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5-メチルキノキサリン

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5-メチルキノキサリン
項目
内容
名称
5-メチルキノキサリン
一般的名称
5-Methylquinoxaline
英名
5-Methylquinoxaline
CAS番号
13708-12-8
指定日
平成18年5月16日 官報
消費者庁 *
(平成25年5月15日 官報 :規格改訂告示)
―
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会
平成17年9月8日
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会 平成17年7月28日
厚生労働省 *
5-メチルキノキサリンは、官報告示後に所定の手続きにより一部の規格値が訂
正されています (部会 平成24年12月6日、分科会 平成25年1月28日)
食品安全委員会
第107回 食品安全委員会 平成17年 8月18日
評価書
第 22回 添加物専門調査会
平成17年 6月14日
第450回 食品安全委員会 平成24年10月22日 結果通知(規格改訂)
JECFA等の国際的評価機関
の結果
FEXPANにより評価され1970年のGRAS 4に公表された1)。
2001年 第57回JECFA会議にてピラジン誘導体類のグループとして評価された。
本物質はクラスⅢに分類され、クラスⅢの閾値以下であったためステップA3で
安全性に懸念なしと判断された2)。
JECFA番号
外国の認可状況・使用状況
FEMA GRAS番号
CoE番号
CFR21掲載
EUユニオンリスト
使用量データ
798
欧米をはじめ各国で認可され広く使用されている。
3203
2271
なし
FL No. 14.028
4.5kg(米国)、182 kg(EU)3)
本物質はコーヒーの香気成分として存在している。焦げ臭、ロースト臭のある
コーヒー、コーン様香気を持ち、種々の食品の香りを再現する際に必要不可欠な
我が国での添加物としての必
物質である。本物質は現在日本では未認可であるが、その添加量は微量ながら
要性
効果は非常に大きく、様々な加工食品に対してすでに国際的には着香の目的で
広く使用されている。
天然での存在
米国での食品への使用例
参考資料
コーヒー中に香気成分としての存在が確認されている4)。
アイスクリーム 10ppm、肉製品 10ppm、清涼飲料 10ppm、ソフトキャンディ
10ppm3)
1) Food Technology.(1970) Vol. 24, No. 5, pp25-34.
2) WHO Food Additives Series 48.Safety Evaluation of Certain Food Additives
(2001) (Report of 57th JECFA meeting)
http://www.inchem.org/documents/jecfa/jecmono/v48je12.htm
4) TNO(1996) Volatile Compounds in Food. Edited by L. M. Nijssen et al. 7th Ed.
Index of Compounds. TNO Nutrition and Food Research Institute. Zeist.
*食品表示等に関する通知は、平成21年9月1日より消費者庁へ移管されました
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/other/ikan.html
○ 厚生労働省令 第百二十号
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十条の規定に基づき、食
品衛生法施行規則の一部を改正する省令を次のように定める。
平成十八年五月十六日
厚生労働大臣 川崎 二郎
食品衛生法施行規則の一部を改正する省令
食品衛生法施行規則(昭和二十三年厚生省令第二十三号)の一部を次のよう
に改正する。
別表第一中第三百五十七号を第三百六十号とし、第三百十三号から第三百五
十六号までを三号ずつ繰り下げ、第三百十二号を第三百十四号とし、同号の次
に次の一号を加える。
三百十五 5-メチルキノキサリン
別表第一中第三百十一号を第三百十三号とし、第四十九号から第三百十号ま
でを二号ずつ繰り下げ、第四十八号を第四十九号とし、同号の次に次の一号を
加える。
五十 2-エチル-3-メチルピラジン
別表第一中第四十七号を第四十八号とし、第十四号から第四十六号までを一
号ずつ繰り下げ、第十三号の次に次の一号を加える。
十四 アセトアルデヒド
附 則
この省令は、公布の日から施行する。
○ 厚生労働省告示 第三百六十五号
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十一条第一項の規定に基づき、
