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民間賃貸住宅等の賃貸料に係る住宅扶助費代理納付の実施

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民間賃貸住宅等の賃貸料に係る住宅扶助費代理納付の実施
民間賃貸住宅等の賃貸料に係る住宅扶助費代理納付の実施に関する要綱
(趣旨)
第1条 生活保護法(昭和 25 年法律第 144 号。以下「法」という。)第 37 条の2及び同
法施行令(昭和 25 年政令第 148 号)第3条に基づき,民間賃貸住宅等に居住する被保
護者の住宅扶助費を,当該民間賃貸住宅等の賃貸料として,その債権者に代理納付する
こと(以下「住宅扶助費代理納付」という。)について必要な事項を定め,もって被保
護者の自立の助長と保護費の適正な使用の確保を図る。
(定義)
第2条 この要綱において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところに
よる。
(1) 被保護者 法第6条第1項に規定する被保護者をいう。
(2) 代理納付適用者 この要綱に基づく住宅扶助費代理納付を適用される被保護者を
いう。
(3) 民間賃貸住宅等 民間賃貸住宅及び地代の支払いを必要とする自己所有の居住用
建物。
(4) 住宅扶助費 法第 14 条により支給される保護金品をいう。
(5) 住宅等 賃貸借契約により被保護者に提供される居住用の建物又は土地をいう。
(6) 賃貸人 被保護者と居住用の建物又は土地の賃貸借契約を締結している賃貸人を
いう。
(7) 管理受託者 賃貸人から賃貸料の徴収,賃貸人への支払等の業務の委託を受けて
いる者をいう。
(8) 賃貸人等 賃貸人及び管理受託者をいう。
(9) 賃貸料 建物又は土地の賃貸借契約にかかる家賃,間代,地代をいう。
(10) 未納 被保護者と賃貸人が締結した住宅等の賃貸借契約に定める期日(当該期日
が生活保護費の定例支給日よりも前日にある場合は,当該定例支払日とする。)を過
ぎても,その月の賃貸料を納付しないことをいう。
(11) 滞納 賃貸人等が,賃借人である被保護者に対し,未納となっている賃貸料の納
付の督促をしたにもかかわらず,正当な理由なく納付しないことをいう。
(代理納付適用者の要件)
第3条 この要綱による代理納付適用者は,賃貸料相当額の住宅扶助費が支給されている
被保護者等のうち,次の各号のいずれかに該当する者とする。
(1) 保護受給中に賃貸料が未納又は滞納となっている被保護者から住宅扶助費代理納付
適用の依頼があり,福祉事務所長がこれを必要であると認めた者
(2) 高齢等の理由により日常生活能力が低下し,賃貸料の滞納により住居を失うおそれ
があるため,住宅扶助費代理納付の適用が特に必要であると福祉事務所長が認めた者
(住宅扶助費代理納付に係る助言)
第4条
福祉事務所長は,被保護者が家賃を未納又は滞納していることを把握したときは,
当該被保護者に対し,速やかに賃貸人等と相談し,未納又は滞納を解消するよう指導す
るとともに,依頼により住宅扶助費代理納付の取り扱いが可能であることを助言する。
(住宅扶助費代理納付の開始)
第5条 福祉事務所長は,第3条第1号又は第2号に該当すると認められる場合に,住宅
扶助費代理納付の依頼について様式第1号により確認する。
2 福祉事務所長は,前項の依頼に基づき,住宅扶助費代理納付の適用又は不適用につい
て決定する。
3 福祉事務所長は,代理納付を適用する決定をしたときは,依頼をした被保護者には保
護決定通知書により,賃貸人等には様式第3号により,それぞれ通知する。
4 前項の通知は,第1項の確認をした日から 14 日以内に行う。
(住宅扶助費代理納付の実施)
第6条 福祉事務所長は,賃貸借契約の内容に関わらず,代理納付適用者に係る各月の住
宅扶助費を,当該月の月末までに賃貸人等が様式第2号により指定した金融機関口座に
振り込む。
2 住宅扶助代理納付の対象は賃貸料のみであり,補修その他住宅の維持のために要する
費用及び転居に際し必要とする敷金等については対象としない。
(住宅扶助費代理納付に係る通知)
第7条 福祉事務所長は,第6条第1項の振込みを実施したときは,様式第3号により速
やかに賃貸人等へ振込先口座及び振込内容の内訳を通知する。
(住宅扶助費代理納付の変更)
第8条 住宅扶助費代理納付の変更は,代理納付適用者からの様式第4号による届出に基
づいて行う。
2 福祉事務所長は,前項の届出内容が適切であると認められる場合は,代理納付の変更
を決定する。この場合,変更内容を反映させた上で,第6条及び第7条の規定を準用す
る。
3 福祉事務所長は,第1項の届出内容が適切であると認められない場合は,代理納付適
用者に対し,届出の補正等を求めることができる。この場合,補正等が速やかに行われ
ないときは,福祉事務所長は第9条第2号の規定により代理納付を中止することができ
る。
(住宅扶助費代理納付の中止)
第9条 福祉事務所長は,次の各号のいずれかに掲げる事由が認められる場合,住宅扶助
費代理納付を中止することができる。
(1)
代理納付適用者の住宅扶助費が一時的に支給されなくなり,住宅扶助費代理納付が
不能になったとき
(2)
第 15 条の規定に該当したとき
(3)
その他,福祉事務所長が,住宅扶助費代理納付を中止することが適当であると判断
したとき
2 福祉事務所長は,代理納付を中止したときは,被保護者には保護決定通知書により,
賃貸人等には様式第6号により,それぞれ通知する。
