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平成 27 年度「システム創造思考法」第 1 回授業 配布資料

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平成 27 年度「システム創造思考法」第 1 回授業 配布資料
平成 27 年度「システム創造思考法」第 1 回授業 配布資料
月曜日 1 限目 224M 講義室
1. はじめに
社会的な問題のテーマを選び,「ワークデザイン」とよばれる創造技法を学びながら課題を解決して
いく。グループワークが中心
*ワークデザインでは,目先の目標にとらわれず,長い視野でより広くの利害関係者の影響を考えて課
題解決する。
下記のアドレスを参照
http://polymer.apphy.u-fukui.ac.jp/~kuzuu/Education/Eneken/WD/WDINdex.html
2 今回の予定
1) 授業の説明 (資料 1, p.4)
・学習教育目標
・授業の概要
2) グループ分けと解決課題の提示
・解決課題の提示 (資料 3, p.9)
3) 創造性と発想法について
4) レポート課題
レポートの書き方は資料 2 参照 (p.6)
3. 創造性と発想法
1) 日本人に独創性があるかという議論
最近注目されている日本文化 ・・・ アニメ,漫画
← そのルーツは絵巻物,絵草紙,浮世絵などにある
教育レベルの向上
← 仮名の考案,返り点送り仮名(知の解放)
漢文の返り点,送り仮名 ・・・ 外国の「人工言語」(漢文) を自国語で読む
江戸時代の庶民文化
・文字を娯楽に ← 貸本屋の存在 ← 識字率の高さ ← 仮名文字
・庶民芸能の豊かさ ・・・ 娯楽だけではなく,知識も付与
・ファーストフードの普及
・etc.
昔の創造性の育て方
・自ら創りだす訓練
・盗む (職人教育) ・・・ 個人的に創造体験をする。
・形から真似る ・・・ 漢文の素読,読経など
まず,意味を教えずに言葉を覚え,一生かけて意味を考えていく。
家庭でも,同様 ・・・ その中で創造性育成。でも,適者生存 ← 能力差
・現在の教育
・親切に教える ・・・ 形は早く習得できる。その後は,能力差。
・学校教育不適合 ・・・ 成績が良い (試験の得点力が高い) が学力 (学んだことを人生で応
用する能力) が低い人が育つ危険も。
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2) 創造性の定義
人によって,様々な定義
http://css.jaist.ac.jp/jcs/index.html (日本創造性学会ホームページ)
高橋 誠 編著「新編 創造力事典」日科技連 (2002) ISBN4-8171-9115-5
個人的定義「目の前にあるが,何度探しても見つからなかった捜し物を見つけるようなもの」
3) 創造技法の分類 (高橋 誠 編著「新編 創造力事典」日科技連 (2002)) (2 回目に説明)
創造技法には,数百種類があるが 4 つに分類される
① 発散技法
発散思考を用いて事実やアイディアを出す技法
a) 自由連想法 (思いつくまま自由に発想する)
ブレインストーミング/ブレインライティング法
b) 強制連想法 (各種ヒントに強制的に結びつけて発想する)
チェックリスト法/形態分析法
c) 類比発想法 (テーマの本質に似たものをヒントに発想する)
NM 法
シネクティクス
② 収束技法
a) 空間型
イ) 演繹法 (データを既存の分類で集約する)
図書分類
ロ) 帰納法 (類似なデータを集めて新分類をつくる)
KJ 法
クロス法
ブロック法
b) 系列型
イ) 因果法 (原因結果でまとめる)
特性要因図
ロ) 時系列法 (時間の流れでまとめる)
PERT 法,ストーリー法
③ 統合技法 (発散と収束を繰り返して解決を目指す技法)
ハイブリッジ法
ワークデザイン ← 目先の目標と本来の目的を混同しないようにする方法!!
④ 態度技法 (創造的意欲や創造的態度の育成をはかる技法)
a) 瞑想型法 (多くは東洋圏で誕生し,心を安定することで精神統一をはかり,創造への心構
えをつくる)
ヨーガ
禅
メディテーション
自律訓練法
b) 交流型法 (フロイトの精神分析などから始まったもので,カウンセリングの技法が中心と
なる)
ST
エンカウンター・グループ
TA
c) 演劇型法 (カウンセリングのドラマの技法を小集団に応用したもの)
心理劇
ロールプレイイング
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4. レポート課題
物心ついてから現在までを振り返って,
「きみにとって考えること」とはどのようなことかを A4 用紙
1 枚に書け。なお,文章の中に次ぎの点の中から少なくとも 3 つを含むようにすること。
1. 高等学校までの間に考えるということについて学校や家族その他関係者からどのように言われて
きたか。
2. 考えるということについて,これまで意識してきたこと,工夫してきたこと。
3. 記憶することと思考することの関係。
4. 「論理的思考とは何か」についての自分なり考え。
5. 考えるということに対するイメージ。
注意点:
・6 ページ以降の注意をよく読んで書くこと。よく読んで,もらうめために,注意を守らない場合は
減点する。
・注意事項表紙はつけず,1 枚に題名,学生番号,氏名を書くこと。
・あくまでも自分よりも,知識,経験,理解力が少ない第三者に向けて書くこと。
・何かを参考にして場合は,出典を書くこと。人のレポートを写したり,書物,WEB の記事を写し
たりした場合(多少の語句の変更も含む)F 評価(点数は満点にマイナスをつけた値)とする。
・特に同級生のレポートを写した場合は,誰がオリジナルであるかわからないので,その人に迷惑を
かける。人との相談はよいが,内容はあくまでも自分の言葉で書くこと。
・なるべく,ワープロソフトで提出が好ましい。
*提出期限: 4 月 14 日の授業開始前(教卓に提出)
やむを得ない理由で提出できない場合は,事前にメールで連絡して指示を受けること。
[email protected]
事後の提出の場合,提出としては認めるが,点数を 0 とする場合がある。
今回のレポートの評価基準: 次のような評価票(ルーブリック評価表)を使用
年
月
日
システム創造思考法第一回レポート評価票
観点
A
形式にしたがった記述
・内容を表す適切な題名が書
かれている。
読み手(想定読者)を配慮した
記述をしているか
・価値観や経験が違う人でも
充分理解できるように書かれ
ている。
・文体が統一されていてよみ
やすくなっている。
文法や記述
よく出来ている
学籍番号
氏名
B もう一歩
C. 改善必要
・A4 用紙使用して,余白を適
切にとっている
・項目分けが妥当で項目が揃
っている。
・手書きの場合は充分濃い字
で書かれている。
・自分だけしかわからない事
項についての充分な説明があ
る。
・文頭の接続詞として「なの
で」が使われていない。
・「形容詞連体形」+「です」や
「助動詞の連体形」+「です」な
ど「です」ですの誤用がない。
・学籍番号,氏名,題名が書
かれている。
・適当な分量書かれている。
* 該当する項目にマークして示す。(不備がある場合は☓をつける)
*A評価が 2 つ以上,B 評価が一つ以下であることがレポート受理基準。
*C 評価以下の場合は,何もマークせずに返却。
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・出題者に対する説明ではな
く,第三者向けの内容になっ
ている。
・「ですます調,である調」どち
らかに統一されている。
・段落分けされている。
・単語,術後などの誤用がな
い。
・送り仮名などの間違い。
資料 1 授業概要(シラバスの詳細版)
1. 学習教育目標:
・問題を発展的に解決,収束する方向で思考,ディスカッションができる。
・相手の立場を考慮,尊重しながら議論,交渉ができる。
・最終目的を見失わないで問題解決を図ることができる。
・自分(たち)で立案した計画,システムに対して説得力ある説明ができる。
・自ら調べたことを整理し,その問題点,解決課題を他人が納得できるように説明できる。
・実現可能な形で,説得力のある解決案を提示できる。
2. 授業詳細
L: 講義,GW: グループワーク,R: レポート,P: 配付資料,E: 演習,PR: プレゼン
第 1 回 ガイダンス,思考法と発想法(4/7)
解決課題提示
P: 授業概要,レポートの書き方,日本人には創造性があるか?