食品、添加物等の規格基準(昭和三十四年厚生省告示第三百七十号)の一部を次
のように改正する。
平成十八年五月十六日
厚生労働大臣 川崎 二郎
第2 添加物の部C 試薬・試液等の項 11 参照赤外吸収スペクトルのマルトールの
目の次に次の一目を加える。
第2 添加物の部D 成分規格・保存基準各条の項N-メチルアントラニル酸メチ
ルの目の次に次の一目を加える。
5-メチルキノキサリン
5-Methylquinoxaline
C9H8N2
分子量 144.18
5-Methylquinoxaline〔13708-12-8〕
含 量 本品は,5-メチルキノキサリン(C9H8N2)98.0%以上を含む。
性 状 本品は,無~だいだい色の液体又は結晶塊で,特有のにおいがある。
確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の液膜法により測定し,本品のスペ
クトルを参照スペクトルと比較するとき,同一波数のところに同様の強度の吸収を
認める。
20
純度試験 (1) 屈折率 n D =1.615~1.625
(2) 比重 1.102~1.128(25℃)
定 量 法 香料試験法中の香料のガスクロマトグラフィーの面積百分率法の操作条
件(1)により定量する。
第2 添加物の部F 使用基準の項 N-メチルアントラニル酸メチルの目の次に次の
一目を加える。
5-メチルキノキサリン
5-メチルキノキサリンは,着香の目的以外に使用してはならない。
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食安発第 0516001号
平成18年5月16 日
都道府県知事
殿
保健所設置市長
特 別 区 長
厚生労働省医薬食品局食品安全部長
食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、
添加物等の規格基準の一部を改正する件について
食品衛生法施行規則の一部を改正する省令(平成18年厚生労働省令第120号)及び食
品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成18年厚生労働省告示第365号)が本日
公布、施行・適用され、これにより食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下
「省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告
示」という。)の一部が改正されたので、下記の事項に留意の上、その運用に遺憾のなきよ
う取り計らわれたい。
記
第1 改正の概要
1 省令関係
食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第10条の規定に基
づき、アセトアルデヒド、2−エチルー3−メチルピラジン及び5−メチルキノキ
サリンを省令別表第1に追加すること。
2 告示関係
法第11条第1項の規定に基づき、アセトアルデヒド、2−エチルー3−メチル
ピラジン及び5−メチルキノキサリンの成分規格及び使用基準を設定すること。
第2 施行・適用期日
1 省令関係
公布日から施行すること。
2 告示関係
公布日から適用すること。
運用上の注意
使用基準関係
アセトアルデヒド、2−エチルー3−メチルピラジン及び5−メチルキノキサリ
ンについては、「着香の目的以外に使用してはならない。」との使用基準を設定する
ことから、有機溶剤として使用する等の着香の目的以外の使用は認められないこと。
2 添加物の表示関係
アセトアルデヒド、2−エチルー3−メチルピラジン及び5−メチルキノキサリ
ン並びにそれを含む食品及び添加物製剤については、法第19条第1項の規定に基
づき添加物の表示を行うよう、関係業者に対して指導されたいこと。
なお、今回の省令及び告示の改正に伴い、平成8年5月23日付け衛化第56号厚
生省生活衛生局長通知「食品衛生法に基づく添加物の表示等について」の別紙4「各
一括名の定義及びその添加物の範囲」の7香料の(3)に「アセトアルデヒド」、
「2一エチルー3−メチルピラジン」及び「5一メチルキノキサリン」を加える。
(参考)
改正後の別紙4「各一括名の定義及びその添加物の範囲」の7香料の(3)は、次のとおり。
(3)添加物の範囲 以下の添加物を香料としての目的で使用する場合。
アセトアルデヒド
アセト酢酸エチル
アセトフェノン
アニスアルデヒド
アミルアルコール
α−アミルシンナムアルデヒド
アントラニル酸メチル
イオノン
イソアミルアルコール
イソオイゲノール
イソ吉革酸イソアミル
イソ吉草酸エチル
イソチオシアネート類
イソチオシアン酸アリル
イソブタノール
イソプロパノール
インドール及びその誘導体
γ−ウンデカラクトン
エステル類
2−エチルー3,5−ジメチルピラジン及び2−エチルー3,6−ジメチルピラジンの混合物
エチルバニリン
2−エチルー3−メチルピラジン
エーテル類
オイゲノール
オクタナール
