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製品含有化学物質の情報伝達スキームの普及に関する調査
1 平成27年度 経済産業省委託事業 平成27年度化学物質安全対策 (製品含有化学物質の情報伝達スキームの普及に関する調査) 報 告 書 平成28年3月 一般社団法人産業環境管理協会 はじめに 化学物質によるリスクの削減が世界的潮流の一環として進められている中、欧米のみならずアジ ア諸国においても化学物質の法規制が強化されている。我が国の電機電子製品や自動車といった輸 出産業におけるサプライチェーンでは、諸外国の化学物質規制強化へ対応するため、製品中の化学 物質管理及び情報伝達が求められている。一方、サプライチェーンにおける製品に含有される化学 物質の情報伝達には未だ課題が多く、特に顧客から要求される多種多様な独自基準の様式(独自様 式)等に対応することは、川上や川中企業にとって負荷が大きく、効率的な情報伝達の妨げになっ ていることが指摘されている。 このような現状に鑑み、経済産業省では、「平成27年度化学物質安全対策(情報伝達の試行と 標準化に関する調査)」において、伝達書式やルールを共通化・標準化することを目指し新たな情 報伝達スキーム(以下「chemSHERPA」(ケムシェルパ)という。)の検討を行い、平成 27 年 10 月にその情報伝達ツール(データ作成支援ツール)の正規版が公開された。 サプライチェーンで流通している情報伝達様式としては、これまで業界標準とされた JAMP、 JGPSSI 等の様式が使われてきたが、独自様式等も 6 割以上を占めており(「平成 23 年度環境対 応技術開発等(製品含有化学物質の情報伝達の実態に関する調査)」)、chemSHERPA が普及する ためには、独自様式等を採用している企業への働きかけが重要である。 本報告書では、独自様式等を採用している企業に対してアンケート調査及びヒアリングを実施し、 chemSHERPA の導入における課題を整理するとともに、普及に向けて今後行うべき取組の検討を 行った。本事業の成果は、chemSHERPA 普及への取組として、独自様式の解消に向け解決すべき 課題を経済産業省に報告した。 事業の実施に当たっては、日本国内の企業、行政、関係諸団体に、ご理解と多大なるご協力を頂 いた。 ここに謹んで御礼申し上げる。 平成28年3月 一般社団法人産業環境管理協会 i 事業の成果概要 本事業においては、JAMP、JGPSSI、IMDS、個社の Excel ファイル等、データベース上に反 映され解析できるデータを「電子フォーマット」とし、JAMP、JGPSSI、IMDS、を標準様式、 個社の Excel ファイル等を独自様式とした。また、SDS、適合証明書、不使用証明書、分析データ などを「書類フォーマット」とし、 「独自様式等」の「等」は「書類フォーマット」を指す。 1.独自様式等に関するアンケート調査(3章) 【事業の成果】 独自様式等を採用している企業 220 社程度を対象としてアンケート調査を実施し、独自様式等を採 用している理由や chemSHERPA を導入する場合の課題等について調査した。 電子フォーマットの利用状況について調査した。自社が調達先に依頼するフォーマットは、 JAMP AIS が最も多くの会社で利用されており(58%)、独自様式も 40%が利用していた。一方、 依頼件数(約 30 万件)では、JAMP AIS が約 60%と最も高く、独自様式は 16%だった。顧客から 要求されるフォーマットでは、JAMP AIS が最も多く利用されており(75%)、独自様式は約 60% だった。一方、要求件数(約 12 万件)では、取引量の多い会社が全体に影響を及ぼしている可能 性はあるが、独自様式が約 40%と最も高く、JAMP AIS は約 35%だった。なお、JAMP AIS また は JGPSSI で調達先に依頼している企業は全体の約 60%であり、要求されている会社は約 80%だ った。 今回の調査では、全要求件数の約 80%を上位 13%の会社が占めており、調達先への依頼件数が 多い上位 8%の会社が顧客からの全依頼件数の約 80%を占めていた。これらの会社の独自様式利用 率を見ると、依頼件数の多い上位 17 社のうち、7 社が独自様式で依頼しており、要求件数の多い 上 位 28 社 の う ち、 22 社 が 独 自 様 式 で要 求さ れ て い た 。 これ ら の会 社 へ の ア プ ロー チ は chemSHERPA の普及において重要である。 次に、書類フォーマットについては、半数以上の会社が何らかのフォーマットで依頼もしくは要 求されており、証明書・宣言書の類や測定データが多く利用されていた。また、顧客から要求され る件数では、書類フォーマットが電子フォーマットの 2.5 倍となっており、サプライチェーン上、 多様な対応を迫られていることが分かった(調達先への依頼はほぼ同じ件数)。 これらの書類フォーマットをなくすための条件を聞いたところ、なくすことはできないという意 見もあったが、①川下企業が要求しない、②内外問わず全企業が同一フォーマットで調査を行う、 ③原材料メーカーが 100%の成分情報開示を行う、④公的な規制をかける等が意見として挙がって いる。いずれのやり方も困難ではあるものの、議論を重ねることは必要である。 ii 今回のアンケート調査で得られた約 114 万件について情報伝達における電子フォーマットと書 類フォーマットの利用状況を解析した(図3-13)。この結果、電子フォーマットでは、標準様 式の利用率が約 30%で独自様式の利用率は約 10%であり、書類フォーマットでは、各種証明書お よび宣言書が 25%程度、分析結果報告書(測定データ)等がそれぞれ 10%程度の利用率だった。4 年前に実施された「平成23年度経済産業省委託事業 製品含有化学物質の情報伝達の実態に関す る調査」の調査結果と今回の調査結果の差異を見ると、単純に比較はできないが、結果として電子 フォーマット(標準様式)の利用率が低下し、独自様式等が増加している傾向がある。この結果か ら推察すると、いわゆる標準様式だけでは対応できない要求項目が増えており、書類フォーマット の割合が増加した可能性が考えられる。 現時点で、独自の電子フォーマットは chemSHERPA で対応可能であるものの、書類フォーマッ トへの対応は未定である。書類フォーマットについて chemSHRPA の運用面から対応できる部分 について議論をする必要もあると思われる。 2.独自様式に関するヒアリング調査(4章) 【事業の成果】 独自様式を採用しており、サプライチェーン全体の情報伝達に与える影響が大きい川下企業を中心 に 16 社に対してヒアリングを実施し、独自様式を採用する理由、chemSHERPA を採用するため の課題等を調査した インタビューした 16 社の中で、独自様式で調査している会社は 12 社で、残りは JAMP-AIS、 JAMA sheet、様式を特定していない会社であった。 独自様式を使用する理由としては、①顧客要求が多様であるため、調達先にすべて満たせるよう な調査フォーマットを作成している、②標準フォーマットを自らの調達先が理解しなかったり、海 外取引先で普及しておらず、回答が得られないため、③製品含有化学物質の管理を早い段階から行 ってきたため、自社のやり方で管理体制が構築されている、に分類できた。独自様式の利用にあた っては、それぞれの理由があり、転換は困難であると予想される。 chemSHERPA を自社に導入するための条件、課題には、大部分の取引先から chemSHERPA で のみ調査要求が来ることがあげられたが、これには海外メーカーへの普及が含まれていた。また、 他産業の取り込みや既に構築されている自社のシステムを変更するためにかかる費用と工数の課 題も挙げられた。 次に chemSHERPA の普及について必要なものとしては、少なくとも川下の大手企業のほぼ全 部がこのスキームを利用することがもっと多く、海外メーカーへの積極的な普及活動も最重要課題 iii とした意見を多数いただいた。また、プライチェーン全体に普及・教育させる効率的な手法が必要 であるとの意見も頂いた。 3.chemSHERPA の普及に向けた検討(5章) 【事業の成果】 アンケート及びヒアリングの結果を踏まえ、独自様式等を採用している企業が chemSHERPA を 採用するために、chemSHERPA 運営組織及び経済産業省が取るべき対応等について検討を行った。 アンケートの結果より、普及について考慮しなければならない項目を以下の通り整理した。 ①大手企業に対する普及(川下、川中、川上を問わない) ・既存スキームとの差異とメリットを明確にし、継続的な活動が重要と考えられる。 ②海外企業への普及 ・言語の問題もあり、普及は一段と難しくなる。標準化に対する国際的な活動は有効な手段であ るが、大手の海外企業がどのような考え方に立っているのかベンチマークが必要と考えられる。 ③費用及び工数に対する考慮 ・特に大手企業にとって経営判断を必要とする重要な事項であるため、普及率を上げることが有 用な解になると考えられる ④他産業界との親和性の確保 ・chemSHERPA は、エリア構造を有しているが、IEC 関連企業の製品が多く使われている自動 車や玩具といった業界との協調や相互理解のための活動は今後重要であると考える。 ⑤スキームやツールのユーザビリティ ・チュートリアルの導入やプログラム上への親切ガイドなど一般の商用プログラムでは一般的な 親切設計をツールに盛り込むことは有効であると考える。 ⑥新しいスキームの継続的な維持管理体制 ・新スキームを普及、発展させるためには、運営組織の自立(安定した収益等)と継続的な活動 が重要であると考えられる。 iv 目 次 第1章 事業の背景と目的 .................................................................................................................... 3 1.1 事業の背景 ............................................................................................................................... 3 1.2 事業の目的 ............................................................................................................................... 3 第2章 事業の概要および実施工程 ...................................................................................................... 4 2.1 事業の概要 ............................................................................................................................... 4 (1) 独自様式等に関するアンケート調査 ................................................................................ 4 (2) 独自様式等に関するヒアリング調査 ................................................................................ 4 (3) chemSHERPA の普及に向けた検討................................................................................ 4 2.2 事業の実施工程 ........................................................................................................................ 4 第3章 独自様式等に関するアンケート調査 ....................................................................................... 5 3.1 事業の実施内容と方法 ............................................................................................................. 5 (1) アンケート調査手法 ......................................................................................................... 5 (2) アンケート調査項目 ......................................................................................................... 5 3.2 調査の結果および考察 ............................................................................................................. 6 (1) データベース上に展開できる書式について ..................................................................... 7 (2) データベース上に展開できない書式について ............................................................... 13 (3) chemSHERPA 導入への課題と普及策........................................................................... 17 (4) 結果の考察 ...................................................................................................................... 19 第4章 独自様式に関するヒアリング調査 ......................................................................................... 23 4.1 事業の実施内容と方法 ........................................................................................................... 23 (1) 調査対象企業 .................................................................................................................. 23 (2) インタビューの実施 ....................................................................................................... 24 4.2 事業の結果および考察 ........................................................................................................... 24 (1) 独自様式について ........................................................................................................... 24 (2) chemSHERPA 導入への課題及び考え方 ....................................................................... 25 第5章 chemSHERPA 普及に向けた検討 ......................................................................................... 26 5.1 普及に向けて考慮しなければならない項目 .......................................................................... 26 5.2 対応方法の方向性 .................................................................................................................. 26 (別紙)アンケート調査項目 1 本報告書に関係する主な略称と正式名称および呼称 本文中で使用する 正式名称・呼称 主な略称 JAMP アーティクルマネジメント推進協議会 JAMP-AIS JAMP アーティクルインフォメーションシート JAMP-MSDSplus JAMP-MSDSplus IMDS 国際材料データシステム JAMAsheet JAMA/JAPIA 統一データシート JGPSSI グリーン調達調査共通化協議会 IEC 国際電気標準会議 2 第1章 事業の背景と目的 1.1 事業の背景 化学物質によるリスクの管理が世界的潮流として進められ、欧米のみならずアジア諸国において も化学物質の法規制が強化されている。