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2013年3月期 (PDF 5445 KB)
Paving the Way for the Future
Annual Report 2013
2013 年 3 月期アニュアルレポート
企業理念
より多くの人と、感動を
次のパイオニアを、はじめよう
2015 ビジョン
街でも家でも車でも、笑顔と夢中が響き合う
目 次
01
02
04
事業紹介
年 間トピックス
ステークホルダーの皆 様へ
カーエレクトロニクス事 業・ホームエレクトロ
ニクス事 業・その 他事 業ならびに地 域 別売 上
高についてご説明します。
2013 年 3 月期におけるパイオニアの主な事 業
活動や新製品についてご報告します。
社 長 執行役 員の小谷進 が、当期の業 績と新た
に策定した中期事 業計画および当社 が目指す
方向について語ります。
06
12
特 集 : 中期 事 業 計画
業 績の概 況
2015 年 3 月期までの 2 年間の中期事 業 計 画に
ついてご説明します。
カーエレクトロニクス事業・ホームエレクトロニ
クス事業・その他事業の当期の概況についてご
説明します。
研究開発
コーポレート・ガバナンス
14
役員
社会貢献・環境保護活動
16
財 務セクション
19
18
株式関連情報
20
29
事業紹介
2013 年 3 月期
連結売上高
4,518
億円
事業 別売上高
カーエレクトロニクス
ホームエレクトロニクス
その他
最 先 端 の カ ー ナビゲーション、
世 界 の 市 場 をリード する DJ 機
FA 機器や地図ソフトなどの製品
カーオーディオなどを開 発・製
器、ホーム AV 製 品、光ディスク
に加え、薄 型・面 発 光の次 世代
造・販売しています。市販市場で
関連製品、CATV 関連機器等の、
照明として期待される有機 EL 照
高いシェアを維持している一方、
音と映 像を楽しむ製品を提 供し
明やブラジルでの EMS( 電子機
世界の主要自動車メーカー各 社
ています。
器受託製 造サービス )など新規
事業も展開しています。
にも製品を供給しています。
売上高および構成比
3,126 億円
69.2%
売上高および構成比
売上高および構成比
959 億円
433 億円
21.2%
9.6%
地 域 別売上高
パイオニアグループは、成長力ある新興国でも事業展
その他の地域
開を積 極 的に進めており、2013 年 3 月期における、
1,060 億円
海外売上高の比率は 55.4% となっています。
23.5%
日 本
2,017 億円
44.6%
欧 州
544 億円
12.0%
北 米
897 億円
19.9%
Pioneer Corporation
01
Annual Report 2013
年 間トピックス
ネットワーク機能の充実したハイエ
ンド CD ミニコンポーネントシステ
ム X-HM81 を発売
日本最大級のストリートダンスイベ
ント「 DANCE@LIVE 」ファイナルを
スポンサード
三菱 化 学 株 式会 社と共同で、発 光
層を量 産に適した塗 布プロセスで
成 膜した有 機 EL 素 子 の 開 発 に 成
功、実 用レベルの長 寿 命と高 効率
化を達成した有機 EL 照明パネルを
開発
ドイツ で 開 催 さ れ た 世 界 最 大 級
の エ レ クト ロ ニ ク ス シ ョ ー「 IFA
2012 」に出展、AR ヘッドアップディ
スプレイ搭載のカーナビゲーション
を参考出品
4 Apr.
5 May
6 Jun.
本 機 のタッチパネルからスマート
フォンのアプリを操 作できる、“ カ
ロッツェリア スマートフォンリンク
アプリユニット” を発売
7 Jul.
ブラジルで、台湾の亜洲光学グルー
プとの 生 産 合 弁 会 社 パ イオ ニア
ヨーキ ド ブラジル Ltda. が生産を
開始
8 Aug.
9 Sep.
プロ DJ /クラブ向けマルチプレー
ヤー CDJ-2000nexus を発売、Wi-Fi/
USB 接 続 でスマートフォン や タブ
レット内の楽曲による DJ プレイを
実現
世界初、フロントガラス越しの前方
風 景にナビゲーション情 報を重 ね
て映し出す AR( 拡 張 現 実 )ヘッド
アップディスプレイ( HUD )を搭載し
た “ サイバーナビ ” 新モデルを発売
9 チャンネル同時ハイパワー出力を
実現し、充実したネットワーク機能
を搭載した AV アンプ SC-LX86 を発売
Pioneer Corporation
02
Annual Report 2013
アジア最大規模の最先端 IT・エレク
トロニクス総合展「 CEATEC JAPAN
2012 」に出展、カーエレクトロニク
ス新製品を発表
米 国 に お ける世 界 最 大 級 の テ ク
ノ ロ ジ ー ト レ ー ド シ ョ ー「 2013
「ス
International CES 」 に 出 展、
マートフォン連携 」をテーマに “App
Radio” などのカーエレクトロニクス
製品でいち早く iPhone ® 5* に対応
*iPhone は米国および他の国々で登録された
Apple Inc. の商標です。
画面前の手の動きだけで操作を行う
ことが可能な「 エアージェスチャー」
機能を搭載した、カーナビゲーショ
ン “ 楽ナビ ” を発売
有 機 EL 照 明 パネル の 生 産 会 社 パイオニア OLED ライティングデバ
イス株式会社を設立
10 Oct.
11 Nov.
12 Dec.
手軽に持ち運べるコンパクトな DJ
コントローラー DDJ-WeGO を発売、
全世界のアップルストアへも展開
1 Jan.
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
の音声エージェント機能「 しゃべっ
てコンシェル™ 」技術を応用した自
動車向け音声意図解釈技術を同社
と共同で開発
当社の「 HEED-HARP 技 術 」を活 用
した医 療 用内視 鏡カメラの共同開
発に向けて、大塚メディカルデバイ
ス株式会社と業務提携
3 Mar.
オランダのプロサイクルロードレー
スチーム「 ブランコプロサイクリン
グ チ ーム 」に サイクルコンピュー
ターシステムを提供
株式会社ジェイ・エム・エスから医
療用レーザー血流計の開発を受託
東 南アジア地 域における販 売・生
産体制の強化に向けてインドネシア
