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帯広市ESCO事業導入可能性調査報告書

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帯広市ESCO事業導入可能性調査報告書
は じ め に
帯広市では、環境保全および創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、
平成 12 年 3 月に『帯広市環境基本計画』を策定し、市民・事業者・環境 NGO・行政が
連携して、良好な環境の確保を目指す取り組みをしています。
その一環として、平成 13 年 1 月に ISO14001 を取得するとともに、平成 16 年度には
『帯広市地域省エネルギービジョン』を策定し、地域のエネルギー利用の効率化を目指
し、市民・事業者・行政が協力し、取り組みを行っているところです。
その中で、市有施設への省エネルギー設備導入によるエネルギー利用の効率化が重点
計画として掲げられており、この計画の早期実現による更なる省エネルギー化推進を図
ることが必要であると考えています。
また、一方で、本市が保有する公共建築物は 601 施設で、これらの施設は通常の維持
保全に加え、今後は建替えや改修のニーズの高まりにより、本市の財政に大きな負担と
なることが予想されます。
このような状況に対して、省エネルギーと経費削減の両面に対応できる手法として有
効である ESCO 事業の導入実現のために、帯広市が保有する公共施設を対象とした
ESCO 事業導入可能性調査を行いました。
本調査では、外部有識者を含めた『ESCO 事業導入可能性調査委員会』を設置し、ESCO
事業導入にあたっての課題整理や事業者リスク軽減を考慮した審査方法等、効率的な事
業実施に向けた仕組みの策定に向け、非常に密度の濃い議論を交わしていただき、本報
告書に取りまとめました。
今後、ますます増加が考えられる小規模案件での ESCO 事業の実施に向けて、本報告
書を活用し、公共・民間を問わず、ESCO 事業の積極的な推進に取り組んで参りたいと
存じます。
最後になりましたが、本報告書策定にご尽力いただいた『帯広市 ESCO 事業導入可能
性調査委員会』の皆様方はじめ、ご協力いただいた多くの皆様に心から感謝し、お礼を
申し上げます。
平成 19 年 3 月
帯広市緑化環境部環境課
本調査は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成 18 年度
地域省エネルギービジョン策定等事業」を活用して行った。
帯広市ESCO事業導入可能性調査報告書
目
【本
第1章 調査目的と概要
第2章
編】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1-1
(1)
調査目的
1-
1
(2)
調査概要
1-
1
(3)
帯広市の現況と ESCO 事業導入意義
1-
3
2-
1
ESCO 事業の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2-1
(1)
第3章
次
ESCO 事業の特徴
1)
ESCO の定義
2-
1
2)
ESCO 事業の特徴
2-
1
(2)
一般的省エネルギー改修工事との相違
2-
3
(3)
契約方式
2-
4
(4)
地方公共団体での主な ESCO 事業導入状況
2-
5
3-
1
エネルギー需要実態調査
第1節
・・・・・・・・・・・・・・・・ 3-1
調査対象施設抽出と調査手法
(1)
調査対象施設の抽出
3-
1
(2)
調査の方法
3-
2
3-
3
3-
3
第2節
エネルギー消費の現状
(1)
(2)
施設概要
1)
施設規模
3-
3
2)
対象施設の設備概要
3-
5
3-
8
8
エネルギー消費実態調査結果と分析
1)
年間光熱水費
3-
2)
エネルギー消費の分析と評価方法
3-14
3)
エネルギー消費状況
3-16
4)
エネルギー消費の評価
3-22
5)
ESCO 事業としての評価
3-25
第4章
エネルギー削減の可能性
第1節
削減項目の検討
第7章
1
省エネルギー化の視点
4-
1
(2)
省エネルギー手法の選定
4-
2
1)
省エネルギー手法の抽出
4-
2
2)
省エネルギー手法の評価
4-
7
3)
省エネルギー手法の概要
4-14
エネルギー削減可能性量
(1)
第6章
4-
(1)
第2節
第5章
・・・・・・・・・・・・・・・ 4-1
施設別削減可能性量の評価
ESCO 事業導入の可能性
4-15
4-16
・・・・・・・・・・・・・・・ 5-1
(1)
事業収支シミュレーション対象施設の選定
5-
1
(2)
事業収支シミュレーション
5-
3
1)
収支試算条件
5-
3
2)
事業収支シミュレーション結果
5-
4
(3)
アンケート調査結果
5-19
(4)
ESCO 事業導入施設の選定
5-20
(5)
事業スケジュール(案)
5-20
ESCO 事業導入方針
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6-1
(1)
ESCO 事業性の確保
6-
1
(2)
地方公共団体への適用
6-
8
(3)
契約上の留意点
6-10
(4)
ESCO 提案の審査方法(案)
6-14
1)
簡易公募の導入
6-14
2)
ESCO 提案審査書類概要
6-26
ESCO 事業普及の課題
委員会名簿と委員会審議事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7-1
【資料編】
資料 1. 募集要項(案)
資料 2. 契約書(案)
資料 3. 事業収支シミュレーション結果
資料 4. 調査対象施設現況
資料 5. 施設調査票
資料 6. 調査施設のエネルギーバランス
資料 7. 省エネルギー導入候補項目及びエネルギー削減量の基礎数値
資料 8. 施設群としての省エネルギー化検討
資料 9. ESCO 実施体制(案)
資料 10. ESCO 事業と指定管理者制度
資料 11. ESCO 事業導入可能性に関するアンケート調査結果
第1章 調査目的と概要
第1章 調査目的と概要
(1)調査目的
帯広市では、平成 16 年度に『帯広市地域省エネルギービジョン』を策定し、市有施設
への省エネルギー設備導入による省エネルギー推進を重点項目として掲げている。本調査
は、この計画の早期実現に向けて、ESCO 事業の効率的な実施施策を調査・検討するとと
もに、更には、市有施設以外への普及拡大を進めるべく、地域の先導的役割を果たすこと
を目的とする。
(2)調査概要
本調査は、ESCO 事業導入に向けての、効率的な施策の調査・検討と、事業導入可能施
設の選定を行うことを目的とし、本市が保有している 601 施設の中から用途・規模・消費
エネルギー等を考慮し、省エネルギー化の可能性があると想定される 21 施設を抽出し、
下記に示す調査・検討を実施した。
■エネルギー需要実態調査
(第3章)
本市が保有している 601 施設の中から、用途・規模・消費エネルギー等を考慮し抽出し
た省エネルギー化の可能性があると想定される 21 施設(コミュニティセンター10 施設を
含む)に対し、年間の燃料消費量・電力消費量・光熱水費の調査及び現地調査を行い、エ
ネルギー需要実態を把握するとともに、収集データの分析を行う。
■エネルギー削減の可能性
(第4章)
エネルギー需要実態調査結果を基に、省エネルギー診断を実施し、導入可能な省エネル
ギー手法の抽出を行うとともに、その手法によるエネルギー削減量の把握を行う。
■ESCO 事業導入の可能性
(第5章)
エネルギー削減の可能性及び省エネルギー診断結果を基に事業シミュレーションを実
施し、ESCO 事業導入可能施設について検討するとともに、ESCO 事業者へのアンケート
調査を実施し、選定施設の事業導入可能性の分析を行う。
■ESCO 事業導入方針
(第6章)
ESCO 事業導入を円滑に行うために、他地方公共団体の先進事例や最新動向を踏まえ、
帯広市に適した効率的な仕組みを検討するとともに、募集要項(案)・契約書(案)等の
実務的資料の原案を作成する。
■ESCO 事業普及の課題
(第7章)
帯広市の ESCO 事業に地元企業が広く参画し、地域一体となった省エネルギー活動を
展開していくために、今後更なる検討を加えていかなければならない課題の抽出を行う。
1-1
第1章 調査目的と概要
市が保有する 601 施設から 21 施設を
対象施設の抽出
抽出
エネルギー需要実態調査
燃料・電力消費量・光熱水費の調査
現地調査の実施
省エネルギー診断実施施設の選定
エネルギー削減の可能性検討
ESCO 事業導入の可能性検討
省エネルギー診断の実施
省エネルギー手法の抽出
事業シミュレーションの実施
ESCO 事業者へのアンケート調査実施
ESCO 事業導入可能施設の選定
ESCO 事業導入方針策定
ESCO 普及の課題抽出
図1-1
1-2
調査概要フロー図
第1章 調査目的と概要
(3)帯広市の現況と ESCO 事業導入意義
京都議定書の発効を受け、我が国は、地球温暖化に影響を及ぼすおそれのある温室効果
ガスの排出量を、第 1 約束期間(2008 年~2012 年)の期間内に基準年(1990 年)と比較
して、6%削減する義務が生じた。
その対策として、色々な法的措置や省エネルギー支援等の対策が講じられているが、中
長期的見通しにおいて、温室効果ガスの排出量は引き続き増加の傾向にあり、今後の更な
る対策が急がれている。その中で、建築物の省エネルギー性能の向上、省エネルギー機器
の導入促進等による ESCO 事業に関連する効果に期待がもたれている。
帯広市においても、平成 12 年 3 月に策定された『帯広市環境基本計画』にて、良好な
環境の確保を目指しており、ESCO 事業導入による温室効果ガス削減は、大きな意義があ
る。
また、ESCO 事業導入は、経費削減の面を持ち合わせていることから、近年の自治体の
厳しい財政状況においても、帯広市の財政負担を最小限にとどめ、かつ、エネルギー施策
の面からは、民間の優れたノウハウを活用して、中長期的なエネルギー削減効果が得られ
る有効な手段として、導入意義が大きいものであると言える。
1-3
第2章 ESCO 事業の概要
第2章 ESCO 事業の概要
(1)ESCO 事業の特徴
1)ESCO の定義
ビルや工場の省エネルギー化に必要な「技術」「設備」「人材」「資金」などの全てを包
括的に提供するサービスであり、省エネルギー改修工事で実現する光熱水費削減分で、全
ての投資を賄う事業を ESCO(Energy Service Company)事業といい、これらのサービ
スを提供するにあたっては、それまでの環境を損なうことなく、省エネルギーを実現し、
その効果を保証する事業である。
顧客の利益
光熱水費支出
(ベースライン)
利
初期投資
光熱水費支出
ESCO 事業
実施前
初期投資分
金
事業費
ESCO
保 証
ESCO の配当
顧客の利益
光熱水費支出
ESCO 事業
実施中
図2-1
契約期間
終了後
ESCO 事業の経費と利益
2)ESCO 事業の特徴
ESCO 事業は、従来の設計・工事・運営管理を別々に行う方式ではなく、省エネルギー
に係る全ての業務を同一の ESCO 事業者が行い、引き続きその省エネルギー効果の計測・
検証と、その省エネルギー効果を保証するものであり、下記に示す特徴がある。
①
新たな財政負担を必要としない省エネルギー促進策(民間資金活用型)
②
省エネルギー効果を ESCO 事業者が保証
③
包括的な省エネルギーサービスの提供
④
省エネルギー効果の計測・検証
2-1
第2章 ESCO 事業の概要
■新たな財政負担を必要としない(民間資金活用型)
ESCO 事業を民間資金活用型で実施した場合は、省エネルギー改修に係る全ての経費
(工事費・金利・経費等)は、省エネルギー改修によって実現する光熱水費削減分で賄
われている。その削減分の中には顧客利益も含まれており、ESCO 事業により顧客が損
失を被ることはなく、さらに、契約期間終了後の光熱水費削減分は全て顧客の利益とな
る。
なお、自己資金活用型での ESCO 事業においても、顧客が負担した初期投資は光熱
水費削減の中の顧客利益分から返済され、契約期間終了時には初期投資が還元される。
■省エネルギー効果の保証
ESCO 事業の導入による省エネルギー効果を ESCO 事業者が保証することで、顧客
の利益を保証する。万が一、事業実施後、省エネルギー効果を発揮できず、顧客が損失
を被るような場合には、ESCO 事業者は性能保証を行うと同時に顧客の利益保証も行う。
このような出来高契約は『パフォーマンス契約』と呼ばれ、ESCO 事業の中でも重要な
要素になっている。
この契約は、ESCO 事業者が省エネルギー改修による光熱水費削減分で全ての事業経
費を賄うことを基本とし、事業実施により実現する省エネルギー量により、ESCO 事業
者の取り分が変化することを示す。同時に、顧客の利益も、実現する省エネルギー量に
より変化するが、少なくとも顧客の光熱水費が、事業実施前に比べ高くなることがない
範囲の保証を ESCO 事業者が行う。
■包括的サービスの提供
ESCO 事業は省エネルギーに係る全ての業務を一括して請け負い、全ての経費を省エ
ネルギー改修により得られる光熱水費削減分で賄うことを基本としている。従って、
ESCO 事業者は、事前のエネルギー診断、設計、施工、運転管理に至る工事全般から、
資金調達、財務管理まで、包括的なサービスを提供する。
■省エネルギー効果の計測・検証
省エネルギー改修後の省エネルギー効果を把握する作業を、計測・検証
(Measurement and Verification あるいは Monitoring and Verification:V&M)と
いう。
ESCO 事業者は、パフォーマンス契約に基づく顧客利益の保証を行う際に、省エネル
ギー改修の効果を適正に評価する必要があることから、導入される省エネルギー技術毎
に効果の把握方法を確認し、顧客と合意する必要がある。
また、計測・検証を行う ESCO 事業の場合は、定期的に設備の稼働状況の確認を行
うため、計測・検証を行わない一般的改修工事と比べ、改修後の省エネルギー効果が持
続すると言われている。
2-2
第2章 ESCO 事業の概要
(2)一般的な省エネルギー改修工事との相違
一般的な省エネルギー改修工事と、ESCO 事業との大きな違いは、一般的な省エネル
ギー改修工事では設計・工事・運転管理の各々の契約が別々となることが多く、省エネル
ギー効果の保証が得られ難いが、これに対し ESCO 事業では、予備診断・詳細診断・改
修工事、さらに効果の計測・検証までを一括契約とするトータルサービス提供により責任
が一本化され、省エネルギー効果の保証ができる点である。
【ESCO 事業】
【一般的な省エネ改修工事】
ESCO 事業による包括的なサービス
段階ごとの個別契約
既設設備調査
設計契約
実施計画書の作成
省エネ効果保証の合意
詳細診断
設計・見積り
契
約
省エネ効果の保証を考慮しない
予備診断
一
括
検証
図2-2
改修工事
設備の運転・管理
省エネ効果の確認はしない
省エネ効果の計測・
運転管理契約
保守・点検
省エネ効果の確認・保証
設備の運転・管理
工事契約
工事管理
契 約
改修工事
施工品質の監理
ESCO サービス契約
ESCO 事業と一般的な省エネルギー改修工事の比較
2-3
第2章 ESCO 事業の概要
(3)契約方式
ESCO 事業者と顧客とが契約するパフォーマンス契約は、大きく分けて以下に示す 2 種
類に分類される。
① 顧客が事業資金を調達するギャランティード・セイビングス契約(自己資金型)
② 事業者が事業資金を調達するシェアード・セイビングス契約(民間資金活用型)
何れの場合も、
省エネルギー改修工事による光熱水費削減額を ESCO 事業者が保証し、
この光熱水費削減額が改修工事資金の償還原資となっている。
二者の違いは、資金の債務者が異なることであり、ギャランティード・セイビングス契
約は顧客が、シェアード・セイビングス契約は ESCO 事業者が債務者となっている。
パフォーマンス契約
(設計・施工・効果保証)
顧
ESCO 事業者
客
サービス料支払い
返
済
融資・リース
金融機関
・ESCO 事業者は顧客に対して改修工事実施による削減額を保証
・初期投資資金を顧客が調達
・光熱水費削減分と支払いサービス料との差額を融資返済原資とする
図2-3
ギャランティード・セイビングス方式
パフォーマンス契約
(設計・施工・効果保証)
顧
ESCO 事業者
客
サービス料支払い
返
済
融資・リース
金融機関
※プロジェクトファイナンスも可能
・ESCO 事業者は顧客に対して改修工事実施による削減額を保証
・初期投資資金を ESCO 事業者が調達
・受取りサービス料から融資返済原資を捻出する
図2-4
2-4
シェアード・セイビングス方式
第2章 ESCO 事業の概要
(4)地方公共団体での主な ESCO 事業導入状況 (2006 年 12 月現在工事中のものを含む)
ESCO 実施都道府県数 / 全国都道府県数 =31 / 47
北海道
・市立札幌病院
・札幌市区役所施設
青森県
・青森県庁舎及び警察本部庁舎
秋田県
・鳥海荘・フォレスタ鳥海
兵庫県
・須磨海浜水族園
・こうべ市民福祉交流センター
・神戸市役所本庁舎
・しあわせの村温泉健康センター
・しあわせの村総合センター
・西宮市総合福祉センター
山形県
・山形大学(飯田団地)
栃木県
・栃木県立ガンセンター
新潟県
・上越市庁舎
富山県
・黒部市国際文化センターコラーレ
石川県
・九谷焼研究所、奥能登土木事務所、
輪島塗芸研修所
埼玉県
・浦和地方庁舎
・所沢市庁舎
・県立小児医療センター
京都府
・京都市みやこめっせ
・綾部市立病院
岡山県
・備前市役所本庁舎
・日生、吉永総合支所
千葉県
・さわやか千葉県民プラザ
滋賀県
・湘北総合病院
島根県
・島根大学医学部附属病院
山口県
・山口県庁舎
・周南市営路外駐車場
・下関市立中央病院
福井県
・敦賀市立敦賀病院
宮崎県
・都城市庁舎
鹿児島県
・黎明館
茨城県
・茨城県立医療大学
・国立環境研究所
愛媛県
・県庁庁舎
・宇和島市役所本庁舎
福岡県
・北九州市立大学
佐賀県
・佐賀県庁舎
・佐賀市文化会館
・佐賀市水道局庁舎
沖縄県
・うるま市本庁舎ほか3施設
・沖縄県庁舎行政棟
・沖縄県立北部病院
・沖縄県立看護大学
三重県
・三重県庁舎
愛知県
・旭労災病院
静岡県
・共立浦原総合病院
・県西部浜松医療センター
・沼津市立病院
大阪府
・大阪府立呼吸器アレルギーセンター
・大阪府立労働センター
・マイドームおおさか
・大阪府警察門真運転免許試験場
・大阪府中河内府民センタービル
・大阪府庁舎本館・別館
・大阪市立総合医療センター
・岸和田市本庁舎・別館及び市立図書館
・岸和田競輪場メインスタンド
・豊中市役所・第一庁舎、第二庁舎
・大阪府立青少年海洋センター
・大阪府立体育館
・大阪府女性総合センター
・大阪府池田保健所等他 13 保健所
東京都
・千代田区立総合体育館
・三鷹市芸術文化センター、環境センター、
東部下水処理場
・都立広尾病院
・調布市庁舎他1施設
・(財)東京都保健医療公社東部地域病院
・都立大塚病院
・青梅市立総合病院
・江戸川区公共施設 15 施設
・世田谷区立砧中学校西側トイレ
長野県
・長野運動公園総合運動場
・長野市市有文化コンベンション施設
神奈川県
・恩賜財団再生会横浜市南部病院
・精神医療センター
・神奈川工業高校+神奈川総合高校
・横浜市障害者スポーツセンター、総合リ
ハビリテーションセンター、総合保険医
療センター
・防災総合センター
・循環器呼吸器病センター
・環境科学センター
・横浜市松風園
・戸塚センター
・横浜こども科学館
・横浜市関内地区 3 施設
・三浦しらとり園
・産業技術センター
・横浜市中央図書館ほか 1 施設
2-5
第3章 エネルギー需要実態調査
第3章 エネルギー需要実態調査
第1節
調査対象施設抽出と調査手法
(1)調査対象施設の抽出
本市が保有している 601 施設のうち、市営住宅や学校施設などを除いた 206 施設の中か
ら、省エネルギー改修の可能性が比較的高いと考えられる 123 施設を抽出し、更に、ESCO
事業の導入に適さないと考えられる施設を除き、最終的な調査対象施設 21 施設を抽出し
た。
中でも、帯広の森スポーツ施設(6 施設)とコミュニティセンタ-(10 施設)は、個別
省エネルギー改修とともに各施設相互間でのエネルギーの有効利用や小規模建物での省
エネルギー手法の可能性を検討するため選定した。
<抽出方法>
市保有施設(601 施設)から市営住宅・学校を除いた施設(206 施設)
作
直
■ 調査対象施設の選定基準
・ 一次エネルギー消費量の高い施設
・ 築 5 年以上経過した施設
・ 市保有施設全体の省エネルギーの可能性を把握するため、用途ごと
のバランスを考慮
■ 調査対象から外す施設
・ 建物改修予定がある施設
・ 近年設備改修を行った施設
・ 移転計画がある施設
・ 用途変更の計画がある施設
・ 小規模な施設
調査対象施設 21 施設を抽出
(表3-1)
3-1
第3章 エネルギー需要実態調査
(2)調査の方法
調査対象施設として抽出した 21 施設について、以下に示す手順に基づき、施設のエネ
ルギー消費の調査を行う。
■一次調査
平成 13 年度に実施した「省エネルギー診断」の調査資料に加え、竣工図や改修図等の
図面を基に、空調設備・電気設備・給排水衛生設備の設備内容を調査するとともに、対象
施設に対してアンケート調査を実施し、二次調査実施時における重点項目の絞り込みを行
う。
また、過去 3 年間の電気料金・水道料金・ガス料金・重油などの燃料購入料金を調査し、
光熱水費および使用量に関するデータを収集する。
□収集データ
建物概要
設備概要
使用エネルギー概要
エネルギー消費量・料金
改修工事履歴
アンケート調査
図面類等
■二次調査
一次調査の結果を基に、各施設のウォークスルー調査を行い、設備内容の確認や運用状
況等について施設管理者にヒアリングを行う。
□現地確認及びヒアリング
運転方式及び運転時間
況
照明器具
各種温度設定
機器設置スペース
照明点灯状況
省エネ対策
外気導入状
既設機器メーカー等
■収集データの分析
一次・二次調査の結果を基に、建物状況・一次エネルギー消費・エネルギー原単位等の
分析を行う。
3-2
第3章 エネルギー需要実態調査
第2節
エネルギー消費の現状
(1)施設概要
1)施設規模
調査対象施設の施設名称・用途・竣工年・延床面積を表3-1に示す。
調査対象全施設の合計延床面積は 89,526 ㎡で、最大規模の施設は、帯広市役所本庁舎
で 24,971 ㎡、また、最小規模の施設は、鉄南コミュニティセンターで 1,087 ㎡となって
いる。
施設用途は、事務所 1 施設、集会施設 11 施設(集会所 10 施設を含む)、体育施設 5 施
設、展示施設 1 施設、処理施設 2 施設(上下水道施設)
、宿泊施設 1 施設となっている。
集会施設 11 施設のうち、
「とかちプラザ」を除く他の 10 施設は、地域コミュニティセ
ンターで、帯広市内各所に点在している。
また、「帯広の森研修センター」と体育施設 5 施設は、全て帯広の森地域に集中して建
設されている。
表3-1
No
施
設
名
称
1 帯広市役所本庁舎
施設概要
用
途
竣工年
延床面積
(㎡)
事務所
1992 年
24,971
集会施設
1995 年
13,721
浄水場
1981 年
3,590
下水処理場
1967 年
5,369
博物館
1982 年
4,299
6 帯広の森アイスアリーナ
体育施設
1987 年
5,899
7 帯広の森第2アイスアリーナ
体育施設
1987 年
2,976
8 帯広の森市民プール
体育施設
1996 年
5,991
9 帯広の森体育館
体育施設
1985 年
3,388
体育施設
2001 年
4,327
研修・宿泊施設
1988 年
1,549
12 鉄南コミュニティセンター
集会所
1979 年
1,087
13 東コミュニティセンター
集会所
1981 年
1,311
14 緑西コミュニティセンター
集会所
1982 年
1,177
15 森の里コミュニティセンター
集会所
1992 年
1,273
16 啓北コミュニティセンター
集会所
1983 年
1,199
17 西帯広コミュニティセンター
集会所
1984 年
1,199
18 南コミュニティセンター
集会所
1985 年
1,253
19 帯広の森コミュニティセンター
集会所
1991 年
1,199
20 大正農業者トレーニングセンター
集会所
1980 年
1,973
21 川西農業者研修センター
集会所
1981 年
1,775
2 とかちプラザ
3 稲田浄水場
4 帯広川下水終末処理場
5 帯広百年記念館
10 帯広の森スポーツセンター
11 帯広の森研修センター
3-3
第3章 エネルギー需要実態調査
対象施設 21 施設の竣工年別の施設数を図3-1に示す。
図3-1より、1980 年から 1990
年の間に竣工した施設が多く、全体の 67%(14 施設)を占めている。これらの施設は、
竣工後 16 年~26 年を経ており、建築的な設備改修が必要となっていることが推察される。
1980 年から 1990 年の間に竣工した 14 施設のうち、8 施設がコミュニティセンター、次
いで体育施設が 3 施設、処理施設・宿泊施設・展示施設が各 1 施設となっている。
このうち、規模的には帯広の森アイスアリーナが 5,899 ㎡と最も大きく、体育施設・処
理施設・宿泊施設・展示施設は 3,000~4,000 ㎡程度となっている。
規模の大きな帯広市役所本庁舎・とかちプラザは、1992 年・1995 年の竣工で、竣工よ
り 10 年以上を経過しており、今後、設備改修の必要性が生ずるものと推定される。
4
竣工後 16 年~26 年経過
3
3
2
2
2
帯広市役所本庁舎他
2
(
施
設
数
2
)
棟
1
1 1
1
1 1
1
1 1
1
1
0
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
図3-1
2000
2005
とかちプラザ
竣工年度(年)
竣工別施設数
対象施設 21 施設の規模別の施設数を図3-2に示す。図3-2より、延床面積が 1,000
~1,500 ㎡の施設数が群を抜いて多いが、これは、コミュニティセンター施設である。
コミュニティセンターは、各施設、同様な面積であるとともに、設備も同様な形式となっ
ている。
10
9
9
8
7
5
4
3
2
延床面積(㎡ )
図3-2
3-4
規模別施設数
25,000~
30,000
20,000~
25,000
1
15,000~
20,000
1
6,000~
10,000
1
5,000~
5,500
3,500~
4,000
1
3,000~
3,500
2,000~
2,500
1,500~
2,000
1,000~
1,500
0
500~
1,000
1
2,500~
3,000
1
10,000~
15,000
2
2
5,500~
6,000
3
4,500~
5,000
棟
6
4,000~
4,500
( )
施
設
数
第3章 エネルギー需要実態調査
2)対象施設の設備概要
竣工後の設備機器更新の有無と内容を表3-2に、対象施設設備概要一覧を表3-3に
示す。
一般的な建築設備機器更新周期は約 15 年程度、建て替え・大規模改修時期は約 30 年程
度と言われている。
今回の対象施設のうち、竣工後 15 年以上を経過している施設は、全体の 70%程度となっ
ており、そのうち、約 60%の施設において設備機器の更新が行われ、そのほとんどが暖房
熱源機器の更新となっている。
表3-2
No
施 設 名
1
帯広市役所本庁舎
2
とかちプラザ
3
稲田浄水場
4
帯広川下水終末処理場
5
帯広百年記念館
6
帯広の森アイスアリーナ
7
帯広の森第2アイスアリーナ
8
帯広の森市民プール
9
帯広の森体育館
10
帯広の森スポーツセンター
11
帯広の森研修センター
12
鉄南コミュニティセンター
13
東コミュニティセンター
14
緑西コミュニティセンター
15
森の里コミュニティセンター
16
啓北コミュニティセンター
17
西帯広コミュニティセンター
18
南コミュニティセンター
19
帯広の森コミュニティセンター
20
大正農業者トレーニングセンター
21
川西農業者研修センター
竣工年
(築年数)
1992年
(14年)
1995年
(11年)
1981年
