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風力換気装置を有する住宅を対象とした周辺気流性状の

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風力換気装置を有する住宅を対象とした周辺気流性状の
立命館大学大学院
理工学研究科
2012 年度
修士論文梗概
風力換気装置を有する住宅を対象とした周辺気流性状の把握と室内換気効果の予測
創造理工学専攻 環境都市コース 6164110013-6 長田 啓志
(指導教員 近本智行)
3.風洞実験
3.1 風洞概要
風洞実験は風速測定から装置周辺気流性状の把握と風
圧測定から換気駆動力の評価と換気計算の境界条件取得
を目的とする。図 2 に示す立命館大学研究用風洞を使用
し、対象建物模型及び周辺建物模型を境界層流にさらし
て実験を行った。境界層流の作成には、スパイヤとラフ
ネスを用い、風洞床上 1200mm の位置にピトー管を設置
し、ピトー管位置で平均風速を 10m/s に設定した。図 3 に
I 型熱線流速計を用いて測定したアプローチフローの平均
風速と乱流強度を示す。このときサンプリング周波数は
1000Hz、平均化時間は 60 秒とし、風洞内基準静圧はピト
ー管の静圧とした。べき指数は、概ね 1/3.5 であった。
図1
高さ[mm]
1.はじめに
近年住宅の高気密・高断熱化が進み、換気不足による
シックハウス症候群を防止するため、現在では居室への
機械換気装置の設置が義務化されているが、省エネルギ
ー及び快適性の観点からは、自然通風が可能な時間をよ
り長く確保することが有効と考えられる。また密集市街
地では、壁面間の対面開口では風圧係数差が小さく換気
駆動力を確保できないため換気量を確保することが困難
である。そこで本研究では密集市街地でも換気が期待で
きる風力換気を促す装置(以下、換気促進装置)に着目し、
換気促進装置を有する住宅の適切な換気性能評価を目的
としている。まず基礎的なデータ整備を目的として風洞
実験により風圧係数の整備、換気促進装置周辺気流の 2
次元風速の測定を行うと共に PIV を用いて、周辺気流性
状を明らかにする。また得られた基礎データと気象デー
タを用いて風力換気及び重力換気を考慮した単室の換気
量計算を行い、換気促進装置を有する住宅の自然換気性
能を換気回数にて評価する。さらに、風圧係数差が小さ
く換気量が低く算出される場合に、乱れの影響を考慮し
た換気効果を CFD 非定常計算によって越屋根の居住域換
気性能の検証及び評価を行うことを目的とする。
2.研究対象建物
日本建築学会標準住宅モデルに基づいた吹き抜けを有
する建物形状を想定し研究を行う。対象建物模型(3.0mm
厚アクリル板製)は図 1 に示す縮尺 1/70 の模型とし、勾配
屋根に付設した越屋根付設建物(Pitched Monitor Roof)と
陸屋根に付設した越屋根大中小(Flat Monitor Roof)及び
チムニー付設建物大中小(Chimney)、さらに換気促進装
置なし(Flat Roof)の 4 種類とし対象建物は全 8 条件とす
る。越屋根・チムニー部分のみ本体から着脱可能なもの
とし、装置サイズサイズは図 1 に示す。周辺建物模型(7
列×7 列)は、対象建物模型と同サイズに設定し、対象建物
模型を中心として配置し、隣棟間隔 D/L=0.75,1.0,1.25,∞
(D:建物間の距離、L:建物の幅)を実験パラメータとした。
対象建物模型
1200
0
乱流強度[-]
0.5 1.0
1000
800
平均風速
600
乱流強度
400
200
0
0
5
10
風速[m/s]
図2
立命館大学風洞実験室(回流式ゲッチンゲン型)
図3
アプローチフロー
Ventilation Performance of Residential Buildings with a Device Promoting Passive Ventilation
Keishi Osada
測定高さ[mm]
3.2 風洞実験概要
件ではチムニーが建物の剥離域外に存在しているために
1)風圧実験
気流が衝突し、大きな負圧が得られていると考察する。
開口単一の風圧係数測定を目的として、模型には開口
図 5 に D/L=∞,風向 0°の風速測定、PIV の結果を示す。
ベクトル図や PIV からチムニーの剥離域が明確には見ら
を設けず気密なものとしたものとした。図 1 に示す模型
