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2 - Igus
設計 エナジーチェーンの計算−長さと予張 (キャンバー) 設計 エナジーチェーンの計算 FAX:03-5819-2055 エナジーチェーンの固定点がストロークの中央に置かれる場合、必要なエナジーチェーン の長さ「Lk」は、ストロークの2分の1に曲げ半径の円弧プラス余裕分を加味した「K」値 を加算して算出します。 「K」値は、カタログ中の各型式ごとに表で記載されています。固 定点をストロークの中央に置くと、エナジーチェーン、ケーブル・ホース類の長さが最小 に抑えられ、コストを抑えることができます。 電 話:03-5819-2030 エナジーチェーン長さの計算 推奨:エナジーチェーンの固定 点をストロークの中央に置く LK = エナジーチェーンの長さ LK = S/2 + K 固定点がストロークの中央にあれば、この計算式は基 S = ストロークの長さ 本的に全ての取付方法に適用されます。 R = 曲げ半径 例外:軸周回転型、スライド走行 ∆M = 中央からのズレ K = π x R + α“余裕分” S S/2 曲げ半径の円弧に余裕分の長さ S/2 を足した値(「K」値については 各型式の表を参照) H = 公称取付高さ R HF = 予張(キャンバー)を考慮 した空間高さ LK = S/2 + ∆M + K 固定点がストロークの中央以外にある 場合、この計算式を適用します。 S S/2 S/2 R ∆M 予張(エナジーチェーンのふくらみ)について エナジーチェーンは、サポートなしで設置した時上部走行部が上方向に向かってふくらむ ように設計してあります。この現象を予張(キャンバー)と呼び、各エナジーチェーンの 「取付寸法」の項目には、予張(キャンバー)を考慮した、目安となる空間高さ「HF 」値が 記載されています。 予張(キャンバー)はフリースパン走行距離を伸ばしたり、稼働時の安全性を高めたり、製 品寿命を向上させるためのものです。取り付け場所が狭い場合には、ご要望により予張を 軽減した「ノンキャンバー(NC) 」仕様にすることも可能です。ただし、この場合荷重に 対する耐性が低下いたします。詳しくはご相談下さい。 ※予張(キャンバー)= プリテンション(旧カタログ名称) “予張(キャンバー)なし”─ “NC”エナジーチェーンとして ご用意しております。 お問い 合わせください。 必要な空間高さ─各エナジーチ ェーンの予張(キャンバー)値 により異なります。各型式ペー HF H ジのHF 値をご参照ください。 フリースパンと収納重量の関 エナジーチェーンの予張(キャンバー)原則 HF =必要な空間高さ 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ:www.igus.co.jp 係 P5.32∼参照 5.25 エナジーチェーンシステム 設計 フリースパン走行 ― 短いストローク 「フリースパン走行」とは エナジーチェーンの上部走行部 がストローク全体にわたり下部 走行部に接していないとき、こ れをフリースパン走行と呼びま す。 「フリースパン」の長さとは エナジーチェーンの移動端か ら、曲げ半径の円弧の始点まで の距離をいいます。この長さ は、エナジーチェーンの型式と 水平走行FLGの例 FLB FLG 水平走行「FLG」の場合、寿 S 110.0 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 6.0 2.0 1.5 1.0 0.5 0 03 危険なたわみ 01 02 FLG 0 FLB 1.0 2.0 4.0 6.0 7.0 8.0 0.5 1.5 3.0 5.0 6.5 7.5 フリースパンの長さ[m] ストロークの長さS[m] 0 2 4 6 8 10 12 14 16 R H HF R H び加速度での運転が可能です。 HF 命が長く、最高値での速度及 S 2 S S 2 フリースパン走行 フリースパン走行はエナジーチェーンの取付方法で最も多く用いられており、動きの激し い場合や長い耐用年数が求められる場合に適しています。 「フリースパンの長さ」の最大 値は、収納重量と、どのエナジーチェーンを選定するかによって変わります。フリースパ ン走行はレベルにより、次の3つに分類されます。 01)水平走行「FLG」 エナジーチェーンの上部走行部にプリテンションがあるか、真っ直ぐである、あるいは、エ ナジーチェーンの種類により違いはありますが、最大10∼50mmのたわみがある場合、 「FLG」はエナジーチェーンにとって最適な取付方法です。この場 「FLG」に分類されます。 合、エナジーチェーンは静かに走行し、余分な振動にさらされることもありません。 フリースパンの長さ 02)ベント走行「FLB」 FLG = 水平走行 FLB = ベント走行 HF FLG H FAX:03-5819-2055 イグス株式会社 電 話:03-5819-2030 収納重量によって異なります。 FLB エナジーチェーンのたわみが10∼50mm以上(エナジーチェーンの寸法により異なる)あ るが、規定の最大たわみよりは小さい場合、 「FLB」に分類されます。 この最大たわみはエ ナジーチェーンの種類により異なります。 多くの事例でこの方法が適用されています。し かし、高加速度・高サイクル下では問題となる場合もありますのでご相談ください。 S (FLB) E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp S (FLG) 5.28 適切なエナジーチェーンを選定 するため、次の要素にご留意く 03)「危険なたわみ」 たわみが、 「FLB」で許容される値より大きい場合、これを「危険なたわみ」としています。 危険なたわみを持たせた取付けは基本的には例外で、極端な場合にのみ限定されます。 「危 険なたわみ」の分類に入るエナジーチェーンの取付は絶対に行なってはなりません。非常 に長期間の稼動後に、 「危険なたわみ」に達する場合があります。その際にはエナジーチェ ーンを交換する必要があります。 万が一「危険な」状態になった場合にはご相談ください。 ださい。 ●フリースパンの長さ 01 ●速度 ●加速度 02 ●寿命 ●走路 ●騒音レベル 03 ●使用環境 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ: www.igus.co.jp 設計 フリースパン走行 ― 短いストローク 「フリースパンの長さ」 各エナジーチェーン、エナ 設計 フリースパン走行 電 話:03-5819-2030 FAX:03-5819-2055 ジーチューブに対する 「FLB」の値は、次の 「FLG」 二箇所で確認することがで きます。 ①「設計」の章に 掲載のグラフ ②各型式の 該当ページ この数値は次 の二つの場合に大変重要に なります。