(25年)
1967年
(39年)
1982年
(24年)
1987年
(19年)
1987年
(19年)
1996年
(10年)
1985年
(21年)
2001年
(5年)
1988年
(18年)
1979年
(27年)
1981年
(25年)
1982年
(24年)
1992年
(14年)
1983年
(23年)
1984年
(22年)
1985年
(21年)
1991年
(15年)
1980年
(26年)
1981年
(25年)
設備機器更新一覧
更新
暖房熱源機器更新
冷房熱源機器更新
無し
無し
有り
有り
有り
2005年
ユニット・ヒーター更新
1985年・1988年
蒸気ボイラ更新
1996年・2002年
真空式温水機更新
無し
無し
無し
無し
無し
無し
有り
有り
有り
時期・内容不明
2001年
温水ボイラ更新
2002年
真空式温水機更新
無し
有り
2006年
真空式温水機更新
無し
無し
無し
有り
有り
時期・内容不明
2001年
真空式温水機更新
3-5
第3章 エネルギー需要実態調査
表3-3
対象施設設備概要一覧
構造
№
施
設
名
用 途
建築年
1 帯広市役所本庁舎
事務所
1992
2 とかちプラザ
集会所
1995
3 稲田浄水場
浄水湯
1981
4 帯広川下水終末処理場
下水処理場 1967
5 帯広百年記念館
博物館
1982
6 帯広の森アイスアリーナ
体育施設
1987
7 帯広の森第2アイスアリーナ 体育施設
1987
8 帯広の森市民プール
体育施設
1996
9 帯広の森体育館
体育施設
1985
10 帯広の森スポーツセンター
体育施設
2001
11 帯広の森研修センター
研修所
宿泊施設
1988
12 鉄南コミュニティセンター
集会所
1979
13 東コミュニティセンター
集会所
1981
14 緑西コミュニティセンター
集会所
1982
15 森の里コミュニティセンター 集会所
1992
16 啓北コミュニティセンター
集会所
1983
17 西帯広コミュニティセンター 集会所
1984
18 南コミュニティセンター
集会所
1985
帯広の森コミュニティセン
19
ター
集会所
1991
大正農業者トレーニングセン
集会所
ター
1980
20
21 川西農業者研修センター
集会所
1981
受電
容量
延面積 地上
(kVA)
(㎡) 地下
SRC・RC・S
12
24,971
1
RC・SRC
6
13,721
1
RC
機
種
加熱能力
冷却能力
数量
燃料
(kcal/h) (kcal/h)
(台)
2950 冷温水発生機
(820) 真空式温水機
1 重油
304,000
2 重油
1,250,000
1160 冷温水発生機
(386) 真空式温水機
1 重油
819,000
1 重油
1,000,000
2
2263 温水ボイラ
(640)
1 重油
130,000
RC
3
1,000,000
1
2250 蒸気ボイラ
(550)
2 重油
5,369
450 真空式温水機
(239)
4 重油
300,000
800 真空式温水機
(595)
1 灯油
160,000
420
(90)
真空式温水機
2 重油
630,000
真空式温水機
2 重油
150,000
真空式温水機
2 重油
175,000
温水ボイラ
1 重油
215,000
温水ボイラ
1 重油
250,000
真空式温水機
1 重油
250,000
真空式温水機
1 重油
250,000
真空式温水機
1 重油
315,000
真空式温水機
1 重油
250,000
真空式温水機
1 重油
200,000
真空式温水機
1 重油
250,000
50
(27)
真空式温水機
1 重油
290,000
35
(18)
真空式温水機
1 重油
300,000
3,590
RC・SRC
2
4,299
1
RC・S
2
5,899
RC・S
1
2,976
SRC
2
5,991
1
RC・S
2
70
(50)
2
625
(180)
2
60
(55)
3,388
RC・S
4,327
RC
1,549
SRC
2
1,087
1
SRC
2
1,311
SRC
2
1,177
SRC
2
1,273
SRC
2
1,199
SRC
2
1,199
SRC
2
1,253
SRC
2
1,199
SRC
2
1,973
1
SRC
2
1,775
(23)
(24)
(32)
(28)
(30)
(25)
(23)
(28)
(
3-6
空調(熱源)
階数
)内は契約電力を示す。
360,000
937,000
第3章 エネルギー需要実態調査
空調(二次側)
機
種
外調機ユニット
6
819,000
水熱源エアコン
329
1,250,000
外調機ユニット
ユニット型空調機
給湯
数量
加熱能力
冷却能力
(台) (kcal/h) (kcal/h)
1
814,000
11
(224,000)
機
種
76,000 真空式温水機
数量
燃料
(台)
2 重油
能力
(kcal/h)
住所
200,000
西5条南7丁目
1,402,000
596,000 真空式温水機
1 重油
特記事項
外調機ユニット・水熱源エアコン機器の台
数は議会棟分も含む
400,000
西4条南13丁目
(79,000)
稲田東2線8
パッケージエアコン
1
55,900
37,800 蒸気ボイラ
2 重油
1,000,000
東11条南2丁目
空調機・外調機
3
(166,000)
パッケージエアコン
8
(379,000)
FF温風機
22
(163,000)
FF温風機
5
(20,000)
2
(351,000)
パッケージエアコン
空調機
15
(14,000)
温風暖房機
3
17
FF温風機
真空式温水機
2 重油
300,000
緑ヶ丘2番地
(316,000)
真空式温水機
1 灯油
210,000 芽室町北伏古
東7線5番地
芽室町北伏古
東7線5番地
真空式温水機
2 重油
630,000 芽室町北伏古
東7線6番地
(180,000)
真空式温水機
2 重油
50,000 芽室町北伏古
東7線6番地
(106,000)
真空式温水機
1 灯油
233,000 芽室町北伏古
東7線6番地
真空式温水機
2 重油
40,000 芽室町北伏古
東7線4番地
(71,000)
コージェネレーション2台導入
西2条南24丁目
東7条南9丁目
西17条南4丁目
西22条南4丁目
西13条南2丁目
西23条南2丁目
西10条南34丁目
空港南町
南11線43番地
大正本町
西1条1丁目
川西町
西2線59の48
3-7
第3章 エネルギー需要実態調査
(2)エネルギー消費実態調査結果と分析
1)年間光熱水費
調査対象施設から受領した平成 15 年~平成 17 年の 3 ヶ年平均による年間光熱水費を図
3-3に、各施設の電力・A重油・上下水道使用料の構成比を図3-4に、また、図3-
5に電力使用量、図3-6にA重油使用量について示す。
光熱水費が最も多いのは帯広市役所本庁舎であり、年間光熱水費 5,600 万円程度、次い
で帯広川下水終末処理場、稲田浄水場、帯広の森市民プール、とかちプラザ、帯広の森ア
イスアリーナと続き、年間光熱水費 3,000~4,000 万円程度となっている。
コミュニティセンターは、総じて額が少なく 200~300 万円程度となっている。
56,622
帯広市役所本庁舎
40,208
帯広川下水終末処理場
39,975
稲田浄水場
39,939
帯広の森市民プール
33,549
とかちプラザ
32,626
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
14,778
帯広百年記念館
12,864
帯広の森スポーツセンター
7,322
帯広の森研修センター
5,114
帯広の森体育館
南コミュニティセンター
森の里コミュニティセンター
緑西コミュニティセンター
3,248
3,129
2,808
啓北コミュニティセンター
2,592
西帯広コミュニティセンター
2,545
東コミュニティセンター
2,508
鉄南コミュニティセンター
2,176
帯広の森コミュニティセンター
2,134
大正農業者トレーニングセンター
2,094
川西農業者研修センター
1,875
0
10,000
20,000
30,000
光熱水費(千円/年)
図3-3
3-8
年間光熱水費一覧
40,000
50,000
60,000
第3章 エネルギー需要実態調査
図3-4の光熱水費構成比のうち、帯広市役所本庁舎の電力料金が最も多く、次いで稲
田浄水場、帯広川下水終末処理場となっており、光熱水費の多い施設と強い相関を示して
いる。又、図3-5に示す電力使用量比較より、電力使用量の多さが光熱水費の大部分を
占めていることが推察される。
帯広の森スポーツ施設群のうち、電力使用量が群を抜いて多いのが、帯広の森アイスア
リーナと帯広の森スポーツセンターで、これらの施設は、リンク製氷のための電力使用量
が多い事によるものである。また、帯広の森市民プールについては、プールの加温や全館
暖房という施設用途上の特性と、重油によるコージェネレーションの稼働により、A重油
が光熱水費の大部分を占めている。
帯広市役所本庁舎
とかちプラザ
稲田浄水場
帯広川下水終末処理場
帯広百年記念館
上下水道
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
A重油
帯広の森市民プール
電力
帯広の森体育館
帯広の森スポーツセンター
帯広の森研修センター
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
使用料金 (千円/年)
図3-4
光熱水費構成比
3-9
第3章 エネルギー需要実態調査
帯広市役所本庁舎
とかちプラザ
稲田浄水場
帯広川下水終末処理場
帯広百年記念館
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
帯広の森市民プール
帯広の森体育館
帯広の森スポーツセンター
帯広の森研修センター
0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
3,000,000
電力使用量(kWh/年)
図3-5
電力使用量比較
帯広市役所本庁舎
とかちプラザ
稲田浄水場
帯広川下水終末処理場
帯広百年記念館
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
帯広の森市民プール
帯広の森体育館
帯広の森スポーツセンター
A重油使用量(㍑)
A重油使用量(ℓ/年)
図3-6
3-10
A重油使用量
500,000
450,000
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
-
50,000
0
帯広の森研修センター
第3章 エネルギー需要実態調査
図3-7に示すコミュニティセンターの光熱水費構成比は、多少のばらつきが見受けら
れるが、総じて電力がA重油を上回っている。
また、図3-8に示す年間光熱水費と図3-9に示す施設利用人数とは比較的強い相関
を示しており、施設利用人数及び施設利用件数の増減がコミュニティセンターの光熱水費
の増減要因であることが推察される。
なお、南コミュニティセンターの年間光熱水費と利用人数との相関関係が逆転している
理由として、A重油の給油状況の違いが考えられる。(油タンクへの供給と消費が必ずし
も一致していないことが原因と推測される)
また、緑西コミュニティセンターは、最も利用人数が多いが、利用件数で比較すると他
施設とそれほど大きく違っていないことから、一回の利用人数が多いため、見かけ上の省
エネルギー化となっているものと推定される。
鉄南コミュニティセンター
上下水道
A重油
東コミュニティセンター
電力
緑西コミュニティセンター
森の里コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
西帯広コミュニティセンター
南コミュニティセンター
帯広の森コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
川西農業者研修センター
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
使用料金(千円/年)
図3-7
光熱水費構成
3-11
第3章 エネルギー需要実態調査
電力
A重油
都市ガス
LPガス
上下水道
鉄南コミュニティセンター
東コミュニティセンター
緑西コミュニティセンター
森の里コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
西帯広コミュニティセンター
南コミュニティセンター
帯広の森コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
川西農業者研修センター
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
光熱水費 (千円/年)
図3-8
年間光熱水費比較
鉄南コミュニティセンター
東コミュニティセンター
緑西コミュニティセンター
森の里コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
西帯広コミュニティセンター
南コミュニティセンター
帯広の森コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
川西農業者研修センター
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
利用人数(人/年)
図3-9
3-12
年間利用人数比較
60,000
70,000
80,000
第3章 エネルギー需要実態調査
図3-10に示す施設利用件数当たりのエネルギー消費の比較より、面積のほぼ等しい
鉄南コミュニティセンターから帯広の森コミュニティセンターまでのうち、設備機器更新
が実施された施設と既存設備機器のままの施設とでは、エネルギー消費に差があることか
ら、設備機器更新が省エネルギーに対して有効であったことが推察される。
なお、大正農業者トレーニングセンターと川西農業者研修センターは、両施設共に他の
施設よりも面積が大きいが、施設利用人数・件数共に少ないため、見かけ上、施設利用件
数当たりのエネルギー消費量が多く見えるものと推察される。
鉄南コミュニティセンター
東コミュニティセンター
■
設備機器更新有り
■
設備機器更新無し
緑西コミュニティセンター
森の里コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
西帯広コミュニティセンター
南コミュニティセンター
帯広の森コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
川西農業者研修センター
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
(MJ/件)
エネルギー消費量/施設利用件数
図3-10
施設利用件数当たりのエネルギー消費
3-13
第3章 エネルギー需要実態調査
2)エネルギー消費の分析と評価方法
■エネルギー消費量算出係数
施設毎に消費されているエネルギーには色々あり、単純にその多寡で判断することはで
きない。そこで、一次エネルギー消費量と二酸化炭素排出量という共通の単位を用いて比
較する必要がある。
調査対象施設から受領した平成 15 年~平成 17 年の 3 ヶ年平均によるエネルギー消費量
の調査結果を基に、表3-4に示す一次エネルギー換算係数及び二酸化炭素排出係数によ
り、21 施設のエネルギー消費実態を把握する。
表3-4
一次エネルギー換算係数と二酸化炭素排出係数
一次エネルギー換算係数
電 力
9.76
A重油
二酸化炭素排出係数
MJ/kWh
0.555
kg-CO2/kWh
39.10
MJ/ℓ
2.710
kg-CO2/ℓ
灯 油
36.70
MJ/ℓ
都市ガス( 4C)
2.490
kg-CO2/ℓ
15.00
3
MJ/m
0.950
kg-CO2/Nm3
天然ガス(13A)
46.00
MJ/m3
2.360
kg-CO2/Nm3
LPガス
50.20
MJ/kg
3.000
kg-CO2/kg
2.010
kg-CO2/m3
水(上水道)
※出展
電
力:エネルギーの使用の合理化に関する法律
A重油:環境省地球環境局「地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン」
灯
油:環境省地球環境局「地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン」
都市ガス(4C)・天然ガス(13A):帯広ガス株式会社
LPガス:(財)省エネルギーセンター、平成 18 年版
ビルの省エネガイドブック
水:国土交通省大臣官房官庁営繕部設備課監修「グリーン診断・改修計画指針及び同解説」
3-14
第3章 エネルギー需要実態調査
■エネルギー消費の比較
対象施設のエネルギー消費量の大小を判断するには、同一用途建物の平均的なエネル
ギー消費量と比較することで、おおよその目安が得られる。
そこで、建物用途毎の比較対象とする平均的なエネルギー消費量として、(財)省エネ
ルギーセンターから公表されている建物用途別のエネルギー消費原単位を用いる。(基準
原単位)
但し、この数値は、全国を対象としたものであり、北海道の地理的要因を考慮した場合、
多少の増減はあるものと考えられるが、あくまで目安として採用する。
なお、帯広の森の体育施設及び帯広百年記念館(文化施設)については、平成 15 年度
に実施された「札幌市 ESCO 事業導入可能性調査」の値を参考とした。また、帯広川下
水終末処理場・稲田浄水場については、北海道の水道施設及び下水道施設の統計より求め
られている、処理水量当たりの電力消費量を基準原単位と考え比較を行う。
基準原単位を表3-5、処理水量当たりの電力消費量を表3-6に示す。
表3-5
基準原単位
施設用途別原単位
庁
舎
1,489
MJ/㎡・年
集 会 施 設
2,080
MJ/㎡・年
事
務
所
2,303
MJ/㎡・年
ホ
テ
ル
集
会
3,167
MJ/㎡・年
所
※1
1,532
MJ/㎡・年
体 育 施 設
※2
2,529
MJ/㎡・年
文 化 施 設
※2
1,211
MJ/㎡・年
※出展:(財)省エネルギーセンター、平成 18 年版
ビルの省エネガイドブック
※1 は、「建築設備チェックリスト 2003 年版」より引用
※2 は、平成 15 年度「札幌市 ESCO 事業導入可能性調査」報告書より転載
体育施設:25m プール付施設の値を引用
表3-6
文化施設:博物館・美術館等の値を引用
処理水量当たりの電力消費量
浄水場・下水処理場の処理水量当たりの電力消費量
浄
水
場
0.384
kWh/m3
下水終末処理場
0.337
kWh/m3
※統計条件
水道施設
:給水人口 50,000~100,000 人の道内水道施設
下水道施設:処理水量 5,000,000~10,0000,000 m3/年の道内下水道施設
3-15
第3章 エネルギー需要実態調査
3) エネルギー消費状況
前述の一次エネルギー換算係数を基に算出した一次エネルギー消費量を図3-11
に、図3-12・13にエネルギー別一次エネルギー消費量を、また、二酸化炭素排出
量を図3-14に、図3-15・16にエネルギー別二酸化炭素排出量を示す。
41,116,332
帯広川下水終末処理場
29,822,624
稲田浄水場
25,502,779
帯広の森市民プール
25,421,123
帯広市役所本庁舎
16,962,333
とかちプラザ
14,063,482
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
6,818,645
帯広の森スポーツセンター
6,594,685
帯広百年記念館
帯広の森研修センター
帯広の森体育館
森の里コミュニティセンター
3,189,793
2,914,284
1,478,074
大正農業者トレーニングセンター
1,272,132
西帯広コミュニティセンター
1,198,010
啓北コミュニティセンター
1,186,674
南コミュニティセンター
1,142,846
緑西コミュニティセンター
1,078,424
東コミュニティセンター
1,011,774
川西農業者研修センター
968,087
帯広の森コミュニティセンター
941,523
鉄南コミュニティセンター
867,438
0
5,000,000
10,000,000
15,000,000
20,000,000
25,000,000
30,000,000
一次エネルギー消費量(MJ/年)
図3-11
3-16
一次エネルギー消費量
35,000,000
40,000,000
45,000,000
第3章 エネルギー需要実態調査
帯広川下水終末処理場
稲田浄水場
帯広の森市民プール
帯広市役所本庁舎
電力
A重油
灯油
都市ガス
LPガス
消化ガス
とかちプラザ
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
帯広の森スポーツセンター
帯広百年記念館
帯広の森研修センター
帯広の森体育館
0
5,000,000
10,000,000
15,000,000
20,000,000
25,000,000
30,000,000
35,000,000
40,000,000
45,000,000
一次エネルギー消費量 (MJ/年)
図3-12
エネルギー別
一次エネルギー消費量
森の里コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
西帯広コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
南コミュニティセンター
電力
A重油
都市ガス
LPガス
緑西コミュニティセンター
東コミュニティセンター
川西農業者研修センター
帯広の森コミュニティセンター
鉄南コミュニティセンター
0
200,000
400,000
600,000
800,000
1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000
一次エネルギー消費量 (MJ/年)
図3-13
エネルギー別
一次エネルギー消費量
3-17
第3章 エネルギー需要実態調査
2,210,996
帯広川下水終末処理場
稲田浄水場
1,717,044
帯広の森市民プール
1,734,554
1,537,381
帯広市役所本庁舎
1,056,590
とかちプラザ
842,028
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
帯広百年記念館
413,927
帯広の森スポーツセンター
401,961
帯広の森研修センター
211,717
帯広の森体育館
185,649
森の里コミュニティセンター
97,687
大正農業者トレーニングセンター
83,268
西帯広コミュニティセンター
79,468
啓北コミュニティセンター
78,993
南コミュニティセンター
76,544
緑西コミュニティセンター
71,092
東コミュニティセンター
66,166
川西農業者研修センター
63,147
帯広の森コミュニティセンター
62,606
鉄南コミュニティセンター
56,506
0
500,000
1,000,000
1,500,000
二酸化炭素排出量(kg-CO 2 /年)
図3-14
3-18
二酸化炭素排出量
2,000,000
2,500,000
第3章 エネルギー需要実態調査
帯広川下水終末処理場
稲田浄水場
帯広の森市民プール
帯広市役所本庁舎
とかちプラザ
電力
A重油
灯油
都市ガス
LPガス
上下水道
消化ガス
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
帯広百年記念館
帯広の森スポーツセンター
帯広の森研修センター
帯広の森体育館
0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
二酸化炭素排出量 (kg-CO 2 /年)
二酸化炭素排出量(kg-CO2/年)
図3-15
エネルギー別
二酸化炭素排出量
森の里コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
西帯広コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
南コミュニティセンター
緑西コミュニティセンター
電力
A重油
都市ガス
LPガス
上下水道
東コミュニティセンター
川西農業者研修センター
帯広の森コミュニティセンター
鉄南コミュニティセンター
0
10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000
二酸化炭素排出量 (kg-CO 2 /年)
図3-16
エネルギー別
二酸化炭素排出量
3-19
第3章 エネルギー需要実態調査
■エネルギー消費の特徴
【帯広川下水終末処理場】
下水処理という用途のため、下水処理プラント装置が使用しているエネルギーがほとん
どを占め、電力によるエネルギー消費が施設全体の約 68%、下水処理過程で発生する消化
ガスによるエネルギー消費が約 30%、残りがA重油となっている。
【稲田浄水場】
揚水ポンプや送水ポンプ等の水処理プラント装置が使用しているエネルギーがほとん
どを占め、電力エネルギー消費が施設全体のエネルギー消費量の約 94%を占め、その他は、
管理棟と処理施設の暖房のためのA重油となっている。
【帯広の森市民プール】
温水プールであるため、プール加温と全館暖房を行う必要があり、A重油によるエネル
ギー消費が施設全体のエネルギー消費量の約 72%を占めている。その他は照明・空調動力
とプール水の逆洗に使用する電力となっている。
なお、A重油の消費には、帯広の森施設群での電力ピークカットのために導入されてい
る 2 台のコージェネレーションの消費量が含まれている。
【帯広市役所本庁舎】
空調動力及び照明設備による電力エネルギー消費が施設全体の約 80%を占めている。
その他は、暖房用のためのA重油がほとんどである。
【とかちプラザ】
空調動力及び照明設備による電力エネルギー消費が施設全体の約 66%を占めている。
その他は、暖房用のためのA重油となっている。
【帯広の森アイスアリーナ・帯広の森スポーツセンター】
両施設とも、館内照明と製氷による電力エネルギー消費が施設全体の約 87%となってい
る。その他は、整氷に使用する温水のための灯油となっている。
【帯広百年記念館】
展示と貸室を併せ持った施設であり、照明による電力エネルギー消費が施設全体の約
55%を占め、その他は、館内暖房のためのA重油となっている。
【帯広の森研修センター】
帯広の森スポーツ施設群利用者等のための宿泊施設であり、給湯に対する比率が高く、
A重油によるエネルギー消費が施設全体の約 58%となっている。
3-20
第3章 エネルギー需要実態調査
【帯広の森体育館】
館内照明と暖房により消費されるエネルギーは、電力とA重油であり、その比率はほ
ぼ 5:5 となっている。
【コミュニティセンター
10 施設】
全施設とも、A重油によるエネルギー消費が電力エネルギー消費を上回っており、そ
の比率はほぼ 6:4 となっている。
3-21
第3章 エネルギー需要実態調査
4) エネルギー消費の評価
各施設の単位面積当たりの一次エネルギー消費量(原単位)と基準原単位との比較に
より、エネルギー消費の評価を行った結果を図3-17・18に示す。
図3-17・18の単位面積当たりの一次エネルギー消費量のうち、基準原単位を上
回っている施設は、
『帯広百年記念館』と『帯広の森市民プール』の 2 施設で、他施設は
全て基準原単位以下との結果となっている。
特に、図3-18に示すコミュニティセンターの単位面積当たりの一次エネルギー消費
量は、基準原単位の半分程度のエネルギー消費量となっている。
コミュニティセンターのエネルギー消費形態は、利用者及び利用件数によるところが大
きく、一概に論ずることは出来ないが、何れにしても、各施設とも徹底した省エネルギー
化が図られているものと推察される。
また、図3-19に示す『帯広川下水終末処理場』と『稲田浄水場』の処理水量当たり
の電力消費量も、統計による標準値と比較して、同等又は低い結果となっており、十分な
運用がなされているものと推察される。
一般に、一次エネルギー消費量(原単位)が基準原単位を上回る場合は、エネルギー削
