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s Rawおよびs Gawに対する抗鳴息薬吸入の影響 87 ◎原 著 気管支嘱息 お よび慢性 関節 リウマチにおける気道抵抗 ( s Ra w) および気道 コ ンダクタ ンス ( s Gaw)に対 す るサル ブ タモ ール またはクロモ リン吸入 の影響 横田 聡,貴谷 光,御船 尚志,梶本 和宏, 光延 文裕,高田 一郎,谷崎 勝朗,多田 慎也 1 ) , 原田 実根 1) 岡山大学医学部附属病院三朝分院内科 1) 岡山大学医学部第 2内科 要旨 :サルブタモールまたはdi s odi um c r omogl yc at e (クロモ リン)吸入液を,気管支嘱息 以下 RA) 7例,正常対照 5例に吸入させ,吸入前および ( 以下 BA) 6例,慢性関節 リウマチ ( 0 分に,気道抵抗 ( sRaw)と気道コンダクタンス ( s Gaw)杏,定容積聖体プ レチス 吸入後約3 モグラフ ( Se n s orMe di c sCor por at i on,An ahe i m,Cal i f or ni a,madei n U. S. A. )を用 いて Gawで比較すると,BAはRAや正常対照 に比べ有意 に閉塞の程度が 測定 した。吸入前の値をs 強 く,RAと正常対照の間では有意な差はなかった。サルブタモール吸入の場合 ,BAでは吸入 Gawの有意な改善 (P<0 . 0 1 )がみられ,それらの改善率 (%)は,RAや正 後 にsRawおよびs . 0 1 ) ,RAと正常対照の間では改善率の有意な差は認めなかっ 常対照と比べて有意に高 く (P<0 Gawの吸入後の変化 に有意 た。クロモ リン吸入の場合,いずれの群においても,sRawおよびs 差はみられなかったが ,BAにおいて,sRawの改善率 (%)はRAと正常対照に対 して,また s Gawの改善率 (%)は正常対照に対 して有意 に高 く (P<0. 0 5),RAと正常対照の間では, s Raw,s Gaw共に改善率 (%)の明らかな差はみられなかった。 索引用語 :気道抵抗,気道 コンダクタンス,気管支唱息 慢性関節 リウマチ,気管支拡張作用 Ke y wor ds' ・s Raw,s Gaw,br on c hi alas t hma,r he umat oi d ar t hr i t i s ,t h ee f f e c t of br on c hodi al ati on はじめに 中枢気道にも閉塞が及んで くるにつれて,気道抵 抗が増加 して くる3)。サル ブタモールは,交感 sら1)2)による研究が 気道抵抗の測定 はDuBoi 神経刺激 を介 して作用 す る気管支拡張薬 で あ 最初で,拘束性肺疾患 と閉塞性肺疾患の鑑別 に有 り,選択 的 に β2レセ プ ター を刺 激 す る こ と 用であり,被検者の努力の影響を受けにくい こと s odi um により,気管支平滑筋 を弛緩 させ る。di が特徴である。気道抵抗は主に中枢気道の閉塞で 有意に増加 し,喋息発作時には著明に増大す る。 c r omogl yc at e( c r omol yn;以下 クロモ リン) は, 肥満細胞か らのケ ミカルメディエーター遊離を抑 他にも例えば,肺気腫においては,病変 が進行 し 制する抗アレルギー薬であり4)5),ヒトに対 して, 8 8 s Rawおよびs Gawに対する抗噂息薬吸入の影響 知 られて以来 4)6),臨床応用されてお り,気管支 w-Pm-PA( PA' ・肺胞内圧, と口腔 の圧差 :Pa Pm :口腔内圧)として示 され,開口 している場 拡張作用を有する可能性 も指摘 されている7 卜1 1 )0 合Pm は一定で,大気圧 と等 しいことになるので, 抗原を吸入させた際の誘発反応を抑制することが 今回はこれ らの薬剤の吸入液を,気管支嘱息 ,悼 この時,肺胞内圧を測定すれば気道内圧降下 と等 性関節 リウマチおよび正常対照に吸入させ,その しくなり,これは定容積型プ レチスモグラフ内圧 際の,気道抵抗 ( s Raw) と気道 コ ンダクタ ンス の変化 として記録 され ,Pa w-f・ △Pboxと表 さ ( s Gaw)の変化を,比較検討 した。 れる ( △Pbox:プ レチスモグラフ内圧の変化量) 。 