R: これまでの思考タイプ,レポート出題(翌週提出)
第 2 回 教育における思考法・発想法の育成 (4/14)
L: これまでの教育の歴史,OJT の歴史の中で,思考力,発想法,独創性育成が
どのように工夫されてきたかを簡単に(日本,西洋)。
← 家庭教育,職人の育成,宗教,軍隊,寺子屋,私塾,学校など
学校における学習と思考力,発想力
GW: グループ名,解決課題の選定(決定は次週) 理由を付けて提出
R: 課題について,自分ならどのようにするかを自由に考えて書く。
レポートは,第 3 回目の授業終了後に提出(GW で使用のため)
P: 授業概要のレジュメ
第 3 回 ブレーンストーミングおよび KJ 法を利用した課題解決システムの提案(4/21)
L: ブレーンストーミングおよび KJ 法概説
GW: ブレーンストーミングおよび KJ 法で課題に関する解を求める。
・・・ 完全でなくてもよい。途中でもよい。
R: 各自が自分のグループでの考えの概要をまとめ,それに対する課題,自分なりの考え。
討論後に気付いたことなどを書く。
*課題について,裏付けデータの収集開始。(グルーブで役割分担して調べる)
第 4 回 ワークデザイン概説および目的展開演習(4/28)
L: ワークデザインの概説。特に目的展開・手段展開について詳しく説明。
E: 目的展開演習
GW: 各グループの課題の中で,前回のグループワークで提案した解決案の中から
手がかりシステムを決め,機能展開を行う。設定目標レベルを考える。
R: 与えられた手かがりシステムを元に,機能展開する演習問題を出題。
さらに,グループ案で提案した解決案の中から,別の手がかりシステムをもとに機能展
開をする。
第 5 回 各グループの課題に対しての調査結果の報告(5/12)
PR: 各グループが報告書を書き,それを配付して説明する。
問題点とさらに調べること等について,意見交換する。
第 6 回 機能除去と代替案の創出(5/19)
L: 目的除去と代替案の創出について概説
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GW: 目的除去と代替案の創出によって,問題解決する
第 7 回 システムとインプットの決定(5/26)
L: システムのインプットとアウトプット,インプットの上方展開
E: 与えられたインプットに対して,アウトプットを考える。
GW: 考えているテーマに関して,インプットを決め,上方展開をする。
第 8 回 システムの設計: コンポーネント分割について(6/8) ← 6/2 は月曜日の授業!!
L: システムとコンポーネントの分割
E: 与えられたシステムについてコンポーネント分割をする実習を行う。
GW: 考えたテーマに関して,一部コンポーネント分割をする。
第 9 回 課題の整理と問題点の洗い出し(6/16)
GW: 与えた課題について,議論してアウトプットとインプットをはっきりさせる。
第 10 回: 課題の整理とアウトプット,インプットの発表(6/23)
PR: 課題を整理してアウトプット,インプットを発表する
第 11, 12 回 与えられた課題に対するシステム案の検討(6/30, 7/7)
GW: 今まで習得した方法を駆使して,解決システムを設計する。
第 13 回 システム案の中間発表 (7/14)
第 14 回 GW: 中間発表に基づくシステム案の修正 (7/21)
第 15 回 発表と講評 (7/28)
第 16 回 期末試験 (未定 8/4?)
