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フローテスター

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フローテスター
第 2章
4
7
1
2
) S.Shinozaki and U.E.Uilberg: Electron Uicroscopy Study of
the Effect of Iron i
n Reaction-Sintered Silicon Nitride: J.Am.
第 3章
Si
,N.結 合 SiCセ ラ ミ ッ ク ス の 高 強 度 化 ↑
Ceram.Soc., 6
4, 7, 382-85 (
19
81)
1章
1
3
) Barrow著 : 物 理 化 学 下 巻 , 東 京 化 学 同 人 (1976) 第 2
14) S.Zhang and W.R.Canon: Preparation of Silicon Nitride from
SiIica :J
.Am.Ceram.Soc., 6
7, 1
0, 691-95 (
19
84)
目;欠
1
5
) H.Wada and U.J.Wang: Ceramic Whiskers Synthesis and Phase
StabiIity i
n the S
i-C-N-:O System :The Proceedi
ng of the
International Conference on Whisker and Fiber-Toughened
Ceramics,ASM I
nt
.
, 63-72 (
19
88)
3. 1 緒言....
.
...
..
.
..
.
..
.
..
.
..
.
..
.
..
.
..
.
...
.........
..
49
3. 2
実 験 方 法 ..........................................49
3. 2. 1
原料...........
.
........
...
.
..
.• .
...
.
..
.
..
49
3. 2. 2
混合て混練方法..........
...
.
..
.
..
....• ..
..
49
3. 2. 3
成形方法.....
..
...
.
...
..
.
..
.
..
.
..
.
..
.
..
.
..
54
3. 2. 4
脱 脂 及 び 窒 化 方 法 ..
.
...
..
.
........
.
..
.
..
.
..
54
3. 2. 5
評 価 方 法 ..................................
59
3. 3
結 果 及 び 考 察 ......................................
6
1
3. 3. 1
パ イ ン ダ 混 練 条 件 の 適 正 化 ..................
6
1
3.3.2
Si/SiC配 合 比 の 影 響 ....................
65
3. 3. 3
成 形 パ イ ン ダ 量 の 影 響 ......................
70
3. 3. 4
焼 結 体 中 の 気 孔 存 在 形 態 の 影 響 ..............
75
3.3.5
Si,
N.結 合 SiCセ ラ ミ ッ ク ス の 特 性 ........
83
3. 3. 6
部 品 試 作 例 及 び ニ ア ネ ッ ト シ ェ イ プ 効 果 ......
83
3. 4
結言....
.
..
.
.• .
..
.
.• .
..
...
.
.• .
..
...
.
..
.
..
.
......
..
88
↑下記雑誌に投稿
・安富義幸,北英紀,中村浩介,祖父江昌久.高強度 Si
3N4 結 合 S iC セ ラ ミ ッ ヲ ス の 開
6, 783-88 (
1
9
8
8
)
発:日本セラミッウス協会学術論文誌, 9
3. 1 緒 言
第 2章 の 検 討 結 果 よ り 、 高 強 度 の S i
3 N ,結合セラミ ッ ク ス を 得 る た
めには、焼結時の収縮が殆ど無く、
Siの 窒 化 に よ る 体 積 増 加 率 は 一 定
で あ る こ と か ら 、 成 形 体 中 に 占 め る Si及 び 無 機 化 合 物 粒 子 の 体 積 率 を
高 め る こ と が 重 要 ポ イ ン ト で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 したがって 、
Si
3 N ,結合セラミ ッ ク ス の 高 強 度 化 に 適 し た 成 形 プ ロ セ ス の 研 究 が 必
要 で あ る 。 そ こ で 本 章 で は 、 無 機 化 合 物 粒 子 に 耐 熱 性 に 優 れ る SiC粒
3 N,
で結合する
子 を 選 択 し 、 こ の SiC粒 子 を 金 属 Siか ら 生 成 し た S i
方 式 の S i3 N,結合 SiCセ ラ ミ ッ ク ス の 高 強 度 化 の た め の 成 形 プ ロ セ ス
を中心に検討を行った 。
3. 2 実 験 方 法
図3
.1に S i3 N,結合 SiCセ ラ ミ ッ ク ス の 製 造 工 程 を 示 す 。 以 下 に そ
の詳細について述べる 。
3.2. 1 原 料
出発原料としては、図 3
.2に 示 す 山 石 金 属 製 の 平 均 粒 径 0.9μmの 金 属
Si粉 末 と 不 二 見 研 摩 材 製 の 平 均 粒 径 16μmの SiC粉 末 を 用 い た 。 この
Siと SiCの 配 合 比 を 変 え 、 焼 結 時 寸 法 変 化 率 及 び 焼 結 体 の 曲 げ 強 度 と
の 関 連 を 検 討 し た 。 ここで、
Siと SiCの 粒 子 径 を 違 え て い る が 、 これ
は 成 形 時 に 大 粒 子 の SiC粒 子 聞 に 小 粒 子 の Siを 混 入 さ せ て 、 成 形 体 の
粒 子 充 填 率 を 高 め る こ と を 狙 っ た も の で あ る 。 Si
3 N,結合 SiCセラミ
ックスの製造法を検討するに際して、当初は、成形周パインダに PVB
を 用 い た が 、 成 形 密 度 が 上 が ら ず 、 焼 結 品 の 強 度 も 従 来 並 み の 50から
100M Paと 低 い も の し か 得 ら れ な か っ た 。 そ こ で 、 原 料 の 流 動 性 を 向 上
させるために、射出成形法によく用いられる熱可塑性樹脂を添加するこ
.1に 示 す 成 形 パ イ ン ダ
とにより 、 成 形 体 の 密 度 向 上 が 可 能 と 考 え 、 表 3
を使用した 。
3. 2. 2
混合・混練方法
3 N,ボール
Si及 び SiC粉 末 を ポ ッ ト ミ ル 容 器 に メ タ ノ ー ル 及 び S i
とともに入れ、 24時 間 混 合 し た 。 ;欠に室温で乾燥後 、 成 形 パ イ ン ダ と し
て表 3
.1に 示 す ポ リ エ チ レ ン 系 の 熱 可 塑 性 樹 脂 を 添 加 し 、 加 圧 ニ ー ダ を
昆練曹
用 い て 混 練 し た 。 加 圧 ニ ー ダ 混 練 機 の 外 観 写 真 を 図 3.3に 、 ま た j
の 構 造 を 図 3.4に 示 す 。 パ イ ン ダ の 添 加 量 に つ い て は 広 範 囲 に 変 化 さ せ 、
町
一
AU
一
A
l
o
hH
o
e
--
W一
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n
v一
CM一
C
一
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I-
'
*_.
Termoplasticr
e
s
i
n
・
I
D
-mq
副団
制ぴ
釦
mf
F
e
F
→
30μm
I
nargon,
-500oC
I
nnitrogen,
-1350oC
F
i
g
.3
.
1P
r
o
d
u
c
t
i
o
nprocesso
fSbN4 bondedSiC
F
i
g
.
3
.
2S
c
a
n
n
i
n
ge
l
e
c
t
r
o
nm
i
c
r
o
g
r
a
p
h
so
fS
i
a
n
dS
i
Cp
o
w
d
e
r
s
64
Polyethylene
wax
S
t
e
a
r
i
cacid
118- 128
Polyethylene
75
120
Composition
Blendwax
S
o
f
t
i
n
g
p
o
i
n
tTcCC)
110
160
220
240
Total9
Thermal
P
a
r
t
so
f
decomposition weight
p
o
i
n
tTcrC)
(
g
)
15
21
43
21
Weight
r
a
t
i
o
(wt%)
Table3
.
1 Compositionofbinder
Wakopure
chemical
Chyukyo
yushi
HoechstJapan
M
i
t
s
u
i
polychemical
Maker
F
i
g
.
3
.
3 Theappearanceo
fp
r
e
s
s
u
r
ek
n
e
a
d
e
re
q
u
i
p
m
e
n
t
Pressurecover
Kneadingchamber
Rotor
F
i
g
.3.
4 Thec
o
n
s
t
r
u
c
t
i
o
no
fpressure
kneaderequipment
適正量を検討した 。
ここで、混練では 、パインダの粘度を下げることにより粒子との濡れ
を良くしながら、その揮発量を出来るだけ少なくすることが望ましい 。
そこで、 j
昆 練 時 の 温 度 は パ イ ン ダ の 分 解 開 始 温 度 以 下 、 そして 、 パイン
1
頂)
ダ 各 成 分 の 添 加 順 序 は 、 揮 発 の 起 こ り に く い 順 ( 分 解 開 始 温 度 の 高 い1
とした 。 分 解 開 始 温 度 は 、 熱 天 秤 を 用 い て 重 量 減 が 関 始 す る 温 度 よ り 求
めた 。 表 3
.
1に パ イ ン ダ 各 成 分 の 分 解 開 始 温 度 を 示 す 。 こ の 結 果 を 元 に
パ イ ン ダ の 添 加 順 序 は 、 ポ リ エ チ レ ン (P E)、 ポ リ エ チ レ ン ワ ッ ク ス
(P EW)、 プ レ ン ド ワ ッ ク ス (BW)、 ス テ ア リ ン 酸 (SA)の1
1
債とした 。
又
、
SAの 分 解 開 始 温 度 1
1
0.
Cは、 P E の 軟 化 温 度 1
2
0・
Cよ り 低 い 。 混 練
時の温度を軟化温度より低くすることは出来ないため、本研究では混練
5
0.
Cと し た 。 図 3
.
5に 混 練 工 程 を 示 す 。 混 合 粉 末 を 混 練 槽 内
時の温度を 1
0rpmで 1
5
0.
C、 3
0
m
i
n混合し、;欠に P E を添加し、 0
.
6
で無加圧のまま 3
M Paで 加 圧 し な が ら 1
5
m
i
n混 練 し た 。 同 様 の 操 作 を P E W、 B W,SA
に つ い て 行 な っ た 。 こ の よ う に 、 ワ ッ ク ス 添 加 後 に SAを添加すると、
ガ ス の 通 路 と 成 る 粒 子 聞 の 隙 聞 が 無 い た め に 、 S Aの 揮 発 を 抑 え る こ と
が出来る 。
3. 2. 3
成形方法
.
6に 成 形 方 法 を 示 す 。 第 3
.
2
.
2節 で 得 ら れ た 混 練 物 を 以 下 の 方 法 で
図3
成形した 。
方法 A:混 練 物 を 破 砕 機 で 粒 状 に 粉 砕 し た 後 、 こ の 粒 状 j
昆練物を金型
5
0.
C、 成 形 圧 力 98MPaで 成 形 し 、 直 径 5
0
m
m、厚さ
内に充填し、金型温度 1
1
0
m
mの 成 形 体 を 作 製 し た 。 使 用 し た 粒 状 混 練 物 の 粒 度 分 布 を 図 3
.
7に示
す。
方法 B :破砕機で粒状にした混練物をらいかい機でさらに細粒化した 。
成 形 条 件 は 方 法 A と同ーである 。使 用 し た 粒 状 混 練 物 の 粒 度 分 布 を 図
3.
7に 示 す 。
3. 2. 4
脱脂及び窒化方法
次に脱脂炉を用いて、成形体中の樹脂分を除去(脱脂)した 。成形体は
焼結前に樹脂分を除去しておかないと、焼結工程での昇温時に割れを生
じる 。 このため、
Ar雰 囲 気 中 、 室 温 か ら 5
0
0.
Cま で 平 均 昇 温 速 度 3.
C/
h
で加熱した 。得 ら れ た 各 脱 脂 体 を 直 径 2
0
0
m
mの 黒 鉛 容 器 中 に 置 き 、 黒 鉛
誘 導 加 熱 型 の 焼 成 炉 を 用 い て 、0
.
8
8M Paの 加 圧 窒 素 ガ ス 中 で 、 図 3
.
8に
S
i,
SiC
S
i,
SiC,
8inder
150C,
30min,
non-pressure
0
PEa
d
d
i
t
i
o
n
PE:Polyethylene
150C,
15min,
0
.
6MPa
0
PEWa
d
d
i
t
i
o
n
│Moldingmethod8I
PEW:Polyethylenewax
150C,
15min,
0
.
6MPa
0
8Waddition
│MoldingmethodAI
<4
.
7n
可n
可
8W:Blendwax
150C,
15min,
0
.
6MPa
0
SAa
d
d
i
t
i
o
n
SA:S
t
e
a
r
i
ca
c
i
d
Diepressmolding
Temperature150C
Pressure98MPa
0
l
KneadingI
o
15min,
0
.
6MPa
150C,
F
i
g
.3
.
5Thep
r
o
c
e
s
so
fk
n
e
a
d
i
n
gmethod
Diepressmolding
Temperature150C
Pressure98MPa
0
F
i
g
.3
.
6Theprocesso
fmoldingmethodAandB
C)C1)
刀
。
守ー
m
的
EE
¥00 UOHEmcZ旬。z
一
∞
∞
0 0守
F
o
o
m
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OONF
OOFF
。
。
×
ZON
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N
。
。
円
co一-Z司zoomc一司ztcozト∞
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円
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ZON
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H悶E E岡山﹄恥。 ωcoz
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周
一
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(~J aJn~eJadwa.l
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0:
O~
o
cu
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ω
oc
zm×
υomnF
。
ComohEZ
一ωaE .0HEozaωoEH4
c
《
示 す よ う に 温 度 1100.
C から 1350.
Cの 範 囲 を ス テ ッ プ 状 に 昇 温 加 熱 し て 焼
成 を 行 な っ た 。 こ の 際 、 炉 内 は 油 鉱 散 ポ ン プ を 用 い て 5.1mPaに 減 圧 し
た後、窒素ガスを導入した。
3. 2. 5 評 価 方 法
(1
)
混練粘度の測定:混練中のトルク変化を測定するとともに、所定
時間毎に混練槽内から混練物を採取し、その粘度をフローテスタにより
φ10.6mmの 金 属 製 パ イ プ を 槽 内 の 混 練 物 に 押 し 込 み 採 取 し た 。 粘 度 の 測
C とした。
定 は 、 以 下 の 式 に 従 っ て 求 め た 。 測 定 温 度 は 150.
