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インターネット時代のデータ記述言語XMLを ソリューション
インターネット時代のデータ記述言語XMLを ソリューションの基盤技術として全面採用 企業内あるいは企業間ネット ワークでつながれた異なるアプリ ケーションの柔軟な連携を可能に するXML技術が注目されています。 そこで日立は、次世代ネットワー ク環境に向けたソリューション/ サービス体系を強化・拡大してい くため、XMLをソリューションの 基盤技術として全面的に採用しま した。 情報システム事業部内にXML技 術を適用したソリューション/サー XMLとは何か? でき、インター ネットを介して 簡単に情報交換 文書 ができるため、 XMLはプラット フォームを選ば プロ ないデータ交換 グラム フォーマットとし て注目を浴び、 非営利の標準化 団体「W3C ※1」 において標準規 格化が進められ るなど、異なるシステム間でのデ ータ連携を強化する基盤技術とし て、今後さまざまなビジネス分野 において適用されていくことが予 想されます(図3)。 XMLと は 、 eXtensible Markup Language(拡張可能なマークアッ プ言語)の略で、ネットワーク上 で文書やデータを交換したり、配 布したりするときの汎用的なデー タ記述言語を指します。 インターネットで標準的に使わ れている言語の一つにHTML ( HyperText Markup Language)が ありますが、HTMLがブラウザ上 にテキストを表示、閲覧するため に使われているのに対し、XMLは 単なる表示、閲覧だけではなく、 文書の記述方法、内容の約束を DTD(Document Type Definition: 文書型定義)により定義でき、また 文書の表示のためのスタイルとい った要素をまとめて管理できるた め、文書とデータという異質の世 界を統合することができます(図 1、2)。 さらにWebサーバやWebブラウ ザといった現状のインフラで利用 表示のための 変換 (XSL、…) XML文書 “家電製品”という エレメント 文書 見る 読む プロ グラム 他の 処理へ XML、文書 XMLデータ 記述方法、 内容の約束 (DTD) 処理のための インタフェース (DOM、SAX) XSL :eXtensible Stylesheet Language DTD :Document Type Definition DOM:Document Object Model SAX :The Simple API for XML 図2 XMLを利用する環境 実現できる。 ・データと表示を分離して記述で きるため、柔軟で効率的な使い方 が可能。 ・プロトコルに左右されず、イン ターネットで簡単に配信ができる。 ・文法が単純なのでプログラム開 ◆XMLの特長と標準化の動向 ・ブラウザで Astronomical Markup Language 表示、閲覧す BHTML=Broadcast Hyper Text Markup Language BIPS=Bank Internet Payment System る以外に、デ CDF=Channel Definition Format Web ータと文書管 Chemical Markup Language 理の一元化を Classified Ads format ・ XML文書は、開始タグで囲まれたエレメントからなる ・エレメントは階層化できる 〈家電製品〉 〈商品〉 〈商品名〉82型ワイドテレビ〈/商品名〉 〈価格〉10万円〈/価格〉 〈製造元〉日立製作所〈/製造元〉 〈/商品〉 〈商品〉 〈商品名〉冷蔵庫〈/商品名〉 〈価格〉30万円〈/価格〉 〈製造元〉日立製作所〈/製造元〉 〈/商品〉 〈/家電製品〉 ビス事業を推進する専任組織 「サー バアプリケーション拡販企画セン タ」 を設置するとともに、日立オー プンミドルウェア製品における XML対応と、XML標準化活動の積 極的推進を図っていきます。 天文に関する情報記述 米国のデータ放送 インターネット・バンキング コンテンツのプッシュ配信 化学論文の記述 新聞掲載用の広告原稿管理 ColdFusion Markup Language Web アプリケーション・サーバのプログラム記述 DTMF=Common Information Model 電話のプッシュ・トーン信号を使った情報入力 G-XML=Geographical XML 地図情報データベースのデータ交換 Legal XML 法律関係文書の作成と管理 MML=Medical Markup Language 医療情報の管理と企業間取引 NetEB=Network Electronic Book 電子書籍の制作とネット流通 NVML=NaVigation Markup Language