1) 基本的事項の習得状況試験
2) グループワークでやったことの理解
3. 成績評価方法:
個人のレポートとテスト,グループのレポートで評価する。
個人レポート:テスト:グループレポート = 4:4:2
レポートなど:
1) 個人レポート
主に基本的な技法についての演習を主とする。提出は原則として出題の翌週とする。やむを得
ない事情以外は遅れて提出することを認めない。添削して,全員に返却する。注意点などは別に
印刷して配付する。原則として毎週出題する。*遅れる場合はメールで指示を受けること。
*図も含めて,できるだけワープロソフトを使用して書くこと。
2) グループのレポート
① 調査レポート
課題に対するレポートをグループで提出。数値データを含む現状把握の状況を書く。文献を明
記すること。その結果について,口頭で発表する。(第 5 回目)
② グループワークの発表
原則としてグループワークの結果を提出する。その結果については,必要に応じて,グループ
に返す場合と,全体をまとめて全員に配る場合がある。できるだけ,全体に配るようにしたい。
3) テスト
① 基本的習得事項の確認
・目的展開(実際にやる)
・与えられたアウトプットに対してインプットを考える。
・インプットの上方展開
・コンポーネント分解
② グループでディスカッションしたことについて,自分なりの意見も加えて,要約して述べる。
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資料 2
平成 27 年 4 月 7 日
レポートの書き方に対する注意(創造システムデザイン)
レポートの書き方について記す。レポートは内容だけではなく書き方についても採点の対象にする。尚,
特別な形式で各必要のあるレポートについてはそのつど形式を説明する。
尚,レポートは原則としてワープロソフトで書く。
1. レポートを書く目的
本授業担当者は下記の目的で全ての授業でレポ
ートを課している。
① 自分の理解した内容を伝えたい読者を想定
して,分かりやすく書く練習をする。
② 社会人になって,報告書を書くための準備を
する。
③ 他人に分かるように書くことを通じて,自ら
理解する事を体験する。
④ 他人に分かるように書くことを通じて,他人
の理解力,立場などに思いをいたすことの重
要性を知る。
⑤ レポートにまとめる段階で計算の考え方な
どを論理の流れに従って説明文をつけて略
さずに書く練習をする。これを通じて,論理
的な考えを身につける。
⑥ 物理などの複雑な問題に対しても論理の流
れに従って考え,計算ができるようになる。
①~④どんな職業についても役に立つ⑤,⑥は
主に専門科目に対するものである。
通常は,レポートの右上角に次の目的で日付を
明記する。
① いつ実施,報告したかを記録する。
仕事のレポートでは,実施時期を明確にする必
要がある。執筆日を書くのが本来の姿であるが,
授業のレポートの場合提出日を書く。
2)「A4」1 枚の原則
企業や官庁等では次の目的で A4 の用紙 1 枚に
書くことを原則としている。
① 多忙な人でもすぐに内容を理解し判断できる
ようにする。
② 用紙のサイズを統一することにより,ファイ
ルしたまま読みやすく,整理やコピーも容易
にする。
③ データ,考察等が多く,1 枚で書ききれない
場合は,1 枚目に判断に必要な概要を書き,
詳細は「添付資料」とする。
*「システム創造思考法」では,ワークの図表や
2 形式
レポートを書く上で,形式が重要である理由。
① 必要な情報がどこにあるのかが一目で判断で
きる。
② 社会人の書く報告書は,忙しい人が読んで短
時間で判断できる必要がある。
③ この授業では,翌週に返却するために短時間
で見て判断する必要がある。
1) 学年,学科,氏名の標記
図 1 のように学科名,学年を表題の後の右端に
書く。書く目的は以下の通りである。
① どこの誰のレポートがすぐ見て,判断す る。
② 効率良く番号順に仕分ける。
③ 所属,学年などを見て中身を評価する。
(共通教育科目の場合)
2) 日付の明記
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図 1 レポートの書き方の例。
詳しい説明が必要になるので,一枚目に「何
の目的で何をやったか?」
「その結果どのよう
な結論が得られたのか?」「今後何をすべき
か。
」
「今後何をする予定なのか?」などを A4
一枚に書いた上で,二枚目以降に詳細を書く
こと。グループワークの報告書も同様。
3) 書類はファイルする
保存のためファイル出来るように考慮する。
① 紙のサイズは A4 に統一する。ページがスム
ースにめくれるように,
② A4 では小さい場合は, A3 用紙(A4 の 2 枚
大)を折ってファイルに綴じる。
③ 書類は左側に穴を空けてファイルする。両面
印刷や両面コピーを取ることも考慮し,左右
は 2~2.5 cm 空ける。
④ メモを書き込むスペースを確保するため,上
下 3 cm 程度の余白を空ける。
② そのため,読む気を起こさせる題名を考える
ことが重要。
新聞の見出しを考えてみて欲しい。
レポートでは,
「~について」という題を見受け
るが,
「について」は多くの場合省いた方が好まし
い。
4.内容
1) 想定読者への配慮
レポートは,想定読者がこれだけ読んで分かる
ように書くこと。そのため,次の点に留意する。
① 教科書やノートなどの記述などを参照しな
いと分からないような書き方はしない。
② 難しい言葉は極力さける。
③ 想定読者が知らないと思われる言葉は説明
を簡潔に書く。
④ すぐあとで,言葉の説明をする場合でも,新
しいことばには,
「~という」とか「~よば
れる」という表現にする。知らない単語を見
ると,大抵の読者は引いてしまう。
⑤ 図やイラストをうまく用いて説明する。
3) コピーをとることを考慮
コピー出来るように,次の点に留意する。
① 余白を取る
紙の周辺の文字や画像はコピー出来ない
② 充分濃い文字で記述
鉛筆で書く場合は,B か 2B を使用する。
③ カラーを使用する場合は,モノクロコピーを
とっても内容が判断出来るようにする。
④ 枚数が多い場合
各ページに氏名,ページ番号と全ページ数を
記す。
1/3, 2,/3, 3/3
(全ページ数が 3 ページの時のそれぞれ 1, 2, 3
ページ)
④の各ペーシに氏名を書くことは,コピーなど
でバラバラになったときへの配慮である。企業な
どの報告書を書く場合,必ずしも必要ない。
*授業のレポートでは,コピーするためクリップ
止めで提出すること。
3. 題名
題名は,レポートの中で一番重要である。
2) 説明内容
① あまりにも多くのものを盛りこもうとせず,
論点を絞り込むこと。何を書くかよりも,何
を書かないかが,大切になることもある。
② 自分の主張が明確になるように書くこと。
③ 参考文献に書かれていることと,自分の意見
の違いを明確に書くこと。人の意見をあたか
も自分の意見であるように書くことは極力
さけること。
④ 実際の想定読者より,理解レベルを下げて書
くこと。一般の成人が読者対象であっても,