0
d:流 路 径 (m)、 ρ:圧 力 (Pa
)、 Q:流 路 長 (m)、 0
:流 量 (m2/S)
)昆練物の分析:混練物 中 の 有 機 物 質 の 同 定 を 赤 外 分 光 光 度 計 を 用
を K Br窓 板 に は さ み 試 料 と し た 。
(
3
)
成 形 体 粒 子 充 填 率 : 成 形 体 に 占 め る Si及 び SiC粒 子 の 体 積 率 を 、
成形体の寸法及び重量測定結果、並びに各原料粉及び成形パインダの密
度及び配合比の値を用いて算出した 。
。
(
2
)
いて行なった 。j
昆練物内に含まれる有機物質を加熱により抽出し、これ
(
4
) 焼結時寸法変化率.脱脂後の寸法を基準とした焼結後の寸法変化
焼 結 体 理 論 密 度 は 、 Siが 完 全 に 窒 化 し た も の と し て 、 焼 結 後 の S i3 N.
(6)
曲 げ 強 度 : JIS.R1621で 規 定 さ れ て い る 40X 4X 3mmの 角 棒 状 試 験 片
を 作 製 し 、 支 点 間 距 離 30mm、 ク ロ ス ヘ ッ ド ス ピ ー ド 8.33X10-8 m/s(0.5
mm/min)の 条 件 で 3点 曲 げ 試 験 で 求 め た 。
(
7
) 破 壊 靭 性 値 : JIS.R1607で 規 定 さ れ て い る S E P B (Single Edge
Pre-Craked Beam)法 で 測 定 し た 。 予 き 裂 導 入 は 荷 重 20kgで ピ ツ カ ー ス 硬
度 計 に よ り 圧 痕 を つ け 、 予 き 裂 導 入 機 ( マ ル ト 一 社 製 、 MZ-603型)を用い
て 行 な っ た 。 な お 、 曲 げ 試 験 は 3 点法であり、
K 1 Cは 次 式 よ り 求 め た 。
コ
且
Hh
及 び SiCの 量 比 及 び 理 論 密 度 か ら 求 め た 。
回
巴
NNOZ
焼結体相対密度・焼結後の試料寸法及び重量測定結果から密度を
求め、この値を焼結体理論密度で除して焼結体相対密度を求めた 。なお
0
。
X 100
﹄
脱脂体寸法
(
5
)
1
0
.
.
焼結体寸法一脱脂体寸法
ωE
h
o
司=
焼結時寸法変化率(%)=
一
。
率 を 次 式 に よ り 求 め た 。 寸 法 測 定 に は 精 度 1/100mmの ノ ギ ス を 用 い た 。
BωSEo-hhozozoコ﹄窃 C000Zト .
n ・町一
π.d2 •
η(Pa.s
)=一一一一二
128・Q .
0
2NNOE﹄
E E∞
.∞目、
EE0.@$ 日 司
EEm.FF$H 白
.
9に フ ロ ー テ ス タ ノ ズ ル 部 の 構 造 を 示 す 。 試 料 は 、
測 定 し た 。図3
K,c= Y.a.a,/,
m
m
)、 σは 、
こ こ で 、 aは 予 き 裂 長 さ (
a = 3 P S / 2 B W'
厚さ (
m
m
)で あ る 。 また Y は
、
熱 膨 張 係 数 : 窒 索 中 5.
C/minで 900'
Cま で 加 熱 す る 条 件 で 測 定 し た 。
化措量を算出した 。
(
10
) 硬さ:ピッカース硬さ試験機により求めた。本実験では、試験荷
(
1
1) 組 織 解 析 : 焼 結 後 の 試 料 を タ ン グ ス テ ン カ ー バ イ ド の 乳 鉢 で 粉 末
状 に し た 後 、 粉 末 X線 回 折 測 定 し た 。 ま た 各 試 料 の 研 磨 面 及 び 破 面 に つ
い て 、 光 学 顕 微 鏡 及 び S E Mに よ り 観 察 し た 。
3. 3 結 果 及 び 考 察
3. 3. 1 パ イ ン ダ 混 練 条 件 の 適 正 化
OOF
重 を 294N 、 保 持 時 聞 を 30秒 と し た 。
。
o
m
噌d
1
:
1
:0 ミ
()OCO
な 混 練 時 間 を 求 め る こ と に し た 。 ここで 、原料及びパインダ配合比は、
(,):
'(¥1
y
•
後 述 す る よ う に 最 適 な Si
/ S iC =60/ 40wt%、 パ イ ン ダ 量 9重 量 部
百イム∞
(
20vol%)と し た 。 混 練 時 間 に 伴 う 混 練 物 中 の パ イ ン ダ 含 有 率 変 化 を 測 定
昆練時間に伴うトルク変化を図3
.1
2に 示 す 。 図 3.12よ り ス テ ア
次に 、j
リン酸添加後、 20から 30min後 ト ル ク は 最 小 に な り 、 そ の 後 時 間 の 経 過
OF.n・町一比
から、時間の経過に伴い、ステアリン酸が減少していることが判る 。
(%V^)J
a
p
U
!
qJOJ
u
a
J
u
o
:
>
∞.ド
は 強 く 見 ら れ 、 645min混 練 す る と 、 こ れ が ほ ぼ 消 失 し て い る 。 こ の こ と
∞
因 す る 1250cm-,付近のスペクトルが、 50、 75min;
毘練したものについて
、
N.
収スペクトルを示す 。 これより、ステアリン酸中のカルボキシル基に起
守.∞
ことが判る 。 さらに、図 3
.1
1に 50、 75、 645min混 練 後 の 混 練 物 の 赤 外 吸
OF
:
呈
∞
1
51
1
: 1
"
"
し た 結 果 を 図 3.10に 示 す 。 こ れ よ り 、 パ イ ン ダ 含 有 量 は 、 50minか ら
65min程 度 の 聞 に 急 激 に 、 そ の 後 は ゆ る や か に 低 下 し て ゆ く 傾 向 に あ る
~
gbq t
二
混 練 時 間 に よ っ て 、得られる混練物の特性が変化する 。 そ こ で 、 適 正
(EE)ωEZmz一万四wozx
耐 酸 化 性 : 大 気 中 1200.
Cに 保 持 し た 炉 内 に 試 料 を 入 れ 、 所 定 時 間
﹄a
OHO﹄ 恥O o
EコE C O一
定
相 OE
(
9
)
後 、炉内より試料を取り出し、放冷後重量を測定し、単位菌積当りの酸
何日﹄
(
8
)
試料は、 3x4x30mmの 角 棒 状 と し 、 標 準 試 料 に は 、 石 英 ガ ラ ス を 用 い た 。
d
﹄
A0 = 1
.964、 A,= -2.874、 A ,
=
13.771、 A 3 = -23.250、 A.=24.129と な る 。
oom
で あ り 、 J IS サ イ ズ の と き は 、
Eeo
Y =Ao+A,(a/W)+A,(a/W)'+ A,(a/W)'+A.(a/W)'
ω百戸﹄五﹄ozszoozooEZmc 一古w
c
u
h
o
o
o
c
oコ田o
h
z
-
000F
ここで 、 P ;最大荷重 (
kg)、 S ; ス パ ン 長 さ (30mm)、 B; 幅 (mm)、 W ;
③
﹂
ω
ω コσ OHOC一刀Mwocv-coo
百
戸
﹄
山町
F
4000
3000
2000 1600 1200 800 500
1
Wavenumber(cm)
Fig.3.11Infraredspedrumofkneadingm
a
t
e
r
i
a
l
s
(kneadingt
i
m
e
;① 50mim,② 75min,③ 645min)
.
l
(
B
d
)e
n
b
J
o
。Ezoc一宮wocu-
G
Carboxyl
group
0正
E D C O Z E O E N一円 ・
﹀﹀
うJ
とともに緩やかに大きくなっていることが判る 。 また本研究では、混練
時 の 温 度 を 150.
Cと し た が 、 こ れ は 表 3
.1に 示 し た ス テ ア リ ン 酸 の 熱 分 解
C高 い 。 そ の た め 、 ス テ ア リ ン 酸 の 揮 発 は 速 や か に 進 行 し 、
温 度 よ り 40.
トルクもそれにつれて大きくなると考えられた 。 しかし、実際のトルク
上昇率は比較的小さく、ステアリン酸添加の効果は長時間続くことが判
る 。 また 、 こ の ス テ ア リ ン 酸 の 効 果 は 、 他 の パ イ ン ダ の 有 無 に 左 右 さ れ
る 。 図 3.13は 70.
Cに 保 持 さ れ た Si
/S iC混 合 粉 末 に ス テ ア リ ン 酸 の み
を添加した後、温度を上げてゆき、その後のトルク変化を示したもので
Cから 100.
C付 近 に よ が る と ス テ ア リ ン 酸 の
ある 。 こ れ よ り 、 温 度 が 70.
粘土が下がり、
00.
C付 近 に な る と 約
トルクも小さくなってゆくが、1
4
1Pa/minの 割 合 で ト ル ク が 急 激 に 大 き く な る こ と が 判 る 。 ち な み に 図
3.13で は 、 トルクは 0.03Pa/minの 上 昇 で あ っ た 。 図 3.12及 び 3
.1
3の 結
果から 、 ワ ッ ク ス 添 加 後 に ス テ ア リ ン 酸 を 添 加 す る と ガ ス の 通 路 と な る
粒子聞の隙聞が無く、高温下でも揮発しにくくなることが考えられる 。
さ ら に 、 図 3.14、 3.15に 各 混 練 物 の フ ロ ー テ ス タ に よ る 見 掛 け 粘 度 測
定結果、及び、その時のノズルから押し出された混練物の表面性状を示
す 。 粘度は、 65mini
昆練したところで最も低く、さらに混練時間を長く
すると高くなってゆくことが判る 。そしてその傾向は図3
.1
2の ト ル ク 測
定 結 果 と 一 致 す る 。 また図 3
.1
5の 表 面 性 状 に つ い て 見 る と 、 混 練 時 聞 が
0から 70min混 練 す る こ
短いときには表面が荒れている部分があるが、 6
とで良好になる 。 さらに混練時間を長くすると 、全 体 的 に 表 面 荒 れ の 程
昆練物からのパインダの揮発
度は悪化してゆく 。 これらの悪化現象は 、j
がその主因と考えられる。
以 上 の 実 験 結 果 か ら 、7
0mi円 の 混 練 時 聞 が 適 正 で あ る と 判 断 し 、 以 下
の実験では、 j
昆 練 時 間 を 70min一 定 と し た 。
3 . 3 . 2 Si/ SiC配 合 比 の 影 響
6に Si及 び SiC粉 末 100重 量 部 に 対 し 、 ポ リ エ チ レ ン 系 成 形 パ
図 3.1
15
20
Kneadingt
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m
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)
3重 量 部 (25vol%)を 加 え た 場 合 の 、 成 形 体 粒 子 充 填 率 及 び 焼 結
インダ1
体相対密度の測定結果を示す 。なお、ここで成形パインダをポリエチレ
3重 量 部 (25vol%)と し て い る が 、 こ の 樹 脂 量 で は 混 練 物 は 流
ン系樹脂 1
動性が良く、射出成形可能である 。
こ れ よ り 成 形 体 粒 子 充 填 率 は 、 Siの 割 合 が 高 く な る と 共 に 小 さ く な
り、
S i 配合比 30~80w t % の 変 化 に 対 し 、 成 形 体 粒 子 充 填 率 は 5
9% から
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49%に 低 下 し て い る 。 こ の 成 形 体 を 焼 結 す る と 、 Si配 合 比 の 高 い 試 料
の 方 が む し ろ 相 対 密 度 が 高 く な っ て い る 。 これは、
Siが 窒 化 さ れ て
Si
3 N
.に 変 化 す る と き 、 体 積 が 約 22%増 加 す る た め で 、 Si配 合 比 の 高
い 試 料 ほ ど こ の 体 積 増 加 の 寄 与 が 多 く な っ た 結 果 で あ る 。 次に、
SiC配 合 比 に 対 す る 焼 結 時 寸 法 変 化 率 及 び 焼 結 体 の 曲 げ 強 度 の 関 係
Si量 の 増 加 と 共 に 大 き く な
を 、 図 3.1
7に 示 す 。 こ れ よ り 、 曲 げ 強 度 は
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3. 3. 3 成 形 パ イ ン ダ 量 の 影 響
。
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T
、
次に、さらに高い強度を得るため、成形時の原料粉充填率を高めるこ
と を 考 え 、 添 加 す る 成 形 パ イ ン ダ 量 の 影 響 を 検 討 し た 。原料配合比を図
o
3.17で 得 ら れ た 適 正 値 、 即 ち S i:S iC = 60 :40(重量部)の一定割合と
m
し 、 成 形 パ イ ン ダ の 配 合 量 を 5~13 重量部の範箇で変化させたときの、
。
。
成 形 体 粒 子 充 填 率 、 及 び 、 焼 結 体 幽 げ 強 度 の 値 を 図 3.18に 示 す 。 な お 、
従来セラミックスの成形で用いられている成形パインダの量は金型プレ
守
ス や ラ パ ー プ レ ス (C I P) の場合で 0~5 重量部、射出成形で約 13 重量部
程度である 。 この図から明らかなように、粒子充填率及び曲げ強度はパ
門
2
0
v
o1%)の と き に い ず れ も 極 大 値 を 示 す 。 極 大 値 の
イ ン ダ 量 9重 量 部 (
大 き さ は 、 粒 子 充 填 率 が 78%、 曲 げ 強 度 が 350M Paで あ る 。 図 3.19に 成
S E M像 を 示 す 。 この S E M像 を 比 較 す る と 、 相 対 密 度 が 小 さ い 焼 結 体
OOF
3重 量 部 の 範 囲 で 変 え た と き の 、 焼 結 体 破 面 の
形 パ イ ン ダ を 5 から 1
。 。 。
∞ ω
守
O
N
。
では全般に気孔の量が多く、気孔寸法も大きくなっていることが観察さ
れる 。 ま た こ の 気 孔 の 内 部 に は S i
3 N.ウ イ ス カ の 存 在 が 認 め ら れ る 。
一般にセラミックスの強度は、焼結体の相対密度と強い相関関係にあ
る こ と が 知 ら れ て い る 1)。 図 3.18に 示 し た デ ー タ を 曲 げ 強 度 と 相 対 密
.