減の可能性が高いと考えることができるが、施設用途や特殊性によりエネルギー消費を削
減できない場合もあり、一概には論ずることができない。
今回の調査対象施設において、エネルギー削減の可能性が高いと想定される帯広百年記
念館は、博物館施設であるとともに貸室も行っている施設で、稼働時間も 13 時間/日と
長く、それらによるエネルギー消費が加わり、基準原単位を上回ったものと推定される。
また、帯広の森市民プールについては、帯広の森スポーツ施設群全体の電力ピークカッ
トとしてのコージェネレーション運転によるエネルギー消費が、基準原単位を上回った要
因の一つと推察される。
なお、帯広の森市民プールの基準原単位は 25mプール付施設の値を引用していることか
ら、50mプールを擁している帯広の森市民プールに対して、多少低めの基準原単位となっ
ていることが考えられる。
3-22
第3章 エネルギー需要実態調査
6,000
基準原単位
ー
一
次 5,000
エ
ネ
ル
ギ
4,000
消
量
費
4,256
(
ホテル
3,167
原 3,000
単
位
体育施設
2,529
)(
集会施設
2,080
M 2,000
J
/
㎡
・
年 1,000
庁舎
1,489
文化施設
1,211
1,534
2,058
1,584
1,576
1,236
)
1,018
860
図3-17
帯広の森研修センター
帯広の森スポーツセンター
帯広の森体育館
帯広の森市民プール
帯広の森アイスアリーナ(第2含む)
帯広百年記念館
帯広市役所本庁舎
とかちプラザ
0
単位面積当たりの一次エネルギー消費量
2,500
一
次
エ
ネ 2,000
ル
ギ
ー
基準原単位(集会所:1,532)
(
消 1,500
費
量
989
999
911
785
772
645
545
図3-18
川西農業者研修センター
大正農業者トレーニングセンター
帯広の森コミュニティセンター
南コミュニティセンター
西帯広コミュニティセンター
啓北コミュニティセンター
森の里コミュニティセンター
0
緑西コミュニティセンター
500
東コミュニティセンター
)
M
J
/
㎡
・
年
798
鉄南コミュニティセンター
)(
原 1,000
単
位
1,160
916
単位面積当たりの一次エネルギー消費量
3-23
第3章 エネルギー需要実態調査
0.50
電力消費量(
0.45
0.40
処理水量当たりの電力消費量標準値
0.384 kWh/m
3
0.337 kWh/m 3
0.35
0.355
0.30
0.25
m3
0.20
/
kWh
0.287
)
0.15
0.10
0.05
0.00
稲田浄水場
図3-19
3-24
帯広川下水終末処理場
処理水量当たりの電力消費量
第3章 エネルギー需要実態調査
5)ESCO 事業としての評価
図3-20・図3-21に延床面積とエネルギー消費量(原単位)との関係を示す。
一般的に、ESCO 事業に適すると言われる施設は、エネルギー多消費型で、規模の大き
な施設であると言われている。
印A部分にある施設が最も ESCO 事業に適している
図3-20について言えば、
と考えられるが、今回の対象施設のうちエネルギー多消費型の施設は、用途上特性のある
施設であり、規模の大きな施設は省エネルギー化が図られている結果となった。
9,000
稲田浄水場
8,000
帯広川下水終末処理場
ー
一
次
エ
ネ
ル
ギ
A範囲
6,000
5,000
帯広の森市民プール
4,000
(
消
費
量
7,000
3,000
帯広の森アイスアリーナ
(第2含む)
帯広の森研修センター
2,000
帯広の森スポーツセンター
とかちプラザ
1,000
帯広市役所本庁舎
帯広百年記念館
)
M
J
/
㎡
・
年
帯広の森体育館
0
0
5,000
10,000
コミュニティセンター群
図3-20
15,000
20,000
25,000
30,000
延床面積(㎡)
各施設のエネルギー消費量(原単位)と延床面積
3-25
第3章 エネルギー需要実態調査
1,400
森の里コミュニティセンター
1,200
西帯広コミュニティセンター
1,000
啓北コミュニティセンター
ー
一
次
エ
ネ
ル
ギ
(
消
費
量
)
M
J
/
㎡
・
年
南コミュニティセンター
緑西コミュニティセンター
800
東コミュニティセンター
大正農業者トレーニングセンター
鉄南コミュニティセンター
600
帯広の森コミュニティセンター
川西農業者研修センター
400
200
0
0
500
1,000
1,500
2,000
延床面積(㎡)
図3-21
3-26
コミュニティセンターのエネルギー消費量(原単位)と延床面積
2,500
第4章 エネルギー削減の可能性
第4章 エネルギー削減の可能性
第1節
削減項目の検討
(1)省エネルギー化の視点
省エネルギー化を行うにあたっての採用可能な省エネルギー手法の選定は、大きく分け
て以下に示す 2 つの視点から行う。
■運用改善による方法
設定温度の変更や機器運転時間変更などにより、既存の設備機器をそのまま使用し、新
たな設備投資をせずに省エネルギー化が図れる方法である。
しかし、この運用改善は施設利用者への配慮が必要であり、現在のサービスレベルを維
持した上での省エネルギー化であることが前提条件となる。
一般的に行われているのは、照明の間引きや冷暖房温度変更・運転時間制御等であるが、
施設利用者から苦情等がないように、施設用途に適合した手法を選定する必要がある。
■設備投資による方法
運用改善によらない省エネルギー手法は、工事を伴うことになり、費用対効果が重要と
なってくる。
小規模な投資の場合は、既存の設備機器に省エネルギー化のための機器や器具を付加す
る手法が多く、投資回収期間が比較的短くなるメリットがあるが、それによる省エネル
ギー効果も少ない場合が多い。また、付加される設備機器自体が老朽化している場合には、
省エネルギー効果が出にくいという問題点がある。
それと比較して、大規模な投資の場合は、設備全体の取り替えとなる場合が多く、投資
回収期間が長くなる場合が多い。また、改修工事も規模が大きくなり、省エネルギーを目
的とした改修にかかる費用とともに、設備維持に係る費用も多くなる傾向にある。
前述の考え方に基づき、各施設の省エネルギー化についての検討を第3章にて抽出した
21 施設に対して実施するが、コミュニティセンター施設(10 施設)については、下記に
示す理由により本検討対象施設から除外するものとし、11 施設に対してエネルギー削減の
可能性を検討する。
①施設利用者の変動がエネルギー消費の最大要因であり、エネルギー消費のベースが捉
えにくい。
②ボイラ設備が既に更新済みであり、機器更新による削減余地が少ない。(10 施設中 6
施設)
③照明の点灯管理が徹底されており、電力削減の余地が少ない。
4-1
第4章 エネルギー削減の可能性
(2)省エネルギー手法の選定
1)省エネルギー手法の抽出
前述した 2 つの視点を基に、11 施設に対して図面および書類調査の結果より、一般的に
採用されている設備改修による省エネルギー手法について、表4-1、4-2、4-3に
示す『省エネルギー検討項目チェックリスト』の中から、施設毎に導入可能な項目の抽出
を行った結果を示す。
表4-1
省エネルギー検討項目チェックリスト (○ : 今回の検討対象項目)
研修
体育館
スポー
ツ
プール
設
第2ア
第1ア
記念館
とかち
市庁舎
施
備
考
分
野
省エネルギー項目
築
ガラス断熱フィルム
エレベータの可変電圧可変周波数制御
仕様上効果が低い
建
冷温水温度の設定変更
部分負荷時の台数制御
起動、停止時刻の最適化
運転時間の短縮
休日運転の停止
空調機の間欠運転
FCU のファン停止制御
熱源機器の台数・容量最適化
高効率機種の導入(エコキュート)
高効率機種の導入(EHP 等)
機器、バルブ類の断熱強化
フリークーリング
蓄熱システムの導入
地中熱ヒートポンプの採用
排ガス、給湯排水からの排熱回収
ボイラ燃焼空気、燃料、補給水の予熱
ボイラ空気比の最適調整
外気冷房
冷却水ポンプのINV化
熱源水ポンプの回転数制御
温水ポンプの台数制御
高効率機種の導入(冷凍機)
高効率機種の導入(ボイラ)
冷温水ポンプのINV化
最小外気導入量の最適化(CO2 制御)
予熱、予冷時の外気カット
ファンの回転数制御
省エネルギーV ベルトの採用
倉庫等の必要換気量の見直し
気流改善による負荷低減
窓換気による冷房負荷の低減
現状問題なし
空調熱源
空調搬送
換
4-2
気
(採否のコメント)
同上
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
現状の仕様で十分
費用対効果が低い
○
費用対効果が低い
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
容量的に大きなものなし
効果が低い
○
第4章 エネルギー削減の可能性
水
現状問題なし
○
○
そ の 他
コ ス ト
ダ ウ ン
自動販売機の省電力
ロードヒーティングの制御方法
逆洗排水の廃熱利用
濾過システムの更新
濾過ポンプのINV化
機械室給排気ファンのINV化
○
○
帯広の森スポーツ施設群
として検討
○
○
帯広の森スポーツ施設群
として検討
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
インバーター化(電子安定器) ○ ○ ○ ○
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新 ○ ○ ○ ○
○
高輝度誘導灯への更新
白熱灯から蛍光ランプへの更新
人感センサーによる自動点滅制御
タイマーによる自動点滅制御
誘導等の消灯制御
無水トイレへの更新
女子トイレ用擬音装置の導入
節水コマ、節水シャワーの採用
手洗器の自動水栓化
雨水、ドレン排水の中水利用
濾過循環量・逆洗水量削減
節水型 FV の採用
研修
費用対効果が低い
ディマンドコントロールの導入
節
考
○
コージェネの廃止
変圧器の開放
明
備
(採否のコメント)
○
コージェネの導入
照
体育館
スポー
ツ
プール
設
第2ア
○
第1ア
軽負荷変圧器の統合
力率改善コンデンサの設置
低損失型変圧器への更新
変圧器の三相バランスの適正化
記念館
受 変 電
省エネルギー項目
とかち
野
市庁舎
分
施
○
○
○
費用対効果が低い
費用対効果が低い
費用対効果が低い
容量小で効果が少ない
費用対効果が低い
○
○
○
○
○
○
費用対効果が低い
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
今回対象なし
○
○
○
容量小で効果が少ない
FFヒーター・電気温水器導入
(ボイラー運転停止)
機能上不適
FFヒーター導入
(集中熱供給取りやめ)
機能上不適
汚水ポンプの水位制御
容量小で効果が少ない
電気契約の見直し
電気契約の見直し
ガス契約の見直し
ロードヒーティングの契約変更
冷却水の下水道料金の減免
○
○
○
○
○
○
帯広の森スポーツ施設群
として検討
○
天然ガス切替時に検討
今回対象なし
容量小で効果が少ない
4-3
第4章 エネルギー削減の可能性
■稲田浄水場・帯広川下水終末処理場
稲田浄水場と帯広川下水終末処理場は、何れもプラント施設であり、本調査対象施設の
中でも特異な施設である。
両施設とも、その果たすべき機能から制約条件が多く、処理水の排出基準や上水道の水
質が法律で定められており、いかなる条件下においてもこの法律上の基準を遵守すること
が求められている。
そのため、変動する流入条件下においても、施設の運転・維持管理を的確に行う必要か
ら、主要設備能力はある程度の余裕度・安全度が見込まれることが多い。
したがって、この設備余裕度の部分に省エネルギー手法を導入することにより、ある程
度の省エネルギー化は可能であると考えられるが、この余裕度に関する部分に関しては、
施設の運転・維持管理に支障をきたすことも想定されることから、本調査では、主要処理
設備に関する省エネルギー手法の検討は行わず、2 次的設備と未利用エネルギーについて
の検討を行う。
表4-2
分
稲田浄水場
野
省エネルギー検討項目チェックリスト(○ : 今回の検討対象項目)
省エネルギー項目
運転制御の効率化(導水ポンプ制御)
検
採
討
否
備
考
(採否のコメント)
○
ポンプ設備 インペラー改造による効率化
適正なポンプが設置済み
高効率モータ、高効率ポンプの採用
○
汚泥掻寄機の運転の効率化
○
沈殿池設備 汚泥排出装置の運転の効率化
対象設備無し
逆洗の効率化
適正運転がされている
ろ過池設備
ポンプ運転制御の効率化
○
送水・配水 インペラー改造による効率化
高効率モータ、高効率ポンプの採用
施
適正なポンプが設置済み
○
設 水圧管理
水量、水圧を適正に管理した効率的な原水、浄水の運用
現状対応済み
○
水 運 用
システム
エネルギー管理システム導入
導入済み
監 視 制 御 省エネルギー型の監視制御設備の導入
システム
変圧器の機種変更
受
変
4-4
○
対応済み
変圧器の台数制御
電 変圧器容量の適正化
配電設備
その他
導入済み
対応済み
高効率無停電電源装置の導入
小型設備導入済み
力率改善コンデンサの設置
対応済み
永久磁石モータへの更新
○
ポンプ、ファンのインバーター制御
○
暖房換気システムの変更
○
第4章 エネルギー削減の可能性
表4-3
帯広川下水終末処理場
省エネルギー検討項目チェックリスト
(○ : 今回の検討対象項目)
分
野
省エネルギー項目
検
採
討
否
スクリーン設備間欠運転
流入量比例制御による送風量適正化
DO制御による送風量適正化
反応タンク 反応タンク散気装置の改善
備 ターボブロワの台数制御、インレットベーン制御
設
消泡水量の適正化・間欠散水
考
対応済み
沈砂地設備 揚砂設備間欠運転、池順次・交互運転
主ポンプ設備 主ポンプの台数制御
主ポンプの回転数制御
汚水ポンプの高水位運転
備
(採否のコメント)
対応済み
適正な制御を実施済み
適正な制御を実施済み
○
対応済み
運転管理にて対応
○
対応済み
対応済み
掻き寄せ機間欠運転
最初・最終 返送汚泥ポンプの台数制御、回転数制御
対応済み
沈殿池設備 余剰汚泥ポンプ間欠運転
スカム除去設備スカム捕捉効率の向上
濃縮性能の向上
汚 泥 濃 縮 固形物回収率の向上
設
備 機械濃縮動力の低減
導入予定あり
消化タンク投入汚泥濃度管理
消化タンク温度管理
消化タンク保温の強化
汚 泥 消 化 蒸気配管加温設備の断熱強化
タンク設備 加温ボイラ自動制御
蒸気有効利用
対応済み
供給汚泥濃度管理
汚 泥 脱 水 脱水汚泥の低含水率化
設
備 搬送設備も含めた脱水機系列の制御
検討済み
機械脱水動力の低減
変圧器の機種変更
変圧器の台数制御
受 変 電 変圧器容量の適正化
配 電 設 備 高効率無停電電源装置の導入
大容量電力蓄電設備の導入
力率改善コンデンサの設置
費用対効果が低い
対応済み
対応済み
設備導入済み
○
対応済み
4-5
第4章 エネルギー削減の可能性
分
野
下 水 熱
有効利用
省エネルギー項目
4-6
討
否
下水熱利用ヒートポンプの設置
○
消化ガス発電システム
○
消化ガス
他事業場へのガス供給
有効利用
水 圧 の
有効利用
検
採
小水力発電設備の導入
備
適用施設なし
○
考
(採否のコメント)
第4章 エネルギー削減の可能性
2)省エネルギー手法の評価
前述の『省エネルギー検討項目チェックリスト』の中から抽出した、各施設に合致する
省エネルギー項目について、省エネルギー診断を実施し、導入可能な省エネルギー手法の
採否検討を行った結果を以下に示す。
帯広市役所本庁舎
施 設 名
建物用途
事
務
省エネルギー項目
所
採否
説
明
1
空調熱源機器の部分負荷時の台数制御
×
費用対効果が低い
2
空調熱源機器の起動、停止の最適化
×
現状管理徹底
3
空調熱源機器の運転時間の短縮
×
現状管理徹底
4
空調熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
5
空調機の間欠運転
×
現状管理徹底
6
熱源機器の台数・容量最適化
×
現状問題なし
7
高効率機種の導入(EHP 等)
×
更新時期に合わせ検討
8
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
9
外気冷房
×
導入済み
10
冷却水ポンプのINV化
×
熱源機器最低流量問題あり
11
熱源ポンプの回転数制御
○
12
温水ポンプの台数制御
○
13
高効率機種の導入(冷凍機)
×
更新時期に合わせ検討
省エネルギー
14
高効率機種の導入(ボイラ)
×
更新時期に合わせ検討
手
15
最小外気導入量の最適化(CO2 制御)
○
16
予熱、予冷時の外気カット
×
17
ファンの回転数制御
○
18
省エネルギーV ベルトの採用
○
19
窓換気による冷房負荷の低減
○
20
軽負荷変圧器の統合
×
21
照明器具のインバーター化
○
22
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
23
女子トイレ用擬音装置の導入
○
24
節水コマの採用
×
導入済み
25
手洗器の自動水栓化
×
数量少なく費用対効果が低い
26
節水型 FV の採用
×
導入済み
27
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
法
導入済み
費用対効果が低い
費用対効果が低い
4-7
第4章 エネルギー削減の可能性
とかちプラザ
施 設 名
建物用途
集
省エネルギー項目
省エネルギー
手
4-8
法
会
所
採否
説
明
1
空調熱源機器の起動、停止の最適化
×
現状管理徹底
2
空調熱源機器の運転時間の短縮
×
現状管理徹底
3
空調熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
4
空調機の間欠運転
×
現状管理徹底
5
FCU のファン停止制御
×
現状管理徹底
6
熱源機器の台数・容量最適化
×
現状問題なし
7
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
8
外気冷房
×
導入済み
9
冷却水ポンプのINV化
×
熱源機器最低流量問題あり
10
高効率機種の導入(冷凍機)
×
更新時期に合わせ検討
11
高効率機種の導入(ボイラ)
×
更新時期に合わせ検討
12
冷温水ポンプのINV化
○
13
最小外気導入量の最適化(CO2 制御)
○
14
予熱、予冷時の外気カット
×
15
ファンの回転数制御
○
16
省エネルギーV ベルトの採用
○
17
軽負荷変圧器の統合
×
18
力率改善コンデンサの設置
○
19
照明器具のインバーター化
○
20
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
費用対効果が低い
21
女子トイレ用擬音装置の導入
×
数量少なく費用対効果が低い
22
節水コマの採用
×
他の方法で実施済
23
手洗器の自動水栓化
×
導入済み
24
節水型 FV の採用
×
導入済み
25
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
導入済み
費用対効果が低い
第4章 エネルギー削減の可能性
施 設 名
稲田浄水場
建物用途
浄
水
省エネルギー項目
場
採否
説
明
1
運転制御の効率化(導水ポンプ制御)
○
2
高効率モータ、ポンプの採用(導水・配水)
×
費用対効果が低い
3
汚泥掻寄機の運転の効率化
×
導入済み
4
ポンプ運転制御の効率化(配水ポンプ)
×
費用対効果が低い
5
水量、水圧の適正管理
×
現状管理徹底
6
変圧器の機種変更
○
省エネルギー
7
永久磁石モータへの更新
×
費用対効果が低い
手
8
ポンプ、ファンのインバーター制御
×
費用対効果が低い
9
暖房換気システムの変更
○
法
施 設 名
帯広川下水終末処理場
建物用途
下水処理場
省エネルギー項目
採否
説
明
1
主ポンプの高水位運転
○
2
散気装置酸素移動効率の向上
○
3
大容量電力蓄電設備の導入
×
4
下水熱の空調熱源への利用
○
5
消化ガス発電システムの導入
×
費用対効果が低い
6
小水力発電設備の導入
×
費用対効果が低い
費用対効果が低い
省エネルギー
手
法
4-9
第4章 エネルギー削減の可能性
施 設 名
帯広百年記念館
建物用途
文化施設
省エネルギー項目
採否
説
明
1
空調熱源機器の部分負荷時の台数制御
×
費用対効果が低い
2
空調熱源機器の起動、停止の最適化
×
現状管理徹底
3
空調熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
4
空調機の間欠運転
×
現状管理徹底
5
高効率機種の導入(EHP 等)
×
更新時期に合わせ検討
6
蓄熱システムの導入
×
更新時期に合わせ検討
省エネルギー
7
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
手
8
外気冷房
×
導入済み
9
照明器具のインバーター化
○
10
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
費用対効果が低い
11
高輝度誘導灯への更新
×
容量少なく費用対効果が低い
12
節水型 FV の採用
×
導入済み
13
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
14
電気契約の見直し
×
更新時期に合わせ検討
法
施 設 名
帯広の森アリーナ(第2を含む)
建物用途
体育施設
省エネルギー項目
採否
説
明
1
熱源機器の台数・容量最適化
×
2
冷却水ポンプのINV化
○
3
高効率機種の導入(冷凍機)
×
更新時期に合わせ検討
4
コージェネの導入
×
費用対効果が低い
5
ディマンドコントロールの導入
×
費用対効果が低い
6
照明器具のインバーター化
○
省エネルギー
7
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
費用対効果が低い
手
8
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
9
電気契約の見直し
×
費用対効果が低い
4-10
法
現状問題なし
第4章 エネルギー削減の可能性
施 設 名
帯広の森市民プール
建物用途
体育施設
省エネルギー項目
省エネルギー
手
法
採否
説
明
1
空調熱源機器の部分負荷時の台数制御
×
導入済み
2
空調熱源機器の起動、停止の最適化
×
現状管理徹底
3
空調熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
4
空調機の間欠運転
×
現状管理徹底
5
熱源機器の台数・容量最適化
×
現状問題なし
6
高効率機種の導入(エコキュート)
×
費用対効果が低い
7
排ガス、給湯排水からの排熱回収
×
導入済み(利用度低い)
8
ボイラ燃焼空気、燃料、補給水の予熱
×
費用対効果が低いい
9
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
10
高効率機種の導入(ボイラ)
×
更新時期に合わせ検討
11
外気導入量調整による加熱負荷低減
○
12
予熱、予冷時の外気カット
×
導入済み
13
省エネルギーV ベルトの採用
×
数量少なく費用対効果が低い
14
コージェネの導入
×
費用対効果が低い
15
コージェネの廃止
×
費用対効果が低い
16
ディマンドコントロールの導入
×
費用対効果が低い
17
照明器具のインバーター化
○
19
濾過循環量・逆洗水量削減
×
水質管理上の問題あり
18
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
費用対効果が低い
20
節水型 FV の採用
×
導入済み
21
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
22
逆洗排水の廃熱利用
×
費用対効果が低い
23
濾過システムの更新
×
現状システムが最適
24
濾過ポンプのINV化
×
導入済み
25
電気契約の見直し
×
費用対効果が低い
4-11
第4章 エネルギー削減の可能性
施 設 名
帯広の森体育館
建物用途
体育施設
省エネルギー項目
採否
説
明
1
熱源機器の起動、停止の最適化
×
現状管理徹底
2
熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
3
熱源機器の台数・容量最適化
×
現状問題なし
4
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
5
高効率機種の導入(ボイラ)
×
更新時期に合わせ検討
6
コージェネの導入
×
費用対効果が低い
省エネルギー
7
ディマンドコントロールの導入
×
費用対効果が低い
手
8
照明器具のインバーター化
○
9
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
費用対効果が低い
10
節水型 FV の採用
×
導入済み
11
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
12
電気契約の見直し
×
費用対効果が低い
法
施 設 名
帯広の森スポーツセンター
建物用途
体育施設
省エネルギー項目
採否
説
明
1
熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
2
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
3
冷却水ポンプのINV化
×
熱源機器最低流量問題あり
4
高効率機種の導入(冷凍機)
×
更新時期に合わせ検討
5
高効率機種の導入(ボイラ)
×
更新時期に合わせ検討
6
コージェネの導入
×
費用対効果が低い
省エネルギー
7
変圧器の開放
○
手
8
ディマンドコントロールの導入
×
費用対効果が低い
9
節水型 FV の採用
×
導入済み
10
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
11
電気契約の見直し
×
費用対効果が低い
法
12
13
4-12
第4章 エネルギー削減の可能性
施 設 名
帯広の森研修センター
建物用途
宿泊施設
省エネルギー項目
採否
説
明
1
熱源機器の起動、停止の最適化
×
現状管理徹底
2
熱源機器の休日運転の停止
×
現状管理徹底
3
熱源機器の台数・容量最適化
×
現状問題なし
4
ボイラ空気比の最適調整
×
費用対効果が低い
5
高効率機種の導入(ボイラ)
×
更新時期に合わせ検討
6
コージェネの導入
×
費用対効果が低い
省エネルギー
7
ディマンドコントロールの導入
×
費用対効果が低い
手
8
照明のインバーター化
○
9
高効率照明器具(Hf 蛍光灯)への更新
×
費用対効果が低い
10
高輝度誘導灯への更新
×
容量少なく費用対効果が低い
11
節水型 FV の採用
×
導入済み
12
自動販売機の省電力
×
容量少なく費用対効果が低い
13
電気契約の見直し
×
費用対効果が低い
法
4-13
第4章 エネルギー削減の可能性
3)省エネルギー手法の概要
調査対象施設に導入可能な省エネルギー手法についてその概略を示す。
①CO2制御による外気負荷の低減
室内の作業環境を良好に保つために、常に室内空気を外気と換気し、室内の空気の CO2
を少なくするように空調を行っている。この外気取入量は、在室人数あるいは作業の強さ
により変化し、それにより室内の CO2濃度は変化する。この変化を CO2濃度計で計測し、
必要最小限の外気取入量とすることにより、空調期間中の空調負荷を軽減させ、間接的に
空調機器の冷温水を作るためのエネルギーの削減が可能となる。
②トイレの節水対策
トイレの洗浄水は、通常 15 リットル/回程度であるが、水圧、使用頻度によっては、
過剰な洗浄水を供給している場合もある。トイレの洗浄水の水量を適正な水量に調整する
ことにより、過剰な水量を削減する。また、洗浄水の擬音装置による無用な洗浄水の使用
をさけることによる節水対策を行うこともできる。
③照明の INV 化
蛍光灯を対象とした供給電力の周波数を制御する手法で、照明器具個々にインバーター
を取付ける。供給電力の周波数を高くすることで、蛍光灯の照度を高め、供給電力を削減