れなかった。また PIV と X 型熱線風速計で計測した風速
のプロットは風圧測定点であり、均等配置で開口部高さ
を比較するとやや PIV の風速は低く算出されていた。し
に設定し、サンプリング周波数 100Hz、平均化時間は 30
かし風速ベクトル図は概ね一致していると見受けられる。
秒とし、微差圧計(DP-45、バリダイン社)により行い、風
さらに PIV 解析から X 型熱線風速計では測定精度の関係
洞内基準静圧はピトー管の静圧とした。これに加え、越
から確認できなかった剥離域内の気流の流れを把握する
屋根開口を両側開放したときの基部の鉛直方向の換気駆
ことができた。
動力を表す風圧係数(以下、基部の風圧係数)も測定した。
140
120
基部の風圧係数の測定にあたっては、越屋根の両端を開
100
けた際の室内圧を採用し、測定を行った 3 点の平均値と
80
60
した。また、越屋根の鉛直開口面は平側に設けた。
40
20
2)風速測定概要
0
X 型熱線風速計(日本カノマックス model 0249R 5μφ
‐0.9 ‐0.6 ‐0.3 0.0 0.3 0.6 風圧係数[-]
タングステン)及び 3 次元トラバーサーを用いて、換気
1)凡例
2)チムニー大
促進装置の周辺風速を測定した。なお、実験条件を表 1
140
に示す。また、測定点は装置周辺の剥離を伺える位置に 120
100
設置し、各条件 70 点から 100 点の測定点においてサンプ 80
60
リング周波数 1000Hz、平均化時間は 30 秒とし測定する。
40
3)可視化及び PIV 測定概要
20
0
風洞外部に設置したスモークマシンに接続したホース
‐0.6 ‐0.3 0.0 0.3 0.6 ‐0.9 ‐0.6 ‐0.3 0.0 0.3 0.6 ‐0.9 により煙を模型風上側に注入し、模型後流側に設置した
風圧係数[-]
風圧係数[-]
CW:YAG レーザーにより可視化を行い、高速カメラ(SA5、
3)チムニー中
2)チムニー小
図4 風圧係数分布
Photron 社)を用いて 2000fps で撮影を行った。また得ら
れた動画を PIV にて解析を行った。なお PIV 実験条件及
び解析条件は表 1 と表 2 に示す。
1
2
3
4
測定高さ[mm]
5
○ ×
○ ×
○ ×
180°
X PIV
○ ×
○ ×
○ ×
Camera Frame Size
Camera Frame Rate
Program
Algorithm
interrogation Windows Size
Total Number of Vector
over lap
Sampling Time
Laser Output
1024pixel × 1024pixel
2000fps
Davis 8.05
Direct Cross-Carelation Method
Multi Pass 1: 32pixel × 32pixel
Multi Pass 2: 12pixel × 12pixel
86×86
0%
About 1.0s
600mW
4
5
70
60
60
50
50
40
40
30
30
y[mm]
70
20
10
10
0
0
-10
0
10
20
30 40
50 60 70
x[mm]
チムニー大
80
-20
-30 -20 -10
90 100 110 120
70
70
60
60
50
50
40
40
30
30
20
0
-10
0
10
20
30 40
50 60 70
x[mm]
チムニー中
y[mm]
20
30 40
50 60 70
x[mm]
80
90 100 110 120
右:PIV)
10
-10
80
90 100 110 120
-20
-30 -20 -10
0
10
20
30 40
(左:X 型熱線風速計
70
70
60
60
50
50
40
40
30
30
20
10
50 60 70
x[mm]
80
90 100 110 120
右:PIV)
20
10
0
0
-10
-10
-20
-30 -20 -10
10
20
0
-20
-30 -20 -10
0
(左:X 型熱線風速計
10
3.3 風洞実験結果
風圧・風速測定結果の代表例としてチムニー高さによ
る比較を行う。図 4 に D/L=1.0,風向 0°のチムニーの風圧
係数分布図を示す。チムニー高さが低い場合はチムニー
部の負圧が比較的小さいが、これはチムニーが剥離域内
部にあるためと考えられる。一方、チムニー中・大の条
20
