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消費税率引き上げと住宅投資

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消費税率引き上げと住宅投資
みずほインサイト
日本経済
2012 年 9 月 28 日
消費税率引き上げと住宅投資
経済調査部エコノミスト
消費税増税や負担緩和策の影響を考える
03-3591-1294
千野珠衣
[email protected]
○ 消費税率が2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げられる。特段の対策が打たれない限り、
駆け込み需要やその反動で、2013年度以降の住宅投資は大きく変動する見込みだ。
○ これを踏まえて、増税に伴う負担増を緩和するための方策を検討する動きもみられる。しかし、負
担緩和策の中身次第では、むしろ「増税前の買い控え」といった副作用が発生する可能性がある。
○ 加えて、財政健全化を目的とした社会保障と税の一体改革の一環として消費税増税が実施されるこ
とを踏まえると、負担緩和策についてはコストパフォーマンスも勘案した慎重な検討が必要だ。
1.はじめに
2012年8月10日に社会保障と税の一体改革関連法が成立し、消費税率が2014年4月に8%、2015年10月
に10%引き上げられることが決定した。住宅取得については、「取引価格が高額であること等から、消
費税率の引き上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ、一時
の税負担による影響を平準化し、及び緩和する観点から、住宅取得に係る必要な措置について財源も含
め総合的に検討する」との内容が条文に定められた。民主党・自由民主党・公明党の3党は、住宅取得
について「平成25年度以降の税制改正及び予算編成の過程で総合的に検討を行い、(中略)十分な対策
を実施する」ことに合意しており、年末の税制改正大綱の決定に向けて、消費税増税を踏まえた住宅取
得に係る措置の検討が進むと予想される。
このように住宅に係る措置が検討されるのは、1997年度の経験を踏まえてのことである。1997年4月
に消費税率が3%から5%まで引き上げられた際には、増税前後で大きな駆け込みと反動(1996年度の住
宅着工戸数は前年比9.2%増加、97年度は同17.5%減少)がみられ、その後の住宅着工戸数の水準は大
きく落ち込んだ。消費税率引き上げの2年後にあたる99年度には、住宅ローン減税の大幅拡充などによ
る対応が打たれたが、その後一度も住宅着工戸数の水準は増税前の水準まで戻っていない。住宅業界か
らは、こうした消費税率引き上げ時の影響を踏まえ、住宅取得に対する措置が講じられることが、強く
要望されている。
本稿では、過去の増税時における駆け込みと反動の大きさを推計し、これをもとに、2014年4月以降
の消費税率引き上げが住宅投資に与える影響を予測する。また、こうした駆け込みや反動への緩和策の
一つとして検討されている模様である住宅ローン減税拡充策(2014年の最大控除額が過去最大規模の約
2倍に当たる1,000万円まで拡充された場合)の、所得階層別にみた影響についても試算する。
1
2.1997 年度の消費税増税時のレビュー
― 駆け込み需要は 7%程度 ―
消費税率引き上げは、駆け込み需要の発生とその反動、実質可処分所得の低下を通じて、住宅投資
に影響を与えるとみられる。
1997年度の消費税率引き上げ前後を振り返ると、住宅着工戸数は1996年7~9月期から1996年10~12
月期にかけて駆け込みのピークを迎え、その後落ち込んだ(図表1)。駆け込みのピークが消費税増税
直前である1997年1~3月期より前倒しになったのは、持家の注文住宅の工事を建設会社に委託する際
などに締結する請負契約について、1996年9月末までに締結すれば、資産の引渡しが増税後になっても、
税率は引き上げ前のものが適用される経過措置が採られていたためである。
住宅投資関数を用いた推計1によれば、96年度には1兆7,000億円程度(当時の住宅投資額の約6.6%)
の駆け込みが生じていた(図表2)。97年度にはその反動減(▲6.6%)に加えて、消費税率引き上げに
伴う物価上昇が、実質可処分所得の減少を通じて住宅投資を1.5%程度下押ししたとみられる(みずほ
総合研究所のマクロモデル等による試算によれば、消費税率1%の上昇は、消費者物価を0.6%上昇さ
せ、住宅投資を0.8%押し下げる)。以上をまとめると、住宅投資は消費税増税が無かった場合より、
1996年度に6.6%上ぶれ、1997年度に8.1%下ぶれたと推計される。
図表 1
1997 年度前後の住宅着工戸数の推移
