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4.リサイクルの現状と将来(PDF:1627KB)

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4.リサイクルの現状と将来(PDF:1627KB)
環境と自動車の調和 現状①
● 資源循環・再利用型
(リサイクル型)物的生産体系
●使用済み自動車台数の推移
リサイクルの目的は、天然資源の保護と汚染
4.リサイクルの現状と将来
物質や廃棄物の排出の低減、すなわち環境負
荷の低減にあります。
1 クルマのリサイクルの現状
現在、クルマは台当たり重量比にして約75%∼80%がリサイクルされていますが、残りはシュレッダーダス
太陽エネルギー
トとして埋め立て処分されているのが現状です。
● 自動車のリサイクル
太陽エネルギー
利用
クルマは2∼3万点に及ぶ部品から構成されています。また、その部品
生産・消費
の材質は金属類、プラスチック類、ゴム類、化学繊維類など多様であり、
たとえば金属類は鉄、アルミニウム、銅、鉛、白金など目的に合わせた
現 在 、クルマの約 7 5 %
( 台 当 た り 重 量 比 )が
再資源化されており、
さらに向 上 させるよう
努 力 しています。
さまざまな素材が使われています。そこで大切になるのがリサイクルし
やすいクルマづくりです。現在、クルマは開発段階から生産、使用、廃
エネルギー
放出
社会
資源採取
再資源化
廃棄物放出
車に至るまで、細かい管理のもとで再資源化の工程が組み込まれ、台当
たり重量比にして約75%がリサイクルされています。
地球自然
資料:
「地球環境問題入門」和田武 実教出版1994
開 発
生 産
使 用
《新車開発時のリサイクル対応技術開発
等の実施例》
●プラスチック材料の識別マーキング
●難リサイクル材料のリサイクル技術開
発
●リサイクルしやすく、より安全な材料
の使用増加・新規開発
●リサイクルを考慮した設計
●解体分離研究
●再生処理研究
《工場内リサイクル実施例》
●プラスチック:インストルメントパネル
中の塩化ビニール→ダッシュサイレン
サー等
フロアカーペット端材→フロアカー
ペットのパッキング材
《リサイクル推進実施例》
●バンパを回収して自動車部品やパレッ
ト等へ再資源化(一部地域での試行)
●特定フロンの回収・再利用
●中古車流通システムの活用による中古
車再利用
●タイヤの再資源化
●金属くず→再溶解しリサイクル
●鋳造廃砂・鉱さい→再処理等により
リサイクル
年
保有台数
新規登録届出台数
推定廃車台数
1991
59,914,623
7,524,759
5,307,805
1992
61,658,144
6,959,073
5,215,552
1993
63,262,534
6,467,279
4,862,889
1994
65,011,472
6,526,696
4,777,758
1995
66,853,500
6,865,034
5,023,006
1996
68,801,378
7,077,745
5,129,867
1997
70,003,297
6,725,026
5,523,107
1998
70,814,554
5,879,425
5,068,168
1999
71,722,762
5,861,216
4,953,008
2000
72,649,099
5,963,042
5,036,705
2001
73,407,762
5,906,471
5,147,808
*廃車台数=前年末保有台数+当年新車販売台数−当年末保有台数
(注)1.四輪車以上
2.この廃車台数には、中古車市場の商品の在庫増加分(税制の
関係上一時抹消登録するもの)輸出中古車、手回り品として
海外へ輸出される中古車も含まれており、即スクラップ処理
される台数ではない。
資料:「日本の自動車工業」2002
● 廃車処理と廃車材料のリサイクル
不要になったクルマは解体業者によってエンジン、ミッション、タイヤ、バッテリなどの部品や残っている
燃料、オイル類、冷却水などが取り除かれ、リサイクルあるいは再利用されます。その後、ボディなどの残
りの部分がシュレッダー業者により金属類とシュレッダーダストに分類され、金属類はリサイクルし、シュ
レッダーダストは主として埋め立て処分されています。
リサイクル会社
再資 源化
ディーラー
放 置車
シュレッ
ダー会社
鉄鋼
メーカー
ダスト
産廃業者