小学校 5~6 年生で中くらいの成績の児童の
知識と理解力を想定するのが無難である。
⑤ なじみの無い言葉については,たとえ簡単な
ことであっても,導入の説明をすること。読
者は,知らない言葉に対して拒絶反応がある
と考えた方が良い。
⑥ 「想定読者」の立場や予備知識を良く考え,
読者が無理なく理解できるように書くこと。
⑦ 書く人は頭を最大限使い,読者にとって頭の
負担が少なくて済むように配慮すること。
① 見出しを見て,大体の内容を知るとともに
読むかどうかの判断をする。
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3) 文章
① 文章は想定読者に理解してもらいたいと思
って,語りかけるような気持で書く。
②「ですます調」の方が語りかける気持になり
やすい。
③「ですます調」
,
「である調」のどちらでも良
いが,どちらかに統一すること。企業の報
告書の場合は「である調」で書く。
④ だらだらと長く続いた文章や,接続詞が多す
ぎる文章良くない
⑤ 「~たり」という文章は「~たり,~たり」
と対で使用する。間違った用法のものもあ
ったので注意すること。
⑥ 接続詞として「なので」という言葉を使って
いるレポートを多く見かける。文頭につか
う「なので」は最近のはなしことばである。
省略しても意味が通じる場合は,削除する。
書き言葉として適当な言葉に置き換えるこ
と。同様な意味で文語的な「ゆえに」とか
「よって」は使わない方がこのましい。口
語の書き言葉で使われる適当な接続詞に置
き換えること。
⑦ 「です」の間違った表現
「多いです」
「ないです」のような「形容詞
連体形」+「です」は,正しくは「
「多いので
す」
「ないのです」
「ありません」ように表す。
「したいです」のような「助動詞の連体形」
+「です」は,正しくは「したいのです」「し
たいと思います」とすること。
4) 図,イラスト
① 分かりやすい説明のために,図やイラストを
有効利用すること。
② 図の下に図番号と図の説明を書き,本文中で
は図番号で引用すること(図 1 参照)。
③ 図は必ず,本文で引用して説明すること。う
まく引用すると分かりやすい説明が書ける。
④ 文献などを引用した場合は,図 1 の中の例の
ように図中に文献番号を明記する。
⑤ 出版したりインターネットで公開したりす
るときには,著作権者の許可が必要である。
⑥ カラーを使うと,図は分かりやすくなる。但
し,白黒のコピーを取っても分かるように配
慮すること。
5. 参考文献
1) 参考文献の記載
参考文献を書く目的は
① オリジナルの情報やアイディアの出所を
示す。
② 読者がもっと詳しい情報を知りたいとき
に参考に出来るようにする。
①は,文章を書く上での基本的なマナーである。
解説書のようなものであれば,巻末に示せば充分
だが,学術論文などでは明記することが必要であ
る。
②の目的で参考文献を書く場合は,読者が文献
を入手できるような情報を書かなければならない。
通常次のように書く。
著者名「書名」出版社名(発行年)
例えばこの授業の教科書の場合レポートの最後に
参考文献
1) 葛生 伸「石英ガラスの世界」工業調査会
(1995)
参考文献が複数の場合,1),2),・・・のように番号
をつけ,本文中では番号で引用する。
2) インターネットを参照する場合の注意
インターネットの情報は玉石混交である。間違
った情報が入っている場合も多い。さらに,断り
無く,ページを削除したり改変したりすることが
ある。そのため,読者が確認しようとしても,確
認不能であったり,内容が変わったりしている場
合も多い。そこで,インターネットは情報を検索
するための一つの過程として,できるだけ書物な
どの出版物で確認を取るようにすること。
やむを得ない場合は,URL のみならず,題名な
ど特定できるものを書いてから引用すること。
3) 参考文献と引用文献の違い
参考文献を引用文献と書いてあるレポートが
目に付く。参考にして,レポートを書いた場合は
「参考文献」である。引用とは,レポートの中で
必要に応じて,参考文献の中の文章をそのまま示
すことが適当な場合,必要最小限カギ括弧「」を
つけて示すことをいう。その際,引用の旨を断る
とともに,誤字脱字も含めてそのまま示すこと。
読者が誤字と判断しても,著者は別の意図で書い
てあることもある。文系では引用をしばしば用い
るが,理系の場合引用することは少ない。
以上
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平成 23 年度「創造システムデザイン」第一回授業配布資料 H23.4.13
3 限目 113M 講義室
資料 3: 解決課題一覧
課題
以下の中から,グループで一つ課題を選び,解決するシステムを提案すること。システムのデザイン
に当たっては,社会の最大多数の便益をはかるとともに,環境保全,エネルギー資源の節約,資源の節
約にも充分配慮したものであること。さらに,現在利用可能な信頼できるデータに基づき,現状の問題
点を把握した上で,解決策を提案すること。
解決にあたっては,原理的に実行可能なものであること。但し,既成概念にとらわれず,自由に発想
するように心がけること。人々の心情,社会慣習などは尊重しつつ,従来の社会通念にとらわれないよ
うにこころがけること。
ここに書いてある前提条件は,あまり陳腐な発想にならないためのヒントくらいに思い,それよりも,
ずっと斬新な考えがあればそれに必ずしもとらわれなくてもよい。
1. 未来の交通システム
昼間の工場やオフィスの駐車場には,通勤用の自動車が使われずに駐車されている。大きな駅のタ
クシー乗り場では,多くのタクシーが客待ちをしている。このような状態は,いろいろな面で非常に
無駄のように思える。最近では,カーシェアリングなどの試みも始まっている。しかし充分とは言え
ない。公共交通機関の利用は,都会では便利であるが地方では待ち時間が長いなど必ずしも便利とは
言えない。このような,問題を解決して,世の中にある資源を有効に利用しつつ,便利で,低料金で
行きたいところに,できるだけ待ち時間なくいけるようなシステムを考えよ。但し,事業者の利益は
確保するとともに,人々の雇用を充分確保できるようなシステムであること。
2. 税金の効率的な徴収・利用システム
現在の税金は,国税,地方税にわかれており,税金の徴収もそれぞれの機関が行っている。さらに,
給与所得者は給与から天引きされるが,その他は申告する必要がある。さらに,様々な間接税や税金
ではないが,年金,健康保険など国が徴収する様々なお金がある。
税金の使い道については,情報は開示されているものの,必ずしも明白にはなっていない。最近行
政の支出の合理化や地方分権などの話もでている。このような状況を踏まえ,税金,年金,保険料な
どを確実にしかも低コストで徴収するとともに,支払う側に公平感と透明性を持ったシステムを考え
よ。このシステムを考えるに当たっては,人材の有効利用,雇用に確保という観点も充分考慮するこ
と。
3. 地域の人の交流の場としての大学の活用