よって,Ra w-f ・ △Pbox/Vとなり,Pbox-Ⅴ曲 対象および方法 Br onc hi alAs t hma:以下 BA) 気管支喋息 ( 線で 3-4回呼吸 を記録 し, 平均 の傾 きか ら Rawを計算す る。Caw ( L/C mH2 0・ S ) はRaw 患者 6例 ( 男性 3例,女性 3例,年齢4 4-73 歳, の逆数であり,Gaw= -Raw 1として計算 され,こ 年齢中央値 5 6歳 ),慢性関節 リウマチ ( Rhum の値 は広い範囲で肺気量に比例 し,Rawより優れ at oi dAr t hr i t i s:以下RA) 7例 (男性 1例 ,女 た指標 となる場合がある。 これ らRa w,Gawの 性 6例,年齢5 0-71 歳,年齢中央値 6 1 歳 ,なお女 測 定 は ,喉頭 を閉 じな いで行 うあ え ぎ呼吸 性 1例 はMCTDであ ったが一部 リウマチ症状陽 ( pant i ng) 杏,被検者 にさせなが ら実施 した。 s Raw ( s pe c i f i cr e s i s t anc e:c mH2 0・S),sGaw ( s pe c i f i cc onduc t anc e:c mH2 0 1・S 1) はそれ ぞれRaw,Ga wの単位当たりの容積を表 し,特に s Gawは広い範囲で肺の大 きさによ らない気道の 開存度を示 し,肺気量の異なる患者間,または同 じ患者でも肺気量が変化す る場合の比較に適 して いる3)12 ) 。よって今回は,このs Gawおよびs Raw 性であったのでRA群 に含めた) ,正常対照 5例 i ( 糖尿病 3例 :男性 2例,女性 1例) ,( 変形性関 節症 2例 :男性 l例,女性 1例) ,年齢5 5-7 0 歳, 年齢中央値6 3 歳)について気道抵抗 ( 以下s Raw) および気道 コンダクタンス (以下 s Gaw) 杏, Se ns orMe di c s 定容積型体 プ レチスモ グラフ ( Cor por at i on,Anahe i m,Cal i f or ni a,made i n U. S. A)により測定 した。サルブタモール吸入液 0. 2 m P+生理食塩水 1 . O m P の混合液 ,またはクロ モ リン吸入液 1ア ンプル ( 2 . O m P)杏,日商式吸 入用ポータブルコンプレッサー (日本商事株式会 社)を用いて吸入 し,吸入前および吸入後約 3 0分 にそれぞれs Gawおよびs Rawを測定 し比較 した。 BA患者については,気管支拡張薬 (テオフィリ ン製剤 ,β2 刺激剤等)や抗 ア レルギー剤 (クロ モリン等)の内服および吸入は,前日の就寝前の 投与以降,少なくとも1 2 時間以上中止 した うえで これ らの測定を行 った。 Raw ( c mH2 0・ S /L)は,気流に対する抵抗 を 表 し,気道の開 き具合を測定するものである。単 位当たりの流量に応 じた圧の変化を示 し,これ は を用いて,各症例の気道抵抗の比較検討を行った。 吸入前,吸入後におけるs Gaw,s Rawの測定値 は,それぞれ吸入前値,吸入後値 とし,吸入前値 および吸入後値の予測値に対する割合は,それぞ れ吸入前PRED%,吸入後PRED% として表 した。 s Gaw,s Rawの吸入後値の吸入前値に対す る改善 率は,それぞれs Gaw改善率 ( %)- ( 吸入後値一 吸入前値/吸入前値) ×1 0 0,s Raw改善率 ( %) - ( 吸入前値一吸入後値/吸入前値) ×1 0 0とし て表 した。結果はいずれも ( 平均値 ±標準偏差) として示 し,有意差検定 はt (スチューデ ント) 検定で行 った。 結 果 単位流量当たりの口腔内圧 ( 大気圧)と肺胞内圧 サルブタモール吸入の場合の,吸入前 と吸入後 の差であり,この差は主 として誘導気管支 と気流 約3 0分 におけるs Gawおよびs Rawの比較 を行 っ との摩擦 によ り生 じる。 Rawは気道 内圧 降下 た。s Gawについての吸入前値 と吸入後値の比較 ( paw) と疏量 ( Ⅴ) の比 と定 義 され てお り, Raw-Paw/Vと表 される。気道内圧降下は肺胞 で は(図 1) ,BAにお いて吸入前値 0. 07±0. 0 2 0・ S )1 , 吸入後値0. 2 3±0. 0 8( c mH2 0・ S ) 」, ( c mH2 89 s Rawおよびs Gawに対する抗噂息薬吸入の影響 RAにおいて吸入前値0. 