オクタン酸エチル
ギ酸イソアミル
ギ酸ゲラニル
ギ酸シトロネリル
ケイ皮酸
ケイ皮酸エチル
ケイ皮酸メチル
ケトン類
ゲラニオール
酢酸イソアミル
酢酸エチル
酢酸ゲラニル
酢酸シクロヘキシル
酢酸シトロネリル
酢酸シンナミル
酢酸テルビニル
酢酸フェネテル
酢酸プチル
酢酸ベンジル
酢酸1−メンチル
酢酸リナリル
サリチル酸メチル
シクロへキシルプロピオン酸アリル
シトラール
シトロネラール
シトロネロール
1,8−シオネール
脂肪酸類
脂肪族高級アルコール類
脂肪族高級アルデヒド類
脂肪族高級炭化水素類
シンナミルアルコール
シンナムアルデヒド
チオエーテル類
チオール類
デカナール
デカノール
デカン酸エチル
2,3,5,6−テトラメチルピラジン
テルピネオール
テルペン系炭化水素類
2,3,5−トリメチルピラジン
γ−ノナラクトン
バニリン
パラメチルアセトフェノン
ヒドロキシシトロネラール
ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール
ピペロナール
フェニル酢酸イソアミル
フェニル酢酸イソプチル
フェニル酢酸エチル
フェノールエーテル類
フェノール類
フルフラール及びその誘導体
プロパノール
プロピオン酸
プロピオン酸イノアミル
プロピオン酸エチル
プロピオン酸ベンジル
ヘキサン酸
ヘキサン酸アリル
ヘキサン酸エチル
へプタン酸エチル
1−ペリルアルデヒド
ベンジルアルコール
ベンズアルデヒド
芳香族アルコール類
芳香族アルデヒド類
d−ボルネオール
マルトール
N−メチルアントラニル酸メチル
5−メチルキノキサリン
メチルβ−ナフチルケトン
dl−メントール
1−メントール
酪酸
酪酸イソアミル
酪酸エチル
酪酸シクロヘキシル
酪酸プチル
ラクトン類
リナロオール
別添2に掲げる添加物
平成 ™œ 年 œ 月 ˜œ 日
(号外第 ˜—— 号)
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とうもろこし
その他の穀類
大豆
小豆類
そら豆
らっかせい
その他の豆類
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さとうきび
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十
号
(号外第 ˜—— 号)
報
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水曜日
平成 ™œ 年 œ 月 ˜œ 日
˜ 定 量 法 本品の乳酸カリウム約0•3Oに対応する量を精密に量り,水浴上で蒸発乾固し,これに酢
酸/無水酢酸混液(5:1)60Yを加えて完全に溶かした後,0•1mol/L過塩素酸液で滴定する。
終点の確認は,通例,電位差計を用いる。指示薬(クリスタルバイオレット・酢酸試液1Y)を用
いる場合の終点は,液の紫色が青色を経て緑色に変わるときとする。別に空試験を行い補正する。
0•1mol/L過塩素酸液1Y=12•82„ C3H5KO3
﹂
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﹁ 1•128」 「1•132
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中
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残留物の質量(O)×0•7466
×100(%)
試料の採取量(O)
硫酸カリウム
Potassium Sulfate
分子量 174•26
K2SO4
Potassium Sulfate [7778`80`5]
含
量 本品は,硫酸カリウム(K2SO4)99•0%以上を含む。
性
状 本品は,無∼白色の結晶又は結晶性の粉末である。
確認試験 本品は,カリウム塩の反応及び硫酸塩の反応を呈する。
純度試験 \ 液性 pH5•5∼8•5(1•0O,水20Y)
] 鉛 Pbとして2•0cg/O以下
本品5•0Oを正確に量り,100Yのビーカーに入れ,塩酸(1→4)40Yを加えて溶かし,時計
皿で覆い,5分間沸騰させ,冷後,試料液とする。試料液にクエン酸水素二アンモニウム溶液
(1
→2)10Yを加え,チモールブルー試液を指示薬として,アンモニア水で弱アルカリ性とする。
冷後,この液を200Yの分液漏斗に移し,ビーカーを水で洗い,洗液を分液漏斗に合わせ,
約100Y
とする。これに,ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム溶液(3→100)5Yを加えて5
分間放置する。その後,酢酸ブチル10Yを加えて5分間振り混ぜた後,静置し,酢酸ブチル層を
とり,これを検液とする。別に鉛標準原液1Yを正確に量り,水を加えて正確に100Yとする。
この液10Yを正確に量り,試料液の場合と同様に操作し,比較液とする。検液及び比較液につき,
鉛試験法第1法により試験を行う。
