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「子育て基金(仮称)」について(山口委員提出資料)

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「子育て基金(仮称)」について(山口委員提出資料)
「子育て基金(仮称) 」について
社会保障国民会議
持続可能な社会の構築(少子化・仕事と生活の調和)分科会(第3回)
(2008.5.21)
日本労働組合総連合会(連合)
副事務局長 山口 洋子
1
現在の次世代育成支援の財源と給付
現在の次世代育成支援制度は、施策ごとに財源構成がことなり、施策間の連携が不
十分で、体系だった制度となっていない。
育児休業給付(雇用保険)
国
出産手当(健康保険)
(現金)
保育所
幼稚園
本人・
児童
地方
児童育成事業
放課後児童クラブ
病児・病後児保育
事業主
一時預かり
地域子育て拠点
本人
児童手当(児童扶養手当)
(現金)
出産一時金(健康保険)
2
現行の次世代育成支援制度の課題
‡
子育て支援策に関しては、その充実強化を図る必要があり、その費用を支える負担(財源)についても、
あわせて強化を図っていくことが必要である。この場合、子育て支援施策の財源構成は、現在のと
ころ、施策ごとそれぞれ異なっているが、効率化を図りつつ統合を図ることが考えられる。
次世代育成支援施策の在り方に関する研究会報告書(2003年8月)
‡
現行の次世代育成支援に関する給付・サービス全体を通じた制度的な課題としては、医療保険、雇用
保険、児童福祉、母子保健等の各制度において、それぞれの制度の考え方に基づいて給付内容や費
用負担の方法などが定められているが、どのような支援ニーズに対して、どのような給付が保障
されるか体系だった制度となっていない。
「子どもと家族を応援する日本」重点戦略(2007年12月)
‡
「育児休業」と「保育」は裏表の関係にあるが、休業明けの円滑な入所や、子育てする時間を持ちながら
就労できる短時間勤務制度の利用とそれに対応した保育の提供など、「出産・子育て」と「就労」との間
で多様な選択を可能とする切れ目のない支援が提供できていない。
「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議・基本戦略分科会における議論の整理(2007年12月)
多様なニーズに的確に対応し、現金給付・現物給付を適切に組み合
わせて、切れ目なく体系的に提供できる仕組みの構築
3
連合の「子育て基金」(仮称)のイメージ
財源を「子育て基金」に集中し、多様なニーズに的確に対応し、現金給付・現物給付を適切に組み合わせて、
切れ目なく一体的かつ普遍的な次世代育成支援給付・サービスを提供する。
出産一時金(医療保険適用)
(現物給付化)
国
補助
保育所など施設
被用者
サービスの提供
各 世 帯
補助
地(方負担分 )
子育て基金
地方公共団体
事業主
育児休業給付
出産手当
児童手当
サービス
の提供
4
「子育て基金(仮称)」の運営体制
現行の徴収
機構
政 府
雇用保険・育児休業給付分
健康保険・出産手当分
○政府から独立した第三者機関
○法律に基づく公法人(例示・健保組合、全国健康保険協会等)
○労使代表等が直接運営に参画
事業主
子育て基金
被保険者
国拠出
児童手当拠出
(地方子育て基金)
保育所等に関する地域行動計画に基づく補助
児童手当
育児休業給付
出産手当
地方公共団体(地方負担分)
施設(保育所、幼稚園、医療機関等)
サービスの提供
サービスの提供
各 世 帯
5
次世代育成支援の支出と財源について
「子育て基金」は、「育児保険」(佐賀県など)のような新たな財源を創出する
制度ではなく、あくまでも既存の財源を統合し、一体的な次世代育成支援を提供する
ための枠組みである。 「子育て基金」の枠組みで、どのような給付が保障されるべき
か、そしてその費用負担はどうあるべきかを検討する。
負担と給付についての意見
政 府
参考
フランスの「家族手当金庫」の外部に置かれた、「全国
家族手当金庫・監視委員会 Conseil de Surveillance」は、
家族手当金庫の運営を監督するとともに、社会保障財
政法(1996年)に基づき、毎年、議会で家族政策の支出
目標(予算)が審議される際に、意見を議会に提出する。
監視委員会の構成は、議会の代表6名、市長会1名、県
知事会1名、労使等17名、有識者4名。
予算化・法案化
国 会
6
参考
フランスの家族手当の運営組織
議 会
(「1996年4月24日オルドナンス」による規定)
政 府
社会保障法
家族手当制度
に関する意見
業務と財源を決定。
年次報告
「目的と運営に関する協定」(Cog)
社会保障財政関連の法案の
審議に際して意見提出
全国家族手当金庫(CNAF)
公法人。給付、運用、社会活動(保育、住宅の斡旋等)の実施等
全国家族手当金庫
監視委員会
議会6名、市長会1名、
県知事会1名、労使等17名、
有識者4名
「協定」に
基づく
事業報告
評価
理 事 会
運営方針・予算の決定、事務局長の監督等
労働組合13名、使用者10、自営業者3、有識者4、
全国家族協会連合(UNAF)5。
理事長:Jean-Louis Deroussen 仏キリスト教労連書記次長
事務局長
出納帳
運営の委託
家族手当金庫(CAF)
世帯
手当
保育NPO
補助金
民間機関。各96県に設置。
理 事 会
運営方針・予算の決定、事務局長の選出・監督等
労働組合8名、使用者5、自営業者3、有識者4、各県家族協会連合(UDAF)4。
事務局長
全国家族手当金庫のホームページ(http://www.caf.fr/)等を参考に連合が作成。
出納帳
7
次世代育成支援に関する社会的コスト
参考
連合の求める水準(例・育児休業給付6割)を実現するための追加所要額は1.7兆円。その水準で、「ワーク・ライ
フ・バランス憲章」の数値目標を達成した場合の追加所要額は約3兆円。
「連合水準」でWLB実現
現 行
連合が求める水準
z 小学校修了まで
z 1・2人目5000円、3人目以
降1万円、3歳未満1万円
z 所得制限あり
1兆500億円
z 中学校修了まで
z 一人一律1万円
z 所得制限なし
z 扶養控除廃止(約7000億円)
(+1.1兆円)
(+1.1兆円)
保育所
z (利用者負担 7400億円)
z 利用者負担1~3歳無料、3歳以
9900億円
上半減
(+3700億円)
z 利用率20.3%→38%
(+1.28兆円)
幼稚園
z (利用者負担 3649億円)
z 利用者負担の半減
(+1825億円)
8434億円
(+1825億円)
児童
手当
育児休
業給付
z 休業前給与の5割
1210億円
出産
手当
z 所得の2/3
その他1
計
z 休業前給与の6割
(+242億円)
z 女性の育休取得率
72→80% (+397億円)
z 70%(強制休業期間100%)
840億円
(+269億円)
(+269億円)
1兆2416億円
(+0)
(+4000億円)2
4.33兆円
6.03兆円
追加所要額 +1.70兆円
7.36兆円
追加所要額 +3.03兆円
学童保育、一時預かり、出産育児一時金、児童扶養手当、母子保健サービス、地域の子育て支援(全戸訪問、子育て拠点等)、
児童館、虐待を受けた児童の支援等
2
一時預かりの増加、妊産婦検診への補助の拡大など(内閣府「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議資料から)
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