2
0の よ う に 、
度の関係で整理してみると、図3
Si
3 N
.結 合 SiCセラミ
ックスの場合も焼結体の相対密度が強度に大きく影響することが判る 。
.18で 示 し た よ う に 、 曲 げ 強 度 が パ イ ン ダ 量 に 依 存 す る 理 由 に つ い
図3
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一
一
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約 60wt% と す る こ と に よ り 、 焼 結 時 寸 法 変 化 率 が 小 さ く 、 か つ 強 度 を 高
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。
∞
Siが Si
3 N
.に 変 化 し た 際 の 粒
子 聞 の 焼 結 に よ る た め と 考 え ら れ る 。 図 3.17の結果から、
ω一周一﹄忠句EEE 恥。。一芯﹄町552
加 に 伴 い 収 織 す る 傾 向 に あ る 。 これは、
。
N.0
SiC粒 子 聞 を 結 合 す る 役 割 を 果 た す Si
3 N
.量 が 不 足 し 、 こ の た め 曲 げ
強 度 が 低 く な る も の と 考 え ら れ る 。 ま た 焼 結 時 寸 法 変 化 率 は Si量 の 増
F.0l
Si量 60wt% 以 上 で ほ ぼ 一 定 値 を 示 す 。 Si配 合 比 が 低 い 場 合 に は 、
F.0+
N.0+
るが、
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て は 次 の よ う に 考 え ら れ る 。 ま ず パ イ ン ダ 量 が 9重 量 部 以 下 の 領 域 で は 、
原料粒子間のパインダ量が不十分なため、成形時の粒子間摩擦が大きく 、
このため成形体の粒子充填率が低くなったと考えられる 。一方、パイン
ダ 量 が 9重 量 部 以 上 の 領 域 で は 、 粒 子 間 に パ イ ン ダ が 多 く 入 り 込 み 、 こ
の結果粒子充填率が低下したと考えられる。 Si
3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス
では焼結時の寸法変化がほとんどないため、原料配合比が一定の場合、
成形体の粒子充壊率がそのまま焼結体に反映され、焼結体の強度を決め
ているものと考えられる。
以上より、成形パインダ量を限定して原料粉充填率を高めることによ
り 、 高 強 度 化 で き る こ と が 判 っ た 。 こ こ で 得 ら れ た 粒 子 充 填 率 78%の 値
は 、 通 常 の 粉 末 金 型 プ レ ス 、 C IP、 射 出 成 形 ま た は ス リ ッ プ キ ャ ス テ
イ ン グ で 得 ら れ る 粒 子 充 填 率 (60%前 後 ) に 比 較 し て 著 し く 高 い 。 換 言 す
れば、このような特殊なパインダ量領域を検討したことにより、高い粒
子充填率が得られ、この結果、
3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 高 強 度 化 に
Si
結びつけることができたと言える 。
こ こ で 、 曲 げ 強 度 を 測 定 し た 試 料 破 面 を S E Mで 観 察 し た 結 果 を 図
3.2
1に 示 す 。 破 面 内 に 大 気 孔 が 観 察 さ れ る が 、 多 孔 質 か つ 複 合 材 か ら な
るために破嬢起点に生じるミラーなど特徴的な模様は観察されず、起点
を決定することは困難である。破壊の形態としては、図3
.
1
9(c)、図 2
.6
から粒内破壊であることが確認された 。
こ の よ う に し て 得 ら れ た 、 原 料 配 合 比 S i:S iC = 60 :40(重量部)、
成 形 パ イ ン ダ 9 重 量 部 (20vol%)の 条 件 で 作 製 し た 焼 結 体 は X 線 回 折 の 結
果、
3 N.及 び β-S i
3 N.か ら 成 り 、 原 料 の Siは 残 存 し て
SiCと α-S i
いないことがわかった 。焼結体の研磨面の光学顕微鏡写真を図 3
.22に 示
3 N.
す 。 白 く 大 き な 粒 子 が SiC、 黒 い 部 分 が 気 孔 、 そ の 他 の 部 分 が S i
で あ る 。 気 孔 は 10μm以 下 と 小 さ く 、 比 較 的 均 一 に 分 散 し て い る 。 この
た め 気 孔 率 が 12%程 度 と 大 き い 割 に は 、 高 い 曲 げ 強 度 が 得 ら れ て い る も
のと考えられる 。
3. 3. 4 焼 結 体 中 の 気 孔 存 在 形 態 の 影 響
図 3.6で 示 し た 方 法 に よ り 作 製 し た 原 料 粉 末 と パ イ ン ダ の 混 練 物 の 粒
子形状が、焼結体強度に与える影響を検討した 。
.
2
3に 示 す 。 成 形 体 表
各成形原料の外観、及び成形体の表面性状を図3
面 を 観 察 す る と 、 原 料 Aで 得 ら れ た 成 形 体 に は 表 面 に 網 目 状 の 模 様 が 見
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8
第 3章
第
3章
られる。これは混練物粒子同志の圧着面に相当した部分が網目状模様を
呈 し た も の で 、 い わ ゆ る ウ ェ ル ド ラ イ ン と 呼 ば れ る も の で あ る 。 このウ
昆練物が外圧を受けた際、 j
昆練物の構成成分である
ェルドラインは粒状j
Si及 び SiC粒 子 の 隙 聞 を 、 加 熱 さ れ て 流 動 特 性 が 小 さ く な っ た 樹 脂 が
望書み出し、粒状混練物の表面に搾出されて生成したと考えれる 。 ウェル
ドラインのあった箇所は樹脂濃度が高いため、脱脂後網目状欠陥と成り
易 い 。 図 3.24に ウ ェ ル ド ラ イ ン 及 び 網 目 状 気 孔 の 生 成 過 程 模 式 図 を 示 す 。
ウエルドラインの防止は、セラミックスの射出成形において重要な技術
課題となっているが、本実験のように樹脂量の少ない混練物でも類似の
現 象 が 生 じ る こ と が 判 っ た 。 一方、
B原 料 に よ る 成 形 体 で は ウ エ ル ド ラ
インは見られず、均質な表面を呈している。なお、各成形体の表面に見
られる縦方向の縞模様は成形体を金型から取り出す際についた引っ掻き
傷である。
;欠に、
A ,Bの 原 料 を 用 い て 成 形 し た 後 、 脱 脂 、 焼 成 し て 得 ら れ た 焼
結 体 の 曲 げ 強 度 測 定 結 果 を 図 3.25に 示 す 。 細 粒 子 を 用 い た 場 合 は 、 組 粒
を用いた場合に比べ、強度が高く、ぱらつきの小さい焼結体が得られる 。
焼 結 体 研 磨 面 の 光 学 顕 微 鏡 写 真 を 図 3.26に 示 す 。 原 料 A に よ り 得 ら れ た
焼結体中には、図中の矢印に示すように、小さい気孔が連結するような
00μ 冊 以 上 に 及 ぶ 網 目 状 の 気 孔 が 観 察 さ れ た 。 そ の 形
形で、全体として 1
状はもとの粒状混練物の輪郭と対応している。本実験に用いた混練物は
もともと高粘性で塑性流動しづらいが、加圧されると内部の樹指分が粒
間空隙に搾出され、原料粒子間の接触箇所が増加する。それに伴い原料
粒子間相互の摩擦力も増大するため、粒子が身動き出来なくなる状態
(ブリッジ現象)を生じ、空隙が完全に埋められず、焼結後、このような
網目状欠陥として残ったと考えられる 。
原 料 Bで も 粒 状 混 練 物 を 用 い て 成 形 し て い る が 、 網 目 状 の 気 孔 は 見 ら
れ な い 。 こ れ は 、 粒 の 寸 法 が 0.3mm以 下 の 小 さ い も の を 使 用 し て い る た
め、もともと粒聞に幾何学上大きな空隙を生じ得ず、網目状の空隙は生
じなかったものと考えられる 。
以上より、混練物を破砕して得た組粒混練物を成形する方式では、加
圧時に樹脂が間隙に渉み出るため、ウェルドラインやブリッジ現象が生
じ、焼結後これらは網目状気孔となるため、強度低下を引き起こす 。 し
たがって、微細な粒状混練物を用いれば、網目状気孔の発生を防止でき、
安定した高い強度の焼結体が得られることが分かった。
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3奪 回
3.3. 5 Si
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3 N.結 合 S
以よ 、金 属
Siと SiC粒 子 を 原 料 に 用 い 、 こ れ を 窒 索 中 で 反 応 結 合 す
るときの諸条件を適正化することにより、二アネ ッ トシェイプ性に優れ 、
かつ高強度の
Si
3 N.
結 合 SiCセラミ ッ ク ス が 開 発 出 来 た 。
原 料 配 合 比 S i:S iC = 60 :40( 重 量 部 ) の 焼 結 体 の 特 性 を 表 3.2に 示
す 。 成 形 体 か ら 焼 結 体 へ の 焼 結 時 寸 法 変 化 率 は ー 0.14%で あ る 。 こ れ は
常 圧 焼 結 材 に 比 較 し て 1/100と 小 さ く 、 精 密 焼 結 に 適 し て い る 。 か さ 密
3
度は 2.81M g/m で 、 相 対 密 度 に 換 算 す る と 88%で あ る 。 気 孔 率 は 1
2% で
ある 。 こ の 気 孔 は 、 焼 結 時 に は 窒 素 ガ ス な ど の 通 路 と し て の 役 割 を 果 た
した通気孔である 。 こ の 気 孔 は 強 度 的 に は 内 部 欠 陥 と し て 作 用 し 、 強 度
を低下させているが、逆に多孔質材としての利用も考えられる 。熱膨張
係 数 は S i3 N.と 同 程 度 で あ る 。 熱 鉱 散 率 は 9.77X10-'m'/
sで あ る 。 熱
伝導率の高い
SiC粒 子 を 構 成 要 素 に 含 む た め 、 Si
3 N.
や A1
,03 の 1
.5
倍 程 度 の 値 と な っ て い る 。 幽 げ 強 度 は 室 温 で 350M Paあり、 1200Cの 高
0
温でも強度低下がない 。焼結助剤を使用していないため焼結体にはガラ
ス 層 が 存 在 せ ず 、 さ ら に 高 温 領 域 で も 強 度 を 維 持 す る も の と 考 え る 。破
/2 と 小 さ い 。 ビ ッ カ
犠 靭 性 値 K1 Cは 、 多 孔 質 の た め 2.8MPa.m'
ス硬
さは反応焼結 Si
3 N.と 同 程 度 で 比 較 的 低 い 値 で あ る 。 こ れ は 焼 結 体 に
気孔 が 存 在 す る た め で あ る 。 大 気 中 で の 酸 化 矯 量 は 、 1200C X 100時 間
0
の試験で、 0.52g/m2 (5.2X10-'kg/m')で あ る 。 こ れ は 反 応 焼 結
Si
3 N.に 比 較 し て 1
/4と 小 さ い 。 耐 酸 化 性 に 優 れ る SiC粒 子 が 内 在 す
るため、このような優れた耐酸化性が得られているものと判断される 。
3. 3. 6 部 品 試 作 例 及 び ニ ア ネ ッ ト シ ェ イ プ 効 果
図 3.27に
Si
3 N
.結 合 SiCセ ラ ミ ッ ク ス を 用 い た 部 品 試 作 例 を 示 す 。
円筒品 、 角 柱 晶 、 小 型 歯 車 な ど を プ レ ス 成 形 で 試 作 し た 。 金 型 成 形 の た
め 表 面 の 滑 ら か な 成 形 体 が 得 ら れ 、 ま た 焼 結 晶 も 高 寸 法 精 度 で 、 かつ、
滑 らかな表面が得られた 。
ここで開発した
Si
3 N
.結 合 SiCセラミ ッ ク ス の 特 徴 で あ る 、 焼 結 時
寸 法 変 化 率 が 小 さ い こ と の 効 果 を 図 3.28に 例 示 す る 。 図 中 の 常 圧 焼 結 材
では焼結時寸法変化率をー 1
5:
t1%と し て い る が 、 こ れ は サ イ ア ロ ン の デ
ー タ で あ る 。 こ の 常 圧 焼 結 材 の 例 で は 、 成 形 体 寸 法 100mmの も の を 焼 結
す る と 、 焼 結 品 寸 法 は 85土 1mmと な り 、 約 2mmの 寸 法 ぱ ら つ き が 生 じ る 。
また 、 場 合 に よ っ て は 焼 結 に よ る 変 形 も 生 じ る 。 こ の ば ら つ き を 小 さ く
Table3.2 PropertiesofSi3N4 bonded SiC ceramics
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i3 N4 :50
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i3 N4 :17
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350
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Measurement
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0
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Fig.3.27 Near-net-shapeceramic components made
ofnewlydeveloped Si3N4bondedSiCceramics
(
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87
することがセラミックス製造技術者の一つの重要な任務ではあるが、焼
結寸法収縮に対しては、原料粉ロットから成形条件、焼結条件に至るま
Specification ofspurgear
Module
に寸法ぱらつきを低下させることは事実上困難と考えねばならない 。 こ
1.
5
5
Numberofteeth
での殆どすべての製造上の諸因子が影響すると考えられ、一定限度以下
れ に 対 し て 開 発 材 で は 、 成 形 体 寸 法 100mmの も の を 焼 結 す る と 、 焼 結 品
o
.
t 05mm程 度 の も の が 得 ら れ 、 寸 法 の ば ら つ き は O.lmmと小
寸 法 は 99.86:
1
8
t
さい 。 こ の 計 算 の 根 拠 と し て は 、 開 発 材 の 焼 結 時 寸 法 変 化 率 を ー 0.14:
Pressureangle
20deg.
