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南砺市食育推進計画

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南砺市食育推進計画
南砺市食育推進計画
平成27年3月
南砺市
五箇山の世界文化遺産やとなみ野散居村が育む食育推進
南砺市長 田 中 幹 夫
南砺市は、世界文化遺産に登録されている「合掌集落」があり、となみ野に点在する「散
居村」を形成し、豊かな森林と田園を有しています。
この自然環境と風土が、古くからの「人間形成」と「食文化」の歴史を作り受け継がれ、
食卓を囲んでの家族団らんが、人々の心身を豊かにしています。
南砺市では、豊かな自然環境の中で、先人たちの永年の知恵と努力によって、美味しい
米、新鮮な野菜、農産加工品などを作り出し、家庭や地域で郷土料理などの食文化が伝承
されてきました。
近年、食生活の乱れや生活習慣病の増加など、食に対する感謝の気持ちや伝統的食文化
の喪失など、様々な課題が指摘されるようになり、平成17年6月に、食育を国民運動と
して推進する「食育基本法」が制定されました。
南砺市でも、不規則な食習慣や栄養のバランスの偏りなど、食生活の乱れが顕在化して
きているなか、子どもの朝食欠食や孤食の増加も問題となってきています。さらには、ラ
イフスタイルや価値観の多様化により、食生活は大きく変化し、
「食」を大切にする意識が
薄れ多くの課題が発生しております。
このような課題を踏まえて、これまで実施してきた家庭、学校、地域などの取り組みを
継続し、市民の皆様が生涯を通じて健康で豊かな食生活が送れるよう、市全体の「食」の
取り組みとして、南砺市らしい「南砺市食育推進計画」を策定しました。
この計画は、
「基本目標」を制定し、現在の「現状と課題」から、目指す姿と具体的取り
組み事例等を紹介して示しています。
結びに、この計画の策定にご尽力頂きました「南砺市食育推進計画策定委員会」の委員
の皆様や関係機関の皆様に深く感謝申し上げますとともに、本計画の推進に向けて、市民
の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
目次
第1章 策定にあたって ........................................................................................................................................... 1
1
計画策定の趣旨................................................................................................................................................ 1
2
計画の位置づけ................................................................................................................................................ 1
3
計画期間 .............................................................................................................................................................. 2
第2章 現状と課題 .................................................................................................................................................... 3
1
現状と課題 .................................................................................................................................................... 3
第3章 食育推進の方向 .......................................................................................................................................... 9
1
基本方針と基本目標 ..................................................................................................................................... 9
2
組織の役割と連携 ....................................................................................................................................... 10
3
目標数値の設定............................................................................................................................................ 11
第4章 めざす姿と具体的な取り組み.......................................................................................................... 13
1
子どもの食育 ................................................................................................................................................ 13
1−1 妊娠期の食育 .................................................................................................................................. 13
1−2 乳幼児期の食育 ............................................................................................................................. 13
1−3 小学生・中学生の食育 .............................................................................................................. 20
1−4 家庭の役割 ....................................................................................................................................... 28
2
生涯にわたる心身の健康 ........................................................................................................................ 29
2−1 青年期・壮年期の食育 .............................................................................................................. 29
2−2 高齢期の食育 .................................................................................................................................. 31
2−3 医療・保健・福祉関係者の役割 ........................................................................................... 33
2−4 家庭向けの広報 ............................................................................................................................. 34
3
安心安全な食の生産と販売 ................................................................................................................... 36
3−1 環境にやさしい農業への支援 ................................................................................................ 36
3−2 農業関係者の役割と消費者との交流 ................................................................................. 38
3−3 特産品開発や販路拡大の推進 ................................................................................................ 45
3−4 食の安全性と市民に対する正しい理解や関心向上 .................................................... 50
3−5 食品関係事業所(製造・飲食店)の役割 ....................................................................... 51
4
食の地域内循環と伝統食 ........................................................................................................................ 53
4−1 南砺市の伝統食 ............................................................................................................................. 53
4−2 食育とエコビレッジ構想.......................................................................................................... 57
4−3 食の達人、食の伝承 ................................................................................................................... 59
第5章 情報発信と計画の推進方法 .............................................................................................................. 61
1
食育の日と情報発信 .................................................................................................................................. 61
1−1 食育の日と各種イベントでの食育の推進 ....................................................................... 61
1−2 インターネットを活用した情報発信 ................................................................................. 64
2
推進体制 .......................................................................................................................................................... 65
3
計画の進行管理と評価(見直し)..................................................................................................... 65
委員名簿と策定の経緯............................................................................................................................................ 66
南砺市食育推進計画策定委員会設置要綱..................................................................................................... 67
第1章 策定にあたって
(スペース)
1 計画策定の趣旨
「食育」とは、心身の健康を保つために、毎日欠かすことのできない食べ物や食事の仕
方などについて、正しい知識と自分で選択できる力を取得し、健全な食生活を実践するこ
とができる人間を育てることです。
国の「食育基本法」、
「食育推進基本計画」及び県の「富山県食育推進計画」策定・実施
をうけ、南砺市では、子どものころから自然や農業と親しみ、地域農産物を活用した献立
の普及や伝統食、保存食を伝承し、安心安全な食について、家庭はもちろん地域、保育園、
学校、事業者及び行政が連携し、生涯にわたる健康で豊かな生活が送れる食育を総合的か
つ計画的に推進するため南砺市の特色を活かした「南砺市食育推進計画」を策定します。
2 計画の位置づけ
この計画は、
「食育基本法」第 18 条第 1 項に規定する市町村食育推進計画として、基本
的な事項について定めます。また「第2期富山県食育推進計画」及び「南砺市総合計画(後
期基本計画)
」や関連する他の計画と連携した計画とします。
関連諸計画には、「南砺市民健康プラン〔第2次〕
」「南砺市教育振興基本計画」「南砺市
子ども・子育て支援事業計画」
「南砺市田園環境プラン」があります。
図表1 他計画との連携
1
3 計画期間
計画策定年度は平成26年度とし、計画実施期間は平成27年度から平成31年度まで
の5年間とします。また、本計画の上位計画にあたる「南砺市総合計画(後期基本計画)
」
の目標年度の翌年度である平成29年度に、必要があれば見直しを図るものとします。
図表2 計画期間
2
第2章 現状と課題
(スペース)
1
現状と課題
「食」は人間が人間らしく生活する上で欠かすことのできない、大切な営みであります
が、近年、孤食、欠食、偏食、食の安全性など様々な問題点が指摘されています。これら
のことが心身の健康に少なからず影響を及ぼすようになりました。
全国的にも私たちの食生活はこの数十年で多様化に拍車がかかり、また輸入農作物への
依存が進んだ現在、国の食料自給率は平成 25 年度ではカロリーベースで 39%(生産額ベ
ース 65%)と大変低い状況であります。また、コンビニエンスストアやファストフード店
に代表される手軽な食事スタイルの浸透や、保存技術の向上、インターネットによる通信
販売の普及など、商品化・供給手法については一見便利であるがごとく進化しています。
今日の情報化社会では、食に関する情報が溢れ、適切に情報を判断し、選択することが
困難となっています。食生活の乱れによる肥満や生活習慣病等の増加がみられます。
「南砺市健康づくりに関する意識調査」によると、朝食の欠食率は男女とも 20∼29 歳が
最も高く、朝食の欠食がはじまった時期については、20 歳前からの人が4割弱をしめてい
ます。また、欠食が始まった時期が小さい頃であり、このことから幼少期からの食育につ
いて関係機関と連携して取り組んでいく必要があります。(図表3、図表4)
図表3 朝食の欠食率
(カッコ内はサンプル数)
資料:平成 24 年度「南砺市健康づくりに関する意識調査」
3
図表4 朝食の欠食が始まった時期
(カッコ内はサンプル数)
資料:平成 24 年度「南砺市健康づくりに関する意識調査」
肥満者の割合(BMI※125 以上)については女性より男性に高く、特に 40∼49 歳の
男性が全国平均より高い状況です。また、平成25年度の特定健康診査では、高血圧者は
年々少なくなっていますが、女性より男性に多く、高血糖者の割合は、男女とも70∼7
4歳が高くなっており、女性より男性に多い状況です。
(図表5、図表6、図表7)
図表5 BMI25 以上の肥満者の割合
(カッコ内はサンプル数)
男性
女性
資料:南砺市…平成24年「南砺市健康づくりに関する調査」
全国…平成25年「国民健康・栄養調査」
※1
BMI(Body mass index) 計算式:体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
身長の二乗に対する体重の比で体格を表す指数。 この BMI が男女とも 22 の時に高血圧、高脂血症、肝
障害、耐糖能障害などの有病率が最も低くなるということがわかってきた。 そこで BMI=22 となる体重
を理想としたのが標準体重である。 BMI 25 以上を肥満 18.5 未満をやせ(低体重)と判定している。
4
図表6 高血圧者の割合
高血圧:最高血圧 140mmHg 以上もしくは最低血圧 90mmHg 以上の者
資料:平成 25 年度「南砺市特定健康診査」
図表7 高血糖者の割合
■HbA1c※2 (NGSP 値)6.5% 以上者及び糖尿病の治療者
■HbA1c
(NGSP 値)6.0∼6.5%未満で未治療者
資料:平成 25 年度「南砺市特定健康診査」
※2
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
ヘモグロビン A1c という言葉の略で、血糖状態を知る上で、非常に重要な数値の一つ。ヘモグロビン(Hb)
とは、血液の赤血球に含まれているタンパク質の一種。これは、酸素と結合して酸素を全身に送る役目を
果たしてる。NGSP 値(国際標準値)が 5.5%以下であれば異常なしとなります。
5
生活習慣病のリスクを高めるアルコールの多量飲酒者が男女共に全国より高く、特に男
性の 50∼59 歳、女性の 40∼49 歳に多い状況です。生活習慣病を予防するために、節度
ある飲酒量など正しい飲み方などの知識普及が必要です。(図表8)
図表8
生活習慣病リスクを高める飲酒量
《全国比》
《南砺市男性年代別》
《南砺市女性年代別》
生活習慣病のリスクを高める飲酒量(純アルコール摂取量)
:男性で1日平均40g以上
女性で20g以上のこと。日本酒で換算すると男性は2合以上、女性で1合以上飲酒する人の割合。
資料:南砺市:平成 24 年度「南砺市健康づくりに関する意識調査
全国:平成 22 年度「国民健康・栄養調査」
「南砺市健康づくりに関する意識調査」によると、食育推進に関する、市の取り組みで
大切だと思うことを市民に尋ねたところ、「栄養バランスに関する正しい知識の普及」「食
品の安全性に関する知識の普及」
「食生活に関する正しい理解の普及」「地産地消の推進に
対する意識の向上」
「食文化や伝統料理の継承の推進」という結果になっています。(図表
9)
また、郷土料理や伝承料理など「
(次世代に)伝えたいものがあり、伝えている」と「伝
えたいものがあるが、伝えていない」を合わせると、おおむね半数となっています。
(図表
10)
これらのことから、子どもの頃からの正しい知識や習慣を身につけるため、多世代間交
流による伝統食・郷土料理の伝承や、農業体験などを通じた地域性・季節感などの体験な
どの施策が必要とされていることがわかります。
また現代社会の利便性と引き換えに、食生活の乱れや栄養バランスの偏りなどによる生
活習慣病の増加が懸念されており、健全な食生活を実践する人を育てる「食育」が重要視
されるようになってきました。
6
図表9 食育推進に関する市の取り組みについて
(カッコ内はサンプル数)
問:食育を進めるうえで、市としてどのような取り組みが大切だと思いますか?
(複数回答)
資料:平成 24 年度「南砺市健康づくりに関する意識調査」
7
図表10 次世代に伝えたいこと
(カッコ内はサンプル数)
問:あなたは、郷土料理や伝承料理など、地域や家庭で受け継がれてきた料理や味で、
次世代に伝えていきたいものがありますか?また実際に伝えていますか?