することができる。一般的に 30%以上の電力量の削減が可能である。
④各種ポンプ・ファンの INV 化と運転台数制御
一般的に、設備機器の設計時には、安全率を見て機器性能に余裕を持たせることが多い。
そのため、ポンプやファンを効率良く使用していない場合がある。そこで、ポンプ駆動用
モータやファン駆動用モータのインバーター制御や台数制御により、効率よく運転すると
ともに、適切な水量や送風量を循環させることにより、余剰な動力負荷を軽減する。
⑤窓開閉による冷房負荷の低減(外気冷房的な考え)
夏季に、外気温度が空調されている室内温度よりも低い時は、外気を室内に取り込むこ
とにより冷房と同じ効果が得られ、その期間の空調機器の消費電力量削減を図ることが出
来る。今回は、設備システム上での対応ではなく、窓の開閉による外気導入によりエネル
ギー削減の可能性を検討する。
4-14
第4章 エネルギー削減の可能性
第2節
エネルギー削減可能性量
導入可能な省エネルギー手法を基に、各施設のエネルギー削減量・二酸化炭素削減量お
よび光熱水費の削減可能性量・削減率と省エネルギー手法導入に係る改修工事費を算出し
た結果を表4-4に示す。
表4-4
No
1
施設名
帯広市役所
本庁舎
エネルギー削減可能性量一覧
エネルギー エネルギー エネルギー
ベース量
削減量
削減率※1
(MJ/年) (MJ/年)
(%)
CO2
ベース量
CO2
削減量
(Kg-CO2/年)
(Kg-CO2/年)
CO2
年間削減額 改修工事費
単純回
※2
(千円/年)
(千円)
削減率
収年数
(税抜き)
(税抜き)
(%)
25,421,123
3,914,882
15.40
1,537,381
231,352
15.05
5,560
74,973
13.5
2 ザ
とかちプラ
16,962,333
5,621,958
33.14
1,056,590
350,346
33.15
7,638
45,875
6.0
3 稲田浄水場
29,822,624
3,803,172
12.75
1,717,044
217,492
12.67
5,081
58,232
11.5
4 終末処理場
41,116,332
5,681,576
13.82
2,210,996
326,696
14.78
13,762
254,011
18.5
帯広百年記
6,594,685
60,444
0.92
413,927
3,437
0.83
143
1,417
9.9
14,063,482
246,255
1.75
842,028
14,003
1.66
309
4,557
14.7
25,502,779
771,048
3.02
1,734,554
53,091
3.06
1,386
2,262
1.6
2,914,284
13,918
0.48
185,649
791
0.43
27
201
7.4
6,818,645
33,731
0.49
401,961
1,918
0.48
69
0
0.0
3,189,793
22,204
0.70
211,717
1,263
0.60
45
227
5.0
11.70 10,311,847
1,200,390
11.64
34,020
帯広川下水
5 念館
帯広の森アイス
6 アリーナ(1・2)
帯広の森市
7 民プール
帯広の森体
8 育館
帯広の森ス
9 ポーツセンター
帯広の森研
10 修センター
合 計
172,406,080 20,169,186
(※各数値については、「資料7
省エネルギー導入候補項目及びエネルギー削減量の基礎数値」
441,755
12.99
参照)
表4-4に示す省エネルギー診断結果のエネルギー削減率を見ると、『とかちプラザ』
が 33.14%と大きく、次いで『帯広市役所本庁舎』が 15.40%、
『帯広川下水終末処理場』
が 13.82%、
『稲田浄水場』が 12.75%と、各施設共に 10%以上の結果となっている。
しかし、それ以外の施設では、
『帯広の森市民プール』の 3.02%、
『帯広の森アイスアリー
ナ』の 1.75%以外は、全て 1%以下との結果となっている。
また、光熱水費削減に大きく影響を及ぼすエネルギー削減量で見ると、『帯広川下水終
末処理場』が 5,681GJ/年と最も多く、次いで『とかちプラザ』が 5,621 GJ/年、『帯広
市役所本庁舎』が 3,914 GJ/年、『稲田浄水場』3,803 GJ/年との結果となっている。
この結果より判断する限り、省エネルギー量の多い『帯広市役所本庁舎』
・
『とかちプラ
ザ』
・『稲田浄水場』
・『帯広川下水終末処理場』が ESCO 事業に適していると推定される
が、この省エネルギー診断の結果は、各施設に導入可能と判断された全ての省エネルギー
手法の合計値を表したもので、省エネルギー手法の中には、単純回収年で 10 年を越えて
いる手法もあり、収支上において ESCO 事業には不向きの手法も含まれているものと考
えられる。
そこで、次ページ以降において、施設毎の省エネルギー手法導入による削減率と削減額
についての考察を行う。
※1 エネルギー削減率(%)
:エネルギー削減量(MJ/年)/エネルギーベース量(MJ/年)
※2 CO2削減率(%):CO2削減量(Kg-CO2/年)/CO2ベース量(Kg-CO2/年)
4-15
第4章 エネルギー削減の可能性
(1)施設別削減可能性量の評価
■帯広市役所本庁舎
帯広市役所本庁舎で導入可能と判断された省エネルギー手法を基に検討を行った結果
を下表に示す。
【改修工事費と削減額】のグラフより、省エネルギー手法のNo5(熱源ポンプの回転
数制御)までは、改修工事費に対する削減額がほぼ比例関係にあり、費用対効果が高く、
ESCO 事業に適した改修手法であると推定される。
No6 の手法は、エネルギー削減率・二酸化炭素削減率ともに高いが、削減額の割には
改修工事費が高く、単純回収年数で 20 年を越える結果となった。また、No7・8 は、単
純回収年数は短いものの、削減額・削減率が低く、省エネルギー効果をそれほど見込む事
が出来ない。したがって、帯広市役所本庁舎における ESCO 事業としての有効な省エネ
ルギー改修手法は、下表に示す省エネルギー手法のNo1~No5 までが適していると考え
られる。
また、A重油を天然ガス(13A)に置換した場合の二酸化炭素排出削減においては、A
重油と比べ 76.1 t-CO2/年の削減が可能となり、環境に配慮した省エネルギー手法として
有効であるが、置換に伴う設備工事費が多大になり費用対効果が低く、ESCO 事業として
は成立が難しいものと推定される。
累計エネルギー削減率
10.51%
累計 CO2削減率
10.27%
累計削減額
No
省エネルギー手法
1
女子トイレの擬音節水装置の
導入
2
最小外気導入量の最適化
インバーター(CO2制御)
3
照明のインバーター化(電子
安定器)
4
省エネファンベルトの採用
5
熱源水ポンプに回転数制御の
導入
6
4,002 千円/年
累計改修工事費
37,071 千円
累計単純回収年
9.3 年
CO2
エネルギー エネルギー
CO2
削減率
削減量
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(%)
(MJ/年)
(%)
ベース量
ベース量
1,537,381kg-CO2/年
25,421,123(MJ/年)
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工
事費
(千円)
単純
回収
年数
0
0.00
905
0.06
291
370
291
370 1.3
1,212,828
4.77
74,125
4.82
1,652
11,109
1,943
11,479 5.9
498,063
1.96
28,322
1.84
965
10,710
2,908
22,189 7.6
22,428
0.09
1,275
0.08
26
350
2,934
22,539 7.7
936,960
3.69
53,280
3.47
1,068
14,532
4,002
37,071 9.3
窓換気による冷房負荷の低減
1,134,385
4.46
4,629
4.34
1,408
32,000
5,410
69,071 12.8
7
厨房送排風機に回転数制御の
導入
73,364
0.29
66,721
0.30
108
3,402
5,518
72,473 13.1
8
温水ポンプの制御(負荷によ
る台数制御)
36,854
0.14
2,096
0.14
42
2,500
5,560
74,973 13.5
合計
3,914,882
15.40
231,352
15.05
5,560
74,973
5,560
74,973 13.5
No1~No5までの累計
2,670,279
10.51
157,907
10.27
4,002
37,071
4,002
37,071 9.3
2,680,266
10.50
234,042
15.22
27,000
4,002
64,071 16.0
燃料置換(重油→天然ガス)した場合
No1~No5までの累計
燃料置換により、更なる二酸化炭素排出量削減が可能
※天然ガス置換による改修工事費はボイラ改修費と敷地内配管工事費の概算集計を示す。
4-16
有効と考えられる省エネルギー手法
手法No5 までの
第4章 エネルギー削減の可能性
6,000
【改修工事費と削減額】
8
6 7
No5 までの省エネルギー手法に
5,000
削減額(千円)
係る改修工事費は約 3,700 万円で、
5
4,000
削減額は約 400 万円/年となってい
4
る。
3,000
3
2,000
それに対し、No6 までの省エネル
2
ギー手法に係る改修工事は約 6,900
万円と約 1.9 倍となるのに対し、削
1,000
1
減額は約 540 万円/年と約 1.4 倍の
0
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
改修工事費(千円)
増加であり、No6 の手法は、No5
までの手法と比較し、費用対効果が
【改修工事費と削減額】
低いと推定される。
18.00
16.00
7
6
8
エネルギー削減率(%)
14.00
12.00
5
10.00
8.00
4
6.00
【改修工事費と削減率】
3
省エネルギー手法No5 までの削
2
4.00
減率と、No6 を追加した場合の削減
2.00
率の増加比率は約 1.4 倍となってお
1
0.00
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
改修工事費(千円)
り、
【改修工事費と削減額】の関係と
類似している。
【改修工事費とエネルギー削減率】
したがって、削減額と同じく、エ
ネルギー及び二酸化炭素削減率にお
16.00
と推定される。
6
8
7
14.00
れる。
12.00
CO 2削減率(%)
いても、費用対効果が低いと推定さ
ただし、環境面への配慮という観
5
10.00
点においては、有効な省エネルギー
8.00
手法であると考えられる。
4
6.00
3
2
4.00
2.00
1
0.00
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と二酸化炭素削減率】
4-17
第4章 エネルギー削減の可能性
■とかちプラザ
とかちプラザで導入可能と判断された省エネルギー手法を基に検討を行った結果を下
表に示す。
【改修工事費と削減額】のグラフより、省エネルギー手法のNo3(駐車場の送風機回
転数制御導入)までは、改修工事費と削減額は比例関係にあり、ある程度の削減額が見込
めるため費用対効果が高い手法であると言えるが、その他の手法は、単純回収年数こそ少
ないが、削減額・削減率共に低く、省エネルギー効果をそれほど見込むことが出来ない。
したがって、とかちプラザにおける ESCO 事業としての有効な省エネルギー手法は、
下表に示す省エネルギー手法のNo1~No3 までが適していると考えられる。
また、A重油を天然ガス(13A)に置換した場合の二酸化炭素排出削減においては、A
重油と比べ 55.2 t-CO2/年の削減が可能となり、環境に配慮した省エネルギー手法として
有効であるが、置換に伴う設備工事費が多大になり費用対効果が低く ESCO 事業として
手法No3 までの
累計エネルギー削減率
31.37%
累計 CO2削減率
31.53%
累計削減額
No
省エネルギー手法
1
力率改善コンデンサーの設置
2
7,224 千円/年
累計改修工事費
37,581 千円
累計単純回収年
5.2 年
CO2
エネルギー エネルギー
CO2
削減率
削減量
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(%)
(MJ/年)
(%)
ベース量
ベース量
16,962,333(MJ/年)
1,056,590kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
回収
事費
年数
(千円)
217,453
1.28
12,365
1.17
450
1,650
450
1,650 3.7
空調機に回転数制御の導入
3,800,420
22.41
246,765
23.35
5,607
28,560
6,057
30,210 5.0
3
駐車場の送排風機に回転数制
御導入
1,303,253
7.68
74,109
7.01
1,167
7,371
7,224
37,581 5.2
4
照明のインバーター化(電子
安定器)
162,924
0.96
9,265
0.88
291
2,730
7,515
40,311 5.4
5
省エネファンベルトの採用
62,708
0.37
3,566
0.34
56
650
7,571
40,961 5.4
6
冷温水ポンプにインバーター
制御導入
75,201
0.44
4,276
0.40
67
4,914
7,638
45,875 6.0
合計
5,621,958
33.14
350,346
33.15
7,638
45,875
7,638
45,875 6.0
No1~No3までの累計
5,321,126
31.37
333,240
31.53
7,224
37,581
7,224
37,581 5.2
5,380,482
31.46
388,490
36.77
20,000
7,224
57,581 8.0
燃料置換(重油→天然ガス)した場合
No1~No3までの累計
燃料置換により、更なる二酸化炭素排出量削減が可
※天然ガス置換による改修工事費はボイラ改修費と敷地内配管工事費の概算集計を示す。
4-18
有効と考えられる省エネルギー手法
成立が難しいものと推定される。
第4章 エネルギー削減の可能性
【改修工事費と削減額】
9,000
8,000
5
4
3
6
7,000
改修工事費と削減額の関係が、ほぼ
2
6,000
削減額(千円)
No3 までの省エネルギー手法は、
比例の関係で、投資に対する回収が
5,000
釣り合っており、費用対効果が高い
4,000
手法であるが、No4 以降の省エネル
3,000
ギー手法は、改修工事費は増加する
2,000
が、削減額はほぼ横這い状態で、費
1,000
用対効果の低い省エネルギー手法で
1
0
0
5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
あると推定される。
改修工事費(千円)
【改修工事費と削減額】
35.00
4
3
5
6
エネルギー削減率(%)
30.00
25.00
2
20.00
15.00
10.00
【改修工事費と削減率】
5.00
削減額のグラフと同じく、改修手
1
0.00
0
5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
法No3 まではほぼ比例関係となっ
ており、省エネルギー手法として、
改修工事費(千円)
非常に有効であると考えられるが、
【改修工事費とエネルギー削減率】
No4 以降の省エネルギー手法の削
減率は、ほぼ横這い状態であり、費
35.00
3
4
5
6
30.00
ただし、環境面への配慮という観
25.00
CO 2 削減率(%)
用対効果が低いと推定される。
2
点においては、有効な省エネルギー
手法であると考えられる。
20.00
15.00
10.00
5.00
1
0.00
0
5,000
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と二酸化炭素削減率】
4-19
第4章 エネルギー削減の可能性
■稲田浄水場
稲田浄水場で導入可能と判断された省エネルギー手法を基に検討を行った結果を下表
に示す。
下表に示す稲田浄水場の省エネルギー手法全てによる累計削減額が 500 万円/年ほどで
あるのに対して、累計改修工事費は 5,800 万円程となり、単純回収年数が 10 年を超える
結果となっている。
また、No1 の『導水ポンプ制御方式の変更』による削減が、全ての省エネルギー手法
による削減の約 90%を越えており、最も有効な省エネルギー手法であるが、今回の検討で
は、3 台設置されているポンプのうち、2 台のポンプにインバーター盤を設置※1 すると仮定
し、試算を行っているため、インバーター盤を設置しない予備ポンプの稼働時は回転数制
御が出来ず、実際の電力削減量はその分少なくなることが推定される。さらに運転条件に
制限が出るため、浄水場の同意を得る必要がある等の課題があり、ESCO 事業としての成
立は、難しいものと推定される。
手法No3 までの
累計エネルギー削減率
12.75%
累計 CO2削減率
12.67%
累計削減額
No
省エネ項目
省エネルギー手法
5,081 千円/年
累計改修工事費
58,232 千円
累計単純回収年
11.5 年
CO2
エネルギー エネルギー
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
29,822,624(MJ/年)
1,717,044kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
1
導水ポンプ制御方式の変更
(予備機無し)
3,505,402
11.75
199,334
11.61
4,690
50,000
4,690
50,000 10.7
2
暖房換気システムの変更による加
熱負荷削減
137,248
0.46
9,031
0.53
176
2,205
4,866
52,205 10.7
3
変圧器の機種変更
160,523
0.54
9,128
0.53
215
6,027
5,081
58,232 11.5
33,625,796
12.75
217,492
12.67
5,081
58,232
5,081
58,232 11.5
合計
※1 3 台のポンプにインバータ盤を設置した検討では、費用対効果が低いと判明したため、2 台の導入とした。
4-20
第4章 エネルギー削減の可能性
7,000
6,000
3
2
5,000
削減額(千円)
1
4,000
3,000
2,000
1,000
0
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と削減額】
16.00
14.00
エネルギー削減率(%)
2
12.00
3
1
10.00
8.00
6.00
4.00
2.00
0.00
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
改修工事費(千円)
【改修工事費とエネルギー削減率】
16.00
14.00
2
CO 2削減率(%)
12.00
3
1
10.00
8.00
6.00
4.00
2.00
0.00
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と二酸化炭素削減率】
4-21
第4章 エネルギー削減の可能性
■帯広川下水終末処理場
帯広川下水終末処理場で導入可能と判断された省エネルギー手法を基に検討を行った
結果を下表に示す。
省エネルギー手法のNo1 は、改修工事費をかけずにエネルギー削減が可能であるが、
削減額が 5 万円/年程度と少ないこと、また、No2 以降では、単純回収年数が 14 年を超
え、費用対効果の面において効果が期待できない結果となっている。
また、『汚水ポンプ高水位運転』と『反応タンク散気装置の改善』の導入については、
施設運用上における維持管理の変更などを伴うため、ESCO 事業としての成立は難しいも
のと推定される。
手法No3 までの
累計エネルギー削減率
13.82%
累計 CO2削減率
14.78%
累計削減額
4-22
13,762 千円/年
累計改修工事費
254,011 千円
累計単純回収年
18.5 年
CO2
エネルギー エネルギー
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
41,116,332(MJ/年)
2,210,996kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
No
省エネ項目
省エネルギー手法
1
汚水ポンプ高水位運転の実施
92,720
0.23
5,273
0.24
52
2
下水熱利用ヒートポンプの設
置
328,216
0.80
22,278
1.01
520
3
反応タンク散気装置の改善
5,260,640
12.79
299,145
13.53
合計
5,681,576
13.82
326,696
14.78
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
52
0 0.0
8,011
572
8,011 14.0
13,190
246,000
13,762
254,011 18.5
13,762
254,011
13,762
254,011 18.5
第4章 エネルギー削減の可能性
16,000
3
14,000
削減額(千円)
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
1
2
0
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と削減額】
16.00
3
14.00
エネルギー削減率(%)
12.00
10.00
8.00
6.00
4.00
2
2.00
1
0.00
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
改修工事費(千円)
【改修工事費とエネルギー削減率】
16.00
3
14.00
CO 2 削減率(%)
12.00
10.00
8.00
6.00
4.00
2
2.00
1
0.00
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と二酸化炭素削減率】
4-23
第4章 エネルギー削減の可能性
■帯広百年記念館
帯広百年記念館に導入可能な省エネルギー手法は、照明のインバーター化のみであり、
削減額も 14 万円/年程度と少なく、ESCO 事業としての成立は難しいものと推定される。
No
省エネ項目
省エネルギー手法
1
照明のインバーター化(電子
安定器)
合計
エネルギー エネルギー
CO2
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
6,594,685(MJ/年)
413,927kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
60,444
0.92
3,437
0.83
143
1,417
143
1,417 9.9
60,444
0.92
3,437
0.83
143
1,417
143
1,417
9.9
■帯広の森アイスアリーナ
改修手法は 2 つあるが、累計削減額の少なさと単純回収年数の長さから、ESCO 事業と
しての成立は難しいものと推定される。
手法No2 までの
4-24
No
省エネ項目
省エネルギー手法
1
照明のインバーター化(電子
安定器)
2
累計エネルギー削減率
1.75%
累計 CO2削減率
1.66%
累計削減額
309 千円/年
累計改修工事費
4,557 千円
累計単純回収年
14.7 年
CO2
エネルギー エネルギー
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
14,063,482(MJ/年)
842,028kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
35,829
0.25
2,037
0.24
71
609
71
609 8.6
冷却水ポンプの変流量制御
210,426
1.50
11,966
1.42
238
3,948
309
4,557 14.7
合計
246,255
1.75
14,003
1.66
309
4,557
309
4,557 14.7
第4章 エネルギー削減の可能性
1,000
900
800
削減額(千円)
700
600
500
400
2
300
200
1
100
0
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
5,000
改修工事費(千円)
【改修工事費と削減額】
2.00
2
エネルギー削減率(%)
1.50
1.00
0.50
1
0.00
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
5,000
改修工事費(千円)
【改修工事費とエネルギー削減率】
2.00
2
CO 2 削減率(%)
1.50
1.00
0.50
1
0.00
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
改修工事費(千円)
【改修工事費と二酸化炭素削減率】
4-25
第4章 エネルギー削減の可能性
■帯広の森市民プール
帯広の森市民プールで導入可能と判断された省エネルギー手法を基に検討を行った結
果を下表に示す。
それほど多くの削減は期待出来ないが、累計単純回収年数が 1.6 年と短く、費用対効果
は非常に高い省エネルギー手法である。
尚、逆洗水量削減による検討では、光熱水費削減に期待がもてる結果であったが、水質
管理に関する問題を抱えており、現況状態を変えないという ESCO 事業にはなじまない
ため、省エネルギー手法から除外した。しかし、費用対効果が高いため省エネ改修工事と
しての実施が望まれる。
手法No2 までの
累計エネルギー削減率
3.02%
累計 CO2削減率
3.06%
累計削減額
1,386 千円/年
累計改修工事費
2,262 千円
累計回収年
1.6 年
エネルギー エネルギー
CO2
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
25,502,779(MJ/年)
1,734,554kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
No
省エネ項目
省エネルギー手法
1
外気量調整バイパス導入によ
る加熱負荷削減
742,900
2.91
51,490
2.97
1,330
1,858
1,330
1,858 1.4
2
照明のインバーター化(電子
安定器)
28,148
0.11
1,601
0.09
56
404
1,386
2,262 1.6
771,048
3.02
53,091
3.06
1,386
2,262
1,386
2,262 1.6
合計
4-26
第4章 エネルギー削減の可能性
2,000
2
1,500
削減額(千円)
1
1,000
500
0
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
改修工事費(千円)
【改修工事費と削減額】
4.00
3.50
エネルギー削減率(%)
2
1
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
改修工事費(千円)
【改修工事費とエネルギー削減率】
4.00
3.50
2
1
CO 2 削減率(%)
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
0.00
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
改修工事費(千円)
【改修工事費と二酸化炭素削減率】