Toothdiameter
30.9
0.05%、 即 ち 0
.19~ ー 0.09% としているが、試験片などを作製したとき
のデータから、この範囲に制御することは充分可能である 。
Face width
slze:m打1
例 え ば 、 図 3.27に 示 し た 試 作 小 型 歯 車 の 精 度 を 測 定 し た 結 果 を 図 3.29
に示す 。 歯 形 誤 差 曲 線 、 つ ま り イ ン ボ リ ユ ー 卜 曲 線 と の 差 を 求 め る と 、
6
そ の 誤 差 は 成 形 体 が 112μm、 焼 結 体 が 128μmと そ の 差 が 16μmで 、 得
Addendum
られた歯車が無加工のまま充分使用可能であることを確認している 。な
お 、 成 形 体 の 誤 差 112μml
立、基となる金型自身の誤差に基づくもので
ある。
3 N‘ 結 合 セ ラ ミ ッ ク ス で は 、 (1) 焼 結 時 寸 法 変 化 の 絶
このように Si
対 値 が 常 圧 焼 結 材 の 1/100程 度 と 小 さ い こ と 、 (2) 金 型 成 形 の た め 寸 法
精 度 の 高 い 成 形 体 が 得 ら れ る こ と 、 (3) 焼 結 時 の 寸 法 変 化 が 殆 ど な い た
め 、 焼 成 中 の 焼 成 容 器 と の 摩 擦 力 が 極 め て 小 さ く 、試料が変形しないこ
と、及び、 (4) 場 所 に よ っ て 肉 圧 の 異 な る 部 品 で も 、 焼 結 時 の 試 料 変 形
lmm
Toothroot一
I
_IUμm
n
ー
f
」
を生じないこと、などが精密焼結に有利な点となっている 。
3. 4
結言
焼結時の収縮が小さい精密焼結が可能な構造用セラミックスの開発を
Toothp
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rc
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目指して、
Siと SiC粉 末 か ら な る 成 形 体 を 窒 索 中 で 結 合 す る 方 式 の
Si
,N.結 合 SiCセラミ ッ ク ス の 高 強 度 化 を 検 討 し 、;欠 の 結 論 を 得 た 。
1) Si,N
.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス は 、 適 切 な 原 料 配 合 比 お よ び 成 形 パ イ ン
ダ量により、気孔率が低減でき、強度が向上する 。
2) 粉 末 に 、 熱 分 解 開 始 温 度 の 高 い 成 形 パ イ ン ダ か ら 添 加 し て ゆ き 、 加
圧 二 一 ダ で 70min(30rpm)混 練 す る こ と に よ り 、 均 質 、 粘 土 の 両 面 で 良 好
Fig.329Dimensionalaccuracyofspurgearmade
0
1Si3N4bondedSiCceramics
昆練物を得ることが出来る 。
なj
3) 混 練 物 を 破 砕 し て 得 ら れ た 粒 状 混 練 物 を 温 間 加 圧 成 形 す る 方 式 に お
いて、粒子形状が大きい場合では、加圧時に粒の周りにパインダが渉み
出るため、ウェルドラインやブリッジ現象が生じ、焼結体中に網目状気
孔となって残存し、強度低下を招く 。
4 ) 0.3mm以 下 の 粒 状 混 練 物 を 用 い れ ば 、 網 目 状 気 孔 の 発 生 を 防 止 で き 、
安定した高い強度の焼結体が得られる 。
第 4章
導 電 性 Si
3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 焼 結 性 及 び 特 性 評 価
↑
5 ) 平 均 粒 径 0.9μmの Si粉 末 6
0重量部、 16μmの SiC粉 末 40重 量 部
の 混 合 粉 末 に ポ リ エ チ レ ン 系 の 熱 可 塑 性 樹 脂 9重 量 部 (20vol%)を加え、
混練した原料を成形、脱脂、窒索中焼結した時の焼結時寸法変化率は、
目;欠
-0.14%と 小 さ い 。 ま た 得 ら れ た 焼 結 体 の 曲 げ 強 度 は 最 大 350M Paあり 、
1200'
Cの 高 温 で も 強 度 低 下 が な い 。
6 ) 上 記 5)で 得 ら れ た 焼 結 体 の 耐 酸 化 性 は 、 反 応 焼 結 S i
3 N.の 4倍 あ
る 。 ま た 、 熱 鉱 散 率 は Si
3 N.や A 1
.5倍 の 値 で あ る 。
2 03 の 1
7) 小 型 歯 車 、 円 筒 品 な ど を 試 作 し た 結 果 、 Si3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス
が精密焼結性に優れることを確認した 。
参考文献
1) 浜 野 健 也 編 集 : フ ァ イ ン セ ラ ミ ッ ク ス ハ ン ド ブ ッ ク , 朝 倉 書 底
(
1988) p.264
4. 1 緒 言 ..............................................
9
1
4. 2
実 験 方 法 ..........................................9
1
4. 2. 1 試 料 の 作 製 方 法 ............................
9
1
4. 2. 2
4. 3
評 価 方 法 ..................................
95
結 果 及 び 考 察 ......................................
95
4. 3. 1 焼 結 特 性 ..................................95
4. 3. 2
微 矯 造 解 析 ................................1
02
4. 3. 3
電 気 抵 抗 率 ................................1
09
4. 3. 4
熱 膨 張 係 数 ................................1
1
1
4. 3. 5
耐 酸 化 性 ..................................1
14
4. 4
結 言 ..............................................1
14
↑下記雑誌に投稿
・ 安 富 義 幸 , 中 村 浩 介 , 祖 父 江 昌 久 , 久 保 俗 ・ 導 電 性 Si
,N‘結合 T iN セラミ ッ ヲ ス の 開
7, 1
4
8
5
4(
1
9
8
9
)
発と特性評価回日本セラミッヲス協会学術論文誌, 9
・安富義幸,祖父江昌 久 , 久 保 裕
Si
s
;N
.
.で 結 合 し た ZrNセラミ ツ ウ ス の 開 発 と 特 性 評
7, 721-27 (
1
9
8
9
)
価:日本セラミツヲス協会学術論文誌, 9
第 4章
4. 1
緒言
電気抵抗率の小さい導電性セラミックスの開発により 、 これを従来の
金属製導電部品に替えることによる機器の大幅な性能向上やセラミ ック
ス の 新 し い 用 途 開 拓 が 期 待 で き る 。導電性セラミ ックスについては 、 ホ
ットプレス法や常圧焼結法により各種のものが開発されている 1
),
2)。
これらの材料は、特性的には満足するが、やはり加工コストが高い 。
そ こ で 、 第 3章 で 述 べ た S i
3 N.
結 合 SiCセラミ ッ ク ス の プ ロ セ ス を
応 用 展 開 し て 、 導 電 性 の TiN粒 子 及 び ZrN粒 子 を S i
3 N.で 結 合 す る
方 式 に よ る 導 電 性 Si
3 N.結 合 材 の 製 造 に つ い て 検 討 し た 。 本 章 で は そ
の焼結性並びに得られたセラミックスの特性について述べる 。
4. 2
実験方法
4. 2. 1 試 料 の 作 製 方 法
図4
.1に 本 研 究 で 検 討 し た 原 料 か ら 焼 結 品 を 得 る ま で の セ ラ ミ ッ クス
の作製工程を示す 。以下にその詳細について述べる 。
本 実 験 で 使 用 し た 原 料 粉 末 の S E M観 察 写 真 を 図 4.2に 示 す 。 金属 Si
粉 末 に は 、 粒 度 分 布 の 広 い 平 均 粒 径 0.9μmの 微 粉 末 を 用 い た 。 導 電 性
粒 子 と し て は 、 粒 度 分 布 が 比 較 的 狭 い 平 均 粒 径 2μmの TiN粉 末 、 及 び
一 部 凝 集 粉 末 が 存 在 す る 平 均 粒 径 6μmの ZrN粉 末 を 用 い た 。 まず 、
Si及 ぴ 各 導 電 性 粒 子 を ポ ッ ト ミ ル 容 器 に メ タ ノ ー ル 及 び S i
3 N.
ボール
と と も に 入 れ 、 24時 間 混 合 し た 。 この際、
Si及 び 各 導 電 性 粒 子 の 配 合
比 を 変 え る こ と に よ り 、 表 4.1に示すように、
Siが 全 て S i
3 N.に 変 化
し た 際 、 焼 結 体 中 の TiN及 び ZrN量 が 20、 40、 50、 60、 70vo1%とな
るように配合した 。次 に こ の 混 合 物 を 室 温 で 乾 燥 後 、成形パインダとし
C
て ポ リ エ チ レ ン 系 の 熱 可 塑 性 鮒 脂 を 添 加 し 、 加 圧 ニ ー ダ を 用 い て 150.
で 70min混 練 し た 。 パ イ ン ダ の 添 加 量 は 20vo1%一 定 と し た 。 第 3章 の 検
討において、成形時の粒子充填率を高めるのに 、 この割合とすることが
有 効 で あ っ た こ と か ら 同 ー の パ イ ン ダ 混 合 割 合 と し た 。次に、得られた
混 練 物 を 冷 却 し た の ち 、 破 砕 機 を 用 い て 0.3mm以 下 に 粉 砕 し た 。 粉 砕 し
、 150.
C に 加 熱 し た 金 型 内 で 98MPaの 圧 力 で プ レ ス
た 成 形 原 料 約 509 を
成 形 し 、 直 径 40mm、 厚 さ 約 10mmの 成 形 体 を 作 製 し た 。 次 に 脱 脂 炉 を 用 い
て、成形体中の樹脂分を除去(脱指)した後、黒鉛誘導加熱型の焼成炉を
用いて、 0.88M Paの 加 圧 窒 素 ガ ス 中 で 、 温 度 1100.
Cから 1350.
Cの 範 囲
を ス テ ッ プ 状 に 昇 温 加 熱 し て 、焼 成 を 行 な っ た 。
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4. 2. 2
評価方法
得られた成形体及ぴ焼結体についての各種測定方法を以下に述べる 。
(
1
) 成 形 体 粒 子 充 填 率 : 成 形 体 に 占 め る Si及 び 各 導 電 性 粒 子 の 体 積 率
を、成形体の寸法及び重量測定結果、並びに各原料粉及び成形パインダ
の密度及び配合比の値を用いて算出した。
(
2
)
焼結時寸法変化率:脱指後の寸法を基準とした焼結後の寸法変化
率 を 次 式 に よ り 求 め た 。 寸 法 測 定 に は 精 度 1/100mmの ノ ギ ス を 用 い た 。
焼結時寸法変化率(%)=
(
3
)
焼結体寸法一脱指体寸法
-_-_
脱脂体寸法
xl00
焼結体相対密度:焼結後の試料寸法及び重量測定結果から密度を
求 め 、 こ の 値 を 焼 結 体 理 論 密 度 で 除 し て 焼 結 体 相 対 密 度 を 求 め た 。 なお
焼結体理論密度は、
,N.
Siが 完 全 に 窒 化 し た も の と し て 、 焼 結 後 の S i
及び各導電性粒子の量比及び理論密度から求めた。
(4)
曲 げ 強 度 : J I S. R 1621で 規 定 さ れ て い る 40x 4x 3mmの 角 棒 状 試
P
tp
a
s
t
e
験 片 を 作 製 し 、 支 点 間 距 離 30mm、 ク ロ ス ヘ ッ ド ス ピ ー ド 8.33Xl0-'
m/s(0.5mm/min)の 条 件 で 3 点 曲 げ 試 験 を 行 な い 、 焼 結 体 曲 げ 強 度 を 求
P
tl
e
a
dw
i
r
e
めた 。
(
5
)
ピ ッ カ ー ス 硬 さ : 試 験 荷 重 294N 、 保 持 時 間 30秒 の 条 件 で 求 め た 。
(
6
)
電 気 抵 抗 率 : 焼 結 体 の 中 央 部 近 傍 か ら 図 4.3に 示 す よ う な 試 料 を 切
りだし、
Pauw法 3
)を 用 い て 抵 抗 率 を 測 定 し た 。 試 料 の 大 き さ は 10mm角 、
厚 さ lmmと し た 。 試 料 を 赤 外 線 イ メ ー ジ 炉 内 に 入 れ 、 窒 素 中 、 室 温 か ら
0
700C ま で の 範 囲 で 抵 抗 率 及 び 抵 抗 温 度 係 数 (TC R)を測定した。
(
7
) 熱 膨 張 係 数 : 窒 素 中 3'
C/minで 700'
Cまで加熱する条件で測定した 。
試料は、 3X4X30mmの 角 棒 状 と し 、 標 準 試 料 に は 、 石 英 ガ ラ ス を 用 い た 。
(8)
耐 酸 化 性 : 電 気 炉 内 に 3X 4X 40mmの 角 棒 状 の 試 料 を い れ 、 大 気 中
1100'
cで 所 定 時 間 保 持 し た 後 、 炉 内 よ り 試 料 を 取 り 出 し 、 放 冷 後 重 量 を
測定して単位面積当りの酸化増量を算出した。
(
9
)
組織解析:焼結後の各試料をタングステンカーバイトの乳鉢で粉
末 状 に し た 後 、 粉 末 X線 回 折 測 定 を 同 一 条 件 で 行 な い 、 生 成 物 質 を 同 定
した 。 また S E M、 T E Mを 用 い て 、 焼 結 体 の 微 構 造 観 察 を 行 っ た 。
4. 3 結 果 及 び 考 察
4. 3. 1 焼 結 特 性
表4
.1に 示 し た 配 合 比 の 原 料 を 成 形 、 焼 結 し た と き の 焼 結 時 寸 法 変 化
4.
