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大学医学部女性医師支援担当者連絡会 - 沖縄県医師会

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大学医学部女性医師支援担当者連絡会 - 沖縄県医師会
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
大学医学部女性医師支援担当者連絡会
沖縄県医師会女性医師部会委員 銘苅 桂子
去る 9 月 27 日(金)日本医師会館に於いて「大
での就業実績は 366 件と順調に運営をしてい
学医学部女性医師支援担当者連絡会」が開催さ
る。引き続き、皆様方との総合理解を更に深め、
れ、今回は琉球大学医学部附属病院から女性医
ご協力をいただきながら本事業の一層の活性化
師支援の先生も含め計 4 名で参加した。協議会
を目指す所存である。全国各地での情報交換を
では、日本医師会の女性医師支援センターの取
目的とした女性医師支援センター事業ブロック
り組みや特徴的・先進的な女性医師支援を行っ
別会議も今年度で 5 年目を迎え、全国 6 ブロッ
ている全国の大学を代表して、3 大学(①東北
クでの開催を予定している。回を重ねるにつれ、
大学、②岐阜大学、③九州大学)より発表が行
各医師会での女性医師支援の取り組みが活発に
われた。以下に会議の模様を報告する。
なり、それに加え、各大学での取り組み事例も
多々報告いただくようになってきた。
挨 拶
そこで本日の連絡会では、日本医師会での女
日本医師会長 横倉 義武
性医師支援に関する取り組みを紹介すると共
日本医師会では、平成 18 年より厚労省の委
に、各大学における女性医師支援や男女共同参
託事業として、日本医師会女性医師支援センタ
画の取り組みに関する情報を全国で共有してい
ー事業を実施し、就業継続の支援をはじめとす
ただくことを目的に、3 つの大学に取り組み事
る多角的な女性医師の支援を行って参った。な
例の発表をお願いしている。出席の皆様には、
かでもこの事業の中核である日医女性医師バン
是非この機会を情報交換の場としてご活用いた
クは、平成 19 年 1 月の開設以来、今年で 7 年
だきたい。
目を迎えたが、全国各地に常駐するコーディネ
女性医師の活躍ならびに男女共同参画の推進
ーターの尽力と皆様方の協力により、先月末ま
は、医療の望ましい発展の為に必要不可欠であ
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-
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報 告
2013
るため、日本医師会として、その実現のため真
は、本センターと地域との双方向による情報
摯に取り組みを進めて参る所存である。今後と
交換を目的に全国 6 ブロックで会議を開催し
も一層のご協力をお願いしたい。
ている。九州ブロック会議は、平成 25 年 12
月 8 日(日)鹿児島県医師会館で予定されて
日本医師会女性医師支援センター長 羽生田 俊
いる。
本日は、全国各地より多くの大学関係者に参
4.医師会主催講演会等への託児サービス併設促
加いただいた。この様な機会に是非多くの大学で
進と補助については、育児中の医師の学習機
の取り組みについて情報を交換、共有し、今後
会の確保を目的として、各医師会が主催する
の女性医師がますます活躍できる場を広げてい
講習会等への託児サービスを併設する費用を
ただき、働ける職場環境づくりに尽力賜りたい。
補助している。平成 24 年度は 23 医師会で
先に国連で安倍総理が演説をされたが、これ
利用があり、284 人の子どもが利用した。
からの日本は「女性」にしっかりと良い日本を
5.
「『2020.30』推進懇話会」については、指導
作っていただく旨の挨拶を行ったとのことであ
的立場、意思決定機関への女性の積極的参画
る。総理自身、女性の力に大きな期待をしてい
を目的に、女性医師会員に日医の組織・運営・
る表れだと思う。
活動内容に理解を深めていただき、将来日医
日本医師会としても、政府に負けず女性医師
の活動への参加を働きかけるものである。年
がしっかりと働ける職場環境作りを支援して参
度内に 2 回懇話会を予定している。
りたいと考えているので、今後ともより一層の
ご理解とご支援をお願いしたい。
6.この他、本日開催の「大学医学部女性医師支
援担当理事連絡会(9 月)」や今年度再開し
た「女性医師の勤務環境の整備に関する病院
議事 1
長、病院開設者・管理者等への講習会(各県
性医師支援に関する取り組みについて―
別会議の内容を全国規模で情報共有する「女
日本医師会常任理事 小森 貴
性医師支援事業連絡協議会(2 月)」の開催
日本医師会女性医師支援センターでは、すべ
等がある。
「明日の医療は貴女が創る」―日本医師会の女
ての女性医師の活躍を支援すべく各種事業を展
実施)」、全 6 ブロックで実施されたブロック
7.また、女性医師支援における広報活動の一環
として作成された冊子「女性医師の多様な働
開している。
き方を支援する」や「キャリア支援のための
1.日本医師会女性医師バンクでは、平成 19 年
1 月の開設以降、平成 25 年 8 月末までの就
DVD」、各種支援情報を掲載した「女性医師
支援センターホームページ」等がある。
業実績件数は 366 件(内訳:就業成立 349 件、
再研修紹介 17 件)である。民間業者とは異
その他、日本医師会では国への働きかけとし
なり、現役医師が相談・マッチングに応じて
て、①「臨床研修中の産休・育休の規程の整備」
おり、すべて無料の対応である。
について、産休を含めて延べ 90 日間の研修の
2.
「医学生、研修医等をサポートするための会」
休止を厚生労働省の省令に明記させ、臨床研修
については、都道府県医師会や学会・医会等
中の妊娠・出産・育児等による中断についての
との共催により、年々開催箇所数が増加傾向
ルールを明確にしてもらった。また、②「医療
(H23:57 回、H24:60 回)にある。本講習
機関での短時間勤務正職員制度の導入」につい
会等を通じ、医学生や若い医師がキャリアを
ての支援策を要望し、平成 20 年度診療報酬改
中断せず就業継続できるよう、多様な医師像
定の入院基本料等加算の施設基準等において、
のモデルを提示いただいている。
短時間正規雇用の医師の活用が算定条件に加え
3.女性医師支援センター事業ブロック別会議で
られた。③「日本医療機能評価機構の医療機能
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評価項目」に、
「ゆとりある勤務体制」
「子育て
新たな勤務体系を創設したものである。本制
しながら勤務できる支援体制」
「休業後の再就
度では、身分が医員(時間雇用医員)のうち、
業を支援する体制」の要望を行い、平成 21 年 7
小学校就学前の子を養育する方を対象に、週
月運用開始の病院機能評価統合版評価項目 V6.0
30 時間を上限とする勤務時間で、給与は時給
より項目に加えられた。④防災・災害対策計画
1,405 円換算としている。宿日直勤務は免除願
および復興計画などの政策決定過程において男
いを届出たものは必ず免除し、超勤勤務も原則
女共同参画の視点が反映されるよう要望を行
命じないこととしている。ここ数年 15 人前後
い、政府から積極的に取り組むとの説明を受け
の利用があり、4 年以上利用している方もいる。
た。⑤医学教育モデル・コア・カリキュラム -
本大学の総医師数における女性医師の割合は
教育内容ガイドライン - に「男女共同参画やワ
平成 20 年度を境に、年々増加傾向にある。また、
ーク・ライフ・バランス」の導入促進を図った。
医局員の構成割合も助教、講師、准教授も年々
増加している。女性医師支援環境整備は、一定
議事 2
の成果を上げてきたものと考えるが、今後は就
取り組み事例発表
学時以降の支援拡充や高齢化社会を見据えた介
特徴的・先進的な女性医師支援を行っている
護への応用拡充も必要だと考えている。
全国の大学を代表して、3 大学(①東北大学、
②岐阜大学、③九州大学)より発表が行われた。
②よりよい男女共同参画を目指して
岐阜大学の取り組み
①包括的女性医師支援戦略 ―東北大学病院―
岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学講座
東北大学加齢医学研究所老年医学研究分野
教授 清島 真理子
助教 海老原 孝枝
岐阜大学医学部附属病院女性医師就労支援の
本大学病院では、院内保育園(民間委託)、
会は、2009 年 10 月、女性医師のキャリア形成支
病後児保育のハード面の支援に加え、育児時間
援を目的に発足した。発足に先立ち実施したア
短縮勤務医員制度のソフト面の支援を加えた包
ンケート調査から得た意見▽先輩女性医師の経
括的女性医師支援戦略を展開している。また、
験を聞きたい▽ロールモデルが少ない▽ワーキ
周辺サポートとして、駐車許可証の優遇発行や
ングシェアは一つの解決策だが特定の専門科で
勤務証明証の EASY 発行、宮城県医師会女性
は非現実的▽保育所等の施設整備が急務▽未だ
医師支援センターと連携して、各種支援を得て
に男尊女卑的な態度がある▽周囲の無理解▽夫
いる。
が非協力的、男性医師への教育が必要 - 等を参考
なかでも育児時間短縮勤務医員制度は、大学
に、会としての方向性を、①保育所、施設、勤務
病院の人事組織の構成上、医員(非常勤職員)、
体制の整備、②先輩女性医師との交流会、③男
研究生に若い医師が多いことから妊娠中に契約
性医師、医学生との交流を柱に活動を開始した。
更新時期が挟まれた場合、医員辞職、結果とし
就労環境への意識改革を図るべく、女性医師
て研究生(学費払い)となり各種制度が受けら
を取り巻く現状や諸問題の解決に向けた様々な
れないことがある。また、研究生の身分では学
テーマで講演会を開催。また、女子医学生と若
生扱いとなり保育園の入所も難しい。さらに、
手女性医師との意見交換会、職員の子供対象の
研究生は通常の臨床業務や研究業務を課せられ
職場見学を兼ねたキッズ・サマー・ウインター・
る一方、アルバイト収入に頼っており、給与補
スクール。更には、M1・M4 学生全員を対象と
償も無く、社会保険制度費用や研究生として所
したキャリア教育や女性医師問題の講義を行っ
属するための学費の支払いも必要である。その
ており、医学教育の中からの意識改革をめざし
ため、医師と家庭の両立の難しさから中断離職
ている。とりわけ、M4 学生には臨床実習入門
するケースも多い。これ等の支援を行うべく、
の中で「キャリア形成を考える」講義を行って
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-
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おり、「専門医制度」「ワーク・ライフ・バラン
同プロジェクトでは、①育児支援、②ライフス
ス」「女性医師問題」を課題にグループ討議を
テージに応じた教育プログラム支援、③管理者
行っている。討議では、キャリアプランの形成
への啓発講演会、④学生への講演・交流会、⑤
や出産間近の女性医師を例に挙げ、①復帰に向
各種行事や取り組みの情報配信、⑥きらめきス
けて準備すべきこと、②復帰後の起床から就寝
タッフによる成果発表会を行っている。今後は
までのスケジュール、③夫はどの様に協力すべ
この様なプロジェクトを他の教育研究機関や研
きか、④上司、同僚はどの様に配慮をすべきか
修指定病院でも取り組んで欲しいと願っている。
等、考える機会を与えている。
また、大学全体の取り組みとしては、女性研
女性医師がキャリアを決定する最大の原動力
究者への研究補助者措置制度、若手研究者支援
は本人の意思・プロフェッショナリズムである。
(国際学会参加に対する支援)、さらに、教員が
自らのキャリアパスを想定し、自力でハードル
出産・育児・介護に係る長期休業を取得する場
を乗り越えていく力・たくましさを、医学教育
合に、代替教員を中長期的(3 ~ 5 年間)に雇
の中で植え付けなければならない。今後の医学
用する制度を導入しており、休業取得をしやす
教育で重要な点は、男性医師も含め医療界全体
い就労環境整備や部局の教育研究業務への影響
の中で女性のキャリアに対する理解と、女性医
の軽減、優秀な人材の雇用促進、代替教員のキ
師に対するキャリア教育、プロフェッショナル
ャリア保持にも繋がっている。
教育だと考えている。
質疑応答・総合討論
③より良い男女共同参画を目指して
質疑応答・総合討論では、時短勤務からのキ
九州大学の取り組み
ャリア形成支援、終夜保育の問題点、各大学に
九州大学大学院医学研究院保健学部門
おけるキャリア教育のアプローチ、ワーク・ラ
臨床研究支援看護学 教授 樗木 晶子
イフ・バランスの充実強化、様々なバックグラ
九州大学では、やめない支援・働ける支援・
ウンドを持った医師に配慮した新専門医制度設
戻れる支援への取り組みとして、平成 19 年度
計等について活発な質疑応答が行われた。
から 3 年間、文科省の補助金を活用し、女性医
療人きらめきプロジェクトを展開した。その後
は、九州大学病院独自の取り組みとして、同事
閉 会
最後に、小森貴日本医師会常任理事より「み
業を継続している。通算 7 年目を迎え、病院長
んなの力で、明日を創っていきたい」と挨拶し、
や上司の意識改革にも繋がっている。本事業を
本協議会を終了した。
通じて延べ 60 名が短時間勤務で就業を行い、後
に 10 名がフルタイム職への復帰を果たした。ま
引き続き、会場を移動して茶話会が開かれ、
た、9 名が専門医などを取得している。この他、
多くの大学部関係者が交流を深めた。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
印象記
沖縄県医師会女性医師部会委員 銘苅 桂子
女性医師支援について報告された東北大学、岐阜大学、九州大学の取り組みはどれも素晴らし
い内容で俄かに信じがたいほどでした。院内保育などのハード面、短時間勤務などのソフト面、
専門医取得などのキャリア教育や学生への教育に至るまで、まさに必要と思われることをとても
細やかに対応されていました。私自身は、育児をしながら日々の診療に追われており、少なくと
も私の属する産婦人科医局が女性医師にとって働きやすい環境になるよう手の届く範囲で努力は
してきたつもりでした。しかし、他科の現状はほとんど情報を得る機会がなく、他科の女性医師
が何を求めているのか全くわからない状況でした。正直言って、どうして大学全体としての取り
組みが可能だったのか、思い切って懇親会で質問してみました。そうすると開口一番、「先生、そ
れはトップダウンですよ!」の声。確かに、岐阜大学と九州大学の演者は教授であり、東北大学
と九州大学は女性医師支援モデル大学として文科省から外部資金を得ていました。そして、女性
医師支援専任の医師がいる(!)、または担当講座がある(!!)ということが非常に大きいとの
ことでした。トップの意識改革と、そして女性医師自身がリーダーになるという意識改革も必要
だとも述べられていました。医師に限らず多くの女性は「リーダーを目指すことに自信がもてない」
「自分でキャリアビジョンが描けない」
「目指すべきロールモデルがいない」というような理由から、
そもそもリーダーになろうと思わない女性が多いといわれています。家庭や育児と仕事の両立で
疲労困憊な上に、社会で戦っていく余力はないというところが本音かもしれません。
先日、2 つの女性の会に参加する機会がありました。一つ目は琉球大学の男女共同参画室のも
とに設置された「うない研究者支援センター」の企画した「ゆいカフェ」です。女性研究者間の
情報交換や交流を目的にランチをとりながら様々な意見を交わしました。他学部の女性教授、准
教授など大学で女性リーダーとして頑張っている先生方にお会いすることができ、非常に勇気づ
けられました。もう一つは、琉大附属病院女性医師会「女医ふる会」です。産婦人科医局の女医
グループが発起人となって、初めての琉大女医会が実現しました。やはりロールモデルが存在し
ない、この先のキャリアが描けない、大学で頑張っていくことの自信がない、といった声が聴か
れました。しかしそこで感じたのは、それぞれの科、世代、立場によって悩みは尽きないものの、
皆とてもイキイキとしている!ということでした。この中からいずれそれぞれの科のリーダーと
なっていく人が現れたとき、私がゆいカフェで感じたように、科が違っても先輩医師がイキイキ
と働く姿、語る姿はやがて若手医師の道になるかもしれない、と感じました。科を超えた女性医
師同士のコミュニティーから発する生の声を大事に拾いあげていける会になれればいいと思いま
す。12 月には県医師会女性医師部会と合同で医学生対象にキャリアプランの講義も予定されてい
ます。今回の各大学の女性医師支援の取り組みを参考に、琉大附属病院の女性医師支援につなが
っていければいいと思います。
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報 告
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九州医師会連合会第 336 回常任委員会
会長 宮城 信雄
去る 9 月 28 日(土)、ANA クラウンプラザ
ホテル沖縄ハーバービューにおいて標記常任委
報 告
1)第 113 回九州医師会医学会分科会の出題並
員会が開催されたので、その概要を報告する。
びに記念行事の参加申込状況について(沖縄)
当日は、九州医師会連合会第 1 回各種協議会
来る 11 月 16 日(土)・17 日(日)の両日、
として、在宅医療対策協議会、地域医療対策協
ANA クラウンプラザホテル沖縄ハーバービュ
議会、医療保険対策協議会、介護保険対策協議
ー及び周辺施設で開催される標記医学会の一
会も併せて開催された。
般演題並びに記念行事の参加申込み状況につい
て、下記のとおり報告した。
○分科会一般演題申込状況
( 平 成 2 5 年 9月2 1日現 在 )
分 科 会 名
申 込 数
備 考
第1分科会 内 科 学 会
212
申込締切 : 8月19日
第2分科会 小 児 科 学 会
12
申込締切 : 8月30日
第3分科会 産科婦人科学会
講演のみ
第4分科会 外 科 学 会
20
申込締切 : 8月16日
第5分科会 東 洋 医 学 会
31
申込締切 : 8月16日
第6分科会 産 業 医 学 会
講演のみ
第7分科会 心 身 医 学 会
講演のみ
第8分科会 皮 膚 科 学 会
13
第9分科会 脳神経外科学会
講演のみ
- 7(1363)
-
申込締切 : 8月16日
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
○ 記 念 行 事 申 込 状 況( 平 成 2 5 年 9月2 1日申 込 締 切 )
大分
長崎
テニス
熊本
( 平 成 2 5 年 9月2 1日現 在 )
福 岡 鹿児島 佐 賀
1
サッカー
10
2
2
宮崎
沖 縄 九州外
1
5
17
11
16
2
2
1
1
1
9
16
卓 球
6
6
3
9
5
1
30
ゴ ルフ
10
19
25
8
6
7
80
8
8
1
6
38
173
5
囲 碁
計
2
0
20
28
1
2
45
22
14
6
チーム数
計
1
剣 道
走ろう会
2013
サッカー
2
なお、記念行事については、ゴルフ以外は、
2)九州医師会連合会委員・九州各県医師会役
参加申込みが少ないことから、ゴルフ以外の申
員合同協議会(11 月 16 日(土)那覇市)の開
込み期日を 10 月末日まで延長することとし、
催について(沖縄)
各県においても引き続き参加の呼びかけを行う
来る 11 月 16 日(土)、九州医師会総会・医
よう要請した。
学会の関連行事として開催される標記合同会議
については、日本医師会の横倉会長より、中央
2)九州ブロック日医代議員連絡協議会について
情勢報告としてご講演いただくことになってい
(沖縄)
る。今回も、従来どおり各県より日医への意見・
来る 10 月 13 日(日)、日医会館において、
要望を提出して貰い、横倉会長にご講演の中で
役員補欠選挙(副会長、常任理事、理事)行う
説明していただくよう依頼することとし、各県
べく、日医臨時代議員会が開催されることから、
より、日医に対する意見・要望を提案していた
日医代議員会に先立って、13 時より 13 時 30
だくことに決定した。
分迄の間、九州ブロックの控室において、標記
3)第 113 回九州医師会連合会総会における宣
連絡会議を開催することを報告した。
言・決議について(沖縄)
協 議
来る 11 月 16 日(土)の第 113 回九州医師
1)九州医師会連合会第 337 回常任委員会並
会連合会における宣言・決議(案)について協
びに第 106 回臨時委員総会(11 月 15 日(金)
議した。
那覇市)の開催について(沖縄)
宣言(案)については、文言を一部修の上決
標記常任委員会並びに委員総会について、九
定した。
州医師会総会・医学会の関連行事として下記の
決議(案)については、過去と比べると、項
とおり開催することに決定した。
目が多いので、少し数を絞ったほうがいいので
はないかとの意見があり、担当の沖縄県で練り
期 日:平成 25 年 11 月 15 日(金)
直し、再度各県と意見の摺り合わせを行い最終
場 所:ANA クラウンプラザホテル沖縄
案を取り纏める事になった。
ハーバービュー 会 議:①九州医師会連合会 第 337 回常任
委員会 (16:30 ~ 17:20)
②九州医師会連合会 第 106 回臨時
委員総会 (17:30 ~ 18:20)
4)九州医師会連合会第 338 回常任委員会並び
に第 2 回各種協議会(1 月 25 日(土)那覇市)
の開催について(沖縄)
標記常任委員会並びに各種協議会について下
記のとおり開催することに決定した。
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-
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その他
期 日:平成 26 年 1 月 25 日(土)
1)日本医師会選挙管理委員会予備委員変更に
場 所:ANA クラウンプラザホテル沖縄
ハーバービュー ついて(鹿児島)
・常任委員会 16:30 ~ 18:20
鹿児島県の池田会長より、日本医師会選挙管
・各種協議会 16:30 ~ 18:20
理委員会予備委員が下記のとおり変更になった
・各種協議会報告会 18:30 ~ 19:20
旨報告があった。
5)平成 26 年度(第 36 回)九州各県保健医療
旧予備委員
福祉主管部長・九州各県医師会長合同会議開催
(案)について(宮崎)
黒木 康文(鹿児島県医師会常任理事)
新予備委員
次年度標記合同会議を担当する宮崎県の稲倉
増田 吉彦(鹿児島県医師会理事)
会長より、従来、当合同会議は 6 月の第一週に
開催しているが、平成 26 年の 6 月は、公益法
2)九州医師会連合会会則変更について(沖縄)
人制度改革に伴い各県とも 6 月に役員改選が行
この度の、公益法人制度改革に伴い、各県医
われる。当合同会議には新会長が出席するのが
師会役員の任期が従来の 3 月末日から 6 月の定
望ましいと考えることから、次年度は下記のと
例代議員会終結時迄になったことから、各県医
おり開催したいとの提案があり、了承された。
師会の役員の任期と九医連の役員の任期がずれ
ることになることから、その対応について協議
日 時:平成 26 年 7 月 4 日(金) した。
17:00 ~ 19:00
協議の結果、九医連の役員の任期は各県の役
場 所:宮崎観光ホテル
員の任期と連動した方が良いとの認識で一致
(宮崎市松山 1-1-1)
し、会則を変更し、役員の任期と会計年度を「毎
年 7 月 1 日に始まり翌年の 6 月 30 日迄とする」
6)その他
向きで進める事になった。
(1)九州各県医師会医療情報システム担当理事
連絡協議会
(1月25日
(土)
那覇市)
について
(沖縄)
昨年に引き続き標記連絡協議会を下記のとお
り開催することに決定した。
日 時:平成 26 年 1 月 25 日(土) 14:00 ~ 16:00
場 所:ANA クラウンプラザホテル
沖縄ハーバービュー
那覇市泉崎 2 丁目 46 番地
TEL:098-853-2111
- 9(1365)
-
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九州医師会連合会平成 25 年度
第 1 回各種協議会
去る 9 月 28 日(土)ANA クラウンプラザホテル沖縄ハーバービューに
おいて開催された標記協議会(在宅医療対策協議会・地域医療対策協議会・
医療保険対策協議会・介護保険対策協議会)について報告する。
1.在宅医療対策協議会
副会長 安里 哲好
理事 比嘉 靖
監事 山里 将進
挨 拶
○日本医師会 中川副会長
○沖縄県医師会 安里副会長
中央は非常に緊迫した状態にある。来週の火
例年、在宅医療の分野については、地域医療
曜日に経済政策パッケージというものが出され
対策協議会の中で議論されていたが、今回は在
閣議決定される。国家戦略特区ということで、
宅医療分野の重要性に鑑み、また各県の取り組
新自由主義政策をどんどん進めようと、医療を
み状況について情報共有させていただくことを
営利産業化しようという体制になっている。特
目的に、在宅医療対策協議会として単独の会を
に、医学部の新設をしようと、被災地の東北に
設けさせていただいた。本協議会の協議が、会
一つ、特区として成田市、国際医療福祉大、ま
員のための一つの指標になれればと考える。忌
た提案としては静岡からも上がっている。この
憚のないご協議をお願いしたい。
流れを何とか横倉執行部一丸となって阻止しよ
うと戦っている。
- 11(1367)
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2013
そういう意味でも、医療提供体制の構築を我々
事業所、地域医師会等関係団体、保健所、市町
医師会自らがつくるのだということを示すこと
村等の主体のいずれかを在宅医療に必要な連携
が非常に大事である。その中でも、本日最初の在
を担う拠点として医療計画に位置付けることが
宅医療対策協議会は、極めて重要で、地域医療包
望ましい。」とされている。
括ケアの構築は是非しっかりと議論しつくって
本県では、連携拠点の位置づけとして行政や
いただきたい。地域の実情に合わせたものをつく
拠点病院とも連携して地域を面として捉えネッ
っていただきたい。よろしくお願いしたい。
トワークづくりを目指してきた地域医師会が、
公平・中立な観点から地域連携の調整の役割を
○日本医師会 三上常任理事
果たすべきとの考えで、本年 3 月末~ 5 月に県
在宅医療対策協議会は今回からということ
行政と県医が合同で 2 次医療圏毎に在宅医療に
で、これまでは地域医療の中で在宅医療は語ら
関する地域医師会説明会を実施し、今後も引き
れてきたが、平成 23、24 年度と、在宅医療連
続き地区医師会などが連携拠点とて中心的役割
携拠点事業が医政局の事業として行われてお
を果たせる様努力している。
り、25 年度からは在宅医療推進事業として地
各県における「在宅医療連携拠点」の取り組
域医療再生基金の中で行われるという形に変わ
みの状況、考え方についてご教示下さい。
った。在宅医療の基本は、通院困難者に対する
医療ということがある。100%介護が必要とい
<各県回答>
うことから、今後、介護保険の中でやっていこ
各県ともに、平成 23、24 年度における厚生
うということで、介護保険の中にある包括的支
労働省の在宅医療連携拠点事業として、郡市区
援事業いわゆる地域包括支援センター事業の中
医師会等が事業を受け各種取り組みを行ってい
で、このような在宅、医療と介護の連携の推進
るとの回答であり、今後も地域医師会が中心と
ついても行うとことになっている。介護保険の
なり、二次医療圏ごとに在宅医療連携拠点が整
視点からいろいろな意見を申し上げたいと考え
備されることが望ましいとの見解が示された。
る。よろしくお願いしたい。
熊本県では、二次医療圏毎の取り組みを推進
することを目的に、県行政と県医師会が合同で、
日本医師会の鈴木常任理事より概ね以下のと
二次医療圏毎に在宅医療に関する説明会を行っ
おり挨拶が述べられた。
ているとの報告があり、また佐賀県より、「段
医療を取り巻く環境は非常に厳しいものがあ
階的ということで、1 番上に県医師会があり、
るが、
医療の中においても通常の改定の年と違い、
2 番目に地区医師会を在宅医療連携拠点に位置
国民会議の報告書や消費税の引き上げ等がある
づけ、その下に、中学校区程度の範囲の在宅医
が、前倒しでいろいろなことが進んできている。
療・介護連携のグループを想定したグループ窓
在宅医療については、とにかく医師会がやるとい
口施設(医療機関等)を選定する。」という形
うことを言わないと、医療機関から自ら取り組む
が有効ではないかとの意見が示された。
という姿勢を示す必要があるということで取り
<日本医師会コメント>
組んで行きたい。よろしくお願いしたい。
どの範囲で在宅医療連携拠点を設置するかと
協 議
いうことで、二次医療圏という話があったが、
(1)在宅医療連携拠点の取り組みについて
(熊本県)
やはりもう少し小さな範囲を想定したものであ
る。地域包括ケアシステムの中でもだいたい 1
<提案要旨>
~ 2 万人、小学校区、中学校区、ということで
国が示した第 6 次医療計画の作成指針では、
ある。また、どこがやるかということが一番問
「地域の実情に応じ、病院、診療所、訪問看護
題であるが、平成 24 年度の在宅医療連携拠点
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-
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報 告
事業 205 箇所のうちで、医師会の実施が 18 か
所、行政の実施が 15 か所、医療機関の実施が
2013
(2)地域包括ケアシステム構築に関する視
点について(鹿児島県)
63 か所、訪問看護ステーションが 6 か所とな
<提案要旨>
っている。これまでの経験から行政か医師会が
都市部においては、今後急増する高齢者数に
関与したところが一番中立性公平性が保たれて
対して、国が現在進めている内容での地域包括
いるので良いということがはっきり分かってき
ケアシステムが適合し、地域包括ケアシステム
た。25 年度より、在宅医療連携拠点事業とし
の中心となる在宅医療連携拠点も国が考えてい
て市町村を中心に地区の医師会と連携しながら
る内容で適合する。
やっていこうということが決まっていたが、今
一方、過疎地においては、高齢化率は上昇す
回、地域医療再生基金を使い地域医療再生計画
るが、75 歳以上の高齢者の絶対数はさほど増
の中に位置づけてやるということで都道府県が
えない状況である。
担当となり、市町村が元々予定していた連携拠
総人口の減少と高齢化率の上昇は、医療・介
点事業が直ぐに動かなくなった。都道府県医師
護のサービスを提供する人的資源の減少を招い
会と郡市区医師会がよく話し合いを行い、その
ており、当然の帰結として、医療・介護サービ
事業が上手く連携できるような形に進めていた
スを提供する医療機関・事業所の減少が生じて
だきたいと考える。またその中で、地域包括支
いる。過疎地では、少ない資源の中で、急増す
援センターに医師会の関与がなかったという意
る高齢者数ではなく、高くなる高齢化率に対応
見があったが、地域包括支援センターを核とし
する必要があり、錦江町・南大隅町においては、
てやることが一番良い。4000 箇所以上の全国
肝属郡医師会がリーダーシップをとり、在宅医
全ての自治体に地域包括支援センターがあるの
療を中心にした地域包括ケアシステム構築を進
で、ここに地区の医師会が十分に関与する。こ
めており、肝属郡医師会立病院は在宅医療拠点
れは運営協議会だけではなく、実際に連携拠点
として機能を発揮しつつある。
事業を行う地域包括支援センターに地区医師会
肝属郡医師会は、過疎地においては、国のイ
の先生方が十分に関与しながら、中立性、公平
メージと異なった地域独自の地域包括ケアシス
性を担保しながら連携をしていくということが
テムの構築を行う必要があることを示している
一番大切だと考えている。
が、このような例は少なく、今後、過疎地にお
今後、介護保険法の中で、恒久的な制度とし
いて地域の実情に合ったシステムづくりを進め
て位置づけていくということで、包括的支援事
ていく上で、各県において参考となる考え方や
業の中、すなわち地域包括支援センター事業の
視点、事例があれば御教示いただきたい。
中で、こういった在宅の医療、介護連携の推進
を行うことを明記しようということが話し合わ
<各県回答>
れているところである。このことについても医
各県ともに、地域包括ケアシステムについて
師会の先生方の理解を十分にいただき、地域包
は、地域の実情を反映させた体制づくりが望ま
括支援センターの活用と、そこに十分な予算が
しいとの見解であった。
付くような働きかけが必要となる。地域包括支
大分県より、「地域包括の本当の意味は何か、
援センターは、介護と医療の問題だけでなく、
未だによく把握できていない。多職種協働とは、
精神、自殺対策、認知症対策等にも活用できる
それぞれの職種がきちんとそれぞれの仕事を果
ということで、これらの活用についても十分に
たしトータルとしてまとまることで、はじめて
議論し、予算を付けていただけるよう働きかけ
良い仕事になる。それを引っ張るには医師の役
をしていきたいと考えている。
割が重要になる。地域包括支援センターがそも
そもあの形が良いのかということから考える必
要がある。我々から問題を出し、むしろ築き上
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2013
げていくほうが大事ではないかと考える。」と
ことになる。
追加発言があり、佐賀県からも、「地域包括の
また、協働ということが何か分からないとい
中において、地域包括支援センターの役割が全
うことがあったが、協働と連携は違い、協働は
く分からない。地域ケアの本会議を年に 1 回、
チームリーダがいる。連携の場合はそれぞれが
医療介護部会を年に 3 ~ 4 回、実務者会議を毎
独立し連携するということで、この多職種協働
月開催等、段階的なケア会議のシステムを構築
の在宅医療に関しては当然医師がリーダーとな
する必要があると考える。佐賀県では、現在、
る。地域リーダーの研修会が平成 24 年度まで
ケア会議の実施状況や包括支援センターの実態
にだいたい終了しており、これからは地域リー
について、現在調査集である。」等の追加発言
ダーがそれぞれの多職種に対して研修を行うと
があった。
いうことで、地区医師会の先生方が率先してそ
また、鹿児島県より、熊本県の回答に示さ
れをやっていただくということが 25 年度以降
れた、「中山間地域等の条件不利地域で、現在
の事業となる。その辺をご理解いただきたい。
訪問看護サービスの提供が困難となっている地
域で新たにサービスを開始する事業者に対する
補助事業を今年度から創設する。」という点に
(3)平成 25 年度地域医療再生計画の概要に
ついて(福岡県)
ついて詳細を伺いたい旨発言があり、熊本県よ
<提案要旨>
り、「熊本県に訪問看護ステーションは 130 箇
福岡県では、平成 21 年度・23 年度に地域医
所あるが、訪問看護ステーションが無い市町村
療の課題解決に向けて地域医療再生計画を策定
が 13 箇所ある。その様な市町村に訪問看護ス
し、国の地域医療再生臨時交付金を基金として
テーションを作るために 350 万円程度を補助
積み立て、平成 25 年度までの事業を実施して
する。それとともに、平成 25 年度在宅医療訪
いく予定である。その中で、介護と連携した在
問看護普及啓発事業として二次医療圏毎に 80
宅医療体制としての在宅医療推進事業を推し進
万円程補助をするという形になっている。」と
めている。
報告があった。
厚生労働省「多職種協働による在宅チーム医
療を担う人材育成事業」については、参考資料
<日本医師会コメント>
のとおり、平成 24 年度は、厚生労働省が実施し
柏モデルということで、集中化して効率良く
た「多職種協働による在宅チーム医療を担う人
やる、そこに医師会が関与してモデル的なこと
材育成事業に係る都道府県リーダー研修会」に
をやるということで、これは重要だが、山間僻
おいて育成された各都道府県リーダーが、県内
地については、集中化ということで収容できる
30 の郡市区医師会単位で地域リーダーを育成す
ようなところに集まっていただき、効率的に提
るための研修会を県行政と共同して開催した。
供する以外にないのではないかと考えている。
平成 25 年度は、各郡市区医師会単位で育成
もう一つは、地域包括支援センターが何をし
した多職種 228 名の地域リーダーが、各地域
ているか分からないという話があるが、確かに
で実際に活動するための連携を深め、協議する
現状の地域包括支援センターはケアプラン作成
場としての研修会(地域リーダーのためのフォ
に忙殺されており、本来、地域ケア会議として、
ローアップ研修)を 8 月までに開催した。
包括的・計画的マネジメント事業、困難事例に
9 月以降は、県行政が各郡市区医師会と直接
対するアドバイス助言を行うという事業がある
委託契約し、各地域で在宅医療に係る多職種協
が、そういったことが動いていないということ
働研修を実施してもらう予定である。
で、今回、地域ケア会議を別の事業としてやろ
また、今回、国から平成 24 年度補正予算に
うということに決まった。そこに地区の医師会
係る地域医療再生交付金が提示されており、同
の先生方が入り、助言アドバイスをするという
交付金の活用方法については、本会で作成した
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2013
骨子を県行政に申し入れをしており、それをも
リーダー役として多職種協働の活動を促進する
とに国に申請がなされている(8 月中旬に交付
ことなどを行うこととしている。また地区医師
決定予定)。同交付金については、県内 30 の郡
会独自に訪問看護ステーションの機能充実、在
市区医師会に配賦し、各々の医師会において、
宅医療介護の情報交換システム運用も同事業と
在宅医療の推進のための事業を計画・実施して
して行う予定がある。
いただく予定としている。
この基金やモデル事業に継続した県の事業交
上記の在宅チーム医療を担う地域リーダー研
付金を利用しての在宅医療介護連携に関する各
修並びに地域医療再生交付金の活用方法につい
県の取り組みの計画と、それらの事業に対する
て、各県医師会における現状をお教えください。
医師会のかかわりについてお伺いしたい。
また、現在、在宅医療推進を図るため、国又
は県において上記事業の他にも多くの事業が実
○協議事項(3)(4)は一括協議
施されているが、実際に事業を実施する県医師
会や地域医師会においては、縦割り行政のため
<各県回答>
か重複するような事業も見受けられ、対応が難
多職種協働による在宅チーム医療を担う人材
しい場合も見受けられる。
育成事業については、本県を除く各県において、
在宅医療を含む地域包括ケアに関して日本医
平成 24 年度より地域リーダー研修会等が実施
師会としての御意見をお聞かせ下さい。
されており、今年度においても地区医師会等が
当該事業を継続的に実施していくとした回答が
(4)介護と連携した在宅医療体制を整備す
示された。
る事業など地域医療再生基金の各県の用途
地域医療再生事業との関連については、県医
と医師会の関わりについて(佐賀県)
師会が事業を受託し実施する県と、地区医師会
<提案要旨>
が事業を受託し実施する県とそれぞれあった
昨年度までの在宅医療連携拠点モデル事業に
が、いずれにおいても在宅医療連携拠点は地区
引き続き平成 25 年度より 3 年にわたり、介護と
医師会を実施主体とする方向で在宅医療推進に
連携した在宅医療体制を整備する在宅医療推進
取り組む旨の見解が示された。
事業と在宅医療連携体制の先進事例を県内全域
大分県より、「当初より ICT を活用した多職
に普及するための伝道研修等の開催に関して地
種連携を行っているが、イニシャルコストの他、
域医療再生基金が交付されることになっている。
ランニングコストが予想以上に多くかかり、在
佐賀県では在宅医療連携拠点モデル事業を県
宅医療連携の軸足を ICT で大きく担うと、後
として受け、在宅医療連携拠点を 8 地区医師会