4-27
第4章 エネルギー削減の可能性
■帯広の森体育館
帯広百年記念館と同じく、導入可能な省エネルギー手法は、照明のインバーター化のみ
であり、削減額も 2.7 万円/年程度と少ないことから、ESCO 事業としての成立は難しい
ものと推定される。
No
省エネ項目
省エネルギー手法
1
照明のインバーター化(電子
安定器)
合計
エネルギー エネルギー
CO2
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
2,914,284(MJ/年)
185,649kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
13,918
0.48
791
0.43
27
201
27
201 7.4
13,918
0.48
791
0.43
27
201
27
201 7.4
■帯広の森スポーツセンター
導入可能な省エネルギー手法は、冷凍機用変圧器の開放のみであり、削減額も 6.9 万円
/年程度と少ないことから、ESCO 事業としての成立は難しいものと推定される。
No
1
省エネルギー手法
省エネ項目
冷凍機用変圧器の開放
合計
4-28
エネルギー エネルギー
CO2
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
6,818,645(MJ/年)
401,961kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
33,731
0.49
1,918
0.48
69
0
69
0 0.0
33,731
0.49
1,918
0.48
69
0
69
0 0.0
第4章 エネルギー削減の可能性
■帯広の森研修センター
導入可能な省エネルギー手法は、照明のインバーター化のみであり、削減額も 4.5 万円
/年程度と少ないことから、ESCO 事業としての成立は難しいものと推定される。
No
省エネ項目
省エネルギー手法
1
照明のインバーター化(電子
安定器)
合計
エネルギー エネルギー
CO2
CO2
削減量
削減率
削減率
削減量
(Kg-CO2/年)
(MJ/年)
(%)
(%)
ベース量
ベース量
3,189,793(MJ/年)
211,717kg-CO2/年
年間削減額 改修工事費 累計削減額
(千円/年)
(千円)
(千円/年)
累計改修工 単純
事費
回収
(千円)
年数
22,204
0.70
1,263
0.60
45
227
45
227 5.0
22,204
0.70
1,263
0.60
45
227
45
227 5.0
4-29
第5章 ESCO 事業導入の可能性
第5章 ESCO 事業導入の可能性
(1)事業収支シミュレーション対象施設の選定
■単独 ESCO 事業導入対象施設の選定
一般的に、ESCO 事業導入に適した施設は、施設規模が大きくエネルギー消費量の多い
施設と言われており、今回の対象施設のうち(プラント施設は除く)、規模的に大きな施
設は『帯広市役所本庁舎』・『とかちプラザ』が該当し、エネルギー消費原単位の多い施
設は、『帯広の森市民プール』が該当する。
上記に示したこれら 3 施設のエネルギー削減効果の算定結果では、何れの施設もある程
度の削減額があり、単純回収年数も 10 年以下との結果となっていることから、ESCO 事
業導入の可能性について検討する余地があると考えられるが、その他の施設については、
規模・エネルギー消費原単位がともに小さく導入可能な省エネルギー改修手法も限られ、
削減額が小さく単純回収年数が長い事から長期間の契約となり、ESCO 事業には不向きで
あると考えられる。
よって、『帯広市役所本庁舎』・『とかちプラザ』・『帯広の森市民プール』について
は、単独施設としての ESCO 事業収支シミュレーション対象施設(事業導入検討対象施
設)とし、事業導入の可能性についての検討を行う。
なお、稲田浄水場・帯広川下水終末処理場は、施設規模としては大きいものの、プラン
ト施設であり、処理水量当たりの電力消費も全道の同施設と比較して同等或いは少ないこ
と、更には、改修計画に従い逐次改修が行われており、ESCO 事業には不向きであると考
えられることから対象外とする。
■グループ化による ESCO 事業導入対象施設の選定
先に挙げた 3 施設での ESCO 事業の成立性の確立も、それほど高いとは言えず、施設
グループ化による『規模の拡大と削減量の増大』について検討を行う必要がある。
施設のグループ化は、複数の施設を対象とすることにより、一つの大規模な施設を
ESCO 事業化するのと同等な条件とすることで成立を図ることを目的としていることか
ら、類似施設のグループ化による同一手法での省エネルギー化、または、近隣施設のグルー
プ化による大規模な複合施設化により、ESCO 事業の成立性が高まるものと考えられる。
今回の施設では、近隣施設としての優位性が考えられる『帯広の森スポーツ施設群』と、
類似施設としての優位性が考えられる『コミュニティセンター群』が対象施設として考え
られるが、
『帯広の森スポーツ施設群』は、
『帯広の森市民プール』以外の施設における削
減可能性量が少なく、『帯広の森スポーツ施設群』としてのグループ化による削減可能性
量の増加がそれほど見込めず、単独施設での ESCO 事業導入よりも長期の契約となるこ
とが予想される。
5-1
第5章 ESCO 事業導入の可能性
また、『帯広の森スポーツ施設群』としての省エネルギー改修手法の検討結果※1にお
いても、コージェネレーションの導入やBEMSの導入によるエネルギー削減の効果が
低く、グループ化による優位性はさほどないものと考えられる。
更に、現在『帯広の森スポーツ施設群』は『指定管理者制度』が導入されており、運
用・管理面において、ESCO 事業と重複する箇所や相反する箇所が生ずるものと想定さ
れ、それに伴う責任分担等の検討を要する課題があり、現状での ESCO 導入は不向き
と考えられる。
『コミュニティセンター群』のエネルギー需要実態調査の結果では、総じて消費原単
位が小さく、施設利用者の変動により消費エネルギー量が変化するとともに、10 施設の
うち 6 施設において、
熱源機器の更新がすでに実施されているなど、
更なる省エネルギー
化は難しく、小規模な 4 施設での施設グループ化では、そのメリットを十分に発揮出来
ないと想定され、グループ化による優位性はさほどないものと考えられる。
以上より、施設のグループ化は、何れの施設群においても、そのメリットを十分に発
揮することが難しいと考えられることから、
『帯広の森スポーツ施設群』
・
『コミュニティ
センター群』としてのグループ化による事業化収支シミュレーションは行わないものと
する。
ただし、施設用途自体に違いはあるが、事務所系である『帯広市役所本庁舎』と『と
かちプラザ』については、同様な改修手法や計測・検証手法の採用が可能と考えられ、
グループ化による事業リスクの軽減による事業成立性も想定されることから、2 施設の
グループ化による事業収支シミュレーションを実施する。
※1
5-2
報告書資料編
『資料 8. 施設群としての省エネルギー化検討』参照
第5章 ESCO 事業導入の可能性
(2)事業収支シミュレーション
事業収支シミュレーションを行う際の仮定条件を下記に示す。
なお、事業収支シミュレーションは、シェアード・セイビングス契約とギャランティー
ド・セイビングス契約の 2 契約形態について行い、ESCO 事業の成立性についての検討を
行う。
1)収支試算条件
① 改修工事費等
・省エネルギー改修工事および省エネルギー改修設計等に関わる初期投資額を計上する
・計測・検証設備として 2.0% を加算する
② 維持管理費、計測・検証費
・毎年、一定額の経費が生じるものとして、各改修手法に応じた費用を概算で計上するも
のとし、改修工事費の 4.0 % とする
・ESCO 契約が終了した以後は、計測・検証は行なわないものとするが、年間の維持管理
費分として改修工事費の 2.0%を計上する
③ 金 利(シェアード・セイビングス契約の場合のみ)
・ESCO 事業者が①で示す初期投資額の全額を借り入れるものとし、年利率を 3.0% とし
て計上する
・借入期間は各改修手法の最短の償還期間(回収年)とし、契約年数が増えた場合でも最
短期間で返済するものと考える(契約期間が増加しても、返済期間は延ばさない)
④ 固定資産税(シェアード・セイビングス契約の場合のみ)
・改修工事費から減価償却費を控除した後の資産評価額に対して 1.4% を計上し、償却率
は、法定耐用年数 15 年での定率法とする
⑤ 動産保険料(シェアード・セイビングス契約の場合のみ)
・ESCO 事業者が減価償却費控除後の資産評価額に対して付保するものとし、保険料率を
0.3% とする
⑥ 補助金(NEDO)
・シェアード・セイビングス契約の場合
: ①改修工事費等の 1/3 相当額
・ギャランティード・セイビングス契約の場合 : ①改修工事費等の 1/3 相当額
5-3
第5章 ESCO 事業導入の可能性
2)事業収支シミュレーション結果
■帯広市役所本庁舎
光熱水費削減より得られる利益は、実質投資額の 1/3 の補助金(NEDO)が受けられる
と想定した場合においても、表5-1に示す「シェアード・セイビングス契約」で、年当
たり 40 万円程度、表5-2に示す「ギャランティード・セイビングス契約」で、年当た
り 60 万円程度との結果となった。
この利益は、自治体と ESCO 事業者の総利益であり、この利益より自治体の利益を差
し引いた額が最終的な ESCO 事業者の利益となる。従って、実際の ESCO 事業者の利益
は、更に少ないものとなる。
この結果より、帯広市役所本庁舎単独での ESCO 事業は、営利事業としての魅力は低
く、単体施設としての事業成立は難しいものと想定され、他施設との組み合わせによる事
業化の道を模索する必要があると考えられる。
図5-1・2に示す「15 年間評価における利益と省エネルギー率」のグラフより、2 番
目の省エネルギー手法(最小外気の最適化)までは、省エネルギー率・削減額ともに増加
するが、3 番目の省エネルギー手法(照明のインバーター化)以降は、省エネルギー率は
増加するものの、削減額は減少する傾向となっている。
これより、他施設との組み合わせによる事業化の場合においては、削減による利益が多
く得られる「女子トイレへの擬音装置の導入」・「最小外気の最適化」の手法の導入が、
ESCO 事業の成立性に対して有利であると考えられる。
※
5-4
事業収支シミュレーション結果については、報告書資料編
『資料 3.
事業収支シミュレーション結果』参照
第5章 ESCO 事業導入の可能性
表5-1
No
シェアード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
採用省エネ手法
採用省エネルギー手法
1
2
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
1
2
3
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
10
11
12
13
1
2
3
4
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
10
11
12
1
2
3
4
5
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
13
14
15
1
2
3
4
5
6
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
厨房送風機に回転数制御導入
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
8
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
厨房送風機に回転数制御導入
温水ポンプの制御
15
A
B
C
D
E
F
G
契約年数 省エネ率
(年)
(%)※1
7
8
4.77%
9
10
利益/年 15年間総利益
(千円)
(千円)
93
14,699
242
14,229
359
13,766
453
13,311
6.73%
6.82%
10.50%
25
186
322
437
12,980
12,233
11,497
10,770
6
169
306
12,886
12,125
11,376
-149
12
153
4,861
3,571
2,290
-2,352
-2,058
-1,802
-22,009
-24,528
-27,031
-2,628
-2,320
-2,052
-25,491
-28,141
-30,773
-2,272
-34,084
14.97%
15.26%
15.40%
※1 省エネ率(%):
(エネルギー削減量(MJ/年)/エネルギーベース量(MJ/年)
)x100
5-5
第5章 ESCO 事業導入の可能性
表5-2
No
ギャランティード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
採用省エネ手法
採用省エネルギー手法
1
2
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
1
2
3
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
8
9
10
11
1
2
3
4
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
8
9
10
1
2
3
4
5
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
11
12
13
1
2
3
4
5
6
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
厨房送風機に回転数制御導入
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
8
女子トイレへの擬音装置の導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
厨房送風機に回転数制御導入
温水ポンプの制御
15
A
B
C
D
E
F
G
5-6
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
4.77%
8
9
6.73%
6.82%
10.50%
利益/年 15年間総利益
(千円)
(千円)
174
16,843
360
16,562
499
16,281
607
16,000
117
326
494
631
18,754
18,211
17,668
17,125
99
311
482
18,752
18,200
17,648
198
389
550
15,764
14,857
13,949
-1,021
-763
-539
-4,708
-6,399
-8,090
-1,230
-959
-724
-7,317
-9,091
-10,865
-898
-13,465
14.97%
15.26%
15.40%
第5章 ESCO 事業導入の可能性
20,000
2
10,000
4
5
1
0
0.0%
15年間の利益総額(千円)
3
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
16.0%
18.0%
-10,000
6
-20,000
7
-30,000
8
補助金有
補助金無
-40,000
-50,000
-60,000
-70,000
省エネルギー率(%)
省エネ率(%)
図5-1
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(シェアード・セイビングス契約)
20,000
15年間の利益総額(千円)
10,000
0
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
16.0%
18.0%
-10,000
補助金有
補助金無
-20,000
-30,000
-40,000
-50,000
省エネルギー率(%)
省エネ率(%)
図5-2
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(ギャランティード・セイビングス契約)
5-7
第5章 ESCO 事業導入の可能性
■とかちプラザ
シェアード・セイビングス契約、ギャランティード・セイビングス契約の何れにおいて
も、年当たりの利益が 200 万円を超える結果となり、当該施設単独での ESCO 事業の成
立性はある程度考えられる。
しかし、とかちプラザは、多目的ホール・貸室・小体育施設等を備えた施設であり、そ
の利用率によっては、省エネルギー率・削減額が大きく変動することが予想され、ESCO
事業化にあたっては、ベースラインの策定などに対して十分な注意が必要である。
図5-3・4に示す「15 年間評価における利益と省エネルギー率」のグラフより、5 番
目の省エネルギー手法(省エネファンベルトの採用)までは、省エネルギー率・削減額と
もに増加するが、6 番目の省エネルギー手法(冷温水ポンプにインバーター制御導入)で
削減額が減少する結果となっている。しかし、全体としてはある程度の削減が可能である
ことから、省エネルギー率の増加と CO2削減の効果を考え、すべての手法を取り入れた
ESCO 事業が有効であると考えられる。
なお、他施設との組み合わせにより ESCO 事業を実施する場合は、削減額が減少する
省エネルギー手法は極力除いた ESCO 事業とすることにより、事業の可能性を高くする
ことが必要である。
表5-3
採用省エネルギー手法
採用省エネ手法
No
A
B
C
D
E
5-8
シェアード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
8 31.37%
9
1
2
3
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
1
2
3
4
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
6
7
8
9
1
2
3
4
5
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
冷温水ポンプにインバータ制御導入
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
冷温水ポンプにインバータ制御導入
15
32.33%
32.70%
33.14%
33.14%
利益/年 15年間総利益
(千円)
(千円)
520
62,613
1,210
61,353
1,732
60,129
2,150
59,018
323
1,060
1,618
2,064
63,652
62,277
60,940
59,718
263
1,011
1,577
2,030
2,395
63,700
62,298
60,934
59,685
58,466
285
915
1,417
1,823
57,108
55,542
54,093
52,677
3,063
45,939
第5章 ESCO 事業導入の可能性
表5-4
No
A
B
C
D
E
ギャランティード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
採用省エネ手法
採用省エネルギー手法
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
5
6
7 31.37%
8
1
2
3
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
1
2
3
4
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
6
7
8
9
1
2
3
4
5
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
5
6
7
8
9
1
2
3
4
5
6
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
冷温水ポンプにインバータ制御導入
6
7
8
9
1
2
3
4
5
6
コンデンサーの力率改善
空調機に回転数制御導入
駐車場送排風機に回転数制御導入
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
冷温水ポンプにインバータ制御導入
15
32.33%
32.70%
33.14%
利益/年 15年間総利益
(千円)
(千円)
580
69,005
1,432
68,085
2,040
67,165
2,496
66,245
388
1,302
1,954
2,444
70,511
69,525
68,538
67,551
329
1,258
1,921
2,418
2,805
70,671
69,668
68,665
67,662
66,660
567
1,310
1,867
2,300
65,407
64,284
63,161
62,038
3,687
55,300
33.14%
5-9
第5章 ESCO 事業導入の可能性
70,000
3
15年間の利益総額(千円)
60,000
4
3 4 55
2 2
6
6
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
補助金有
補助金無
1
1
0
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
省エネ率(%)
省エネルギー率(%)
図5-3
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(シェアード・セイビングス契約)
80,000
15年間の利益総額(千円)
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
補助金有
補助金無
10,000
0
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
省エネ率(%)
省エネルギー率(%)
図5-4
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(ギャランティード・セイビングス契約)
5-10
第5章 ESCO 事業導入の可能性
■帯広の森市民プール
シェアード・セイビングス契約、ギャランティード・セイビングス契約の何れにおいて
も、年当たりの利益が 100 万円を超える結果となり、当該施設単独での ESCO 事業の成
立性はある程度考えられるが、改修工事費が 200 万円程度と規模的に小さく、ESCO 事業
としてよりは、帯広市の施設改修計画として実施する方策がより適していると考えられる。
表5-5
採用省エネルギー手法
採用省エネ手法
No
A
B
シェアード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
1
2
外気量調整バイパス導入
照明のインバーター化
1
2
外気量調整バイパス導入
照明のインバーター化
表5-6
1
2
外気量調整バイパス導入
照明のインバーター化
1
2
外気量調整バイパス導入
照明のインバーター化
A
B
利益/年 15年間総利益
(千円)
(千円)
995
18,113
1,035
18,038
1,065
17,965
1,089
17,893
1,168
17,519
3.02%
ギャランティード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
採用省エネルギー手法
採用省エネ手法
No
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
3.02%
8
9
15
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
2
3.02%
4
6
7
8
15
3.02%
利益/年 15年間総利益
(千円)
(千円)
525
18,587
909
18,477
1,037
18,366
1,074
18,310
1,102
18,255
1,191
17,867
5-11
第5章 ESCO 事業導入の可能性
18,400
2
15年間の利益総額(千円)
18,200
1
18,000
17,800
補助金有
補助金無
17,600
17,400
17,200
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
省エネ率(%)
省エネルギー率(%)
図5-5
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(シェアード・セイビングス契約)
18,600
15年間の利益総額(千円)
18,400
18,200
18,000
17,800
補助金有
補助金無
17,600
17,400
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
省エネ率(%)
省エネルギー率(%)
図5-6
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(ギャランティード・セイビングス契約)
5-12
第5章 ESCO 事業導入の可能性
■帯広市役所本庁舎+とかちプラザ
帯広市役所本庁舎単独での ESCO 事業の可能性が低いことから、
『帯広市役所本庁舎』
と『とかちプラザ』の 2 施設を組み合わせた場合の事業収支シミュレーションを実施し、
事業の成立性について検討を行った結果、「シェアード・セイビングス契約」・「ギャラン
ティード・セイビングス契約」の何れの契約方式においてもある程度の利益が見込まれ、
2 施設を組み合わせた ESCO 事業の成立性は十分にあるものと判断される。
しかし、『帯広市役所本庁舎』と『とかちプラザ』は施設担当部局が違うため、ESCO
サービス料支払い時における担当部局間の委託料負担や、「ボーナス」或いは「ペナル
ティー」が発生した場合の支払いにおいて自治体側で留意する点が存在しており、異なっ
た部局間の施設を対象とした ESCO 事業の場合は、部局間の調整や光熱水費の委託料へ
の移用などについて、事前に十分な調整が必要である。
図5-7・8に示す「15 年間評価における利益と省エネルギー率」のグラフより、6 番
目の省エネルギー手法(とかちプラザの照明インバータ化)までは、省エネルギー率・削
減額ともに増加するが、7 番目の省エネルギー手法(市役所の照明インバーター化)以降
は、省エネルギー率は増加するものの、削減額は減少する傾向となっている。
しかし、9 番目の省エネルギー手法(市役所の省エネファンベルトの採用)までは、あ
る程度の利益が期待できることから、省エネルギー率の増加と CO2削減の効果を考えた場
合、この手法を取り入れた ESCO 事業が有効であると考えられる。
5-13
第5章 ESCO 事業導入の可能性
表5-7
シェアード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
印はとかちプラザに導入可能な手法を示す。
印は市役所に導入可能な手法を示す。
採用省エネルギー手法
No
A
B
C
D
E
F
5-14
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
8 12.55%
9
10
6
7
8
15.42%
9
10
1
2
3
4
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
1
2
3
4
5
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
1
2
3
4
5
6
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
7
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
7
8
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
7
8
9
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
