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ドイツ復興金融公庫

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ドイツ復興金融公庫
発行登録追補目論見書
2016 年 6 月
(
契約締結前交付書面及び
無登録格付に関する説明書を含む
)
ドイツ復興金融公庫
ドイツ復興金融公庫 2019年6月17日満期
トルコリラ建債券
(ドイツ復興金融公庫法に基づくドイツ連邦共和国保証)
̶ 売 出 人 ̶
東洋証券株式会社
ドイツ復興金融公庫 2019 年 6 月 17 日満期 トルコリラ建債券(以下「本債券」といいます。)の元利
金はトルコリラで支払われますので、日本円とトルコリラ間の外国為替相場の変動により影響を受け
ることがあります。
リスク要因およびその他の留意点
本債券への投資には、一定のリスクが伴う。各投資家は、本債券へ投資することが適当か否か判断
するにあたり、以下に掲げるリスク要因およびその他のリスク要因を検討する必要がある。ただし、
以下の記載は本債券に含まれるすべてのリスクを網羅した完全な記載を意図したものではない。
本債券につき支払われる金額
本債券の元利金はトルコリラで支払われる。かかる元利金の支払額の円貨相当額は、支払期日に有
効な日本円とトルコリラ間の為替レートにより異なる。そのため、円貨により投資を行った者は、本
債券に対する円貨による投資額の全額を回収することができない場合がある。したがって、日本円と
トルコリラ間の為替レートなど外国為替相場の変動に関連したリスクを理解し、かつかかるリスクに
耐えることができ、さらにかかる変動が本債券の価値にどのような影響を及ぼしうるかを理解する投
資家に限り、本債券の購入を検討すべきである。
金利および日本円とトルコリラ間の為替レートの変動によるリスク
本債券の元利金は、トルコリラにより支払われる。したがって、利払期日または償還期限前の各本
債券の価値は、トルコリラの金利や日本円とトルコリラ間の為替レートの変動を受けて、変動するこ
とがある。
格付、財政状況および業績
発行者および保証者(ドイツ連邦共和国)の信用格付、財政状況もしくは業績が実際に変化した場
合またはその変化が予想される場合、本債券の市場価値に影響が及ぶことがある。
信用リスク
本債券の利息および償還金の支払は発行者および保証者の義務となっている。したがって、発行者
または保証者の業績または財政状況の悪化等により発行者および保証者が本債券の利息または償還金
を支払わず、または支払うことができない場合には、投資家は損失を被ることがある。
税制リスク
将来において、本債券についての課税上の取扱いが変更される可能性がある。
カントリーリスク
通貨発行国の国情の変化(政治・経済・取引規制等)により、投資元本割れのおそれや途中売却が
できなくなるおそれがある。
流動性リスク
市場環境の変化により流動性(換金性)が著しく低くなった場合、途中売却ができなくなるおそれ
がある。
投資家は、上記のリスク要因の 1 つが及ぼす影響により、他の要因を理由とする本債券の取引価値
の変動が、一部または全部相殺されることがあることを理解すべきである。
本債券の購入を検討中の投資家は、その個別の事情に本債券が適合するか否かを詳細に考慮した後
に限り、投資の決定を行うべきである。
この書面は、売出人によって作成されたものであり、目論見書の一部を構成するものではなく、発行者で
あるドイツ復興金融公庫は、この書面の正確性および完全性について、いかなる責任も負いません。
外貨建て債券の契約締結前交付書面
(この書面は、金融商品取引法第 37 条の 3 の規定によりお渡しするものです。)
この書面には、外貨建て債券のお取引を行っていただく上でのリスクや留
意点が記載されています。あらかじめよくお読みいただき、ご不明な点はお
取引開始前にご確認ください。
○外貨建て債券のお取引は、主に募集・売出し等や当社が直接の相手方とな
る等の方法により行います。
○外貨建て債券は、金利水準、為替相場の変化や発行者の信用状況に対応し
て価格が変動すること等により、損失が生ずるおそれがありますのでご注
意ください。
手数料など諸費用について
・外貨建て債券を募集・売出し等により、または当社との相対取引により購
入する場合は、購入対価のみをお支払いただきます。
・外貨建て債券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外
国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとしま
す。
金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動などにより損失が生
じるおそれがあります
・外貨建て債券の市場価格は、基本的に市場の金利水準の変化に対応して変
動します。金利が上昇する過程では債券価格は下落し、逆に金利が低下す
る過程では債券価格は上昇することになります。したがって、償還日より
前に換金する場合には市場価格での売却となりますので、売却損が生じる
場合があります。また、市場環境の変化により流動性(換金性)が著しく
低くなった場合、売却することができない可能性があります。
・金利水準は、各国の中央銀行が決定する政策金利、市場金利の水準(例え
ば、既に発行されている債券の流通利回り)や金融機関の貸出金利等の変
化に対応して変動します。
・外貨建て債券は、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することによ
り、為替相場が円高になる過程では外貨建て債券を円貨換算した価値は下
落し、逆に円安になる過程では外貨建て債券を円貨換算した価値は上昇す
ることになります。したがって、売却時あるいは償還時の為替相場の状況
によっては為替差損が生じるおそれがあります。
・通貨の交換に制限が付されている場合は、元利金を円貨へ交換することや
送金ができない場合があります。
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(2015.12.25)
債券の発行者または元利金の支払の保証者の業務または財産の状況の変化
などによって損失が生じるおそれがあります
・外貨建て債券の発行者や、外貨建て債券の元利金の支払いを保証している
者の信用状況に変化が生じた場合、市場価格が変動することによって売却
損が生じる場合があります。
・外貨建て債券の発行者や、外貨建て債券の元利金の支払いを保証している
者の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いの停滞若しくは支払不
能の発生又は特約による元本の削減等がなされるリスクがあります。
なお、金融機関が発行する債券は、信用状況が悪化して破綻のおそれが
ある場合などには、発行者の本拠所在地国の破綻処理制度が適用され、所
管の監督官庁の権限で、債権順位に従って元本や利子の削減や株式への転
換等が行われる可能性があります。ただし、適用される制度は発行者の本
拠所在地国により異なり、また今後変更される可能性があります。
・外貨建て債券のうち、主要な格付機関により「投機的要素が強い」とされ
る格付がなされているものについては、当該発行者等の信用状況の悪化等
により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクの程度
はより高いと言えます。
外貨建て債券のお取引は、クーリング・オフの対象にはなりません
・外貨建て債券のお取引に関しては、金融商品取引法第 37 条の 6 の規定の
適用はありません。
外貨建て債券に係る金融商品取引契約の概要
当社における外貨建て債券のお取引については、以下によります。
・ 外貨建て債券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募の取扱い
・ 弊社が自己で直接の相手方となる売買
・ 外貨建て債券の売買の媒介、取次ぎ又は代理
外貨建て債券に関する租税の概要
個人のお客さまに対する外貨建て債券(一部を除く。)の課税は、原則として以下により
ます。
・ 外貨建て債券の利子(為替損益がある場合は為替損益を含みます。)については、利
子所得として申告分離課税の対象となります。外国源泉税が課されている場合は、
外国源泉税を控除した後の金額に対して国内で源泉徴収されます。この場合には、
確定申告により外国税額控除の適用を受けることができます。
・ 外貨建て債券の譲渡益及び償還益(それぞれ為替損益がある場合は為替損益を含みま
す。)は、上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象となります。
・ 外貨建て債券の利子、譲渡損益及び償還損益は、上場株式等の利子、配当及び譲渡損
益等との損益通算が可能です。また、確定申告により譲渡損失の繰越控除の適用を受
けることができます。
2
(2015.12.25)
・ 割引債の償還益は、償還時に源泉徴収されることがあります。
法人のお客さまに対する外貨建て債券の課税は、原則として以下によります。
・ 外貨建て債券の利子、譲渡益、償還益(それぞれ為替損益がある場合は為替損益を含
みます。
)については、法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。なお、
お客さまが一般社団法人又は一般財団法人など一定の法人の場合は、割引債の償還益
は、償還時に源泉徴収が行われます。
・ 国外で発行される外貨建て債券(一部を除く。)の利子に現地源泉税が課税された場
合には、外国源泉税を控除した後の金額に対して国内で源泉徴収され、申告により外
国税額控除の適用を受けることができます。
なお、税制が改正された場合等は、上記の内容が変更になる場合があります。
詳細につきましては、税理士等の専門家にお問い合わせください。
譲渡の制限
・ 振替債(我が国の振替制度に基づき管理されるペーパーレス化された債券をいいま
す。)である外貨建て債券は、その償還日又は利子支払日の前営業日を受渡日とする
お取引はできません。また、国外で発行される外貨建て債券についても、現地の振
替制度等により譲渡の制限が課される場合があります。
当社が行う金融商品取引業の内容及び方法の概要
当社が行う金融商品取引業は、主に金融商品取引法第 28 条第1項の規定に基づく第一
種金融商品取引業であり、当社において外貨建て債券のお取引や保護預けを行われる場
合は、以下によります。
・ 国外で発行される外貨建て債券のお取引にあたっては、外国証券取引口座の開設が
必要となります。また、国内で発行される外貨建て債券のお取引にあたっては、保
護預り口座又は振替決済口座の開設が必要となります。
・ お取引のご注文をいただいたときは、原則として、あらかじめ当該ご注文に係る代
金又は有価証券の全部又は一部(前受金等)をお預けいただいた上で、ご注文をお
受けいたします。
・ 前受金等を全額お預けいただいていない場合、当社との間で合意した日までに、ご
注文に係る代金又は有価証券をお預けいただきます。
・ ご注文にあたっては、銘柄、売り買いの別、数量、価格等お取引に必要な事項を明
示していただきます。これらの事項を明示していただけなかったときは、お取引が
できない場合があります。また、注文書をご提出いただく場合があります。
・ ご注文いただいたお取引が成立した場合には、取引報告書をお客さまにお渡しいた
します(郵送又は電磁的方法による場合を含みます。)。
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(2015.12.25)
その他留意事項
・ 法令・諸規則に違反するおそれがあると当社が判断したときは、お取引をお断りする
ことがあります。
・ 日本証券業協会のホームページ(http://www.jsda.or.jp/shiraberu/foreign/mei
gara.html)
に掲載している外国の発行者が発行する債券のうち国内で募集・売出しが行われた債
券については、金融商品取引法に基づく開示書類が英語により記載されています。
当社の概要
商 号 等
本店所在地
加入協会
指定紛争解決機関
資 本 金
主な事業
設立年月
連 絡 先
東洋証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)
第 121 号
〒104-8678 東京都中央区八丁堀 4-7-1
日本証券業協会
特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
134 億円
金融商品取引業
昭和 9 年 4 月
お取引のある部店、又は本社(03-5117-1040)にご連絡ください。
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(2015.12.25)
この書面は、売出人によって作成されたものであり、目論見書の一部を構成するものではなく、発行者で
あるドイツ復興金融公庫は、この書面の正確性および完全性について、いかなる責任も負いません。
東洋証券株式会社
無登録格付に関する説明書
(ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク用)
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業
者の登録制が導入されております。
これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、
金融商品取引法により、無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととさ
れております。
○登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務
管理体制の整備義務、③格付対象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成
及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、
業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督
を受けておりません。
○格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格
付)第2号)
○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ
(https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx)の「信用格付事業」をクリックした後に表示さ
れるページ)にある「無登録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。
○信用格付の前提、意義及び限界について
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下、
「ムーディーズ」という。)の信用格付
は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の将来の相対的信用リスクについての、現時点の意見
です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期日に履行できないリスク
及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用
格付は、流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言及するものではあり
ません。また、信用格付は、投資又は財務に関する助言を構成するものではなく、特定の証券の購入、
売却、又は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、いかなる形式又は方法によっても、
これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への
適合性について、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。
ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として
行っております。ムーディーズは、これらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムーディー
ズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全ての必要な措置を講じていま
す。しかし、ムーディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正確性及び有効性
について常に独自の検証を行うことはできません。
この情報は、平成 28 年 5 月 16 日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その
正確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記ムーディーズ・ジャパン株式会
社のホームページをご覧ください。
以
上
この書面は、売出人によって作成されたものであり、目論見書の一部を構成するものではなく、発行者で
あるドイツ復興金融公庫は、この書面の正確性および完全性について、いかなる責任も負いません。
東洋証券株式会社
無登録格付に関する説明書
(S&P グローバル・レーティング用)
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業
者の登録制が導入されております。
これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、
金融商品取引法により、無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととさ
れております。
○登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務
管理体制の整備義務、③格付対象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成
及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、
業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督
を受けておりません。
○格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:S&P グローバル・レーティング
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン
株式会社(金融庁長官(格付)第5号)
○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページ
( http://www.standardandpoors.co.jp ) の 「 ラ イ ブ ラ リ ・ 規 制 関 連 」 の 「 無 登 録 格 付 け 情 報 」
(http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。
○信用格付の前提、意義及び限界について
S&P グローバル・レーティングの信用格付は、発行体または特定の債務の将来の信用力に関する現
時点における意見であり、発行体または特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、
信用力を保証するものでもありません。また、信用格付は、証券の購入、売却または保有を推奨する
ものでなく、債務の市場流動性や流通市場での価格を示すものでもありません。
信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力
変化など、さまざまな要因により変動する可能性があります。
S&P グローバル・レーティングは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格
付分析を行っており、格付意見に達することができるだけの十分な品質および量の情報が備わってい
ると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、S&P グローバル・レーティングは、
発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査・デュー・デリジュエンスまたは独自の
検証を行っておらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られた結果の正
確性、完全性、適時性を保証するものではありません。さらに、信用格付によっては、利用可能なヒ
ストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する場合もあることに留意
する必要があります。
この情報は、平成 28 年 5 月 16 日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その
正確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記スタンダード&プアーズ・レー
ティング・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。
以
上
【表紙】
【発行登録追補書類番号】
27-外債 3-23
【提出書類】
発行登録追補書類
【提出先】
関東財務局長
【提出日】
平成 28 年 5 月 30 日
【発行者の名称】
ドイツ復興金融公庫
(KfW)
【代表者の役職氏名】
ヴァイス・プレジデント
クリストフ・ベッカー
(Christoph Becker, Vice President)
シニア・マネージャー
スザンヌ・ブリンクハウス-ヘダーゴット
(Susanne Brinkhaus-Heddergott, Senior Manager)
【代理人の氏名又は名称】
弁護士
柴
田
弘
典
【住所】
東京都港区元赤坂一丁目 2 番 7 号
赤坂Kタワー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】
03-6888-1000
【事務連絡者氏名】
弁護士
白
川
も え ぎ
弁護士
田
子
小 百 合
弁護士
北
島
【住所】
義
之
東京都港区元赤坂一丁目 2 番 7 号
赤坂Kタワー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】
03-6888-1194
【今回の売出金額】
54,000,000 トルコリラ(邦貨換算額 2,021,220,000 円)
(ただし、邦貨換算額は、1 トルコリラ=37.43 円(2016 年 5
月 27 日に株式会社三菱東京 UFJ 銀行が発表した東京外国為替市
場における対顧客電信直物売買相場の仲値)で換算されてい
る。)
【発行登録書の内容】
提出日
平成 27 年 6 月 19 日
効力発生日
平成 27 年 7 月 2 日
有効期限
平成 29 年 7 月 1 日
発行登録番号
発行予定額又は発行残高の上限
27-外債 3
発行予定額
6,000 億円
【これまでの売出実績】
(発行予定額を記載した場合)
番
号
提出年月日
売
出
金
額
減額による
訂正年月日
減額金額
27-外債 3-1
平成 27 年 7 月 22 日
1,306,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-2
平成 27 年 7 月 22 日
1,328,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-3
平成 27 年 7 月 22 日
6,016,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-4
平成 27 年 8 月 28 日
1,001,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-5
平成 27 年 9 月 15 日
1,689,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-6
平成 27 年 9 月 16 日
7,821,742,800 円
該当事項なし
27-外債 3-7
平成 27 年 10 月 2 日
1,500,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-8
平成 27 年 11 月 13 日
1,589,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-9
平成 27 年 12 月 9 日
1,698,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-10
平成 27 年 12 月 18 日
1,385,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-11
平成 28 年 1 月 8 日
1,491,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-12
平成 28 年 1 月 14 日
3,968,567,100 円
該当事項なし
27-外債 3-13
平成 28 年 1 月 20 日
3,008,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-14
平成 28 年 2 月 12 日
1,195,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-15
平成 28 年 2 月 26 日
2,000,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-16
平成 28 年 3 月 4 日
1,564,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-17
平成 28 年 3 月 11 日
2,000,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-18
平成 28 年 3 月 11 日
3,269,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-19
平成 28 年 3 月 23 日
13,674,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-20
平成 28 年 4 月 1 日
1,800,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-21
平成 28 年 4 月 18 日
5,104,000,000 円
該当事項なし
27-外債 3-22
平成 28 年 4 月 18 日
847,000,000 円
該当事項なし
実
績
合
計
額
【残額】
(発行予定額-実績合計額-減額総額)
(発行残高の上限を記載した場合)
【残高】
該当事項なし
【縦覧に供する場所】
該当なし
65,254,309,900 円
534,745,690,100 円
該当事項なし
減額総額
0円
目
次
頁
第一部【証券情報】 ·········································································· 1
第1【募集債券に関する基本事項】 ··························································· 1
第2【売出債券に関する基本事項】 ··························································· 1
1 売出要項 ············································································· 1
2
利息支払の方法 ······································································· 3
3
償還の方法 ··········································································· 3
4
元利金支払場所 ······································································· 4
5
担保又は保証に関する事項 ····························································· 5
6
債券の管理会社の職務 ································································· 6
7
債権者集会に関する事項 ······························································· 6
8
課税上の取扱い ······································································· 6
9
準拠法及び管轄裁判所 ································································ 11
10 公告の方法 ·········································································· 11
11 その他 ·············································································· 11
第3【資金調達の目的及び手取金の使途】 ····················································· 12
第4【法律意見】 ··········································································· 12
第二部【参照情報】 ·········································································· 14
第1【参照書類】 ··········································································· 14
第2【参照書類の補完情報】 ································································· 14
第3【参照書類を縦覧に供している場所】 ····················································· 14
発行登録書の提出者が金融商品取引法第27条において準用する
同法第5条第4項各号に掲げる要件を満たしていることを示す書面 ································ 15
有価証券報告書の提出日以後に生じた重要な事実 ················································ 17
発行者の概況の要約 ·········································································· 59
第一部【証券情報】
第 1【募集債券に関する基本事項】
該当なし
第 2【売出債券に関する基本事項】
1【売出要項】
売出人
会
社
名
住
