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図2bラジオの充電器

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図2bラジオの充電器
モ ジ ュ ー ル 化技 術
太陽電 池は屋外 等 の環境下 で長時 間 にわた って,決 め られ た電圧 あ るい は電
流 で動作 す る必要 が あ る。 その ため,実 際4t用 されて い る太 陽電 池は,複 数個
の 太陽電 池素子 を直列 あ るいは並列 に組み合 わせ て所定 の電圧 ,電 流 が得 ′
)れ
るよ うに配 置す る とともに,周 囲環境 に耐 え られ るよ うに 支持IIx,充 てん剤,
コー ト剤等 で保 護 され て い る。 このプ ロセ ス をモ ジ ュール 化 とよび,そ の 用
途, H的 ,規 模 ,太 陽電 池 の種 類等に よって種 々の構 造,プ ロセ スが あ るて
,本
章 ではその代表例 につ いて述べ る。
5.1
民生 用 モ ジ ュール
5.1.1 構造 および形成 法
電卓,腕 時 計,ラ ジオ,テ ープ レコー ス テ レビ,充 電器等,民 生用機 器 を
駆 動す るため には,一 般 に 15Vか ら数 十 Vの 電圧 を必要 とす る。一 方,l lbl
の 太陽電 池 の 発生 す る電圧 は 05∼ 06V程 度 であ るの で,こ の よ うな民 生用
機器 を太陽電 池 で駆動す るため には,太 陽電 池素 子 を直列 に接続 して使用 す る
必要 が あ る。
図 51に ,結 品系 Si太 陽電 池 を用 い た場 合 の 民 生用 モ ジュー ルltl成 の一 例
を示 す。結 品系 Si太 陽電 池等 のパ ル クII太 陽電 池 の場合 ,通 常 太陽電 池素 子
を小 さ く切断 し,そ れ を直列 に結線 して モ ジュー ル として い る。 これに よ り
,
民生機 器 を駆動 す るのに必要 な高 い電 1を 得 て い る。 しか しこの 方ツdま ,組 立
「
コス トが 高 くつ く,信 頼性 の 点 で結 線簡所 が 多い こ とは好 ま し くな い等 の 問題
219
5
220
図
51
モ ジュー ル化 技術
民生用結晶系 Si太 陽電池モジュールの構造 と
外観 (ジ ャープ (株 )提 供)
が あ る。 この ため,民 生用 には簡単 に高電圧 が得 られ る もの として以下 に述 べ
る a Si太 陽電池 が主 に用 い られ てい る。
a―
Si膜 はガ ス反応 で形 成 で き,か つ,薄 膜 で あ る とい う特 徴 が あ る。 この
Lか して,1枚 の 基板上 に 多数 のセル を直列接 続 して,高 い電圧 を取 り
特徴 を′
い
出せ る よ うに した 集積 型 a Si太 陽 電 池 が 開 発 され て い る 。 そ の 構 造 を図
52(a),(b)に 示 す。 1枚 の 絶 縁性 基板
liに
形成 され た 各 セ ル は,lX1 5 3に 示
す よ うに,適 当なパ ター ニ ン グに よ って透 明電極 お よび裏 面電極 を通 して隣接
す るセ ル とそれ ぞれ直列 に接 続 され,高 い電圧 が得 られ る。 開発 当初 は メタル
マ ス ク方式や フ ォ トリソグ ラフ ィ方 式 の パ ター ニ ン グ方 式が採 用 され て い た
が,現 在 は太陽電池の人面積 化や有効面積 の増 大 を図 るため, レー ザ パ ター ニ
ン グ方式 が開 発 され 主 流 に な って い る。 図 52で タイプ Iは ,絶 縁 性 基板 の
エ ッジ部分 で各セ ル を直列 に接 続す る もの で,a― Si膜 をエ ッジの接 続部分 を
除 い た全 面 に形 成す れば よ く,パ ター ニ ン グが容 易 で あ る。 図 52(b)に 示 す
タイプ IIは 隣接 す る各セ ルの境 界部分 で lE
列
接 続 す る もの で,透 明電 ttlの 抵
抗 に よる電 力損 失 を低減 で きる メ リ ントを もって い る。 したが って,蛍 光灯 ド
で主 に使 用す る電卓用 な ど小 パ ワー の もの には,集 積 型 太陽電 池 タイプ Iが
用 い られ る。 また,太 陽光下 で使 用す るよ うに設計 され た腕時計, ラジオ.充
電 器用 な どの 中パ ワー の もの には透 明電極 のIII抗 に よる電 力損 失 を減少 させ た
51
民生 用 モ ジ ュー ル
ガラス 透 月t極
●
■tti電 精
i
裏面電極
a― Si
透明電極
ガラス
52
民生用 a― Si太 陽電池モジュー ルの構造
(a)集 積型 タイプ I
(b)集 積型 タイプ II
已聖 琥呈 GTD_
i壺
ゆJ電 薇 形成
a Si形 成
(a)ア
1生
町1電 極形成
′ヽターニング
(b)レ
図
53
裏山it極 形成
タルマ ス ク方式 または フ ォ トリゾ グラフ ィ ′
,式
′(タ ーニンク
パ
ザ
ーニング
ー
タ
方式
■mit傲
I夕
成 ′ヽターニンク(,L成
集積 II a Si太 陽電 池 の 形成 法
(a)メ タルマ ス ク方 式 また は フ ォ トリツ グラ フ ィ方 式
(b)レ ー ザ パ ター ニ ン グ方 式
)
222
5
IE 粒
極
`t
((t極
ス
電 l・
極
lt
列接続月1,
(+lЁ
,
n形 半導体 p形 ■導体
口
︼
ロ
ロ
図
(ハ
)
モ ジュー ル化 技術
5 4 CdTc薄 膜太陽電池の集積 41モ
ジュー ル
■
一
﹂
図
55
口
―
各種1(生 用集ll■ tt
集積 11太 陽電 池 タイプ II力
・
a―
ロロ ロ 一
口 一 二
―
HI
Si太 陽電池モジュール (■ 洋電機 (株 )提 90
■,に 用 い られ て い る。 また, ス ク リー ン印刷 法
に よ り形成 され る CdTe薄 膜 太 陽電 池に お い て も図 54に 示 す よ うに,a― Si
太陽電 池 と同様 な集積 型構造が開発 され て い る。
,が 開発 した腕時 りll,電 卓用, ラジオ用,充 電 器用等の 民
図 55に ,筆 者 ′
`‖
′
L用 集 積 型 a― Si太 陽電 池 モ ジュー ル を示 す。写真 で もわか るよ うに,集 積 ■
!