(住宅扶助費代理納付の再開)
第 10 条 福祉事務所長は,前条により住宅扶助費代理納付を中止した場合で,その中止
した事由が消滅したときには,住宅扶助費代理納付を再開する。
(住宅扶助費代理納付の終了)
第 11 条 福祉事務所長は,次の各号に掲げるいずれかの事由が認められる場合,住宅扶
助費代理納付を終了することができる。
(1)
代理納付適用者が様式第5号により住宅扶助費代理納付の終了を依頼し,終了に
ついて理由があると認められるとき
(2)
代理納付適用者の住宅扶助費の全部又は一部が支給されなくなり,長期にわたり
住宅扶助費代理納付が不能になると見込まれるとき
(3)
第 15 条の規定に該当したとき
(4)
その他,福祉事務所長が,住宅扶助費代理納付を終了することが適当であると判
断したとき
2 福祉事務所長は,代理納付を終了したときは,被保護者には保護決定通知書により,
賃貸人等には様式第6号により,それぞれ通知する。
(福祉事務所長の責務)
第 12 条 福祉事務所長は,未納又は滞納が生じた原因について把握し,代理納付適用者
に対して,社会生活を送る上での必要な助言及び指導を行わなければならない。
(代理納付適用者の責務)
第 13 条 代理納付適用者は,住宅扶助費代理納付に関して,福祉事務所長に協力しなけ
ればならない。
2 代理納付適用者,賃貸借契約上の地位その他住宅扶助費代理納付の適用に関する事項
に変動があった場合には,速やかに福祉事務所長に届け出なければならない。
(賃貸人等の責務)
第 14 条 賃貸人等は,住宅扶助費代理納付に関して,福祉事務所長に協力しなければな
らない。
2 賃貸人等は,住宅扶助費代理納付の実施及び通知に関する事項を除き,代理納付適用
者との間に生じた住宅等の賃貸借契約上の争いについて,当事者間で解決するものとす
る。
3 賃貸人等は,住宅扶助費代理納付の実施に際して,代理納付適用者に対して経済上の
負担を課してはならない。
4 賃貸人等は,賃貸借契約上の地位その他住宅扶助費代理納付の適用に関する事項に変
動が生じる場合には,速やかに福祉事務所長に連絡しなければならない。
(責務の不履行による住宅扶助費代理納付の中止又は終了)
第 15 条 前2条に規定する責務を,代理納付適用者又は賃貸人等が履行しない場合,福
祉事務所長は,住宅扶助費代理納付を中止又は終了することができる。
(個人情報の取り扱い)
第 16 条 福祉事務所長は,代理納付適用者の同意に基づき,住宅扶助費代理納付の実施
に必要な範囲において,代理納付適用者の個人情報を賃貸人等へ提供することができる。
2 賃貸人等は,住宅扶助費代理納付の適用において知りえた情報について,住宅扶助費
代理納付の目的以外に使用してはならない。
(返納の取り扱い)
第 17 条 福祉事務所長は,法による保護の変更,停止又は廃止の決定により,既に代理
納付した住宅扶助費に過払いが生じた場合,代理納付適用者から当該過払い分を返納さ
せる。
2 前項の規定に関わらず,代理納付適用者及び賃貸人等の事前の同意により,住宅扶助
を受領した賃貸人等から代理納付適用者に代理して返納(以下「代理返納」という。)
させることができる。
(代理納付適用者に対する相殺主張の禁止)
第 18 条 前条第 1 項の規定により,代理納付適用者が代理納付された住宅扶助費を返納
する場合において,代理納付適用者から当該住宅扶助費を引き渡すよう求められた賃貸
人等は,当該代理納付適用者に対して有している債権をもって引き渡すべき住宅扶助費
の相殺を主張してはならない。
(福祉事務所長に対する相殺主張の禁止)
第 19 条 福祉事務所長が第 17 条第2項の規定により,当該住宅扶助費を受領した賃貸人
等に代理返納を求めたとき,賃貸人等は,当該代理納付適用者に対して有している債権
をもって,代理返納すべき住宅扶助費の相殺を主張してはならない。
(正当な権利なき者の受領)
第 20 条 賃貸人等の賃貸借契約上の地位に変動が生じ,代理納付された住宅扶助費を正
当な権利なく受領した場合,賃貸人等は,速やかに返納分を代理納付適用者に引き渡さ
なければならない。
このとき代理納付適用者は,当該住宅扶助費を正当な権利を有する者に賃貸料として支
払わなければならない。
2 第 18 条の規定は,前項において代理納付適用者が住宅扶助費の引渡しを求めた場合
に準用する。
(返納事務への協力)
第 21 条 代理納付適用者は,福祉事務所長からの住宅扶助費の返納の求めに対して,速
やかに応じなければならない。
2 賃貸人等は,福祉事務所長が第 17 条の規定により行う返納事務に協力しなければな
らない。
(出納に関する事項)
第 22 条 住宅扶助費代理納付の適用における出納に関する事項について,神戸市会計規
則(昭和 39 年3月規則第 81 号)に定めるもののほかは,この要綱の定めるところによ
る。
(適用除外)
第 23 条 この要綱は,賃貸人が地方公共団体及び地方公共団体が設置する公社,独立行
政法人並びに無料低額宿泊事業(社会福祉法(昭和 26 年法律第 45 号)第2条第3項第
8号に規定する事業)を行うものである場合には適用しない。
2 住宅が転貸借契約により提供されている場合は,この要綱による住宅扶助費代理納付
を適用しない。
(委任)
第 24 条 この要綱に定める事項のほか,この要綱の施行に関して必要な事項は,別に定
める。
附則
この要綱は,平成 24 年4月1日から施行する。
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