資料:平成 24 年度「南砺市健康づくりに関する意識調査」
8
第3章 食育推進の方向
(スペース)
1 基本方針と基本目標
基本方針:食を通じて健康で豊かな人間性を育み、活力ある地域をつくる
南砺市の環境・伝統・文化が育む「食」について、次の4つの柱を軸に子どもからお年寄
りまですべての市民が関心をもてるようにします。また、それぞれの活動を通じて様々な知
識を身につけ、心身ともに健康で豊かな人間性を育み、活力ある地域を作ります。
基本目標
子どもの食育
子どもの頃から正しい食生活の習慣を身につけ、豊
かな心を育みます。
地元の安心安全な食材の利用拡大を行い、郷土色の
ある給食の提供や、農業に触れ合う機会を設けます。
家庭、事業所及び行政機関が連携し、食育について
保護者への啓発を行います。
生涯にわたる
心身の健康
青年期・壮年期・高齢期では、元気でいきいきと暮
らしていけるように、心身の健やかな健康づくりを推
進します。そのため、各ライフスタイルに応じた生活
習慣病予防や改善につながる食育を積極的に推進しま
す。
安心安全な
食の生産と販売
里山田園が広がる南砺市の四季折々の風景を感じら
れる環境で、農家と市民とのふれあう機会を増やしま
す。
減農薬・有機栽培など安心安全で自然に負荷をかけ
ない農産物を生産する農家やそれを活用する加工品製
造者を支援することで、安全な食べ物の知識を向上さ
せます。
食の地域内循環と
伝統食
地産地消3
南砺市の農産物や、里山の生活環境から生まれた保
存技術を活かした加工食品開発など、地産地消※3・食
の地域内循環を推進します。
寺社仏閣の行事・祭礼における食事、各集落で伝統
的に受け継がれている地域での共同作業の後の食事及
び地域コミュニティにおける伝統的な食文化等を、イ
ベントや情報発信ツールなどを通じて世代間で積極的
に継承します。
※3
地産地消(ちさんちしょう)
地域生産地域消費(ちいきせいさん・ちいきしょうひ)の略語で、地域で生産された農林水産物(食用に
供されるものに限る)をその地域内で消費することである。食料自給率の向上に加え、直売所や加工の取
り組みなどを通じて、6 次産業化(P45 参照)にもつながるものである。
9
2 組織の役割と連携
教育機関
(学校・保育園など)
取り組みイメージ
・楽しくおいしい給食づくり
・給食に地元食材を積極的に
活用
・食に関する指導の確立
・給食の安全性の確保
・体験学習を通し郷土愛・
感謝する心を育てる
農業関係者
(農業団体・農家)
・安全な食材の生産
・安全に関する情報の提供
・食に関する知識普及
家庭
保健・医療・
福祉関係機関
・食と健康情報の提供
・病院や施設での
地元食材の利用
・健康に配慮した
食品やメニューの提供
・望ましい生活リズムの確立
・家族団らんで食卓を囲む
・家庭菜園
・地元食材の利用
食に関する地域
ボランティア団体
などの市民組織
食品関係事業所
(製造・飲食店)
・安全に関する
情報の提供
・知識普及
・栄養成分の表示
行政
・地元食材の利用
・地域行事での食文化継承
・ネットワークづくり
・行事での食育啓発
と食材活用
・広報・ホームページなどによ
る情報提供
・食育に関する事業の展開
・食品の安全の確保
・食の知識普及と環境整備
・食育を推進する団体を支援
ソーシャルキャピタル4
SNS5
∼各関連組織・団体の連携∼
・家庭、教育機関(学校・保育園など)
、保健・医療・福祉関係機関、農業関係者(農業団体・農家)
、食品関係事業所
(製造・飲食店)
、行政、ボランティア団体などの市民組織などの連携・協力(ソーシャルキャピタル※4の活用)
・上記組織団体および地域間の交流、各地域における食育関連情報の収集(食の達人、食イベントの情報など)
、食の匠
などの認定など
・市内におけるイベント等での、食育啓発ブース設置や食材見直しの協力・連携など。
・インターネットを活用した情報収集によるデータの一元化や情報発信、SNS※5やパンフレットを活用した総合的な情
報収集と情報交換。
※4
ソーシャルキャピタル(Social capital)
Social capital(社会関係資本)は、人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めるこ
とのできる「信頼」
「規範」
「ネットワーク」といった社会組織の特徴。
人間関係資本、社交資本、市民社会資本とも訳され、直訳すると社会資本となるが、概念としては区別さ
れる。基本的な定義としては、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のことともいえる。
※5
SNS(Social Networking Service/Site・ソーシャルネットワーキングサービス/サイト)の略
で登録された利用者同士が交流できる Web サイトの会員制サービスやサイトそのもののこと。
10
3 目標数値の設定
基本
目標
項目
朝食を食べない子どもの割合
子どもの食育
1日1回は家族のだれかと
一緒に食事をとっている
子どもの割合
対象
現状値
1.6か月児
2.9%
3.6か月児
6.0%
小学5年生
0.4%
中学2年生
1.1%
小学5年生
99.5%
小学6年生
98.6%
3.5%
(H23)
2.3%
(H23)
53.5%
中学3年生
53.9%
20歳以上
51.5%
20歳以上(男)
22.3%
20歳以上(女)
14.0%
野菜を350g/1日以上食べている人
20歳以上
43.3%
低栄養傾向(BMI20以下)の
高齢者(65歳以上)の割合の
減少
男
17.8%
(H22)
女
22.8%
(H22)
肥満傾向の割合
(全小学生/中等度・高度)
むし歯がない子どもの割合
心身ともに健康だと感じて
いる市民の割合
中学2年生
男子
女子
朝食欠食率
目標値
摘要
H25幼児健康診査
0%
H25とやまゲンキッズ作戦
(富山県一斉調査)
県/小学5…0.7% 中学2…1.5%
100%
減少
傾向
増加
増加
H25とやまゲンキッズ作戦
県/小学5…99.3% 中学2…98.5%
H25南砺市民健康プラン
(第2次)
H25定期健康診断(春)
55.0% H26南砺市民意識調査
減少
傾向
H24南砺市健康づくりに関す
る意識調査結果報告書
増加
傾向
H24南砺市健康づくりに関す
る意識調査結果報告書
生涯にわたる心身の健康
高齢者の
自然増加 H24南砺市健康づくりに関す
を上回ら る意識調査結果報告書
ない
メタボリックシンドローム※6を
知っている者の割合
20∼89歳
59.5%
肥満者(BMI※725以上)の
割合
20∼69歳
(男)
20∼69歳
(女)
25.3%
15.5%
加齢によ
り肥満割 H24南砺市健康づくりに関す
合が増加 る意識調査結果報告書
せず維持
咀嚼※8良好者の増加
60歳代
64.0%
75.0% H25南砺市民健康プラン
(第2次)
口腔機能低下
自分の歯を有する人の割合
65歳以上
(H26年4月1日
現在)
75∼84歳で20
歯以上自分の歯を
有する者の割合
55∼64歳で24
歯以上自分の歯を
有する者の割合
40歳代で喪失歯
のない者の割合
増加
傾向
H24南砺市健康づくりに関す
る意識調査結果報告書
12.1%
減少
傾向
H26生活機能評価
(基本チェックリスト)
17.9%
(H24)
22.0%
35.1%
(H24)
38.0% H25南砺市民健康プラン
(第2次)
69.0%
(H23)
78.0%
※6
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧のうちいずれか2つ以上をあわせもった状
態。
※7
BMI
P4 参照
※8
咀嚼(そしゃく)
単に歯で食物をかみ砕くということではなく、食物をよく噛んで砕いていき、唾液を分泌させて食物とよ
く混ぜ合わせ、呑み込みやすい大きさにして食物の消化吸収を高めること。
11
基本
目標
項目
安心安全な食の生産と販売
食の地域内循環と伝統食
現状値
目標値
学校給食の南砺市産農産物の使用率
市内全小中学校
(野菜・果物・菌類・豆類)
29.5%
増加
H25地場産活用状況調査
学校給食の南砺市産米の使用率
市内全小中学校
94.0%
増加
教育総務課(H26)
主な農産物直売所数
市内直売所数
12団体
増加
農政課(H26)
農産物加工所数
南砺市農産物直売
所・加工グループ
連絡協議会会員数
18団体
増加
H26南砺市農産物直売所・
加工グループ連絡協議会総
会資料
エコファーマー※9数
市内農業者
818人
(H25)
増加
農政課(H26)
なんとの農産加工ブランド品
認定数
市内農産物を使用
しているもの又は
伝統的な技術・技
法により製造され
たもの
21団体
53品目
増加
農政課(H26)
地場産食材を意識して
購入している家庭の割合
20歳以上
37.1%
(H26)
45.0%
食生活改善推進員※10の
食育教室開催回数
保育園・子育て支
援センター・小中
学校など
47回
増加
傾向
H25市食生活改善推進協議
会総会資料
郷土料理など次世代に
つたえたい人の割合
20歳以上
49.9%
増加
傾向
H24南砺市健康づくりに
関する意識調査結果報告書
※9
対象
摘要
H26南砺市市民意識調査
エコファーマー P37 参照
※10
食生活改善推進員
「食生活を改善する人」を意味し、豊かな感性と知性と経験が一人ひとりの力となり結集され、
“私達の健
康は私達の手で”をスローガンに、食を通した健康づくりのボランティアとして活動を行う団体。現在会
員 16 万人。全国 1,380 グループ(H26.4 現在)に協議会組織を持って活動を進めている。平成 17 年
「食育基本法」が施行されたことから、食生活改善推進員は、地域における食育推進の担い手として、
「食
育アドバイザー」を併名された。
12
第4章 めざす姿と具体的な取組
(スペース)
1 子どもの食育
子どもの頃から正しい食生活の習慣を身につけ、豊かな心を育みます。
地元の安心安全な食材の利用拡大を行い、郷土色のある給食の提供や、農業に触れ合う
機会を設けます。
家庭、事業所及び行政機関が連携し、食育について保護者への啓発を行います。
1−1
妊娠期の食育
●めざす姿
妊娠をきっかけに、食生活を見直すことは、子ども達の健やかな成長と発達につながり
ます。
またお母さんが食べ物から得た栄養は、胎盤を通して胎児へ移行し、胎児の細胞一つ一
つを作り上げます。つまり、胎児はお母さんの食べたものの栄養で大きくなっていくので
す。バランスを考えた食事を行ない、健やかな食生活が送れるように、妊婦やその家族に
向けた食育について市として取り組みます。
【具体的な取組】
〔健康課〕
・母子健康手帳交付時における栄養指導
・マタニティ教室
・母乳育児の推進
1−2
乳幼児期の食育
●めざす姿
乳児期は、安心と安らぎの中で母乳(ミルク)を飲み、離乳食を食べる経験を通して、
一生を通じての基礎である食べる意欲を作ります。乳児は哺乳反射※11があったり、見て触
れるものをまず口に入れ、試したり、確認したりします。離乳期の食体験によって味覚(甘
味、酸味、塩味、辛味、旨味)が発達し、嗜好が形成され、多くの味を経験して味覚の幅
を広げ、偏らない食嗜好の形成を支援することになります。大人になるまで、生きる営み
の中で自然に「食べる」ことを学ぶ最初の時期なので、保護者や家族も意識して食育に取
り組みます。
※11
哺乳反射(ほにゅうはんしゃ)
原始反射。口に入ってきたもの(ママの乳首など)を強く吸う「吸てつ反射」
、唇に乳首などが触れると首
を回す「探索反射」
、乳首が口に入るとくわえる、おっぱいを飲み込む「嚥下(えんげ)反射」などをまと
めて「哺乳反射」という。