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F
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method
第 4章
率 と 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 関 係 を 図 4.4に 示 す 。 こ れ よ り 、 焼 結 時 寸 法
変化率は各導 電性粒子配合比の増加と共に小さくなる傾向がみられる 。
7と 同 様 に 、 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 増 加 と 共 に
こ れ は 、 第 3章 の 図 3.1
Si量 が 減 る た め に 、 Si
3 N
.に 変 化 す る 際 の 焼 結 駆 動 力 が 小 さ く な る た
め と 考 え ら れ る 。 そして、その値はーO
.15からー 0.05%と 一 般 の 焼 結 体 に
比べて極めて小さい 。
。
式粉末プレス成形品に比較しでかなり高い粒子充壊率を得ることができ
∞
た 。 そ し て 、 図 4.5に 示 さ れ る よ う に 、 焼 結 体 の 相 対 密 度 は 、 成 形 体 粒
子充壊率より高い値を示す 。 これは、焼結時に寸法変化がほとんど無い
0
<0
ち導電性粒子配合比の低いものほど、この窒化による体積増加量の程度
(Si量)及び
図 4.6に 焼 結 体 の 曲 げ 強 度 と 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 関 係 を 示 す 。 導 電
性 粒 子 配 合 比 20vo1%で 最 大 曲 げ 強 度 460M Pa及 び 370M Paが 得 ら れ た 。
﹄
曲 げ 強 度 は 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 増 加 と 共 に 低 下 し 、 導 電 性 粒 子 70voI
% で は 曲 げ 強 度 は 70MPa及 び 120MPaに ま で 低 下 し た 。 こ の 曲 げ 強 度
.5で 示 し た 焼 結 体 の 相 対 密 度 に は 相 関 が あ り 、 相 対 密 度 の 高 い も
と図 4
の が 高 い 曲 げ 強 度 を 示 し て い る 。 こ こ で 得 ら れ た 460M Paの 曲 げ 強 度 は 、
ZrN粒 子 が 破 壊 の 起 点 に な り や す い こ と 、 が 考 え ら れ る 。
ま た 、 図 4.7に 焼 結 体 の ピ ツ カ ー ス 硬 さ と 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 関 係 を
示 す 。導 電 性 粒 子 20vo1%で 最 大 硬 さ 11
.7GPaお よ び 8GPaが 得 ら れ た 。
硬 さ は 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 増 加 と 共 に 低 く な り 、 70vo1%で 2.3G Paの
硬さにまで低下した 。 ここで、構成粒子のピツカース硬さは Si
3 N.で
7G Pa、
約1
TiNで 約 20G Pa、 ZrNで 約 18G Paで あ る の に 対 し て 、
。
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O
N
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在したために
N.0
SiCに 匹 敵 す る 強 度 で 、 Si
3 N
.結 合 材 と し て は 最 大 級 の 値 で
3 N
.結 合 ZrNの 曲 げ 強 度 が 、 Si
3 N
.結 合 TiNに 比 較
ある 。 な お 、 Si
し て 小 さ い 原 因 と し て は 、 ZrN粒 子 の 平 均 粒 径 が 大 き く 凝 集 粉 末 が 存
常圧焼結
。
マ
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Z N一寸
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ω
ω
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:!:2%の 範 囲 に あ り 窒 化 が 充 分 進 行 し て い る こ と が 確 認 さ れ た 。
恥
が 大 き く な っ て い る 。得 ら れ た 成 形 体 の 密 度 か ら 、 配 合 比
焼結時寸法変化率を考慮して焼結体の理論密度を計算すると、実験値と
恥
Siの 窒 化 に 伴 う 体 積 増 加 量 ( 気 孔 充
填 量 ) を 表 わ し て い る と 考 え る 。 従って、 Si配 合 比 の 高 い も の ほ ど 、 即
ことから、両者の相対密度差がほぼ
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万
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TiNの 場 合 が 65から 75%の 範 囲 、 ZrNの 場 合 が 70から 76%の 範 囲 に あ
り、熱可塑性樹脂による温閤加圧成形法を用いることにより、通常の乾
(
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一
。
﹀)ω22tωaSEgoohozozoghoE20﹀
OOF
;欠に 、 脱 脂 後 の 成 形 体 の 粒 子 充 填 率 及 び 焼 結 体 の 相 対 密 度 の 測 定 結 果
を 、 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 と の 関 係 で 図 4.5に 示 す 。 成 形 体 粒 子 充 填 率 は 、
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焼 結 体 の 硬 さ が 図 4.7の よ う に 低 く な る の は 、 焼 結 体 が 多 孔 質 で あ る こ
とによる 。
4. 3. 2 微 構 造 解 析
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∞
構成成分の同定並びに反応生成物の有無を確認することを目的として 、
焼結体の
X線 回 折 を 行 な い 回 折 パ タ ー ン を 既 存 物 質 の J C PDSカード
と 対 比 し て 同 定 し た 結 果 、 焼 結 体 が 各 導 電 性 粒 子 並 び に 金 属 Siの 窒 化
物 で あ る Si
3 N
.の 2相 で 構 成 さ れ て お り 、 未 反 応 Siは 残 留 し て い な い
ことが確認された 。次 に 、 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 の 異 な る 焼 結 体 の 研 摩 面
に つ い て 、 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 (SEM) を 用 い て 表 面 の 組 織 観 察 及 び 電
子 プ ロ ー プ マ イ ク 口 ア ナ リ シ ス (EPMA) に よ る 元 素 面 分 析 を 行 っ た 。
そ の 結 果 を 図 4.8及 ぴ 図 4.9に 示 す 。 S E M写 真 で 観 察 さ れ る よ う に 、 導
電 性 粒 子 配 合 比 の 増 加 と 共 に 気 孔 が 多 く な り 、 特 に 配 合 比 60vo1%及 び
70vo1%では、
Si
3 N.と の 結 合 力 が 小 さ い こ と が 予 測 さ れ る 。 このこと
は 、 図 4.6の 曲 げ 強 度 の 結 果 か ら も 推 測 さ れ る 。 そ し て 、 元 素 面 分 析 の
結果から、各導電位粒子が焼結体中に比較的均一に分散しているのが判
る。 写 真 か ら は 平 面 的 な 観 察 し か で き な い が 、 導 電 性 粒 子 配 合 比 が
20vo1%で は Si
3N.相 の 中 に TiN粒 子 が 独 立 し て 存 在 す る 部 分 が 多 い 。
配 合 比 が 40vo1%に 増 加 す る と 粒 子 閑 の 平 均 距 離 が 狭 ま り 、 粒 子 相 互 間
の 接 触 が か な り 増 加 し て い る 。 50vo1%以 上 に な る と 各 導 電 性 粒 子 粒 子
の分布密度が一段と高くなり、隣接粒子との接触が増え、
3;欠元的に導
電性粒子の連続したパスが相当量形成されていると見られる 。
.1
0及 び 4
.1
1に 各 焼 結 体 破 面 の 導 震 性 粒 子 粒 子 近 傍 の 高 倍 率 S E M
図4
の際
Si3 N.で 包 ま れ て お り 、 破 嬢
TiN及 び ZrN粒 内 で ク ラ ッ ク が 進 展 し た 形 跡 の あ る こ と が 分 か る 。
また
Si
3N.結 合 ZrNでは、 ZrN粒 子 と Si
3N.粒 子 の 聞 に 隙 聞 が 存 在
写真を示す 。 これより、各導電性粒子が
350.
Cか ら 室 温 ま で 炉
する部分があることが分かる 。 これは、加熱温度 1
;
令した際に生じた
ZrNと Si
3N.の 熱 膨 張 係 数 の 差 (4.2X10..
C-,
)
に
ZrNの 粒 径 6μm、 Si
3N‘の粒径 1μm
として計算すると 3
3nmの 隙 聞 が 生 じ る 。 ZrNと S i
3N.と の 界 面 の 結
3N.と の 界 面 が 離 れ 、 こ の よ う な 隙 聞
合 力 が 弱 い 部 分 で は 、 ZrNと Si
より生じた隙間と考えられる 。
が生じたものと考えられる 。
3 N
.の 界 面 部 の T E M観 察 結 果 を 図 4.12、 4.13に
各 導 電 性 粒 子 と Si
示す 。 こ れ よ り 、 第 2章 の SiC粒 子 の 場 合 と 同 様 に 粒 界 部 に 第 3層 は
Fig.4.8SEMmicrographsandEPMAanalysesofS
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第 4章
107
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無くきれいに整合していることが分かる。これは、気相反応により生成
した S i
3 N.が 各 導 電 性 粒 子 上 に エ ピ タ キ シ ャ ル 成 長 し た こ と を 示 し て
いる。
以 上 の X線回折、 S E M及 び T E M観 察 結 果 よ り 、 こ こ で 得 ら れ た 焼
TiNあ る い は ZrNが SiN.で 結 合 さ れ た セ ラ ミ ッ ク ス 、 即
Si
3 N
.結 合 TiN及 び Si
3 N
.結 合 ZrNに な っ て い る こ と が 確 認 で
結体は、
ち
3
きた。
4. 3. 3 電 気 抵 抗 率
ここで得られた
Si
3 N
.結 合 TiN及 び Si
3 N
.結 合 ZrNの 室 温 に お け
る抵抗率の測定結果を、各導電性粒子配合比との関係で図4
.14に 示 す 。
導 電 性 粒 子 配 合 比 が 20vo1%で は S i3 N.相 の 中 に 導 電 性 粒 子 が 独 立 し て
存 在 す る 部 分 が 多 い た め に 、 抵 抗 率 は 0.22Q m 及 び 1X10-3 Q m程 度 で
ある。 40vo1%に 憎 加 す る と 導 電 性 粒 子 聞 の 平 均 距 離 が 狭 ま り 、 粒 子 相
互 間 の 接 触 が か な り 増 加 し 、 抵 抗 率 は 9X10-'Qm及 び 1X 10-.Q m まで
に 小 さ く な っ て い る 。 ま た 、 配 合 比 40から 60vo1
%の 範 囲 で は 抵 抗 率 の
変化は小さい 。 これは、導電性粒子量の増加と共に焼結体密度が低下し、
両 者 の 抵 抗 率 に 対 す る 効 果 が ほ ぼ 相 殺 し た た め と 考 え ら れ る 。 そして、
配 合 比 70vo1%に な る と 導 電 性 粒 子 の 分 布 密 度 が 一 段 と 高 く な り 、 隣 接
粒子との接触が増え、
3次 元 的 に 導 電 性 粒 子 の 連 続 し た パ ス が 相 当 量 形
成 さ れ る た め に 、 2.6X10-'Qm及 び 9X10-6 Q mの 低 抵 抗 率 が 得 ら れ た 。
以 上 の 結 果 に 、 複 合 材 の 導 電 モ デ ル で あ る Landauerの 実 効 媒 質 理 論
4
)を 適 用 し て み る 。 Si3 N.-TiN系 及 び Si3 N.-ZrN系 に お け る
Landauerの 実 効 媒 質 理 論 曲 線 を 図 4.14に 破 線 で 示 す 。 こ れ よ り 、 導 電
3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 抵 抗 率 は 、 理 論 曲 線 か ら の ず れ が 大 き い 。
性 Si
また、
Si
3 N
.結 合 ZrN焼 結 体 中 の 気 孔 率 を Si
3 N
.と し て 換 算 し 、 導
電 性 粒 子 配 合 比 と 抵 抗 率 の 関 係 を 口 プ ロ ッ ト で 示 す 。若干左にシフトす
るだけでやはり理論曲線と一致しないことが判った 。 これに対して高橋
らは、ホットプレス
をおこない、
SiC-ZrB2 セ ラ ミ ッ ク ス 焼 結 体 で こ の 理 論 の 検 証
Z rB2 の 体 積 率 が 40vo1
%以 上 で は 、 導 電 率 が 実 効 媒 質 理
論 に よ く 従 う こ と を 報 告 し て い る 5)。
このように、本開発材の鉱抗率が実効媒質理論による計算値と一致し
な い 理 由 と し て は 、 (1) L andauerの 実 効 媒 質 理 論 が 気 孔 の な い モ デ ル
を取り扱っており、本開発材のように気孔が多くある焼結体には適用で
第 4章
き な い 、 (2) 導 電 性 粒 子 表 面 に 金 属 Siか ら 生 成 し た 絶 縁 性 の Si
3 N
.膜
が成長し、導電位粒1
=
-4
0vo1%以 上 で は ラ ン ダ ム な 粒 子 分 散 を 仮 定 し た
実 効 媒 質 理 論 で の モ ア ル に 比 べ 、導 電 性 粒 子 聞 の 接 触 の 機 会 が 減 少 し た 、
(3) ま た 、 導 電 性 粒 子 40vo1%以 上 で は 焼 結 休 中 の 気 孔 に よ り 導 電 性 粒
粒 子 聞 の 接 触 が 増 し て 低 抵 抗 化 し た 、 (5)焼 結 体 中 の 気 孔 に よ り 導 電 性
粒 子 聞 の 接 触 の 機 会 が 減 少 し た 、 (6) 導 電 性 粒 子 の 表 面 に S iO
2膜 が 介
在していた 、
(7) 原 料 の 混 合 、 混 練 状 態 の 不 均 一 、 な ど が 考 え ら れ る が 、
0及 び 4・1
1で 示 し た 焼 結 体 の 高
正 確 な と こ ろ は 不 明 で あ る 。 な お 、 図 4・1
倍率 S E M写 真 で 、 一 電 性 粒 子 表 面 が 微 細 な Si
3 N
.結 晶 及 び 気 孔 で
覆 わ れ て い る 緒 子 を 示 し 、 上 記 (2) の 裏 付 け と な る も の で あ る 。 今後こ
の点を解明し、より抵抗率の低い材料の開発を目指す ー
次 に 、 窒 素 中 で 700'
Cま で の 抵 抗 率 を 測 定 し た 結 果 戸 図 4.15に 示 す 。
各 導 電 性 ?i3N4結 合 材 は 、 温 度 上 昇 と と も に 抵 抗 率 が 増 加 す る 。 これ
﹄
﹄
﹄
。
/(@﹄。
は 抵 抗 率 か TiN及 び ZrNの 特 性 で 支 配 さ れ て い る こ と を 示 す 。 つまり
各 導 電 性 粒 子 自 体 は 、金 属 と 同 様 に 自 由 電 子 に よ っ て 電 流 が 流 れ 、高 温
で は フ オ ノ ン の 運 動 が 活 発 に な り 抵 抗 率 が 大 き く な る た め で あ る 。各 導
電t
t
Si3 N.結 合 材 の T C Rは 正 で あ り 、 約 1X10-3 '
C'か ら 約 2x
1
03.
C-, の 範 囲 に あ る こ と が 確 認 さ れ た 。
4. 3. 4 熱 膨 張 係 数
図4・1
6に 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 と 熱 膨 張 係 数 の 関 係 を 示 す 。 ここで 、 複
⋮寸
)よ り 理 論 値 を 求 め 、 図 中 に 破 線 で 示 す 。
合材の熱膨張係数を次式 6
司
一
-
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くなるが、実際には粒子分散かランダムになっていないために、導電性
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こ?で 、 α は 熱 膨 張 係 数 、 K は 体 積 弾 性 率 、 つ ま り K=E/(1-2ν )で 求
め?れ (E :ヤング率、
ν: ポアツソン比)、 V は 体 積 分 率 で あ る 。
Si
3N
.の 物 性 値 6
),7)は、 α=3.0x10-"C-'、 E=342G P内
0
.2
4
9, T iNの 物 性 値 川 ) は 、 α=935×10-e℃ ¥
ム
E=4:i
ν
a
236、 ZrNの物性値7), 8)は 、 α=7・
24X10"C'、 E =379u
ν==0・
GPa
ν =0.242と し た 。 各 Si
3 N.
結合焼結体の実験点は 、
Si
3N.
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h
ZrN 70vol%
ZrN 20vol%
持制
2
10-
1
10-
抽判
日 ︼ 同
1
1
4
第 4章
1
1
5
100vo1%の 点 (3
.0x10-.'
c-,)と TiN量 100vo1%の 点 (9.35X10-.'
C-'
)
及び
ZrN量 100vol%の 点 (7.24X10-.'
