...

免疫病・アレルギー性疾患・膠原病 先天性免疫不全症 ・Di George

by user

on
Category: Documents
29

views

Report

Comments

Transcript

免疫病・アレルギー性疾患・膠原病 先天性免疫不全症 ・Di George
免疫病・アレルギー性疾患・膠原病
☆先天性免疫不全症
・Di George 症候群
第3、4鰓弓の発生異常→胸腺、副甲状腺の欠如
T 細胞、副甲状腺欠損(低 Ca 血症)、テタニー、心血管奇形
・Bruton 型無γグロブリン血症
XR, すべての免疫グログリンの低下
B 細胞
・SCID(重症複合型免疫不全症)
B 細胞+T 細胞
・Wiskott-Aldrich 症候群
XR
B 細胞+T 細胞、IgM↓、IgA↑IgE↑、出血傾向(血小板低下)
、湿疹、下痢
・毛細血管拡張性失調症
B 細胞+T 細胞、IgA↓、IgM↑、皮膚毛細血管拡張、小脳失調(初発症状)
・慢性肉芽腫症
殺菌能障害、遊走能正常、貪食能正常
(肺炎球菌、連鎖球菌などは殺菌できる)
好中球機能障害、好中球数↑、好中球 NBT 還元能低下(NBT:ニトロブル
ーテトラゾリウム)
・Chediak-Higashi 症候群
殺菌能障害、遊走能障害
好中球、赤毛、白子
膠原病
☆自己抗体
・リウマトイド因子(RF)
変性 IgG に対する自己抗体
IgM のものが多い
・抗核抗体
細胞の核内にある抗原物質と反応する自己抗体の総称
蛍光抗体法で検出される
→shaggy pattern (peripheral pattern)
DNA のみ反応;核辺縁が染まる→SLE(国試ではこれのみ)
*抗核抗体+、ーというのは、蛍光抗体法によって染色されるかどうかという
こと。→各自己抗体はそれぞれの ELISA 系によって検出されるもの。
*WBC↓の疾患
SLE, Felty, SjS
→SLE と SjS は pancytopenia
Felty は RA+脾腫+脾機能亢進症(WBC↓など)
*好酸球↑の疾患
Churg-Strauss 症候群(AGA:アレルギー性肉芽腫性血管炎)、Wegener 肉芽腫症、PN
→Churg-Strauss は PN+肺疾患
*腎疾患なし
PM/DM, ベーチェット、RA
☆補体低値
AGN, MPGN, SLE; MRA, PN (活動期)
☆男性に多い(RF-)
強直性脊椎炎、Reiter 症候群、乾癬性関節炎、成人 Still 病
☆男性に多いが RFPN
☆高熱
SLE, Still, リウマチ熱、血管炎
☆レイノー現象
MCTD, PSS, PM/DM, SLE
覚:例の合コン、今日の午後にする?
例(レイノー)合(MCTD)今日(PSS)午後(PM)する(SLE)
☆リンパ節腫脹
SLE、MCTD
☆肺線維症
RA(最多), PSS, PM/DM
☆肺高血圧
MCTD, PSS, SLE
☆皮下結節
RA、リウマチ熱
☆アスピリンが第一選択
JRA, RF, 川崎病
→RF は抗炎症作用(心炎のときはステロイド)
川崎病は抗血小板療法(+γグロブリン)
☆ステロイドが著効
MCTD, MRA, Churg-Strauss, TA(側頭動脈炎), DM; SLE
*原因不明の発熱
→感染症、悪性腫瘍、膠原病
☆特異的な自己抗体
抗 U1-RNP 抗体→MCTD
抗 ds-DNA 抗体, 抗 Sm 抗体→SLE
抗 SS-B 抗体→SjS
抗 Scl-70 抗体→PSS
抗 Jo-1 抗体→PM/DM
☆関節リウマチ(RA)
・機序
T 細胞の活性化、T 細胞の滑膜組織への浸潤、T 細胞の増殖
・RA の診断基準
覚;あら、朝・み・たい・テ・レ・ビが・あるので・録画する
RA、朝のこわばり、3ヶ所以上の関節炎、対称性関節炎、手関節炎、
X 線変化、皮下結節、RF、6週間以上持続