● 収納重量とス トローク長から、適したエ ナジーチェーンを選定する ●取付けたエナジーチェー ンの最大負荷を知る フリースパンと収納重量の 関係 ベント走行FLBの例 フリースパンの長さが足りない場合 の対処法 必要となる収納重量やストロークが、ご希 望のエナジーチェーンの「フリースパンの 長さ」の許容範囲外である場合、次のよう な解決法があります。●より堅固なエナジ ーチェーンを選ぶ●フリースパンの範囲内 でエナジーチェーンにサポートを付ける(た だし、この方法では、加速度や速度の制限 を受けることになり、また、騒音の発生を 伴います。下図に示した3つの基本的な設置 例をお考えの場合には、必ず弊社にご相談 ください。より詳細なご提案をさせていた だきます。 )● 並列一体型エナジーチェーン を使用するか、2本のエナジーチェーンを2 重に設置する。 (ご相談ください)●ストロ ークを「スライド走行」で設計する P5.32∼ 「FLB」範囲内でサポートを付けた28型 ≈ 1/4 S 2/6 S ≈ 1/4 S R 2xR R 2xR 1/6 S FLG(水平走行)範囲内でサポートを付けた場合:「水平走行」のストローク全長は、左図でFLG値 の最大50%まで、右図では最大100%まで延長することができます。 FLB(ベント走行)範囲内でサポートを付けた場合: フリースパンの ストローク全長をFLB値の最大100%まで延長することができます。 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ: www.igus.co.jp 5.29 設計 フリースパン走行 ― 短いストローク サイクル 走行速度と加速度、および寿命 エナジーチェーンシステム 15,000,000 フリースパンにおける最高速度と 10,000,000 加速度の基準値: フリースパン走行 FLG FLB 最高速度v [m/s] 10 3 実績速度ピーク値v [m/s] 20 – 最高加速度a [m/s2] 20 6 実績加速度ピーク値a [m/s2] 784 – 5,000,000 0 0 水平走行(FLG)時における寿 5 10 15 20 加速度a [m/s2] 命の基準値:1000万サイクル 水平走行(FLG)時の加速度に応じた寿命の 基準値 サイクル FAX:03-5819-2055 電 話:03-5819-2030 15,000,000 10,000,000 7 6 5,000,000 5 高速度・高加速度に適した フリースパン走行では、 その耐用年数を左右 する値は加速度aであり、 走行速度vはさほど でもありません。加速度が高まるとエナジー チェーンに振動が発生し、 寿命に悪影響を及 ぼすことがあります。 特に、 エナジーチェー ンのたわみがFLG値よりも大きい場合にその 恐れがあります。 最大値の加速度・速度・寿 命を実現できるのは、 水平走行FLGで設計さ れたエナジーチェーンに限定されます。ま た、 エナジーチェーンは、 高荷重にも耐える よう製造されています。 実際に、 連続使用で 加速度784m/s2というピーク値が達成さ れたこともあります。左図は、 イグス研究所 での絶え間ない実験と、 実際の現場で数多く の経験値から導かれた基準値です。 全エナジ ーチェーン、 エナジーチューブ製品に応用で きますので、 設計の際に目安としてください。 このように水平走行FLGとベント走行FLBの どちらで設計をするかが、 重要なポイントに なってきます。 0 エナジーチェーン ●システムE6 P 5.336 ●システムE3 P 5.326 ●ジッパー P 5.64 ●255型 P 5.178 ベント走行(FLB)時の加速度に応じた寿命の ●E4/00 P 5.272 基準値 0 2 4 6 8 加速度a[m/s2] イグス株式会社 様々な走路面やガイドチャンネルがあります 走路 通常、フリースパン走行で取付けたエナジ ーチェーンには、それを受ける下部走行用 の走路が必要になります。 左図に示したよ うに様々な形態が利用可能です。 材質も、 鉄、ポリマー、石材、木材、コンクリート、 ガラス等多様なものが使用可能です。 また、 走路や下部走行部から発生する走行音を最 小限に抑える対応策もありますので、ご相 談ください。 特に、塵埃・粉塵が発生する 環境では、エナジーチェーンの走路上に堆 積しないよう注意することが大切です。 エナジーチェーンの受けがない場合 FLU 下部走行部に受けがない場合、 エナジーチェーンは限られた条件でしか使用できません。 通 常、 FLU値を弊社で実験・測定する必要があります。収納重量、選定されたエナジーチェーン の種類と動き (速度・ストローク回数など) 、 その他の要素が重複することにより異なる結果 を生み出すため、 せり出したオーバーハング部 (FLU 値) の最大許容値は変動します。エナジ ーチェーンの全ストロークにわたって下部走行部の受けを取付けられない場合には、 弊社に ご相談いただく必要があります。 推奨:旋回型取付ブラケットを 標準取付具としてお薦めしま す。 推奨:高速時や20m/s2 E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp 取付ブラケット 5.30 以上の高加速時には、固定型取 付ブラケットの標準装備をお薦 めします。 フリースパン走行の場合に は、 移動端1リンク目が揺動可 能な旋回型取付ブラケットを 標準品としてお薦めします。 旋回型取付ブラケットは取付 けが容易な上、予張(キャン バー)調整の役割も果たし運 転時に1リンク目にかかる負 荷の軽減します。 例外:加速 2 度が20m/s 以上、 または設 置場所の高さがHF値しかない 場合。 この場合は固定型取付 ブラケットを使用するとエナ ジーチェーンをHF値以下に保 つことができます。 使用事例と詳細情報をオンラインで 部分的にサポートをつけずに取付けたシステムE4 ― このような 場合には弊社にお問い合わせください。 ホームページ: www.igus.co.jp 設計 フリースパン走行 ― 静音性 イグス エナジーチェーンシステムで静かな走行音を実現 3デシベル減少しただけで、人 設計 フリースパン走行 FAX:03-5819-2055 間の耳には騒音が半減したよう 電 話:03-5819-2030 エナジーチェーンには、 稼動時に発生する音が非常に静かなタイプがございます。下の表は、 他社製品との騒音レベルの違いを表しています。 エナジーチェーン本体だけでなく、 走行面、 エナジーチェーンの動きやケーブル・ホース類の収納方法も騒音発生に影響してきます。 騒 音をできる限り抑えたエナジーチェーンシステムの設計は、 弊社技術者にお申し付けくださ い。 以下のような静音性に優れた製品があります。 に聞こえます。 