C-');
を結ぶ理論曲線に概ね位置
している 。 こ れ よ り 、 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 と 熱 膨 張 係 数 と は 概 ね 比 例 関
係にあることが確認できた 。
図4
.1
7に Si
,N.結 合
TiNセ ラ ミ ッ ク ス の 大 気 中 、 1100'
Cに お け る 酸
。
ω
TiN量 が 多 い 焼 結 体 ほ ど 酸 化 増 量 が 多
く な る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 試 料 の 試 験 後 の X線 回 折 分 析 の 結 果 、 TiN
化 指 量 曲 線 を 示 す 。 これより、
が酸化されてルチル型
た
Ti02 が生成するが、 Si
,N.に 変 化 は な く 、 ま
Si02 等 、 他 の 酸 化 物 の 生 成 は 認 め ら れ な か っ た 。 これは、 TiNの
Ti02 の 酸 化 皮 膜 が 優 先 的 に 形 成 さ れ た も
酸化反応速度が大きいため、
のと考えられる 。導 電 粒 子 と し て 用 い た
TiN粒 子 の 耐 酸 化 性 は 低 い が 、
Si
,N‘結合 ZrNセラミックスは、 500'
C近 辺 で 酸 化 が 進 行 し
O
N
0 口 x<
l
・
Siか ら 生 成 し た Si
,N.は 、 TiN粒 子 及 び ZrN粒 子 上 に エ
2) 各 導 電 性 Si
,N
.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 焼 結 時 寸 法 変 化 率 は ー 0.15から
-0.05%と 極 め て 小 さ く 、 ニ ア ネ ッ ト シ ェ イ プ 性 に 優 れ る 。
3) Ti
N量 20vo1%の Si
,N.結 合 TiNセ ラ ミ ッ ク ス は 、 抵 抗 率 0.22
Q m、 焼 結 時 寸 法 変 化 率 一 0
.11% 、 棺 対 密 度 87%、 曲 げ 強 度 460M Pa、
熱 膨 張 係 数 3.5X 1
0-..
C-,の 特 性 を 持 つ 。
4) Ti
N量 70vo1%の Si
,N.
結 合 TiNセ ラ ミ ッ ク ス は 、 抵 抗 率 2.6X
1
0 'Q m 、 焼 結 時 寸 法 変 化 率 ー 0.05%、 相 対 密 度 68%、 曲 げ 強 度 70M Pa、
oov
ラミ ッ ク ス が 得 ら れ る 。
omF
Si,N.で 結 合 さ れ た 導 電 性 の セ
OON
ピタキシャル成長し、各導電性粒子が
o
u
'
)
(
e
:
山/
6
)u
!
e
6~46!aM U
O
n
e
p
!
x
Q
恥
とにより 、
円
1)Si
と TiN、 及 び Siと ZrNか ら な る 成 形 体 を 窒 索 中 で 加 熱 す る こ
E
﹄悶
u
-
4.4 結 言
。
に示す 。
o
h
ω
om
Si
,N‘結合 TiN、 及 び Si
,N‘結合 ZrN
O寸
ON
最後に、本研究で得られた
( 各 導 電 性 粒 子 配 合 比 :2
0、 40、 70vol%)の 主 な 特 性 値 を ま と め 、 表 4.2
﹄
一
旬
。
。OOFFC一
官
。ωoa×ωCOZE
なお、
C程 度 で あ る と 考 え る 。
耐 熱 温 度 は 500'
守
(
ポ
一
。
﹀)Z戸恥o
ることが原因と考えられる 。
zozomとωE20﹀
TiN粒 子 が 耐 酸 化 性 の 優 れ る Si
,N.で 覆 わ れ る よ う な 形 態 と な っ て い
(Z)ωEF
。
T iN20vo1%の 焼 結 体 の 耐 酸 化 性 は 比 較 的 高 い こ と が 知 ら れ た 。 こ れ は 、
8一
EE8Z戸33coadJω OECmZ90﹀ ﹀ ヒ . 寸 .9L
4. 3. 5 耐 酸 化 性
第 4章
1
1
6
熱膨張係数5
.
7x1
0
..
c-'の特性を持つ。
Table4.2 Propertiesofnewlydeveloped electroconductiveSi3N4 bondedTiN andSi3N4 bonded ZrN
ceramlcs
Si
3N4bondedTiNceramics
Value
I
t
e
m
Volumef
r
a
c
t
i
o
no
fTiN
(
v
o
l
%
)
D
i
m
e
n
s
i
o
n
a
lchangei
n
s
i
n
t
e
r
i
n
g stage(
%
)
Volumef
r
a
c
t
i
o
no
fpore
(
v
o
l
%
)
Thermalexpansion
c
o
e
f
f
i
c
i
e
n
t(
O
C-1)
Bendings
t
r
e
n
g
t
h(MPa)
E
l
e
c
t
r
i
c
a
lr
e
s
i
s
t
i
v
i
t
y
(
,
Om
)
ー
M Paの特性を持つ。
20
40
70
0.11
-0.10
一0
.07
22
32
13
65.5X10-6 7.2X10-6
4.2X10460
0.22
I
t
e
m
280
9X10-5 3X10-5
40
70
Dimensionalchangei
n
s
i
n
t
e
r
i
n
gstage(
%
)
-0.15
-0.13
-0.08
15
20
27
E
l
e
c
t
r
i
c
a
lr
e
s
i
s
t
i
v
i
t
y
(
.
0m
)
3.5X10-64.
4X10-65.7X10-6
250
参考文献
1) 竹 内 久 雄 , よ 僚 栄 治 : 放 電 加 工 可 能 な S i
3 N.セ ラ ミ ッ ク ス : 工 業
材料,笠,
9
6
1
0
1(
19
8
6
)
2, 7
1
4 (19
8
6
)
3) L
.
J
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rP
a
u
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t
h
o
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c
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v
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c
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r
yS
h
a
p
e
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p
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s
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p
t
s
.,旦, 1
9(
19
5
8
)
P
h
iIi
4) R
.L
a
n
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a
u
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r
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h
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c
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t
a
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c
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fB
i
n
a
r
yM
e
t
a
l
li
c
3,7
7
9
8
4(
19
5
2
)
M
i
x
t
u
r
e
s:J
.A
p
p
l
.P
h
y
s
.,2
5) 高 橋 研 , 神 保 龍 太 郎 , 松 下 安 男 , 小 杉 哲 夫 :
S
i
C
Z
r
B,系 導 電 性 複
4, 2
1
4
1
8(
1
9
8
6
)
合セラミックスの抵抗率:窯協, 9
料,
Value
370
ずれが大きい。
2) 辻 賢 司 : 放 電 加 工 を 可 能 に す る 導 電 性 セ ラ ミ ッ ク ス の 開 発 : 機 能 材
20
Bendings
t
r
e
n
g
t
h(MPa)
1
0
-3
'
C-'
から約 2
X1
0
-3
'
C
'の 範 閤 に あ り 、 正 で あ る 。
9)導電性 Si
3N‘ 結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 抵 抗 率 は 、 実 効 媒 質 理 論 か ら の
70
Volumef
r
a
c
t
i
o
no
fZrN
(
v
o
l
%
)
Thermalexpansion
c
o
e
f
f
i
c
i
e
n
t(
o
C-1)
7) 大 気 中 高 温 処 理 に よ り 、 Si
3N‘結合 TiNセ ラ ミ ッ ク ス は ル チ ル 型
TiO,を、 S i
3N.結 合 ZrNセ ラ ミ ッ ク ス は ZrO,を 生 成 し 、 特 に
Si
3N.結 合 ZrNセ ラ ミ ッ ク ス の 耐 熱 温 度 は 5
0
0'
C程 度 と 低 い 。
8)導電性 Si
3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 抵 抗 温 度 係 数 (TC R)は 、 約 1X
Si
3N4bondedZrNceramics
Volumef
r
a
c
t
i
o
no
fpore
(
v
o
l
%
)
5) ZrN量 2
0
v
o1%の S i
3N
.結 合 ZrNセ ラ ミ ッ ク ス は 、 抵 抗 率 約 1x
3
1
0
- Q m 、 焼 結 時 寸 法 変 化 率 ー 0.15%、 相 対 密 度 85%、 曲 げ 強 度 3
7
0
M Pa、 熱 膨 張 係 数 3
.4X 1
0
.'
c-,の 特 性 を 持 つ 。
6) ZrN量 7
0
v
o1%の S i
3N.結 合 ZrNセ ラ ミ ッ ク ス は 、 抵 抗 率 約 9X
1
0
'Q m 、 焼 結 時 寸 法 変 化 率 ー 0.07%、 相 対 密 度 73%、 曲 げ 強 度 1
2
0
120
6) 奥 田 博 , 今 中 治 監 集 : フ ァ イ ン セ ラ ミ ッ ク ス 評 価 技 術 集 成 , リ ア ラ
イ ズ 社 ( 19
8
4
)p
p
.
9
8
1
0
0
1
9
7
9
)p
p
.
1
2
3
5
7) 窯 業 協 会 編 : セ ラ ミ ッ ク ス の 機 械 的 性 質 , (
8) ゲ ・ ヴ ェ ・ サ ム ソ ノ フ , イ ・ エ ム ・ ヴ ィ ニ ツ キ ー 監 修 : 高 融 点 化 合 物 便
1x10-3 1X10-4 9X10-6
覧,日・ソ通信社
(
1
9
7
6
)p
.
2
1
2
第 5章
A1
,0,添加絶縁性 S i
,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 焼 結 性 ↑
および導電体との一体化
自;欠
5. 1
緒言.................• ............................1
19
5. 2
実 験 方 法 ......................................• ...1
19
5. 2. 1 試 料 の 作 製 方 法 ......................• .....119
5. 2. 2 評 価 方 法 ..................................122
5. 3
結 果 及 び 考 察 ......................................1
23
5. 3. 1
A1
,0 , 粉 末 の 窒 素 中 で の 焼 結 挙 動 ...........1
23
5. 3. 2
Si
.A 1,0 , 混 合 粉 末 成 形 体 の 焼 結 性 .........1
23
5. 3. 3
Si
,N‘結合 A 1,0 , セ ラ ミ ッ ク ス の 微 構 造 ....1
27
5. 3. 4
Si
,N.結 合 A 1
,0, セ ラ ミ ッ ク ス の 特 性 ......1
29
5. 3. 5
導 電 / 絶 縁 一 体 型 セ ラ ミ ッ ク ス の 開 発 .........1
35
5. 4
結言..............................................1
40
T下 記 雑 誌 に 投 稿
,0,粒 子 を 添 加 し た S i
3 N~結合セラミッヲスの
・安富義幸,干葉秋雄,祖父江昌久田 A1
焼 結 現 象 ・日 本 セ ラ ミ ッ ヲ ス 協 会 学 術 論 文 誌 . 1991年 5月 号 に 掲 載 予 定
・ 安 富 義 幸 , 千 葉 秋 雄 , 祖 父 江 昌 久 ・Development of Reaction-Bonded Electro
-Conductive TiN-Si,
N. and Resistive A
I,
O,
-Si,
N,Composite Journal of
Ameirican Ceramic Society. 1991年 4月 号 に 掲 載 予 定
5. 1 緒 言
第 4章 で 得 ら れ た 導 電 位 S i
,N‘ 結 合 セ ラ ミ ッ ク ス を 実 部 品 等 へ 適 用
する際には、絶縁性セラミックスとの一体焼結が必要な場合が多い 。 こ
のためには、まず導電材とほぼ同ーの熱膨張係数をもち、しかも焼結時
,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 開 発 が 必 要
の 寸 法 変 化 が 殆 ど 無 い 絶 縁 性 の Si
である 。 こ の 絶 縁 材 を 可 能 と す る 方 法 と し て 、 熱 膨 張 係 数 が 導 電 性 粒 子
,N.で 結 合 す る セ ラ ミ ッ ク
で あ る TiNや ZrNに 近 い A 1,0 ,粒 子 を S i
ス が 考 え ら れ る 。 しかし 、 微 粒 A 1
,0 ,粒子は、 1300'
C程 度 の 大 気 中 に
)。 そ こ で 、 ま ず 本 章 で
おいて焼結が進行することが知られている 2
)ー5
は 、 第 3 章 と 同 様 に Si粉 末 と A 1,0 ,粉末を混合し 、 窒 索 中 1350'
Cで加
熱する方式により焼結体を作製した場合の焼結性、並びに得られた焼結
体の特性に対して、微粒 A1
,0 ,粒 子 の 焼 結 挙 動 が ど の よ う に 影 響 す る
.1に 示 す よ う な モ デ ル を 考 え 、 導 電 / 絶 縁
かを検討した 。 さらに、図 5
一 体 型 セ ラ ミ ッ ク ス の 製 造 法 を 検 討 し た 。 一 般 の 常 圧 焼 結 法 で 、 このよ
うな一体焼結を行うと、焼結時に 1
5から 20%収 縮 す る た め に 、 そ の 収 縮
の 違 い に よ り 、 接 合 面 に 歪 が 入 り 、 一 体 焼 結 が 困 難 で あ る 。それに対し
3 N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス で は 、焼 結 時 の 収 縮 が ほ と ん ど 無 い た め 、
て、 Si
焼 結 時 の 収 縮 に 伴 う 歪 を 緩 和 で き る と 考 え ら れ る 。 そこで、 導 電 部を
Si粉 末 と TiN粒 子 、 絶 縁 部 を Si粉 末 と A 1
,0 ,粒 子 で 構 成 し 、 窒 索 中
で 加 熱 す る こ と に よ り 、 生 成 し た S i3 N.で 導 電 部 と 絶 縁 部 を 結 合 し た
一体型セラミックスの可能性を検討した 。
5. 2
実験方法
5. 2. 1 試 料 の 作 製 方 法
本 実 験 で 使 用 し た 原 料 粉 末 の 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 (SE M)写 真 を 図 5.2
に 示 す 。 金 属 Si粉 末 に は 、 粒 度 分 布 の 広 い 平 均 粒 径 0.9μmの 破 砕 粉
末 を 用 い た 。絶 縁 性 無 機 化 合 物 粒 子 と し て は 、粒 度 分 布 の 狭 い 平 均 粒 径
約
o.5 μ mの α-AI
2
0,(住友化学製)を用いた 。 原料混合の際には、
Si及 び A 1
,0 ,粉 末 の 配 合 比 を 変 え 、 エ タ ノ ー ル 及 び S i
,N.ボ ー ル を
,0,の 凝 集
加 え て 、 ポ ッ ト ミ ル 混 合 し た 。 こ の 際 、 図 5.2で 見 ら れ る A 1
体 は 粉 砕 さ れ 、 均 一 に 分 散 さ れ る 。次 に こ の 混 合 物 を 室 温 で 乾 燥 後 、成
形パインダとしてポリエチレン系の熱可塑性樹脂を添加し、加圧ニーダ
を 用 い て 150'
Cで 70min混 練 し た 。 パ イ ン ダ の 添 加 量 は 20vo1% 一 定 と し
た 。 第 3章 の 検 討 に お い て 、 成 形 時 の 粒 子 充 境 率 を 高 め る の に 、 この割
Resistance
S
i3N4 +
r
e
s
i
s
t
i
v
epa吋i
c
l
e
b
)AI203powder
HMO
F
i
g
.
5
.
