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ヤチダモ(谷地梻)Fraxinus mandshurica )モクセイ科

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ヤチダモ(谷地梻)Fraxinus mandshurica )モクセイ科
ヤチダモ(谷地梻)Fraxinus mandshurica )モクセイ科
ヤチダモのヤチは、谷地(やち)で、湿地や沢沿いの谷地によく生育することからこの名がつけられ
た。タモは、この木が北陸地方で田の畦(あぜ)のはさ(稲架)木として植えられていた。そこで、谷地
(やち)に生える 「田面(たも)の木」という意味でヤチダモという名前になったようである。その他諸説
あり。
アイヌの伝説に、この背の高い木の上で、フクロウ(夜目がきく)が、悪魔が人間界に近づくのを見張
っていたという話がある。悪魔は神々の目を盗んで、死の神に姿を変え、人間に悪さをする。これを見
張るため、神々の国から派遣されたのが夜目のきくフクロウの神だったそうだ。フクロウは、はじめハル
ニレの木で見張っていたが、人間が多くなり、一番の高いヤチダモの木に移ったというのである(北方
植物園・朝日新聞社)。
材は弾力性、反発力があり、スポーツの用具や家具に使われる。ヤチダモは昔、公式野球のバット
にも使用されていた。王選手が756号のホームラン世界記録を作ったときのバットはヤチダモである。
なお、ヤチダモではあるが、合成樹種を注入、加工した圧縮バットであった。間もなく圧縮バットは使用
禁止となり、現在はアオダモが広く使用されている。
この木には、雄の木と雌の木があり、秋に翼のある長さ 2.5∼3.5cm の実ができる。葉のつき方は、
葉は対生で、羽状複葉(奇数)である。
はさ(稲架)木
すらりと伸びたヤチダモ
奇数羽状複葉
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