6
7
8
9
10
15.80%
16.98%
17.12%
17.18%
利益/年 15年間利益
(千円) (千円)
748
66,547
1,444
65,275
1,971
64,040
2,394
62,918
2,735
61,823
416
77,793
1,303
76,052
1,974
74,358
2,510
72,784
2,941
71,245
220
1,153
1,860
2,423
2,877
78,833
76,976
75,169
73,484
71,836
-728
390
1,235
1,907
2,449
80,260
77,951
75,701
73,581
71,504
-788
341
1,195
1,873
2,420
80,308
77,972
75,695
73,549
71,446
-824
310
1,169
1,851
2,401
80,272
77,921
75,629
73,459
71,352
第5章 ESCO 事業導入の可能性
採用省エネルギー手法
No
G
H
I
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
8
9
10
19.39%
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
厨房送排風機に回転数制御導入
温水ポンプの制御
冷温水ポンプにインバーター制御導入
15
22.06%
利益/年 15年間利益
(千円) (千円)
-2,351
78,589
-967
75,624
79
72,731
909
69,980
1,578
67,282
-6,657
-4,725
-3,263
-2,108
-1,176
-409
235
784
1,256
1,668
60,725
56,408
52,191
48,141
44,162
40,245
36,380
32,557
28,770
25,014
790
11,856
22.50%
5-15
第5章 ESCO 事業導入の可能性
表5-8
採用省エネルギー手法
No
A
B
C
D
E
F
5-16
ギャランティード・セイビングス契約(補助 1/3 を考慮)
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
8 12.55%
9
10
6
7
8
15.42%
9
10
1
2
3
4
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
1
2
3
4
5
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
1
2
3
4
5
6
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
7
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
7
8
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
6
7
8
9
10
1
2
3
4
5
6
7
8
9
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
6
7
8
9
10
15.80%
16.98%
17.12%
17.18%
利益/年 15年間利益
(千円) (千円)
1,666
72,054
2,280
71,125
2,741
70,196
3,099
69,267
3,386
68,338
1,605
84,928
2,400
83,727
2,995
82,526
3,459
81,325
3,829
80,124
1,476
2,314
2,943
3,432
3,823
86,368
85,100
83,832
82,554
81,296
790
1,802
2,561
3,151
3,623
89,365
87,835
86,305
84,775
83,245
746
1,768
2,535
3,131
3,608
89,508
87,962
86,417
84,871
83,325
718
1,746
2,517
3,116
3,596
89,523
87,969
86,414
84,860
83,305
第5章 ESCO 事業導入の可能性
採用省エネルギー手法
No
G
H
I
契約年数 省エネ率
(年)
(%)
6
7
8
9
10
19.39%
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
6
7
8
9
11
12
13
14
15
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
女子トイレへの擬音装置の導入
コンデンサーの力率改善
空調機の回転数制御導入
駐車場の送排風機に回転数制御導入
最小外気の最適化
照明のインバーター化
照明のインバーター化
省エネファンベルトの採用
省エネファンベルトの採用
熱源水ポンプに回転数制御導入
窓換気による冷房負荷の低減
厨房送排風機に回転数制御導入
温水ポンプの制御
冷温水ポンプにインバーター制御導入
15
22.06%
利益/年 15年間利益
(千円) (千円)
-454
89,970
809
88,059
1,757
86,149
2,494
84,239
3,083
82,329
-3,979
-2,197
-861
178
1,010
1,690
2,257
2,736
3,147
3,504
76,796
74,102
71,409
68,715
66,022
63,328
60,634
57,941
55,247
52,554
2,789
41,834
22.50%
5-17
第5章 ESCO 事業導入の可能性
100,000
5 6
80,000
7 8 9
4
15年間の利益総額(千円)
10
3
60,000
40,000
11
12
13
補助金有
補助金無
20,000
2
14
1
0
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
-20,000
-40,000
省エネ率(%)
省エネルギー率(%)
図5-7
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(シェアード・セイビングス契約)
100,000
90,000
15年間の利益総額(千円)
80,000
70,000
60,000
50,000
補助金有
補助金無
40,000
30,000
20,000
10,000
0
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
省エネ率(%)
省エネルギー率(%)
図5-8
15 年間評価における利益と省エネルギー率
(ギャランティード・セイビングス契約)
5-18
第5章 ESCO 事業導入の可能性
(3)アンケート調査結果
ESCO 事業導入可能性についての精度を高めるため、今回実施した簡易省エネルギー診
断結果を基に、ESCO 事業者 52 社※1に対して、帯広市における ESCO 事業の成立性と応
募の可能性等についてのアンケート調査を実施した。
アンケート調査結果では、事業成立性で『とかちプラザ』が最も多く、次いで『帯広市
役所本庁舎』、
『帯広の森市民プール』となり、そのほかの施設については、事業成立性は
難しいとの結果であった。
また、応募可能性でも『とかちプラザ』が最も多く、次いで『帯広市役所本庁舎』、
『帯
広の森市民プール』と事業成立性と同じ傾向となっている。
施設組み合わせによる事業成立性・応募可能性は、単独施設としても可能性が高いと判
定された『帯広市役所本庁舎』
・
『とかちプラザ』の組み合わせが最も多く、その他の組み
合わせについては、事業成立性・応募可能性ともに難しいとの判定となっている。
事業収支シミュレーション結果では、それほど多くの利益を生じない『帯広市役所本庁
舎』が、アンケート調査結果では、事業成立性・応募可能性ともに比較的多い結果となっ
ており、
事務所系建物の ESCO 事業の導入のし易さが反映されているものと考えられる。
また、利益としては 100 万円/年程度生ずる『帯広の森市民プール』の事業成立性・応
募可能性が少ない結果となっているのは、事業規模の小ささに加え、水質管理等による運
営管理の難しさが反映されているものと考えられる。
施設組み合わせでは、『帯広市役所本庁舎+とかちプラザ』の組み合わせに対する応募
可能性が、
『とかちプラザ』単独での応募可能性を下回っている。これは、
『帯広市役所本
庁舎』の収益性が低いため、事業規模が大きくなってはいるが、全体として利益が圧縮さ
れたためと考えられる。
アンケート結果の詳細については、資料編に掲載する。
※1
報告書資料編
『資料 11. ESCO 事業導入可能性に関するアンケート調査結果』参照
5-19
第5章 ESCO 事業導入の可能性
(4)ESCO 事業導入施設の選定
省エネルギー診断、事業収支シミュレーション及びアンケート調査結果より、帯広市の
ESCO 事業導入施設としては、
『帯広市役所本庁舎』・
『とかちプラザ』の 2 施設の単独ま
たは組み合わせによる事業実施が現実的であり、『とかちプラザ』単独での可能性が最も
高く、次いで『帯広市役所本庁舎+とかちプラザ』の組み合わせ、『帯広市役所本庁舎』
の順番となるものと考えられる。
しかし、『帯広市役所本庁舎』単独での事業導入は、事業収支シミュレーション結果を
見る限りでは難しいと想定され、
『帯広市役所本庁舎』への ESCO 事業導入は、『とかち
プラザ』との組み合わせを前提として考える必要がある。
したがって、帯広市 ESCO 事業として最も可能性が高い導入施設は、『とかちプラザ』
または『帯広市役所本庁舎+とかちプラザ』の組み合わせと考えられる。
なお、上記 2 施設の他、『帯広の森市民プール』も事業導入の可能性はある程度考えら
れるが、指定管理者制度との関係や、事業規模的な面から帯広市の施設改修計画の一環と
して実施する方策が、よりメリットが生ずるものと考えられることから、導入施設として
適さないものと判断した。
【帯広市 ESCO 事業導入施設(案)】
『とかちプラザ』単独または、『帯広市役所本庁舎+とかちプラザ』の組み合わせによ
る ESCO 事業の実施。
(5)事業スケジュール(案)
『とかちプラザ』単独または、『帯広市役所本庁舎+とかちプラザ』の施設組み合わせ
による ESCO 事業実施に当たっての公募時期については、市の予算申請や補助金申請を
考慮した場合、6~7 月公募のスケジュールが最も一般的である。
しかし、来年度以降、道内の他の地方公共団体や独立行政法人、北海道庁においても
ESCO 事業実施の予定があり、同時期での公募となる可能性が高くなっている。
他公募の案件によっては、ESCO 事業者の応募が得られない場合も想定されることから、
他公募との競合は極力避けた事業スケジュールとする必要がある。
次ページに ESCO 事業導入スケジュール(案)を示す。
5-20
公募予算作成
予算要求
◆
公募
公募
◆
▼
議会承認
定例議会(1)
(次年度予算決定)
定例議会(4)
●最優秀提案選定
詳細設計・契約書作成協議
補助金申請
ESCOサービス料の予算作成
+
(付随工事の計画・予算作成)
予算要求◆
◆
エネ合理化
▼交付決定
申請期間
住宅・建築物高効率
・実施施設の決定
・公募準備
公募
平成20年度 (2008)
契
約
契
約
工 事・試運転
工 事・試運転
◆
定例議会(4)
平成21年度(2009)
実績精査
実績精査
◆
詳細設計・契約書作成協議
ESCOサービス料の予算作成 補助金申請
+
(付随工事の計画・予算作成)
工 事・試運転
◆
◆
契約が平成21年となるため、サービス
開始は、平成22年からとなる。
契
約
サービス期間(1年目 )
初回支払い
(平成21年度予算)
◆
初回支払い
(平成21年度予算)
サービス期間(1年目 )
(次年度予算決定)
▼
議会承認
◆
定例議会(3)定例議会(4)
(二次募集のある場合)
▼交付決定
▼交付決定
定例議会(2)
定例議会(1)
エネ合理化
▼交付決定
申請期間
住宅・建築物高効率
二次募集がある場合は、この時点での補助金
申請も考えられるが、交付決定が1月頃である
ため、工事・試運転の期間が限られる。
◆
定例議会(3)
予算要求◆
補助金申請
◆
定例議会(2)
(二次募集のある場合)
▼交付決定
▼交付決定
【メリット】
このケースでは、詳細設計がかなり進んでい
るので精度の高い予算作成が可能である。
●最優秀提案選定
詳細設計が十分行われていない時点での補助金
申請には無理があると共に、帯広市の事業予算要
求が平成21年となることから契約ができないため、
平成21年度補助金申請となる。
詳細設計・契約書作成協議
ESCOサービス料の予算作成 補助金申請
+
●最優秀提案選定
(付随工事の計画・予算作成)
4月からの公募であるため、前年度の公募準備
期間に難がある。
【別法】
実施準備が工程的に厳しい場合は、1年延期し
て平成20年4月公募も考えられる。
・実施施設の決定
・公募準備
その2
他物件公募時期より後に公募 導入可能性調査
【メリット】
道内の他大型物件の公募時
期とずらし、応募者数確保を
図る。
◆
定例議会(2)
・実施施設の決定
・公募準備
(次年度予算決定)
▼
議会承認
定例議会(1)
定例議会(3)
(二次募集のある場合)
▼交付決定
▼交付決定
〔住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業〕
〔エネルギー使用合理化事業者支援事業〕
エネ合理化
申請期間
住宅・建築物高効率
その1
他物件公募時期より先に公募 導入可能性調査
道内他大型物件の公募時期
を避けた実施スケジュール
一般的スケジュール
自治体予算のスケジュール
主な補助制度のスケジュール
(NEDO)
平成19年度 (2007)
11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 12月
平成18年度 (2006)
ESCO事業導入スケジュール (案)
第5章 ESCO 事業導入の可能性
5-21
第6章 ESCO 事業導入方針
第6章 ESCO 事業導入方針
(1)ESCO 事業性の確保
先行事例では、地方公共団体の利益が ESCO 事業者の利益を上回るなどの条件設定が
なされ、地方公共団体の利益優先となっている場合が見受けられ、ESCO 事業者からは、
地方公共団体 ESCO 事業への参入意欲の障害となっているとの意見もあり、地方公共団
体の ESCO 事業の事業成立性そのものに影響を及ぼしているものと考えられる。
今後、事業規模が必ずしも大きくない施設に ESCO 事業を普及させていくためには、
少ない利益であっても ESCO 事業者が「魅力ある事業」と捉えるために、報酬の適正化
や応募負担軽減策等の方策が必要であると考える。
そこで、帯広市としては、事業性の確保を目指し、下記に示す4項目の方策を実施する。
尚、④の簡易公募の実施については、
「第6章(4)ESCO 提案の審査方法(案)」の項
で詳細を述べる。
【事業性確保のための方策】
①
利益配分の適正化
②
ボーナス条項の採用
③
ペナルティー条項の緩和
④
簡易公募の実施
6−1
第6章 ESCO 事業導入方針
1)利益配分の適正化
利益配分概念図(図6−1)に示す通り、提案時における光熱水費削減額(A)から
ESCO サービス料(B)(ESCO 事業費と ESCO 事業者利益(D)
)を差し引いた残りが
帯広市の利益(C)に相当するが、帯広市の利益(C)と ESCO 事業者利益(D)の按
分については、他地方公共団体での例では、地方公共団体の利益を 50%以上確保しなけれ
ばならないなど、最低ラインを設けている場合がある。
ESCO 事業規模が小さな場合、ESCO 事業者が必要とするサービス料は、事業規模に応
じて少なくなる要素もあるが、定額で必要とする費用もあり、削減額に占める割合は増す
と考えられる。このため、事業規模が大きな ESCO 事業と同じ考えで利益の按分を設定
することは、ESCO 事業者にとって、大きなリスクとなり、参入意欲を減ずる結果になる
と考えられる。
【帯広市の対応方針】
利益按分率を設定せず、事業者の提案に任せる方策とする。
帯広市の毎年の利益は、ESCO 事業者選定における評価項目とし、事業者の提案に任せ
ることで、帯広市の利益を考慮した提案がなされるものと考える。
光熱水費削減額(A)
帯広市の利益
事業者の利益
光熱水費
事業費用
光熱水費
【提案時】
図6−1
6−2
利益配分概念
帯広市の利益(C)
事業者の利益(D)
ESCO サービス料(B)
第6章 ESCO 事業導入方針
2)ボーナス条項の採用
ESCO 事業の場合、省エネルギーにより実現した光熱水費削減額が、削減保証額に達し
ている場合は一定額の支払いを受けるが、先行地方公共団体での契約では、契約以上の削
減が実現した場合、その全てが地方公共団体の利益となり、ESCO 事業者への支払いとし
て分配されることはなかった。
(図6−2)
。
その理由としては、以下のようなことがあげられる。
■地方公共団体が支払い条件を設定し、議会承認を受けるには、長期債務負担行為として毎
年度一定金額の債務の発生を前提とするのが一般的であり、債務変動を議会から承認を得
るためには、変動する条件を明確にする必要がある。
■一定金額支払い契約締結後の ESCO 事業者への支払い金額変動について、その都度、議
会からの変額承認を受けることは制度上可能であるが、地方公共団体担当者の事務処理負
担が大きい。
削減予定額
光熱水費
削減予定額
以上の削減
地方公共団体の利益
削減予定額
ESCO 事業者利益
の適正化を図る上
で、分配する事が
望ましい。
光熱水費
光熱水費
ESCO 事業実施
ESCO 事業実施後
図6―2
ESCO 利益の分配
6−3
第6章 ESCO 事業導入方針
しかし近年、札幌市では、契約以上の削減が実現した場合の利益を地方公共団体と
ESCO 事業者で分配する仕組みを採用し、ESCO 事業を実施している。この設計を上回る
......
経費削減による利益配分を「ボーナス条項」という。
一般的に、ボーナス条項が認められる場合、ESCO 事業者はペナルティとボーナスの双
方を考慮して削減保証水準の設定を行うが、ボーナス条項が認められない場合は、削減保
証水準を低く抑える可能性がある。
【帯広市の対応方針】
帯広市としては、広く ESCO 事業者の参入を促すため、ボーナス条項を採用するもの
とする。
6−4
第6章 ESCO 事業導入方針
■財源の確保
契約時の光熱水費削減予定額
を超えなかった場合、支払い
は生じない。
契約時の光熱水費削減
予定額を上回る場合、
支払いが生じる。
(財源は光熱水費の流用)
変動がありうるこ
とを「文書」にて
設定
債務負担行為
一定「金額」を
設定
終了年
・
・
・
・
・
・
四年目
・
三年目
二年目
一年目
削減保証額未達で減額清算の場合
図6―3
ボーナス支払い概念図
予定以上のエネルギー消費量の削減による光熱水費の削減額
「光熱水費」から「委託費」への節間流用を行い、ボーナスの財源とする
(地方自治法
第 220 条②ただし書きにより可能)
「委託費」に流用し、一定
割 合 を ESCO 事 業 者 へ の
ボーナスに当てる。
削減予定額
以上の削減
削減予定額
光熱水費
予定を上回った削減額
削減予定額
光熱水費
ESCO 事業による削減予定額
光熱水費
【ESCO 事業実施前】
【ESCO 事業実施後】
図6―4
ボーナス支払い財源
6−5
第6章 ESCO 事業導入方針
【地方自治法】
(予算の執行及び事故繰越し)
第220条 普通地方公共団体の長は、政令で定める基準に従つて予算の執行に関する
手続を定め、これに従つて予算を執行しなければならない。
2
歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用するこ
とができない。 ただし、歳出予算の各項の経費の金額は、予算の執行上必要がある
場合に限り、予算の定めるところにより、これを流用することができる。
3
繰越明許費の金額を除くほか、毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年
度において使用することができない。ただし、歳出予算の経費の金額のうち、年度内
に支出負担行為をし、避けがたい事故のため年度内に支出を終わらなかったもの(当
該支出負担行為に係る工事その他の事業の遂行上の必要に基づきこれに関して支出
を要する経賃の金額を含む。)は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
【帯広市財務規則】
(歳 出 予 算 の 流 用 )
第24条 部課長等は、歳出予算にかかる目又は節間の金額の流用を必要とす
る場合は、歳出予算流用要求書(様式3号)にその理由、金額及び積算を明
らかにした書類を添えて、当該流用の専決が財政部長に属するものは財政部
長に、財政部次長に属するものは財政部次長に、財政課長に属するものは財
政課長に提出し、その承認を受けなければならない。ただし、課長等の専決
に属するものはこの限りでない。
2
財政部長及び財政部次長並びに財政課長は、前項の規定により予算の流用
を決定したときは、速やかに当該部課長等に通知するとともに、収入役に通
知しなければならない。
3
前項の規定による通知があつたときは、第21条の規定による予算の配当
はこれにより変更されたものとみなす。
6−6
第6章 ESCO 事業導入方針
3)ペナルティー条項の緩和(削減保証額未達によるサービス料の減額)
ESCO 事業の場合、省エネルギーにより実現した経費削減額が削減保証額に達している
場合は一定額の支払いを受け、削減保証額に満たない場合は ESCO 事業者が顧客利益を
補填する仕組みとなっているが、この顧客利益の補填を「ペナルティー条項」と言う。
ESCO 提案時における光熱水費削減予定額は、あくまで机上計算の結果であり、実際に
は設備機器の個別の性能や施設利用者の使い方に左右されるところがあるなど不確定な
要素があるため削減予定額が 100%達成できるとは限らない。
そこで、先行地方公共団体では、ESCO 事業者の提案に基づく省エネルギー改修後の光
熱水費削減額(削減予定額)に対して、70%程度の最低保証基準額を設定し、顧客利益の
補填(ペナルティー条項)の緩和を行い、ESCO 事業者のリスク軽減に配慮している。
【帯広市の対応方針】
帯広市は、広く ESCO 事業者の参入を促すため、ボーナス条項と合わせ、ペナルティー
条項の緩和を積極的に採用するものとする。
6−7
第6章 ESCO 事業導入方針
(2)地方公共団体への適用
帯広市が ESCO 事業を行う上で各種法令等に抵触しないか確認しなければならない項
目がいくつかあるが、これらの項目の多くは、既に ESCO 事業を実施した先行地方公共
団体が実施過程において法的解釈の整理を行い解決されている。これらを一覧表として表
6−2に示す。
現状で帯広市が検討を加えなければならない項目は、ESCO 事業者に対する行政財産の
使用料徴収についての判断で、その考え方を表6−1に示す。
表6−1
項
目
課
題
自治体 ESCO 事業に係わる制度上検討項目
シェアードで行う場合で、ESCO 事業者が省エネルギー機器を地方
公共団体財産(建物)の中に設置すること。
地方公共団体財産(建物)の中に ESCO 事業者の所有物を設置する
と公共財産に私権を設定できないとする地方自治法に抵触しないか。
地方自治法
解
釈
第 238 条の 4 の 4 項で目的を妨げない限度で使用が認
められている。
このため、ESCO 事業者が、地方公共団体に使用許可申請を出すこ
とで使用可能である。
地方自治法
第 225 条に普通地方公共団体は、第 238 条の 4 の 4 項
の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は公の施設の使用に
検討事項
つき使用料を徴収することができるとしている。
徴収するかどうかは地方公共団体の判断で異なるため、事前に検討
しておく必要がある。
(財)省エネルギーセンターが平成 15 年にまとめた「自治体におけ
る ESCO 事業普及に関する調査報告書」によると、地方公共団体が施
設の使用料を徴収しても、ESCO 事業者側からすると、行政財産使用
整理方法の
料は結局、ESCO 事業者の事業費に反映されるので結果的に地方公共
考
団体の負担となるから使用料を取ることの事業上のメリットは無いと
察
している。
このため、帯広市としては、使用料について免除もしくは減額が望
ましいと考える。
関係法令
地方自治法
第 225 条
地方自治法
第 238 条の 4
【帯広市の対応方針】
使用料徴収は、シェアード・セイビングス契約における ESCO サービス料に加算され
ることから、帯広市としては、使用料を免除もしくは減免することとする。
6−8
第6章 ESCO 事業導入方針
表6−2
番号
1
項
目
課
ESCO 事業者との
随意契約
地方公共団体 ESCO 事業に係わる法的解釈一覧表
題
地方自治法では、一般競
解
釈
関係法令
地方自治法施行令第 167 地方自治法第 234
争入札を基本としているた 条の 2 で随意契約できる場 条
め、随意契約は抵触するの 合の条件が示されている 地方自治法施行令
ではないか。
が、「その性質又は目的が 第 167 条の 2
競争入札に適しないもの」 地方自治法施行令
とある。ESCO 事業は、こ 第 167 条の 10
の条件に該当するとの解 の 2
釈がなされている。
2
契約が複数年
となること
複数年の債務負担行為を
ESCO 事業は、省エネルギー 自治導第 139 号※1
禁じた財務局長通知に抵触 サービスなので一般の工事調
しないか。
達ではなく、役務調達であ
るとの解釈がなされてい
る。したがって、建設工事
費を建設完了後に長期で
支払うのではなく、役務の
対価としてサービス料を
毎年支払っていることに
なる。
3
ESCO 事業者が倒産など
シェアード契約時の
ESCO 事業者倒産 により設置した設備が第 3
による設備所有権
ESCO 事業者が設置し 民法第 370 条
所有する省エネルギー機
者に渡り、使用できなくな 器は、不動産ではないため
る恐れはないか。
「抵当権」の設定は出来な
いが、設備所有権が第 3 者
に渡り ESCO 事業が継続
出来なくなる可能性もあ
り、設備の譲渡や運用等に
ついて、事前に取り決めて
おく必要がある。
4
契約終了後の
設備所有権
複数年の契約終了後に事
総 務 省 は 契 約 書 な ど で 自治導第 139 号※1
業資産の所有権を地方公共 事前に移転を定めないで、
団体に移転すると割賦払い 契 約 終 了 後 に 自 治 体 と
とみなされ、数年にわたる ESCO 事業者が所有権移
債務負担行為を禁じた財務 転に関する協議を行うこ
局長通知に抵触しないか。 とを、募集要項などでうた
うよう指導している。
※1
自治導第 139 号
:
債務負担行為運用に係る総務省財務局長通達
6−9
第6章 ESCO 事業導入方針
(3)契約上の留意点
先行地方公共団体における契約書は、基本的には平成 11 年度に、新エネルギー・産業
技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「先導的エネルギー使用合理化設備導入モデ
ル事業」
((財)省エネルギーセンター作成)の調査報告書において作成された「ESCO 標
準契約」に基づき作成されている例が多い。
帯広市においても、この「標準契約書」に基づき帯広市の考え方を反映させた「契約書」
の策定を行うものとするが、下記に留意点を示す。
1)ESCO 機器の所有権の移動
地方公共団体におけるシェアード・セイビングス契約による ESCO 事業の場合、ESCO
事業契約終了後の ESCO 機器類の所有権については、無償譲渡を求める地方公共団体が
ほとんどである。
総務省は、『契約書での所有権の明記は避け、募集要項等で所有権の移転に関する協議
をうたうことで対応する』よう指導している。
ESCO 契約終了後の機器類には、残存価値のある機器もあり、ESCO 事業者にとっては
大きなリスクとなっているとともに、あらかじめ ESCO サービス料金に組み込まれてい
る場合も考えられる。
...........
