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月号 - 神奈川県産業技術センター

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月号 - 神奈川県産業技術センター
産業技術センターニュース 2009年1月号
産業技術センター
contents
●トピックス ものづくり技術支援強化活動の振り返
りと今後の課題 . . . . . . . . . . . . . . . . .
●研 究 振動による溶接部の残留応力低減 . . .
2009 年
1
月号
.1
.3
●技術情報
REACH
∼欧州における化学品規制∼
. . . . . . . . . . . . .4
●設備紹介
X線CTスキャン装置
微小部品強度試験機 . . . . . . . . . . . . . .5
●業界情報
ヤングフォーラムに集う木工界の次世
代たち―「伝統の技×若い力」展― . . . .6
●技術支援事例 機械・材料技術部/電子技術部/
化学技術部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .7
●お知らせ
産業技術センターで製品開発をしませんか?
テクニカルショウヨコハマ2009、
中小企業技術開発支援制度説明会、
SBIR説明・相談会 など . . . . . . . . . . .8
産業技術センターは、平成14年度下期から県
倍にするという極めて高い目標を設定しました
内中小企業を中心とする産業界の皆様への貢献度
(技術相談件数:6,235件→18,700件、依頼試験
の大幅向上を目指した、「ものづくり技術支援強
収入額:7,700万円→23,000万円、受託収入件
化活動」をスタートさせ現在に至っています。活
数:2,800万円→8,400万円)。この高い目標設
動開始からほぼ6年が経過しましたので、これま
定は、従来のやり方では達成困難な目標を、職員
での経緯や成果を振り返ると共に、今後の課題と
全員で英知を結集して達成することにより、産技
その対応の考え方について述べたいと思います。
センター全体の真の体質改善や意識改革を図ると
いう狙いも併せ持っています。
「ものづくり技術支援強化3年・3倍増活動
1(3
・3活動)」<平成14年度下期∼17年度>
第一期である3・3活動の主な狙いは、技術支
援の大幅な量的拡大としました。具体的な活動指
常識的に考えると極めて難しいと思われる目標
達成に向け、職員一丸となって良く頑張ったおか
げもあり、何とか最終目標値を上回る実績をあげ
ることができました。
標として、技術相談件数、依頼試験収入、受託研
活動の主な成果としては、①県内中小企業の皆
究収入の3項目を取り上げ、それぞれの項目の平
様に対する産業技術センターの貢献度の向上、②
成13年度実績を、平成15∼17年度の3年間で3
産業技術センターの認知度の向上、③職員のお客
1
産業技術センターニュース 2009年1月号
様意識や納期意識の向上、等があげられます。ま
そこで、平成20年3月から日本発条(株)前田最高
たこれらの成果を背景に、産業技術センターの大
顧問をCEOとする「かながわ中小企業総合支援
きな懸案事項であった、団塊世代職員の定年退職
委員会」を立ち上げ、この委員会の下、県の中小
による研究職員数大幅減の補充と、老朽化した設
企業経営支援センターである(財)神奈川産業振
備の計画的更新が認められたことも大きな成果だ
興センターと共同で、経営技術総合支援ができる
と思います。
体制を構築しました。また、産業技術センターに
一方、3・3活動が終了した17年度末時点の主
戦略的デザイン室を設置し、中小企業が大企業に
な課題としては、①技術支援の質的向上を図るこ
比べて弱体である商品のマーケティングから強い
と、②業務負荷増大に対応するための業務の平準
ブランド創りまでを総合的に支援するための体制
化、効率化、重点化の実施、等があげられます。
も整えました。
2「ものづくり技術支援質的レベル倍増
活動(QL2活動)」<平成18∼20年度>
3
今後の課題とその対応の考え方
第一期の3・3活動が成功裏に終了したことを
今後の課題としてまずQL2活動の目標達成があ
受けて、第二期のQL2活動は、3・3活動で高め