駆け込み
(万戸)
180
反動と景気悪化
(アジア通貨危機、
金融危機)
170
160
150
140
130
反動
120
Q1
Q2
Q3
Q4
1996年
Q1
Q2
Q3
Q4
1997年
(資料)みずほ総合研究所
図表 2
1997 年度前後の消費税率引き上げ時の影響
(ベースライン比、%、%pt)
1996年度
1997年度
+6.6
-8.1
駆け込みと反動要因の寄与度
+6.6
-6.6
物価上昇要因の寄与度
±0.0
-1.5
+8.1
-10.1
駆け込みと反動要因の寄与度
+8.1
-8.1
物価上昇要因の寄与度
±0.0
-1.9
実質住宅投資
新設住宅着工戸数
(注)1.消費税率が2%引き上げられた時の住宅投資への影響は、住宅投資関数の当社推計値
より計算した。なお、物価上昇要因は、みずほ総研マクロモデルの乗数(消費税率1%上
昇に対し、消費者物価指数:1年目+0.64%、2年目:+0.60%)を用いて計算。
2.住 宅着工戸数については、過去の推移から、住宅投資の前年比=0.8137*(住宅着工の
前年比)の関係式をもって算出した。
(資料)国土交通省などよりみずほ総合研究所作成
2
3.アップダウンが激しくなる 2013 年度以降の住宅投資
1997年度の例を参考に、今後の消費税増税(2014年4月から8%、2015年10月から10%に税率引き上
げ)の住宅投資への影響を試算した。
試算に際し、物価上昇と住宅投資の関係については、みずほマクロモデルなどから試算した関係を
用い、駆け込み需要の大きさは97年度と同規模(年間住宅投資の6.6%)と想定した。また、駆け込み
のピークは経過措置適用期限の1四半期後とした。なお、今般の増税時には、①2013年9月末までの工
事請負契約締結について5%の消費税率が、②2015年3月末までに工事請負契約が締結され、2015年10
月以降に資産譲渡が行われる場合は8%の消費税率が適用される予定である。
試算結果を年度ベースでみると、2013年度の住宅投資が駆け込みにより6.6%押し上げられる一方、
2014年度以降の住宅投資は税率引き上げが無かった場合のベースラインから下ぶれる(2014年度▲
5.7%、2015年度▲3.2%、2016年度▲7.2%)
(図表3)。前年比ベースでみれば、2013年度+6.6%、2014
年度▲12.3%、2015年度+2.5%、2016年度▲4.1%とアップダウンが激しくなる見込みだ。
また、この間の新設住宅着工戸数は、仮に、ベースラインが足元の年率86万戸程度で横ばい推移す
ると仮定すると、消費税増税を受けて2013年度に93.0万戸、2014年度80.0万戸、2015年度82.6万戸、
2016年度78.2万戸と4年間に大きく増減する計算となる。四半期ベースでは、駆け込みのピークを迎え
る2013年10~12月期には年率95万戸超まで増加するものの、2016年1~3月期には70万戸近傍まで減少
する見込みだ(図表4)。
図表 3
消費税率引き上げの住宅投資及び住宅着工戸数への影響(年度ベース)
(%、%Pt)
実質住宅投資への影響
新設住宅着工戸数への影響 ベースライン比
(駆け込み要因
の寄与度)
前年 比
(物価上昇要因
の寄与度)
(万戸)
前年比
べースライン比
2013年度
6.6
6.6
6.6
0.0
93.0
8.1
8.1
2014年度
-12.3
-5.7
-3.3
-2.4
80.0
-15.1
-6.9
2015年度
2.5
-3.2
0.0
-3.2
82.6
3.0
-3.9
2016年度
-4.1
-7.2
-3.3
-3.9
78.2
-5.1
-9.0
2017年度
3.3
-3.9
0.0
-3.9
81.8
4.1
-4.9
(注)1.消費税率引き上げが無かった 場合の住宅着工戸数ベースラインは86万戸と仮定。
2.住 宅着工戸数については、過去の推移をもとに、住宅投資の前年比=0.8137*(住宅着工の前年比)の関係をもって算出した。
(資料)国土交通省などよりみずほ総合研究所作成
図表 4
2013 年度以降の住宅着工への影響(四半期ベース)
(年率、万戸)
100
住宅着工戸数
ベースライン
90
80
試算値
70
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1
2012
2013
2014
2015
2016
2017
(注)2012年4~6月期までは実績値。12年7~9月期から2013年1~3月期は、当社見通し。 年
(資料)みずほ総合研究所試算
3
なお、住宅投資と同様に、個人消費についても増税の前後で大きな変動が予想される。
これら住宅投資と個人消費の変動による GDP への影響を試算2すると、増税が無かった場合のベース