我が国の電気電子製品や自動車といった輸出産業における サプライチェーンでは、諸外国の化学物質規制強化へ対応するため、製品中の化学物質管理及び情 報伝達への対応が求められている。 一方、サプライチェーンにおける情報伝達には未だ課題が多く、特に顧客から要求される多種多 様な独自基準の様式(独自様式)等に対応することは、川上、川中企業にとって負荷が大きく、効 率的な情報伝達の妨げになっていることが指摘されている。このような現状に鑑み、経済産業省は 「平成27年度化学物質安全対策(情報伝達の試行と標準化に関する調査)」において、伝達書式 やルールを共通化・標準化することを目指し新たな情報伝達スキーム(以下「chemSHERPA」 (ケ ムシェルパ)という。 )の検討を行い、平成 27 年 10 月にその情報伝達ツール(データ作成支援ツ ール)の正規版が公開された。 本事業においては、JAMP、JGPSSI、IMDS、個社の Excel ファイル等、データベース上に反 映され解析できるデータを「電子フォーマット」とし、JAMP、JGPSSI、IMDS、を標準様式、 個社の Excel ファイル等を独自様式とした。また、SDS、適合証明書、不使用証明書、分析データ などを「書類フォーマット」とし、 「独自様式等」の「等」は「書類フォーマット」を指す。 1.2 事業の目的 サプライチェーンで流通している情報伝達様式としては、業界標準として IT システムに対応し た様式(JAMP、JGPSSI 等)があり、これらを使用している企業は、chemSHERPA の導入を検 討する段階に至っている。他方、独自様式等の割合は6割以上を占めており(「平成 23 年度環境 対応技術開発等(製品含有化学物質の情報伝達の実態に関する調査)」)、chemSHERPA が普及す るためには、独自様式等を採用している企業への働きかけが重要である。本事業では、独自様式等 を採用している企業に対してアンケート調査及びヒアリングを実施し、chemSHERPA の導入にお ける課題を整理するとともに、普及に向けて今後行うべき取組の検討を行うことを目的とした。 3 第2章 事業の概要および実施工程 2.1 事業の概要 (1) 独自様式等に関するアンケート調査 独自様式等を採用している企業 100 社程度を対象としてアンケート調査を実施し、独自様式 等を採用している理由や chemSHERPA を導入する場合の課題等について調査した。なお、ア ンケートの対象企業や調査項目については、経済産業省と調整を行い決定した。 (2) 独自様式等に関するヒアリング調査 サプライチェーン全体の情報伝達に与える影響が大きい川下企業を中心に 16 社に対してヒア リングを実施し、独自様式等を採用する理由、chemSHERPA を採用するための課題等を調査 した。なお、ヒアリングを行う企業やヒアリング項目については、経済産業省と調整を行い決定 した。 (3) chemSHERPA の普及に向けた検討 (1)及び(2)の結果を踏まえ、独自様式等を採用している企業が chemSHERPA を採用す るために、chemSHERPA 運営組織 及び経済産業省が取るべき対応等について検討を行った。 2.2 事業の実施工程 本事業は、平成27年12月25日から平成28年3月31日まで実施した。独自様式等に関 するアンケート調査は平成28年1月から2月にかけてWEBアンケートページを開設し回答 を収集した。 「独自様式等に関するヒアリング調査」については、対象企業の選定、対象企業の 承諾と日程伺い、調査員の調整、およびインタビュー項目の設定等の必要な準備を整えた上で、 事業開始より~平成28年2月に関東・中京・関西、東北の企業を対象に調査を実施した。 4 第3章 独自様式等に関するアンケート調査 【事業の流れ】 本事業の全体像および本章における調査の流れと範囲は図3-1の通りである。 図3-1 本事業における調査の流れ(3章) 3.1 事業の実施内容と方法 (1) アンケート調査手法 アンケート調査は、化学物質管理に興味を持つと考えられている当協会のメーリングリスト掲載 企業(当協会の会員企業、セミナー参加企業、JAMP 会員企業等を含む)に周知し、WEB回答形 式にてアンケートに回答いただいた(回答先 URL:https://jp.research.net/r/CIPSC2015)。調査期 間は平成28年1月から2月までの2か月間とした。収集したデータは項目ごとに整理し、解析を 行った。 (2) アンケート調査項目 今回のアンケートは、平成26年3月に取りまとめられた「製品含有化学物質の情報伝達スキー ムの在り方について」においても引用されている、「平成23年度経済産業省委託事業 製品含有 化学物質の情報伝達の実態に関する調査」において示されている「情報伝達スキームの利用状況」 (図3-2)についての検証も一部含まれている。アンケートの調査項目は別紙のとおりである。 平成23年度の報告においては、「その他(独自様式等)」が 64%を占めており、いわゆる標準 化されたツールである JAMP、JGPSSI、IMDS の顧客からの要求割合が少ないことが示されてい る。しかしながら、調査から 4 年が経過していること、データベース上に展開できるフォーマット 5 と適合証明書のような書類との区別がないこと、情報伝達においては複数の様式が併用されている こと等に鑑みて今回のアンケート内容、項目を決定している。 図3-2 情報伝達スキームの利用状況 3.2 調査の結果および考察 今回のアンケートに回答を頂いた企業(220 社)のサプライチェーン上の属性は、設問3-3「サ プライチェーンにおける貴社(部門)の事業はどの位置になりますか?(複数回答可能)」で分類して いる。表3-1にこの結果を示す。 表3-1調査回答企業のサプライチェーン上の位置 ①原材料の製造・輸入業 ②購入した原料から次工程での材料を生産している ③購入した原料・材料を加工し、次の加工事業者に供給 ④購入した原料・材料を加工し、最終製品の部品を供給 ⑤購入した部品を組立て、最終製品を生産している ⑥その他 (具体的に) 回答なし 6 11 26 30 52 66 19 64 その他に記載されている企業は、流通、商社などのほか、特殊な材料の製造加工業者が含まれて いる。この後の解析では、①、②、⑥を除いた③、④、⑤の企業を加工、組立として解析してあり、 その数は全回答数 220 社中、121 社である。 (1) データベース上に展開できる書式について 平成23年度調査においては、JAMP、JGPSSI、IMDS、個社の Excel ファイル等、データベ ース上に反映され解析できるデータ(以下「電子フォーマット」とする。)と、適合証明書、不使 用証明書、分析データなど(以下「書類フォーマット」とする。)のいわゆる書類として取り扱わ れるものが区別はされていなかった。今回、設問1-1(a)および(b) 、設問1-2(a)および (b)において、調達先に要求する場合と顧客から要求されるこれらのデータについてアンケート を行った。アンケートの意図としては、項目の①から⑥までが電子データ、⑦に「その他(具体的 に)」として書類データを回答してもらうつもりであった。しかしながら、設問2以降に、書類デ ータのみの設問を行ったために、⑦への回答が意図とは異なり、不正確になっていることが判明し ている。このため、⑦への回答項目は、この項の解析では除外している。 表3-2は、設問項目1-1(a)の回答結果であり、自社が調達先にどのような電子データを 依頼しているかを聞いたものである。複数のフォーマットを併用している場合が存在するので、数 値は 100%を超える。 表3-2 調達先への電子フォーマットの使用割合(会社数ベース) 設問1-1(a) ①JAMP-AIS ②JAMP-MSDSplus ③JGPSSI ④JAMA sheet / IMDS ⑤独自様式 ⑥自社のWEBシステム 全回答 (全220社) 128 110 48 38 88 5 使用率 58.2% 50.0% 21.8% 17.3% 40.0% 2.3% 加工組み立て (全121社) 使用率 81 66.9% 56 46.3% 28 23.1% 22 18.2% 54 44.6% 1 0.8% 使用されている電子フォーマットは、JAMP-AIS で加工組み立てにおいては 60%を超え、全回 答の中でも 50%を超える。次に多いのが、JAMP-MSDSplus で調査依頼するものが化学品の場合 に使用されていると考えられる。また、特徴的なのが独自様式の電子フォーマット(通常 Excel の 表やシート)も 40%程度使用されているという事実である。回答数の合計は、対象の会社に対し て、全回答ベースであっても加工組み立ての範囲においても 190-200%であり、1 社平均ほぼ 2 種 類のフォーマットを使用していることになる。 7 一方、あまり使用されていない JGPSSI および JAMA sheet/IMDS は、それぞれ、20%前後で ある。