a― Si太 陽電池は任意 のり
杉状 を とるこ とが ‖
∫能 とい う特 徴 を もって い る。
この よ うに,1枚 の基板 に複数 の セル を形成 した もの をサ ブモ ジ ュール と一
般 に よん で い る。 民生用 モ ジュー ルは小電 力の ため,こ のサブ モ ジュー ル 1枚
をモジュー ル化 した ものが一 般 的 であ り,次 節 で述 べ る電 力用 モ ジュー ルはサ
ブモ ジュー ル を用途 に応 して複数枚イ
吏川 してモ ジュー ル化 して い る。
512動
作特性
表 51に 電 卓川j,腕 時計 用, ラジオ用お よび充電器川 の 集積 型 太陽電池 モ ジ
ュー ル動作特性 の一例 を示す。電卓用 モ ジュールは蛍光 灯 200ル ッ クス下,腕
時計用 モ ジュー ル は タ ン グ ステ ン ラ ンプ 1000ル ッ クス ト,ラ ジオ用 ,充 電 器
52
電 力用 モ ジ ュー ル
表
a Si
電
51
各種 lt生 用集積型太陽電池モジュールの動作特性
標 準動 作電圧
標 準動作電 流
15V
30V
19V
35V
235″ A
11
太陽電 池
腕 時 計川
ラジ ォ
,11
7()V
充電 器川
電
11
13V
月
1
充 電 器 川〕
7 μA
45 mA
150 mA
16 V
用 の モ ジコー ル は太陽光 AM
A
バ m
CdTe
太陽電 池
155′ zA
光
源
ttた
'1 2001ux
タン クステ ン ランプ 10001ux
AM 15 100mW/cm2
I光 11 2001uX
AM 15 1α )mW′ cm2
15,100 mW/cl■ 2ド の特 性 であ る。 い ずれ も 1
枚 の ガ ラ ス基板 か ,,必 要 な高 いi[圧 を得 られ るこ とがわか る。
電 卓用 a Si太 陽電 池 モ ジュー ルの照 度依 存性 は,後 述す る電 力用 モ ジュー
ル と同様 であ る。 通常 動作 電 流 帆 ,♪ ,11絡 電 流 帆 ♪はj照 度 に対 して
支領
'0陶
域 まではぼ比例 関係 を有す る。 方,開 放電几:(′ κ)は 照 度 が低下 して
も一 定
レベ ル までは それ ほ ど大 きな低 ドを示 さな い。
52
電 力用 モ ジ ュール
電 力用 モ ジュー ルは民生用 モ ジュー ル と異な り,一 般 にド 外 に設置 して使用
され るため,Niや 風,砂 座や 温度変化,場 合 に よ っては ひ ょ うの落 下 な どに
も耐 え られ るよ うに迪 切 な支持板や樹脂 等 を用 い て 1分 保 護 して使 用 しなけれ
ば な らな い。 この よ うな電 力用 モ ジュー ルの構造 として,以 下 に述べ るよ うに
種 々の構造 の ものが検 11,開 発 され て い る。
521 構造 および形成 法
(1)結 晶系太陽電池 モ ジ ュール
モ ジ ェー ルの lt用 用 lrに 応 して種 々の1洋 造 が 開 発 され て い る。 図 56(a)に
示す サ プ ス トレー ト方式は太陽電池 の裏側 に下部 基板 を置 い てモ ジュー ルの 支
持板 とし,そ の
11に
透 明樹脂 で 太陽電 池 を ll入 す る方式 であ る。 支持板 と して
は RP(lber rehnforccd plasdc)等 が使 われ て い る。 この構 造 は比較的中
「
`it化
が図れ る反 i,紫 外線 を含 んだ 太陽光 が ri接 透 明樹脂 に入射 す るため,「 分 な
る透 明ll脂 が開発 され て い ない現状 ではやや信 頼性 に欠け る。現在
血1光 性 の あ“
最 もよ く用 い られ て い るの は lX1 5 6(b)に 示す スー パ ー ス トレー ト方 式 で,人
(a)
イ ンターコ ネクタ
基板
樹脂
(樹 脂 など
)
太陽電池 素 r
1
1
1ィ
インターコ ネクタ
太
陽
素
r l
1♯
(テ
│ガ 7ス
樹月
ドラな
" ど
)
レ
板」
フ卦
(C)
インターコネクタ
図
56
l●
l脂
ガラス板
結品系 Si太 陽電池 モシュール を用 い た
ジュールの構造
各種電力
'llモ トレー ト方式
(a)サ プス
(b)ス ーパー ス トレー ト方式
(c)ガ ラスパ ソケー ン方式
陽電 池 の 受 光 面側 に透 明基 板 を置 い て モ ジュー ルの 支持 IFxと し, その下 に透 明
な充 てん材 料 と裏 面 コー ト材 を用 い て太陽 電 池 を封 入 して い る。 透 明 基板 と し
ては ガ ラ スが 適 してお り,特 に 光透 過 率 や 耐衝 撃 強 度 に 優 れ て い る 点か ら,熱
強化 した ヨlltガ ラ スが よ く用 い られ る。 充 てん 材料 と して は,紫 外 線 に よ る光
透 過 率 の 低 下 の 少 な い PVB(poly Vinyl butylol)や 耐 湿性 に優 れ た EVA(eth‐
ylene vinyl acetate)な
どが 主 に使 用 され て い る。 また ,通 常 この 透 明接 清 樹
脂 に さ らに湿 気 防 止の ため に 有機 シー トを貼 り合 わせ る。 この 有 機 シー トには
通 常 フ ッ化 ビニ ル フ ィ ル ムカ撮 も一 般 的 に用 い られ て い る力、 湿気 をよ り完全
に防 Lす るため にはア ル ミ箔 をフ ッ化 ビニ ル フ ィルムで は さんだ構造 の シー ト
が有効 とされ て い る。 この スー パ ー ス トレー ト方式 は,強 化 白板 ガ ラスを用 い
るため通常 重 量が約 6kgと 重 いが,耐 光性 ,耐 湿性 等 の 信 頼性 に は優 れ て い
る。 この他 ,特 に高信頼性 が要求 され る用途 には 図 56(c)に 示す よ うに,2枚
のガ ラス板 の間 の樹脂 層 の 中 に太陽電池 を封 入 した タイプ な ども開 発 され て い
る。 図 57(a).(b)に 結 晶系 Si太 陽電池 モ ジュー ル を示 す。
次 に,現 在 よ く用 い られ て い るスー パー スレー ト型 モ ジュー ルの製造 プ ロセ
スにつ い て述 べ る。 まず,検 査 して一 定 レベ ルの 太陽電 池 セル を並 べ て リー ド
52
電 力用 モ ジュー ル
(a)
図
57
電力用太陽電池モジュール
(a)単 結品 Si太 陽電池モシェール (昭 ホロシェルイi油 (株 )1/L供 )
(b)多 結品 Si太 陽電池モジュール (11洋 電機 (株 )提 供)
に よ リセ ル ど うしの 直列接 続 をイ
「 う。 太陽電 池セ ルが 直列 につ なが った もの を
セ ル ス トリン グス とい う。 セ ル ス トリン グスの状 態 で必 要 に 1き して検 査 をイF
う。 次に,セ ル ス トリン グス を用途 に応 して数本並 べ て,直 列 または並列 に接
続す る。 図 57に 示 したモ ジュー ル では,9枚 の セ ルが 直列接 続 され た 4列 の
セル ス トリングが すべ て直列 に接続 され てい る。 次 い で,ri板 強化 が ラスの L
に EVAシ ー ト, セル ス トリン グス,EVAシ ー ト, フ ッ化 ビニ ル (ア ル ミ箔 入
り)シ ー トの順 で重ね合 わせ て ラ ミネー ト装 置に 入れ る。 ラ ミネー ト装 置は装
置 内部 を真 空排 気 しなが ら加 熱 す る装 置 で,力 ‖熱 に よ り EVAシ ー トが 溶 け
て,太 陽電 池 セ ルが 自板 強化 ガ ラスに IIEり 合 わ され る。 この とき,EVAシ ー
トには通常脱 気 の ための エ ンボ ス と称 す る溝が その片 面 または両 面 につ け てあ
る。 このエンボス面を太陽電池セルに接するようにするための 夫が必要であ
「
る。
この よ うに してllllり 合 わせ られ たガ ラ ス板 /透 明樹脂 /太 陽電 池セ ル/透 明樹
脂 /防 湿 シー トの 周囲 が 枠組 み され る。枠組 み の重要 な 目的 は,太 陽電 池が外
で使 丼Iさ れ る ときのための機械 的 な補強 にあ り,通 常 ア ルマ イ ト処理 を施 した
アル ミニ ウムの枠 力ヽ‖い られ る。
次 に,端 子 ボ ッ クス をつ け る。 端 子 ポ ックスの材料 はポ リカー ボ ネー トや 高
湿用塩化 ビニ ルがり
‖い られ るが,最 も大切 な点は,電 極 リー ドの外部 へ の取 出
し部 の封 しであ る。 この部分 の シー ル には通常 シ リコー ン樹脂が用 い られ る。
以
11の
プ ロセ スに よ リモ ジュー ルが完成 し,最 後 に検査 して出荷 され る。
226
5
モジコール化技術
なお,結 晶 系 Si太 陽電 池 では実川l的 な電IEを 得 るため,前 述 の よ うに数 十
枚 のセル を直列 に接続 してモ ジュー ル を形成す る。 したが って,セ ルの特性 の
3、
ぞろいに よ リモ ジュー ル特性 の低下,It失 が生 じる。 この損失 は月lい るセ ル
に よって異 な るため,定 量的 な評価 は困難 であ るが, この低 減 の 方向性 は報告
され て い る。 セルの特性 の3、 ぞろいに よる損失率
ZPは
′
P=士 翫力
Gl)
Ⅳ =モ ジュー ルに用 い るセ ル枚数
島p=セ ルの最 適動 作電流 の平均値
‰ p=セ ルの最適動 作電圧 の平均値
Pm8x=セ ルの技大 出力の 合計
Pmp=モ ジュー ル出力
で表 され る。
(2)ア
モル ファス太 陽電池 モ ジ ュール
最 近開 発が進 んで い る a Si太 陽電池 では,図
56に 示 した結 品系 Si太 陽電
池 の場合 と同様 の モ ジュー ル構造 に加 え,集 積 11太 陽電 池の基板 であ るガ ラ ス
図
58 a― Si太 陽電池 を用 いた基板
体 II太 陽電池 モジュールの
構造 と外観 (1二 洋電機 (株 )提 供
)
52
11Rを
227
電力用 モジュー ル
そ の ま ま受 光 丘iの 保 護 板 と して用 い る こ とが で き るの で、 図
板一体
58に 示 す 基
ジ コ ー ル が 可 能 で あ る。 この モ ジ ュ ー ル で は ,30× 30cm∼ 40×
`:Iモ
120 cn,の
大 き さの 集積 7:1太 陽 電 池 が 試 作 され て お り, リー ド線 に よ る 各セ ル
の 接 続 が不要 であ る こ と も合 わせ ,組 立 :1:程 を さ
ー ル コ ス トの ll(ll.4が 図れ る。
')に
簡 単化 で きる の で モ ジュ
そ の 他 に も a― si膜 の 特 徴 を 41か した モ ジ J― ル が 多 く開 発 さ″
して ヽヽる。a―
Si膜 が ,V膜 で あ る とい う特徴 を生 か して集積 ll
a―
si太 陽 電 池 に 小 さな穴 をあ
け ,lL気 を発電 しなが
時 に 光 を透 過 す る,図 59に 示 す シー スルー a Si
')同
太 陽 1■ 池 が 開 発 され て い る句。 この 太 陽 jL池 は 窓 や 車 の サ ンル ー フ に 応 用 で
き,サ ン ル ー 7の 場 合 , シー スルー a Si太 陽 電 池 が
EVA等 ク〉透 り曜
着剤で
ル ー フ ガ ラ スに 1占 り合 わ され て い る.