-10
-20
-30 -20 -10
○ ○
○ ○
○ ○
表2 PIV 解析条件
3
y[mm]
180°
X PIV
○ ×
○ ×
○ ×
Not Exist
0°
90°
X PIV X PIV
○ ○ × ×
○ ○ × ×
○ ○ × ×
○ ○ ○ ×
○ × × ×
○ ○ × ×
○ ○ × ×
2
y[mm]
0°
X PIV
○ ×
○ ○
○ ×
○ ×
○ ○
○ ×
○ ×
Exist
90°
X PIV
× ×
× ×
× ×
○ ×
× ×
× ×
× ×
y[mm]
Surrounding Bildings
Wind Direction
X-hotwire/PIV
Chimney (S)
Chimney (M)
Chimney (L)
Pitched Monitor Roof
Flat Monitor Roof (S)
Flat Monitor Roof (M)
Flat Monitor Roof (L)
y[mm]
表 1 風速測定・PIV 測定条件
1
0
10
20
30 40
50 60 70
x[mm]
チムニー小
80
90 100 110 120
-20
-30 -20 -10
0
10
20
30 40
(左:X 型熱線風速計
図5
風速ベクトル図
50 60 70
x[mm]
80
90 100 110 120
右:PIV)
4.換気量計算
4.1 換気量計算概要
風洞実験を行い基礎データの整備を行ったが、換気促
進装置を有する住宅の換気の可能性を示しただけで換気
量を用いた考察はできていなかった。そこで風洞実験で
得られた風圧データ及び拡張アメダス標準年データ文 4)の
気温、風向及び風速データを用いて換気促進装置と 1 階
壁面を介する単室 2 開口注 3)の年間換気量計算を行い換気
促進装置の有用性を検証するとともに、換気口の設置を
想定し 1 階側窓開口面積を変化させた Case1~Case6 の 6 条
件をパラメータ(表 3)に設定し換気回数を用いて評価す
る。また開口は風圧測定点の位置に開けることを想定す
る。計算対象モデルは図 1 に示し 1 階リビング、ダイニ
ング、キッチン及び 2 階廊下と吹き抜けの部の空間の換
気回数を評価対象とする。また対象地域は次世代省エネ
基準における地域区分のⅠ~ⅥからⅠ札幌、Ⅱ弘前、Ⅲ
仙台、Ⅳ東京・大阪、Ⅴ鹿児島、Ⅵ那覇の 7 都市を代表
地とする。
表 3 開口ケース
由としては大阪の風向特性の場合、年間を通して越屋根
基部と D-side に風圧係数差があまり生じないためである。
A-side や C-side の一階に換気口を設置する事を想定した
場合、片側解放時と同等の換気回数が得られていた。ま
た図 6 と同様に図 7 に D-side の一階に換気口を設置する
事を想定して、勾配越屋根の両側解放と、片側のみ解放
の 3 ケースを大阪にて風力換気と重力換気を考慮し年間
換気量計算を行い、その結果の 24 時間分データの移動平
均を算出し時間毎の換気回数のグラフを示す。重力を考
慮し計算を行うと温度差の影響で換気回数が増加し、相
対的な換気量の変動が小さくなっていることがわかる。
2)換気促進装置別換気回数比較(表 5)
D-side の一階に換気口を設置する事を想定して、各換気
促進装置を対象に大阪にて年間換気量計算を行い、時間
毎の各開口パターンの換気回数の最大値を抽出し平均し
たものを表す。換気促進装置の有無を比較すると、全て
の Case において約 3 倍の換気回数の差があった。換気回
数 0.5[回/h]を上回る条件は Case1~Case5 の 5 条件であり
給気口サイズ 150φ以上のものとなった。
Case1
Case2
Case3
Case4
Case5
Case6
A=1.0[m2] A=0.25[m2] A=0.0625[m2] A=0.0314[m2] A=0.0177[m2] A=0.0079[m2]
1000×1000 500×500
250φ
200φ
150φ
100φ
抵抗係数
ζ=2.37
ζ=2.37
ζ=2.37
ζ=2.37
ζ=2.37
ζ=2.37
表4
条件
換気計算各換気促進装置の抵抗係数まとめ注 3)
諸条件
越屋根大 越屋根中 越屋根小 チムニー大 チムニー中 チムニー小勾配越屋根 陸屋根
4.12
2.37
0.96
0.64
0.64
0.64
3.1899
1.00
1.00
1.00
1.00
1.00
Case1~Case6の6条件により変化