特に、自動車業界に特有の JAMA sheet/IMDS は、自動車業界と取引がない場合は、おのず と調達先への依頼もないと考えられる。 図3-3、図3-4は、設問項目1-1(b)の回答を示す。ここでは社数ベースではなく、電 子フォーマットを件数ベースで 1 年間どの程度、調査を依頼しているかまとめたものである。図3 -3は、全回答をベースに、図3-4は、加工組み立てからの回答をベースに作成している。 注意しなければならないのは、1 件と数えている単位である。設問上は依頼件数を聞いているが、 1 件を依頼回数として回答している場合、1 件の中に部品や材料として何種類もの内容を聞いてい る可能性がある。従って、部品や材料ベースでいえばより数が大きくなる可能性はあるが、全体の 傾向を解析することに支障はないと考える。 件数ベースにおいても、多く使われている電子フォーマットは、JAMP-AIS であり、約 60%を 占める。一方、JAMP-MSDSplus は依頼件数ベースでは少なく、特に加工組み立て系では 2%以下 の件数である。JGPSSI は、件数ベースにおいては、独自様式の電子フォーマットと同等であり、 一定量を占めている。JAMA sheet/IMDS は、件数ベースで 2%程度であった。 図3-3 調達先に依頼する電子フォーマット(全回答) 8 図3-4 調達先に依頼する電子フォーマット(加工組み立て) 表3-3は、設問項目1-2(a)の回答結果であり、自社が顧客から要求される電子フォーマ ットについて、会社ベースでまとめたものである。 表3-3 顧客からの電子フォーマットの使用割合(会社数ベース) 設問1-2(a) ①JAMP-AIS ②JAMP-MSDSplus ③JGPSSI ④JAMA sheet / IMDS ⑤独自様式 ⑥顧客のWEBシステム 全回答 (全220社) 165 87 111 93 130 73 使用率 75.0% 39.5% 50.5% 42.3% 59.1% 33.2% 加工組み立て (全121社) 使用率 98 81.0% 30 24.8% 61 50.4% 51 42.1% 71 58.7% 43 35.5% 顧客から要求される電子フォーマットの使用割合は、いずれのフォーマットにおいても、自社が 調達先に依頼するフォーマットより高い傾向にある。JAMP-AIS は、使用率 75%であり、加工組 み立てにおいては 80%を超える。独自様式も 60%程度使用されており、JGPSSI も 50%程度使用 されている。一方、JAMP-MSDSplus は、40%以下であり、加工組み立てにおいては 30%を下回 っている。これは、調達先への調達依頼とは対照的である。より上流に依頼する場合、 9 JAMP-MSDSplus で依頼する割合が増えると予想される。また、顧客の WEB システムへの入力 要求が 1/3 の会社で要求されていると回答しており、川下側における、IT 化が見受けられる。 図3-5、図3-6には、設問項目1-2(b)の回答を示す。これらは、自社が顧客から要求される電子フォ ーマットについて件数ベースでまとめたものである。件数ベースで顧客から依頼されるフォーマットは、独自 調査票が最も多く約 40%を占め、これは調達先に依頼しているフォーマットにおいては、JAMP-AIS が 60%を占めることとかなり異なっている。続いて、JAMP-AIS が 35%、JGPSSI、JAMA sheet/IMDS が それぞれ約 9%である。比率で言えば、JGPSSI は顧客からの要求割合は少ないが、調達先への依頼の 割合は多い。一方、JAMA sheet/IMDS は、顧客からの要求割合は多いが、調達先への依頼の割合は少 ない。更に、調達先に依頼する件数は、顧客より要求される件数の約 2.5 倍になっていることにも 注目しなければならない。これは、顧客からの要求に答えるために、調査がサプライチェーン上を 上流側へ流れる際に拡散していくことを意味している。 図3-5 顧客から要求される電子フォーマット(全回答) 10 図3-6 顧客から要求される電子フォーマット(加工組み立て) 次に、図3-7、図3-8には、回答企業ごとの依頼する件数、要求される件数を基にパレー ト図を作成したものを示す。パレート図は、全件数に対応するもののみを示してある。図3-7を 見ると、調達先への依頼件数の多い上位 8%のアンケート回答企業による依頼は、全依頼件数の 80%を超える。全依頼件数の 90%を超えるのは、上位 16%の会社による依頼である。一方、図3 -8によれば、顧客からの要求では、全要求件数の 80%を超えるのは、上位 13%であり、調達先 への依頼より分散傾向にある。全要求件数の 90%を超えるのは、上位 24%の会社への要求である。 chemSHERP の普及において、要求・依頼件数の多い企業で独自様式を利用している会社へのアプ ローチは重要と考える。 11 図3-7 調達先への依頼件数のパレート図 図3-8 顧客からの要求件数のパレート図 12 (2) データベース上に展開できない書式について データベース上に直接展開できない、SDS や不使用証明書、分析結果などは、書類フォーマット と呼称することは前述した(コンフリクトミネラル調査票も便宜的にこちらに分類してある)。 表3-4は、設問2-1(a)の回答結果であり、自社が調達先にどのような書類データを依頼 しているかを聞いたものである。①SDS から⑥自主基準あるいは特定業界基準による個別の禁止物 質リストまで、ほぼすべての書類フォーマットが 60~40%の会社で使用されており、調査される 側は多様な対応を迫られることが判る。特に、加工組み立てにおいては、すべての書類フォーマッ トで使用率が全体比率より高くなっている。 表3-4 調達先への書類フォーマットの使用割合(会社数ベース) 設問2-1(a) ①SDS(成分情報の代わりとして求められる場合) ②不使用証明書・不使用宣言書 ③非含有証明書・非含有宣言書 ④分析結果報告書(測定データ) ⑤コンフリクトミネラル調査票 全回答 (全220社) 124 126 103 102 86 使用率 56.4% 57.3% 46.8% 46.4% 39.1% 58 30 26.4% 13.6% ⑥自主基準あるいは特定の業界基準による個別の 禁止物質リスト ⑦その他(具体的に ) 加工組み立て (全121社) 使用率 76 62.8% 90 74.4% 63 52.1% 71 58.7% 58 47.9% 38 18 31.4% 14.9% 表3-5 顧客からの書類フォーマットの使用割合(会社数ベース) 設問2-2(a) ①SDS(成分情報の代わりとして求められる場合) ②不使用証明書・不使用宣言書 ③非含有証明書・非含有宣言書 ④分析結果報告書(測定データ) ⑤コンフリクトミネラル調査票 全回答 (全220社) 110 147 133 111 121 使用率 50.0% 66.8% 60.5% 50.5% 55.0% 83 31 37.7% 14.1% ⑥自主基準あるいは特定の業界基準による個別の 禁止物質リスト ⑦その他(具体的に ) 加工組み立て (全121社) 使用率 61 50.4% 96 79.3% 84 69.4% 71 58.7% 80 66.1% 53 23 43.8% 19.0% 一方、表3-5は、設問2-2(a)の回答結果であり、自社が顧客からどのような書類フォー マットで要求が来ているかを会社ベースで聞いたものである。ほぼすべての書類フォーマットが 50%から 65%の会社で要求されており、調達先に依頼するものほぼ同様の傾向にあるが、SDS 以 外は顧客からの要求を受ける割合の方が高い。調達先への依頼同様、加工組み立てにおいては、す べての書類フォーマットで要求される割合が全体比率より高くなっている。 図3-9、図3-10は、設問項目2-1(b)の回答を示す。こちらは、書類フォーマットを 件数ベースで 1 年間どの程度、調達先に調査依頼しているかをまとめたものである。図3-9は、 全回答をベースに、図3-10は、加工組み立ての回答をベースにグラフ化したものである。 13 図3-9 調達先に依頼する書類フォーマット(全回答) 図3-10 調達先に依頼する書類フォーマット(加工組み立て) 14 図3-9から最も多く使用されている書類フォーマットは、証明書、宣言書の類である。次に多 いのが、測定データであり、現在でも約 20%を占めている。コンフリクトミネラルやその他の項 目もそれぞれ 10 数%の割合を占めている。会社数ベースではどれも 50%内外の割合で調査してい ることを考えると、このように書類フォーマットが件数ベースでも分散することは、理解できる。 一方、図3-10から加工組み立てにおいては、その他の項目の割合が極端に少なくなっており、 証明書、宣言書が多くなっている。 図3-11、図3-12は、設問項目2-2(b)の回答を示す。書類フォーマットを件数ベー スで1年間顧客からどの程度要求されているかをまとめたものである。図3-11は、全回答をベ ースに、図3-12は、加工組み立ての回答をベースにグラフ化したものである。