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講演概要 - 日本技術士会
第4分科会「グローバル展開」 第 4 分科会では、日本と世界の持続的成長にとって不可欠なグローバル展開について、 アカデミックな立場、産業界の立場、そして日本技術士会の立場におられる 4 人の講師か らご講演を頂き、引き続きパネルディスカッションを通じ、グローバル展開を支える技術者 の育成という観点で、大学教育、企業内研修、資格取得などについて意見交換を行い、最後 に日本技術士会として行い得る貢献について論点整理を行うこととしています。 文部科学省の技術士分科会では技術士試験制度の見直しの作業が続いており、その中で、 技術士資格を、IEA(国際エンジニアリング連合)が定めた技術者能力要件(Professional Competency)にいかに近づけていくかという議論が行なわれています。 技術者が国際的に活躍していくためには、知識力だけでなく、異文化コミュニケーション やリーダーシップなど、これまでの枠を超えた力が必要とされています。第 4 分科会への 参加が、そのことを考えるきっかけになって欲しいと願っております。 MRJ(提供:三菱航空機株式会社) 電力プラント(提供:丸紅株式会社) ご講演者及びご講演内容のご紹介 講演 1 ○講師氏名:中谷 多哉子(なかたに たかこ) 氏 ○所属役職:放送大学 教養学部 情報コース 教授 ○講演題目: 技術士に求められる資質能力とは何か ○アブストラクト: 2014 年に文科省の技術士分科会から公開された技術士に求められる資質能力案では、資 質能力が7つのコンピテンシーで整理されているが, IEA(国際エンジニアリング連合)が 示す 13 のコンピテンシーと整合し、国際的通用性の確保につながると期待される。 本講演では、技術士コンピテンシーの紹介後、技術士が取り組む「複合的な問題」を例示 する。工学では、技術進化とともに解決すべき問題も変わる。そこで、情報工学を例に、 世界との協調型開発や技術進化の実情を解説し、資質能力の重要性の根拠を示したい。 講演 2 ○講師氏名:佐倉 潔(さくら きよし) 氏 ○所属役職:三菱航空機㈱ 技術本部 副本部長 チーフカスタマーエンジニア ○講演題目:国産旅客機 MRJ の開発と飛行試験 ○アブストラクト: YS-11 から 50 年の時を経て開発が進められている国産旅客機 MRJ(Mitsubishi Regional Jet)は、昨年 11 月に飛行試験 1 号機が初飛行し、現在,開発飛行試験を実施中であ る。2018 年半ばに予定されている初号機納入に向けて、量産機の製造も開始し、就航へ の準備も進めている。民間航空機ビジネスは、開発、製造、サプライチェーンマネジメ ント、販売、そしてカスタマーサポートなど、様々な側面を有する、文字通り世界を舞 台にしたビジネスであり、複雑で大規模な技術開発プロジェクトである。このような MRJ の開発と飛行試験の状況、併せて、グローバルな世界で新たな日本の基幹産業とし て期待される民間航空機産業の現状を紹介する。 講演 3 ○講師氏名:後藤 広樹(ごとう ひろき) 氏 ○所属役職:丸紅㈱ 電力本部 海外電力プロジェクト第一部長 ○講演題目:海外電力 EPC 事業への取り組み ○アブストラクト: 半世紀にわたるアジアを中心とした電力プラント建設への関わりの中で、単品機器の輸出 代行から始まった業態は拡大・深化し、近年では日欧米メーカーやエンジニアリング会社 と協調しつつ主として大型石炭火力・ガス火力発電所を、また新たな分野として洋上風力 発電所を建設する電力 EPC プロジェクト(設計・資機材調達・建設及び関連リスクを含 む包括請負案件)に取り組んでいる。これらの事業経験や将来的な見通し等を踏まえなが ら、海外 EPC 電力事業に携わる技術者に求められる資質・能力・経験を考察したい。 講演4 ○講師氏名:安力川 幸司(やすかがわ こうじ) 氏 ○所属役職:ソフトバンク㈱(前青年技術士交流委員会国際 Gr リーダー) ○講演題目:国際活動という日本技術士会の新たな価値 ○アブストラクト: 日本技術士会では国際委員会を中心に国際的制度との連携や組織間の枠組み作りが行われて いるが、青年技術士交流委員会(青年委員会)においても海外の若手技術者との交流や情報 交換等の活動が行われている。青年委員会では数年前に国際活動の体制を一新し積極的な交 流取り組んだところ、参加メンバーの意識に変化が現れ、国際活動以外の面にも様々な効果 を生み出してきている。これら一連の取り組みや効果を振り返りながら、「日本技術士会の新 たな価値」を考察してみたい。