ります。最近の経済情勢もあり正直申しますと苦
た技術支援の量的レベルはきちんと維持しつつ、
戦中の項目もありますが、職員一丸となって何と
更に技術支援の質的レベルの倍増を図ることとし
か目標の達成を目指したいと思います。また、前
ました。技術支援の質的レベルを示す項目とその
述した総合支援委員会や戦略的デザイン室に関し
目標値は以下に示す通りで、現在最終目標値の達
ては、立ち上げたことで満足することなく、その
成に向け職員一丸となって奮闘中です。
実効を県内中小企業の皆様に認めていただけるよ
① 産業技術センターがお客様に提供する試験
う、できるだけ大きな成果の早期創出を実現して
データの質的レベル
*ISO17025(国際的な試験所認定制度)の
取得区分数:3件→6件(合計9区分取得)
② 産業技術センターの技術力の質的レベル
*研究開発費の外資獲得3年間累計額(除く受
託研究収入額):1.3億円→2.6億円
③ 技術支援による商品化の質的レベル
*成果事例集掲載件数とその売上高総額:
28件/6.9億円→56件/13.8億円
いきたいと思います。
また、平成21年度から第三期技術支援強化活
動をスタートさせます。この第三期活動の基本的
考え方は、「オンリーワン技術を支えるナンバー
ワン公設試を目指す」ことです。今後、具体的な
活動計画を策定していきますが、QL2活動で抜け
ていた中小企業人材の育成やコーディネート機能
強化を含めたチャレンジャブルな活動計画にした
いと考えております。
現在進めているQL2活動の本格的な振り返りに
経済状況は厳しさを増すと予想されます。県内
ついては、活動終了後に実施することになります
中小企業を中心とする産業界の皆様への産業技術
が、これまで活動を進めてきて一番感じたのが、
センターの貢献度を更に高められるよう、引き続
県内中小企業の皆様に最も喜ばれる商品化の質的
き職員一丸となって頑張りますので、皆様方の積
レベルの向上のためには、技術支援だけは限界が
極的なご活用をよろしくお願い申し上げます。
あり、より質の高い支援を実施するには経営・技
術の総合支援を行う必要があるということです。
2
問合せ先 企画部 企画調整室
産業技術センターニュース 2009年1月号
研究
振動による溶接部の残留応力低減
機械・材料技術部
関係企業等 テクノコート株式会社
はじめに
よる差は認められませんが、直角方向の残留応力
溶接は局部的に熱を加える加工方法であるた
は20Hz、40Hzでは差が見られないものの60Hz
め、溶接後には残留応力が生じます。溶接構造物
になると、加振しない場合の25%まで大きく低
の残留応力が、継続的な振動環境による疲労強度
下しています。
の低下や外部からの大きな負荷と重なると、破壊
の原因となります。
溶接時に加振すると、溶接金属の残留応力が低
減することが報告されており、アメリカや中国で
図には示していませんが、溶接方向と平行に振
動させた場合には、溶接方向の残留応力に明確な
変化は見られませんが、直角方向の残留応力は最
大20%にまで低下しています。
今後の展開
は比較的大きな構造物の溶接に利用されていま
す。国内では、加振による応力低減の効果はあま
今後は振幅や溶接方向に対する振動方向の影響
り認知されておらず、限られた利用例しか報告さ
について調べる予定です。また、残留応力が低下
れていません。
するメカニズムを明らかにしたいと考えています。
当センターでは振動装置メーカーからの依頼を
受けて、残留応力低減の検証実験を実施しました。
直角の振動方向
研究の内容
トーチ
溶接方向と振動方向の関係を図1に示します。
平行の振動方向
溶接方向
200×200×9mmの一般構造用圧延鋼材・
SS400に深さ3mm・幅15mmの溝加工した試験
片に対して、マグ溶接により軟鋼用ソリッドワイ
図1 溶接方向と振動方向の関係
ヤー(φ1.2mm)を用い肉盛溶接を行いました。
わせ溶接ではなく肉盛溶接を行ったのは、材料に
よる拘束を強め、できるだけ残留応力を大きくす
るためです。振動は溶接方向に対して直角及び平
行に付与しました。振動周波数は20∼60Hzです。
溶接方向中央の溶接金属を電解研磨により平滑
化して、X線により応力測定を行いました。
研究の成果
溶接方向に直角に振動した場合の残留応力の変
化を図2に示します。振動により、溶接方向に対
