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Page 1 金沢大学学術情報州ジトリ 金沢大学 Kanaraพa University
Title <翻訳> ジョン・バーンズ「カナダにおけるスポーツと法」(7) Author(s) 西村, 秀二 Citation 金沢法学 = Kanazawa law review, 58(2): 137-185 Issue Date 2016-03-01 Type Departmental Bulletin Paper Text version publisher URL http://hdl.handle.net/2297/44842 Right *KURAに登録されているコンテンツの著作権は,執筆者,出版社(学協会)などが有します。 *KURAに登録されているコンテンツの利用については,著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲内で行ってください。 *著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲を超える利用を行う場合には,著作権者の許諾を得てください。ただし,著作権者 から著作権等管理事業者(学術著作権協会,日本著作出版権管理システムなど)に権利委託されているコンテンツの利用手続については ,各著作権等管理事業者に確認してください。 http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/ 翻訳 力行為の場合に、罰金や出場停止以外の方法を擁護するための制裁措置に依存 している。統一的選手契約と包括的労働協約は44)、ティーム45)とリーグの懲 戒権限を認めており、それにはNBAのゲームでの賭け事に関与したことが発 覚したプレーヤーを出場停止もしくは追放するコミッショナーの自由裁量権が 含まれている;コミッショナーによるそのような認定もしくは裁決は、“最終 的な、拘束力のある、決定的な、上訴できない"("hnal,bmdmg,conclusiveand unappealable'')ものとして宣言されている46)。この強硬路線は、大学47)やプ ロプレーヤー48)を含む初期の不祥事に由来し、賭博や八百長行為とのつなが りを廃絶するために、裁定の継続性に反映されているものである。 1980年代の初期におけるプレーヤーによる薬物使用の報告書は、リーグに 内密なカウンセリングと教育機関を設立させた。その後、NBPAは、1983年 に"NBPA反薬物プログラム”に同意した。それは、包括的労働協約の33条 に組み込まれ、禁止薬物に関連するスクリーニングと懲戒に対する独占的権限 となっている(33条(12)参照)。同プログラムはコカインもしくはヘロインの 使用に適用され、資格剥奪という究極の制裁措置と治療を併用している。プ レーヤーは、彼らの問題性を認め、それによって厳罰を回避するよう奨励され ている。 “自発的に前向きに取り組んだ''("comefbrwardvoluntarily'')プレーヤーに は49)、カウンセリングと医学的支援が提供されるが、治療とアフターケアに 従わねばならず、これを順守しなかった場合には、無給の出場停止が課せられ る(33条(2)参照)。二度目に“自発的に前向きに取り組んだ”プレーヤー は、治療期間中、無給の出場停止となり(33条(9)参照)、その後の関与を白 状した場合には、解雇される。従って、同プログラムは“仏の顔も三度まで” ("threejamsandyou'reout")に立脚しており50)、前向きに取り組まない他のプ レーヤーの即時禁止を規定しているものである。禁止薬物の使用・所持・譲渡 が発覚したプレーヤー(もしくは類似の犯罪で有罪とされたプレーヤー)は、 NBAから永久追放される(33条(1)参照)が、多くのプレーヤーは2年後に 〃8金沢法学58巻2号(2016) ジョン・バーンズ「カナダにおけるスポーツと法」(7) 2 8 ) TheNewYorkTimes,Feb、17,1983,p.26. 2 9 ) 第4章C,2を参照。Berryy,etal.,前注12,pp.123-52も参照。 3 0 ) TheNewYoIkTimes,Aprill,1983,p.24. 3 1 ) M a t t e r o f N a t . B a s k e t b a l l A s s n . , 6 3 0 F . S u p p . 1 3 6 a t l 3 6 3 7 ( 1 9 8 6 ) を 参 照 。 3 2 ) 前掲判例(LeonardRobinsonは、引退選手であり、ベテランのフリーエー ジェント選手ではないと、調停人が裁決した;KnicksのAlbertKingに対 する修正されたオファーは、‘‘桁外れのボーナスと標準以下のサラリー” であった;協約の“とんでもない軽視"(..egregiousdisregard'')は、“壊滅 状態にある''("mshambles'')リーグの利益を見捨てかねない).J.RNewton, cGSuggestionsfbrtheNewCollective-BargainingAgreementinProfessional B a s k e t b a l l . " . ' ' ( 1 9 8 7 ) , 1 9 C o m . L . R e v . 1 0 0 1 も 参 照 。 3 3 ) W oodv.Nat.BasketballAssn.,602F.Supp.525(1984);affd.809F.2d954(1987). 第4章C,3を参照。 3 4 ) S .J.Forakerlc@TheNationalBasketballAssociationSalaryCap:AnAntitrust Violation?”(1985),59s、Cal.L、Rev、157;,.A、Daspin,“OfHoops,Labor D u p e s a n d A n t i t r u s t A l l y O o p s … . ' ' ( 1 9 8 6 ) , 6 2 1 n d . L . J 、 9 5 . 3 5 ) Bridgemanv.Nat.BasketballAssn.,675F.Supp。960(1987)(労働法上の適用 除外は、CBAの満了を切り抜けて生き残る);NBAのCBA,12条(権利 の留保).第4章C,3を参照。 3 6 ) もしもティームサラリーが最初の評価額の最低とティームの最高額の問で あったら、更なる算定が必要となる。 3 7 ) 8 38F.Supp.172(1993). 3 8 ) 1994年に、リーグがその後の諸契約を否定しようと試みたとき、既判力 (resjudicata)もしくは争点効(collateralestoppel)によりDudleyl判決に拘束 されることが支持された。DudleyⅡについては、M.HertzFGTheNational B a s k e t b a l l A s s o c i a t i o n … ' ' ( 1 9 9 5 ) , 5 M a r q . S p o r t s L . J . 2 5 1 を 参 照 。 3 9 ) 4 5F.3d684(1995);affg.857F.Supp.1069(1994).G.St.Louis,"Keepmgthe 金沢法学58巻2号(2016)I83