134.4972
対象領域の体積[m3]
直角曲がり抵抗[-]
1.25
1.25
1.25
チムニー管内抵抗[-]
0.11
0.07
抵抗係数
側窓形状抵抗[-]
2.37
2.37
2.37
2.37
2.37
急縮流形状抵抗[-]
0.38
0.42
0.47
0.48
0.48
急拡大形状抵抗[-]
0.46
0.67
0.86
1.00
1.00
※勾配越屋根と越屋根:基部面積、チムニー:トップの面積を表す
体積
表5
1.25
0.04
2.37
0.48
1.00
2.37
0.41
0.57
2.37
換気促進装置比較
各開口面積条件の換気回数[回/h]
Case1
Case2
Case3
Case4
Case5
8.8
64.694
24.691
6.447
3.246
1.827
チムニー上部
8.1
49.921
18.938
4.940
2.487
1.400
両側開口
9.3
48.927
14.484
3.786
1.917
1.082
A面開口
9.3
29.216
7.711
1.935
0.972
0.547
勾配越屋根
C面開口
9.3
33.333
8.766
2.199
1.105
0.622
最大値
9.3
49.428
14.525
3.792
1.919
1.083
越屋根 L
最大値
7.7
25.690
8.774
2.255
1.135
0.639
越屋根 M
最大値
7.6
25.096
8.625
2.219
1.116
0.628
越屋根 S
最大値
7.5
23.396
8.397
2.174
1.094
0.616
装置なし
最大値
1.7
8.793
3.016
0.776
0.390
0.220
※D面に換気口を設置し、換気促進装置と換気口の換気回数を算出した
換気経路※
換気促進装置
開口高さ[m]
Case6
0.812
0.622
0.482
0.243
0.276
0.482
0.284
0.279
0.274
0.098
チムニー M
チムニー S
20
換気回数[回/h]
4.2 換気量計算条件
1)風力換気計算条件
風力換気計算は合成αA を算出し換気の式から計算を
行う。越屋根の合成αA 算出に関して、側窓形状抵抗・
直角曲がり抵抗・越屋根からの気流拡大縮小抵抗を、チ
ムニーは側窓形状抵抗・気流拡大縮小抵抗、動摩擦抵抗注
4)
を考慮した。表4に換気促進装置別合成αA 算出の諸
条件をまとめて示す。なお勾配越屋根は越屋根両側開口
時も計算する。越屋根両側開口時の換気量計算には越屋
根の p-Q 特性が必要であるため、小林ら文 2)により整備さ
れた p-Q 特性を用いて計算を行う。
2)重力換気計算条件
重力と風力による換気を考慮し単室の年間換気量計算
を行う。風力換気量計算時と同様に圧力損失を考慮し合
成αA を算出し計算を行う。室内温度の設定は夏期(6 月
~9 月)、冬期(12 月~3 月)
、中間期(4 月 5 月 10 月 11
月)によって 26℃、22℃、24℃と季節により室温一定に
設定した。
4.3 換気量計算結果
1)勾配越屋根換気量計算結果
図 6 に D 面の一階に換気口を設置する事を想定して開口
ケース毎の勾配越屋根を用いて大阪にて年間換気計算を
行った。なお結果は 24 時間分データの移動平均を算出し
た時間毎の換気回数を示す。開口ケースが小さくなるに
つれて換気回数も小さくなるのがグラフから読み取れる。
また両側開口時に片側開口時と比べて換気回数が低い理
装置開口面積※[m2]
装置側窓面積[m2]
側窓開口面積[m2]
面積
15
換気回数[回/h]
10
5
0
1
月
3
月
5
月
7
月
9
月
11
月
1
月
1)両側開口
図6
3
月
5
月
7
月
9
月
11
月
1
月
2)A 面開口
3
月
5
月
7
月
9
月
11
月
3)C 面開口
開口別勾配越屋根年間換気量変動(風力のみ考慮)
80
60
40
20
0
1
月
3
月
5
月
7
月
1)両側開口
図7
9
月
11
月
1
月
3
月
5
月
7
月
2)A 面開口
9
月
11
月
1
月
3
月
5
月
7
月
9
月
3)C 面開口
開口別勾配越屋根年間換気量変動(風力+重力考慮)
11
月
Fluent 13.0
Large Eddy Simulation
(Smagorinsky--Lilly Model)
Implicit methood(SIMPLE)
Central Diifference
0.00002s