顧客から要求さ れる書類フォーマットは、その種類に関わらず 15%前後であり、すべての書類フォーマットが万 遍なく使われている。また、その割合は、全回答と加工組み立てでほぼ変化はない。また、書類フ ォーマットにおいても調達先に依頼する件数は、やはり顧客から要求される件数よりは多いが、電 子フォーマットとくらべて極端な差ははなく、1.3 倍程度である。 今回アンケートに回答を寄せた 220 社における年間の電子フォーマット件数と書類フォーマッ ト件数は、調達先に依頼する場合、電子フォーマットが約 30 万件に対して書類フォーマットが約 40 万件であり、顧客から要求される場合は、電子フォーマットが約 12 万件に対し、書類フォーマ ットは約 31 万件である。 図3-11 顧客から要求される書類フォーマット(全回答) 15 図3-12 顧客から要求される書類フォーマット(加工組み立て) 次に質問2-3、「設問2-1(a)の調達先への調査依頼で「情報伝達様式以外に依頼している書類や資 料がある」とお答えいただいた方にお聞きします。これらの書類や資料の依頼が不要となる条件がありまし たら、どの書類等についてどのような条件が整えば不要となるかお答えください。」では、さまざまな回答が 寄せられた。また 97 社が回答しており関心が高いことが伺える。 回答の内容を大きく分けると、以下の様に分類できる。 ①不要になる条件が見当たらない 理由が書いていない場合も多いが、「情報伝達を補うものとして必要」、「調査目的が違うので無理」との 意見もあった。これは、現状のオペレーションが書類フォーマット無にはできていないことを示している。 ②顧客が書類フォーマットを要求しないこと 多くを占める回答であるが、現実的に海外も含めた業界内での合意と考え方の統一をしなければ実現 できないものである。 ③調査フォーマットが業界で合意され、国内外で「必ずこれだけが聞かれる」という統一化がなされる 調査フォーマットに規制が網羅されている必要があるとの意見や、各国規制も統一されていなければ難 しいとの意見もあった。 ④原材料メーカーが 100%成分の情報を開示してくれれば不要になる 企業秘密やノウハウの問題もあり容易ではない。 16 ⑤公的な規制を求める 法制化、通達、政府が保持するデータベースなど、いわゆる情報伝達の手段に何らかの形で縛りを入れ てもらえればというものである。 回答であった書類フォーマットを無くすあるいは減少させる条件は、①を除き効果があると考えられるが、 実現するためには高い障壁がある。業界において、特に川下側が議論を重ね、情報伝達に関するより詳 細なガイドラインを提示し、川上側においてもより詳細な情報開示のガイドラインを提示する等の手法をとっ ていくことが重要である。例えば②と③を両方実現するための議論などを重ねていく必要があると考えられ る。また、不必要な証明書の入手や分析を求めないよう、製品含有化学物質の管理に対する考え方を広 め、より理解を深めるための教育プログラム等を用意することが重要と考えられる。 (3) chemSHERPA 導入への課題と普及策 表3-6は、設問1-3独自様式を利用する理由についての回答を示したものである。 表 3-6独自様式を利用する理由 設問1-3 ①既存の標準様式が使いにくい、自社あるいは調達先が理解できない ②国内の顧客が標準様式以外の様式で要求してくる ③海外の顧客が標準様式以外の様式で要求してくる ④自社の取り扱う部品点数が非常に多い ⑤その他(具体的に ) 空白セル 28 41 5 4 35 107 この設問に関しては、アンケート回答会社の約半数の 107 社は、無回答であった。この設問は、 最も大きい理由を一つだけ選択する形になっている。回答された中で最も多い答えは、「②国内の 顧客が標準以外の様式で要求してくる」で回答を記入した会社(113 社)のほぼ 1/3 である。顧客 の要求が、標準様式では対応できないことが多いことがうかがえる結果となっている。一方、「① 既存の標準様式が使いにくい、自社あるいは調達先が理解できない」という答えも 1/4 を占めてお り、大きな要因となっている。 また、 「⑤その他(具体的に) 」も大きな要因となっているが、その内容を見てみると「①既存の 標準様式が使いにくい、自社あるいは調達先が理解できない」、 「②国内の顧客が標準以外の様式で 要求してくる」に対応するであろうものも多い。それ以外のものとしては、「SVHC のみの調査を すると回答が早い」 「自社が調査したい項目をカバーしていない」 「自社のシステムやコード体系に 当てはめるため」 「簡易書式での確認だけにしているから」 「不使用証明を取るため」のなどがある。 最後の 2 項は、電子フォーマットではない内容である。 表3-7は、設問1-4の独自様式を使用している会社が chemSHERPA へ移行する際の課題に ついての回答を示したものである。この設問は、設問1-3同様最も大きい課題を一つ選択する形 式になっている。 17 表3-7 chemSHERPA へ移行する際の課題 設問1-4 ①特に課題はない ②大部分のメーカーからchemSHERPAでのみ調査要求が来る ③海外メーカーがchemSHERPAを受け入れてくれる ④教育・普及が事務局等により積極的に行われる ⑤その他(具体的に ) 空白セル 14 38 13 16 29 110 この設問に関しても、回答会社の半数の 110 社は無回答であった。以降に必要な要素の最大のも のは、「②大部分のメーカーから chemSHERPA でのみ調査要求が来る」である。これは、ある程 度予想できた結果であるが、これは普及と調査要求の兼ね合いの問題となる。それ以外の「①特に 課題はない」 「③海外メーカーが chemSHERPA を受け入れてくれる」 「④教育・普及が事務局等に より積極的に行われる」は、ほぼ同等の割合であった。 回答が 2 番目に多い「⑤その他(具体的に ) 」であるが、ここは、各社が考えている色々 な意見が記載されている。例としては、 「マニュアルの簡素化」 、 「サプライチェーン全体への教育」 、 「システム取り込みやインフラ未整備に対する不安」、「重すぎて使い物にならない」、 「JAMP と JGPSSI を統合しただけの妥協の産物でなく本当に情報伝達スキームとして使えるようになり国際 競争力に資するようにする」などがある。 一方「chemSHERPA について理解していない」、「初めて聞いた」、「調達先に認識がなかった」 など現時点では当然の結果ではあるが、周知や普及の不足による回答も「⑤その他(具体的に)」 中では大きな割合を占めている。また、「すべての業界や海外メーカーは使わないであろう」 、「末 端まで浸透しないだろう」というような、大きな課題を挙げている会社も比較的多い。その他「不 使用保証書がなくならない限り chemSHERPA だけというのはあり得ない」 、「法規制で義務化す る」、「化学物質について CAS No.で 100%回答してもらう」という回答もあった。 表3-8は、設問1-5の chemSHERPA が普及するためには何が必要か、に対する回答をまと めたものである。この設問は、複数回答が可能となっている。 この設問への回答では、 「①川下の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する」および「②川 上・川中の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する」の両回答は、全回答社数の約 70%が必 要だと感じており、最も優先度が高い。次に、多いのが「⑤海外メーカーへの積極的な普及活動」 であり、サプライチェーンの情報伝達の上では、避けては通れないことが判る。そして、「③ホー ムページでの情報開示や動画コンテンツなど説明資料が豊富に用意される」、 「④充実した相談窓口 の設置と教育・普及が事務局等により積極的に行われる」といったサポート業務の充実でも、45% が必要と感じている。また、 「⑦その他」には、多様な意見が記載されている。 18 表3-8 chemSHERPA の普及に必要なもの 設問1-5 ①川下の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する ②川上・川中の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する ③ホームページでの情報開示や動画コンテンツなど説明資料が豊富に用意される ④充実した相談窓口の設置と教育・普及が事務局等により積極的に行われる ⑤海外メーカーへの積極的な普及活動 ⑥汎用原材料のDBなど答えるためのサポート手段が用意される ⑦その他(具体的に ) 153 160 94 99 105 74 73 例としては、「ツールソフトの無料提供」、「法的な義務化」、「システム変更の負荷を緩和する措 置(補助金)」、 「全企業のこのスキームへの統一」 「業界の枠を越える、他産業(例えば自動車)と の連携」 「軽くて使いやすいツール」 「規制変更への素早い対応」 「情報の共有化」 「企業秘密情報の 確保」等々であり、お互いに矛盾を生じるであろう回答も多い。 (4) 結果の考察 設問1-1(b)および設問1-2(b)において⑦その他(具体的に)のデータを解析に供しな かったのは、以下の理由による。この項目は、電子フォーマット以外の情報提供について答えても らう意図で作成していたが、この項目の件数は、設問1-1(b)で約 15 万件、設問1-2(b) で約 3 万 7 千件であった。一方、書類フォーマットに関する設問2-1(b)、2-2(b)で回答 された件数は、それぞれ約 40 万件と約 31 万件であった。また、設問1-1(b)および設問1- 2(b)で⑦その他(具体的に)が空欄であったにもかかわらず、設問2-1(b)、2-2(b)に 回答がある企業が 50 社を超えていたため、設問1-1(b)および設問1-2(b)において⑦そ の他(具体的に)のデータの信頼性が低いと判断した。 表3-2 調達先への電子フォーマットの使用割合(会社数ベース)と表3-3 顧客から要求 の電子フォーマットの使用割合(会社数ベース)を比較すると JAMP MSDSplus 以外は、顧客か らの要求より調達先への使用割合が減少している。特に、JGPSSI と JAMAsheet/IMDS、WEB へ の入力は減少する割合が大きい。JGPSSI と JAMAsheet/IMDS は最上流までオリジナルの形で伝 達されている可能性は低いということになる。また、WEB へ入力させることも上流へ行くと極端 に減っていく。 一方、電子フォーマットの流通割合(件数ベース)で見た場合(図3-3および図3-5)、調 達先への依頼が 2.5 倍になっているため、一概に比較できないが、顧客からの要求よりも割合が増 えているのは、JAMP-AIS と JGPSSI である。一方、独自様式と JAMAsheet/IMDS はかなり減 っている。会社数ベースおよび件数ベースの結果から、顧客からの要求はいろいろ来るが、調達先 にはある種の集約をかけてなるべく統一化、簡素化して依頼しようとしている傾向が見えてくる。 ただ、自社の立場を考えた場合、顧客からの要求はより厳しめに考え(たとえばほんの少しでも違 えば独自フォーマットとして考えてしまう)、調達先への依頼は緩めに考えている可能性があるこ とには注意しなければならない。 19 次に電子フォーマットの加工組み立てのみの企業を切り分けた場合の違いであるが、全体的な傾 向は、ほぼ全企業の回答と違いはない。加工組み立ての場合、顧客からの要求も、調達先への依頼 も JAMP-AIS の割合が多く、JAMP-MSDSplus が少なくなっている程度である。これは、加工組 み立てでは成形品を取り扱う場合が多いので順当な結果である。 図3-7、図3-8のパレート図は、情報伝達の総件数の大部分は上位 10-20%の企業で占めら れており、この部分が共通化されれば、自然と全体が共通化に向かうであろうということを示唆し ている。一般に言われている 2 割で 8 割よりも 8 割までの到達に占める企業の割合は少なく、立ち 上がりが急峻である。 書類フォーマットは、調達先への依頼は、各種証明書、宣言書が大きな割合を占めており、これ らの書類を自らのグリーン調達基準への担保として機能させている様子がうかがえる。一方、調達 先への依頼として測定データの提出は、未だに相当数が残っていることもわかる。顧客から要求だ けでなく、自らの担保としても依頼している可能性がある。分析による測定データは、コスト的に 大きな負担となることが予想されるため、少ないほど良いと考えられるがリスクとの見合いによっ て現在の形になっていると考えられる。 問1-3の独自様式を利用する理由においては、②国内の顧客が標準様式以外の様式で要求して くる、①既存の標準様式が使いにくい、自社あるいは調達先が理解できないが二つの大きな理由で あり、電子フォーマットについては、統一化が望まれるとともに、ツールそのものについては、い かに分かりやすく使いやすいものにしていくかが重要である。 問1-4の chemSHERPA へ 移 行 す る 際 の 課 題 に お い て は 、「 大 部 分 の メ ー カ ー か ら chemSHERPA でのみ調査要求が来る」が多いのは当然であるが、既存のフォーマットも存在する 中で、これから普及を図る chemSHERPA においては、何らかの強力な推進力が必要である。賛同 企業の募集のほかに、工業会に働きかけるなど可能な限りの方策をとる必要がある。 問1-5の chemSHERPA の普及についての設問において特徴的なのは、「海外メーカーへの積 極的な普及活動」の割合が高くなっていることである。海外の企業には、日本発である JAMP も JGPSSI もそれほど普及率は高くない。これは、現在のサプライチェーンにおいて海外企業との取 引は避けて通れず、この点に各社が苦労していることを反映していると考えられる。海外への普及 は、日本発の電子フォーマット普及の上では、最大の課題の一つであるので、デジュール・スタン ダード化(国際標準化) 、デファクト・スタンダード化を含め、考えうるあらゆる手段をとるべき と考える。 今回のアンケート調査で得られた約 114 万件について情報伝達における電子フォーマットと書 類フォーマットの利用状況を解析した(図3-13)。この結果、電子フォーマットでは、標準様 式の使用率が約 30%で独自様式の使用率は約 10%であり、書類フォーマットでは、各種証明書お よび宣言書が 25%程度、分析結果報告書(測定データ)等がそれぞれ 10%程度の利用率だった。 現時点で、独自の電子フォーマットは chemSHERPA で対応可能であるものの、書類フォーマット への対応は未定である。今回の母集団における調査では、chemSHERPA の対象となる独自フォー マットは全体の 10%だった。 4 年前に実施された「平成23年度経済産業省委託事業 製品含有化学物質の情報伝達の実態に 関する調査」では、中小企業を対象に顧客から要求されるフォーマットの利用状況を調査しており、 標準フォーマット(JAMP, JGPSSI, JAMA sheet/IMDS)が 4 割、独自フォーマット(それ以外の 20 電子フォーマットあるいは書類フォーマット等)が 6 割であるとの報告している (図3-2)。平 成23年度の調査結果と今回の調査の結果を比較するため、図3-13から顧客からの要求件数の み抽出し利用状況を整理した(表3-9) 。平成23年度の調査対象が中小企業に限られているの に対し、本調査では大企業の情報も含まれている点や、「独自様式」の取り扱い方が異なる可能性 もあるので単純に比較することはできいないが、結果として電子フォーマットの利用率が低下し、 独自フォーマット(電子および書類フォーマット)が増加している傾向がある。この結果から推察 すると、いわゆる標準様式だけでは対応できない要求項目が増えており、書類フォーマットの割合 が増加した可能性が考えられる。 図3-13 情報伝達の利用状況 21 表3-9 顧客から要求されている情報伝達フォーマットの比較 項目 標準フォーマット 平成23年度調査 (164社) JAMP JGPSSI JAMA sheet/IMDS % 36 受領・提供側独自様式 45 分析データ その他 16 3 独自フォーマット 今回調査(220社:約43万件) JAMP JGPSSI JAMA sheet/IMDS 独自の電子フォーマット SDS 証明書・宣言書 自主基準の物質リスト 測定データ その他 (注意点) ・H23 年度の「受領側」とは顧客をさし、 「提供側」とは当該企業を指すと想定している。 ・H23 年度の提供側独自様式に該当する部分が今回調査ではないが、解析では項目として除外していない。 ・H23 年度の調査は中小企業を対象としているが、今回の調査は中小企業だけを対象としていない。 ・今回の調査の「WEB システムに直接入力する」場合は独自の電子フォーマットとしている 22 。 % 17 12 43 10 18 第4章 独自様式に関するヒアリング調査 【作業の流れ】 本事業の全体像および本章における調査の流れとは範囲は図4-1の通りである。 図4-1 本事業における調査の流れ(4章) 4.1 事業の実施内容と方法 (1) 調査対象企業 経済産業省の過去の委託事業や当協会の自主事業により得られた情報から、独自様式を利用して いると推定できる企業にヒアリング調査を依頼した。依頼企業は、サプライチェーン全体の情報伝 達に与える影響が大きい川下企業を中心とし経済産業省と調整を行い決定した。ヒアリング調査を 依頼した企業は 16 社で、そのサプライチェーン上での位置と社数は表4-1の通りである。 表4-1ヒアリング企業のサプライチェーン上での位置 最終製品製造企業 電子部品製造企業 材料製造企業 商社 6社 4社 4社 2社 23 (2) インタビューの実施 インタビューは、事前に図4-1のインタビュー協力依頼およびアンケート内容を送付し、当事 業従事者及び外部有識者が訪問して実施した。