東洋証券株式会社
所
東京都中央区八丁堀四丁目 7 番 1 号
【売出債券の名称】
ドイツ復興金融公庫 2019 年 6 月 17 日満期 トルコリラ建債券
(以下「本債券」という。
)
【記名・無記名の別】
無記名式
【券面総額】
54,000,000 トルコリラ(注 1)
【各債券の金額】
10,000 トルコリラ(注 2)
売出価格
額面金額の 100.00%
売出価格の総額
54,000,000 トルコリラ(注 1)
【売出価格及びその総額】
【利率】
額面金額に対し年 8.72%(注 3)
【償還期限】
2019 年 6 月 17 日(以下「償還期限」という。)
【売出期間】
2016 年 6 月 1 日から 2016 年 6 月 16 日まで
【受渡期日】
2016 年 6 月 17 日
【申込取扱場所】
売出人の日本における本店および各支店(注 4)
(注 1)
(注 2)
(注 3)
(注 4)
本債券の券面総額および売出価格の総額は、ユーロ市場で発行される本債券の券面総額と同額である。
本債券は、恒久大券(下記「11 その他 (2) 本債券の様式」に定義される。
)により表章される。確定券面お
よび利札は発行されない(下記「11 その他 (2) 本債券の様式」参照。
)。
本債券には、2016 年 6 月 16 日(以下「利息起算日」という。
)(同日を含む。)から利息が付される。
売出人は、金融商品取引法第 33 条の 2 に基づく登録を受けた銀行等の金融機関および同法第 66 条に基づく
登録を受けた金融商品仲介業者に、本債券の売出しの取扱業務の一部を行うことを委託することがある。
本債券の申込み、購入および払込みは、各申込人と売出人との間に適用される外国証券取引口座約款に従っ
てなされる。各申込人は、売出人からあらかじめ同約款の交付を受け、同約款に基づき外国証券取引口座の開
設を申し込む旨を記載した申込書を提出しなければならない。
本債券は、恒久大券(下記「11 その他 (2) 本債券の様式」に定義される。
)により表章される。確定券面お
よび利札は発行されない。恒久大券および確定券面については、下記「11 その他 (2) 本債券の様式」を参照
のこと。
(注 5)
本債券は、Deutsche Bank AG, London Branch によりユーロ市場で引受けられ、ドイツ復興金融公庫(以下
「発行者」または「KfW」という。
)の KfW ノート・プログラム(以下「本プログラム」という。)に基づき、
2016 年 6 月 16 日(以下「発行日」という。
)に発行者により発行される。本債券は、いかなる取引所にも上場
されない。
(注 6)
本債券は、アメリカ合衆国 1933 年証券法(その後の改正を含む。
)(以下「証券法」という。)に基づき登録
されておらず、今後登録される予定もない。証券法の登録義務を免除されているか、または当該義務に服さな
- 1 -
い一定の取引において行われる場合を除き、米国(下記「4 元利金支払場所 (3) 米国」に定義される。)内に
おいて、本債券の勧誘または売付けを行ってはならない。
本債券は、米国税法上の要件の適用を受ける。米国税務規則により許された一定の取引において行われる場
合を除き、米国またはその領土において、本債券の勧誘、売付けまたは交付を行ってはならない。本段落にお
いて使用される用語は、米国内国歳入法および同法に基づく規則(TEFRA C ルールを含む。
)により定義された
意味を有する。
(注 7)
別段の記載のない限り、本書中の「ユーロ」はドイツ連邦共和国を含む欧州連合の一部加盟国が採択した欧
州単一通貨を、「円」は日本円を、
「トルコリラ」はトルコ共和国の法定通貨であるトルコリラを指す。
(注 8)
本債券に関し、発行者の依頼により、金融商品取引法第 66 条の 27 に基づく登録を受けた信用格付業者(以
下「信用格付業者」という。)から提供され、もしくは閲覧に供された信用格付または当該信用格付業者から
提供され、もしくは閲覧に供される予定の信用格付はない。
発行者は、本書の日付現在、その長期債務につき、S&P グローバル・レーティング(以下「S&P」という。)
より AAA の格付を、また、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下「ムーディーズ」という。)
より Aaa の格付を付されている。
本債券について、本書の日付現在で個別の格付は取得していない。
S&P およびムーディーズは、信用格付業を行っているが、本書の日付現在、信用格付業者として登録されて
いない(以下「無登録格付業者」という。)。無登録格付業者は、金融庁の監督および信用格付業者が受ける情
報開示義務等の規制を受けておらず、金融商品取引業等に関する内閣府令第 313 条第 3 項第 3 号に掲げる事項
に係る情報の公表も義務付けられていない。
S&P およびムーディーズについては、それぞれのグループ内に、信用格付業者として、スタンダード&プア
ーズ・レーティング・ジャパン株式会社(登録番号:金融庁長官(格付)第 5 号)およびムーディーズ・ジャ
パン株式会社(登録番号:金融庁長官(格付)第 2 号)が登録されており、各信用格付の前提、意義および限
界は、インターネット上で公表されているスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホー
ムページ(http://www.standardandpoors.com/ja_JP/web/guest/home)の「ライブラリ・規制関連」の「無登
録格付け情報」(http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されている「格付けの前提・意義・
限界」およびムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ
(https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx)の「信用格付事業」のページ)にある「無登録業者の格
付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されている「信用格付の前提、意義及び限界」において、それ
ぞれ公表されている。
売出しの委託契約の内容
該当なし
債券の管理会社
該当なし
財務代理人兼主支払代理人
ドイチェ・バンク・アクチェンゲゼルシャフト
(Deutsche Bank Aktiengesellschaft)
ドイツ連邦共和国 60325 フランクフルト・アム・マイン、
タウヌスアンラーゲ 12
(Taunusanlage 12, 60325 Frankfurt am Main, Federal Republic of Germany)
(財務代理人兼主支払代理人を以下「財務代理人」といい、財務代理人であるドイチェ・バン
ク・アクチェンゲゼルシャフトを継承する者、および発行者により 2015 年 6 月 18 日付で定め
られた財務代理人規則(その時々の改訂、補足または修正を含み、以下「財務代理人規則」と
いう。)に基づく財務代理人指名契約に従って指名された代替または追加の支払代理人を含む。
財務代理人は、その指定事務所を同市内に所在するその他の指定事務所に変更する権利を常に
留保する。
)
振替機関
該当なし
- 2 -
財務上の特約
担保提供制限
該当なし
その他の条項
本債券に基づく債務は、発行者の無担保かつ非劣後の債務を構成し、本債券間で、また発行
者のその他すべての無担保かつ非劣後の債務に優先することなく同順位である。
2【利息支払の方法】
(1)
利率および利払期日
本債券には、2016 年 6 月 16 日(同日を含む。)から償還期限(同日を含まない。)までの期間
につき未償還額面総額に対して、年 8.72%の利率による利息が付される。かかる利息は、額面金
額 10,000 トルコリラの各本債券につき計算される。利息は、毎年 6 月 17 日および 12 月 17 日(以
下それぞれを「利払期日」という。)に後払いされる(ただし、下記「4 元利金支払場所 (5) 支
払営業日」
による調整に服する。)
。初回の利払期日である 2016 年 12 月 17 日には、額面金額 10,000
トルコリラに対して 438.42 トルコリラが、2017 年 6 月 17 日(同日を含む。
)から償還期限(同日
を含む。
)までの期間における各利払期日には、額面金額 10,000 トルコリラに対して 436.00 トル
コリラが支払われる。
(2)
利息の発生
本債券の利息は、償還期限以降は付されない。ただし、発行者が支払期限の到来した本債券の
償還を行わない場合、利息は、本債券の未償還額面総額に対して、当該償還期限(同日を含む。)
から本債券が実際に償還される日(同日を含まない。)まで、法律で規定された債務不履行適用
利率で継続して付される。かかる債務不履行適用利率は、ドイツ連邦銀行が随時公表する基準金
利に 5.00%を加えた利率とする。
(3)
1 年以外の期間に関する利息の計算
1 年以外の期間について利息を計算する必要が生じた場合、かかる利息は日割計算基準(下記
「(4) 日割計算基準」に定義される。)に基づいて計算される(ただし、1 円未満を四捨五入す
る。
)。
(4)
日割計算基準
「日割計算基準」とは、一定期間(当該期間の初日を含むが末日は含まない。以下「計算期間」
という。)につき本債券の利息額を計算する際に、計算期間の日数を 360 で除したものをいう。
上記計算期間の日数は、1 ヵ月を 30 日、1 年を 12 ヵ月とする 1 年 360 日に基づき計算される。た
だし、(イ)当該計算期間の末日がある月の 31 日であり、当該計算期間の初日がある月の 30 日
または 31 日以外の日である場合、当該末日が属する月は 30 日である 1 ヵ月に短縮されるものと
はみなされず、または(ロ)当該計算期間の末日が 2 月の末日である場合は、2 月は 30 日である
1 ヵ月に延長されるものとはみなされない。
3【償還の方法】
(1)
満期償還
本債券は、期限前に全部または一部が償還または買入消却されない限り、2019 年 6 月 17 日に最
終償還金額で償還される。各本債券の最終償還金額とは、その未償還額面総額をいう。
- 3 -
(2)
買入消却
発行者は、公開市場その他において、随時いかなる価格でも本債券を買入れることができる。
発行者が買入れた本債券は、発行者の選択により、保有、再販売、または消却のために財務代理
人に提出できる。
全額償還されたすべての本債券、または前段落に基づき消却のために提出されたすべての本債
券は、即時に消却されるものとし、再発行または再販売することはできない。
4【元利金支払場所】
(1) (a) 元金の支払
本債券に関する元金の支払は、下記第(2)項に従って、決済機関(下記「11 その他 (3) 決済機
関」に定義される。)または決済機関が振込を指示する決済機関の関連口座名義人口座に対して、
米国外に所在する財務代理人の指定事務所において支払時に本債券を表章する大券(下記「11 そ
の他 (2) 本債券の様式」に定義される。)を呈示および(一部支払の場合を除き)提出すること
により、行われる。
(b) 利息の支払
本債券の利息の支払は、下記第(2)項に従って、決済機関または決済機関が振込を指示する決
済機関の関連口座名義人口座に対して行われる。
(2)
支払方法
適用ある法律および規則に従って、本債券につき支払期限の到来した金額の支払は、トルコリ
ラによりなされる。
発行者が、支払営業日(下記「(5) 支払営業日」に定義される。)に支払うべき金額について、
やむを得ない理由により、自由に流通可能で交換可能な資金としてのトルコリラで支払を行うこ
とができないと決定した場合、または、トルコリラもしくは法律に定められるトルコリラの承継
通貨(以下「トルコリラ承継通貨」という。)が、国際金融取引の決済にもはや使用されていな
いと決定した場合、発行者は、かかる支払営業日に(または合理的に実務上可能な限り速やかに)
適用為替レート(下記に定義される。)に基づき、ユーロで支払を行うことにより支払義務を履
行する。所持人は、これにより、追加の利息またはその他のいかなる支払も受ける権利を有さな
い。「適用為替レート」とは、(ⅰ)支払が行われる日に可能な限り近接した直前の合理的期間(発
行者がその公正な裁量により決定する。)内の実務上可能な限り近接した日における、欧州中央
銀行が決定し公表するトルコリラもしくはトルコリラ承継通貨の対ユーロ外国為替参照レート、
または(ⅱ)かかるレートが入手不可能な場合は、発行者が公正な裁量により決定するトルコリラ
もしくはトルコリラ承継通貨の対ユーロ外国為替参照レートを意味する。
(3)
米国
上記「(1)(a) 元金の支払」において、「米国」とは、アメリカ合衆国(各州およびコロンビア
特別区を含む。)ならびにその領土(プエルトリコ、合衆国領ヴァージン諸島、グアム、アメリ
カン・サモア、ウェーク島および北マリアナ諸島を含む。)を意味する。
(4)
弁済
発行者は、決済機関に対して、またはその指図に従って支払を行うことにより、債務を弁済す
る。
(5)
支払営業日
本債券に関する金員の支払期日が支払営業日に当たらない場合、所持人はかかる繰延べにより
追加の利息またはその他の金員の支払を受ける権利を有さない。所持人は翌支払営業日まで支払
を受ける権利を有さない。ただし、翌支払営業日が翌月に入る場合、支払は、直前の支払営業日
- 4 -
になされるものとする。利息の支払が上記のとおり支払営業日に繰り上げられたかまたは繰り延
べられた場合でも、かかる繰上げまたは繰延べによる利息額の調整は行われない。
「営業日」とは、決済機関ならびに商業銀行および外国為替市場がロンドン、東京およびイス
タンブールにおいて通常業務を行い、かつ、支払の決済を行う日(土曜日および日曜日を除く。)
ならびに TARGET 営業日を意味する。
「支払営業日」とは、(ⅰ)決済機関が営業を行っている日で、(ⅱ)ロンドン、東京およびイス
タンブールが営業日であり、かつ、(ⅲ)TARGET 営業日である日を意味する。
「TARGET 営業日」とは、欧州自動即時グロス決済支払システム 2(Trans-European Automated
Real-time Gross Settlement Express Transfer System 2)が稼働している日を意味する。
(6)
元金に関する記載
本債券の要項における本債券の元金に関する記載には、適用ある場合、本債券の最終償還金額、
ならびに本債券に基づいてまたは本債券に関して支払われる追加額およびその他の金額が含まれ
る。
(7)
元利金の寄託
発行者は、支払期日後 12 ヵ月以内に所持人が支払請求しなかった元金または利息を、所持人が
支払を受けられない状態になかったとしても、フランクフルト・アム・マインに所在する区裁判
所(Amtsgericht)に寄託することができる。寄託がなされ、回収権が放棄された場合、発行者に
対する当該所持人各々の債権は消滅する。
(8)
指名、指定事務所
当初の財務代理人およびその当初の指定事務所は以下の通りである。
ドイチェ・バンク・アクチェンゲゼルシャフト
(Deutsche Bank Aktiengesellschaft)
ドイツ連邦共和国 60325 フランクフルト・アム・マイン、
タウヌスアンラーゲ 12
(Taunusanlage 12, 60325 Frankfurt am Main, Federal Republic of Germany)
財務代理人は、その指定事務所を同市内に所在するその他の指定事務所に変更する権利を常に
留保する。
(9)
指名の変更または終了
発行者は、財務代理人の指名を変更または終了し、別の財務代理人または追加もしくはその他
の支払代理人を指名する権利を常に留保する。発行者は、財務代理人を常時維持する。発行者は、
変更、終了、指名またはその他の異動について、かかる異動が有効になった後、可及的速やかに
所持人に通知を行う。
(10) 発行者の代理人
財務代理人は発行者の代理人としてのみ行為し、所持人に対して義務を負わず、所持人と代理
関係または信託関係にない。
5【担保又は保証に関する事項】
(1)
本債券には、ドイツ復興金融公庫に関する法律(以下「KfW 法」または「ドイツ復興金融公庫法」
という。)第 1a 条に基づくドイツ連邦共和国の法定保証が付されている。
(2)
本債券に基づく債務は、発行者の無担保かつ非劣後の債務を構成し、当該本債券間で、また発
行者のその他すべての無担保かつ非劣後の債務に優先することなく同順位である。
- 5 -
6【債券の管理会社の職務】
該当なし
財務代理人の職務
財務代理人は、財務代理人規則に記載の条件で、かつ、財務代理人規則に記載の条項に従って、
以下を目的として行為する。
(a)
大券の調製、完成、認証および交付(ただし、発行者が調製および完成する場合を除く。
)
(b)
大券に関して支払うべき金額の支払および新タイプの大券の形式による仮大券または恒久
大券である大券については、CBL およびユーロクリア(すべて、下記「11 その他 (3) 決済機
関」に定義される。)に対し、その記録に適切に記載するよう指示すること
(c)
本債券の要項に従って本債券に関し支払うべき利息および/またはその他の金額を決定す
ること
(d)
所持人に対する通知を発行者に代ってかつ発行者の費用負担により準備すること
(e)
発行者が情報提供を要求された場合、本プログラムに基づいて発行される本債券のその時々
に効力を有する関連通貨の管轄当局から課される報告要件を遵守するために必要なすべての
行為を、発行者の指示通りに履行することを保証すること
(f)
本債券の要項および財務代理人規則により財務代理人に課されるその他すべての義務およ
び職務を遂行すること
また、財務代理人は支払代理人の役割も果たす。
7【債権者集会に関する事項】
該当なし
8【課税上の取扱い】
(1)
ドイツ連邦共和国の租税
本債券の支払はすべて、法律により税金またはその他の公租公課を控除するよう要求される場
合、当該控除後になされるものとする。かかる控除がなされる場合、発行者は、本債券につき追
加額を支払わない(「グロスアップ」はしない。)。
以下は、本債券の取得、所有および処分に対する一定のドイツ連邦共和国の税効果について一
般的に論じたものである。この記述は、本債券の購入の決定に関連する可能性のある課税上の考
慮事項すべてを包括的に記載することを目的とするものではない。特に、この記述は特定の購入
者に適用される可能性のある特定の事実または状況を考慮に入れていない。この要約は本書の日
付現在有効で適用されるドイツ連邦共和国法に基づくものである。かかる法律は遡及効果をもっ
て改正され得る。
本債券を購入しようとする者は、ドイツ連邦共和国および自らが居住者である各国の税法に基
づく本債券の購入、所有および処分の税効果(州税または地方税の影響を含む。)について自ら
の税務顧問に相談することが推奨される。
- 6 -
所得税
課税居住者が私有資産として保有する本債券
-利息に対する課税
ドイツ連邦共和国の課税居住者である所持人(すなわち、住所または通常の居所がドイツ連邦
共和国国内にある者)に対する本債券の利息の支払については、ドイツ所得税が課される。ドイ
ツ所得税が発生する場合、連帯付加税(Solidaritätszuschlag)が加えて課される。また、適用
ある場合は、教会税が課されることがある。利札または利息債権が別途(すなわち、本債券を付
さずに)処分される場合、かかる処分による手取金には所得税が課される。本債券が別途処分さ
れる場合の利札または利息債権の償還による手取金も同様である。
ドイツ連邦共和国の個人課税居住者に対する本債券に係る利息の支払において、一般に、25%
の税率のフラット所得税(および当該課税に対する 5.5%の金額の連帯付加税)として所得税が課
される(結果として 26.375%の課税となり、適用がある場合は、さらに教会税が課される。)。
2015 年 1 月 1 日より、教会税は、所持人が停止通知(Sperrvermerk)をドイツ連邦中央税務庁
(Bundeszentralamt für Steuern)に提出した場合を除き、原則として源泉徴収により課税され
る。個人の投資収益合計からは、実費ではなく、投資収益の一括控除額(Sparer-Pauschbetrag)
である 801 ユーロ(夫婦共同で申告する場合は 1,602 ユーロ)が控除される。
所持人がドイツのもしくはドイツ以外の銀行もしくは金融サービス機関のドイツ支店またはド
イツ連邦共和国の証券取引業者もしくは銀行(以下「支払受託者」という。)に有する保管口座
にて本債券が保有される場合、支払受託者が支払う利払総額に対して源泉徴収方式で上記の税率
のフラット所得税が課税される。
一般的に、所持人が個人であり、(ⅰ)所有する本債券が取引もしくは事業の資産の一部を構成
せず、かつ(ⅱ)支払受託者に対して源泉徴収免除証明(Freistellungsauftrag)を提出している
(ただし、本債券から得られる利子所得と他の投資収益の合計が源泉徴収免除証明に記載される
免除総額を超えない範囲に限る。)場合、源泉徴収税は課されない。同様に、所持人が支払受託
者 に 対 し て 、 関 連 す る 地 方 税 務 当 局 に よ り 発 行 さ れ た 無 税 証 明 書
(Nichtveranlagungs-Bescheinigung)を提出している場合にも、源泉徴収税は課されない。
支払受託者が支払の過程に関与していない場合、所持人は本債券に係るその所得をその納税申
告に含めなければならず、25%のフラット所得税ならびに連帯付加税および(適用ある場合)教
会税は賦課方式で徴収される。
一般に、フラット所得税の支払により、かかる投資収益に関する所持人の所得税納付義務(連
帯付加税および(適用ある場合)教会税を含む。)は満たされる。所持人は、適用ある一般原則
に基づく賦課課税による所得税の負担額が 25%未満の場合、かかる賦課課税を申請することがで
きる。この場合、所得に関連する費用は、上記年間一括控除を除き、投資収益から控除すること
はできない。
-キャピタル・ゲインに対する課税
2009 年 1 月 1 日以降、2008 年 12 月 31 日より後に取得した本債券の処分または償還により、ド
イツ連邦共和国の個人課税居住者が実現したキャピタル・ゲインにも、保有期間にかかわらず投
資収益に対する 25%の税率のフラット所得税(および当該課税に対する 5.5%の金額の連帯付加
税)が課される(結果として 26.375%の課税となり、適用ある場合は、さらに教会税が課され
る。)。2015 年 1 月 1 日より、教会税は、所持人が停止通知をドイツ連邦中央税務庁に提出した
場合を除き、原則として源泉徴収により課税される。当該課税は、返済が保証されないが、元金
の全部または一部が有効に償還される本債券にも適用される。
所持人が支払受託者に有する保管口座にて本債券が保有される場合、償還金(または処分によ
る手取金)と本債券の発行価格(または購入価格)との差額からの源泉徴収方式でフラット所得
- 7 -
税が課税される。本債券の取得後に初めて本債券が支払受託者の保管口座に移行され、かつ、新
たな支払受託者が、以前に保管口座にて本債券を保有していた支払受託者から当該取得データに
関する証拠を提供されていない場合、本債券の処分または償還による手取金の 30%に対して、源
泉徴収税が課される。
支払受託者が支払の過程に関与していない場合、所持人は本債券の処分または償還によるキャ
ピタル・ゲインをその納税申告に含めなければならず、25%のフラット所得税ならびに連帯付加
税および(適用ある場合)教会税は賦課方式で徴収される。
一般に、フラット所得税の支払により、かかる投資収益に関する所持人の所得税納付義務(連
帯付加税および(適用ある場合)教会税を含む。)は満たされる。所持人は、適用ある一般原則
に基づく賦課課税による所得税の負担額が 25%未満の場合、かかる賦課課税を申請することがで
きる。この場合、所得に関連する費用は、上記年間一括控除を除き、投資収益から控除すること
はできない。
課税居住者が事業資産として保有する本債券
ドイツの個人課税居住者または法人(場合によりパートナーシップを通じた場合を含む。)が
事業資産として保有する本債券に対する利息の支払または当該本債券の処分もしくは償還による
キャピタル・ゲインは、一般的にドイツの所得税または法人税(ならびにそれぞれ連帯付加税お
よび(適用ある場合)教会税)が課される。また、利息およびキャピタル・ゲインには、本債券
がドイツの取引または事業の資産の一部を構成する場合、営業税が課される。
所持人が支払受託者に有する保管口座にて本債券が保有される場合、25%(ならびに当該課税
に対する 5.5%の金額の連帯付加税および(適用ある場合)教会税)の税率で、本債券に対する支
払利息から、また(2009 年 1 月 1 日以降は)一般的に、事業資産として保有される本債券の処分
または償還によるキャピタル・ゲインからも源泉徴収が行われる。かかる場合、源泉徴収税はフ
ラット所得税のように所得税納税義務を満たすものではないが、所持人の個人所得税または法人
税および連帯付加税(および(適用ある場合)教会税)の納付義務に対する前納とみなされる。
キャピタル・ゲインについては、ドイツ連邦共和国の法人居住者(ただし、一定の法的形態によ
る法人の場合、当該法人の地位が管轄税務当局の証明書により証明されているものに限る。)が
保有する本債券および個人またはパートナーシップが事業資産として申請した本債券に対して、
一般的に源泉徴収は要求されない。
非居住者が保有する本債券
非居住者(すなわち、住所、通常の居所、法律上の所在または有効な管理場所をドイツ連邦共
和国国内に有さない者)の場合、利息およびキャピタル・ゲインは、本債券がドイツ連邦共和国
国内に維持される恒久的施設の事業資産の一部を構成する場合を除き、ドイツの課税に服しない。
ただし、その他の理由により利息がドイツ連邦共和国で課税対象となる収入(一定のドイツ所在
の資産の賃貸もしくはリース収入またはドイツ所在の不動産により直接的もしくは間接的に担保
される資本投資による収益など)となる場合には、ドイツの所得税に服する可能性がある。
ドイツ連邦共和国の非居住者は、一般的に、利息およびキャピタル・ゲインに対するドイツの
源泉徴収税およびそれに対する連帯付加税を免除される。ただし、上記段落に記載されるとおり
利息およびキャピタル・ゲインがドイツの課税対象であり、本債券が支払受託者の保管口座にて
保有されている場合には、それぞれ上記「課税居住者が事業資産として保有する本債券」または
「課税居住者が私有資産として保有する本債券」に記載されるとおり源泉徴収税が課される。
相続税および贈与税
相続税については故人および相続人のいずれもが、また贈与税については寄贈者および受贈者
のいずれもがドイツ連邦共和国の居住者にあたらず、かつ、ドイツの取引または事業を目的とす
るドイツ連邦共和国における恒久施設の維持または恒久的な代理人の指名がなされるような当該
- 8 -
取引または事業に当該本債券が帰属しない場合には、一般に、ドイツ連邦共和国法に基づいて本
債券に関する相続税および贈与税は発生しない。以前にドイツ連邦共和国に居所を有していた一
定のドイツ連邦共和国の国民に対しては本規定の例外が適用される。
その他の税金
本債券の発行、交付または作成に関連して、印紙税、発行税、登録税または類似の税金がドイ
ツ連邦共和国において支払われることはない。現在、純資産税(Vermögensteuer)はドイツ連邦
共和国において課税されていない。
EU 貯蓄課税指令
支払利息の形態による貯蓄収入の課税に関する 2003 年 6 月 3 日付欧州連合理事会指令
2003/48/EC(以下「EU 貯蓄課税指令」という。)に基づいて、各 EU 加盟国は、利息の受益権者で
ある他の EU 加盟国の個人居住者に支払われた利息の情報を当該各加盟国の管轄当局に提出するよ
うに当該各加盟国の領域内に設置された(当該指令に規定された)支払代理人に対して要求する
義務を負い、当該支払代理人の属する EU 加盟国の管轄当局は、入手したかかる情報を利息の受益
権者の居住する EU 加盟国の管轄当局に連絡するよう要求される。
完全実施までの経過期間中、ベルギーおよびルクセンブルクは、EU 貯蓄課税指令が適用される
範囲内で、2011 年 7 月 1 日以降 35%の割合で支払利息から源泉徴収する方法を上記の手続に代え
て選択した。2010 年 1 月 1 日付でベルギーが、また、2015 年 1 月 1 日付でルクセンブルクが、上
記の情報交換の手続を適用している。
オーストリアは、オーストリアの支払代理人からその他の EU 加盟国に居住する個人居住者に対
する支払利息につき 35%の源泉徴収税を課している。EU 指令で規定されている情報処理手続が任
意で行われていれば、かかる EU 源泉徴収税が課される必要はない。
EU 貯蓄課税指令の適用要件に基づいて、スイスを含む EU 非加盟の国および領域の多くは、当
該指令に含まれている措置と同様の措置(スイスの場合は源泉徴収制度)を適用することに合意
した。
ドイツ連邦共和国では、EU 貯蓄課税指令を実施する規定が、連邦政府の制定規則により制定さ
れた。当該規定は 2005 年 7 月 1 日より発効している。
2014 年 3 月 24 日、欧州理事会は EU 貯蓄課税指令を改正し、上記要件の範囲を拡大する理事会
指令を採択した。かかる変更によりとりわけ、EU 貯蓄課税指令が対象とする支払の範囲が拡大さ
れ、一定の追加的な収入の分類が含まれることとなった一方、EU 貯蓄課税指令の対象となる支払
受領者の範囲も拡大され、(個人に加え)一定の法人または法的主体が含まれることとなった。
EU 加盟国は、2016 年 1 月 1 日までにかかる変更を有効にする国内法令を施行しなければならない
(国内法令は 2017 年 1 月 1 日より適用される必要がある。)。
所持人が個人である場合、発行者は、EU 貯蓄課税指令により課される源泉徴収税につき、本第
(1) 項第 1 段落の記載のとおり、追加額を支払わないことに留意すべきである。
外国口座税務コンプライアンス法に関する一定の考慮事項
米国の金融機関ではない一定の金融機関は、当該金融機関への特定の支払に対する源泉徴収の
対象となることを回避するため、直接または間接の米国株主および/または米国の口座名義人に
関する情報報告義務または証明義務を遵守する必要がある。したがって、当該金融機関について
は、米国内国歳入庁に債券の所持人に関する情報を報告する必要が生じる可能性があり、また、
関連する情報報告義務を遵守しない特定の所持人または直接的もしくは(かかる義務を遵守しな
い仲介者を通じて)間接的に債券を保有する所持人に対してなされる、債券に基づく支払の一部
につき、源泉徴収義務を生じる可能性がある。しかし、当該源泉徴収は通常、支払が米国内の資
金源によるものであるとみなされない限り、2017 年 1 月 1 日以前になされた支払については適用
されない。さらに、かかる源泉徴収は通常、かかる規則を制定する最終的な法令が施行された日
- 9 -
の少なくとも 6 ヵ月後に発行された債券についてのみ適用される。所持人は、これらの規則の影
響(もしあれば)について、税務顧問および所持人がそれらを通じて債券を所持している銀行ま
たはブローカーに相談する必要がある。
金融取引税の提案
欧州委員会は、特定の参加加盟国における共通の金融取引税(以下「金融取引税」という。
)の
指令に関し、提案を公表した。提案された金融取引税は非常に広範囲にわたり、金融商品の特定
の取引(流通市場取引を含む。
)にも適用される。金融取引税は、参加加盟国の内外双方における
者に適用される。通常、少なくとも当事者の一方が金融機関であり、かつ(ⅰ)少なくとも当事
者の一方が参加加盟国において設立されているかもしくは設立されているとみなされるか、また
は、
(ⅱ)かかる金融商品が参加加盟国において発行されている場合には、金融取引税が金融商品
の特定の取引に対して適用されることになる。参加加盟国による共同声明は、2016 年 1 月 1 日ま
でに金融取引税を施行するとの意向を表明していた。しかし、指令案は依然として、参加加盟国
間で交渉中である。そのため、施行前に当該指令案が変更される可能性がある。
(2)
日本国の租税
