(ガソリン代は
除く)2週間税引き後手取りが3,500ドルなのである。その証拠として給料明細書も同部長
に見せていただき、細かく説明をいただいた。
因みに同支店でお金が欲しくて一生懸命の一番の働き頭は、2週間で8,000ドル
(約85万円)以上稼ぐとのことでした。この収入は、並みの弁護士やドクターを遥かに凌ぐ
水準である。平均的ドライバーでも2週間で5,000ドル(約52万円)程の収入とのこと。
また、大型家電が多い配達の時は、事業主ドライバーは自費で作業ヘルパーを雇うのが
普通とのことであった。その経費は、1日80ドルから120ドルと事業主により異なるとのこと。
ただ、日給を増やし動けるヘルパーを得ることは、配達効率も上がり最終的に事業主ドライ
バーにも有利となる。因みに事業主ドライバーの1日平均運転距離は80マイルから100マイ
ル(130キロから160キロ)で、平均就業時間は1日9時間から12時間とのこと。
・カーノウスキー業務部長は業務全般に関わるが、特にその中で重要なのが新米ドライバー
のトレーニングと経験が要求される「配達区別割り当て」とのこと。ドライバー・トレーニング
は座学による業務全般教授が1日、支店内にある取り付け訓練センターでの取り付け訓練に
3日から5日、そして先輩ドライバーについての同行トレーニングが2日から3日。同部長は、
一度に2名から3名を限度として座学の訓練部分を担当している。なお、ドライバーの取り付け
作業には連邦政府、州政府よりの取り付け免許証ライセンスは必要ないとのこと。
また、「配達区別割り当て」については、各ドライバーのルーティングはコンピューターでも
出せる作業であるが、「配達区別割り当て」自体は長年の経験によりできるもので、同部長は
毎朝4時に出社して翌日配送する総件数をドライバーに平等にあたる様に、上手に隣地区で
調整しながら件数割り当てを行っているとのことでした。
・倉庫へのメーカーからの納品入荷は、メーカー3社からセミ・トラックで1日総数3回から5回。
各製品梱包材にはMaterial Shipping Number (MSN、製品配達番号)のラベルが貼られて
いる。この番号には製品モデル、顧客、シリアル番号等の情報が入力されている。最初の4文字
はメーカー(GE、LG、メイタッグ別)を表し、その後に続く番号は同支店とそれら各社の取引が
始まってからの取扱い件数を表している。このMSNはGEが開発した番号システムである。
以上、残念ながら時間の関係で当日の視察は切り上げざるを得なかった。
【視察風景】
熱心に説明されるカーノウスキー業務部長(中央)
支店内取り付け訓練センター
「配達区別割り当て」作業についてマップを使っての説明
倉庫内荷捌き場
MSN、製品配達番号
返品商品
全員で記念撮影
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