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トイレ・衛生問題に対する JICAの取り組み
水と衛生に関するセミナー 『ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題』 ~2008年国際衛生年にむけて~ トイレ・衛生問題に対する JICAの取り組み 2007年6月13日 JICA 地球環境部 第三グループ(水資源・防災) 水資源第二チーム長 石川 剛生 お話する内容 1.トイレ・衛生問題のJICAにおける位置づけ 2.トイレ・衛生問題に対するJICA 協力の特徴 3.最近の取り組み事例 4.今後の方向性(試案) 1.トイレ・衛生問題のJICAにおける位置づけ 課題部設置:スキーム別から課題別の事業実施による課題の知見の蓄積促進 プログラム化推進によるボランティア、無償資金協力と連動した一体的実施 ≪現行(平成15年度まで)≫ 開発調査3部 社会開発調査部 ≪新体制(平成16年度より)≫ 5課題部体制 社会開発部 運輸交通,都市開発, ジェンダー,平和構築,WID 情報通信,その他ほか 人間開発部 教育,人口・保健医療, 社会保障ほか 地球環境部 自然環境保全,水資源, 公害対策ほか 農村開発部 農業開発/農村開発,水 産開発,貧困対策ほか 経済開発部 経済政策,民間セクター開 発,エネルギー,資源ほか 農林水産開発調査部 鉱工業開発調査部 技プロ5部 社会開発協力部 医療協力部 農業開発協力部 森林・自然環境協力部 鉱工業開発協力部 1.トイレ・衛生問題のJICAにおける位置づけ 課題部体制の中で「トイレと衛生」は複数の課題に含まれている 主管部 分野・課題 課題別指針等 ガバナンス 平和構築 社会開発 都市開発・地域開発 運輸交通 情報通信 人間開発 教育 基礎教育 ノンフォーマル教育 保健医療 プライマリーヘルスケ ア(PHC) 社会保障 自然環境保全 地球環境 農村開発 環境管理 水資源・防災 水資源 貧困削減 貧困削減 農業・農村開発 水産 経済政策 経済開発 民間セクター開発 資源エネルギー 1.トイレ・衛生問題のJICAにおける位置づけ 課題部体制の中で「トイレと衛生」は複数の課題に含まれている 課題別指針等 「トイレと衛生」に係る記載 基礎教育 「初等中等教育の質の向上」の中の「教育施設の改善」として 付帯施設(トイレ、給水施設等)の設置や学校を拠点とした衛 生教育が必要 ノンフォーマル教育 ※ ノンフォーマル教育において基礎的な保健・衛生教育をボランティア 派遣、経験豊富なNGO等との連携による実施が重要 プライマリーヘルス ケア(PHC) 安全な水供給と衛生設備(トイレ設置)(アルマアタ宣言 WHO1978)の重要性提唱 水資源 (給水) 村落給水施設整備・維持管理支援の中で衛生教育・啓発が 重要 貧困削減 「貧困層の基礎的生活の確保(人間的能力)」の中で 「貧困層に対する保健医療サービス拡充」、「貧困層の健康に 関する知識・意識の向上」に位置づけ ※なんらかの形で組織されたフォーマル教育システム外での教育活動。非就学児童、学校中退者、少数民族、ストリートチ ルドレン、移民、国内避難民等への基礎的学習ニーズを満たす活動 1.トイレ・衛生問題のJICAにおける位置づけ トイレ・衛生問題のJICA協力における位置づけ 開発課題に対する 基礎教育の付 帯施設、ノン フォーマル教育 PH(保健)Cの 一部として 部分的な実施 トイレ(基本的衛生 施設)の設置 (学校等) 衛生啓発 村落給水施設 整備・維持管 理支援の中で 衛生設備の清潔な利用や 手を石鹸で洗う等の衛生行 動(Hygiene)や、それらを促 進する衛生教育や啓発活動 チ ー ロ ゚ フ ア 2.トイレ・衛生問題に対するJICA 協力の特徴 協力アプローチ別 協力内容 (件数) 60 協力対象: 50 衛生啓発が6割、トイレ建設25%、混 合型と続く 協力アプローチ 40 教育56%、給水26%、保健衛生と続 く 30 20 10 混合(16.2%) 衛生啓発(59.3%) 0 (25.7%)給水 トイレ建設(24.5%) (18.7%)保健衛生 (55.6%)教育 (協力アプローチ) データ:1991年~2003年 累計 241件 注:数値はJICA地球環境部による概算値 2.トイレ・衛生問題に対するJICA 協力の特徴 協力スキーム(形態)別 協力内容 協力対象: (件数) 90 衛生啓発が6割、トイレ建設25%、混 合型と続く 80 協力スキーム(形態) 70 無償資金協力 43% 60 ボランティア 50 技協(プロジェクト/開発調査)、 40 草の根技協と続く 30 20 混合(16.1%) 10 衛生啓発(59.5%) 0 技協(10.3%) トイレ建設(24.4%) 無償(42.6%) ボランティア(40.9%) 草の根(6.2%) (協力スキーム) データ:1991年~2003年 累計 241件 注:数値はJICA地球環境部による概算値 41% 2.