セメントメーカー
再生メーカー等
回収業者
エンジン
エンジン
解体業者
アルミ
再生会社
廃触媒
回収業者
再生業者
その他
回収業者
再生業者
アルミ
資料:日本自動車工業会
中古車業者
モータースなど
15%∼25%
65%∼80%
プレス
廃棄物
シュレッダー
ダスト
埋立処分
約80万トン/年
シュレッダー
50%∼55%
ダスト内訳
500万台/年
(推定)
個 人
25%∼35%
(1997年含軽)
選別
タイヤ
販売店
取り外し
地方自治体
解体業者
ユーザー
中古車
専業車等
プレス業者
《路上放棄車に関する対策》
●路上放棄車処理協会への参加による路上放
棄車処理推進
●廃車処理・廃車手続きのディーラーにおける
便宜提供・協力
《廃車のシュレッダーダストの減容化等の研究》
《廃車の再資源化促進のための研究例》
●難リサイクル材料のリサイクル化技術開発
1)プラスチック:粉砕・フィラー化技術、油化
技術、素原料化・再生化技術
2)ゴム:微粉砕化・熱分解技術
●非鉄金属回収率の向上対策
●廃プラスチック部品の他の部品への再資源化
使用済み車両
●廃車リサイクルのフロー(概要)
ボディ
シュレッダー会社
廃 車
エンジン、タイヤ、トランスミッション、
バッテリ、触媒など
樹脂、繊維、
ゴム、ガラス、
木質など
鉄、非鉄金属
資料:「自動車と環境」5版 トヨタ自動車
● プラスチック部品のマーキング例
● 生産台数当たり廃棄物発生量の推移
● 新型マーチにおける主なリサイクル対象部品
(指数)
100
100
80
60
55
60
49
61
56
41
(注)リユース対象物品
およびポリプロピレン
40
26
(注)>PP<とあるのはポリプロピレンのこと
資料:「ホンダと地球環境」本田技研工業広報資料
24
96
97(年)
26
20
0
22
1975
80
85
90
91
92
93
94
95
資料:「自動車と環境」5版 トヨタ自動車
● タイヤのリサイクル状況
リユース対象部品
2001年度の廃タイヤ発生量は、本数で1億700万本、重量で105万9000トン。そのうち、リサイクル分は89%、
熱可塑性樹脂
重量で93万8000トンとなっています。リサイクルの分類はセメント焼成やボイラーなどの「熱利用分」が最も
ポリプロピレン(PP)
多く、全体の61%を占めます。
資料:日産自動車
2 これからのリサイクルの課題
その他 11%
廃車の再資源化をさらに進めるためには、リサイクル性の良い素材の研究開発を進め、生産段階では廃棄物
の発生が少ない生産技術を用い、かつ解体しやすいクルマをつくることなどが重要な課題となっています。
流通在庫等 9%
埋め立て 2%
● リサイクルの流れの現状と将来
海外輸出用
(更正タイヤ台用等)11%
原形又は加工利用分
17%
再生ゴム用・ゴム粉 9%
2001
(重量)
熱利用分 61%
金属類の再利用率は現在98%といわれていますが、一方でガラスやゴム、プラスチックなどの非金属ゴミ
(シュレッダーダスト)が年間まだ約100万トン発生しています。今後はこの埋立処分行きのゴミをいかに
減らしていくかが大きな課題です。やむをえず発生したダストは、発電のエネルギー源として利用し、電気
エネルギーとしての有効活用も研究されています。
セメント焼成用 30%
更正タイヤ台用
4%
中・小型ボイラー用 7%
その他 4%
製鉄 8%
金属製錬 3%
廃車回収
鉄、非鉄
タイヤメーカー工場用 5%
発電
(タイヤメーカー工場以外)1%
ゴ ム
ガラス
プラスチック
シュレッダー
現 状
製紙 7%
繊 維
タイヤ
バッテリ、エンジン
部品回 収
ダスト
再 生
埋 立
燃 焼
再利用
資料:「日本のタイヤ産業」2002 日本自動車タイヤ協会
●リサイクル可能な主な樹脂部品採用部位
将 来
廃車となったクルマを解体する際、まず解体しやすい構造にしておくために、部品をモデュール化(集約化)
しておく、部品の材料名をマーキングしておく、材料も種類を統一しておく、といった配慮がなされています。
また、従来、シュレッダーダストに回されていた部品の多くはプラスチックです。現在、その大半をリサイクル
可能な熱可塑性樹脂(熱を加えると柔らかくなるプラスチック素材)に置き換えるなどの対応が進められてい
ます。
シュレッダー
部品回収
ダスト
再 生
埋 立
燃 焼
再資源化
再 生
燃 焼
再利用
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