ナビゲーション用のルート情報記述 Open Financial Exchange 金融情報の交換 Real Estate DTD 不動産情報の仲介 “商品”という エレメント POIX 地図上の緯度/経度などポイントデータ交換 Telecommunication Interchange Markup 通信業界用の情報 “商品名”という エレメント vCard 携帯端末やパソコンの名刺データ記録 VML=Virtual Markup Language 音声合成を利用した電話ユーザー向け情報配信 VRML=Virtual Reality Markup Language 3D空間表現の記述 WML=Wireless Markup Language WAP方式の携帯電話向け情報サービス 開始タグ 終了タグ Weather Observation Definition Format 気象観測情報の記述 XML-F=XML for FAX ファックス通信用記述 XML for the Automotive Industry 自動車の部品調達など XML/EDI=XML Electronic Data Interchange 企業間電子データ交換 図1 XMLとXML文書の構成 11 All Rights Reserved,Copyright ©1999,Hitachi,Ltd. 図3 企業や業界団体が提案するXML応用規格 発がスピードアップし、管理も効 率化できる。 ・グループや組織が、その活動分 野で情報を交換するための、独自 のマークアップ言語(タグ)を定 義できるため、さまざまな業界で 標準化が進みつつある。 ・情報処理産業でも標準化が進み つつあり、今後データベースやア プリケーションパッケージ(ERP※2 など) はXML形式でデータを出力す るようになる。 の中で、XMLの メリットを最大 限に活かしたシ ステム構築とア プリケーション 対応を考えてい ます(図4、5、 6、7、8)。 XML専任組織 「サーバアプリケ ーション拡販企画 センタ」 を新設 ・受発注、経費請求 ・医療情報 (病院→公共機関) ・薬品の承認 (製薬会社→厚生省) ・保険、証券、銀行間の 情報交換 ERP (販売) XML解釈 XML生成 検索 XMLの AP間のデータ クライアントの 処理データを 用途 交換形式を XMLで表現 XMLで表現 コンテンツを XMLで 作成 インデックス 情報をXML で表現 シミュレーション プレゼン テーション カタログ提供 マニュアル 提供 文書検索 ナレッジ マネジメント EDI システム例 パッケージ連携 ・ 高価なため大企業のみ ・ 安価になり中小企業も利用可能 専用回線、専用システム 専用回線不要(インターネット)、 専用システム不要(DBやパッケージ のXMLサポート、汎用ツール) 一度導入したら変更が困難、 プラットフォーム依存 株式情報サイト ・ 柔軟なパートナーシップ確立が可能 データ形式の変更が容易、変更時に アプリケーションへの影響が少ない HTML変換 ツール カタログ 情報 (XML) CD-ROM作成 ツール ・株の売買のシミュレーション ・マルチメディアプレゼンテー ション ・オンラインショッピング ・交通機関のスケジュール の確認 XML + Applet 従来のEDI XML利用メリット ・クライアントに特別なアプリケー ・クライアント側にはブラウザのみ ションが必要 ですむ または ・サーバ側ですべてを処理し、 その結果を逐一クライアント に転送する必要がある 標準APIがあり、 JavaScriptやJava プログラムが作成しやすい 流通GUIコンポーネントが利用できる ・ 負荷分散が可能 ユーザー操作ごとにサーバにアクセス する必要なし 図6 シミュレーション例 コンテンツをXMLで作成 DTPツール 適用例 ブラウザ ・株価情報 ・シミュレーション Applets 図5 EDI例 オーサリング ツール 文書管理 図4 適用パターンの分類 XML利用メリット ワークフロー 運用管理 アプリケーション間連携 Webサーバ 従来のEDI ・固定的なパートナーシップ にのみ適用できる APから人へ クライアントの処理データをXMLで表現 適用例 サプライヤー XML (発注 情報) コンテンツ管理 作成・改訂・ 提供 小分類 APからAPへ XMLは、企業 内あるいは企業 間ネットワークで つながれた異な データ交換形式をXMLで表現 ERP (購買) データ交換 適用ミドル 製品分野 ◆日立が考えるXMLの適用分野と メリット 日立ではXMLの適用パターンを 大きく「データ交換」と「コンテ ンツ管理」の2つに分け、それぞれ バイヤー 大分類 インデックス情報をXMLで表現 カタログ誌 適用例 オンライン カタログ ・カタログ ・マニュアル ・ニュース→My新聞 ・テレビ番組→My番組表 CD-ROM カタログ 従来のカタログ提供 XML利用メリット ・PDF、HTMLは再利用が困難 ・WWW、CD-ROM、紙の文書、 ヘルプファイル…のために別々に ドキュメントを作り管理 ・ワープロ文書はツール依存 ・SGMLではブラウザへの表示不可 ・SGMLのツールは高価 ・構造化文書なので、文書要素単位の 再利用・再構成が可能。