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盲学校高等部の社会科の授業の冒頭で、新聞を使った発表学習を行っ
■(5)新聞で発表学習~新聞は社会との懸け橋・盲学校高等部の授業から~ 盲学校高等部の社会科の授業の冒頭で、新聞を使った発表学習を行ってきました。毎時 間 1 人ずつが紙面の内容を紹介しながら、自分の意見を 1 分間で発表します。 単一障害のみの生徒たちは、卒業後、大学や企業などで晴眼者と共に過ごす時間が長く なります。同じ障害をもつ仲間たちと 1 日の大半を過ごしてきた環境とは、大きく変わることに なります。先輩たちによれば、日頃から新聞を読む習慣をつけておくことは、周囲とのコミュニ ケーションをとるきっかけとなり、とても有益だとのことです。 発表学習のはじめの頃は、自分の好きなジャンルを選ばせますが、次第に慣れてきたら社 会科に関する内容を紹介するように指導します。弱視生はルーペや拡大読書器を使って読 みますが、中には裸眼で読める生徒もおり、点字新聞よりも図書館で閲覧できる朝日新聞や 千葉日報、朝日小学生新聞から題材を選ぶ生徒がほとんどでした。 発表者には、日付、面数と見出しを口頭で読み上げるように指示します。1 分という短い時 間を設定したのは、他人へ自分の意見を簡潔に伝える訓練という位置づけもあったからです。 聞き手の生徒には、メモを取り必ず質問することを義務付けました。全盲生は点字タイプライ ターやパソコンでメモを取ります。弱視生は視力の違いにより、鉛筆、パソコン、練習中の点 字など様々な方法でメモを取ります。しかし、メモを取ることが苦手な生徒が多いので、発表 の中からキーワードを探して記録するようにアドバイスします。晴眼者でも苦手な作業ですが、 視覚障害者の場合には特に慣れと工夫が必要です。なお質問の際には、発表内容に即して 問うことを意識させます。 みなが興味を持つ話題の時には質疑応答が盛り上がり、予定時間を大きく超えてしまうこ ともあります。紙面内容をより深く理解させるために、私が読み上げて解説を加えることもあり ます。時には現物を読みたいというリクエストが出されることもあるので、拡大コピーや、読み やすくするためにゴシック体で打ち直した新聞記事データを用意したり、音声による新聞情報 の提供システム「マイニュース」を聞かせたりもします。 (石毛一郎:千葉県立佐原高等学校・前千葉県立千葉盲学校高等部)