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道路交通騒音対策としての低騒音舗装の特性と効果の経年
道路交通騒音対策としての 低騒音舗装の特性と効果の経年変化 道路交通騒音対策としての 低騒音舗装の特性と効果の経年変化 < 樋田 > 1.道路交通騒音について 2.舗装について 3.低騒音(排水性)舗装について 3.1 低騒音舗装 の特性 3.2 低騒音舗装の効果の経年変化 4.まとめ 名古屋市環境科学調査センタ- 環境科学室 概要 昌良 1 2 道路交通騒音について 道路交通騒音について 自動車走行の例 道路交通騒音時間波形例 ( 騒音レベル ) dB ( 時刻 ) 3 4 道路交通騒音について 道路交通騒音について 騒音レベル(周波数との関係) 250Hz 500Hz 1KHz 騒音レベル(周波数との関係) ( 等感覚閾値曲線 ) ・等感覚閾値曲線での40 phon(音の聴覚的な 強さのレベル) のときの等感曲線を近似し A 特性フィルタとして採用されている。 2KHz 20 4KHz 10 0 ( A特性補正曲線 ) 20 -20 0dB 10 -30 0 -40 -10 A特性補正曲線 L (dB) 全ての周波数帯を含む音:ホワイトノイズ -50 -20 -30 ISO 226 国際規格 (2003 年) より -60 -40 -70 8kHz 8kHz 5kHz 2kHz 3.15kHz 800Hz 500Hz 12.5kHz 6 道路交通騒音について 騒音レベル(周波数との関係) 騒音レベル(周波数との関係) ・道路交通騒音はA特性音圧レベルとして1000Hz付近に卓越した 周波数成分をもっている。 騒音レベル 90 90 足し合わせて 80 1.25kHz 周波数 5 道路交通騒音について 315Hz 80Hz 200Hz 50Hz 125Hz 20Hz 31.5Hz -70 ( 高 ) 周波数 1000Hz -60 12.5Hz 5kHz 2kHz 3.15kHz 800Hz 1.25kHz 500Hz 315Hz 200Hz 80Hz 125Hz 50Hz 20Hz 31.5Hz -50 ( 低 ) 自動車騒音の スペクトル例 1kHz付近 80 ( A特性音圧レベル) 70 L (dB) 70 周波数毎のレベル 60 60 50 A特性 40 ( A特性音圧レベル) 30 O.A 8kHz 5kHz 2kHz 3.15kHz 800Hz 1.25kHz 500Hz 315Hz 200Hz 80Hz 50Hz 125Hz 20Hz 31.5Hz 20 8kHz 5kHz 3.15kHz 2kHz 1.25kHz 800Hz 500Hz 315Hz 200Hz 125Hz 80Hz 50Hz 31.5Hz 50 20Hz L (dB) ( レベル ) -10 周波数 周波数 7 8 道路交通騒音について 舗 装 に つ い て タイヤ道路騒音の発生源 道 路 舗 装 の 例 (1) ・タイヤ道路騒音は コンクリ-ト舗装(CO) タイヤトレッドパタ-ンのエアポンピング音 及びパタ-ン加振音のパタ-ンノイズ 接地摩擦振動音、路面空隙によるエアポンピング音、 路面凹凸による加振音等のパタ-ンノイズ以外の音 が発生源となっている。 低騒音舗装(DA) 9 10 舗 装 に つ い て 低騒音(排水性)舗装について 低騒音舗装とは 道 路 舗 装 の 例 (2) 密粒舗装(DGA) • 本来の目的:降雨時の走行安全性の確保(排水性舗装とも呼ばれる) • 構造:所定・粒度の砕石 + バインダー(アスファルト、樹脂)の組 み合わせで通水性のある舗装を実現 低騒音舗装(DA) 11 12 低騒音舗装の特性 低騒音舗装の特性 排水性舗装材料の吸音率測定事例 吸音率について ・低騒音(排水性)舗装(DA)はコンクリ-ト舗装(CO)や密粒舗装 (DGA)に比べ600~800Hz付近に高い吸音率を示している。 入射音-反射音 吸音率= 入射音 コンクリ-ト舗装(Co) 密粒舗装(DGA) 入射音 排水性舗装(DA) ( 1 ) 1 0.9 反射音 0.8 コンクリ-ト舗装(CO) 吸音率 0.7 密粒舗装(DGA) 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 低騒音舗装の特性 2000 1800 1600 1400 1200 800 600 1000 低騒音(排水性)舗装(DA) 13 400 0 200 0 周波数 ( Hz ) 14 低騒音舗装の特性 試験車両・タイヤ近傍音 タイヤ近傍音・時間変化測定例 ・タイヤ近傍音は低騒音(排水性)舗装(DA)から密粒舗装(DGA) に移行する際1000Hz以上の周波数成分が高い音となっている。 • 試験車両としてワゴン車(2000 CC,ディーゼル車)等採用. • 低騒音,密粒舗装部を種々の速度で定速走行させタイヤ近傍の音を測定 スペクトルの時間変化 スペ クトラムの時間変化 DGA DA 110 dBA 500 2K 4K 1 2 1K 100 伊 dB 90 マイクロホン 80 70 0 試験車両・タイヤ近傍マイク設置状況 15 3 SEC 4 5 6 R1FKN 16 低騒音舗装の特性 低騒音舗装の効果の経年変化 降雨時のタイヤ音の比較例 ( 降雨時の試験車両のタイヤ近傍音の測定例 ) • 低騒音(DA)舗装部では降雨時でも密粒(DGA)舗装の路面乾燥時と 同程度に止まる。 • DAがDGAに比べ800~1000Hz以上で低くなっている。 A 補 正 ・ SPL50reg の 比 較 経年変化調査地点状況 測定は官民境界で実施 50 KM/H 換 算 110 DGA-WET 100dBA 環2・春田 100 DGA 96.5dBA RH10雨 DGA 雨 DGA 90 RH10春 田 DGA DGA ASPL50reg dB dB RH10春 雨 DA田 DAW 80 DA田 DA RH10春 70 DA-0 WET 95 dBA 60 低騒音舗装(DA) DA-0 92 dBA 50 ( 施工前はコンクリ-ト舗装(CO) ) dBA 6300 3150 1600 HZ 800 400 200 100 50 25 40 17 低騒音舗装の効果の経年変化 18 低騒音舗装の効果の経年変化 経年変化調査地点デ-タ 経年変化調査地点デ-タ 低騒音舗装施工前後のLAeq(時間値) 80 低騒音舗装施工前後のLAeq(昼間値) ・低騒音舗装は施工前(通常舗装(コンクリ-ト(CO))に比べ交通量が比較 的多いと考えられる昼間では約5dBの騒音低減効果がみられ,その効果 は施工直後から7年で約3dBを維持している。 施工前 75 施工直後 75 施工後七年 65 60 55 昼 夜 50 ・夜間は昼間に比 べ3~4dB低くなっ ている。 ・施工前後で同様 の傾向を示す。 時 刻 19 LAeq ( dB ) 施工後五年 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00 2:00 4:00 LAeq (dB) 施工後三年 70 70 65 60 施 工 前 施 工 直 後 施 工 後 一 年 施 工 後 三 年 施 工 後 五 年 施 工 後 七 年 20 低騒音舗装の効果の経年変化 低騒音舗装の効果の経年変化 継続測定地点状況 騒音周波数スペクトル < 1 > CO 80 < 2 > DA00 < 3 > DA03 測定は官民境界で実施 LAeq (dB) 70 60 ・800~1000Hz以上の 周波数帯域で効果が みられる。 < 4 > DA04 < 5 > DA05 50 40 30 21 ま と め 道路交通騒音について ( [ ]:スライド番号 ) ・道路交通騒音はA特性音圧レベルとして1000Hz付近に卓越 した周波数成分をもっている。[8] 低騒音舗装の特性と騒音低減効果について ・低騒音(排水性)舗装(DA)はコンクリ-ト舗装(CO)や 密粒舗装(DGA)に比べ600~800Hz付近に高い吸音率を示し ている。[14] ・タイヤ近傍、官民境界共に 800~1000Hz以上の周波数帯域 で低騒音舗装による騒音低減効果がみられる。[17,22] ・降雨時のタイヤ音は低騒音舗装降雨時において密粒舗装乾 燥時とほぼ同程度である。[17] ・低騒音舗装の騒音低減効果はコンクリ-ト舗装に比べ低騒 音舗装施工後約5dBの低減効果がみられ、その効果は施工後 7年で約3dBを維持している傾向がみられた。[20] 23 O.A 8kHz 3.15kHz Hz 1.25kHz 500Hz 200Hz ( 施工前はコンクリ-ト舗装CO) ) 80Hz 31.5Hz 20 低騒音舗装(DA) CO:コンクリ-ト舗装 DA:低騒音舗装 DA00:施工直後 DA03:施工後3年 DA04:施工後4年・・・ 22