13
幼児期は、身体発育や味覚など感覚機能や咀嚼機能など発達が著しく、人格や習慣を形
成する大切な時期です。食べることの基礎を学び生活リズムを作ることが重要です。特に
この時期は、1日3回の食事のほか間食(おやつ)が必要です。幼児期は消化機能が未熟
なため、3回の食事だけで1日に必要な栄養量を満たすことは困難です。間食は1日1∼
2回できるだけ決まった時間に食べましょう。甘いものや味の濃いもの、油の多いものは
避けましょう。また、むし歯の予防と口腔機能が発達するこの時期に噛む機能をしっかり
身につけることが重要です。
食行動は食べる行為そのものだけでなく文化や社会的背景とその変化に影響され、栄養
摂取、楽しみなど社会性やコミュニケーションを学ぶなど、子どもの発達や家庭での育児
の基盤です。
農作物を育てる機会を多く持ち、食べ物に親しみ、好き嫌いをなくし、食への感謝の気
持ち・礼節などや安全性を理解し、正しい食習慣が身につくよう、家庭や地域と連携しな
がら食育に取り組むことが必要です。
【具体的な取組】
〔健康課〕
・発達段階に応じた栄養相談
・3か月児健診
・7か月児離乳食教室
・1歳むし歯予防教室
・1歳6か月健診、3歳6か月児健診時の栄養相談
・2歳児、2歳6か月児、3歳児フッ化物塗布
3か月児健診での集団離乳食指導の様子
3か月児健診での個別離乳食相談の様子
14
〔子育て支援センター〕
・栄養教室(未就園児の保護者対象に、栄養士による栄養の話)
・子育て講座&育児相談(栄養士・保健師)
(離乳食の話、おやつの話、食事の量についてなど)
・母乳育児の推進(助産師)
(母乳の大切さや離乳食についての話)
・保育園給食試食会
(未就園児を対象に併設している保育園給食の試食を行う)
・おやつ作りと試食会&食育講座(食生活改善推進員)
・畑の野菜作りと収穫
親子で野菜の苗を植え、収穫し、味わってもらう
・日ごろの活動
親へ…離乳食レシピ本、育児書の掲示、献立表の掲示
子どもへ…ままごと遊びの中から食への感心を高める
親子へ…紙芝居、パネルシアターなど
15
【これまでの事例】
未就園児の保護者を対象に離乳食の進め方や間食の取り方、朝食の大切さなどについて
話をしています。また、保育園給食の試食会を行うことにより、食事の量や内容を知り、
普段の食事を作るときに役立つように取り組んでいます。
おやつに含まれる砂糖の量を説明
お話を聞いている様子
例)おやつに含まれる砂糖の量について
お菓子やジュースに含まれる砂糖の量を実際に提示し、子どもたちに必要な量と、
普段どのくらいの量を摂取しているのかを知り、間食の取り方、内容について未
就園児保護者にお話しがありました。
給食試食会の様子
例)給食試食会
各支援センターでは、年に数回の給食試食会を行っています。保育園の給食では
色々な種類の野菜を使用し、加工食品をなるべく使わず手作りのものを提供して
います。
16
〔保育園〕
・南砺市立保育園14園では、
『年間食育計画』を作成し、この計画に基いて食育活動に
取り組んでいます
・0 歳児からの離乳食を始め、卒園するまでに味覚が育つよう、なるべく手作りで給食を提
供しています
・食材は、国産で旬のものを使用し、安心安全な給食を提供しています
・野菜や豆類、魚を多く使い、栄養バランスのとれた献立を作成しています
・素材の味を生かすために、昆布やかつお節、煮干でしっかりとだし汁をとっています
・野菜づくりを通してその生長を知り、収穫の喜びを味わいながら、自然の恵みや自然の
いのちの大切さを伝えます
・地場産食材をさらに活用するため南砺市地場産食材活用協議会※12に参画します
【これまでの事例】
食べることは生きること。保育園では、生きる土台となる食育は子どもたちにとってとっ
ても重要なことと考えています。栽培や収穫、調理などの活動を通して、食の大切さに気
づき食べられることに感謝し、食を営む力・基礎を培います。
上平保育園の取組
かぼちゃに花が咲きました
じゃがいもの苗の水やりの様子
じゃがいもの種いもと在来種※13 である「五箇山かぼちゃの苗」を植え、毎日見回りをし、
在来種13
野菜の生長の様子、収穫の楽しみを味わいました。
※12
南砺市地場産食材活用推進協議会
学校給食での地場産野菜などの活用を促進するため「地場産食材を活用した給食」を充実・強化するとと
もに、教育委員会や農業関係団体、生産者などの協力を得ながら児童生徒などの地元食材に対する知識や
理解を深めることを目的として設置された協議会。南砺市、なんと農協、となみ野農協、福光農協、生産
者、流通者、南砺市内小中学校の栄養教諭・学校栄養職員、砺波農林振興センターの代表で構成する。
※13
在来種
動植物の品種のうち、その地方の風土に適しその地方で長年栽培または飼育されているもの。似た言葉に
「固定種」がある。固定種は何世代にもわたり、その土地の気候風土で絶えず選抜・淘汰され、遺伝的に
安定した品種をさす。いわゆる種苗会社から買う種などは F1 種と言われており、形や味が均一になると
いうメリットがあるが、F1 から採取される F2 世代のタネの一部は親とは違った形や性質を示す。形や味
が均一の F1 は 1 代限りなので、農家は種を毎年買うことになる。
17
利賀ささゆり保育園の取組
とれたてのすす竹
皮むきの様子
地元の特産である「すす竹」の皮むきを体験しました。子どもたちはすす竹のことは知
っていますが、普段はなかなか触る機会がありません。
今回の体験を通して、すす竹が利賀村にあり、大切な特産品であることを理解し、身近
なものとして実感したように思います。
福光南部あおぞら保育園の取組
名人に教えてもらう様子
梅干のしそをこねる様子
地域の人より頂いた梅で梅干を作りました。作り方は、地元の梅干作り名人にお願いし
て一緒に作りました。出来上がった梅干は魚につけて焼いたり、野菜と和えたりして食べ
ました。
18
井口保育園の取組
形をまるめる様子
ごはんをつぶす様子
地域の方とおはぎ作りを体験しました。家庭で作る機会が少なくなったおはぎ作り。ご
はんをつぶす工程に力が必要であったり、小豆をつけることは難しいと、感じているよう
でした。
〔家庭〕
・家族と一緒に食事をして食べる楽しみを知る
・栽培、収穫、調理に関わり、食に興味・関心をもつようにする
・乳幼児期から食への感謝の気持ち、手洗い、食事マナー、正しい箸の持ち方・使い方な
どの食事マナーや、
「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつが習慣づくように家庭で
指導する
・.農業体験会や地元食材などの利用により、色々な食べ物に親しむ
19
1−3 小学生・中学生の食育
●めざす姿
食の大切さを学び、正しい食習慣や知識を身につける時期とします。
朝食の欠食や・偏食・孤食などを改善します。また、歯の健康のための生活習慣を推進
します。
地域の人々や生産者の協力を得て体験学習をしたり、伝承料理などを作ったりして地域
の良さを知り、勤労の大切さや感謝する心を育てます。
学校においては、心身ともに健康で、食に関心を持てるような環境づくりを行うため、食
に関する指導体制の充実を図ります。
【具体的な取組】
〔学校〕
・給食時間や各教科などで食に関する指導を行います。
・毎月 10 日を「なんとの日」
、毎月 19 日を「日本の味めぐり給食の日」と定めて南砺市
の産物や郷土料理を取り入れた献立を提供するなど、和食文化を伝えます。
・南砺市の学校給食が、全校自校調理方式※14であることを活かし、栄養教諭※15・学校栄
養職員・生産者・行政と連携し、各地域ごとに地元の食材を積極的に活用できるよう南砺
市地場産食材活用協議会※16をさらに発展させ、これまで以上に、地元の食材をふんだんに
使用した給食を提供します。
・食物アレルギーへの適切な対応のためにマニュアルを作成し、各校への周知や関係機関
との連携を図るとともに、調理員研修会の内容を充実します。
・自分の住んでいる地域に親しみを持つとともに、地域で働く人々の苦労を思いやったり、
感謝する心を育み、五感で(みる、きく、さわる、におい、あじ)学べるよう、地域の人々
や生産者の協力を得て児童が米作りや野菜作りなどを体験したり、昔から伝わっている伝
承料理を作ったりする機会を設けます。
※14
自校調理方式
各学校がそれぞれの調理室と専属の職員を学校内に配置し、その学校の生徒に給食を提供するシステム
※15
栄養教諭
学校教育法に定められる、食に関する指導及び学校給食の管理を司る教員のこと。
※16
南砺市地場産食材活用協議会 P17 参照
20
【これまでの事例】
・とやま食材ふれあい講座事業〔農政課〕
小学生や児童館と地域住民が一緒に農作業・調理などを体験することにより、自然の恩
恵や食に対する理解を深めるとともに、県産農水産物の良さを認識してもらうための事業
です。
福野小学校3年は、総合的な学習の時間に栽培した里芋を使って、地域の伝承料理であ
る「いもがい餅」の作り方を「ふくの農産加工運営協議会」のみなさんに教えていただき
ました。地場産食材である里芋の栽培に興味を持ち、さらに里芋を使った伝承料理を調理
して食するよい体験となっています。
いもがい餅を作る児童
ふくの農産加工
運営協議会のみなさん
・小中学校農業教育ふれあい促進事業〔農政課〕
南砺市担い手育成総合支援協議会
自然や農業への関心並びに農業の役割及び必要性に対する理解を増進するため、南砺市
担い手育成総合支援協議会管内の小中学校において、農業体験農園の設置など農業の理解
向上を目的とした活動を実施する場合において、その費用の一部について助成する。
・元気とふれあいの学校給食づくり事業〔農政課〕
南砺市地場産食材活用推進協議会※17
南砺市学校給食研究会・栄養教諭など部会
による学校給食「なんとのうんまいもん」
クリアファイル・小冊子作成(A5 判、22
ページ)
※17
南砺市地場産食材活用推進協議会
P17 参照
21
・なんとハートフルランチ
全小・中学校の学校給食は「自校調理方式※18」であることを生かして各地域の特性に応
じた献立の実施をしています。
毎年7月 10 日(なんとの日)に、なんとハートフルランチ(市内全小中学校 17 校統一
メニュー)として、市・生産者・学校給食関係者が協力して、南砺市の地場産食材をふん
だんに盛り込んだ給食を提供しています。また、毎年 11 月は「な∼んと!おいしい学校給
食週間」
(市内全小中学校 17 校統一メニュー)として、地場産食材を活用したメニューを
提供しています。
「なんとハートフルランチ」における市長と児童との給食会の様子(福野小学校)
五箇山で採れた山菜がたっぷり入った「五箇山ずし」
「なんとポークの玉ねぎソース」食
べると 10 年長生きすると言われているエゴマをつかった「なんと 10 年あえ」
「にらの
ふわふわみそ汁」
「立野原のいちごゼリー」に地元生産の牛乳を加えた6品をいただきま
した。
・
「な∼んと!おいしい学校給食週間」における市長と児童の給食会の様子(井波小学校)
南砺市合併10周年にちなんだ「じゅうじゅう炒め」は、こごみ、わらび、赤かぶ漬物
が入った塩焼きそばです。芋の子汁は、南砺市の特産品である里芋がたっぷりと使われ
ています。
※18
自校調理方式 P20 参照
22
栄養教諭及び学校栄養職員の取組
・食に関する指導実践(教科との関連)
6年保健体育「生活のしかたと病気の予
防」の授業では、担任と栄養教諭が連携し
て生活習慣病予防の食事のしかたについ
て、料理カードを使った模擬バイキング
で、エネルギーや脂肪・塩分の量や摂取の
方法、そしてこれらをとりすぎた場合の害
についてなどの学習をしています。
6 年:保健体育 生活習慣病の予防
6年家庭科「まかせてね!今日の食事」の
授業では、家族のために健康で元気な生活