システムE3 ― 38dB(A) 弊社の音響ラボで行ったE3.22.060.44 型の測定結果では、 標準型エナジーチェーン との比較で19∼20dB(A)の稼動音の低減 が見られました (走行速度1.8m/s、 加速度 3m/s2)。 これは、 DIN45635 (ドイツ工業 規格) に準拠して暗騒音を考慮に入れた計測 結果です。 システムE6 ― 46dB(A)未満 ドイツ技術検査協会 (TÜVラインランド) に より、 E6.52.10.100.0型の騒音レベルは 46dB(A)以下という値が測定されました (走行速度2m/s、 1.5mのフリースパン走 行、 2002年5月。 外部雑音最低10dB(A)を 含む)。 ドイツ技術検査協会(TÜVラ インランド)からの公式証明書 システムE4 ― 46dB(A) ドイツ技術検査協会(TÜVラインランド) により、システムE4の221.10.200.0型 の騒音レベルは46dBという値が測定され ました(走行速度1.5m/s、1.5mのフリ ースパン走行) 。*写真:E4の220型に防 振ゴムを装備した超静音タイプの221型 (E4/101シリーズ) 騒音テスト ケーブル保護管 システム 平均騒音レベル テスト条件 エナジーチェーンE3.22型 E3 ≈ 38 dB(A) フリースパン走行 1.8m/s 静音タイプの代表的な エナジーチェーンE6.52型 E6 ≈ 46 dB(A) フリースパン走行 2.0m/s エナジーチェーン エナジーチェーン221型 E4/101 ≈ 46 dB(A) フリースパン走行 1.5m/s ●システムE3 P 5.326 エナジーチェーン255型 E2 ≈ 53 dB(A) フリースパン走行 1.5m/s ●システムE6 P 5.336 エナジーチェーンEバンド E-Band ≈ 59 dB(A) フリースパン走行 1.5m/s ●E4/101型 P 5.272 エナジーチェーン280型 E4/00 ≈ 64 dB(A) フリースパン走行 2.0m/s ●E4/00型 P 5.272 エナジーチェーン381型 E4/101 ≈ 66 dB(A) スライド走行 3.0m/s ●255型 P 5.178 他社製品1 ≈ 77 dB(A) フリースパン走行 2.0m/s ●EZチェーン P 5.86 他社製品2 ≈ 68 dB(A) フリースパン走行 2.0m/s ●R58型 P 5.194 他社製品3 ≈ 73 dB(A) フリースパン走行 2.0m/s ●R68型 P 5.196 資料:ドイツ技術検査協会 (TÜVラインランド) 。 E3.22型に関しては弊社研究所。 使用例と詳細情報をオンラインで ホームページ : www.igus.co.jp 5.31 ケーブル・ホース類の収納 ケーブル・ホース類収 納に関する一般規定 下記項目についての推奨規則です。 ●ケーブル・ホース類の最大径 ●仕切方法 ●曲げ半径 ケーブル・ホース類の周囲に は、電気ケーブルでケーブル径 の最低10%、油圧ホースで最 低20%の空間が必要です。 FAX:03-5819-2055 電 話:03-5819-2030 エナジーチェーンシステム 設計 イグス エナジーチェーンシ ステムの最大のメリットは、 様々な形態の信号ケーブル や電源ケーブルを一つのシ ステムに確実に収納できる 点にあります。弊社では、 最適と思われる内部分割を ご提案しますが、最終判断 はお客様にお任せしていま す。例えば、バスケーブル と動力用ケーブルとの間に 最小限の間隔をとるとか、 空圧、電気、油圧系統は仕 切りなしにするとか、お客 油圧ケーブルと電気ケーブルを分離収納した例 様ご自身で設定が可能です。 ケーブル類の品質は勿論、 エナジーチェーン内での配 列や空間比率は、システムの寿命に大きく影響します。エナジーチェーンでは多様な仕切 りができるので、個別のケースに合わせた使用が可能です。分割収納に関してイグスでは 「エナジーチェーンの断面空間の80%までは使ってもよい」という大まかな規定があり、ケ ーブル・ホース径に対して電気ケーブルで最低10%、油圧ホースで最低20%のクリアラ ンスを取っていただくようお願いしています。この項では、ケーブル・ホース類の収納に 関する推奨規定について、細かく説明しています。実際には使用形態が多種多様にわたる ため、弊社のプランニングサービスを是非ご利用ください。ケーブル・ホース類の仕様を ご連絡いただければ、収納方法のご提案をさせていただきます。 Ba Bi E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp イグス株式会社 hi ha ケーブル・ホース類の最大径 5.48 ケーブル・ホース類の最大径 は、エナジーチェーン各型式の ページに記載してあります。 収納可能なケーブル・ホース類の最大径は、使用するエナジーチェーンの内のり高さから 最低限の空間隙間を引いたものに相当します。この最低限の隙間は、例えば丸型ケーブル でケーブル径の10%、油圧ホースで20%です。さらに、隣接するケーブル・ホース類や 壁との間にも、最低限の隙間を考慮した配置が理想的です。ケーブル類の特性と動き、寿 命によっては、さらに空間が必要になる場合もあります。逆に例外的ではありますが、最 低限よりも狭い隙間で収納可能な場合もあります。設計に際しては弊社にお問い合わせく ださい。 エナジーチェーン内で の分割収納 モジュラー式エナジーチェーン システムは、内部分割に関する あらゆる要求にお応えします。 直径が大きく異なるケーブ ル・ホース類は、分離して 収納することを推奨します。 これには、セパレーター・ 棚板による分割収納が便利 です。特に、同じ仕切内に 敷設されたケーブルやホー スは、互いに乗り上げたり 絡まったりする事のないよ うにする必要があります。 そのため、一つの仕切りに ほぼ同じ径のケーブル類を 複数並べて敷設する場合、 その仕切の内のり高さはケ ーブル径の1.5倍以内に抑え 弊社の仕切方法で整然と収納されたケーブル・ホース類 なければなりません。 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ: www.igus.co.jp 設計 ケーブル・ホース収納 ケーブル・ホース収納 FAX:03-5819-2055 ケーブル・ホース配置の法則 D1 + D2 > 1.2 x hi 法則1- D1 + D2 > 1.2 x エナ ジーチェーンの内のり高さ この場合、2本のケーブルを 仕切る必要はありません。ケ ーブル・ホース類が、互いに 乗り上げたり絡まりあうこと のない寸法です。 分割収納に関するその他の注意点 ケーブル・ホース類の重量が、 エナジーチェ ーンの横幅に対して左右バランス良くなる ように配置します。 外被の材質が様々に異なるケーブル・ホー ス類は、 お互いに密着したり不要に擦れたり しないように注意してください。 場合によっ ては、 仕切板による分割収納の必要がありま す。 