2 Scanninge
l
e
c
t
r
o
nm
i
c
r
o
g
r
a
p
h
so
fS
iandAI203
powder
a
)S
ipowder
F
i
g
.5
.
1 A bondingmodelo
felectro-conductive
andr
e
s
i
s
t
i
v
ecomplexceramics
(Sinteredbody)
Electro-conductor
S
i3N4 +
electro-conductive
p
a
r
t
i
c
l
e
Reactionbondedi
nnitrogen
i3N4
1
12 ゅ S
3Si+2
1ody)
(Green:
e
s
i
s
t
i
v
ep
a
r
t
i
c
l
e
S
i+r
electro-conductive
p
a
r
t
i
c
l
e
紬判明柵
岨酬印僻
-NH
合とすることが有効であったことから同ーのパインダ混合割合とした 。
; 欠 に 、 得 ら れ た 混 練 物 を 冷 却 し た の ち 、 0.3mm以 下 に 粉 砕 し 、 こ れ を 成
C に 加 熱 し た 金 型 内 で 98MP aの
形 原 料 と し た 。 粉 砕 し た 成 形 原 料 を 150'
圧 力 で プ レ ス 成 形 し 、 直 径 50mm、 厚 さ 約 10mmの 成 形 体 を 作 製 し た 。 次 に
脱脂炉を用いて、成形体中の樹脂分を除去(脱脂)した後、黒鉛誘導加熱
CX20h、 1200'
C
型 の 焼 成 炉 を 用 い て 、 0.88MPaの 窒 素 ガ ス 中 で 、 1100'
x 20h, 1300・
C x 10hから 1350'
C x 5hの 条 件 で ス テ ッ プ 状 に 昇 温 加 熱 し た 。
また比較のための大気中焼結には、シリコンカーバイド通電加熱炉を用
いて同一加熱条件により無加圧状態で行った 。
導 電 / 絶 縁 材 の 一 体 成 形 に お い て は 、 第 4 章 で 作 製 し た Si、 TiN、
パインダからなる原料、及び、
Si、 A 1
2 03 、 パ イ ン ダ か ら な る 原 料 を 、
予め各々金型内で室温成形し一次成形体を作製したのち 、各一次成形体
を最終形状の金型内に挿入し、 j
昼間加圧成形を行い複合体を作製した 。
脱脂、焼結については、上記の最適条件に合せた 。
5. 2. 2
評価方法
得られた焼結体について、試験評価した方法を以下に述べる 。
(
1
) 焼 結 時 寸 法 変 化 率 : 次 式 に よ り 求 め た 。 寸 法 は 精 度 1/100mmのノ
ギスで測定した 。
焼結時寸法変化率(%)
(
2
)
焼結体寸法一脱脂体寸法
-- --•• -.~
脱脂体寸法
x 100
曲 げ 強 度 : 焼 結 体 を JIS.R1601で 規 定 さ れ て い る 40x 4x 3mm
の寸法に加工して試験片とし、
3点 曲 げ 法 で 測 定 し た 。 な お 試 験 条 件 は
支 点 間 距 離 を 30mm、 ク ロ ス ヘ ッ ド ス ピ ー ド を 8.33X 10-'m/sとした。
(
3
)
電 気 抵 抗 率 : 焼 結 体 の 抵 抗 率 は V ・ I特 性 の 傾 き に よ り 測 定 し た 。
1cm角 、 厚 さ 1mmの 試 片 の 両 面 に 金 ・ パ ラ ジ ウ ム ペ ー ス ト を 塗 布 し て 電 極
と し 、 電 圧 V を 印 加 し た と き 、 流 れ る 微 小 電 流 Iを 測 定 し 、 抵 抗 率 を 求
めた。
(4)
熱 膨 張 係 数 : 窒 索 中 5'
C/minで 800'
Cまで加熱して平均熱膨張係数
を 測 定 し た 。 試 料 は 3X 4X 30mmの 角 棒 状 と し 、 標 準 試 料 に は 石 英 ガ ラ ス
を用いた。
(
5
)
組織解析:焼結後の各試料をタングステンカーバイドの乳鉢で粉
末 状 に し た 後 、 粉 末 X線 回 折 測 定 に よ り 生 成 物 質 を 同 定 し た 。 ま た 、 光
学 顕 微 鏡 、 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 (S E M)及 び 透 過 型 電 子 顕 微 鏡 (TE M)を
用いて焼結体の微構造観察を行った 。
(
6
) ガ ス 分 析 :A1
E
C
O社 の T
C
4
3
6
2 03 焼 結 体 中 の 窒 素 量 の 分 析 に は 、 L
型 ガ ス 分 析 装 置 を 用 い て 、 化 学 処 理 に よ り O 2 除 去 後 、 キ ャ リ ア ガ ス He,
2800'
Cの 条 件 で 熱 伝 導 度 法 に よ り 測 定 し た 。
cに 保 持 し
(
7
) 耐 酸 化 性 : 山 崎 電 機 製 の 管 状 炉 を 用 い て 、 大 気 中 1100'
た 炉 内 に 3x4x40mmの 角 棒 状 の 試 料 を 入 れ た 。 所 定 時 間 後 、 炉 内 よ り 試
料を取り出し 、放 ;
令後重量を測定し、単位面積当りの酸化増量を算出し
た。
0 0円 F
c以 上 で 顕 著 な 収
熱 し た 場 合 の 値 も 示 す 。 図 5.3よ り 、 大 気 中 で は 1100'
縮 が 生 じ て い る の に 対 し て 、 窒 素 中 で は 1100'
cから 1200'Cで ほ と ん ど 収
SEM像 を 示
ODNF
cま で 加 熱 処 理 し た 各 試 料 破 面 の
が 大 き い 。 図 5.4に 1350'
中
す 。 図 5.4は 、 A 12 0 3粒 子 間 の 接 点 が 鉱 散 に よ っ て ネ ッ ク 成 長 し 、 粒 が
成長したことを示している 。 この粒成長が収縮の原因となる。ここで、
大気中加熱材の方が、窒索中加熱材に比較して粒子形状が大きいことが
OOFF
判る 。 粉 末 X 線 回 折 に よ り 組 成 を 同 定 し た 結 果 、 い ず れ も α-A 12 0 3 の
みから成り、特に差は認められなかったが、ガス分析の結果、窒索中
1350'
C加 熱 材 で は 、 窒 素 が 48ppm検 出 さ れ た 。 こ れ よ り 、 窒 索 中 加 熱 材
の寸法変化率が大気中に比較して小さい理由は 、格子欠陥中に窒素原子
)。
が侵入し、焼結を抑制したことにあると考えられる 6
350
以上の予備実験より 、本実験で用いた微粒 A1
2 0 3粒 子 は 窒 素 中 1
。
N
寸
(
.
0
∞
℃でも焼結が若干進行し、自己焼結性を持つことが確認された 。
5.3.2
Si. AI2 0 3混 合 粉 末 成 形 体 の 焼 結 性
次 に 、 Siと A 1
2 03の 混 合 成 形 体 の 粒 子 充 填 率 、 及 び 窒 素 中 で 加 熱 し
て得られた焼結体の相対密度の測定結果を、
係で図 5
.
5に 示 す 。 成 形 体 の 相 対 密 度 は 、
A1
2 0 3粉 末 配 合 比 と の 関
A1
2 03 粉 末 配 合 比 の 増 加 に よ
り75%から 63%に 低 下 し て い る が 、 こ れ は A 1
2 03 粉 末 が 微 粒 で あ る た
め と 考 え る 。 また 、 焼 結 体 の 相 対 密 度 も A 12 0 3 粉 末 配 合 比 の 増 加 と 共
(
0
/
0
)a
6
e
l
S6upa
l
U
!
S
e
u
o
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s
u
a山 !
O
u!a6ue叫:Jl
﹂
一
縮が無く、 1200'
C以 上 で 収 縮 が 生 じ て い る 。 また 、 大 気 中 の 方 が 収 縮 量
)ω ﹄コ芯﹄ωaEOHmc=25ω
。
A1
2 03粉 末 単 体 か ら な る 成 形 体 を 窒 索 中 で 加 熱 し た と き の 、 焼 結 時
寸 法 変 化 率 を 測 定 し た 結 果 を 図 5.3に 示 す 。 比 較 の た め に 、 大 気 中 で 加
。
四
回
目ωmc 2c一
ω50m亡のこυ一
ωcoE一
回
﹂ O一
U
﹂
一
UC
問。﹂三巴ω且E2mc 2
cBcg﹀
﹀
百 DCO
一
百
一ω庄の.由。正
AI2 0 3 粉 末 の 窒 索 中 で の 焼 結 挙 動
F
5.3. 1
υ
(
0 0寸
5. 3. 結 果 及 び 考 察
c
﹂一句 C一百戸﹂何 Comob
一 c一000山 門 FOH 刀ωHMwozh刀OD
ω
.
9
L
の N一︿﹄
000悶℃コω ①﹄20巴とoco一百﹀﹂ωω202ωω 寸.
2cω
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﹂
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寸
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∞
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ON一︿﹄ocozoE﹄ωEコ一O﹀C
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φ ﹀﹀百DCO一百一ω庄 町 ・0正
OOF
。
1
2
6
第 5章
第 5章
128
に小さ くな る 傾 向 に あ る 。 こ れ は 、 A 1
.0 ,量 が 多 い 試 料 で は 、 粒 子 充
填 率 が 低 下 し た こ と の 他 に 、 窒 化 に よ り 22% 体 積 増 加 す る Siの 配 合 量
が少 ないためである 。 この傾向は 、先の
Si,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス と 同
様である 。
;欠に、焼結時寸法変化率と A 1
.0,粉 末 配 合 比 の 関 係 を 図 5
.6に 示 す 。
ZrN, SiC添 加 ) の 焼 結 時 寸 法 変 化 率 は -0.15%か ら ー 0.07%の 範 囲
にあり 、 セラミ ッ ク 粒 子 量 の 矯 加 と 共 に 収 縮 率 が 小 さ く な っ て い る 。 こ
。
の 収 縮 は 、 Si
が Si
,N.に 変 化 す る 際 の 焼 結 駆 動 力 に よ る も の で あ る 。
∞
そ れ に 比 較 して 、 S i
,N.結 合 A 1
.0,で は 、 A 1
.0,配 合 比 の 培 加 と 共
に -0.25% から -0.32%と 収 縮 量 が 大 き く な る 傾 向 に あ る 。 こ の よ う に
は
、
Si
,N.結 合 A 1.0 ,では、 Siが Si
,N.に 変 化 す る 際 の 焼 結 駆 動 力
0
<
.
0
.0 ,粒 子 聞 の 焼 結 駆 動 力 が 加 わ っ て 、 よ り 大 き な 収 縮 が 生 じ た
に、 A 1
ことが考えられる 。
焼 結 は ほ と ん ど 進 行 せ ず 、 従 っ て 、 先 に Si
,N.の 骨 格 が 形 成 さ れ た 、
Siあ る い は Si
,N‘が A 1
.0,の焼結を抑制し
,N.結 合 TiN と 絶 縁 部 で あ る
いずれにしても 、導電部である Si
Si
,N.結 合 A 1
.0 ,と の 焼 結 時 寸 法 変 化 率 の 差 は 、 O
.1から 0.3%程度と
,N.及 び α-A1
.0,から
結 体 は 金 属 Si粉 末 の 窒 化 物 で あ る α 、 β-Si
,N.と A 1
.0, と の 化 合 物 な ど の 第 3相
構成されており 、 これ以外の Si
は検出されなかった 。 したがって、図 5
.6で 示 し た 焼 結 時 の 収 縮 は 、 第
3相 の 生 成 に よ る も の で は 無 く 、 Siの 窒 化 と 共 に A 1
.0,粒 子 同 志 の 焼
結が関係しているものと考える 。
(%)a6eJs6upaJu!Su
!
a6uelfOleUO!SUa山 !
a
ω.0l
Si及 び A1
.0,混 合 成 形 体 か ら 得 ら れ た 焼 結 体 の X線 回 折 パ タ ー ン を
C
P
D
Sカ ー ド と 対 比 し て 構 成 成 分 を 同 定 し た 。 そ の 結 果 、 焼
既存物質のJ
.0l
Si,N‘結 合 A1
.0,セ ラ ミ ッ ク ス の 微 構 造
。
守
5. 3. 3
N.0
り
、 一体焼結した際の焼結時の収縮に伴う歪が小さくできることが判る 。
O
N
。
一般の常圧焼結材に比較して小さく 、 ニアネットシェイプ性に優れてお
o
:
:
t
ω一
た 、 ことが考えられる 。
伺
﹄ u寸
ZN
Z戸 口 口
ON
石
川 O
(2)A 1
.0,粒 子 間 に あ る
o
一
。
ω20一亡。ao一
EEoυ
Cで は A 1
.0,の
て 小 さ い 理 由 と し て は 、 (1)S iの 窒 化 が 始 ま る 約 1100"
一
コ
.0,単 体 に 比 較 し
また 、 S i
,N.結 合 A 1
.0,の収縮率が 、 図 5.3の A 1
﹄
従 来 の Si
,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス に 比 較 し て 収 縮 量 が 大 き い 原 因 と し て
ω白 何 百 四C 2c一
ω500C句戸ち一ωcoω
cc
一coE
一
万
刀
﹂
一
ωω ω
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﹂
句
且 o一
EEOO oco一
一一
・ 一比
円
。ωと。E O ﹀C
OO ﹀H
﹀O
DCOZEOEω.ω 0
て示す 。 こ れ よ り 、 自 己 焼 結 性 の な い Si
,N‘ 結 合 セ ラ ミ ッ ク ス (TiN,
(
ポ
一
。
﹀)ω20 casEgoohocozoghoEコ
一
。
﹀
亡
一
3章 、 第 4章 の Si,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 値 も 合 わ せ
OOF
比較のために第
129
第 5章
第 5章
;欠に、微構造観察結果を示す。図 5
.7に S i
3 N
.結 合 A 1.03 焼 結 体 の 破
面の高倍率
SEM像 、 及 び 、 図 5.8に 内 在 す る A1
.03 粒 子 の TEM像を
示 す 。 図 5.7、 5.8よ り 、 粒 径 約 0.5μmの A 1
.03 原 料 粉 末 が 2から 3
μ m程 度 に 粒 成 長 し て お り 、 図 5.8で は A 1.03 粒 子 同 志 の 接 合 も 見 ら れ
.0 3 粉 末 の 焼 結 が 生 じ て い る こ と が 確 認 さ れ た 。 ま
る 。 これより 、 A 1
A1
.03 粒 子 が 微 粒 の Si3 N.で 包 ま れ 、 そ の 粒 子 表 面 に
一 方 、 図5
.