以下は、2016 年 5 月 30 日現在公布されている日本国の租税に関する法令に基づく、日本国の居
住者である個人および内国法人についての本債券に関する課税の取扱いの概略を述べたにすぎず、
本債券に投資しようとする投資家は、各投資家の状況に応じて、本債券に投資することによるリ
スクや本債券に投資することが適当か否かについて各自の会計・税務顧問に相談する必要があ
る。
(ⅰ)本債券は、特定口座において取り扱うことができる。
(ⅱ)日本国の居住者が支払を受ける本債券の利息は、それが国内における支払の取扱者を通じて
支払われる場合には、日本国の租税に関する現行法令(以下「日本国の税法」という。)上
20.315%(所得税、復興特別所得税および住民税の合計)の源泉所得税を課される。さらに、
日本国の居住者は、申告不要制度または申告分離課税を選択することができ、申告分離課税
を選択した場合、20.315%(所得税、復興特別所得税および住民税の合計)の税率が適用さ
れる。日本国の内国法人が支払を受ける本債券の利息は、それが国内における支払の取扱者
を通じて支払われる場合には、日本国の税法上 15.315%(所得税および復興特別所得税の合
計)の源泉所得税を課される。当該利息は当該法人の課税所得に含められ、日本国の所得に
関する租税の課税対象となる。ただし、当該法人は当該源泉所得税額を、一定の制限の下で、
日本国の所得に関する租税から控除することができる。
(ⅲ)本債券の譲渡または償還による損益のうち、日本国の居住者に帰属する譲渡益または償還差
益は、20.315%(所得税、復興特別所得税および住民税の合計)の税率による申告分離課税
の対象となる。ただし、特定口座のうち当該口座内で生じる所得に対する源泉徴収を日本国
の居住者が選択したもの(源泉徴収選択口座)における本債券の譲渡または償還による所得
は、確定申告を不要とすることができ、その場合の源泉徴収税率は、申告分離課税における
税率と同じである。また、内国法人に帰属する譲渡損益または償還差損益は当該法人のその
事業年度の日本国の租税の課税対象となる所得の金額を構成する。
(ⅳ)日本国の居住者は、本債券の利息、譲渡損益および償還差損益について、一定の条件で、他
の債券や上場株式等の譲渡所得、利子所得および配当所得と損益通算および繰越控除を行う
ことができる。
(ⅴ)外国法人の発行する債券から生ずる利息および償還差益は、日本国に源泉のある所得として
取り扱われない。したがって、本債券に係る利息および償還差益で、日本国に恒久的施設を
持たない日本国の非居住者および外国法人に帰属するものは、通常日本国の所得に関する租
- 10 -
税は課されない。同様に、本債券の譲渡により生ずる所得で、日本国に恒久的施設を持たな
い日本国の非居住者および外国法人に帰属するものは、日本国の所得に関する租税は課され
ない。
9【準拠法及び管轄裁判所】
(1)
準拠法
本債券の様式および内容、ならびに所持人および発行者の権利および義務はすべて、ドイツ連
邦共和国法に準拠するものとする。
(2)
履行地
履行地は、フランクフルト・アム・マインとする。
(3)
管轄権
フランクフルト・アム・マインに所在する地方裁判所(Landgericht)は、本債券からまたは本
債券に関連して生じた訴訟またはその他の法的手続について管轄権を有する。
(4)
行使
所持人は、発行者に対する、または所持人および発行者が当事者である法的手続において、
(ⅰ)当該所持人が本債券に関する証券取引口座を維持している証券保管機関(下記に定義され
る。)から発行された明細書で、(a) 所持人の正式な氏名および住所が記され、(b) 明細書作成
日において当該証券取引口座に記帳された本債券の元金額が記載され、かつ、(c) 証券保管機関
が(a) および(b) に従って情報を記載した書面による通知を決済機関に対して行った旨の確認が
なされている明細書、ならびに(ⅱ)かかる法的手続において実際の記録または本債券を表章する
大券を提出することなく、決済機関または決済機関の受託者の適式な授権者によって真正なる写
しであることが証明された大券の様式による本債券の写しに基づいて、所持人自身の名によって
当該本債券に基づく自身の権利を保護し、行使する。上記において、「証券保管機関」とは、証
券保管業務の実行を公認され、所持人が本債券に関して証券口座を維持している定評のある銀行
その他の金融機関を意味し、決済機関を含む。
10【公告の方法】
(1)
決済機関に対する通知:発行者は、決済機関から所持人に通知するために、決済機関に本債券
に関するすべての通知を交付する。かかる通知は、決済機関に通知された日から 7 日目の日に所
持人になされたものとみなされる。
(2)
通知の形式:所持人による通知は、上記「9 準拠法及び管轄裁判所(4) 行使」に基づき所持人
の権利を証明するものと併せて書面により財務代理人に対してなされるものとする。当該通知は、
当該目的上、財務代理人および決済機関が承認する方法で決済機関を通して行うことができる。
11【その他】
(1)
債務不履行事由
該当なし
(2)
本債券の様式
本債券は、無記名式で発行され、一または複数の大券(それぞれを以下「大券」という。)に
より表章される。
- 11 -
本債券は、無利札の恒久大券(以下「恒久大券」という。)により表章される。恒久大券は、
発行者の授権された 2 名の署名者により手書きで署名され、財務代理人によりまたは財務代理人
のために認証される。確定券面および利札は発行されない。
(3)
決済機関
各恒久大券は、本債券に基づく発行者のすべての債務が弁済されるまでは、決済機関により、
または決済機関のために保管される。「決済機関」とは、クリアストリーム・バンキング・ソシ
エテ・アノニム・ルクセンブルク(以下「CBL」という。)およびユーロクリア・バンク・エスエ
ー/エヌブイ(以下「ユーロクリア」という。)
(国際証券集中保管機関である CBL およびユーロ
クリアの各々を以下「ICSD」という。)のそれぞれおよび権限を有する承継機関を意味する。
本債券は、新タイプの大券で発行されるものとし、両 ICSD に代わり共通保管人が保管する。
(4)
本債券の所持人
「所持人」とは、本債券について、按分された共同所有権またはその他の受益権の保有者を意
味する。
(5)
呈示期間
本債券は、本債券の元利金の各支払期日から 10 年以内に呈示されなければならない。
(6)
追加発行
発行者は、所持人の同意なしに、すべての点(ただし、発行日、利息起算日および/または発
行価格は異なる場合がある。)において本債券と同じ条項を有する債券を今後随時発行すること
ができ、それらは本債券と単一のシリーズを構成する。
(7)
ICSD の記録
大券により表章される本債券の額面総額は、両 ICSD にその時々に記録される総額とする。ICSD
の記録(各 ICSD がその顧客のために維持している記録で、本債券における当該顧客の持分の額を
反映する記録をいう。)は、大券により表章される本債券の額面総額の確定証拠であり、また、
かかる目的上、ICSD により発行され、上記のとおり表章される本債券の金額を随時記した書面は、
関連ある ICSD の当該時点での記録の確定証拠とする。
大券により表章されるいずれかの本債券に関してなされる償還もしくは利息の支払時、または
当該本債券の買入消却時に、発行者は、大券に関する償還、利息の支払または買入消却(場合に
よる。)の詳細を ICSD の記録にしかるべく記載させ、かつ、当該記録がなされた後、ICSD に記録
され、大券により表章される本債券の額面総額から償還または買入消却された本債券の総額を減
額させるものとする。
第 3【資金調達の目的及び手取金の使途】
該当なし
第 4【法律意見】
発行者の法務部職員 2 名により以下の趣旨の法律意見書が提出されている。
(1)
発行者は、KfW 法に基づき適式に設立された制定法上の法人であり、ドイツ連邦共和国法の
下に有効に存続している。
- 12 -
(2)
発行者は、発行登録追補書類(以下「追補書類」という。)を作成し、これを関東財務局長
に提出する権能および権限を有する。
(3)
発行者による発行者のための追補書類の関東財務局長に対する提出および追補書類記載の
本債券の売出しは適法に授権されており、ドイツ連邦共和国法上適法である。
この法律意見書は、ドイツ連邦共和国法に関する範囲に限って述べられており、追補書類およびそ
の提出は、日本国の法律の下で、適法かつ有効であると仮定している。
- 13 -
第二部【参照情報】
第 1【参照書類】
発行者の概況等金融商品取引法第 27 条において準用する同法第 5 条第 1 項第 2 号に掲げる事項につ
いては、以下に掲げる書類を参照すること。
1【有価証券報告書及びその添付書類】
会計年度
(自 平成 26 年 1 月 1 日 至 平成 26 年 12 月 31 日)
平成 27 年 6 月 19 日関東財務局長に提出
2【半期報告書】
該当なし
3【臨時報告書】
該当なし
4【外国者報告書及びその補足書類】
該当なし
5【外国者半期報告書及びその補足書類】
該当なし
6【外国者臨時報告書】
該当なし
7【訂正報告書】
該当なし
第 2【参照書類の補完情報】
該当なし
第 3【参照書類を縦覧に供している場所】
該当なし
- 14 -
発行登録書の提出者が金融商品取引法第27条において準用する
同法第5条第4項各号に掲げる要件を満たしていることを示す書面
- 15 -
[訳 文]
「参照方式」の利用および発行登録の要件
を満たしていることの証明
(1)
提出者は、一年間継続して有価証券報告書を提出しております。
(2)
有価証券届出書を提出したことにより日本において発行された当公庫の債券の券面総
額は100億円以上であります。
2015年6月15日
ドイツ復興金融公庫
ドイツ連邦共和国 60325
フランクフルト・アム・マイン
パルメンガルテンシュトラーセ 5-9
[署 名]
ヨッヒェン・ロイブナー
ヴァイス・プレジデント
[署 名]
シルヴィア・ロトシェファー
ヴァイス・プレジデント
- 16 -
有価証券報告書の提出日以後に生じた重要な事実
KfW
概括
規制
準用される銀行規制 KfW省令の施行により、ドイツ銀行法第25c条から第25d条に規定されるコーポレ
ート・ガバナンスに関する銀行規制要件がKfWに準用されている。これらの要件を遵守するため、KfWの
監事会の委員会構成に一定の調整がなされた。
ド イ ツ 銀 行 法 第 25a 条 に お い て 規 定 さ れ 、 ド イ ツ の 信 用 機 関 の 報 酬 に 関 す る 規 則
( Institutionsvergütungsverordnung)においてさらに明確に規定されている報酬方針に関する銀行規
制要件については、2016年1月1日からKfWに適用されている。ドイツ連邦金融監督庁( Bundesanstalt
für Finanzdienstleistungsaufsicht)(以下「BaFin」という。)は、KfWに対し、さらなる通知に従う
ことを条件として、KfWの報酬方針はかかる要件に反するものではない旨を通達した。
EUの自己資本規制(Capital Requirements Regulation)(以下「CRR」という。)の第2部第Ⅰ編から
第Ⅲ編および第3部第Ⅰ編から第Ⅵ編に規定される自己資本充実度に関する規制が、規制上の自己資本お
よび自己資本要件の計算を含め、ほぼ全体として、2016年1月1日から、連結ベースでKfWに準用された。
さらに、KfWは、EUの自己資本指令Ⅳ(Capital Requirements Directive IV)によって導入され、ドイ
ツ銀行法第10c条から第10i条として国内法に移入された新たな資本バッファー規制の対象であり、資本
保全バッファーおよびカウンターシクリカルな(景気連動抑制的な)資本バッファーの維持を義務づけ
られている。KfWは、国内システム上関連性のある機関向けのバッファーといった、システミック・リス
クのための追加的な資本バッファーを維持するためのBaFinによる一定の要件の対象となる可能性がある。
BaFinはまた、各銀行の特定のリスク状況の反映を目的とするドイツ銀行法第6b条に関連する第10条第3
項を準用し、監督上の審査および評価プロセス(SREP)の課徴金を課す可能性がある。
また、KfWは、2016年1月1日付で、ドイツ銀行法および関連施行規則によって補足されたCRR第Ⅳ編の
大口エクスポージャー規制の準用を受けている。この規制の下では、1顧客または関係する顧客から成る
1グループに対するエクスポージャーは適格自己資本の25%までに制限され、適格自己資本の10%を超え
るエクスポージャーは特別な内部モニタリング要件およびドイツの銀行監督機関に対する報告義務を課
される。
さらに、KfWは、2016年1月1日から、レバレッジに関する規定の準用を受けている。この規制の下では、
KfWの資産および貸借対照表外のエクスポージャーの会計価値に対するTier 1資本の比率は、グループレ
ベルで報告しなければならない。レバレッジ比率は内部的に監視されており、2018年より、健全性要件
の一部となる予定である。
2015年12月の監督当局による決定によれば、自己資金要件、大口エクスポージャーおよびレバレッジ
といったCRRの特定の条項については、グループレベル(連結ベース)でのみ考慮される必要があり、事
業体レベルではその必要はない。
KfWは、すでにドイツの反マネー・ロンダリング法(Geldwäschegesetz)の対象となっているが、2016
年1月1日から、グループレベルおよび事業体レベルにおいて、ドイツ銀行法のマネー・ロンダリング、
テロリストの資金調達およびその他の犯罪行為に関する規定の対象ともなっている。
最 後 に 、 ド イ ツ 銀 行 法 お よ び ド イ ツ の リ ス ク 管 理 の 最 低 要 件 ( Mindestanforderungen an das
Risikomanagement)に規定されるリスク管理システムに関する銀行規制要件が、2016年1月1日からKfWに
準用されている。かかる銀行規制要件には、リスク戦略立案、リスク管理の実施ならびに財務および業
務管理のための健全なシステムならびに与信に関する意思決定プロセスの要件が定められている。これ
に関連して、KfW法第2条第(4)項に従ったKfWの委託業務(Zuweisungsgeschäft)(すなわち、KfWが、連
- 17 -
邦政府の指示に従い、通常、連邦政府による経済的リスクの負担において行う活動)に対して一定の免
除が認められている。
KfWの規制は、CRRおよびドイツ銀行法に規定される流動性規制の適用を受けていない。同じ理由で、
KfWは、欧州連合(以下「EU」という。)および国内の開示要件およびEU銀行再建・破綻処理指令を一般
的に免除されているため、再建・破綻処理計画の策定義務はない。
事業
資本市場
資金調達
資本市場での資金調達
KfWの資本市場での資金調達方針は、二元的な目的を追求するものである。す
なわち、資本市場で調達する資金については可能な限り有利な条件を設定すること、そして、主として
金利および為替ヘッジ商品によって、またこれより規模は限定されているが、資金調達債務と貸出資産
を一致させることにより、実務的に可能な限度で利率および外国為替の変動の影響を最小限に抑えるこ
とである。調達する資金について望ましい条件を獲得するため、KfWは、すべての主要な資本市場で地位
を維持し、あらゆる長さの償還期間を有する、様々な通貨建の幅広い資本調達手段を活用している。
KfWの資本市場での資金調達は、(ⅰ)「ベンチマーク」債券プログラム(ユーロおよび米ドル建)、
(ⅱ)ベンチマーク・プログラム以外の「公募債」および(ⅲ)「私募」(KfWが特定の投資家または限定
された数の投資家に対する販売を指して商用的に使用する用語)の3つの柱を基本としている。
2015年において、ベンチマーク債の資金調達額は388億ユーロ(KfWの資本市場での資金調達総額の
62%)であった。ベンチマーク・プログラム以外の公募債および私募は、それぞれ195億ユーロ(31%)
および43億ユーロ(7%)であった。2015年の資本市場での資金調達総額は626億ユーロ(2014年は574億
ユーロ)であった。KfWは、2016年の資本市場における長期資金調達額につき、700億ユーロから750億ユ
ーロの範囲内になると予測している。
KfWは資金調達プログラムの一環として、KfWにおいて「グリーンボンド」といわれる債券の手取金の
一部を、環境投資プログラムである再生エネルギー-基準(Erneuerbare Energien - Standard)と関連
付けている。KfWはグリーンボンドの発行を通して、投資家基盤を拡大することを目的として社会的責任
のある投資家にも呼びかけを行い、また環境プロジェクトの融資を行う資本市場のインフラを向上させ
た。グリーンボンドの販売による手取金は、KfWの事業全般に使用される一方で、取引終了と同時に、
KfWはグリーンボンドの手取金(かかる手取金はユーロに転換されることがある。)と同額を、グリーン
ボンドの発行による資金の割当を追跡するために使用される内部口座に入金している。KfWの再生エネル
ギー-基準プログラムに基づく支出の要請に応じた金額が内部口座の残高から継続的に差し引かれてい
く予定で、これは暦年初めから開始し、残高が全額出金されるまで継続される。再生エネルギー-基準
プログラムは、再生可能資源による電力の発展の促進を目指している。かかるプログラムを通して融資
される施策は、光起電性設備、陸上風力発電所およびリパワリング施策、水力発電所ならびにバイオガ
スの使用および生成のための設備を含むが、これらに限らない。かかるプログラムによって融資が行わ
れるすべてのプロジェクトの共通の目的は、温室効果ガス排出の削減である。化石燃料または原子力の
使用のための設備への融資は、このプログラムでは行われない。KfWは投資家に対し、再生エネルギー-
基準プログラムに基づく支出につき、その手取金の使途についての情報を、自身のウェブサイトにおい
て定期的に提供している。別段の指示がない限り、KfWのウェブサイト上で入手可能な情報また当該ウェ
ブサイトを通してアクセス可能な情報は、本書に引用して組み込むことはない。
- 18 -
2015年におけるKfWのグリーンボンド発行額
元本総額
(単位:10億)
当初償還期間
(年)
利率
(年率%)
KfWユーロ(AUD)グリーンボンド
0.6豪ドル
5
2.400
KfWユーロ(EUR)グリーンボンド
1.5ユーロ
5
0.125
KfWユーロ(GBP)グリーンボンド
0.5英ポンド
5
1.625
KfWユーロ(SEK)グリーンボンド
1.0スウェーデン・クローナ
5
0.586
1.0米ドル
5
1.875
KfW米ドル(USD)グリーンボンド (1)
(1) グローバル・ノートとして発行された。
2015年におけるKfWの新規の資本市場での資金調達総額は、14の異なる通貨および175の個別の資本市
場取引で調達された。KfWの主要な通貨はユーロおよび米ドルであり、2015年におけるKfWの新規の資本
市場での資金調達総額の82%(2014年は83%)を占めた。米ドルでの新規資金調達の割合は2014年の
38%から2015年の45%へと増加し、最も多額な通貨となった一方、ユーロでの新規資金調達の割合は、
同期間において45%から37%に減少した。英ポンドでの新規資金調達の割合は5%から7%に増加し、
2015年のKfWの資金調達において3番目に多額の通貨となった。豪ドルおよび日本円での資金調達の割合
はそれぞれ、4%(2014年は5%)および2%(2014年は3%)に減少した。
2015年におけるKfWの新規の資本市場での資金調達の通貨別総額
単位:10億ユーロ
総額に対する割合(%)
米ドル(USD)
28.0
45
ユーロ(EUR)
23.4
37
英ポンド(GBP)
4.6
7
豪ドル(AUD)
2.5
4
日本円(JPY)
1.2
2
3.0
5
62.6
100
その他の通貨(例:カナダドル(CAD)、ニュージーラン
ドドル(NZD)、中国元(CNY))
合計
KfWにとって資本市場での資金調達における最も重要な資金源は債券および手形の発行であり、次に重
要なものは手形貸付である。KfWが発行した債券および手形の2015年末における未償還残高は、合計
3,753億ユーロであり、2014年末の未償還残高である3,700億ユーロより53億ユーロ増加した。
2015年、KfWは、ユーロ建ベンチマーク・プログラムに基づき(1件のリオープン方式を含む5件の取引
において)元本総額165億ユーロにのぼる4件の債券および米ドル建ベンチマーク・プログラムに基づき
元本総額250億米ドルの6件の債券を売却した。ベンチマーク債券の発行に加えて、KfWは、2015年に新た
に3件の米ドル建およびカナダドル建のグローバル・ノートのシリーズを発行した。
- 19 -
2015年におけるKfWのベンチマーク債券の発行
元本総額
当初償還期間
利率
(単位:10億)
(年)
(年率%)
米ドル-ベンチマーク I/2015年 ……………………
3.0米ドル
3
1.000
米ドル-ベンチマーク II/2015年……………………
5.0米ドル
5
1.500
米ドル-ベンチマーク III/2015年 …………………
3.0米ドル
10
2.000
米ドル-ベンチマーク IV/2015年……………………
4.0米ドル
5
1.875
米ドル-ベンチマーク V/2015年……………………
6.0米ドル
3
1.125
米ドル-ベンチマーク VI/2015年……………………
4.0米ドル
3
1.125
ユーロ-ベンチマーク I/2015年 ……………………
3.0ユーロ
10
0.625
ユーロ-ベンチマーク II/2015年……………………
3.5ユーロ
7
0.625
ユーロ-ベンチマーク III/2015年 …………………
5.0ユーロ
5
0.125
ユーロ-ベンチマーク IV/2015年……………………
5.0ユーロ
3
0.000
借入金残高のうち、手形貸付は、引き続きKfWにとって2番目に重要な資本市場での資金調達方法であ
り、2015年末現在の残高は80億ユーロであった。このうち23億ユーロは、KfWの連結財政状態計算書の銀
行に対する債務に、57億ユーロは、顧客に対する債務に含まれている。手形貸付は、ドイツ資本市場の
特殊な調達手段である。手形貸付において貸出機関(一般的には、銀行、保険会社または公的年金基金
である。)は、借入人に対する貸出およびかかる貸出条件を証する証書を受け取る。手形貸付の満期は1
年から30年に及び、借入人と貸主双方にとって非常に柔軟性のあるものとなっている。債務証書借入は、
譲渡でしか移転することができないので、銀行間の流通市場内において限定的な流動性しか持たない。
下表は、KfWの債券および手形の未償還残高ならびに資本市場において発行され当初満期日が1年を超
える手形貸付に関する要約情報を示したものである。
- 20 -
当グループの固定負債の発行に関する情報(2015年12月31日現在)
通貨 取引数
AUD
25
AUD
2
BRL
14
CAD
12
CHF
8
CNY
3
DEM
1
EUR
252
EUR
86
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19
GBP
2
HKD
1
INR
1
ISK
1
JPY
22
JPY
325
MYR
1
NOK
22
NOK
1
NZD
5
PEN
1
PLN
1
RUB
2
SEK
11
SEK
3
TRY
13
USD
90
USD
18
ZAR
6
合計
948
金利の
種類
固定
変動
固定
固定
変動
固定
固定
固定
変動
固定
変動
固定
変動
固定
固定
変動
固定
固定
変動
固定
固定
固定
固定
固定
変動
固定
固定
変動
固定
年間平均
利率
(%)
(1) (2)
5.18
2.49
8.50
2.73
2.64
3.24
7.00
1.98
0.88
3.82
0.61
4.59
0.07
7.75
2.41
3.24
3.98
4.06
1.23
3.82
5.62
4.50
6.96
3.70
0.06
7.21
2.10
1.47
5.59
発行年度
2006-2015
2011-2014
2006-2015
2005-2015
2005-2010
2014-2015
1993
1986-2015
1999-2014
2000-2015
1999-2013
2004
2015
2007
1996-2015
1999-2015
2007
2002-2015
2011
2012-2015
2010
2006
2012
2006-2015
2010-2013
2007-2015
2002-2015
2006-2015
2012-2014
満期
2016-2025
2016-2019
2016-2020
2016-2037
2016-2037
2016-2018
2023
2016-2045
2016-2073
2016-2037
2017-2019
2017
2017
2017
2016-2038
2016-2045
2017
2016-2036
2016
2017-2020
2017
2025
2016-2017
2017-2031
2016-2020
2016-2020
2016-2045
2016-2023
2016-2020
満期到来
までの
平均年数
(2)
3.46
1.28
1.14
4.41
6.35
1.27
7.25
3.97
5.13
5.59
1.70
2.00
1.12
1.39
11.39
17.28
1.07
4.47
0.50
3.23
1.19
9.11
0.68
4.26
2.99
1.61
3.89
4.24
1.83
4.14
適用通貨での
ユーロでの
平均元本残高
平均元本残高 (3)
29,975,810,000.00 20,122,044,707.00
500,000,000.00
335,638,047.93
4,398,330,000.00
1,019,571,617.33
6,752,200,000.00
4,466,922,466.23
3,100,000,000.00
2,861,098,292.58
3,850,000,000.00
538,040,136.40
105,985,000.00
54,189,270.03
163,115,013,330.04 163,115,013,330.04
8,808,666,018.79
8,808,666,018.79
18,393,102,000.00 25,060,429,184.55
388,000,000.00
528,646,365.56
145,000,000.00
17,184,981.51
2,000,000,000.00
27,742,329.25
500,000,000.00
3,539,823.01
203,160,000,000.00
1,550,011,444.28
229,684,000,000.00
1,752,376,592.18
250,000,000.00
53,483,600.86
23,900,000,000.00
2,488,805,581.59
3,000,000,000.00
312,402,374.26
2,625,000,000.00
1,648,558,688.70
75,000,000.00
20,225,173.60
74,304,757.00
17,426,477.40
8,500,000,000.00
105,362,844.84
28,950,000,000.00
3,150,334,621.03
3,400,000,000.00
369,987,485.72
3,363,280,000.00
1,058,800,566.67
139,776,328,288.92 128,388,287,213.09
903,905,961.36
830,261,744.60
4,500,000,000.00
265,439,745.17
368,970,490,724.20
(1) 変動利付債券の金利は、2015年12月31日現在において適用される金利を意味している。利率が後から決定する変動利付債券に
ついては、直近の固定利率が使用されている。ゼロクーポン債券は、平均実効金利の計算に含まれている。
(2) 平均利率は、資本加重基準で計算され、ユーロでの元本残高が考慮されている。
(3) 直物レートでのユーロへの換算は、2015年12月31日の欧州中央銀行の参照レートを採用している。
短期金融市場での資金調達
KfWは、2015年に400億ユーロから500億ユーロに増額した複数通貨建コマ
ーシャル・ペーパープログラムおよび100億米ドルのコマーシャル・ペーパープログラムの2つのコマー
シャル・ペーパープログラムに基づき、コマーシャル・ペーパーを発行している。複数通貨建コマーシ
ャル・ペーパープログラムは、KfWの最も重要な短期的な流動性供給源である。2015年12月31日現在、
KfWグループのコマーシャル・ペーパーの残高は、総額399億ユーロであった(2014年末は340億ユーロ)。
デリバティブ
KfWは、通常、その融資および資金調達活動に関連してヘッジを目的とするデリバティブ取引を行う。
したがって、そのデリバティブの大部分は、金利関連デリバティブおよび通貨関連デリバティブである。
KfWグループは、売買を目的としたデリバティブ取引を行わず、また、ブローカー業務またはこれに類似
する代理業務を通じて当グループ以外の事業体のためにデリバティブの購入を促進しない。
- 21 -
下表は、当グループのデリバティブ・エクスポージャーに関する詳細な情報を示したものである。
KfWグループのデリバティブ・エクスポージャー
想定元本
2015年
2014年
12月31日
12月31日
現在
現在
金利関連デリバティブ
通貨関連デリバティブ (1)
プロテクションの買い手としてのクレジッ
ト・デリバティブ
その他
デリバティブ合計 (2) (3)
別個に会計処理される組込デリバティブ
貸借対照表における「ヘッジ会計が適用され
るデリバティブ」と「その他のデリバティ
ブ」の科目の合計
公正価値
2015年12月31日現在
公正価値
2014年12月31日現在
正
負
(単位:百万ユーロ)
正
負
478,774
235,581
467,585
218,125
18,162
25,345
20,143
4,359
20,942
17,385
24,933
3,516
10
—
714,365
—
—
0
685,711
—
—
0
43,507
148
—
0
24,502
17
—
1
38,329
134
—
0
28,449
21
714,365
685,711
43,655
24,519
38,463
28,470
(1) クロスカレンシー・スワップを含む。
(2) KfWの完全所有子会社であるKfW IPEX銀行がその輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス活動において融資に関連するヘ
ッジ商品として顧客に提供する金融派生商品を含む。KfW IPEX銀行は、かかるデリバティブ取引に起因するリスクをヘッジす
るために、KfWとの間でヘッジ取引を行っている。一方、KfWは、グループ内における市場に直面しているヘッジ活動を親会社
レベルに集中させ統合する中で、必要な限度において、市場において、対応する反対取引によりヘッジを行っている。リスク
を軽減するためにKfWが行うかかるヘッジ取引も開示されている。
(3) KfW法第2条第(4)項に従って連邦政府が特別マンデートに基づき締結する、限定的リスク・ポジションにおけるデリバティブ
契約を含む。
2015年12月31日現在
2014年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
ネッティング前の正の公正価値の合計
43,507
38,329
ネッティング後の正の公正価値の合計(1)
22,552
16,718
受領担保
20,468
14,062
20,468
13,922
2,084
2,656
そのうち現金担保
ネッティングおよび担保差引後の正の公正価値の合計
(1) IFRSに基づく相殺基準を満たさないネッティング契約の効果を示す。IAS第32号に定める金融商品の相殺に関する厳格な基準
のため、KfWグループの連結財政状態計算書には、デリバティブに関するネッティング効果は反映されていない。