ラインから 2013 年度に 0.6%上ぶれた後、2014 年度以降は下ぶれする(2014 年度▲1.3%、2015 年度
▲1.2%、2016 年度▲1.6%)ことになる(図表 5)。GDP への影響は個人消費の変動を通じたものが中
心となり、GDP に占めるウェートが小さい住宅投資自体の変動による影響は限定的なものにとどまろ
う。
図表 5
消費税率引き上げの GDP への影響(年度ベース)
ベースラインからの乖離(累積効果)
2013
2014
2015
2016
年度
(単位:寄与度%)
前年比ベースの影響
2014
2015
2016
年度
GDPへの影響
0.6
▲ 1.3
▲ 1.2
▲ 1.6
▲ 1.9
0.1
▲ 0.4
個人消費への影響
0.5
0.2
▲ 1.1
▲ 0.1
▲ 1.1
▲ 0.1
▲ 1.4
▲ 0.2
▲ 1.6
▲ 0.3
0.0
0.1
▲ 0.3
▲ 0.1
住宅投資への影響
(注)1.個人消費への影響 の物価上昇要因は 、みずほ総研マク ロモデルの乗数( 消費税率1%
上昇に対し、個人 消費:1年 目▲0.36%、2年目▲0.50%)を用いて計算 。
駆け込み需要は97年度の税率引き上 げ時と同規模(年 間消費額の0.79% )と仮定
2.住宅投資への影響 の物価上昇要因は 、みずほ総研マク ロモデルの乗数( 消費税率1%
上昇に対し、消費 者物価指数:1年目+0.64%、2年目 +0.60%)を用い て計算。
駆け込み需要は1997年度の税率引き 上げ時と同規模( 年間住宅投資の6.6%)と仮定
(資料)内閣府「国民経済 計算」などよりみ ずほ総合研究所作 成
4
4.住宅支援措置の内容次第では、増税前に買い控えが発生する可能性も
(1)住宅ローン減税制度拡充後の住宅取得負担の変化(試算)
以上みてきたように、消費税率引き上げにより、住宅投資は大きく変動することが予想される。こ
のため国土交通省は、平成 25 年度の税制改正の消費税対応項目として、
「住宅取得に係る総合的な対
応」を要望している。なお、これとは別に、
「印紙税の負担軽減措置」も要望しているが、流通段階を
含む住宅に係る印紙税の住宅価格に対する割合は小さく、大きな効果を期待するのは難しそうだ。
各種報道によれば、
「住宅取得に係る総合的な対応」として、駆け込み需要の反動が懸念される 2014
年に縮小される予定の「住宅ローン減税制度」を拡充することが検討される模様である。
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを組んで住宅を取得した個人の所得税や住民税を、減税期間に
わたり借入金額の年末残高に一定の控除率を乗じた金額相当減税するものだ。対象借入金残高の上限
(2013 年は一般住宅:2,000 万円・エコ住宅:3,000 万円、2012 年 9 月 28 日現在)を引き上げること
が検討されるほか、減税期間の延長、控除率引き上げ、住民税の控除上限撤廃なども検討される模様
である。
しかし、仮に上記に挙げた拡充案をすべて盛り込むような大規模な対策が打たれた場合、住宅ロー
ン減税拡充による負担軽減額が、消費税増税による負担増額を上回ってしまうことにもなりうる。こ
の場合、消費税増税前の「駆け込み」の発生ではなく、むしろ増税までの「買い控え」が発生する可
能性があることに注意が必要だ。
具体的に、上記の様な住宅取得措置
図表 6
住宅ローン減税拡充後の住宅取得負担の変化
が拡充された場合の消費税増税後の住
宅取得負担を試算してみよう。ここで
は、2014 年の住宅ローン減税が、「対
象借入残高の上限 4,000 万円、減税期
間 15 年(現行 10 年)、当初 10 年の控
除率 2%(現行 1%)へと(結果、最大
減税額を過去最大規模の約 2 倍にあた
る 1,000 万円へと)」拡充され、住民税
の控除上限が撤廃された場合に、消費
税増税後の住宅取得の負担がどう変わ
3
るかを試算した (図表 6)。
一定のモデル世帯を想定し試算する
と、住宅取得時の年収が 1,000 万円の
世帯では、住宅ローン減税制度拡充に
よる税負担の軽減額(471 万円)が、
消費税増税による税負担の増加額(150
万円)を大きく上回り、2014 年以降に
(万円)
(%)
住宅取得時の
年間収入
住宅取得
価格
消費税増税
による
負担増
住宅ローン
減税制度
拡充による
減税増加額
住宅価格に対す
る純負担増加率
300万円
1500
45
69
▲ 1.6
400万円
2000
60
137
▲ 3.9
500万円
2500
75
206
▲ 5.2
600万円
3000
90
259
▲ 5.6
700万円
3500
105
306
▲ 5.7
800万円
4000
120
336
▲ 5.4