人,1光
ガラス
,笙 ,曇
J:I11し
光
ヽ
│
図 59 1:イ 責型 シー スルー a― Si太 陽 1_池 十ブ モンコー ルのiお 1と
それ を用 い た ナンルー フの 外観 (マ ツ タ(株 )提 供
)
また,a― Si l莫 が 低 il[で 形 成 で きる と い う特 徴 を生 か して フ ラ スチ ッ ク等 の
フ ィ ル′、Lに 形 成 した 超 中
缶 tの フ レ キ ン ブ ル a Si太 陽 i[池 も rl発 され て い
・
る
図
510に 超 中
`≒
[フ
レ キ ン ブ ル a Si太 陽 1[池 モ ン コ ー ′
しの一 例 を示 す .
5
モ ジュ ー ル 化 技術
々ni供 .4′ ィル
卜i家
'
4呵 1,MIこ り,,■ 制
メ
モ1'イ 呆I笙
図
510
ア
サノ
ィ′
,17′
,レ
ツタイ
1場 1じ i直
'a Si人
超 軽 量 フ レキ ンプ ル a Si太 陽電 池 モ ジェー ルの 構 造 と
外観 (三 洋 電機 (株 )提 供 )
アモ ルフアス太陽電池
ガ ラ スIt
―保護膜
金
卜
属
a― Si
TCO
ガラス瓦
A―
図
A断 面
5 1l a Si太 陽電池和瓦の モジュール構造 と
外観 (三 洋電機 (株 )提 供 )
52
229
電 力用 モ ジュー ル
コネクタ
出力 リー ド線
Ifriz)
図
512
1 )v
L
スレー ト式太陽電池瓦のモジュール構造 と
外観 (三 洋電機 (株 )提 供)
さらに,a― Si膜 が グ ロー放 電 に よ るガ ス分解 に よ り形成 で きる特 徴 を生 か
して図 5Hに 示 す よ うな曲面の ガ ラス瓦に直接 a Si太 陽電 池 を形成 した太陽
電 池和 瓦が 開発 され て い るい。 また,図 512に 示 す ス レー ト式 太 陽電 池瓦 も
開発 され て い る。 これ らの建 材一体 型太陽電 池は架 台が不要 なため,太 陽電池
システムの トー タル コス トの低 減 に有効 であ る。
以 卜の a― Si太 陽電 池 モ ジュー ルの 製造 プ ロセ スは,セ ルの配線数 ,配 列数
や ,光 入射側 の材料 が ガ ラス,樹 脂 等 で興 な るが,結 晶系 のプ ロセ ス と本 質的
に大差 はな い。 なお, Lに 述べ た大面積 集積 型太陽電池や 曲 面上 に形 成 した太
陽電 池 の パ ター エ ン グは,従 来 の よ うな図 53(a)に 示 す金属 マ ス クを用 い る
方式や,あ るい は ウェ ッ トエ ッチや ドラ イエ ッチ を用 い る方法 で は 困難 で あ
り,筆 者 らが開発 した図 53(b)に 示す レー ザ パ ター ニ ン グ法のが 有効 であ る。
特 に,こ の レー ザ パ ター ニ ン グ法 を用 い る と透 明電極 の 形成か らモ ジュー ル組
立 まで,集 積 型 a― Si太 陽電 池 モ ジュー ルの 連続 一 貫生産 が可 能 であ り,a― Si
太陽電池 の工 業化 の観点 か ら も有望 な技術 と考 え られ て い る。
5
522各
(1)光
モ ジ ュー ル 化 技 術
種 特 性
発電 特 性
52に 市 販 され て い る a SL ‖1結 品 SL 多結 品 Siの 各種 電 力用 太陽 電 池
モ ジュー ル に つ い て 光発
性 ,セ ル配 列 の 方 法 , モ ジ」― ルサ イ ズ な どを示
表
`L特
[は セ ル の 配 線数 お よび配列 方法 の
す。 実 用 し 重要 な特 性 で あ る最 i直 動 作 電た
:l:大
に よ り種 々 と りそ ろ え られ て い る。 セ ル 1枚 の 出 力電 圧 が 小 さ い 結 辞I系 の
場 合 , 各 モ ジュー ル に お い て,セ ル はす べ てri列 に接 続 され て い るの が一般 的
で あ る。 ま た,サ イ ズ は 取 り 扱 い や す さ な ど の 関 係 か
190∼ 120cm)程 度 の モ ジュー ルが 多 く製造 され て い る。
(2)温
'),(30∼
50cm)×
度 特 性
太 陽 tt池 モ ジュー ル は楯 々 の 環 境 でイ
吏われ るため ,そ の
に対 す る依 存 IL
'il度
を把 握 す るこ とは シ ステム 設計 !1, きわめ て車 要 とな る。 通常 ,晴 天時 に は モ
ジ ュー ル の 温 度 は 外 気 温 に 比 べ 20∼
30`
C不 1度 高 くな る。 図
513に a SL i「
結 11l Si, 多結 ri Si太 陽電 池 モ ジ ュー ルの 各種 特 性 の 温 度依 存性 を示 す。 太 陽
電 池 は 材 料 に よ らず 温 度 上 /1に よ り,開 放 1[■ i(レ缶),最 大 出 力 (PnaO,は 減
少 し,短 絡 電 獄 えて
)は 増 大す る傾 向 に あ る。 しか し,a― Si太 陽 電 池 は 結 品 系
Si太 陽 :L池 に比 べ そ の 温度 依 rr性 は約 1/2■ 1'■ と小 さい.
