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MotoGP - Michelin
[ミシュラン モータースポーツマガジン] 10 2016 VOL. 特集 Page 2 GRAND PRIX OF JAPAN 8年ぶりの MotoGP日本グランプリ ミシュラン もてぎがチャンピオン決定の場に マルク・マルケスが3度目の戴冠を果たす EVENT REPORT MotoGP 第16戦 オーストラリアGP 第17戦 マレーシアGP Page 10 最終戦 バレンシアGP Page 8 Page 9 Page 11 MotoGP 2016 総括 ミシュランが戦った MotoGP公式タイヤサプライヤー初年度 Page 13 MotoGP 2017 ALREADY STARTED! ※ポインターをページ番号や見出しの文字に合わせていただくとそのページのトップにジャンプできます。 MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 1 / 13 ROUND 15 GRAND PRIX OF MotoGP JAPAN FIM ROAD RACING WORLD CHAMPIONSHIP ミシュラン 8年ぶりの MotoGP日本グランプリ 二輪ロードレースの世界最高峰カテゴリーであるMotoGPに 今年8年ぶりに復帰し、すべてのレースのすべての走行セッションにおいて 出走全車に公式タイヤを供給してきたミシュラン。 主にヨーロッパで14のレースをこなしてきたシリーズも終盤に入り、 迎えた第15戦は栃木県のツインリンクもてぎを舞台とする日本GPでした。 MotoGPには5つのバイクメーカーが参戦していますが、 そのうち3社が日本に本拠を置くものであり、 ミシュランにとってもひときわ重要な一戦でした。 MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 2 / 13 MOTOGP JAPAN GRAND PRIX OF PRACTICE & QUALIFYING ツインリンクもてぎ開催のグランプリ最高峰 クラスレースに今回で 17 回目の出場を数え たロッシ。ポールポジション獲得は2009 年大 会に続いて 2 回目。 37 歳のバレンティーノ・ロッシが 鮮やかにポールポジションをさらう M otoGP 日本グランプリが催された ライダーを務めている青山博一が代わって められず、医師はその後の走行への参加を 10 月第 3 週のツインリンクもてぎは、 ペドロサのマシンに乗って急きょレースに 許可。 ロレンソは再びヘリコプターでサー 連日素晴らしい秋晴れに恵まれました。 出場することとなりました。 キットへ舞い戻って 4 回目のフリープラクテ 走行初日には45 分間のフリープラクティ 明くる日の午前に行われた 3 回目のフリ ィスに出走し、堂々 3 番手のタイムを記録し スが 2 回行われましたが、その 2 回目のセッ ープラクティスにおいても大きな転倒劇が てみせたのでした。 ションにおいて大きな出来事が起こりました。 ありました。 今度はヤマハのホルヘ・ロレ そして同日の午後には公式予選が行わ 昨年のこの日本 GP の優勝ライダーである ンソでした。 彼は身体を路面に強く叩きつ れましたが、ここでトップタイムを叩き出し ホンダのダニ・ペドロサが転倒し、右の鎖 けられたことから、ヘリコプターにより宇都 たのはヤマハのバレンティーノ・ロッシで 骨を骨折したのです。彼は欠場を余儀なく 宮市内の病院へ搬送されて CT スキャン検 した。最高峰クラスで 7 回チャンピオンを獲 されることになり、ホンダの MotoGP 開発 査を受けました。 幸い大きなダメージは認 得し、どの国で行われるレースにおいても 突出した人気を誇るロッシですが、この 37 歳のベテランが会心のタイムアタックを決 めて、今季 3 回目、通算 54 回目の予選首位 奪取を果たしました。 予選 2 位には 0.180 秒差でホンダのマル ク・マルケス、 3 位には 3 時間ほど前に大 転倒を喫して病院に運ばれていたことが嘘 のように思えるほどの走りを見せたロレン ソがさらに 0.087 秒差で入り、以上の 3 名 アタックラップで小さなミスがあったためポールポジション は逃したものの、マルケスは「もう少し苦戦するかと思っ ていたので、 2 位でも十分うれしい」と語りました。 午前中に大きな転倒を喫したロレンソは痛み止めの注射を 打っての出走。「病院から戻ったときに想像したよりずっと いい状態で走ることができた」と笑顔を見せていました。 がスターティンググリッドの最前列を占め る結果となりました。 MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 3 / 13 MOTOGP JAPAN GRAND PRIX OF RACE 今年は世界グランプリが日本で再び開催されるようになっ てちょうど30 年目。