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(仮称)上松・山下住宅建設事業 基本計画概要
(仮称)上松・山下住宅建設事業 基本計画概要 平成 28 年 9 月 岸 和 田 市 1 岸和田市のとりくみ 岸和田市では平成8年3月に市民の多様なニーズへの対応や住宅セーフティ ネット及び良質な住宅・住環境の形成を計画的に行うことを目的とし、第1次岸 和田市住宅マスタープランを策定しました。その後、住生活基本法に基づく住生 活基本計画(全国計画)及び大阪府住宅まちづくりマスタープラン、第4次岸和 田市総合計画の各種上位計画、及び岸和田市都市計画マスタープラン等関連計画 と岸和田市住宅マスタープランの整合を図りつつ、本市の住宅政策の基本目標と 必要な施策を検討しております。 国内環境の変化に合わせて、平成 13 年3月、平成 24 年1月と2回改定を実施 し、現在、第3次岸和田市住宅マスタープラン(住生活基本計画)にもとづいて 住宅施策を推進しています。 市営住宅については、平成 11 年3月に岸和田市営住宅再生マスタープラン、 平成 16 年3月には岸和田市営住宅ストック総合活用計画を策定し、老朽化の著 しい木造住宅の建替えや諸改善事業による良質な市営住宅ストックの形成に取 り組んできました。 しかし、現状のストックをみると老朽化の著しい木造住宅が全体の約 1/4を 占めているほか、耐火住宅についても新耐震基準が制定された昭和 56 年以前に 建てられた住宅やエレベータが設置されていない中層住宅等課題の残るストッ クが全体の約1/3を占めています。 昭和 56 年以前に建設の住宅については、木造住宅が耐用年数の30年を超え、 耐火建築物である鉄筋住宅でも 50 年を超え残りの耐用年数も 20 年を切る住宅も 出てきているのが現状です。 今後これらの住宅の改善計画を効果的・効率的に進めていく必要があります。 こうしたことから、現状の岸和田市営住宅ストック総合活用計画の基本方針と整 備方針の見直しを行い、入居者の安全、安心かつ快適な住生活をめざし、今後、 長期にわたって良好なストックを形成していくための活用手法を定め、長期的な 維持管理を実現していくとともに、長寿命化による更新コストの削減と事業量の 平準化を図ることを目的とし、平成24年3月に岸和田市営住宅ストック総合活 用計画(公営住宅等長寿命化計画)をまとめました。 前計画の岸和田市営住宅再生マスタープランでは、木造住宅を建替え、集約、 用途廃止を計画的に行っていくとしたが、岸和田市営住宅ストック総合活用計画 では、木造住宅については、現地建替えを行わず耐火住宅への住替えを行い、不 足分については民間のストック活用による借上げ住宅への住替えを図ることと しました。また、耐火中層住宅については、長寿命化を図るため耐震化工事を行 い、住戸改善によるバリアフリー化を図ることとしました。この計画に基づき、 法的に既存不適確であった桜ヶ丘住宅及び尾生住宅1棟の集約建替えを平成 24 年度~平成 27 年度に行いました。 耐震化を終えていない 3 団地の住宅の内、市営上松住宅について耐震診断を行 った結果、耐震改修により住戸が法的に使用できないことや、用地買収が必要と なるため、工事に対する費用対効果も含め評価すると事業の効率化が図れない事 が分かりました。 以上のことから、市営上松住宅を耐震化し、長寿命化のためにバリアフリー等 の住戸改善を行うことが困難なため、岸和田市営住宅ストック総合活用計画(公 営住宅等長寿命化計画)を一部見直し、耐震補強を実施せずに山下住宅及び神須 屋住宅を含む3団地を集約し、山下住宅の敷地の一部に住戸数 65 戸の住宅に建 替えを行うこととしました。 2 上松住宅の耐震性能について 上松住宅は耐震診断を行った結果、新耐震基準を満たしていない建物である ことを確認しました。まず、次の2種類の補強方法で検討を行いましたが、そ れぞれデメリットがあることが分かりました。 補強案 A(開口閉塞案)では、1・2階の建物両端の計4住戸が、窓がなく なることで住宅として使用できなくなります。 補強案 B(補強壁案)では、住戸数は現状のままですが、補強壁を取り付け る為には、隣地取得に加え開発道路の変更を行わなければなりません。 上記2案を検討した結果、どちらの案で補強するにしても、使用できる住戸 を減らす、若しくは土地の取得に加え開発道路の変更を行わなければならず、 耐震補強や事業量に対する改善効果を考慮するとメリットよりもデメリット が大きくなると判断しました。 