していずれの方向の残留応力も低減していること
応力値(MPa)
溶接電流は130A、溶接電圧は20Vです。突き合
300
溶接方向
直角方向
200
100
0
0Hz
20Hz
40Hz
周波数
60Hz
図2 周波数が残留応力に及ぼす影響
(溶接方向に対して直角に振動した場合)
が分かります。溶接方向の残留応力には周波数に
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
執筆者より
国内では、溶接時の加振による実例はほとんどありません。当センターでは今後も基礎データの蓄
積を図り、国内での実施へと展開したいと考えております。本文を読まれ関心を持たれた方のご連絡
をお待ちしています。
問合せ先 機械・材料技術部 薩田寿隆
3
産業技術センターニュース 2009年1月号
技術情報
REACH ∼欧州における化学品規制∼
登録対象者は、欧州域内の製造者及び輸入者で
はじめに
2 0 0 7 年 6 月 に 欧 州 に お い て 、「 R E A C H 」
(化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する
あり、欧州域外から輸出する場合は欧州域内の代
理人を指名する必要があります。
規則)が発効し、2008年6月から運用が始まり
ました。この法律により、欧州域内の化学物質に
ついて、その製造と販売を行う事業者は、安全性
データを揃え、登録することが義務づけられまし
た。この法律のために、欧州化学品庁が設立され
ました。
REACHの概要
表 2 物質固有の危険性・有害性の評価の一例
危 険 性
引火性
可燃性
爆発性
自然発火温度
酸化性
REACHの考え方をよく表している言葉として
「No data, No market.(データ無ければ、市場な
し)」があります。安全性データが無い(登録さ
有 害 性
皮膚刺激性
皮膚腐食性
目刺激性
変異原性
急性毒性
水中毒性
反復投与毒性
生殖毒性
※ 重量別で求められる内容が異なる
れていない)化学物質は、欧州域内では、販売
(流通)させないということです。なお、放射性
物質、単離されない中間体、廃棄物等は、適用除
予備登録期間は、含有量(1年当たりの重量と
安全性)によって、3段階に分かれています。
登録には、RIP(欧州委員会がReachの施行に
外となっています。
表1に登録対象物質の分類を示します。調剤と
向けてガイダンス等を整備するプロジェクト)が
は、2種類以上の物質の混合物や溶液のことです。
参考になります。RIPは1∼7まであり、RIP3は、
技術的指針書(TGD)産業界用です。ただ、RIP
表 1 登 録 対 象 物 質
種
類
質
物 剤
調 登録対象物質
構 成 物 質
成 型 品
意図的放出物質
備
には未完成のものも多くあります。
考
物 質
発がん性、変異原性、生殖毒性等について特に
高い懸念のある物質をSVHCと呼び、現在リスト
成型品に含まれる高懸
念物質は特定の条件
に合致する場合、届出
の必要有り
ポ リ マ ー
ポリマーを構成する
モノマー、添加剤など
中 間 体
単離される中間体の サイト内単離中間体、
構成物質
輸送を伴う中間体は簡
易登録が必要
※ 新規・既存物質ともに1ton/年以上
REACHにおける登録
が作成されています。SVHCを含有している製品
については、欧州化学品庁の認可が必要です。
最後に
REACHに関しては、要求項目が膨大ですが、
欧州域内との取引のためには対応する必要があり
ます。成型品(製品)の中の、対象物質の含有量
を調べることは困難なので、サプライチェーンを
通じた情報提供が重要になってきます。
REACH登録内容としては、製造・輸入者の情
報などの一般的な技術情報のほかに、危険性、生
参考
物に対する有害性の評価項目があり、その一例を
欧州化学品庁(European Chemicals Agency)
表2に示します。なお、重量区分によって、必要
http://echa.europa.eu/
な項目が異なってきます。詳細は、REACHの付
属書Ⅵに記載されています。
問合せ先
化学技術部 化学評価チーム 坂尾 昇治
4
産業技術センターニュース 2009年1月号
設備紹介
このような設備機器をご利用ください
X線CTスキャン装置((株)