ミシュランにとっては2008 年大会以来 となるMotoGP 日本グランプリでした。 ロッシとロレンソ、ランキング2 位と3位のふたりが 相次いで転倒・リタイアを喫する波乱の展開に 日 本グランプリ決勝日もツインリンク ロッシは自らピットへ向かい、無念のリタイ もてぎは快晴。 1 周 4.801km のコ なるからです。 アとなってしまいました。 そのことを十分に理解していたマルケス ースを 24 周して争われる決勝レースのス これでマルケスが一躍大きなリードを得 は、「最後の 3 周は高い集中力を維持して タート時刻は午後 2 時でしたが、気温は 25 ながらの独走態勢を確立しました。 2 位に 走ることが難しく、 1 周のうちに 4 ∼ 5 回も ミスをしてしまった」とレース後に語りまし ℃、路面温度は36 ℃とこの時期の当地とし つけるロレンソのペースはマルケスに届く ては高めのコンディションでした。 ものでなく、逆に後方にいたライバルたち た。それでも彼は、決定的なミスを冒すこ 好スタートを切り真っ先に第 1 コーナー の接近を許すことになります。 とも大きなタイムダウンを喫することもなく、 へ飛び込んでいったのはホンダのマルク・ そして残りが 4 周強となったところでま 十分なリードを保ったままトップでチェッカ マルケスでしたが、続く第 2 コーナーでヤ たも大きな波乱が。 3 位を走るドビツィオ ーフラッグを受けます。その瞬間、ミシュラ マハのホルヘ・ロレンソが前に出てトップに。 ーゾに 0.4 秒差にまで迫られたロレンソが ンの MotoGP 復帰初年度のタイトルは 23 そしてオープニングラップは、ロレンソ、マ V 字コーナーで転倒。 そのままリタイアに 歳のスペイン人ライダー、マルク・マルケ ルケス、ヤマハのバレンティーノ・ロッシ、 追い込まれてしまったのでした。 スの頭上に輝いたのでした。 スズキのアレイシ・エスパルガロ、ドゥカテ これでチャンピオン争 ィのアンドレア・ドビツィオーゾという順で いの状況が急転しました。 終了しました。 ポイントランキングで 2 1 周目でトップに立ったロレンソですが、 位につけていたロッシと 逃げを打つことはできませんでした。 3 周 3 位につけていたロレン 目には彼をマルケスがかわして首位が交替。 ソがともにリタイア=ノ その 2 周後、ロッシがチームメイトのロレン ー ポイントとなったこと ソをかわして 2 位に上がり、マルケスの追撃 から、このままマルケス 体制に入ります。 がトップ でレースを走り と思いきや、さらに2 周後にロッシはヘア 切れば、その先にさらに3 ピンカーブでスリップダウンを喫してしまい、 レースを残しながらもロ サーキットに嘆きの声が響きわたることに ッシとロレンソにはもう なりました。再スタートを切ることはできた 逆転することが不可能な ものの、マシンにダメージがあったことから ポイント差 が つくことに チャンピオンを争う3人がトップ3を占めてオープニングラップを終了。その後、ヤマハのふ たり、 ロッシとロレンソがそろって転倒を喫する予想外の事態に。 MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 4 / 13 2016年 MotoGP 第15戦日本GP 決勝レース結果&タイヤ選択 Pos. No. Rider Team Bike Time/Gap 1 93 マルク・マルケス Repsol Honda Team Honda RC213V 決勝レース使用タイヤ フロント リア 42:34.610 Medium Soft 2 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Ducati Team Ducati Desmosedici GP16 + 2.992 Medium Soft 3 25 マーベリック・ビニャーレス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki GSX-RR + 4.104 Medium Soft 4 41 アレイシ・エスパルガロ Team SUZUKI ECSTAR Suzuki GSX-RR + 4.726 Medium Soft 5 35 カル・クラッチロー LCR Honda Honda RC213V + 15.049 Hard Soft 6 44 ポル・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha YZR-M1 + 19.654 Medium Soft 7 19 8 9 9 アルバロ・バウティスタ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia RS-GP + 23.032 Medium Soft ダニロ・ペトルッチ OCTO Pramac