現在,大学では学生の教育だけではなく,地域の人たちのための受講制度や公開講座が開催されてい
る。これらの講座には,社会の一線を引退したちが多い。それらの人は様々な経歴をもち,様々な経
験,知識,技能を持っている人が含まれている。さらに,大学の設備は休日夜間開いている場合もあ
る。休日は有料で解放しているが,夜間の利用はあまり多くない。また,企業から技術相談や共同研
究のために訪れる人も多い。このような状況を考慮して,大学が多くの人たちにとって,有益な場と
なるような仕組みや取り組みを考えてほしい。大学は,大学の構成員(学生,教職員)だけではなく,
シニア層,企業などの人,小中高校生に対して,交流を深め,学び合い,教え合いができるような場
となるように考慮すること。
4. 江戸時代の社会に学ぶ新たな社会システム
江戸時代には,様々な職業があった。物品の販売,修理,リサイクル,リユースなども,家々を
まわって行っていたものも多い。さらに,ファーストフードやレンタル業者の走りもいて,現在の
仕事につながっているものも多い。さらに,身分制度が厳然とありながら,職業によっては,出身
の身分にかかわらず,登用されていた例もある。このような江戸時代の職業や社会システムを調べ
た上で,これからの時代,省資源,省エネルギー,雇用の確保を図ることができる具体的な職業を
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平成 23 年度「創造システムデザイン」第一回授業配布資料 H23.4.13
3 限目 113M 講義室
含む社会システムを提案せよ。提案にあたっては,残りの天然資源の枯渇について考慮するととも
に,社会全般として雇用が充分確保できること,人材の育成,発掘が充分できることを前提に考え
ること。
5. 家電製品・家具などの有効利用
家電製品については,これまで大量生産による低コスト化が進んできた。それに伴い,性能の良い
製品が手頃に手に入るようになってきた。しかしながら,製品寿命が比較的短く,買い換え需要が
あることが前提となっている。リサイクル法なども施行されて,回収,資源化は進んでいるが,資
源,エネルギーの見知からすると無駄が多いと感じられる。このような状態を改善して,修理しな
がら長く使おうとすると,コスト高になるばかりではなく,雇用の確保という面からも問題がある
だろう。そのような,問題を解決して,資源の無駄をなくすとともに,家電製品をいつも最良の状
態で利用できるようなシステムを考えよ。提案にあたっては,社会的に雇用が充分に確保できるこ
と,これまで通り,低コストで家電製品を利用できること,関係企業は(行政機関の補助金などなし
に)充分収益を上げられることを考慮すること。
6. 建物,電気などの社会インフラの有効利用
オフィス,学校などは夜間有効に利用されていないことが多い。また,電力も夜間電力料金の割
引で,冷暖房,給湯用などに利用は推進されているが,夜間には余剰電力が生じる。これは,いろ
いろな意味で無駄であると感じる。このような無駄をなくすために良い方法を考えよ。考えるにあ
たっては,現在利用できるデータを充分調べ,定量的に示すこと。さらに,雇用の確保という事を
充分考えること。また,オフィス,学校などを有効利用するにあたっては,そのリスクについても
充分考え,安全策も含めて提案すること。
7. 対人関係の苦手な人の活用
ニートや引きこもりの人の中には,ある面の能力は優れているが,対人的な問題や生まれつきの認
識能力の問題を持っている人も多い。そのような人たちの実態を充分しらべ医学的,臨床心理学的
な背景も踏まえた上で,それらの人たちを充分活用するシステムを考えよ。そのような人たちが学
校教育の中で躓かないような支援システムや周囲で支える人たちを増やすための啓発活動も含めて,
活用していくシステムを提案すること。システムを軌道に乗せるまでの間は,ある程度公的な資金
の援助も短期間考えても良いが,定常的に動き出した後,独立採算できるシステムを考えること。
8. 様々な能力,資質を持った人の教育,人材活用システム
学校では,様々な能力資質を持った人が学んでいる。中には,一部の授業にはついて行けるが,他
の面で学校生活に困難を伴う人も多い。そのような人の中には,特別な能力を持っている者も多い。
さらに,能力的には,それほど劣っているとは思えないが,途中で躓いている人もいる。そのよう
な人たちも含めて,最大限に能力を発揮できる教育システムを考えよ。但し,そのことによって,
多くの他の児童生徒が不利益を被らないようにすること。さらに,特別に教員を増やすなどせず,
現在の教育予算内で考えること。
9. 有休農地,森林の有効活用
過疎の村など農業後継者がいない土地がたくさんある。また,国有林の管理業務の縮小によって森
林の荒廃が懸念される。一方,製造業従事者などを中心に失業者も確実に増えている。農業や林業
への転業なども推進されているが,収入の問題や労働条件の問題からなかなか転職者が現れない。
これらを解決して,農林関係の従事者を増やすシステムを提案すること。提案にあたっては,現状
をデータに基づき把握するとともに,収益を適正に上げつつ,一定のレベルの生活が保証できるシ
ステムを考えること。なお,農業従事者は自営業,林業は被雇用者などといった既成概念にとらわ
れず,自由な発想のもとに考えよ。
10. 介護従事者の確保システム
高齢化にともない,介護者の確保が必要になってきている。失業者が介護資格をとって従事するこ
ともあるが,労働の厳しさ,収入の低さから従事希望者がなかなか増えないのが現状である。介護
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保険制度も導入されたが社会的に介護従事者に充分な報酬を払うのは困難のように思われる。そこ
で,介護保険などを支払っている将来の被介護者や現在の被介護者の経済的負担を増やさずに,介
護従事者を確保するとともに,介護従事者に充分な報酬を支払えるようなシステムを考えること。
考えるにあたっては,社会システムだけではなく,機械や介護犬などの動物など人以外の活用も考
えてもよい。場合によっては,他の仕事とうまく組み合わせて人材確保することも考えてもよい。
11. やり直しがきく社会システム
現在の日本では,一定の年齢までに,正規の学校教育を受けないと就職や転職などが不利になるこ
とが多い。社会人になってから他の道に転身したいといっても,なかなか採用してもらえないとい
う問題もある。さらに,社会人になって,家族を養わなければならない状態になって,学校に入学
するのは経済的負担が大きい。そこで,個人の経済的負担が少なく,転職も可能なシステムを考え
よ。そのための,法律改正などを考えても良いが,税金での直接負担は最小限にするとともに,本
人の経済的負担も極力少なくするシステムを考えること。
12. 高齢者が活き活きと健康で社会に貢献しながら長生きできるシステム
高齢者人口の割合の増大に伴い,年金,介護,健康保険などの社会的負担増が問題になっている。
今後この問題は益々深刻になってくるものと考えられる。一方,高齢者の中には,健康で多様な経