になり厳しい状況になることもある。多職種連
に置くことを前提とし、佐賀県在宅医療連携拠
携は、顔の見える連携が大切であり、風通しの
点事業連絡会議や医療圏ごとの地域医療介護連
良い連携が多職種協働を上手く進め、顔の見え
携ネットワーク会議の開催、リーダー研修、ア
る連携による自浄作用も期待できるのではない
ンケート調査とそれに基づく医療圏ごとの介護
か。」との追加発言が述べられた。
マップを作成した。今年度からは地域医療再生
大分県の発言を受け、地域医療連携の先進
計画の中で、県医師会では在宅医療連携拠点連
県である長崎県より、「あじさいネットは大き
絡会議の設置開催と拠点間の連絡調整を、地区
く誤解されている部分がある。地域のインフラ
医師会では在宅医療連携拠点として、自治体・
整備があじさいネットの一番の目的である。そ
地域包括支援センターも含めた在宅医療拠点施
の中で、サーバーを設置する等いろいろな事業
設運営委員会の設置や人材育成のための多職種
を行っている。ICT を進める上で一番大切な
協働研修会、中学校区程度の範囲の在宅介護医
ことは、セキュリティをいかに高めるか、その
療連携のグループを想定し連携窓口施設を置き
インフラを整備するかということだと思ってい
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2013
る。先ずはきちんとしたインフラを医師会が整
宅医療は日本医師会が中心に取り組むというこ
備し、その上でそれをどう利用するか、その運
とを強く打ち出した。これまでは在宅医療は介
用はそれぞれの郡市医師会にかかるということ
護保険ということであったが、医療保険、地域
を考えている。先日の日医の医療 IT 委員会の
医療とまたがりやっていくこととしている。
中でも、是非日本医師会において日本中の医療
インフラを作っていただきたい、その中で、各
□三上常任理事
県医師会や郡市医師会がどう使うかということ
23、24 年度は、在宅医療連携拠点事業は様々
をやっていくことが一番良いという話をした。
な事業主体があったが、どうも上手くいかな
ICT に関してはお金がかかりすぎるので、それ
いということで、25 年度からは、やはり行政
ぞれの郡市医師会でやるといことは無理だと考
か医師会ということで、ここが一番公平性が保
える。」旨の追加発言が述べられた。
たれるといことで、その方針がはっきり決まっ
また鹿児島県より、「地域医療再生基金は非
ていた。今回、地域医療再生基金の中でやると
常に大事である。27 年度までこれが続くが、
いうことで少し変わったが、都道府県が市町村
今後とも地域医療再生基金を是非継続させてい
から引き継ぐ。同じ方針でやる。是非地区医師
ただきたい。それに加え診療報酬にそれなりの
会の先生が主導的にやっていただきたいと考え
上乗せをしながら両方でやっていくということ
る。顔の見える関係が大事。これは地区医師会
が非常に良い。2025 年に向け、そういう流れ
の一番大きな役割ではないかと考えている。連
の中で日医も努力していただきたい。」との意
携を行うということについては、やはり顔の見
見が示された。
える関係をつくっていくことが非常に大事であ
る。全国で成功事例があるが、そこではやはり
<日本医師会コメント>
カリスマ的な人達が顔の見える関係をつくって
□鈴木常任理事
いることで成功しているということを感じる。
在宅医療の拠点となる地区の医師会が、地域
継続性ということについては、市町村行政を巻
特性に応じて取り組んでいただければと考え
き込み、常に入っていただくということも大事
る。都市型と地方型とあり、地方型については
である。それも地区医師会の大きな役割だと考
人口が最低 10 万人以上あれば医療資源もそれ
える。
なりに揃っており問題ないと考えるが、人口 3
~ 5 万人のところが問題である。それ以下の人
□中川副会長
口だと 1 箇所しか医療機関がないからそこを中
地域医療再生基金は 27 年度まで継続すると
心にやるしかない、そういうことで逆に見える
いうことは決まっているが、その先は政治的な
と思うが、やはり人口 3 ~ 5 万人のところはそ
判断であり我々も強く働きかけていきたいと考
こにある医療資源を使い、地域の医師会がそれ
えている。各県において、県庁と県医師会との
ぞれのやり方をつくっていくといことで、地域
関係に非常に温度差がある。使い勝手を非常に
包括ケアはそれだけ多様性があるということで
良くしたはずである。県医師会主導で地域医療
ある。日本医師会、都道府県医師会、郡市区医
再生基金の使い方を決めるということをやって
師会が中心となる必要がある。横倉会長が、在
いただければもっと有効に使えると考える。
- 16(1372)
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2013
印象記
副会長 安里 哲好
平成 25 年度第 1 回各種協議会における在宅医療対策協議会は、3 各種協議会から独立した会と
して運営された。その理由の一番目として、超高齢化社会に加え多死時代を迎え、在宅医療の重
要性と介護領域や生活支援との連携が今後大きな課題となる事、二番目は介護保険の担当理事と
在宅医療の担当理事が重なる県が多い点であった。
協議事項は 4 項目で、各々が互換性のある内容であった。(1)「在宅医療連携拠点の取り組み
について」は、県医師会の役割は研修会を通じて助言・指導を行ったり、意見交換や情報共有の
場を設定したり、連絡会・協議会を持ち連絡調整を担い、事業に関する補助金の確保に努めてい
る現状が示された。郡市医師会が在宅医療連携拠点の中心的役割を担うのが望ましいとの意見が
殆どであったが、実際的には各県とも 1 - 3 地区医師会がその拠点として活動し始めている様だ。
中心となる圏域は、2 次保健医療圏や郡市医師会域を提示していたが、中学校区程度の範囲の在
宅医療・介護連携のグループ(グループ窓口施設)を選定し設置している県もあった
(2)「地域包括ケアシステム構築に関する視点について」は、少子・高齢化時代において、支え
る医療・介護スタッフも十分でない過疎地域があり、地域の実情に応じた地域包括ケアシステム
の構築が望まれるのではないかと述べていた。長崎県においては、市の地域包括支援センターが
地域包括ケアシステムの構築を担ったり、市民病院や介護施設との機能的連携で行っているとこ
ろもあり、また郡市医師会主導で行っている地域もあると述べていた。多くの意見は、地域によ
り医療・介護資源に大きな格差があり、協議会等を中心に情報交換し、出来るだけ地域の実情を
反映した体制づくりを目指すのが望ましい点に集約された。
(3)
「平成 25 年度 地域医療再生計画の概要について-特に、在宅医療推進事業-」と(4)
「介
護と連携した在宅医療体制を整備する事業など地域医療再生基金の各県の用途と医師会のかかわ
りについて」は内容が重複するので一括で討議した。在宅チーム医療を担う地域リーダー研修は
5 県が終了していて、3 県が近日予定していると報告していた。在宅医療にかかわる地域医療再
生基金の利用状況は、5 県が在宅医療連携拠点推進事業に、2 県が在宅医療連携拠点推進事業に
加え IT 連携、1 県が IT 地域連携の更なる充実を通じて在宅医療へと進めていた。医師会のかか
わりについては、県医師会と郡市医師会との共同参画、郡市医師会が中心となる県と、モデル市
町村を選定し郡市医師会の協力の下に情報共有システムを開発し全県下に広げて行く県もあった
沖縄県は、1 次地域医療再生基金で脳卒中・糖尿病・急性心筋梗塞の地域医療連携を進め「お
きなわ津梁ネットワーク」を構築し、紙パスから IT 化へと進みつつある。2 次地域医療再生基金
は、特定保健指導支援・疾患管理センターと健康教育・広報活動の部門を設置、特定健診データ
ー約 18 万件と糖尿病患者データー数万件の一元管理も進めている。3 次地域医療再生基金は、在
宅医療連携拠点の構築と利用者の使いやすい「おきなわ津梁ネットワーク」の充実に向けての内
容で申請し、受理された(期間は H25 年より H28 年 3 月まで)。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
2.地域医療対策協議会
副会長 玉城 信光
常任理事 稲田 隆司
理事 本竹 秀光
理事 玉井 修
理事 石川 清和
挨 拶
県内でも何通りもあるということも含め、ぜひ
○日本医師会 中川俊男 副会長
日本医師会、都道府県医師会、郡市区医師会が
中央は緊迫している。安倍政権が、昨年総選
主導的な立場にたち、地域医療提供体制を構築
挙で圧勝して、参議院選挙でも圧勝し、独裁政
していただきたいと考えている。
権になったのではないかという言い方をするマ
年末の予算編成では、次期診療報酬改定の改
スコミもある。更に、東京オリンピック招致が
定率が決まる。そこで消費税の 8%引き上げも
決定したということで、長期政権を見据えて、
ほぼ決まっているが、その消費税を上げた分を
我々にいろいろな問題がある。規制緩和、新自
財務省筋は、医療の機能分化やいわゆる効率化、
由主義政策的な政策をどんどん進めていくとい
改革が進まないと 8%分やらないというとんで
う流れがある。民主党政権時代の比ではない。
もないことを言っている。消費税を上げるとい
来週の火曜日に経済政策パッケージというもの
う目的は、社会保障給付費の国庫負担のために
が閣議決定される。その中で国家戦略特区とい
上げるということであったが、それを使わせな
うものを作り、医学部創設や病床規制の例外を
いということを言っている。そういう意味で緊
認める、混合診療を更に拡大する、外国人医師
迫したと申し上げた。
の診療を可能とする、我々が TPP の関係で心
配したことをどんどん進めようとしている。横
倉会長以下全力でなんとか阻止しようと思い頑
張っている。そういう中で、地域医療も含め医
協 議
(1)各県の医療紛争への取り組みの現状
(長崎県)
〔提案要旨〕
療提供体制を医師会主導でつくっていく、我々
日医、厚労省ともに医療事故調査制度の創設
も地域医療提供体制の構築は全国一律のことは
をめざしており、今後の成り行きが注目される。
ありえない、47 都道府県あれば 47 通り、かつ
日医案、厚労省案ともに、まず院内調査委員
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-
沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
会で検討、日医案では独自の取組みが困難な医
連携組織(「地域医療安全調査機構(仮称)」)
療機関に対しては、地域の医師会や大学、大規
を常設し、適宜支援を行うとされている。
模病院、その他医療関連団体等が支援を行うと
診療所、中小病院に対す支援体制に関する各
記載されている。細部ははっきりしないが今後
県の考え方をご教示下さい。
医師会として対応せざるを得ない。
ここで現状認識として現在各県医師会が行っ
(3)医療事故調査制度の創設について
ている医療紛争処理の実態をご教示いただきた
~制度の実施に向けた支援体制の構築のた
い。又、各県で第三者機関を創設する場合に予
めに~(福岡県)
想される問題点等について、各県のご意見及び
〔提案要旨〕
日医の見解をお伺いしたい。
医療事故調査制度創設についてはこれまでに
なお、1)~ 3)の回答について冊子掲載が難
様々なところで議論が行われてきましたが、今
しい場合は、別途配布頂く形で御教示頂きたい。
般、厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組
1)県医師会内または郡市医師会に医療紛争に
み等の在り方に関する検討部会」ならびに日本
対処する委員会はあるか?
医師会の「医療事故調査に関する検討委員会」
2)委員会のメンバー、委員会開催数
においてそれぞれ議論がまとめられた。
3)最近 3 年間の医療紛争処理委員会にかけら
厚生労働省の内容は第三者機関を全国でただ
れた件数・診療科・日医付託件数・紛争結果等。
4)県レベルでの第三者機関創設する場合の予
想される問題点
一つとして設置し、これに全国の地域の医師会
や大学病院などが中心となって、院内事故調査
委員会への支援や院内調査報告書の内容の精査
などを行うとしている。
(2)医療事故調査制度における診療所・中
一方で日本医師会の内容は、第三者機関を、
小病院支援体制に関する各県の考え方につ
都道府県ごとに、それぞれの地域の医師会、大
いて(熊本県)
学病院、医療関係団体などが連携した組織「地
〔提案要旨〕
域医療安全調査機構(仮称)」として構築し、
医療事故調査制度の具体的方策として
この組織が各医療機関の院内事故調査等の支援
Ⅰ . 全ての医療機関に「院内医療事故調査委
員会」を設置・運営
や第三者機関としての独自の調査を行うとして
いる。
Ⅱ . Ⅰの体制を支援するため、地域に連携組
どちらの案においても各都道府県医師会が主
織(「地域医療安全機構(仮称)」、「地域医
体となって、院内調査の支援、報告書の作成支
療事故調査委員会(仮称)」を設置・運営
援・精査を行っていかなければならない。
Ⅲ . Ⅰ・Ⅱに加えて更なる医学的調査や再発
福岡県医師会としては、全ての医療機関に院
防止策の策定に向けた活動を行うため、第
内事故調査委員会の設置義務の議論が生じたと
三者組織(「中央医療安全機構(仮称)」、
「中
同時に、院内事故調査委員会を設置することが
央医療事故調査委員会(仮称)」)を設置・
難しい医療機関への支援をどの様に行うか議論
運営
を進めてきた。
三段階方式が提案されている。
その形が、診療行為に関連した死亡の福岡県
Ⅰにおける医療機関内の体制は、施設、人員、
医師会調査分析事業であり、福岡方式である。
専門性等の面から独自での取り組みが困難な医
事業内容としては、まさに、日本医師会が示し
療機関においても適切に機能させるため、都道
ている案と同様で、院内事故調査委員会の設置、
府県及び地域の医師会組織を中心に、近隣の大
報告書の作成支援である。原則、日本医療安全
学病院、特定機能病院、地域医療支援病院、そ
調査機構「診療行為に関連した死亡の調査分析
の他の大規模病院、病院・医療団体が参画する
モデル事業」(以下、「モデル事業」)が受付け
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
る事例、もしくは臨床的所見から死因が明らか
想したものである。診療所、中小病院だけでな
でない事例を受付けることとしている。
く大病院も大変だということを私も実感してい
現在 4 事例を受付けて、院内事故調査委員会
る。少なくとも拙速だけは避けたいと考えてい
を開催し、報告書の作成を行った。第 1 事例は
る。先生方におかれても遠慮なく厳しいことも
周産期母体死亡事例で、審議で羊水塞栓と結論
含めご意見いただきたい。納得のいく形でつく
した。第 2 事例は、剖検を実施した肝臓がん死
らないと、なんとなく字面だけで進んでしまう
亡の他県事例で、報告書を当該県医師会を介し
と大変だと考えている。現在でも年間 80 件が
て当該病院に届けた。第 3 事例は肺炎と心筋梗
刑事訴追に向けた立件や送致がある。その流れ
塞の事例で入院当日急死した。第 4 事例は肺塞
をどう食い止めるかということもあり急ぐ必要
栓死事例である。また、3 事例ほど問い合わせ
もある。その辺のバランスを含めなんとかやっ
があったが、剖検ができず、受付に至っていな
ていきたいと考えている。ご助言アドバイスを
い。剖検を実施した第 2 事例はモデル事業に登
お願いしたい。
録した。課題として、中小病院で剖検の取得が
特に難しく、県医師会は剖検の取得支援も表明
○追加発言
しているが、うまく機能していない。剖検未実
施(モデル事業に登録していない)の事例で、
<長崎県医師会>
民事訴訟に移行した際の報告書の取り扱い、家
第三次試案の際に反対した。反対理由は 2 点。
族への報告書の交付手順等を、調査分析事業運
1 点目、医師会への反対意見としては、会員へ
営委員会で協議を進めている。
の周知がなかったということ。これは今十分に
本会では福岡県方式を持って、厚生労働省・
なされている。2 点目は、医療事故調が医療懲
日本医師会の報告書に対応していこうと考えて
罰のような形になっていた。9 月に高杉常任理
いるが、各県において、厚生労働省・日本医師
事をお呼びして、県医師会主催で医療事故調の
会の報告書に対する各県のご意見、また、実際
お話をしていただいた。その中で会員から質問
に各県医師会が主体となって支援を行うことと
が上がったのが、調査報告書の扱いをどうする
なった際の問題点や障害となる点についてご意
のか。それを患者側に渡すということは訴訟の
見をお聞かせ願いたい。
資料に使われるのではないかという意見があっ
た。公平性も良いが、それ以上に会員をちゃん
○提案事項(1)(2)(3)は一括協議。
と保護していただかないといけないということ
がある。この点を福岡にお伺いしたい。もう 1
<各県回答>
点、第三者を担保するということは医師会がつ
各県ともに、医療事故調査制度の創設につい
くった場合に、本当に第三者担保ということに
ては概ね理解を示す旨の回答であったが、県医
なるのか。
師会としてどのように関与するのか、また既存
の医事紛争処理委員会等との整合性をどう考え
<福岡県医師会>
るのか等の意見が示され、日本医師会の見解や、
刑事訴追の 80 例の中に、医療行為に何ら問
福岡県医師会が先進事例として取り組んでいる
題はなくても、私が間違ったと警察や検察に言
「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事
った事例が含まれているのではないかと、それ
業」の取り組み内容を確認したいと提起された。
が心配でならない。とにかく早く作っていただ
きたい。ただし東京の体制をつくるのと、我々
<日本医師会コメント>
がきちんとそれに繋ぐ作業を続けるということ
日医が 9 月に出した医療事故調査に関する
は別に考える仕事ではないかと考えている。
検討委員会の報告書は、福岡方式にならって構
長崎県の質問については、今まさに県医師会
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
で一生懸命考えているところである。私達は、
出ても良いと考える。医学的に究明するという
少しでも救おうという気持ちで出発した。最初
ことは大切なこと。第三者の担保性といっても
の福岡県の方針は、モデル事業に繋ぐという
誰がこの仕事を始めるのか、やはり医師しかい
ことで、5 例のうち 1 例は解剖があったのでモ
ない。究明制度は医師しか作れない。
デル事業に繋げている。我々の報告書はモデル
事業への参画の支援であり、報告書を当該病院
<熊本県>
にお渡しし、おそらく当該病院からそれを報告
実際の構成員はどのような形か。
書という形でモデル事業に登録され、今モデル
事業の審議を待っている段階ではないかと考え
<福岡県>
る。我々が出発したときは、モデル事業の参加
数名の委員が登録されており事例ごとに招聘
ということであったが、実際に相談を受けると、
している。事務局は福岡県医師会においている。
剖検がない事例の方が極めて深刻である。我々
主なメンバーは学術的な裏打ちが必ず必要とな
の審議がお役に立てるならということで残り 4
るので、福岡県には 4 大学あるので、その中か
例を引き受けたという形である。
ら主だった先生方を中心に入っていただいてい
どんな形で報告書をお渡しするか、これにつ
る。中小の病院、一般開業医、事例ごとに集ま
いても多種多様であり。
最初は当該院長に交付し、
っていただいている。
当該院長に後の手筈はお願いするということで
始めたが、その後いろいろなことを相談された。
<熊本県>
直ぐに民事事例になった例もあった。意見書の中
実際に福岡県が取り組まれていることをモデ
に、事故防止策ということも含めていたが、それ
ルにしてやっていかなければいけないと考える。
を民事に交付するということはおかしいという
これから講習会等を是非よろしくお願いしたい。
ことで、いろいろ議論し、我々の方に過誤が考え
られるときは、第三者性や透明性等を考え事故防
<宮崎県>
止策を残すべきではないかと、過誤がない例に
患者満足度 80%ということであるが、逆に
ついては、事故防止策を載せるのはおかしいと
20%は満足していないということであるが訴訟
いう議論をして、
今議論中である。専門医の名前、
にはいっていない。その不満はどのような点か。
これも今最終決定ではないが、我々が参加するの
は医師会員として参加するのではなく、それぞれ
<福岡県>
の病院として参加する方が病院への支援効果が
先程の委員構成の回答は調停委員会の内容で
あるのではないかということで、ただそれに関し
あり、事故調査委員会の委員は学問的な調査と
ては、参加していただいている専門医のご承認を
いうことで医師と看護師に限っている。弁護士
いただかないといけない。今審議を続けていると
を入れるという話が最初はあったが、弁護士を
ころである。また意見書については、医師会から
入れると防御的な感じもするため、最初は医師
直接渡してほしいという意見もある。
と看護師ということで今やっている。
もう一つは、医療機関にクレームがある際に、
宮崎の質問については、多額の和解金を出して
県医師会で中立性を持ち審議している、その結
も不満が残るということが私の実感である。80%
果を待ってくれということを言うと、病院に対
は素晴らしいことだと考える。福岡方式の一番の
するプレッシャーが減るようである。
狙いは、少なくとも先ず我々医療従事者があらぬ
刑事告訴の被害を受けないように、これだけを先
医療事故調は医学的に解明する、医事紛争処
ず最初に考えている。警察や検察の取り調べを受
理委員会はもめたものを解決する。大切なこと
け、職を辞される看護師や、鬱になられる医師等
は隠すということは絶対にいけない。報告書は
を垣間見るときの気持ちは非常に残念である。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
<沖縄県>
必要に応じて大学の医師、九州大学、福岡大学
非常に大事なことだと考える。この議題に絞
も積極的な参加を表明していただいている。そ
り、一度福岡のモデル事業を皆で勉強する機会
こで調査を行うということが警察に駆け込む際
が必要と考える。その機会を九医連としてつく
の予防策になる。警察も本当は困っている。き
っていくことを検討しても良いと考える。
ちんとしたところが、きちんとした筋の通った
話を出すと、それなりに対処してくれるような
<長崎県>
感じがある。
報告書を出した方が良いという考えがあった
福岡県では、警察もこういう事業があるとい
が、事案が起こった瞬間に患者様が警察に駆け
うことを患者さんに言っている。
込むケースがあると考える。先に刑事事件にな
報告書の説明は、当事者と家族、説明会のよ
り司法解剖になった際に、県医師会は何を対応
うな形で行い、最終的な報告書を渡している。
したら良いか。もう一つは報告書の説明。報告
書を説明する際に、患者様と医療機関、同時に
<沖縄県>
説明することがあっても良いと考える。
福岡モデルを九州モデルにできたらと考え
る。是非とも集中した会議を持ちたいと考える。
<福岡県>
制度を変えないといけない。現状では、患者
様が警察に駆け込む体裁が整っていると事件と
して警察が着手する。途端に捜査を受ける側と
(4)「地域医療支援病院の承認要件見直し」
に関する問題点について(大分)
【提案要旨】
する側に別れる。調書を取られたり、重要参考
厚生労働省が「特定機能病院及び地域医療支
人等、あたかも罪人のような雰囲気が出てくる。
援病院のあり方に関する検討会」において、地
なんとしても排除しないといけない。体制を変
域医療支援病院の承認要件見直しを行ってい
えないといけない。また民事事件でやっている
る。その中で、従来紹介率算定の中で評価して
のに刑事告訴する場合がある。解決金を釣り上
いた救急搬送患者受け入れ数を独立で評価する
げるために。こんなことが許されてはいけない。
ことにし、2 次医療圏の搬送件数の 5%程度以
ここはなんとしても、科学的に解明された事実
上を担うことを要件に追加しようとしている。
を提示するためにモデル事業を進めなければな
都市部の地域医療支援病院の多くはそれをクリ
らないと考えている。
ア出来ると思われるが、同じ 2 次医療圏にあっ
て都市周辺市町村の(医師会立)地域医療支援
警察に駆け込まれたり、送検されることを防
病院はその点が難しくなっている(大分県にお
ぐことが一番である。その試みの一つとして、
いても 2 医師会立病院が 4%程度である)。各
患者様が亡くなられる前に福岡県医師会に出し
県の状況と、日医の取り組み及び見通しについ
てくれと、非常に緊迫した関係の中で剖検する
てお伺いしたい。
ことは難しい。医師会が間に入り取り持つとい
うことをお話している。患者様はいつでも警察
【九州各県回答】
に駆け込む心配がある。その時にこそ、そうい
書面回答のみ
う心配は分かりますと、きちんとした第三者機
関、福岡県医師会にそういう機関、診療行為に
【中川副会長よりコメント】
関連した死亡事例の調査分析事業があると、そ
本件は、私が委員を務めている厚労省医政局
こに医師が 5 ~ 6 人、看護師 1 名、事務方を
の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり
入れて調査している。その中の構成員は、公的
方に関する検討会」において見直しが行われて
病院の医師やかかりつけ医に入っていただく、
いるものである。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
特定機能病院は殆どが、大学病院本院やナシ
(5)各県の救急救命センターや特定機能病
ョナルセンター、がん研有明、静岡県立がんセ
院の前方・後方支援に関する医師会としての
ンター等の病院が指定されている。
取り組みについて(宮崎)
特定機能病院、地域医療支援病院ともに、経
【提案要旨】
済的なインセンティブが非常に強く、特定機能
宮崎県では救命救急センターや特定機能病院
病院は概形基準のままでいくと増え続ける可能
である宮崎大学医学部附属病院へ患者が集中
性がある。
し、医学部附属病院の病床の有効利用に支障が
ご存知のとおり、医療費が特定機能病院に偏
みられる。
在しつつあり、そこに歯止めを掛けようと見直
今年度、大学から前方・後方支援システムを
しが行われ、日本医師会としては、大学病院本
県医師会と共に構築したいとの申し入れがある
院に限定すべきだと主張している。
が有効なシステム構築には至っていない。各県
地域医療支援病院については、医療審議会等
の取り組みについて伺いたい。 で審議されることになるが、要件を満たしてい
れば承認せざるを得ない現状にあり、多くの県
【各県回答の概況】
医師会より見直しの要望があがっている。この
・ 県医師会独自の取り組みを紹介したのが、福
ままだと県内に地域医療支援病院が増え続け、
岡と鹿児島の 2 県で、福岡県では県民への啓
特定機能病院と同様に県内の医療費が当該病院
発活動(救急の日のつどい、県民公開講座、
に偏在してしまうことを非常に危惧している状
メディペチャ等)に努めており、鹿児島県で
況である。
は救急医療のアンケート調査結果をもとに、
以上のようなことから、日医は、特定機能病
各郡市区医師会単位で医療体制の検討を図
院と地域医療支援病院の承認要件の見直しを進
り、後に消防法における搬送基準リストや 4
めている。
疾病 5 事業における医療連携のリストづくり
地域医療支援病院は、当初、かかりつけ医の
に貢献したと回答した。
支援を目的とし、紹介率や逆紹介率の基準を設
・ 一方、県医師会での取り組みはないものの、
定していた。本来は医師会病院のみを指定する
地区レベルでの取り組み状況を報告したのが
事であったが、国公立病院や民間病院が手上げ
3 県あり、熊本県が一次救急は極力会員施設
し承認されてきた経緯がある。指定されるとさ
での対応を心がけ地域連携室中心の運用を図
れないのでは 1 億円以上の利益の差が生じる場
っていると紹介した。また、佐賀県は小児時
合もある。
間外の受入は医師会が中心に実施し、沖縄は
救急の評価については、二次医療圏、救急医
救命救急センターから講師を招聘しての講演
療圏どちらでも都合の良い方で算定しても構わ
会や意見交換会を催していると回答した。
ないことになっている。また、万が一新基準で
・ また、医師会以外の組織(福岡救急医学会や
対応できない場合のことを考慮し、なお書きを
鹿児島臨床救急研究会、佐賀病院協会)も独
加えていただくこととしており、「新しい要件
自に取り組みを図る動きがあると回答した。
で基準を満たすことが出来ない場合、都道府県
・ その他、大分県から県レベルでの情報統制は
知事が救急搬送患者の受入数の基準値が止むを
物理的に難しいが、医療圏単位の内容なら、
得ない範囲にあると認めた時は地域医療支援病
ある程度情報統制できるのではないかと意見
院の承認を行うことが出来る」等、県知事の裁
があった。
量により承認できる仕組みを付け加えたいと考
えている。
【中川日医副会長からのコメント】
医療機関の病床機能情報報告制度が来年度よ
り少しずつ運用が開始される。その報告制度に
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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基づき、各県が地域の実情を詳細に把握し、ど
2013
【中川日医副会長からのコメント】
の様な医療提供体制が必要か、地域医療ビジョ
現在は、特定看護師という名称は止めさせた。
ンを作成することになる。同ビジョン作成のガ
看護師が特定行為を実施する場合、研修を受け
イドライン作りの為の情報収集となる。
ることを制度化する旨明記させた。この問題
その結果として、地域医療ビジョンが作られ、
は、慢性的な看護師不足に悩む外科領域の悲痛
各県の医療提供体制における「高度急性期」
「急
な施設の声にも反映し対応した面もあるが、タ
性期」「回復期」「慢性期」といった病床がどの
スクシフト、時間的・場所的に限定された一次
様にあるべきなのか、地域医療計画に書き込む
的なものだと認識している。本来医師の仕事を
ことになるので、是非、県医師会として県行政
看護師が肩代わりすることについては間違って
に早くから接触し連携いただきたい。
いる。適正に、包括的指示ではなく具体的指示
のもとに進めて行くものである。 (6)特定看護師の養成に関して(長崎) 【提案要旨】
(7)(8)については、関連議題につき一括協議
特定看護師については、現在、まだその資格
が行われた。
および責任が明らかになっていない中、本県で
(7)県と県医師会との災害時における医療救
は、某病院の広報誌に医師の業と看護師の技術
護に関する協定の進捗状況について(宮崎)
を持つ特定看護師の養成を実施しているとの記
(8)「災害医療に関する県と県医師会との協
事が掲載され、多くの会員から反発があった。
定締結交渉」について(大分)
他県でも類似のケースがあるか伺いたい。
【提案要旨】
【各県回答の概況】
県外派遣への追認条項を含め、県との災害時
・ 提案県の宮崎県を含め、4 県(大分・熊本・
における医療救護協定の進捗状況を伺いたい。
福岡・宮崎)で養成があると回答した。養成
また、JMAT は日医からの派遣要請で動くのに
はいずれも国の試行事業によるもので、実施
対し、県がなぜ県外への事後追認を行わなけれ
指定施設は大学院や研修機関での「看護師特
ばならないのか問われ対応に苦慮している。県
定能力養成調査試行事業」と、同事業の実施
知事も共に命令を下すような運用ができればと
課程を修了した看護師が従事する施設(病院
考える。また、来年の九州各県合同会議におい
や老健、訪問看護ステーション等)での「看
て、「九州・山口 9 県災害時相互応援協定」の
護師特定行為・業務試行事業」であった。
見直しを協議するにあたり、何か良いご意見が
あれば伺いたい。
その他(本事業に対する厚労省の考え方)
・ 本事業は、特定行為の範囲や能力認証を受け
【各県回答】
る看護師の要件等を検討する際に必要となる
・ これまで同様、全ての県で「県外派遣の追認
情報や実証的なデータを収集することを目的
条項」は認められておらず、未だ進展してい
として実施されている事業で、また本事業の
ない状況が続いている。また、
この件について、
対象となる看護師についても、今後、能力認
殆どの県が行政と協議中であると回答した。
証を保証するものではなく、併せて、対象と
・「 九州・山口 9 県災害時相互応援協定」につ
なる業務・行為についても、特定行為として
いては、ほぼ全ての県で継続協議を求める回
整理されることが確定したものではないとし
答があった他、今後の方向性については「継
ている。
続協議の場を求める意見(長崎、熊本、大分、
鹿児島、佐賀)」があり、福岡県や沖縄から「ブ
ロック内派遣の実現」や「九医連としての働
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
き掛け」「九州知事会へのアピール」等の意
分野で DMAT 等医療従事者を派遣する機能
見があった。
の項目においても「災害急性期を脱した後
・ 医療救護班の件については、概ね殆どの県で
も住民が継続的に必要な医療を受けられるよ
県行政との協定がある以上、県側からの派遣
う、JMAT や日本赤十字社、医療関係団体等
要請が原則との認識であった。
を中心とした医療チームと連携を図る」こと
・ また、この件については、鹿児島県から「被
が明記されている。
災県医師会からの出動要請で追認が受けられ
・ くわえて、東日本大震災の際には、医政局長
る」運用を求める意見や佐賀県や宮崎県から
から日本医師会あてに被災地への医師等の医
「医師会の判断による出動を可能とする」意
療従事者の派遣についての協力依頼があった
見も挙がった。
事実もある。更には、JMAT 活動をもとに、
・ この問題が進展しない理由として、各県とも
災害救助法の適用を要求し認められた実績も
「県外派遣=追認条項の補償を担保してもら
ある。国における JMAT の認識・位置付け
うことが必須条件」である一方、行政側は、
については、飛躍的に高まって行くものと考
一貫して国レベルでの協議が必要であるとの
えている。これからも努力を続けていきたい。
姿勢を崩しておらず、くわえて、JMAT の明
確な活動内容、指揮命令系統等の位置付けを
一括協議の後、中川副会長のコメントを踏ま
求めているため、日医から国への積極的な働
え、玉城副会長より「今の話だと国で決まれば
き掛けをお願いしたいとの意見もあった。
各県に通知が出て、締結の兆しがあると解釈し
・ さ ら に、 周 り に 理 解 し て 貰 う た め に は、
て良いか」質問したところ、中川副会長より「県
JMAT の定期的な研修会の開催が必要であ
行政は国の意向に弱いため、是非それを使って
り、質的担保を図ることが求められるとの意
いただき、良いタイミングで県と交渉いただき
見が相次いだ。
たい」と返答があった。
【中川日医副会長からのコメント】
また、長崎県から各県における平時からの災
・ 本年 5 月、各都道府県医師会と各県行政との
害医療連携体制の整備構築について、各県の取
医療救護協定における状況についてアンケー
り組み状況を共有する場を求める意見があり、
ト調査を実施した。その結果、全ての県にお
玉城副会長から中央の動向も踏まえ、九州でど
いて行政との間で協定が締結されており、そ
の様に纏めていくか九医連を通じて会議を持ち
の内、行政が経費や二次災害時の補償責任を
たいと返答した。
負担するケースが大部分を占めているが、
「県
外派遣規程」の条文が盛り込まれているのは
10 医師会に留まった。この部分が問題であ
(9)地域医療再生基金(一次、二次、三次)
の使い勝手について(沖縄)
【提案要旨】
ると認識している。
・ 国による JMAT の位置づけについては、東
地域医療再生基金の一次事業を推進する中
日本大震災を受けて設置された厚生労働省の
で、もう一押し資金の後押しにより、事業の完
災害医療等のあり方に関する検討会報告書に
成度が高くなると思われたが、二次、三次の追
おいて、震災での JMAT 活動は非常に高く
加基金の使途が指定されることが多く、事業の
評価されている。今後の災害対策の箇所にお
連携や未完成部分の補充をすることに大変苦労
いても、医療チームの派遣元関係団体として、
するように思われる。
日本医師会が明記されている。
各県の事業内容と進捗状況について、お伺い
・ さらに、5 疾病 5 事業に関する指針(厚生労
働省医政局指導課長通知)における災害医療
したい。
本県としては、本来、各地域により重点的に
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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取り組むべき事業内容が異なると思われるの
2013
・ 30 郡市医師会で均等に分けて協定書を締結
で、各地域の実情に応じた事業の完成が図れる
している。計画は単年度ごとに提出いただき、
ような資金にして頂きたいと思う。
使えなかった金額は相互の医師会で流用可能
にしている(福岡県)。
【九州各県回答】
・ 折角、県行政と一緒になってやるので、より
主な意見
国民・市民に伝わるような啓発活動を展開し
・ 計画当初、県より意見聴取があり、県医師会と
しても各部署や代表者等を集め、かなり議論し
意見書も提出したが、出来上がった計画が県の
ていただきたい(宮崎県)。
・ 県民公開講座やマスコミとの懇談会を実施し
ている(沖縄県)。
方で既に御膳立てされたものだった。県の計画
のみで決まるものではないということを明確
【中川副会長よりコメント】
に示し、現場の議論の中から補助金が活用され
本件については、厚労省医政局と何度も交渉
るようにしていただきたい(熊本県)
。
してきた。
・ 研修医育成等を目的としたクリニカルシミュ
2009 年度から始まった補正予算であるが、
レーションセンターを設立し、寄付講座も設
2010 年度に厚労省より、地域医療再生計画の
置した。今後、継続的に運用可能となる寄附
作成、推進、変更などにあたり、医師会等の地
が必要である(沖縄県)。
域の関係者の意見を聴くよう、厚労省通知に明
・ 行政と医師会とで議論し比較的よい方向に進
記させた。
んでいる。しかし、地域の実情に応じたとい
特に東日本大震災後に被災 3 県に対し、720
いながら、事業を査定することがおかしい(宮
億円の積み増し基金をいただいた。しかし、県
崎県)。
庁の計画そのものが、発災前と変わらない計画
・ 当初 15 億要請したが、9.6 億減額され内示
となっており、公立病院の建て替えが目立った。
された。医師会には 2.6 億内示があった。不
一方、県医師会と郡市医師会が中心となって
満な部分は、一括して単年度 2.6 億円使って
地域医療連携を推進してきた実績もあるなど、
よいとされていたが、県の意向で 3 年に亘っ
各地で温度差があり、現状を打破することとし
て利用することになった。また、多職種連携
て日本医師会としては、次年度の政府の概算要
事業は当初、別事業で実施されていたが、再
求の中で地域医療再興基金の創設を要望してい
生基金に盛り込まれている。本県では各地域
る。それは、地域の自由度をより高めた新たな
の実情があるので、2.6 億円を 30 郡市医師
基金で、特に地域医療を担う民間医療機関に十
会で均等に配分し、使途は一任することにし
分配慮し、地域の実情を反映した計画に基づい
ている(福岡県)。
た中長期的な資金を確保して地域医療の再興を
・ 一括して補助していただき、後程、計画を出
していくことができないか(佐賀県)。
図ることを要望している。
政府与党や厚労省としても自由に使って欲し
いとする一方で、県庁が抵抗するという、変わ
った図式になっている。
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2013
印象記
副会長 玉城 信光
9 月 28 日に開催された。私の担当は「地域医療対策協議会」である。いつもたくさんの協議題
が提出される。今回も 9 題の提出があり、110 分でまとめなければならない。座長の任務は大きい。
医事紛争に関わる議題が 3 題あり、まとめて協議を行った。各県とも多くの紛争事例があり、
担当役員のご苦労が思いやられた。その解決策のひとつに福岡県においてすすめられている「診
療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」がある。4 例の事例を受けて調査を行い、たいへ