に駐在員事務所を設立
Pioneer Corporation
2 Feb.
03
Annual Report 2013
ステークホルダー の 皆 様 へ
2013 年 3 月期を振り返りますと、当社は、コア事業であるカーエレクトロニクスを中心に、自動
車の小型化や低価格化に伴う製品の単価下落、機種ミックスの変化、先進国から新興国への市場シフト、
OEM 市場の拡大に伴う国内市販市場の減速など、事業環境の急激な変化に直面いたしました。このような
状況下において、現在、全社一丸となって、収益力の回復を図るべく努めております。
2013 年 3 月期の連結業績について
構造改革と成長戦略からなる
2013 年 3 月期の売上高は、光ディスクドライブ
中期事業計画を策定
関連製品や市販カーナビゲーションシステムが減
当社は、当期に直面した事業環境の急激な変化
少しましたが、OEM カーナビゲーションシステム
による収益力の低下に対応し、成長路線への回帰
や市販カーオーディオの増加に円安の効果も加わ
を図るべく、2015 年 3 月期までの中期事業計画を
り、前期に比べ 3.5% 増収の 4,518 億円となりま
策定し、現在、実行しております。
した。しかしながら営業利益に関しては、売上高
は増加しましたが、為替の影響や販売費及び一般
■ 構造改革によるコストダウン
管理費の増加、原価率の悪化により、前期に比べ
カーエレクトロニクスにおいては、モジュラーデ
52.1% 減 益 の 60 億円となりました。また、当期
ザイン* の本格導入により開発・生産効率の向上
純損益は、営業利益の減少に加え、特別損失とし
を図るとともに、国内外の生産拠点を再編・スリ
て事業構造改善費用や投資有価証券評価損の計
ム化し、コストダウンを進めてまいります。ホーム
上、繰延税金資産の取崩し等により、遺憾ながら、
エレクトロニクスでは、ホーム AV 事業の再編成と
前期の 37 億円の利益から196 億円の損失となり
分社化に加え、光ディスク事業においてもさらなる
体制のスリム化を行うことで、安定的な黒字体質
ました。
の確立を目指してまいります。
販売体制においては、先進国の体制をスリム化
し、経営資源を新興国へシフトしてまいります。
Pioneer Corporation
04
Annual Report 2013
財務ハイライト
パイオニア株式会社および連結子会社
3 月 31 日に終了した年度
2013
2012
単位:百万円または千米ドル
売上高
¥436,753
12,514
9,863
3,670
11.43
322,012
89,037
(3,568)
営業利益
経常利益
当期純利益( 純損失 )
( 円/米ドル )
1 株当たり当期純利益( 純損失 )
総資産
純資産
フリー・キャッシュ・フロー
¥451,841
5,997
812
(19,552)
(60.90)
311,325
81,576
(34,060)
2013
$4,806,819
63,798
8,638
(208,000)
(0.65)
3,311,968
867,830
(362,340)
(注)1. 米ドルの金額は、日本円の金額を便宜的に 2013 年 3 月 31 日現在の概算為替レート1 米ドル =94 円で換算したものです。
2. 1 株当たり当期純利益( 純損失 )は、発行済株式総数から自己株式を控除して算出しています。
3. フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計を表しています。
また、国内での雇用調整に加え、即効性を伴う
い事業、有望な事業に経営資源を集中して展開し
短期的施策として役員報酬および従業員給与・賞
てまいります。
与の減額等を実施しております。
以 上の施 策により、2015 年 3 月期には、売 上
* モジュラーデザイン:共通化、共有化したモジュールの組み合わせに
高 5,400 億円、営業利益 200 億円、当期純 利益
より、効率的に様々な製品を作り出す設計手法
110 億円を目指してまいります。
■ 成長戦略による収益力強化
今後の収益力強化に向け、各事業において成長
パイオニアを再び成長路線へ
戦略を推進してまいります。
カーエレクトロニクスにおいては、効率的な開
中期事業計画に全力で取り組み、パイオニアを
発・生 産プロセスの導入や生 産 拠 点の再編・ス
再び成長路線に乗せることが、私たちに課せられ
リム化により、コスト構造を抜本的に見直し、原
た責務であると考えております。全社員と一致協力
価低減の推 進を図ってまいります。また、市販と
し、この難局を乗り切っていく覚悟です。着実に利
OEM の両事業を着実に伸長させるとともに、新
益を計上することで、復配に向けて全力で取り組ん
興国戦略を強化し、売上拡大を図ってまいります。
でまいります。
さらに、三菱電機株式会社および株式会社エヌ・
ステークホルダーの皆様におかれましては、引
ティ・ティ・ドコモとの戦略的アライアンスを強化
き続き、力強いご支援を賜りますよう、よろしくお
し、将来に向けて新たなビジネスモデルを確立し
願い申しあげます。
てまいります。
ホームエレクトロニクスでは、世界的に高い評
価を得ている DJ 機器事業を主軸に据え、堅実に
2013 年 6 月
成長させるとともに、ホーム AV 事業や光ディスク
事業のスリム化を行うことで、売上拡大に依存しな
代表取締役 兼 社長執行役員
い黒字体質の事業へと転換させてまいります。そ
の他事業や新規事業については、経営貢献度の高
Pioneer Corporation
05
Annual Report 2013
特集
中期事 業計 画
─ 持 続 的な成 長の実 現に向けて ─
パイオニアでは、2014 年 3 月期から 2015 年 3 月期の 2 ヵ年にわたる中期事業計画を策定しまし
た。当社は 2013 年 3 月期に、コア事業であるカーエレクトロニクスを中心として、製品の単価下落や国内市
販市場の減速など事業環境の急激な変化に直面しましたが、これらの変化に対応するため、収益構造の改善
を図るべく、構造改革の確実な実行と、事業の再編成を通じた収益性の改善および経営基盤の強化に取り組
んでいます。再び成長路線への軌道に戻した後は、持続的な成長を実現していきます。
中期 事業計画のポイント
事業環境の急激な変化にあっても収益力を維持できる体制へと再強化すべく、構造改革および
事業の再編成を通じて、さらなる事業の効率化と経営のスピードアップを図る
1.
2.