験を持った者が多い。その人たちを有効に活用することにより,高齢者が健康で長生きできるよう
にするシステムを考えよ。高齢者が健康で社会貢献することによって,医療費の削減,介護費用を
削減するとともに,より若い世代の税金などの負担も軽減することも考えること。また,今まで通
りの年金などももらえ,ボランティア的な仕事に就くことができる人もいることも考慮すること。
特にシステム構築に当たっては,若年者の労働力不足を補うのではなく,年配者ならではの役割が
あるシステムを構築すること。
13. 医療の地域格差をなくすシステムの開発
近年,僻地はもとより都会でも医師不足などが深刻になってきている。そのため,僻地だけでは
なく,地方での医療体制の整備が求められている。これを解決するためのシステムを考えよ。シス
テムを考えるに当たっては,現職の医師の教育システム,医師以外のコメディカルの養成システム,
労働形態,医療機関と地域の連携,医療機器の開発,多様な医療従事者の育成システムなどを考え
ること。
14. 社会の問題点,意見を柔軟に反映して自己改善できる行政システム
行政システムには,ある程度硬直性が必要と考えられる。なぜならば,ある点に不具合があるか
らといって,その点をやみくもに改善していったら別の不具合が出てくるからである。そのような
状況を充分踏まえた上で,社会情勢の急激な変化などについても,柔軟に対応でき,しかも大多数
の国民,市民が不利益を被らなくて良い行政システムを考えよ。但し,高潔な人格をもち,優れた
能力がある指導者がいないと動かないシステムではなく,どのような人が為政者になっても,どの
ような事態になっても柔軟,有効,公平なシステムを考えること。
15. システム的に創造的に物事を考えられる人材を育成する学校教育システム
システム的に創造的に物事を考えられる教育システムを考えよ。学校教育だけではなく,家庭,
社会などあらゆる環境との相互作用も考慮に入れてシステムを考えること。システムの構築にあた
っては,そのような能力育成を目的とした授業ではなく,従来型の授業の中でもそのような能力育
成がはかれるシステムを考えること。また,教育者の育成システムも考えること。そのために,数
世代かかっても良いとして長い目で見たシステム構築を考えること。
16. 教え合うことにより教えることと学ぶことを一体化した教員の力量向上システム
人の教えることは,自分が学んだ事を理解するための一つの確実で効率的な方法であるはずであ
る。その点,教員は物事を深く理解できるはずである。現実には長年同じことを教えているためか,
必ずしも自信を持って教育ができない人も多い。また,自分が長年教えることに慣れてしまって,
いるので学び始めた時のつまずきや,わかりにくかったことを忘れていることが多い。また,自分
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が苦手だった科目について,どのような点で難しかったのかを忘れているケースも多い。そこで,
学校時代苦手だったことも含めて絶えず新しいことを学び続けることをシステム化することによっ
て,自分の理解を深めるとともに,つまずくとまでは行かなくても,(勉強が手に付かないというこ
とも含めて)学びにくいと感じている生徒の気持ちや難しいと思えるところを想像する手がかりに
なると考えられる。以上のことも考慮して,教員が真に自分で理解を深め,さらに児童生徒がそれ
ぞれ,学びにくいと感じているところを想像できる能力を育成するためのシステムを考えよ。
17. ユーザーの声を的確に吸い上げ,商品開発,サービス向上に反映できるシステム
消費者から見てありがたい商品を作ることが,売り上げ拡大に結び付くはずであるが,必ずしも,
うまくいっているとは限らない。小売店などで客がいろいろな意見を出しても,その真意が生産者
に伝わっているかどうか疑問である。また,クレームや意見ではないが,消費者のつぶやきや,声
なき声を上手く吸い上げるシステムができるとよい。このような,声を吸い上げる場合,同じ言葉
で言っても,言ったものと聞いたものが別の意味にとることもある。そのような誤解は,折角の声
を無駄にする場合もあるだろうし,逆に「創造的な誤解」として全く新しい概念の商品を開発する
ことにつながることもあるだろう。そのようなことを踏まえて,ユーザーの声を創造的に吸い上げ,
商品・サービスの改善に寄与できるシステムを考えよ。
18. 勤労者が安心して働きながら子育てできるシステム
現在保育所の不足が指摘されている。共稼ぎの場合,祖父母が面倒を見るか,充分な保育施設が
ない限り子育てが難しい。また,幼い子をもつ母親が残業,出張などをする上で障害がある。まし
て,母親または父親が 1 人で子育てをするような場合の障害はさらに大きい。残業,出張などが限
られることにより,キャリヤーアップや従事できる職種が限られることもある。そのようなことも
考えて,勤労者が自分の力を充分発揮できる仕事をしながら,子育てもできるシステムを考えよ。
現在育児休業制度が導入されているが,給付金の額も充分ではなく,勤務している企業および同僚
への負担も大きい。このような問題も踏まえながら,勤労者が安心して働きながら子育てできるシ
ステムを考えよ。特に,母子家庭,父子家庭での親が,自分の就きたい仕事に従事しながら子育て
に当たれるようなシステムを考えること。また,特に 3 歳児未満では親,特に母親の語りかけやス
キンシップが大切である。そのことも充分行えるシステムを考えること。
19. 母親の子育ての経験を教育現場に反映できるシステム
母親は,子育てを通じていろいろなことを学んでいる。さらに,子の親とのつきあいや子の友達
とのつきあい,学校での児童の親としての立場など教育に対して根本的なことを学べる機会が多い
と考える。そのため,小学校などの教員が子育てのために一時離職したあと復職することも有効で
ある。男性教員はそのような経験はしにくいと思うが,そのような経験を上手く教員として学校教
育にフィードバックできるようなシステムを考えること。そのような経験をした教員が自らの教育
だけではなく,同僚の教員にもその経験を伝えられるようなシステムを考えること。
20. 地方に主力工場のある会社の東京などの大都市での営業要員の勤務形態
地方に主力工場のある会社で,東京に本社や大きな支社,営業所を持っている会社は多い。しか
しながら,都市部では家賃が高いなどの問題がある。そこで,一つの方策として,営業要員は社宅
を SOHO(自宅を小さなオフィスとする)として,社宅を足場に営業活動に行くという方式を取れ
ばコストが削減されるように思われる。ところが,同僚同士のコミュニケーションや上司と部下の
コミュニケーションが取りにくくなるなど欠点も多く考えられる。そこで,そのような問題点を克
服して低コストで,効率的にしかも社内の人間関係を良好に保つことができるようなシステムを考
えよ。
21. 仕事をしながらキャリヤーアップできるシステム
日本の企業に就職することは,就職よりも就社と言われているように,社内に入ってから,様々
