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大和証券SBキャピタル・マーケッツ株式会社 ( 69KB)

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大和証券SBキャピタル・マーケッツ株式会社 ( 69KB)
大和証券SBキャピタル・マーケッツ
大和証券SBキャピタル・マーケッツ(大和SBCM)は、旧大和証券のホールセール部門と住友キャ
取 締 役
ピタル証券から営業を譲り受け、さらに株式会社住友銀行(住友銀行)の一部業務を集中・一元化
代表取締役社長
して設立され、1999年4月5日に営業を開始しました。新会社は、大和証券グループ本社が60%を
代表取締役副社長
清田 瞭
近藤 章
保有する同社の連結子会社です。大和SBCMは、我が国においてホールセール証券業務を行い、国
代表取締役副社長
内外の事業会社・金融機関などのお客様に対して高度な金融サービスを提供していきます。
海老原 健次
代表取締役専務取締役
盛本 正
環境認識
専務取締役
武本 嘉之
戦後の日本の企業経営を支えてきた終身雇用、年
品開発力、顧客層の拡大など、住友銀行との提携
常務取締役
功序列、株式持ち合いといった経営システムの問
がもたらすシナジー効果を活かしながら、私ども
常務取締役
題点が露呈する中で、日本企業および金融機関は、
の強みである長年にわたって築き上げた顧客基盤、
経営の構造改革に直面しています。さらに、バブ
販売力、トレーディング力をより一層強化し、こ
ル経済が崩壊し、その後資産価格が大きく下落し
の目標を実現します。
た結果、多くの金融機関や事業会社は大量の不良
つぎつぎと現れる新規参入業者を含め、ホールセ
資産を抱えることとなりました。
ール証券業務における国内外の競合者との競争は
口 三千人
大島 祥一
常務取締役
井上 洋一郎
常務取締役
大村 信明
取締役
福島 純夫
執 行 役 員
激しさを増しています。大和SBCMは、このよう
今後の事業環境
常務執行役員
な経営環境の下、強固な経営基盤を築くために次
岸本 満季
常務執行役員
のような戦略を遂行しています。
芥田 俊彦
このような厳しい大変革期を乗り切るため、今後
執行役員
数年間、日本企業にとってバランスシートの再構
築が急務となります。商法改正や時価会計、年金
会計の導入などの制度変更は、このような企業の
財務リストラ努力を促進させます。この中で、
1998年12月のOTCエクイティ・デリバティブの解
禁、今年4月の有価証券取引税の廃止、10月予定の
株式委託手数料の完全自由化などの一連の規制緩
和によって、私どものホールセール証券業務に大
きなビジネスチャンスが新たに広がるはずです。
奥山
顧客基盤の強化・拡大
敏
執行役員
石橋 俊朗
大和SBCMは、既存のお客様との関係を一層強化
執行役員
するとともに新規のお客様の獲得に努めています。
中村 康男
私どもは現在、国内の株式公開企業約3,000社のう
執行役員
ち600社以上の引受主幹事を務めていますが、さら
執行役員
林部 健治
大谷 養
に住友銀行との提携関係やグループのリテール証
執行役員
平田 完一郎
券会社である新大和証券の全国支店網を通じて、
執行役員
上場および未上場法人の顧客層のさらなる拡大を
島田 秀男
執行役員
見込んでいます。当社はこのような幅広い顧客層
藤井 英博
を対象に総合的な金融サービスの提供を目指しま
当社の対応
監 査 役 す。その一環として、大和SBCMは大和証券の全
常勤監査役
大和SBCMは、質の高い金融サービスを提供する
国の支店に法人担当を配置し、地域の法人のお客
国内初の本格的なインベストメント・バンクを目
様との取引関係の強化に努めています。さらに、
常勤監査役
指します。ストラクチャード・ファイナンス、デ
地域に密着した営業活動を通じて、きめ細かな地
常勤監査役
リバティブなどの金融先端分野における高度な商
域情報の収集・蓄積を進めています。このような
川口 碩保
加
正之
妹尾 良昭
常勤監査役
小林 孝良
大和証券グループ本社
住友銀行
大和証券SBキャピタル・マーケッツ
エ
ク
イ
テ
ィ
金
融
商
品
ス
ト
ラ
ク
チ
ャ
ー
ド
・
フ
ァ
イ
ナ
ン
ス
金
融
市
場
金
融
・
公
共
法
人
事
業
法
人
イ
ン
ベ
ス
ト
メ
ン
ト
・
バ
ン
ク
業
務
– 21 –
公
開
大
阪
支
店
名
古
屋
支
店
リ
ー
ガ
ル
・
コ
ン
プ
ラ