ユニハイトシステム XVA-160)
この装置は・・・
X線により非破壊で物体の内部を観察する装置
です。様々な方向からの透視画像をコンピュータ
品実装技術分野において、特に活躍している装置
となっています。
利用するには・・・
で合成処理することにより、物体内部の3次元
<依頼試験>
データを得ることができます。
X線CTスキャン 1試料1時間あたり14,650円
用途、特徴は・・・
内部観察を行う対象は工業製品・部品、食料品、
古美術品等様々です。本装置は、従来からある直
行CT機能に加え、新しい技術である「3次元斜
めCT機能」を搭載しており、従来の直行CTでは
不可能であった電子基板のような板状のサンプル
でも加工・破壊することなく測定することがで
き、また高い倍率で詳細な観察が可能です。その
ためハンダ接続部のクラックや多層基板内部の断
問合せ先 機械・材料技術部 解析評価チーム
増田信次、伊東秀高
線など、詳細な3次元構造の解明が必要な電子部
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
微小部品強度試験機(Dage 社 ボンドテスター シリーズ 4000)
この装置は・・・
利用するには・・・
各種半導体部品・電子部品の組立工程や基板へ
依頼試験でご利用いただけます。料金は測定対
の実装工程における、様々な接合強度を測定する
象によって変わりますのでお問い合わせください。
装置です。測定範囲は1mNの微小荷重から1kN
の高荷重まで対応しており、また、ヒートステー
ジを用いて高温下(最大300℃)における強度試
験を行うことができます。
用途、特徴は・・・
ワイヤープルテスト、金ボールシェアテストな
ど、ワイヤーボンディングの評価や、QFPリー
ド45°プルテスト、チップ部品のシェアテスト、
BGAはんだボールのプルテストなど、はんだ継
手強度の評価に用います。また、半導体チップの
ダイシェアテスト、プリント配線板の銅箔ピール
テストなども行うことができます。
問合せ先 電子技術部 電子デバイスチーム
八坂 慎一、田口 勇
*料金等につきましては、平成20年10月1日現在です。
ご利用の方は、直接問合せ先にお問い合わせください。
5
産業技術センターニュース 2009年1月号
業界情報
ヤングフォーラムに集う木工界の次世代たち
−「伝統の技×若い力」展−
年配の熟練技術者、後継者不足などのイメージ
がある伝統工芸ですが、神奈川の木工界では次世
で来場者アンケートをとるなど、様々な意見が出
され具体化しました。
代が活躍しつつあり、小田原・箱根木製品フェア
メンバーには、産技センターニュースで紹介し
2008では「伝統の技×若い力」展を開催しまし
た堀内さん、キリアキさんなど中堅もいれば始め
た。
て間もない人、跡取り、従業員、研修生など、多
ヤングフォーラムとは
様な立場の人がいます。フェアで発表された第5
小田原の工芸技術所では、2005年のデザイン
回全国「木のクラフトコンペ」では、露木清高さ 研修に集まった人たちを中心に、ヤングフォーラ
んが大賞、この道2年目の小島裕平さんが新しい
ムの活動を行っています。研修を通し工芸技術所
視点のデザインで特別賞を受賞するなど、多くの
が気づいたのは、木工界に勤める若者たちは多く
若手が入選
いるが、公的研修などがないと会社の外に出る機
し注目され
会が少なく、所属やキャリア、立場の違いもあっ
ました。
て、若い人たちの情報交換の場がないことです。
そこで最初はとにかく「集まる場」を作ろうと
声をかけ、商品化プロデュース委嘱事業を通して、
デザイン支援を初めとする活動をしてきました。
木製品フェア内の
「伝統の力×若い
力展」(看板の奥
が共同展示)
作品を前にする
メンバー
(一部)
若者たちの声、会場の声
会場アンケートによると、木工界にこれほど多
くの若い人がいるのを知らなかった、アイディア
が斬新で驚いた等の意見が多く寄せられました。
メンバーに目標や夢を聞くと、「若手」が注目
されるのでもっと利用してアピールしたい、多く
のメンバーを集め和を持って産地から情報発信し
たい、若い消費者に寄木をもっと知らせ身につけ
てもらいたい、など積極的な発言が続きました。
個人別展示の他に
共同展示も
6
ヤングフォーラムの活動も、若手たちには、新
しい意見、違う考え方が聞けるので新鮮で、意外