な職種を移動する場合も多い。その際,それまでの経験が良く活かされることも多いが,中途半端
にいろいろな部署を回ることによって,技術や力量の向上につながらない場合も多い。場合によっ
ては,適性が無いと判断された社員が色々な職場をたらい回しにされるケースもある。そこで,様々
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な力量・能力を持った社員が上手く力量をアップでき,適材適所で働けるようにそれぞれの適性を
見極めながら力量アップを進めていけるシステムを考えよ。そのために,随時研修,通信教育など
外部の力を借りたり,心理,教育などの専門家のアドバイスを受けられたりできるようにするとと
もに,職場経験を能力育成のためにどのようにつなげて行くかを有効に考えること。
22. 様々な分野の大学を出た人,様々な職歴の人を小学校教員にするシステム
様々な職歴な特殊な経験を持った人を教員に任じるべく,教員免許には「特別免許状」などとい
う制度も作られた。また,教員未経験者が校長になるという制度も取り入れられた。しかしながら,
これらのシステムは必ずしも上手く機能しているとは言えない。本来ならば,これら多様な経歴を
もった教員が切磋琢磨して,お互いに自分の持っていることを教え合えば,非常に教員の資質が上
がるように思われる。しかしながら,現実には教員にゆとりがなくそのようなことをするのは,現
実的には難しい。そのような現状を踏まえつつ,多様な経歴を持った教員たちが切磋琢磨すること
によって,力量育成するとともに,教育の質を高めることができるシステムを考えよ。併せて,大
学で様々な分野を専攻した人を小学校教員に育成するシステムを考えること。
23. 事務的労働を効率化するシステム
日本は,工業生産における労働生産性は高いが事務的な仕事に対しては労働生産性が悪いと言わ
れている。事務的な仕事については,非定型な仕事も効率などを測りにくいということ,単純労働
ではないため個人的な差が大きいことも一つの要因であると考えられる。そこで,事務的な仕事に
対する労働生産性向上のための方策を考えよ。システムを考えるにあたっては,個人的な能力差,
性格の違い,管理職の性格の違いを充分に考慮するとともに,メンタルな面も含めて労働衛生面で
の充分な配慮をすること。
24. ポスドク(博士研究員)を社会で活用するシステム
大学院で博士号を取ったあと,多くの人はポスドク(博士研究員)として,大学や研究所などの
任期制のポストにつく。しかしながら,大学などのポストが限られているため,ポスドクでの転職
を繰り返し,安定した職を得られる人は少ない。そこで,それらの人を上手く活用するシステムを
考えること。大学などの人事システムなども改革することを考えても良い。
25. 産学官連携を上手く推進するシステム
産学官連携が進められている。国からはいろいろ助成金などもあり,大学,企業が連携した共同
研究なども推進されている。さらに,企業と大学の間で共同研究が盛んに行われている。しかしな
がら,企業と大学でそれぞれ観点が違っているためにコミュニケーションが上手くいかず,必ずし
も有効に働いているとは言えない場合も多い。そこで,産学官連携が有効に働くシステムを考えよ。
システム構築をするに当たっては,大学院で博士号を取った人やポスドク,その他の人材の活用を
考えること。
26. 未来の放送,情報伝達システム
デジタル放送が始まり,インターネットが発達してきたが,これらの活用は充分になされている
とは言い難い。これからも,様々な工夫の余地があるものと考えられる。情報伝達としては,様々
な形が考えられる。人と人とのコミュニケーションも情報伝達である。車を運転しているときに,
事故を起こさないのも人間が様々な情報を受けて,それを判断しているからである。情報を広い意
味にとらえて,それを活用してより快適で便利や生活ができるシステムを考えよ。但し,便利さの
ために体力やその他の能力の育成を阻んだり,衰えたりすることがなく,生存意欲の減退をもたら
さないように,人間の生理面,心理面を充分考慮すること。
27. 素人でもオーダーメイドできるシステム
パソコン,プリンタの発達にともなって,素人でも,個人的に書物をつくることができるように
なってきている。店のチラシなども多少のデザインセンスがあれば自分でできる。このようなこと
は,わずか数十年前ではできなかった。同様なことが衣服,機械など物品に対してできたらすばら
しいと思う。最近 3D プリンタが普及しはじめているので,ますますそのようなこうは現実てきにな
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ってきたように感じる。そこで,アイディアを思いついたら,素人でも設計,デザインして少量で
も低コストで作れるシステムあるいは装置を考えよ。
28.社会的な指導者層を育成するシステム
日本では,実社会で活躍する多くの人材を教育するシステムが学校や職場などである。しかし,
政治家や企業などのトップクラスの層が必ずしも育っていないように思われる。そのような人たち
(真の意味でのエリート)を育成するシステムを考えよ。ここでいう,エリートとは,特権意識を
持たず,公正無私で,目先の利益にとらわれず,全世界的な視野を踏まえて,将来に亘る影響を考
えられる人のことをいうことにする。さらに,長い目でみて正しいと考えた場合は,たとえ自分が
悪名を受けても歴史が証明してくれると考え,正しいと信じることを遂行することができる人であ
ること。
29. 交通事故が起こらない安全な交通システム
交通事故を起こすと,被害者も加害者も悲惨である。また,飲酒運転も後を絶たない。飲酒をし
ないものの,風邪薬を飲んだ時や,疲労しているとき,悩みごとや,仕事上で深く考えている時の
運転は危険である。このような時の運転を取り締まるのではなく,どんな状態でも(たとえ居眠り
をしていても)安全に目的値に到達できる交通システムを考えよ。
30. ある教科が苦手な人をその教科の教員とするシステム
児童・生徒は様々な理解の仕方,学び方があるものと思われる。ある科目が苦手という人は,そ
の教科特有の考え方について行けないとか,ほんのチョットのことが理解できないとかでつまずく
人も多い。また,深く考えるために実はその教科関連で適性がありながら,つまずく人も多いとと
思われる。その教科は苦手では無い人は,苦労しないことでも苦手なひとにとっては,大変だとい
うことも多いだろう。苦手に輪をかけているのは,その科目の学習に適性がある人が教師になると
ともに,教科書の編集もそのような人たちが主となって行っているという問題があるように思われ
る。そこで,学校時代その科目が苦手だった人が教師になれば,苦手という気持ちも分かり良い教
育ができるようになると思われる。さらに,その教員が苦手な人に対する教育の方法論を開発する
ことに寄与すれば,学校時代得意だった教員の教育能力が向上し,社会全体が良くなると考えられ
る。そのような事が,有効に働くシステムを作れ。
31. サービス業・小売業における接客能力の育成システム