カーエレクトロニクス事業を、より強固な事業体制へと抜本的に変革し、売上
拡大と収益力強化により経営基盤を盤石にする
ハード・ソフト× 情報サービスによる新ビジネスを、戦略的アライアンスによ
り強化・加速し、革新的な事業展開に挑戦していく
ホームエレクトロニクス事業のホーム AV と光ディスクの体制をスリム化し、売
上拡大に依存しない黒字体質の事業に転換させる。その他事業は経営貢献度
の高い事業への集中を図り、全社の収益性を向上させる
数 値 計画
( 単 位 : 億円)
2013 年 3 月期 実績
2014 年 3 月期 計画
2015 年 3 月期 計画
4,518
5,150
5,400
売上高
営業利益( 営業利益率 )
60( 1.3% )
150( 2.9% )
200( 3.7% )
当期純損益
-196
60
110
棚卸資産
765
700
720
研究開発費
337
365
380
設備投資
350
300
320
ネット有利子負債
742
475
325
現金及び預金
221
380
420
(注)
「 現金及び預金 」には 3 ヵ月超の定期預金を含んでいます。また、第三者割当増資による資金調達を反映さ
せています。
Pioneer Corporation
06
Annual Report 2013
構 造 改 革の実施
構造改革については、コスト構造を抜本的に見直す構造的施策と、
即効性を伴う短期的施策を同時に推進し、成長を支える経営基盤を
強化していきます。
構造的施策として、コア事業であるカーエレクトロニクスにおいて
は、開発・生産・販売の全プロセスを抜本的に見直し、収益性の強
化を図ります。
ホームエレクトロニクスでは、ホーム AV 事業を、2013 年 7 月に当
社から事業分割してホームエレクトロニクス製品の販売子会社に統
合し、さらに 10 月には電話機の製造販売子会社も含めた組織体制に
再編成します。光ディスク事業においても、市場規模に合わせて事業
体制を約 40% スリム化します。
全社的には、国内グループ会社を含めた 800 人規模の雇用調整を
行い、収益構造の改革を進めます。
短期的な施策としては、2014 年 3 月期に役員報酬および従業員給
与・賞与の減額等による固定費の削減を実施しています。
これらの集中的な構造改革施策の推 進により、2014 年 3 月期、
2015 年 3 月期それぞれにおいて、2013 年 3 月期に対し約 100 億円
の利益改善を見込んでいます。
構造改革の概要
■ 構造的施策
開発・生産・販売の全プロセスで抜本的な事業構造の見直し
カーエレクトロニクス
・開発 − モジュラーデザインの本格導入による開発・生産効率アップ
・生産 − 国内外生産拠点の再編・スリム化によるコストダウン
・販売 − 先進国の販売体制のスリム化により、経営資源を新興国へシフト
安定的な黒字体質確立のため、事業体制を大幅に見直し
ホームエレクトロニクス
・ホーム AV 事業 − 周辺事業を含めた再編成と分社によりスリム化
・光ディスク事業 − さらなる体制スリム化の実施
全社
国内グループ会社を含めた雇用調整の実施
■ 短期的施策
固定費削減
2014 年 3 月期における役員報酬および従業員給与・賞与の減額等
Pioneer Corporation
07
Annual Report 2013
特集
今 後の成長に向けた戦略
カーエレクトロニクス事 業
» カーエレクトロニクスでは、コスト構造の抜本的見直しおよび市販・OEM 両事業を展
開している強みを活かした事業の拡大を推進します。さらに、戦略的アライアンスの強
化により事業を変革し、新たな価値の創造に努めます。
原 価 低 減の推 進と収 益力の強 化
構造改革を通じて、開発・生産・販売の全プロセスにおけるコス
ト構造を見直し、収益性の強化を図ります。開発においては、モジュ
ラーデザインによる設計手法を本格 導入することで、2015 年 3 月
期には、2013 年 3 月期に比べ、全開発工数を 20%、全生産工数を
10% 削減します。生産においては、国内外生産拠点の再編・スリム
化を図ることで、2015 年 3 月期に約 15 億円の削減効果を見込みま
す。販売面においても、先進国体制のスリム化と新興国への経営資
源のシフトにより、収益改善を目指します。
また、業務提携している三菱電機株式会社との経営資源の相互活
用により、両社で開発の効率化を図り、2014 年 3 月期に約 25 億円
の削減効果を見込むほか、その後も両社でプラットフォームの開発
を進化・発展させ、新たなビジネスの獲得にも取り組み、収益力を
強化していく計画です。
市 販 ・ OEM 両 事 業の着 実な伸 長による売 上 拡 大
市販事業においては、これまでの先進国でのカーオーディオ市場
“ カロッツェリア サイバーナビ ”
における高いシェアを維持するとともに、新興国を中心に高まってい
る新メディアに対応したカー AV 製品へのニーズにも対応し、新しい
需要を取り込んでいきます。カーナビゲーションシステムでは、2013
年 6 月に国内で市場導入した新しい カロッツェリア サイバーナビ
に搭載されている、クラウド型情報共有サービス「 スマートループ ア
イ」などの当社ならではの斬新な商品提案と豊富なラインアップに
より、優位性を高めていきます。さらに、業務用市場での展開を強化
し、これまでのタクシーやリース車向けビジネスを運送業や配送業
に広げ、国内市場での成長を確保します。また、グローバルな取り組
みとして、スマートフォンとの連携ビジネスを推進し、ポータブルナビ
Pioneer Corporation
08
Annual Report 2013
■ クラウド型情報共有サービス
「 スマートループ アイ」
気になる場所や道路のリアルな状況を「 画
像 」で 事 前に確 認 できます。“ サイバー ナ
ビ ”のカメラで自動撮影された道路状況等
が、通信を利用してサーバーに送られ、他の
サイバーナビユーザーと情報を共有するこ
とができます。
ゲーションやカーオーディオのユーザーも含め、顧客層を広げていき
新興国戦略
ます。
OEM 事業では、顧客のニーズや戦略に着実に対応し、自動車の
付加価値向上に貢献するパイオニアらしい商品提案を加速すること
で、主要取引先との関係を強化し、堅実な事業拡大を目指します。
さらに、売上が着実に伸長している新興国での取り組みを強化し、
従来の中国、ロシア、ブラジルに加え、今後はインドネシアやインド
での事業展開にも注力していきます。特にインドネシアについては、
本 年 5 月から生 産を開始した現 地での EMS( 電子機 器受託 製 造
これまでの新興国ビジネスの実績・
ノウハウ活用
地域特性を重視した製品の拡充
カーディーラーチャネル攻略による
売上拡大
新興国売上高( 億円 )
サービス)や、昨年 10 月に新たに設置した駐在員事務所を活用して
事業拡大を進めてまいります。
新興国比率( %)
21
22
1,060
890
これまでの実績やノウハウを活かし、地域特性を重視した製品展
開やカーディーラーチャネルでのビジネス強化などにより、市販と
29
25
573
694
OEM の両面で事業の拡大を図ります。
2012 年 2013 年 2014 年 2015 年
3 月期 3 月期 3 月期 3 月期
( 実績 )( 実績 )( 計画 )( 計画 )
新興国各地域における戦略
中国
ブラジル・中南米
インド