3 0±0, l l( c mH2 0・ S ) ll , 3 5±0. 0 9( c mH2 0・ S )1 ,正常対照 に 吸入後値0. 叩 的 は吸入前値 に比 べ ,BAに お いて有 意 に改善 ( p<0. 01 ) し,RAおよび正常対照では有意 な差 E 31±0. 0 9( c mH2 0・ S )1 であ り,吸入後値 後値0. %) 併 称忠 主 E ! 9S ( 2 3±0. 0 6( c mH2 0・ S ) -1 ,吸入 おいて吸入前値0. は認められなかった。また,吸入前 PRED% と吸 図 2),BAにおいて 入後PRED%の比較では ( ^ RA正常対岡 ブ タモー ル 吸入 のt J含 1 8. 8±4 8. 7%,吸入後 1 40. 9±3 9. 3 おいて吸入前 1 サ ル 図 3 a B 率(% )の各 s G w 改 善 群 正 常 利 用 大 の 頒 合 A R∧ ク ロモリン B . 7±7. 8%,吸入後9 7. 4±3 3. 8%,RAに 吸入前 31 明 間 にお ける比較 %,正常対照において吸入前9 9. 0±2 5. 2 %,吸入 3 4. 3±4 2. 3 % で あ り ,BAで は有 意 な改善 後1 s Rawについての吸入前値 と吸入後値 の比較で ( p<0. 01)が認められたが ,RAと正常対照では 4. 1 4±4. 1 9 c m は( 図 4),BAにおいて吸入前値 1 差 はみられなか った。吸入後の吸入前 に対す る s Gawの改善率 ( %) は ( 図 3),BAでは21 6. 2 S,吸入後位4. 8 2±1. 6 7c m王 i2 0・S ,RAにお H2 0・ 9 2±1 . 7 4 c mHZ 〇・S,吸入後値 3. 0 0 いて吸入前値3. ±9 8. 5%,RAで は2 7. 7±3 0. 3 %,正常対照 で は 3 8. 0±31. 2%であった。BAとRA ( P<0. 01 ) ,BA ±0. 79 c mH2 0・ S ,正常対照 では吸入前値 4. 53± 1 、 2 5 c mH2 0・ S ,吸入後値3、 3 3±0. 72 c mH2 0・ S であ と正常対照 ( P<0. 01 )の比較では,いずれ もBA P<0. 01 ) り,吸入後値 は吸入前値に比べ ,BA ( の改善率 ( %)が有意に高 く,RAと正常対照の P<0. 0 5) において有意 に改善 および正常対照 ( 間では差は認められなかった。 し,RAでは有意な差 はみ られなか った。吸入前 pRED% と吸入後 PRED% の比較では ( 図 5) , Oう V L t ' 9S 07 9. 5±2 0. 6% で あ り,BAで有意 な改善 吸入後 7 01 01 )があったが,RAおよび正常対照では ( p<0. J U ) J L(S ・O NH U BAにおいて吸入前3 31 . 8±87. 1 %,吸入後 1 1 4. 2± 04 42. 1 % ,RAにおいて吸入前99. 7±4 6. 7%,吸入後 7 6. 0±21. 8%,正常対照では吸入前 1 0 7. 8±3 4. 4%, 、 、 ■ Rawの改善率 ( %) 紘 有意な差 はなか った。s 明 人前 叩 入梓 BA 明 大那 叩 人1 券 RA 明大前 場人後 正常対照 図1 s Gaw ( c mH2 0・ S ) J L lにおけるサルブタモー ル吸入前値 と吸入後値の比較 岬7 、 4 1 叩7 、 , 事 叩 人丸 石 和 ti き BA RA 明 入前 哨) 、 i l 正 常対開 図2 s Gaw ( c mH2 0・S) lにおけるサルブタモー ル吸入前PRED% と吸入後PRED%の比較 ,BAでは6 4. 1±1 7. 0%,RAでは1 7. 0±2 3. 6 ( 図 6) %,正常対照では2 4. 1±1 8. 2%であ り,BAとRA ( p<0. 01 ),BAと正常対照 ( P<0. 01 )の比較 に %)が有意 に高 おいて,それぞれBAの改善率 ( かったが,RAと正常対照 の間では有意 な差 は認 めなかった。 9 0 s Rawおよびs Gawに対する抗喋息薬吸入の影響 0. 2 9±0. 0 8( c mH2 0・S ) 1,吸入後値 0. 2 9±0. 1 (S ・D N工 E UV^Aet j S ( c mH2 0・ S ) ㌧ 正常対照 において吸入前値 0. 2 6 ±0. 0 6( c mH20・S ) 1,吸 入 後 値 0. 