イグスのチェーンフレックスケーブル は、 可動に強くエナジーチェーン内での使用 に適しており他社製品との組合せでも問題 ありません。 ケーブル・ホース類は、 常に移動端・固定端 を固定する必要があります。 ケーブルクラン プ等の固定具を使用するのが望ましい方法 です。 ただし、 長さの調整分が必要となる油 圧ホースや高圧ホースの場合には、 その限り ではありません (油圧ホースの章を参照)。 一般的に、 高速・高頻度での稼動になるほ ど、 エナジーチェーン内部でのケーブル・ホ ース類の配列が重要になってきます。 様々な 方法がありますので、 お尋ねください。 設計 ケーブル・ホース類は、 それぞれが常に自由 に動き、 エナジーチェーンの曲げ半径部分で 引張力の影響を受けないように収納する必 要があります。 高速・高サイクルでの使用 で、 ケーブル・ホース類を重ねて収納する際 には、 水平方向の仕切りが必要不可欠です。 この場合の高速・高サイクルとは、 次の値を 基準としています。 走行速度0.5m/s以上、 サイクル回数10,000回以上/年。 このよう なケースに対しても、 弊社は確実な対策をご 提案することができます。 電 話:03-5819-2030 何故、分割収納が必要なのか? d1 + d2 ≤ 1.2 x hi 法則2 d1 + d2 ≤ 1.2 x エ ナジーチェーンの内のり高さ この場合、d1とd2が絡まり あわないように仕切板や棚板 を取付けて内部の高さを低く する必要があります。 ラウンドケーブルのクリアランス 曲げ半径R ケーブル・ホース類の曲げ半 エナジーチェーン選定の際の1つの項目である「曲げ半径」は、敷設するケーブル・ホー 径、内部仕切、耐用年数を最適 ス類の中で最も「太く」 「硬い」ものが基準となります。エナジーチェーンの曲げ半径は、 に調整することのできる、イグ 使用するケーブル・ホース スのトータルシステム「エナジ 類のメーカーの推奨値に合 ーチェーンシステム」のご使用 わせる必要があります。通 をお薦めいたします。 常、最小値よりも大きめの 曲げ半径にすると、その耐 用年数を延ばすことができ ます。ケーブル・ホース類 の最小曲げ半径値は、通常 温度下で使用した場合の目 安であり、場合によっては 別の曲げ半径が最適な場合 ケーブル・ホースのクリアラ もあります。詳しくはお客 ンス 様のケーブル・ホース類メ (各ケーブル径に対する%) ーカーにお問い合わせくだ ●ラウンドケーブル:10% さい。 ●フラットケーブル:10% ●空圧ホース:5∼10% イグスのチェーンフレックスケーブルは、5×dの最小曲げ半径で100万ストロークを実現 ●油圧ホース:20% 対応曲げ半径は12種類 ●媒体ホース:15∼20% 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ:www.igus.co.jp 5.49 設計 ケーブル・ホース収納 FAX:03-5819-2055 電 話:03-5819-2030 エナジーチェーンシステム ラウンドケーブル イグスのトータルシステム「エ ナジーチェーンシステム」のご 使用をお薦めいたします。ケー ブル・ホース類の曲げ半径、内 部仕切、耐用年数を最適に調整 することが可能です。 コークスクリュー現象:ケーブ イグス研究所での評価試験の様子: ル・ホース類の不適切な収納の チェーンフレックスケーブルの開発・テストを 結果起こる現象 繰り返し行なっている 正しい! ラウンドケーブルの取付と固定に際 しての注意点 1 誤り! イグス株式会社 エナジーチェーンシステムには、ラウンド ケーブルの使用が好適でコストパフォーマ ンスが高い方法です。電気ケーブルは、以 下の点を考慮して選択ください。●最小曲 げ半径値が小さく、取付高さが低い●取付 ブラケットにケーブルクランプを組み込め る●ケーブルのクセ取りを必要としない● 最小曲げ半径での稼動でも耐用年数が長い ●用途にあった耐用年数(短い/長いストロ ーク、吊り下げ型など)●寿命に関するテ スト値を持つ●シールド付のケーブルでは、 曲げ強度が大きい被覆●耐摩耗性、非粘着 性の外被を使用している●コストのかかる 特注仕上げが不要であるもの。●選択幅の 広い製品群があるもの。 バスケーブルや光ファイバーケーブルに関 しては、最小曲げ半径で数百万ストローク 稼動後、伝送データとシールド効果がどの 程度保たれているか(データの減衰量)が 選択の目安です。 ケーブル・ホース類は、 ねじれのないよ うに敷設してください。 また、 ドラムや コイルからスパイラル状になるような引き 出し方はしないでください。 イグスのチェー ンフレックスなら、 取付前にケーブルを吊り 下げたり、 伸ばし置きしてクセ取りする必要 がなく、すぐに取付けることができます。 ケーブル・ホース類は、 それぞれが長手 方向に自由に動くように取付けます。 ケーブル・ホース類は、 曲げ半径部分で も自由に動けるように設置してくださ い。 これは、 上部走行部が最長のフリースパ ンに達したときに再度確認して下さい。 径の異なるケーブル・ホース類を多数 収納する場合には、 仕切板や棚板を使用 してチェーン内部を分割する必要がありま す。 ケーブル・ホース類が、 お互い螺旋状に 絡まりあわないようにすることが重要です。 外被材質の異なるケーブル・ホース類 を使用する際は、 お互いが擦れないよう に注意してください。 場合によっては別々に 分けて敷設する必要があります。 イグスのチ ェーンフレックスケーブルなら、 全タイプが 仕切る必要なく組み合わせて使用可能です。 ラウンドケーブルは、 引張力がかからな いようケーブルクランプを使って両端 で固定します。 例外的に、 移動端側だけを固 定すればよい場合もあります。 一般のケーブ ルでは、 エナジーチェーンの曲げ半径は、 ケ ーブル・ホース類の直径×10∼30とする のが適しています。 チェーンフレックスケー ブルでは、 ケーブルクランプを使って直接取 付ブラケットに固定することができます (一連の試験で実証済)。 2 3 4 誤り! E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp 5 5.50 6 正しい! ケーブルは自由に動くように敷設します チェーンフレックスケーブルは、 取付ブラケットに直接固定することができます 設計 ケーブル・ホース収納 空圧ホース 空圧ホースにも、ラウンドケーブルの規定 が原則適用されます。実際に、空圧ホース は摩耗の影響を受けにくいことが実証され ています。そのため、場合によってはラウ ンドケーブルで規定されている“10%の余 裕”よりも少なく設定できることもありま す。ただし、この場合でもケーブルクラン プを使って両端で固定する必要があります。 また、ゴム製の空圧ホースは粘着性が高く、 摩耗係数が高いため、 “10%の余裕”規定 を守る必要があります。 