イ
ア
ン
ス
財
務
・
管
理
企
画
海
外
拠
点
ホールセール証券会社
トレーディング業務
当社の法人のお客様との取引関係は、その幅広さ
大和SBCMは高度なトレーディング能力を持って
と内容において国内において他社に見られないも
いますが、エクイティ部門および債券(金融市場)
のとなっています。
部門におけるトレーディング業務の重点は、お客
様からの売買注文への自己対当取引に置いていま
す。
トレーディング業務におけるシステム対応力
大和SBCMは、リスク管理システムやエクイテ
ィ・債券のトレーディング・システムの大幅な機
能強化に取り組んできました。この結果、トレー
ディング業務による収益力は著しく向上していま
す。当社のトレーディング業務の重点は、リスク
の高い自己勘定取引ではなく、お客様からの売買
注文に対する自己対当取引に置いています。この
分野で私どもは、業界のリーダーとしての実績を
持っていますが、今後もこの地位を強固なものと
するために体制を整えていきます。
エクイティ部門
市場における地位
1998年度、大和証券グループは、機関投資家向け
ビジネスが日本において、国際水準の競争で厳し
さを増す中、全市場の日本株式売買シェア10%強
を確保しています。私どものエクイティ・ビジネ
スが現在このように好調である理由として、トレ
ーダーおよび営業スタッフを強力にサポートする
先進のフロント・システムを早期に導入したこと
が挙げられます。また、エクイティ部門内の金融
テクノロジー開発チームは、モデル分析とアプリ
人材の活性化
ケーションの開発を行い、お客様の投資戦略に即
大和SBCMは、人事管理の方針を刷新し、担当業
務の成果により連動する報酬体系を導入していま
す。年功序列型の昇進制度を改めて、一人ひとりの
した最適なポートフォリオを構築するための運用
手法を提案します。このようにトレーディング能
力の強化に注力したことにより、私どものエクイ
業績を反映する割合を高めた報酬制度とします。
リテール会社との戦略的連携
業界トップクラスの実績を誇る東証マーケットシェア
グループ内のリテール証券会社(大和証券)の販
売力は、IPOビジネスなどのホールセール業務の
(%)
12
展開において、大和SBCMの大きな競争上の優位
性であり、さらに両社の連携を強固なものにして
10
いきます。特に、今後数年間、国内で民営化プロ
ジェクトが相次ぐことが予想されるため、一段と
8
重要性が増すと考えています。
6
商品開発力の強化
大和SBCMは、お客様の企業財務の再構築を積極
4
的に支援するために、商品開発力の強化を進めて
います。例えば、当社は資産証券化ビジネスに他
2
社に先駆けて参入し、実績を積んでいるため、今
後予想される証券化ニーズの増大に対応すること
ができます。さらに住友銀行との提携により、こ
0
97
4
5
6
〈出所:大和SBCM〉
しました。
– 22 –
7
8
1998
の分野における私どもの商品開発力は大幅に向上
9
10
11
12
1
2
1999
3
ホールセール証券会社
ティ・ビジネスは、お客様からの売買注文に自己
証券会社により、共通規格作りを行う日本FIX運
勘定で対当する取引のほか、自己対当を必要とし
営委員会が発足しています。当社は、既に他の証
ない通常の委託注文取引でも機関投資家の皆様か
券会社とFIXを使った電子取引を行っており、こ
ら高い評価を得ており、この結果、トップクラス
の委員会においても中心的な役割を果たしていま
のマーケットシェアを確保しています。
す。大和証券グループは、この新しい電子ネット
住友銀行からの人員増強
金融商品
ストラクチャード
・ファイナンス
ワークを通じて、機関投資家を始め個人投資家の
規制緩和の進展
皆様にも流動性の高い市場を提供する「大和マー
手数料の自由化後は、私どもがお客様の売買注文
ケット」を構築していきます。
に自己対当して取引を成立させる場合、委託手数
料相当部分も売買価格に織り込んで取引するよう
債券部門
になると思われます。これは、お客様から見れば
旧大和証券の1998年度における顧客対当の店頭取
手数料率の低下ですが、私どもの総収益という観
引シェアは、リサーチとプライシング能力を強化
点では、手数料収入が売買損益に振り替わるわけ
した結果、10%以上となっています。当部門にお
で収益そのものが低下するのではありません。当
いては、マーケットシェアのさらなるアップと、
社のように顧客からの売買注文に自己対当できる
債券市場で「メイン・プレーヤー」の地位を築く