・治療
MTX(DMARDs のひとつ)
抗 TNFα抗体(infliximab:インフリキシマブ;レミケード R)
血漿交換
☆悪性関節リウマチ(MRA)
・RA+PN
・通常の RA に比べて男性に多い
・高齢者、長期 RA 患者に多い
・血清補体価低値
・RA より皮下結節の頻度が高い
・RF 高値、抗核抗体+の頻度が高い
・治療:血管炎→ステロイド
☆若年性関節リウマチ(JRA: juvenile rheumatoid arthritis)
・15 歳以前に発症した RA のこと。
・年齢のピーク:2-4 歳、8-12 歳
・成人の RA に比して全身症状が強い。
・リウマトイド因子の陽性率が低い。
・3つの病型:Still 病、多発関節炎型、少数関節炎型
→Still 病のみ覚える
・Still 病
弛張熱→多発関節炎→全身症状;肝脾腫、サーモンピンク皮疹、
全身リンパ節腫脹、心外膜炎、心筋炎、小球性貧血
・治療:大量のアスピリン
*アスピリンが第一選択
JRA, RF, 川崎病
→RF は抗炎症作用(心炎のときはステロイド)
川崎病は抗血小板療法(+γグロブリン)
*小児の発熱持続と関節炎症状の鑑別
・ASO↑、移動性関節痛(JRA は固定性関節炎、川崎病は関節炎なし)
→リウマチ熱
・ASO→、サーモンピンク疹、肝脾腫(これがあれば決まり)→JRA
・幼弱白血球の増加→白血病
・化膿巣の存在→敗血症
・汎血球減少→SLE
☆成人発症 Still 病
・男性に多い→RF(-)⇔例外は PN
・症状:弛張熱、サーモンピンク皮疹、多発性関節炎
・WBC↑、血小板は増加しない
・リンパ節腫大、肝脾腫
☆Felty 症候群
・RA+脾腫+WBC↓(脾機能亢進)
・症状:RA 症状、脾腫、感染症、血小板↓(Still 病との対比)
・RF 陽性率が高い
*WBC↓の膠原病
SLE, SJS, Felty
☆SLE
・III 型アレルギー
・誘因:海水浴などの紫外線曝露、日光過敏
・症状:発熱、易疲労感
顔面蝶形紅斑(治療により軽快)
円板状皮疹(治療に抵抗性)
紫斑
凍瘡様皮疹
脱毛→lupus hair
光線過敏症→無痛性潰瘍(⇔有痛性潰瘍はベーチェット病)
多発性関節炎
ループス腎炎→ネフローゼ症候群
精神神経症状(CNS ループス)→うつ状態、統合失調症様症状(幻覚、
妄想)、痙攣(最多)
心膜炎
胸膜炎
肺出血(SLE と顕微鏡的 PN)
リンパ節腫脹(SLE と MCTD)
・検査所見:血沈↑、CRP は上昇しない!
血清補体価(活動期に低下)
抗 Sm 抗体、抗 ds-DNA 抗体
☆抗リン脂質抗体症候群(APS: antiphospholipid syndrome)
・生体の構成成分であるリン脂質(カルジオリピン等)またはリン脂質に結合
した蛋白に対する抗体の存在により、動静脈血栓症、習慣性流産、血小板
減少症などを呈する症候群
・基礎疾患として SLE が認められる
・静脈血栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓など)
・動脈血栓症(脳血管障害)
・習慣性流産
・血小板減少症
・抗カルジオリピン抗体
・PT 正常、APTT 延長
☆強皮症(SSc: systemic sclerosis)
・症状(初発症状が大切)
光線過敏(ー)
Raynaud 現象
ソーセージ様手指(SSc と MCTD)
近位の皮膚硬化
指尖の小潰瘍
色素脱失・沈着
多発性関節炎
肺線維症(ステロイド抵抗性)
消化管全体の蠕動低下により、食道のほか、小腸・大腸でも拡張が見られる
強皮症腎→血管内皮細胞障害を基本に糸球体虚血が生じ、高レニン性悪性高
血圧
・検査
RF(+)
抗トポイソメラーゼ抗体(抗 Scl-70 抗体)
抗セントロメア抗体
抗 RNA ポリメラーゼ抗体(抗 U1-RNP 抗体)