設計 ケーブル・ホース収納 電 話:03-5819-2030 FAX:03-5819-2055 チェーンフレックス エア:イ グスの樹脂製空圧ホース エナジーチェーンに複数の空圧ホースを上下左 右に重ねて収納 フラットケーブル 内部を仕切りエナジーチェーンに分離収納した フラットケーブルと空圧ホース フラットケーブルも、曲げ半径部分で自由 に動くように敷設します。フラットケーブ ルを2本並べる場合には、仕切板を使って分 離収納する必要があります。上下に重ねる 場合には、水平方向に仕切る仕切板・棚板 をお使いください。フラットケーブルとラ ウンドケーブルを同時収納する場合は、別々 に収納します。フラットケーブルも、ケー ブルクランプを使って両端で固定する必要 があります。フラットケーブルの使用が適 していないエナジーチェーンもありますの で、弊社までお問合せください。 フラットケーブル - 外被がゴム 製のものは静止摩擦力が高いた め、使用に際して注意が必要で す。 油圧ホース 油圧ホースをエナジーチェーンに組込むに は、 圧力がかかった時にホースが長手方向及 び径方向にどれくらい伸びるかを考慮して ください。 圧力がかかりホースの外径が大き くなっても、 保護管内に十分なスペースがあ るようにします。 また、 ホースの材質は、 エナ ジーチェーンの動きについていける、 屈曲性 があるものをお選びください。 表面が滑りや すく、 耐摩耗性に優れているのも重要な目安 です。 エナジーチェーンのクロスバーや棚板 は、 ケーブル・ホース類を傷めず摩耗を低減 するような、 丸みを持たせた滑らかな接触面 木材の皮剥き機:油圧ホースを収納したエナジーチェーンを使用 を有しています。 通常、 繊維編組のホースは スチールワイヤー製のものに比べ屈曲性があり、 径の膨張が小さく、 高い疲労強度がありま す。 エナジーチェーン内部での油圧ホース横方向の動きは、 ホース素材の摩耗を増長するこ 油圧ホース とになりかねませんので、 セパレーターを使って、 はさみこまれることのないように所定の ホース径の20%の長さの隙間 位置に固定してください。 エナジーチェーンのクロスバーに強固に固定できる強力型セパ が必要 レーターや、 仕切板の横方向へのズレを防ぐスペーサーを使用すると、 エナジーチェーンに 強い振動や衝撃が加わった時にも、 ホースの位置を保つことができます。 ケーブルクランプ たいていの油圧ホースは、稼動時に長さが伸びてしまいます。ケーブ ルクランプで固定する際には、 その点に留意しなければなりません。 伸張分を余分にみる か、 ケーブルクランプをフロート式で固定するなどして対処します。 場合によっては、 移動 端のみの固定が適している場合もあります。 ロールクリップ エナジーチェーンやエナジーチューブの、丸みを持たせた滑らかな接 触面は、 ホース類を摩耗から防ぐ役割を果たします。 極めて厳しい条件下では、 ロールクリ ップを取付ける方法もあります。 ロールクリップはポリマー製のローラーで、 ホース類の走 行に伴い回転するため、 よりスムーズな走行を実現することができます。 ここでいう厳しい 条件下とは、 ホース類の外皮が特に柔らかい場合や、 曲げ半径がとくに小さい、 あるいは動 オプション:ロールクリップ 負荷が高い場合などです。 ただし、 弊社の実績では、 あらゆる使用形態のうち95%以上が、 ロールクリップを付けず対応することができています。 5.51 設計 ケーブルクランプ FAX:03-5819-2055 E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp イグス株式会社 電 話:03-5819-2030 エナジーチェーンシステム 電気ケーブル類の固定 5.52 ケーブル・ホース類は、ケーブ ルクランプを使って両端で固定 するのが理想的です。場合によ っては移動端のみでの対応も可 能です。 詳細については「ケーブルクラ ンプ」参照 P 5.416 C型レール付KMA取付ブラケットに取付けたケーブルクランプ ケーブル固定具のケーブル クランプには、イグスの標 準品や、場合によっては特 注品等も利用することがで きます。多くの場合、標準 仕様の取付ブラケットにC型 レールを取付け、そのレー ルに省スペース型のチェー ンフィックスクランプを組 み合わせて使用しています。 他に、くし歯型ケーブルク ランプを使用して、くし歯 部分にケーブルバンドでケ ーブルを簡単に固定する方 法もあります。エナジーチ ェーンに敷設したケーブル 類は、これらを使って両端 で固定するのが理想的です (例外的に、移動端のみの固 定で足りる場合もあります のでご相談ください) 。 ケーブルクランプから曲げ部分までの最低距離 弊社実験と実績により、ケーブルクランプからエナジーチェーンの曲げ部分までとの距離 が小さくても、ケーブルの耐久性には影響を及ぼさないことが判りました。そこで、取付 ブラケットにケーブルクランプを組み込むことが可能になりました。この省スペース型ケ ーブルクランプは、ほぼ全てのエナジーチェーンに使用できます。 理想的なケーブル収納例:取付ブラケットに直接ケーブル類の固定ができる(曲げ半径部分から最 後のリンクまでを最低距離でケーブルを固定可能)。 実際に使用されているKMA取付ブラケットの中のチェーンフィックス:ここではケーブルとホース用に用いられている 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ:www.igus.co.jp 設計 ケーブルクランプ ケーブルクランプ チェーンフィックスクリップは直径4mmか ら24mmまでのケーブルに対応する、ポリ マー製のクリップと底面部品から成るシリ ーズです。チェーンフィックスクリップはC 型レールやKMA取付ブラケット、クロスバ ーにも組み込むことができます。 特長:●工具を使用せず迅速な取付が可能 ●2層、3層と重ねることができます ●層ごとに取外しや、取付後の変更 も可能 ●引張力は1層の場合が最大で、層 が増えることで低下 FAX:03-5819-2055 チェーンフィックスケーブルクリッ プ ― モジュラー式スナップオンタ イプのケーブルクランプ 設計 ●高さを抑えて最適化 ●サドル改良により、動きの激しい用途下 でも長い耐用年数を実現 ●KMA取付ブラケット組込式で取付時間と スペースの削減可能。ケーブルとケーブル クランプを含めた一体型システムもあり ●ベース部分を改良し、C型レールへの組込 を簡易化 ●止めネジまで黒で統一し、見た目もすっ きり ●六角レンチで簡単に固定可能 電 話:03-5819-2030 チェーンフィックスケーブルクラン プの特長 くし歯型ケーブルクランプ (C型レールへ差込取付け) 品番3050.ZCと3075.ZCのくし歯型ケー ブルクランプは、ボルトや追加の部品を使 用せずに、C型レールへ直接差込むことがで きます。