2000+35000time step
Smirnov'ss method
(Based onn k and ε)
Gauge Pressure:0[Pa]
S
No Slip
0.11
CaseA:2,0084,538
CaseB:2,0084,538
CaseC:2,0083,438
CaseD:2,0083,438
CaseE:2,0082,838
2)周辺建物配置
置
図 8 CFD 対象建物
物
250000
1.20E‐03
1.00E‐03
200000
8.00E‐04
6.00E‐04
系列
列1
系列2
系列
列2
150000
100000
4.00E‐04
50000
2.00E‐04
0.00E+00
Case
eA
0
0
2
4
計算時間
1)CaseA
6
80
2
4
CaseB
CaseC
8
6
計算時間
2)CaseB
1.40E‐03
200000
8.00E‐04
6.00E‐04
系列1
系
系列1
系列2
系
系列2
150000
100000
4.00E‐04
50000
2.00E‐04
0.00E+00
0
0
2
4
80
2
1.40E‐03
300000
1.20E‐03
250000
1.00E‐03
200000
系列1
8.00E‐04
150000
系列2
6.00E‐04
4
計算時間
4)CaseD
6
8
CaseD
図 10
0.25
開口パタ
ターン
1.80E‐04
1.60E‐04
0.2
1.40E‐04
1.20E‐04
0.15
風圧
圧係数
CaseEE
0.1
1.00E‐04
8.00E‐05
PFR
6.2
2 CFD 解析結果
果
4.00E‐05
0.05
2.00E‐05
換気
気量計算
本計算期間で
本
である 7.0 s 間に発生させた
間
た全 945,000 個の
0.00E+00
0
計算時間
A B C D E
粒子
子のうち、居
居住域内に存在
在する粒子数
数の算定を行
行った。
5)CaseE
図 12 PFR 換気量比
比較
確認
図 11 に case 毎
毎の居住域内部
部の粒子数及
及び PFR の時
時間変 図 11 CFD 計算時間の妥当性確
参考文献
化を
を示す。これ
れらの結果から
ら、6.0 s を過
過ぎた頃より 居住
1)石
石原正雄:建築換
換気設計 pp72-ppp109,pp282-pp283 朝倉書店 19669
域内
内粒子数が概
概ね一定とな っているため
め、総計算時
時間と
2)小
小林知広他:勾配
配屋根を有する
る独立住宅に設置
置された越屋根の換
気特性,日本建築学会
会環境系論文集
集,第 653 号,pp.5
595-601,2010.77
して
て設定した 7.0 s は妥当と
と言える。この
のため、各開
開口条
3)小
小林知広他:住宅
宅地における越
越屋根の風力換気
気性能予測手法に関
件に
において 6.0 s 秒で定常状
状態に達した判
判断し、それ
れ以降
する研究(その 2)LES を用いた室
室内換気性能の検証,日本建築学
学会
学術講演梗概修(東
の粒
粒子数を平均
均して算出した
た PFR を、開
開口部平均風
風速に
東海),pp.659-6660,2012.9
4)社団法人 日本建
建築学会:拡張
張アメダス気象デ
データ 1981-20000,
基づ
づいて算出し
した換気量を併
併せて図 12 に示す。この
に
の結果
5)伊
伊藤一秀他:Parrticle Tracing に
による Visitation
n Frequency, Purrging
から、風圧係数
数差が小さい ため換気量が
が小さく見積
積もら
Flow
w Rate の基礎的
的解析、日本建築
築学会環境系論文集、第 534 号、
号
pp41-48、2000.8
ていた Case A 及び Case E においても
も一定の換気
気効果
れて
6)A
A.Smirnov 他:R
Random Flow Geeneration Techniique for Large Eddy
E
が得
得られている
ると言える。 また、流入直
直後に流出す
する可
Simu
ulations and Partic
cle-Dynamics Moodeling
能性
性があること
とから居住域 内部での換気
気効果が不明 瞭で
注釈
注 1)絶対粗度εは
は ASHRAE-Handbbook-Fundament
tals-p33(1981)を参
あっ
った Case C については、実際は流入した気流が居