ASEAN
ロシア
アフリカ
現地合弁会社と連携した新規ビジネス獲得活動強化
価格競争力と市場・顧客ニーズへの対応強化による市販・ OEM 両面の事業拡大
販路拡大による市販シェア向上、およびカーディーラー向けビジネス獲得
現地リソースを活用したカーディーラーチャネルでのプレゼンス向上
市場ニーズに合致した商品力強化と効率的な拡販の実行
マーケティング活動と販売チャネル拡大に向けた活動の継続推進
戦略的アライアンスを活用した
ビジネスモデル変 革による新 価 値 創出
また、今後の成長につながる新たな価値創出への取り組みにも注
力していきます。
今後、車載機器は、より高度な情報を扱う次世代車載機器へと
変化していくと考えられ、当社は今後の自動車環境を見据えた、新
たなビジネスモデルの確立に挑戦します。その実現のために、従来
業務提携関係にあった三菱電機株式会社と株式会社エヌ・ティ・
Pioneer Corporation
09
Annual Report 2013
特集
ティ・ドコモとの戦略的アライアンスを強化しました。当社が持つ車
両ネットワーク技術や独自の地図データ、走行情報などの強みと、
提携先が持つ車両情報やクラウド情報に代表される強みを融合し、
ハード・ソフトと情報サービスを強化・進化させたビジネスモデルへ
と事業を変革することで、新たな価値を創造します。
三菱電機株式会社とは、従来の業務提携により実現した「 カーナ
ビゲーション・プラットフォーム 」を一層充実させ、車両連携機能を
有した「 マルチメディア・プラットフォーム 」へと進化させます。こ
れにより、車両の各機器の管理や制御、車両間通信などが可能とな
り、ユーザーに「 安全・安心 」という高い付加価値を提供する次世
代車載機器の早期実現を図ります。
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモとは、スマートフォン向けナビ
ゲーションサービスによる協業をさらに進化させ、交通クラウドサー
ビス基盤の構築や自動車向け音声認識ユーザーインターフェースの
共同開発、通信に対応した車載機器や通信モジュール等の普及な
ど、ユーザーの「 快適・楽しみ」を向上させるクラウド情報サービス
事業の早期立ち上げに取り組みます。
また、これらの取り組みを市販・OEM 両事業に展開することで、
さらなる事業拡大を図っていきます。
戦略的アライアンスを活用した、ビジネスモデル変革による新価値創出
カーエレクトロニクス業界を車両連携・クラウド情報連携で大きく変革させる
車両情報
「 車とつながる」
クラウド情報
「 人とつながる」
連携
連携
ハード・ソフト × 情報サービス
安全・安心
快適・楽しみ
次世代車載機器による車両状況管理サービス、
車両機器制御等の実現
様々なクラウドサービスと連携し、車利用者に最
適なユーザーインターフェースを提供、クラウド
サービス対応車載機器の普及を促進し、新価値
を提案
車両連携を強化して、車載機器の競争力と
グローバルなトップポジションを確保
クラウド情 報サービスと連 携することで、ハー
ド・ソフトおよび情報サービス市場の活性化を
実現
Pioneer Corporation
10
Annual Report 2013
ホームエレクトロニクス事業・その他事業
ホームエレクトロニクスでは、世界的に高い評価を得ている DJ 機
器を主軸に据え、堅実な成長を目指します。
当社の DJ 機器は、欧州や北米を中心にトップ DJ から高い信頼を
得ており、世界各地のクラブにおいて愛用されています。また、ダウ
ンロードコンテンツの浸透やアプリケーションの拡充により、今後は
アマチュア DJ 層に向けた市場の拡大が見込まれることから、当市
場向けに新製品を展開するとともに、新たな販売チャネルの開拓を
プロ DJ・クラブ向け DJ 機器
CDJ-2000nexus/DJM-900nexus/RMX-1000
Platinum Edition
進めています。今後も、プロからアマチュアまで幅広いユーザーの
ニーズに応えるべく、ラインアップの拡充や革新的な商品提案を行
い、当事業をホームエレクトロニクスの牽引役としてさらに成長させ
ていきます。
また、ホーム AV 事業や光ディスク事業については、構造改革を通
じた事業体制のスリム化により、安定した黒字体質への転換を図り
ます。
その他事業については、今後、既存事業とのシナジー効果を発
ホーム DJ 向けコントローラー DDJ-WeGO
揮するものを中心に、経営貢献 度の高い事業への集中を図ってい
きます。
新規事業
当社は、カーエレクトロニクスに続くコア事業の早期確立を視野
に、新規事業の育成を図っています。今後、有機 EL 照明事業や医
療・健康機器関連事業などの有望な事業にリソースを集中し、効率
的に取り組むことで、早期収益化を目指します。
有機 EL 照明事業は、照明モジュールの量産開始や輝度・発光効
率の向上、販売共同事業会社の設立など、着実な進捗を示していま
す。2013 年 1 月にはパイオニア OLED ライティングデバイス株式会
社を設立し、生産性の向上と低コスト化が見込まれる塗布工法での
量産の早期確立を図っています。さらに 6 月には、三菱化学株式会
有機 EL 照明「 美しくなる照明 」
( パイオニア プラザ銀座にて参考展示 )
社と販売・マーケティング機能を統合させる目的で、MC パイオニア
OLED ライティング株式会社を設立しました。また、株式会社タカハ
タ電子より医療用光源ユニットとして採用されるなど、有機 EL 照明
ならではの用途開発への取り組みを強化し、2014 年の本格的な事
業化を目指します。
医療・健康機器関連事業では、株式会社ジェイ・エム・エスから、
当社の「 非侵襲小型血流センサー素子」を活用した医療用レーザー
血流計の開発を受託しており、今後はヘルスケアへの応用なども視
野に入れ、当事業を本格的に展開していきます。
Pioneer Corporation
11
医師・看護師携帯用「 ナースライト」
( 株式会社タカハタ電子)
Annual Report 2013
業 績 の 概 況 ( 2013 年 3 月期)
カーエレクトロニクス
カーナビゲーションシステム
売上高は、前期に比べ 15.4% 増収の 3,126 億円
となりました。カーナビゲーションシステムについて
は、市販市場向けが市況の低迷により主に国内で
減少しましたが、OEM が国内や北米で増加したこ
とから、増収となりました。カーオーディオについ
国内
4,000
ては、市販市場向けが海外各地域で増加し、OEM
も、国内で減少しましたが、主に北米で増加したこ
2,541
2,000
1,464
とから、増収となりました。なお、カーエレクトロニ
クス全体の売上高に占める OEM の売上構成比は、
0
前期の 43% から 51% となりました。
国内外別の売上については、国内は 6.3% 増収の
1,450 億円、海外は 24.7% 増収の 1,676 億円とな
りました。
営業利益は、売上は増加しましたが、原価率の
悪化や販売費及び一般管理費の増加により、4.9%
減益の 98 億円となりました。
海外
売上高(億円)
2,708
1,343
3,126
1,676
1,077
1,364
1,450
2011
2012
2013
103
98
2012
2013
営業利益(億円)
200
140
100
0
主要製品
2011