KfWグループのデリバティブ活動は、連結財政状態計算書において、勘定科目の「ヘッジ会計が適用さ
れるデリバティブ」および「その他のデリバティブ」に反映されている。
資産管理
ABSおよびABCPポートフォリオ 中小企業が持続可能かつ安定的なリファイナンスから利益を得られる
ように、KfWは、2015年に、証券化された資産(例えば、中小企業リースおよびローンのポートフォリ
オ)およびABCPのシニア・トランシェに投資することで、中小企業に対する融資として8億ユーロを提供
した(2014年は12億ユーロ)。2015年12月31日現在、ABSおよびABCPポートフォリオ額は、全体で20億ユ
ーロであった(2014年末は18億ユーロ)。
- 22 -
グリーンボンドポートフォリオ 2015年、KfWは自身の助成活動の一環として気候および環境保護の施
策に融資を行うため、グリーンボンドポートフォリオを開始した。KfWはかかる目的のため、公共部門の
発行体、超国家的機関、銀行および企業のグリーンボンド、さらにはカバードボンドやABSに投資を行っ
ている。KfWのグリーンボンドポートフォリオに投資された資金により融資が行われる施策には、再生エ
ネルギー、資源の効率性、環境に配慮した輸送ならびに水および排水管理の分野におけるプロジェクト
が含まれる。かかるポートフォリオの今後数年間の目標額は10億ユーロである。2015年末現在、KfWのグ
リーンボンドポートフォリオの総額は281百万ユーロとなった。
- 23 -
ドイツ連邦共和国
経済
主要な経済指標
ドイツ経済の規模は世界でも最大級に属している。現在価格で表したドイツのGDPは、2014年の2兆
9,157億ユーロから3.8%上昇して、2015年は3兆259億ユーロとなった。物価の影響を調整した後のGDPは
2014年から1.7%上昇し、1991年の水準を36.5%上回った。1991年は、1990年10月3日のドイツ再統一後
の初年度である。就労者1人当たりの物価調整後GDPが1991年から23.0%上昇し、生産性が向上したこと
が主因となって1991年以降にこのようなGDPの成長につながった。ドイツ連邦統計局( Statistisches
Bundesamt)は、物価調整後のGDPの算出に当たって、前年度の物価に基づく連鎖指数を使用している。
2015年の1人当たりGDP(現在価格)は37,099ユーロであり、就労者1人当たりGDP(現在価格)は70,317
ユーロであった。
(出典:Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.4 - 2015 (February 2016), Tables 2.1.1 and 2.1.4)
連邦共和国では、他の多くの先進国の経済と同様、サービス部門がGDP中(粗付加価値に関して)最大
の割合を占めている。現在価格で測定した粗付加価値のうちサービスは、1991年に62.1%を占めたのに
対し、2015年は69.0%であった。最も重要な2つのサブセクターは、「流通・運送・宿泊・飲食サービ
ス」と「公共サービス・教育・健康」であり、「流通・運送・宿泊・飲食サービス」は、2015年に粗付
加価値の15.5%(1991年は16.2%)を占め、「公共サービス・教育・健康」は2015年に粗付加価値の
18.3%(1991年は15.9%)を占めた。生産部門(建設業を除く。)が粗付加価値に占める割合は、1991
年の30.9%に対し、25.8%であった。また建設業が粗付加価値に占める割合は、1991年の6.0%に対し、
2015年は4.7%、農林水産業が粗付加価値に占める割合は、1991年の1.2%に対し、2015年は0.6%であっ
た。
(出典:Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.4 - 2015 (February 2016), Table 2.2.1)
2015年、GDP(現在価格)のうち民間最終消費支出は54.0%、総資本形成は18.8%、政府最終消費支出
は2014年とほとんど変わらず、19.4%を占めた。財およびサービスの輸出および輸入がGDP(現在価格)
に占める割合はそれぞれ46.9%および39.1%であり、2015年の貿易収支(国民経済計算に準ずる。)は、
2014年におけるGDPの6.7%に対し、GDPの7.8%に相当する黒字となった。
(出典:Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.4 - 2015 (February 2016), Table 2.3.1)
2015年の物価調整後GDPは2014年と比べて1.7%上昇した。物価と営業日数の両方による影響を調整し
た後のGDPは、2014年と比べて1.4%上昇した。2015年の純輸出高は経済成長にわずかにプラスの影響を
与えた(経済成長寄与率:0.2%ポイント)。これは、輸出高の5.4%の上昇と(2014年は4.0%)、輸入
高の5.8%の上昇(2014年は3.7%)による(すべて物価調整後)。機械・設備における総固定資本形成
は、物価調整後で、2015年に4.8%増加したが(2014年は4.5%増加)、建設における総固定資本形成は
わずかに0.3%増加した。2014年と比較して、2015年の一般政府最終消費支出は、物価調整後で2.4%増
加し、家計最終消費支出は、物価調整後で1.9%上昇した。
(出典:Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.4 - 2015 (February 2016), Tables 2.1.1, 2.3.2,
2.3.5 and 2.3.10)
- 24 -
2015年の年間平均登録失業率(連邦雇用庁( Bundesagentur für Arbeit )の「国内定義」に基づいて
計 算 し た も の ) は 2014 年 の 6.7 % か ら 減 少 し て 6.4 % で あ っ た 。 し か し な が ら 、 国 際 労 働 機 関
(International Labour Organization)(以下「ILO」という。)が公布した国際比較が可能な計算法
(以下「ILO定義」という。)によれば、年間平均失業率は、2014年の4.7%から2015年の4.3%へと減少
した。2015年のインフレ率(全国消費者物価指数(CPI)の上昇率で測定される。)は、2014年の0.9%
に対し、0.3%に減少した。エネルギー価格を除くと、当該指数の上昇は1.1%であった。一般政府総債
務は、2014年末の2兆1,777億ユーロに対し、2015年末は2兆1,529億ユーロであった。
(出典:Bundesagentur für Arbeit, Monatsbericht Februar 2016, Table 5.1; Statistisches Bundesamt,
Fachserie 18, Reihe 1.4 - 2015 (February 2016), Table 2.1.13; Statistisches Bundesamt, Fachserie 17,
Reihe 7 (February 2016), Table 1.1 and 1.2; Statistisches Bundesamt, Consumer prices in 2015: +0.3% on
the previous year, press release of January 19, 2016
(https://www.destatis.de/EN/PressServices/Press/pr/2016/01/PE16_018_611.html); Deutsche Bundesbank,
Time series BBK01.BJ9059: General government debt as defined in the Maastricht Treaty - Germany overall
(http://www.bundesbank.de/Navigation/EN/Statistics/Time_series_databases/Macro_economic_time_series/
its_details_value_node.html?tsId=BBK01.BJ9059&listId=www_v27_web001_02a))
下表は、連邦共和国の各年の主要な経済指標を示したものである。
主要な経済指標
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
(単位:10億ユーロ、別途記載がある場合を除く)
GDP-現在価格
3,025.9
2,915.7
2,820.8
2,754.9
2,703.1
3.8
3.4
2.4
1.9
4.8
107.9
106.1
104.4
104.1
103.7
1.7
1.6
0.3
0.4
3.7
107.8
106.2
104.6
104.1
103.5
1.4
1.6
0.4
0.6
3.7
失業率(ILO定義)(%)(1)
4.3
4.7
4.9
5.0
5.5
インフレ率(消費者物価指数(CPI)の対前年比
変動率)(%)
0.3
0.9
1.5
2.0
2.1
257.0
212.9
190.4
193.6
164.6
2,152.9
2,177.7
2,177.8
2,193.3
2,116.8
(前年からの変動率)(%)
GDP-物価調整後、連鎖指数(2010年=100)、
営業日数による影響調整前
(前年からの変動率)(%)
GDP-物価調整後、連鎖指数(2010年=100)、
営業日数による影響調整後
(前年からの変動率)(%)
経常収支
一般政府総債務(2)
(1) 就職可能かつ求職中の失業者。
(2) マーストリヒト条約の定義による。
(出典:Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.2 - 4. Vierteljahr 2014 (February 2015), Tables
1.1 and 1.11; Statistisches Bundesamt, Verbraucherpreise, Verbraucherpreisindex für Deutschland,
Veränderungsraten zum Vorjahr in %
(https://www.destatis.de/DE/ZahlenFakten/GesamtwirtschaftUmwelt/Preise/Verbraucherpreisindizes/Tabellen
_/VerbraucherpreiseKategorien.html?cms_gtp=145114_list%253D2%2526145110_slot%253D2&https=1); Deutsche
Bundesbank, Monatsbericht März 2016, Table XII.2; Deutsche Bundesbank, Time series BBK01.BJ9059:
General government debt as defined in the Maastricht Treaty - Germany - overall
(http://www.bundesbank.de/Navigation/EN/Statistics/Time_series_databases/Macro_economic_time_series/
its_details_value_node.html?tsId=BBK01.BJ9059&listId=www_v27_web001_02a))
- 25 -
経済見通し
連邦政府は、2016年4月に公表した予測において、民間消費が2.0%伸びて、ドイツのGDPは2016年に
1.7%上昇すると予測した(成長率はすべて物価調整後のものである。)。輸出および輸入は、2015年と
比較して、それぞれ2.9%および5.2%拡大する見込みである。機械・設備投資は2.6%増加し、建設投資
は2.7%増加すると予測されている。経済成長を牽引するのはほとんど国内需要のみであると予想される。
連邦政府は、2016年の国内被雇用者数は、2015年と比較して約480,000人(1.1%)増加し、2016年には
4,350万人の記録に到達すると予測している。2016年における登録失業者( Arbeitslose )は、2015年と
比較して40,000人減少と微減し、平均約275万人になると予想される。
(出典:Bundesministerium für Wirtschaft und Energie, Bundesminister Gabriel: Deutsche Wirtschaft wächst
dank starker Binnenwirtschaft, press release of April 20, 2016
(http://www.bmwi.de/DE/Presse/pressemitteilungen,did=763840.html)))
国家財政
ドイツの一般財政赤字/黒字および一般政府総債務
EDPの下でEU加盟諸国が欧州委員会に提出する報告書において、一般財政、つまり「マーストリヒト」
赤字/黒字とは、公共部門の歳入(連結)と歳出(連結)との差額であり、ESA 2010に規定される一般政
府(中央政府、州政府、地方政府および社会保障基金)の「純借入/純貸出残高」をいう。2015年のドイ
ツの一般財政黒字は212億ユーロ(名目GDPの0.7%)であった。ドイツの一般政府総債務の対GDP比は、
2014年の74.7%から2015年は71.2%に減少し、EUの60%基準値を超えている。
(出典:Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.2 – 4. Vierteljahr 2015 (April 2016), Table
1.10; The European Union, Consolidated versions of the Treaty on European Union and the Treaty on the
Functioning of the European Union (http://eur-lex.europa.eu/legalcontent/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:12012M/TXT&from=EN); Deutsche Bundesbank, German general government debt
down in 2015 by € 24 billion to € 2.15 trillion - debt ratio down to 71.2%, press release of March 31,
2016 (http://www.bundesbank.de/Redaktion/EN/Pressemitteilungen/BBK/2016/2016_03_31_schuldenstand.html))
下表は、過去の連邦共和国の一般財政赤字/黒字および債務がGDPに占める割合(%)を示したもので
ある。
連邦共和国の年度別マーストリヒト基準
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
(GDPに占める割合(%))
一般財政赤字(-)/黒字(+)
一般政府総債務
0.7
0.3
-0.1
-0.1
-1.0
71.2
74.7
77.2
79.6
78.3
(出典: Statistisches Bundesamt, Fachserie 18, Reihe 1.2 – 4. Vierteljahr 2015 (April 2016), Table
1.10; Deutsche Bundesbank, German general government debt down in 2015 by € 24 billion to € 2.15
trillion - debt ratio down to 71.2%, press release of March 31, 2016
(http://www.bundesbank.de/Redaktion/EN/Pressemitteilungen/BBK/2016/2016_03_31_schuldenstand.html))
- 26 -
財政見通し
2016年4月現在のドイツの安定化プログラムでは、一般政府収支は2020年までほぼ均衡すると予測して
いる。構造的赤字が対GDP比の0.5%を超過しないという中期目標は、予測期間全体(2016年から2020年
まで)において大幅な安全マージンとともに達成されると予想されている。
2016年4月現在のドイツの安定化プログラムによると、ドイツの一般政府総債務の対GDP比は、2016年
に68¼%になると予測され、予測期間の終了する2020年までに、59½%あたりまでさらに減少すると予測
されている。強化されたSGPの1/20規則による債務比率の上限の基準値は、予測期間の全期間を通じて、
大幅に目標を下回ると予想されている。しかし、債務比率は、2019年までEUの基準値である名目GDPの
60%を引き続き超過する見込みである。この減少の理由の一つは、今後数年間継続すると予想される清
算機関のポートフォリオの一部の清算を見込んでいるためである。当該清算の効果に加えて、連邦予算、
各州予算および地方自治体予算における連結の取組みが、予測期間において、債務の対GDP比の減少に貢
献すると予想されている。
(出典:Bundesministerium der Finanzen, Deutsches Stabilitätsprogramm Aktualisierung 2016
(http://www.bundesfinanzministerium.de/Content/DE/Downloads/Abt_2/Stabilitaetsprogramm2016.pdf?__blob=publicationFile&v=1))
一般政府予算の見通し(1)
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
(GDPに占める割合(%))
歳入
44½
44½
44½
44½
44½
44.6
税収総額
23
23
23
23
22¾
22.8
社会負担
17
17
17
16¾
16¾
16.6
財産所得
½
½
½
½
½
0.8
その他
3¾
4
4
4½
4½
4.4
歳出
44½
44½
44½
44½
44½
43.9
被雇用者報酬および中間消費
12¼
12¼
12½
12½
12½
12.4
社会的支払
24¾
24¾
24½
24½
24¼
23.8
利子支出
1¼
1¼
1¼
1¼
1½
1.6
助成金
1
1
1
1
1
0.9
総固定資本形成
2¼
2¼
2¼
2¼
2¼
2.2
その他
1
1
1
1
1
1.0
一般財政赤字(-)/黒字(+)
0
0
0
0
0
0.7
連邦政府
0
0
-¼
0
-¼
0.3
各連邦州政府
0
0
0
0
0
0.1
地方自治体
0
0
¼
0
0
0.1
社会保障基金
0
0
0
0
0
0.2
59½
61¼
63½
65¾
68¼
71.2
一般政府総債務
(1) 予測数値は、GDP に占める割合の 4 分の 1 まで四捨五入されている。
(出典:Bundesministerium der Finanzen, Deutsches Stabilitätsprogramm Aktualisierung 2016
(http://www.bundesfinanzministerium.de/Content/DE/Downloads/Abt_2/Stabilitaetsprogramm2016.pdf?__blob=publicationFile&v=1), Tables 12 and 15)
- 27 -
連邦政府の直接債務
2015年12月31日現在の連邦政府の直接債務総額は、2014年12月31日現在の1兆1,150億ユーロに対し、1
兆972億ユーロであった。
(出典:Bundesrepublik Deutschland Finanzagentur GmbH, Übersicht über den Stand der Schuld der
Bundesrepublik Deutschland (http://www.deutschefinanzagentur.de/fileadmin/user_upload/finanzagentur/pdf/schuldenstand_jahresarchiv.pdf))
連邦政府は、主に債券および手形の発行により資金調達を行っている。連邦共和国によるユーロ建債
券および手形の発行は、債券振替決済制度で行われており、券面は発行されない。
連邦政府およびその特別基金は、直接負担債務の他に、2014年12月31日現在、総額4,652億ユーロの保
証残高を抱えている。そのうち1,341億ユーロはHERMESが連邦政府を代理して連邦政府の勘定で取り扱う
輸出信用保険という形であった。さらに、総額のうち224億ユーロは、ドイツ金融安定化法に基づくギリ
シャへの貸出金に係る保証という形であり、総額のうち892億ユーロは、欧州金融安定化ファシリティに
係る保証という形であった。
(出典:Bundesministerium der Finanzen, Finanzbericht 2016
(http://www.bundesfinanzministerium.de/Content/DE/Standardartikel/Themen/Oeffentliche_Finanzen/Wirtscha
fts_und_Finanzdaten/Finanzberichte/Finanzbericht-2016-anl.pdf?__blob=publicationFile&v=5), Overview 4,
page 356.)
連邦政府の債務および保証に関する詳細な情報については、下記「表および補足情報」を参照のこと。
表および補足情報
連邦政府の直接債務
概要
2015年12月31日現在元本残高
(単位:百万ユーロ)
国債 (Bundesanleihen)
699,405
―連邦共和国および連邦諸州の債券(Bund-Länder-Anleihe)
インフレ連動証券 (Inflationsindexierte Bundeswertpapiere)
405
77,000
5年物国債 (Bundesobligationen)
238,000
中期国債 (Bundesschatzanweisungen)
101,000
貯蓄国債 (Bundesschatzbriefe)
1,305
短期割引国債 (Unverzinsliche Schatzanweisungen)
10,887
短期金融国債 (Finanzierungsschätze)
0
ドイツ政府デイ・ボンド (Tagesanleihe des Bundes)
1,070
短期債務(1年以下)
2,227
債務証書借入 (Schuldscheindarlehen)
10,649
―居住者から
10,394
―非居住者から
255
旧債務(1)
4,470
―平衡化請求権
4,150
買戻債務
-48,838
合計
1,097,174
(1) 主に、1948年の通貨改革に関連するドイツ中央銀行、その他の銀行および保険会社の平衡化請求権および買戻し請求権。
(出典:Bundesministerium der Finanzen, Übersicht über den Stand der Schuld der Bundesrepublik
Deutschland zum 30. Juni 2015 und 31. Dezember 2015, Bundesanzeiger of February 22, 2016.)
- 28 -
KfW の財務情報
経済報告
KfWグループの業績推移
2015年は全般的に見てKfWが多くの成功を収めた会計年度であった。中期目標に向けた計画および戦略
的目的は概して達成され、さらに事例によってはこれをはるかに上回る成果を上げた。助成事業額は793
億ユーロへと増加し(2014年は741億ユーロ)、助成事業の観点からも大きな成功を収めた1年であった。
KfWは、難民救済のための国内外の助成活動等の助成商品により、ドイツの近代化および社会的一体性の
強化に大きく貢献した。助成活動では、社会的経済的に重要なメガトレンドである「気候変動および環
境」、「グローバル化と技術進歩」および「人口動態の変化」に重点が置かれた。KfWの包括的な近代化
のために導入された措置は、順調に継続された。
2015年のKfWの収益状況は、主に良好な評価損益の結果により、予想よりはるかに良い進展を遂げ2014
年に計上した値を上回った。評価損益には、様々な経常外のプラスの効果が及んだが、今後もかかる累
積的な効果を得ることができるとは考えられない。評価前営業損益(助成活動前)は、21億ユーロ
(2014年は20億ユーロ)となり、前年の数値および予想の両方を上回った。これは主に、輸出金融およ
びプロジェクト・ファイナンスの利幅の拡大ならびにKfWにとって良好な資金調達の機会に起因する。収
益費用比率(助成活動前)は、一般管理費が増加したものの、35.2%(2014年は34.4%)への微増にと
ど ま っ た 。 か か る 一般 管理 費 の 増 加 は 、 特 に、 KfW に 準 用 さ れ る ド イ ツ 銀行 法 ( Gesetz über das
Kreditwesen - KWG)の強制適用等の規制要件への対応措置等の近代化への取組みによる。評価損益の純
額はプラスとなり、予想を上回った。これは、1つには、良好な経済状況に支えられた貸出事業における
リスク引当金の費用純額がやや安定していたことによるものであり、また、1つには、ヘッジ会計および
損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融商品から生じる純利益によるものである。連結利益は、
22億ユーロ(2014年は15億ユーロ)となり、予測水準を上回った。ヘッジ取引によるIFRSの影響の調整
後の連結利益は、19億ユーロ(2014年は15億ユーロ)であった。この結果、KfWは、その長期の助成能力
を保全し、2016年1月1日以降実施されたドイツ銀行法の強制適用により加重された規制要件を満たすこ
とができるように、その資本基盤を改善している。KfWは、現在、2016年の連結利益の見通しにおいて、
ヘッジ取引によるIFRSの影響を受ける前の連結利益が10億ユーロを若干下回ると予想しているが、これ
は戦略的予測の範囲内の下限に位置する。
連結資産総額は、2015年に139億ユーロ増加して、5,030億ユーロとなった。この増加は、主に、米ド
ル為替レートの推移の結果であり、これはデリバティブ業務において受領した現金担保が増加したこと
および純貸出金が38億ユーロ増加して3,692億ユーロとなったことによる、保有する流動性ポジションの
増加(+79億ユーロ)に反映された。予定外償還額は、前年と比較して再度わずかに増加した。KfWの助
成事業は主に国際資本市場において資金調達を行っている。債務証書に計上される自己発行額は4,152億
ユーロ(2014年末は4,040億ユーロ)であった。株主資本は36億ユーロ増加して252億ユーロとなったが、
その増加の要因としては、部分的には連結包括利益があり、また、部分的には劣後負債12.5億ユーロを
KfWの資本準備金に含めることで株主持分へ転換したことが挙げられる。
2015年のKfWグループの事業は、主に以下の推移によって特徴付けられた。
A.
KfWの商品への高い需要
グループは、2015年に793億ユーロ(2014年は741億ユーロ)の助成事業総額を計上し、予測していた
新規事業額の695億ユーロを上回った。
KfWの国内助成事業において、コミットメント額は、前年(476億ユーロ)と比較して増加し、505億ユ
ーロに達した。かかる増加は、部分的には商工業融資への需要の増加によるものであり、また、部分的
- 29 -
には住宅の建設に係るローンへの高い需要によるものである。KfWの難民受入れのための無利子特別融資支援
である10億ユーロは、追加的な成長推進力となった。地方自治体および民間顧客銀行/信用機関の事業部
門における高いコミットメント額の影響を受け、融資に占める中小企業の割合は、2014年の44%から
41%へと若干減少した。外国事業は力強い成長を記録し、279億ユーロ(2014年は255億ユーロ)に達し
た。これは主として、輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業部門における202億ユーロ(2014
年は166億ユーロ)の予想を上回る需要の増加に起因し、特に海運業部門における大量の個別取引の結果
である。資本市場部門の助成事業は安定的に進展し、そのコミットメント額は11億ユーロとなり、KfWの
新規グリーンボンドのポートフォリオにおける投資は合計3億ユーロとなった。
すべての事業部門を通算すると37%(2014年は36%)が「気候変動および環境」のメガトレンドによ
るものであり、これは戦略的予測を若干上回った。KfWは、その事業活動に融資するために、626億ユー
ロ(2014年は574億ユーロ)を国際資本市場から調達した。
KfWグループの助成事業額
2015年
2014年
(単位:10億ユーロ)
国内事業
50.5
47.6
中小企業銀行
20.4
19.9
地方自治体および民間顧客銀行/信用機関
30.1
27.7
資本市場
1.1
1.2
国際事業
27.9
25.5
20.2
16.6
7.7
8.8
79.3
74.1
輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス
発展途上国および体制移行国支援
新規コミットメント額(1)
(1)
B.
KfWプログラム・ローンを通してリファイナンスされた輸出金融およびプロジェクト・ファイナンスで調整される。
堅調な営業損益
評価前営業損益(助成活動前)は、2,066百万ユーロ(2014年は2,023百万ユーロ)となり、前年の数
値および予測の両方を若干上回った。これは主に、低金利環境にもかかわらず、対外融資事業のマージ
ン収益の増加、米ドル為替レートの変動およびKfWにとって良好な資金調達の機会から恩恵を受けた正味
受取利息(助成活動前)のプラスの推移の結果によるものであった。
正味受取手数料(助成活動前)は286百万ユーロ(2014年は313百万ユーロ)へとわずかに減少したが、
かかる減少は主として、担保契約の再交渉に関連して2014年に生じた経常外の影響がなかったことに起
因するものである。
一般管理費(助成活動前)は1,125百万ユーロ(2014年は1,059百万ユーロ)へと増加したが、かかる
増加は予想を下回るものであった。この決定的要素は、KfWの近代化措置への拡張投資、および、特に
KfWによるドイツ銀行法の適用に関連する措置によるものであった。
C.
経常外のプラスの影響による評価益
2015年の貸出事業に係るリスク引当金からの費用は、総額48百万ユーロと非常に低い水準にとどまっ
た。これは、予想していた標準的リスク費用を下回り、また、前年(143百万ユーロ)の水準を下回るも
のであった。良好な経済環境に加え、このプラスの推移は、主に輸出金融およびプロジェクト・ファイ
- 30 -
ナンス事業部門におけるエクスポージャーに由来する、償却済み貸出金の回収額からの高い収益(281百
万ユーロ)等の要素にも起因した。
さらに、ヘッジ目的で使われるデリバティブの評価からの純粋なIFRS由来の影響により、収益水準は
271百万ユーロ(2014年は47百万ユーロ)嵩上げされた。また、KfWは、個別のヘッジ対象とヘッジ商品
の組み合わせの売却から、119百万ユーロの一時的な利益を生み出した。
株式投資ポートフォリオによる147百万ユーロの収益への貢献(2014年は122百万ユーロ)は、主に発
展途上国および体制移行国支援事業部門によるものであった。ドイツ投資開発会社(以下「DEG」とい
う。)ポートフォリオの業績は、米ドルに関連するものを含め、為替効果により向上した。
2015年、有価証券ポートフォリオは、金融市場全体の不活発な展開を反映して、18百万ユーロ(2014
年は57百万ユーロ)と収益への貢献が減少した。
ERP劣後ローンの一部の償還が権利放棄されたことによるその他の営業収益は、100百万ユーロとなっ
た。
D.