を過ごせる食事について、五大栄養素の働
きや、
「主食+主菜+副菜+汁物」献立作成の
ポイントなど、バランスのよい食事につい
ての学習をしています。
6 年:家庭科 バランスのよい食事
5 年総合的な学習の時間「なんとうまいも
ん」の授業では、学校給食の冊子である「な
んとのうんまいもん」を活用し、地場産食
材やその料理や各地域の良さについて学
習しています。
5 年:総合的な学習の時間
「なんとのうんまいもん」
23
・給食時間を利用して、配膳の仕方や食事マナーを身につけます。箸の正しい持ち方につ
いても確認します。給食メニューに地場産物を取り入れることによって、産地のことや野
菜の栄養価などを学習しています。
和食作法会食の様子
和食の献立
和食を食べている児童
給食で尾頭付きの魚の食べ方や箸の使い方など、和食(一汁三菜)の食事作法を学習し
ました。
・体験学習(総合的な学習の時間)
地域の人々や生産者の協力を得て児童が米作りや野菜作りなどを体験したり、昔から伝
わっている伝承料理を作ったりすることで、自分たちの住んでいる地域に親しみを持つと
ともに、地域で働く人々の苦労を思いやったり、感謝する心を育みます。
利賀小・中学校の取組
白爵かぼちゃの収穫の様子
白爵かぼちゃの献立を作る様子
利賀小・中学校:白爵かぼちゃ
地元の特産である「白爵かぼちゃ」を育て、収穫体験をしています。子どもたちが考え
た白爵かぼちゃ料理を給食の献立に取り入れています。
24
井波小学校の取組
もちつきの様子
もち作りの様子
5 年生が米作り体験活動をしています。収穫したもち米を使って、米作りの指導をし
てくださった地域の方々ともちつきをしてみんなで食べました。
福光中部小学校の取組
感謝集会の様子
田植えの様子
5 年生が米作りを行っています。11 月には米作りを指導していただいた地元の農家
の方を招待して、収穫した米を使った料理を一緒に食べる感謝集会を行いました。
井口小学校の取組
さつまいもを調理している様子
販売している様子
全校児童で毎年さつまいも作りを行っています。学習発表会では、さつまいもを販売
し、募金活動を行っています。また、全校児童が、さつまいもを使った料理を考え調理
し、収穫祭で収穫の喜びを味わいました。
25
福光南部小学校・福光東部小学校の取組
干し柿づくりの様子
干し柿生産者に、干し柿の作り方を指導していただき生産しています。また、生産者
を招待して感謝集会をしています。
井波中学校の取組
イベントで PR している様子
井波中学校第3学年の生徒たちは、「STEP UP いなみ ∼井波中発 私たちの提言
∼」というテーマで、井波地域を活性化させるためにはどうすればいいかということを
考えてきました。その学習のまとめとして、12月初旬に各事業所に出向き、自分たち
が考えたことを提言してきました。なかには井波地域の名産である里いもをモデルにし
た「ゆるキャラ」を自作し、「里いもDAY」に多くの人を呼び込もうとしていたグル
ープがありました。また、里いもをアレンジした料理を作り、試食をしてもらい、アン
ケートを書いてもらったグループもありました。地域の活性化に向けて、子どもたちの
視点で考えたアイディアは、地域の事業所の方々に新鮮な感覚を与えたようです。
26
・児童による弁当作りの取組(城端小学校)
自分でつくった弁当を食べている様子
子どもたちが食への関心を高めるために、弁当の中身を自分で決め、食材を準備し、調
理して弁当箱に詰め、片付けるまでの弁当作りの一連の作業を自分の力で実践していま
す。これにより、家族のありがたさがわかるとともに、食に関心を持ち、食事のバラン
スを考えるなどの効果があります。
(11・12・1・2月の 年4回)
・親子料理教室(福光東部小学校)
親子で料理をしている様子
「南砺市産の食材を使ったもりもりメニュー」
・元気いっぱいごはん ・ふわふわつみれ ・白爵かぼちゃサラダ
・南砺なかよし汁 ・ブラマンジェ ・ギョウザピザ
・福光りんご
親子を対象にした料理教室の開催。親子で料理をすることで、料理を作る楽しさを知
り、家族の一員として自分ができることを体験します。また、家族や地域の食生活改善
推進員の方と関わりながら、南砺市産の旬の食材を知り、食べ物への興味関心を高める
ことができます。
27
1−4
家庭の役割
●めざす姿
家族一緒に食事をすることで、家庭において食の生活リズムや健全な食習慣を身に付け、
食を通じたコミュニケーションを図ります。一度身についた食事の習慣は大人になってす
ぐ変えられるものではありません。手洗い、箸の使い方、姿勢、配膳、マナーと作法を家
族から学び、
「いただきます」「ごちそうさま」など食への感謝の気持ちをもつことや子ど
もと一緒に野菜を育て植物の生長を見守る活動への参加など、発達段階に応じた食育を行
います。
また保護者などに対して、地域・教育機関など・行政の関係機関が情報提供を行います。
【具体的な取組】
・家族一緒に食事をします
・子どもに食事の手伝いをさせます
・箸の持ち方、姿勢、配膳、食べ方などのマナー・作法を習得させます
・家庭で受け継がれてきた料理や味を子どもに伝えます
・作物を育てる大変さや収穫の喜びを知り食べ物を無駄にしない心や感謝する心を育てま
す
・お菓子や嗜好品をとりすぎるとカロリーオーバーや糖質、脂質、塩分のとりすぎとなる
ので配慮します
・よく噛むなど歯の健康のため、生活を習慣づけます
【事例】
PTA による学校給食試食会と朝食作り講習会
学校給食試食会の様子(福光中学校)
地元の素材をふんだんに使った給食を食べな
がら、栄養職員より「朝食の大切さ」につい
て聞きました。その後簡単で栄養満点の朝食
レシピをもとに3種類の朝食を作りました。
給食試食会の様子
28
2 生涯にわたる心身の健康
青年期・壮年期・高齢期では、元気でいきいきと暮らしていけるように、心身の健やか
な健康づくりを推進します。そのため、各ライフスタイルに応じた生活習慣病予防や改善
につながる食育を積極的に取り組みます。
2−1 青年期・壮年期の食育
●めざす姿
社会人として独立する時期であることと、思春期のやせ症や将来の生活習慣病※19予防の
ため、正しい食事に関する知識を身につけ、栄養のバランスをとることが必要です。一人
一人が食の大切さを自覚し、健全な食生活を実践することが大切です。しかし、青年期に
は朝食の欠食率が高く、肥満者の割合も高い傾向にあります。食べすぎや、過度のアルコ
ール摂取、運動不足などの生活習慣を見直し、生活を改善することは、疾病の予防や健康
への維持増進にも繋がります。
また、家庭や地域における「食育」の実践者として次世代への食文化を継承し食の重要
性を伝える役割が求められています。食品や農業に関する知識を深め、郷土料理や伝統料
理を再認識し、生産者・消費者交流会や農業体験など食育に関する取り組みに積極的に参
加し、次世代に伝えることなど、食育に関心をもつ必要があります。
【具体的な取組】
・南砺市内の食イベント(地元食材・郷土料理など)及び農業イベントへの積極的参加
・生活習慣病※19 予防のための望ましい食習慣の知識の普及啓発
・地元食材を家庭料理に積極的に利用
・食に関する知識を身につけられる制度や環境づくりの推奨
・地産地消に取り組み地域の食文化を継承
※19
生活習慣病
毎日の良くない生活習慣の積み重ねによってひき起こされる病気。糖尿病、脳卒中、心臓病などが主な病
気であり日本人の3分の2近くが生活習慣病が原因で亡くなっている。
29
【これまでの事例】
〔健康課〕
・出前栄養講座、料理教室
・南砺市健康づくり栄養教室
〔農政課〕
・地産地消「とやまの旬」応援団提案活動支援事業の推進
〔食生活改善推進員※20〕
・生活習慣病予防をテーマにした地域への伝達講習
・おやこの食育教室、男も女も料理教室、三世代ふれあいクッキングセミナー
・富山県食生活普及推進事業(いきいきとやま食育クッキング)
「男も女も料理教室」の様子
なんとの美味しい食材でつくった
お鍋で全国のみなさんをおもてなし
※20
食生活改善推進員 P12 参照
30
2−2
高齢期の食育
●めざす姿
高齢期は、退職や子どもの自立など、ライフスタイルが変化する時期です。特に健康面
では、加齢による咀嚼・嚥下(えんげ)機能及び食欲の低下など、栄養摂取にかかわる機
能が低下しやすくなります。低栄養にならないように適度な運動をおこないながら、しっ
かり食事を摂るなどの生活全体のバランスを考えていくことが大切です。また、一人暮ら
しや家族との生活リズムの違いから孤食になりがちです。日常生活の中で「つくる・食べ
る・集う・語る」を楽しみながら豊かな生活を目指します。
また伝統料理や保存食などの知恵を次世代に継承するよう、家庭や地域活動の中で伝え
る役割を担う必要があります。
【具体的な取組】
・食に関する知識を次世代に継承する制度や環境づくりの推奨
・高齢者の低栄養改善と口腔機能向上
・塩分のとりすぎに注意する
・味付けや雰囲気を変え食欲アップ
【これまでの事例】
介護予防大作戦(介護予防出前講座)(地域包括支援センター)
65 歳以上の方の団体(地区サロン・老人会など)を対象に、講師を派遣しています。
食に関するテーマ(介護予防大作戦)
テーマ
栄養作戦
スタッフ
管理栄養士
内容
・高齢者の食生活、健康な食べ方
・年齢にあった食品の選択方法
・試食や調理実習
口腔作戦
・おいしく食べるためのお口の機能の説明
歯科医師
・義歯やお口の中のお手入れ方法紹介
歯科衛生士
※21
言語聴覚士
など
・飲み込む力を強くする体操(健口体操)
紹介と実践など
※21
言語聴覚士(げんごちょうかくし)
言語聴覚士法(1997 年制定)に基づき厚生労働大臣の免許を受けて、音声機能、言語機能又は聴覚に障
がいのある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練それに必要な検査及び助言、
指導その他の援助を行うことを業とする者
31
・お口いきいき相談・お達者栄養相談(地域包括支援センター)
予約制でひとりひとりにあった相談機会を設けています。(無料/ひとりにつき年に3回)
お口いきいき相談・・・ひとりひとりにあった『かむ力』や『飲み込む力』を強くする体
操や口臭や肺炎予防方法などを紹介します。
お達者栄養相談・・・自分にあった『栄養』や『水分』のとり方などをアドバイスします。
ひとりひとりの生活に応じたアドバイスをし、調理をされていない方でも、自分に合った
方法を気軽に学ぶことができます。
〔食生活改善推進員〕
・郷土料理や伝承料理を取り入れ、食文化の普及と継承
・調理実習・試食
・三世代料理教室
・高齢者サロンや老人クラブの「高齢者の食事」伝達講習
後期高齢者(75 歳以上)は、低栄養に陥りやすいことが問題になってきています。身体機
能の変化や口腔機能を学び、低栄養にならないよう正しい知識を習得し、地域の方々に広
めています。
「高齢者の食事」伝達講習
食生活改善委員による調理実習の様子
32
2−3
医療・保健・福祉関係者の役割
●めざす姿
医療・保健・福祉関係者は、関連機関と連携し食と健康情報が連携した情報の提供を市
民に行います。また、病院や施設での食事の提供については、積極的な地元食材の利用に
努めます。
【具体的な取組】
・食と健康情報が連携した情報の提供
・病院や施設での積極的な地元食材の利用
・専門職として「食」を通して、全市民に継続的に食育の情報提供と食育のツールの提供
【これまでの事例】
〔健康課〕
・個別栄養相談
・食育健康教育(子育て支援センター、小学校中学校高校など、婦人会・壮年クラブ・高
齢者学級・各種団体など)
・健康づくり栄養教室
・ボランティアの育成
・食育に関する情報提供(市報・ケーブルテレビ)
・関係機関と連携した食育の推進