900万円
4500
135
406
▲ 6.0
1000万円
5000
150
471
▲ 6.4
(注)1.消費税率が3%引き上げられた後に住宅を取得した場合の消費税増税と住宅ローン減税制度
拡充による家計への影響。住宅ロ ーン減税制度について 、①借入金残高の上限を3,000万円から
4,000万円に、②控除期間を10年から15年に、③控除率を当初10年間のみ1%から2%に、④住民
税の上限を撤廃といった形で拡充すると仮定した。
2.住 宅ローン減税の控除額は増税時の税制・制度の下で計算し、四捨五入した。軽減率は減税の
適用を 受ける前の所得税の納税額。
(前提) 1.35歳時点の年間収入を表示。55歳時(35歳時比、35%増)まで一定の割合で増加する仮定。
2.35歳で住宅ローンを年収の4倍(年利2.1%、返済期間25年、頭金は住宅価格の2割、元利均等
返済)を借り入れたと仮定。
3.妻1人、子ども2人世帯(子どもは30歳 以降で産まれる想定)。税額計算の際の所得控除は給与
所得控除、扶養控除、配偶者控除、基礎控除、社会保険料控除のみ考慮。配当控除等の税額
控除は考慮せず。なお、扶養控除は高校生以上のみに適用されるため、本ケースでは住宅ロ
ーン減税適用期間には扶養控除は受けていない。
(資料)み ずほ総合研究所の試算値。
5
住宅を取得することで住宅を 6.4%も安く購入することが可能となる。
加えて、上記のケースでは、高所得層ほど恩恵が大きくなることから、公平性の観点から議論の余
地が残る点にも留意が必要だ。年収 300 万円世帯の住宅購入費の負担軽減が 1.6%にとどまるのに対
して、年収 1,000 万円世帯では 6.4%も負担が軽くなることになる。
(2)負担緩和措置の策定については、慎重な検討が必要
そもそも住宅取得措置を講じる目的は、消費税増税前後の駆け込みやその後の反動減を緩和するこ
とである。しかし、この試算から分かるように、住宅取得措置の内容によっては、増税前後の駆け込
みを緩和するどころか、むしろ増税前に住宅の買い控えが起こるといった思わぬ副作用が発生する可
能性がある点に注意が必要である。加えて、財政健全化を目的とした社会保障と税の一体改革の一環
として消費税増税が実施されることを踏まえると、住宅取得措置によって増税後に住宅に係る税収が
大きく落ち込むことのないよう、コストパフォーマンスを勘案したうえで慎重に検討する必要がある
だろう。公平性の観点も含め、今後の議論が注目される。
1
以下のような住宅投資関数を推計し、住宅投資に対する駆け込みと反動ダミーの寄与を「駆け込み」と「その反動」とみなした。
ln(住宅投資)= 8.631 + 0.590 ×1 世帯当たりの実質可処分所得(1 期前)+ 0.108 × 1 世帯当たりの預貯蓄額
(0.210)*** (0.071)***
(0.014)***
+0.007×宅地の公示地価(1 期前)+0.003×貸出態度指数 –0.127×空室率 +0.064×駆け込みと反動ダミー
(0.001)***
(0.001)***
(0.021)***
(0.014)***
標本数:101、自由度修正済み決定係数:0.92、推計期間:1983Q3~2008Q3
括弧内の標準誤差はニューイ=ウェスト修正を行った。全ての係数は 1%水準で有意。
なお、全ての変数は I(1)系列(PP 検定)であり、共和分ベクトルは 1 つ(ヨハンセンの検定)
。
空室率(5 年毎調査)と世帯数(1 年毎調査)の時点間のデータは、スプライン補完したもの。
駆け込みと反動ダミーは、1997 年度の消費税率引き上げ前の 1 年間をプラス 1、引き上げ後の 1 年間をマイナス 1 とした。
2
3
当社レポート、山本・風間(2012)「消費税率引き上げと個人消費~実質所得減と駆け込み需要・反動の影響試算(みずほインサ
イト、http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp120627.pdf)」を参照。
ここでは、8%へ消費税率が引き上げられた後にエコ住宅を取得するケース(2013 年にエコ住宅を取得したケースとの比較)を想
定した。(なお、エコ住宅と一般住宅では 2013 年時点における住宅ローン減税制度の最大控除額が異なる。国土交通省は平成 25
年度の税制改正に、2013 年の住宅ローン減税制度の拡充も要望している。)
●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに
基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
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