Yakhnich Ducati Desmosedici GP15 + 28.555 Medium Soft 45 スコット・レディング OCTO Pramac Yakhnich Ducati Desmosedici GP15 + 28.802 Medium Soft 10 6 ステファン・ブラドル Aprilia Racing Team Gresini Aprilia RS-GP + 32.330 Medium Soft 11 21 中須賀克行 Yamalube Yamaha Factory Racing Yamaha YZR-M1 + 42.845 Medium Soft 12 68 ヨニー・ヘルナンデス Aspar Team MotoGP Ducati Desmosedici GP14 + 52.219 Soft Medium 13 38 ブラッドリー・スミス Monster Yamaha Tech 3 Yamaha YZR-M1 + 53.783 Soft Soft 14 53 ティト・ラバト Estrella Galicia 0,0 Marc VDS Honda RC213V + 54.760 Medium Soft 15 73 青山 博一 Repsol Honda Team Honda RC213V + 1’ 00.155 Soft Soft 16 76 ロリス・バズ Avintia Racing Ducati Desmosedici GP14 + 1’ 04.440 Hard Soft 17 8 エクトル・バルベラ Ducati Team Ducati Desmosedici GP16 + 1’ 42.966 Soft Soft マイク・ジョーンズ 18 7 Avintia Racing Ducati Desmosedici GP14 + 1 Laps Soft Soft retired 99 ホルヘ・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha YZR-M1 + 5 Laps Medium Soft retired 46 バレンティーノ・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha YZR-M1 + 18 Laps Medium Soft retired 43 ジャック・ミラー Estrella Galicia 0,0 Marc VDS Honda RC213V + 18 Laps Medium Soft retired 50 ユージェン・ラバティ Aspar Team MotoGP Ducati Desmosedici GP14 + 22 Laps Medium Soft 予選ポールポジション:バレンティーノ・ロッシ (Movistar Yamaha MotoGP) 1:43.954 決勝ファステストラップ:マルク・マルケス (Repsol Honda Team) 1:45.576 ミシュランのMotoGP復帰初年度のタイトルは マルク・マルケスの頭上に輝く 2016年MotoGP 世界チャンピオン マルク・マルケスのコメント 今日のレースで僕が履いたミシュランタイヤはと てもよく機能してくれました。 昨日(予選日)より 路面温度が高かったのでちょっと不安だったところ もあったのですが、結果的にはとても良かったです。 過去 3 シーズンにわたって MotoGP では違うメー 23 歳にしてマルケスは最高峰 クラスで3 度目のタイトルを手に。 カーのタイヤを使ってきましたから、今シーズンが 始まった当初は新たに使うことになったミシュラン の MotoGP タイヤのことを理解するのに少し苦労 しました。でも、理解を深めていくにつれてタイヤを うまく使えるようになっていきましたし、ミシュラン の MotoGP タイヤ自体もどんどん進化してポテン シャルを上げていきました。 僕がミシュランの MotoGP 復帰後初めてのチャン ピオンになることができたというのはとてもうれし いことです。 走行を重ねるごとにいろんなことを学 んできました。僕らもミシュランもとても良い仕事を したと思っています。 MOTOGP JAPAN GRAND PRIX OF RACE MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 5 / 13 このレースウィークを通じて 好調だったドゥカティのアンド レア・ドビツィオーゾ。 2 位フ ィニッシュを果たして今季 4 度 目の表彰台に上りました。 ヤマハの MotoGP 開発ライダーである 中 須 賀 克 行がスポッ ト参戦。 並みいる MotoGP レギュラー 参戦ライダーたちの 中に割って入る 11 位 でのフィニッシュを果 たしました。 金 曜日に骨 折したダ ニ・ペドロ サ の 代 役 で出場した青山博一 は 15 位でフィニッシ ュ。ワークスチームか らの突然のレース出 場という難しい 仕 事 をこなしました。 