高いトレーディング能力を持った証券会社にとっ
ことを目標として掲げています。
ては、手数料自由化により、かえって相対的な競
住友銀行から経験豊かなスタッフを加えることで
争力が高まるということが言えます。さらに有価
当部門は多くの優秀なスタッフを擁し、国内外の
証券取引税の廃止は、私どものように大量の自己
幅広いお客様に、通常の債券から仕組債まで多様
対当取引を行う証券会社にとっては大きなメリッ
な商品を提供していきます。また、大和SBCMは、
トです。投資家の皆様の取引コストが低下するこ
既に円債市場ではメイン・プレーヤーとして認知
とによる生じるであろう市場の活性化も私どもに
されており、プライシング能力だけでなく、質の
プラスになります。また、当社は、昨年12月にス
高いリサーチ力も国内外のお客様から評価いただ
タートした市場外取引においても高いマーケット
いています。「メイン・プレーヤー」としての地位
シェアを獲得しており、今後の市場拡大に伴い私
をさらに高めるため、当部門は社債市場の拡大に
どもの収益チャンスも拡大すると考えています。
向けた研究を行うクレジット分析チームを作り、
投資家の皆様向けのレポート作成やセミナー開催
大和マーケット:
を行っています。さらに、MTN(ミディアム・タ
IT(インフォメーション・テクノロジー)の強化
ーム・ノート)チームを組成して投資家の皆様の
大和SBCMは、私どものトレーディング・システ
さまざまなニーズに合ったオーダーメード型の債
ムと国内外の機関投資家の皆様を直接、電子ネッ
券を開発し、提供していきます。最後に、大和
トワークで結び、今後投資家の皆様の需要が高ま
SBCMでは債券についてのデリバティブ・ビジネ
ることが予想される電子取引により、迅速で利便
スの日本での将来性を勘案して体制を整備し、市
性の高い注文執行を目指しています。既に当社の
場でのプレゼンスを確立していきたいと考えてい
トレーディング・システムは、取引所と電子ネッ
ます。今後、個人金融資産の受け皿として債券の
トワークを構築しており、お客様は、当社のネッ
重要性が高まります。個人投資家のニーズに合っ
トワークを通じて取引所と直接アクセスすること
た商品開発も、当部門に課せられた大きな課題の
も可能です。また、私どもは、機関投資家向けに、
ひとつです。
情報提供サービス会社を通じて特定銘柄を対象に
気配値をオンライン表示するサービスを開始して
います。
FIXは、電子取引の接続規格として欧米では広く
採用され、事実上の標準規格となっていますが、
日本でも標準規格を求める国内外の機関投資家や
– 23 –
住友銀行
190人の人員増強
金融市場
インベストメント
・バンク業務
財務・管理
ホールセール証券会社
インベストメント・バンク事業部門
資金調達・新規公開(IPO)業務
財務アドバイザリー・サービス
前述したように、大和SBCMは多数の上場・非上
日本企業にとって、バランスシートの抜本的な再
場企業に対して強固な顧客基盤を持っています。
構築は不可避なものになっています。周辺業務ま
同時に当社は、グループのリテール証券業務を行
たは本業以外の事業を売却・閉鎖による分離、徹
う新大和証券の全国各支店に配置した法人担当ス
底した不採算の資産処分するなど、これまでとは
タッフを通じて、地域の法人のお客様に商品・サ
全く異なる新しい経営スタイルで事業展開を行っ
ービスを提供します。さらに、昨年のNTT第4次
ていくことになるでしょう。大和SBCMは、そう
株式売出しの主幹事に代表されるような国内トッ
した企業財務の再構築に取り組むお客様に対して、
日本における制度改正に伴うビジネスチャンス
年金会計
債務解消、制度変更
金融商品
連結会計
保有株の整理、持ち合い解消
子会社再編
連結会計
本格導入
退職給付債務時価評価
持合以外の金融商品
時価評価
債務解消、制度変更
持ち合い解消
事業再編・持株会社化
1999年度
2000年度
全面的
時価評価
連結納税
導入予定
(1年早まる
可能性もある)
2001年度
2002年度
プ企業の資金調達にリテール部門を含めた販売チ
適切なアドバイスと支援を提供する体制を既に整
ャネルを通じて対応していきます。今後数年間、
えています。当社は、特に次のような業務分野で
民営化プロジェクトが相次ぐことが予想されるた
強みを発揮できます。
め、当社グループの販売力を活かした引受業務の
ビジネスチャンスは大きいと考えています。また、
持株会社化
情報通信セクターなどには急成長を続けている未