^ セレン Seとして30cg/O以下
本品0•20Oを量り,ビーカーに入れ,塩酸試液(4mol/L)25Yを加えて振り混ぜた後,水
25Yを加えて,試料液とする。別にセレン標準液3Yを正確に量り,水を加えて正確に1¶000Y
とする。この液2Yを正確に量り,ビーカーに入れ,塩酸試液(2mol/L)50Yを加えて比較
原液とする。ドラフト中で,試料液及び比較原液に,注意しながらアンモニア水5Yを加え,冷
後,アンモニア水(1→2)を加えてpH1•8∼2•2に調整した後,水を加えて60Yとする。これら
をそれぞれ分液漏斗に移し,水10Yを用いてビーカーを洗い,洗液を分液漏斗に合わせる。それ
ぞれに塩化ヒドロキシルアンモニウム0•2Oを加え,静かに振り混ぜて溶かす。次に2,3`ジ
アミノナフタレン試液5Yを加え,振り混ぜた後,100分間放置する。それぞれにシクロヘキサ
ン5•0Yを加えて2分間よく振り混ぜる。シクロヘキサン層をとり,毎分3¶000回転で10分間遠心
分離し,それぞれの上層を検液及び比較液とする。これらの液につき,別に塩酸試液(2mol/
L)50Yを用いて試料液と同様に操作して得られた溶液を対照として波長378nm付近の極大吸収
部における吸光度を測定するとき,検液の吸光度は比較液の吸光度よりも大きくない。
_ ヒ素 As2O3として4•0cg/O以下(0•50O,第1法,装置B)
定 量 法 本品約0•5Oを精密に量り,水200Yを加えて溶かし,更に塩酸1Yを加えて沸騰させる。
この液に塩化バリウム溶液(3→25)8Yをかき混ぜながら少量ずつ加えた後,水浴上で1時間加
熱する。冷後,定量分析用ろ紙(5種C)を用いてろ過し,ろ紙上の残留物を洗液が塩化物の反応
を呈さなくなるまで水洗する。ろ紙及び残留物をあらかじめ強熱し質量を測定したるつぼに入れ,
残留物をろ紙とともに乾燥した後,恒量になるまで500∼600℃で強熱し,その質量を精密に量り,
次式により含量を求める。
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2
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府 食 第 8 0 5 号
平成17年8月18日
厚生労働大臣
尾辻 秀久 殿
食品安全委員会
委員長 寺田 雅
食品健康影響評価の結果の通知について
平成17年3月7日付け厚生労働省発食安第0307001号をもって貴省から当
委員会に対して意見を求められた5−メチルキノキサリンに係る食品健康影響評価の
結果は下記のとおりですので、食品安全基本法(平成15年法律第48号)第23条
第2項の規定に基づき通知します。
なお、食品健康影響評価の詳細をまとめたものは別添のとおりです。
記
5−メチルキノキサリンは、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がな
いと考えられる。
5−メチルキノキサリンを添加物として定めることに
係る食品健康影響評価に関する審議結果
1.はじめに
5−メチルキノキサリンは焦げ臭、ロースト臭、またコーヒー様、コーン様の加熱香気を有し、
食品中に天然に存在、または加熱により生成する1),2)。欧米では、アイスクリーム、肉製品、
清涼飲料等、様々な加工食品において香りを再現するため添加されている3)。
2.背景等
厚生労働省は、平成14年7月の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会での了承事項に従い、
①泥CFAで国際的に安全性評価が終了し、一定の範囲内で安全性が確認されており、かつ、②
米国及びEU諸国等で使用が広く認められていて国際的に必要性が高いと考えられる食品添加
物については、企業等からの指定要請を待つことなく、国が主体的に指定に向けた検討を開始
する方針を示している。今般香料の成分として、5−メチルキノキサリンについて評価資料がま
とまったことから、食品安全基本法に基づき、食品健康影響評価が食品安全委員会に依頼され
たものである(平成17年3月7日、関係書類を接受)。
なお、香料については厚生労働省が示していた「食品添加物の指定及び使用基準改正に関す
る指針」には基づかず、「国際的に汎用されている香料の安全性評価の方法について」に基づき
資料の整理が行われている。
3.名称等
名称:5−メチルキノキサリン
英名:5−Methylquinoxaline
構造式:
化学式:C9H8N2
分子量:144.19
CAS番号:13708−12−8
4.安全性
(1)遺伝毒性
細菌を用いた復帰突然変異試験(n98,mlOO,m1535,m1537,W陀肌d、最高用量5,000
Llg巾1ate)において、S9miⅩの有無にかかわらず陰性であった4)。
チャイニーズリヽムスター培養細胞(CI丑.几U細胞)を用いた染色体異常試験(最高濃度0.72
mg/mL、+/−S9mixの6時間処理)において、細胞毒性のみられる最高濃度でS9mixの有無に
かかわらず染色体異常誘発性が認められた5)。