(3)照
度 特 性
照 r/特 性 とは , ll度 に よ る太陽 lL池 の 出 力特 .Hlの 変化 を示 す もの で , 太陽電
li Siの 太陽 電 池 モ ジュー ルの 特 性
池 モ ジュー ルの 場 合 a Si, 単締 1イ lSL 多結 ∴
は それ ぞれ 図 514(a).(b).(c)の よ うに な る.太 陽 電 池 を屋 外 で llt川 〕
す る場 合
に は, 人候 ,時 ‖
月に よ って 入射 光 の 強 度 が変 化 す る場 合 が あ る。 したが って
,
日射 の 条件 を 卜分 に 考 え て おか なけ れ ば な らな い 。 文1514に 示 す よ うに ど の
太陽電 池 モ シュー ル も1た 人出 力, 短 絡
11に
あ る。
(4)信
メ講 人力l ll度 に
'じ
してほ lr比 例 す るイ
lll
=ナ
頼性 特 性
電 カリ
‖太陽 │し 池 モ ジ J― ル は屋 外 の 厳 しい環 境 ドで 1モ 対l間 に わ た り H:能 を lll
持 す る1必 要 が ″)る ため ,而 1環 境性 や 機 械 的 強 度 等 の 各種 イ 1性 試験 が 行 われ て
い る.表
53に JIS規 格 に 定 め
`i憲
',れ
て い る結 古
l:系 太 陽 1[池 モ ジ ュ ー ル の 信 lll
性 試験 ■1‖ 例 とそ の ,試 験 条件 お よび判定 九t'1を 示 す。
昼夜 の
サ イクル 試験 , lll岸 イ
」近 で の lll用 を う1意 した
変 化 を想定 した
'II度
'll度
塩 水噴霧 試験 等 の 而畷 境 1試 験 や , ひ ょ うの 落 ドを想定 した降 ひ ょ う試験 等 の 機
llt的
強 度 試験 が 規定 され て い る。 it近 は高信 頼性 化 技術 も向 Lし
,ほ
とん ど間
最大山カ
W]
〔
電力用太陽電池モジュールの仕様例
観釉 魏附
開
骨
短経電流
r..-(fttl
[A]
重量
長さ
幅
高さ
[kg]
二洋
AMP DloE
アモルファス Si
AMP O]Sl
AMP o2Sl
AMP 04S〕
ll
45
90
180
180
AMP OIS2
CSP-4516
CSP-5017
30 0
0 15
14
0 72
29
315
2並 ,12直 列 1 225
03
17
29
64
64
985
985
61
61
189
体
単
2枚 並列
4枚 並列
361マ
│に
,1
36 kiに ¬
325
025
1 225
5 1
198
16 3
55 5
09
15
167
1 44
16 7
16 9
20 7
2 88
3 02
3 03
162
031
20 2
0 38
34枚 直 列
16 2
1 22
20 2
1 32
34枚 直 列
36枚 直 ,1
86核 百
173
17 4
2 68
319
36掟 直 ,1
36枚 直 列
36枚 直
44枚 r''1
214
2 89
22 0
3 60
215
38
86枚 │に
36侠 │は 夕
'1│
0 85
34枚 直 列
30枚 直 列
“ ∞ ” m
●” ″ ″ ″
絆
L
LA 4411 63
シャープ
NT 124
NT 121
ヽT131
NT 181
は くさん
﹄﹁跡・
1l Si
'粘
O C t 一
LD 361 C 24
LA 361 J 48
LA 361 K 51
ll
27
52
55
'1
H4810
llt結
,喘
単結 酎t
Si
CL 130
GL 136ヽ
GL]48ヽ
C100
アモルファス Si
2
4
︲ 4 5 Ю
,
GL 434
170
172
S
H-5510
昭和シェルイi油
(ジ ー /シ スソーラ
162
14 5
174
23 0
20 6
13 0
310
217
3 05
29 0
20 8
3 37
210
213
48枚 直 列
単
体
36枚 直列
36“ 直列
1.081
18
53
977
1 290
347
6 1
7 5
11
360
1109
1109
13
5 41
5 41
” ω︼
30
17 8
0435
36,直 列
61
61
0
m 5
175
33
34
34
3“
多結 品 Si
0 75
2 96
50
ツー フー レ ッタス
SX-60
0 72
12
06
tラ
1“
036
アモルツプスヽ
MF 22N
MSX-53
0 19
03
06
168
170
多指品 Si
カネカ
M「 -21N
70
150
150
150
N 醸 ヽコ 市 ヽ︱︱ ミ
人疇電池の種類
52
,
表
5
232
モジュール化技術
貪 ︶ R■女 筆
100 mW/cm2
温lt係 数
‰oノ T:-03∼ 047° C
f,c ノ
T:008∼ 017%/° C
Pmax/T(-02∼ 03%/° C
︵メ︶ ミ ヨ 女 早
温度係数
7● ●ノ
T:― ll“ %/・ C
′ /T: l116%/° C
“
Pm■
=ノ
T:-071%/° C
311 40
温
度 (℃ )
(b)
図
513
0
∞ ∞ 4
︵
求︶ミ■安 躍
llXい ″/cm2
100 nlW/cln 2
温度係数
フ
T:-050%/° C
Ъ
でノ
た。 ノ
C
T: l116%ノ °
Pma,ノT:
20
066%/° C
30
温
40
度 (℃
(C)
電力用太陽電池 モシュー ルの温度特性 の一例
(a)屋 外用 a Si太 陽電池
(b)単 結品 Si太 陽電池
(c)多 結晶 Si太 陽電池
)
52
233
電力用 モジュー ル
︵R︶ ミ ヨ 々 黒
∞ ∞ “
7..
′
3.
21140m80
光強度
(mw/cm2)
(a)
1"
/.`
1∞
■、 。
,
黒
∞ ∞ “
︵メ︶ べ ■
F80
η
曇∞
●
躍 40
r3`
′
“
Pmax
211
O
2040∞
光強度
801∞
lmw/cm2)
21140∞
光強度
(C)
(b)
図
514
8011X
lmw/cm2)
電 力用太陽電池モシュールの照度特性 の一例
(a)a Si太 陽電池
(b)単 結晶 Si太 陽電池
(c)多 結品 Si太 陽電池
5
モンュール化技術
題 はみ られ て い ない。
a― Si太
陽電 池 モ ジュー ルにつ い て も JIS規 格 は現 在,策 定 が 進め られ て い
る段 階 で あ る力ヽ 表 53に 力ヽした結 品 系 太陽電 池 モ ジュー ルの JlS札 格 を間
題 な く満 たす こ とが確 認 され てい る。 a Si太 陽電 池は結 品系 太陽電 池に比 べ,
低 温 で形成 され るため,耐 熱性 が危惧 され る場合 があ る力ヽ 表 53の 試験 条件
よ り厳 しい 90° C,2000時 ‖1後 にお い て も出力 の低 ドはほ とん どみ られ て い な
い。
表
53
結品系太陽電池モジュールの各種試験項 目例
(JIS C8918)
試験項 ‖
試験 条件
判定基準
21Kサ イタル
性 に つ
∞OЮmO∞ Ю
温度サ イタル試験
出力 は試験 前の 95%
以 ll
端 rと 枠 の IIlの 絶縁
at抗 が 1∞ MO以 L
耐
環
10サ イタル
境
性
21.ll度
刹離.変 色な どの外
観異常 がない こと
サ イクル
試験
機械的強度
高 温 試 験
85。 C, lCKXl h
恒温恒湿試験
85° C,90∼ 93‰ 10tXl h
光 !‖ 射 試 験
サンシャインカーボンアーク まЮhl“ 射
塩水噴霧試験
塩水Irttt
ょう試験
(鋼 球落 ド)
`│ひ
■ さ 227g.“ 径 38 mmの 鋼球 を lmの
高 さか ら落 ドさせる
ね じ り試 験
12 h)43°
C,933(7H)4サ イクル
ν
Ч辺 を│‖ 定 し, 隅を対角線の長さ llXXl
21 mmの 書!合 で変位 させる
mmに
端 子強llt試 験
端 rの 引 き口,し 軸に沿 って規定のり1張 り
力を加え,10秒 保持す る
破lilの ない こと
53