2 2±0. 0 7 ( c mH2 0・ S )l であり,BA,RA,正常対照 ,いず れの症例において も有意な変化 は認め られなかっ た。吸入前PRED% と吸入後PRED%の比較 では 明/ t前 哨人は BA 頓 入I a I A)維 唄人前 切 人様 RA 正常対照 図4 s Raw( c mH2 0・ S )におけるサルブタモール ( Bl 8) ,BAでは吸入前5 5. 6±43. 2%,吸入後 6 7. 1 ±3 6. 0%,RAでは吸入前 1 1 7. 7±3 8. 7%,吸入後 1 1 6. 9±45. 6%,正常対照では吸入前 1 0 9. 5±3 2. 3 %,吸入後9 3. 5±3 2. 0%であ り,どの症例 におい Gawの改善率 ても有意な差はみ られなかった。s 吸入前値 と吸入後値の比較 r脚 ( %)は ( 図 3) , BAでは46. 6±51. 4%,RAでは- 2. 8±1 0. 6%,正常対照では-1 2. 8±2 0. 5%であり, ㈹ 改善率 ( %)を各群間で比較す ると,BAと正常 W 対照 の間では,BAの方 が有意 に高 く( P<0. 0 5) , ㈹ Ⅷ BAとRAでは,有意な差 は認め られかな ったが, BAの方でより高 くなる傾向があった。 r RA 正常i 寸照 図5 s Raw( c mH2 0・ S )におけるサルブタモール 吸入前PRED% と吸入後PRED%の比較 ( 9' l p<001 ( 06) 「 「P 005 P〈O0 5 05 iL ( S ・ O Z H LW)きe5S BA Il I く 1 1 04 q1 03 O2 02 0 0t ( %) 轍 叫 ) 前哨 入 紬 B A I h入 前 哨 人練 R^ 切 人前 吸 7稚 正常対 師 頼 朝 きe t I S 図7 s Gaw ( c mH2 0・ S ) -1におけるクロモ リン 吸入前値 と吸入後値の比較 F ] ^ RA i t常対円 8A RA 正常対照 図6 s Raw改善率( %) の各群問における比較 クロモ リン吸入の場合 もサルブタモールの際と 0分 におけるs Gawお 同様に,吸入前 と吸入後約3 l H L Q t t ! L ト I B A L Q )L q J qll ● L j llr L QいI RA 正常対円 図8 s Gaw ( c mH2 0・ S )1におけるクロモ リン 吸入前PRED% と吸入後PRED%の比較 よびs Rawの比較 を行 った。s Gawについての吸 入前値 と吸入後値の比較では ( 図 7) ,BAにおい s Rawについての吸入前値 と吸入後値 の比較で て吸入前値0. 1 3±0. 1( c mf I2 0・ S )' ,吸入後値 0. 1 6±0. 0 9( c mH2 0・ S )1 ,RAにおいて吸入前値 ,BAにおいて吸入前借1 4. 3 5±1 3. 5 5 c m は ( 図 9) O・S,吸入後値 9. 0 9±7. 3 0 c mH2 0・ S ,RAにお Hz 91 s Rawおよびs Gawに対する抗喋息薬吸入の影響 8 6±1 . 91 c mHZ 〇・S,吸入後値4.16 いて吸入前値3. 状 が著 明 に軽快 した状態 で ,s Gaw,s Rawの ±2. 4 8c mH2 0・ S ,正常対照において吸入前値4. 1 6 ±1. 31 c mH2 0・ S ,吸入後値4. 91±1 . 51 c mH2 0・ S で PRED%が1 0 0%をこえていた症例であった。RA あり,BA,RAおよび正常対照のいずれの症例 に でほぼ正常であり,RAの うち 3例 ,正常対照の おいて も,有意 な変化 は認 めなか った。吸入前 PRED% と吸入後PRED%の比較においては (図 1 0),BAでは吸入前3 3 3. 2±3 03. 9%,吸入後21 1 . 0 Raw,s Gawの うち 2例では,吸入後にかえってs ±1 6 2. 5 %,RAでは吸入前9 8. 1±5 0. 3%,吸入後 1 0 5. 9±6 5. 0%,正常対照で は吸入前 1 00. 1± 3 8. 6 および正常対照では吸入前の数億は大部分の症例 悪化が認め られ,それ以外の症例では横 ばいで, 一定の傾向はみ られなかった。 考 案 %,吸入後1 1 6. 6±3 6. 6%であり,いずれの症例 に sらl )2 )による研究が 気道抵抗 の測定 はDuBoi Rawの改 おいても有意差は認め られなか った。