インタビュー時間は、おおよそ各企業 1-2 時間程度 であった。 4.2 事業の結果および考察 インタビューした16社の中では、製品含有化学物質の情報伝達で調達先への依頼、もしくは顧 客からの要求とも直近で年間 1,000 以下なのは 2 社のみであった。 残りの 14 社は少なくとも 1,000 以上、多いところでは 10 万以上の電子フォーマットでの情報授受が行われている。 (1) 独自様式について インタビューした 16 社の中で、独自様式(独自の電子フォーマット)で調査している(他フォ ーマットとの併用も含む)は 12 社で、残りは JAMP-AIS 1 社、JAMA sheet 1 社、様式を特定 していない会社 2 社であった。 独自の電子フォーマットを使用する理由としては、大きく 3 つに分けることができる。一つ目は、 顧客要求が多様であることから、それぞれへの回答を作り出すために自らの調達先には、それらを すべて満たせるような調査フォーマットを独自に作成しているというものである。この方式を採る ところは、複数の産業界(電機・電子、自動車、玩具他)と取引があり、自社製品数も多い。この ようにして調査した情報は、データベース内に蓄えられ、依頼に応じて標準フォーマットへ展開さ れたり、顧客固有の要求に対応したりすることが可能となっている。 二つ目は、 JAMP-AIS や JAMAsheet 等の標準フォーマットを自らの調達先が理解しなかったり、 海外取引先ではこれらのフォーマットが普及していなかったりするために、回答が得られない場合 に使用するものがある。このための独自フォーマットは、通常、単純な Excel 表になっているなど、 入力の簡略化が図られている場合が多い。標準フォーマットへの展開は、自社内で行われる。 三つ目は、製品含有化学物質の管理を早い段階から行ってきた企業に見られ、自社のやり方で管 理体制を構築し、その為に独自の電子式フォーマットを使用したり、標準フォーマットの旧バージ ョンを使用し続けたりしている場合である。 独自の電子フォーマットを使用する上記のどの場合も、それぞれの理由があり、これを転換する ことは困難であると予想される。しかもこれらの独自電子フォーマットを利用している企業は、図 3-8や図3-9のパレート図において、上位 10%に入るような流通量を担っている。 なお、今回ヒアリングした企業は、そのほとんどが製品含有化学物質に対して専従人員のいるよ うな管理の仕組みを持っておりかつ運用していた。その中で、一部企業を除き、顧客の要求に可能 な限り対応しようとして、調達先への調査依頼が行われていた。特に川中の企業においては、顧客 要求がより多くなったり、厳しくなったりしていると感じているところが多かった。例えば、分析 を要求される物質の増加(フタル酸エステル類やハロゲン類など) 、イスラム教関係の調査(ハラ ーム、動物由来、植物由来) 、VOC や発がん性物質など物質特定が困難な調査などである。これら は、電子フォーマットというよりは書類フォーマットの部分と考えられ、電子フォーマットの共通 化だけでは解決ができない。 24 コンフリクトミネラルについては、今回のヒアリングした企業においても、環境部署が対応して おらず、別部署管理となっている企業も複数見られた。 (2) chemSHERPA 導入への課題及び考え方 chemSHERPA を自社に導入するための条件、課題(設問1-4)をヒアリングした結果からは、 以下のようなことが導き出されている。 大部分の取引先から chemSHERPA でのみ調査要求が来ることは、最終的に必要なことではある が、詳細を見ていくといくつか越えなければならない要因がある。その一つは、海外メーカーへの 普及である。海外メーカーが受け入れてくれなければ、現在のようなワールドワイドに広がったサ プライチェーンの構造では、情報伝達が完結しない。ここで言う海外メーカーは、2 種類あり、一 つはサプライチェーン上流で部品などを製造している企業で、現在でも標準フォーマットに対応で きていないところである。もう一方は、いわゆる巨大な最終製品企業で、現在既に独自のシステム を持っているところである。 二つ目の要因は、他産業の取り込み、もしくは他産業との親和性の問題である。前述したように 複数の業界と取引のある川中企業においては、そのすべてに対応するために、調査内容は多岐にわ たりフルデクラレーションに近づいている傾向にある。この問題が解決されないと、chemSHERPA は、川中企業にとっては単に電子フォーマットが一つ増えた状態にすぎなくなる。つまり、顧客要 求としての chemSHERPA には答えるが、独自方式はなくならないという事態に陥る可能性が高い。 三つ目の要因は、既に構築されている自社のシステムを変更するためにかかる費用と工数の問題 がある。現状、それほどの問題もなく運用できているシステムを改修したり新たなフォーマットに 対する社内外の教育に多大な費用が掛かることが懸念されている。 四つ目の要因は、独自様式の使用や海外への普及の際にも言及したが、chemSHERPA のツール 自体は、ルールや操作を理解しないと作れないため、これをサプライチェーン全体に普及・教育さ せる効率的な手法が必要ということである。 次に chemSHERPA の普及について必要なもの(設問1-5)をヒアリングした結果からは、以 下のようなことがいえる。少なくとも川下の大手企業のほぼ全部がこのスキームを利用することが 必要とした会社は、16 社中 12 社にのぼる。ここでの川下大手企業は、日本企業だけとは限らない。 川上・川中の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する、海外メーカーへの積極的な普及活動も 9 社が挙げており、如何に普及させるかは最重要課題であることが判る。ヒアリングをすることに より、各種の要望が寄せられている。例えば、「既に情報を提供した既存品を chemSHERPA にし たことによる再調査を禁止する」、 「全ての成分情報を伝達できるフォーマットにする」 、 「chemSHERPA も含め今の各種ツールはユーザビリティが悪すぎるので見ればわかるように作ら ないと現場では使えない」等である。 25 第5章 5.1 chemSHERPA 普及に向けた検討 普及に向けて考慮しなければならない項目 普及について考慮しなければならない項目は、第3章 「3.2(4)結果の考察」 、第4章 「4. 2(3)chemSHERPA 導入への課題及び考え方」から抽出できる。 一つ目は、大手企業に対する普及である。これは、川下、川中、川上を問わない。これは、図3 -8、図3-9のパレート図からも言える。 二つ目は、海外企業への普及である。これは、サプライチェーンの国際化が進行していることか ら、当然である。現状独自書式を使っている海外大手企業への普及も不可欠である。 三つ目は、新たなスキームを導入する際の、費用及び工数に対する考慮である。現実には、新た なスキームは、それを導入することによる大きなメリットがなければ、費用も工数もかけられない のが現実である。 四つ目は、他産業界との親和性の確保である。スキームが一定業界のみしか通用しない形では、 複数業界と取引をしている企業では、一元化して使うことができない。特に、他産業対応、他国企 業のために多くのフォーマットに対応する必要があり、自社独自フォーマットを使用している企業 にとっては今まで述べてきた問題が解決されるもしくは解決方向に向かう確信がない限り、新たな スキームの採用に踏み切れない企業が出てくると考えられる。 五つ目は、スキームやツールのユーザビリティである。図3-8、図3-9のパレート図の左側 10-20%に位置する企業では、それなりの有識者を社内に持つ等の対応をしなければならないと考 えられるが、それ以外の企業では、年間の調査は多くても数百件であり、100 件以下のところも多 い。これらの企業においては、スキームやツールを理解するにはある程度の手間がかかると考えら れる。最後に、最も重要な課題は、新しいスキームの維持管理体制である。どのようなスキームや ツールであっても、そのメンテナンスに関してはある程度費用が掛かる。また、迅速かつ柔軟に法 規制に対応する必要がある。維持管理に伴う安定した収益構造の構築や法規制対応への柔軟な対応 および意思決定のスピードが運営組織に求められる。 5.2 対応方法の方向性 chemSHERPA の普及に向けて考慮しなければならない項目は前項に記述した通りであるが、簡 単には解決できない課題もある。 大手企業への普及について、採用する企業を増やすための方策を実施すべきであるが、既存スキ ームとの差異とメリットを明確にしなければならないだろう。最終的に民業になるのであれば、国 の後押しは、一時的には有効であっても継続性があるわけではない。より新スキームの理解を深め てもらう継続的な活動が重要と考えられる。海外の企業への普及は、言語が異なるなどの問題もあ り、日本のように幅広く普及させるのは一段と難しくなる。