トイレ・衛生問題に対するJICA 協力の特徴 各地域に対する協力の特徴 アフリカ:120件、 90% ASEAN:45件、 中南米・カリブ その他アジア・オセアニア:39件、 80% 中南米:30件 アフリカ 70% ASEAN 全体平均値 - 衛生率 アフリカが全体の5割。無償 がやや多い 衛生率 60% 50% 中南米:ボランティア比率が 高く(70%)、衛生啓発が 8割弱 その他アジア オセアニア 全体平均値 - 無償率 40% 30% 中東・欧州:7件 その他アジア・オセアニ ア:JOCVが6割 中東・欧州 20% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 無償率 データ:1991年~2003年 累計 241件 注:数値はJICA地球環境部による概算値 80% 2.トイレ・衛生問題に対するJICA 協力の特徴 村落衛生に対するニーズとJICAの協力 1.8% ASEAN:45件、 ( 農村 部 1.6% / ASEAN 年) 人口増加率 1.4% 1.2% 1.0% 全体平均値 - 改善された公衆衛生へのアクセス率 アフリカ 00 05 アフリカ:120件、 中東・欧州 中南米:30件 中東・欧州:7件 ニーズが高く人口増加率も高 いアフリカへの協力が5割を占め ている。 全体平均値 - 人口増加率 0.8% その他アジア オセアニア 0.6% 中南米・カリブ 0.4% 20% 30% 40% 50% 60% 改善された公衆衛生へのアクセス率 その他アジア・オセアニア:39件、 70% (農村部/2002年) データ:1991年~2003年 累計 241件 注:数値はJICA地球環境部による概算値 80% 3.最近の取り組み事例 モザンビーク 給水から衛生へ 00 年 ~ 03 年 07 年 11 年 協力概要 (無償資金協力) ザンベジア州地下 水開発計画 北部8郡 152井戸(ハンドポ ンプ付深井戸)設 置 等 (技術協力プロジェ クト) ザンベジア州給水・ 衛生改善プロジェクト 内4郡 給水施設の維持 管理向上 衛生状況向上 行政能力向上 ピストンの落下により3ヶ月前から 故障中 Nampevo 伝統的なピットラトリン(左側) シャワー用囲い(右側) 4.今後の方向性(試案) (1)分野横断的な課題として位置づけ (2) プログラム化による協力の広がりと定着 (3)ハードからソフトへ 4.今後の方向性(試案) 「トイレと衛生」を分野横断的課題として位置づけ組織内部の認識 を高める 主管部 分野・課題 課題別指針等 課題横断的取り組み ガバナンス 平和構築 都市開発・地域開発 運輸交通 基礎教育 ノンフォーマル 保健医療 プライマリーヘルスケ ア(PHC) 社会保障 自然環境保全 地球環境 農村開発 環境管理 水資源・防災 水資源 貧困削減 貧困削減 農業・農村開発 水産 経済政策 経済開発 民間セクター開発 資源エネルギー 南 / 南協力 人間開発 教育 村落衛生 情報通信 ー ゙ タ ン ェ ゙ シ 社会開発 4.今後の方向性(試案) プログラム化により各協力スキームの特徴を生かし、協力効果の量的 拡大と定着を図る 上位目標 案件(コンポーネン ト)の目標 活動 (1)水資源ポテンシャル・給水・衛生現況調 1.▲▲地域の水資源開 査(パイロット的にトイレ建設・検証) 発計画・給水計画が策定 される。 (2)計画策定(優先事業選定) 協力スキーム 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 開発調査 (3)予備調査/基本設計調査 ▲▲地域の 給水・衛生 が改善さ れ、村落の 生活環境が 向上する 2.▲▲地域の対象コ ミュニティにおいて、 水・衛生委員会により 運営可能な安全な水源 が供給される (4)給水施設の建設(人力ポンプ付き 深井戸、パイプ給水システム等)・関連 資機材の調達 無償 (5)水・衛生委員会の組織化支援、衛 生教育・維持管理教育支援(ソフトコン ポーネント) (6)給水施設維持管理に係る地方行 3.▲▲地域の衛生改 政・業者、水・衛生委員会への支援(シ 善・生計向上・村落組 ステムの構築) 織活性 (7) 衛生教育、トイレ導入促進等、 衛生改善支援 技プロ ボランティア 4.今後の方向性(試案) ハードからソフトへ (Sanitation ladder) 衛生施設の供給者→意識・行動変革を促す促進者 (トイレの使用は対象地域の社会的・文化的文脈に依存する) 意識・行動変革→利用者自身による衛生施設建設→継続利用