Comments
Description
Transcript
4.銀行が嫌いな勘定科日とは?
4.銀 行が嫌 いな勘定科日とは? 融資を受けている銀行 L=決 算書を見 せたときに担当者から嫌な顔をされた ことがあります:な ぜでしょうか? 銀行が融資をしてし1ろ 企業の決算書で 最も嫌う科 目があります:そ れは「貸 付金」でt 銀行 は「貸付金」 を嫌 う ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 銀行が融資を している企 業 の決算書で最も嫌う勘定科 目がありま魂 それは「貸付金」で丸 嫌うというよ り、あつてはならない科 目と言つても過言ではありません。なぜあつてはならないのでしよう? 銀行は、融資を申し込まれた際に資金使途を確認 しま丸 資金使途 の大前提として「商取引に基づ く裏づ けのある健全な資金」 である必要がありま丸 商取引に基づ くのですから運 転資金であったり、設備資金の 資金使途以外は通常考えられません。 ところが、貸付金は「また貸 し勘定」 とも言われ、銀行から借 りたお金を他人 (法 人を含む)に また貸 しし ていることを物語る勘定科 目であり、商取引に基づかない取引科 目の典型例で丸 ですから、資金使途を逸 脱 しているということから銀行が融資取引をしている企 業の決算書に本来あつてはならない科 目なので丸 銀行は、貸付金がある企業に対 しては警戒 しま丸 決算書を見てこの勘定科目を見つけると「これはどちら に対する貸付 ですか ?」 と必ず質問 してきま丸 企業側にしてみれば、 日々の事業活動 の 中で「どうしても貸 して欲 ししⅥ と言われた子会社や関係会社に対 しで 預金通帳にたまたま余 つていたお金を貸 したに過ぎな いのかもしれません。 また、役員貸付金として貸 し付けた相手が社長 自身であれば、個人的 に少 しまとまつ たお金が必要になつた時に、銀行から借 りるのも手続きが面倒なので、会社のお金を貸 し付 けただけなのか もしれません。 しか し、銀行から融資を受けている立場であるならば、 これは本来あつてはならいことであり、銀行は簡 単に受け流 せるものではないのですЭ極論ですが、それを許 していては、そこで金融 (貸 し金業 )が 成 り立っ てしまうからで現 銀行は、 このようなリスクの高 い資金の使 い方を預金者保護の観点からも許 しません。も し他人に貸すお金があるぐらいなら、返済 して欲 しいと考えま丸 さらに言えば、その貸付金が返済される可能性があるのかという観点で貸付先に対 しての情報を要求 して きま丸 もし返済される可能性が低 いと判断されれば、その企業は不良債権を抱えているとみなし、企業 自 体 に対する融資方針 も大きく変えることになりま丸 特に最近の銀行は、ス コアリングで機械 的に企業を評 価するのでt決 算書に貸付金が存在 していること自体で評点が低 くなつてしまう可能性がありま丸 社長への役員貸付金の対処方法 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● そ こで 最 近、 この「銀 行 が貸付 金を嫌 う」 とい うことに着 目 しで 積 極 的 に融 資を して いるノンバ ンクがあ りま丸 そのノンバ ンクの 融 資の仕 組み はこうで丸 会社 か ら社 長 に対 して役 員 貸付 金 があった場 合、 それを肩代 わ りして社 長 自身 に融 資 しま丸 社 長 は、 ノ ンバ ンクか ら借 りたお金で会社 か ら借 りているお金を返済 し、月 々の 返済 はノンバ ンクに対 して行 うとい う仕 組みで丸 銀 行 か ら融 資 を受 けるため にこの 仕 組 み を活用するかどうか は、 経 営者 の 判 断ですが、 この ような仕 組み がで きるぐらい銀 行 では貸付 金を問題視 して い る ことを知 ってお いてください。 役員貸付金 に対する税務署 の見方 は ? ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 一方、税務署は、役員貸付金をどう見ているので しようか ? 税務署 は、会 社 に申告すべ き収入がないかどうかという視点で見ているのは周知 の通 りで現 ですから、 もし会社 に役員貸付金があったなら、その貸付金 に対 して利息をキチンと取つているかチェックしま丸 仮 に 利息を取 つていなか つた場合「無利息でお金を借 りた」 という経済的な利益が生 じたとして役員に対 し所得税 を課税することにな りま丸 つまり「お金を無利息で貸すのは企業の勝手ですが経 済的利益を受けた人には 税金 をお支 払 い頂きます」 という主旨で丸 そうなると、貸付金に対する受取利息を会社側で計上せざるを 得なくなりま丸 そして貸付金の利息は会社の収益に他ならないの0当 然 これには法人税がかかつてしまう わけです:つ まり、 申告すべき収入 (収 益 )に 主たる関心があり、銀行のようにその取引自体がなぜ存在して いるのかということについては、ほとんど関知 しないのが税務署 の見方のようで丸 その他 の好 ま しくない勘定科 目 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● また、銀行は、企業の決算書でいわゆる「雑勘定」 という科 目があるとあまり良い印象を持ちません。雑 勘定とは、貸付金、仮払金、仮 受金、前受金、前払金、未払金などで丸 これ らは、正常な商取引ではあま り発生 しない科目であつたり、臨時に適用された仮の科 目として処理されていることを意味 しま丸 銀行は、この勘定科 目が散見される企業に対 して「仮取引が多く、良い商売ができていないのではないか ?」 