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画像診断(ヘリカルCT)

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画像診断(ヘリカルCT)
画 像 診 断( ヘ リ カ ル C T )
動
2000年∼2002年までの全受診数,2002年度部位別検査
向
数,受診種別検査数を,表1∼3に掲げ,表4に2002
がん検診には幾多の手法が考えられるが,
検診によっ
年度01検診発見肺癌を掲げた。
今までの年平均発見肺
てもたらされる利益が損失を上回ればよいと同時に受
癌数は49/7(7例)であった。CT検診全体の発見率は
診者に負担が少ないことである。検尿,検便,検痰な
49/9252(0.530%)10万対530,この内,X線群11/9252
どは優れた手技である。しかし,これらでは肺癌に対
(0.09%)10万対90,CT発見群は35/9252(0.378%)
しては検痰を除いて他は,有効な手段とは言えない。
10万対378であった。
性年齢調整発見比
(標準化発見比)
検痰にしても肺がんの10%以下が対象になるだけで早
は男性4.41女性23.75計5.79で罹患の数倍を発見したこ
期の例に対してはさらに少なく,
重喫煙者,
血痰があっ
とを意味していた。
一般に従来の間接写真検診では0.4∼
たなど,予め選択を必要とする。X線診断はこの点,
0.7と言われているのでその発見率の多さに奇異の感す
殆どの肺がん対象になる利点がある。このため長い間
ら抱かざるを得ない。
今までの検診では発見されなかっ
X線間接が検診の中軸を占めていた。最近は,直接撮
た多くの埋もれた早期肺癌を検出したものと考えられ
影がこれに変わってきている。特に,神奈川県では老
る。今までの発見の経緯を見ても,初回例に対し2回
人保健法が肺癌に盛り込まれると,当初から多くの自
以上受診群は,35対14で約1/3に減少している。CT検診
治体が医師会と連携の下,全国に先駆けて直接撮影が
が普及すれば当然発見率,標準化発見比ともに低下し
使用されることになった。しかし,一方では,X線検
て行くものと考える。こうして発見される肺癌が早期
診は有効でないと議論が沸いた,その後の研究で検診
例が大部分となり,約10%のCT検診でも発見しにくい
を受ければ,半分の人たちが救命されることが解って
肺癌が検診の網から外れるものと考えられている。
今,
きた。この1/2は他のがん検診の効果0.8∼0.7(オッヅ
厚生労働省研究班でも大きな課題となっている。この
比といって,検診を受けると70∼80%が治癒する)等
対策に小型低分化肺癌の画像研究,腫瘍マーカーの研
と比較すると低い。これに対して多くの研究者が断層
究,DNA研究,禁煙運動等が上げられている。検診の
写真の縮小(間接型)
,コンピューテッド写真(CR)等
真の効果は,死亡率の減少であり,この証明に今研究
努力してきたが,決定的の方策はなかった。この間,
班が結成され纏めが進行している。当検診機関の例も
開発当初からCTは臨床的に小型肺がん診断可能と言わ
一端を担っており機関全体のバックアップを期待して
れていたが,検診までにはいくつかの問題があった。
いる。
1990年代に入って,機器の進歩により,検診にも適用
が拡がった,多くの検診機関が参入し,早期肺癌発見
表1 CT検診発見肺癌の発見手段別と初回及び複数回の発見率と予測罹患率
に効果があがってきている。
結
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果
当協会は,1996年から7年間に9000件のCT検診を行
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い49件の肺癌を発見した。この内,11例がX線でも指
摘可能であった。CTのみの指摘例は35例で,この他,
細胞診のみ検診間発見が計3例あった。
検診全体での,
累積生存率が41/49(84%)X線群4/7,CT群は他病死
2例以外は全例生存している。発見肺癌の組織型は,
腺癌40例,扁平上皮癌4例,小細胞癌など5例であっ
た。それぞれの生存率は,腺癌については他病死3を
除いて全例生存,
扁平上皮癌は50%,
小細胞癌他は40%
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であった。これらの結果からみてもCT検診の効果は腺
癌以外は課題が起こるが,
その効果の一面が伺われる。
関係の集計表は106頁に掲載
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