8週齢ICR雄マウスを用いた強制経口投与による加γル0小核試験(最高用量500mgルg体重
/日×2、溶媒:オリーブ油)において、小核の誘発は認められなかった6)。
1
以上より、血Ⅴ′加で観察された陽性反応は、細胞毒性がかなり強く認められる用量域での反
応であること、また、十分高用量まで試験されたげっ菌類を用いる小核試験において陰性であ
ったことを考慮すると、生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないものと考えられる。
(2)反復投与
雌雄ラット(各群16匹)への混餌投与による90日間反復投与試験(0、17.1mg此g体重/日)
において、体重、摂餌量、血液検査、血液生化学検査、臓器重量及び病理組織学的検査等につ
いて対照群との差は認められなかった7),8)。無毒性量(NOAEL)は17.1mgn’g体重/日とされて
いる。
(3)発がん性
IntemationalAgencyfbrResearChonCancer(IARC)、EuropeanChemicalsBureau(ECB)、U.S
EnvironmentalProtectionAgency(EPA)、NationalTbxicologyProgramPTP)では、発がん性の評価
はされていない。
(4)その他
内分泌かく乱性を疑わせる報告は見当たらない。
5.摂取量の推定
本物質の年間使用量の全量を人口の10%が消責していると仮定するJECFAのPCTT法による
1995年の使用量調査に基づく米国及び欧州における一人一日当りの推定摂取量は、それぞれ1
帽及び26帽8)。正確には認可後の追跡調査による確認が必要と考えられるが、既に許可されて
いる香料物質の我が国と欧米の推定摂取量が同程度との情報がある9)ことから、我が国での本
物質の推定摂取量は、おおよそ1から26膵の範囲になると想定される。なお食品中にもとも
と存在する成分としての本物質の摂取量は、意図的に添加された本物質の28倍であるとの報告
がある8),10)。
6.安全マージンの算出
90日間反復投与試験のNOAEL17.1mgn(g体重/日と、想定される推定摂取量(1∼26LLg/ヒト
/日)を日本人平均体重(50kg)で割ることで算出される体重あたりの推定摂取量(0.02∼0.52順
化g体重/日)と比較し、安全マージン32,885∼855,000が得られる。
7.構造クラスに基づく評価
本物質は、ピラジン誘導体に分類される食品成分である。2環性複素環化合物では、単環化
合物に比べ、ピラジン環が水酸化されやすく8),11)、キノキサリンのラット及びウサギ肝臓可溶
性分画を用いたinvitro試験においては、2−ヒドロキシキノキサリン及び2,3−ジヒドロキシキノ
キサリンが生成する8),12)。5−メチルキノキサリンも同様にピラジン環の水酸化を受け、また、
アルキル置換の単環ピラジン類と同様にメチル基の酸化を受け、水溶性のキノキサリンカルポ
ン酸が生成すると予測されている8)】13)。本物質及びその推定代謝産物は生体成分ではないが、
ピラジン誘導体には上記のような代謝経路が存在し14)、芳香環が縮環しており効率良い経路で
2
あるか否かが不明なためクラスⅢに分類される。
8.JECFAにおける評価
泥CFAでは、2001年にピラジン誘導体のグループとして評価され、クラスⅢに分類されてい
る。想定される推定摂取量(l∼26ト釘ヒト/日)は、クラスⅡの摂取許容値(90ト釘ヒト/日)を
下回ることから、香料としての安全性の問題はないとされている8)。
9.「国際的に汎用されている香料の我が国における安全性評価法」に基づく評価
本物質は、生体にとって特段問題となる遺伝毒性はないと考えられる。また、クラスⅢに分
類され、安全マージン(32,885∼855,000)は90日間反復投与試験の適切な安全マージンとされ
る1,000を大幅に上回り、かつ想定される推定摂取量(l∼26トLg/ヒト/日)はクラスⅢの摂取許
容値(90トLg/ヒト/日)を超えていない。
10.評価結果
5−メチルキノキサリンを食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられ
ると評価した。
【引用文献】
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5)5−メチルキノキサリンのチャイニーズ・ハムスター培養細胞を用いる染色体異常試験
(2004)(財)化学物質評価研究機構 日田事業所(厚生労働省委託試験)
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田事業所(厚生労働省委託試験)
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1277.
4
香料構造クラス分類(5−メチルキノキサリン)
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