s 最初で,閉塞性肺疾患 と拘束性肺疾患の鑑別 に有 , BAで は2 4. 2±2 6. 1 %, 善率 ( %) は ( 図 6) ) 0BAにおいては,気道過敏性 用 とされている13 RAでは-4. 6±1 1 . 0%,正常対照で は -2 0. 5±3 0. 8%であり,改善率 (%) を各群間で比 べ ると, BAとRA ( P<0. 0 5) ,BAと正常対照 ( P<0. 0 5) の程度や,発作の状況を評価す る肺機能検査 の- の比較において,ともにBAの方が有意 に高 く, RAと正常対照の間では差 はみられなかった。 また,BAでは 7例 中 6例 において,クロモ リ Gaw,s Rawの改善する傾向にあ り, ン吸入後にs 吸入後に軽度の悪化 のみ られた 1例 は,BAの症 ( S ・ ozHE U)き etfS 切 人前 明人絹 叫 人前 BA 叩入経 碩 )、朋 f ミ A 明 大1 1 正常対岡 図9 s Raw ( c mH2 0・ S )におけるクロモ リン吸 4 )は )。今回,気道抵抗 つとして,利用されている1 ( s Raw)および気道 コンダクタンス ( s Gaw)を, BA),慢性関節 リウマチ ( RA) ,正 気管支喋息 ( 常対照において,それぞれサルブタモールまたは 0 分に,定容積 クロモ リン液の吸入前 と吸入後約3 型体プ レチスモグラフを用いて測定 し比較 した。 サルブタモールは β2レセプターアゴニス トで あり,エアロゾルとして吸入 した場合 ,気管支平 滑筋表面の β 2レセプターを刺激 し,平滑筋 を弛 緩 させることにより,気管支拡張効果を有す る。 サルブタモールの作用機序については次のように 述べ られている。細胞膜表面 β2レセプターに結 合 した後,これを活性化 し,グアニ ンヌクレオチ ド( GTP)結合蛋 白の活性化 を介 して ,C AMP の産生経路 を賦活 し,細胞内 c AMP濃度 の増加 AMPが,Caac t i vat e dKc hanne l を促 し,この c を開口させ,細胞内K+が細胞外に移行 し,平滑筋 入前値 と吸入後値の比較 は再分極あるいは過分極す る。次いで,電位依存 ) t d 、 ) ( ∼- c hanne lの開口が抑制 され ,Na+-CaZ +交 性 Ca- ( %) _〟 etlS 肘 換系の賦活化により細胞内Ca2十の除去が起 こり, 帥 ( %言 平滑筋の収縮反応を抑制す る1 6 ) 1 7 ) 。 また もうーつ KATPas eの活性化であ り,この活性化 に はNaより細胞内の再分極または過分極が起 こり,気管 支平滑筋の拡張がおこるとされている1 8 ) 。 q ql酎 g J l)J事 BA 明大責 l JP QJ 1 事 明 大 lq 喝 人 壮 RA 正 幕対照 図1 0 s Raw ( c mH2 0・ S )におけるクロモ リン吸 入前PRED% と吸入後PRED%の比較 クロモ リンには,抗 ヒスタ ミン作用のよ うな, 化学伝達物質に対する直接的な阻害作用や括抗作 用はな く,その作用機序 は,肥満細胞の安定化 に 基づ く肥満細胞内の化学伝達物質の遊離抑制であ 9 2 s Rawおよびs Gawに対する抗喋息薬吸入の影響 るとされている4)5)o また,BAを気道表面 にお クロモ リン吸入の際には,BA,RAお よび正常 けるアレルギー性の炎症 とみな した場合,クロモ 対照のいずれについて も,吸入前 と吸入後 の比較 リンはあ らゆる型のBAに対 して何 らかの効果 を ではs Gaw,s Rawの有意 な差 は認 めなか ったが, 有す ることか ら,非特異的な抗炎症作用を有す る BAにおいては,P RED%が1 0 0 %よ り良好であ っ とも考え られてお り,好中球や好酸球 などの,炎 た 1例を除いた全症例 (7例中 6例)で改善する 症細胞か らの化学伝達物質の遊離を,直接抑制 す 傾向にあった。 なお,BAでは,クロモ リン吸入 る作用 も報告 されて いる19) 。 その他 に,特 異抗 の際の吸入前値は,サルブタモールの時 と比 べ る 原2 0 )のみな らず非特異的刺激による発作誘発 の抑 と良好な症例が多 く,吸入後に気道抵抗の改善す 刺,低浸透圧刺激による気道収縮 に対す る防御効 る傾向はあ ったものの,有意差のみ られなか った 果21 ),さ らにEI B( 運動誘発気管収 縮 ) 予 防効 ことの一因 とも考え られた。