ん有意義な報告がなされているようである。医療事故に関してはこれで十分ということはないの
で、施行しながら改良を重ねていくことが重要であると思われる。九医連としては福岡モデルを
九州モデルにしたいと思い、関係者の協議会をもつように提案した。
地域医療支援病院の承認要件見直しに関しての議題について、日医の中川副会長から、この制
度は本来、医師会病院と地域医師会の施設間の連携をスムーズにすすめる為の制度であるが、多
くの病院が手をあげることにより、診療報酬がこれらの病院に厚くなるような制度になってしま
っている。今後厚労省との会議で本来の姿にもどしたいとの話があった。
県と県医師会との災害時における協定は各県で締結されているが、他県への派遣に関しては行
政側が締結に難色を示していることが多いと話された。中川副会長は国で決定し通知が出される
と解決される問題であると述べられたので、早急にはっきりと通知を出して頂きたいものである。
地域医療再生基金により地域医療の充実にかなり効果をあげているが、もう一押し各県の実情
に応じて使い道を決定させて頂くような資金をお願いしたいと提案した。中川副会長からは日医
として行政に対し、「地域医療再興基金」という自由度の高い基金をお願いしているとの話があっ
た。これらの基金ができると津梁ネットワークや在宅医療の連携や沖縄版医療データーベース化
がすすむと考えられる。
沖縄県が担当県なのでとりまとめに忙しかった協議会であった。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
印象記
理事 玉井 修
平成 25 年 9 月 28 日(土曜日)にハーバービューホテルにおいて行われました。沖縄県はホス
ト県として、お揃いのかりゆしウエアでの参加という事になりました。沖縄県医師会のユニフォ
ームである浦添織のかりゆしウエアは少々高級なかりゆしウエアとの事で、普通に洗濯機では洗
えないらしい。カミさんから絶対汚さないようにという厳重注意を受けて、やや緊張しながらの
会場入りとなりました。丁度良いタイミングで当院で研修中の Ryumic 研修医、山城貴之先生を
お供に参加出来た事は研修医にとっても医師会というものを理解して貰うために良い機会となっ
たはずです。
地域医療対策協議会は進行を玉城信光先生が担当され、日本医師会の中川俊男副会長が日医の
見解を述べるといった流れで議事進行がなされました。僕の担当は救急医療に関する部門で、救
命救急センターと前方後方支援病院との連携に関する事、また JMAT の公的位置付けと、そのプ
ロフェッショナル・オートノミーのあり方に関する議論でありました。様々な医療政策は、医師
会のみで達成出来るものではなく、行政との綿密な連携が無ければならないのは自明の理ではあ
りますが、それを強力に厚生労働省に働きかける日本医師会のリーダーシップに期待する意見が
多数寄せられました。中川副会長もこの事に関しては既に日本医師会としても具体的なアクショ
ンを起こしているとのご回答をいただき大変心強く思いました。しかし、現場では行政との折衝
事に関して常にのらりくらりとはぐらかされる現状に苛立を感じている県もあるようです。日本
国政府と都道府県行政とのタイムラグがこの様な事態を生じさせているのか。あるいは意図的に
医師会の要望をはぐらかしているのかは解りませんが、各県医師会の感じている苛立の構図は沖
縄県でも同じです。今後しっかり行政との折衝にあたるべきとの覚悟を新たにした会議でした。
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-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
3.医療保険対策協議会
常任理事 真栄田篤彦
常任理事 金城 忠雄
理事 平安 明
挨 拶
て現在活発に議論が進められており、日医にお
○沖縄県医師会 真栄田常任理事 いても「次期診療報酬改定に対する要望書」が
本日はお忙しい中、九州各県よりご参集いた
取りまとめられたところである。
だき感謝申し上げる。また、本日は日本医師会
一方、自民党安倍政権においては、消費税増
より、鈴木邦彦常任理事、藤川謙二常任理事に
税、TPP への交渉参加、医療ツーリズムの推進、
お越し頂いた。鈴木先生、藤川先生には後程、
混合診療解禁など、医療機関に関連する問題が
各協議事項に対し、適宜コメントを頂く予定で
山積し、結果次第では国民皆保険制度・医療機
ある。
関の崩壊になりかねない状況となっている。
今回の協議会には各県から 14 題の提案事項
特に、消費税増税については、医療機関経営
が上がっているが、皆様には忌憚のないご意見
にも直結する問題であり、また、増収分の次期
をお願いし、実りの多い協議会となるようお願
診療報酬改定への配分についても十分議論する
い申し上げる。
必要があると思われる。
次期診療報酬改定の進捗状況並びに 7 月の参
真栄田常任理事のご挨拶の後、日本医師会よ
議院選挙において日医推薦候補が当選し国会議
り鈴木邦彦常任理事、藤川謙二常任理事より一
員となったが、今後の中医協への関与について
言ずつご挨拶を頂いた後、協議に移った。
日医の考えを伺いたい。
協 議
(2)次期診療報酬改定に対する日医の対応
(1)次期診療報酬改定について(鹿児島)
について(沖縄)
【提案要旨】
【提案要旨】
次期診療報酬改定に向けては、中医協におい
中医協では、社会保障・税一体改革で示され
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
た超高齢化社会を迎える 2025 年の医療の姿な
<各県の主な意見>
ども踏まえながら次期改定の議論が進められて
各県からは次期診療報酬改定、消費税対応、
おり、主要な論点は、「急性期病床の担う役割
日医が取り纏めた「次期診療報酬改定に対する
の明確化と長期入院の是正」、「亜急性期、回復
要望事項」について、中医協における議論の進
期の機能分化に向けた評価の導入」、「地域の実
捗状況並びに今後の方向性について、日医へ現
情に応じた病棟の評価のあり方」、「かかりつけ
状報告が求められた。併せて、日医より先の参
医機能の評価」、
「大病院の紹介外来の推進」、
「在
議院選挙の結果、日医推薦候補者が当選した事
宅療養支援診療所・病院の評価の検討」などで
により、今後の中医協等での関与等についても
ある。
意見が求められた。
また、来年 4 月に予定されている消費税引き
また、診療報酬改定に対応したプロジェクト
上げに伴う診療報酬の対応については、医療機
チームを日医へ作ってはどうかとの提案につい
関の高額な投資に対し診療報酬とは別建ての対
ても各県一致しており、日医の見解を求めた。
応を行わず、基本診療料などに上乗せする方向
で議論されているようである。
□日医 鈴木常任理事
日医では、社会保険診療報酬検討委員会にお
次期診療報酬改定は同時改定でもなく、一見、
いて平成 26 年度診療報酬改定に向けた要望事
通常改定のように思われるが、今回は非常に大
項が取りまとめられたところであるが、今後の
きな改定であると考えている。
改定の議論にどのように意見を反映させていく
まず一点目として、社会保障・税一体改革を
のか、日医の考えをお聞かせいただきたい。
受けた国民会議の報告書に沿う形で、病院の機
能分化について診療報酬に合わせ前倒しで議論
(3)日本医師会における中医協での診療報
酬改定議論の精査について(宮崎)
された為、これに危機感を持ち日医と四病協と
で合同提言を出したところである。
【提案要旨】
もう一点は消費税引上げの問題である。この
平成 22 年診療報酬改定での「入院患者の他
件については、去る 9 月 25 日の中医協におい
医療機関受診の取扱い」と、平成 24 年診療報
て議論されており、その中で 8%の増税時につ
酬改定での「入院基本料等における栄養管理体
いては、高額投資への対応は診療報酬とは別建
制」は、実際に改定が行われた際に突如として
てとはせず診療報酬改定で対応する事になって
判明した問題点であり、現在も完全に解決して
いる。
いない。
また、診療報酬の上乗せ項目の対象について
このため、医療現場は混乱し、日医も厚労省
は、医療経済実態調査の結果等を踏まえ、基本
との折衝に追われる形となり、後手の対応とな
診療料・調剤基本料への上乗せによる対応を中
っている感は否めない。
心としつつ、個別項目への上乗せを組み合わせ
そのようなことから、鈴木常任理事の負担を
る形で対応することになっている。診療所につ
減らすためにも、日医医療保険課もしくは日医
いては、初・再診料、有床診療所の入院基本料
総研内にプロジェクトチームを作り、厚労省の
に上乗せで対応するとし、病院は外来診療料に
提案が実際に現場に則した内容なのかを充分に
診療所の初・再診料と同様に点数を上乗せし、
調査できる環境を作るべきと考えるが、日医の
余った財源を入院料等に上乗せする形で方針が
見解を伺いたい。
示されている。
社会保障・税一体改革や国民会議報告書で
(1)、
(2)、
(3)については関連している為、一
括協議された。
は、病床の機能の分化について強く触れられて
おり、具体的内容としては 7 対 1 を削減し、亜
急性期を増やすといった内容となっている。厚
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
労省と我々との考えが異なる点は、在宅や施設
特定除外問題の緊急調査についても四病協と
の急変患者を急性期で診るのか、亜急性で診る
合同で行っているが、厚労省よりも 10 倍以上
のかである。厚労省は亜急性期でとの考えがあ
のデータが集まっており、回答率も高く、日医
るようだが、我々は急変患者(サブアキュート)
と四病協が共同して行うことで、かなり大きな
については、まず急性期で診て回復期等へ移す
事も出来るというのが示せたのではないかと考
べきであると考えている。今後はこの点が議論
える。
の大きな争点になる事が予想されるが、医療提
現在、四病協とは毎月協議を持っており、以
供体制のあり方について、四病協と一致して合
前に比べて非常に意思の疎通が図りやすい状況
同提言を出しており、いつも以上に強く主張し
である。今回の合同提言のような事を定期的に
ていけるものと考えている。 行っていけば、結果的に 1 つに意見が集約され
また、羽生田先生については、10 月中旬に
るような機会が増えていくのではないかと考え
初めて国会へ出席されるが、今後様々な方面で
ている。今回の改定は日医・病院団体にとって
の活躍を期待しているところである。また、最
大変重要であり、出来るだけ共同で働きかけを
近では自民党議員を中心とした議員連盟「国民
行いたいと考えている。
医療を守る議員の会」が結成されたようであり、
そういったところの先生方とも協力を図りなが
■鹿児島県
ら、診療報酬を含めた地域医療について連携が
メディア等で、大病院における選定療養費と
出来ればと考えている。
して、紹介状無しの外来受診の負担金を 1 万円
にするという話があるが、その後の日医や中医
■熊本県
協等での議論の現状についてご教示頂きたい。
中医協における様々な議論の中で、日病協の
中医協委員の選出等について病院団体の足並み
□日医 鈴木常任理事
が揃わないような印象を受ける。個人的な意見
金額について様々な意見は出ているが、中医
ではあるが、各病院団体、四病協、日病協に一
協では具体的な議論はされていない。
任する事はあまり好ましくないと考える。各団
外来受診の負担金については選定療養という
体ともそれぞれの利益を考えているような印象
より、もう少し強制的なものの可能性があり、
を受けるが、日医で各病院団体の意見を取り纏
フリーアクセスの一部制限であるような方法で
めて頂く事は可能か。
あると考えているが、この点について何か意見
等があれば、日医へご連絡頂きたい。
□日医 鈴木常任理事
日病協は、病院に関する診療報酬問題につい
■佐賀県
て、日医と切り離して議論する為に作られた枠
日医の活動については広報が少なく、会員が
組みと言われているが、その後最近になって、
日医の動きを全く把握出来ていない。
診療報酬以外に関しても日病協が中心に動きた
また、先ほどお話のあった「国民医療を守る
いとの意見に対し、四病協側と対立しているの
議員の会」等についても是非、進捗状況を随時
が最大の理由である。
会員に広報して頂きたい。
日医の中にも病院委員会はあるが、必ずしも
病院の事を全て議論するという事には至ってい
□日医 鈴木常任理事
ない。今回、初めて日医と四病協が「医療提供体
2025 年度に向けた重要な時期であると考え
制の在り方」という非常に重要な部分について合
ている為、地方の先生方からも声を上げていた
同意見書を出し、それに対し厚労省から対抗案が
だきたい。また、各先生方も議員連盟に加入し
出たことは大きな動きであったと考えている。
て頂き、訴えかけて頂きたい。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
■福岡県
2013
(4)次期診療報酬改定における亜急性期お
診療報酬改定のプロジェクトチームについて
よび医療療養病床への手厚い財源配分と医
であるが、再診料の引き上げや入院中の他医療
療療養病床の増床について(長崎)
機関受診、管理栄養士問題について、これまで
【提案要旨】
の日医の対応の結果、未だ解決には至っておら
前回の診療報酬改定の急性期病院への偏重と
ず、今後はやり方を変えていかなければならな
7 対 1 看護の導入により、亜急性期と療養病床
いのではないかと考える。
の診療体制が手薄になっている。そのため高齢
もう 1 点は、中医協委員について、以前は日
者の急性期病院への長期入院が常態化して救急
医より 3 名体制であったが、現在は鈴木先生お
医療にも支障をきたしている。
1 人である。以前のように政権が自民党へ戻っ
このような非効率的な医療提供体制を是正す
た事により今後の中医協委員について、日医の
るために、次回の診療報酬改定では亜急性期と
スタンスをお聞かせ願いたい。
慢性期医療に手厚く配分し、亜急性期および慢
性期医療を充実させるべきである。とくに医療
□日医 鈴木常任理事
療養病床は在宅医療の後方病床としての要であ
個々の問題点を優先順位を付けて対応したい
り、在宅医療を更に推進するには医療療養病床
と考えているが、全体の議論の中でなかなか難
の増床が必須と思われる。
しい問題である。再診料は 1 号側の抵抗もある
日医は現状の 22 万床の医療療養病床を 2025
が、消費税の部分で対応する事で調整している。
年に 34 万床に増やすべきと主張している。診
管理栄養士の問題は次期改定で元に戻していた
療報酬の配分と医療療養病床の増床について、
だけるよう強く主張する考えである。
各県のご意見及び日医の見通しについてお伺い
中医協の委員については、横倉会長に一任し
したい。
ていることから、私からこの件について申し上
げる事は出来ないが、時期がきたらご報告させ
(5)社会保障・税一体改革のなかでの入院
医療について(福岡)
ていただきたいと考えている。
【提案要旨】
■沖縄県 真栄田常任理事
厚労省は、前回の改定を「社会保障・税一体
診療報酬改定のプロジェクトチームについて
改革」の実現に向けた第一歩と位置付けし、示
は、どのような状況なのかご教示いただきたい。
された「2025 年のあるべき医療・介護の姿」
へ邁進させようとしている。
□日医 鈴木常任理事
中医協の入院医療等の調査・評価分科会で検討
今回、新たに保険医療部を作った。今まで介
されている、「病院機能に合わせた効率的な入
護保険と医療保険を別に分けて議論していた
院医療の推進」はワイングラス型になった現在
ものを一緒に議論している。例えば在宅医療は
の一般病棟入院基本料等の病床数を釣鐘型に変
介護保険だけで議論していたが、医療保険でも
えようという医療機関にとっては厳しい大改革
多数出てくる事から保険医療部全体で対応し
である。膨れ上がった 7 対 1、10 対 1 病床の
ている。
整理が 24 年度に始まり、更なる平均在院日数
また、薬務対策室を新たに設置した。厚労省
短縮、重症度・看護必要度の見直しが行われた
の OB 等に在籍して頂き、薬事関係は強力に対
が、急性期病床での今後予想される次期改定で
応していけるような体制が出来ている。
の展開と日医のお考えを伺いたい。
一方、現在、亜急性期等に該当する病床数(13
対 1、15 対 1、回復期リハ、亜急性期入院医療
管理料)が最も少ない状況であるが、次期改定
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
で考えられる「亜急性期」「回復期」の方向を
(4)に関する主な意見
お聞きしたい。
・ 在宅療養や施設療養を補完し支援するために
また、一般病床の中にある慢性期医療に含ま
も亜急性期および慢性期医療が担う役割は極
れる特殊疾患病棟や障害者施設等の経過措置が
めて重要。これからの地域包括ケアシステム
中医協で問題視され厚労省から廃止の声が上が
の推進を議論する際にも、受け皿の確保とケ
っているが日医には慎重な対応を願いたい。多
ア支援機能の充実が求められることから、こ
くの民間病院はケアミックスの形を取って決め
れらの分野への財源支援を強く求める。
られた平均在院日数等をクリアして存続してお
・ 亜急性期、回復期、慢性期病床は、急性期を
り、安易な廃止論は地域医療の崩壊を進めるも
終えた患者の受け皿であり、在宅医療におけ
のである。
る後方支援の役割も担っている。これらの現
各県のこれらに関するご意見と日医の方針を
状を踏まえ、増床も含めて診療体制や診療報
お伺いしたい。
酬体系を見直す必要があると考える。
・ 医療療養病床の増床は必要であり、特に中
(6)病床の医療機能の報告制度と地域医療
ビジョンについて(熊本)
小病院や有床診療所を活用できるような診
療報酬の評価及びシステムを構築いただき
【提案要旨】
たい。
厚労省は、社保審医療部会に医療機能の分化・
・ 今後、より在宅医療に取り組む医療機関を増
連携を推進する「医療法改正案」を提示、協議
やし充実させるためには、後方支援、受入医
を重ねている。これは、各医療機関が有する病
療機関となる慢性期医療の充実が必要不可欠。
床を病棟単位で、医療機能の現状と今後の方向
・ 一般病棟 7 対 1、10 対 1 に偏り、著しくバ
を自主的に選択して都道府県に報告する制度の
ランスを欠いている病床数の見直しは重要課
創設とその情報を基に、二次医療圏毎に各医療
題であるが、但しそれぞれの実情をしっかり
機能の将来の必要量を含めた医療提供体制を明
と把握した上で適切に行われるべき。
示する「地域医療ビジョン」を策定、医療計画
(5)に関する主な意見
に盛り込むなどの内容である。
・ 再編に当たっては医療機関に負担がかからな
現在の「カクテルグラス型」医療提供体制を、
2025 年に向けて是正、医療機能の再編成と医
いように改編すべきではないか。
・ 特に平均在院日数については、現在において
療費の適正化を目指している。過去に、社会的
も医療機関が頭を悩ませているものであり、
混乱を引き起こした療養病床の削減や看護配置
更なる平均在院日数の短縮や平均在院日数
基準による入院基本料の設定などの二の舞いに
計算対象除外の撤廃が行われれば、患者に十
なるのではないかと危惧する意見も多い。
分な医療が提供できなくなることや、医療機
この「医療法改正案」に日医はどのように対
関の経営にも大きく影響することが予想さ
応するのか、また各県のご意見を伺いたい。
れる。
・ 在院日数の短縮及び病床数の削減には、それ
(4)、
(5)、
(6)については関連している為、一
括協議された。
を支える病院及び地域の医療・介護のマンパ
ワーが必要であり、地域の実情についても考
慮する必要がある。
<各県の主な意見>
(6)に関する主な意見
各県とも次期診療報酬改定における入院医療
・ 地域の特性に応じた柔軟性のある医療提供体
の評価と、医療法改正案として提示された病床
制を構築しようという考えは評価できるが、
の医療機能報告制度に関しては慎重な議論が必
実際の運用は地域の財政状況に引きずられて
要と捉えており、次のような意見があった。
いるのが現状。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
・ 医療機関を集約するのではなく、現在ある
部会がまとめた「次期診療報酬改定における社
個々の医療機関を活用する道を探るべきで
会保障・税一体改革関連の基本的な考え方」の
はないか。
中で、回復期には中医協でまだ承認されていな
・ なぜ、「カクテルグラス型」医療提供体制と
い入院分科会の中間まとめの内容が反映されて
なったかの検証が必要。地域医療ビジョンの
いたため、急変時はまずは急性期であるとして
策定には、各県ごとに又 2 次医療圏ごとに「カ
日医・四病協による合同提言を基に申し入れた。
クテルグラス型」となっている現状の医療提
次回からの実際の議論の場でも反映していきた
供体制の把握と 2025 年の姿を比較し、そし
いと考えている。
て既存病床数との整合を図る必要がある。
慢性期医療については、18 年度、20 年度改
・ 適正化の名のもとに過去のように医療現場の
定の際にこれまでの特殊疾患病棟・障害者病棟
混乱を招くものになってはならない。
から療養病棟へ転換した場合、一定期間点数を
・ 各地方が地域の実情に合わせて医療制度等を
増加する話であったが、調査の結果、特殊疾患
設計できるように地方に任せることは基本的
病棟や障害者病棟から療養病棟へ転移した所は
に望ましいことである。一方、医療費の削減
殆どないという結果が出ている為、この部分に
を目的としたり地方を切り捨てたりする危惧
ついては外しても特に問題ないのではないかと
もあるので、そういうことのないように制度
考えている。
設計・財政支援等をお願いしたい。
・ この制度の導入により、現場に混乱を招くこ
とのないよう慎重な議論が必要。
■福岡県
一体改革の中で特殊疾患病棟や障害者病棟等
がどこの分野に入るのか、今は一般病棟に入っ
□日医 鈴木常任理事
ているが、将来どうなるか決まらない中で経過
亜急性期、療養病床の問題であるが、厚労省
観察を無理やりはずす事は、大きな混乱が生じ
は現在の病室単位の算定方法から今後は病棟単
ると考える。日医としての見解を伺いたい。
位での算定とし、7 対 1、10 対 1 病床数が多い
現状、いわゆるワイングラス型から、ワイング
□日医 鈴木常任理事
ラスの柄の部分である亜急性期と回復期を増や
今回は本体部分を改定するわけではなく、7
し太くする予定である。
対 1 を減らすというのが厚労省の一番大きな狙
地域医療ビジョンについては、次期診療計画
いである。その受け皿として亜急性期病棟を増
の策定時期である平成 30 年度待たず、平成 27
やすことと理解頂きたい。特殊疾患や障害者病
年度に前倒しを考えているようである。各都道府
棟へ転移は可能性があるが、本体の改定ではな
県において 2 次医療圏ごとに基準病床数をきめ
いという事を理解頂きたい。
細かく決めていきたいようであり、今後は中央
での管理を強化(イギリス型・フランス型)の
■佐賀県
方向で検討しているのではないかと考えている。
日本の今の医療制度で一番苦労しているのは
厚労省は病床機能報告制度について、地域医
現状 13 対 1、15 対 1 の体制をとっている中小病
療ビジョンは法改正を伴う制度であり、来年 4
院である。その中小病院の点数を削っておきな
月の診療報酬改定に間に合うものではなく、診
がら、7 対 1 を必要としない病院まで算定してい
療報酬としては先立って、入院医療分科会の議
る医療の現状をもう少し認識して頂きたい。
論や前回診療報酬改定での急性期入院料の検証
大病院や国公立病院で、急患で受診すると、
を進め、来年度の改定を行う方向で考えている
救急管理料や ICU といった施設基準を満たし
ようである。
ていることから一晩 10 万円程度となる場合が
先日の中医協では社保審医療部会・医療保険
あるのに対し、中小病院で同じ診療内容でも全
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
く点数が異なる。同じ医療内容なのに施設基準
中医協、四病協、病院部会等の会議の中でも一
が異なるだけでこうも違う今の医療の現状を日
切議論されていない。大病院や四病協の国公立
医総研等を活用して、もう少し国民に理解して
病院並みの大病院に水準を合わせ、その生き残
頂くべきである。
りのための議論ばかりで、13 対 1、15 対 1 の
点数の引上げについて、または、中小病院や有
□日医 鈴木常任理事
床診療所に看護師が配置されるような体制作り
療養病床の増床については、今後の在宅医療
について全く議論されていない。
の推進と介護施設のこれからの方向性によるも
結局、13 対 1、15 対 1 の中小病院はいずれ
のと考えているが、日本の場合、急速に高齢化
有床診療所にならざるを得えず、今は有床診療
が進む為、今後在宅だけでみるというのは不可
所に対する環境づくりの対策を頑張っている。
能な状況であると考えている。今後は、やはり
今の流れではいずれ必ず中小病院は潰されると
施設や入院で診ていくことになると考えてい
考えているが、本気になって、総理、厚労大臣、
る。入院は高度急性期病院ではなく中小病院や
日医会長が本腰を入れればまだ間に合うものと
地域包括ケアで診ることが理想である。国とし
考えているが、現状はそこにまで至っておらず、
ても在宅や施設の急変が救命救急センターに行
全国の有床診療所が議連を作ってまで懸命に意
かないようにという考え方は共通しているが、
見を述べている。
国としては亜急性期で対応と考えているようで
現在の中医協委員は日医から一人である為、
ある。亜急性期の 13 対 1 となればそれなりの
意見を反映しようがない。その他の中医協の委
対応しかできず、現場を理解していない机上の
員は殆どが国公立病院並みの大病院の先生方で
意見を無理やり押し付けるようなことに対して
あることから、全国の隅々で頑張っている先生
は今後も抵抗していきたいと考えている。
方を守るよう努力しているが、中医協でも非常
今後は亜急性期病棟の単価が大きな争点にな
に取り残されているのが現状である。
るものと考えており、国が本気で亜急性期を増
これからも有床診療所、中小病院が多い九州
やそうと考えているのであれば魅力的な算定内
から声を上げていただきたい。
容となるものと考えている。
また、国は無理に 7 対 1 のハードルを高くし
ており、急性期について平成 19 年度の議論で
は「不安定な状態から治療にある程度安定した
(7)地域ネットワーク構築のための医療情
報交換に関する加算(福岡)
【提案要旨】
状態に至るまで」としていたものを今回「複雑
検査や処方などの医療情報を診療所と病院と
な病態をもつ急性期の患者に対し、高度な医療
が共有のための取り組みが全国で試みられてい
を提供すること」という文言に変更しており、
る。各医療機関が独自に把握している診断名、
明確に減らそうとしていることは明らかであり
検査成績、処方内容、副作用情報等を電子的に
批判していきたいと考えている。
共有できれば、無駄が少なく円滑な医療が提供
しかしながら、国とも考えが共通している部
できると思われる。この取り組みを推進してい
分が多い為、今後は大きな地域包括ケアとして
くための診療報酬上の加算をお願いしたい。
見た場合に、急変の対応を急性期とするのか亜
急性期とするのかが相違点であり、今後の大き
(8)同一医療機関の複数の診療科に対する同
一月の診療情報提供料算定について(佐賀)
な争点と考える。
【提案要旨】
□日医 藤川常任理事
同じ月の同一医療機関の複数の診療科の受診
日医に役員になった最大の目的は 13 対 1・
に対して、各々に診療情報提供料を算定するこ
15 対 1 を守ることであったが、現在は日医、
とは不可とされている。
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2013
確かに、同一疾患について複数の診療科の受
れておらず、問題点等も解決していない。例を
診を要することはあり得るし、CT や MRI 検
あげれば医療従事者は守秘義務が課せられてい
査などを放射線科に依頼し、その結果などから、
るが、IT 関連者は守秘義務がない事や、日医
同一月に同じ医療機関の別の診療科に入院とな
認証局の患者情報へのアクセス関連、マイナン
ることもあり、多少の理解も出来なくはないが、
バー制度の連携等を解決していき、それからベ
ほとんどは異なる疾患の診療を依頼するケース
ースとなるような土台を固めてから検討したい
かと思われる。また、たとえ、前記のような同
と考えている。
一疾患であっても、診療科別に依頼する診療内
また、企業の利益の源にならないような工夫
容は異なるため、それぞれの科に対し診療情報
も検討する必要がある。
提供書を書いていると思われるが、その労力に
同加算について、まずは条件整備が必要と考
対する対価は評価されていない。同一月の複数
えられることから、次期改定での加算というこ
回算定を認めるべきである。
とではなく次々回以降の改定で検討したい。
同一医療機関の診療情報提供料についても、
(7)、(8)については関連している為、一括協
議された。
今後繰り返し訴えていく事で妥当性が認められ
ていくものと考える。このような意見が全国か
ら集まるようなら、要望事項の優先順位を上げ
<各県の主な意見>
て、議論をしていきたい。
各県とも情報交換に関する加算を設けること
については概ね賛成の意見であったが、以下の
(9)診療所の個別指導、集団的個別指導の
類型区分について(長崎)
ような課題についても意見があった。
・ 情報の共有を享受できる医療機関とそうでな
【提案要旨】
い医療機関に格差が生じることから、加算の
個別指導、集団的個別指導に関して、被指導
内容については慎重な議論が必要。
医療機関の選定理由が高点数であった場合、そ
・ 情報を共有することで検査、処方等の重複を
の選定の拠り所は、その医療機関が主に標榜し
省ける一方、高齢者等同一患者で複数疾患に
ている診療科に応じて前もって区分された、以
対する治療管理が必要な場合、「主病はひと
下の表の 12 種類の類型区分のいずれかの中で
つ」の考え方で医学管理料等が機械的に査定
の高点数である。
されることがないように注意が必要。
しかし、例えば、8. は、形成外科と皮膚科が
同一の類型区分に割り当てられているが、そも
また、同一医療機関の複数診療科に対する同
そも両科では患者一人当たりの診療単価が異な
一月の診療情報提供料の算定については、各県
るのではないか。あるいは、3. は内科の透析無
とも提案県と同様、その労力に対する評価を求
しの在宅(在宅療養支援診療所)であるが、内
める意見であったが、その一方では医療機関が
科以外でも在宅は行っているといった不安・不
収益目的で、些細なことでも情報提供書を作成
満を、機会あるごとに会員から再三耳にする。
する等、制度を逆用することも懸念されるとの
各県におかれても同様の不満が会員から挙が
意見があった。
っていないか伺いたい。
当県としては、この類型区分は不完全であり、
□日医 鈴木常任理事
平等性に乏しいことから、九医連全体の懸念事
ネットワーク構築の為の医療情報加算につい
項として、日医を通じて厚労省へ再検討を再度
ては、日医総研の担当研究員にも確認したが、
お願いできないかと考えているが如何か。
国が定めたベースとなるような法律等は整備さ
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-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
<診療所の類型区分>
1. 内科(透析有)
主として人工透析を行なうもの。
(内科以外で、主として人工透析を行なうものを含む。
)
2. 内科(透析無:その他) 主として人工透析を行う内科を除き、呼吸器科、消化器科(胃腸科を含む。)、
3. 内科(透析無:在宅)
循環器科、アレルギー科、リウマチ科を含む。
4. 精神・神経科
神経内科、心療内科を含む。
5. 小児科
6. 外科
呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、小児外科、こう門科、麻酔科を含む。
7. 整形外科
理学療法科、リハビリテーション科、放射線科を含む。
8. 皮膚科
形成外科、美容外科を含む。
9. 泌尿器科
性病科を含む。
10. 産婦人科
産科、婦人科を含む。
11. 眼科
12. 耳鼻咽喉科
気管食道科を含む。
(10)関係法令に基づく医療機関の行政指導
体制の在り方について(鹿児島)
行政の組織上の横連携の欠如を是正していただ
き、効率且つ適切で、広く普遍性のある指導・
【提案要旨】
調査体制を整備していただくよう提言していた
今年 6 月に行われた本会代議員会において、
だきたい。
保険医療機関における指導及び調査・検査体制
本件について日医の考えと各県のご意見を伺
について要望が出されました。要望された会員
いたい。
の病院では、昨年、地方厚生局等による①保険
個別指導、その翌月には保健所による②医療監
視、更に今年に入り、地方厚生局による③適時
(9)、(10)については関連している為、一括
協議された。
調査、そして保健所の④医療監視と 2 年間で計
4 回の指導が行われたが、各指導における確認・
<各県の主な意見>
指導事項は重複する内容も多く、今の行政指導
(9)について、九州 8 県中 6 県から会員よ
の非効率的欠如と連携の不足は否めず、そのこ
り不満があるとの報告があった。
とで医療現場は翻弄されている。是正に向けた
類型区分を見直すに当たっては、次の意見が
要望をお願いしたいとの内容でありました。
あった。
我々が医業を行う上で、健康保険法や医療法
・ 平均点数の算出方法が全く公表されていな
等の様々な関係法令により日頃から指導管理を
い。選定基準は「指導大綱」の根幹をなすも
受けております。国民の健康を守るという重大
のであり、透明性を担保し公正・公平性を条
な責務を課せられた我々にとって、ある一定の
件としなければ指導・監査の正当性とその根
法的制限を受けることは当然のことであります。
拠を脆弱化させる要因になっているとも云え
しかし、行政指導体制の在り方により、医療
る。現在の多彩な医療提供体制に即した精緻
の現場が、事務的、時間的にも、そして精神的
な類型区分への再検討を期待したい。
にも重複した負担を強いられていることは問題
・ 診療所の類型区分はその類型の平均点数が個別
であり、またそのために患者の治療に支障を来
指導等の選定基準の根拠となるので、診療の実
してしまっては本末転倒であります。
態を正しく反映するものでなければならない。
日本医師会におかれましては、厚労省に対し、
・ 改正によってはさらに厳しい指導へと改悪さ
- 37(1393)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
れる心配もあるので、慎重に対応していただ
■鹿児島県
きたい。
適時調査は医師会に通知が一切ない為、会員
・ 類型区分の見直し、自院の類型区分の確認は
より情報を得ている状況である。
当然のこととして、可能な限り選定基準の開
適時調査についても医師会へ通知するよう、是
示もお願いしたい。
非、日医から厚労省に働きかけていただきたい。
(10)について各県からは、各行政機関によ
□日医・鈴木常任理事
る指導が重複する内容であるにも関わらず、根
日医としても医師会に通知するよう厚労省へ
拠法が異なることや、縦割行政により連携が取
今後も働きかけを行っていきたい。
れないことを理由に医療機関はその都度、大き
な負担を強いられており、指導が効率的に行わ
(11)配置医師の実態と医療行為について
(熊本)
れるように日医から厚労省へ強く働きかけるよ
う要望があった。また、要件を満たさない場合
【提案要旨】
は 5 年遡って返還となる適時調査については、
介護老人福祉施設や指定障害者支援施設など
早急な是正を求めるとの意見があった。
医師の配置が義務付けされているいわいる「配
置医師」の医療行為について、ここ数年来会計
□日医 鈴木常任理事
検査院の立ち入り調査と指導が 頻繁に行われ
累計区分は、平成 7 年に改正がされてから約
ている。
17 年たっており、様々な意見等があるが、本
熊本県では、各施設の配置医師の現況と医療
格的な改正を行うとなると中医協に図らなけれ
行為の実態について調査した。県下 215 施設
ばならない為、かえって厳しくなる可能性を秘
における配置医師は 264 名(延べ人員 301 名)
めており、現在は運用で対応して頂いている。
で医師会員 194 名、非会員 53 名であった。指
25 年度以降の類型区分については、各ブロ
定障害者支援施設など医療機関との直接契約も
ック推薦の先生方と意見交換をしているが、そ
17 件あった。配置医師は週 1 回程度の回診で
のままの区分で良いという認識で共有してい
入所者の健康管理、定期健康診断や予防接種、
る。皮膚科に形成外科が含まれていることや、
処方箋の発行、臨時の往診および処置「ターミ
また内科だけに在宅が入っているのは当然納得
ナルケア」から「看取り」までの医療行為につ
がいかないという意見もあると思うが、そこを
いて、また施設内の医務室、医薬品、医療機器
調整するとさらに細かく分類される恐れがある
の整備状況や出動日数、出動時間および配置医
ので、今後詳細な分類が必要ということであれ
師の委託料等はさまざまな調査結果であった。
ば、九州ブロックの意見として日医へ連絡を頂
配置医師の療養の給付については厳しく制限
きたい。
されており、医療ニーズの高い要介護者が増加
もう一つは行政の縦割りの問題であると考え
するなかで、これらの施設における医療提供の
ている。行政内部の情報交換は以前からお願い
在り方を再検討する必要があると指摘する意見
はしているが、状況は中々改善されていないの
も多い。
が現状のようである。
この問題における各県の現状とご意見および
適時調査については、立会の情報もまったく
日医の見解をお伺いしたい。
得られないが、県によっては高点数の医療機関
が個別指導と適時調査のどちらも対象になると
<追加意見>
いったケースがあるようである。
■沖縄県 平安理事
本県では平成 25 年 4 月現在の配置医師の状
況 は、 施 設 数 は 112 施 設 で 嘱 託 医 は 187 名、
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
そのうち 133 名が会員となっており、他県と
2013
(12)認知症患者の身体合併症発生時の対応
について(大分)
同様な状況である。
また、今年の 1 月 28 日から 2 月 1 日に行わ
【提案要旨】
れた会計検査院の実地調査では、7 医療機関に
認知症患者が身体合併症(消化器や循環器、
対して調査が行われた結果、やはり再診料、特
整形外科疾患など)を発症し入院が必要になっ
定疾患療養管理料等の不適切な算定について指
た場合、受け入れ先の医療機関より認知症のケ
摘があった。会計検査院の指摘によっては厚生
アが困難という理由で入院を拒否されたり、家
局も動くことになるので、医療機関とっては負
族の付き添いを暗に要求される場合がある。
担になる。
受け入れる医療機関側にもそれぞれやむを得
また、みなし配置医師の問題等、医療機関に
ない事情もあるが、このような事態に備えて何
十分周知されていない部分もあり、会員に対し
らかの対応策を講じているか、各県の状況を伺
て情報提供を行っているところである。
いたい。
<各県の主な意見>
<各県の主な意見>
施設における配置医師の保険請求について
認知症患者の身体合併症については、基本的
は、医療保険と介護保険の給付調整により範囲
には認知症疾患医療センターでの対応となる
が定められているうえに、当該施設からの報酬
が、同センターの整備が遅れている地域や、治
も十分とはいえず、各県ともに配置医師の医療
療に急を有する場合には対応可能な総合病院等
提供のあり方について検討、見直しを求めてい
を紹介する等、各県における対応状況について
る状況である。
報告があった。
また、各県における配置医師の状況並びに会
また、県によっては認知症に関する医療従事
計検査院による指導及び指摘内容について報告
者向けの研修会を検討中、或いは開催している
があった。
旨、報告があった。
□日医 鈴木常任理事
□日医 鈴木常任理事
国は看取りの場を「病院から在宅へ」という
認知症は国の想定を上回る勢いで増えてい
ことであるが、厚労省が中医協に提出したデー
る。認知症患者の身体合併症については通常、
タによると、在宅での看取りの割合は 12%と
認知症疾患医療センターで対応することになる
むしろ減少しており、老健、老親ホーム、特養