〔富山県砺波厚生センター〕
・健康づくり協力店
富山県砺波厚生センター※22では、市民自ら健康管理を行えるように、食環境整備に取り
組んでいます。外食料理や中食などに、エネルギー(カロリー)などの栄養成分表示や健
康に配慮したメニューの提供に取り組んでいる店舗を「健康づくり協力店」として登録し、
市民の健康づくりを応援しています。
栄養成分表示例
健康づくり協力店のマーク(県 HP より)
※22
厚生センター
地域保健における中核的拠点として、①精神保健福祉対策、難病対策、感染症対策などの専門技術的業務、
②母子保健や老人保健など身近なサービスを提供する市町村保健センターなどに対する技術協力や支援、
③食品衛生、環境衛生対策、④医療、薬事業務などを行い、地域住民の快適で安心できる生活環境の確保
を図る県の保健所。県内4箇所(新川、中部、高岡、砺波)に設置。南砺市の管轄は、砺波厚生センター
(南砺市高儀 147)。
33
2−4
家庭向けの広報
●めざす姿
栄養バランスを改善することにより、生活習慣病を予防したり重症化を防ぎます。安心
安全な旬の地場産食材を積極的に活用することにより、地域の農業の活性化を図ります。
また古くから利用されている食材や食文化を継承します。
【具体的な取組】
・食に関する知識を身につけられる制度や環境づくりの推奨
・3食規則正しく食事をとる習慣の定着、安心安全な食を選ぶ知識の向上
・食生活改善推進員が、地区活動において家族や地域の方々、市民と交流を図りながら、
健康食や郷土食、伝統食など行事食の体験により、日本型食文化を次世代へ継承するなど
積極的な食育推進運動を実施する
・食育推進計画及び食育推進計画及び概要版の南砺市ホームページへの掲載〔農政課〕
【これまでの事例】
〔食生活改善推進員〕
・子どもから高齢者までライフステージに応じた食育をテーマに食育の普及推進と組織強
化を目的に配布
「食改だより」
食育の普及推進と組織強化を目的に配布
34
・広報「なんと」への掲載
栄養バランスのとれた食事をするための地場産食材を活用したレシピを紹介している
平成26年7月号の広報なんとより
・食事バランスガイド
健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成12年3月)を具体的
に行動に結びつけるものとして、厚生労働省と農林水産省より平成17年6月に策定され
ました。1日に何をどれだけ食べればよいかの目安を分かりやすくイラストで示してあり
ます。
(農林水産省 HP)
35
3 安心安全な食の生産と販売
里山田園が広がる南砺市の四季折々の風景を感じられる環境で、農家と市民とのふれあ
う機会を増やします。
有機栽培・減農薬栽培など安心安全で環境に配慮した農産物を生産する農家やそれを活
用する加工品製造者を支援することで、安全な食べ物の知識を向上させます。
3−1
環境にやさしい農業への支援
●めざす姿
化学肥料・農薬の使用量の低減を進め、安心安全な農産物を生産する活動を推進します。
農薬を使用せず有機肥料のみで生産する有機農産物は農業者の労力負担が多いため、その
生産活動を支援します。地域全体で環境に配慮した農業生産に取り組み自然豊かな農村を
維持していきます。
【具体的な取組】
・有機栽培、減農薬栽培の農家を支援します
・農業生産行程管理・記録簿の記帳(GAP※23)を徹底します
【これまでの事例】
・環境保全型農業直接支援事業〔農政課〕
農業者などが実施する化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取り組みとセッ
トで、地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動に取り組む場合に支援しま
す。
地球温暖化防止に効果の高い活動として、農薬を低減
した作物の後に地力増強作物(緑肥※24)としてひま
わりを作付けている。
緑肥24
ひまわり畑の様子
※23
GAP(Good Agricultural Practice)
(農業生産工程管理)の略で、農業生産活動を行う上で必要な関係法令などの内容に則して定められる点
検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改
善活動のこと。
※24
緑肥
栽培している植物を、収穫せずそのまま土壌にすきこみ、つまり植物と土を一緒にして耕し、後から栽培
する作物の肥料にすること。またはそのための植物のこと。透水・排水性が改善し、作物がより生育しや
すい土壌になる効果がある。
36
・エコファーマー(有機栽培、減農薬栽培、減化学肥料栽培)認定制度
への取り組み支
援〔農政課〕
「エコファーマー」認定制度
「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する
法律(平成11年施行)」に基づき、たい肥などの有
機物を利用した土づくり”と“化学肥料・農薬の使用
の低減”を一体的に行う環境にやさしい農業に取り組
む農業者(個人または法人)を富山県が認定し支援す
る制度。
エコファーマーの認定を受けた農業者は着実に増
加しており、エコファーマー制度を活用した、環境に
やさしい農業の取り組みが広がっています。
南砺市は認定者数 818 名と、県内でトップです。
「エコファーマー」認定マーク
(富山県)
37
3−2
農業関係者の役割と消費者との交流
●めざす姿
市民と連携し、美しい農山村環境の保全に努め、都市住民や消費者との交流を進めます。
農業者(生産者)と消費者との直接交流や対話ができる機会を多くつくることで、消費者
は農作物などの生産過程を知ることができ、消費者は農家の方の苦労やこだわりなど農作
物の生産過程を知ることができます。また生産者は消費者の要望や考えを知ることで、新
たな農産物加工品の生産製造に取り組むことができます。
その交流の場として、消費者に親しみやすい直売所づくりを推進し、地産地消、農畜産物
のブランド化を進め、食育の推進と消費の拡大を目指します。
【具体的な取組】
〔農政課〕
・生産者と消費者の交流や農園体験プログラムの推進
・農作物の安全に関する情報の提供
・都市農村交流、大学と農村交流を推進
・現在実施している「帰農塾」や「みんなで農作業の日」などの都市農村交流をさらに推
進拡大して農業への関心を高めるよう支援する
【これまでの事例】
・都市農村交流 帰農塾〔農政課〕
田舎に泊まって農のある暮らしを体
験し、南砺市への移住・定住を推進しま
す。
NPO法人グリーンツーリズムとや
ま/報恩講料理、里芋収穫・調理などを
実施しています。
帰農塾(井波)里芋掘りの様子
38
・どぶろく特区事業〔農政課〕
有機無農薬栽培による地産地消による「おも
てなし」や、どぶろく特区の認定を受けての
有機栽培酒米を使用してのどぶろく製造に
よる地域活性化を行なっている民宿「中の
屋」
民宿「中の屋」による
有機酒米の田植えの様子
・カウベルト※25 の郷育成事業〔農政課〕
福光里山カウベルト友好会の協力により
福光里山野営場レクリエーション農園の野
獣対策と施設景観保護そして保育園児や地
元住民と入牧した牛とのふれあいを目的と
して実施されている事業。
カウベルト※25
保育園児・地元住民の皆さん
による入牧式の様子
・域学連携〔農政課〕
地域と大学などの連携による地域力の創
造に資する人材の育成と、自立的な地域づく
りを推進する仕組みを構築する。
世界遺産の五箇山合掌造り集落などに都
市と県内外の学生が合宿を行い、「地域が抱
える現状と課題」を行政、地元NPO、地域
住民と共通認識を図り、問題解決の糸口、地
域資源の発掘活用に繋げる。
学生による赤かぶ収穫の様子
※25
カウベルト
野生動物から人間や農作物を守る牛の放牧帯のこと。主に、中山間地域の耕作放棄地に牛を放牧すること
により、クマやイノシシなどの野生動物の人里への侵入を抑制し被害を防止するとともに、牛が雑草を食
べることで里山の景観保全などにもつながる。
39
・みんなで農作業の日 in 五箇山〔農政課〕
五箇山地域(平地域・上平地域・利賀地域)の耕作放棄地を活用し、全国から農業を共
に体験する仲間を集め、農地を守る活動を行い都市農村交流の拡大を図ります。秋には全
てのオーナーが集まり「大収穫祭」を実施しています。
各地域のイベントの様子
平地域:世界遺産の相倉合掌集落内で、棚田を守る為に棚田オーナー制度を実施し世界遺
産米を育てます。
苗を植える位置を決める作業
田植えをしている様子
上平地域:赤かぶオーナー制度を実施し赤かぶの在来種※26である「五箇山かぶ」を育てま
す。
赤かぶ収穫の様子
※26
とれたての赤かぶ
在来種 P17 参照
40
利賀地域:そばオーナー制度を実施し、特産品であるそばを育てます。
収穫したそばは、自分たちでそばうち体験をします。
そばオーナー集合写真
そば打ち体験の様子
大収穫祭:各地域で収穫した農作物を持ち寄り調理して食べます。
五箇山豆腐作りの様子
収穫物をいただく様子
41
・主な直売所の紹介〔農政課〕
野菜や農産加工品など、それぞれ地域の特色がある品揃えをしています。
(開店時期や営業
時間についてなどは、各直売所にお問い合わせください)
南砺市の主な直売所
①ヨッテカーレ城端
南砺市立野原東 1508
②旬菜市場「ふくの里」
南砺市福野軸屋 23-4
③道の駅福光 なんと一福茶屋
南砺市中ノ江 21
④ぬく森の郷
南砺市小又 311
⑤サンキュー フレッサ
富山県南砺市荒木5418
⑥味彩グル−プ
南砺市寺家新屋敷 366
福野ショッピングゾーン ア・ミュー店内
⑦岩渕みどり市
南砺市利賀村岩渕字久保平 183
⑧ふるさと産品の会
南砺市野田 52 セフレ内
⑨う米蔵
南砺市天神241
⑩いのくち市
南砺市井口字持掛谷 35
ゆ∼ゆランド花椿前
⑪五箇山そだち
富山県南砺市新屋54 1
⑫ふとみぼれ
南砺市太美 8-1
42
各地域の特産品と直売所マップ(○数字は前ページの直売所の位置を示しています)
43
・農業団体などの取組(市共催のもの)
なんと彩菜まつり
農山村地域の資源である地域農産物・地域伝統芸能・自然環境などを内外にPRし、交
流人口の拡大を図るとともに、地元JAと協力して、消費者と生産者の交流の場を設け消
費拡大を目指します。毎年10月下旬に城端を拠点に開催しています。
となみ野農業まつり
となみ野の豊かな大地の恵みを受けて育った農作物の収穫を祝し、その喜びを生産者は
もとより広く地域住民の方と分かち合い、農業まつりでの交流を通じ、地産地消・農業振
興に結び付けます。毎年11月中旬にJAとなみ野本店で開催しています。
ぐるめフェスタ in いなみ
1年間の農作物の収穫に感謝し、さらなる生産意欲の高揚と生産技術・品質の向上に努
めるとともに、消費者と生産者の交流により、消費拡大・農業への理解を深めてもらうこ
とにより、農業と特産物の振興を図ります。毎年11月下旬にJAとなみ野井波中央支店
で開催しています。
ぐるめフェスタ in いなみでの
全日本芋洗いコンテストの様子
44
3−3 特産品開発や販路拡大の推進
●めざす姿
南砺市の特産物の開発を行ない、県外さらには海外に販路拡大します。
【具体的な取組】
〔農政課〕
・販路拡大のための勉強会や物産店の出展などの情報を発信し販売額の増加につなげます。
・南砺市内の加工グループ・直売所に対し、南砺らしいおもてなしができる人材教育など
の研修会を実施します。
・特産品の開発事業に取り組み、南砺の新商品を生み出し、雇用の創出を図ります。
【これまでの事例】
・6次産業※27化モデル育成事業 〔農政課〕
農産物の生産(第1次産業)に加え、付加価値を高める加工(第2次産業)や、新たな