上場会社として初めて純粋持株会社に移行した私
公開会社が多く、将来の新規公開企業候補として、
どもには、法務・税務などの分野における豊富な
このような企業との関係強化も戦略的に重要であ
知識・ノウハウがあり、お客様に貴重なアドバイ
ると考えています。
スを提供することができます。今後数年間、持株
会社の設立に関するアドバイスを求めるニーズは
非常に高いと考えています。
ホールセール事業部門
M&A
お客様
大和SBCMは、企業買収、合併、提携、事業部門
売却などのニーズのあるお客様を対象としたM&A
営業部門によるきめ細かい
総合的なサービス・提案
アドバイザリー業務を大幅に拡充しています。住
トレーディング
運用
インベストメント
・バンク業務
調達
エクイティ
商品開発
M&A
IPO
(新規公開)
ファイナンス
デット
ストラクチャード
・ファイナンス
証券化
デリバティブ
– 24 –
友銀行と提携したことにより、この業務のビジネ
スチャンスが拡大すると見込んでいます。
ホールセール証券会社
先端商品
ストラクチャード・ファイナンス(証券化ビジネス)
が考えられます。大和SBCMは、資産の証券化と
旧大和証券は、1996年9月に日本初の国内ABS
同時に、その資産自体を当社のポジションとして
(資産担保証券)発行の主幹事業務を務めて以来、
保有するプリンシパル・ビジネスも行っていきま
す。
我が国の証券化ビジネスをリードしてきました。
1998年9、10月に証券化に関連する法律が改正さ
れた結果、証券化の対象となる資産が大幅に広が
デリバティブ業務
りました。今後、企業の資金調達手段の多様化、
大和証券グループは、デリバティブ業務を新しい
バランスシートのスリム化、証券化対象資産の拡
業務分野として強化してきました。この10年、私
大を背景に、ABS市場は急速に拡大することが期
どもは幅広い種類の店頭デリバティブ商品をポー
待されます。従来の証券化の対象は、主にリース
トフォリオ管理のツールとしてお客様に提供して
料債権やクレジット債権でしたが、今後は不動産
います。住友銀行と提携を行うことで、大和
や住宅ローン債権、消費者ローン債権などの証券
SBCMのリスク管理能力が向上したほか、通貨・
化も進むと予想されます。また、ABS発行拡大に
クレジット関連のデリバティブ商品を提供できる
伴って、このような証券に投資する投資家層も着
体制を整備することができました。
実に広がりを見せています。
さらに、デリバティブ業務における提携効果の最
リース・クレジット債権の証券化では、事業会社
も重要な点として、当社の顧客基盤の大幅な拡大
および金融機関の短期資産を活用した長期の資金
を挙げることができます。
調達スキームを提案します。一例として、私どもは
大和SBCMは、より良い商品・サービス、特にエ
今後、クレジットカード債権や消費者ローン債権
クゾチックタイプや仕組み商品などの新型商品の
の証券化市場が大きく拡大すると予想しています。
販売力を世界トップクラスに引き上げるため、大
金融機関が保有する資産の流動化については、住
和証券グループや住友銀行以外の外部からも人材
宅ローン債権の証券化やコマーシャル・ペーパー
を獲得しています。
を裏付けとする長期債の発行、信用保証協会保証
私どもは、旧大和証券、住友銀行およびその他外
債権の証券化など幅広い商品の開発を進めていま
部からのメンバーで構成されるこの新しいデリバ
す。
ティブ業務部門が、お客様が抱えるさまざまな問
また、不動産の証券化ビジネスも成長が見込まれ
題に対してクリエイティブな解決策を提示し、優
る分野です。一般的な利用方法としては、バラン
れたデリバティブハウスとして、市場の評価を得
スシートのスリム化や有利子負債の返済を目的と
ることできると確信しています。
した不動産(企業の本社ビルなど)の証券化など
企業財務に関わる包括的なサービス
P/L
B/S
資
自己株消却
M&A資金
資産構成見直し
産
負
営業利益
債
資産構成見直し
現 預 金
売 掛 債 権
借 入 金
(流動化)
社
債
(証券化)
過剰設備の廃棄
有形固定資産
持ち合い解消
投資有価証券
年 金 債 務
資
年金問題
特別利益
買入消却
純 利 益
格付け
本
ファイナンス
利益処分
資本準備金
自己株消却
配
剰
ストック・オプション
役員賞与
資
グループ会社再編
持株会社化
経常利益
債務の株式化
本
余
金
金
– 25 –
当
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