アプリリア は 新 開 発 の 車 体をこのレース から投 入して パフォ ーマンスを格段に向 上。アルバロ・バウテ ィスタはアプリリア勢 として 今 季 最 上 位と なる7 位に入りました。 MotoGP 復帰 2 年目のスズキは 2 台そろって速さを見せました。レー ス後半にはチームメイト同士で表 彰台を争う状況になりましたが、こ れを制したマーベリック・ビニャ ーレスが 3 位に。アレイシ・エス パルガロも今季自己ベストの 4 位 で続き、スズキにとっては上々の日 本 GPとなりました。 スズキの母国 GP での表彰台登壇を果たしたビニャーレス。スターティンググリッドでそ の傍らに立つのはスズキの鈴木俊宏社長。 MOTOGP JAPAN GRAND PRIX OF RACE MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 6 / 13 MICHELIN MOTOGP TIRE SERVICE MotoGPレギュラースタッフ20名+αで支えた特別な日本GP 今 回の日本 GP の MotoGP クラスへ は大半のライダーが、フロントにミディアム、 中に路面がウェットとドライの間で変化す の出走は22 台。ミシュランはこれら リアにソフトを選択しました)。なお、これら るコンディションとなった場合に使用でき すべての車両にミシュラン MotoGP 公式 のスリックタイヤはすべて、右コーナーが るインターミディエイトタイヤも用意しま タイヤを供給しました。 多いツインリンクもてぎのコースアウトに した。 ミシュランがフランスから栃木県のツイ 対応して、右側ショルダー部のコンパウンド これらのタイヤのホイー ル へ の 組 み 込 ンリンクもてぎに持ち込んだ MotoGP 公 を左側より硬めのものとした左右非対称コ み等のタイヤサービス作業や各ユー ザー チームとの技術的なコミュニケーションを 式タイヤは合計で約 1400 本。そのうち、ド ンパウンド仕様でした。 ライコンディション用のスリックタイヤには、 また、ウェットコンディション用のレイン 担ったのは、 MotoGP の全レースを転戦 フロント用としてソフト、ミディアム、ハード タイヤには、フロント用/リア用ともにソフ し て い る 2 0 名 か ら な る ミ シュラ ン の の 3 種類、リア用としてソフトとミディアム トとミディアムの選択肢を設けたほか、フリ MotoGPタイヤサービス&テクニカルチー の 2 種類を用意しました(※決勝レースに ープラクティスや予選において、セッション ムの面々でした。さらに今回は、ミシュラン のモータースポーツ活動の総責任者であ るパスカル・クワノンと、ミシュランのすべ てのモータースポーツ用タイヤの技術責 任者であるニコラ・グベールも現場を訪れ、 ミシュランにとっての日本 GP の重要性を 暗に示した格好となっていました。 MOTOGP フランスはクレルモン・フェランで製造された約 1400 本の MotoGP 公式タイヤは航空貨物便を使って日本に送り込 まれました。 ツインリンクもてぎに常設のミシュランタイヤガレージに MotoGP を転戦してきたスタッフと機材が入って作業が行 われました。 かつては二輪世界グランプリ用タイヤの担当エンジニアだ ったニコラ・グベール(写真右)。 '90 年代にホンダのワー クスマシン開発責任者を務められた吉村平次郎さんと旧交 を温めるひと幕も。 セーフティカーをはじめとする MotoGP のオフィシャルカ ーには様々な車種の BMW 車が使用されています。これら の車両のタイヤはもちろんミシュランです。 JAPAN GRAND PRIX OF MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 7 / 13 EVENTREPORT MotoGP FIM ROAD RACING WORLD CHAMPIONSHIP 2016 Round 16 AUSTRALIA ●決勝:10月23日 ●開催地:フィリップアイランドGPサーキット (オーストラリア) クラッチローがキャリア2 勝目 ドライコンディションで 初の勝利を挙げる 日 本 GP の翌週に開催されたオースト ラリアGP は、第 11 戦チェコGP でキ ャリア初優勝を飾るなど上り調子の LCR・ ホンダのカル・クラッチローが制しました。 レース序盤をリードしたのは日本 GP で 今シーズンのチャンピオン獲得を決めたマ ルク・マルケスでしたが、彼は27 周のレー スの 9 周目に転倒を喫してリタイアに。代わ ってトップに立ったのはクラッチローで、こ れをヤマハのバレンティーノ・ロッシが追 う形となりました。しかし、クラッチローはロ ッシらを上回るラップタイムをコンスタント に刻み続け、一度も背後を脅かされること なくレースを走り切って、ドライコンディシ ョンでは初めての MotoGP 優勝をつかみ ました。 