最近の例では、募集要項に「ESCO 設備等の所有権については協議をすることが出来る
ものとする」となっており、契約終了後の ESCO 機器の取り扱いにおいて、ESCO 事業
者の不利益とならないような配慮がされている。
帯広市においても、ESCO 事業終了後の ESCO 機器類の取り扱いについて、上記のよ
うな配慮についての要否を判断する必要がある。
【帯広市の対応方針】
帯広市としては、多くの ESCO 事業者の参入を促すため、事業終了後の ESCO 設備機
............
器等の所有権については、『協議することが出来るもの』とし、募集要項に表記するもの
とする。
帯 広 市
帯
ESCO 機器所有権者
広 市
設計・施工
設計・施工
料金支払
効果保証
投資
ESCO 事業者
料金支払
債務返済
ESCO 事業者
金融機関
融資・リース
自己資金型契約
民間資金型契約
(ギャランティード・セイビングス)
(シェアード・セイビングス)
図6−5
6−10
ESCO 事業の契約形態と ESCO 機器所有権
第6章 ESCO 事業導入方針
2)事業者倒産への対処
シェアード・セイビングス契約方式の場合、ESCO 事業契約期間中の設備所有権は
ESCO 事業者にあるため、ESCO 事業者の倒産により債権者に差し押さえられる等となっ
た場合、事業の継続が保証されなくなるとともに、公共施設の運営に支障を与えることと
なる。
帯広市としては、あらかじめ公共施設の運営に支障を及ぼすことがないように ESCO
設備の継続稼働を担保する必要があり、対処方法を講ずる必要がある。
■金融機関から資金調達が行われた場合
この場合、ESCO 事業者と金融機関との間で「譲渡担保契約」が締結されるのが一般的
であり、ESCO 事業者倒産時には、金融機関が設備の所有権を主張することとなる。
したがって、地方公共団体としては、ESCO 事業者・金融機関と設備の譲渡や設備運用
等について、あらかじめ協議決定しておく必要がある。
なお、最近の ESCO 事業では、応募者役割の中に「その他役割」として、運転・維持
管理・金融・燃料供給などに関する業務を分担する企業の参加を認めており、これにより、
資金調達によるリスク分担を明確にしている例も見られる。
事業者倒産
金融機関
帯広市
帯広市の買い取り
ESCO 事業
中
止
第三者への譲渡
事業継続に関す
事業継続
判
断
る取り決めがあ
らかじめ必要
事業継続者の選定
ESCO 事業継続
6−11
第6章 ESCO 事業導入方針
■ESCO 事業者の自己資金の場合
ESCO 事業者の自己資金にて事業が行われていても、債権者がいる場合も考えられ、債
権者による設備機器の差し押さえ等が考えられる。
したがって、この場合、ESCO 事業者倒産時に設備の所有権を帯広市に移転するものと
するが、無償譲渡とした場合、債権者詐害行為※1の法律に抵触することから、帯広市の買
い取り(有償譲渡)とし、所有権を移転する(停止条件付売買契約※2)こととする等の配
慮が必要である。
事業者倒産
帯広市が買い取り、所有権を移転
ESCO 事業
中
事業継続
判
断
止
事業継続者の選定
ESCO 事業継続
【帯広市の対応方針】
帯広市としては、ESCO 事業者倒産に伴うリスク回避策として、
『停止条件付き契約』
とするとともに、あらかじめ事業継続に関する内容を ESCO 事業者と協議決定し、契約
書に明文化するものとする。
※1
債権者詐害行為
債務者が債権者の権利を害する事を認識しつつ、自己の財産を売買するなどして
積極的に減少させる行為。
※2
停止条件付売買契約
売買契約を締結するときに、一定期間内に一定の条件を目的達成できない場合、
売買契約そのものを白紙解除することができる特約。
6−12
第6章 ESCO 事業導入方針
3)契約終了後の運用
シェアード・セイビングス契約、ギャランティード・セイビングス契約のいずれの方式
においても、契約終了時に ESCO 事業者が行っていた運用管理業務を帯広市が引継ぐこ
ととなる。
この場合、帯広市が ESCO 事業者に代わり、継続して運用可能な管理業務の場合は特
に問題はないが、設備内容の特殊性により ESCO 事業者に管理業務を委託する必要があ
る場合は、あらかじめ協議しておく必要がある。また、新規事業者に管理業務を委託する
場合においては、ESCO 事業者が運用管理業務において用いていた ESCO 事業者特有の
技術や機器に関する守秘に係る事項の取扱いについて、省エネルギーサービス契約にその
取扱いを定めるとともに、帯広市と ESCO 事業者間で十分な協議のうえ対応する必要が
ある。
■ESCO 事業終了後も必要となる業務
下記に示す業務は、日常の運転における必須業務であり、ESCO 事業終了直後より必要
となる業務である。
帯広市・ESCO 事業者又は新規事業者の何れが実施するのか、事前の十分な協議が必要
である。
・ESCO 機器の運転
・ESCO 機器の維持・管理
・緊急時等の対応
【帯広市の対応方針】
帯広市としては、運用管理業務を円滑に行うために、事業終了後の運用管理指針の作成
等について ESCO 事業者と事前に十分な協議を行い、包括的エネルギー契約にその取扱
いを定めるものとする。
6−13
第6章 ESCO 事業導入方針
(4)ESCO 提案の審査方法(案)
1)簡易公募の導入
帯広市としては、ESCO 公募時の事業者負担軽減の観点から、審査過程を二段階とし、
1 次選考の際には概略検討での提案を求め、それを通過した事業者による 2 次選考の際に
更に検討を加えたものを求めることで、提案にかかる事業者側の業務量の負担軽減を図る
方針である。しかし、受注を目指している ESCO 事業者にとっては、2 次選考に残るため
に、1 次選考時においても詳細な検討を行うため、業務負担軽減とはなっていないとの意
見もある。
そこで、帯広市としては、更なる事業者負担軽減策として、二段階審査方式の他に『提
案審査書類削減型による一段階審査』を導入するものとする。
審査方式の選定にあたっては、ESCO 事業規模・応募事業者数等を勘案し、公募に先立
ち、外部有識者を含めた『ESCO 提案審査委員会(仮称)』にて協議の上決定するものと
する。また、二段階審査を選定した場合は、1 次選考の実施有無についても決定するもの
とする。なお、1 次選考の実施について公募前に決定できない場合は、1 次選考を実施し
ない場合もあることを、募集要項に明記する。
審査方式の概略フロー図を下記に示す。
審査方式の決定
『ESCO 提案審査委員会』
①
二段階審査
②
一段階審査
提案審査書類削減型
公
1 次選考
募
実施しない場合もある
提案審査書類の簡素化
2 次選考
提案書類の提出
最優秀事業者選定
最優秀事業者選定
詳細書類での協議
詳細設計
図6−7
6−14
審査フロー
第6章 ESCO 事業導入方針
①ニ段階審査の概要
二段階選考方式を導入した場合の審査フローを図6−8に示す。
ESCO 提案審査委員会により、1 次選考
の実施有無について事前に決定してお
公
募
くが、参加表明受付の状況を考慮できる
ように、実施しない場合もあることを募
集要項に明記する。
参加表明受付
【概略検討提案】
簡
易
審
1 次選考実施
査
・省エネ提案項目とその技術説明書で
の評価
・事業内容の説明と事業化への考え方
に対するヒアリングの実施
【基本設計レベルでの詳細提案】
詳
細
2 次選考実施
審
ESCO 事業全般に関する詳細提案書
類の提出を求めるとともにに、プレゼ
ンテーションを実施し、点数判定によ
査
る評価を行う。
最優秀事業者選定
優先交渉権者の選定
【NO】
詳細設計
図6−8
二段階審査フロー
6−15
第6章 ESCO 事業導入方針
■1 次選考の考え方
1 次選考は、概略検討での提案を求めていることから、事業者の提案する「省エネル
ギー項目」
(補助金あり・補助金なし)とその効果が所定のレベル以上であるかを審査
するとともに、
「ヒアリング」により事業遂行能力、技量、資質、更に事業化への意欲
を審査し、両者の総合点数にて評価を行なう。(総合点数 100 点満点による評価)
【省エネ改修項目についての審査項目】
審査項目を下記に示す。
なお、各審査項目の配点については、事業案件ごとに重点とする項目の配点を変更す
ることを基本とする。
(1)一次エネルギー削減率
(2)二酸化炭素削減率
(3)概算光熱水費削減額
(4)単純回収年
省エネ評価表
評価項目(順位付用) 配点
①一次エネルギー
削減率
②二酸化炭素削減率
③概算光熱水費
削減額
採点基準
評価点
25 点 各社提案中の最高値を「25」点とし、その他の
得点を(当該数値/最高値)×25 で点数化す
25 点 る
各社提案中の最高値を「20」点とし、その他の
20 点 得点を(当該数値/最高値)×20 で点数化す
る
各社提案中の最少年数を「10」点とし、その他
④単純回収年
10 点 の得点を(最少値/当該年)×10 で点数化す
る
点数合計
80 点満点
【ヒアリングについての審査項目】
提案内容についての説明を求め、事業化の確実性と事業者の資質を評価する。
ヒアリング評価表
評価項目
配点
採点基準
提案の実現可能性
10 点
事業化への意欲・熱意
10 点
優れている(8
充
分(6
やや不充分(4
不 充 分(0
点数合計
6−16
20 点満点
評価点
∼10)
∼ 7)
∼ 5)
∼ 3)
第6章 ESCO 事業導入方針
■2 次選考の考え方
最優秀事業者の決定となることから、1 次選考時よりも更に詳細な検討による省エネ
ルギー改修提案を求めるとともに、プレゼンテーションによる事業遂行能力、技量、資
質、更に事業化への意欲等を参考とし、その効果のレベルを点数審査し評価を行う。
なお、詳細検討により算出した 2 次選考用の諸数値は、1 次選考次の際に提示した数
値に対して、10%以内の下方修正は認めるものとするが、それ以上の場合は失格とする。
また、ここで提案された数値については、今後の契約に向けた詳細設計において下方
修正は認めないものとする。(評価項目審査点数 275 点による評価)
【提案審査評価項目】
全国で実施された自治体 ESCO で採用されている審査評価項目を分類すると、概ね
「経済性評価項目」
・
「技術・提案内容評価項目」
・
「運営能力評価項目」
・
「エネルギー削
減評価項目」・
「CO2削減等環境評価項目」の 5 つに分類される。
◇経済性評価項目
・15 年間の利益総額が大きいこと
・契約期間中の各年の利益がある程度見込まれること
・光熱水費削減保証額が高いこと
・契約期間が可能な限り短いこと
・最低保証額が高いこと
・改修費が少なく、コストパフォーマンスが良いこと
◇技術・提案内容評価項目
・ESCO 事業に係る補助金等の可能性の提案があること
・技術提案に具体性・妥当性があること
・提案に独自性や特殊なノウハウが含まれること
・既設機器の更新に係る改修が考慮されていること
・維持管理、計測・検証方法及び運転管理方針の提案に具体性・妥当性があること
・契約期間終了後の対応について提案があること
・提案が全体としてバランスが良く優れていること
・改修施工が施設運営、業務に支障ない範囲で行えること
◇事業者の運営能力評価項目
・資金調達計画が信頼できること
・優れた品質管理と確実な工事により、ESCO サービスの提供ができること
・企業の信頼度、サービス体制が充実していること
・削減最低保証額への説明に信頼性があること
・ESCO 事業者として、検証業務を信頼して任せられること
・安全性・信頼性・災害時等を含む緊急時対応が明確であること
6−17
第6章 ESCO 事業導入方針
◇エネルギー削減評価項目
・対象建物全体の省エネルギー率が●●%以上であり、省エネルギー効果が十分ある
こと
◇CO2削減等環境評価項目
・二酸化炭素排出の削減効果が高い等、地球温暖化対策に有効であること
・NOX、SOX、ばいじん、騒音等についての環境対策が考慮されていること
【評価項目配点と配点率】
提案審査評価項目の分類に従い、27 事例の地方公共団体 ESCO の評価項目の重み付
けに関する分析を行った結果を表6−3に示す。
分析結果では、「提案・技術」について高い評価をしている地方公共団体が多くを占
め(22 事例)、続いて「経済性」について高い評価をしている結果となった(5 事例)。
表6−3
地方公共団体 ESCO 全国事例調査(配点集計)
CO2削減
経済性
提案・技術
運営能力
1 大阪府府民センタービル
大阪府
2002.01
25
9%
50
19%
80
30%
90
33%
25
9%
270
2 総合リハビリテーションセンター
埼玉県
2003.01
25
9%
35
13%
75
28%
100
38%
30
11%
265
3 山口県立中央病院
山口県
2003.02
5
6%
5
6%
30
33%
45
50%
5
6%
90
4 区役所庁舎
東京都板橋区
2003.04
8
9%
4
4%
16
17%
40
43%
24
26%
92
5 大阪府立呼吸器、アレルギー医療センター 大阪府
2003.07
25
9%
50
19%
80
30%
90
33%
25
9%
270
6 公共施設
2003.09
25
9%
35
13%
70
26%
105
40%
30
11%
265
番号
件 名
自治体
東京都三鷹市
公募時期
省エネ
計
7 浦和地方庁舎
埼玉県
2003.11
25
8%
25
8%
70
23%
135
45%
45
15%
300
8 横浜市南部病院
横浜市
2003.12
25
8%
50
16%
75
24%
120
39%
40
13%
310
9 大阪府立労働センター
大阪府
2004.01
25
9%
50
19%
80
30%
90
33%
25
9%
270
10 マイドームおおさか
大阪府
2004.01
25
9%
50
19%
80
30%
90
33%
25
9%
270
11 千代田区立総合体育館
東京都千代田区
2004.01
30
10%
60
20%
125
42%
60
20%
25
8%
300
340
12 こうべ市民福祉交流センター
神戸市
2004.01
50
15%
15
4%
140
41%
115
34%
20
6%
13 山口県庁舎
山口県
2004.01
10
10%
10
10%
20
20%
57
57%
3
3%
100
14 上越市庁舎
新潟県上越市
2004.02
25
10%
40
16%
40
16%
110
44%
35
14%
250
15 国立環境研究所
独立行政法人
2004.06
25
9%
45
16%
75
27%
135
48%
0
0%
280
16 市立札幌病院
札幌市
2004.07
50
16%
45
14%
45
14%
110
35%
65
21%
315
675
17 大阪府府庁舎本館・別館
大阪府
2004.08
25
4%
50
7%
400
59%
180
27%
20
3%
18 横浜市横浜3施設
横浜市
2004.12
25
8%
40
13%
60
20%
140
47%
35
12%
300
19 東京都立広尾病院
東京都
2004.12
40
10%
40
10%
140
35%
130
33%
50
13%
400
20 青森県庁舎・警察本部
青森県
2005.04
25
10%
50
20%
70
27%
80
31%
30
12%
255
21 うるま市本庁舎ほか
沖縄県
2005.05
25
8%
50
17%
80
27%
90
31%
50
17%
295
22 大阪府立青少年海洋センター
大阪府
2005.06
25
9%
50
19%
80
30%
90
33%
25
9%
270
23 大阪府立体育会館
大阪府
2005.06
25
9%
50
19%
80
30%
90
33%
25
9%
270
24 長野運動公園
長野県
2005.07
35
12%
35
12%
90
30%
110
37%
30
10%
300
25 横浜市戸塚センター
横浜市
2005.09
25
8%
40
13%
95
31%
110
35%
40
13%
310
26 横浜こども科学館
横浜市
2005.10
25
8%
65
20%
60
19%
130
41%
40
13%
320
27 大塚病院
東京都
2006.01
40
10%
65
16%
140
35%
50
13%
105
26%
400
配点率
評価最高点
6−18
第6章 ESCO 事業導入方針
全国の実施状況では、
「提案・技術」と「経済性」の二項目が全体の 66%を占める結
果となっている。
下記の表6−4に各評価項目に対する配点率を示す。
表6−4
評価項目配点率
省エネ
CO2削減
経済性
提案・技術
運営能力
9%
14%
29%
37%
11%
【帯広市 ESCO 提案評価基準(案)】
「地方公共団体 ESCO 全国事例調査」の評価実績を参考とし、帯広市が目指す ESCO
事業の方向性を反映し、評価ウェイトを下記に示す表6−5とした。
表6−5
帯広市 ESCO 提案評価基準(案)
省エネ
CO2削減
経済性
提案・技術
運営能力
9%
15%
33%
33%
10%
【全国実施事例と帯広市評価基準の考え方】
・全国の実施状況は、提案・技術および経済性について高い評価ウエイトになってい
る。今回は、この方向性を継承しているが、帯広市の財政に寄与することを目的と
して、経済性に関する評価を全国平均よりも 4%高くした。
・コスト削減は、確かな技術提案に裏付けられている必要があるため、提案・技術力
と一体で考えることが望ましい。このため、経済性と提案・技術に関する評価を同
率(33%)とした。
・ESCO 事業本来の目的である地球環境保護の考えを尊重し、CO2削減および省エネ
ルギーに関する評価を全国平均ウェイトとした。
・募集企業の運営能力や企業の能力を評価する項目は、定性的な印象判断や審査する
個人によって差が出やすいことなどを考慮して全国平均よりも 1%低くした。
6−19
第6章 ESCO 事業導入方針
【審査評価項目(案)
】
「経済性評価項目」
・
「技術・提案内容評価項目」
・
「運営能力評価項目」
・
「エネルギー
削減評価項目」
・
「CO2削減等環境評価項目」の概ね 5 つに分類される各評価項目のうち、
定性的な印象判断や審査する個人によって差が出やすい評価項目については、透明性の
ある評価を実施するために帯広市としては、採用しないこととした。
・企業の信頼度、サービス体制が充実していること。
・提案が全体としてバランスがよく、優れていること。
・ESCO 事業者として検証業務を信頼して任せられること。
また、事業者リスク軽減に配慮した評価項目とすることから、「独自性や特殊なノウ
ハウに関する提案」及び「地場産業の活用」に関する項目についても、採用しないこと
とした。
・「提案に独自性や特殊なノウハウが含まれていること」は、過去の事例から特殊な
ノウハウを多く期待できないことが多く、事業者の作業量が増大するとともに、契
約終了後の運用においても、問題となる部分である。
・「地元業者を活用していること」は、事業者の選択に委ねることがリスク回避とな
る。
以上の考えの基、15 項目による「帯広市 ESCO 提案審査評価項目(案)」を次ペー
ジに示す。
なお、次ページに示す評価項目(案)の配点については、事業案件ごとに重点とす
る項目の配点係数を変更することを基本とする。
評価項目の内、『⑤技術・提案の具体性・妥当性』・『⑪提案者の経営状況や資金調
達計画』
・
『⑬対象建物の省エネルギー率』の評価については、要求事項を満足してい
ない場合は失格とする。
また、『⑦既設機器の更新』の評価については、更新に係る提案が無い場合は0点
とする。
6−20
第6章 ESCO 事業導入方針
【帯広市 ESCO 事業評価項目
評価分類(案)】
■ 経済性評価項目
・15 年間の利益総額が大きいこと
25点
・ESCO 契約期間中の各年の本市利益が大きいこと
25点
・最低保証基準額が高いこと
25点
・ESCO 契約期間が可能な限り短いこと
15点
小計
90点
■ 技術・提案内容評価項目
・技術・提案に具体性・妥当性があること
25点
・補助金等の可能性の提案があること
20点
・既設機器の更新に係る配慮があること
10点
・設備維持管理、計測・検証方法及び運転管理指針の提案に
具体性・妥当性があること
15点
・改修施工が施設運営、業務に支障のない範囲で行えること
15点
・契約期間終了後の対応について提案があること
5点
小計
90点
■ 事業者の運営能力評価項目
・提案者の経営状況や資金調達計画が信頼できること
15点
・優れた品質管理を行い、期限までに確実に工事を完了し
設備を市に引き渡しできる信頼性があること
15点
小計
30点
■ エネルギー削減評価項目
・対象建物全体の省エネルギー率が(特記 ESCO 提案募集要項に
定める率)%以上であり、省エネルギー効果が十分あること
25点
■ CO2削減等環境評価項目
・二酸化炭素排出の削減効果が高いこと
20点
・NOX、SOX、ばいじん、騒音等についての
環境対策が考慮されていること
20点
小計
合計
40点
275点
6−21
第6章 ESCO 事業導入方針
評価項目
■経済性評価項目
①15 年間の利益総額が大きいこ
と。
②ESCO 契約期間中の各年の本
市利益が大きいこと。
③最低保証基準額が高いこと。
④ESCO 契約期間が可能な限り
短いこと。
■技術・提案内容評価項目
⑤技術・提案に具体性・妥当性が
あること。
⑥補助金等の可能性の提案があ
ること。
⑦既設機器の更新に係る配慮が
あること。
⑧設備維持管理、計測・検証方法
及び運転管理指針の提案に具
体性・妥当性があること。
⑨改修施工が施設運営、業務に支
障のない範囲で行えること。
⑩契約期間終了後の対応につい
て提案があること。
提案に独自性や特殊なノウハウ
が含まれること。
■事業者の運営能力評価項目
⑪提案者の経営状況や資金調達
計画が信頼できること。
⑫優れた品質管理を行い、期限ま
でに確実に工事を完了し設備
を市に引き渡しできる信頼性
があること。
地元企業を活用していること。
⑮NOX、SOX、ばいじん、騒音等
についての環境対策が考慮さ
れていること。
評価点合計(275点満点)
6−22
係数
評価点
最高値を「5」点とし、その他
の得点を(当該数値/最高値)
×5で算出
最高値を「5」点とし、その他
の得点を(当該数値/最高値)
×5で算出
最高値を「5」点とし、その他
の得点を(当該数値/最高値)
×5で算出
5=短い4=やや短い3=中
程度である
2=やや長い1=長い
5
25
5
25
5
25
3
15
5=大いにある4=やや大で
ある3=中程度である2=や
や足りない1=足りない
5=大いにある4=やや大い
にある3=中程度である2=
やや乏しい1=乏しい
5=大である4=やや大であ
る3=中程度である2=やや
少ない1=少ない
5=大いにある4=やや大で
ある3=中程度である2=や
や少ない1=少ない
5
25
4
20
2
10
3
15
5=非常に良い4=良い3=
中程度である2=やや悪い1
=悪い
5=大いにある4=やや大い