予想より低下した助成活動
KfWグループの収益状況にマイナスの影響を与えるKfWの国内助成事業は、2015年に345百万ユーロ
(2014年は364百万ユーロ)へと減少し、予想を下回るものであった。これは、金利の引下げが304百万
ユーロ(2014年は345百万ユーロ)と、特に奨励金付き助成ローンへの需要の減少および低金利環境にお
ける引下げ幅の縮小により減少した結果である。
次の主要な数値は、2015年の推移の概要を示したものであり、下記に詳細が説明されている。
KfWグループの主要な財務数値
2014年
2015年
(単位:百万ユーロ)
損益計算書における主要な数値
評価前営業損益(助成活動前)
評価後営業損益(助成活動前)
助成活動(費用)
連結利益
助成活動前収益費用比率(1)
2,066
2,539
345
2,171
2,023
1,953
364
1,514
35.2%
34.4%
2014年
2015年
主要な経済的数値
ヘッジ取引によるIFRSの影響を受ける前の連結利益
(単位:百万ユーロ)
1,900
2015年12月31日現在
2014年12月31日現在
(単位:10億ユーロ)
財政状態計算書における主要な数値
総資産
貸出額
事業額
株主持分
自己資本比率
(1)
1,467
503.0
447.0
587.2
25.2
5.0%
489.1
440.3
572.5
21.6
4.4%
調整後利益に係る一般管理費(助成活動前)。調整後利益は、正味受取利息と正味受取手数料(いずれも助成活動前)から
計算される。
- 31 -
収益状況の推移
2015年における収益状況は、営業損益の増加ならびに様々な経常外の影響による評価損益の改善の組
合せによって特徴付けられた。これにより、連結利益は22億ユーロという高い値となり、前年の損益お
よび予想の両方を上回った。
収益状況
2015年
正味受取利息(助成活動前)
正味受取手数料(助成活動前)
一般管理費(助成活動前)
評価前営業損益(助成活動前)
貸出事業に係るリスク引当金
ヘッジ会計および損益を通じて公正価値で測定される
その他の金融商品から生じる純損益
有価証券および投資ならびに持分法により会計処理
された投資からの純損益
評価後営業損益(助成活動前)
その他の正味営業収益
営業活動による利益/損失(助成活動前)
助成活動(費用)
法人税
連結利益
ヘッジ取引によるIFRSの影響を受ける前の連結利益
2,904
286
1,125
2,066
-48
2014年
(単位:百万ユーロ)
2,768
313
1,059
2,023
-143
増減
136
-27
66
43
95
478
69
409
43
2,539
107
2,647
345
130
2,171
1,900
4
1,953
20
1,973
364
95
1,514
1,467
38
586
87
673
-19
35
657
433
評価前営業損益(助成活動前)は、2,066百万ユーロ(2014年は2,023百万ユーロ)で前年の数値およ
び予測の両方を若干上回った。
正味受取利息(助成活動前)は、低金利環境およびそれに起因した満期転換による利益見込額の減少
にもかかわらず、主に貸出事業の利ざやの改善により、前年と比較して増加し2,904百万ユーロとなり
(2014年は2,768百万ユーロ)、依然として最も重要な収益源となっている。
当会計年度において、利ざやは、主に輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業部門における
取組みの発展および米ドル為替レートの変動による恩恵を受けた。さらに、KfWが資本市場および金融市
場において良好な資金調達の機会に恵まれていることとや最高水準の信用格付を有していることに起因
して、正味受取利息が増加した。2015年の予定外償還額による早期償還の違約金から生じる収益は、前
年に比較して増加したが、これにより将来相当額の収益が減少することとなる。
正味受取手数料(助成活動前)は286百万ユーロで、2014年の313百万ユーロを若干下回った。担保契
約の再交渉後、デリバティブの取引先から経常外で支払われた報酬は、前会計年度において合計57百万
ユーロであり、これがかかる減少の要因となった。ローン事務手数料は逆の方向に変動し、87百万ユー
ロと高額であった(2014年は82百万ユーロ)。発展途上国および体制移行国支援事業部門におけるドイ
ツ連邦政府のためのファイナンシャル・コーポレーション・ローンの管理から生じた利益もまた、新た
な報酬契約に係る追加的な利益に起因して増加し、181百万ユーロ(2014年は156百万ユーロ)となった。
この項目は、これに伴うKfWの一般管理費の増加(その一部はパートナー国の支店による)によって相殺
された。
一般管理費(助成活動前)の1,125百万ユーロ(2014年は1,059百万ユーロ)への増加は、当初の予想
より増加が小幅であったが、これはコスト管理の一環として行われた個々の効率化への取組みが成功し
たことに大きく起因している。ドイツ銀行法の強制適用に関する方策およびKfWの近代化に対する大型投
資が引き続き費用発生の主な要因となっている。
- 32 -
人件費は、45百万ユーロ増加して630百万ユーロとなった(2014年は585百万ユーロ)。これは、従業
員数の増加に加え、とりわけ交渉により報酬が増加したことによるものであった。人件費以外の費用
(助成活動前)は、494百万ユーロとなった(2014年は474百万ユーロ)。20百万ユーロの増加は、事務
所運営費の高騰ならびにコンサルタント・サービスおよびサポート・サービスの利用を含む様々な要因
によるものであった。これらのサービスは、特に規制要件の必要な充足およびKfWの情報技術(IT)構造
の包括的な近代化措置(今後数年にわたりこれを強化していく予定である。)に関連している。この大
規模な一連のプロジェクトにより、将来、一般管理費も増加すると予想されている。
助成活動前収益費用比率は若干増加して35.2%(2014年は34.4%)となった。これは主に、KfWによる
ドイツ銀行法の強制適用およびKfWのさらなる近代化に関連する予想されていた支出の増加によるもので
あった。
経済環境が良好であったため、KfWグループの貸出事業に係るリスク引当金に関しては、費用が48百万
ユーロ(2014年は143百万ユーロ)と少額であり、予想していた標準的リスク費用を大きく下回った。貸
出事業のリスク引当金に係る費用は、地方自治体および民間顧客銀行/信用機関事業部門ならびに発展途
上国および体制移行国支援事業部門に大きく関連している。
直接償却を含む差し迫った信用リスク引当金への343百万ユーロの正味繰入額は、2014年(221百万ユ
ーロ)よりも増加した。この増加は、特に輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業部門に集中
しており、その繰入額は158百万ユーロ(2014年は34百万ユーロ)であり、そのうち65百万ユーロ(2014
年は4百万ユーロ)は海運業部門関連であった。また、発展途上国および体制移行国支援事業部門への正
味繰入額は77百万ユーロ、国内助成事業部への正味繰入額は108百万ユーロであった。その一方で、グル
ープは、過去に償却済みとしていた債権の回収により、281百万ユーロ(2014年は77百万ユーロ)という
高額な収益を得た。かかる収益のうち168百万ユーロ(2014年は37百万ユーロ)は、輸出金融およびプロ
ジェクト・ファイナンス事業部門のものであり、主に過去の債権のリストラクチャリングが成功したこ
とに関連するものである。リスク引当金は、主にエクスポージャーの売却に関連して多額(5億ユーロ)
が使用されたため、2015会計年度において14億ユーロから12億ユーロへと減少した。かかる減少の約半
分は輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業部門に関連するものであった。
2015年中、未だに割当可能でないローン・ポートフォリオ・リスクに対するリスク引当金について、
ほぼ変動はなかった。2015年末現在のリスク引当金は依然として6億ユーロであった。
貸出事業に係るリスク引当金は、KfWグループによる保守的なリスク管理方針の一貫した実施を反映し
ており、差し迫ったリスクも潜在的なリスクもすべてカバーしている。
2015年におけるヘッジ会計および損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融商品から生じる純
損益は478百万ユーロ(2014年は69百万ユーロ)であり、主に、株式投資ポートフォリオ、個別のヘッジ
対象とヘッジ手段の組み合わせの売却による一時的な収益、およびヘッジ目的のデリバティブの評価に
よるIFRS上のみの大きな効果により、プラスの影響を受けたことによるものである。
損益を通じて公正価値で測定される株式投資ポートフォリオは、主に投資の好成績および米ドル高に
大きく起因した為替レート関連の価格上昇による影響を受けた。かかるポートフォリオは、145百万ユー
ロ(2014年は175百万ユーロ)の収益を生み出した。この貢献は、主に発展途上国および体制移行国支援
におけるDEGの事業活動によるものであった。
外貨換算の損益は、為替レート(特に米ドル)の変動およびこれに対応する連結財政状態計算書にお
ける外貨建項目により、54百万ユーロの費用(2014年は57百万ユーロ)のマイナス影響となった。この
大部分は、ドイツ商法に従って作成された、ヘッジ目的で利用されない金融商品の認識と測定に関する
グループ会社の財務書類との差異に起因している。
- 33 -
ヘッジ会計および公正価値で認識される借入金(ヘッジ目的で使われるデリバティブを含む。)によ
り271百万ユーロ(2014年は47百万ユーロ)の正味収益が生じた。時価評価のデリバティブは、経済的に
ヘッジされたポジションの一部である。しかし、ヘッジ・ポジションの他の部分が公正価値で計上でき
ない場合、または異なる方法で評価されなければならない状況においては、必然的に取引の期間中に完
全に戻入れされる利益に一時的な変動がもたらされる。KfWはまた、個別のヘッジ対象とヘッジ手段の組
み合わせの売却により119百万ユーロの一時的な収益を得た。
持分法により会計処理された有価証券および投資による純利益は43百万ユーロ(2014年は4百万ユー
ロ)であり、これは主に有価証券および株式投資ポートフォリオのプラスの変動により生じた。
損益を通じて公正価値で計上されない有価証券により、22百万ユーロのプラスの利益(2014年は53百
万ユーロ)が生じた。とりわけ個別の仕組み証券が好調であった。
金融市場の一般的な推移は、37百万ユーロの損益で認識されない有価証券の価値の下落(2014年は55
百万ユーロの上昇)をもたらし、株主資本の再評価準備金に計上された。これはとりわけ、十分な担保
が付された欧州のカバード・ボンドに影響を与えた。総合的には、再評価準備金は依然として若干プラ
スであった。
さらに、公正価値で計上されない有価証券および投資に係る簿価と公正価値との純プラス差異は、26
百万ユーロ悪化して、2015年12月31日現在、20百万ユーロ(2014年は53百万ユーロの改善)となった。
この変動は主に、十分な担保が付されたカバードボンドおよびABSポートフォリオの有価証券の価格が下
落したことによるものであった。全体として、総額は増加して2015年12月31日現在は105億ユーロ(2014
年末は92億ユーロ)となった。
KfWグループは、持分法により会計処理された投資において18百万ユーロ(2014年は7百万ユーロ)の
収益を計上したが、これは主にドイツ中小有限合資会社向けAFエクイティファンドに起因するものであ
った。
その他の正味営業収益は107百万ユーロ(2014年は20百万ユーロ)であり、これは主にERPの劣後ロー
ンの一部につき償還を免除されたことによる100百万ユーロの収益で構成される。これはKfW財団への寄
付による23百万ユーロの費用により相殺された。財団法人であるKfW財団は、主に営業活動を行うが、そ
れに加え助成活動も行っており、グローバル化、環境および気候の保護ならびに人口動態の変化といっ
た、現代の主要な社会問題に取り組んでいる。
KfWグループの収益状況にマイナスの影響を与えるKfWの国内における助成活動は、前年の水準や予想
を下回り、2015年には345百万ユーロ(2014年は364百万ユーロ)となった。
KfWの助成活動の主要な構成要素は、金利引下げである。KfWは、その有利なリファイナンス状況の還
元に加えて、最初の固定金利期間中の国内の特定の助成ローンのために、かかる引下げを行う。金利の
引下げの金額は、2015年において304百万ユーロ(2014年は345百万ユーロ)となった。これは主に、需
要状況により、金利が引き下げられた助成ローンの金額が減少したことによるものであった。また一般
的な低金利は、さらなる引下げにより、助成事業を促進する可能性をも縮小した。
さらに、正味受取手数料および一般管理費に計上されている助成活動に対して、41百万ユーロ(2014
年は19百万ユーロ)が提供された。これらの活動は、とりわけ、KfWの助成商品の売上機会を改善するこ
とを目標とした。助成活動は、コンサルタント補助金という形式で拡張した。
法人税引後の連結利益は2,171百万ユーロ計上され、前年(1,514百万ユーロ)や予想を大きく上回っ
た。かかる増加は、2015年の営業損益が安定していた中で、評価損益に対し様々な経常外のプラスの効
果が及んだことに大きく起因しており、今後もかかる累積的な効果を得ることができるとは考えられな
い。
- 34 -
ヘッジ取引によるIFRSの影響を受ける前の連結利益もまた、IFRSに従った連結利益に基づく重要な財
務数値である。デリバティブ金融商品は、ヘッジ目的で取引されている。それにもかかわらず、IFRSで
は、デリバティブおよびヘッジの認識および評価の要件は、一時的な純損益を生じさせる。KfWの見解と
しては、かかる純損益は、経済的に有効なヘッジを十分に反映するものではない。
その結果、下記の通り、マイナス271百万ユーロ(2014年はマイナス47百万ユーロ)の収益への一時的
な貢献を除外する以下の調整が行われた。
・
ミクロおよびマクロのヘッジ会計による評価損益。すべてのヘッジ関係は、経済的に有効であり、
ヘッジの全期間にわたり純損益を一切生じさせない。
・
会計上のミスマッチを回避するために公正価値オプションを用いた純損益は資金調達については関
連ヘッジ・デリバティブを含む。ヘッジの全期間にわたり累積し、経済的に有効なヘッジ取引は、
純損益を一切生じさせない。
・
経済的有効性は高いが、ヘッジ会計の対象にならないヘッジ取引の公正価値会計による純損益。こ
のようなヘッジ取引は、満期日までの全期間にわたり純損益を一切生じさせない。
・
外国通貨ポジションの外貨換算による純損益は、デリバティブおよびヘッジ関係の認識および評価
要件に従う。
2015年の調整済収益状況は、1,900百万ユーロ(2014年は1,467百万ユーロ)の利益となった。KfWグル
ープは2015会計年度において、持続可能な潜在的収益を上回る良い業績を残した。
純資産の推移
銀行および顧客に対する貸出は、引き続きKfWグループの中核事業である。2015年12月31日現在、KfW
グループ資産のうち合計73%は貸出事業に帰属した。
- 35 -
貸出額は、前年水準より66億ユーロ増加し、4,470億ユーロとなった。
貸出額
2014年
12月31日現在
2015年
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
貸出金等
370,920
367,189
3,731
-1,743
-1,857
114
369,177
365,332
3,845
金融保証事業による偶発債務
3,260
3,501
-241
取消不能貸出コミットメント
61,091
57,049
4,042
13,434
14,448
-1,014
446,962
440,329
6,633
貸出事業に係るリスク引当金
正味貸出金等
信託に保有する貸出金等
合計
貸出金等は、2014年の3,672億ユーロから37億ユーロ増加して2015年に3,709億ユーロになった。これ
は主に米ドルの上昇による為替効果によるものであった。新たな貸出事業における貸出実行額は、引き
続き、主として国内助成貸出事業における180億ユーロと多額な予定外の償還額により相殺された。正味
貸出金等は3,692億ユーロとなり、貸出額の83%を構成した。
金融保証事業による偶発債務は33億ユーロで、前年の水準を維持した。取消不能貸出コミットメント
は、40億ユーロ増加して2015年は611億ユーロとなったが、これは主に国際金融の新規コミットメントに
よるものであった。信託に保有する資産のうち、信託に保有する貸出金等の額(主にドイツ連邦共和国
が提供する予算資金から提供される発展途上国を支援するためのローンで構成される。)は、10億ユー
ロ減少して134億ユーロとなった。
その他の銀行および顧客に対する貸出金等は408億ユーロで、前年の326億ユーロを上回った。かかる
項目には、とりわけ、一般的な流動性管理目的の短期の担保付投資および無担保投資ならびにデリバテ
ィブ事業の担保管理に関連したものが含まれる。
有価証券および投資の総額は、前年の水準と同じ316億ユーロとなった。
有価証券および投資
2015年
12月31日現在
2014年
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
債券およびその他の確定利付証券
株式投資
非連結子会社株式
合計
29,238
28,600
639
2,388
2,114
274
8
8
0
31,634
30,722
913
有価証券ポートフォリオは前年に比べて増加しており、有価証券および投資の主要な構成要素となっ
ている。かかるポートフォリオの増加は、金融市場証券の額が11億ユーロと変化がなかったものの、債
券およびその他の確定利付証券が6億ユーロ増加して281億ユーロとなったことにほぼ完全に起因してい
る。
主にリファイナンス取引をヘッジするために使用される正の公正価値を有するデリバティブの公正価
値は、為替レートを含む市場パラメーターの変動の影響を受けて、385億ユーロから52億ユーロ増加して
437億ユーロとなった。取引先と合意したネッティング契約(負の公正価値を有するデリバティブも含
む。)および担保契約(主に受領現金担保)は、取引先リスクを大幅に減少させた。原資産のポートフ
- 36 -
ォリオに係るマクロヘッジ処理による評価修正額は、市場パラメーターの変動を受けて40億ユーロと大
幅に減少し、185億ユーロから144億ユーロとなった。
財政状態計算書のその他の資産勘定項目については、小幅な変動があったのみである。
財政状態の推移
KfWグループの国際資本市場における資金調達戦略は、「ユーロおよび米ドル建のベンチマーク債」
「その他の公募債」および「私募」の3つの柱に基づいている。債務証書の形式で調達した資金は、引き
続き重要な役割を果たし、総資産に占める割合は前年と変わらず83%であった。
借入金は、2015年に149億ユーロ増加して4,491億ユーロになった。
借入金
2015年
12月31日現在
2014年
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
短期資金
債券および手形
その他の資金調達
劣後負債
合計
40,363
375,316
33,118
300
449,098
34,213
370,034
27,685
2,247
434,179
6,150
5,282
5,433
-1,947
14,919
KfWグループの主要な資金源は、KfWが発行する中長期債および手形であった。これらの資金源からの
資金は、3,753億ユーロに達し、2015年12月31日現在の借入金の84%を占めた。53億ユーロの増加は、主
に為替レートの変動に起因するものであったが、これはミクロヘッジ会計による金利関連の評価の影響
により相殺された。短期コマーシャル・ペーパーの発行額は、59億ユーロ増加して399億ユーロとなった。
要求払預金および定期預金を含む短期資金の総額は、404億ユーロとなった。KfWのその他の資金調達は、
前 年 比 6 億 ユ ー ロ 減 少して 80 億 ユ ー ロ と なっ た 銀行 お よ び 顧 客 か らの 手 形貸 付 ( 債 務 証 書 借入 :
Schuldscheindarlehen)と、主として、ドイツ連邦共和国に対する債務とデリバティブ事業による取引
先リスクの縮小を主な目的として受領した現金担保218億ユーロ(2014年末は150億ユーロ)で構成され
ている。
- 37 -
劣後負債には、2007年のERP経済促進プログラム再構築の一環としてERP特別基金から付与された劣後
ローンが引き続き含まれている。2015会計年度において、ERP特別基金とKfWは、Tier 2 資本として認め
られる当該貸付の額が減少したことを考慮して、12.5億ユーロをKfWの資本準備金に計上して株主資本に
転換し、6億ユーロを償還し、1億ユーロの償還免除とすることに合意した。
貸出金をヘッジするために主に使用された負の公正価値を有するデリバティブの簿価は、市場パラメ
ーターの変動により285億ユーロから40億ユーロ減少して、2015年末に245億ユーロになった。
財政状態計算書のその他の負債勘定項目については、小幅な変動があったのみである。
株主持分は252億ユーロで、2014年12月31日現在の216億ユーロより大幅に高い水準であった。かかる
増加は、主として22億ユーロの連結利益およびERPの劣後ローン12.5億ユーロの株主資本への転換に起因
している。これにより、自己資本比率は2014年末現在の4.4%から2015年12月31日現在には5.0%へと上
昇した。
株主持分
2015年
12月31日現在
2014年
12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
3,300
3,300
8,447
7,197
払込済資本
資本準備金
そのうちERP特別基金からの助成準備金
増減
0
1,250
7,150
5,900
1,250
ERP特別基金からの準備金
利益剰余金
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
再評価準備金
1,191
12,091
600
-429
1,191
10,019
500
-608
0
2,072
100
180
合計
25,200
21,598
3,602
連結利益は、利益剰余金を増やし、一般銀行業務上のリスクに対する積立金を補強するために使用さ
れた。
後発事象(2016年3月15日現在)
会計年度末以降、重要な事実は発生していない。
- 38 -
KfW の最近の動向
2016年3月31日に終了した3ヶ月間の業績
EU により採用され、中間財務報告に適用される IFRS に準拠して中間財務書類を作成し、公表すること
を KfW に対して義務づける法律はない。したがって、KfW は、完全な中間財務書類ではなく、要約した中
間財務書類のみを作成している。以下の情報は、中間財務報告に適用される IFRS に従って、KfW により
作成された、当該要約財務情報(未監査)に基づいている。かかる情報は、KfW グループの 2016 年 12 月
31 日に終了する 1 年間の数値を必ずしも示唆するものではない。
2016 年 3 月 31 日現在のグループの総資産は、2015 年 12 月 31 日現在の 5,030 億ユーロから 0.8%(41
億ユーロ)減少して、4,989 億ユーロとなった。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間のグループの評価および助成活動前営業損益は、2015 年同期の
515 百万ユーロに対し、419 百万ユーロであった。2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間のグループの評
価および助成活動前営業損益の主な増加要因は、正味受取利息である。当グループの評価および助成活
動前営業損益は、(ⅰ)貸出事業に係るリスク引当金、(ⅱ)有価証券および投資から生じる純損益、
(ⅲ)ヘッジ会計および損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融商品から生じる純損益、なら
びに(ⅳ)助成活動に係る費用を控除する前の営業損益である。かかる評価の影響は、主に以下で構成
される。
・
2016年3月31日に終了した3ヶ月間の78百万ユーロのリスク引当金に係る費用(2015年同期は、4百
万ユーロの費用)
・
2016年3月31日に終了した3ヶ月間における、有価証券および株式投資の市場価格が減少したこと
による43百万ユーロのマイナスの影響(2015年同期は、138百万ユーロのプラスの影響)
・
2016年3月31日に終了した3ヶ月間の限定的リスク・ポジションにおけるヘッジ目的でのみ使用さ
れるデリバティブの公正価値の変化による、2016年3月31日に終了した3ヶ月間についての17百万
ユーロの正味費用(2015年同期は、277百万ユーロの正味費用)注1)
・
2016年3月31日に終了した3ヶ月間の56百万ユーロの助成活動に係る費用(2015年同期は48百万ユ
ーロ)
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間のグループの連結損益は、2015 年同期が 417 百万ユーロであっ
たのに対し、246 百万ユーロであった。
注 1)
KfWは通常、その融資および資金調達に関連して金利および通貨リスクを経済的にヘッジするためにデリバティブ取引を行う。
これによる経済的ヘッジ関係の中には、IFRSに基づくヘッジ会計または公正価値オプションの対象とならないものもある。こ
れらの場合には、ヘッジ商品における公正価値の変動のみが連結損益計算書において、損益を通じて公正価値で測定されるそ
の他の金融商品から生じる純損益として認識され、ヘッジ対象商品における公正価値の変動についてはかかる認識はなされな
い。その結果、かかるヘッジ関係がもたらす経済リスク軽減効果は連結損益計算書には反映されていない。
- 39 -
助成事業額
下表は、2015 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間と比較した 2016 年同期の事業部門別コミットメント額
の内訳である。
事業部門別助成事業額
2016 年 3 月 31 日に
終了した 3 ヶ月間
2015 年 3 月 31 日に
終了した 3 ヶ月間
(単位:百万ユーロ)
増減
(%)
中小企業銀行(SME 銀行)
4,184
3,703
13
地方自治体銀行および民間顧客銀行/信用機関
8,008
6,074
32
2,530
6,752
-63
輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス
(KfW IPEX 銀行)
発展途上国および体制移行国支援
820
863
-5
このうち KfW 開発銀行
674
539
25
このうち DEG
146
324
-55
108
41
163
15,650
17,433
-10
資本市場
助成事業額の合計 (1)
(1)
コミットメント額とは、各期間の貸出およびその他の取引(州立支援財団へのプログラム・ベースのグローバル・ロー
ンを除く。)についてコミットされた資金額をいい、翌期以降貸し出される金額を含むが、前期までに行われたコミッ
トメントに基づきその期間に貸し出された金額を含まない。州立支援財団へのプログラム・ベースのグローバル・ロー
ンについては、コミットメント額とは、各期間に貸し出された実際の資金額をいう。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間の KfW の助成事業総額は、2015 年同期の 174 億ユーロから 157
億ユーロに減少した。この減少は主に、KfW の国内事業部門におけるコミットメント額は増加した一方で、
KfW の輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業部門におけるコミットメント額が減少したことに
よるものである。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間の中小企業銀行事業部門のコミットメント額は、2015 年同期の
37 億ユーロから 42 億ユーロに増加した。この推移は、環境投資プログラムの中でも特に KfW の省エネプ
ログラムに基づくコミットメント額の増加および KfW の起業融資プログラムの 1 つである ERP 起業ロー
ンプログラムに基づくコミットメント額の増加によるものである。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間の地方自治体銀行および民間顧客銀行/信用機関事業部門におけ