RAおよび正常対照 果 9)などを有す ることが報告されている。また, では,吸入の前後で一定の傾向はみ られず ほぼ横 クロモ リンには,軽度なが らも能動的な気管支拡 ばいで,RAのうち 3例 ,正常対照 の うち 2例 は 張効果があり10),アスピリン曝息などには有効で クロモ リン吸 入後 にか え って悪 化 を認 め た 。 ある1 1 ),とす る報告があり,その作用機序 につ い s Gawの改善率 ( %) の比較 で は,BAはRA,正 ては,細胞内 c AMPを増加 させ るとい う報告22) 常対照のいずれ と比べて も有意 に高 く,RAと正 や,神経系に対す る作用を指摘 した もの2 3 ) 等 があ 常対照の間では差 はみ られなかった。一般的 に, るが,明 らかではな く,一般的 には,クロモ リン クロモ リンには気管支拡張作用 はない とされて には気管支 を拡張 させ る作用 はないとされてい お り,今回 の報告 で も,吸 入前 後 の比 較 で は, る6)。 s Gaw,s Raw共に有意な差 はみ られなか った。 し サルブタモールを吸入 させた場合 ,BAにおい か し,RAおよび正常対照例 の多 くと,気道抵抗 て,吸入後約3 0分にs Gawおよびs Rawの有意な改 PRED%が1 0 0 %よ り良好であったBAの 1例 にお 善を認め,それに対 して,RAと正常対照で は吸 いて,吸入後にかえ って気道抵抗の増大す る症例 入前後での数値に有意な差 はみ られなかった。吸 が認め られ,気管支に可逆的な狭窄のない状態で 入後の吸入前に対す る改善率 ( %)の比較で は, クロモ リンの吸入を行 うと,症状にはほとん ど反 BAはRAおよび正常対照のいずれに対 して も有意 映 されない程度にす ぎないが,かえって気道抵抗 に高 く,RAと正 常対 照 の間 で は差 を認 め な の増大す る場合があるとも考 え られたのに対 し, かった。BAにおけるs Gawおよびs Rawの吸入前 BAにおいて,改善率 ( %)は,RA,正常対照 い PRED%は,全症例 で1 0 0 %よ りか な り悪か った ずれに対 して も有意に高 く,大部分の症例 で吸入 が,吸入後は正常対照 と有意差のない程度 にまで 後に気道抵抗の改善す る傾向がみ られ,気管支 に 改善 した。 これは′サルブタモール吸入によ り気 可逆性の閉塞 ( 主 に気管支平滑筋の収縮や,炎症 管支平滑筋が弛緩 し,そのことが気道抵抗 の数値 性変化による)の存在す る際に,クロモ リン液 を の,吸入後における有意な改善に反映 された もの 吸入 させると,サルブタモールに比べると遥 かに であ り,気道抵抗 の測定 はBAの増悪や改善 の指 弱いと思われるが,ある程度の気管支拡張作用 の 標 として有用であることが示 された。RAで は吸 発現す る可能性が示唆 された。 入前の初期値が正常対照 と比べ もともと差がなく, サルブタモールを吸入 させても,吸入後の有意 な 改善 も,改善率 ( %)の正常対照 との有意 な差 も ま と め BA,RA,正常対照の各症例 において,サルブ 認めなかったので,今回測定 したRAに関 して は, タモ-ルまたはクロモ リン液の吸入を行 い,吸入 少な くとも中枢気道における閉塞 はな く,このよ 前および吸入後約3 0分に,体プ レチスモグラフ法 うな場合にサルブタモールを吸入 させても無効で によりs Gawとs Rawを測定 した。 あると考え られた。 1) サル ブタモール吸入後 に,BAで はs Gaw, 9 3 s Rawおよびs Gawに対する抗瑞息薬吸入の影響 s Rawの有意な改善 を認 めたが ,RAおよび正常 対照では有意 な差 はみ られなか った。 5.We l l sE,MannJ.:Phos phor yl at i on ofa 2)サルブタモール吸入によるs Gaw,s Rawの改 mas tc e l lpr ot e i ni nr e s pons et ot r e at me nt 善率 ( %)は,BAではRAや正常対照に対 して wi t h ant i al l e r gl Cc ompounds.I mpl i c at i ons f or t he mode of ac t i on of s odi um 有意に高かったが ,RAと正常対照 の間で は差 は認めなかった。