FINAL RESULT - TOP 6 POS. RIDER MAKE 1 カル・クラッチロー ホンダ 2 バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 3 マーベリック・ビニャーレス スズキ 4 アンドレア・ドビツィオーゾ ドゥカティ 5 ポル・エスパルガロ ヤマハ 6 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 負 傷 欠 場 の ダ ニ・ペドロ サ に 代 わって 今 回 は 2 0 0 6 年 MotoGP 王者のニッキー・ヘイデンが 9 年ぶりにホンダワ ークスから出場。7 位争いを演じる中で転倒を喫しましたが、 再スタートを切って 17 位完走を果たしました。 MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 8 / 13 EVENTREPORT 2016 Round 17 MALAYSIA ●決勝:10月30日 ●開催地:セパン・サーキット (マレーシア) 雨中のイタリア人対決を制し ドビツィオーゾが今季 9人目のウィナーに 熱 帯のマレーシア GP は雨に見舞われ 倒してリタイア。代わって、チームメイトで た一戦となりました。その前半はヤ やはりイタリア人のアンドレア・ドビツィオ マハのバレンティーノ・ロッシとドゥカティ 上位陣に相次いだ転倒にも後押しされチームメイト同士で バトルを繰り広げ続けたアビンティア・レーシングのふたり、 バルベラとバズは4 位&5 位という好成績を手にしました。 ーゾがロッシを追撃する立場となりました。 のアンドレア・イアンノーネというふたり 雨は上がってレース後半には路面が少し のイタリア人ライダーが激しくトップを争 ずつ乾いていく状況となった中で、ロッシ いましたが、 13 周目にイアンノーネが転 はレインタイヤの摩耗が進んで苦しい状態 に追い込まれていきました。 15 周目の第 1 コーナーではベストなラインにつくこと ができず、赤いドゥカティがそのインを突い てトップに浮上。ドビツィオーゾはそのまま ロッシを引き離して逃げ切って優勝し、今 シーズンの MotoGP に実に 9 人目となるウ ィナーが誕生する結果となりました。 ロッシはイアンノーネとの激しい競り合いの中で レインタイヤの消耗を早めた格好に。 FINAL RESULT - TOP 6 ドビ ツィオ ー ゾ は 2 0 0 9 年 の イ ギリス G P 以 来 とな る M o t o G P 通 算 2 勝 目 を マ ー ク 。ドゥカ ティも こ れ で MotoGP 通算 2 勝目を挙げることとなりました。 POS. 1 RIDER アンドレア・ドビツィオーゾ MAKE ドゥカティ 2 バレンティーノ・ロッシ 3 ホルヘ・ロレンソ 4 エクトル・バルベラ ドゥカティ 5 ロリス・バズ ドゥカティ 6 マーベリック・ビニャーレス ヤマハ ヤマハ スズキ MotoGP FIM ROAD RACING WORLD CHAMPIONSHIP MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 9 / 13 EVENTREPORT MotoGP FIM ROAD RACING WORLD CHAMPIONSHIP 2016 Round 18 VALENCIA ●決勝:11月13日 ●開催地:サーキット・リカルド・トルモ (スペイン) ロレンソがパーフェクトウィン ミシュランのMotoGP復帰初年度が終了 リーズ最終戦は、ポールポジション 彼らは幾度も順位を入れ替え合うドッグフ からスタートしたホルヘ・ロレンソ ァイトを、 30 周のレースのうち 24 周以上 がスタートからトップに立つと、コースレコ にもわたって展開。 やがて彼らのバトルに ードを更新しながら一度もその座を譲るこ ホンダのマルク・マルケスが追いつきました。 となくフィニッシュ。 9 年にわたって在籍し そしてレース後半に入るとマルケスがス たヤマハワークスでの 最 後 のレースを完 パート。ロッシとイアンノーネを突き放して 璧な内容で制し、今季 4 勝目をマークして 2 位を手にしました。一方、 3 位争いに変わ シーズンを締めくくりました。 ったイタリア人ライダー同士の戦いはイア そのロレンソの後方では、ヤマハのバレ ンノーネが制し、ロッシは後輩ライダーに ンティーノ・ロッシとドゥカティのアンドレア 遅れること約 1 秒の 4 位でゴール。そしてこ シ ・イアンノーネによる2 位争いが激しく繰り のレースをもってミシュランの MotoGP 復 広げられ続けてサーキットを沸かせました。 帰初年度のシーズンは無事幕を閉じました。 表彰台で健闘を称え 合う3 人。