るコミットメント額は、2015 年同期の 61 億ユーロから 80 億ユーロに増加した。この増加は主に、KfW
の住宅投資プログラムの中でも特に省エネ建築および改装プログラムに基づくコミットメント額が増加
したこと、ならびに地方自治体インフラ整備プログラムに基づくコミットメント額が増加したことによ
る。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間の KfW の輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業部門の
コミットメント額は、2015 年同期が 68 億ユーロであったのに対して、25 億ユーロであった。この大幅
な減少は、KfW IPEX 銀行の工業およびサービス部門ならびに航空および鉄道部門における複数の大規模
な取引に起因して、2015 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間のコミットメント額が例外的に高額であったの
に比較すると、2016 年同期においては、KfW IPEX 銀行のコミットメント額が様々な部門において減少し
たことによるものである。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間の KfW の発展途上国および体制移行国支援に関するコミットメン
ト額は、2015 年同期の 9 億ユーロから 8 億ユーロにわずかに減少した。このわずかな減少は、KfW 開発
- 40 -
銀行のコミットメント額が増加した一方で、DEG の事業に対する困難な世界的な、特に BRICS の国々(ブ
ラジル、ロシア、インド、中国および南アフリカ)における経済環境の影響により、DEG のコミットメン
ト額が減少したことによるものである。
2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ月間の KfW の資本市場事業部門におけるコミットメント額は、2015
年同期の 41 百万ユーロから 108 百万ユーロに増加した。
資金源
2016年3月31日に終了した3ヶ月間に資本市場から調達した資金額は合計222億ユーロであり、このうち
40%はユーロ建、46%は米ドル建、残りはその他の8通貨で調達された。
KfWグループの資本および債務構成(2016年3月31日現在)
(単位:百万ユーロ)
借入金
38,367
短期資金
374,194
債券およびその他の確定利付証券
28,791
その他の借入金
劣後負債
300
借入金合計
441,653
株主持分
払込済資本 (1)
3,300
資本準備金 (2)
8,447
ERP 特別基金からの準備金
1,191
12,336
利益剰余金
600
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
-549
再評価準備金
株主持分合計
25,325
資本構成合計
466,978
(1) KfW の自己資本(そのうち 80%を連邦政府が所有し、残りの 20%を連邦諸州が所有している。)は、2016 年 3 月 31 日現
在 3,750 百万ユーロであった。そのうち、3,300 百万ユーロは連邦政府および連邦諸州の所有割合に応じて払い込まれて
いる。
(2) ERP 特別基金からの助成準備金(Förderrücklage)の形での自己資本 7,150 百万ユーロを含む。
2016 年 3 月 31 日現在の KfW グループの資本構成は、2016 年 12 月 31 日現在に計上される資本構成を
必ずしも示唆するものではない。
株主持分合計額が 2015 年 12 月 31 日現在の 25,200 百万ユーロと比較し、125 百万ユーロ増加して
2016 年 3 月 31 日現在に総額 25,325 百万ユーロとなったのは、(ⅰ)2016 年 3 月 31 日に終了した 3 ヶ
月間の 246 百万ユーロの KfW グループの連結損益、および(ⅱ)年金および「売却可能金融資産」に関
して評価益が株主持分に直接認識されたことによる 121 百万ユーロの再評価準備金の減少を反映したも
のである。
銀行監督法を段階的に KfW に準用させることに関連して、銀行がその業務を行う上で十分な自己資金
(Eigenmittel)を有することを求める EU 自己資本規制(EU 規則 575/2013、CRR)、ドイツ銀行法およ
びドイツ支払能力規制の規定は、2016 年 1 月 1 日より KfW にも準用されている。KfW は、内部目的のた
め、すでにこれらの規則により定められる資本比率を過去にも任意で算出しており、現在も継続して行
っている。その中で、KfW は、先進的内部格付手法(「A-IRBA」という。)の重要な規則をすべて適用し
ているが、KfW の助成マンデートに関しては若干修正を行っている。これらの計算および 2016 年 3 月 31
- 41 -
日に終了した 3 ヶ月間の業績によると、CRR 第 92 条による KfW の総資本比率は 2016 年 3 月 31 日現在
21.2%であり、Tier 1 資本比率は、2016 年 3 月 31 日現在 21.0%であった。2015 年 12 月 31 日現在それ
ぞれ 18.4%および 18.3%となった総自己資本比率および Tier 1 資本比率の増加は、KfW のリスク測定手
段や一般事業の改善および市場の発展(例えば、ユーロに対する米ドルの下落)によるものである。KfW
は現在、A-IRBA を採用する機関となるため、BaFin による承認手続の最中であり、かかる承認がなされ
るまでは、KfW は標準化された手法に従って、自己資本比率を BaFin に報告している。標準化された手法
に基づく計算によると、2016 年 3 月 31 日現在、KfW の総自己資本比率は 15.4%であり、Tier 1 資本比
率は 15.3%であった。
リスクの報告
最近の動向
2015年における成長は緩やかで期待を下回るものであったが、2016年においても世界経済が回復基調
となる兆しはなく、前年と同水準となる見込みである。先進工業国のほとんどが緩やかに回復に向かう
一方で、新興市場国の経済はダウンサイド・リスクがある。米国の経済成長は、2016年も安定している
と予想される。これについては、労働市場のプラス傾向に支えられる民間消費の伸びおよび実質所得の
上昇が引き続き主因である。しかしながら、米ドルがさらに上昇した場合および金融政策引き締めの早
期化が進んだ場合は、米国の産業にとってリスクとなる。日本の短期見通しはわずかに改善したものの、
景気回復は低い水準で推移し、持続する可能性は低い。ユーロ圏における経済の緩やかな回復は、中立
的な財政政策と並行して、緩和的な金融政策の下においては、続く見込みである。かかる回復により、
失業率ならびに民間債務および公的債務を減少させた当初の成功が確実なものとなりうる。2016年にお
いて、政治情勢が、EUにおいて再び重要な役割を果たすと予想される。英国のEU脱退の可能性、移民お
よび安全保障政策の問題ならびに多くの政策の変更により、経済成長に影響が及ぶ可能性がある。2015
年において、新興市場国の成長は全般的に著しく低迷した。特に商品輸出国は、成長率の著しい低下の
ほか、通貨下落に苦しんだ。この傾向が2016年において(例えば石油価格の上昇により)全般的に覆さ
れる見込みはない。BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国および南アフリカ)の中では、ブラジ
ルおよびロシアが不況であり、南アフリカが極めて低い成長率を経験している一方で、インドのみが
2016年に平均を上回る成長率となる可能性がある。中国経済の移行は当面続き、成長率は若干低下する
と考えられる。中国における信用の不適切さは、この世界的な見通しに対して大きなダウンサイド・リ
スクとなる。決定的な変動により、中国の経済成長が予想以上に鈍化した場合、世界経済に重大な悪影
響が及ぶこととなる。特に中東における地政学的な緊張は、さらに大きな不確実性を生じさせている。
また、米国の金融政策引き締めの早期化により、金融市場における急激な変動を生じさせる可能性があ
る。
2015年において、ユーロ圏の銀行の業績は様々であった。経済パラメーターの改善および不動産部門
の安定により、アイルランドおよびスペインの銀行部門は回復が続いたものの、(ローン・ポートフォ
リオに占める不良債権の割合の上昇により)イタリアの資産価値は悪化した。欧州周辺国では、2015年
に、再びギリシャの金融部門が最大の混乱を引き起こした。ギリシャの新政府と海外債権者との間での
長期にわたる合意形成プロセスの結果、ギリシャの銀行は、急激な預金流出を受けて、夏に数週間の営
業停止を強いられ、資本規制が課された。2015年初頭にスイス国立銀行がスイスフランの対ユーロ上限
を撤廃したことで、深刻な混乱が生じた。フランの大幅な上昇により、スイス国外のスイスフラン建ロ
ーンの価値が急騰し、その結果、借り手コストが上昇し、特に一部の東欧諸国の銀行の信用リスクが高
まった。かかる帰結の1つとして、銀行の費用負担で外貨建ローンを強制的に転換するというポーランド
の計画がある。かかる計画により、ポーランドの銀行部門は2016年に多額の負担を負うこととなる可能
性があり、また今後発表される政府による措置により負担が悪化する可能性がある。上記の主要新興市
場国における経済パラメーターの悪化により、これらの国々(ブラジル等)の重要な銀行の信用格付が
低下した。ロシアの経済および銀行市場は、不況および西欧諸国による制裁措置に苦しんでおり、これ
- 42 -
はローン・デフォルトおよびリスク費用の増加、利益および貸出の減少ならびに中央銀行貸出の増加に
反映されている。
2016年1月1日付で導入されるベイルイン規則は、欧州の銀行の重要な改革の1つである。これらの規則
は銀行債のリスク特性を恒久的に変更するものであり、これにより資金調達費用が若干増加する可能性
がある。格付機関は、2015年に、様々な欧州の銀行の信用力を評価する際、政府によるベイルインの可
能性を考慮することをやめた。ECBが2016年も引き続き拡張的金融政策を推進し、それに応じて利ざやを
小さくして低金利環境を維持していくことを考慮すると、銀行における経費削減プログラムは、引き続
き重要な役割を果たす。その焦点は、特にドイツ、フランスおよびイタリアの収益費用比率の悪い銀行
に置かれており、このことは、2015年末に欧州銀行監督機構(以下「EBA」という。)が公表した最新の
EU内透明性調査の結果からも明らかである。銀行市場が低迷している中でも活発に業務を行う銀行は、
ローン・ポートフォリオに占める不良債権の割合を減らすために、引き続き(特にキプロス、アイルラ
ンド、イタリア、ギリシャおよびポルトガルにおける)不良債権の削減に取り組む。欧州の銀行の自己
資本比率はかなり改善されたものの、EBA/ECBによる新たなストレス・テストが、各銀行の強靭性を示す
さらなる指標となる見込みである。その結果は、第3四半期に公表される。監督機関はその結果を、個別
の自己資本要件を決定するための基礎として使用する予定である。したがって、銀行の自己資本に対す
る規制上の圧力は依然として高い。しかしながら、資本に対する需要が引き続きあったとしても、2016
年における欧州の銀行の重点はより一層、レバレッジ比率、総損失吸収能力(TLAC)および適格債務最
低基準(MREL)の要件を将来満たすためにTier 2資本およびその他の損失負担債務を生み出すことに向
けられる可能性が高い。周辺国における政情の変化ならびにロシアとウクライナ間およびロシアとトル
コ間の緊張関係の銀行市場への影響を算定することはより困難である。オーストリアおよびフランスの
銀行は、これらの地域におけるエクスポージャーが比較的大きいがゆえに、引き続き注目される。中国
では、近年、特に建設業、不動産業、鉱業および公益事業の国有企業において債務が著しく増加してお
り、銀行のローン・ポートフォリオのリスク費用は、引き続き増加する可能性が高い。
2015年のドイツ経済および欧州経済は、大きな変化がないことが特徴であった。事業部門は引き続き
停滞しており、プラスの推進力は主に一般世帯に起因するものであった。2016年においては緩やかな改
善が予想されている。十分な信用枠および貸付構造の段階的な緩和により条件が有利となったため、企
業は引き続き利益を享受している。フォルクスワーゲンや欧州の自動車産業全体の排ガス不正問題を含
む不祥事の影響はまだ見積もることができない。
KfWグループはその国際的な助成任務のため上記情勢の影響を受けた。総合的には、KfWのポートフォ
リオは安定した業績を収めた。認識可能なすべてのリスクは、保守的な基準を用いて測定されており、
リスク管理ガイドラインの体系的な実施を通じて、KfWグループの新しい経営管理において考慮されてい
る。定期的に行われるリスクの許容能力の計算は、KfWグループが保守的なストレス・シナリオに基づく
場合でも、その任務に関連して引き受けたリスクを許容できることを示している。2015年は、前年まで
と同様に、KfWグループは、現在の銀行規制を踏まえた上で、リスク管理および制御部門のプロセスと手
段を体系的に改善した。
2013年のKfW法の改正および「KfWに準用されることが宣言されるドイツ銀行法に基づく主要な銀行監
督基準およびドイツ連邦金融監督庁に委譲されるこれらの基準の遵守の監督に関する省令」(KfW省令)
の公布を受け、ドイツ連邦議会は、ドイツ銀行法のKfWへの拡大適用を導入した。今後、KfWは、主要な
銀行規制基準を準用して適用を受けなければならなくなり、グループの管理機能も対象となる。ドイツ
連邦金融監督庁およびドイツ中央銀行が、これらの適用ある銀行規制基準の遵守を監督する責任を負う。
KfW省令は段階的に発効することが定められている。コーポレート・ガバナンス規則は2014年中頃から適
用されており、その他の規定は2016年1月1日から適用される。
- 43 -
自己資本充実度に関する評価プロセス
KfWグループの自己資本充実度に関する評価プロセスは、リスク許容能力に関する規制要件と経済的
要件がKfWグループにとって同じように重要な包括的目的であることによって特徴付けられている。した
がって、すべてのリスク・モニタリングおよび管理尺度は、経済支払能力目標および規制上の自己資本
比率に関する最低要件の両方を遵守していることを確保しなければならない。この手法は、経済的に実
行可能な資本管理と、規制上の自己資本要件を遵守する義務とを結びつけている。かかる2つの観点の緊
密な統合の基礎として、KfWグループは、リスク・カバーに利用可能な資源について統一的な定義を採用
している。規制(EU)第575/2013(CRR)第25条から第91条までに沿った規制資本が両方の観点から利用
可能な財源として使われている。
自己資本充実度に関する評価プロセスのもう1つの中核的な特徴は、さらなる先見的な構成要素による
予防的措置の重視である。これは、特定の経済シナリオおよびストレス・シナリオにおける、KfWグルー
プの準備金の潜在的吸収力、すなわち行動する能力を評価する。これに関連して信号機システムが設立
され、戦略的運用管理の一貫として危機的状況が生じた場合に求められる行動を知らせる規制リスク許
容能力および経済的リスク許容能力の限界値が定められた。
KfWグループのリスク許容能力の概念は、何よりもまず、借入資本の提供者を損失から守ることに資す
ることであり、したがって、その基本形において清算を前提としたアプローチを採用している。しかし、
規制上の自己資本要件の遵守も保証する先見的な構成要素を追加することで、かかる概念は「継続事業
を前提とする見地」を含むまでに拡大される。よってKfWグループのリスク許容能力の概念は、かかる両
方の基本的なリスク許容能力のアプローチを含むことになる。
2015年第4四半期以降、リスク許容能力確保を目標とした取組みは、各事業部門/分野のリスク加重資
産に基づく予算配分を通じて行われている。配分された予算は、様々な種類のリスクについて各事業部
門/分野が既存事業および新規事業を支援するために利用することができる。資本配分はKfWグループの
事業部門の年次計画の一環として実施される。各事業部門計画により生じた要件に加えて、かかるプロ
セスは、(例えば、信号機システムにおける限界値を通じて)リスク目的および当公庫のリスク許容度
も考慮に入れる。少なくとも四半期毎に予算遵守状況が確認され、必要に応じて措置が実施される。さ
らに、各事業部門/分野について、経済的資本要件の基準値がKfWグループレベルで決定され、その利用
も少なくとも四半期毎に監視される。さらに、経済的資本予算は、その集中管理および上限が多様であ
るため、各リスクの種類毎に設定されており、四半期毎に監視される。
債務超過を回避するため、レバレッジ比率は、さらなる管理の一種として、自己資本充実度に関する
評価プロセスに統合された。レバレッジ比率は、リスク許容能力の測定基準と同様に、追加的な将来の
予測おいて考慮され、少なくとも四半期毎に監視される、信号機システムにおける限界値を遵守する。
KfWのリスク許容能力の概念に加えて、資本計画プロセスは中期的な自己資本比率の変動を監視する。
シナリオに照らして複数年の観測期間にわたり規制的リスク許容能力、経済的リスク許容能力およびレ
バレッジ比率を推定していくことに依拠して、資本計画プロセスは、資本の潜在的な障害を早期に特定
し、必要に応じて資本強化、またはリスクを軽減させる行動のための提言を引き出すことができる。か
かるプロセスには、戦略的目的、事業活動および経済環境の変更が考慮される。規制的リスク許容能力、
経済的リスク許容能力およびレバレッジ比率は、基本ケースに加えて、ストレスケースにおいても考慮
される。資本計画は、KfWグループ全体の計画および戦略プロセスの一環として実施される。
リスク許容能力の概念は、限度および制限について毎年見直しが行われる。その結果は、リスク許容
能力の評価に使用される。
- 44 -
規制リスク許容能力
主要な規制数値
2015年12月31日現在
2014年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
CRR第92条に準拠したリスク・
エクスポージャー合計
131,773
144,062
123,956
135,910
市場価格リスク
1,266
1,093
オペレーショナル・リスク
6,551
7,059
規制資本(利用可能な財源)
24,210
21,690
24,090
20,343
信用リスク
Tier 1 資本
120
1,347
Tier 1 資本比率
Tier 2 資本
18.3%
14.1%
総自己資本比率
18.4%
15.1%
KfWグループは、2016年1月1日まではドイツ銀行法またはCRR規制自己資本の要件に服さない。しかし、
KfWグループは、内部統制目的のため、主要な法的要件に基づいて規制上の自己資本比率を任意で算出し
ている。自己資本要件を計算するために、ここではローン・ポートフォリオの大部分については内部格
付方法が用いられている(すなわち、先進的内部格付手法(IRBA))。
KfWグループの規制上の自己資本比率は、2014年12月31日と比較して大きく改善した。2015年末現在、
連結包括利益を勘案した総自己資本比率は18.4%(2014年末は15.1%)であり、Tier 1 資本比率は
18.3%(2014年末は14.1%)であった。かかるプラスの変動は主に、年間収益により利用可能な財源が
増加したことおよび包括的カバレッジからリスクに基づくモデリングへの移行の一環として、マクロヘ
ッジ会計の別個勘定科目の自己資本要件が引き下げられたことによるものであった。ERPの劣後ローン
(Tier 2 資本)の一部が、資本準備金(Tier 1 資本)に計上されることにより株主資本に転換された
ため、Tier 1 資本比率の増加幅は総自己資本比率の増加幅よりも大きくなった。取引先リスクに係る自
己資本要件の緩やかな引上げおよび信用評価調整(CVA)の適用により、自己資本比率が若干相殺された。
表示されている数値は、上記の内部格付手法の拡大適用による、IRBAの評価と「同様の」数値である。
しかし、KfWは現在もIRBAの承認プロセスの最中であるため、2016年1月1日現在の比率は、信用リスクに
関する標準的な方法により暫定的に評価され、監督当局に報告された。
経済的リスク許容能力
経済的リスク許容能力を評価するために、KfWグループは、重要な定量化できるリスクによる潜在的損
失に係る経済的資本要件を、利用可能な財源と比較している。KfWグループは、経済的資本要件の計算を
99.99%のソルベンシー・ターゲットで、1年の対象期間に基づき行っている。様々な種類のリスクにわ
たる経済的資本要件の合計は、加算によって行い、多様化の効果は考慮しない。
KfWグループにおける最も重要なリスクの種類は、信用リスクである。信用リスクとは、事業パートナ
ーがKfWグループに対する支払義務を全く履行しない場合、期限までにもしくは満額で履行しない場合
(債務不履行)、または事業パートナーの信用格付が悪化した場合(マイグレーション)の損失リスク
を意味する。信用リスクは、デリバティブ取引の決済に関連する決済リスクを含む。信用リスクに係る
経済的資本要件は、主に統計モデルを用いてリスク制御部が数値化する。取引先リスクに関する損失可
能性は、ローン・ポートフォリオ・モデルおよびリスク尺度である「クレジット・バリュー・アット・
リスク」を用いて計算される。クレジット・バリュー・アット・リスクと予想損失との差異を経済的資
本要件という。マイグレーション・リスクは、シナリオに基づきリスク許容能力の算出の先見的な構成
- 45 -
要素において考慮される。決済リスクについては、月末において未決済エクスポージャーがある場合、
リスク許容能力の計算に規制上の自己資本要件が適用される。
KfWグループは、マクロヘッジ会計に必要な別個勘定科目(SLI)に関し、現在の自己資本要件を決定
した。別個勘定科目は、ヘッジ科目の簿価への累積調整額を表示するためIFRSの財政状態計算書上の資
産側にて計上される必要がある。資本資源は、個々のヘッジ対象取引に関する信用リスク・パラメータ
ーを用いて提供され、エクスポージャーのレベル毎に適切に配分される。
市場価格リスクの経済的資本要件もバリュー・アット・リスクの概念に基づいて計算されている。ト
レーディング勘定を持たない機関の第1の柱の規制要件にとどまらず、第2の柱の経済分析は、銀行勘定
における金利リスク、有価証券の信用スプレッド・リスクおよびベーシス・スプレッド・リスクも考慮
している。外国為替リスクには内部モデルも使用されている。現在の価値または価格を失う可能性につ
いては、統計モデルに基づくバリュー・アット・リスクを用いて市場価格リスクの種類毎に決定される。
さらに、金利リスクおよび外国為替リスクのための資本バッファーが維持されている。最終的には経済
的資本要件はバリュー・アット・リスクおよび追加的な資本バッファーの合計として決定される。
オペレーショナル・リスクの自己資本要件は、内部統計モデル(内部損失および外部損失のデータを
含む。)を用いて計算される。オペレーショナル・リスクの経済的資本要件を決定するための最新のモ
デルが2015年に導入された。かかる新しいモデルは、最新の測定方法に関する規制要件に基づいて作成
されており、リスクに影響されやすい内部事象や外部事象に関するデータおよびリスク・シナリオを含
む。自己資本要件は、各事業部門における多様化の効果を用いて計算される。
プロジェクト・リスクもまたリスク許容能力に考慮された。主要なプロジェクトの数値化された個別
リスクおよびプロジェクト・ポートフォリオにおける潜在的損失に関する一般的な想定の両方がリスク
測定に含まれている。
KfWグループは、固定資産として直接保有する有価証券の隠れ負担金(stille Lasten)も経済的資本
要件として含めるが、相殺される隠れ準備金(stille Reserven)については含めない。
この方法を用いると、2015年12月31日現在の経済的リスク許容能力は、99.99%のソルベンシー・レベ
ルを満たした。2015年12月31日現在の総自己資本要件額を上回る利用可能な財源の超過分カバレッジ
9,653百万ユーロは、2014年12月31日(6,188百万ユーロ)と比べて大幅に増加した。かかる増加は主に、
2015年の年間収益を利用可能な財源の計算に含めたこと、および包括的カバレッジからリスクに基づく
モデリングへ移行したことにより、別個勘定科目の自己資本要件が引き下げられたことによるものであ
る。信用リスクに係る自己資本要件の引上げは、主に米ドル高および金融市場における取引量の増加に
よるものである。これはローン・ポートフォリオ・モデルにおける相関関係の定期的な再パラメーター
化により相殺されているため、自己資本要件は若干の上昇のみに留まる。市場価格リスクに係る自己資
本要件の引上げは、ベーシス・スプレッド・リスクおよび通貨リスクの増加によるものである。プロジ
ェクト・リスクに係る隠れ負担金および自己資本要件もまた若干上昇した。これに対し、オペレーショ
ナル・リスクに係る自己資本要件はほぼ不変であった。
KfWグループは、銀行業務の処理において、適切な内部の主要数値や様々な統制プロセスを定期的にモ
ニタリングすることにより、流動性リスクを管理している。流動性リスクに関する内部計算は、流動性
需要およびすべての流動性リソースの予測に基づいており、ともに異なる深刻さのストレス・シナリオ
に従っている。
風評リスクは、定量的基準に基づいて評価および管理される。現在、リスク許容能力の計算の一環と
して資本支援は提供されていない。
KfWグループのリスク測定は、銀行実務で使用されている最新モデルに基づいている。ただし、各モデ
ルは、複雑な現実を単純化したものであり、過去に確認したリスク・パラメーターを将来の代表例とみ
- 46 -
なしうるという前提に基づいている。影響を及ぼす潜在的要因とその複雑な相互作用のすべてが特定さ
れ、ポートフォリオのリスク推移のモデルとなるわけではない。KfWグループが信用リスク・モデルと市
場価格リスク・モデルの双方でストレス・テストを実施している理由の1つはここにある。KfWグループ
はさらに、そのリスク・モデルおよびプロセスを改良すべく継続的に取り組んでいる。
ストレスおよびシナリオ計算
リスク許容能力の概念において、早期発見機能を強化し、一層の予防的措置を重視するために、KfWグ
ループは、四半期毎に予測シナリオ(基礎のシナリオ)、下降シナリオ(軽微な景気後退)およびスト
レス・シナリオ(深刻な不況)、ならびにそれぞれが経済的リスク許容能力および規制リスク許容能力
に与える影響を監視している。この将来見通しは、当該シナリオが起こった場合のKfWグループの強靭性
および行動力を示し、これにより経営に直接的なインプットを与えている。また、予測シナリオおよび
ストレス・シナリオも、レバレッジ比率のため計算される。
予測シナリオは、その年の年末におけるリスク許容能力のプレビューを提供し、これにはリスク許容
能力に影響を与える業績予想、包括的利益予想およびその他の影響(例えば、予測可能な資本構造の変
化および方法論的推移)が含まれる。現時点における2016年12月31日予測は、2015年12月31日と比べて、
経済的資本要件に対する利用可能な財源の超過分カバレッジの変動がほぼないことを示している。
下降シナリオおよびストレス・シナリオでは、収益への影響と自己資本要件の変化について、12ヶ月
間分のシミュレーションを行い、様々な深刻度のマイナスの経済推移シナリオを想定している。ストレ
ス・シナリオでは、ユーロ圏から広がった深刻な世界的不況の影響が描かれている。両シナリオにおい
て、KfWグループは現在、信用リスク(取引先リスクおよびマイグレーション・リスク)の全体的な増加
を予想している。これらのシナリオでは、ユーロおよび米ドルの金利ならびに米ドル為替レートが経済
状況に応じて変動すると予想されているが、これはユーロが米ドルに対して下落し、全体的に金利が下
がることが予想されることを意味している。同時に、市場の不確実性の高まりが、金利、通貨および信
用スプレッドの変動の増大をもたらすと予想され、その結果、類似の種類のリスクに係る経済的資本要
件も増加すると予想されている。有価証券の価格、オペレーショナル・リスクおよびプロジェクト・リ
スクからの損失もストレス・シナリオにおける利用可能な財源をさらに減少させている。
全体的には、3つのシナリオに係る、99.99%のソルベンシー・レベルであるリスク許容能力、ならび
に予測シナリオおよびストレス・シナリオに係るレバレッジ比率は、適度な水準である。
- 47 -
KfWグループの経済リスク許容能力および規制リスク許容能力の強靭性を検証するため、経済シナリオ
に加えて、さらなるストレス・テストが実施されている。現在の潜在的マクロ経済的危険因子は、変化