が、整備が行き渡っているところは少ないので、
等の施設での看取りが増えている。
このような問題が生じるものと思われる。
これからは自宅や施設での看取りを増やそう
厚労省としては今年度から認知症施策推進 5
ということなので、今後の在宅の問題点として
か年計画、いわゆるオレンジプランを策定して
は、中重度の方の在宅をどう支えるかである。
おり、その中には病院勤務の医師や医療従事者
診療所や施設の当初の目的、役割が次第に変わ
に対する認知症ケアに関する研修や、医療機関
ってきているので、徐々に医療保険の分野が広
で対応困難な事例があった場合には専門家を病
がると思う。
院に派遣することも含まれているようである。
しかし、施設における療養の給付については、
認知症は精神疾患であるが、精神科だけでは
介護保険と医療保険との縦割りの部分もあるの
対応しきないくらいに増えてきているので、今
で、なかなかすぐには進まない。歯がゆいよう
後はかかりつけ医の役割として、出来るだけ多
な遅々たる歩みではあるが、先生方の苦労に報
くの方で対応していかねばならない。今は過渡
いる方向で進めるように取り組みたいと考えて
期であるが、かかりつけ医機能の充実も重要で
いる。
ある。
- 39(1395)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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(13)保険診療における在宅医療の適正化を
阻む「患者斡旋ビジネス」問題について(福岡)
2013
とした在宅医療ネットワーク等の構築が重要と
の意見があった。
【提案要旨】
昨年 9 月の本協議会にて報告した、サービス
□日医 鈴木常任理事
付き高齢者向け住宅等における悪質な「患者斡
中医協では外来医療、入院医療、在宅医療の
旋ビジネス」問題について、類似の事例が日本
3 つに分けて議論されているが、在宅医療の第
医事新報の 24 年 10 月 27 日号の OPINION 欄
1 回目に在宅医療の不適切事例として話があっ
で「二極化する在宅医と患者紹介」と題したコ
た。最初に話を出すくらい厚労省は問題意識を
ラムで紹介された。
持っていると考える。個人的には急激に増えた
この問題は、平成 25 年 2 月 20 日の参議院
サ高住に医療サービスが追いつかない状況を埋
予算委員会質問の中で取り上げられ、更に、田
めるような形でこのような斡旋業者が出てきて
村厚労大臣から「在宅患者紹介ビジネス」につ
いるものと考えられる。私も朝日新聞から取材
いて調査する旨の回答を頂いており、それを基
を受けたが、悪いのは業者であって、医師は利
に政府部内で有効な対策が講じられることが期
用されているケースが多いと考えられ、在宅の
待される。この様な「患者斡旋ビジネス」は全
推進を阻害するような記事にはしないように話
国的な広がりを見せている可能性があり、正当
をしている。
な診療報酬体系を阻害するこのような金銭授受
厚労省は 23 年度に「在宅医療における患者
(実例として月に患者 1 人あたり 1.5 ~ 2 万円、
紹介等について及び特別訪問看護指示書の交付
あるいは診療報酬の 2 割が医療機関から業者に
について」通知を出しているが、今回「在宅医
支払われている)は、モラルハザードとして医
療における患者紹介等の報告様式について」通
療と介護の健全な連携を損ない、一方ではフリ
知を出した。このような事例があれば厚生局ま
ーアクセスについての患者の権利を侵害するも
で、是非ご報告頂きたい。今後、そのような事
のである。
例が早く集まるようなら中医協の議論で改定に
このような問題を解決するために、地域医療
反映されることも考えられる。
において量と質を兼ね備えた在宅医療ネットワ
厚労省保険局の宇都宮課長からは集合住宅へ
ークを早急に構築することが地域医師会に求め
の訪問診療の点数を下げるような話も出された
られており、その責任は重大である。また、残
が、それは早計すぎるとして申し入れた。いか
念ながら法制面の立ち遅れから医療・介護両面
に不適切事例を排除する仕組みを地域で作るか
について行政からの適切な指導が有効に行えて
と思うが、やはり医師会が地域においてコント
おらず、早急に法的拘束力のある立法措置を講
ロール仕組みが必要だと思う。在宅支援診療所
じて頂くことが望まれる。
の先生方を始め、在支所以外で在宅をやってい
各県でのその後の実態はいかがなものか、ま
る先生方も取り組むことで、多くの情報が得る
た医師会として対応すべき予防も含めた対策に
ことができるし、医師会としても行政と連携し
ついてご教示願いたい。
て動ける仕組みを作ることで自浄作用を地域で
発揮できるようにしていただきたい。地域の中
<各県の主な意見>
でコントロール出来る仕組みを作って欲しいと
このような事例について、各県とも表面化は
思う。
してはいないが、完全にゼロとは言い切れない
のが実情のようである。しかしながら、現状で
■福岡県
は法的な指導が難しい部分でもあることから、
厚労省からの報告書式について、福岡県では
各県とも対応に苦慮しているとの報告があっ
直接厚生局に報告するのではなく、いったん医
た。対応策として数県より、郡市医師会を中心
師会に集め、情報収集して、対策を講じること
- 40(1396)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
が出来るものは自浄活性化として利用したいと
□日医 鈴木常任理事
考えている。
現行においても、保険会社が特定のサービス
を提供する事業所を顧客に紹介し、サービスの
□日医 鈴木常任理事
購入を希望した場合には、保険金を受取人では
医師会が関われるのであれば、是非入ってい
なく事業者に対して支払うこと自体は禁止され
ただきたい。
ておらず、それは止められないが、問題は生命
今後の改定議論の中で押し出せるようなお話
保険における現物給付である。金融庁の金融審
があれば、日医へご連絡頂きたい。
議会が取り纏めた報告書では、生命保険の現物
給付の解禁については、将来の検討課題として
(14)サービス提供事業者への保険金直接支
払い解禁について(福岡)
先送りしているようだが、実際はかなりハード
ルが高いようである。
【提案要旨】
厚労省は金融庁から相談が無かったようだ
平成 25 年 6 月 7 日、金融庁は「保険商品・
か、実際に商品としては成立し辛いのではない
サービスの提供等の在り方に関するワーキン
かと見ているようである。確かに生命保険で現
グ・グループ」において、保険金を保険加入者(契
物給付が認められると民間保険で自由診療、保
約者)ではなく、サービス提供者である医療機
険診療は公的保険となるが、民間保険の問題点
関に直接支払いする方針を示している。
は、サービス内容に関して民間保険会社が審査
これは、保険会社が医療機関等に直接支払い
を行うが、審査の結果によっては、支払われな
をすることから、自動車保険・自賠責保険の一
いこともあり得る。また、保険会社が医療機関
括払いに酷似した仕組みとなっており、運用上
と個別に契約を結ぶことになるので、選ばれる
は、現在保険業法等で認められていない「現物
ところ選ばれないところが出てきて、安くする
給付」となんら変わりがない。また、ワーキン
ところを選ぶというアメリカ方式、保険者が医
グ・グループ委員からは、「直接支払いサービ
療を支配するということになりかねず、フリー
スは現物給付に向けた一歩である」との発言が
アクセスの阻害にもなることから、トータルで
あっている。
認められない話だと思う。一気にそのような話
これが実際に導入されるとなると、民間医療
にはならないと思うが、国は 10 月早々にも医
保険がさらなる市場拡大を図ることとなり、ま
療政策を含む経済政策パッケージを発表するよ
た、現在「規制改革実施計画」において保険外
うである。我々の意見が届かないようなところ
併用療養費制度を拡大する動きがあることに加
で議論が進んでいるようなので、今後このよう
え、TPP への参加によって、これらが民間保
な流れがどのように含まれるのか、注視してい
険会社の医療業界への参入及び拡大を助長する
かなくてはならない。
形となり、公的医療保険・国民皆保険制度を脅
日本の公的医療保険制度は非常に恵まれた制
かすことになりかねない。
度であり、制度が崩壊すると困るのは国民であ
本件についての九州各県のお考えと、日医の
る。我々は、自分の利益の為ではなく、毎日、
見解をお伺いしたい。
目の前で診療している方々が医療を受けられな
くなるような制度にしたくないという使命感で
<各県の主な意見>
動いている。日医としてもしっかり対応してい
九州各県とも、サービス提供事業者への保険
きたいと考えている。
金直接支払制度の解禁が将来、国民皆保険制度
に大きな影響を及ぼすこと危惧しており、この
□日医 藤川常任理事
件に関する日本医師会の見解を求めた。
この問題は自賠責保険の問題と非常に酷似して
いる。自賠責保険の 2 階建ての部分に任意保険が
- 41(1397)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
あるが、任意保険の中に人身傷害補償保険がある。
しかしながら、現実には介護保険は株式会社
その定款に健康保険(公的保険)を使うという努
が既にやっており、これは止めようがない。今
力義務が入った。自賠責保険の交通事故を最初か
度はこれを医療保険に持ってこようということ
ら健康保険を使わせるということで、我々、自賠
である。アフラックのがん保険などは患者に保
責保険の担当としては長年戦ってきた。全国調査
険金を支払うのではなく直接医療機関に支払わ
によると自動車事故で健康保険を使わせておきな
れており、現物給付は現実的には破られてい
がら、救償していないという問題が生じている。
る。他の疾患についてもこれに準じて可能とな
調査をしてみると国公立病院や、社会医療法人と
れば、医療機関は医療費の未回収が無くなるこ
いう公的なところでは、自由診療は健康保険を使
とになる。これは自動車保険の一括払いにあた
うように指導しているようである。
る。それがついに健康保険にきたということで、
今回の直接支払制度の問題は、最初は介護保
私は違和感がない。この問題は本当にゆゆしき
険の外出し部分を民間保険でやろうという話で
問題であると考えている。例えば先生方にとっ
あった。この件について、厚労省はいっさい関
ては合併症はダメとか、元々糖尿病を持ってい
知していないということから、石川常任理事と
たのに事前に申告しなかったからダメとか様々
私の 2 人で主管である金融庁に調査に行った。
な問題が出てくる。患者にとっても非常にやり
金融庁は「国民皆保険制度を揺るがすつもりは
づらい。治療したくても加入している保険の対
さらさらない。あくまでも外出し部分の話」と
象疾患に含まれていないから治療出来ない等の
回答があったが、「国民皆保険の崩壊につなが
問題が出てくる。しかし今の医療保険はどんな
る現物給付は認めない」ことを石川常任理事と
病気であろうと何でも診ることができる。この
2 人で確認をしてきた。その結果、金融庁の報
ような保険は世界にはないので、これを絶対に
告書の一文に「生保における現物給付は今後の
守らなくてはならないという認識で日本医師会
課題」の文書が付け足された。当初はいっきに
はもちろん一致している。
行くということで、経産省と金融庁の大きな流
れがあった。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
印象記
理事 平安 明
去った平成 25 年 9 月 28 日に ANA クラウンプラザ沖縄ハーバービューにて平成 25 年度第 1 回
九医連各種協議会・医療保険対策協議会が開催された。日医より鈴木邦夫常任理事と藤川謙二常
任理事が参加され、各議題に関してコメントをいただいた。協議事項は全部で 14 題あったが、効
率的に会が進行するように関連した内容については一括協議された。
今回の協議会では、次年度に診療報酬改定があるため、診療報酬関連の議題が 8 題取り上げら
れ関心の高さが窺われた。鈴木常任理事によると次期改定は一見通常改定のように見えるが、日
医も非常に大きな改定であると考えているとのこと。どの点が重要かというと、まず、社会保障・
税一体改革を受けた国民会議の報告書に沿う形で、病院の機能分化について前倒しで議論されて
いるという点である。国民会議報告書では看護配置基準 7:1 の急性期病院を削減し、亜急性期
を増やすといった内容であるが、厚労省は在宅や施設の急変患者も亜急性期で診ると考えており、
急変患者はまず急性期で診てから次に移すべきとの日医や他団体との考えに相違があり、今後議
論が必要となってくる。今回改定に当たって特徴的なのは、この医療提供体制に関しては日医と
四病協が一致して合同提言を出していることである。どの団体も今後の医療提供の在り方として
非常に大きな問題と認識していることの現れである。今回の改定作業の成り行きのみならず、医
療法改定に関わる事項もあるため、今後の動向を注視する必要があると強く感じられた。
次に消費税の問題である。来年 4 月から 8%に引き上げられる見込みだが、中医協消費税分科
会の中間報告では、医療機関の高額投資(建替えや高額機器購入等)への対応は、診療報酬と別
立てで行わず、初再診料や入院基本料等の基本診療料に上乗せと個別項目への上乗せを組み合わ
せて対応する方針が示され、おそらくそのように進んでいくであろうとのことであった。
他にも重要な議題が取り上げられたが、詳細は議事録をご参照いただきたい。 今後非常に重要となってくることも多く、会員の皆様には、関心を持って国や日医の動向を注視
していただきたいと思う。
今年度は当県が担当県であったため、どちらかというと、会の運営の方で大変苦労も多かった
と思う。医師会事務局の皆様、本当にお疲れ様でした。
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沖縄医報 Vol.49 No.12
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2013
4.介護保険対策協議会
副会長 安里 哲好
常任理事 宮里 善次
理事 比嘉 靖
挨 拶
協 議
○沖縄県医師会 安里哲好副会長
(1)要支援の介護保険はずしにどう対応す
本協議会では、要支援の介護保険はずしに関
べきか(大分)
する議題や、特養に係る診療報酬の問題等、非
<提案要旨>
常に多岐にわたる協議題が用意されている。各
平成 25 年 4 月 22 日に開催された「社会保
議題について各県よりご意見を賜るとともに、
障制度改革国民会議」の論点整理で、「要支援
ご多忙の中、本協議会にご出席いただいる日本
の介護保険サービス廃止(要支援者約 150 万人、
医師会の三上常任理事より、コメントあるいは
要支援者のサービス費用 0.4 兆円)」を打ち出
アドバイスを頂戴したいと考えている。
した。引き続き開催された社会保障審議会の介
本協議会の協議が、会員のための一つの指標
護保険部会でもこれに同調する意見が出た。平
となれればと考えているため、忌憚のないご協
成 22 年に続き 2 回目であり、次期改定の平成
議の程、よろしくお願いしたい。
27 年度からの介護保険見直しで実現する可能
性が高いと考えておく必要がある。
○日本医師会 三上常任理事
介護保険制度開始時に要支援を介護保険サー
介護保険について 2025 年に向けてどういう
ビスに組み込んだのがそもそも間違いであった
社会を作っていくか、制度の不整合があれば
とする意見も当初からあり、我々医師会として
我々の力で改善していきたい。
は、どう対応すべきであろうか。
本日は、様々なご意見を拝聴できるのを楽し
現在の要支援者に対するサービスが有効か無
みにしている。
効かを一律に判定して廃止するという方向性
は、現場を知らない者の論理と言わざるを得な
い。要支援者を分類すると、①認知症や独居等
の状態にあり、現在の介護サービスでかろうじ
- 44(1400)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
て在宅での生活を維持できているが、このサー
予防給付がなくなれば、事業者の経営にも大
ビスがなくなると、悪化して施設に入所せざる
きな影響を与えるが、何よりも居宅サービスを
を得なくなる、②現在の介護サービスがなくな
利用している要支援の方々の生活の質を落とす
っても、家族等の支援で何とか在宅での生活を
ことになる。
維持できる、③現在の介護サービスは本人や家
今後、予防給付の取扱いがどのようになるの
族にとって過剰サービスであり、なくても在宅
か情報があれば御教示いただきたい。
での生活を維持できる、またはない方がむしろ
(1)(2)一括協議
悪化を防ぐことができる、等のグループに分け
ることができる。
<各県回答>
我々は今のうちからこの 3 つのグループを
各県とも、要支援の介護保険はずしを懸念す
選り分ける方法を検討しておく必要があると考
る意見であり、その対応として、主治医意見書の
え、その一つの方法を検討した。
記載の充実に取り組むとともに、福岡県医師会
「主治医意見書」に具体的な問題行動等の記
より、審査委員会との関わり方について改めて
載を行うことによって、認知症の程度判定の信
検討を加えてはどうかとする意見があげられた。
頼性を高め、介護認定審査会で他職種の認定審
主治医意見書の充実については、予診票の記
査会委員を納得させた上で、①のグループを要
載及び主治医研修会における教育について意見
介護 1 に判定することが現時点では最善の対応
があがり、予診票の家族の記載率の低さや、主
と考える。
治医研修会に積極的に参加する医師よりも参加
日医の見解及び各県のご意見を伺いたい。
しない医師の問題についても併せて検討してい
く必要があるとの意見が示された。
(2)次期介護報酬改定における予防給付の
動向について(鹿児島)
また、審査会との関わり方については、福岡
県医師会より研修会に講師を派遣する取り組み
<提案要旨>
について報告があった。
4 月 22 日に開催された第 10 回社会保障制度
次期介護報酬改訂における予防給付の動向に
国民会議において、予防給付に関し、「軽度の
ついては、全国一律であった制度が市町村に移
高齢者は、見守り・配食等の生活支援が中心で
行されることによって、サービスの格差が生じ
あり、要支援者の介護給付範囲を適正化すべ
ると懸念する声があがった。
き。具体的には、保健給付から地域包括ケア計
画と一体となった事業に移行し、ボランティア、
<日医コメント>
NPO などを活用し柔軟・効率的に実施すべき。」
認定審査会のあり方、主治医意見書の書き方
との意見が出ている。
の問題について、基本的には認知症の BPSD
予防給付の対象である要支援 1 と要支援 2 と
が 2 以上であれば要介護 1 となるが、主治医意
は、かなりの状態差があり、要支援 2 の方々は、
見書に問題行動の記載がないとなかなか要介護
状態の悪化を防止するために予防給付を受けて
判定はされないため、予診票等を利用すること
いるのでなく、生活に必要な部分を予防給付に
はいいと考える。
より補っていると考えられる。市町村事業に移
また、地域支援事業への移行についてだが、
行した場合、給付量は格段に下がり、要支援の
地域支援事業は介護給付の 3%まで予算がつく
方々の生活が支えられなくなるのではないかと
ことになっており、現在は 2,500 億円まで使っ
考えられ、社会保障制度国民会議で出された意
ていいこととなっている。しかし、自治体の体
見は、生活者の視点を欠いた発言ではないかと
力等の要因から実際使われているのは、1500
考える。 億円に留まっている現状にある。
- 45(1401)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
厚労省は自治体に、介護保険予防給付事業等
在医総管(在宅医療総合管理料)算定で 5,500
が移行しても予算は同じように確保(6,000 億
点程度の請求が可能である。
円)を行うこととしているが、自治体がきちっ
月 2 回往診するとして特養入居者では 136
と使ってくれるかは分からず、地域によって格
点、集合住宅入居者では 5,500 点前後と診療報
差が生じる可能性は十分あると考える。
酬に 40 倍以上の差が有る。一方では、たった
また法的に、介護給付と地域支援事業は 3%
一人の患者さんのために片道 40 分も 50 分も
と決められており、今回の予防給付の部分を
かけて往診に行く医師も少なくない。
何%とするかは、法律上定めなければならない
当局は、特養の嘱託医は嘱託手当で手当され
という作業があり、8.9%ぐらいが妥当と考える
ており、それは介護報酬に含まれていると説明
が、介護給付と比較して 3 倍は難しいと考える。
する。しかし特養経営者にそのような事情は理
地域支援事業には介護予防事業とともに、包
解されておらず、十分な嘱託医報酬を得ている
括的支援事業があるが、在宅事業、連携拠点事
嘱託医は少ない。
業も乗り込んでくるため予算の使い方がファジ
医療的な見地から見ると、特養も集合住宅も
ーになってくることが考えられる。県医師会は
その内容に差はないにも関わらず、診療報酬に
地区医師会とともに、予算の担保するよう努め
このような差が有るのは不合理である。これは、
ることが望まれる。
介護保険制度もなく有料老人ホームなど集合住
宅がまだ一般的でなかった頃に決められた制度
(3)特別養護老人ホームにおける訪問看護
等について(長崎)
で、現在のように高齢者の集合住宅が多くなる
と、両者の差を縮小する形で抜本的な改革が必
<提案要旨>
要と考える。
国はいくつかの理由で在宅での看取りを積極
「特養の嘱託医の診療報酬は嘱託手当で手当
的に進めている。都市部における看取り場所の
されており、それは介護報酬に含まれている」
不足や救急医療機関の飽和状態による機能不全
との説明には無理が有り、嘱託医も特養経営者
も理由の 1 つと思われる。そういう流れを受け
も納得できない。また介護報酬改定に際してそ
いわゆる居宅系施設と呼ばれるグループホーム
のようなことが議論された形跡もない。この際、
や有料老人ホームでも訪問看護を利用しての看
(介護報酬に含まれているという)嘱託医手当
取りが以前よりも見られるようになってきたが、
分を介護報酬から外し、新たに診療報酬に初診
より医療的重症者が多い特別養護老人ホームに
料、再診料、その他加算と言う形で付け替える
おいては、癌の末期にしか訪問看護が利用出来
ことを提案したい。
ないため施設での看取りに支障を来している。
現在の嘱託医制度だけでは現場のニーズに応
えられないと考えるがこの問題について日医や
(5)特別養護老人ホームにおける配置医師
の医療(診療報酬)について(熊本)
<提案要旨>
各県の意見を伺いたい。
最近、熊本県でも特別養護老人ホームにおけ
(4)特養や有料老人ホームの診察報酬の矛
盾について(宮崎)
る配置医師の医療(診療報酬)について問題が
起きている。たしか 2 ~ 3 年前に宮崎県医師
<提案要旨>
会より同様な問題提起をされたと記憶している
特養(特別養護老人ホーム)の配置医師は、
が、熊本県でも起こってきたというものであり、
その診療報酬として、再診料や往診料・管理料
今後は、他の県でも同様な問題が起こるものと
の算定は認められず、処方せん料の 40 点ある
だと考えている。
いは 68 点しか請求できない。一方、有料老人
配置医師となられているのは、大多数が医師
ホーム・サ高住等(集合住宅)入居者の場合は、
会会員であり、見過ごすことのできない問題と
- 46(1402)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
考える。基本的には行政(熊本県国保・高齢者
<日医コメント>
医療課)の考え方は、配置医師が特養で診察し
施設サービスは、病院であれば介護サービス
た場合、初診料、再診料も算定できず、使用す
を診療報酬で併給調整することになっている。
る医薬品、医療機材料も算定できないというも
介護保険施設は、介護報酬の中で併給調整され
ので、配置医師契約料にその料金が含まれ、医
ていることになっている。サ高住や有料老人ホ
薬品、医療機材は特養自体が購入するものであ
ームのように、介護報酬と診療報酬を両方併給
るというのが基本的考えである。
できるとなると、青天井になり、一人 100 万
このことは、配置医師契約料も高低さまざま
円以上等、とんでもない価格が出てくる。効率
であり、特養自体も医薬品、医療機材のストッ
的なサービスをするには併給調整のシステムは
クを持つというのは現実的でないと考えられ、
必要ではないかと考える。
医師会会員たる配置医師の先生たちの不安を解
基本的には、介護報酬の中に配置医師あるい
消する必要が出てきた。
は看護師の医療行為分は入っている。それは全
そこで、熊本県医師会も介護保険担当理事、
て特養という施設側に支払われる為、その中で
医療保険担当理事と共に行政と話し合いの場を
配置医師や看護師に報酬を支払うという形を理
持ちたいと考えている。今回は九州各県におけ
解しないと全ての施設サービスについては、理
る状況をご教示いただきたく本件を提案いたし
解が出来ない。全ての施設を介護報酬、診療報
ました。
酬の併給にすると非効率な形になるのではない
かと考える。
(3)(4)(5)一括協議
配置医師の報酬、置かれている立場が、非常に
低く見積もられていることについては、その通
<各県回答>
りであると考える。今後重症化していくと考え
各県ともに、特養における嘱託医については、
られるが、看取りについては、加算がつくこ
入所者が増加していく中で嘱託医制度での対応
とになっており、最後は 1280 単位、その前の
が不可能となりつつあることや、特養における
2 日間は 680 単位、30 日遡った 27 日間は、80
診療報酬については矛盾点が多く、適切な報酬
単位となっている。看取りについては施設に配
が得られるようにするべきとの意見があった。
置された看護師が、配置医師と看取りした場合
大分県より、特養配置医師を対象としたアン
に、看取り加算が取れることとなっている。評
ケート結果が報告され、報酬額に大きなばらつ
価は、徐々に言っていけば付いてくるだろうと
きがあり、各施設の事情等によって様々な状況
考えている。
がある旨の発言があった。
福岡県より、大分県と同様に特養配置医師を
(6)認知症サポート医の活動状況について
(大分)
対象としたアンケート結果が報告され、配置医
師は、診療所管理医師が半数以上を占めている
<提案要旨>
ことや、特養ホーム等に出務している間の自院
2012 年度から医療計画の中に認知症施策が
の状況については、休診としている旨の回答が
含まれ地域における認知症対策は高齢化の急速
半数を占めている事等について報告された。
な進行とともに喫緊の課題となっている。
また、福岡県より、「特養と有料老人ホーム、
2005 年から国立長寿医療センターが養成を
サ高住については、整理する必要がある。特養
開始した認知症サポート医は地域での認知症対
だけを見て諸問題について国に要望し、それが
策のコアとなるべき存在として期待されている
認められた時に、企業が参入してくることが考
が養成後の国のサポートは十分とは言い難い。
えられる。サ高住と同じような状況になるので
当県では 2012 年 6 月に認知症サポート医連
はないか。」との発言があった。
絡協議会を設立し現在県下 39 名の認知症サポ
- 47(1403)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
ート医全員が参加している。2012 年度は 3 回
事業」及び「認知症医療支援診療所(仮称)地
のフォローアップ研修と 3 カ所× 3 回のかかり
域連携モデル事業」については、各県の取組状
つけ医認知症専門研修を行った。
況に差異があることが示された。
また県医師会と県で専門研修を受講した地
福岡県では北九州市(政令指定都市)の精神
域のかかりつけ医と認知症サポート医、計 227
科のクリニックにおいて、「認知症医療支援診
名を「大分オレンジドクター」として認定し認
療所(仮称)地域連携モデル事業」が参加する
知症の相談を気軽に受けられる体制を整備しつ
こととなっており、今後は、北九州市に要請し、
つある。
県行政、郡市医師会、県医師会が運営協議会と
認知症サポート医の活動状況については地域
してオブザーバーに入ることとなっている。
差が大きいとの指摘があり、下記の点を中心に
鹿児島県医師会では、南大隅町において「認
各県の現状をお聞きしたい。
知症初期集中支援チーム等設置促進モデル事
業」に参加することとしている。南大隅町では、
(7)「認知症初期集中支援チーム等設置促進
平成 24 年度は在宅医療推進モデル事業を実施
モデル事業」及び「認知症医療支援診療所(仮
しており、平成 25 年度のテーマを認知症とし
称)地域連携モデル事業」について(福岡)
ており、肝属群医師会立病院がその一部を委託
<提案要旨>
する形でスタートする予定となっている。
厚生労働省では、市町村認知症施策総合推進
また、モデル事業に対して今までとおりの地
事業として「認知症初期集中支援チーム等設置
域連携で対応可能であり、あえて実施せずとも
促進モデル事業」及び「認知症医療支援診療所
よいのではないかとの意見もあげられた。
(仮称)地域連携モデル事業」を打ち出しており、
当該事業は今後の地域における包括的な認知施
<日医コメント>
策の中心となるものである。これらに地域医師
認知症サポート医の養成は多くされている
会が積極的に関与していくためには、県医師会
が、評価されていない。
からの情報発信も極めて重要であると考える。
認知症サポート医には、内科を中心に診るコ
本会では、福岡県高齢者支援課と情報交換を
ーディネータ型の医師と、神経内科・精神科の
始めたところであるが、未だ具体的な協議まで
専門医療と確定診断まで行う医師の二通りあ
いたっておらず、各県においての現状並びに今
る。「認知症初期集中支援チーム等設置促進モ
後の計画について情報交換をさせていただき、
デル事業」及び「認知症医療支援診療所(仮称)
日医のお考えもご教示いただきたい。
地域連携モデル事業」は、専門医型のサポート
また、今までは、認知症サポート医は地域の
医をおくことで評価が決まっている。
コーディネート役としての位置づけと考え、受
その他にも、市町村認知症施策総合推進事業
講者の選定を行っていたが、認知症医療支援診
があり、サポート医が支援推進員(コーディネ
療所には認知症サポート医が必置となるなど、
ータ)あるいは嘱託医という形で地域包括支援
専門医としての色合いが強く打ち出されている
センターの中に入って活用されるケースもあ
ように感じられる。今後の認知症サポート医養
り、診療報酬として評価されるのではなく、行
成について各県の見解をお伺いしたい。
政より人材費(非常勤)として評価されている。
我々としても養成だけするのではなく、ちゃ
(6)(7)一括協議
んと評価してもらいたいということを、審議会
等で要望しており動向について見守っていただ
<各県回答>
きたい。
認知症サポート医の活動状況について、また
それから県医師会としては、サポート医マッ
「認知症初期集中支援チーム等設置促進モデル
プ作りについて是非取り組んでいただきたい。
- 48(1404)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
(8)介護保険における在宅介護サービスと
施設サービスの問題点(佐賀)
2013
術的には良いと考えるが、医療の時は上限が分
からなく、介護ではある程度の超える額が分か
<提案要旨>
る為、このような制度は必要ないのではないか
在宅介護は、家族の介護負担、経済的負担が
と考える。
大きいことから、サービスの利用が中々促進さ
一つの方法として、検討させていただきたい
れず、現実的に介護保険施設への入所待機者が
と考える。
増加している。
在宅介護は、1 ヶ月の利用者負担額が高額に
(9)介護療養病床の平均在院日数について
(長崎)
なった場合、高額介護サービスとして、所得に
応じて一部負担の上限額が設定され、それを超
<提案要旨>
えた分は後日償還払いで措置されるものの、一
長崎県では、基準病床数の 1.2 倍のベッド数
時的に費用の支払いが必要になることから、サ
を有しながら、一部の地域では患者急変時のベ
ービス提供の必要があるにも拘わらず、利用者
ッド確保に支障を来している。理由の一つに、
は初めからサービス利用を控える状況にある。
慢性期ベッドの回転率の低さに起因する受け皿
特に老老介護の世帯や独居の要介護者は、この
不足もある。
傾向が強く、我慢が強いられており、介護保険
平成 22 年度病院報告では、長崎県では、平
施設の入所待機者が増加している一因になって
均在院日数は一般病床 20.2 日、医療療養病床
いる。今後の高齢者の増加を勘案すると、今後、
132.0 日、介護療養病床 457.3 日という状況で
在宅での介護は不可欠であり、在宅での介護が
ある。
受けやすくなるよう、費用負担の方法も含めて
九州各県の状況は如何か。また、ベッドの回
制度を改善する必要があると考えます。
転を速めるためのインセンティブが必要かどう
各県のお考えと日医の見解を伺いたい。
かについて、日医や各県のお考えをお尋ねした
い。
<各県回答>
各県より、在宅介護サービスの制度を改善す
<各県回答>
るべきであるとの意見が示されたが、熊本県か
各県より、一般病床、医療療養病床、介護療
ら、低所得者への配慮として社会福祉法人等に
養病床の平均在院日数が示された。
よる利用者負担額軽減制度もあり、今後進めら
大分県から、患者急変時のベッド確保の問題
れる介護保険制度改革においては、低所得者へ
を改善させる為には、受け皿を増やすだけでは
の更なる配慮が検討されることとなっているこ
なく、円滑に回転させるための必要な空床を常
とから、制度改善の必要があるとは考えていな
に確保しておく必要があるとの意見が示された。
い旨の回答が示された。
鹿児島県から、退院後の受け皿となる介護保
険施設や居住系施設等、また在宅医療推進等、
<日医コメント>
更なる医療介護環境の整備を並行して議論する
鹿児島県より、限度額適用認定制度と同様の
必要がある旨の意見が示された。
取扱いをしてはどうかとの意見がある。限度額
適用認定制度は、事前に申請し、上限を超えた
<日医コメント>
金額については、償還払いではなく、全額現物
介護療養の入所者特性を見ると、医療療養と
給付するというものになっている。
は機能分化されてきている。医療療養は医療区
しかし、介護保険で適用させる場合、様々な
分 1 が減り、介護療養は医療区分 1 が増えてい
事業所を使う為、どの事業所の分を超えた分と
る。介護療養の要介護度は平均 4.5 以上であり、
して現物給付するのかということが難しい。技
老健も特養も全て重度化している。在宅復帰施
- 49(1405)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
設というのは、定められているのは老健施設の
ービスでは要介護度 3 が利用者層となる。
みとなっており、ベッド回転率の評価が入って
つまり、利用者となる方々が限定的であるこ
いる。介護療養病床には、医療区分は 1 でも寝
とを示しており、都市部では、利用者の割合が
たきりの人等、要介護度 5 である為、その方々
低くても人口が多いので、絶対数は確保できる
の回転率を良くするというインセンティブはど
が、地方においては、利用者を確保できないと
うかと考える。最終的に看取りを行うことの方
思われ、その結果が事業所数に表れていると考
が多いと考える。
えられる。
リハビリを行えば回転率を上げる事ができる
国は、参入上の課題として、①未参入の事業
が、要介護 3 位の方は、リハビリをするとある
所の「夜間・深夜の対応が中心」「利用者から
程度在宅に変えられる可能性があり、短期集中
のコールが中心」などの認識 ②訪問看護やケ
リハ(3 ヶ月)が、ベッド回転率をあげるイン
アマネジャーとの連携を上げているが、参入を
センティブには繋がっていると考える。
妨げている一番大きな課題は、利用者の確保困
元々介護施設を 3 施設作ったのは、それぞれ
難性にあると考えるが、各県の見解を伺いたい。
の患者特性に応じて入居してもらう為である。在
宅に変えられる人というのは老健施設に入って
<各県回答>
いただき、リハビリを受けて帰っていただく。特
各県から、定期巡回・随時対応サービスの事
養については、要介護 3 以上しか入れないとい
業所数が伸び悩んでいる要因として、介護報酬
うとんでもないことが出てきているが、介護療養
および人材や利用者の多い都市部を中心と考え
については、医療があり、医師や看護師がいない
る制度のあり方に問題があるとする意見が示さ
といけない人達が入るという特性であるので、こ
れた。
こでベッド回転率をあげるということについて
は、
個人的には意味がないのではないかと考える。
<日医コメント>
定期巡回・随時対応サービスは、地域型と集
(10)定期巡回・随時対応サービスの事業性
について(鹿児島)
合住宅型(サービス付高齢者向け住宅型。以下、
「サ高住」という。)に分かれており、地域型で
<提案要旨>
はほとんどサービスが提供できず(訪問看護週
厚生労働省の調べによると定期巡回・随時対
1 回、訪問介護週 3 回、コールはほとんど電話
応サービスの事業所数が伸びていない。
対応でしかない)、サ高住でないと採算ペース
大まかな試算をすれば、要介護度 4 または 5
に合わない。また、地域型では非常にサービス
の方は、定期巡回・随時対応サービスを利用す
が手薄になってしまい、サービスを受ける高齢
るより、個別の介護サービスを受けた方が経済
者の方々が不利益を被ることが懸念される。
的に有利である。
地域型で 24 時間、安定的に医療と介護を行
逆に、要介護 1 または 2 の方には、経済的に
えるようにするには、現在あまり進んではいな
有利であるが、このことは、事業者にとって持
いが、複合サービスを利用することがいいので
ち出しになる。従って、定期巡回・随時対応サ
はないかと考える。
- 50(1406)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
印象記
理事 比嘉 靖
平成 25 年 9 月 28 日に九州医師会連合会の平成 25 年度第 1 回各種協議会が当県那覇市内ホテ
ルにて開催され、日本医師会からは三上裕司常任理事が参加された。
介護保険対策協議会においては各県から 10 題が提出された。(1)4 月 22 日に開催された第 10
回社会保障制度国民会議において取り上げられた要支援の介護保険はずし、予防給付の今後の動
向についての 2 題については、主治医意見書の精度向上や予診表の活用についての有効性につい
て話し合われた。(2)特別養護老人ホームにおける訪問看護の制限や嘱託医の報酬や医療行為に
対する診察報酬の矛盾についての 3 題では、日医からは看取りなど重症度の高い施設での医療と
介護報酬の二本立てになる法外な報酬の発生が推測され一筋縄ではいかない問題とのコメントが
あった。
(3)認知症サポート医の現状や包括ケアシステムにおける役割についての 2 題については、
育成だけではなく、それなりの評価をしてもらえるよう日医から審議会に要望中であるとの報告
がえられた。(4)その他、介護保険の一部負担金の問題、介護療養病床の平均在院日数、定期巡回・
随時対応サービスの事業性について(鹿児島)については個別に協議を行った。
各県からの提案については以前から継続的に出されている議題も多く、介護保険制度における
問題点に焦点があってきている印象があり、今後の協議会ではより具体的な問題解析や報告、解
決に向けた提案などが期待できるであろう。
暴力団追放に関する相談窓口
暴力団に関するすべての相談については、警察ではもちろんのこと、当県民会議でも応じており、
専門的知識や経験を豊富に有する暴力追放相談委員が対応方針についてアドバイスしています。
暴力団の事でお困りの方は一人で悩まず警察や当県民会議にご相談下さい。
●暴力団に関する困り事・相談は下記のところへ
受 付 月曜日∼金曜日(ただし、祝祭日は除きます)
午前 10 時 00 分∼午後 5 時 00 分
なくそうヤクザ
スリーオーセブン
TEL(0 9 8 )8 6 8 − 0 8 9 3
8 6 2 − 0 0 0 7
FAX (0 9 8 )8 6 9 − 8 9 3 0 (24 時間対応可)
電話による相談で不十分な場合は、面接によるアドバイスを行います。
「暴力団から不当な要求を受けてお困りの方は
・・・・・・・悩まずに今すぐご相談を(相談無料・秘密厳守!)