■ カーナビゲーションシステム ■ カーステレオ ■ カー AV システム ■ カースピーカー
ホームエレクトロニクス
DJ 機器
売上高は、前期に比べ 22.0% 減 収の 959 億円
となりました。これは、DJ 機器は増加しましたが、
光ディスクドライブ関連製品が、国内市場の低迷を
受けた AV 機器向けを中心に大きく減少したことに
国内
2,000
1,576
よるものです。
国内外別の売上については、国内は 47.5% 減収
1,000
0
営業損益は、主に売上の減少や販売費及び一般
管理費の増加により、前期の 36 億円の利益から
28 億円の損失となりました。
743
1,231
649
の 305 億円、海外は前期並みの 654 億円となりま
した。
海外
売上高(億円)
832
2011
654
581
2012
305
2013
営業損益(億円)
100
主要製品
25
0
■ オーディオシステム ■ オーディオコンポーネント 36
■ DJ 機器 ■ CATV 関連機器 -28
■ ブルーレイディスクプレーヤー -100
■ ブルーレイディスクドライブ ■ DVD プレーヤー 2011
■ DVD ドライブ ■ AV アクセサリー
Pioneer Corporation
959
12
Annual Report 2013
2012
2013
その他
FA 機器
その他の売上は、電子部品や電話機の売上およ
び光ディスク関連の特許料収入は減少しましたが、
ブラジルの生産合弁会社において当期に EMS( 電
海外
売上高(億円)
国内
子機器受託製造サービス)を開始したことや、FA
600
機器の増加により、前期に比べ 1.0% 増収の 433
億円となりました。
400
国内外別の売上については、国内は 4.1% 減収の
459
429
433
168
155
171
290
274
263
2011
2012
2013
200
263 億円、海外は 10.0% 増収の 171 億円となりま
0
した。
営業損失は、販売費及び一般管理費は減少しま
営業損益(億円)
したが、原価率の悪化により、前期の 3 億円から 9
億円となりました。
20
主要製品およびサービス
1
0
■ FA 機器 ■ スピーカーユニット ■ 電子部品 -3
■ 有機 EL ディスプレイ ■ 電話機 ■ 業務用 AV システム
■ EMS( 電子機器受託製造サービス )
-9
-20
■ 地図ソフト ■ 光ディスク関連特許の使用許諾
2011
2012
2013
(注)各セグメントの営業損益は、セグメント間取引消去前の金額を表しています。
地域別売上高( 億円 )
日 本
北 米
2,500
2,200
欧 州
1,000
2,220
その他の地域
1,000
897
1,500
2,017
1,191
682
2011
2012
2013
2011
673
2012
977
2013
Pioneer Corporation
13
503
498
2011
2012
1,060
544
2013
Annual Report 2013
2011
2012
2013
研究開発
当社は、既存事業の強化・拡大に寄与する基盤技術の研究開発に加え、医療・健康や有機 EL 照
明といった新規事業の拡大や将来へ向けた研究開発に積極的に取り組んでいます。
特に、新規事業としての医療分野では、超高感度撮像デバイス( HEED-HARP デバイス)を利用した内視鏡
向けカメラデバイスの開発に加え、低線量の X 線での撮影が可能なカメラの実現に向けた研究を進めていま
す。放射線に強いというこのデバイスの特長を活かし、医療以外の分野への展開も図っていきます。
また、当社の従来からの強みである映像・光・音響技術などの基盤技術についても、引き続き技術の発
展に取り組むとともに、技術を活用した応用研究を進めています。その一例であるテラヘルツイメージング
の研究は、非破壊検査、セキュリティ、医療など様々な分野への展開が期待できます。
さらに、大学や公的研究機関、他企業との共同研究も積極的に推進しており、イノベーションの実現と研
究開発のスピードアップを図っています。
耐放射線性高感度カメラ
HEED-HARP デバイスは、当社が独自に開発
した電子放出素子 HEED*1 と NHK 放送技術研究
所等が開発した光電変換膜 HARP* 2 を組み合わせ
た、小型の超高感度カメラ用撮像デバイスです。こ
の撮像デバイスは、放射線に強いという特長を持っ
ており、2012 年から先端計測分析技術・機器開発
プログラム・放射線計測領域の国家プロジェクトと
して、東京都市大学とともにこのデバイスを用いた
耐放射線性高感度カメラの開発を進めています。
▲ HEED-HARP 撮像板
一般的な CCD 撮像素子では撮影に耐えられな
い放射線量が高い場所でも、超高感度で放射線に
強い HEED-HARP デバイスを用いると、僅かな光
光
で鮮明な画像が得られるため、原子力発電所の事
光
故現場などでの活用が期待されています。当社は、
この HEED-HARP デバイスの放射線耐性をさら
の高放射線量環境下でも長時間安定的に動作する
炭素層
上部金属電板
監視カメラの実現を目指してまいります。
酸化シリコン
(SiOx)層
シリコン層
低い駆動電圧で高い電子放出効率を有し、画素毎に均一な電子を放
出できる素子
下部金属電極
画素
HEE D冷陰極
▲ HEED-HARP 概念図
*2 High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor:
光を電気信号のもとになる電荷に変換し増倍する高感度の膜
Pioneer Corporation
14
電荷
電子ビーム
に向上させることにより、原子力発電所内部や周辺
*1 High-efficiency Electron Emission Device:
HARP膜
Annual Report 2013
アクティブ駆動回路
HEED冷陰極アレー
テラヘルツイメージング
波長
(m)
10km
1km
100m
10m
1m
100mm 10mm
1mm 100μm 10μm
電 波
3G
30G
300G
G(10 9 )
3T
30T
300T
(
T 10 )
12
3P
X線
どをⅩ線を用いずにイメージングすることができ
300M
380nm
紫外線
30M
M(10 6 )
可視光線
30M
3
780nm
近中赤外線
300k
(
k 10 )
遠赤外線
周波数
(Hz) 30k
ば目では見えない物体内部の様子や断面構造な
サブミリ波
えた電磁波です。この特長を用いることで、例え
ミリ波
ヘルツ波は、光の直進性と電波の透過性を兼ね備
1nm
光の領域(広義)
マイクロ波
マイクロ波
極超短波
超短波
短波
置の研究開発に積極的に取り組んでいます。テラ
中波
長波
当社は、
テラヘルツ波を用いた、イメージング装
1μm 100nm 10nm
30P
300P
P(10 1 5 )
ます。テラヘルツ波を用いたイメージング技術は、
100GHz ∼10THz の未利用周波数領域(テラヘルツ波)
工業・食品・医薬などの品質管理や、文化財・建
▲ テラヘルツ波の概念図
物・構造物などの非破壊検査、危険物検知などの
セキュリティ、医療といった幅広い分野への応用
が期待できます。
当社は、光ディスクドライブ・ピックアップの開
発で培った光学技術、小型化技術、信号処理技術
を用い、テラヘルツイメージング装置を開発してい