するシナリオ・ストレス・テストの基礎を形成している。2015年においては、米ドルの上昇、銀行部門
全体への圧力および新興市場国における課題とそれが輸出産業に与えた影響を盛り込んだシナリオが重
視された。コンセントレーションおよびインバース・ストレス・テストは、好ましくない組合せで具体
化するコンセントレーションリスクおよびその他の潜在的危機がどのようにKfWグループの事業モデルを
脅かすのかを示すものである。
- 48 -
連結財務書類
連結包括利益計算書
損益計算書
注記
2015年
2014年
増減
(単位:百万ユーロ)
受取利息
(28)
9,691
10,851
-1,160
支払利息
(28)
7,090
8,428
-1,337
2,601
2,423
177
-48
-143
95
2,553
2,281
272
正味受取利息
貸出事業に係るリスク引当金
(15)(29)
正味受取利息
(リスク引当金控除後)
受取手数料
(30)
336
384
-47
支払手数料
(30)
80
76
3
257
307
-50
(10)(11)
175
173
2
(11)(12)(32)
303
-104
407
有価証券および投資からの純損益
(16)(33)
25
-3
28
持分法により会計処理された投資からの純
損益
(6)(34)
18
7
10
正味受取手数料
ヘッジ会計からの純損益
損益を通じて公正価値で測定されるその他
の金融商品から生じる純損益
一般管理費
(35)
1,136
1,072
64
その他の正味営業収益
(36)
107
20
87
2,302
1,609
692
130
95
35
2,171
1,514
657
営業活動による損益
法人税
(20)(37)
連結利益
- 49 -
連結包括利益計算書
注記
2015年
2014年
増減
(単位:百万ユーロ)
連結利益
2,171
1,514
657
-41
65
-106
(16)(38)
-42
55
-96
(20)(38)
1
0
1
(6)(38)
0
10
-10
221
-485
706
(22)
231
-506
737
(20)
-10
21
-31
180
-420
600
2,351
1,094
1,257
損益計算書に組替調整可能な金額
金融商品からのその他の包括利益
金融商品に係る繰延税金からのその他の
包括利益
持分法により会計処理された投資からの
その他の包括利益
損益計算書に組替調整されない金額
確定給付型年金約定からのその他の包括
利益
確定給付型年金約定に係る繰延税金からの
その他の包括利益
その他の包括利益合計
連結包括利益
その他の包括利益は、株主持分の再評価準備金に直接認識された金額から成る。これらの金額は、売
却可能金融資産に分類される金融商品からの利益および費用、確定給付型年金約定に係る数理計算上の
損益の変動および元となる取引により計上される繰延税金の変更を含む。
損益計算書に含まれる組替調整額の表示
2015年
2014年
増減
(単位:百万ユーロ)
金融商品に関する組替調整額
17
22
-4
金融商品に係る繰延税金に関する組替調整額
0
0
0
持分法により会計処理された投資に関する
組替調整額
0
10
-10
17
32
-15
合計
上記の表において詳述されている組替調整額は、報告期間において損益を通じて会計処理され、前年
度に株主持分の再評価準備金に直接認識された利益および費用を表している。これには、有価証券およ
び投資を売却可能金融資産から貸出金および債権の測定区分への再分類に係る再評価準備金の償却も含
まれる。損益計算書において認識される利益は、マイナスの金額として計上され、費用はプラスの金額
として計上されている。
- 50 -
連結財政状態計算書
資産の部
注記
2015年
2014年
12月31日現在
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
現金準備高
(41)
460
786
-326
銀行に対する貸出金等
(9)(14)(15)(42)
277,050
279,867
-2,818
顧客に対する貸出金等
(9)(14)(15)(43)
134,708
119,910
14,798
貸出事業に係るリスク引当金
マクロヘッジによる公正価値ヘッジ会計に係
る評価差額
(15)(44)
-1,743
-1,857
114
(10)(45)
14,420
18,461
-4,041
ヘッジ会計が適用されるデリバティブ資産
(10)(46)
34,641
29,569
5,073
(10)(11)(12)(47)
9,014
8,894
120
(16)(17)(48)
31,634
30,722
913
その他のデリバティブ資産
有価証券および投資
持分法により会計処理された投資
(6)(49)
290
178
112
有形固定資産
(18)(50)
919
912
7
無形固定資産
(19)(51)
206
158
49
税金資産
(20)(52)
410
410
0
(53)
962
1,063
-100
502,973
489,072
13,900
その他の資産
合計
負債および資本の部
注記
2015年
2014年
12月31日現在
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
銀行に対する債務
(12)(21)(54)
24,004
17,951
6,052
顧客に対する債務
(12)(21)(55)
9,624
10,082
-458
(21)(56)
415,200
403,997
11,203
(10)(57)
132
159
-26
(10)(58)
21,892
25,495
-3,602
その他のデリバティブ負債
(10)(11)(12)(59)
2,626
2,975
-349
引当金
(9)(15)(22)(60)
2,598
2,801
-204
債務証書
マクロヘッジによる公正価値ヘッジ会計に係
る評価差額
ヘッジ会計が適用されるデリバティブ負債
税金負債
(20)(61)
284
320
-36
その他の負債
(23)(62)
1,113
1,447
-334
劣後負債
(23)(63)
300
2,247
-1,947
株主持分
(24)(64)
25,200
21,598
3,602
払込済資本
3,300
3,300
0
資本準備金
8,447
7,197
1,250
ERP特別基金からの準備金
1,191
1,191
0
12,091
10,019
2,072
600
500
100
-429
-608
180
502,973
489,072
13,900
利益剰余金
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
再評価準備金
(6)(16)(22)(60)
合計
- 51 -
連結持分変動計算書
2015会計年度
連結持分変動計算書
2015年
所有者に係
1月1日
現在
2015年
2015年
連結グループ る株主持分
包括利益の
12月31日
における変動
処分・充当
現在
の変動
(単位:百万ユーロ)
3,750
0
0
0
3,750
-450
0
0
0
-450
7,197
0
1,250
0
8,447
5,900
0
1,250
0
7,150
1,191
0
0
0
1,191
10,019
0
0
2,071
12,091
KfW法第10条第(2)項による法定準備金
1,875
0
0
0
1,875
KfW法第10条第(3)項による特別準備金
5,690
0
0
1,331
7,022
21
0
0
0
21
2,432
0
0
740
3,173
500
0
0
100
600
-608
0
0
180
-429
56
0
0
-41
15
0
0
0
0
0
-664
0
0
221
-443
21,598
0
1,250
2,351
25,200
引受済資本
控除:未請求の未払込資本
資本準備金
ERP特別基金からの助成準備金
ERP特別基金からの準備金
利益剰余金
特別準備金
(ドイツマルク貸借対照表法第17条第(4)項
に基づく引当による特別損失控除後)
その他の利益剰余金
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
再評価準備金
金融商品による評価損益(税引き後)
持分法により会計処理された投資
確定給付型年金約定に係る数理計算上の
損益(税引き後)
株主持分
資本準備金は、ERP劣後ローンの部分転換を通じたERP特別基金からの追加の助成準備金が寄与したこ
とで、12.5億ユーロ増加し、2015年1月1日現在84億ユーロとなった。
KfWの当期純利益1,331百万ユーロは、KfW法第10条第(3)項の特別準備金を増加させるのに充当された。
さらに、一般銀行業務上のリスクに対する積立金は、100百万ユーロ増加した。
連結包括利益の差分は、その他の利益剰余金、または株主資本に直接認識されている場合は、再評価
準備金に割当てられる。
- 52 -
2015会計年度
金融商品(関連する繰延税金を含む。)の再評価準備金
および持分法により会計処理された投資の変動
債券および 株式および
持分法により
その他の
その他の
会計処理され
確定利付
不確定利付
た
証券
証券
株式投資
税効果
投資
合計
(単位:百万ユーロ)
52
0
5
-1
0
56
処分による減少
0
0
0
0
0
0
処分による増加
0
0
0
0
0
0
減損による減少
2
0
0
0
0
2
再分類後の償却
15
0
0
0
0
15
0
0
0
0
0
0
17
0
0
0
0
17
0
0
0
0
0
0
-54
0
-5
1
0
-58
-54
0
-5
1
0
-58
0
0
0
0
0
0
15
0
0
0
0
15
2015年1月1日現在
A.損益計算書において認識された
増減
連結グループにおける変動
損益計算書において認識された
増減合計
B.株主持分において直接認識された
増減
資本性金融商品のみに係る減損損
失戻入に伴う再評価準備金の増減
公正価値の変動に伴う再評価準備
金の増減
株主持分において直接認識された
増減合計
為替レートの変動による影響
2015年12月31日現在
- 53 -
2015会計年度
確定給付型年金約定に係る数理計算上の損益(関連する繰延税金を含む。)による
再評価準備金の変動
確定給付型年金約定に
係る数理計算上の損益
税効果
合計
(単位:百万ユーロ)
2015年1月1日現在
-695
30
-664
231
-10
221
-463
20
-443
株主持分において直接認識された増減
数理計算上の損益評価パラメーターの
変動による再評価準備金の変動
2015年12月31日現在
- 54 -
2014会計年度
連結持分変動計算書
2014年
所有者に係
1月1日
現在
2014年
2014年
連結グループ る株主持分
包括利益の
12月31日
における変動
処分・充当
現在
の変動
(単位:百万ユーロ)
3,750
0
0
0
3,750
-450
0
0
0
-450
7,197
0
0
0
7,197
5,900
0
0
0
5,900
ERP特別基金からの準備金
1,191
0
0
0
1,191
利益剰余金
8,613
-9
0
1,414
10,019
KfW法第10条第(2)項による法定準備金
1,875
0
0
0
1,875
KfW法第10条第(3)項による特別準備金
4,807
0
0
883
5,690
21
0
0
0
21
1,910
-9
0
531
2,432
400
0
0
100
500
-188
10
0
-431
-608
1
0
0
55
56
-10
10
0
0
0
-179
0
0
-485
-664
20,513
2
0
1,084
21,598
引受済資本
控除:未請求の未払込資本
資本準備金
ERP特別基金からの助成準備金
特別準備金
(ドイツマルク貸借対照表法第17条第(4)項
に基づく引当による特別損失控除後)
その他の利益剰余金
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
再評価準備金
金融商品による評価損益(税引き後)
持分法により会計処理された投資
確定給付型年金約定に係る数理計算上の
損益(税引き後)
株主持分
- 55 -
2014会計年度
金融商品(関連する繰延税金を含む。)の再評価準備金
および持分法により会計処理された投資の変動
債券および 株式および
持分法により
その他の
その他の
会計処理され
確定利付
不確定利付
た
証券
証券
株式投資
税効果
投資
合計
(単位:百万ユーロ)
-2
0
5
-1
-10
-9
処分による減少
-1
0
0
0
0
-1
処分による増加
0
0
0
0
0
0
減損による減少
0
0
0
0
0
0
再分類後の償却
22
0
0
0
0
22
0
0
0
0
10
10
21
0
0
0
10
32
0
0
0
0
0
0
34
0
0
0
0
33
34
0
0
0
0
33
為替レートの変動による影響
-1
0
0
0
0
-1
2014年12月31日現在
52
0
5
-1
0
56
2014年1月1日現在
A.損益計算書において認識された
増減
連結グループにおける変動
損益計算書において認識された
増減合計
B.株主持分において直接認識された
増減
資本性金融商品のみに係る減損損
失戻入に伴う再評価準備金の増減
公正価値の変動に伴う再評価準備
金の増減
株主持分において直接認識された
増減合計
- 56 -
2014会計年度
確定給付型年金約定に係る数理計算上の損益(関連する繰延税金を含む。)による
再評価準備金の変動
確定給付型年金約定に
係る数理計算上の損益
税効果
合計
(単位:百万ユーロ)
2014年1月1日現在
-189
10
-179
-506
21
-485
-695
30
-664
株主持分において直接認識された増減
数理計算上の損益評価パラメーターの
変動による再評価準備金の変動
2014年12月31日現在
- 57 -
連結キャッシュ・フロー計算書
2015年
2014年
(単位:百万ユーロ)
2,171
連結利益
1,514
連結当期利益に含まれる非現金項目および営業活動によるキ
ャッシュ・フローに一致させるための調整
減価償却費、償却費、減損および減損損失戻入(債権、有
形固定資産、有価証券および投資)ならびに貸出事業に係
るリスク引当金の増減
その他の引当金の増減
その他の非現金費用および収益
有価証券および投資ならびに有形固定資産の売却損益
その他の調整
小計
367
267
143
0
-23
-2,803
-150
133
0
-9
-2,511
-606
3,024
-15,285
-930
-750
6,052
-458
11,203
-4,410
9,145
-6,787
-151
504
1,180
-4,569
-79
-20,979
5,269
-1,224
18,475
-33
10,266
-8,083
-64
-448
2
-122
30
-102
-113
-233
0
-597
-597
-54
-126
0
0
0
786
504
-233
-597
460
1,360
-448
-126
0
786
非現金項目修正後の営業活動による資産
および負債の増減
銀行に対する貸出金等
顧客に対する貸出金等
有価証券
営業活動に係るその他の資産
銀行に対する債務
顧客に対する債務
債務証書
営業活動に係るその他の負債
利息および配当金受取額
利息支払額
法人税支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産:
売却による収入
投資による支出
有価証券および投資(株式投資):
売却による収入/投資による支出
投資活動によるキャッシュ・フロー
増資/(減資)による収入/(支出)
その他財務活動による増減
財務活動によるキャッシュ・フロー
前期末現在の現金および現金同等物
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
当期末現在の現金および現金同等物
IAS第7号に従って、キャッシュ・フロー計算書に計上される現金および現金同等物の残高は、貸借対
照表項目の「現金準備高」と同一であり、手許現金および中央銀行残高から成る。
キャッシュ・フロー計算書は、営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローに分類
されて、会計年度における現金および現金同等物の増減を示している。その他の調整は、主に、正味受
取利息-2,601百万ユーロ(2014年は-2,423百万ユーロ)の調整ならびに評価損益-305百万ユーロ(2014
年は-310百万ユーロ)および外国為替レートの変動による影響+89百万ユーロ(2014年は+103百万ユー
ロ)から成る。
- 58 -
発行者の概況の要約
1. 設立
1) 設立の目的および根拠
KfWは、ドイツ復興金融公庫法(Gesetz über die Kreditanstalt für Wiederaufbau)(以下「KfW法」
という。)に基づき、ドイツ連邦共和国(以下「連邦共和国」という。)の連邦政府(以下「連邦政
府」という。)の国内・国際公共政策目標を遂行する無期限の公法機関( Anstalt des öffentlichen
Rechts)として設立された。
KfW法に基づいて、
1.KfWは以下の機能を有する。
(1)以下に列挙する分野について、連邦政府の命令に従い、特に融資による助成の任務を遂行する
こと。
(a)中小企業、自由業および起業
(b)ベンチャー・キャピタル
(c)住宅供給
(d)環境保護
(e)インフラ整備
(f)技術進歩および技術革新
(g)国際的合意に基づく助成事業
(h)開発協力
(i)法律、規則または公共経済政策に関する公表されているガイドラインに明記されている
その他の助成分野であって、連邦共和国または連邦州によってKfWに割り当てられている
もの
各助成の任務は規則の本文中に明記されなければならない。
(2)公法(öffentlich-rechtliche Zweckverbände)に基づき、地方機関
(Gebietskörperschaften)および特定目的組合への貸出およびその他の形式の融資を行うこ
と。
(3)純粋な社会的目的をもつ施策および教育の推進のための施策に融資を行うこと。
(4)その他、ドイツ経済および欧州経済の利益促進のために、下記の分野でその他の融資を行うこ
と。
(a)欧州投資銀行または類似の欧州の金融機関によって共同融資される、欧州共同体の利益
促進のためのプロジェクト。
(b)欧州連合(European Union)(以下「EU」という。)の加盟国、欧州経済地域間合意の
当事国、およびEU加盟国候補としての公式な地位を持つ国以外における、(aa)シンジケ
ートによる、または(bb)融資提供が不十分な国に対して提供される輸出金融。
ドイツ経済および欧州経済の利益促進のためになされるその他すべての融資は、公的支援なし
で、KfWが過半数を保有する他の法人によって行われる。定款にはより具体的な規定が含まれ
る。
- 59 -
2.上記第1項第(1)号(a)および(b)に記載される任務は、中小企業銀行(Mittelstandsbank)の
名称の下、KfWにおける助成担当部門によって遂行される。これらの任務には、特に、技術進歩お
よび技術革新の分野におけるアドバイザリー・サービスおよび助成的な施策の実施が含まれる。
3.KfWは、上記第1項に記載される機能の遂行との間に直接的関連が存在する場合に限り、特に下記の
事業を含むその他の事業を遂行することができる。
(1)債権および有価証券を購入または売却すること。為替手形および約束手形の形態による債務を
負うこと。
(2)金融の流動性を管理および保護するために事業を遂行すること、および施策を講じること(財
務管理)。
(3)リスク管理に必要な事業すべてを実行すること。
(4)上記第1項第(4)号に記載されている任務に直接的に関連して設立された子会社に、市況に応
じて、必要な借換資金および他のサービスを提供すること。
KfWは、預金の受入れおよび取次業務を行ってはならない。これは、KfWが直接または間接的な持分
を有する会社、KfWによって設立された財団、ドイツの地方機関、ドイツのその他の行政機関、EU、
そ の 他 の 国 際 機 関 、 経 済 協 力 開 発 機 構 ( Organization for Economic Cooperation and
Development)(以下「OECD」という。)の加盟国またはそれらの国家開発援助機関との取引には
適用されない。
4.上記第3項の制約は、連邦共和国の国益となる事業および連邦政府( Bundesregierung )がKfWに個
別に委託した事業には適用されない。
2) 連邦共和国との関係
所有関係
連邦共和国はKfWの引受済資本の80%を所有し、ドイツ連邦諸州(以下、それぞれを「連邦州」
(Land)、全部の州を「連邦諸州」(Länder)という。)が残りの20%を所有している。KfW法は、株主
総会について規定していないが、代わりに、監事会が株主総会の責任を負う。監事会の詳細については、
「3. 組織-2) 監事会」を参照のこと。
KfWの資本持分は、担保に入れることはできず、また、連邦共和国または連邦諸州以外の主体に対して
譲渡することはできない。KfWに対する資本拠出は、連邦共和国と連邦諸州による所有割合が維持される
ような形で行われており、今後も引き続きそのように行われるものと予測される。
連邦共和国の保証者責任
KfW法は、KfWの借入金、発行債券および手形ならびにデリバティブ取引に関するKfWのすべての既存債
務および将来債務、ならびにKfWが明示的に保証を与えている第三者の債務を連邦共和国が保証すること
を明示的に規定している(KfW法第1a条)。この法定保証(以下「連邦共和国の保証者責任」という。)
に基づき、KfWがその発行した有価証券の元利金その他の金員を支払わない場合、またはKfWによる保証
に基づき行うべき支払を支払期限に行わない場合には、連邦共和国がその支払期限に、常に当該支払を
行う義務を負う。連邦共和国の保証者責任に基づく連邦共和国の債務は、連邦共和国の現在および将来
にわたるすべてのその他の無担保および非劣後負債と同順位であり、相互にいかなる優先関係もない。
KfWが発行したまたはKfWの保証の下で発行された有価証券の所有者は、最初にKfWに対して法的措置を講
ずることなく、連邦共和国に対して直接、かかる債務の履行を主張することができる。連邦共和国の保
証者責任は、厳格な制定法上の事項であり、なんらかの契約または証書によって証せられるものではな
い。連邦共和国の保証者責任は、保証の対象たる債務に関し、KfWが行使できる抗弁に服する可能性があ
る。
- 60 -
組織維持責任(Anstaltslast)
KfWは、公法機関(Anstalt des öffentlichen Rechts)である。したがって、連邦共和国には、KfWの
設立機関として、ドイツ行政法の原則である組織維持責任( Anstaltslast)(以下「組織維持責任」と
いう。)に基づき、KfWの経済基盤を保護する義務がある。連邦共和国は、組織維持責任に基づき、KfW
を事業遂行可能な状態に維持し、かつKfWに財政的困難が生じた場合には、資金の割当てその他の適切な
方法によりKfWがその債務を期日に履行できるようにしなければならない。組織維持責任は、KfWの債務
に対する連邦共和国の正式な保証ではなく、KfWの債権者は連邦共和国に対し、直接請求権を有するもの
ではない。しかしながら、この法的原則の効果として、KfWの債務(KfWが発行したまたはKfWの保証の下
に発行された有価証券の所有者に対するKfWの債務を含む。)は、連邦共和国の信用により完全に担保さ
れている。連邦共和国は、組織維持責任に基づき、適法に成立した義務である国庫負担の義務を有し、
ドイツ議会による歳出配分その他の行為を必要とすることなくかかる支払を行うことができる。
欧州委員会との合意
KfWの債務に対する連邦共和国の責任負担が、EU法の国庫補助に対する禁止とこれまでも矛盾しておら
ず、また現在も矛盾していないことを明確化するため、ドイツ連邦財務省と欧州委員会の競争政策担当
委員は協議を重ね、2002年3月1日に正式な合意に至った。欧州委員会との当該合意において、KfWが責任
を負う助成事業については、KfWが引き続き組織維持責任と連邦共和国の保証者責任の恩恵を受けること
が合意された。当該合意において、特に中小企業、ベンチャー・キャピタル、環境保護、技術/革新、イ
ンフラ整備および住宅供給に対する融資提供におけるKfWの役割ならびにKfWの発展途上国との協力は、
助成事業に当たるものであり、したがって、EUの規則と矛盾しないことが確認された。
欧州委員会との当該合意により、KfWが輸出金融およびプロジェクト・ファイナンスの分野で行ってい
るその輸出金融業務および国内・国際プロジェクト・ファイナンス事業のうち、KfWの助成事業の範囲を
超えていると欧州委員会がみなす部分を、法的に独立した子会社に対して譲渡することが要求された。
当該事業の譲渡は2007年12月31日までに行われなければならず、この日以降、KfWは当該子会社に対し、
市場金利以外の金利で融資を行うことは認められておらず、組織維持責任または連邦共和国の保証者責
任の恩恵も適用できなくなった。
しかしながら、KfWは引き続き、以下の助成目的の輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス事業を
直接行うことが認められている。
・
金利補助の CIRR(Commercial Interest Reference Rate、市場貸出基準金利)や ASU(Aircraft
Sector Understanding、航空機部門合意(旧称 LASU(Large Aircraft Sector Understanding、
大型航空機部門合意))計画(これらは OECD のコンセンサスに従い助成事業として認められ
る。)等の国際助成プログラムの実施
・
EU、欧州経済圏および正式な EU 加盟候補国の地位を有する国々以外での協調融資への参加(た
だし一定の条件に服する。)ならびに十分な資金源のない国々への単独融資活動
・
欧州投資銀行または類似の欧州の金融機関によって協調融資される、EU の利益となるプロジェ
クトへの参加
欧州委員会は当該合意を決定に変え、連邦共和国はこれを正式に受諾した。助成金融機関の新構築に
関する法律( Förderbankenneustrukturierungsgesetz)の一部により、欧州委員会との合意が実施され、
KfW法は適宜改正された。
- 61 -
2008 年 1 月 1 日 、 KfW の 完 全 所 有 子 会 社 と し て 設 立 さ れ た 有 限 責 任 会 社 ( Gesellschaft mit
beschränkter Haftung)であるKfW IPEX有限責任銀行(KfW IPEX-Bank GmbH)(以下「KfW IPEX銀行」と
いう。)は、法的に独立した事業体として業務を開始し、これにより、欧州委員会との合意に規定され
た要件を満たした。KfW IPEX銀行は、欧州委員会がKfWの助成事業の範囲を超えるとみなす輸出金融およ
びプロジェクト・ファイナンス事業を、直接、自らのために行っている。
監督
連邦財務省は、連邦経済エネルギー省と協議の上で、KfWの法的監督(Rechtsaufsicht)を行っている。
すなわち、連邦財務省は、KfWに適用ある法律の遵守を監督しており、かかる遵守を確保するために必要
なすべての措置を講じることができる。法的監督とは、主にKfW法およびKfWの定款の遵守の監督である
が、その他のすべての適用法令(ただし、次の段落において言及され、「規制」において説明される銀
行規制法の一定の規定を除く。)の遵守の監督も含む。関係する連邦大臣は、KfWの活動全般を監督して
いるKfWの監事会の構成員になっている。下記「3. 組織-2) 監事会」を参照のこと。
KfWは、当該連邦省による法的監督を受けることに加え、2013年10月に、ドイツ連邦金融監督庁
( Bundesanstalt für Finanzdienstleistungsaufsicht )(以下「BaFin」という。)が行う銀行業に特
化した監督の対象となった。この監督は、省令(KfW-Verordnung)(以下「KfW省令」という。)によっ
て定められた。KfW省令は、2013年7月に施行されたKfW法の改正を補完するものである。KfW省令は、KfW
に対する銀行規制法の一般的な適用免除を継続させる一方で、KfWに準用される銀行規制法の規定を特定
し、当該規定の遵守の監督をBaFinに担当させている。BaFinは、その監督を行うに当たり、通常の銀行
監督手続に従ってドイツ中央銀行(Deutsche Bundesbank)と協力する。詳細については、「規制」を参
照のこと。