サービス業や小売業など接客をする仕事においては,顧客をつかむかどうかは,その人間のチョ
ットした配慮や人間性が関係することが多い。チョットした声かけによって,リピーターが増えた
り,商品をついでに買ってくれたりということもある。逆に,販売員によっては,説明を聞いてそ
の商品を欲しくなるがその人からは買いたくないと思うことがある。これは,生まれつきの性格や
気配の能力などに関係していると考えられる。このような能力を育成することは,通常難しいと考
えられる。それを教育するシステムを考えよ。
32. 社会全体のゼロエミッション化をはかるシステム
製造業などでは,不要なものを原料化するなどして事業所外に廃棄物を出さない「ゼロエミッシ
ョン」と呼ばれる状態を目差している企業も多い。ゴミの資源化,廃熱の有効理由,電力・エネル
ギー使用のモニター化など可能な手段を駆使して,社会全体をゼロエミッションに近づけるような
システムを考えよ。考えるにあたっては,全世界的な資源などのバランス,人材の活用を考えると
ともに,廃棄物を他国に押しつけるようなことをしないようなシステムを考えること。
33. 幼児虐待を防ぐ教育システム
家庭内の幼児虐待が社会問題になっている。幼児虐待の原因は単純ではないと考えられるが,そ
の実情を良く調べた上で幼児虐待を防ぐ上での広い意味での社会教育システムを考えよ。原因の一
つとして,核家族化,地域社会などでの社会での人間性教育力不足,高学歴化に伴い,仕事などか
ら学ぶ機会の高年齢化など現代社会のいろいろな側面を考慮して,それを社会的に補い,結果とし
て幼児虐待を減らすことのできるシステムを考えること。
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34. 学校の勉強で一度つまずいてもたやすく立ち直れる教育システム
学校教育の中で,チョットしたことがきっかけでつまずく児童・生徒が多い。その時,自分でそ
れを補えるだけの能力がある子は良いが,そうでないと分からないままに授業が進み,益々分から
なくなるということが多い。つまずきの原因はいろいろ考えられるだろうが,その生徒の理解パタ
ーンに会わなかったことや,理解のスピードなど様々であろう。それを補うには,塾や家庭教師と
いった方法もあるが,経済的にも難しい人もあるし,その子の適した塾や家庭教師を得られないこ
とも多いだろう。人間形成をする上で,不得意科目があるのは,むしろ好ましい面もあるが,躓き
の内容によっては,不登校や反社会的な行動にでる原因となることもあるだろう。公立の小中学校
において,そのような躓きを少なくして社会人になるための準備ができるシステムを考案せよ。但
し,あくまでも本人の理解との増進と,それから社会人になってその人の能力に応じて生きるため
に必要な力(人間性,理解力,判断力など)を与えることを目的としたものであり,優等生を製造
するための仕組みではないことに留意すること。
35. 統一個人認証システム
「住民基本台帳ネットワークシステム」については,様々な問題が指摘され有効に活用されていな
いが「マイナンバー」の導入で,さまざまなことが便利になるかもしれない。一枚のカードや認証
システムで身分証明,免許証,保険証,パスポート,クレジットカード,銀行のキャッシュカード
を兼ねることができれば便利だろう。病歴,犯罪歴などがわかり個人的に問題だとか,DV から逃れ
た人が逃げられなくなるなどの問題も考えられる。一方で,犯罪者の管理などをすることによって,
犯罪の防止などにも役に立つかもしれない。また,紛失した場合どうするかと言った問題も出てく
るだろう。そのような問題を全て考えて,必要な人がその人にとって取得を許された情報だけを得
られるようにして,一つの認証方式で様々なサービスが受けられるシステムを考えよ。できれば,
カードなどの物理的媒体を使用するとともに,本人の状態によって複数の認証システムを考えよ。
36. 犯罪者の再犯防止システム
犯罪といっても,様々である。原因も様々である。やむにやまれぬ事情で 1 回罪を犯して,二度
と犯罪をしない人もいれば,常習性の犯罪者もいる。病気が原因の場合もあるし,生活ができなく
て,刑務所に戻りたくて犯罪をする人までいる。再犯の原因の一つには,出所者の社会復帰の難し
さもあるだろう。様々な,犯罪者と刑期を終えて社会に出た人の実態を充分調べた上で,再犯を防
止するためのシステムを考えよ。刑をおえた人の社会復帰の問題だけではなく,犯罪常習者の心理
的,医学的な面とそれを踏まえた広い意味の教育,医療の面も考慮に入れること。必要ならば,刑
罰のシステムの改善も含めて考えてもよい。
37. 社会の中で困っていることを救うシステム
社会の中には,様々な問題がある。人知れず困っていることが,報道などで明らかになることも
ある。さらに,問題点を改善したつもりが,新たな問題を生むことがある。変えたらどうなるかを
予め知る事ができたり,顕在化した時点で速やかに修正できたりしたら良いであろう。そのように,
問題点を予測したり,顕在化の予兆をフィードバックしたりすることができるシステムを考えよ。
38. 経済的に効率的な行政システム
定額給付金などの臨時の給付で所得制限を設けるなどの案が出されたが,人件費などのコストが
かかるなどの理由で見送られた。他の行政システムなどを上手く利用すればもっと効率化できるよ
うに思われる。税金も国税と住民税の 2 重に取っているが,これにかかる経費は莫大なものと考え
られる。年金なども税金などと一緒にすればいろいろな面で効率的なもののように感じられる。以
上は,お金に関する問題を述べたが,その他の行政サービス,行政システムなどで効率が悪いと思
われるものを調べて,全体的に効率的で経済的な行政システムを考えよ。行政の範囲は,国,地方
自治体を含むものであり,場合によっては地区の自治会などの組織を含めてもよい。行政組織も,
現在の国,都道府県,市町村という枠組みに必ずしもこだわらなくてもよい。
39. 病人向けの宅配サービス
ある給食サービス会社は,病人食などをつくる技術をもっている。一時透析患者向けの宅配さビ
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スを行ったが,配達の困難さからやめてしまった。ネックは,配達の問題である。短時間に配達す
る必要があるため,人手を多く必要とする。そこで,アルバイトなどを雇っていたら,とても人数
が足りず,コスト高になってしまう。病人食であるから,社会的に価格を高くすることはできない。
このような問題を解決して,短時間に家庭に配達できるシステムを考えよ。宅配だけではなく,配
達時に家族が留守をしている可能性も考えること。また,給食サービス会社としては,行政などの
金銭的支援がなくても,健全に収益を上げることができるように配慮すること。但し,収益につい
ては,必ずしも,単独の事業ではなく,他の事業などの組み合わせを考えて企業全体での収益を考
えること。さらに,社会的にみて,広い意味での人材活用を考える事。
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