5,3
531
その他 のモジュール
235
その他 の モ ジ ュール
集光型 モ ジ ュール
前節 で述べ た よ うに,太 陽電 池の 出力は入射照 度 にほぼ比例 す る。 この原理
を用 いて コス トが 高 い単結 晶 Si太 陽電 池や
GaAs太 陽電 池 では,集 光 した人
陽光下 で太陽電 池 を動作 させ る集 光方式 の発電 システムの開発 もア メ リカ を中
心 に進め られ てお り, レンズ を用 い る方式 と反射鏡 を用 い る方式が あ る。
集光 に必要 な大面積 な凸 レンズ として,分 割 した凸 レンズの 曲面 をつ な ぎ合
わせ たフ レネ ル レンズが用 い られ る。 形状 には円型 フ レネ ル レンズ と線 型 フ レ
ネル レン ズが あ り,点 状 あ るい は線状 に配 置 され た太陽電 池に太陽光 が集光 さ
れ る。 線形 フ レネル レンズ を用 い た場合 の例 を図 515(a)に 示す。
反射鏡 方式 には,放 物面鏡 を用 い てその焦点 に太陽電 池 を置 く方式や ,底 面
に太陽電 池 を置 き,そ の側 面に反射鏡 を配 置す る方式 等 が あ るが,図 515(b)
に示す樋 型放物 面鏡 を用 い る方式 が比較 的 よ く用 い られ て い る。 これ らの集光
型 モ シュー ルにお いて重要 な こ とは,温 度 11昇 に よる変換効 率 の低 下 を防 ぐた
め,い か に素 子 を冷却 す るか であ る。 太陽 電 池には 単結 品 Si太 陽電 池 の他
,
変換効 率 の 高 い CaAs太 陽電 池 もよ く用 い られ る。 現在,単 結 品 Si太 陽 電 池
と GaAs太 陽電池 を用 い た タンデム型太 陽電 池にお い て,集 光 比 50倍 で 34%
の変換効率 が得 られ て い る7、
&frt-7v+,vv>7:
lbl
(a)
図
515
各種 集光方式
(a)線 形 フ レネル レ ン ズ
(b)樋 型放 物 HI鏡
5
532
モ ジュー ル化 技 術
ハ イプ リッ ド型 モジ ュ…ル
前節 で述べ たが,太 陽電 池 モ シュー ルの変換効率 は温度 が上 昇す る と低下す
る。 その冷却 対策 も含 め,太 陽 光か ら電気 エ ネ ル ギー と熱 エ ネル ギー の両方 を
取 り出 し,エ ネル ギー の有効 利用 を図 ろ うとす るのが,光 ・ 熱ハ イプ リッ ド素
子 であ る。 この ハ イプ リッ ド素 子には,集 光 型光 熱 ハ イプ リッ ド素 子 と,集
熱器 型光
熱ハ イプ リッ ド素子 が あ る。
集光 型光・ 熱 ハ イプ リッ ド素 子は,集 光 型太陽電 池の裏 面か ら熱媒体 を通 し
て集 熱 を行 うもの であ る9。 新 エ ネ ル ギー lll業 技術 総合 開発機 構 (NEDO)の
委託研 究 で行 われて い るシステムでは電気 出力 5kW,熱 出力 25kWが 得 られ
てい る。
集熱器型光
熱ハ イプ リッ ド素 子は,集 熱器 の集 熱板 に太陽電 池 を接 続 して
電気 エ ネル ギー と熱 エ ネ ル ギー を取 り出 そ うとす る もの であ る。 図 516は 真
1°
空 ガ ラ ス管 型集熱 器 の集 熱板 に a― Si太 陽電 池 を形成 したハ イプ リッ ド素 子
を示 す。a― Si太 陽電 池 は図 517に 示 す よ うに,‖ ∫視 領 域 で吸 収 係 数 が大 き
く,赤 外領城 で反射係数が大 きい こ とか ら,優 れ た選 択吸収 膜 としての役割 も
果 た して い る。 一 方,a― Si太 陽電 池は真 空 ガ ラ ス管 内 に」lじ られ て い るの で
パ ソシベ ー シ ョンが イく
要 であ り,太 陽 エ ネ ル ギー総合 変換効 率 58%(電 気変換
5%,熱 変換 53%)と 高 い こ とも合 わせ,低 コス ト化 に役 立つ 可能性 が あ る。
以上 に 各種 太 陽電 池 モ ジュー ルの構 造 ,製 造 プ ロセ ス,特 性 に つ い て述 べ
た。 太陽電 池 モ ジュー ルの形状や仕様 はその用途, 目的 に よ って, また,太 陽
電 池の種 類,大 きさ,特 性 に よって大 き く変わ って くる。 したが つて,今 後 太
ヒー トボ ンプ
真空 ガラス管
ステ ンレス人枝 に
に形成 した a_si太 陽電池
図
516
光
熱 ハ イブ リッ ド素 子 の使 用例
237
\\V373'K
現想的 なjW_択 吸1文 晩
従
)'ll夕 (災 1又
膜
'(夕
べヽ ヰ ヽ
一゛富
a‐
図
Si人 1場 1じ i也
517 a― Si太 陽電池の選択吸収膜 としての特性
陽電 池 の 新 しい 応 用 が広 が れ ば ,そ れ に応 して新 しい タイ プ の モ ジ ュー ルが生
まれ て くる で あ ろ う し,太 陽 電 池 の セ ルサ イ ズの 増 大や特 性 の 向上 が 実 現 す れ
ば ,そ れ に適 した構 造 の モ ジュー ルが 開 発 され る と思 われ る。
参 考 文 献
1)Y Kuwano〃
′α′: 14th IEEE Photovol Spec Conf,San DiegO,(1980)1408
2)L L Bucciarel11,Jr:S01ar Energy 23(1979)277
3)Y Kishi a′ α′:3rd lnt'1 llllotovol SCL and E!lg Conf(1987)569
4)Y Kishi″ α′:Jpn」 Appl Phys 31(1992)12
)農
2
∫ζ
鮮盟錯奄
監
麟監侵礁 ζ
W塩 今
ζ
1。
l:‖
高8鰤
ζ
7)J M Cee:5th lnt'l Photovol Sci and Eng Conf(1990)95
8)C M Zittlc, 15th IEEE Photovol Spec Conf(1981)86
9)辻 高輝 :サ ン シャ イ ン ジ ャー ナ ル 4(1983)56
lo)Y Kuwano″ ′α′:9th int'l Conf Amorphotls and Liquid Semiconductors
(1981)1155
太 陽電池 の シス テ ム と応用
前章 まで,太 陽電池 の種類 ,構 造,製 造 方法,諸 特性 につ い て述べ た。 太陽
電 池が大量に使 われ たのは,電 卓 をは じめ とす るエ レ ク トロエ クス製品へ の応
用 であ った。 その 後, ソー ラー エ ア コンに代 表 され る電 力用 システムが 開発 さ
れて きた。
そこ(本 章 では, まず,エ レ ク トロニ クス製品へ の応用 につ い て述 べ,そ
の後電力用 システムヘ の応用 に つい て述 べ る。
61
太 陽 電 池 の エ レ ク トロ ニ ク ス 製 品 へ の 応 用
本節 では,エ レ ク トロニ クス製品に実際 に太陽 電池 を応用す る ときの回路設
計 につ い て,太 陽電池 の動作 点,基 本 回路,各 種制御 回路 ,モ ジ ュール 設計に
つ い て述 べ る。
611
太 陽電池 の動作 点
太陽電池 を応用す る基本 回路 を考 え る うえで,太 陽電 池 の動作 点につ いて理
解 してお く必要が あ る。
太陽電池 の動作 点は負荷 の イ ンピー ダ ンス,二 次 電池 の電圧 で決定 され る。
図 61(a)の よ うな r1/特 性 を もつ 負荷 の場 合,太 陽電 池 の ノ
7特 性 との 交
点 (○ 印), 1次 電 池 の場 合,図 61(b)に 示 す よ うに 二 次 電 池 の 充電 電 圧 (○
印 )c動 作 す る。 この (○ 印)の 電圧 を動作電圧,電 流 を動作電流 とい う。
太陽電 池で負荷 を直接駆動 す る場合や ,バ ンテ リに充電す る とき,太 陽電池
6
太陽 電 池 の シ ステム と応用
動電
/..