KfWは、ドイツの銀行に一般的に適用される財務報告および監査基準の遵守に加え、KfW法に基づき、
予算原則法(Haushaltsgrundsätzegesetz)に規定される政府所有の事業体向けの特別な監査基準に従わ
なければならない。かかる特別な監査基準により、KfWの年次監査の対象に、通常の範囲に加えて、KfW
の経営陣がその事業を適切に行っているか否かを含めることが義務づけられている。その結果として作
成される監査報告書は、監事会、連邦の担当省および連邦会計検査院(Bundesrechnungshof )が各自の
意見を作成し、かつ必要な場合に対策を講じることができるものでなければならない。
最後に、KfWは、政府所有の事業体として、予算原則法に基づき、その資金の経済的運用について連邦
会計検査院による監査を受ける。
規制
KfWの規制状況の概要 KfWは、ドイツ銀行法(Gesetz über das Kreditwesen - KWG)の意味における
「 信 用 機 関 」 も し く は 「 金 融 サ ー ビ ス 機 関 」 ま た は EU の 自 己 資 本 指 令 Ⅳ ( Capital Requirements
Directive IV ) ( 以 下 「 CRD Ⅳ 」 と い う 。 ) お よ び EU の 自 己 資 本 規 制 ( Capital Requirements
Regulation)(以下「CRR」という。)を始めとする関連するEUの指令および規制の意味における「信用
機関」に該当しないため、一般的に、銀行規制法令の適用を免除される。しかしながら、KfW省令の施行
により、ドイツ銀行法およびCRR(関連施行規則を含む。)のかなりの部分がKfWに準用され、その大部
分が2016年1月1日から適用される。KfW省令は、通常預金の取扱いを行わず、貸出事業における低リスク
特性および連邦共和国の保証者責任による恩恵に特徴付けられる、KfWの事業体としての特別な地位に配
慮している。よってKfW省令は、関連規則の準用に関して一定の変更および特例を与えている。
KfW省令によって課されるEUおよび国内の銀行規制法の準用は、CRR第4(8)条の意味における「公共部
門事業体」としてのKfWの地位を損なうものではない。EUおよび国内の銀行規制法に基づく自己資本要件、
大口エクスポージャーに関する制限および流動性測定に関して、銀行が保有する公共部門事業体に対す
るエクスポージャーが特別扱いされていることを考慮すると、かかる地位は、KfWのリファイナンス事業
をある程度有利な立場にする。KfWによって発行された債券等の有価証券は、原則として、2014年10月10
日付のEU空売り規制(Commission Delegated Regulation)2015/61第10(1)(c)(v)条に従い、レベル1資
産に適格である。
- 62 -
準用される銀行規制 KfW省令の施行により、2014年7月1日から、ドイツ銀行法第25c条から第25d条に
規定されるコーポレート・ガバナンスに関する銀行規制要件がKfWに準用されることとなった。これに応
じて、2014年8月1日付でKfWの監事会の委員会構成に一定の調整がなされた。かかる調整の詳細について
は、「3. 組織-2) 監事会」を参照のこと。
ド イ ツ 銀 行 法 第 25a 条 に お い て 規 定 さ れ 、 ド イ ツ の 信 用 機 関 の 報 酬 に 関 す る 規 則
( Institutionsvergütungsverordnung)においてさらに明確に規定されている報酬方針に関する銀行規
制要件が、2016年1月1日から、KfWに適用される。
CRRの第2部第Ⅰ編から第Ⅲ編および第3部第Ⅰ編から第Ⅵ編によって設けられた自己資本充実度に関す
る規制が、規制上の自己資本および自己資本要件の計算を含め、ほぼ全体として、2016年1月1日から、
単体ベースおよび連結ベースの両方において、KfWに準用される。さらに、KfWは、CRD Ⅳによって導入
され、ドイツ銀行法第10c条から第10i条として国内法に移入された新たな資本バッファー規制の対象と
なり、資本保全バッファーおよびカウンターシクリカルな(景気連動抑制的な)資本バッファーの維持
を義務づけられる。KfWは、国内システム上関連性のある機関向けのバッファーといった、システミッ
ク・リスクのための追加的な資本バッファーを維持するためのBaFinによる一定の要件の対象となる可能
性がある。
また、KfWは、2016年1月1日から、ドイツ銀行法および関連施行規則によって補足されたCRR第Ⅳ編の
大口エクスポージャー規制の準用を受ける。この規制の下では、1顧客または関係する顧客から成る1グ
ループに対するエクスポージャーは適格自己資本の25%までに制限され、適格自己資本の10%を超える
エクスポージャーは特別な内部モニタリング要件およびドイツの銀行監督機関に対する報告義務を課さ
れる。
さらに、KfWは、2016年1月1日から、レバレッジに関する規定の準用を受ける。この規制の下では、
KfWの資産および貸借対照表外のエクスポージャーの会計価値に対するTier 1資本の比率は、グループレ
ベルにおいても事業体レベルにおいても報告しなければならない。レバレッジ比率は、2016年以降、開
示されるとともに内部的に監視され、2018年以降、健全性要件の一部となる予定である。
最後に、KfWは、ドイツの反マネー・ロンダリング法( Geldwäschegesetz - GwG)の遵守に加えて、
2016年1月1日から、グループレベルおよび事業体レベルにおいて、ドイツ銀行法(第25g項ないし第25m
項)に規定されるマネー・ロンダリング、テロリストの資金調達およびその他の犯罪行為に関する規定
を遵守する(特に、ドイツ銀行法第251条以降を重視する。)。
ド イ ツ 銀 行 法 お よ び ド イ ツ の リ ス ク 管 理 の 最 低 要 件 ( Mindestanforderungen an das
Risikomanagement)(以下「MaRisk」という。)に規定されるリスク管理システムに関する銀行規制要件
が、2016年1月1日からKfWに準用される。かかる銀行規制要件には、リスク戦略立案、リスク管理の実施
ならびに財務および業務管理のための健全なシステムならびに与信に関する意思決定プロセスの要件が
定められている。これに関連して、KfW法第2条第(4)項に従ったKfWの委託業務( Zuweisungsgeschäft)
(すなわち、KfWが、連邦政府の指示に従い、通常、連邦政府による経済的リスクの負担において行う活
動)に対して一定の免除が認められている。
KfWは、CRRおよびドイツ銀行法に規定される流動性規制の適用を一般的に免除されている。同じ理由
で、KfWは、EUおよび国内の開示要件および再建・破綻処理計画の策定義務を一般的に免除されている。
監督体制および執行権限 KfWによる銀行規制法令の遵守の監督は、BaFinに任されており、BaFinはそ
の一般的リスクを重視した監督上の審査および評価プロセス(Supervisory Review and Evaluation
Process)に従ってドイツ中央銀行と協力してこれを行う。これに関連して、ドイツ中央銀行は、銀行の
財務の安定性ならびに内部統治およびリスク管理システムの妥当性の両方について銀行の継続的な監査
および分析を担当する。ドイツ中央銀行は、関連データを受け取りその再処理を行うが、最終的な意思
決定および執行権限の行使はBaFinが行う。
- 63 -
KfW省令は、監督の目的上、2016年1月1日以降、KfWを、ドイツの銀行に一般的に適用される報告およ
び通知要件(顧客口座の詳細への自動アクセスを除く。)の準用対象としている。さらに、KfW省令は、
KfWを、特に規制上の自己資本の増加および規制リスクの軽減またはKfWの経営幹部の変更を要求する権
利から成るBaFinの一定の執行権限の準用対象としている。
KfW自体は国内またはEUの銀行規制法上の規制対象事業体に該当しないため、KfWは、国内およびEUの
銀行監督体制における最近の変更の影響を受けなかった。特に、KfWは欧州単一監督制度(European
Single Supervisory Mechanism)(以下「SSM」という。)について定めたEU理事会規則第1024/2013号
に基づく欧州中央銀行(European Central Bank)(以下「ECB」という。)による監督を受けない。KfW
IPEX銀行は、SSMに参加する加盟国各国の監督当局の協力により運営される、大手銀行の総合的評価の対
象に含まれた。2014年9月のECBによる決定に従い、KfW IPEX銀行は重要信用機関とは見なされず、よっ
てECBの監督下にも置かれない予定である。代わりに、ドイツ中央銀行と連携しているBaFinの監督下に
引き続き置かれることとなる。
銀行監督法の段階的導入 上記の規則、規制および執行権限の大部分が適用されるのは2016年1月1日
からであるが、KfWに対する銀行監督法の準用は段階的に導入されつつある。2013年10月以降、BaFinお
よびドイツ中央銀行の監督責任および一定の限定された情報に関する権限が整備されたが、コーポレー
ト・ガバナンスに関する要件は2014年7月1日から適用されている。
KfWは、従前、ドイツ銀行法の自己資本要件およびMaRiskのリスク管理要件を含む銀行規制法の重要な
部分を自主的に遵守してきた。そのため、執行理事会に対する月例リスク報告を含め、主要なリスク区
分に関する最新のモニタリングおよび制御システムを既に採用している。
KfWは、2016年1月1日から実施される報告および通知要件ならびに本格的な規制報告制度の実施に向け
た準備段階において、監督機関に対して関連する報告および情報を提供する予定であり、その形式につ
いて監督機関との間で合意がなされた。
規制に関する費用 KfWは、既にその事業の大部分に銀行規制法の重要な部分を自主的に適用している
ので、従前の自主的な遵守のおかげで、KfW省令の施行により義務となる規則および規制の遵守は円滑に
進むものと予想している。それでも、かかる遵守により、特別な組織的取組みと、2020年まで年間最大
120百万ユーロ(現時点での見込額)の関連費用の支出が必要とされると見込まれる。
- 64 -
2. 資本構成
KfWグループの資本構成(2014年12月31日現在)
(単位:百万ユーロ)
借入金
短期資金
34,213
債券およびその他の確定利付証券
370,034
その他借入金
27,685
劣後負債 (1)
2,247
借入金合計
434,179
株主持分
払込済資本 (2)
3,300
資本準備金 (3)
7,197
ERP特別基金からの準備金
1,191
利益剰余金
10,019
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
500
-608
再評価準備金
株主持分合計
21,598
資本構成合計
455,777
(1) 2,247百万ユーロの劣後負債の形でERP特別基金から振り替えられた資産を含む。
(2) KfWの自己資本(そのうち80%を連邦政府が所有し、残りの20%を連邦諸州が所有している。)は、2014年において3,750百万
ユーロであった。そのうち、3,300百万ユーロは連邦政府および連邦諸州の所有割合に応じて払い込まれている。
(3) ERP特別基金からの助成準備金(Förderrücklage)の形での自己資本5,900百万ユーロを含む。
3. 組織
KfWの機関は、執行理事会(Vorstand)および監事会(Verwaltungsrat)である。
1) 執行理事会
執行理事会は、KfWの日常業務の遂行および資産の管理の責任を担っている。基本的に、執行理事は監
事会により当初の任期を最長3年間として選任される。最初の任期終了後、各理事は、監事会により複数
回にわたり再任、またはその任期が最長5年間まで複数回にわたり延長される可能性がある。各執行理事
はKfWの特定の業務に責任を負うが、執行理事会が行う行為について責任を共有する。
2) 監事会
監事会のメンバーは通常37名であり、連邦財務大臣、連邦経済エネルギー大臣、連邦外務大臣、連邦
食料農業大臣、連邦運輸デジタルインフラ大臣、連邦経済協力開発大臣、連邦環境自然保護建設原子力
安全大臣、連邦参議院(Bundesrat)が選任したメンバー7名、連邦議会(Bundestag)が選任したメンバ
ー7名、商業銀行代表5名、工業代表2名、地方自治体、農業、熟練手工業、通商および住宅部門の代表各
1名ならびに労働組合の代表4名から構成される。商業銀行、工業、地方自治体、農業、熟練手工業、通
商および住宅の各部門ならびに労働組合の代表は、連邦政府が関係者と協議の上選任する。
- 65 -
連邦財務大臣および連邦経済エネルギー大臣が、監事会の会長および副会長を務める。両者は1年毎に
その役職を交代し、2015年においては、連邦財務大臣が会長を務める。KfWの監事会に在籍するすべての
連邦大臣の任期については、各連邦大臣の任期に一致するが、監事会のその他の監事は、個別に3年の任
期を任命される。
監事会は、KfWの事業の遂行全般および資産の管理を監督する。執行理事会に一般的な指示を与えるこ
ともできる。特に、監事会は通常、とりわけ短期融資、借入人1名につき50百万ユーロを超える投資不適
格または無格付の発行体への貸出コミットメント、一定の無担保貸付、および100百万ユーロを超える投
資適格発行体への貸出コミットメントにつき(そのリスク・信用委員会を通じて)承認せねばらない。
監事会は、その他の取引または取引の種類を承認する権利を留保することもできる。ただし、KfWを代表
する権限またはKfWの代わりに融資のコミットメントを行う権限はない。
「1. 設立-2) 連邦共和国との関係-監督」および「1. 設立-2) 連邦共和国との関係-規制」に記
載の通り、2014年、コーポレート・ガバナンスに関する銀行規制要件がKfWに対して全般的に準用され始
めた。
これらの要件を反映するため、監事会の委員会構成が調整された。かかる調整の結果、KfWの監事会の
委 員 会 構 成 は 現 在 、 執 行 ・ 指 名 委 員 会 ( Präsidial- und Nominierungsausschuss ) 、 報 酬 委 員 会
( Vergütungskontrollausschuss )、リスク・信用委員会( Risiko- und Kreditausschuss )および監査
委員会( Prüfungsausschuss )となっている。これらの調整に応じた法的基盤を確立するため、KfWの定
款は改正され、当該改正は2014年8月1日付で発効した。
執行・指名委員会は、法的事項および事務的事項、基本事業や会社の方針といった事柄の取扱いにつ
いて責任を負っている。緊急事案(Eilentscheidung)につき監事会に代わって決定を行うこともある。
さらに、定期的に執行理事会および監事会の評価を行い、執行理事会に対して適切な候補者の推薦を行
うほか、監事会の役員の選任に関し責任を負っている連邦政府関係機関の補助を行うこともある。報酬
委員会は、執行理事会およびKfWの従業員の報酬制度ならびにそれらがKfWのリスク、資本および流動性
管理に与える影響の取扱いについて責任を負い、執行理事会のメンバーに支払われる報酬に関して執
行・指名委員会に助言を行う。リスク・信用委員会は、特にKfWの現在および将来の全般的なリスク耐性
および戦略につき、監事会に助言を行う。また、KfWの定款に規定された一定の閾値を超える、業務レベ
ルでの貸付および株式投資の承認や、債券の発行、外貨の借入およびスワップ取引の承認についても責
任を負う。監査委員会は特に、会計処理や、内部統制システムおよび内部監査システムといったリスク
管理システムの実効性を監視する。また、年次財務書類の監査の実施および監査人によって指摘された
誤りの適時の是正について監視を行う。さらに、監査委員会は年次非連結財務書類の承認および年次連
結財務書類の採択に関し、監事会に助言を行う。執行・指名委員会および報酬委員会の委員長は、原則
として監事会の会長が務めることとされている。リスク・信用委員会および監査委員会の委員長は、原
則として銀行部門の代表が務めることとされている。
3) 従業員
KfWグループの従業員数は、2014年は平均で5,518名(2013年は5,374名)であった(執行理事会メンバ
ーおよび研修員を除き、臨時雇用者を含む。)。KfWの従業員の約31%は団体労働協約に加入している。
KfWは従業員のために年金等の給付を行っている。
KfWグループの従業員のうち、約24%はKfWの国内事業活動、23%は発展途上国および体制移行国支援、
12%は輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス、残りはKfWの経理、出納、担保、資金調達および貸
出支援の各部門ならびに総務・人事部に所属している。
- 66 -
4. 業務の概況
KfW は 、 連 邦 共 和 国 の 連 邦 政 府 の 国 内 ・ 国 際 公 共 政 策 目 標 を 遂 行 す る 公 法 機 関 ( Anstalt des
öffentlichen Rechts)である。KfWは、KfWグループというブランド名の傘下で金融活動を助成している。
KfWの事業は、以下の事業部門で行われている。
・
中小企業銀行(Mittelstandsbank)は、中小企業、起業家、新規事業および自営の専門家に対す
る助成を行っている。
・
地方自治体および民間顧客銀行/信用機関(Kommunal-und Privatkundenbank/Kreditinstitute)
は、住宅に関連する融資および供与、ならびに個人に対する教育のための融資、(主に地方自治
体を対象とする)インフラ整備プロジェクトに対する融資を行い、ドイツの州立支援財団
( Landesförderinstitute)(以下「州立支援財団」という。)および他の金融機関に対するグ
ローバル融資商品の供与を行っている。
・
輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス:KfW IPEX銀行は、世界各地でそれぞれのニーズに
合わせた輸出金融、プロジェクト・ファイナンスおよび企業金融を提供する。KfW IPEX銀行は、
KfWが完全所有する法的に独立した事業体である。
・
発展途上国および体制移行国支援:KfW開発銀行(KfW Entwicklungsbank)は、KfWによる公共部
門 に対す る開発 援助活 動に ついて 責任を 有しており 、ドイ ツ投資 開発会社( DEG-Deutsche
Investitions-und Entwicklungsgesellschaft mbH)(以下「DEG」という。)は、発展途上国の
民間部門投資に対する融資を行っている。DEGは、KfWが完全所有する法的に独立した事業体であ
る。
・
資本市場は、KfWの財務、資金調達、資産運用およびその他の資本市場関連の活動から成る。
KfWは、2014年12月31日現在、3,672億ユーロの貸出金等を含む、4,891億ユーロの総資産を有し、ドイ
ツの最も重要な助成銀行であり、ドイツ最大手の金融機関の1つである。KfWの助成事業額は、2014年に
741億ユーロにのぼった。
KfWの事務所は、ドイツ、60325 フランクフルト・アム・マイン、パルメンガルテンシュトラーセ5-9
にある。KfWの電話番号は、011-49-69-74310である。KfWはまた、ドイツのベルリンとボンに支店を、ベ
ルギーのブリュッセルにEU連絡事務所を有している。
5. 日本との関係
KfWは1993年に日本輸出入銀行(J-EXIM)との間に提携契約を締結した。1999年、日本輸出入銀行と海
外経済協力基金(OECF)の統合に伴い、国際協力銀行(JBIC)が設立され、日本輸出入銀行と海外経済
協力基金が行っていた業務のすべてを引き継いだ。国際協力銀行とKfWは、2002年、日本企業とドイツ企
業との間の経済、産業、財政上の関係を強化する目的で、提携契約を更新した。両者はさらに、発展途
上国支援の分野における効果、知名度および効率を高め、また相互利益を促進するために協力すること
で合意した。
2008年10月のJBICの再編後、2002年の提携契約のうち、開発援助分野については新しい独立行政法人
国際協力機構(JICA)によって、また、国際輸出金融およびプロジェクト・ファイナンス分野について
は日本政策金融公庫(JFC)によって引き継がれることが承認された。
2011年11月、KfWの完全子会社であるKfW IPEX銀行は、日本貿易保険(以下「NEXI」という。)と提携
契約を締結した。NEXIおよびKfW IPEX銀行は、日本と欧州連合(特にドイツ)の企業間における経済、
工業および金融の関係を促進する目的で連携することに合意した。
- 67 -
連結財務書類
連結包括利益計算書
損益計算書
2014年
2013年
増減
(単位:百万ユーロ)
受取利息
10,851
11,647
-796
支払利息
8,428
9,234
-806
正味受取利息
2,423
2,413
10
-143
-311
168
2,281
2,102
178
受取手数料
384
362
21
支払手数料
76
87
-11
正味受取手数料
307
275
32
ヘッジ会計からの純損益
173
162
11
-104
-25
-80
-3
12
-15
7
2
5
1,072
984
88
20
-210
230
1,609
1,336
274
95
63
32
1,514
1,273
242
貸出事業に係るリスク引当金
正味受取利息
(リスク引当金控除後)
損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融
商品から生じる純損益
有価証券および投資からの純損益
持分法により会計処理された投資からの純損益
一般管理費
その他の正味営業収益
営業活動による損益
法人税
連結利益
- 68 -
連結包括利益計算書
2014年
2013年
増減
(単位:百万ユーロ)
連結利益
損益計算書に組替調整可能な金額
金融商品からのその他の包括利益
金融商品に係る繰延税金からのその他の
包括利益
持分法により会計処理された投資からの
その他の包括利益
損益計算書に組替調整されない金額
確定給付型年金約定からのその他の包括
利益
確定給付型年金約定に係る繰延税金からのその他の
包括利益
その他の包括利益合計
連結包括利益
1,514
1,273
242
65
42
23
55
38
17
0
2
-2
10
3
7
-485
-43
-442
-506
-42
-464
21
-1
22
-420
-1
-420
1,094
1,272
-178
その他の包括利益は、株主持分の再評価準備金に直接認識された金額から成る。これらの金額は、売
却可能金融資産に分類される金融商品からの利益および費用、確定給付型年金約定に係る数理計算上の
損益の変動および元となる取引により計上される繰延税金の変更を含む。
- 69 -
損益計算書に含まれる組替調整額の表示
2014年
2013年
増減
(単位:百万ユーロ)
金融商品に関する組替調整額
22
31
-9
0
0
0
持分法により会計処理された投資に関する
組替調整額
10
0
10
合計
32
31
1
金融商品に係る繰延税金に関する組替調整額
上記の表において詳述されている組替調整額は、報告期間において損益を通じて会計処理され、前年
度に株主持分の再評価準備金に直接認識された利益および費用を表している。これには、有価証券およ
び投資を売却可能金融資産から貸出金および債権の測定区分への再分類に係る再評価準備金の償却も含
まれる。損益計算書において認識される利益は、マイナスの金額として計上され、費用はプラスの金額
として計上されている。
- 70 -
連結財政状態計算書
資産の部
2014年
2013年
12月31日現在
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
現金準備高
786
1,360
-574
銀行に対する貸出金等
279,867
280,906
-1,039
顧客に対する貸出金等
119,910
115,719
4,191
貸出事業に係るリスク引当金
-1,857
-1,952
95
マクロヘッジによる公正価値ヘッジ会計に係る評価差額
18,461
11,663
6,797
ヘッジ会計が適用されるデリバティブ資産
29,569
17,140
12,429
8,894
6,760
2,134
30,722
30,569
153
持分法により会計処理された投資
178
149
29
有形固定資産
912
931
-19
無形固定資産
158
131
26
税金資産
410
298
112
1,063
1,081
-18
489,072
464,755
24,318
その他のデリバティブ資産
有価証券および投資
その他の資産
合計
- 71 -
負債および資本の部
2014年
2013年
12月31日現在
12月31日現在
増減
(単位:百万ユーロ)
銀行に対する債務
17,951
12,683
5,269
顧客に対する債務
10,082
11,306
-1,224
403,997
385,523
18,475
159
219
-60
25,495
23,648
1,847
その他のデリバティブ負債
2,975
4,566
-1,591
引当金
2,801
2,306
496
320
177
144
その他の負債
1,447
1,569
-122
劣後負債
2,247
2,247
0
株主持分
21,598
20,513
1,085
払込済資本
3,300
3,300
0
資本準備金
7,197
7,197
0
ERP特別基金からの準備金
1,191
1,191
0
10,019
8,613
1,405
500
400
100
-608
-188
-420
489,072
464,755
24,318
債務証書
マクロヘッジによる公正価値ヘッジ会計に係る評価差額
ヘッジ会計が適用されるデリバティブ負債
税金負債
利益剰余金
一般銀行業務上のリスクに対する積立金
再評価準備金
合計
- 72 -
連結キャッシュ・フロー計算書
2014年
2013年
(単位:百万ユーロ)
1,514
連結利益
1,273
連結当期利益に含まれる非現金項目および営業活動によるキ
ャッシュ・フローに一致させるための調整
減価償却費、償却費、減損および減損損失戻入(債権、有
形固定資産、有価証券および投資)ならびに貸出事業に係
るリスク引当金の増減
その他の引当金の増減
その他の非現金費用および収益
有価証券および投資ならびに有形固定資産の売却損益
その他の調整
小計
267
405
133
0
-9
-2,511
-606
99
0
-17
-2,207
-448
1,180
-4,569
-79
-20,979
5,269
-1,224
18,475
-33
10,266
-8,083
-64
-448
8,361
2,173
694
28,383
-12,994
-3,102
-25,334
-4,555
11,040
-8,650
-10
-4,442
30
-102
2
-110
-54
-126
0
0
-50
-158
0
0
1,360
-448
-126
0
786
5,960
-4,442
-158
0
1,360
非現金項目修正後の営業活動による資産
および負債の増減
銀行に対する貸出金等
顧客に対する貸出金等
有価証券
営業活動に係るその他の資産
銀行に対する債務
顧客に対する債務
債務証書
営業活動に係るその他の負債
利息および配当金受取額
利息支払額
法人税支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産:
売却による収入
投資による支出
有価証券および投資(株式投資):
売却による収入/投資による支出
投資活動によるキャッシュ・フロー
増資による収入
財務活動によるキャッシュ・フロー
前期末現在の現金および現金同等物
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
当期末現在の現金および現金同等物
IAS第7号に従って、キャッシュ・フロー計算書に計上される現金および現金同等物の残高は、貸借対
照表項目の「現金準備高」と同一であり、手許現金および中央銀行残高から成る。
キャッシュ・フロー計算書は、営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローに分類
されて、会計年度における現金および現金同等物の増減を示している。その他の調整は、主に、正味受
取利息-2,424百万ユーロ(2013年は-2,413百万ユーロ)の調整ならびに評価損益-310百万ユーロ(2013
年は-206百万ユーロ)および外国為替レートの変動による影響+103百万ユーロ(2013年は-50百万ユー
ロ)から成る。
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