」
財団法人 暴力団追放沖縄県民会議
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
平成 25 年度女性医師の勤務環境整備に
関する病院長等との懇談会
沖縄県医師会女性医師部会委員 白井 和美
師部会役員 8 名の計 37 名であった。その概要
平成 25 年度女性医師の勤務環境整備に関する
病院長等との懇談会
について次のとおり報告する。
日 時:平成 25 年 9 月 12 日(木)19:30 ~ 21:30
場 所:沖縄県医師会館(3 Fホール)
はじめに、開会の挨拶を行い、続いて依光部
会長から「病院長が集まる懇談会を毎年行って
いるのは全国的にみても本県のみである。本日
1.開 会
司 会 白井 和美委員
は医療機関から提案された議題について、活発
な意見交換が行われることを期待する」旨挨拶
があった。
2.挨 拶
沖縄県医師会女性医師部会長 依光たみ枝 議 事
3.議 事
(1)女性医師等就労支援事業の紹介
(1) 女性医師等就労支援事業の紹介
沖縄県福祉保健部医務課医療対策班主事
沖縄県福祉保健部医務課医療対策班主事 吉本 祐貴
吉本 祐貴
平成 25 年度女性医師等就労支援事業につい
(2) 意見発表
現場からの意見 那覇市立病院小児科 新垣 洋平
て説明する。
この事業は復職した医師を対象とする復職支
4.意見交換
議題1-女性医師が多く勤務している医療機関におけ
る連携の実態について
援研修の実施と、育児・介護等による事情から
家庭と仕事の両立が難しい就労中の医師を支援
することを目的とした事業である。平成 24 年
議題2-外科系女性医師の育成について
議題3-院内保育所の運営について
度は 11 医療機関が利用した。
5.閉 会
始する時期について特に明言していなかったが、
復職支援研修について、昨年度までは研修を開
沖縄県医師会 副会長 玉城 信光
実施要項の改正により本年度から復職後 3 ヶ月ま
でに実施するものを対象とすることとなった。
去る 9 月 12 日(木)沖縄県医師会館に於い
また、昨年の懇談会で質問があった「院内で
て標記懇談会を開催した。
協力して医師の業務負担の軽減を図っている医
懇談会では、公的・民間病院を含めた施設の
療機関に対しての補助」については、院内の医
代表者や事務長等が参加し、沖縄県の医師確保
師で代替する場合、代替した医師の負担が増す
対策関連事業の概要及び勤務医の立場から意見
だけであり、この事業の本来の目的である職場
発表が行われた後、事前アンケートにて挙げら
環境の改善にはあたらない旨、厚労省から指導
れた 3 件の議題について意見交換を行った。
があった。
参加者は、病院代表者が 18 名、事務方 7 名、
(資料 61 ~ 62 頁参照)
意見発表者 2 名、勤務医部会役員 2 名、女性医
- 52(1408)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
その他、県が実施している医師確保対策関連
⑤産科医等確保支援事業(分娩手当)補助金
事業については以下のとおりである。
産科医・助産師に交付される分娩手当の一部
を補助し、産科医・助産師の処遇改善を通じ、
①医師就学資金等貸与事業(奨学金)
分娩施設の人材確保を支援する。
離島・へき地の医療機関で必要な医師を確保
*平成 24 年度利用実績:6 医療機関
することを目的に、将来離島・へき地の指定さ
れた医療機関で勤務する意思のある医学生や後
⑥産科医等育成支援事業(研修医手当)補助金
期研修医へ学費や生活の資金を貸与し、研修修
臨床研修修了後の専門的な研修において、産
了後に指定医療機関で勤務することにより、貸与
科を選択する医師に対し、研修手当等を支給す
を受けた資金の返還を免除するものである。琉
る医療機関へその一部を補助することにより、
球大学の医学生及び後期研修医が利用している。
将来の産科医療を担う医師の育成を図る。
*利用実績:平成 21 年度→ 7 名、平成 22 年
*平成 24 年度利用実績:申請医療機関なし
度から本年度まで→ 12 名
(2)意見発表 ~現場からの意見~
那覇市立病院小児科医師 新垣 洋平
②専門医等人材育成・確保事業(旅費)
県内の専門医を育成するとともに、県内にお
女性医師を妻に持ち、
ける専門分野の後進指導を推進するため、専門
家庭と育児を両立させ
研修会等へ出席する際の旅費を支給する。また
るための日々のスケジ
県内へ講師として医師を招聘する際の旅費を支
ュールについて紹介す
給する。
る。 現 在 夫 婦 共、 那 覇
*平成 24 年度利用実績:6 医療機関 - 派遣人
市立病院小児科に勤務
数 35 名、講師等招聘人数 8 名
し て お り、 小 学 校 2 年
生と 3 歳の子どもがいる。
③救急勤務医支援事業(救急勤務医手当)補助金
1)双方の両親の協力と、院内保育を活用し
二次救急医療機関等における医師の確保が非
常に困難な状況に鑑み、休日・夜間における救
て育児を行っている。
2)平日は、勤務が早く終了した方が保育所
急勤務医手当を創設(増額)する医療機関に対
に預けている子を迎えに行く。
して助成をすることで、過酷な勤務状況にある
3)上の子は、下校後、祖父母宅におり、下
救急医療に携わる医師の処遇改善を促し、医師
の子を連れて祖父母宅で夕飯をすませ、自
の確保を支援するものである。
宅に戻る。
*平成 24 年度利用実績:5 医療機関
4)日曜日に勤務となった場合は院内保育所
が休みの為、自宅近くの短時間保育を利用
④新生児医療担当医確保支援事業(新生児担当
医手当)補助金
している。
5)子どもが病気の場合には祖父母に預ける
医療機関における NICU(診療報酬の対象と
ことが難しいため、私(夫)が病児保育へ
なるものに限る)において、新生児医療に従事
預けた後に出勤する。
する医師に対して、新生児医療担当医手当等を
6)重症例を担当している場合でも、子ども
支給することにより、過酷な勤務状況にある新
の迎えがあるなど、夫婦どちらかのグルー
生児医療担当医の処遇改善を促し、医師の確保
プに負担がかかってしまうが、職場におい
を支援するものである。
て上司や同僚などの理解があることとマン
*平成 24 年度の利用実績:1 医療機関
パワーがある。そのために、私たちは仕事
と育児を両立することができている。
- 53(1409)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
医師になった以上は男女共に社会に貢献する
2. ハートライフ病院
義務があり、また子育ても未来の社会に対する
当直勤務を免除し、子どもがいる職員のため
貢献であると考えている。これからは育児に積
の病児保育を行っている。又、駐車場を近くに
極的に参加したいという男性医師にも理解を示
するなど配慮している。
し、支援する職場環境を整備することが求めら
れるであろう。子育て中は、周囲に協力を求め
3. 沖縄協同病院
ながら仕事と育児の両立を目指し、自身の子育
○職員を対象にした保育園を立ち上げた(2013
てが一段落した頃には次の子育て世代に協力す
年 6 月病院敷地外、職員駐車場に隣接)
ることで自分たちが受けた恩恵を還元していけ
○基本的に女性医師の深夜当直は制限している。
ば、男女共に仕事と育児を両立できる勤務環境
○女性医師を対象とした短時間勤務正規職員就
が実現できるであろう。
業規則を整備しており、子の育児、養育、そ
の他の理由でフルタイム勤務が困難な場合の
意見交換
身分を保障している。
今回の懇談会を開催するにあたり、各医療機
関に事前アンケート調査を行った。その中で、
4. 琉球大学医学部附属病院
現在行っている取り組みについて伺ったところ、
①周産期育成プログラムにより、病児保育室が
9 つの医療機関から下記の回答をいただいた。
5 月より設置され、周産期専門医の就労支援、
病院及び医学部職員の就労支援、復職支援が
現在行っている取り組みで、紹介したい良い取
可能となった。
②「国立大学法人琉球大学職員の育児・介護
り組みについて。
1. 国立病院機構 琉球病院
休業に関する規程」の改正(平成 22 年 6 月
現在 6 名の女性医師が勤務しており、産休・
30 日適用)により、多様な勤務体制が導入
育休、時短勤務、妊娠中の勤務緩和を行ってい
された(育児短時間勤務、深夜勤務の免除)。
る女性医師が 3 名いる。
平成 24 年度の当院における妊娠~育児制度
5. 琉球大学医学部附属病院第一内科 とその実績は、以下のとおり。
一人の医師に負担がかからないように、チー
○妊産婦勤務軽減等→あり。超過勤務、夜勤等
ム医療を実践している。また、当直の回数を減
制限、通勤緩和、妊婦健診休暇(有休)。
らしている。
○産休→あり。(2 件)
○出産一時金→あり。¥420,000。
6. 琉球大学医学部附属病院第二外科
○育休→あり。子が 3 歳まで。無給。(3 件)
女性医師(秘書を含む)専用の部屋、シャワー
○育児休業手当→あり
ルーム、洗濯機を設置した。このスペースは男子
(子が 1 歳まで。標準報酬の 50%)。
禁制であり、リラックスして横になり休める。
○時短勤務制度→あり。1 週間の勤務時間は 19
時間 25 分~ 24 時間 35 分の範囲内、小学校
7. 県立中部病院
就学まで。(1 件)
県立病院でも本年度南部医療センター・こど
○育児時間→ 1 日 2 時間以内(無給)。
も医療センターと中部病院の 2 ヶ所で、本年度
小学校就学まで。
に院内保育所を整備することとした。
○保育時間→ 1 日 2 回それぞれ 30 分以内
検討にあたっては、女性医師を含む各職種の
(有休)。1 歳まで。
スタッフで構成する検討委員会を設置して議論
○院内保育所→あり。午前 7:30 ~午後 6 時
しており、できるだけ利用しやすいものにした
(延長可能)。定員 30 名、医師優先。(3 件)
いと考えている。
- 54(1410)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
8. 公立久米島病院
昨年度クラークを 3 名採用し、先程沖縄県か
現在、女性医師が産休中であり、地域医療振
ら説明があった沖縄県女性医師就労支援事業を
興協会系列病院から、一週毎の支援を受けて維
利用し、その人件費の補助を受けた。今後もこ
持している。
れまで行ってきた取り組みを継続的行いたいと
思う。
9. 県立宮古病院
3. 我那覇仁院長 県立南部医療センター・こど
女性医師ラウンジがある。
も医療センターでの取り組みについて
議事に入る前に、事前アンケートに回答いた
来年 3 月に院内保育
だいた病院の中から、以下の 3 つの病院の取り
所を設置する予定であ
組みについて紹介があった。
る。設置するにあたり
1. 仲程正哲院長 沖縄協同病院での取り組みに
院内でアンケート調査
ついて
を行ったところ、利用
本院では現在 23 名の
したいと答えた職員は
女性医師が勤務してお
全体の約 30%に留まっ
り、 そ の 内 育 児 等 で 7
ていた。アンケートでは、院内保育所の保育料
名が時短勤務職員であ
が高い、保育時間が短いなどの意見もあり、今
る。時短勤務職員は原
後検討すべき課題も見えてきた。
則として週 20 時間勤務
とすることで、福利厚
生を受けられるようにしており、育児などフル
説明の後、事前アンケートにより要望のあった
テーマについて意見交換を行った。
タイムでの勤務が難しい場合でもその身分を保
障している。その他、女性医師の当直を制限し
議題 1- 同じ診療科に女性医師が多く勤務し
ている。
ている医療機関における、女性医師ならでは
今年 6 月には病院敷地外の職員駐車場に隣接
の連携について
して院内保育所を設置した。夜間保育や病児保
○銘苅桂子 女性医師部会委員
育にはまだ対応していないが、今後検討したい。
(琉球大学医学部附属病院産婦人科)
また女性医師専用の個室についても要望がで
琉球大学附属病院は
ており、将来的には院内でスペースを設け、女
医師が多く、院内の女
性医師専用の個室を作りたいと考えている。
性医師で集まる機会は
こ れ ま で な か っ た が、
2. 福冶康秀副院長 国立病院機構琉球病院での
昨年度女性医師部会が
取り組みについて
企画した本院でのプチ
現在 6 名の女性医師
フォーラムで初めて集
が 勤 務 し て お り、 内 3
まることができた。
名 の 女 性 医 師 が 産 休・
産婦人科では育児中の女性医師が 4 名おり、
育 休、 時 短 勤 務、 妊 娠
その内の 3 名は非常勤(30 時間勤務)である。
中の勤務緩和などで支
心がけている事として就業終了時間に帰りやす
援を受けている。医師、
いように必ず声掛けをする。また、お互いの情
事務職なども含め、全
報を共有した上で当直などのシフトを組むなど
体の人件費率は 72%~ 75%となっている。
協力しあっている。
- 55(1411)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
○涌波淳子 女性医師部会委員
○玉城信光 沖縄県医師会副会長
(北中城若松病院院長)
(那覇西クリニック院長)
2013
本 院 で は 40 ~ 45 床
女性医師の連携を取
の患者を 2 人の医師が
るには強力なリーダー
半分ずつ担当するシス
が必要であり、女性医
テムを取っており、日
師の集まりで得られた
頃からお互いの勤務内
情報を院長などの管理
容が確認できるように
者が理解し支援する体
し て い る。 そ の た め 1
制の両輪がそろえば勤
人が休みの場合でも、病床の半分を担当してい
務環境は大幅に改善される。
るもう 1 人の医師がその病床の患者を診ること
ができる。また、当直明けは半日休みとなって
○北部地区医師会病院 諸喜田林院長
いる。第一代診だけでカバーできない場合には
勤務している医師が
第二代診、第三代診などパズルのように組み合
多い施設程、連携を取
わせてカバーすることで、休みが取りやすいよ
ることが難しいのでは
うにしている。
ないかと思い、今回議
題として提案した。当
○知花なおみ 女性医師部会委員
院にも女性医師が勤務
(那覇市立病院内科)
しているため、他の施
那覇市立病院の女性
設がどのように連携を取っているのかというこ
医師は年に 2 回会合を
とが聞けて参考になった。
持つことで情報交換を
行っている。他にもマ
議題 2- 女性医師が外科医になる際の障害と
ナー講座や科を超えて
なるものはなにか
の食事会などを催し交
○川畑勉 沖縄県医師会勤務医部会委員
流を持つことが、支援
(国立病院機構沖縄病院副院長)
体制にも繋がっている。
外科専門医となるに
は 6 年 か か り、 呼 吸 器
○𤘩宮城正典 沖縄県医師会勤務医部会委員
外科などの専門医にな
(県立中部病院外科部長)
るには更に 6 年かかる。
県立中部病院には約
専門医を取得するには
40 名の女性医師が勤務
術者として 120 例の手
しており、ジョイ(女医)
術経験数が必要であり、
ナーズと銘打ち年 1 回
その他にも論文提出、学会発表なども必要であ
会合を開催していると
る。専門医を取得するにはこれらをこなしなが
聞くが、残念ながらそ
ら診療することとなり、家庭との両立は大変難
こでの情報が男性医師
しいであろう。
に伝わっていない。情報が得られればもっと協
しかしながら、家庭でのサポートはもちろん、
力できると思う。
職場においても女性医師を取り巻く環境に理解
を示し、またマンパワーの確保とグループ診療
制が確立できれば、女性医師でも育児を行いな
がら外科専門医が取れるのではないかと考える。
- 56(1412)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
○沖縄赤十字病院 高良英一院長
2013
○白井和美 沖縄県女性医師部会委員
本 院 で は 14 名 の 女
(白井クリニック院長)
性医師が勤務しており、
宮里院長のご意見は、この会の今後の方向性
医師全体の 20%を占め
を言及していただいたものであり、大変参考に
ている。看護師も含め
なった。
ワークライフバランス
医師が働き続けるためには、ワークライフバ
に配慮した勤務環境を
ランスやキャリアパスなどについて医学生から
整備するよう心がけて
の教育が必要であると思うが、琉球大学医学部
おり、当直室の整備などハード面では整ってい
ではどのような取り組みをしているのか。
るといえる。
勤務している女性外科医に聞いたところ、
「診
○琉球大学医学部教育企画室 屋良さとみ助教
療科の中でお互いの状況を理解しあって当直や
継続して働けるルー
日直などをこなすなど周囲の助けがないと勤務
トを構築するためには、
は難しく、また女性同士の理解が必要である」
学生の頃からライフワ
とのことであった。(川畑副院長が言われたよ
ークについて考えても
うに)グループ診療制がとれればよいと思うの
らうことが大事である。
だが、本院では医師数が少ないことから難しい
人生設計を早めに考え
ところである。
ることで方向性が見え
管理者側は性別にかかわらず、ワークライフ
てくるであろう。大学では、これらのことを含
バランスを考慮した医師の診療勤務環境につい
めた講義やワークショップを企画している。
て取り組んでいく必要がある。
今後は育児や家庭に積極的に関わる男性医師
○琉球大学医学部教育企画室
が増え、現在女性医師の問題として取り上げら
名嘉地めぐみ特命助教
れていることが、男性医師にも広がるのではな
学部の早い時期から
いか、更に外科系専門医の減少に拍車を掛ける
からキャリアパスにつ
のではないかと懸念している。
いて考えることをテー
マに、昨年度は医学生
○宮里善次 沖縄県医師会常任理事
と医師の交流会を開催
(中頭病院院長)
した。交流会では秋田
外科系の女性医師の
大学の蓮沼直子先生を
支 援 に つ い て は 妊 娠・
招聘して、同大学における男女共同参画講義の
出産時の支援が課題で
取り組みについて発表いただいた。その後、ス
ある。支援策について
モールグループに分かれ「子どもが発熱した場
は、5 年 前 は ハ ー ド 面
合はどうするか」など具体的な事項についてデ
の問題が主に取り挙げ
ィスカッションを行った。参加した医学生から
られ、現在では産休育
は「将来自分が医師になった時のことを考える
休などのソフト面での問題が挙がっている。今
ようになった」、また男性医師からは「妻であ
後は個別の女性医師の働き方について考えてい
る女性医師への負担について考えるよい機会と
く必要がある。支援の仕方はその時々で変化し
なった」との意見が聞け、一定の効果があった
ていくものであり、将来的には長く働いてもら
と考えている。
うためにはどのような支援を提供すれば良いか
また、本年度は 6 年次の総合講義で佐賀大学
考えて行く必要がある。
の吉田先生を招聘した。同大では 1 年次と 4 年
- 57(1413)
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沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
次でキャリアパスについてのカリキュラムを取
病院としては、いろんなパターンでの勤務体
り入れており、キャリアパスの講義を受けた佐
制で働けるよう考えている。現在、非常勤で勤
賀大学医学部 4 年生と受けていない琉球大学医
務している医員について、産休は取得できない
学部 4 年生を対象にアンケート調査を実施し、
が(産休の代わりに)6 ヶ月の欠勤扱いとする
その比較検討を行うこととしている。
ことで医員としての身分を保障することができ
るようになったことは、医師の勤務環境改善に
○おきなわクリニカルシミュレーションセンター
向けて一歩前進したといえる。
阿部幸恵教授
本センターでは、こ
議題 3- 院内保育所のある施設の運営方法に
れまで約 1 万 2 千人の
関して
利用があり、その内の
○ハートライフ病院 奥島憲彦院長
5 割 が 医 師 で あ っ た。
1 年 前 か ら、 ハ ー ト
当センターの復職支援
ライフクリニック内に
プログラムに関しては
職員のための病児保育
看護師の復職ではかな
室 を 開 設 し、 一 日 3 名
りのニーズがあり、実際にスキルの高いトレー
の病児保育を行ってい
ニングを行っているのだが、残念ながら医師の
る。月に 10 名ほどの利
利用は少ない。外科医のトレーニングなども可
用 が あ り、 そ の 8 割 は
能なので、ぜひ利用していただきたい。また勤
看護師である。医師の利用は、女性医師 8 回、
務医師やクリニックを対象としたプログラムで
男性医師 6 回の利用があった。利用しやすい時
はコメディカルも含めて利用できる。学生に対
間などについて、今後検討していきたい。
しては、1 年次からシミュレーションセンター
○豊見城中央病院 潮平芳樹院長
を利用したプログラムを組んでいる。
女性医師が働き続けるには育児支援など周り
当院では現在 25 名の
のサポートが必要であるが、復職やスキルアッ
女性医師が勤務してお
プも必要であり、シミュレーションセンターを
り、 う ち 6 名 が 出 産 経
積極的に利用していただきたい。
験者である。当直回数
などについては、それ
○琉球大学医学部附属病院 村山貞之院長
ぞれで話し合うことで
第一外科では、女性外
カバーしている。院内
科医師を育てるために
保育所は病院敷地外に設置し、運営は外部に
力を入れているとのこ
委託している。保育料は 1 歳以下が 1 万 5,000
とである。現在、第一外
円、2 歳以上 1 万円であり、年間 1,800 万ほど
科では助教 1 人、医員 2
病院側が負担している。保育時間が午後 7 時ま
人が勤務しているが「勤
でには終了するため、利用者からはもう少し遅
務終了時には、帰宅する
くまで預かって欲しいとの要望が出ている。ま
旨を伝えて帰宅してもよい」
、
「当直は希望に応
た 24 時間の終日保育と病児保育についても要
じて対処する」
、
「女子医師が休んだ場合には女
望が多く、将来設置できればと考えている。
性医師全体で充当する」などのソフト面の支援
の他に、女性用の部屋を準備するなどハード面
での勤務環境を整える努力もしている。
- 58(1414)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
○南部徳洲会病院 赤崎満院長
2013
○県福祉保健部医務課 吉本主事
当院では女性医師が
今のところ支援策はない。持ち帰って検討し
8 名 勤 務 し て い る。 院
たい。
内保育所を立ち上げて
4 年になるが、その間、
○白井女性医師部会委員
男性医師 3 名の利用を
これまでの意見交換されてきた内容について
含め医師の利用もある。
の感想、またはその他のご意見を伺いたい。
看護師の利用の方が多
い。保育所では週 2 回 24 時間保育を行ってお
○上村病院 上村哲院長
り、深夜勤のシフトをその日に合わせて組むこ
本院には女性医師が
とができる。また深夜勤務終了後も引き続き預
いない為、現時点で支
けることができるので、一度家に戻って家事を
援体制はない。しかし、
済ませ、それから子どもを迎えに行くことがで
今後女性医師が勤務す
きる。現在、子どもが通う塾へ保育所の職員が
る可能性を考え、本会
迎えに行ってもらえないかとの要望がでてお
に参加した。
り、対応について検討中である。
ちなみに、現在妊娠中の後期研修医が勤務し
○沖縄中央病院 久場チエミ総務部長
ている。専門医を取得することができるか心配
女性医師支援につい
しているのだが、周りの男性医師が協力的であ
て、医師の事務支援のた
ることから出産後も研修を続け、専門医を取得
めの事務員を採用して
できると思われる。
いる。今回、他の施設の
取り組みを聞けたこと
○依光たみ枝 女性医師部会部会長
は大変勉強になった。
(県立八重山病院院長)
県内 2 ヶ所の県立病院
○オリブ山病院 上間一院長
にも院内保育所が設置さ
勤務している女性医
れることが決まり、大変
師 は 常 勤 が 1 人、 半 日
喜ばしいことである。以
勤 務 が 1 人 で あ る。 基
前は夜間保育、病児保育
本的に当直は免除して
などの必要生について要
おり、また出勤時間を
望が多かったが、昨今で
遅くするなどして配慮
は、施設管理者や医師自身の意識も変わってき
している。院内に保育
たことが感じられる。
所があるが、運営は民間に委託している。
○豊見城中央病院 潮平院長
○とよみ生協病院 高嶺朝広院長
院内保育については、当初看護師の確保が目
もし夜間保育を行う
的であったが、現在では医師の確保も目的とな
なら毎日行わなければ
っている。保育所の設置は 24 時間保育や祝日
ならないのかと思って
保育などを行うなど、利用しやすい環境を作ら
いたのだが、南部徳州
なければならないと感じている。
会病院のように週 2 回
院内保育所の設置について、県事業局では何
の夜間保育などの形態
らかの支援策はないか。
もあるとわかり、でき
- 59(1415)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
る事から始めれば良いのだとわかった。他の施
閉 会
設の様子も見学したいと思う。
沖縄県医師会副会長 玉城 信光
2013
琉球大学の取り組みを聞き、近い将来、今ま
○知花女性医師部会委員
でのように他県から講師を招聘するのではな
女性医師の勤務の仕方は出産・妊娠で分かれ
く、沖縄県から他県へ講師を派遣できるように
てくると思う。支援するには各科の雰囲気やそ
なるであろうと確信した。
の背景なども大事であろう。市立病院では緊急
様々な支援策について、自らの病院で何を目
オペが出来なくても当直には入れるというよう
的に支援していくかその病院に勤務する者にし
に、柔軟な対応ができる雰囲気がある。自分達
かわからない。夜間保育所に子どもを預けられ
は何を求め、何をしていくのか目的をはっきり
る時に夜勤を入れる、病児保育所を設置する、
させ、そして女性医師を受け入れるという文化
英才教育を実践したいなど親の希望について院
を作っていただければ女性医師も働きやすくな
内で検討しているなど、各々の病院で一生懸命
るのではないか。
取り組む時代になった。
超高齢者社会への提言として、己を助ける「自
○ハートライフ病院 奥島院長
助」、自発的に近しい人を助ける「互助」、地域
過去に女性の外科後期研修医を受け入れた際
で共に助け合う「共助」、そして行政による「公
には、最初の 2 年は当直を制限するなどで対応
助」という言葉がある。これからの高齢者が「自
した。この女性研修医は無事外科専門医を取得
助」でがんばることで、少子化対策のための予
できたが、それは子どもがいなかったことが大
算が増えていくものと考える。各施設には今後
きいと思われる。女性医師が出産を迎えると、
とも県からの補助金などを利用しながら育児を
マンパワーが少ない診療科は厳しくなると思
はじめ、勤務環境について院内体制を整えて欲
う。3 ~ 5 年目の若い研修医が多く勤務する環
しい。
境を作っていくことが必要である。
○仁井田りち 女性医師部会委員
今後の支援協力や各
施設間の情報交換など
をスムーズに行うため
に、各施設で女性医師
支援の担当医師を育て
ていただきたい。女性
医師部会もその医師を
通じて連携を図ることができるようになる。
- 60(1416)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
①医師の再就業の促進:復職研修を実施し、離職した医師の職場復帰を支援する(復職支援研修)
②勤務環境の整備:医療機関において、仕事と家庭の両立ができる働きやすい職場環境の整備を行う(就労環境)
国 1/2 県 1/2以内 (H25年度現在) ※ただし予算の範囲内
業務軽減による
女性医師等の給料
は変わりなし
医師事務作業補助
者の非常勤給与費
:月額120,000円
法定福利費
:20,000円
医療機関にとって
月140,000円の
負担増になる
- 61(1417)
-
補助対象経費
=月額140,000円
*期間
2013
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
業務軽減による
女性医師等の給料
は変わりなし
非常勤医師に女性
医師等の業務軽減分
医療機関にとって
1回20,000円の
補助対象経費
=20,000円 *回数
負担増になる
を担当してもらう際
の給与1回あたり
女性医師等が日当直
を担当した場合
支払われる手当:
非常勤医師に日当直
医療機関にとって
1回 30,000円の負担
増になる
補助対象経費
=30,000円 *回数
を担当してもらう際
の給与: ※1回
ベビーシッター
医療機関にとって
1回 10,000円
負担増になる
利用に係る経費:
1回 10,000円の
平成24年度 から、
全額
- 62(1418)
-
補助対象経費
10,000円 *回数
2013
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
印象記
沖縄県医師会女性医師部会役員 白井 和美
この会も今回で 6 回目を迎えました。これまでは、女性医師支援で先進的取組をして居られる
病院の事例紹介、女性医師を対象としたアンケート結果の報告、日本医師会が主催する男女共同
参画フォーラムの報告などを中心に行ってまいりました。しかし、昨年の同会終了後のアンケー
ト結果で、「懇談会と銘打ってはいるが、懇談会となっていない。」との厳しいご指摘を頂き、今
回は参加者相互の懇談を中心に、例年と少し異なった構成と致しました。
ここでは、討議された 3 つの議題に関して述べたいと思います。
始めに、「女性医師が多く勤務している医療機関における連携の実態について」
話し合われました。一般に、女性はコミュニケーション上手で、横のつながりが作りやすいため、
誰かが困った状況にある場合など、周りがそれをカバーする自然の流れが出来上がるようです。
私たち女性医師間では当然のことと思っていましたが、改めて我々の調整能力に気付きました。
ただ、女性同士のコミュニケーションの枠内でカバーできることには限りもあり、まだまだ同僚・
上司の先生方のご協力を頂かねば、妊娠・出産・子育て中の女性医師はキャリアを続けるのが困
難だと感じました。
次いで、「外科系女性医師の育成について」話し合われました。
この中で特に印象に残ったことは、今回初めてご参加の勤務医部会の先生方から、県内に女性
の外科系専門医がほとんどいない実態が紹介されたことです。そして、国療沖縄病院の川畑副院
長からいただいた一部の専門医取得には約 12 年が必要とのご発言でした。独身であれば、女性
も臆することなく挑戦できるでしょうが、20 代後半から 30 代のいわゆる適齢期に、大きなライ
フイベントを抱えながら、専門医取得の努力を続けるには、本人の覚悟だけではどうにもならな
い実態が浮かび上がったように思います。これからの医師は、学生時代から自身のライフプラン
をしっかり持つことが必要だと感じました。その点、琉球大学では、今後授業の中で、この問題
に関しても取り上げていかれるとのことで、期待が持てました。また、クリニカルシミュレーシ
ョンセンターでは、復帰支援用のコースが新設され、利用者の申し込みを待つのみとのこと。頼
もしい限りです。
一方、沖縄赤十字病院の高良院長からは、今後は、男性医師も女性医師同様に多様な働き方を
模索する時代が来るかもしれないという深刻な問題提議もありました。恒常的に過重労働を余儀
なくされている医師の勤務環境の改善は喫緊の課題です。全ての医師がキャリアを絶やすことな
く現場で仕事が続けられる様、今後ますます議論が必要となる問題と感じました。
最後に、「院内保育園の運営に関して」話し合いました。
その中で、南部徳洲会病院では、24 時間保育を週 2 日だけ実施しているというご報告があり、
特に先生方の興味を引いたようでした。何事にも万全の態勢で臨みがちですが、この様にできる
処から始め、軌道に乗ればそれを拡大するという方法があったのかと、目から鱗が取れたように
感じたのは私だけではなかったことでしょう。
「女性医師支援も、ハードからソフト、そして個別へ」との宮里常任理事のお言葉通り、今後は、
個々の事情に合った対策、きめ細やかな支援策を模索し、女性だけでなく男性の勤務医、開業医
も含め医師全体が働きやすい体制づくりを目指し更に密に情報を交換して行きたいと思いました。
最後に、全国でこの懇談会が毎年開催されているのは、おそらく本県だけとのこと。今後も毎
年開催できます様、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
- 63(1419)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
2013
生涯教育コーナーを読んで単位取得を!