居住域
考に、コンクリートを想定しε=3. 0 とした。注 2) qp:単位時間当た
内の
の空気と混合
合し平均風速 に基づく換気
気量と概ね同
同等の
り対象領域 P 内で発
発生する汚染質
質量[個/s]Cp:対
対象領域の平均濃
濃度
越屋根の両側開口
口条件のみ 3 開口とする。
大きな換気効果
果が得られて いることが示
示されたと言
言える。 [個/㎥] 注 3)勾配越
謝辞
6.まとめ
本研
研究の一部は平成
成 23 年度日本学
学術振興会科学
学研究費補助金(研
研究
換気促進装置
換
置を有する住 宅の換気性能
能評価を行っ た。
動ス
スタート支援,22
2860067,研究代
代表者:小林知広
広)によった。ま
また
可視
視化実験及び PIV 解析を行うに
に当たって多大な
なるご尽力を賜った
今後
後の展開とし
して換気の式
式に補正係数
数を与えるこ とで
奥田
田隼也氏(Photro
on)ならびに塩
塩崎康弘氏(日本
本カノマックス)
)及
PFR
R を算出する
る式の提案を行
行っていく所存
存である。
び甲
甲谷寿史先生(大
大阪大学)桃井
井良尚先生(大阪
阪大学)に謝意を表
100000
4.00E‐04
50000
2.00E‐04
0.00E+00
0
0
2
しま
ます。
4
6
8
6.00E‐05
換気量[m3/s]
計算時間
3)CaseC
6
風圧係数[-]
250000
1.00E‐03
粒子数[個]
PFR[m3/s]
300000
1.20E‐03
PFR[m3/s]
PFR[m3/s]
系列1
粒子数[個]
所領域内での汚
汚染質発生量と平均濃度を
を用
PFR は局所
て以下のように定義される
る。PFR = qp / Cp 注 2)
いて
粒子
子は居住域内
内で発生するも
ものとし、発生数を 1/50000 秒
間隔
隔で 2 秒間、計 270,000 個、表
個
1 に示す
す座標を組み
み合わ
せた
た室内計 27 ヶ所から発生
生させた。また
た居住域に関
関して
壁面
面表面では粒
粒子が動かな くなると考え
え、対象領域
域を壁
面か
から 5.0mm 内側の距離 をおいた 0.0
00018m3( 50m
mm×
45m
mm×80mm)と
とした。また開口条件は図
図 10 に示す 5 パタ
ーン
ンに設定した
た。表 6 に CFD
D 解析条件を
をまとめて示す
す。
1)対象建物
粒子数[個]
5.CFD による
る検証
表 6 CFD 解析条件
件
CFD Code
これまで風洞
洞実験で基礎 データの整備
備を行い換気
気計算
T
Turbulence
Model
により評価を行
行ってきたが 平均風速に基
基づく換気量
量のみ
Algolithm
Discretizationn Scheme for Advection Term
m
Time Step
の評
評価を行って
ていたため、 居住域におけ
ける実際の換
換気性
Transition Term
Inlet
能が
が十分に評価
価されていると
とは言い難い
い。そこで図 8 に Boundary Condition
C
Outlet
Walls
示す
す住宅模型を
を利用し、CF
FD 非定常計算による Paarticle
Smaagorinsky Coefficient
Traacing の手法を
を用いて居住
住域における実
実際の換気効
効果を
Tootal Number of Grid
表す
す Purging Flow Rate 文 5)を算出し平均風
を
風速に基づく 換気
量との比較を行
行うことで、 越屋根の換気
気性能の検証
証及び
評価
価を行うこと
とを目的とする
る。CFD によ
よる解析の第
第一段
階として、乱流
流モデルを標準
準 k-εモデル
ルに設定して
て計算
を行
行い、その結
結果を初期値と
として乱流モデルを LES に設
定し、助走計算
算を 0.4 秒間(11/5000 秒間隔
隔、2000 回)行
行った。
その
の後 2.0 秒間
間(1/5000 秒間隔、10,000 回)の本計算を
回
を行い、
平均
均値を算出し
した。流入境界
界に関して、S
Smirnov ら文 6))の手
図 9 CFD 解析領域
法を
を用いて変動
動風を与えた。図 9 に解析領
領域を示す。
6.1 解析条件
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