にある3=中程度である2=
やや少ない1=少ない
5=大いにある4=やや大で
ある3=中程度である2=や
や少ない1=少ない
3
15
1
5
備考
設置場所等を含めて、明
らかに具体性・妥当性を
欠く場合は失格。
提案がない場合は0点
とする。
応募者数確保のため事
業者リスク軽減に配慮して
削除する。
0
5=信頼性が高い4=信頼性
がやや高い3=中程度である
2=やや信頼性が低い1=信
頼性が低い
5=大である4=やや大であ
る3=中程度である2=やや
少ない1=少ない
3
15
3
15
5=非常に良い4=良い3=
中程度である2=やや悪い1
=悪い
0
最高値を「5」点とし、その他
の得点を(当該数値/最高値)
×5で算出
5
25
最高値を「5」点とし、その他
の得点を(当該数値/最高値)
×5で算出
5=大いにある4=やや大で
ある3=中程度である2=や
や足りない1=足りない
4
20
4
20
提案者の経営状況や資
金調達計画が不良の場
合は失格。
事業者リスク軽減のため、
事業者の選択に委ねる
こととし削除。
省エネルギー率(特記E
SCO提案募集要項に
定める率)%未満は失
格。
資料3−3
■エネルギー削減評価項目
⑬対象建物全体の省エネルギー
率が(特記 ESCO 提案募集要項
に定める率)%以上あり、省エ
ネルギー効果が十分あること。
■CO2削減等環境評価項目
⑭二酸化炭素排出の削減効果が
高いこと。
採点基準
第6章 ESCO 事業導入方針
②提案審査書類削減型による一段階審査の概要
帯広市としては、二段階審査方式の 1 次選考時に提出を求めている提案書類に類した簡
易な提案書によって最優秀提案者を決定し、2 次選考は行わない提案審査書類の簡素化に
よる『提案審査書類削減型による一段階審査』を導入し、更なる事業者負担の軽減化を図
るものとする。
簡易提案書類のみで最優秀提案者を決定することから、この提案書は、簡易でありなが
ら従来の 1 次選考の提案書とは違い、契約期間・自治体利益等の帯広市の利益を定量的に
判断できる項目を追加している。
定量的項目(15 年間自治体利益総額・
公
契約期間・省エネ率・CO2 削減率・自治
募
体利益)と定性的項目(改修手法の具
体性、妥当性・提案の特徴等)につい
ての書類を提出させ、二段階審査の 2
次選考時の考えに基づきその効果レベ
参加表明受付
ルを点数審査するとともに、提案に対
するプレゼンテーションを実施し、全
体評価を行う。
なお、簡易公募とすることから、定量
審
査
的項目算出時における試算データや事
業資金計画書・収支計画書等の詳細書
類提出は、この時点では求めないもの
とする。
最優秀事業者選定
提案審査書類削減型公募
優先交渉権者の選定
二段階審査方式での 2 次選考時に提出を
【NO】
求めている提案書類に類した詳細書類の
提出を求め、提案の根拠を明らかにする。
詳細書類の受付と協議
この詳細書類は、当初の提案を受けて作
成するものであるが、合理的な範囲で修正す
ることができる。但し、選定 ESCO 事業者の
提案を不誠実なものと認めた場合には、優秀
契約に向けての詳細設計
提案を行った者のうちから、次順位の者との
協議を行う。
図6−9
一段階審査フロー
6−23
第6章 ESCO 事業導入方針
■評価項目と配点係数
審査対象とする評価項目は、二段階審査の 2 次選考時の評価項目を準用するが、より
詳細な検討を行わなければ提案できない『設備維持管理・計測検証方法及び運転管理指
針』に関する項目は除くものとする。
各項目の配点係数は、
「自治体 ESCO 全国事例調査」の評価実績を参考とした帯広市
の評価ウェイトを基準とするが、定性的な印象判断や審査する個人によって差が出やす
い評価項目は若干低めの評価とした。
次ページに評価項目(案)を示す。
なお、評価項目(案)の配点係数については、事業案件ごとに重点とする項目の係数
を変更することを基本とする。
評価項目の内、『④技術・提案の具体性・妥当性』・『⑨提案者の経営状況や資金調達
計画』
・
『⑪対象建物の省エネルギー率』の評価については、要求事項を満足していない
場合は失格とする。
また、『⑥既設機器の更新』の評価については、更新に係る提案が無い場合は0点と
する。
6−24
第6章 ESCO 事業導入方針
評価項目
採点基準
係数
評価点
■経済性評価項目
①15 年間の利益総額が大きいこ
と。
②ESCO 契約期間中の各年の本市
利益が大きいこと。
最高値を「5」点とし、その他の
得点を(当該数値/最高値)×5
で算出
最高値を「5」点とし、その他の
得点を(当該数値/最高値)×5
で算出
5
25
5
25
③ESCO 契約期間が可能な限り短
いこと。
最高値を「5」点とし、その他の
得点を(当該数値/最高値)×5
で算出
4
20
5=大いにある4=やや大であ
る3=中程度である2=やや足
りない1=足りない
5
25
5=大いにある4=やや大いに
ある3=中程度である2=やや
乏しい1=乏しい
5=大である4=やや大である
3=中程度である2=やや少な
い1=少ない
5=大いにある4=やや大であ
る3=中程度である2=やや少
ない1=少ない
4
20
2
10
5=非常に良い4=良い3=中
程度である2=やや悪い1=悪
い
5=大いにある4=やや大いに
ある3=中程度である2=やや
少ない1=少ない
3
15
1
5
5=信頼性が高い4=信頼性が
やや高い3=中程度である2=
やや信頼性が低い1=信頼性が
低い
5=大である4=やや大である
3=中程度である2=やや少な
い1=少ない
3
15
3
15
最高値を「5」点とし、その他の
得点を(当該数値/最高値)×5
で算出
5
25
最高値を「5」点とし、その他の
得点を(当該数値/最高値)×5
で算出
5=大いにある4=やや大であ
る3=中程度である2=やや足
りない1=足りない
4
20
1
5
■技術・提案内容評価項目
④技術・提案に具体性・妥当性があ
ること。
⑤補助金等の可能性の提案がある
こと。
⑥既設機器の更新に係る配慮があ
ること。
設備維持管理、計測・検証方法及び
運転管理指針の提案に具体性・妥当
性があること。
⑦改修施工が施設運営、業務に支障
のない範囲で行えること。
⑬NOX、SOX、ばいじん、騒音等に
ついての環境対策が考慮されて
いること。
評価点合計(225点満点)
点とする。
0
簡易公募を考慮し削
除
提案者の経営状況や
資金調達計画が不良
の場合は失格。
省エネルギー率(特
記ESCO提案募集
要項に定める率)%
未満は失格。
資料3−3
⑩優れた品質管理を行い、期限まで
に確実に工事を完了し設備を市
に引き渡しできる信頼性がある
こと。
■エネルギー削減評価項目
⑪対象建物全体の省エネルギー率
が(特記 ESCO 提案募集要項に
定める率)%以上あり、省エネル
ギー効果が十分あること。
■CO2削減等環境評価項目
⑫二酸化炭素排出の削減効果が高
いこと。
提案がない場合は0
帯広市 ESCO 事業導入可能性調査
■事業者の運営能力評価項目
⑨提案者の経営状況や資金調達計
画が信頼できること。
設置場所等を含め
て、明らかに具体
性・妥当性を欠く場
合は失格。
第2回委員会(平成 18 年 11 月 24 日)
⑧契約期間終了後の対応について
提案があること。
備考
6−25
第6章 ESCO 事業導入方針
2)ESCO 提案審査書類概要
下記に二段階審査及び一段階審査において提出を求める提案審査書類の概要を示す。
なお、詳細については【資料編】を参照。
◆二段階審査提出書類
【1 次選考時の提出書類】→
全ての応募者に提出を求める
1
要求書類
提案総括書
概
要
・改修提案項目一覧表(エネルギー・CO2排出削減量、
光熱水費削減額、投資額、単純投資回収年 等)
2
技術提案書
・当該施設に関するエネルギー評価内容と各省エネ
改修項目毎の内容説明
【2 次選考時の提出書類】→
1
要求書類
提案総括書
2
技術提案書
2 次選考に残った応募者にのみ提出を求める
概
要
・改修提案項目一覧表(エネルギー・CO2排出削減量、
光熱水費削減額、投資額、単純投資回収年 等)
・契約内容提案(契約期間、ESCO サービス料年額・
総額、年利益(公共団体)
、15 年間の利益総額、光
熱水費削減保証額)
・当該施設に関するエネルギー評価内容と各省エネ改
修項目毎の内容説明
・エネルギー削減量等に関する技術的根拠説明
・NOx、SOx、ばいじん、騒音等についての環境対策
内容等の説明
・改修工事時の施設運営に関する説明
・契約期間終了後に関する説明
・設備機器更新に関する説明
3
1)15 年間収支説明表
2)事業収支計画表
事業資金計画書
6−26
・15 年間の各年における光熱水費削減額、工事費償
還分、各種費用等の内訳と、ESCO サービス料や
市の利益の集計 ※補助金の有無によるケース分
け
・ESCO 事業者としての資金借入、返済計画を含め
た契約期間全体に渡る事業収支計画
3)資金計画表
・資金調達企業毎の自己資本、外部借入金額、予定金
融機関名等の詳細
4)工事予算等経費説明
・工事費、その他各種経費の算定根拠
特に大型機器等高額物品等は数量・単価等を明示し
その他は概算でも可
5)補助金関係説明
・利用可能と想定している補助金の種類・額、交付要
件、提案内容の補助金獲得の可能性等に関する考察
第6章 ESCO 事業導入方針
4
維
持
管
理
等
説
明
書
1)維持管理計画説明
・ESCO 設備の維持管理業務の内容と、それに要する
経費見積額(算定根拠共)
2)計測・検証計画説明
・提案した光熱水費削減予定額や削減保証量が確実に
守られていることを証明するための計測・検証方法
の内容と、それに要する経費見積額(算定根拠共)
3)運転管理方針説明
・ESCO 設備及び市既存設備の適正運転のための管理
方針(案)と、それに要する経費見積額(算定根拠共)
4)緊急時対応方法説明
・提案の安全性・信頼性・災害時を含む緊急時対応方
法についての考え方
5
主要機器等の設置箇所図提案
・提案する ESCO 設備等の具体的な設置箇所等の図示
6
環境活動説明書
・環境活動に対する取り組み姿勢についての考え方
◆一段階審査提出書類
【提案審査時の提出書類】→
1
2
要求書類
提案総括書
技術提案書
全ての応募者に提出を求める。
概
要
・改修提案項目一覧表(エネルギー・CO2排出削減量、
光熱水費削減額、投資額、単純投資回収年 等)
・契約内容提案(契約期間、年利益(公共団体)
、15 年
間利益総額)
・当該施設に関するエネルギー評価内容と各省エネル
ギー改修項目毎の内容説明および下記に示す項目に
関する説明
・提案の基本方針・概要および提案の特徴説明
・エネルギー削減量等に関する技術的説明
・提案内容の補助金獲得可能性に関する説明
・改修工事時の施設運営に関する説明
・契約期間終了後に関する説明
・設備機器更新に関する説明
・資金調達計画に関する説明
6−27
第6章 ESCO 事業導入方針
【一段階審査時における詳細書類】→
最優秀事業者のみに提出を求める。
1
要求書類
提案総括書
概
要
・改修提案項目一覧表
→提案審査時の提案総括書と同じもので可
但し、改修項目に増減が有る場合は、その説明
書を添付する。
・契約内容提案
→提案審査時提出の内容に加え、光熱水費削減保
証額を記載(概算額で可)
2
技術提案書
・提案審査時の技術提案書で可。
→ただし、改修項目に増減が有る場合等で、説明
を追加することも可。
3
事業資金計画書
維持管理等説明書
1)15 年間収支説明表
・15 年間の各年における光熱水費削減額、工事費償還
分、各種費用等の内訳と、ESCO サービス料や市の
利益の集計 ※補助金の有無によるケース分け
2)事業収支計画表
・ESCO 事業者としての資金借入、返済計画を含めた
契約期間全体に渡る事業収支計画
3)資金計画表
・資金調達企業毎の自己資本、外部借入金額、予定金
融機関名等の詳細
4)工事予算等経費説明
・工事費、その他各種経費の算定根拠
特に大型機器等高額物品等は数量・単価等を明示し
その他は概算でも可
5)補助金関係説明
・利用可能と想定している補助金の種類・額、交付要
件、提案内容の補助金獲得の可能性等に関する考察
→提案審査時の提出書類でも可
1)維持管理計画説明
・ESCO 設備の維持管理業務の内容と、それに要する
経費見積額(算定根拠共)
2)計測・検証計画説明
・提案した光熱水費削減予定額や削減保証量が確実に
守られていることを証明するための計測・検証方法
の内容と、それに要する経費見積額(算定根拠共)
3)運転管理方針説明
・ESCO 設備及び市既存設備の適正運転のための管理
方針(案)と、それに要する経費見積額(算定根拠共)
4)緊急時対応方法説明
・提案の安全性・信頼性・災害時を含む緊急時対応方
法についての考え方
5
主要機器等の設置箇所図提案
・提案する ESCO 設備等の具体的な設置箇所等の図示
6
環境活動説明書
・環境活動に対する取り組み姿勢についての考え方
6−28
第7章 ESCO 普及の課題
第7章 ESCO 事業普及の課題
近年は、ESCO 事業募集に応じる企業数が減少する傾向にある。
この原因としては、公募に係る事業者の多大な作業負担、運営が長期に及ぶ場合の財政
的なリスクなどが考えられ、このままでは実力ある大手企業しか受託できず、地元企業
に広く参画してもらう道が途絶える可能性がある。
ここでは、帯広市の ESCO 事業に帯広地域の地元企業が広く参画し、地域一体となっ
た省エネルギー活動に展開していくために、今後更なる検討を加えていかなければなら
ない課題を示す。
1.ESCO 認知度拡大
北海道においても札幌市や北海道大学において公共施設の ESCO 事業が実施され、徐々
にではあるが、その認知度は上がってきている。
しかし、平成 17 年度に実施された『道有施設 ESCO 事業導入可能性調査』における道内
33 市への ESCO 事業に関するアンケート調査の結果では、『よく知っている』・『概要は
把握している』が 16 市、『名前は聞いたことがある』・『全く知らない』が 13 市(回答 29
市中)との結果となっている。
また、それをささえる地元事業者の「ESCO 事業」に対する認知度もまだまだ低い状態で
あると言わざるを得ないのが現状である。
帯広市が率先して事業化を推進し、その効果を示すと共に、その仕組みや特徴等の情報提
供を広く地域に対して行う必要がある。
2.公募プロポーザルにおける事業者の負担軽減
公募型プロボーザルは ESCO 事業者にとって、多大な労力と費用を強いていると言われ
ており、公共団体の ESCO 事業応募者数減少の一因となっていると考えられる。
このような状態を幾らかでも緩和すべく、帯広市においては、簡易公募(提案審査書類削
減型)の導入を提案しているが、審査書類削減により、審査する公共団体側が十分で正確な
審査が行えない可能性があることから、ある程度の精度を要求した仕組みとなっている。
今後、ESCO 事業の経験を積み重ね、更なる簡易公募による事業者負担軽減を図ることが
必要である。
また、小規模案件などでは、『公募』ではなく『指名競争入札』による事業者選定なども
検討を要するものと考えられる。
7-1
第7章 ESCO 普及の課題
3.契約方式の選択
公共団体での ESCO 事業の多くは、財政面における厳しい状況を反映し、シェアード・
セイビングス契約がほとんどであるが、事業規模が小さく事業収益面から見て事業性の乏し
い施設については、ギャランティード・セイビングス契約による ESCO 事業の推進と省エ
ネルギー化が必要である。
4.ESCO 実施体制の整備
ESCO 事業は、省エネルギーサービス契約という包括的業務で、事業期間が数年から十数
年にわたるなど従来の改修工事とは違った手続きになり、技術面・契約面等の色々な場面で
専門的知識による判断を要する局面が発生することが想定され、ESCO 事業の推進状況に応
じた実務的な調整・助言を一元的に扱うプロジェクトチームが必要になると考えられる。
また、最初の案件などは公募に対するコンサルティングの必要性も考えられる。
5.ESCO 効果の循環
ESCO 事業によって得られた公共団体の利益については、経費削減分として他の財源に割
り当てるのではなく、小規模施設等におけるギャランティード・セイビングス契約による
ESCO 事業導入のための原資として割り当てることで、更なる ESCO 事業の実施と、その
事業による地元中小企業の振興策として機能させることができると考えられ、資金循環の仕
組みを検討していくことが必要である。
7-2
帯広市 ESCO 事業導入可能性調査委員会 名簿
区 分
氏
名
ハ
ヤマ
トミ
タ
ド
イ
イシ
ダ
ナガ
タ
ナカ
ヤマ
コ
ヤマ
委 員 長
羽 山
副委員長
富 田
ヒロ
フミ
カズ
ヒコ
広 文
和 彦
サトシ
土 井
石 田
永 田
中 山
小 山
ハラ
委
員
原
聰
カツ
ミ
マサ
ヤス
ヨシ
ヒロ
ケン
イチ
タカ
ノリ
ユキ
ヤ
ヒデ
イツ
ヒデ
トシ
トシ
ノリ
トシ
タカ
マサ
キ
勝 美
雅 恭
喜 裕
賢 一
孝 則
シマ
ノ
アカ
エダ
嶋 野
赤 枝
サ
所
サ
キ
幸 也
秀 逸
佐々木 秀 敏
タカ
ハシ
モリ
ワキ
オ
バラ
高 橋
森 脇
小 原
敏 紀
俊 隆
優 樹
オブザーバー
エチ ゼ ン ヤ
越前谷
事 務 局
キタ
ガワ
アカ
エダ
ヤ
エ ガシ
コ
ヤマ
タニ
オ
オカ
ダ
北 川
赤 枝
ヨシヒロ
義弘
セイ
ジ
ヒデ
イツ
ヤス
シ
アキ
オ
誠 司
秀 逸
八重柏 泰 志
小 山
彰 夫
ジュン
谷 尾
岡 田
コンサルタント
淳
ナル
ト
成 人
属 ・ 役
職
北海道大学大学院 工学研究科 助教授
北海道立工業試験場 環境エネルギー部 エネルギー技術科長
北海道電力株式会社
土木部 建築設備 エネルギーグループリーダー
北海道ガス株式会社
エネルギー営業部 公共営業グループマネージャー
帯広ガス株式会社
営業部開発課
帯広空調衛生工事業協会 理事
帯広信用金庫
営業推進部 推進役
帯広市 総務部 庶務課長
帯広市 財政部 財政課長
帯広市 緑化環境部 環境課長
帯広市 建設部 建築課長
帯広市 上下水道部 下水道施設課長
帯広市 生涯学習部 スポーツ課長
北海道経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー対策課
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
北海道支部 支部長
帯広市 緑化環境部長
帯広市 緑化環境部 環境課長
帯広市 緑化環境部 環境課長補佐
帯広市 緑化環境部 環境課環境保全係長
帯広市 緑化環境部 環境課主査
帯広市 緑化環境部 環境課環境保全係主事
北電総合設計株式会社
委員会審議事項
開 催 回
第1回委員会
議
題
1.ESCO 事業導入検討に際する取り組み
と施設概要
2.委員会の活動目標及びスケジュール
平成 18年
7 月 24 日(月)
13:00 開催
3.ESCO 事業の現状と動向
4.省エネルギー診断手法
5.事業収支シミュレーション手法
第2回委員会
平成 18年
10 月 27 日(金)
14:00 開催
審 議 概 要
1.委員会の最終目標の確認
2.導入可能性施設の選定手法の確認
3.ESCO 事業導入候補施設の省エネル
ギー診断手法の確認
4.ESCO 事業費シミュレーション手
法の確認
1.調査対象施設の概要報告
1.帯広市独自の取組み姿勢の確認
2.調査対象施設のエネルギー消費概要
2.調査対象施設のエネルギー消費の
実態把握
3.削減可能性についての検討
4.ESCO 事業の可能性検討
3.削減可能項目の整理と確認
5.ESCO 導入における帯広市の方針
(案)
6.先進地調査結果報告
第3回委員会
1.ESCO 提案の審査方法(案)
1.提案審査方法の整理と確認
2.予想されるリスクと責任分担
2.リスクと責任分担の整理と確認
3.事業収支シミュレーション
平成 18年
11月 24 日(金) 4.事業導入スケジュール(案)
14:00 開催
5.地域普及に向けた課題
第4回委員会
3.ESCO 事業実施有力候補施設の選
定
4.募集要項(案)
・契約書(案)の確
認
6.募集要項(案)・契約書(案)
5.ESCO 普及へ向けた課題の抽出
1.委員会審議事項の反映内容確認
1.報告書の取りまとめ方針
2.報告書(案)の内容確認
平成 19年
1月 26 日(金)
14:00 開催
庁内検討委員会
3.資料編(案)の内容確認
第 1 回:平成 18 年 7 月 25 日(火)
、9:30~
第 2 回:平成 18 年 9 月 14 日(水)
、14:00~
第 3 回:平成 18 年 11 月 21 日(火)
、14:00~
第 4 回:平成 19 年 1 月 23 日(火)
、14:00~
音更方面
上士幌・糠平方面
国道
2
4
1
【調査対象施設位置】
号
調 査 対 象 施 設 数:全21施設
調査対象施設番号:報告書本編表3−1参照
十 勝 川
■ ⑯啓北コミセン
■ ④帯広川下水終末処理場
柏林台駅
西帯広駅
①帯広市役所本庁舎
■ ⑰西帯広コミセン
池田・釧路方面
狩勝峠・日勝峠・札幌方面
国道38号
■ ⑬東コミセン
帯
広
駅
■ ⑮森の里コミセン
⑭緑西コミセン ■
②とかちプラザ
⑤帯広百年記念館
札内川
■ ⑫鉄南コミセン
緑ヶ丘公園
第五旅団司令部
陸上自衛隊
帯広駐とん地
■ ⑦帯広の森第2アイスアリーナ
■ ⑥帯広の森アイスアリーナ
■ ⑪帯広の森研修センター
■ ⑧帯広の森市民プール
■ ⑩帯広の森スポーツセンター
帯広の森
■ ⑱南森コミセン
【 帯 広 市 】
⑨帯広の森体育館
国道38号線
国
道
北海道
3
2
号
6
十勝川
帯広市
■ ⑲帯広の森コミセン
幕別方面
⑳川西農業者研修センター
川西農業者研修センター ■
⑳大正農業者トレーニングセンター ■
③稲田浄水場 ■
札内川
幌尻岳
▲
中札内・広尾方面方面
拓成湖
帯広空港
国道235号線
音更方面
上士幌・糠平方面
国道
2
4
1
【調査対象施設位置】
号
調 査 対 象 施 設 数:全21施設
調査対象施設番号:報告書本編表3−1参照
十 勝 川
■ ⑯啓北コミセン
■ ④帯広川下水終末処理場
柏林台駅
西帯広駅
①帯広市役所本庁舎
■ ⑰西帯広コミセン
池田・釧路方面
狩勝峠・日勝峠・札幌方面
国道38号
■ ⑬東コミセン
帯
広
駅
■ ⑮森の里コミセン
⑭緑西コミセン ■
②とかちプラザ
⑤帯広百年記念館
札内川
■ ⑫鉄南コミセン
緑ヶ丘公園
第五旅団司令部
陸上自衛隊
帯広駐とん地
■ ⑦帯広の森第2アイスアリーナ
■ ⑥帯広の森アイスアリーナ
■ ⑪帯広の森研修センター
■ ⑧帯広の森市民プール
■ ⑩帯広の森スポーツセンター
帯広の森
■ ⑱南森コミセン
【 帯 広 市 】
⑨帯広の森体育館
国道38号線
国
道
北海道
3
2
号
6
十勝川
帯広市
■ ⑲帯広の森コミセン
幕別方面
⑳川西農業者研修センター
川西農業者研修センター ■
⑳大正農業者トレーニングセンター ■
③稲田浄水場 ■
札内川
幌尻岳
▲
中札内・広尾方面方面
拓成湖
帯広空港
国道235号線
Fly UP