日本医師会生涯教育制度ハガキによる申告
( 0.5 単位 1カリキュラムコード)
日本医師会生涯教育制度は、昭和 62 年度に医師の自己教育・研修が幅広く効率的
に行われるための支援体制を整備することを目的に発足し、年間の学習成果を年度末
に申告することになっております。
これまでは、当生涯教育コーナーの掲載論文をお読みいただき、各論文末尾の設問
に対し、巻末はがきでご回答された方には日医生涯教育講座 5 単位を付与いたしてお
りましたが、平成 22 年度に日本医師会生涯教育制度が改正されたことに準じ、本誌
の生涯教育の設問についても、出題の 6 割(5 問中 3 問)以上正解した方に 0.5 単位、
1 カリキュラムコードを付与することに致しました。
つきましては、会員の先生方のご理解をいただき、今後ともハガキ回答による申告
に、より一層ご参加くださるようお願い申し上げます。
なお、申告回数が多く、正解率が高い会員につきましては、年に 1 回粗品を進呈い
たします。ただし、該当者多数の場合は、成績により選出いたしますので予めご了承
ください。
広報委員会
生涯教育
の設問に
答える
ハガキ
で回答
0.5 単位
1カリキュラムコード+
付 与
0.5単位、
1カリキュラム
コード付与
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-
粗 品
進 呈
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
2013
減圧障害(decompression illness):
その対策は沖縄で急務である
琉球大学医学部附属病院 高気圧治療部 合志 清隆
沖縄県立中部病院 救急科 手塚 幸雄
【要旨】
潜水病や潜函病と呼ばれてきた気圧低下による障害は、近年では減圧障害の呼称
が定着してきた。この疾患は主にレジャーダイバーか潜水漁業者にみられ、その発
生率は高いものではない。しかし、潜水が 1 つの観光産業でもある沖縄県では、こ
の疾患には日常的に遭遇する。現場で減圧障害が疑われると酸素吸入が最優先され、
ドクターヘリなどの航空機による搬送では低空飛行を心がける必要がある。その後
は高気圧酸素治療を行なうことに異論はないが、どのような治療法が最良であるの
か十分な統一が得られていない。この疾患の病態と治療経験から、脳障害では通常
の高気圧酸素治療でも支障はなく、脊髄障害では特殊な酸素再圧治療を主体として、
呼吸器障害では病状によっては人工肺を優先する治療法も試みられている。減圧障
害は沖縄県を代表する救急疾患と捉えることができるが、その対策が急がれること
は潜水医学に認識のある医療者の育成と潜水関係者に対する予防医学の啓発である。
【減圧障害の病態と臨床症状】
【はじめに】
環境圧の不適切な減圧による生体への障害は、
気圧変化に伴う病態には、DCS と AGE の
潜水あるいは潜函(ケーソン)作業などでみら
他に含気腔のガス過膨張による損傷、すなわ
れ潜水病ないし潜函病と呼ばれてきたが、最近
ち肺や中耳さらに副鼻腔などの気圧外傷があ
では減圧障害(decompression illness:DCI)の呼
る。発生機序による分類では、減圧で生体内に
1,2,3)
、これは後述する脳障害
生じた「気泡」による障害である DCS と、肺
の取り扱いが 1 つの契機となっている。DCI は
気圧外傷による肺内の「ガス」が動脈化して生
航空機事故の際や戦闘機パイロットにもみられ
ずる AGE とに分けられる。さらに症候学的な
るが、減圧症(decompression sickness:DCS)と
分類では脳障害の大多数は AGE とされ、その
肺気圧外傷による動脈ガス塞栓症(arterial gas
他は DCS と判断されてきた。しかし、脳障害
embolism:AGE)とを含んだものである。
は症候学的にも神経放射線学的にも脳塞栓症で
国内で活動しているレジャーダイバー数は約
あり、これを発生機序から AGE と DCS とに
30 万人とされるなかで、この潜水目的での来県
区別することは意味をなさず、これらを合わせ
は年間 48 万人ともいわれている。このことか
た DCI の呼称が一般化するようになった
ら潜水が沖縄の大きな観光産業と捉えることが
さらに、DCI には血小板凝集能の異常と血液
できる一方で、潜水に伴う事故や DCI は日常的
生化学的変化も含まれる。
称が普及しつつあり
にみられている。本稿では、DCI の病態や病状、
1,2,3,4)
。
(1)減圧症(DCS)
現場から専門施設までの対処法と治療、さらに
不適切な減圧では組織や血液の不活性ガスの
沖縄県が抱える課題についても紹介する。
溶解度が低下して過飽和状態となり、呼吸循環
- 65(1421)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
2013
器系を介した排出の平衡がくずれ、ある限界を
超えると生体内に気泡が形成される。この「気
泡」による障害が DCS であるが、組織内の気
泡の発生は組織損傷を起こし、血管内では血流
障害による病状がみられる。また、血管内での
気泡形成は主に最小静脈内であり血小板血栓も
伴い静脈うっ帯による組織浮腫を起こす。
DCS は臨床的な重症度から 2 つに分けられ、
四肢関節や筋肉などの疼痛を主症状として掻
痒感や出血班などを示す I 型と、中枢神経系や
呼吸器系の障害を主症状とする II 型があるが、
後者の約 30%に四肢関節痛を合併している。II
図 2 呼吸器障害
型 DCS の中枢神経系障害では脊髄障害が主な
もので感覚障害や対麻痺さらに膀胱直腸障害を
呼吸困難に加えてショック状態に陥るが、胸
示す。感覚障害は最も頻繁にみられながらも特
部 CT 所見では無気肺や胸水貯留がみられる。
5)
異性に乏しい(図 1) 。さらに、大量の気泡
が生ずれば静脈内の血栓形成も加わり広範囲の
(2)動脈ガス塞栓症(AGE)
肺塞栓症による重篤な呼吸器障害からショック
急激な減圧では含気腔の 1 つである肺胞が過
状態に陥る(図 2)。
膨張から破裂すると、肺胞内ガスが左心系の肺
静脈内に流入して AGE が引き起こされるが、
その臓器特異性から症状がみられるのは主に脳
1)4)6)
である(図 3)
。肺気圧外傷は急激な減圧
を除くと減圧中の呼吸停止で生じ、特に気体の
膨張率から浅い水深で起きやすい。環境圧の低
下に伴う気体の容積は、水深 3m から海面への
浮上で 1.3 倍に膨張するが、この膨張率は 29m
(3.9 気圧)から 20m(3 気圧)までの 9m の水
深変動に相当するからである。AGE は肺胞の
図 1 脊髄障害
気圧外傷だけではなく、ブラに代表される肺嚢
感覚障害はデルマトームに一致せず多発性
伴うことがある。肺気圧外傷は減圧の最中か終
のことも多く、これは遠位側に顕著な脳障害
了直後に胸痛と呼吸困難や喀血などを示し、さ
とは区別される。両下肢の感覚障害に運動障害
らに意識障害、けいれん発作や片麻痺などの神
が加わると重症化しやすい。(文献 5.Japanese
経症状がみられる。
胞性病変の破裂でも生じ、気胸や縦隔洞気腫も
Society of Hyperbaric and Undersea Medicine)
- 66(1422)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
2013
酸素は薬剤の 1 つとして薬事法で使用規制を
受けているが、この改正の施行令が厚生労働省
から出されている(2009 年 6 月 1 日)。さらに
同省からは「卸売販売業における医薬品の販売
等の相手先に関する考え方について」の事務連
絡(2011 年 3 月 31 日)がなされ、そこには具
体的な事例として「スキューバダイビング業者、
プール営業を行う事業者等に対し、人命救護に
使用するための医療用酸素を販売する場合」が
示されている。これから潜水後に何らかの症状
がみられると重症化の恐れがあり酸素使用が可
能であると判断される。さらに、インストラク
図 3 脳障害
ターは高気圧環境下の労働者となるが、ここで
酸素使用を制限しているのが厚生労働省令の高
減圧による脳障害は脳塞栓症を示すが、その
気圧作業安全衛生規則(高圧則)である。この
主な梗塞部位は境界領域と穿通枝領域である。
高圧則の問題点を他誌でも指摘してきたが 、
(文献 6.Undersea&Hyperbaric Medical Society)
7)
第 1 回の同規則改正検討会が 2012 年 5 月に開
催され、第 6 回検討会(2013 年 6 月 19 日)で
(3)鑑別診断
は酸素使用による減圧だけではなく、減圧後の
この診断は比較的容易であるが、鑑別が難し
酸素吸入が DCI の予防に効果的との意見が出
いものは潜水中やその後に発症した脳卒中であ
されている。 る。特に、素潜りによる DCI は脳卒中症状が
酸素使用の制限は薬事法と高圧則の両面から
主であり
4)6)
、スクーバ潜水でも呼吸器系症状
なされてきたが、法改正が進むなかでケーソ
が明らかではない脳の DCI も経験される。そ
ン(潜函)作業での酸素使用は標準化されてい
の際、神経症状と潜水の状況を加味した臨床判
るのが現状である。したがって、以上の対処は
断に限られる。さらに、基礎疾患がある場合に
インストラクターでも同様に必要であり、DCI
は、その発作が問題となり、てんかん、喘息や
の予防で酸素使用が普及すると考えられる。
不整脈などが主なものである。また、DCI の既
往があれば不安感から潜水中にパニックを起こ
【搬送での留意点】
すことがあり、これは DCI だけではなく重大
搬送前には輸液が開始されていることが多い
な潜水事故につながる。
が、潜水によって血管内脱水と高ナトリウム血
症が予測されても、糖を含んだ低張液や維持液
【現場での対処と関連法規】
ではなく生理食塩水ないし低分子デキストラン
1,2,3)
この疾患の予後は初期の病状とその後の対処
を用いることである
で決まる。なかでも肺気圧外傷は喀血と呼吸困
全身の浮腫が増強され、高血糖も加わり代謝異
難から即死のことも稀ではない。現場での DCI
常によって病状を悪化させる。さらに、搬送中
の対処は限られているが、軽症と思われても酸
にもマスクで十分量の酸素吸入を続ける必要が
素吸入を優先させ安静保持が必要である。数時
ある。また、航空機での搬送では気圧低下によ
間で新たな症状がみられやすく体動で気泡が生
る症状悪化が懸念されることから低空飛行を心
じやすいからであり、体内に蓄積した窒素の排
がける必要があり、ポータブル再圧装置を用い
出促進には酸素吸入が重要である。
て搬送されることもある。
- 67(1423)
-
。前者では肺を含めて
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
【医療機関での治療】
2013
(3)呼吸器障害
専門施設では DCI の病状に沿った治療が行
呼吸器系の症状があれば、治療前やその最中
なわれるが、米海軍で考案された「酸素再圧治
に死亡のことがある。呼吸困難とショック状態
療」が用いられることが多い。これは通常の高
へ対処しながら酸素再圧治療を行なうが、治療
気圧酸素治療とは異なり、2.8 絶対気圧まで加
初期で呼吸状態の改善がみられなければ肺塞栓
圧して決められた時間ごとに酸素吸入と中断を
症が広範であることから生命予後は極めて不良
繰り返しながら大気圧に復するものである。軽
である。酸素再圧治療中に症状が悪化する場合
症例では「治療表 5」と呼ばれる治療が、重症
には、推奨されている治療の延長は行わずに中
例には治療時間のより長い「治療表 6」の治療
断して、人工肺に移行し良好な結果が得られる
3)
法が推奨されており 、後者は 5 時間ほどの治
ことがある。この人工肺の DCI への併用は静
療時間を要し病状をみながら治療が延長され
脈内の血栓除去の観点から新たな治療法になる
る。また、輸液療法を除いてステロイドやリド
可能性がある。
カインなどの薬剤の使用もテキストなどに記載
されているが、科学的根拠に乏しいことから積
【後遺障害と予防法】
この疾患の症状のなかで脊髄障害は最も後遺
極的な使用はしていない。
(1)脳障害
障害を残しやすく、前述した病態と病巣から運
脳障害の症状があれば、高気圧下の酸素吸入
動麻痺に比べて膀胱直腸障害や感覚障害の症状
を早急に行うことに異論はないが、これは動脈
が残りやすい。脳障害の急性期には穿通枝や
原性の脳虚血であり通常の高気圧酸素治療でも
境界領域に広範囲の浮腫性変化がみられるが、
効果が得られると予測される。実際に、この治
これは短期間で縮小して神経症状も改善する
療で症状改善は 10 ~ 20 分後にはみられ、さ
か、あるいは重篤な後遺障害を残すかに分かれ
らに開心術後の医原性 AGE でも同様の治療で
る
1)
1,4,6)
。慢性期の障害には難聴や骨壊死は知ら
改善が得られる 。脳障害の DCI には“標準的”
れていたが、脳梗塞が多発していることが報告
とされている「治療表 6」と通常の高気圧酸素
されている 。さらに近年、長期間の潜水が高
治療を比較検討した報告がない。さらに、肺気
次脳機能障害を起こしていることが報じられた
圧外傷後の AGE は肺損傷を合併しており、異
9)
常環境下に患者を曝す時間を最小限にする必要
労働災害との関連において重大な問題に発展す
があり、脳障害には長時間の酸素再圧治療は必
ると予測され、早急な対処法を検討する必要が
要ないと考えている
1,2)
8)
。このことは潜水を職業とするダイバーでは
ある。
。
(2)脊髄障害
この疾患や後遺障害の予防は高気圧環境下の
脊髄症状があれば、脊髄の抗浮腫治療を併用
曝露を避けることだが、この作業に携わる職業
することも考慮する必要がある。一般に中枢神
では難しい。作業効率を求めると疾病率は高ま
経系の静脈血灌流障害による浮腫は高度で広範
り、逆に予防に重点を置くと作業効率は低下す
囲であり、抗浮腫療法が必要になることが多い
る。この予防目的で高気圧作業を規定したもの
が、これは高ナトリウム血症を助長させること
が高圧則であるが、40 年以上も改訂されてお
1,3)
。したがって、その際
らず、なかでも酸素の使用制限が最も重大な問
には酸素再圧治療を主体としたものになり、脊
題である。DCI の発症を少なくするには、潜水
髄症状が進行しつつある病初期には、治療時間
回数の制限に加えて終了後の酸素吸入を除いて
の長い「治療表 6」ないしその延長を行い、症
は考えにくい。
になり注意を要する
状改善が十分でなければ同じ治療を繰り返す。
- 68(1424)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
【沖縄が抱える課題】
2013
【参考文献】
沖縄県には 700ヵ所以上ともいわれるダイビ
ングショップが点在し、そこに所属するインス
トラクターは日に 3 ~ 5 回の潜水業務を連日の
ように行い、脳や脊髄の DCI に罹患している
実態がある。彼ら 20 才代の頭部 MRI は多発性
脳梗塞を示しており、長期の潜水による高次脳
9)
機能障害が明らかにされている現在 、この状
況は近い将来に大きな「負の遺産」をもたらす
可能性がある。この予防策を関係者間で検討し
ているが、法律や省庁令に関連することから行
政との連携が不可欠である。さらに、全国的に
も潜水医学の専門医師が少なく、その育成は沖
縄が中心となり取り組むべき課題であろう。
1. 合 志 清 隆 , 他: 中 枢 神 経 系 に お け る 減 圧 障 害 の 病
理と診断および治療での課題 . 日高圧医誌 39:6777,2004.
2. 合志清隆:重症減圧障害に対する迅速な高気圧酸素の
よる治療について . 日救急医会誌 20:849-850,2009.
3. Vann RD,et al:Decompression illness. Lancet 377:
153-164,2011.
4. Kohshi K,et al:Neurological manifestations in
Japanese Ama divers. Undersea Hyperb Med 32:1120,2005.
5. Togawa S,et al:Spinal DCS foci predicted by
classification of hypalgesia and thermohypesthesia.
In:Mano Y ed. First Panel on US/Japan
Diving Physiology,Technology and Aerospace
Medicine,Japanese Society of Hyperbaric and
Undersea Medicine,2006,pp 114-119.
6. Tamaki H,et al:Repetitive breath-hold diving causes
serious brain injury. Undersea Hyperb Med 37:
【おわりに】
潜水病ないし潜函病とよばれていた減圧によ
る障害は減圧障害の呼称が一般化してきた。そ
7-11,2010.
7. 合志清隆 , 他:高気圧作業安全衛生規則と労働災害 . 産
衛誌 50:A31-A33,2008.
の診断は比較的容易なものであるが、沖縄が抱
8. Reul J,et al:Central nervous system lesions and
える問題は潜水医学に認識のある専門の医療者
cervical disc herniations in amateur divers. Lancet
が少ないことである。潜水目的の来県者数から
も、このレジャーが沖縄県の重要な観光産業と
の位置づけであろう。しかし、沖縄で頻発し
ている潜水事故と DCI の救急診療や予防には、
345:1403-1405,1995.
9. Kowalski JT,et al:Neuropsychological deficits in
scuba divers:an exploratory investigation. Undersea
Hyperb Med 38:197-204,2011.
専門医師の育成と関係者の啓発活動が急務であ
る。この拙稿が救急医療関係者の目にも留まり
解決の第一歩となることを希望する。
- 69(1425)
-
U E S T I O N!
沖縄医報 Vol.49 No.12
生涯教育
Q
U E S T I O N!
次の問題に対し、ハガキ(本巻末綴じ)でご回答い
ただいた方で6割(5問中3問)以上正解した方に、日
医生涯教育講座0.5単位、1カリキュラムコード(84.
その他)を付与いたします。
問題
次の設問 1 ~ 5 に対して、○か×でお答え下
さい。
問 1.減圧障害が疑われると酸素吸入が最優
先される。
問 2.減圧障害の航空機での搬送では低空飛
行を心がける。
問 3.減圧障害の治療法は国際的に統一され
ている。
9 月号(Vol.49)
の正解
運動後急性腎不全
(ALPE:acute renal failure with loin pain and
patchy renal ischemia after anaerobic exercise)に
ついて
問題
次の設問 1 ~ 5 に対して、○か×でお答え下
さい。
問 1.ALPE は長時間の有酸素運動にて発症
する疾患である
問 2.ALPE は若い男性に好発しやすい
問 3.腎性低尿酸血症は ALPE のリスクファ
問 4.細胞破裂は浅い水深で生じやすい。
問 5.減圧障害と潜水中に発症した脳卒中と
の鑑別は容易である。
2013
クターである
問 4.ALPE は再発することはない
問 5.ALPE 患者の救急室受診の主訴は尿量
低下ではなく、腰背部痛や嘔吐が多い
正解 1.× 2.○ 3.○ 4.× 5.○
- 70(1426)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
プライマリ・ケア
2013
沖縄県における喘息吸入指導に関する
薬剤師アンケート結果
(病院薬局と調剤薬局の違いについて)
中頭病院 1)、豊見城中央 2)、琉球大学第一内科 3)、群星研修センター 4)
沖縄県総合保健協会 5)、琉球大学医学部附属病院 薬剤部 6)
伊志嶺朝彦 1)、松本 強 2)、藤田 次郎 3)、宮城 征四郎 4)
松山 朝雄 5)、外間 惟夫 6)
【要旨】
うになった 1990 年代後半からその死亡数が急
1)
沖縄県内の病院内薬局と調剤薬局で、どのよ
速に減少してきている 。沖縄県でも同様に喘
うな吸入指導が行われ、何が問題となっている
息による死亡は減少しつつあるが、全国平均と
のかを明らかにするため、県内 568 施設に勤務
比較し、常に多く、ワースト 5 以内に入ること
する薬剤師と施設長に対し、吸入指導に関する
が多い 。そこで、県内主要病院、クリニック
アンケート調査を行った。回収率は 23%であっ
の呼吸器専門医が集まり喘息死 0 作戦として、
た。回収できた薬剤師の所属は病院薬局が 159
様々な取り組みをしてきた。
人(42.4%)、調剤薬局が 150 枚(13.0%)、不
初年度は『ER プロジェクト』 として、救
明が 19 枚(1.3%)であった。
急室を受診する患者の特徴や、治療内容につい
調剤薬局の薬剤師は病院薬局の薬剤師に比
て検討しました。その後、near fatal asthma 症
して 1 カ月の吸入指導人数が多く(指導人数
例の検討を主要病院で行った。その中から、①
0 人 / 月の割合は 50.3%vs5%)、『吸入指導に
救急室受診をする患者は喘息死亡の多くを占め
自信がある』と答えた割合が多かった(41.3%
る高齢者ではなく、20 ~ 30 才台の若年者であ
vs31.4%)。また、吸入指導に関する患者情報
ること。② ER 受診後の治療プロトコールを統
の医師との情報共有については、調剤薬局より
一すべきであること③ near fatal asthma 症例
病院薬局の方が『情報共有しているまたは必要
は ER 受診よりは少し高齢の 40 ~ 50 才代が多
に応じてしている』の割合が高かった(47%
いこと。などが分かってきた。 vs87%)。患者が処方された吸入薬を吸入でき
また、喘息の適切な治療を啓蒙するために、
ていないと判明した場合でも調剤薬局は病院薬
非専門医の先生方への地域での講演会も積極的
局よりも医師に情報提供を行う薬剤師が少な
に行ってきた。その中で、患者さん自身の吸入
かった(51%vs91%)。このように、調剤薬局
手技の熟練度合いや、それをサポートする薬剤
では吸入指導の数も多く、指導自体には自信を
師の指導内容に、差があることが分かってきた。
持っているが、病院側の医師への必要な情報提
喘息を診療する先生方への啓発はもちろん重要
供が十分できていない実態が判明した。このこ
であるが、喘息の薬剤が吸入剤中心であることを
とは有効な治療を行う上で、大きな問題である。
考えると、適切な吸入手技が継続して行えるか
今後は顔の見えない調剤薬局から病院側の医師
否かが治療効果を確実なものにするもっとも大
へ、気兼ねのない情報提供を行うツールを確立
きな要素である。我々は、実際に吸入指導を行
するのが急務と考える。
う薬剤師の指導内容と意識調査、病薬連携の実
2)
3)
態調査の必要性を感じるようになった。そこで、
【緒言】
今回、沖縄県薬剤師会の全面的なご協力を得て
気管支喘息は、吸入ステロイドが普及するよ
沖縄県における吸入指導アンケートを行った。
- 72(1428)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
プライマリ・ケア
2013
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
Ⅰ対象と方法
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
2012 年 8 月 1 日から 8 月 31 日の間を調査期
不明
不明
6%
6%
間として沖縄県内の 568 施設を対象とした。
所属薬局
所属薬局
所属薬局 所属薬局
不明
6%
沖縄県薬剤師会・病院薬剤師会に会員登録さ
不明
6%
れている上記施設に勤務する 1,427 名(推計)
に対してと、各施設長に吸入指導に関するアン
院内薬局
院内薬局
ケート調査を行った(図 1)。
48%
院内薬局
48%
48%
調剤薬局
調剤薬局
調剤薬局
46%
46%
46%
Ⅱ結果
返信のあった、328 名の集計解析をおこなった。
院内薬局
48%
調剤薬局
46%
n=328
n=328
n=328
【回収率】
【回収率】
【回収率】
n=328
送付枚数 1427枚
1427枚
送付枚数
送付枚数
1427枚
回収枚数
328枚
回収率
23.0%
【回収率】
回収枚数
328枚
回収率
23.0%
回収枚数
328枚
回収率 23.0%
送付枚数 1427枚
<軒数> 回収枚数
<送付数> 328枚
<回収数>
<回収率>
回収率
23.0%
<軒数>
<送付数>
<回収率>
<軒数>
<送付数> <回収数>
<回収数>
<回収率>
病院 70軒 (送付数375枚)
159枚
42.4%
病院
70軒
(送付数375枚)
159枚
42.4%
病院
70軒
(送付数375枚)
159枚
42.4%
調剤498軒(送付数1152枚)
150枚
13.0%
<軒数>
<送付数>
<回収数>
<回収率>
調剤498軒(送付数1152枚)
150枚
調剤498軒(送付数1152枚)
150枚
13.0%
所属不明
19
枚
1.313.0%
%
病院
70軒
(送付数375枚)
159枚
42.4%
所
1199枚
11..33%
所属
属不
不明
明
枚
%
調剤498軒(送付数1152枚)
150枚
13.0%
図 2 アンケート回収枚数の内訳
所属不明
19枚
1.3%
回収できた薬剤師の所属は病院薬局が 159
人(42.4%)、調剤薬局が 150 枚(13.0%)、不
明が 19 枚(1.3%)であった(図 2)。
以下の結果の集計は全体の結果の他に病院と
調剤の薬局別の集計は所属未記入の 19 件を除
く 309 件の結果から集計した。
【喘息・COPD 治療の指導に自信をもってい
持っている傾向があった(図 3)。
るか】の質問に『非常に自信がある』『自身が
【月に何人くらいの吸入指導をおこなってい
ある』と答えたのは 112 名(35.6%)であり、
るか】の質問には『指導人数 0 人』が病院薬局
病院と調剤では調剤薬局の薬剤師の方が自信を
では 80 人(50.3%)をしめたが、調剤薬局で
【図1】 アンケート内容
Q11.患者さんの理解度に応じた説明の工夫をされていますか?
1:している
2:していない
<薬剤師宛>
Q1.喘息・COPD治療の指導を自信を持ってできていますか?
1:非常に自信がある
2:自信がある
3:あまり自信が無い
Q2.月に何人くらい吸入指導されていますか?
1:いる
2:いない
(
)人程度/月
Q3以降もご協力下さい。
4:全く自信が無い
Q12.個々の患者さんの吸入理解度について処方元の医師との情報共有を行なっていますか?
1:共有している
2:しない
3:下記の場合で必要に応じ行っている(複数選択可)
1:患者さんが吸入できない場合
2:処方内容の確認の際
3:適応症を把握する必要がある際
4:他の薬剤との相互作用の確認の際
アンケートは以上です。
ご協力頂きありがとうございました。
Q3.初回の吸入指導で、どのくらい時間をかけているか教えてください
1:5分未満
2:5~10分
3:10~15分
4:15分以上
Q4.初回の吸入指導で以下の項目について、実施しているものを教えてください(複数選択可)
1:疾患・病態についての説明 2:アドヒアランスの重要性 3:コントローラーとリリーバーの違いについて
4:吸入操作・動作の指導 5:薬剤の特性についての説明 6:副作用など安全性についての説明
7:発作時など急性期における対応の説明
8:その他(
)
Q5.2回目以降も継続して、吸入指導を実施しているものを教えてください(複数選択可)
1: 2回目以降はしていない 2: 疾患・病態についての説明 3: アドヒアランスの重要性
4: コントローラーとリリーバーのちがいについて
5: 吸入操作・動作の指導
6: 薬剤の特性についての説明
7: 副作用など安全性についての説明
8: 発作時など急性期における対応の説明
9: 前回処方された薬剤の残量を確認する
10: その他(
)
どのような形式で情報共有を行なっていますか?(複数選択可)
1:電話 2:メール 3:FAX 4:独自の吸入指導連絡書 5:おくすり手帳
6:面談 6:その他(
)
Q13.患者さんが吸入出来ていない場合に、医師に相談されていますか?
1:はい
2:いいえ
1:連絡のみ
2:患者に合ったディバイスの提案も行う
Q14.吸入薬の患者指導について学習する機会があれば受けてみたいですか?
1:はい
2:いいえ
1:医師、薬剤師の先生合同の講演会
2:薬剤師の先生向けの講演会
3:医師、薬剤師の先生合同で、メーカーによる勉強会
4:薬剤師の先生だけで、メーカーによる勉強会
5:その他(
)
Q6.吸入操作や吸入動作について、自ら実演するか教えてください
1:する
2:しない
1:毎回する
2:初回 + 不定期
3:不定期
4:初回のみ
Q7.吸入操作や吸入動作について、患者さんに実演してもらうか教えてください
1:する
2:しない
Q15.次回の予約日を患者さんに確認していますか?
1:はい
2.いいえ
<施設長宛>
1:毎回する
2:初回 + 不定期
3:不定期
4:初回のみ
Q1.月に何人くらい吸入薬が処方されていますか?
1:いる
2:いない
)人程度/月
アンケートは以上です。
ご協力頂きありがとうございました。
(
Q8.患者さんが十分理解し、正確に吸入できるまで何回位の指導が必要ですか?
(
)回
Q9.各ディバイスの吸入手技に対する先生の自信度を教えてください
( ◎:自信がある、○:まあまあ自信がある、△:自信がない、×:経験がない
エアゾール製剤(
) クリックヘラー (
)
タービュヘイラ―(
ツイストヘラ― (
) ディスクヘラー (
)
ディスカス
(
ハンディヘラ― (
) ブリーズヘラー (
)
レスピマット
(
Q2.吸入指導のマニュアルを統一していますか?
1:統一している
2:特にしていない
)
)
)
)
Q10.どの程度の患者さんが吸入手技を理解されていると思われますか?
1:ほとんどの患者さんが理解できている
2:ある程度の患者さんが理解できている
3:あまり理解できていない
4:ほとんど理解できていない
○吸入指導をするうえで、工夫している点や困っていることがありましたら教えてください
○処方元の医師に対しての要望がございましたら教えてください
Q3.個々の患者さんの吸入理解度について処方元の医師との情報共有を行なっていますか?
1:共有している
2:しない
3:下記の場合で必要に応じ行っている(複数選択可)
1:患者さんが吸入できない場合
2:処方内容の確認の際
3:適応症を把握する必要がある際
4:他の薬剤との相互作用の確認の際
どのような形式で情報共有を行なっていますか?(複数選択可)
1:電話 2:メール 3:FAX 4:独自の吸入指導連絡書 5:おくすり手帳
6:面談 7:その他(
)
○処方元の医師に対しての要望がございましたら教えてください
図 1 アンケート内容
- 73(1429)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
プライマリ・ケア
2013
未記入
3%(8人)
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
全く自信がない
非常に自信が
ある
■病院 ■調剤
未記入
31人以
上
4%
6人~3
0人
16%
自信がある
院内薬局
31人以
上
4%
6人~3
未記入
0人
3%
16%
あまり自信
がない
68
86
80
0人
27%
68
39
未記入
非常に自信が
ある
31人以
1~5人
50%
全く自信がない
6人~3
0人
16%
未記入
n=328
上
4%
6人~3
0人
16%
0
11
上
4%
80
8
68
6
0人
27%
39
自信がある60
全体
86
10 68
10
6
n=328
院内薬局
80
未記入
27%
1~5人
50%
(単位:人数)
n=309
■病院 ■調剤
68
未記入
3%
11
0
11
1
8
39
8
110
0
11
1
8
1~5人
あまり自信
50%
がない
(単位:人数)
n=309
(単位:人数)
自信がある
図
あまり自信
がない
n=309
(単位:人数)
n=309
4 『月に何人くらい吸入指導されていますか?』
未記入
非常に自信が
という質問に対する回答
全く自信がない
ある
いて』『アドヒアランスの重要性』であり半数
近くの薬剤師が指導項目に挙げていた(図 5)。
自信がある
調剤薬局
【吸入指導の実演】に関しては、多くが自ら
図 3 『喘息・COPD 治療の指導に自信をもっていますか?』
という質問に対する回答
あまり自信
実 演(90がない
%) し、 患 者 さ ん に も 実 演(81 %)
は 6 人(5%)であり、『指導人数 6 ~ 30 人』
させていた。どちらも 100%を目指したいとこ
が病院薬局では 10 人(6.3%)、調剤薬局では
ろだが、患者さんからのお断りもあるようであ
6 人(26%)であった。圧倒的に調剤薬局の吸
る(図は省略)。
入指導の人数が病院薬局に比べて多いことが分
【患者さんが十分理解できるまでの吸入指
かった(図 4)。
導回数】は 1 回が 14%、2 回が 42%、3 回が
【初回の吸入指導でかけている時間】は全体
23%と 3 回までが約 8 割となった(図 6)。
では 5 ~ 15 分で全体の 70%を占める結果。と
【薬剤師からみた患者さんの吸入手技の理解
なった。ここでは病院薬局で長時間の指導を行
度】は『ほとんどの患者が理解できている』ま
う傾向があった。
たは『ある程度の患者が理解できている』が合
【吸入指導で実施している項目】については、
計で約 9 割となった(図 7)。
初回は『吸入操作、動作の指導』がほぼ全例で
【患者さんの吸入理解度についての主治医と
あり、続いて『副作用について』『アドヒアラ
の情報共有】は『共有している』と『必要に応
ンスの重要性』などであった(図 5)。二回目
じて共有している』が 59%となった。勤務薬
以降の指導内容で重視されたのは『副作用につ
局別でみると病院薬局では 87%で必要時には
- 74(1430)
-
1
(単位
■病院 ■調剤
39
86
31人以
上
全く自信がない
4%
6人~3
0人
0人
16%
1~5人
未記入
50%
非常に自信が
全体
1
11
86
80
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
0人
未記入
3% 27%
n=328
n=328
10
0
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
全体
全体ある
1~5人
50%
3%
自信がある31人以
あまり自信
がない
6
■病院 ■調剤
全体
10
639
0人
自信がある
全く自信がない
86
■病院
80 ■調剤
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
全体 27%
n=328
調剤薬局
未記入
3%
沖縄医報 Vol.49 No.12
未記入
3%(8人)
プライマリ・ケア
2013
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
未記入
3%(8人)
未記入
3%(8人)
初回指導
初回指導
2回目
図 5 『吸入指導で実施する項目』という質問に対する回答
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
図 7 『薬剤師からみた患者さんの吸入指導の理解度』
に対する答え
1回
未記入
15.1%
14.2%
(36人) (34人)
【考察】
2回目
3回
23.0%(55人)
今回の検討で、同じ薬剤師でもその所属する
2回
41.4%(99人)
組織によって、吸入指導に携わる頻度や時間に
違いがあることが分かった。調剤薬局の薬剤師
n=239
図 6 『患者さんが十分理解できるまでの吸入指導回数は?』
に対する回答
は吸入指導に携わる機会は多く、吸入指導に自
信もある。しかし、患者さんが吸入技を習得し
ていないことなどの情報を主治医にフィード
バックしない割合(病院薬局 13%、調剤薬局
担当医との情報共有を行っていたが、調剤薬局
52%)がおおく、せっかくの頻回の吸入指導で
では 52%で『情報共有をしない』と答えてい
得た有益な情報を医師と共有できておらず、疾
た(図 8)。
患のコントロール状況改善に役立てられていな
【患者さんが吸入できていない場合の医師へ
い可能性が示唆された。
の相談】は病院薬局では『相談する』が 91%で
その理由として、医師との情報共有は 75%
あったが、
調剤薬局では 51%でであった(図 9)
。
で『電話』で行われており、忙しい医師に気兼
【情報共有の方法】は『電話』が 75%と最
ねしてフィードバックできないことが推察され
も多く、『直接話す』が 17.9%、『メール』が
た。また、各医師との日ごろの関わりが多く顔
11.4%であった(図 10)。
の見える病院薬剤師と日頃電話でしか医師との
面識のない調剤薬局とではフィードバックする
- 75(1431)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
プライマリ・ケア
2013
図 8 『医師との情報共有をしているか』に対する答え
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
沖縄県吸入指導に関する薬剤師アンケート
その他
いいえ
23%(55人)
カルテに記載
はい
66%(158人)
18人
担当看護師を通して伝達
4人
患者のケアをしている人に伝える。
1人
処方箋に[指導を]コメントあり
1人
情報提供書
1人
直接状況説明
1人
n=140
図 10 『情報共有の方法』についての答え
強会などで顔の見える医薬連携もこれまで以上
に重要になってくる。
図 9 『患者さんが吸入できていない場合の医師への相談をし
ているか』についての答え
吸入指導の実態に関しては、薬剤師 120 名
からのアンケートをもとに寺嶋
4)
が報告してい
る。吸入指導は薬剤師にとっても労力を要する
際の気軽さにも大きな違いがあることは容易に
ものであり、初回指導でも 10 分程度しかかけ
推測される。
られず、指導対象の患者が高齢になるほど、吸
そこで、我々は、【FAX により情報共有】を
入指導の困難さが増す状況を報告している。一
推奨しており、今後全県レベルで推奨していき
方でいったん導入できれば高齢者でもアドヒア
たいと考えている。FAX にすることで、相手
ランスは良いとの印象ももっているようであっ
の仕事の邪魔をしない気軽さから必要なフィー
た。吸入できていない患者に関する情報の担当
ドバックを適切に行うことが可能になると考え
医との共有についての検討はなかった。
ている。同時に、病院と調剤薬局共同で行う勉
医薬連携に関する調査は少なく、東元
- 76(1432)
-
5)
らは、
沖縄医報 Vol.49 No.12
プライマリ・ケア
2013
鹿児島での『喘息ゼロ作戦』の活動の中で、薬
う。吸入指導が成功するか否かは当然ながら医
剤師にアンケート調査を行っている。
師と薬剤師の連携が重要である。どちらも一方
『処方医との間で、患者の状態、吸入指導方
的な処方や、教育、指導ではなく、相互に補う
法や患者の吸入使用状況についての情報交換
形の医薬連携が求められる。
をおこなっていますか?』と言う質問では、情
報交換をしない割合が調剤薬局で 6 割で病院
薬局で 5 割と高率であった。我々の今回のア
ンケート結果との違いは病院薬局の情報提供
の割合が 9 割と高く、地域による違いがある
ことがわかる。
【参考文献】
1) 社団法人日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイド
ライン 2012. 協和企画、東京、p25-31,2012.