木製品フェア2008で初の若手による展
示コーナー
な案が出てきたり、作品の批評も参考になると、
しかし具体的目標がないとなかなか自主的、継
彼らの先輩、親方であり雇用主でもある社長さ
続的な活動に結びつきにくいと感じていた頃、木
んは、「技術は必要だが、早くて10年でやっと1
製品フェア2008実行委員会から「若手で何か企
人前。若い人はマーケティング力も必要なので、
画してほしい」と依頼され、フェアで初めて若手
いろいろ学び提案できる力を身につけてほしい。
だけを集めた展示が実現しました。テーマは「伝
社長の責任は物作りの楽しさを伝え、若者が継ぎ
統の技×若い力」。箱根物産連合会、市、町、県
たい仕事にすること」とおっしゃっていました。
の援助で、若さをアピールできる場を無料で持た
お膳立てをしてもらっている段階の若手たちで
好評のようです。
せてもらい、女性4人を含む16人が出展しました。
すが、自分たちから木工界を動かし変革の力に
開催に向けヤングフォーラムでは、個別ブース
なってほしいとの期待を背負いがんばっています。
の他に寄木細工の若手グループ「雑木囃子」を中
問合せ:工芸技術所 中島岳彦、小堀 誠
心に共同展示を充実させたり、若手コーナーだけ
文:企画部 檜垣桜子
産業技術センターニュース 2009年1月号
技 術 支 援 事 例
∼産業技術センターで実施した支援例です。技術改善の参考にお役立てください∼
テーブルの引きずり試験
家具用の金物を製造している企業から、「テーブルの脚を固定する金
家具・装備品製造業
具を設計、試作した。テーブルを引きずったときに、脚にぐらつきが出
評価技術
ないか心配だ。テーブルを左右に繰り返し引きずる試験ができないか」
(木材・家具)
との相談を受けました。JISにそのような試験項目はなく、これまで実
施したことのない内容でした。
問合せ先
テーブル甲板の左右の側面に重さの異なるおもりを滑車でつるし、重
機械・材料技術部
いほうのおもりを上げ下げすることにより、その重量差でテーブルを左
広瀬 辰男
右交互に一定の力で引っ張る方法を試みました。ガクガクとぎこちなく
動くことも予想されましたが、思ったよりもスムーズにテーブルを移動
させることができ、試験後、テーブルの脚部に異常は出ませんでした。
このようなJISにない試験でもできるものがあります。ご相談ください。
PLCにおける制御の流れ
制御装置であるPLCのプログラミング言語としては、ラダーダイアグ
のプログラミング方法
ラムがもっとも多く使用されています。ラダーダイアグラムはリレー
一般機械器具製造業
シーケンスに由来し、電気信号の流れ(パワーフロー)を表す言語とし
技術開発
ては適しています。しかしメンテナンス面では、制御の流れが直接表現
(制御・ソフトウェア)
されておらず、また、プログラマの個性により差が出るのでわかりにく
く、アプリケーションの管理・保守が難しいという相談を受けました。
問合せ先
制御の流れを表現する方法としては、SFC(シーケンシャルファンク
電子技術部
ションチャート)が適していることを紹介し、相談者の使用している
宮澤 以鋼
PLCもSFCが利用できることを確認しました。さらに、SFCのメリット
とデメリットについて説明し、条件制御などについてはラダーダイアグ
ラムとの併用を勧めました。
清涼飲料水を保管中に生成
容器詰めした清涼飲料水を保管していると、その環境により澱が生成
した沈殿物の分析
するというトラブルが生じることがあるので、その原因を調べたいとの
食料品製造業
相談を受けました。事前に他機関で微生物検査を行ったところ、微生物
トラブル対策
が検出されず沈殿の原因が分からなかったため、当センターにご相談い
(異物)
ただきました。
製造管理・保管状況や飲料水の種類を確認したところ、外部からの異
問合せ先
物の混入の可能性より飲料水の成分が変質して沈殿したものである可能
化学技術部
性が高いと考えました。そこで、澱の成分を比色法により分析したとこ
廣川隆彦
ろ、飲料水の成分と同種の成分が澱の中に含まれていることが確認され
ました。この種類の飲料水では保管中に成分が変質しやすいため、澱の
生成を抑制するような製造・保管方法の検討を薦めました。
7
産業技術センターニュース 2009年1月号
産業技術センターで製品開発をしませんか?