BAにおいて,気管支平滑筋 の収縮による気道の閉塞 と,吸入後の改善 の測 定に,気道抵抗 は有用 であ った。RAで は,今 Nat ur e 21 6:1 3 2 8-1 3 2 9,1 9 6 7. c r omogl yc at e .Bi oc he m Phar mac ol ,3 2: 83 78 42,1 9 83. 6. Monr oFor d 氏.:Tr e at me nt of var i ous Gaw,s Rawの測定では,中枢気道領域に, 回のs t ype s 気管支の明 らかな狭窄 は認め られなかった。 c r omogl yc at e ( I nt al ):a t wo ye ar appr ai s al .AnnAl l e r gy2 9:8-1 8,1 9 71. 3) クロモ リン液吸入後では,BA,RAおよび正 Gaw,s Rawの変 常対照のいずれにおいて も,s 化に有意差 は認 めなかった。 4)クロモ リン液吸入をs Gawでみた場合 ,BAの 各症例 は他群の症例 に比べ改善す る傾向があり, BAの改善率 (%)はRAや正常対照 に比べ有意 に高 く,BAにクロモ リン液吸入を行 った場合 , 軽度ではあるが気管支拡張の発生す る可能性が 示唆された。 文 of as t hma wi t h di s odi um 7.Chung JTN,Jone s RS.:Br onc hodi l at or e f f e c t of s odi um c r omogl yc at e and i t s c l i ni c ali mpl i c at i ons.BrMe dJ.2 7:1 0 3 31 0 3 4,1 9 7 9. 8.Hor nCR,Jone sRM,Le eD,Br e nnanSR. :Br onc hodi al at or e f f e c t of di s odi um c r omogl yc at eadmi ni s t e r e dasadr ypowde r i n e xe r c i s ei nduc e d as t hma. Br J Cl i n Phar mac .1 8:7 9 8-801,1 9 8 4. 9. 梅 野 英 輔 ,西 間三 馨 :Di s odi um Cr om0- 献 1. DuBoi s AB,Bot e l ho SY, Be de l l GN, Mar s hal l R, Comr oe JHj r .:A r api d r c i s e 」nduc e d Br onc hos pas m gl yc at e の Exe 抑制効果における作用機序の検討.ア レルギー pl e t hys mo gr aphi c me t hod f or me a s ur l ng 3 4( 5) :3 2 0-3 2 8,1 9 85. t hor ac I CgasVOl ume:A c ompar i s onwi t ha ni t r o ge n was hout me t hod f or me as ur i ng f unc t i onal r e s i dual c a pac i t y i n nor ma l 1 0 .篠塚 徹,近藤信哉,経本忠市,他 :いわゆ る非気管支拡張性抗噛息薬の即時性気管支拡張 l l) :2 4 93-2 4 96, 効果の検討 .小児科臨床41( 1 9 8 8. s ub j e c t s .∫Cl i pl nve s t .3 5:3 2 2-3 2 6,1 9 5 6. 2.DuBoi sAB,Bot e l hoSY,Comr oeJHj r .: ll .妹川史朗,佐藤篤彦,谷口正実 ,他 :クロモ A ne w me t hodf orme as ur l ngai r way r e s i s - グリク酸 ナ トリウムは発作寛解期のアスピリン t anc ei nmanus l n gabody pl e t hys mogr aph: 鴨息患者に対 して急性気管支拡張効果を有する. Val ue si n nor mals ubj e c t sand i n pat i e nt s wi t hr e s pl r at Or ydi s e as e .:JCl i nl nve s t .3 5 :3 2 7-3 3 4,1 9 5 6. 