「経理 の精算がキチンと行われておら式 管理体制に問題があるのではないか ?」 という見方をしま丸 つまり、 これらの勘定科 目が存在するだけで企業の評価を落としてしまうので丸 ですから、融資を受けたい企業は、 貸付金と同様に出来る限りこれらの雑勘定をなくすように努めることをお勧めしま丸 いるの測 がわかる方法 銀行から融資を受けてし1ま すか 銀行 はうちの会社をどのように見ってしlろ のか気 にな りまt何 か判断基準は なし1で しょうか? 銀行取引では大きく分けて3つ の取引 形能があります。プロパーの融資取引 があれば良好と言えまt 銀行の顧客管理分類 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 「銀行はうちの会社をどう思つているのだろう?」 と気になることがあると思いま丸 特に銀行からその時 々 によって違うことを言われてしまう中」ヽ 企業であれば「本音はどうなんだろう7」 と感 じることでしょう。 そのような企 業のために簡単な見分け方、 つまり銀行との取引状況を客観的に判 断する方法がありま丸 それは銀 行内の顧客管理分類を知ることで丸 銀行内では、顧客管理分類と称 してお客様を大きく分けて3 つに分 類 していま丸 <顧 客管理分類 > 1.保 証協会付き貸出のみの取引先 2.ビ ジネス回―ンのみの取引先 3.プ ロパー貸出のある取 引先 それぞれの分類区分 について ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● それぞれの分 類区分の特徴について説明しま丸 「保証協会付き貸出のみの取引先」をよく「マル保先」 と言い、 銀行にとっては、 リスクの少ない取引をし ている企業なのα 管理上はとても楽な取引先と見られていま丸 反面、企業の業績にあまり関心がないため、 銀行内部では特に担当が管理するわけでもなく、たまたま窓口で対応 した人が担当ということがよくありま丸 「ビジネス 回―ンのみの取引先」は、 リスクとい う点においてはプロパー貸出と同様の貸 出と見なされやす いのですが、実は、 これも機械 的に効率良く融資をするシステムを用 いているので、 担当の意見や判断が反 映されない貸出となります:そ のため、銀行マンとしてのスキルがな くても融資が可能 となるので、銀行員で なく、契約社員や銀行の子会社の社員が担当していることがありま丸 つまり、 マル 保先と同様、融 資先企 業の業績に特に関心を示す ことなく事務的に取引をしている関係であると判断できま丸 「プ ロパー貸出のある取引先」 は、一 般的に言われている融資取引で現 銀行の融資担当者がキチンとつ いて企業の業績をチェックしながら取引をしている関係で丸 もちろん、 プロパーの貸出だけでなくマル保や ビジネス 回―ンも同時に取 り組んで いることがあるのですが、 プロパー貸出が存在するというだけで 3つ の 分類区分の中では最上級の取引関係 となりま丸 中小企業であれば、まずはここを 目指す ことをお勧めしま丸 一番心配 してくれている銀行 は残高では決 まらない ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● マル保のみの取 引の場合 は、 容易 にその取引の関心の低さを感 じることができると思 います。 この 3つ の分 類 区分 の中では一 番低 い位置になります。ところが、 ビジネス 回一ンとプ ロパー貸 出では一見その取 引の違 い に気が付 きません。 なぜなら、 融資残高ではわ からないか らです。例えば、 ビジネス 回一ンで 1億 円融資を受けている企 業とプ ロパーで 7千 万円の融資を受けている企業とでは、どちらの取 引関係が 良好と考えられるで しょうか 7答 えは、 プ ロパー の フ千万円の方が良好と考えられます。 ビジネス 回― ンの みの取 引は、 1億 円と大 きな金 額 であってもあくまでもビジネス回―ンであり契約社員が担 当しているこ とがあるため、銀行 内ではほとんど知られ てい な い可能性があるからで す。 この ように昨今の銀行取 引は、融資の残高だけで、その取引の 良好さを判 断できない複 雑 な事情があ ります。 もし、「銀 行がうちの会社 のことをどう思つているのか」 と気 になるようで したら、 この顧客管理 分類 に基づ いて取 引状況を整理 して、半」断すると良いでしょう。 売上規模の制限 がある都市銀行取 引 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 都市銀行とプロパーの取引を求めるのであれば、業種に限らず売上規模によって対応する窓 口に制限を設 けていることがあるので、知っておいてください。 例えば、都市銀行の都心の支店では、売上 規模が 10億 円以上の企業でないと、銀行が直接窓 口になら ないで、銀行 代理店業務を行 う子会社を窓 口として指定 してきま丸 この子会社 は、 中小企業を担 当するこ とになつてお り、原則、保証協 会付きの貸出かビジネス回―ンで対応することが多いようで現 ですから、そ こで純粋なプロパー貸出を申し込んでも断られてしまいま丸 売上規模だけで差をつけることについては、銀 行内でもさまざまな意見があるようですが、今、銀 行では 人員が大幅に減 つたことで、 体力がなくなつてきていま丸 その対処方法として売上規模で窓口を分ける対策 をとっているので丸 ですから、あなたの会社が都市銀行でプロパー融資を断られたとしても、それは売上規模だけの問題であ るかもしれ式 銀行側の事情であると理 解 して良いでしょう。