販売・サービスの提供(第3次産業)を一体的に行う取り組みを支援する事業
「ラム酒に漬けた干柿のアイス」(農事組合法人 野口営農組合)
名産「富山干柿」を贅沢に使用し、ラム酒に漬けた干柿の
アイスです。ジャパンフードフェスタ 2013 の「第1回
地場もん国民大賞」で全国 518 品の中から見事銅賞を獲
得した逸品です。
「なんとの農産加工ブランド品」認定商品です。
ラム酒に漬けた干柿のアイス
「なんとソーセージ」(株式会社なんとポーク)
雑肉や増量剤などのつなぎを使わず、南砺市産の豚肉「な
んとポーク」を加工・販売まで連携して行うことで、安心
安全なソーセージを提供します。
「なんとの農産加工ブランド品」認定商品です。
なんとソーセージ
∼さらなる発展・新商品開発∼
五箇山ぎょうざ
「五箇山ぎょうざ」
(農事組合法人 五箇山特産組合)
「小麦アレルギーの子どもたちが安心して食べれる餃子
を作りたい」そんな想いから生まれた「五箇山ぎょうざ」
は、野菜と大豆を米粉の皮で包み込んだ、肉を一切使って
いない植物性100パーセントの餃子です。
南砺市産大豆エンレイから作った豆乳に同じく南砺市産
のアルギットニラやズイキを使用しています。米粉の皮の
モチモチ感があります。
※27
6次産業
第 1 次産業(農業)とこれに関連する第 2 次産業(加工など)
、第 3 次産業(販売など)に係る事業の融
合などにより地域ビジネスの展開と新たな業態の創出を行う取り組み。
45
・地元直売所情報、加工食品グループなどの総合的な情報発信
「なんとのうまいもん」パンフレット〔農政課〕
南砺市は世界遺産合掌造りの幻想的な雪風景が
印象的である山間部と散居村で有名な平野部があ
り、それぞれ独特な食文化が根づいています。南砺
市の風土気候だからこそ育まれた食材と先人たち
の知恵による伝統的な技法を利用した加工食品を
紹介したパンフレットです。
なんとのうまいもんパンフレット掲載一覧
代表商品
力こりもち
グループ名
地域
住所
(農)ファーム八乙女
井波
山見344
あまちゃづる
蓑谷アマチャズル生産組合
城端
蓑谷671
青豆豆腐「丹鳥つる(絹)
」
いのくち市運営協議会
井口
宮後48
うりうりづけ
JA福光女性部菜園グループ
福光
荒木5318
かぶらずし
三清かぶらずし酵房
井波
三清東333
かぶら寿し
ふる里の味加工組合
城端
蓑谷797
赤かぶづけ
永多 峰治
井口
川上中612
手造り味噌
小坂第一協業組合
福光
小坂312
柿娘
みかくグループ
福光
土生新828
南蟹谷ぎんなんあわ餅
南蟹谷ぎんなん加工組合
福光
砂子谷16番地1
そくさいや茶
南蟹谷健康茶生産グループ
福光
砂子谷16番地1
にんにく酢漬け
あざみグループ
福光
土生新777
平
下梨2074
井口
蛇喰1008
平家堅豆腐
(農)五箇山特産組合
なんとソーセージ(5種)
(株)なんとポーク
あんぽ柿
福蜜柿生産組合
福光
土生新644
かぶら寿し
権次郎漬本店
城端
細野3
いもがい餅
旬楽市場ふくの里
福野
福野軸屋23-4
ちぎり絵セット
(農)五箇山和紙
46
平
下梨148
・なんとの農産加工ブランド品認定事業〔農政課〕
南砺市の特色ある農産加工食品をなんとの農産加工ブ
ランド品として認定することで、消費者の評価向上及び
需要拡大を図るものです。認定商品は認定マークを表示
して販売することができます。
認定マーク
認定団体と認定商品
申請者名
小坂第一協業(野菜部会)
谷村みそ・こうじや
(農)五箇山特産組合
南蟹谷健康茶生産グループ
南蟹谷ぎんなん加工組合
ふる里の味加工組合
三清かぶらずし酵房
ふくの農産加工運営協議会
福光農業協同組合
(有)田村萬盛堂
なんと農業協同組合
(株)なんとポーク
(農)富山干柿出荷組合連合会
(農)ファーム八乙女
福蜜柿生産組合
富山県西部森林組合
佐波かばやき店
(農)野口営農組合
(株)ヨネダ
(有)花島精肉本店
権次郎漬本店
認定商品名
手造り味噌
城端田舎みそ、城端田舎みそ(黒大豆)
平家堅豆腐、平家漬(畑のベーコン)
、平家漬(豆腐の味噌漬
け)
、おぼろ豆腐、畑のテリーヌ、畑のゼリー、畑のソーセー
ジ
そくさいや茶、ぎんなん粉
南蟹谷ぎんなんあわ餅
かぶら寿し、赤かぶ酢漬、千枚漬、丹波黒豆パン、権次郎パン、
かぼちゃパン、紫芋パン
三清かぶらずし、三清のみそ
いもがい餅、里芋ダンゴ、おやき(サツマ芋・干大根)
、おや
き(小豆・カブの葉)
ひまわり油
なんと!ん米ロール(5種)
、なんと!ん米やきどら(2種)
五箇山みそ、赤かぶ酢漬け
なんとソーセージ(5種)
、ベリーハム、なんとベーコン
富山干柿、富山あんぽ柿
力こりもち、寒乾こりもち、白のし餅、豆とぼ餅、昆布とぼ餅
福蜜柿
こめっこうどん(米粉うどん)
どじょうかばやき
ラム酒に漬けた干柿のアイス
かぶら寿し 福丸
ごっつお里芋コロッケ
きゅうりの粕漬、うりの粕漬、赤かぶの酢漬、茄子のからし漬、
かぶら寿し、梅干し
47
「なんと!幸せのおすそわけ」キャンペーン〔交流観光まちづくり課〕
北陸新幹線開業を契機として市民が南砺の魅力を再認識し、地域内の絆を深め、おもて
なしの心を醸成させていくことを基本に、南砺に訪れるお客様の心に響くような情報発
信・交流イベントを首都圏や南砺市内で行い南砺ファンを増やしていきます。その中で、
南砺産の食材を使った料理などでおもてなしをするイベントや、南砺産の食材を飲食店に
提供したキャンペーンなどを行い、南砺の魅力を強く発信します。
「なんと!幸せのおすそわけキャンペーン」ロゴマーク
都内イベントでの特産物販売の様子
都内開催交流会での郷土料理や特産物のメニュー
48
・首都圏における交流会での郷土料理の提供
「南砺ナイト」と題した南砺の食イベント〔交流観光まちづくり課〕
首都圏のレストランで南砺の豊かな食文化を「語り部」にお話していただくと共に、南
砺市の食材を利用した食事をしてもらうことにより南砺市の魅力をPRし、南砺ファンの
和を広げていきます。
・南砺市 B 級グルメ選手権〔交流観光まちづくり課〕
平成23年度
南砺市のB級グルメ選手権で、主婦グループ『ゆかたーず』によるオリ
ジナルの地産地消メニュー「なんなんまぶまぶ」が優勝しました。これをきっかけに南砺
市の飲食店で店独自の「なんとまぶし」を開発し、提供しています。また、県内外でのイ
ベント会場などでも販売されています。
●「なんなんまぶまぶ」のレシピ
材料
五箇山油揚げ
南砺市産大鋸屋ポーク
みょうがの酢漬け
南砺市産米こしひかり
大葉
のり
わさび
なんなんまぶまぶ
〈まぜご飯〉
①鍋に豚肉、厚揚げの角切りを炒め、醤油ベースのタレで味付け、汁気がなくなるまで煮
詰めます。
②①に、ご飯を入れて混ぜ合わせゴマ、大葉のみじん切りみょうがの酢漬けを加え、さら
に混ぜ合わせます。
〈トッピング〉
③豚肉に小麦粉をまぶしてフライパンで焼きます。
④甘辛いタレにまぶし、照り焼き風にします。
⑤薬味は大葉、のり、ミョウガの酢漬けです。盛り付けし、わさびを添えて完成です。
∼食べ方∼
最初は丼に盛ったまぜご飯を食します。
残り半分ほどで薄いだし汁をかけて混ぜながら、食します。
趣の異なった食べ方を楽しんでいただきます。
49
3−4 食の安全性と市民に対する正しい理解や関心向上
●めざす姿
市民が健康を守るため、自分で安全な食品を選択することができるよう的確な知識を得
られる機会づくり、興味を持つきっかけづくりなどに取り組みます。
また、市民が自分で安全な食品を選択するための勉強会などや啓発活動を行います。
【具体的な取組】
・食品の安全性(食中毒、食品添加物、遺伝子組換、放射性物質、健康食品、輸入食品、
残留農薬)に関する市民の知識の啓発普及
・食品表示の勉強会
・市民全体の食育意識をさらに高めるため、部活動・スポーツ少年団など別分野における
食育講習会の開催や特産物図鑑の作成など。
【これまでの事例】
・市の広報「なんと」及びケーブルテレビを通じて、食中毒予防に関する情報提供や正し
い知識の普及を行っています。
〔健康課〕
・食の安全を語る会〔富山県砺波厚生センター〕
富山県砺波厚生センターでは、食品の安全性確
保のために、生産者、食品関連事業者、消費者な
ど、行政が一堂に会し、県における施策の周知啓
発及び意見交換を行うリスクコミュニケーション
※28
を行なっています。
食の安全を語る会会議の様子
・食の出前講座・手洗い教室〔富山県砺波厚生セ
ンター〕
教育機関・市民団体などの依頼により、市民を
対象とした食中毒予防に関する講義や手洗い教室
を開催しています。
小学校での手洗い教室の様子
※28
リスクコミュニケーション
食品に関わる行政、消費者、事業者、研究者などの関係者間で、食品のリスクそのものやリスクに関連す
る情報や意見を交換し、情報の共有化を図ること。
50
3−5 食品関係事業所(製造・飲食店)の役割
●めざす姿
市民が自分で安全な食品を選択するため、原産地や添加物などの安全面に関する情報な
どを積極的に提供します。
【具体的な取組】
・食品の安全性に関する事業者への啓発など勉強会を実施します
・直売所・加工グループ向け研修会を行います
【これまでの事例】
・南砺市農産物直売所・加工グループ連絡協議会研修会〔農政課〕
加工食品の食品表示法の勉強会などを開催しています。
南砺市農産物直売所・加工グループ
連絡協議会員による食品表示研修会の様子
・農産物・農産加工品販売促進研修会〔砺波農林振興センター※29〕
約50組織ある砺波・南砺市管内の直売所や農産加工グループのすばらしい商品をいかに
消費者にアピールするかをテーマとしています。
※29
農林振興センター
平成20年4月に発足し、旧農業普及指導センターと旧農地林務事務所が統合し、県内4箇所(新川、富
山、高岡、砺波)に設置されている県の機関。南砺市管轄は、砺波農林振興センター(砺波市幸町 1-7 砺
波総合庁舎内 3F)
。
51
・
「自治体特選ストア南砺」
〔商工課〕
http://store.shopping.yahoo.co.jp/gts-nanto/
南砺市が運営する通信販売サイトです。特産品や地場産品
など、なんとの「ほんまもん」として販売しています。
52
4 食の地域内循環と伝統食
南砺市の農産物や、里山の生活環境から生まれた保存技術を活かした加工食品開発など、
地産地消・食の地域内循環を推進します。
寺社仏閣の行事・祭礼における食事、各集落で伝統的に受け継がれている地域での共同
作業の後の食事など、地域コミュニティにおける伝統的な食文化などを、イベントや情報
発信ツールなどを通じて世代間で積極的に継承します。
和食は、新鮮な四季の素材の持ち味を引き立たせる工夫があり、料理の盛りつけにおい
ても自然の美や四季の移ろいを表現ができるすばらしい日本人の伝統的文化です。また、
ご飯を中心に肉や魚、野菜、海草、豆類等多様なおかずを組み合わせることで栄養バラン
スに優れ、動物性油脂を多様しないため、長寿や肥満防止といった健康的な食生活をする
ことができます。
そこで、世界遺産である五箇山の合掌造り集落をもつ南砺市は「和食;日本人の伝統的
な食文化」と題してユネスコ無形文化遺産に登録された和食を積極的に推進します。
4−1
南砺市の伝統食
●めざす姿
各地域において、伝統的な野菜などの在来作物の栽培方法や郷土料理について、絶える
ことなく世代間で受け継ぎ、南砺市の気候風土に合った食文化を発展的に継承します。ま
た地場産食材を上手に利用し、味付けを工夫して食育を推進します。
【具体的な取組】
・郷土料理の情報整理
旧8町村の食文化や、報恩講料理など寺社仏閣の行事・祭礼にお
ける食事の調査・整理する者への支援
・地域の伝統的な農業行事の活動維持の支援
・在来種※30野菜などの調査と伝承する者への支援
・世界遺産の「合掌集落」でユネスコ無形文化遺産となった「和食」を食することで食文