∼ 支 援 企 業 を 募 集 し ま す ∼
新製品の開発や、自社製品の大幅なグレードアップをめざす、県内の中小企業・個人の皆様を産業技術センター
がサポートします。当センターで支援可能な研究要素のある製品開発のテーマをお持ちであれば、どなたでもご応
募できます。
採択されると当センターの支援を受けて開発をすることができます。テーマによっては、当センター内の製品開
発室(有料)を占有して開発をすることもできます。
事前に技術相談等を通じて、当センターに適任の技術担当者がいるかどうか、ご確認いただくか、下記問い合わせ
先にご相談ください。(技術相談は無料です)
支援対象 県内の中小企業 及び 個人
支援内容 職員の技術サポートの他に、下記の支援メニューがあります
① 分析試験費用および設備機器使用料を負担します(100万円以内)
② テーマによっては、製品開発室を有料で使用できます
③ 当センター主催の技術経営セミナーに参加できます
④ テクニカルショウヨコハマに開発製品を出展できます
支援期間 1年 又は 2年 (1年毎に更新申請が必要です)
支 援 数 製品開発室使用テーマ 9件、一般テーマ数件
(平成20年度からの継続希望の企業を含む応募企業の中から決定します)
募集期間 平成21年1月13日(火)∼2月13日(金)
申 込 書 当センターホームページからダウンロード 又は 下記の問合せ先に請求
採択方法 外部委員を含む委員会で決定
お問合せ 技術支援推進部 開発支援室
046-236-1500 メール [email protected]
中級者向け特許検索講習会
中小企業技術開発支援制度説明会
企業と大学の交流広場 in YRP
1人1台パソコンを使用して、特許
電子図書館(IPDL)による中級者向
け特許検索実習を行います。
日 時:平成21年2月12日(木)
午前の部:10:00∼12:00
午後の部:13:30∼15:30
場 所:大和市生涯学習センター101
(大和市深見西1-3-17)
講 師:特許情報活用支援アドバイザ
受講料:無料 定員:各回15名
内容・申込書 当センターHPから
http://www.kanagawa-iri.go.jp/
問合せ:企画部企画調整室
046-236-1500(内)2104
平成21年度に中小企業が行う技術
開発に対する補助金等支援制度につ
いて、説明します。
開催日・場所
1月13日(火)県平塚合同庁舎
1月14日(水)産業技術センター
1月15日(木)かながわ県民センター
時 間:各会場とも14:00∼16:00
入場自由、予約不要
問合せ:県商工労働部工業振興課
045-210-5646、5640
日 時:平成21年1月15日(木)
15:00∼18:30
場 所:横須賀リサーチパークYRP
1番館(横須賀市光の丘3-4)
内 容:YRPの概要紹介、大学の研
究発表、地元企業紹介など
参加費:無料(交流会1000円)
問合せ・申込先:県横須賀三浦地域県
政総合センター商工観光課
申込はFAXか郵送で。
046-823-0433
FAX 046-824-2459
テクニカルショウヨコハマ2009
県内最大の工業技術・製品の総合
見本市です。当センターも産学連携
分野に出展します。(入場無料)
日 時:平成21年2月4日(水)∼
6日(金)10:00∼17:00
場 所:パシフィコ横浜展示ホール
(横浜市西区みなとみらい1-1-1)
知的財産権シンポジウム
左記テクニカルショウの併催行事
として、中小企業等の知財活用の紹介、
パネルディスカッション等を行います。
日 時:2月6日(金)13:30∼17:00
場 所:アネックスホール(パシフィコ内)
定 員:150人(参加無料、先着順)
申 込:住所、氏名、電話、勤務先、
役職を明記し下記へFAX。
日本弁理士会関東支部
FAX 03-3581-9188
技術相談専用電話(直通)をご利用下さい。
SBIR説明・相談会
新技術の補助金についての説明と
個別相談会を開催します。
日 時:平成21年2月25日(水)
13:30∼16:30
場 所:神奈川中小企業センタービ
ル6階 大研修室
定 員:50名(参加費無料:先着順)
問合せ:日本技術士会神奈川県技術
士会 045-210-0337
046-236-1510
産業技術センターニュース Vol.14 No.5 神奈川県産業技術センター 〒243-0435海老名市下今泉705-1 TEL0
46-236-1500
(代表)FAX0
46-236-1526
平成21年1月発行
工 芸 技 術 所 〒250-0055小田原市久野621
TEL0465-35-3557
(代表)FAX0
465-35-3936
通巻82号 印刷所 (株)相模プリント 〒229-1104相模原市東橋本1-14-17TEL042-772-1275
(代表)FAX0
42-774-1913
(複製を希望する場合は、当センター企画調整室までご連絡ください。)
8
Fly UP