9の
Si
3 N
.と A1.03 の 粒 界 近 傍 の 低 倍 率 TEM像 に 示 す
ように 、従 来 の S i
3N‘ 結 合 セ ラ ミ ッ ク ス で は 見 ら れ な か っ た ク ラ ッ ク
.03 粒 子 と S i3 N.粒 子 の 聞 に 各 所 で 観 察 さ れ た 。
のような隙聞が 、 A1
このクラックが発生する原因のひとつには、
A1
.0 3 粒 子 同 志 の 焼 結 に
3 N.の 存 在 に よ り 阻 害
伴 う 寸 法 収 縮 が 、 こ れ 以 前 に 骨 格 を 形 成 し た Si
されて、
A1
.03 と S i
3 N.の 聞 に 引 っ 張 り 応 力 が 生 じ た こ と が 考 え ら れ
.1
0に S i3 N.粒 子 と A 1
.03 粒 子 の 間 に 隙 聞 が 無 い 結 合 界 面 の 高 倍
図5
ヤ ル 成 長 し た も の と 考 え る 。 このように、
SiCの よ う に 共 有 結 合 性 の
.03 の よ う に イ オ ン 結 合 性 の 強 い 無 機 化
強い無機化合物に限らず、 A 1
合 物 で も S i3 N.で 結 合 可 能 で あ る こ と が 判 っ た 。
5.3.4
Si3 N.結 合 A1
.03 セ ラ ミ ッ ク ス の 特 性
.1
1に S i
3 N.結 合 A 1
.03 セ ラ ミ ッ ク ス の 相 対 密 度 と 曲 げ 強 度 と の
図5
関係を示す 。比 較 の た め に 、 先 に 示 し た Si
3 N.
結合セラミックスの曲
げ 強 度 の 値 を 破 線 で 示 す 。 図 5.1
1よ り 、 各 セ ラ ミ ッ ク ス の 幽 げ 強 度 は 、
相対密度の向上とともに上昇する傾向が明らかであるが、
Si
3 N ‘結合
A1
.0 3 の 曲 げ 強 度 は 最 大 200M Paし か 得 ら れ ず 、 他 の S i
3 N.結 合 セ ラ
.
9で 示 し た よ
ミックスに比較して強度が低い 。 この原因としては、図5
.03 粒 子 同 志 の 焼 結 に 伴
うに 、 S i3 N‘ で 結 合 さ れ た 焼 結 体 内 部 に 、 A 1
う引っ張り応力により発生したマイクロクラックが存在しているためと
考える 。
Si
3 N.結 合 A 1
.03 焼 結 体 の 室 温 に お け る 抵 抗 率 の 測 定 結 果 を 、
(ポ一O ﹀ O N一
円 N 一︿一寸
Z2ω) O
門 N 一︿
∞
O HO
ω﹂﹄﹄oco一日岡山﹀﹂ωω202凶ωh.ω.9L
SiCを Si
3 N
‘ で 結 合 し た セ ラ ミ ッ ク ス の SiCと Si
3 N
.の 粒 界 構 造 と
同様に 、気 相 反 応 で 生 成 し た Si
3 N.粒 子 が A 1
.03 粒 子 上 に エ ピ タ キ シ
﹂コち
TEM像 を 示 す 。 図 5
.1
0より、 A 1
.03 粒 子 の (411)菌に Si
3 N.の 結
晶(
001) 函 が 整 合 し な が ら 成 長 し て い る こ と が 判 る 。 こ れ は 、 第 2章 の
ω
ω
﹄﹂コ
る。
率
0ω
02 寸Z2ω 0
﹄0
S i3 N.の 粒 子 及 び ウ イ ス カ 状 の も の が 付 着 し て い る 様 子 が 観 察 さ れ る 。
刀①百戸﹂
た図 5.7では、
130
円 34
0
一ω22亡何立のON一︿
ω05c
HC
。
kAh)02 ℃。﹂
の
ON-4
、
﹄
Oω 切のに﹂一EUト
一
¥、
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∞.
ω・0
一
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一 EωO O
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﹄
02 寸Z2ω 000ωE一三凶ト
0.凶・四一比
第 5章
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5
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図
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一 O﹀)弘司02 刀ω2c一
ω OKC一
ωEO刀ω﹀Z20E
0
第 5章
136
A1
,0 ,粉 末 配 合 比 と の 関 係 で 図 5.12に 示 す 。 A 1,0 ,粒 子 配 合 比 に 係 ら
ず い ず れ の 焼 結 体 も 、 低 抗 率 が lX1
01 2 Q m以 上 あ り 、 絶 縁 性 に 富 む こ
とが確認できた 。
次に、導電性 Si
,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス と の 一 体 焼 結 に は 熱 膨 張 係 数
.1
3に A 1,0 ,粒 子 配 合 比 と 熱
のマッチングが重要である 。 そこで、図 5
4
101
ト
膨 張 係 数 の 関 係 を 示 す 。 ここで、導電性 Si
,N.結 合 TiNセ ラ ミ ッ ク ス
SbN4bondedA
I
2
0
3ceramics
の値も示す 。 また、複合材の熱膨張係数として、次式7)より理論値を
求め 、図 中 に 実 線 及 び 破 線 で 示 す 。
Zα ,K ,V ,
α=
芝 K
1
2
10 I
,
V,
ここで、 α は熱膨張係数、
め ら れ (E :ヤング率、
Kは 体 積 弾 性 率 、 つ ま り K=Ej(
1-2ν)で 求
ν: ポアツソン比)、 V は 体 積 分 率 で あ る 。
Si
,N.の物性値7), 8
)は
、 α=3.0X10-.
'
C-'、 E = 342G Pa、 ν =
0.249、 A 1
,0 ,の物性値7), 9
)は
、 α=8.8X10-"C-'、 E=410GPa、
ν=0.260、 TiNの 物 性 値 8
),1
0
)は
、 α=9.35X10-"C-'、 E=411
。
、
-
画
一
車
一
平
ー
一
宇
一
,
-
E
噌〉
d同
δ
〉
_
.
。
E
ω
ω
噌d
G Pa、 ν=0.236とした 。 S i
,N.結 合 A 1
,0 ,焼 結 体 及 び S i
,N.結 合
TiN焼 給 体 の 実 験 点 は 、
Si,N.100vol%の 点 (3.0X 10-.'
C-')と
A1
,0 ,量 100vol%の 点 (8.8X10-"C-')及 び TiN量 100vol%の 点 (
9.35
'//Efhctivemedium
./ theory(SbN4-T
i
N
)
ミ制
4bondedTiNceramics
X10"C')を 結 ぶ 理 論 曲 線 に 概 ね 位 置 し て い る 。 こ の よ う に S i
,N.結
,N.結 合 TiN焼 結 体 の 熱 膨 張 係 数 が 殆 ど 一 致 す
合 A 1,0 ,焼 結 体 と S i
•
ること 、 及 び 図 5.6で 示 し た よ う に 焼 結 時 寸 法 変 化 率 の 差 が 小 さ い こ と
E
から、当初の目的である導電材と絶縁材の一体焼結品が製造可能である
E
、
、
.
.
.
.
'
と判断される 。
園 周 圃
5. 3. 5 導 電 / 絶 縁 一 体 型 セ ラ ミ ッ ク ス の 開 発
以 上 の 知 見 を も と に 、 図5
.1に 示 し た モ デ ル の よ う に 導 電 / 絶 縁 一 体
型 セ ラ ミ ッ ク ス の 製 造 を 検 討 す る 。 図 5.14に 、 直 径 50mm、厚さ 5mmの一
体 品 断 面 の 光 学 顕 微 鏡 写 真 を 示 す 。上 側 が 導 電 性 Si
,N‘結合 TiN、 下
側 が 絶 縁 性 Si
,N‘結合 A 1,0 ,で あ る 。 この断面から、 50mmの 円 板 に も
。
ー ー ー 園 田 ・
20
40
60
80
れより、
Tiは TiNの分布を、
AIは A 1
,0 , の 分 布 を 示 し て お り 、 粒 界
が は っ き り と 区 別 さ れ て い る こ と が 判 る 。 また 、 Siの 分 布 よ り 、 粒 界
100
V
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l
u
m
ef
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i
o
no
fT
i
No
rA
b
0
3(
v
o
l
%
)
係らず、クラックが発生することなく焼結可能であることが判る 。
こ の 粒 界 都 近 傍 の S E M像 及 び E P M A分 析 結 果 を 図 5.15に 示 す 。 こ
1
Fig.5.12 R
e
s
i
s
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i
v
i
t
yo
fSbN
4bondedAb03and
SbN
b
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4
zca×ω-cEωZト
言20Z300zoω
(F υ
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。)由
一
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40
60
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~
100
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2
0
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'
:
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シ
/
う
/
TiN(
R
e
f
.
10)一-_.
=
Fig.5.14 Cross-sectionofadiskwith50mmdiameter
composedofelectro-conductive/resistiveceramics
Ab03=40・
60vol%
SbN4・
1
2
8x10 Q m
SbN4・
TiN 30・
70vol%
3x10 5Qm
0
F
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5
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fAb03andTiNonthermal
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fSbN
4bondedceramics
nN2)
(Measuringc
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n:R了時 800.C,5C/min,i
×
VolumefractionofAb03(orTiN)(vol%)
20
.
.
.
.
.
.
.SbN4(
R
e
f
.7 )
口:SbN4bondedTiN
o:
SbN4bondedA
I
2
0
3
。
。
10
噛制印働
ω
∞
日
第 5章
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1
5 SEMmicrographandEPMAanalyseso
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fSi3N4bondedTiNandSi3N4bondedAI203
complexceramics
139
部に Si
.N.が 集 中 し て 結 合 強 度 を 高 め て い る こ と が 判 る 。
図5
.1
6に 、 一 体 焼 結 品 の イ オ ン ミ リ ン グ 処 理 後 の 粒 界 近 傍 の 光 学 顕 微
鏡 写 真 を 示 す 。 白い班点は、
A1
,O.粒 子 同 志 の 焼 結 に よ り 極 大 化 し た
,O.粒 子 で あ る 。 図 5.16よ り 、 母 材 よ り 粒 界 近 傍 が 残 存 し て い る こ
A1
とから、粒界都は硬く結合強度が高いことが推測される 。 これは、成形
時に Siが 界 面 に 多 く 集 中 し 、 重 量 終 焼 結 体 も S i
.N.が 粒 界 都 に 多 く な り 、
結合強度を高めていると考える 。
図5
.1
7に 試 作 例 を 示 す 。 こ れ は 、 モ ー タ 用 コ ン ミ テ ー タ を 模 擬 し た も
のである 。 茶 色 部 分 が 導 電 性 Si
.N.結 合 TiN、 灰 色 部 分 が 絶 縁 性
,03 で あ り 、 放 射 状 に 並 ん で い る 。 本 開 発 材 で は 、 熱 膨
Si
.N.結 合 A 1
張 係 数 の マ ッチ ン グ が 簡 単 で あ り 、 焼 結 温 度 が 低 く 、 焼 結 時 の 寸 法 変 化
が小さいために、このような複雑形状の部品が容易に製造可能である 。
こ の コ ン ミ テ ー タ の 集 電 特 性 に つ い て は 、 第 7章 で 述 べ る 。
5. 4. 結 言
1) A 1
,O.粉 末 と Si粉 末 の 混 合 成 形 体 を 、 窒 索 中 1350.
Cに 加 熱 す る こ
とにより、
Si
.N.で A 1
,O.粒 子 を 結 合 し た 複 合 セ ラ ミ ッ ク ス が 得 ら れ
る。
2 )焼 結 体 の A 1
,0.粒 子 表 面 に S i.N.が エ ピ タ キ シ ヤ ル 成 長 す る こ と
が 観 察 さ れ 、 イ オ ン 結 合 性 の 高 い 無 機 化 合 物 で も 焼 結 時 に Si
.N.と化
学 結 合 す る こ と が やjった 。
3 ) 用 い た 平 均 粒 径 0.5μmの A 1
,O.粉 末 は 、 窒 索 中 1350.
Cで 焼 結 が 進
行 す る た め 、 自 己 焼 結 性 の な い 粒 子 を 用 い る 場 合 に 比 較 し て 、焼結時の
寸法収縮が大きくなる 。
4 )焼 結 体 の S i
.N.と A 1
,0.の 粒 界 に 、 微 小 隙 間 の 存 在 が 確 認 さ れ た 。
,
O.の 自 己 焼 結 に よ る 収 縮 が そ の 周 囲 に 形 成 さ れ
こ の 微 小 隙 間 は 、 A1
た Si
.N.相 に 拘 束 さ れ て 生 じ た 、 こ と が 推 測 さ れ る 。
O.を 20vo1%配 合 し た S i
.N.結 合 A 1
,O.セラミ ッ ク ス は 、 相
5) AI,
対 密 度 が 約 88%あ る に も か か わ ら ず 、 曲 げ 強 度 が 200MP a と低い 。 こ
O.粒 子 同 志 の 焼 結 に よ り 発 生 し た 微 小 隙 聞 が 切
の原因としては、 A 1,
欠きととなるためと考えられる 。
,O.セラミ ッ ク ス の 抵 抗 率 は 、 lX101 2 Q m以 よ あ
6) Si.N.結 合 A 1
る。
7 ) Si.N.結 合 A 1
,O.セラミ ッ ク ス の 熱 膨 張 係 数 は 、 A 1,O.量 に依
Si3N4bondedTiNceramics
/
I
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3
N
4bondedAI203ceramics
Fug.5.16 O
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fSi3N4bondedTiNandSi3N4bondedAI203
complexceramics
第 5章
6
7
B
1
42
9
Commutator(Complexc
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1:
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5.
17 Exampleo
fn
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a
p
eceramiccomponents
存 し 、 導 電 位 の Si
,N.結 合 TiNセ ラ ミ ッ ク ス の 熱 膨 張 係 数 と ほ ぼ 等 し
し
、
。
8) Si,N.結 合 セ ラ ミ ッ ク ス の 導 電 体 と 絶 縁 体 と の 一 体 焼 結 は 、 熱 膨
張 係 数 の マ ッ チ ン グ が 簡 単 で あ り 、 焼 結 温 度 が 1350.
Cと低く、焼結時の
寸法変化が小さいために、複雑形状の部品が容易に製造可能である。
参考文献
1) W.L.Wroten: Specially Bonded Silicon Carbide: Materials and
Methods,但, 83-5 (1954)
2 )S
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