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急騰後の上海市場が大幅調整

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急騰後の上海市場が大幅調整
【中国株市場トピック】
2015 年(平成 27 年)7 月 7 日(火曜日)
中国株市場トピック
アナリストが話題をレポート
急騰後の上海市場が大幅調整
~割安な銀行株が今後のカギに~
上海総合指数は今年 6 月 5 日に約 7 年 5 カ月ぶ
りに 5000 ポイントを回復したが、同月中旬に入ると
急落。下落率は 6 月の月間で 7.3%、7 月最初の 3
日間だけで 13.8%に上った。売買の 8 割を担うと言
われる個人投資家の動揺は収まらず、中国政府は
株価対策に追われている。
すでに上海市場の PER は東京市場よりも低いが、
投資家心理の改善には至っていない。これまで急騰
していたテーマ株を中心に調整が続くなか、出遅れ
ていた大型銀行株が注目される。
上海総合
上海総合指数と売買代金
売買:億元
14年7月1日~15年7月6日
6,000
18,000
5,000
15,000
4,000
12,000
3,000
9,000
2,000
6,000
1,000
3,000
0
7/1
9/24
12/24
3/27
6/24
0
出所:ブルームバーグ
は驚かされる。こうした活発な商いが、上海総合指数
を押し上げた。
かつてない売買代金の急増は、08 年のリーマンシ
ョックの対策として国内にばら撒かれたマネーが遠因
だ。上海総合指数が過去最高値を記録した当時、マ
ネーサプライ M2 は約 40 兆元だったが、今年 5 月末
には約 130 兆元に達している。
■非常に高い売買回転率■
上海市場の投資家の投資行動の特性は、売買回
転率の高さに表れている。マネーが溢れているうえ
に、香港や東京を上回る速さで売買されている。
さらに風説や憶測に基づく売買が頻繁と言われて
おり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の
発達が、これに拍車を掛けている。さまざまな根拠の
ない情報が高速で広範囲に広まり、膨大な数の投資
家と資金が一方向に向かって動き出す。
今回の急落の背景にも、こうした上海市場の特異
性があり、日中変動率が 10%を超える日もあったほ
どだ。上海市場の混乱を収拾するには、投資家心理
の沈静化が不可欠と言えよう。(次ページへ続く)
■特異な上海市場■
中国本土の投資家人口は今年 6 月 26 日時点で約
9000 万人に上り、上海市場は個人投資家による売買
が 8 割を占めると言われる。これほどまでに個人投資
家が主役の大規模な株式市場は、世界に類がない。
そのうえ、昨年 11 月からの大相場で、売買代金は
大幅に増加。上海市場の 1 日あたり売買代金は、今
年 4 月 20 日に初めて 1 兆元を突破し、同日の東証
の株式売買代金の約 8 倍に達した。上海総合指数
が過去最高値を記録した 07 年 10 月 16 日ですら
1635 億元にすぎなかったのだから、その膨張ぶりに
各市場の売買回転率
回転率(%)
14年6月~15年5月
60
50
40
54.5
51.8
香港
上海
東京
46.5
41.5
32.2
30
21.1
15.5 17.3
20
25.8
17.6
9.9
10.6
12.5 12.3 11.5
4.3
5.8
5.9
6.3
5.6
6
7
8
9
11.5 10.4
16.7
9.9
13.2
10.8 11.9
9.8
10.9
9.6
4
5
10
8.9
0
6.2
8.1
10 11 12
8.0
4.8
1
2
7.5
3
出所:各証券取引所
広告審査済(2015年7月7日)
1/3
【中国株市場トピック】
2015 年(平成 27 年)7 月 7 日(火曜日)
■信用取引の影響■
■割安な銀行株が地合い回復のカギ■
信用取引残高は昨年 7 月 1 日の 2663 億元から今
年 6 月 18 日の 1 兆 4869 億元に拡大。1 年近くで 5.6
倍に膨らんだ。時価総額に対する比率は 3.9%で、
その約 99%が信用買残高。日々の売買代金に占め
る信用買いは、昨年 7 月以降の状況をみると、多い
時でも 25%を超えていない。
上海総合指数のあまりの急ピッチな上昇ぶりから、
上海市場はバブルと指摘されることが多い。だが、上
海総合指数の PER は、6 月 30 日終値で 21.6 倍であ
り、同じ日の日経平均の 22.9 倍を下回る。上海総合
指数が今年最高値を記録した 6 月 12 日でも 25.9 倍
であり、過去最高値当時の 49.1 倍に比べると大幅に
低い水準だった。
こうした状況にある信用取引だが、6 月 19 日からは
残高が減少傾向にある。株価の調整や期限到来にと
もない、信用取引の決済が進んでいるためだ。これ
が株価の下落に追い打ちとなっている。
■政府は株価対策へ■
上海総合指数の急落を受け、中国政府は 6 月 29
日から毎日のように株価を支える対策やコメントを発
表している。投資家心理を落ち着かせるためだが、7
月 1 日は取引所手数料の引き下げと信用取引の規
制緩和を発表したにもかかわらず、株価が回復しな
かった。
7 月 3~5 日にも株価対策を相次いで発表。IPO
(新規公開)の規模縮小、適格海外機関投資家
(QFII)の導入拡大、証券金融会社の増資、証券 21
社による ETF の買い支え――などが報道された。
これを受け 6 日は上海総合指数が 7.8%高で寄り
付いたが、上げ幅は時間を追うたびに縮小。ギリシャ
問題の影響もあり、先行き不透明感から、戻り売りに
押される格好となった。2.4%高で引けたものの、後
場では下げに転じる場面もあり、投資家心理の改善
は不十分だったようだ。翌 7 日は大幅安で推移した。
各指数PER推移
(14年1月1日~15年7月6日)
倍
30
25