ますが、このたび、ローム株式会社と共同で、小型
半導体素子「 共鳴トンネルダイオード」を用いた
テラヘルツイメージングに成功し、小型で安価なイ
メージング装置実現の可能性を見出しました。今
後、テラヘルツイメージング装置の研究開発を加
速し、非破壊検査やセキュリティの分野での事業
▲ テラヘルツ波を発振・検出する「 共鳴トンネルダイオード
モジュール」
( ローム株式会社と共同開発 )
化を目指します。
ケース開時
ケース閉時
▲ テラヘルツ波を用いたイメージング技術による、不透明樹脂ケースの透過像
研究開発ホームページ:http://pioneer.jp/crdl/
Pioneer Corporation
15
Annual Report 2013
テラヘルツ波透過画像
コ ー ポレ ート・ ガバ ナンス
当社は、コーポレート・ガバナンス体制として「 監査役会設置会社 」制度を採用しています。取
締役会において経営方針等の意思決定と業務執行の監督を行い、監査役会が取締役の職務執行に対する
監査を行う体制としており、この機関構造を基本とした上で、迅速な業務執行を行うために執行役員制度を
採用しています。
また、意思決定の透明性を確保することを目的として、経営執行会議および取締役会の諮問機関としての
任意の委員会を設けています。
決定します。また、取締役会が決定権を持つと定
取締役会、監査役会および執行役員
当社は監査役制度を採用し、経営方針等の最
重要事項に関する意思決定機関および監督機関と
しての取締役会、業務執行機関としての代表取締
役、監査機関としての監査役会を設置しています。
また、執行役員を選任し、迅速な業務執行と責任
められた事項は、取締役会への答申を行うことと
しています。2013 年 3 月期においては、37 回開催
して約 100 件の案件を審議しました。
任意の委員会
経営の透明性を高め、コーポレート・ガバナンス
の明確化を図っています。
取締役については、当社グループと重要な取引
を強化することを目的に、取締役会の諮問機関と
関係がなく高い独立性を有する社外取締役を複数
して、社外取 締役を委員長とする「 指名委員会 」
選任し、業務執行に関する取締役会の監督機能を
「 報酬委員会 「
」 特別委員会 」を設置しています。
強化するとともに、株主による選任の機会を増や
指名委員会は取締役および執行役員の選解任等
すことで、取締役の責任をより明確にして経営環
や監査役の選任に関する事項を、報酬委員会は取
境の変化に迅速に対応できるよう、任期を 1 年と
締役および執行役員の報酬等に関する事項を、特
しています。また、取 締役は全社的な視点から意
別委員会は企業買収等の企業価値に重大な影響
思決定機能および監督機能に特化し、執行役員は
を及ぼす事態への対応策に関する事項を、それぞ
その業務執行機能を強化することで、コーポレー
れ審議します。審議の結果は取締役会に報告・提
ト・ガバナンスの向上を図っています。監査役会
案され、取締役会は、その報告・提案内容を十分
は、半数以上が独立性の高い社外監査役で構成さ
に尊重して審議を行います。
れており、取締役の職務執行に対する監査を行っ
ています。2013 年 3 月期においては、取締役会は
7 回、監査役会は 12 回開催しました。
業務の適正を確保するための体制
当社は、企業理念「 より多くの人と、感動を」を
グループ内で共有するために、
「 企業ビジョン」を
経営執行会議
掲げ、
「 パイオニアグループ規程 」を定めています。
取締役会の意思決定機能を強化するプロセスと
「 パイオニアグループ規程 」は、良き企 業 市民
して、執行役員の中から取締役会が指名したメン
として社会から信用と尊敬を得ることを目指した
バーで構成される経営執行会議を設置し、原則と
「 パイオニアグループ企業行動憲章 」を頂 点とし
して週 1 回開催しています。経営執行 会議は、取
て、当社グループの役員および従業員が業務にお
締役会の監督の下、事業推進上の重要課題、投資
ける判断・行動の基準として遵守すべき事項を具
案件やグループ再編、グループ全体の経営戦略、
体的に定めた「 パイオニアグループ行動規範 」、グ
中長期方針等の議題について十分な議論を行い、
ループ各社の権限と責任の範囲やコンプライアン
Pioneer Corporation
16
Annual Report 2013
スルールなどに関する諸規程で構成されています。
会等とも連携を取り、内部統制システムやリスクマ
「 パイオニアグループ企業行動憲章 」に定める、
ネジメント等の監査をはじめ、企業倫理や品質管
社会的正義を尊重した公正な企業活動を推進する
理、環境等に係る内部監査の充実を図っています。
という精神に則り、市民社会の秩序や安全に脅威
ビジネス・エシックス委員会
を与える反社会的勢力を排除するため、反社会的
勢力への対応を統括する部門を設置し、外部専門
当社グループでは、社外取締役を委員長とする
機関との連携や反社会的勢力への対応に関する指
「 ビジネス・エシックス委員会 」を設置し、グルー
導・連絡をグループ内で徹底するなど、組織的か
プの役員および従業員の法令遵守や、
「 パイオニア
つ毅然とした対応を行っています。
グループ行動規範 」の周知徹底を図っています。
経営情報の適切な開示と財務報告の適正性を
また、
「 パイオニアグループ行動規範 」に反する
確保するため、その対応方針および主管部門を定
行為の早期発見や適切な対応のために、グループ
めるほか、外部専門機関との連携を図ることなど
全体の内部通報制度として「 ビジネス・エシック
により、情報管理体制の強化を図っています。
ス・ホットライン」を設けています。このホットラ
また、
「 危 機 発 生時における適切な対応 方針」
インは、外部 機関を通報の受付窓口としており、
や、
「 グループ各社における権限・責任の所在なら
通報者の匿名性を確保しつつ詳細を確認できる
びに承認手続に係る方針」を具体的に規定するな
仕組みとしています。また、通報内容は「 ビジネ
ど、業務の適正を確保するために必要な体制を整
ス・エシックス委員会 」と同時に監査役会にも報
備しています。
告される仕組みとしており、誠実かつ確実な対応
監査部は、グループ全体の業務運営の状況を監
が可能となっています。
査し、合法性や社内規則の遵守状況を確認すると
ともに、グループ各社の内部監査担当者や監査役
コーポレート・ガバナンス体制 ( 2 0 1 3 年 6 月 2 6 日 現 在 )
株主総会
選任/解任
意思決定・監督機能
監査役会
監査役 3 名
(うち社外監査役 2 名)
会計監査人
監査
取締役会
業務執行機能
選解任・
連携
監査報告
監督
監査部
執行役員
監督・指示
取締役 7 名
19 名
(うち代表取締役 3 名)
(うち取締役兼務 5 名)
(うち社外取締役 2 名)
答申
指示
報告
付議
指名委員会
(委員長:社外取締役)
承認
経営執行会議
付議
内部監査
(取締役会の諮問機関)
承認
報告・提案
業務の
執行
報酬委員会
(委員長:社外取締役)
特別委員会
(委員長:社外取締役)
事業部門、グループ会社
〈パイオニアグループ規程 〉
・ パイオニアグループ企業行動憲章
・ パイオニアグループ行動規範
・ ビジネス・エシックス基本規程、連結内部監査基 本規程、
内部統制システム基本規程などによる業務の適正確保
Pioneer Corporation
17