ヨ
動作
lf:
図
61
太陽電池 の動 4t彙 (● が 最i歯 動作点,0が 実際 の動作点 )
(a)負 荷 を接続 した場合
(b)二 次電池 を接 titし た場合
表
仰暇凶
61
c
太陽電池搭載機器 の使用条件設定例
光源 の種 類
主 として蛍 光灯 や ri
卓
電
l=
L圧
熱灯 な どの室内 光
光 量の 範 ,日
最低 :50∼ 100 1ux
標準 :200∼ 8001ux
最高 :約 12万 lux
腕
時
計
室内光お よび太陽光
標 準 :3000∼ 10万 1ux
最高 :約 12フ ,lux
ラ
ン
オ
室内お よび太陽 光
標 準 :3000∼ 10万 1ux
最高 :約 12万 1ux
′く/テ リチ ャー ジ ャ
主 として 太陽光
標準
:1万 -10万
1ux
最高 :約 12万 1ux
(脂
')
菅
勇
、
[[{「 程
∫
:ハ If10]格 1lfiも ,た
麟
往
島
見ヤ
械
長
を
鶏
‖
の 最lRl動 作 電lt,最 適動 作電 流 とflJ作 電圧 ,動 作電 流は必ず しも一 致 しない。
また,太 陽電 池の ノ
/特 性 も,照 度,温 度 に よ り変化 す るの で (522項 参
照 ),太 陽電 池 の 出 力 を見積 る場 合,太 陽電 池が使 用 され る環境 の光源 ,照 度
な どの 範 Vllを 設定す る必要 が あ る。
例 と して,代 表的 なエ レ ク トロニ タス製 品 の使 用 条件 設定 例 を表 61に 示
す。
61
241
太陽電池のエ レク トロエ クス製 ILへ の 応 ,‖
612基
本回路
エ レ ク トロニ クス製品に太陽電池 を電源 として用 い るのに は,次 の二つの 方
式 があ る。
① 太陽電池だけを電源 として用いる方法
② 二次電池を併用する方法
①の方式は,電 11の ようにつねにnllる いところ(太 陽電池に光が照射されると
ころ)で lt用 するような機器の場合に用い,時 計のように太陽電池に光がltl射
されない ときも機器が駆動する必要がある場合,② の方式を月lい る。以下に
,
それぞれの基本い1路 について述べ る。
(1)太
陽電池 のみ を電源 とす る場合
太陽電池のみ を電源 とす るIPJ合 の 基本 回路 はLX1 6 2で あ る。
522項 の 各種 特性 で述 べ た よ うに,太 陽電 池 の 出 力電 圧 は照 度 に依 存 す
る。電車 の よ うに LSIを 負
r・
Jと
す る場 合,照 度 が 変化 して も,太 陽電 池か ら
62に 示 す電圧制御 ダイオ ー ドお よび電
コン
ン
圧 安 定化
デ サか らな る安 定化 回路 が必要 に な って くる。 この回路 では
の 出力電l■ を安 定 化 させ るため に,図
,
ツェナー ダイォー ドな どの電lL制 御用 ダ イオー ドを用 いて,電 圧 が あ る一 定 の
値 を越 えない よ うコン トロー ル され る。 これ と蛍 光「
火 の リップルな ど入射光 の
短期 の変化 を平 滑す る電圧安 定化用 コンデ ンサに よ り,実 用範囲 の照度変化 に
対 し,± 10%以 内 の電圧 変化 に抑 え るこ とが で きる。 詳 し くは次項 で述べ る。
電圧制御用 電 安定化用
コンデ ンサ
ダイオー ド 「
図
62
太 陽 電 池 の み を電 源 とす る場 合 の 基 本 回路
(電 圧 制 御 用 ダ イオー ドと して ツ ェナ ー ダ
イ オー ドを用 い る場 合 )
(2)太 陽電池 に二次電池 を付 加 して使用 す る場合
二 次電池 を介 して太陽電 池 を用 い る場合 ,図
63の よ うに逆流 防止 ダイオ ー
6
太陽電池の システム と応用
:L流 坊1フ イオー ト
図
63
充電用基本回路 (電 流制限抵抗 と電圧
制御回路はいずれかが用 いられ る)
ドと電 流制 限抵抗 (ま たは電圧制I御 回路 の いずれ か)お よび二次電 池か らな る。
各 回路構 成 のはた らきにつ い ては後述す る。
61.3 エ レク トロニ クス製 品 に用 い られ る各種制御 回路
(1)電 圧制御 ダイオ ー ド
太陽電 池 のみ を電源 とす る場合 ,エ レ ク トロニ タス機 器 へ のIF■ 制御 方法 と
して
(1)太 陽電 池に ツェナー ダイオー ドを逆方 向に接続
(I)太 陽電 池 とダイオー ドを順 方 向に接 続
の 2方 法 があ る。
64に 示す よ うに ツェナー ダイオー ドに逆 方向電圧が 印加 され る
と,あ る一 定 の電圧 で降伏電圧が発生 し,そ れ以上 の電圧 は印加 され ない とい
(1)は ,図
う現象 を利用 した もの であ る。 ツェナー ダイオー ドは,15V程 度 の低 電圧 の
ものか ら 100数
Vま で 多 く市販 され てお り,機 器 の電圧 に適 当 な もの を選 択
す れば よVヽ 。 また, 温度 に よ る降伏 電II変 化 が /1ヽ さい とレヽう特 長 も もって い
る。
(五
)は
,15Vや 3Vな ど低電圧 で使用 され る機 器 に対 して使 用 され る電圧
制御 方法 で, ダ イオー ドの順方 向特性 を利用す る もの であ る。 た とえば,定 格
15V系 の LSIを 動 作 させ る場 合 ,Ⅸ 165に 示 す よ うな ノ 7特 性 を有 す る
GaP LED(発 光 ダ イオー ド)1個 が電圧 制御 用 ダ イ オー ドとして用 い られ る。
LEDは ,微 小 電 流に対 して も,順 方 向電 流 の 急峻 な立 ち上 が りを示 し,電 I■
61
243
太陽電池 のエ レ ク トロニ クス製品へ の応用
]1方
:ヽ
`11じ '「
図
64
ツェナー ダイ ォー ドの ′ 1/
特性 (降 伏 電 rlは さま ざまな
ものが 市販 されてい る)
図
65
'
電 lt制 御 用 ダ イオー ドと して用
-7特 性
Vヽ る CaP LEDの ′
ドロ ッパ として優 れて い る。 これ に よ り,太 陽電池に強 い光 が入射 した ときに
は,余 分 の電 力は,LEDに よ って消 費 され るため,機 器 に
18V以 上 の 過剰
な電圧 が 印加 されず,LSIを 保 護す るこ とが で きる。
(2)逆 流 防止 ダイオ ー ド
太陽電 池の搭載 され た製品 の 置かれ た場所 が晴か った り,夜 間 の場 合,太 陽
電 池に十分 な光が照射 されず,出 力電圧 が 二次電 池の電圧 よ り低 くな り,二 次
電 池か ら太陽電 池に電流が逆 流す る。 これ を防止す るため に, ダイオー ドを直
列 に接続す る。
この逆 流防止 ダイオー ドと しては,逆 方向電 流 (つ ま りリー ク電 流 )が 小 さい
こ と, さらに太陽電 池か ら二次電池へ 充電時 に電庄 ドロ ップ となる順 方 向電圧
が小 さい こ とが望 ま しい。 現 在 市販 され て い るダ イオー ドの順 方 向電圧 は図
66に 示す よ うに シ リコン ダイオー ドで 06∼ 07V,
シ ョッ トキー ダイオー ド
は 02∼ 03V.グ ルマ ニ ウム ダ イ オー ドは 01∼ 03Vの 値 を もつ 。 この う
ち,グ ルマ ニ ウム ダイオー ドは,電 圧 ドロ ップは少 ないが,逆 方向電 流が大 き
く,実 際 に使 用 され るこ とは少 ない。 したが って,充 電電圧 が高 い場合 には
,
低 コス トの シ リコン ダ イオー ド,充 電電圧 が低 い場合 には,や や コス トが 高 い
が電圧 降下 の少 な い シ ョッ トキー ダイオー ドを用 い るのが よい と考 え られ る。
6
太陽電池 の システム と応用
くE 一■ でも こ0こ〓
一
,
Ce
タイオ ード
ショットキー
タイオ ・
()2
04
‖
n方 向 t“
図
66
(,6
08
4(V)
逆 流 防 止 ダ イ オ ー ドの 特 性 例