1 0):1 51 5-1 52 0,1 9 9 2. ア レルギー41( 3.Ruppe l G.著 :浦田誓夫 訳 :肺機能検 Manualofpul monar yf unc 査マニュアル ( t i ont e s t i ng).医歯薬 出版株式会社 ,4 7-53, 2 5 7,1 9 9 0. 4. Cox JSG. :Di s odi um c r omo gl yc at e ( FPL6 7 0)( ' I nt al ' )' ・a s pe c i f i ci n hi bi t orof r e a glnic ant i bodyant i ge n me c hani s ms . 1 2 .Tamme l i ngGJ,Quanj e rPhH.普 :滝島 任 訳 :Cont our sofbr e at hi ng.日本 ベ- リ ンガ-イ ンゲル- イ ム株 式 会社 ,1 7 0-1 7 7, 1 9 8 4. 1 3 .石原享介,岩崎博信,片上信之 ,他 :びまん 性汎細気管支炎,慢性肺気腫の気道抵抗 および 2 その不均等換気の特異性 につ いて.呼 と循 3 ( 6) :6 2 7-6 3 2,1 9 8 4. 1 4 .PopaV,ChandnaniPC,Re ar donM.:The 94 relationship between conductance and func- Disodium cromoglycate inhibits activation tional residual capacity during drug-induced bronchoconstriction. Chest 97 (4) : 831 ~ of human inflammatory cells in vitro. J Allergy Clin lmmunol. 80 (0 : 1-8, 1987. 20. 839, 1990. 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The sGaw and sRaw in BA were Kajimoto, Medicine, Misasa Medical Branch, Okayama University Medical School, 1) Second Depart- significantly improved (P<O.Ol) after inhalation of salbutamol and those improvement ment of Medicine, Okayama University Medi- after inhalation were significantly higher (P<O.Ol) in BA than those in RA or con- cal School. trols, however there was no difference between those of RA and controls. Although VVe examined effects of salbutamol sulfate and disodium cromoglycate (cromolyn) on specific airway resistance (sRaw) and specific conductance (sGaw) in 6 patients with bronchial asthma (BA), 7 patients with rheumatoid arthritis (RA), and 5 subjects of controls, using a constant volume, whole body plethysmograph (Sensor Medics Corporation, there was no sigificant change of sGaw and sRaw in all groups between before and after inhalation of cromolyn, the improvement of sRaw after inhalation was significantly higher in BA than in RA or controls (P<0.05), and that of sGaw was significantly higher III BA than III controls (P<0.05).