保守が容易 ・同一のデータを様々な形態で出力できる ・ツールのバージョンアップの影響を受け ない ・ブラウザに直接表示できる ・安価なツールで構造化文書を作成できる 図7 カタログ提供の例 情報ソース インデックスサーバ WWW 基幹系 システム 適用例 ・ナレッジマネジメント ・Web検索(Webロボット) ・ソフトウェアコンポーネント の検索 ブラウザ 検索 結果 インデックス 情報 (XML) グループ ウェア 検索 従来の情報検索・表示 ・全文検索では、関係ない文書 まで検索結果として表示される XML利用メリット ・的確な情報の検索・フィルタリング が可能 タグ、 メタデータにより適切な インデックスを作成しやすい 図8 情報検索の例 12 All Rights Reserved,Copyright ©1999,Hitachi,Ltd. XMLデータ ネ ッ ト ワ ー ク 〈発注データ〉 〈発注No〉××〈/発注No〉 〈品目No〉××〈/品目No〉 業務システム 業務AP 既存業務AP Hitachi Processing Facility for XML 〈/発注データ〉 SQL マッピング 定義 XMLデータ テーブル 業務DB (RDB) マッピング XMLデータを既存のRDBにマッピング 既存RDBを活かしてXMLに対応可 図9 Hitachi Processing Facility for XML ステム構築の効率を一段と向上で きます。 加えて、アプリケーション構築基 盤製品「日立アプリケーションサー バ」に統合されているWebページ 生 成 製 品 「 Web Page Generator」 では、XMLデータの動的生成機能 を提供しており、Webブラウザで のデータ加工処理やユーザーに合 わせた画面表示など、HTMLでは 困難だったWebコンピューティング を可能にしています。 また、文書管理基盤ソフトウェ ア「DocumentBroker Version 2」 では、XML文書のタグ情報を基 に、文書名・著者名・作成日付な どの文書属性をデータベースへ自 動登録することで文書登録時の属 性指定作業を軽減するとともに、 タグ構造指定検索により登録文書 の再利用性を高めます。 これらオープンミドルでの対応 に加えて、今回新たにXMLデー タを処理する基盤製品として 「Hitachi Processing Facility for XML」を提供いたします。これに より、XMLデータを解析するた めのパーサ機能やXMLデータの RDBへのマッピング機能を実現し ます。 今後は、「日立アプリケーション サーバ」でのXML対応機能をさ らに強化するほか、統合システム 運用管理製品「JP1」、EC関連製 品などでXML技術を採用してい く計画で、以下のようなラインアッ プを順次取りそろえていきます。 るアプリケーションの柔軟な連携 オープンミドルウェアでも を可能にすることから、大競争時 XML対応を促進 代の中、業務のプロセス、構造、 また、文書管理やアプリケーショ 資源配分を継続的に改善していか なければならない企業にとって、 ン間のデータ交換・連携などを支 援する日立オープンミドルウェア製 情報システムにおける既存資産の 品においても、グローバルスタン 有効活用と、業務の変化に容易に ダード技術としてのXMLを積極的 対応できるフレキシビリティをとも に採用し、業界標準タグの決定・ に実現するという形で大きなメリ 採用やオープン化の推進などで、 ットをもたらします。 お客さまのメリットを最大限に高 日立では、家電からEC、企業情 報システムといった広い範囲にわた める製品開発を進めていきます。 既に、統合型グループウェア り、XMLを重要なデータ交換技術 ※3 と位置づけており、なかでもEAI 「 Groupmax Enterprise Version 5」 やネットワークコンピューティング分野 ではワークフローシステムのXML では、分散オブジェクト技術の業界 データ入出力機能「Groupmax Data ※4 標準であるCORBA に加え、新た Access Library Version 5 for XML」 にXMLを活用したソリューションの を出荷。これにより、企業間ワー 充実を図っています。 クフローシステムでのデータ交換 そしてこのたび、XMLを適用 をXML 形式で実現できるなど、シ した次世代ネットワーク環境に 対応するソリューション事業を WebページとしてHTML、XMLデータを自動的に生成する基盤製品 拡大していくため、1999年8 月、情報システム事業部内に 【利点】一度テンプレートを準備しておけば、DBのデータが変わっても 自動的に読み込み、新しいXMLデータを生成する。 