化の継承、食に感謝する気持ちを育てるイベントなどを支援する
※30
在来種 P17 参照
53
<五箇山の報恩講料理>
②
①
③
④
⑥
⑧
⑤
⑦
∼説明∼
①おひら(煮しめ)
②つぼ(こくしょ)・ささぎ豆の甘煮
③じんだ
④中盛(ぜんまいの辛子和え)
⑤ごじり
⑥御飯
⑦あずきおつけ
⑧盃
親鸞の命日にその遺徳を偲んで営む仏事
「報恩講」のお勤めの後に、心づくしの伝
統料理が振舞われる。地域により料理や器
の呼び方が少しずつ違いがあり、集落や家
で作り方が受け継がれている。
報恩講料理のレシピ例∼いとこ煮∼
親鸞の好物といわれる小豆に、
材料(4人分)
大根 200g
人参 100g
里芋 150g
ごぼう 100g
こんにゃく 1/2 枚
油揚げ 1/2枚
小豆 乾燥で 1 カップ
水 5カップ
しょうゆ 大さじ2
塩 小さじ1
大根などの根菜類を入れた煮込み
汁。報恩講や親鸞の命日である
11月28日に食べる。
●いとこ煮
①小豆は柔らかく煮る
②油揚げとこんにゃくは湯通しし、さいの目に切る
③大根・人参・里芋・ごぼうは皮をむき、
さいの目に切る。ごぼうは水にさらしアクを抜く
④鍋に野菜や油揚げ・こんにゃく・分量の水を加え、軟らかく煮る
⑤野菜などが柔らかくなったら、小豆としょうゆ・塩を加える
(参考文献)
平成20年度 山村再生プラン世界遺産街道物語「五箇山語り編」五箇山のもてなしの心の
醸成事業
「五箇山の報恩講料理」-料理調査・文化フォーラム報告書(編集・発行 五箇山もてなしの心の醸成事業実行委員会/平成21年3月31日発行)
54
その他の伝統料理のレシピ例
●かぶら寿し
材料(4 人分)
大蕪 15cm ほど・2個
塩
蕪の重量の 3%
しめ鯖 薄切りを30切れ
甘酒(米麹) 500g程度
好みで人参・ゆず皮・とう
がらし
∼下漬け∼
①大蕪を2センチくらいの厚さに
切り、切り目を入れる
②蕪の重量の3%程度の塩漬けを
する
∼本漬け(下漬け2,3日後)∼
③しめ鯖を蕪にはさみ、好みで千切りの人参・ゆず皮・とうがらし(小口切り)を散らし
ながら、甘酒(米麹)をたっぷりのせる。5 日間程度で完成
●ゆべす
材料(4 人分)
寒天 1 本
卵 1個
水 400cc
調味料
しょうゆ 大さじ 1.5
さとう 大さじ1
みりん・しょうが 少々
①寒天を洗い、分量の水に入れ、
15 分位おいた後かきまぜながら
煮溶かす
②寒天が溶けたら調味料を入れ、1
∼2分沸騰させ、とき卵としょうが
のしぼり汁を入れてすぐに火を止
める
③器に流し込み、冷やし固める
④固まったら好みの大きさに切って盛りつける
●とちもち
①乾燥したとちの実を一晩水にひたす
材料(4 人分)
もち米 1升
とちの実 650g
(皮を除去してアクを出し
たもの)
小豆あん 適宜
②①を煮て、沸騰直前で火を止め、ぬ
るま湯の中で皮をむく(道具として、
千枚通しや金槌を使う)
③アクを出すため流水で1週間さらす
④とちの実をきれいに洗い、残ってい
る渋皮を取り、もち米と一緒に蒸す
⑤臼と杵でつき、のしもちにしたり小豆あんを入れて丸めて形を整える
●里芋田楽
材料(5 人分)
里芋 40 個
ゆずみそ 20g
(ゆず1ヶ、味噌・砂糖・
みりん適宜)
竹串 10 本
塩 少々
①里芋は薄く皮をむく
②塩ゆでし、ザルにとってしばらく乾
かす
③里芋を 4 ヶずつ竹串にさし、少し焼
いて皮が乾いたころにゆずみそをつけ
て、再度焦げ目がつくまで焼く
55
●なすそうめん
材料(4 人分)
なす 6 個
干そうめん 400g
砂糖 少々
しょうゆ 適宜
みりん 少々
①たっぷりの湯の中に干そうめんをほ
ぐしていれ、一度差し水をして、少し
かために入ゆでる
②①のそうめんをザルに上げてよくも
み洗いし、水気を切る
③なすはヘタを取り、縦半分に切り、
外側に切れ目を入れる
④鍋に砂糖、しょうゆ、みりんを入れ、火にかけ③のなすを入れて煮ふくめる
⑤なすが柔らかくなり味がしみてきたら、②のそうめんを加えてサッと煮る
資料:レシピ・・・越中とやま食の王国 とやま食の匠
(富山県農林水産部農産食品課・富山県農林漁業振興会)
●山菜の保存方法ともどし方
[乾燥]
・・・わらび、ぜんまい、ぎぼし、くぐみ(こごみ)
ぜんまいは一本一本わたを取っておく。
山菜はたっぷりの熱湯でゆでる。ふわっと煮立ってきたら湯からあげる。
時々ちからをあまり入れない程度にもみながら、干しあげる。
乾燥したぜんまい
もどし方・・・鍋に干した山菜と、かぶる位の水を入れ、沸騰させる。
2,3回返しながらしばらくゆでる。そのまま火から下ろして一晩おき、
水を替えてやわらかくなったら調理する。
もどしたぜんまい
[塩漬]
・・・うど、くぐみ(こごみ)、あざみ、いらな、すすたけ、ふき、うど、あざみ、
いらくさは生のまま葉を取り、塩を山菜の1/3ほど入れ、重石は山菜の1.2倍以上を
乗せて漬け込む。すすたけ、ふきはゆでて皮をむき、同様に塩漬けにする。水があがれば
水を捨て、また塩を加えて漬ける。
もどし方・・・塩漬けされた山菜を洗って、鍋に入れ、水から火にかけ沸騰させる。流し
水に一晩さらして塩出しを充分にする。
[冷凍]
・・・くぐみ(こごみ)
硬めにゆでて、冷凍する。
資料:利賀を味わう山菜料理(発行 南砺市商工会女性部利賀村支部)
56
4−2 食育とエコビレッジ構想
●めざす姿
地域資源(人、物、自然、文化、お金)の循環と交流、それによって地域が自立するこ
とを目指す南砺市の「エコビレッジ構想」では、「元気農業」分野で循環型農業(安全な農
産物の生産・自給)や消費ネットワークづくり(安定した域内外消費)を、そして「にぎ
わい創造」分野では健康・教育(農業研修)
、産業観光(農業体験)
、ニューツーリズム(グ
リーンツーリズム、観光農園)を推進します。
南砺の人、物、自然、文化を組み合わせ、持続可能な地域をつくることを意識して、食
育に関わる組織・人々が各施策を実施していくことを推進します。
エコビレッジの基本的な考え
エコビレッジのイメージ
57
【具体的な取組】
〔エコビレッジ推進課〕
・南砺市エコビレッジ構想 推進モデル事業
「農林業の再生と商工観光業との連携」など、地域が自立し、安心して暮らし続けていく
ためにいのちの源である農と食を見つめ直し、里山の保全に努めながら付加価値の高いも
のづくりの取り組みを支援します。
∼採択事業例∼
桜ヶ池農産加工組合エキップ拠点施設整備
事業青果物として販売できないものや作り
過ぎて余ったものを、加工品に変え販売する
取り組みです。農産加工品は、市民や来訪者
に販売する予定。
南砺の小麦に地元野菜を練り込んだパンや
焼き菓子、ピクルスを製造します。
ピクルスを瓶詰めしている様子
・生ゴミぼかしづくりの補助
コンポストは生ゴミを入れた後にを土をかぶせ、水分調節・においの吸着・発酵促進をし、
できあがったものは堆肥になり、安全な有機栽培が可能です。
・エコビレッジサミットにおける市民議論の展開
南砺型環境・生命文明社会の構築を目指した「エコビレッジ構想」実現のために、市内外
住民による7つの分科会に分かれた議論と共有を行うサミットを開催しました。
「里に学ぶ∼食の農の循環∼」の分科会では、農業従事者、食に関する仕事や活動をする
地域住民が集まり、「農」
「食育」
「食」について議論した。「食育」をテーマにしたグルー
プは、食と農を繋ぐ存在として食育があると位置づけ、現在できていること、未来につな
げたいことを議論し提言をまとめました。
・
「南砺エコビレッジカー(キッチンカー)」
キッチンカーは、南砺市の農産物や加工品な
どを調理・販売できる移動式の車で、市内外
のイベントやお祭りなどに南砺の食とにぎ
わいを運んでいます。また、市民にも貸し出
ししています。
管理:株式会社つなぐ南砺
キッチンカーでの出張販売
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4−3 食の達人、食の伝承
●めざす姿
南砺市内の伝統的な郷土料理や地元の農産物や加工品を積極的に活用し情報発信を行な
う人材を育成します。
【具体的な取組】
・「とやま食の匠(伝承の匠)」など、伝統料理に精通している市民の掘り起こしや活躍の
場の提供。
・南砺市内の伝統的な郷土料理や地元の農産物や加工品を積極的に活用して情報発信をし
ている、個人や団体を支援します。
・南砺市で伝えたい食のレシピの紹介や講習会を行う団体を支援します。
【これまでの事例】
〔富山県〕
・とやま食の匠・・・富山県ではキトキトの海、野、山の幸、伝統的な郷土料理、県内産食材
を活かした創作料理など、地域で生まれた「とやまの食」について卓越した知識と技能を
有し、その普及活動を積極的に行える個人や団体を「とやま食の匠」として認定していま
す。とやま食の匠には「特産の匠」
「伝承の匠」「創作の匠」の3部門があります。
特産の匠
富山県の農林水産物の生産や加工
に関する卓越した技能を有し、その
普及活動を積極的に行い、とやまの
個人または団体名
特産品
岩崎喜平
五箇山豆腐
春日芳博
米菓
小町幸一
福光ぎんなん
特産品の振興に寄与する個人又は団
高藤百合子
利賀ほうれんそう
体です。南砺市には10名・4団体
田邊榮昭
アルギットにら
が認定されています。
中島信隆
利賀そば
仲筋英生
富山干柿
細川正雄
山野さといも
松本正市
城端梨
南砺市利賀村
行者ニンニク栽培研究会
利賀村行者ニンニク
ふる里の味加工組合
こだわりパン【田舎のパン】
三清かぶらずし酵房
かぶらずし
西敬一
五箇山赤かぶ
五箇山合掌みょうが生産部会
五箇山合掌みょうが
●こだわりパン「田舎のパン」 ふる里の味加工組合
地元の偉人稲塚権次郎氏が育種した小麦「農林10号」で会員が栽培したよもぎ、
かぼちゃ、紫芋などを使った手作りパンを開発し、販売しています。
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伝承の匠
県産食材を活用した伝統的な郷土料理
に関する卓越した知識や技能を有し、そ
の普及活動を積極的に行い、とやまの食
文化の伝承に寄与する団体です。南砺市
には7名・1団体が認定されています。
個人または団体名
郷土料理
小西絹江
よもぎののしだご
柴年子
いりごく
中谷菫枝
山菜の煮物
鍋島きくい
ゆべし
野原キヨイ
とちもち
樋爪数子
さといもの田楽
山瀬きみ
いとこ煮
ふくの農産加工運営協議会
いもがい餅
●「いもがい餅」 ふくの農産加工運営協議会
材料(2人分)
うるち米(1合)
もち米(1合)
里芋(80g)
塩(少々)
あんこ、きな粉、ごま
①うるち米・もち米を混ぜて洗う。
②里芋を刻み、①の上に入れて炊く。
③炊きあがったご飯に塩をふり、潰す。
④③の餅を好みの大きさにし、あんこ、きな粉、
ごまなどをつける。
●「いりごく」 柴 年子
材料(10人分)
漬けた大根(1本)
(浅漬、たくあんどちらでも)
∼調味料∼
しょうゆ(大さじ3)
砂糖(大さじ1)
みりん(大さじ1)
とうがらし(1本)
いりごま(小さじ1)
(下準備)
・漬けた大根を軽く水洗いし、3∼4mm の薄
切りにし、鍋たっぷりの水を入れ、20分程
ゆでる。
・ざるに上げ、ゆで汁を捨て1時間程流水で塩抜きをする。
・とうがらしは種を取り、輪切りにする。
①鍋に塩抜きした大根を入れ、調味料を加え炒り煮する。②とうがらしを加え、更に軽く
炒り煮する。③盛りつけ時にごまをふる。(お好みでだし汁を加えてもよい)
資料:越中とやま食の王国 とやま食の匠(富山県農林水産部農産食品課・富山県農林漁業振興会)
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第5章 情報発信と計画の推進方法
(スペース)
1 食育の日と情報発信