t l■
図
67
電流制限抵抗 Rの 求め方
④ :本 来 の太陽 電池 の ノ y曲 線
〇 :逆 流防止 ダイオー ド接続時 の r-7曲 線
⑥ :電 流制 限抵抗接続時 の ノ ′ 曲線
(3)電 流制御 回路
充電電 流は,一 般 には電 流制 限抵抗 で制御 され る。 充電電流は
(充 電電流 )× (充 電時間)× (充 電効 率 )γ (放 電電流 )× (放 電時間 )
の関係 を満 たす よ うにすれば よい。
L式 が成立す る場合 ,継 続的 に電 力が取 り出せ るが,エ レ ク トロニ クス製品
の場合 ,太 陽電 池 の置 かれ る環境 条件 が さまざまであ り,正 確 な充電時間 の予
が難 しい。 したが って二次電池の過 充電 を防 止す るため,右 辺 を多少大 き く
浪」
61
245
太陽電池のエ レク トロニ クス製品へ の1し
'‖
な るよ うに充電電流 を決め たほ うが よい。
電流制限抵抗llA Rは ,図 67に 示す方法で求められる。最大の光強度での
太陽電池の出力特性曲線を①,そ れに逆流防止ダイオー ドを入れたときの出力
特性曲線が①のようになったとする。この とき,電 圧 1/bの 二次電池には 塩
の充電電流が流れる。この電流値を制限電流値 島axま で下げるために抵抗 R
t
を入れると◎の特性曲線が得られる。このとき,抵 抗値 Rは ,Rc=′ ソ/1nlax
で与えられる。
この 方式 を用 い る場合 には,充 電電 流,放 電電流 と充電時間,放 電時間が推
定 で きるこ とが必要 c過 充電 に弱 い酸化銀電池 を用 い る場合 は特 に注 意す る
必要 が あ る。
(4)電 圧制御 回路
太陽電 池に よ り,二 次電 池 を無制限 に 充電 した場 合,過 充電に な り二次電池
が破壊す る場合 が あ る。 これ を防止す るため電圧 制御 回路 に よ り太陽電 池 を回
ミ
/t・
六
テリ
電池
1■ :書
図
68
鉛蓄電池の過充電防止回路例
︵
>︶L 淑 ︱
卜 ヽく
,
,24681(,1214
充電時‖∫(│+)
図
69
鉛 蓄 電 池 の 充 電 BII変 化
)
246
6
太陽電池 の システム と応用
路 か ら切 り離 した り短絡 させ る こ とに よ り,過 充 電 を防 止 す る。
68は ,数 W程 度 の 太 陽電 池 で鉛 蓄 電 池 を充 電 させ る場 合 の 過 充 電 防 JL
Ll路 例 で あ る。 この 例 の 場 合 ,鉛 蓄 電 池 の 電 圧 が あ る規 定 電 l■ 以 11に な る と
太陽電 池 を短 絡 させ て ,充 電 電 流 を停 正させ る。 これ は,鉛 蓄電 池 の 充電特性
が 図 69に 示す よ うに ,充 電 電 圧 が 充電 時 間 に 対 して,急 激 に変 化 す る特 性 を
図
,
利 用 した もの であ る。
614
(1)太
モ ジ ュール 設 計
陽電 池 か らみ た 設 計 上 の ポ イ ン ト
太 陽電 池 モ ジュー ル を設計 す る際 に は ,太 陽 電 池 の 出 力特 性 が 問題 とな る。
太 陽電 池は , あ る光 の強 度 ,光 源 の も とでは ,太 陽電 池 の 種 類 に応 じて単位
面積 あ た りで取 り出す こ とが で きる出 力は定 まって くる。 つ ま り,使 用す る人
陽電 池 の 種 類 を定 め れ ば ,有 効 面 積 が 大 きい ほ ど,太 陽電 池 の 出 力 は大 き くな
る。 ま た,太 陽電 池 は照 度 特性 ,分 光 感 度特性 ,温 度特 性 を も って い るため
,
太陽電 池 の 出力 は,光 源 の 種 類 ,光 の 強 度 ,使 用 温 度 に よ り変化 す る。
した が って ,太 陽 電 池 モ ジュー ル を設 計す る場 合
① 太陽電池の種類
② 太陽電池が使用される場所での光の強度,光 源の種類, 単位面積あた
りの発電電流,出 力電圧
をよ く知 ってお く必要が あ る。
1ヽ
内 でよ く使 われ るエ レ ク トロニ クス製品の場合,蛍 光灯 の放 射 スペ ク トル
が a― Siの 分 光感度特性 とよ く一 致 して い るの で (24n l参 照 ),そ の 出 力 は
,
a Siγ GaAs,c― Siの 順 とな り,a
は 1枚 の基板 か
と有 利 であ る。
')ft用
Si太 陽電池 が適 して い る。 その うえ,a― Si
機器 に適 当 な高 い電圧 が とれ る集積 型 であ るため,一 段
(2)直 列数 と素子サ イズ
モ ジ=■ ―ル を設計す る とい うこ とは,太 陽電 池の lH列 数 と素 子 サ イ ズを決め
るとい うこ とである。 以下, L8 列 数 と素 子 サ イ ズにつ い て述べ る。
a直
列
数
太陽電 池 1セ ル で発 生す る電 l■ は,材 料 の種 類や光 の強度に よ って 異な って
い る.,1001uxか ら 10万 1uxで の c
Si,a SL CaAsの 最適動 作 電 圧 を表 62
に示す。通常 ,エ レ ク トロエ クス製 品 の 出力電 lLお よび二次 電 池 は,15V以
上 であ るの で,複 数個 の太 陽電 池 を直列接 続 しなければ な らない。
61
247
太 陽電 池 の エ レ ク トロニ クス製 品へ の 応用
表
62
太陽電池材料 による 1セ ル あた りの
出力電圧 (最 適動作電lt)
オ
オ料 の種類
最適動作
c― Si
03-04
電lt(V)
a― Si
04-06
GaAs
06∼ 08
太陽電 池の lrl列 数 は,次 の式 か ら求め られ る。 太陽電 池 を直接電源 とす る場
イ
)に は
,
i貞
,1数
i4al数
>
「 セルの最適動 4:電 庄 lb l)
>爾轟 静 調 讐 鶴 耕 彗ん躍 雛 面 ②
“
とな る。
b素 子サ イズ
太陽T_池 のサ イ ズは,基 本的 には使 用環境 ,機 器の 出力電流,二 次電池の容
量か ら決め るこ とが で きる
`,
太陽電 池だけ を電源 として,機 器 をrlJ作 させ る場 合,素 子サ イ ズは次の よ う
に して求め る。 所要 の 出力
を得 るのに必要 な太陽,E池 モ ジュー ルの最適」l
'E流
流
■
1-電
の
作電 を,電
流曲線 最適動 作点 よ り求め る。 通常 ,動 作点 は,機 器 の
出力が最 大 に なる点 に設定 す る
`,
機 器 を動作 させ る環境 のl
ll度
にお い て, 太陽電 池が 発41す る11位 │[積 あた り
の最適動 作電 流 を I,p。 とす る と,Iit通 動 ■七流 を得 るため に必要 な受 光 1■ 村(S
は
“
S=場
で
弁
)れ ,係 数 ′
〃は,太 陽 1[池 の 材料や光 源 の種 類に よ って 異 な る。 この
え′
l」
受 光 llitt Sよ り素 子 の 寸法 を決定す る。 太陽電 池に よ っ́て 二次電 池 を充電 し
二次
が機器 の電源 とな る場合 は,次 4(の よ うに して素 子サ イ ズを求 め る。
,
'[池
615
太陽電池 と二次電 池 の マ ッチ ング
太陽電池 を用 いて二 次電 池 を充電す るIMJ合 の特徴 として
,
① 通常の/1流 の定電h:1[源 や定電流電源を用いて允電するときのように
,
充電入力が安定でなく,た えず変動する。
248
6
太陽電池のシステム と応用
② 一 日の 日照 のサ イ クルに よ って, 夜 間 に は 自動 的 に 充電 が ス ト ップ
す る。
な どがあげ られ る。特 に, この夜 間は太陽電 池か らの 出力が ない とい う理 由 の
ため,太 陽電 池 に よる二次電 池の充電 では一 日あた りの充電時 間 は,太 陽光 の
最大照射 (10-20万 1ux)で 換 算 して,最 長 で も 5∼ 7時 間 と見積 る こ とが で き