今回優勝し たロレンソは、カタル ニア GP では今回 3 位 のイアンノー ネに追 突 さ れ て 転 倒しリタ イアを余 儀 なくされ たことも あった の で すが、そうしたことも 水に流す潔い空気が 流れていました。 序盤は出遅れたマルケスでしたが、力強い走りでライバル たちを次々に抜き去り、 3 度目の MotoGPタイトルを獲得 したシーズンを良い形で締めくくりました。 レースを走り切り、ホイールスピンによる白煙を盛大に上げ て観客の声援に応えたロッシ。最終戦では表彰台を逃しま したが、衰えぬスピードと安定性でランキング2 位を手に。 FINAL RESULT - TOP 6 POS. RIDER MAKE 1 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 2 マルク・マルケス 3 アンドレア・イアンノーネ 4 バレンティーノ・ロッシ 5 マーベリック・ビニャーレス スズキ 6 ポル・エスパルガロ ヤマハ MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 ホンダ ドゥカティ ヤマハ page 10 / 13 MICHELIN IN MOTOGP 2016 ミシュラン 一年目の MotoGP公式タイヤサプライヤー業務を完遂 年、ミシュランは二輪ロードレース ぶんタイヤを構成している材料の量が減少 の最高峰クラスである MotoGP へ しました。 そのままであれば熱に対するキ 8 年ぶりに復帰。 唯一の公式タイヤサプラ ャパシティが小さくなり、タレが早くなって イヤーとして、全 18 戦のシリーズのすべて しまいます。しかしながら、ミシュランはタ 今 のレースのすべての走行セッションにおいて、 イヤの様々な材料をはじめ、構造やプロフ 出走したすべてのマシンにタイヤを供給す ァイルといった各要素に膨大な検証を重ね、 る業務を完遂しました。 それらの組み合わせの最適解を導き出す MotoGP は今年からタイヤのリム径が フロント、リアともに16.5 インチから17 イ ンチに変わるという大きな変化がありました。 タイヤの外径はほとんど変わらないことから、 タイヤの厚み(ハイト)が薄くなり、その MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 11 / 13 して争われたレースの優勝タイム、これら 努力を続けました。 その結果、2016 年シーズンの すべてが昨年 17 インチのブリヂストンタイ MotoGP 各レースでは、前後 16.5 インチ ヤで記録されたものより速かったのです。 のブリヂストンタイヤが用いられていた昨 より細かく示せば、予選の最速タイムは 1 年とほぼ同等か、コースによってはさらに 分 30 秒 011 から 1 分 29 秒 401 へと 0.610 速いラップタイムが記録されました。 秒、決勝レース中の最速タイムは1 分 31 秒 極め付けは最終戦バレンシア GP でした。 367 から1 分 31 秒 171 へと0.196 秒、そし 予選の最速タイム、決勝レース中の最速タ て優勝タイムは 45 分 59 秒 364 から 45 分 イム、そして 1 周 4.005km のコースを30 周 54 秒 228 へと5.136 秒、それぞれ短縮され たのです。 これはとりもなおさず、ミシュランの技 術的な勝利の現れにほかなりません。もち ろん、技術開発に終わりはなく、ミシュラン はより性能が高く、そして安全な MotoGP 公 式タイヤの 開 発に取り組 み 続け、 来る 2017 年の MotoGP も唯一の公式タイヤ サプライヤーとして全力で支えていきます。 2016 年 MotoGP マニュファクチャラー選手権 最終ポイントランキング Pos. MICHELIN IN MOTOGP 2016 Make Points 1 Honda 369 2 Yamaha 353 3 Ducati 261 4 Suzuki 208 5 Aprilia 101 2016 年 MotoGP チーム選手権 最終ポイントランキング 2016 年 MotoGP ライダー選手権 最終ポイントランキング Pos. No. Rider Team Bike 1 93 マルク・マルケス Repsol Honda Team 2 46 バレンティーノ・ロッシ 3 99 4 25 5 4 6 Points Pos. Honda RC213V 298 1 Movistar Yamaha MotoGP 249 Movistar Yamaha MotoGP Yamaha YZR-M1 249 2 Repsol Honda Team 298 ホルヘ・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha YZR-M1 233 3 Ducati Team 171 マーベリック・ビニャーレス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki GSX-RR 202 4 Team SUZUKI ECSTAR 202 アンドレア・ドヴィツィオーゾ Ducati Team Ducati Desmosedici GP16 171 5 Monster Yamaha Tech 3 134 26 ダニ・ペドロサ Repsol Honda Team Honda RC213V 155 6 OCTO Pramac Yakhnich 155 7 35 カル・クラッチロー LCR Honda Honda RC213V 141 7 Aprilia Racing Team Gresini 141 8 44 ポル・エスパルガロ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha YZR-M1 134 8 LCR Honda 9 29 アンドレア・イアンノーネ Ducati Team Ducati Desmosedici GP16 112 9 Avintia Racing 112 10 8 エクトル・バルベラ Avintia Racing Ducati Desmosedici GP14 102 10 Aspar Team MotoGP 102 ミシュラン モータースポーツ テクニカルディレクター ニコラ・グベールのコメント Team Points 「最終戦バレンシア GPに私たちミシュランは新 すべてを塗り替えることができました。シーズン しいプロファイルのフロントタイヤを持ち込みま を通して私たちの MotoGP タイヤが進化し続け した。その新しいプロファイルは、そもそもは来 てきたことを端的に示す結果になったと思います。 シーズン向けに開発してきたものでした。今回、 2016 年の MotoGP における私たちミシュラ すべての MotoGP ライダーがその新しいフロン ンの活動は、総じて満足できる内容となりました。 トタイヤを試し、そして彼らの多くが決勝レース 私たちには克服すべき課題がいくつもありまし においても使用しました。そのことは、私たちミ たが、私たちはチャレンジに立ち向かい、解決策 シュランの MotoGP タイヤ開発が正しい方向で を見出そうと努力し続けてきました。ミシュラン 進んでいることを明解に示すものとなりました。 のスタッフたちのプロフェッショナリズムと献身 そしてバレンシア GP では、予選におけるサー 的な努力に感謝しています。そして来シーズン、 キットの絶対コースレコード、決勝レースにおけ より多くの成功を手にすることができることを楽 る最速ラップタイム、そして優勝レースタイムの しみにしています」 MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 12 / 13 GP O T MO 7 1 0 2 DY ! A D E E T R ALR A ST ホルヘ・ロレンソ 2016 Movistar Yamaha MotoGP 2017 Ducati Team 2017年シーズンに向け 第1 回公式テストが 早くも実施 2 016 年のシリーズ最終戦バレンシア GP が終了してから2 日後、同じサー キットで 2017 年シーズンに向けた最初の 公式テストが早くも行われました。 各バイ クメーカーは 2017 年モデルの先行開発車 アンドレア・イアンノーネ マーベリック・ビニャーレス 両を持ち込んで走らせたほか、チームを移 2016 Ducati Team 2017 Team SUZUKI ECSTAR 2016 Team SUZUKI ECSTAR 2017 Movistar Yamaha MotoGP 籍することになる何人もの大物ライダーが 新しいチーム&マシンでの初走行を実施し ました。 この後、MotoGP はオフシーズンに入り、 MotoGP 開催サーキットでテストを行うこ とは 3 カ月近くにわたって禁じられることに なります。 次にMotoGPライダーたちのライディン グを目にすることができるのは来年 2 月に 行われる公式テストとなります。 それまで の間、ミシュランはさらなる開発を進め、よ りパフォーマンスを上げたMotoGP 公式タ イヤの実現に努めます。 アレックス・リンス アレイシ・エスパルガロ 2016 Moto2 class Ranking 3rd 2017 Team SUZUKI ECSTAR 2016 Team SUZUKI ECSTAR 2017 Aprilia Racing Team Gresini ブラッドリー・スミス ポル・エスパルガロ 2016 Monster Yamaha Tech 3 2017 Red Bull KTM Factory Racing 2016 Monster Yamaha Tech 3 2017 Red Bull KTM Factory Racing MICHELIN MOTORSPORT MAGAZINE 2016 VOL.10 page 13 / 13