「サーバアプリケーション拡販企 画センタ」を新設。約100名の 用意したテンプレートにDBからの Webページ データ (商品情報など)を埋め込む …………… スタッフが、ラインSEに対して … 最新のXML技術に関する支援 … … W を行うほか、XMLを適用した テンプレート W Web Page (HTML W 金融、製造、流通などの業種 Generator またはXML) サ ー 向けソリューション/サービス 〈カタログデータ〉 バ 〈商品名〉××〈/商品名〉 〈価格〉××〈/価格〉 の開発を推進し、お客さまを Webブラウザ 対象としたセミナーや教育プ DBMS 〈/カタログデータ〉 ログラムの充実も図っていき XMLデータ ます。 図10 日立アプリケーションサーバ Web Page Generator 13 All Rights Reserved,Copyright ©1999,Hitachi,Ltd. ◆XMLによりワークフロードメイン連携での事業所間、企業間の異種アプリケーション間データ交換が 容易に実現可能 WfMC Interoperability XMLによるAPデータの交換 A社ワークフロー サーバ B社ワークフロー サーバ※ 見積依頼書 XML ワークフローシステムa XML ワークフローシステムb ※Groupmax Workflow または WfMC Interoperability準拠ワークフロー 見積回答書 図11 Groupmax Data Access Library Version 5 for XML ◆アプリケーション構築基盤分野 ◇ Hitachi Processing Facility for XML(図9) ・XMLデータアクセス機能 XMLデータを解析・加工するの に必要なXMLサーバ機能を提供 します。 ・XML-RDBマッピング機能 既存のRDB資産を活かしながら XMLへの対応を可能にする機能 です。 ◇日立アプリケーションサーバ (図10) ・Web Page Generator(出荷済み) WebページのXMLデータ動的生 成を実現。一度テンプレートを 準備しておけば、データベース のデータが変わっても自動的に 読み込み、新しいXMLデータを 生成します。 ・Toolkit-integration メタデータ表現形式にXMLを適 用することで、アプリケーショ ン間連携を実現しやすくします。 ◆ワークフロー分野 ◇Groupmax Data Access Library Version 5 for XML(図11) (出荷済み) XMLデータ処理を行う高機能な コンポーネント群により、事業所 間/企業間の異種アプリケーション 間データ交換が容易に実現します。 ◆文書管理分野 ◇DocumentBroker XML文書管理により、データや 文書に対しての全文検索や版管理、 構成管理といった強力な処理が行 えます。 ◆運用管理分野 ◇JP1/NETM/DM(XML適用) JP1/NETM/DMの開発ツール 連携機能 XML標準化活動にも 積極的に参画 日立は以前から、XMLの仕様提 案などの標準化活動に積極的に参 画し、XML技術の普及に貢献し ています。現在も、ワークフロー の国際標準化団体WfMC ※5 がワー クフロー分野におけるXML技術 の採用を推進しているほか、セキ ュリティ分野では、W3Cがセキ ュアなコンテンツ配布を可能にす るSigned-XMLの標準化作業を開 始していますが、日立はこれらの 分野の標準活動にも積極的に参画 していきます。 そして今後ともXMLや分散オブ ジェクト技術をはじめとする新し い技術を活用した商品開発を推進 するとともに、標準化への積極的 な参加を通して、オープンシステ ム構築をサポートするソリューシ ョン/サービス事業をさらに拡大 していく計画です。 ※1 W3C:World Wide Web Consortium ※2 ERP:Enterprise Resource Planning ※3 EAI:Enterprise Application Integration ※4 CORBA:Common Object Request Broker Architecture ※5 WfMC:Workflow Management Coalition ●お問い合わせ先● 情報・通信グループ 事業企画本部 システム企画部 TEL(03) 5471-8925 FAX(03) 5471-2574 E - mail:m - nihonmatsu@ comp.hitachi.co.jp 14 All Rights Reserved,Copyright ©1999,Hitachi,Ltd.