国の第2次食育推進基本計画では、6月を食育月間に毎月19日を食育の日※31として定
められています。国に加え富山県の県食育推進計画では11月を食育月間としています。
南砺市独自の食育に関するイベントや、各種イベントにおける食育の取り組み、市民や
市外への食に関する情報発信などを支援します。
1−1 食育の日と各種イベントでの食育の推進
●めざす姿
市民全体の食育意識をさらに高めるため、シンポジウム、スポーツイベント、文化イベ
ントなどでの、市内における行事においての、食育啓発ブース設置や食材見直しの協力・
連携、地元食材を使った模擬店出店への支援を行います。また、市内保育園、小・中学校
では食育の日に給食を通して、郷土料理や和食の良さを伝えていきます。
【これまでの取組】
食育の日の取り組み
・南砺市食生活改善推進協議会の取り組み
食育推進のための、6月の食育月間や毎月19日の食育の日などにおいてのポスター展
示及びリーフレット配布など「食」に関する情報発信を積極的に展開
・南砺市内保育園での取組(毎月19日)
市内の13園の保育園では、毎月19日に『飛び出せ!給食先生』と題して、調理員が
保育室で季節の食材や郷土料理などについて子どもたちにお話をしています。
6月に富山湾の宝石「シロ
エビ」についてお話をしま
した。
9月に旬の魚である「さん
ま」についてお話をしまし
た。
※31
11月には伝統料理である
「いとこ煮」についてお話
をしました。
食育の日
毎月19日を「食育の日」として、食育推進運動を継続的に展開し、食育の一層の定着を図るための機会
として、
「食育推進基本計画」により定められている。
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・南砺市小・中学校での取組(毎月 10・19 日)
上平小学校の取組
「カミカミ週間」
全校児童を対象として、よく噛んで食べる
ことの大切さを体験的に理解し、よく噛んで
食べる習慣を身につけることを目的として実
施。
栄養職員が歯ごたえのよい食材を使用した
献立を立て、ランチルームでの給食時間に噛
む事の利点について全校児童にお話しをしま
した。
学校栄養職員による説明の様子
「食器を持って食べよう週間」
全校児童が食器を持って姿勢よく食事が出
来るようになる事を目的として児童会の給食
委員会が企画、実施しました。グループ全員
が食器を持って食べる事が出来た場合は表に
◎を書き、その結果を給食委員が発表しまし
た。また、給食委員会で「食器を持って食べ
よう」をテーマとした替え歌を作り、児童集
会で発表しました。
チェック表の記録の様子
イベントでの取組
・
「なんと!トレジャーハンター2014」〔政策推進課〕
南砺市合併 10 周年記念事業「なんと!トレジャーハンター2014」のファイナルイベ
ントでは、各地区のチェックポイントで特産品の配布を行ったり、主会場の桜ヶ池公園で
は「なんと!マルシェ※32」や「なんと!スウィーツの祭典」が行われました。
チェックポイントで特産物を配布する様子 キッチンカーでの特産品販売の様子
※32
マルシェ(march )
フランス語で「市場」を指す。
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・映画「よみがえりのレシピ」上映会(ソーシャル・シネマ・ダイアログ)
〔エコビレッジ推進課〕
「ソーシャルシネマ・ダイアログ」は、「環境」や「食」、
「農」
、「地域経済」など社会的
課題をテーマとした映画(ソーシャルシネマ)を上映し、鑑賞後に内容の解説とテーマ課
題を掘り下げる対話(ダイアログ)で、課題に対する知識や意識を深めることを目指す場
です。在来作物と種を守り継ぐ人々の物語の「よみがえりのレシピ」を上映し、来場者と
活発な意見を取り交わしました。
映画鑑賞をしている様子
映画の内容について、意見交換をする様子
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1−2 インターネットを活用した情報発信
インターネットを活用して、南砺市の食育の取り組みに関して、市内外に積極的な情報
発信をします。
【具体的な取組】
・SNS※33+パンフレットを活用した情報収集、情報交換、情報発信
【これまでの事例】
・
「自治体特選ストア南砺」http://store.shopping.yahoo.co.jp/gts-nanto/
南砺市が運営する通信販売サイトです。特産品や地場産品など、なんとの「ほんまもん」
として販売しています。
・
「南砺市」http://www.city.nanto.toyama.jp/
・
「とやま食育ひろば」
(富山県食育推進会議公式サイト)
http://www.pref.toyama.jp/sections/1600/syokuiku/
・
「食育推進」ホームページ(内閣府) http://www8.cao.go.jp/syokuiku/
※33
SNS(Social NetworkingService/Site・ソーシャルネットワーキングサービス/サイト)
P10 参照
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2 推進体制
本計画の推進にあたっては、家庭、教育機関(学校・保育園など)、保健・医療・福祉関係
機関、農業関係者(農業団体・農家)、食品関係事業所(製造・飲食店)、行政、食の専門
家・ボランティア団体などの市民組織等がそれぞれの役割を果たし、市民一人ひとりの食
育に対する関心を向上し実践するよう、相互に連携して取り組んでいく必要があります。
関係する人や組織が一体となって推進する総合的な推進体制として「南砺市食育推進会議
(仮称)
」を設置します。
3 計画の進行管理と評価(見直し)
「南砺市食育推進会議(仮称)
」においては、計画や各目標値を達成しているかなどの確認
を行い、達成度などについて評価します。また、社会情勢や食をめぐる情勢が大きく変わ
り、基本方針や目標の修正などが必要があると認められる場合には、計画の見直しを図る
こととします。
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委員名簿と策定の経緯
(平成26年9月∼平成27年3月)
●南砺市食育推進計画策定委員会 委員
副委員長
大江
浩
(五十音順)
富山県砺波厚生センター 所長
委員
河合 英子
南砺市食生活改善推進協議会 会長
委員
定司 智春
南砺市民生部こども課(兼)認定こども園井波にじいろ保育園 栄養士
高田 勇
南砺市教育委員会 教育長
委員
寺田 洋二
公募委員
委員
永森 弘
富山県砺波農林振興センター 次長
委員
野原 美和子 公募委員
委員
原田 司
南砺市産業経済部 部長
委員
松川 真弓
南砺市立福光東部小学校 栄養教諭
委員
丸山 智春
公募委員
委員
宮脇 廣
南砺市農産物直売・加工グループ連絡協議会 会長
委員
横川 茂
となみ野農業協同組合 経済部長
委員
渡辺 洋子
南砺市民生部保健センター
委員長
主幹
●南砺市食育推進計画策定委員会 幹事
(五十音順)
佳英子 富山県砺波厚生センター 主任
幹事
打尾
幹事
河合 英子
南砺市食生活改善推進協議会 会長
芝井 広
南砺市産業経済部 農政課
幹事
定司 智春
南砺市民生部こども課(兼)認定こども園井波にじいろ保育園 栄養士
幹事
林
富山県砺波農林振興センター 副主幹
幹事
松川 真弓
南砺市立福光東部小学校 栄養教諭
幹事
宮脇 廣
南砺市農産物直売・加工グループ連絡協議会 会長
幹事
山田 邦義
となみ野農業協同組合 営農指導員
幹事
吉田 孝幸
南砺市教育委員会教育総務課 課長補佐
幹事
渡辺 洋子
南砺市民生部保健センター
幹事長
民子
課長
主幹
●食育推進計画策定の経緯
年
月 日
内容
平成 26 年 9 月 16 日
第 1 回南砺市食育推進計画策定委員会
平成 26 年 10 月
南砺市食育推進計画策定委員会 第 1 回幹事会
6日
平成 26 年 10 月 23 日
第 2 回南砺市食育推進計画策定委員会
平成 26 年 11 月 12 日
南砺市食育推進計画策定委員会 第 2 回幹事会
平成 26 年 12 月 16 日
第 3 回南砺市食育推進計画策定委員会
平成 27 年 1 月 19 日
第 4 回南砺市食育推進計画策定委員会
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南砺市食育推進計画策定委員会設置要綱
平成26年7月8日
告示第134号
(設置)
第1条
食育基本法(平成17年法律第63号)第18条第1項の規定に基づく南砺市食
育推進計画(以下「計画」という。
)の策定に当たり、幅広く関係者の意見などを反映さ
せ、地域の特性に応じたものとするため、南砺市食育推進計画策定委員会(以下「委員
会」という。
)を設置する。
(所掌事項)
第2条 委員会は、次に掲げる事項を所掌し、必要に応じて市長に提言を行うものとする。
(1) 計画の策定に関する事項
(2) その他計画の策定に必要な事項
(組織)
第3条 委員会は、委員13人以内をもって組織する。
2
委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。
(1) 市民団体の関係者
(2) 食に関係のある機関及び団体の代表者
(3) 学識経験を有する者
(4) 公募による者
(5) 前各号に掲げる者のほか、市長が必要と認めるもの
(委員の任期)
第4条 委員の任期は、前条第2項の規定による委嘱の日から計画の完成の日までとする。
(委員長及び副委員長)
第5条 委員会に、委員長及び副委員長各1人を置く。
2
委員長は、委員の互選によりこれを定め、副委員長は委員長が指名する。
3
委員長は、委員会を代表し、会務を総理する。
4
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、
その職務を代理する。
(会議)
第6条 委員会の会議(以下「会議」という。)は、委員長が必要に応じて招集し、委員長
が議長となる。
2
会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
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3
会議の議事は、出席委員の過半数の同意をもって決し、可否同数のときは、議長の決
するところによる。
4
議長は、特に必要があると認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、説明又
は意見を聴くことができる。
(幹事会)
第7条 委員会に幹事会を置く。
2
幹事会は、第2条に規定する所掌事項を遂行するために必要な事項を検討し、その結
果を会議で報告する。
3
幹事会に幹事長1人を置き、産業経済部農政課長をもって充てる。
4
幹事は、委員長が指名する者をもって充てる。
(庶務)
第8条 委員会の庶務は、産業経済部農政課において処理する。
(その他)
第9条
この要綱に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、委員
長が委員会に諮って定める。
附
則
(施行期日)
1
この告示は、公表の日から施行する。
(招集の特例)
2
最初の会議は、第6条第1項の規定にかかわらず、市長が招集する。
(この告示の失効)
3
この告示は、計画が完成した日限り、その効力を失う。
附 則
この告示は、公表の日から施行する。
68
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