2) 藤田次郎、嘉数朝一:沖縄喘息死 0、および喘息発
作による救急受診 0 を目指して、沖縄医報 44(12):
70-73,2008.
今回の薬剤師アンケートからわかった現状を
各薬剤師の方にフィードバックし、勤務する施
設による特徴を把握していただければ、【より
良い吸入指導と適切なフィードバック】に何が
足りないのかが明確になると考える。
3) 松本 強 他:『ER プロジェクト』―ER 受診時の患
者教育、吸入ステロイド薬 / 配合剤導入の有用性の検
討―、沖縄医学誌 48(4):1-4,2010.
4) 寺嶋 毅:吸入療法の実態調査―薬剤師および患者ア
ンケート結果の検討―、アレルギー・免疫 19(6):
98-108,2012.
喘息・COPD の治療において、その効果を
最大限に得るための最も大事な要素の一つが吸
入指導であることは異論のないところであろ
5) 東元一晃、井上博雅:『喘息死ゼロ作戦』における
取組~鹿児島大学呼吸器内科学~、Int Rev Asthma
COPD 14(4):37-42,2012.
原 稿 募 集
プライマリ・ケアコーナー(2,500字程度)
当コーナーでは病診連携、診診連携等に資するため、発熱、下痢、嘔吐の症状
等、
ミニレクチャー的な内容で他科の先生方にも分かり易い原稿をご執筆いただい
ております。
奮ってご投稿下さい。
随筆コーナー(2,500字程度)
随時、
募集いたします。日常診療のエピソード、
青春の思い出、
一枚の写真、
趣味などのほか、
紀行文、
特技、
書評など、
お気軽に御寄稿下さい。
なお、
スポーツ同好会や趣味の会(集い)などの自己紹介や、
活動状況報告
など、
歓迎いたします。
- 77(1433)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
インタビュー
2013
健康長寿おきなわ復活や新
型インフルエンザ対策等の課
題において、県医師会の協力
をよろしくお願いします。
沖縄県福祉保健部 健康増進課 課長
糸数 公 先生
質問 1. 沖縄県福祉保健部健康増進課課長に就
女性 87.02 歳と平成 17 年に比べて伸びてはいる
任されてのご感想と今後の抱負をお聞かせいた
ものの、その伸び幅は男女とも全国平均を下回っ
だけますでしょうか。
たため、男性が 30 位、女性が 3 位と全国順位を
今年の 4 月に本庁の福祉保健部健康増進課長
落としました。その要因としては 20 ~ 64 歳の
を拝命し、それまで 3 年間赴任していた石垣島
年齢調整死亡率が全国平均を上回っており、主要
(八重山福祉保健所)から異動してきました。公
死因別では、脳出血、心筋梗塞、慢性肝疾患・肝
衆衛生医師としてのキャリアは 17 年目となりま
硬変、自殺が男女とも全国平均を上回ることが挙
すが大半は保健所勤務で、本庁は平成 19 年から
げられます。沖縄県では 26 ショックと叫ばれた
21 年までの結核感染症班長(新型インフルエン
平成 14 年より、健康おきなわ 2010、健康おきな
ザ対策専任チーム)以来 2 度目となります。
わ 21 を推進してきましたが、上記の死亡率の改
現在、健康増進課は健康づくり班、結核感染
善には結びついていない状況です。
課題としては、
症班、母子保健班の 3 班で構成され、健康づく
20 ~ 64 歳のいわゆる働く世代の健康指標の改善
り班では健康増進計画(健康おきなわ 21)の
と、県民全体の健康意識の向上が挙げられ、特に、
策定と推進、がん検診やがん登録事業、結核感
多量飲酒による県民への健康負荷については今
染症班では新型インフルエンザ等対策特別措置
後取り組みを強化すべき課題と考えています。
法に基づく行動計画策定、HIV/ エイズ対策、
母子保健班では周産期医療提供体制の整備や子
質問 3. この度、健康長寿おきなわ復活推進本
ども医療費自動償還制度導入など、医師会に関
部が発足されましたが、福祉保健部として今後
係する事業を多く所管しています。県全体の施
の展開や目指すところ等をお聞かせいただけま
策に関わるポジションなので重圧は大きいです
すでしょうか。
が、関係機関とも連携してひとつひとつ事業を
これまでの福祉保健部を中心とした取り組み
進めていこうと思います。
だけでは十分な成果が得られないとして、今年
度 9 月に知事を本部長とする健康長寿おきなわ
質問 2. 健康長寿沖縄復活に向け、
「健康おきなわ
復活推進本部を立ち上げました。県庁内各部局
21」計画に基づき様々な事業を推進されております
を網羅する横断的な組織で、各部局が行ってい
が、現状と課題を教えていただけますでしょうか。
る施策のうち、「栄養バランスのよい食事」
「運
平成 22 年の都道府県別生命表によると、本県
動しやすい日常環境」「一人ひとりの健康管理
の平均寿命(0 歳の平均余命)は男性 79.40 歳、
支援」という 3 つの柱に資する事業があれば、
- 78(1434)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
インタビュー
2013
推進本部で承認し優先的に事業推進できるよう
ます。特に、健康長寿復活に関しては、県の政
なしくみを検討しています。これによって、例
策参与の玉城信光先生からもアドバイスを頂い
えば農林水産部が県民の野菜摂取増加につな
ていますので、施策化する際の参考にさせて頂
がるような事業を展開したり、土木建築部が
きます。
ウォーキングやジョギングしやすい歩道や公園
の整備を行うようになる等、健康づくりに関す
質問 5. 糸数課長の座右の銘、日頃の健康法や
る社会環境整備が県庁全体で進むことを期待し
ご趣味などをお聞かせ下さい。
ています。
仕事で県民に健康づくりを呼びかける立場
また、経済団体や保健医療関係団体、市町村
上、若い頃からの不健康な生活習慣な部分を改
などからなる県民会議を設置し、健康長寿おき
める必要があると自覚し、40 代半ばで石垣島
なわ復活について機運を高めるとともに、事業
に単身赴任したことをきっかけに生活習慣を見
所における健康づくりを進めることを呼びかけ
直しました。まず、夕食の量を減らして空腹感
ていきます。今後の展開としては、健康長寿お
に慣れ、レコーディングダイエット(毎日体重
きなわ復活に向けた体制整備や事業の「種まき」
を測って折れ線グラフを書くだけ)を実施しま
を行って、まずは長寿陥落傾向に歯止めをかけ
した。さらに友人の勧めもあってランニングを
たいと考えています。そして、その後の長期に
始め、これで体重を 7 キロ落としました。月間
わたる取り組みは、「政党が党勢を拡大してい
走行距離 100 ㎞を目標に、平日の朝や週末な
くようなイメージ」で進めていきたいと考えて
どに走りこみ、ついにフルマラソンが完走でき
います。
るまでになりました(3 時間 51 分)。あとは中
学時代から続けている卓球は、時々練習に参加
質問 4. 県医師会に対するご意見、ご要望があ
して、相手とのラリーを楽しんでいます。また、
りましたらお聞かせください。
20 年前に竹富町の小浜診療所勤務時代に購入
2009 年に全国に先駆けて沖縄県内で新型イ
したサンシンを、3 年前から八重山古典民謡保
ンフルエンザが流行した際に、県と県医師会は
存会研究所に通って練習し、羽織袴姿でコン
連携して医療体制の維持や、感染拡大防止に関
クールにも出場し、無事に新人賞、優秀賞をゲッ
する対策を実施しました。当時の担当にとって
トしました。沖縄に戻ってきてからはなかなか
は、県医師会が大変心強い存在でした。いくつ
時間がとれなくなりましたが、退庁後に、仲間
かの対策が感染をコントロールすることにつな
と県庁近くのカラオケルームで歌三線の練習を
がったということで、それらはその後流行した
したりしています。あとは仕事に関連して検索
全国の対策にも生かされました。今後の新型イ
した資料や履歴を残すために、公衆衛生関係の
ンフルエンザ対策においても、地区医師会、県
ブログ ooyake を 10 年前から書き綴っています
立病院、保健所を中心とした地域ネットワーク
(http://itokazu.cocolog-nifty.com/ooyake)。
を基本に医療体制を構築していきますので、ご
協力をお願いいたします。感染症以外の分野で
この度はお忙しい中、ご回答頂きまして、誠
も、さまざまな施策を展開していく上で、医師
に有難うございました。
会とは常に連携をとらせて頂きたいと考えてい
- 79(1435)
-
インタビューアー 広報委員 本竹 秀光
沖縄医報 Vol.49 No.12
月間
(週間)行事お知らせ
2013
世界エイズデー
(World AIDS Day:12 月 1 日)に因んで
―オリンピックとエイズ―
琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科学 准教授 健山 正男
今年の 9 月 7 日にブエノスアイレスで開催さ
「安全にプレーし、HIV 感染の拡大を止めよう。
れた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、
あなたの周りの世界を守る。そのための役割
2020 年夏季五輪およびパラリンピックの東京
を果たそう。」という北京五輪のキャンペーン
開催が決定しました。日本国中が大きく盛り上
は、IOC と北京五輪組織委員会、UNAIDS が
がり、その余韻はまだ続いています。おそらく
共同で企画し、実行したものです。キャンペ
年末にかけても、今年一番の話題が何度も繰り
ーンで注目されたのは、五輪会場の建設現場
返し放送されることでしょう。
で働く出稼ぎ労働者を対象にした UNAIDS と
さて、サブタイトルの「オリンピックとエイ
民間のパートナーによる HIV 啓発活動でした。
ズ」は、その話題に無理に便乗したのでも、決
UNAIDS は 9 つの国連機関と赤十字社や HIV
して奇を衒(てら)ったものでもありません。
感染者グループなどを動員し、HIV 予防、およ
実はこの両者には深い関係があり、ご紹介した
び偏見、差別との闘いを呼びかけるために 7 千
いと思います。
人の五輪ボランティアを養成しました。また約
東京の招致委員会のプレゼンでは、オリンピ
10 万人のオリンピック・ボランティアの若者
ック憲章の第一章にあるオリンピックムーブメ
を対象に HIV と性の健康に関する情報を提供
ント(オリンピック運動)の重要性が強調され
しました。選手村では、良質のコンドーム 10
ました。そのオリンピックムーブメントの公式
万個、および HIV 予防や差別と闘いに理解を
サイトに『「HIV と AIDS の予防、および健康
求めるリーフレット 5 万枚がパッケージにして
的な生活習慣の促進』」が掲示されています。
配布されました。華やかなオリンピック競技の
これは 2004 年に IOC が国連合同エイズ計画
ニュースの裏側で、日本では殆ど報道されるこ
(UNAIDS)と合意文章を締結して、エイズ対
とのなかった IOC と北京五輪組織委員会のこ
策のための特別キャンペーンを行うものです。
のような活動にただ驚かされるばかりです。
具体的には各国のオリンピック委員会の代表や
IOC が進めるアドボカシープログラム(権利
UNAIDS、国際赤十字・赤新月社、ユニセフの
擁護プログラム)も重要です。
専門家、そしてそれぞれの地元の支援者の協力
IOC は「HIV 感染者のスポーツへの参加は
のもと、地域ワークショップを開いて、スポー
社会参加と支援の場を提供することになり重要
ツを通じたエイズの流行を抑えるための支援活
である」との立場をとっています。HIV 感染
動です。選手村の総合診療所でコンドームを無
者のスポーツマン、スポーツウーマンの参加は、
料提供することは、先述した「オリンピック運
HIV を特別視せず、偏見と闘ううえで非常に
動」の一環として「エイズの流行、および健康
貴重であるとも述べています。ムサ・ンジョコ
を守るための行動への理解」を広げることを目
は 31 歳の HIV 感染者の女性であり、2004 年
指しており、世界的には毎回、かなりの話題と
6 月に南アフリカのケープタウンでオリンピッ
なっています。
ク聖火リレーに参加しました。その数年前に南
IOC と UNAIDS の協力関係は、2008 年の北
アフリカの女性としては初めて、自らが HIV
京五輪ではとりわけ大きな成功を収めました。
陽性であることを公表しています。HIV とエイ
- 80(1436)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
月間
(週間)行事お知らせ
2013
ズにまつわる偏見や差別により、様々な問題を
オリンピックがこのように精神性の高い哲学
抱えながらも沈黙を余儀なくされている感染者
によって開催されてきた歴史があることを知っ
と女性たちの声を聖火ランナーとなることで代
たとき、私達、日本人がオリンピックの招致に
弁し、これを IOC と南アフリカ五輪組織委員
成功したことは、あらためて感慨深く、そして
会は強力にサポートしました。
名誉なことであると思います。そして同時に、
近代オリンピックの父であるピエール・ド・
オリンピック開催の準備は施設の建設と運営に
クーベルタンによって提唱されたオリンピズム
関心が向きがちですが、クーベルタンが提唱し
とは、「スポーツを通して心身を向上させ、さ
たオリンピズムを私たち日本人の心に根付かす
らには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、
「草の根運動」も重要であることに気づかされ
連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合
ます。
うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献す
沖縄県では、この 5 年間、新規患者数は人口
る。」とされています。IOC は、このオリンピ
比で常に全国の上位を占めてきました。1987
ズムの精神にもとづき、公式ホームページで「オ
年以来、県内で診断された HIV 感染者数の累
リンピック憲章がスポーツを人々に役立てるよ
計は 240 人(2013 年 6 月末集計)です。
う」求めていることから、国連のミレニアム開
一般県民はもとよりメディア、医療関係者に
発目標に盛り込まれている「HIV とエイズ対策、
おいても HIV/AIDS への理解は、IOC の掲げ
および差別との世界的な闘い」に IOC は貢献
る道義的義務と理念からみると、未だ充分でな
する道義的な義務があると宣言しています。ま
いのが実情のようです。
た、すべての人がこの闘いの中で、それぞれの
本稿が皆様の茶の間や職場で「オリンピック
役割を担う必要があり、私たちすべてが加わる
とエイズ」について、今一度、語られる機会と
ことを求めています。
なれば幸いです。
- 81(1437)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
ロゴマークは語る
2013
「ロゴマーク」は語る
ありがとう子供クリニック 院長 二木 良夫
ークション形式で依頼し、採用した人にだけ
デザイン料を払うサイトがあると教えてもら
いました。こちらの要望を伝え、依頼。意外
にも 10 件ちかく応募があり、どれにしよう
か迷うほど。最終的にひとつにしぼり、あと
3 年前、小児科で開業することを決め、名
は微調整の相談をして、ロゴが決定。以前流
前も「ありがとう子供クリニック」に決定。
行した、ニコちゃんマークにも少し似ていて、
さて、ロゴマークをどうするか?小児科のイ
シンプル。とても気に入っています。ついで
メージ、クリニックのモットーである感謝の
に院長のキャラクターも作ることにしました。
イメージが伝わるロゴにしたい。一人にデザ
専門の業者に依頼し、何度かやりとり。最初
インをお願いすると、気に入らなかった場合、
は似ても似つかない感じでしたが、だんだん
ちょっと困る。修正をお願いしても、あくま
よくなって、最終的に良いものができあがり
でも微調整の範囲内。知り合いに、ロゴをオ
ました。
- 83(1439)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
2013
随 筆
る” と表現されなければ万有引力の法則の発見の
説明とはならないという。
「リンゴが木から落ち
“フィレンチェで考え
そのごのご”(二)
る」比喩は文学的、あまりにも文系的過ぎた表現
であって科学の専門家にとっては理解し難いこと
であり、これは “現代の神話”、伝説にも等しいと
三原内科クリニック 喜久村 徳清
いう。
☆☆
☆
科学技術が進み興味ある専門分野の情報が豊
小説「日蝕」
(参考 1)は学士論文を書き終
富にわかり易く、至極たやすく手に入る様にな
えたばかりの巴 黎大学の神学徒が、1482 年初
ってきた。私は今の時代に在って宇宙の始まり、
夏、書状をたずさえルネッサンスの嵐が吹きす
生命の誕生から宇宙の死に至るまでを識ること
さぶ中世 仏 稜 の街へと亜力伯を越えて孤り徒
ができる。伝えられるところによると地球から
にて旅立つことから始る。天使のような無垢の
みる宇宙の渚には毎日 3 万トン、小さいもので
少年ジャン、異端の聖ドミニコ派僧侶、人里離
径 0.4cm のすい星(流れ星)が辿り着き、これ
れた洞窟で求道者の雰囲気漂う老錬金術師ピエ
は 0.01m㎥の粉末が地球の 1 ㎡の表面に毎日 1
ェルの業、賢者の石、クライマックスの日蝕の
個の割でシャワーのように降り注いでいる計算
日に登場する両性具有者、異端審判、魔女狩り、
となり、さらにすい星には生命に欠かせない(原
焚刑の処、難解な文体を読み終えた感動は、主
始地球にはなかった)必須アミノ酸グリシンが
人公が研究室に戻って蒼空を見上げ回想する場
含まれているという(小惑星「イトカワ」から
面の描写にも共鳴して、私の旅の契機の一つに
日本初の宇宙探索衛星ハヤブサが持ち帰った微
もなり、本誌表紙写真の高揚した説明(参考 2)
粒子 1,500 個の分析から初めて解った)。
ともなった。
(写真 1)
。
大昔、数千年~数万年来、昔人が暗黒の闇夜
ガリレオの業跡の新発見が今世紀に入ってもな
で天空を仰ぎ見、そして満天の星と流星群に感
されている(参考 3)
。古代の占星術はガリレオの
動し、星に夢を託して祈った行動は、昔人が脳
科学的発見により神話の領域へと追いやられてし
内で直感的に感じた真実(真理)であって、私
まっているが、我々は己の脳で理解しうることし
達人類や生命の起源が宇宙のかなたよりもた
か理解できない。ニュートンの科学的思考は “引
らされたとするこの現代の専門家群の実証は、
力は重力に比例し距離の二乗に反比例して減弱す
所詮、昔人と現代人との認識は(が)本質的に
パ
リ
フィレンチェ
ア ル プ ス
ヒト
カチ
タダヨ
ケンジャ
アンドロギュヌス
フンケイ
ショ
ソ ラ
きっかけ
おのれ
よう
・
しょせん
・
・
は変わりのないことを示していることで、その
事実を知ることは感無量なコト極マリナイ。
☆☆☆
1940 年製作、ピノキオ童話のアニメ映画の
カク
その主題歌は「星にねがいを」。斯 して、「星
の王子さま」、「鉄腕アトム」、宮沢賢二の「銀
河鉄道の夜」の世界がみえてくる。しんわはひ
とにかんめいをあたえている。ますますしんわ
にはいっていきたい。いけない。
人生をいきなくては。人生にかしがある。
写真 1
フィレンチェ市街のズームアップ写真。
小高い丘に囲まれ、ミケランジェロ広場より写す。
- 94(1450)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
2013
随 筆
旅を終え歩かぬ日々の続いた後、両足底部の
拇指のつけ根から薬指にかけて水泡ができた。
歩き続ければ足まめになったであろうが、痛み
シカ
で歩くのもやっとであった。而して思ふ。
あるこう。あるこう。まえへすすもう。
☆☆☆☆
免疫学基礎研究者が 2 千年以上も前に書かれ
・
・
・
・
た「黄帝内経」の中の衛気と営気は、現代免疫
学の「自然免疫」と「獲得免疫」に該当する(参
写真 2
教会内部の構造。奥が腰掛のある礼拝堂。
考 4)という。解明可能な分析技術を豊富にも
っている現代人の新たな研究課題ともいう。解
決されれば昔人、神話の時代の先人の正当な評
価が可能となる。神話の世界の時代でキリスト
が生まれ、古典復興、ルネッサンス、コロンブ
スは 1492 年大陸を発見、自然科学の芽ばえ、
そして今世紀に入って科学の世紀を謳歌してい
る。インターネット、EBM、ゲノム研究、遺
伝子診断、ロボット手術ダヴィンチ、ips 細胞、
ビッグデータとオピニオンリーダー、iPad、そ
して「紙の書籍を自炊する」(参考 5)ことも
可能な時代になってきた。わかりやすく簡明に
写真 3
サンタ・クローチェ教会内に在る
ガリレオ・ガリレイの眠る墓所
その解説をしてくれる。
現代の神話を聞いている。あくなくしんわを
サンタクローチェ教会の広場は前日、団体旅
きける事はさいわいなことである。
行の解散場所となった所だが足をのばし、内部
(9 月 30 日記)
から写真を撮った(写真 2)。両側壁面を背に
して墓所やモニュメント、肖像画があり、礼拝
堂の造りは奥にみえる。
サンタ・クローチェ教会内のミケランジェロ、
ガリレオ、ロッシーニ、マキャベリの墓、ダン
テのモニュメント等、イタリア人偉人の眠る墓
所をみていると、日本のお寺参りと似ていると
思ったが、とりわけガリレオの墓所前に献灯
ローソク
(蠟燭)が多かった(写真 3)。
メメントモリ(らてんご)。キリスト教社会
は死後の復活を渇望して天国への道をリアル
オソ
に、ディープに信じる。死を畏れない。
参考 1
平野啓一郎「日蝕」新潮 1998 年 8 月号
(第 120 回芥川賞受賞)
参考 2
フィレンチェ・ドゥオーモ(Duomo)
沖縄医報 平成 24 年 11 月号表紙の言葉
参考 3
ガリレオ自筆の絵発見「星界の報告」特別な一冊
沖縄タイムス 2007 年 3 月 29 日
参考 4
高橋秀実 免疫と漢方:黄帝内経に啓示された古代人
の智慧 日東医誌 64(1)1-9、2013 年
参考 5
篠原直哉 IT を使いこなす? 第 7 回沖縄県女性医師
フォーラム 県医師会館 3F ホール 2013 年 7 月 20 日
- 95(1451)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
2013
随 筆
刀でビール瓶切りができるようになっていまし
た。手刀の稽古で右手がパンパンに腫れると、氷
人生の師との出会い
水の入った洗面器に手を入れて冷やすのですが、
将来医師になるのにそんなに手を痛めつけて大
伊江村立診療所所長 阿部 好弘
丈夫なのか、と同級生に心配されたものです。
道場では少年の部、一般の部の指導があり、
学生時代は、私にとって夏休み、冬休みはあり
ませんでした。試験前にも道場での指導は一度
誰にも若いときの苦い思い出や青春の甘酸っ
も欠かしたことはありませんでした。夕方 5 時
ぱい経験があると思いますが、私の 20 代の頃
に授業が終わると、同級生たちが次の日の試験
の思い出と言えば、医学部生として勉学に励ん
対策に専念するのを横目に、私一人道場に向か
だ事よりも、空手道の師匠(人生の師)に出会
っていました。6 時には子ども達が道場にやっ
えた事が大きいと言えます。
てきます。一人で床を磨き、神棚の榊(さかき)
私は、中学校まで顔は青白く体のほっそりし
を交換し、気持ちを集中する為に神棚の前で黙
た、いわばモヤシっ子でした。高校生になって
想をします。好きで始めた空手でしたが、さす
バレー部に入りますが、強さへの憧れから空手
がに医学部の試験中はつらく、「どうしてここ
に興味を持ち、通信教育の空手を始めました。
までしないといけないのか」と、思わず涙が出
友達に撮ってもらった写真を送って添削しても
てくる日もありました。
らうのですが、これで本当に強くなれるのかと
厳しい稽古の間にも、ときには楽しい事もあ
途中で気付き、長くは続きませんでした。
りました。お師匠さんが空手の指導で県外に出
大学では剣道部に所属しますが、医学部 2 年
かけるときには、いつも学生で自由に時間が取
のときに、医師になる目標を完全に見失い、周
れる私がお師匠さんの鞄持ち?ボディガード?
囲に流されている自分を感じ、半年間休学しま
ならぬ「付き人」でした。道場の先輩はいつも
した。この世の中で何が真実なのか、僕の心の
言っていました。「阿部君はいいな。館長先生
よりどころは何なのか?大学の図書館で哲学や
にいろいろ教わる事ができて」と。でも直接教
宗教の本を読みあさり、教会にも通う日が続き
わる事はなく、そのかわりお師匠さんの稽古法
ました。しかし、求めるものは得られず、自暴
をじかに見る事ができました。その動きはとて
自棄になっていたときに出会ったのが、剛柔流
も柔らかく中心がぶれず円の動きでした。
空手道でした。電信柱の張り紙をみて道場を訪
この空手道を続けたおかげで、身体も強靭に
ね、そこで館長の境龍剛先生(師匠)に出会い
なりましたが、それ以上に医学部を卒業後に救
ました。後日、館長先生は、「あの時のお前の
急医療を自分の専門として選択することができ
目は、腐った魚の目をしていたぞ」と話してく
ました。私にとって、人生の大切な事を教えて
れました。
くれたのは、大学の教授ではありませんでした。
道場に入門した私は大学の剣道も続けながら
館長先生は稽古が終わるといつも、「よしひろ、
空手道場に通い、3 年間で黒帯を取ると、大人や
聴診器で診る医者になるな。心で診る医者にな
子供の指導もまかされるようになりました。大
れ!」と、教えてくれました。今は、その意味
学の試験中も道場を休む事は許されず、そのお
がよくわかります。師弟の関係は僕が医師にな
かげで 2 年間留年してしまいました。剣道部で
ってからも続き、常に私を温かく叱っていただ
はキャプテンも務め、剣道部引退後は空手のみ
き、数年前に館長先生の最後を看取りました。
に専念し、医学部で剛柔流空手道研究会を発足
伊江島に赴任してから、これまで 3 回にわた
し仲間を作りました。医学部 5 年生の時は、手
り、型の演武をする機会がありました。沖縄角
- 96(1452)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
2013
随 筆
力(すもう)の大会と、上地流の空手道大会で
技術を磨くのは当然ですが、一人の人間として
す。今年の 10 月には、伊江島で主催された沖
自分がしっかり生きていなければ、それを生か
縄民謡公演で空手の演武をしました。演武をさ
す事はできません。仕事をしながらもっと楽(ら
せていただいた感謝と、いつまでも修行が続い
く)したいなあ、休みたいなあ、と思う時もあ
ているのだという厳しさを感じています。私が
ります。しかし、空手道の修行で得たものは、
空手道を修行して来た事と、今こうして伊江島
人の痛みを知る事と人生の厳しさでした。そし
で離島医療に身を捧げているのは、何かがつな
て人生の師と出会えた喜びでした。今も自分の
がっているのかと思います。
未熟さに気付く事がたびたびあり、生きている
医師としてその仕事を全うするために知識と
限り修行が続くのを感じます。
境龍剛館長先生(左)
- 97(1453)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
感染症情報
2013
沖縄県感染症発生動向調査報告状況
(定点把握対象疾患)
疾 病
定点区分
40週
41週
42週
43週
10/6
10/13
10/20
10/27
報告数
報告数
報告数
報告数
インフルエンザ
インフルエンザ
RSウイルス感染症
小児科
8
5
7
3
咽頭結膜熱
小児科
21
13
13
10
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
小児科
19
20
19
21
感染性胃腸炎
小児科
58
40
60
74
水痘
小児科
21
25
20
12
手足口病
小児科
15
14
20
23
伝染性紅斑
小児科
1
1
0
1
突発性発疹
小児科
18
16
15
9
百日咳
小児科
0
1
3
3
ヘルパンギーナ
小児科
8
3
1
3
流行性耳下腺炎
小児科
17
15
7
8
急性出血性結膜炎
眼科
1
0
2
0
流行性角結膜炎
眼科
17
16
10
15
細菌性髄膜炎
基幹
1
0
4
0
無菌性髄膜炎
基幹
1
2
2
1
マイコプラズマ肺炎
基幹
4
0
4
0
クラミジア肺炎
基幹
1
0
0
0
58
55
30
40
※1.定点あたり・・・対象となる五類感染症(インフルエンザなど18の感染症)について、沖縄県で定点として選定された
医療機関からの報告数を定点数で割った値のことで、言いかえると定点1医療機関当たりの平均報告数のことです。
(インフルエンザ定点58、小児科定点34、眼科定点10、基幹定点7点)
※2.最新の情報は直接沖縄県感染症情報センターホームページへアクセスしてください。
http://www.idsc-okinawa.jp
(麻しん確定情報)
40 週から 43 週までの、県内での麻しん確定報告はありません。
日医白クマ通信への申し込みについて
さて、日本医師会では会員及び、マスコミへ「ニュースやお知らせ」等の各種情報を E メールにて
配信するサービス(白クマ通信)をおこなっております。
当該配信サービスをご希望の日医会員の先生方は日本医師会ホームページのメンバーズルーム
(http://www.med.or.jp/japanese/members/)からお申し込みください。
※メンバーズルームに入るには、ユーザー ID とパスワードが必要です。(下記参照)
不明の場合は氏名、電話番号、所属医師会を明記の上、[email protected] までお願いいたします。
ユーザー ID
※会員 ID(日医刊行物送付番号)の 10 桁の数字(半角で入力)。
日医ニュース、日医雑誌などの宛名シール下部に印刷されている ID 番号です。
「0」も含め、すべて入力して下さい。
パスワード
※生年月日 6 桁の数字(半角で入力)。
生年月日の西暦の下 2 桁、月 2 桁、日 2 桁を並べた 6 桁の数字です。
例)1948 年 1 月 9 日生の場合、「480109」となります。
- 98(1454)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
沖縄県医師会報 総目次
Vol.49 No.1 ~ 12
通巻 528 ~ 539 号
表紙写真 Vol. No. 頁(通巻頁)
『バルト海の朝日』………………………………………………那覇市立病院 島袋 洋…………49 1
緋寒桜……………………………………………………………新里眼科医院 新里 越郎…………49
2
寒露のサシバ……………………………………………………嶺井第一病院 大城 隆…………49
3
花のスペイン階段………………………………………三原内科クリニック 喜久村徳清…………49
4
うりずんの季節・宮古島砂山ビーチ…………………沖縄セントラル病院 原 信一郎…………49
5
スイスアルプス・天空のパノラマ…………………………とよみ生協病院 原国 政裕…………49
6
マンタ三昧、石垣島……………………………………下地第 2 脳神経外科 薗田 裕…………49
7
“海” を楽しむ… ………………………………宮古島市休日夜間救急診療所 藤川 栄吉…………49
8
ランス・ノートルダム大聖堂 (Cathedrale Notre-Dame de Reims) のステンドグラス
…………………………………………………………沖縄県立八重山病院 本竹 秀光…………49
9
パレスチナの顔……………………………………長嶺胃腸科内科外科医院 長嶺 信夫…………49
10
マチュピチュ Machu Picchu
……………………琉球大学大学院医学研究科医科学専攻整形外科学講座 金谷 文則…………49
11
クリスマスイルミネーション………………………………白井クリニック 白井 和美…………49
12
年頭所感
年頭所感……………………………………………………………………会長 宮城 信雄…………49
1
3 (3)
年頭所感…………………………………………………………日本医師会長 横倉 義武…………49
1
4 (4)
第 127 回日本医師会臨時代議員会… …………………………………副会長 玉城 信光…………49
1
12(12)
第 34 回産業保健活動推進全国会議………………………………………理事 佐久本嗣夫…………49
1
20(20)
平成 24 年度新型インフルエンザの診療に関する研修……………常任理事 宮里 善次…………49
2
2(152)
平成 24 年度 第 2 回都道府県医師会長協議会……………………………会長 宮城 信雄…………49
2
5(155)
平成 24 年度都道府県医師会 勤務医担当理事連絡協議会…………常任理事 宮里 善次…………49
2
13(163)
………………………………………………………………………常任理事 金城 忠雄…………49
3
2(280)
第 43 回全国学校保健・学校医大会…………………………………常任理事 宮里 善次…………49
3
11(289)
国民医療を守るための総決起大会………………………………………会長 宮城 信雄…………49
3
18(296)
3
25(303)
~自覚症状が少ないメタボリックシンドロームの恐怖~……………理事 玉井 修…………49
4
2(378)
平成 24 年度 第 3 回都道府県医師会長協議会……………………………会長 宮城 信雄…………49
4
4(380)
報 告
〈日医関連〉
平成 24 年度家族計画・母体保護法指導者講習会「改正母体保護法の課題」をテーマに
第 56 回社会保険指導者講習会 ~「実践 小児・思春期医療」~
………………………………………………………………………常任理事 宮里 善次…………49
ちばなクリニック小児科 池間 尚子
日本医師会テレビ健康講座 ふれあい健康ネットワーク「なんくるないさぁ」は命取り!?