ドライバーをテコとして使うこと で、取外しも容易です。 単体としてのくし歯型ケーブルクラ ンプ 使用例:●制御盤や機械に単体として取付 け ●エナジーチェーンシステムに取 付け ●取付ブラケットに取付け ●KMA取付ブラケット(ポリマー 製/鋼製)のC型レールに取付け ケーブルクランプセパレーター ●取付ブラケットに組込可能 ●必要な場所に取付可能 ●ケーブルを2層式で固定可能 ●容易な取付で、高い費用対効果 ●E6.29型、2600/2700型対応(その他 の型式についてはお問い合わせください) 使用事例や詳細情報をオンラインで ホームページ:www.igus.co.jp 5.53 設計 使用環境 ― 樹脂コンパウンド「イグミッド」 FAX:03-5819-2055 電 話:03-5819-2030 エナジーチェーンシステム 使用環境とイグミッドG エナジーチェーンの材質であるイグミッドG は、次のような特長を備えており、あらゆ る使用環境に対応します:圧力・高荷重に 対する耐性、堅牢、高温・低温下での安定 性、屋外使用の適性 実際に、冷凍倉庫から製鉄所まで、多岐に 渡って使用されており、性能は実証済みで す。特殊な使用条件では、材質の部分的修 正や他のイグス素材を使用することで対応 できますので、ご相談ください。 使用環境: ●耐火性 ●放射線 ●天候 ●寒冷・酷暑 ●爆発危険領域 ●真空状態 ●高温の切粉 ●塵埃 ●クリーンルーム イグス工場:イグミッドGの自動配合および供給 ●薬品 装置 耐放射線性 イグミッドGの耐火性 イグミッドGは、放射線にも優 れた耐性を備えています。8 x 10 4 という高い放射線値下で も、性能にはほとんど影響しま せん。 イグミッドGの耐火性は、さまざまな規格で 証明されています。VDE0304パート35.70の試験方法(ドイツ電気技術協会認証 試験部による)では、llcと分類されました。 UL94「プラスチック材料の燃焼性試験」 (UL規格)では、3.2mmと1.6mm厚で 94HBでした。DIN4102「建築資材と建 築部材の耐火性試験」 (ドイツ工業規格)で は、B2クラスに分類されています。自己消 火性(UL V2やV0)を備えた材質といっ た、さらに高い要求があればお問い合わせ ください。エナジーチェーンは、EZチェー ンと14型を除き、全てイグミッドG製です。 イグミッドG:UL 94HB イグミッドNB:UL 94V2、94V0等級V0に 関しては、お問い合わせください。 イグミッドG: UL 94 HB イグミッドNBの耐火性 EZチェーンシステムとエナジーチェーン14 型は、耐火性のイグミッドNB材質で作られ ています。次のような耐火性等級となって います。 ●UL 94-V2 ●VDE0304パート3-5.70 等級−llb ●DIN4102 建築資材の可燃性−B2クラ ス ●等級V0の製品についてはお問い合わせく ださい イグス株式会社 イグミッド NB: UL 94 V2 UL 94 V0 屋外での使用・寒冷・酷暑に対する耐性 E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp 原子力発電所の検査ロボット(英国) 5.54 C° イグミッドG ― 紫外線耐性 あり 使用耐熱温度:- 40℃+130℃ [屋外]イグミッドGは、屋外での使用にも適 応できます。今までの実績により、屋外使 用でも機械的特性が低減しないことが実証 されています。また、イグミッドGは紫外線 に耐性があります。 [寒冷]-40℃下でも使用実績があります。 ただ し、 -25℃以下では組立作業に支障が出る場合 があります。 このような場合には、 寒冷地仕様 素材をお薦めします。 [高温]130℃の高温下での使用も可能です。 ただし、機械的特性値は低下し、寿命も短 くなります。 使用事例や詳細情報をオンラインで リレハンメル冬季オリンピックの中継で使用さ れました ― ストローク長75m、気温-25℃ ホームページ:www.igus.co.jp 設計 使用環境 ― ESD & ATEX 設計 使用環境 FAX:03-5819-2055 ESD(静電気放電)対策製 品は、影響を受けやすい電 ESD/ATEXについての詳細は 気部品を保護する為に多く 弊社ホームページをご覧下さい の産業分野で必要とされて http://atex-info.igus.de います。自動制御工程にお いて、中心的役割を果たす ケーブル保護管への導入に 対するニーズも高まりをみ イグミッドESDは、 RAL7015 せています。このような要 (ストレートグレー) に近い色で 望に応えるため、弊社は す。 ESD対応エナジーチェーン を開発しました。これらの エナジーチェーンはイグミ ッドESDという材質ででき ており、ESD(静電気放電) に対して非常に優れた性能を発揮します。イグミッドESDは、長年イグスが研究と実験を 重ねてきた独自の樹脂素材です。標準品との比較においても、非常に優れた機械的特性を 有していることが実証されています。 例えば、堅牢性に優れながらも約15%も低い比重の材質は、用途によってはより長いフリ ースパンや、より長い寿命を実現できます。 導電性のコーティングや揮発性の帯電防止 剤を塗布した場合の一時的な性能とは異な り、イグミッドESDはメンテナンスフリー の恒久的な導電性を備えています。樹脂で イグミッドESDはPTB認定 ありながら導電性があるという点は、様々 E6はドイツのドイツ物理工学 な使用環境に対する耐性と共に様々な場面 研究所 (PTB) により認証された で活かされています。 電 話:03-5819-2030 ESD/ATEX 製品です。 システムE6 ― 恒久的な導電性を保 証するピボット・穴あきなしの“次 世代”型エナジーチェーン 爆発の危険性がある作業領域での安全性や 慎重を期する生産エリアでのESD (静電気 放電) 対策は、 長年、 弊社にとっての重要課題 でした。 1992年以降、 イグスではドイツ物 理工学研究所 (PTB) により認定を受けた特 殊 “GC” 素材を使ってエナジーチェーンを 製造してきました。 2002年にはその材質 に改良を加え、 性能を更に向上しました。 ピ ボット・穴あきの連結部分がないE6の形状 も導電性に貢献しており、 通常のリンク接続 では材質が均質導電性を備えていても長期 的な導電性が劣ることが分かっています。 ●長期にわたる一定の導電性 ●接触面の摩耗が非常に少ない ●イグミッドGを材質に使用したE6標準品 にも優れた導電性 ●実験では1000万サイクル以上を実現 (詳 細はお問い合わせください) ●取付ブラケット付/無しで様々な取付方 式ができるため、 品質管理工程のレベルア ップが期待できる ●システムE6の標準素材イグミッドGは SEMI E78-0998 ESDの放電レベル1 に該当 (ドイツ・フラウンホーファー協会 IPA認定) ESD/ATEX対策製品の詳細情報をオンラインで ホームページ:http://atex-info.igus.de 5.55 エナジーチェーンでセーフ&クリーン 設計 使用環境 ― クリーンルームとESD エナジーチェーンシステム クリーンルームでも使用できます ― E6とその他のエナジーチェーンの性能 厳しい環境条件が求められるクリーンルームでは、 煩雑な特別対策が必要とされますが、 標準型エナジーチェーンの使用はま さに理想的と言えます。 