抗 PM-Scl 抗体
・SSc の画像診断上の特徴
1、手指 X 線単純撮影→手指末端骨の骨吸収像
2、胸部 X 線→肺線維症
3、消化管造影→消化管の拡張・蠕動運動低下像
・治療
線維性病変→D-ペニシラミン
腎クリーゼ→ACE 阻害薬
☆CREST 症候群
Calcinosis(石灰化)
Raynaud 現象
Esophageal dysfunction(食道蠕動低下)
Sclerodactylia(強指症)
Telangiectagia(毛細血管拡張)
・抗セントロメア抗体陽性
☆多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM; polymyositis/dermatomyositis)
・光線過敏(+)
・嚥下障害
・近位筋が対称性に侵される→筋力低下
・ヘリオトロープ皮疹(両上眼瞼部の紫紅色の浮腫性紅斑)
・Gottron 徴候(手指の関節伸側面の鱗屑を伴う紅斑)
・腎障害なし(PM/DM とベーチェットがなし)
・CK(CK-MM)↑、AST↑、アルドラーゼ
・尿中クレアチン↑尿中クレアチニン↓(筋量を反映)
・抗 Jo-1 抗体→抗 Jo-1 抗体は肺線維症を伴う症例に多い。
・悪性腫瘍の合併(胃癌)
☆混合性結合組織病(MCTD: mixed connective tissue disease)
・SLE, SSc, PM/DM のそれぞれの症状を少しずつ合わせ持ち、いずれの疾患の
診断基準も満たさない。
・SLE 様症状:関節炎、顔面紅斑、WBC↓
・SSc 様症状:Raynaud 現象、手指硬化・腫脹(ソーセージ様手指)
、肺線維症
・PM 様症状:筋力低下
・抗 U1-RNP 抗体
・合併症:肺高血圧症
☆血管炎症候群
・大血管:高安病、側頭動脈炎
・中血管:PN、MRA、川崎病
・小血管:顕微鏡的 PN、Wegener 肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎
(Churg-Strauss 症候群)、Henoch-Scholein 紫斑病
☆結節性多発動脈炎(PN: periarteritis nodosa)
・全身の中等大の動脈の系統的な壊死性血管炎であり、血管の所々に結節を持
つ疾患。
・原則として、肺、脾動脈を侵さない
・抗核抗体(-)
・RF(+)
・男性に多い(しかし、RF は+)
・症状:長期間の発熱(38 度以上、4週以上)と体重減少(6ヶ月以内に6kg
以上)が重要
・肺動脈病変なし→PN+肺病変=アレルギー性肉芽腫性血管炎
・糸球体腎炎(AGA では陰性)
・多発性単神経炎(手足のしびれ感)
・網膜病変
・好中球優位の WBC 上昇⇔AGA では好酸球優位
・P-ANCA 陰性⇔顕微鏡的 PN では P-ANCA 陽性
・ステロイド+免疫抑制薬の併用療法
☆顕微鏡的 PN(顕微鏡的多発血管炎 MPA; microscopic polyangitis)
・RPGN
・肺出血
・間質性肺炎
・P-ANCA 陽性
☆アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA; Churg-Strauss 症候群)
・PN+肺動脈病変
・好酸球浸潤と血管外肉芽腫を伴う壊死性血管炎
・P-ANCA 陽性
・腎症は少ない(PN は多い)
・好酸球優位の WBC 増加
・喘息の合併
☆Wegener 肉芽腫症
・全身性の血管炎
・好中球細胞質に対する自己抗体(C-ANCA)が高率に見いだされる
・鼻咽腔・気管・肺・腎に進行性の壊死性血管炎と肉芽腫を生じる。
・慢性副鼻腔炎、鼻炎で初発
・鞍鼻
・上気道症状:難治性鼻炎、副鼻腔炎
・下気道症状:肺の結節性病変
・腎不全に至る腎炎:糸球体腎炎
・眼球突出、血痰、上強膜炎
・胸部 X 線:空洞を伴った多発結節性陰影