上海総合指数が 5000 ポイントに達しても、昔に比
べ PER が低かったのは、過去に比べ銀行の利益が
大きく膨らんでいることが原因だ。今回の大相場で銀
行株は出遅れており、他のセクターに比べ割安感が
鮮明。配当利回りも総じて高い水準にある。
四大銀行の株価指標
株価(元)配当利回り PER
7月6日 実績 予想 実績 予想
601398 中国工商銀行'A' 5.53 4.6 4.8 7.1 7.1
コード
601939 中国建設銀行'A' 6.79
4.4
4.6
7.5
7.4
601288 中国農業銀行'A' 3.86
4.7
4.9
7.0
6.9
601988 中国銀行'A'
3.9
3.9
8.0
8.4
4.90
出所:ブルームバーグ
銀行株は時価総額が大きく、上海総合指数の騰落
に重大な影響を及ぼす。中国政府は地合いの改善
を図るため、割安な銀行株を買い支えており、これに
個人投資家も追随することが予想される。
銀行の業績をめぐっては、利下げや金利の自由化
による利ザヤの縮小が懸念される。だが、利ザヤの
縮小は融資の拡大で補うことが可能であり、先ごろ明
らかになった預貸比率規制の緩和方針は、銀行業
績を維持するための布石だったとみられる。利下げ
が業績に与える影響は限定的と予想される。
今回の急落後も、株価を支えていたマネーの状況
に大きな変化はない。テーマ株の売りが一服すれば、
銀行を中心とした大型株が主導するかたちで、上海
総合指数が持ち直すことも考えられる。
20
15
10
上海総合
ハンセン
日経平均
ダウ平均
(中国部・千原)
5
0
銘柄名
1/1
3/1
5/1
7/1
9/1
11/1
1/1
3/1
5/1
出所:ブルームバーグ
広告審査済(2015年7月7日)
2/3
内藤証券
中国部
当 社 の 概 要
商 号 等 内藤証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第24号 本 店 所 在 地 〒541-0043 大阪市中央区高麗橋1丁目5番9号 主 な 事 業 金融商品取引業
資 本 金 30億248万円(平成27年3月末現在)
設 立 年 月 昭和18年4月
加 入 協 会 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会
指定紛争解決機関 特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
連 絡 先 ご質問がございましたら、下記部支店までご連絡ください。
リスク等重要事項のご説明
リスクについて
〈株 式〉株価および為替相場(特に外国株式の場合)の変動等により損失が生じるおそれがあります。
〈債 券〉債券は市場金利の動向や発行者の信用状況等によって価格が変動するため、損失を生じるおそれがあります。さらに外国
債券は為替相場の変動などにより損失が生じる場合もあります。
〈投資信託〉組み入れた株式や債券など、有価証券の価格変動および為替相場の動向(特に外国通貨建て有価証券等を投資対象と
している場合)等により投資元本を割り込むおそれがあります。
〈株価指数先物・同オプション〉対象とする株価指数の動きにより損失が生じるおそれがあります。加えて、建て玉代金に比べ少額の
委託証拠金での取引が可能であり、株価指数の変動によっては損失額が委託証拠金を上回る(元本超過損)おそれがあります(オプ
ション買方の場合は買付代金とコストの合計額に限定されます)。
手数料について
〈株 式〉①対面取引の場合、 i)国内株式は約定代金に対して最大1.15%(税抜き以下同じ、但し最低2,500円)。 ii)現地委託取引
による外国株式は売買金額に対し最大0.80%(但し買付け時のみ最低500円)の国内手数料をいただきます。加えて、現地手数料とし
て米国株式で外貨約定代金の最大0.50%、香港株式で同0.25%(最低50香港ドル)、上海・深セン株式で同0.50%必要となるほか、
各証券市場によってSEC Fee、印紙税や取引所税等の費用が掛かる場合があります。また、為替に関しては内藤証券が決定したレート
を用います。 iii)国内店頭(相対)取引による外国株式は当社提示の取引価格の中に手数料等(諸費用を含む)をあらかじめ加味して
おります。また為替は上記同様、当社為替レートを用います。②コールセンター取引の場合、 i)国内株式は約定代金に応じて最大
31,000円(最低2,500円)。ただ、月間取引回数等による割引きあり。 ii)外国株式は対面取引と同様です。③インターネット取引の場
合、 i)国内株式は手数料プランが複数に分かれており、この欄に表示するのが難しいため、詳細は当社HP(http://www.naitosec.co.jp/)にてご確認ください。 ii)現地委託取引による外国株式は売買金額に対して最大0.40%(但し買付け時のみ最低500円)の
国内手数料をいただきます。また現地手数料並びに為替レート等は対面取引と同様です。なお、インターネット取引では米国株式及び
国内店頭取引による外国株式の取り扱いを行っていません。
〈債 券〉国内債券については売買委託手数料表をご確認ください。また、相対取引による外貨建て債券の売買に関しては当社が提
示する価格の中に手数料等(諸費用を含む)をあらかじめ加味しております。円貨と外貨を交換する際には、外為市場等の動向をふまえ
て当社が決定した為替レートを用います。
〈投資信託〉商品により異なりますので、詳細は「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧下さい。
〈株価指数先物・同オプション〉i)株価指数先物は約定代金に対して最大0.08%。 ii)株価指数オプションは約定代金の最大4.0%
(但し最低2,500円)。
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3/3
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