3 建設予定地の市域での位置 上松・山下住宅の用地は、岸和田市の中部地域に位置し、JR 東岸和田駅から は 1Km、下松駅から 1.5Km のところに位置しています。 4 予定地周辺の状況 建設予定地周辺には、低層住宅が多く建ち並び、都市計画道路、既存の市営住 宅として上松住宅(鉄筋及び木造)及び消防本部があります。また都市計画道路 沿いには、各民間事業所が立地しています。 土地形状としましては、南北に長く伸びた形状で南側には隣接地と約2mの高 低差があり、そのため擁壁が長距離続いています。隣接地には住宅、田畑等があ ります。 ■上松・山下住宅(建設予定地)概要 用途地域 第 1 種住居地域 第 3 種高度地区 敷地面積 6,600 ㎡ 5 施設概要 (1)場 所:岸和田市土生町 889 番地 〈計画条件〉 当該計画は、市道を含む市営住宅用地を一体の敷地として開発し、下記概 要の市営住宅を計画するものである。計画に当たっては近隣建物の接道や動 線等に配慮するほか、財産区管理用地(古墳跡 約 49 ㎡)を現石碑周囲に 確保すること。なお建築基準法、都市計画法、公営住宅法等の関係法令を遵 守して計画すること。 その他、現存する木造市営住宅を使用したまま建築できるような施工手順 の合理性も検討するなど、工事費用だけでなく本計画全体の費用の削減も考 慮すること。 (2)敷地面積:約 6,600 ㎡(道含む) (3)用途地域:第一種住居地域 建蔽率 60% 容積率 200% (4)用 途:共同住宅 (5)構造規模:面積:約 5,900 ㎡、階数:6階程度 (6)構造種別:自由 (7)要 求 住 室 そ 設 居: の 備 他: 等: (※「公営住宅の整備」(財)日本住宅協会発行 参考) 合計 65 戸 1DK×6 戸、2DK×35 戸、3DK×22 戸 身障者用 2DK×2 戸 集会所 70 ㎡程度(別棟)、その他必要と思われる室 エレベーター (8)駐 車 場 駐車台数 52 台(うち身障者用 2 台) (9)駐 輪 高度地区第3種 場 駐輪台数 130 台(自転車 65 台、バイク 65 台)程度 (10)耐震安全性の目標 構造体 Ⅲ類 非構造部材 B類 建築設備 乙類 (11)市営住宅管理戸数 上松住宅 RC造30戸 上松住宅 木造 23戸 山下住宅 木造 9戸 神須屋住.宅 木造 4戸 6 計画期間 平成 28年度から平成31年度まで ◆ 平成28年度 基本設計 ◆ 平成29年度 ◆ 平成30~31年度 実施設計・地質調査 建設工事 7 住宅整備の方針 ●周辺地域に貢献できる住宅 今回の用地は、市の中心部に位置する。したがって地域の街並み景観を意識 し、景観形成に寄与する緑地など周辺のまちづくりに寄与する整備を行います。 ●コミュニティの形成 入居者は高齢者の入居が多くなることが予想されます。また、共同住宅はコ ミュニティが希薄となりやすい傾向を持っているため、住棟内はもとより、地 域とのコミュニティ形成を推進し、引きこもりがちになりやすい高齢者への対 応や、見守り機能の向上を図れる環境整備を推進します。 ●高齢者への対応 住戸・住棟、外構においてもバリアフリー化やユニバーサルデザインを取 り入れ、高齢者や子供など誰にも優しい住宅の整備を目指します。 ●環境に配慮した施設づくり 施設及び共有スペースには環境配慮型及び省エネルギーに資する機器設備 等を使用し、環境へ配慮するとともに、建築物の維持・管理などのライフサ イクルコストを考慮し、長期的優良ストックとして活用できる施設を整備し ます。 ●災害時の安全・安心の確保 周辺地域と一体的に、安全・安心なくらしの確保のための機能分担・連携を 図ります。 ●既存入居者への配慮 建替え敷地では、現状9戸の市営住宅があり、内7世帯が居住していますが、 工事期間内の現入居者の移転等の負担の軽減に配慮します。 ●財産区管理用地について 既存の石碑を中心とした約49㎡の土地について、現状維持のまま場所を確 保し、工事完了後も現在と変わらない形で残します。 ●集会所について 住宅・近隣住民の幼児、子どもたちから高齢者までが常時相互交流できる 施設とします。集会所の建物規模は70㎡以上とし、多目的トイレを設置しま す。 ●公園について 地域の住民が遊びだけではなく、休息や集会の場としても利用しやすいゆ とり・潤いの空間として、植栽等中心とした施設とします。