・治療:免疫抑制薬
☆側頭動脈炎(TA: temporal arteritis=巨細胞性動脈炎)
・50 歳以上の女性に多い。(⇔高安病は 20-30 代)
・リウマチ性多発筋痛症と合併
・発熱、体重減少、関節痛、筋肉痛
・拍動性頭痛、側頭部の索状硬結
・視力障害
・RF(-)←血管炎
・CK, 筋電図は正常、筋力低下なし
・ステロイドが著効
☆リウマチ性多発筋痛症
・側頭動脈炎に合併
・50 歳以上に好発
・異常検査値は赤沈↑、CRP+のみ
・CK 正常、筋力低下なし
☆シェーングレン症候群(SjS)
・リンパ球浸潤を伴う涙腺、唾液腺などの慢性炎症により、涙・唾液などの分
泌量が低下し乾燥状態を生じた疾患群。
・dry eye
・dry mouth
・関節痛
・環状紅斑(顔面のものは本症に特徴的)
・唾液腺や涙腺の腫脹
・I 型 RTA ,膜性腎症
・間質性肺炎
・Shirmer 試験、Rose Bengal 試験(dry eye の検査)
・ガム試験(dry mouth の検査)
・WBC↓
・抗 SS-A, SS-B 抗体
・合併症:RA, PBC, AIH, 橋本病;悪性リンパ腫
☆リウマチ熱
・A 群β溶連菌感染(他は、AGN, 丹毒、猩紅熱)
・症状は、炎症、舞踏病、皮膚の3つに分けて考える。
炎症→心炎、多発関節炎
舞踏病→シデナム舞踏病
皮膚→輪状紅斑、皮下結節
・関節炎は大関節に多く、移動性⇔JRA は小関節も、さらに固定性
・治療:ペニシリン(抗溶連菌)、アスピリン(抗炎症)
ステロイド(心炎)
☆ベーチェット病
・全身性の小血管炎による多彩な病像を呈する
・HLA-B51 の保有率が高い
・粘膜皮膚眼症候群のひとつ
*粘膜皮膚眼症候群(皮膚科)
ベーチェット病、多形滲出性紅斑、結節性紅斑、成人 Still 病、Sweet 病
*虹彩毛様体炎(眼科)
ベーチェット病、サルコイドーシス
・症状
口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍(有痛性)⇔無痛性は SLE
皮膚症状
結節性紅斑
血栓性静脈炎
毛嚢炎様皮疹
外陰部潰瘍
眼症状
虹彩毛様体炎(前房蓄膿)
網膜脈絡膜炎
外陰部潰瘍
関節炎症状
消化器症状(回盲部ー上行結腸)←腸管ベーチェット
血管系症状(動脈瘤、血栓性静脈炎)←血管ベーチェット
精神神経症状(中枢神経症状;髄膜炎様症状)←神経ベーチェット
・腎病変はない!(PM/DM も)
・肺線維症はない!(SjS も)
・自己抗体はなし。
・IgD↑
・針反応陽性
・皮膚症状にはコルヒチンが第一選択
☆強直性脊椎炎
・脊椎や体の長軸に近い関節を侵す。
・男性に多い。→RF(-) 例外は PN
・HLA-B27(+)
・合併症:虹彩毛様体炎、AR, A-V block
*RF(-)で男性に多い疾患
強直性脊椎炎、Reiter 症候群、乾癬性関節炎、成人 Still 病
☆Reiter 症候群
・非淋菌性尿道炎や細菌性尿道炎などの 2-4 週間後に発症
・関節炎、結膜炎、尿道炎が trias
☆川崎病(MCLS: mucocutaneous lymphnode syndrome)
・川崎富作
症例写真は以下。
http://www.kawasaki-disease.org/symptom/index.html
・原因不明の急性熱性疾患
・全身の血管炎(中血管)
・皮膚、粘膜、リンパ節などが侵される(MCLS)
・症状
1、5日以上続く発熱
2、眼球結膜の充血
3、苺舌、口唇の紅潮
4、不定形発疹
5、四肢末端の変化
手足の硬性浮腫、膜様落屑
6、有痛性非化膿性頸部リンパ節腫脹
その他、冠動脈病変(動脈瘤)が重要
*苺舌(溶連菌感染症と川崎病)
→川崎病は ASO (-)
・血小板増加
・治療
アスピリン(抗血小板療法)
γグロブリン(冠動脈瘤の発生を防止できる)
Fly UP