Annual Report 2013
ビジネス・エシックス委員会
(委員長:社外取締役)
社会貢献・環境保護活動
当社は「 より多くの人と、感動を 」という企業理念のもと、社会から信頼される企業であり続ける
ため、健全な企業行動を通じて様々なステークホルダーから寄せられる社会的要請に応えていくことを目指
しています。
当社の社会貢献活動は、
「 音楽・映像 」
「 環境保全 」
「 教育支援 」を中心に、事業に関連したノウハウや
技術力を活かした従業員参加型の自主的な活動を主体とし、従業員が積極的に社会貢献に取り組んでい
ます。
当社の環境活動は、
「 地球温暖化防止 」
「 省資源と資源循環 」
「 化学物質の管理 」を重要な環境課題と
捉え、
「 環境負荷ゼロ 」を目指した製品開発を行っています。企画・設計から廃棄・リサイクルまで、製品の
ライフサイクル全体で環境負荷を低減するとともに、製品環境アセスメントの実施や環境配慮に関する評
価制度の導入など、独自の取り組みでお客様に選ばれる環境性能の優れた製品の開発を推進しています。
「 身体で聴こう音楽会 」が 20 周年を迎えました
「 身体で聴こう音楽会 」は、当社が開発した音
を振動に変える体感音響システムを使い、聴覚に
ハンディキャップを持つ方にも音楽の素晴らしさに
触れてもらえる催しとして、1992 年から継続して
取り組んでいる活動です。この音楽会は、社員とそ
の家族のボランティアによって運営され、20 周年
を迎えた当期には、フラメンコやビッグバンドジャ
▲ フラメンココンサート
ズによる記念コンサートを開催し、迫力のあるス
テージを多くの方に楽しんでいただきました。
社会貢献ホームページ:http://pioneer.jp/citizen/
当社 AV アンプが川崎市の環境賞を受賞しました
当社の AV アンプ SC-LX85 は、同時多チャンネ
ル・ハイパワー出力でクラス最高の音質と性能を
実現しながら、消費電力・製品質量・製品容積を
▲ 当社が開発した体感音響システム
減らすことで、従来製品と比較して、ライフサイク
ル全 体で CO 2 排出量を 47% 削減しました。この
取り組みが評価されてこの製品は、
「 低 CO 2 川崎
ブランド* 12 」に認定されました。なおこの技術
は、当社の他の AV アンプ最新モデルにも採用さ
れています。
* 低 CO
2 川崎ブランド:ライフサイクル全体で CO 2 削減に貢献する製
品・技術等として、神奈川県川崎市が認定するもの
▲「 低 CO 2 川崎ブランド ʼ 12 」に認定された AV アンプ SC-LX85
環境保護ホームページ:http://pioneer.jp/environment/
Pioneer Corporation
18
Annual Report 2013
役 員 ( 2013 年 6 月 26 日現在 )
取締役
代表取締役
執行役員
小 谷 進
社長執行役員
小 谷 進
岡 安 秀 喜
専務執行役員
岡 安 秀 喜
小 野 幹 夫
取締役
小 野 幹 夫
松 本 智
上席常務執行役員
松 本 智
川 尻 邦 夫
小勝負 雅 典
大 泉 隆 史
黒 崎 正 謙
谷 関 政 廣
常務執行役員
猪 鼻 治 行
川 尻 邦 夫
監査役
常勤監査役
伊 藤 敏 行
檀 上 康 彦
監査役
錦 戸 景 一
川 村 雅 弘
井 上 寅 喜
執行役員
栗 山 和 己
仲 野 隆 茂
齋 藤 春 光
釣 谷 郁 夫
加 瀬 政 雄
下 田 幹 雄
栗 原 俊 彦
森 谷 浩 一
大 舘 諭
( 注 )1. 大泉隆史および谷関政廣は、社外取締役であり、東京証券取引所が定める要件を満たす独立役員です。
2. 錦戸景一および井上寅喜は、社外監査役であり、東京証券取引所が定める要件を満たす独立役員です。
Pioneer Corporation
19
Annual Report 2013
財 務 セクション
目 次
21
5 年 間の要約経営指標
22
連結貸借対照表
24
連 結 損 益 計 算 書 及び連結包括利益計算書
26
連結株主資本等変動計算書
28
連 結キャッシュ・フロー 計 算 書
本財務セクションにおいては、連結財務諸表に対する注記事項の記載を省略しています。
当該注記事項を記載した有価証券報告書は、以下のホームページに掲載しています。
http://pioneer.jp/corp/ir/library/securities/
Pioneer Corporation
20
Annual Report 2013
5 年間の要約経営指標
パイオニア株式会社および連結子会社
3 月 31 日に終了した年度
2009
2010
2011
2012
2013
2013
¥558,837
¥438,998
¥457,545
¥436,753
¥451,841
$4,806,819
営業利益(損失)
(54,529)
(17,514)
15,817
12,514
5,997
63,798
経常利益(損失)
(54,420)
(24,740)
12,331
9,863
812
8,638
(130,529)
(58,276)
10,350
3,670
(19,552)
(208,000)
総資産
429,093
389,719
309,712
322,012
311,325
3,311,968
純資産
111,848
90,654
88,454
89,037
81,576
867,830
25.8
22.4
27.4
26.1
24.5
(636.68)
(272.70)
32.24
11.43
(60.90)
(0.65)
1 株当たり純資産(円/米ドル)
538.98
271.46
264.78
261.98
237.97
2.53
棚卸資産
84,886
55,050
59,616
66,871
76,466
813,468
設備投資
45,849
23,802
22,148
24,769
34,965
371,968
減価償却費
43,187
39,303
29,842
24,568
25,413
270,351
研究開発費
54,790
35,977
33,040
34,590
33,671
358,202
9.8
8.2
7.2
7.9
7.5
ネット有利子負債
115,430
73,752
40,266
43,558
74,153
D / E 比率(倍)
1.6
1.9
1.0
1.1
1.3
営業活動によるキャッシュ・フロー
(61,563)
7,956
37,454
18,213
1,179
12,543
投資活動によるキャッシュ・フロー
(38,292)
(8,432)
3,886
(21,781)
(35,239)
(374,883)
財務活動によるキャッシュ・フロー
85,833
21,846
(74,244)
1,719
7,018
74,660
現金及び現金同等物の期末残高
63,746
84,142
47,566
45,953
20,967
223,053
(%)
ROA(総資産当期純利益率)
(26.3)
(14.2)
3.0
1.2
(6.2)
(%)
ROE(自己資本当期純利益率)
(70.8)
(59.0)
12.0
4.3
(24.4)
期中平均為替レート(円:対米ドル)
100.54
92.85
85.72
79.08
83.10
期中平均為替レート(円:対ユーロ)
143.48
131.15
113.12
108.98
107.14
従業員数(名)
32,115
29,046