スライド走行とフリースパン走行において、 広範囲にわたる試験を行いました。 結果、 特殊樹脂製のエナ ジーチェーンは、 優れた耐摩耗性を備えていることが多くの用途で実証されました。詳細な試験結果はお問い合わせください。 また、ドイツのフラウンホーファー生産工学自動化研究所 (IPA) のテストで、 エナジーチェーンはクリーンルームでの使 用において、 非常に高い評価を受けました。 クリーンルームでは、 可動部分にも優れた耐摩耗性が求められます。 ケーブル 保護管エナジーチェーンも、 これらの基準をクリアしたものでなければなりません。 IPAでは、 システムE6、 E14型につい て次のような試験結果がでました。 ●E14.3.038型 (走行速度1m/s)→ ISOクラス2 (ISO 14644-1 Part1 「空気清浄度のクラス分け」) ●E6.29.050型 (走行速度1m/s、 2m/s)→ ISOクラス3 (ISO 14644-1 Part1 「空気清浄度のクラス分け」) ●280.100型 (走行速度2m/s)→ ISOクラス4 (ISO 14644-1 Part1 「空気清浄度のクラス分け」) E-mail:[email protected] 5.56 測定結果: E6.29.050.055.0型の電界強度 電界強度(v/cm) >0.2μmの粒子数/分 イグス株式会社 測定結果: E14.3.038.0型の粒子発生 インターネット:www.igus.co.jp E6.29.050.055.0型の電界強度を測定 (ESDテスト装置) FAX:03-5819-2055 電 話:03-5819-2030 E14.3.038.0型の粒子発生を測定 (クリーンルーム用テスト装置) 測定時間(分) 測定位置1 測定位置3 測定位置2 測定位置4 測定位置 電界強度 (中性化時) (v/cm) 2.測定結果 (20時間) (v/cm) 4.測定結果 (44時間) (v/cm) 1.測定結果(4時間) ( v/cm) 3.測定結果(28時間) (v/cm) 5.測定結果(48時間) (v/cm) ISOクラス2 ISO レベル1 Class 2 E14.3.038.0型 ISO 14644-1 Part1「空気清浄度のクラス分け」準拠 acc. to DIN ESD試検 E14.3.038.0型 EN ISO 14644-1for E14.3.038.0 E6.29.050.055.0型 SEMI E78-0998準拠 分類表 ISO 14644-1 VDI2083 Part1 「空気清浄度のクラス分け」 クラス分類 FED-STD-209E クラス分類(米国連邦規格1992年) ISO クラス1 相当の分類なし 相当の分類なし ISO クラス2 相当の分類なし 相当の分類なし 分類E14.3.038.0 走行速度1 m/s ISO クラス3 クラス 1 クラス 1 分類E6.29.050.055.0 走行速度1 m/s およびv = 2 m/s ISO クラス4 クラス 2 クラス 10 ISO クラス5 クラス 3 クラス 100 ISO クラス6 クラス 4 クラス 1,000 ISO クラス7 クラス 5 クラス 10,000 ISO クラス8 クラス 6 クラス 100,000 クリーンルームでの使用事例や詳細情報をオンラインで Fraunhofer Institut Production technology and automation ホームページ:www.igus.co.jp エナジーチェーンを過酷な環境で使用する 設計 使用環境 設計 使用環境 電 話:03-5819-2030 FAX:03-5819-2055 900℃の高温切粉でのテスト 実績があります: 埃、汚れ、スラッジ、堆肥、木 材、繊維、紙埃、研磨剤、冷却 材、ガラス塵、ガラス破片、墨 塵、砂、砥石粉など 工作機械の切粉発生部分に使用しているイグス エナジーチューブ 溶接スパッタ、 切粉 イグスのエナジーチェーン・エナジーチュー ブは、 溶接ロボットや工作機械においても安 全・確実にケーブル類を保護するということ が、 実験結果と数々の実績で証明されていま す。 溶接スパッタは見た目には跡が残ります が、 材料や機能を損なうことはありません。 エナジーチューブは、 900℃の切粉がかか る条件下での実験をクリアしました。 エナジ ーチェーンは、 切粉・塵埃が発生する世界中 の工作機械で使用されています。 (注意:イグミッドGは大量の溶解アルミニ ウムと直接接触するような使用には適して いません) 埃、 汚れ、 切粉の発生する場所での 埃、 汚れ、 切粉 用途に特に適しているエナジーチ 特殊材質と独自の設計により、 エナジーチェ ーンは過酷な環境下でも使用可能になりま した。 ご要望により、 実績と参考事例をご紹 介いたします。 個々の用途についてはお問い 合わせください。 ェーン: 木屑が発生する場所でもエナジーチェーンは耐 ●システムE4 P 5.198 久性を発揮 ●E2エナジーチューブ P 5.182 ●E2/000 P 5.150 真空 イグミッドG製のイグス エナジーチェーン は、 真空状態でも使用できます。 ごくわずか なガス放出が見られるだけです。 耐薬品性 イグミッドGは燃料、 潤滑材、 油脂、 アルコー ル、 エステル、 ケトン、 脂肪族化合物、 芳香族 炭化水素に対して耐性を備えています。 酸化 剤や酸に対しては、 耐性が限られいます。 耐クーラント性 エナジーチェーンとエナジーチューブは、 冷 媒に対しても耐性を備えています。 個々の問 題や先行開発のご要望がありましたら、 個別 にテストを行うこともできますので、 お問い 合わせください。 耐薬品性に関する表 P5.60 使用事例や詳細情報をオンラインで 堆肥泥 ― 関連実績は多くありますので、お問い 合わせください。 ホームページ:www.igus.co.jp 5.57 設計 規格と認証 エナジーチェーンシステム イグス製品の規格と認証 Certified ISO 9001:2000 FAX:03-5819-2055 イグスGmbH(ドイツ本社)は1997年11月に取得しています。 ドイツ技術検査協会 (TÜVラインランド) の検査 全エナジーチェーン製品に厳 しい品質検査を実施 電 話:03-5819-2030 ISO 9001 エナジーチェーンとエナジーチューブは、 ドイツの第三者検査機関であるド イツ技術検査協会 (TÜVラインランド) による建造方式検査を受けています。 