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第 8 文 部 科 学 省 不 当 事 項 役 務

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第 8 文 部 科 学 省 不 当 事 項 役 務
第8
不 当 事 項
第
3
章
第
1
節
文 部 科 学 省
役
務
(20) 2020 ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト事業の委託に当たり、再委託費算定
第
8
における収入の取扱いが適正に行われていなかったため、委託費の支払額が過大と
なっていたもの
文
部
科
学
省
会計名及び科目
一般会計 (組織)
文部科学本省 (項)
スポーツ振興費
部
局
等
文部科学本省
(平成 27 年 10 月 1 日以降はスポーツ庁)
契
約
名
2020 ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト
(ジュニア競技者の育
成・強化)
契 約 の 概 要
国内合宿、海外遠征等を実施し、各競技のターゲットエイジの育成・
強化を行うもの
契約の相手方
公益財団法人日本オリンピック委員会
契
約
平成 26 年 4 月 随意契約
額
603,819,352 円
(平成 26 年度)
過大となってい
た支払額
4,571,883 円
(平成 26 年度)
支
1
払
委託事業等の概要
⑴ 委託事業の概要
文部科学本省
(平成 27 年 10 月 1 日以降はスポーツ庁。以下
「本省」
という。
)
は、開催地
が東京に決定した 2020 年オリンピック・パラリンピック競技大会の成功には日本選手団
の活躍が不可欠であることから、当該年に活躍する年代の競技者を計画的に発掘・育成・
強化することが必要であるとして、2020 ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト
(ジュ
ニア競技者の育成・強化)
事業を実施している。この事業は、国内合宿、海外遠征等を実
施し、各競技のターゲットエイジの育成・強化を確実に行うことをその内容としており、
本省は、26 年 4 月に、企画競争による随意契約により公益財団法人日本オリンピック委
員会
(以下
「JOC」
という。
)
に事業の実施を委託している
(以下、この委託により JOC が実施
する事業を
「委託事業」
という。
)
。
委託契約書によれば、JOC は、
「2020 ターゲットエイジ育成・強化プロジェクト委託要
項」
等に基づき委託事業を実施しなければならな
(平成 26 年 2 月スポーツ・青少年局長決定)
いとされており、この要項において、委託費の対象は、人件費、一般管理費、再委託費等
の委託事業に要する経費とすることとなっている。そして、本省は、委託事業の完了に伴
い JOC から提出された委託事業完了報告書を審査するなどした上で、603,819,352 円の委
託費を JOC に支払っている。
⑵ 再委託事業の概要
JOC は、委託事業のうちジュニア競技者の強化合宿等の育成・強化活動の実施を、JOC
に加盟する競技団体
(以下
「スポーツ団体」
という。
)
に再委託することとして
(以下、この再
― 142 ―
委託によりスポーツ団体が実施する事業を
「再委託事業」
という。
)
、27 スポーツ団体との
間で再委託契約を締結している。
再委託契約書において、再委託費の総額が定められており、JOC は、再委託事業の終了
後に各スポーツ団体から提出された事業実施報告書を精査するなどして再委託費の額を確
定し、各スポーツ団体にこれを支払っている。
第
1
節
⑶ 対象経費等の概要
再委託費の対象となる経費
(以下
「対象経費」
という。
)
は、JOC が本省から民間スポーツ
振興費等補助金の交付を受けて実施する選手強化事業のために定めた
「平成 26 年度選手強
化 NF 事業
(国庫補助事業)
要項」
(以下
「NF 事業要項」
という。
)
に準ずることとなってお
り、渡航費、滞在費等の費目がその対象となる。また、再委託事業の実施に係る収入の取
扱いについて、使途が特定の費目に指定・限定されている収入の場合は、該当費目の支出
額から当該収入額を差し引いて対象経費を算出することとなり、使途が特定の費目に指
定・限定されていない収入の場合は、原則として、対象経費の総額から当該収入額を差し
引いて再委託費を算定することとなる。
2
検査の結果
本院は、合規性等の観点から、委託費が適正に算定されているかなどに着眼して、本省が
26 年度に JOC に支払った前記の委託費 603,819,352 円を対象に、本省及び JOC において、
委託事業に係る委託事業完了報告書、再委託事業に係る事業実施報告書等を確認するととも
に、JOC に対して各スポーツ団体における再委託事業の実施に係る収入に関する調書の作成
及び提出を求めるなどして会計実地検査を行った。
検査したところ、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。
(注)
JOC が再委託契約を締結した 27 スポーツ団体のうち 6 スポーツ団体は、26 年度に実施し
た再委託事業計 16 件において、合宿参加者等から使途が特定の費目に指定・限定されてい
ない収入として負担金計 4,571,883 円を徴収していた。しかし、 6 スポーツ団体は、この収
入について、NF 事業要項に準じた前記の取扱いをせずに、収入として計上しなかったり、
対象経費の総額からではなく再委託費の対象とならない経費から当該収入額を差し引いたり
して、再委託費を算定し、これにより事業実施報告書を JOC に提出していた。JOC は、こ
れらの事業実施報告書に基づき 6 スポーツ団体に対して再委託費計 60,175,295 円を支払うと
ともに、これらの再委託費の額等に基づいて委託事業完了報告書を本省に提出していた。そ
して、本省は、この委託事業完了報告書に基づき JOC に対して委託費 603,819,352 円を支
払っていた。
(注) 6 スポーツ団体
第
3
章
公益社団法人日本ボート協会、公益財団法人日本体操協会、公益社団
法人日本馬術連盟、公益財団法人日本バドミントン協会、公益社団法人全日本アー
チェリー連盟、一般社団法人全日本テコンドー協会
(平成 26 年 6 月 30 日以前は公益
財団法人全日本テコンドー協会)
したがって、上記の収入額を対象経費の総額から減じて 6 スポーツ団体に対する適正な再
委託費の額を算定すると、表のとおり計 55,603,412 円となり、本省が JOC に対して支払う
べき適正な委託費は 599,247,469 円となることから、前記の委託費 603,819,352 円との差額
4,571,883 円が過大に支払われていて、不当と認められる。
― 143 ―
第
8
文
部
科
学
省
このような事態が生じていたのは、JOC において 6 スポーツ団体から提出された事業実施
報告書に対する審査及び確認が十分でなかったこと、本省において JOC から提出された委
第
3
章
託事業完了報告書に対する審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
表
第
1
節
6 スポーツ団体に対する適正な再委託費等
スポーツ団体名
第
8
文
部
科
学
省
適正な
再委託費
(A)−(B)
公益社団法人
日本ボート協会
4件
12,813,150 円
1,699,000 円
11,114,150 円
公益財団法人
日本体操協会
4件
15,586,052 円
663,100 円
14,922,952 円
公益社団法人
日本馬術連盟
1件
3,507,403 円
250,000 円
3,257,403 円
公益財団法人
日本バドミントン協会
1件
2,983,810 円
390,000 円
2,593,810 円
公益社団法人
全日本アーチェリー連盟
3件
12,921,251 円
1,125,000 円
11,796,251 円
一般社団法人
全日本テコンドー協会
3件
12,363,629 円
444,783 円
11,918,846 円
16 件
60,175,295 円
4,571,883 円
55,603,412 円
6 スポーツ団体計
― 144 ―
NF 事 業 要 項
再委託費
再委託 (対象経費の総額) に準じた取扱
いをしていな
事業数
(A)
かった収入額
(B)
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