26,785
24,765
23,926
単位:百万円または千米ドル
売上高
当期純利益(純損失)
自己資本比率( % )
(円/米ドル)
1 株当たり当期純利益(純損失)
売上高研究開発費率( % )
788,862
(注)1. 米ドルの金額は、日本円の金額を便宜的に 2013 年 3 月 31 日現在の概算為替レート 1 米ドル= 94 円で換算したものです。
2. 金額の表示は、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しています。
3. 2010 年 3 月期から、従来「 営業収入 」として表示していた項目を「 売上高 」に変更しています。これに伴い、2009 年 3 月期の売上高については、
営業収入の数値を記載しています。
4. 1 株当たり当期純利益( 純損失 )および 1 株当たり純資産は、発行済株式総数から自己株式を控除して算出しています。
5. ROA( 総資産当期純利益率 )は、当期純利益( 純損失 )を期中平均総資産で除して算出し、ROE( 自己資本当期純利益率 )は、当期純利益( 純損
失 )を期中平均自己資本( 自己資本は、純資産から少数株主持分を控除したもの )で除して算出しています。
6. 従業員数には、短期( 1 年未満 )契約社員および派遣・請負社員を含んでいません。
Pioneer Corporation
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Annual Report 2013
連結貸借対照表
Pioneer Corporation
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Annual Report 2013
Pioneer Corporation
23
Annual Report 2013
連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連 結損 益 計 算 書
Pioneer Corporation
24
Annual Report 2013
連 結包 括 利益計 算 書
Pioneer Corporation
25
Annual Report 2013
連結株主資本等変動計算書
Pioneer Corporation
26
Annual Report 2013
Pioneer Corporation
27
Annual Report 2013
連 結 キ ャッ シ ュ ・ フ ロ ー 計 算 書
Pioneer Corporation
28
Annual Report 2013
株式関連情報
上場証券取引所
株式の状況( 2013 年 3 月 31 日現在 )
東京証券取引所( 1961 年上場 )
発行済株式総数 326,093,836 株
株主名簿管理人
株主総数 55,339 名
三菱 UFJ 信託銀行株式会社
所有者別分布状況
〒 100-8212
株主数(名) 持株数(千株)持株比率(%)
東京都千代田区丸の内 1 丁目 4 番 5 号
金融機関
44
82,540
25.31
証券会社
71
15,915
4.88
332
59,946
18.38
277
57,911
17.76
54,615
109,779
33.67
その他の法人
外国法人等
個人・その他
(注)
「 個人・その他 」には自己株式 5,024 千株( 持株比率 1.54 % )を
含んでいます。
大株主( 上位 10 名 )
株主名
持株数(千株)持株比率(%)
シャープ株式会社
30,000
9.34
本田技研工業株式会社
14,700
4.57
全国共済農業協同組合連合会
14,504
4.51
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
13,231
4.12
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
12,753
3.97
ジェーピー モルガン チェース バンク 385078
9,210
2.86
三菱電機株式会社
7,530
2.34
株式会社三菱東京 UFJ 銀行
6,490
2.02
バンク オブ ニューヨーク ジーシーエム クライアント アカウント ジェイピーアールディ
アイエスジー エフイー − エイシー
5,525
1.72
パイオニア従業員持株会
4,874
1.51
(注)1. 持株比率は、2013 年3月 31 日現在の発行済株式総数から自己株式数を控除して算出し、小数点第 3 位未満を切り捨てて表示しています。
2. 当社は、自己株式を 5,024 千株所有していますが、上記大株主には含めていません。
(ご参考 )当社は、三菱電機株式会社および株式会社エヌ・ティ・
ティ・ドコモに対し、2013 年6月 28 日を払込期日と
して、右記のとおり第三者割当により新株式を発行し
ました。
割当先
発行新株式数(株)
持株比率(%)
割当前
割当後
三菱電機株式会社
20,356,500
2.34
7.59
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
25,773,100
−
7.01
46,129,600
2.34
14.61
合 計
お問い合わせ先
パイオニア株式会社 IR 部
〒 212-0031 神奈川県川崎市幸区新小倉1番1号
電話 : (044) 580-1017
その他の情報は、当社の投資家情報サイトをご覧下さい。
ファックス : (044) 580-4064
http://pioneer.jp/ir/
Eメール : [email protected]
見通しに関する注意事項
本アニュアルレポートにおいて、当社の現在の計画、概算、戦略、判断などの記述、また、その他すでに確定した事実以外の記述は、当社の将来の業
績の見通しに関するものです。これらの記述は、現在入手可能な情報による当社経営陣の仮定および判断に基づいています。実際の業績は、様々な重
要なリスク要因や不確定要素によって、見通しの中で説明されている業績から大きく異なる可能性もありますので、これらの記述に過度に依存されない
ようお願いします。また、当社は新たな情報や将来の事象等の結果としてこれらの記述を常に見直すとは限らず、当社はこのような義務を負うものでは
ありません。当社に影響を与え得るリスクや不確定要素には、
( 1 )当社が関わる市場の一般的な経済情勢、特に消費動向や当社が製品等を供給する
業界の動向、
( 2 )為替レート、特に当社が大きな売上や資産、負債を計上するユーロ、米ドル、その他の通貨と円との為替レート、
( 3 )競争の激しい市
場において、顧客から受け入れられる製品を継続して設計、開発する能力、
( 4 )事業戦略を成功させる能力、
( 5 )他社との合弁、提携またはその他の
事業関係の成功、
( 6 )資金調達能力、
( 7 )研究開発や設備投資に十分な経営資源を継続して投下する能力、
( 8 )製品に関する品質管理能力、
( 9 )生
産に必要な重要部品を継続して調達し得る状況、
( 10 )偶発事象の結果などが含まれますが、これらに限られるものではありません。
Pioneer Corporation
29
Annual Report 2013
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