エナジーチェーンは、 TÜVの機械要綱に基づいた検査を受け、 合格品と 認定されています。 したがって、 お客様がCE申請をなさる際に、 エナジ ーチェーンの項目についてはCEマーキングの要件を満たしているかど うかの検査を最小限にとどめることが可能です。 「保護装置のための検 査 2PFG 1036/ 10/97」 の内容は次のとおりです。 ●使用領域と安全性、●取付、●長期耐久限度、●外的影響に対する 耐性、●シャープエッジ ESD/ATEX (静電気放電対策と94/9/EC防爆指令対策) ドイツ物理工学研究所(PTB)によると、イグミッドG製のエナジーチェ ーンは、欧州のATEX防爆指令94/9/ECのEx ll 3 GD分類に相当しま す。イグミッドESD製エナジーチェーンは、欧州のATEX防爆指令 94/9/ECのEx ll 2 GD分類に相当します。 ESD対応エナジーチェーンの IPAによるクリーンルーム使用の認証 試験 多くのエナジーチェーンは、ISO 14644-1Part1「空気清浄度のクラ ス分け」準拠の評価試験で高評価を受けています。ドイツ・フラウンホ ーファー生産工学自動化研究所 (IPA) により認証されています。 イグス株式会社 UL、CSA、CEI、CE、VDE エナジーチェーン、 エナジーチューブに使用される全イグミッド素材 は、 UL認可材料です。 加えてイグミッドNBには優れた耐火性があり、 VDE0304パート3-5.70の試験方法 (ドイツ電気技術協会認証試験部 による) ではllcと分類され、 UL94 「プラスチック材料の燃焼性試験」 (UL 規格) ではV2クラスの認定、 DIN4102 「建築資材の可燃性」 ではB2ク ラスに分類されています。 DESINA等数多くの認証を受け たチェーンフレックスケーブル INTERBUS、DESINA チェーンフレックスケーブルは、多くの国際基準に準じて製造されてい ます。Interbus:イグスのバスケーブルCF11は、欧州でPROFIBUS と共に大きなシェアを持つフィールドバスINTERBUSの認証を受けて います。DESINA認証 : チェーンフレックスケーブルの多くがDESINA の認証を受けています。 E-mail:[email protected] インターネット:www.igus.co.jp 低騒音 5.58 イグスの音響ラボによる騒音 レベルテスト イグスのエナジーチェーンシステムの走行音は極めて静かです。ドイツ 技術検査協会(TÜVラインランド)と自社の音響ラボで、数種類のエナ ジーチェーンと他社ケーブル保護管を比較しました。その結果、システ ムE3、E6、E4/00(E4/101型)は、他社の同等サイズの製品よりも 明らかに走行音が小さいことが証明されました(「静音性」参照 P5.31) イグミッド イグミッド素材は、RoHS指令2002/95/ECに準拠しており、電気電 子機器類に対する特定有害物質は含まれていません。 iFデザイン賞 iFデザイン賞は、ドイツのハノーバー工業デザイン協会が全世界の工業 製品を対象に優れたデザインを持つ製品に与える世界的にも権威のある 賞です。イグスでは1984年以降、13のデザイン賞を受賞しています。 詳細情報や規格情報をオンラインで ホームページ:www.igus.co.jp 設計 イグミッド材質データとエナジーチェーンの色 材質データ表 単位 引張り強さ Mpa 190/130 78/40 – – 伸び率 % 004/006 20/210 – – 曲げ弾性係数 MPa 9000/7000 2900/1200 – – 衝撃荷重 23℃ kJ/m2 55/65/55 クラック発生なし – – 衝撃荷重 -40℃ kJ/m2 40 90 – – ボール圧入硬度H961/30 MPa 230/160 150/60 – – 導電率W/k * m Ω/k * m 0.23 – – – 誘電率 10h Hz 3.9/6.2 – 体積抵抗 Ω*cm >10 >10 衝撃強度(密度0.6∼0.8mm) kV/mm 80 表面抵抗ROA Ω 密度 – 9 – 16∼18 – – >1011 >1011 <109 – g/cm3 1.37 1.14 1.2 1.02 吸湿性23℃50% % 1.4 3.4 1.9 1.1 摩擦係数 – 0.3 0.3 0.3 0.3 耐火性VDE準拠 – FH2 – – – 耐火性UL準拠 – 94 HB 94 V-2 HB HB 色 – 最大吸水率 – 曲げ弾性強度 MPa 7,800 3,000 9,500 – 曲げ強度 MPa 240 120 230 – 11 ≈ RAL 9004 5.6 11 <10 ≈ RAL 9004 7.6 ≈ RAL 7015 7.3 ≈ RAL 9004 – 硬度ショアD – 79 79 83 – 最高使用温度(長期) °C 120 80 80 70 最高使用温度(短期) °C 180 170 150 140 最低使用温度 °C -40 -40 -40 -30 イグミッド材質データと色 – イグミッドTE FAX:03-5819-2055 イグミッドESD 規格と認証 イグミッドNB 電 話:03-5819-2030 イグミッドG 色と特別仕様 イグミッドG製の全てのエナジーチェーンは、下表に記した 色での納品が可能です。これ以外の色も、対応可能です。色 のついたエナジーチェーンは、基本的に在庫をご用意して おりません。ご発注の際には、お問い合わせください。安 定性や材料特性に関するすべてのデータ数値は、標準色で ある黒のみに有効です。カラーエナジーチェーンには、特 性に若干の変化があることがあります。イグミッドGC製の 伝導性エナジーチェーンなど、特殊材料で製造されたエナ ジーチェーンについても同じことが言えます。 RALナンバー(ドイツ品質保証・表示協会によるカラー指定) 黒 ≈ RAL 9004 白 ≈ RAL 9003 Index .1 赤紫 ≈ RAL 4008 Index .5 黄 ≈ RAL 1018 Index .4 橙 ≈ RAL 2003 Index .2 赤 ≈ RAL 3002 Index .6 青 ≈ RAL 5005 Index .8 緑 ≈ RAL 6011 Index .7 グレー ≈ RAL 7023 Index .3 エナジーチェーン向け シルバーグレー ≈ RAL 7037 Index .3 チューブ向け アゲートグレー ≈ RAL 7038 Index .11 ライトグレー ≈ RAL 7035 Index .14 ブラックグレー ≈ RAL 7021 Index .13 ストレートグレー ≈ RAL 7015 黄/黒 – Index .0 ESD対応品 Index .9 使用事例や詳細情報をオンラインで 個別の目的に合わせて色の変更ができます ホームページ:www.igus.co.jp 5.59