- 107(1463)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
(通巻頁)
Vol. No. 頁
平成 24 年度都道府県医師会 共同利用施設担当理事連絡協議会
……………………………………………………………………………理事 本竹 秀光…………49
4
12(388)
……………………………………………………………………………理事 本竹 秀光…………49
5
2(510)
平成 24 年度母子保健講習会…………………………………………常任理事 宮里 善次…………49
5
5(513)
………………………………………… 沖縄県医師会女性医師部会 会長 依光たみ枝…………49
5
10(518)
平成 24 年度 日本医師会学校保健講習会…………………ハートライフ病院 安里 義秀…………49
5
15(523)
平成 24 年度 医療政策シンポジウム…………………………………常任理事 宮里 善次…………49
6
2(642)
平成 24 年度都道府県医師会 生涯教育担当理事連絡協議会………常任理事 宮里 善次…………49
6
9(649)
平成 24 年度都道府県医師会医療関係者 担当理事連絡協議会……常任理事 金城 忠雄…………49
6
17(657)
都道府県医師会広報担当理事連絡協議会………………………………理事 本竹 秀光…………49
6
23(663)
第 128 回日本医師会定例代議員会… …………………………………副会長 玉城 信光…………49
6
30(670)
………………………………………………………………………常任理事 稲田 隆司…………49
7
2(820)
第 4 回日本糖尿病対策推進会議総会… ………………………………副会長 安里 哲好…………49
9
2(996)
………………………………………………………………………常任理事 稲田 隆司…………49
9
12
(1006)
第 129 回日本医師会定例代議員会… ………………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
9
16
(1010)
… ………………………………………沖縄県医師会災害医療委員会委員長 出口 宝…………49
9
25
(1019)
平成 25 年度第 1 回都道府県医師会長協議会……………………………会長 宮城 信雄…………49
10
2
(1142)
10
10
(1150)
11
2
(1246)
11
7
(1251)
12
2
(1358)
第 3 回 シンポジウム「会員の倫理・資質向上をめざして」~ケーススタディから学ぶ医の倫理~
平成 24 年度 女性医師支援事業連絡協議会
医療基本法(仮称)制定に関する都道府県担当理事連絡協議会
一般社団法人 医療安全全国共同行動設立記念シンポジウム ~医療安全は新たなステージへ~
都道府県医師会救急災害医療担当理事連絡協議会
日本産婦人科医会 第 36 回性教育指導セミナー全国大会
……………………………………………………………美代子クリニック 宮良美代子…………49
第 9 回男女共同参画フォーラムに参加して
……………………………………………沖縄県医師会女性医師部会委員 仁井田りち…………49
常任理事 真栄田篤彦
第 26 回全国有床診療所連絡協議会総会(兵庫大会)… ……………副会長 玉城 信光…………49
大学医学部女性医師支援担当者連絡会
……………………………………………沖縄県医師会女性医師部会委員 銘苅 桂子…………49
〈九医連関連〉
平成 24 年度(第 29 回)九州学校検診協議会第 2 回専門委員会 九州各県医師会学校保健担当理事者会
………………………………………………………………………常任理事 宮里 善次
Ⅰ.平成 24 年度(第 29 回)九州学校検診協議会 第 2 回専門委員会… …………………………49
2
20(170)
Ⅱ.九州各県医師会学校保健担当理事者会…………………………………………………………49
2
24(174)
九州医師会連合会第 329 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
2
30(180)
Ⅰ.九州医師会連合会第 104 回臨時委員総会… ……………………………………………………49
2
33(183)
Ⅱ.九州医師会連合会委員・九州各県医師会役員合同協議会……………………………………49
2
37(187)
Ⅲ.第 112 回九州医師会連合会総会・医学会… ……………………………………………………49
2
46(196)
第 112 回九州医師会総会・医学会及び関連行事… …………………副会長 玉城 信光
- 108(1464)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
女性医師支援センター事業九州ブロック会議
………………………………………… 沖縄県医師会 女性医師部会会長 依光たみ枝…………49
3
37(315)
……………………………………………………………………………理事 平安 明…………49
4
20(396)
九州医師会連合会第 330 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
4
26(402)
1. 医療保険対策協議会… ………………………………………………理事 平安 明…………49
4
28(404)
2. 介護保険対策協議会… ………………………………………………理事 比嘉 靖…………49
4
39(415)
3. 地域医療対策協議会… …………………………………………常任理事 宮里 善次…………49
4
47(423)
4
62(438)
……………………………………………………………………………理事 本竹 秀光…………49
5
19(527)
九州医師会連合会第 331 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
6
40(680)
九州ブロック日医代議員連絡会議……………………………………副会長 玉城 信光…………49
6
42(682)
九州医師会連合会第 332 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
7
7(825)
九州医師会連合会第 333 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
8
2(894)
九州医師会連合会第 105 回定例委員総会… …………………………副会長 玉城 信光…………49
8
5(897)
九州医師会連合会第 334 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
9
33
(1027)
九州各県保健医療福祉主管部長・九州各県医師会長合同会議………会長 宮城 信雄…………49
9
35
(1029)
第 45 回九州地区医師会立 共同利用施設連絡協議会……………………理事 本竹 秀光…………49
10
12
(1152)
九州医師会連合会第 335 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
11
9
(1253)
………………………………………………………………………常任理事 宮里 善次…………49
11
11
(1255)
九州医師会連合会第 336 回常任委員会… ………………………………会長 宮城 信雄…………49
12
7
(1363)
12
11
(1367)
12
18
(1374)
12
29
(1385)
12
44
(1400)
次期診療報酬改定の要望事項に係る平成 24 年度 医療保険対策協議会
九州医師会連合会 平成 24 年度 第 2 回各種協議会
理事 本竹 秀光
理事 照屋 勉
理事 玉井 修
九州各県医師会 医療情報システム担当理事連絡協議会… ……………理事 佐久本嗣夫…………49
九州医師会連合会 医療基本法(仮称)制定に関するシンポジウム
第 57 回九州ブロック学校保健・学校医大会 平成 25 年度九州学校検診協議会(年次大会)
九州医師会連合会 平成 25 年度 第 1 回各種協議会
1. 在宅医療対策協議会… ……………………………………………副会長 安里 哲好…………49
理事 比嘉 靖
監事 山里 将進
2. 地域医療対策協議会… ……………………………………………副会長 玉城 信光…………49
常任理事 稲田 隆司
理事 本竹 秀光
理事 玉井 修
理事 石川 清和
3. 医療保険対策協議会… …………………………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
常任理事 金城 忠雄
理事 平安 明
4. 介護保険対策協議会… ……………………………………………副会長 安里 哲好…………49
常任理事 宮里 善次
理事 比嘉 靖
- 109(1465)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
〈沖縄県医師会関連〉
e- レジフェア 2012 in 福岡… ……………………………………………理事 村山 貞之…………49
1
27(27)
平成 24 年度沖縄県医師会 感染症・予防接種講演会………………常任理事 宮里 善次…………49
1
34(34)
平成 24 年度那覇空港・航空機事故 対策総合訓練………………………理事 玉井 修…………49
1
37(37)
1
41(41)
…………………………………………………………………………副会長 玉城 信光…………49
2
57(207)
平成 24 年度永年勤続医療従事者表彰式 222 名が表彰される…………理事 石川 清和…………49
2
60(210)
………………………………………………………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
3
45(323)
平成 25 年沖縄県医師会 新年祝賀会・医事功労者表彰式…………常任理事 真栄田篤彦…………49
3
48(326)
第 115 回沖縄県医師会医学会総会… ……………………………………理事 玉井 修…………49
4
67(443)
第 54 回地区医師会連絡協議会……………………………那覇市医師会理事 白井 和美…………49
4
80(456)
平成 24 年度沖縄県国民保護共同図上訓練…………災害医療委員会委員長 出口 宝…………49
4
84(460)
都道府県別平均寿命陥落にかかる緊急アピール………………………理事 玉井 修…………49
4
90(466)
消費税問題に関する講演会………………………………………………理事 石川 清和…………49
5
24(532)
5
57(565)
5
63(571)
… ………………………………………………………災害医療委員会委員長 出口 宝…………49
5
70(578)
沖縄県交通遺児育成募金の贈呈について………………………………会長 宮城 信雄…………49
5
74(582)
………………………………………………………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
6
59(699)
第 199 回沖縄県医師会臨時代議員会… ……………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
6
63(703)
沖縄県医師会 平成 25 年度研修医歓迎レセプション……………………理事 石川 清和…………49
7
10(828)
第 15 旅団災害対処訓練研修…………………………災害医療委員会委員長 出口 宝…………49
7
15(833)
第 116 回沖縄県医師会医学会総会… ………………………………広報委員 照屋 勉…………49
8
16(908)
……………………………………………………………………………理事 村山 貞之…………49
9
39
(1033)
第 200 回沖縄県医師会定例代議員会… ……………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
9
63
(1057)
…………………………………………………沖縄県医師会女性医師部会 伊良波裕子…………49
10
19
(1159)
おきなわ津梁ネットワークにご参加下さい……………………………理事 石川 清和…………49
10
32
(1172)
なごみ会主催第 3 回県民健康フェア… ……………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
11
22
(1266)
陸上自衛隊第 15 旅団災害対処図上訓練……………災害医療委員会委員長 出口 宝…………49
11
28
(1272)
おきなわ津梁ネットワーク 特定保健指導支援説明会… ………………理事 玉井 修…………49
11
31
(1275)
12
52
(1408)
第 6 回沖縄県女性医師フォーラム ~広がる女性医師支援、そして男性医師支援へ~
…………………………………… 沖縄県医師会 女性医師部会副部会長 知花なおみ…………49
平成 24 年度第 1 回沖縄県医療保健連合(なごみ会)幹事会・懇談会
沖縄県医療推進協議会 ~国民皆保険制度と TPP・控除対象外消費税問題を決議~
「消費税問題に対する日医の見解について」……………日本医師会副会長 今村 聡
第 1 回地区医師会長会議… …………………………………………常任理事 真栄田篤彦…………49
第 40 回沖縄県学校保健・学校医大会 聴こえますか心の叫びが(いじめ、虐待への対応)
… …………………………………………………………あかつき法律事務所 岩城 正光…………49
大規模災害発生時における多数死体検視要領訓練
会員の倫理・資質向上に関する講演会 ~クレームマネジメントで患者満足をたかめましょう~
e- レジフェア 2013 in TOKYO e- レジフェア 2013 in OSAKA
第 7 回沖縄県女性医師フォーラム ~ IT を使いこなす!~
平成 25 年度女性医師の勤務環境整備に関する病院長等との懇談会
……………………………………………沖縄県医師会女性医師部会委員 白井 和美…………49
- 110(1466)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
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2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
〈沖縄県医師会県民公開講座〉
第 4 回沖縄県医師会県民健康フォーラム 腰痛について… …………理事 玉井 修…………49
5
49(557)
沖縄県医師会糖尿病市民公開講座………………………………………理事 石川 清和…………49
6
53(693)
9
53
(1047)
平成 24 年度第 3 回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議…………………副会長 安里 哲好…………49
2
53(203)
平成 24 年度第 4 回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議…………………副会長 玉城 信光…………49
4
86(462)
平成 25 年度第 1 回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議…………………副会長 玉城 信光…………49
7
21(839)
平成 25 年度第 2 回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議…………………副会長 玉城 信光…………49
8
10(902)
平成 25 年度第 3 回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議…………………副会長 玉城 信光…………49
10
27
(1167)
第 23 回沖縄県医師会県民公開講座 「ゆらぐ健康長寿おきなわ」
~がんの最先端放射線治療について~………………………………理事 玉井 修…………49
〈沖縄県・県医師会連絡会議〉
九州医師会医学会からのご案内
九州医学会特別講演について「ミトコンドリアと長寿―核ゲノムとミトコンドリアゲノムの関わり」
東京都長寿研究所 田中雅嗣先生………………………………………理事 石川 清和…………49
11
39
(1283)
2
63(213)
9
81
(1075)
2
78(228)
6
103(743)
……………………………………………………………………………理事 玉井 修…………49
2
71(221)
平成 24 年度第 4 回マスコミとの懇談会「看とり」について…………理事 玉井 修…………49
6
124(764)
8
27(919)
11
42
(1286)
表 彰
桑江朝彦先生、當山護先生おめでとうございます。
~桑江朝彦先生日本医師会最高優功賞受賞 當山護先生旭日双光章受章合同祝賀会~
………………………………………………………………………常任理事 宮里 善次…………49
桑江朝彦先生旭日双光章受章祝賀会 新・旧琉球大学医学部長・附属病院長激励会
………………………………………………………………………常任理事 宮里 善次…………49
表紙写真年間グランプリ
福嶺紀秀先生「老騏の歩み」(平成 24 年 12 月号掲載)を表彰 !!… …………………………………49
座談会
ワークライフバランスについて…………………………………………理事 玉井 修…………49
懇談会
〈マスコミとの懇談会〉
平成 24 年度第 3 回マスコミとの懇談会「女性の自殺関連事象を考える」について
平成 25 年度第 1 回マスコミとの懇談会「若年性認知症」について
……………………………………………………………………………理事 玉井 修…………49
平成 25 年度第 2 回マスコミとの懇談会 離島医療の現状と課題
……………………………………………………………………………理事 玉井 修…………49
- 111(1467)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
〈医療に関する県民との懇談会〉
緩和ケアについて考える県民との懇談会………………………………理事 玉井 修…………49
5
75(583)
5
102(610)
6
152(792)
1
52(52)
………………………………… 琉球大学医学部附属病院産婦人科 助教 銘苅 桂子…………49
2
80(230)
頸動脈超音波検査……………… 琉球大学医学部附属病院第三内科 助教 伊佐 勝憲…………49
3
54(332)
4
96(472)
5
83(591)
………………………………… 琉球大学医学部附属病院 高気圧治療部 合志 清隆…………49
6
135(775)
B 型肝炎の再活性化と de novo 肝炎……… 沖縄県立中部病院 消化器内科 菊地 馨…………49
7
26(844)
………………………………………浦添総合病院消化器病センター外科 伊佐 勉…………49
8
37(929)
日医生涯教育制度ハガキによる上位申告者 60 名に記念品(図書カード)贈呈!…………………49
9
89
(1083)
お勧めします。生涯教育コーナー!……………くばがわ内科クリニック 久手堅憲史…………49
9
90
(1084)
趣味のグループ
親睦囲碁大会~参戦記!……………………………………てるや整形外科 照屋 勉…………49
「沖縄県病院対抗フットサル大会:ボールでつながる人と人」
………………………………………………………浦添総合病院整形外科 島川 朋享…………49
生涯教育
子宮頸癌とヒトパピローマウイルス(human papilloma viruses:HPV)
…… 琉球大学大学院医学研究科 環境長寿医科学 女性・生殖医学講座 久高 亘…………49
体外受精・胚移植(IVF-ET)の現状と問題点
大腿骨近位部骨折を予防するために椎体骨折患者を治療せよ
……………………………………………………沖縄赤十字病院整形外科 大湾 一郎…………49
マイクロサージャリーを用いたリンパ浮腫治療
…………………………………………………沖縄県立中部病院形成外科 今泉 督…………49
高気圧酸素治療 ~琉球大学病院での治療の実際~
膵癌外科治療の現況と展望―自験例の検討を含めて
運動後急性腎不全
(ALPE:acute renal failure with loin pain and patchy renal ischemia after anaerobic exercise)について
…………………………………………………沖縄県立中部病院腎臓内科 耒田 善彦…………49
9
91
(1085)
10
44
(1184)
11
57
(1301)
12
65
(1421)
1
59(59)
…………………… 社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 放射線科 西蔵盛由紀子…………49
2
86(236)
単純心臓 CT の有用性……………… 豊見城中央病院 循環器 &ICU 専属医 玉城 正弘…………49
3
60(338)
くも膜下出血に対する脳動脈瘤コイル塞栓術 ー膨潤型コイル Hydrocoil の使用経験ー
……………………………………………… 沖縄赤十字病院 脳神経外科 與那覇博克…………49
最近の結核について ~高齢者結核を中心に~
……………………………………… 国立病院機構 沖縄病院 呼吸器内科 久場 睦夫…………49
減圧障害(decompression illness):その対策は沖縄で急務である
………………………………… 琉球大学医学部附属病院 高気圧治療部 合志 清隆…………49
プライマリ・ケアコーナー
予防接種の基礎………………………………………………アワセ第一医院 浜端 宏英…………49
「FDG 集積」は何をあらわすか? FDG-PET 読影の際の注意点
- 112(1468)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
(通巻頁)
Vol. No. 頁
一般内科通院患者の中における夜間頻尿の点と線
…………………………………………………琉球大学医学部泌尿器科学 宮里 実…………49
4
102(478)
…………………………… 社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院 佐久川 廣…………49
5
91(599)
前向き臨床推論………………………………… 豊見城中央病院 総合内科 池原 泰彦…………49
6
142(782)
7
34(852)
De novo B 型肝炎とその対策
「最近の腎移植事情~豊見城中央病院における腎移植 50 症例の検討から」
………………………………………… 友愛会豊見城中央病院 移植外科 大田 守仁…………49
コメディカルスタッフと取り組む高血圧診療 ~高血圧、家庭血圧記録に関するアンケート調査を参考に~
…………………………………………………首里城下町クリニック第一 田名 毅…………49
8
44(936)
……………………………………………… 沖縄県立中部病院 総合内科 本村 和久…………49
9
96
(1090)
頭 痛… ……………………………………………………………稲福内科医院 稲福 徹也…………49
10
51
(1191)
11
64
(1308)
めまいと頭痛・同時に起こったらどのように考えるか?
心雑音へのアプローチ ~中高年者を中心に~
……………………………………………………琉球大学医学部附属病院 武村 克哉…………49
沖縄県における喘息吸入指導に関する薬剤師アンケート結果(病院薬局と調剤薬局の違いについて)
………………………………………………………………………中頭病院 伊志嶺朝彦…………49
12
72
(1428)
……………………………………………インタービューアー 広報委員 本竹 秀光…………49
2
90(240)
消化器内視鏡会会長 奥島憲彦先生……インタービューアー 広報委員 出口 宝…………49
3
63(341)
4
104(480)
……………………………………………インタービューアー 広報委員 本竹 秀光…………49
5
94(602)
循環器科会会長 安里浩亮先生…………インタービューアー 広報委員 本竹 秀光…………49
6
145(785)
7
38(856)
8
48(940)
……………………………………………インタービューアー 広報委員 本竹 秀光…………49
9
100
(1094)
那覇市保健所所長 国吉秀樹先生………インタービューアー 広報委員 本竹 秀光…………49
10
57
(1197)
整形外科医会会長 松元悟先生…………インタービューアー 広報委員 照屋 勉…………49
11
69
(1312)
12
78
(1434)
1
6 (6)
インタビューコーナー
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター副院長 佐久本 薫 先生
沖縄県医師会医学会耳鼻咽喉科分科会会長 鈴木幹男先生
……………………………………………インタービューアー 広報委員 金谷 文則…………49
沖縄プライマリ・ケア研究会会長 仲本昌一先生
沖縄県立中部病院院長 松本廣嗣先生
………………………………………インタービューアー 広報担当理事 金城 正高…………49
琉球大学大学院医学研究科長医学部長 松下正之先生
……………………………………………インタービューアー 広報委員 金谷 文則…………49
県立八重山病院院長 依光たみ枝先生
沖縄県福祉保健部健康増進課課長 糸数公先生
……………………………………………インタービューアー 広報委員 本竹 秀光…………49
特別インタビュー
新春インタビュー 与世田兼稔副知事…………………………………………………………………49
- 113(1469)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
(通巻頁)
Vol. No. 頁
月間(週間)行事お知らせ
「はたちの献血キャンペーン」(1/1 ~ 2/28)に因んで
……………………………………………沖縄県赤十字血液センター所長 大久保和明…………49
1
62(62)
2
92(242)
2
94(244)
2
97(247)
3
70(348)
3
72(350)
………………………………………………………国立病院機構沖縄病院 石川 清司…………49
3
74(352)
世界保健デー(4/7)によせて…………………………北部福祉保健所所長 宮里 達也…………49
4
107(483)
「未成年者飲酒防止強調月間」に寄せて… …………………かいクリニック 稲田 隆司…………49
4
108(484)
5
97(605)
5
100(608)
6
146(786)
6
148(788)
6
150(790)
7
40(858)
……………………………………………… 南部徳洲会病院 救急診療部 原田 宏…………49
9
103
(1097)
結核予防週間に寄せて(9/24 ~ 9/30)… ……………八重山福祉保健所長 東 朝幸…………49
9
106
(1100)
「がん征圧月間」について… ………琉球大学医学部附属病院がんセンター 増田 昌人…………49
9
108
(1102)
10
61
(1201)
………………………………………………… 沖縄県立中部病院 麻酔科 国吉 茂…………49
10
66
(1206)
目の愛護ノ為にカットする!…………………………………那覇眼科医院 石川 哲夫…………49
10
68
(1208)
「アナフィラキシーについて」~アレルギー週間(2/17 ~ 2/23)に寄せて~
……………………… 沖縄県立中部病院 地域救命救急センター 救急科 高良剛ロベルト……49
皮膚科領域における金属アレルギー ~アレルギー週間(2/17 ~ 2/23)に因んで~
…………………………………………………………………高宮城皮フ科 髙宮城 敦…………49
アレルギー性鼻炎に対する手術治療について ~アレルギー週間(2/17 ~ 2/23)に因んで~
…………… 琉球大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座 上原 貴行…………49
耳の日(3/3)に因んで
……………………………沖縄県立中部病院耳鼻咽喉・頭頸部外科部長 崎浜 教之…………49
予防接種週間(3/1 ~ 3/7)に寄せて -確実なワクチンの効果-
………………………………………………………………アワセ第一医院 浜端 宏英…………49
「世界結核デー(3/24)」に因んで 結核・油断大敵!
麻疹から子どもたちを守る ~はしか “0” キャンペーン週間(5 月 13 日~ 18 日)に寄せて~
…………………………………………………………………県立中部病院 小濱 守安…………49
世界禁煙デーによせて ―精神科病院での取り組み―
…………………………………………………………… 南山病院 副院長 譜久原 弘…………49
歯と口の健康週間(6/4 ~ 6/10)に寄せて
……………………………………… 沖縄県歯科医師会(米須歯科医院) 米須 敦子…………49
「ハンセン病を正しく理解する週間(6/22 ~ 6/28)」に寄せて
………………………………………………………国立療養所沖縄愛楽園 野村 謙…………49
改めて薬物乱用防止について考える
「ダメ。ゼッタイ。」普及運動(6/20 ~ 7/19)、国際麻薬乱用撲滅デー(6/26)に寄せて
……………… 一般社団法人 沖縄県薬剤師会 学校薬剤師部会副部会長 笠原 大吾…………49
「愛の血液助け合い運動月間」(7/1 ~ 7/31)に寄せて
……………………………………………………………ハートライフ病院 宮城 敬…………49
『救急の日(9/9)・救急週間(~ 9/15)』に寄せて
「骨と関節の日」(10/8)に因んで ~ロコモティブシンドローム~
………………………………………………… 豊見城中央病院 整形外科 永山 盛隆…………49
「麻酔の日(10/13)」に寄せて 手術室から消えたもの・現れたもの・変わらぬもの
- 114(1470)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
骨髄バンク推進月間に寄せて
…琉球大学大学院医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)
……………………………………………………………………………………友寄 毅昭…………49
10
70
(1210)
10
72
(1212)
10
73
(1213)
10
74
(1214)
……… 翔南病院(中部地区医師会 糖尿病標準治療推進委員会 委員) 仲地 健…………49
11
70
(1314)
医療安全推進週間(11/24 ~ 11/30)に因んで……………県立八重山病院 本竹 秀光…………49
11
73
(1317)
11
74
(1318)
11
76
(1320)
12
80
(1436)
「臓器移植普及推進月間(10/1 ~ 10/31)」に寄せて
………………………………………………沖縄県移植コーディネーター 平川 達二…………49
ピンクリボン運動月間 ~乳癌検診を考える~
…………………………………………………… 豊見城中央病院 乳腺科 比嘉 国基…………49
10 月はピンクリボン月間 おっぱいのことをいっぱい考えてみませんか
……………………………………………… 那覇西クリニック 乳腺外科 玉城研太朗…………49
「沖縄糖尿病週間」に寄せて ~これからの糖尿病チーム医療と医療連携に期待~
「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間(11/1 ~ 11/30)」に因んで
……………………………………………………… 沖縄協同病院 小児科 比嘉 千明…………49
『性の健康週間(11/25 ~ 12/1)』に寄せて 子宮内避妊具(IUD)- 適正な抜去をお願いします
………………………………………………… 沖縄県立中部病院 婦人科 三浦 耕子…………49
世界エイズデー(World AIDS Day:12 月 1 日)に因んで ―オリンピックとエイズ―
……………… 琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科学 准教授 健山 正男…………49
発言席
診療所急変対応シミュレーション講習会の経験 ~クリニックでの患者急変に対応するスキルを磨く~
…………………………………………………………………曙クリニック 玉井 修…………49
2
100(250)
9
110
(1104)
7
42(860)
沖縄県乳癌死亡率減少を目指して ― 第 1 回 Okinawa Breast Oncology Meeting Consensus ―
……………………………………………… 那覇西クリニック 乳腺外科 玉城研太朗…………49
本の紹介コーナー
沖縄伝統空手道から学ぶ「ケガをしない体づくり」
~ Quality Of Life メソッド~(池原 英樹著 沖縄タイムス社出版)
…………………………………………………国立病院機構沖縄病院院長 石川 清司…………49
- 115(1471)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
新春干支随筆
沖縄と私とヤンバルと…………………………… もとぶ野毛病院 理事長 上田 裕一…………49
1
81(81)
ミドシは新しい旅立ち…………………………………沖縄メディカル病院 大山 朝賢…………49
1
82(82)
「巳年(へびどし)に因んで」………………………………………………… 知念 清…………49
1
82(82)
『希望』………………………………………………………当山美容形成外科 當山 護…………49
1
83(83)
巳年(へびどし)に因んで…………………………………友寄クリニック 友寄 英雄…………49
1
84(84)
干支:へびどし生まれに因んで:同期会…………………与那原中央病院 仲尾 清…………49
1
85(85)
医師生活 45 年…………………………………………………………新垣病院 眞榮城尚志…………49
1
86(86)
巳年を迎えて…………………………………………………………北部病院 松岡 政紀…………49
1
87(87)
「巳は天敵」………………………………………………………浦添総合病院 宮城 敏夫…………49
1
89(89)
「我が良き医師人生」………………………………… 那覇市立病院 前院長 与儀実津夫…………49
1
90(90)
新春干支随筆の依頼を受け困惑しています。……………経塚クリニック 玉城 英征…………49
1
90(90)
………………… 琉球大学大学院医学研究科 衛生学・公衆衛生学講座 青木 一雄…………49
1
92(92)
雑感……………………………………………… 沖縄セントラル病院 内科 石田 眞一…………49
1
93(93)
巳年・還暦の想い……………………………… 南部徳洲会 放射線治療科 上原 智…………49
1
94(94)
農と脳(巳年還暦にちなんで)……………… 沖縄赤十字病院 脳神経外科 笠井 直人…………49
1
95(95)
巳年にちなんで……………………………………琉球大学医学部整形外科 金谷 文則…………49
1
96(96)
還暦を前にしてサンシンを始めた…… 琉球大学医学部附属病院 手術部 久田 友治…………49
1
96(96)
―良い人材を求めて―………………………………大浜第一病院放射線科 新里 仁哲…………49
1
97(97)
小児心臓血管外科 長田 信洋…………49
1
98(98)
巳年(へびどし)に因んでの抱負………………………ハートライフ病院 松元 悟…………49
1
99(99)
ロードバイクで走る…………………………………………………宮里眼科 宮里 章…………49
1
100(100)
「巳年に因んで」………………………………………………………上村病院 山内 昌紀…………49
1
101(101)
幸せな 60 年そしてこれからも………………………山城整形外科眼科医院 山城 千秋…………49
1
102(102)
巳年にちなんで………………………………………………山本クリニック 山本 和儀…………49
1
103(103)
今年の抱負(レトロ 2)… ………………………………那覇市立病院小児科 屋良 朝雄…………49
1
104(104)
川柳で女の一生………………………………………………県立八重山病院 依光たみ枝…………49
1
105(105)
副院長(産婦人科) 佐久本 薫…………49
1
106(106)
今年の抱負………………………………………医療法人へいあん平安病院 安里 尚彦…………49
1
107(107)
今年の抱負………………… ロクト整形外科クリニック、ロクト整形 J2 嘉手川 啓…………49
1
108(108)
巳年に因んで…………………… 医療法人紺碧会 みなみしまクリニック 島袋 毅…………49
1
109(109)
ケリューケイオンの杖…………………………………………浦添総合病院 島袋 勉…………49
1
110(110)
巳年にちなんで…………… 首里城下町クリニック第一(那覇市医師会) 田名 毅…………49
1
112(112)
48 歳の大学生… …………………………………… 豊見城中央病院 循環器 玉城 正弘…………49
1
112(112)
1
113(113)
明るい未来へ向けて ~健康の保持増進のために~
「年をとる」ということ
…………………… 沖縄県立 南部医療センター・こども医療センター
新しい年を迎えて
………………………沖縄県立南部医療センター・こども医療センター
巳年 1965 年の出来事について
…………………… 琉球大学大学院医学研究科 育成医学講座(小児科) 知念 安紹…………49
- 116(1472)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
新年の干支占いと祖母の占いもどき
…………………………………… 琉球大学医学部附属病院 産科婦人科 長井 裕…………49
1
114(114)
としびーによせて…………………………………………ハートライフ病院 仲田 操…………49
1
115(115)
ヘルニアマニア……………………………………… 豊見城中央病院 外科 仲地 厚…………49
1
116(116)
「今年の抱負 ~糖尿病チーム医療~」
… ……… 翔南病院 代謝内分泌内科 仲地 健…………49
1
117(117)
新春干支………………………………………………………沖縄赤十字病院 長嶺 信治…………49
1
118(118)
本当の気持ち…………………………………………………伊波クリニック 西川 高広…………49
1
119(119)
『巳年にちなんで』…………………………………………………天久台病院 宮平 綾子…………49
1
120(120)
「巳年に因んで」…………………………… 南部徳洲会病院 泌尿器科 部長 向山 秀樹…………49
1
121(121)
巳年に因んで……………………………………ヒルズガーデンクリニック 米納 浩幸…………49
1
122(122)
研修医とともに…………………………… 沖縄県立中部病院 循環器内科 和氣 稔…………49
1
123(123)
4 回目の巳年の抱負………………………………琉球大学保健管理センター 崎間 敦…………49
1
124(124)
今年の抱負……………………………………………那覇市立病院産婦人科 池宮城 梢…………49
1
125(125)
巳年放射線科医のつぶやき……………… 琉球大学医学部放射線科 助教 與儀 彰…………49
1
126(126)
巳年(へびどし)雑考……………………………琉球大学医学部附属病院 新垣 和也…………49
1
127(127)
巳年に因んで ~楽しい苦悩の日々~… ……… 北部地区医師会病院 外科 松浦 文昭…………49
1
127(127)
胎盤物語り - ラエンネックをめぐって -… …………………………………… 花城 清剛…………49
8
62(954)
老楽力(おいらくりょく)………………………はざま胃腸内科クリニック 玻座真博公…………49
8
63(955)
最近ワジワジーすることがある。…………………………………………… 平安山英盛…………49
8
65(957)
フリードマン先生の Congratulations… ………… ちばなクリニック 内科 城間 勲…………49
8
67(959)
………………………………友愛会 豊見城中央病院 放射線科 統括部長 勝山 直文…………49
8
68(960)
琉球と国道 58 号線………………………………………辺野喜内科・小児科 辺野喜英夫…………49
8
69(961)
私の東京散策……………………………………………………平田内科医院 平田 清司…………49
8
71(963)
ふるさとを想う…………………………………………沖縄セントラル病院 原 信一郎…………49
8
73(965)
8
74
(966)
8
75(967)
………………………… 琉球大学大学院 感染症・呼吸器・消化器内科 藤田 次郎…………49
8
76(968)
伝統の美しさ…………………………………………あがりはまクリニック 湧上 民雄…………49
8
78(970)
……………………………………………………………………………………山本 壽一…………49
8
79(971)
食文化の一考察…………………………………………ちゅら海クリニック 鈴木 透理…………49
8
80(972)
8
82(974)
緑陰随筆
放射線科入局当時を思い出して―放射線医療 40 年の歩みー
新たな国民病 “CKD”
…琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部(日本腎臓学会広報委員会委員長)
………………………………………………………………………………………井関 邦敏…………49
診療雑感「インフルエンザに罹患して改めてインフルエンザの症状について考えてみた」
…………………… 琉球大学医学部附属病院 地域医療システム学講座 小宮 一郎…………49
琉球大学医学部中庭の設計図
人類が地球上で絶滅危惧種とならないためには
…社会医療法人かりゆし会ハートライフクリニック院長 糖尿病センター長
Physical Examination of The Heart の勉強法についての一考
………………………………………………沖縄県立中部病院循環器内科 平田 一仁…………49
- 117(1473)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
沖縄に暮らす…………………………………… あがりえクリニック 院長 萩原 真理…………49
8
84(976)
『ロードバイク』…………………………………………………花城内科医院 花城 清治…………49
8
86(978)
チェンマイの思い出………………… 琉球大学医学部附属病院 第一内科 比嘉 太…………49
8
87(979)
………………… 社会医療法人友愛会 豊見城中央病院 研修管理委員長 比嘉 盛丈…………49
8
88(980)
沖縄医療の先人………………………… 島尻キンザー前クリニック 院長 島尻 佳典…………49
8
89(981)
食虫植物はいかが?……………………………… 那覇市立病院 放射線科 足立 源樹…………49
8
90(982)
太陽光発電とガス衣類乾燥機……… 琉球大学医学部附属病院 放射線科 伊良波裕子…………49
8
91(983)
「妙」なもの… ………………………… 琉球大学医学部附属病院 放射線科 東江ゆりか…………49
8
92(984)
10
75
(1215)
12
83
(1439)
私の柔道回想録………………………………………………………嘉陽外科 嘉陽 宗吉…………49
2
117(267)
『イタリアで考えたこと』(Ⅰ)…………………………三原内科クリニック 喜久村徳清…………49
2
120(270)
『イタリアで考えたこと』(Ⅱ)…………………………三原内科クリニック 喜久村徳清…………49
3
88(366)
4
120(496)
……………………………………………………琉球大学医学部附属病院 久田 友治…………49
4
124(500)
「樽平」……………………………… ハートライフ病院 予防医学センター 比嘉 昌文…………49
5
122(630)
男の妊娠出産………………県立南部医療センター・こども医療センター 長田 信洋…………49
6
167(807)
沖縄に帰郷して…………………………………古堅ウィメンズクリニック 古堅 善亮…………49
7
54(872)
Akiane Kramarik; An American artistic prodigy…………………同仁病院 桑江 紀子…………49
9
129
(1123)
9
130
(1124)
……………………………………………………長嶺胃腸科内科外科医院 長嶺 信夫…………49
10
86
(1226)
“フィレンチェで考え そのごのご”(一)
………………三原内科クリニック 喜久村徳清…………49
11
92
(1336)
夏休み…………………………………………………………沖縄赤十字病院 赤嶺 盛和…………49
11
94
(1338)
………………………………………………………………………中頭病院 湧田健一郎…………49
11
96
(1340)
“フィレンチェで考え そのごのご”(二)
………………三原内科クリニック 喜久村徳清…………49
12
94
(1450)
人生の師との出会い……………………………………伊江村立診療所所長 阿部 好弘…………49
12
96
(1452)
1
143(143)
あなたにとっての見えない相手と戦うためには
ロゴマークは語る
ゆいクリニック……………………………………… ゆいクリニック 院長 島袋 史…………49
…………………………………………………………………………小児科 島袋 忠雄
ありがとう子供クリニック…………… ありがとう子供クリニック 院長 二木 良夫…………49
随 筆
ダラムサラ、インドヒマラヤ紀行 ~リトル・ラサとブルーポピー~
……………………………………………………長嶺胃腸科内科外科医院 長嶺 信夫…………49
国試の問題を 3e アナライザーで講義してみた
大北裕教授との手術体験
……………………………県立南部医療センター・こども医療センター 長田 信洋…………49
「コンボイ」で行くシナイ半島とイスラエルの旅
APDEC2013 Asia-Pacific Diabetes,Epidemiology,and education training Course に参加して
広報委員の新春の挨拶
広報委員の新春の挨拶……………………………………………………………………………………49
- 118(1474)
-
沖縄医報 Vol.48 No.12
沖縄医報 Vol.49
総 目 次
2012
2013
Vol. No. 頁
(通巻頁)
編集後記
…………………………………………………………………………広報委員 玉井 修…………49
2
128(278)
…………………………………………………………………………広報委員 金城 正高…………49
3
98(376)
…………………………………………………………………………広報委員 照屋 勉…………49
4
132(508)
…………………………………………………………………………広報委員 金谷 文則…………49
5
132(640)
…………………………………………………………………………広報委員 本竹 秀光…………49
6
178(818)
…………………………………………………………………………広報委員 友利 寛文…………49
7
74(892)
…………………………………………………………………………広報委員 出口 宝…………49
8
104(996)
…………………………………………………………………………広報委員 冨名腰義裕…………49
9
146
(1140)
…………………………………………………………………………広報委員 平良 豊…………49
10
104
(1244)
…………………………………………………………………………広報委員 白井 和美…………49
11
112
(1356)
…………………………………………………………………………広報委員 饒平名知史…………49
12
120
(1476)
〈以下のコーナーについては、ページ等の詳細は省略いたします。〉
会務のうごき (会長・副会長室、理事会、県医日誌)
感染症情報 、 会員の動き 、 講演会・例会のご案内 、 産業医研修会のご案内 、
会員からの本誌並びに本会へのご感想、質問、提案等
- 119(1475)
-
沖縄医報 Vol.49 No.12
報 告
2013
月日が経つのは早いもので、広報委員を担当
てきた気圧低下による障害のことで、その病態
させて頂いてから 2 回目の編集後記です。12
や病状、現場から専門施設までの対処法と治
月号の担当ということもあり、年の瀬を感じな
療、さらにはダイビングが重要な観光産業であ
がらの原稿準備となりました。さて 12 月号の
る沖縄県が抱える課題についても紹介されて
表紙は、東京タワーのクリスマスイルミネーシ
います。
ョンです。大きなクリスマスツリーのそばには
「プライマリ・ケアコーナー」は、伊志嶺朝
小さな遊園地も併設されており人気のスポット
彦先生に「沖縄県における喘息吸入指導に関す
になっているそうです。
る薬剤師アンケート結果(病院薬局と調剤薬局
冒頭では、まず、大学医学部女性医師支援担
の違いについて)」を頂いております。その所
当理事連絡会の報告がされています。日本医師
属する組織によって、吸入指導人数や患者情報
会での女性医師支援に関する取り組みの紹介と
の医師との共有(吸入指導に関する)に違いが
各大学(東北大学、岐阜大学、九州大学)にお
あることが判明し、より良い吸入指導に向けて
ける女性医師支援や男女共同参画の取り組みに
の問題提起となっています。「月間(週間)行
関する事例の紹介がなされており、是非、一読
事お知らせ」では、健山正男先生に「世界エイ
されることをお勧めします。また、九州医師会
ズデー(World AIDS Day:12 月 1 日)に因ん
連合会平成 25 年度第 1 回各種協議会では、在
で‐オリンピックとエイズ‐」を頂いておりま
宅医療・地域医療・医療保険・介護保険について、
す。HIV について考える良い機会になりました。
九州各県での実情、取り組み、それに対する日
「ロゴマークは語る」では、ありがとう子供
本医師会のコメントなどが紹介されており、是
クリニックが紹介されています。愛らしい笑
非、目を通しておきたい内容です。
顔の子供がデザインされており、ほのぼのと
「平成 25 年度女性医師の勤務環境整備に関
した雰囲気が感じられました。ご発展をお祈
する病院長等との懇談会」は、白井和美先生が
りします。
報告されています。沖縄県における女性医師就
「随筆」は喜久村徳清先生の「フィレンチェ
労支援事業や医師確保対策関連事業の内容、ま
で考えそのごのご(二)」、阿部好弘先生の「人
た、事前アンケートにより要望あった「女性医
生の師との出会い」です。それぞれ、趣の異な
師が多く勤務している医療機関における連携の
るお話でありましたが、楽しく読ませて頂きま
実態について」「外科系女性医師の育成につい
した。
て」「院内保育所の運営について」の意見交換
今月号も、興味深いテーマが揃っており、非
が紹介されており、今後、多くの病院で女性医
常に充実した内容であると思います。お忙しい
師が働きやすいような環境整備が進むことを期
中、ご報告、ご投稿いただいた会員の先生方、
待します。
医師会事務局の皆様ありがとうございました。
今 月 の「 生 涯 教 育 」 は、 合 志 清 隆 先 生 と
来年も宜しくお願いいたします。
手 塚 幸 雄 先 生 の「 減 圧 障 害(decompression
illness):その対策は沖縄で急務である」です。
減圧障害とは、以前は潜水病や潜函病と呼ばれ
- 120(1476)
-
広報委員 饒平名 知史
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