標準化に対する国際的な活動は、当然 一つの有効な手段であるが、大手の海外企業がどのような考え方に立っているのかベンチマークが 必要と考えられる。また、日本の採用企業からのサプライチェーンを通じた普及は、最も意思の通 り易い普及方法と考えられる。 新しいスキームを導入する際の費用と工数の問題は、通常の企業において特に大手企業にとって 経営判断を必要とする重要な事項である。この対応方法は、通常外部からはコントロールできない。 従って、普及率を上げることが有用な解になる。 26 他産業との親和性の確保においては、chemSHERPA は、エリア構造を有しているが、現状 1 エ リアだけである。特に、IEC 関連企業の製品が多く使われている自動車や玩具といった業界との協 調や相互理解のための活動は今後重要である。 スキームやツールのユーザビリティは、普及においても重要である。現時点でも、chemSHERPA を使いこなすためにはある程度の手間がかかるという指摘があるのは事実である。すぐに改良でき るわけではないだろうが、経費的な余裕があるのであれば、チュートリアルの導入やプログラム上 への親切ガイドなど一般の商用プログラムでは一般的な親切設計は盛り込むと普及に寄与する可 能性は大きい。 新しいスキームの事業継続性の検証活動は、最重要項目であり、新スキームを普及、発展させる ためには、運営組織の自立(安定した収益等)と継続的な活動が重要であると考えられる。 27 (別紙)アンケート調査項目 (設問1)情報伝達様式の利用状況についてお伺いします。 1-1 製品含有化学物質の情報伝達において、貴社が調達先に依頼する際に利用している情報伝達様式※ にチェックを入れてください。また、利用している情報伝達様式について、貴社の依頼件数は年間 どのくらいですか?おおよその件数をお聞かせください。 ※SDS、不使用証明書、非含有証明書、分析結果証明書(測定データ)、コンフリクトミネラル調 査票、自主基準あるいは特定の業界基準による個別の禁止物質リスト等は「⑦その他」に記入して ください。 □①JAMP-AIS (○○件/年) □②JAMP-MSDSplus (○○件/年) □③JGPSSI (○○件/年) □④JAMA sheet/IMDS(○○件/年) □⑤独自様式(自社が作成した Excel ベースの調査表 等) (○○件/年) □⑥自社の WEB システムに必要項目を直接入力させている(○○件/年) □⑦その他(具体的に ) (○○件/年) 1-2. 製品含有化学物質の情報伝達において、貴社が顧客から要求されている情報伝達様式※にチェック を入れてください。また、利用している情報伝達様式について、貴社の回答件数は年間どのくらい ですか?おおよその件数をお聞かせください。 ※SDS、不使用証明書、非含有証明書、分析結果証明書(測定データ)、コンフリクトミネラル調 査票、自主基準あるいは特定の業界基準による個別の禁止物質リスト等は「⑦その他」に記入して ください。 □①JAMP-AIS (○○件/年) □②JAMP-MSDSplus (○○件/年) □③JGPSSI (○○件/年) □④JAMA sheet/IMDS(○○件/年) □⑤独自様式(顧客の調査票) (○○件/年) □⑥顧客の WEB システムに必要項目を直接入力している(○○件/年) □⑦その他(具体的に ) (○○件/年) 1-3.独自様式を利用する理由についてお伺いします。 設問1-1の調達先への調査依頼で「⑤独自様式(自社が作成した Excel ベースの調査表等)」を 利用されていると答えた方にお聞きします。独自様式を利用している理由をお聞かせください。 28 もっとも近いと考えられる理由を1つ選んでください。該当する理由がない場合、「⑤その他」に ご記入ください。 □①既存の標準様式が使いにくい、自社あるいは調達先が理解できない □②国内の顧客が標準様式以外の様式で要求してくる □③海外の顧客が標準様式以外の様式で要求してくる □④自社の取り扱う部品点数が非常に多い □⑤その他(具体的に: ) 1-4.chemSHERPA の導入について伺います。 設問1-1の調達先への調査依頼で「⑤独自様式(自社が作成した Excel ベースの調査表等)」を 利用されていると答えた方にお聞きします。貴社で chemSHERPA を導入する際に障壁となる課題 についてお聞かせください。どのような条件がそろえば独自様式から chemSHERPA に移行できる とお考えですか?もっとも有効と考えられる項目を1つ選択してください。項目にない場合は「⑤ その他」にご記入ください。 □①特に課題はない □②大部分のメーカーから chemSHERPA でのみ調査要求が来る □③海外メーカーが chemSHERPA を受け入れてくれる □④教育・普及が事務局等により積極的に行われる □⑤その他(具体的に: ) 1-5.chemSHERPA の普及について伺います。 サプライチェーンで chemSHERPA が普及するためには何が必要と考えますか?(複数回答可) □①川下の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する □②川上・川中の大手企業がほぼ全部このスキームを利用する □③ホームページでの情報開示や動画コンテンツなど説明資料が豊富に用意される □④充実した相談窓口の設置と教育・普及が事務局等により積極的に行われる □⑤海外メーカーへの積極的な普及活動 □⑥汎用原材料の DB など答えるためのサポート手段が用意される □⑦その他(具体的に: ) (設問2)情報伝達様式以外の利用状況についてお伺いします。 2-1. 製品含有化学物質の情報伝達において、貴社が調達先に対して調査する際、情報伝達様式以外に依 頼している書類や資料があれば、該当する項目にチェックを入れてください。また、利用している 情報伝達様式以外の書類や資料について、貴社の依頼件数は年間どのくらいですか?おおよその件 数をお聞かせください。 29 □①SDS(成分情報の代わりとして求められる場合) (○○件/年) □②不使用証明書・不使用宣言書 (○○件/年) □③非含有証明書・非含有宣言書 (○○件/年) □④分析結果報告書(測定データ) (○○件/年) □⑤コンフリクトミネラル調査票 (○○件/年) □⑥自主基準あるいは特定の業界基準による個別の禁止物質リスト(○○件/年) □⑦その他(具体的に ) (○○件/年) 2-2. 製品含有化学物質の情報伝達において、貴社が顧客から要求されている調査で情報伝達様式以外の 書類や資料があれば、該当する項目にチェックを入れてください。また、利用している情報伝達様 式以外の書類や資料について、貴社の回答件数は年間どのくらいですか?おおよその件数をお聞か せください。 □①SDS(成分情報の代わりとして求められる場合) (○○件/年) □②不使用証明書・不使用宣言書 (○○件/年) □③非含有証明書・非含有宣言書 (○○件/年) □④分析結果報告書(測定データ) (○○件/年) □⑤コンフリクトミネラル調査票 (○○件/年) □⑥自主基準あるいは特定の業界基準による個別の禁止物質リスト(○○件/年) □⑦その他(具体的に ) (○○件/年) 2-3. 設問2-1の調達先への調査依頼でチェックを入れた(情報伝達様式以外に依頼している書類や資 料がある)方にお聞きします。これらの書類や資料の依頼が不要となる条件がありましたら、どの 書類等についてどのような条件が整えば不要となるかお答えください。 (自由記載 ) (設問3)個社情報入力欄 3-1.誠に恐れ入りますが、ご回答者様のご所属、お名前、ご連絡先をお聞かせください。 担当者名 貴社名 ご担当部署(購買・生産および生産管理、技術開発および生産支援、品質管理および顧客支援、営 業および営業支援 等) ) 電子メールアドレス 電話番号 3-2.貴社(部門)の事業領域について、もっとも該当する項目にチェックを入れてください。 30 ①素材(化学)、②素材(鉄鋼)、③素材(非鉄) 、④素材(林業) 、⑤素材(紙業) ⑥加工(混合)、⑦加工(金属)、⑧加工(塗装) 、⑨加工(成型) 、⑩加工(印刷) ⑪組立(部品)、⑫組立(製品) ⑬小売業 ⑭商社 その他 (具体的に) 3-3.<br>サプライチェーンにおける貴社(部門)の事業はどの位置になりますか?(複数回答) ①原材料の製造・輸入業(例:化学品、鋼材、紙や木材) ②購入した原料から次工程での材料を生産(例:ウレタン樹脂、ゴム、繊維、塗料、接着剤) ③購入した原料・材料を加工し次の加工事業者に供給(例:コンパウンド、電線、塗装・メッキ板) ④購入した原料・材料を加工し、最終製品の部品を供給(例:ボルト、配線基板、プラ成型品) ⑤購入した部品を組立て、最終製品を生産している その他 (具体的に) 31 (様式2) 二次利用不可リスト 報告書の題名 平成27年度化学物質安全対策 (製品含有化学物質の情報伝達スキームの普及 に関する調査) 報告書 委託事業名 平成27年度化学物質安全対策 (製品含有化学物質の情報伝達スキームの普及 に関する調査) 受注事業者名 一般社団法人産業環境管理協会 頁 図表番号 タイトル