る。 したが って, 1次 電池 の容 量 の決定や過 充電 の対策 もこの特徴 を利川 して
行 うこ とがで きる。
ここで,蓄 電 池 の容量 とは,蓄 電 池 を完全 に充電 した後,一 定電流 で所定 の
放電最終 電圧 まで放電 した ときの放 電量 をいい,単 位 としては, ア ンペ ア時容
量 (Ah)と ワ ッ ト時容 量 (Wh)が 用 い られ る。一般 にはア ンペ ア時容 量 が よ く用
い られ, このア ンペ ア時容 量 で示 され る定格容 量は,Cと い う記 号で表示 され
る。 た とえば,100
mAhの 容量 の電 池 を 01C電 流 で充電す る とい う場合 は
,
10 mAの 電 流 で充電す るこ とを示 す。 これは放電 の場合 も同様 であ る。
太陽電池 で動作す る電気機器 の バ /ク ア ップ用 に使 用 され る蓄電 池 の種 類は
表 63に 示 した よ うに,ニ ッケ ル カ ドミウム (Ni Cd)電 池,充 電 式 酸 化 銀 電
池,鉛 蓄電 池 な どが あ る。 これ らの二次電 池が充電 され る ときの標準的 な電流
は Ni
Cd電 池 ∼01C,酸 化 銀 電 池 ∼0001C,鉛 蓄 電 池 01C∼ lCと な って
い る。
た とえば,ラ ジ オな どに用 い られ る Ni
Cd電 池 は,01C以 下 で あれ ば
,
長時 間充電 して も過充電 に な らない。 その ため,特 別 な制御 回路 を用 い ないで
一 般 の 電源 で 充電 す る場 合 に は,01C以 下 の 電 流 で 10時 間以上 か け て 充電
が行 われ る。 しか し,太 陽電池 で充電す る場合 には,太 陽が一 日に照 射す る時
間 は晴天 時 で最 大 日射 量状 態 で平均 約 3∼ 4時 間 (日 本 にお い て)で あ り,前 後
の 日射 量 を考 えて も充電 は長 くとも 7時 間以上続 くこ とが ないため,最 大 日射
1寺
に,02∼
04Cで 充電す るよ う太陽電 池 の設計 を行 うこ とが可能 であ る。
表
63
二次電 池の種 類
二 次電池の標準的充電 電流
充電効率
標 準充電電 流
-01C(通 常 タイプ
二 ′ケルカ ドミウム電 池
08-09
充電 式酸化銀電 池
09∼ 10
-0001C
鉛
085-095
05C∼ lC
蓄
電
lL
二 /ケ ル水素電 池
0 7∼ 0 9
)
∼03C(急 速 充電 タ イプ)
∼01C
61
249
太陽電池の エ レ ク トロニ クス製品へ の応用
また,腕 時 計 な どに使 われ る酸化 銀 電 池 は ,小 型 で体 積 あ た りの 容 量 は大 き
い が ,他 の二 次 電 池 に比 べ ,深 い 充放 電 サ イ クル を繰 り返 す と特 性 が 劣化 す る
と い う性 質や ,標 準 の 充電 電 流 も 0001Cと 非常 に小 さ く制 御 しな くて は な ら
な い とい う性 質 もも って い る。 この 電 池 が よ く用 い られ る腕 時 計 の 場 合 は ,大
陽光 下 の よ うに強 い光 の ドでの 充電 時 梢Jは 比較 的短 く, しか も時 計 と い う性 質
上微 小 の 電 力 を コン ス タ ン トに消 費 して い くため ,浅 い 充放 電 が行 われ るこ と
に な り,酸 化 銀 電 池 の 特 徴 に よ くマ ッチ して い る。
以上 の よ うに ,太 陽電 池 と二 次電 池 の マ ッチ ン グ を うま くと って 設計 す る こ
とが ■要 であ る。
616
太陽電 池 モ ジ ュ…ル の 設計 フ ロー チ ャ ー ト
以上 で述 べ た こ とを ま とめ る と,太 陽電 池 モ ジュー ル を設計 す る際 の 手順 は
まず
,
① 太陽電池が使用される環境
0
■
0
^^
光 の種類
照度 ,温 度 の
範 囲決 t
l●
,
)
2 t&41
図
610
太陽電池 モジュール設計 の フ ロー チ ャー ト
競
魏
]
畔
︷
逆 流防止ダイオ ード
各 種 制 御 回 路
電 圧制 御 回路
太陽電 池 モ ジュー ル
6
太 陽電 池 の シ ステム と応 用
② 太陽電池の種類
③ 負荷 (使 用する機器)の スペ ンタ
④ 二次電池の要否
などを検討し,614項 で述べた 手llnで それぞれの条件を決定する。そして
⑤ セル段数の決定,セ ル面積の決定
,
を行い,最 終太陽電池モジュールを設計する。
しか し,一 般的には,各 メーカーからさまざまな太陽電池モジュールが販売
されているので,図 610に 示すフローチャー ト④時点で,最 適な太陽電池モ
ジュールを選択するとよい。
6.2
エ レク トロニ ク ス製 品 への 応用 および応用例
621
電卓 ,時 計 への応 用
太陽電 池付電 卓は, その電源 として太陽電池だけ を用 い てい る。 これは,液
‖!表 示 の電 卓は,消 費電 力が小 さ く,明 か りの あ る場所 だけ しか使用 しない な
ど太陽電 池の もつ性 F/1と よ く適合 してい るため であ る。 現在,太 陽電 池付電 卓
の 90%以 卜は a― Si太 陽電 池が用 い ′
,れ てお り,電 ,:1用 太陽電 池 の主流 とな っ
て い る。
ズ 611に
,a Si太 陽電池 を内蔵 した電 卓,時 計 な どの 民生機 器 を示 す。
回路構成 は,通 常 の電卓 の電源部 が 太陽電池に置 き換 わ った と考 えて よい。
図
611
集積 71ア モルフ ァ ス太陽電池 を■‐
載 した電 11時 計などの
lt41機 器 (二 洋電機 (株 )1/L修 0
62
251
エ レ ク トロニ クス製 I:Iへ の 応用お よび応用例
特 に液 品表示 の 電 卓 は ,暗 い 所 では使 用 され な い ため
電 池は用 い られ ず
,
'次
したが って,逆 潮 流防 lLダ イ ォー ドも不 要 であ る。 ただ し,前 節 で述 べ た よ う
に ,入 射 光 九tが 大 き くな っ た と きに 出 力tl■ を制 御 し,ICを 保 護 す るた め の
電 l■ 制御 用 ダ イオー ドお よび tt圧 を安 定化 す るため の コン デ ンサ が 並列 に接 続
され て い る.
腕 時 計 を,↓ 型に す る とき,内 蔵 す る化学 電 池 の ■法 を小 型 に しなけ れ ば な ら
ず ,そ の ため 化 学 fE池 の 容 量 が 小 さ くな り,化 学 電 池 を短期 間 で 取 り換 え る必
要 が生 じる。 そ こで,1[気 2重 ′
ビコンデ ンサや 充電 式 の化学電池, た とえば酸
化銀電池 を太陽電 池 で充電 し,化 学電 池の 寿命 を延 ばす 方法 が浮か び liが って
きた。
太陽電 池付 さ腕 時計 を図 6Hに
,そ の 回路構 成 を1/163に 示 す。腕 時 計 は
暗 い所 で も動作 す る必要 が あ るため,バ /ク ア ップ丼lの 二 次電 池 が用 い られ
る。 また,逆 流防 止ダ イオー ドに よ り二 次電 池か ら太陽電 池へ 電 流が 流れ るの
を防 ざ,充 電枷l御 回路 に よ り過 充電 を防 い で い る。腕 時 計へ 応用す る際,a si
太陽電 池は,1枚 の基lltか らliい 電圧 が とれ る とと もに,外 観 もよい状 態 に仕
リイr不 Jで ぁ る.
11が
622
充電器 への応用
集積 1la si太 陽電 池 と充電 式 ニ ッケル カ ドミウ′、(Ni Cd)電 池 を組 み 合 わ
せ た a― Si太 陽電 池充電器が実用 化 され た (1/1612)。
lfl太
陽光 の ドで約 4時 1出 置 くこ とに よ り,充 電式
この 充電器 は,晴 天 時了[
Ni Cd電 池 をほぼ 満充 電 に
す るこ とが で きる。 また,‖ │力 端子 に 専用 コー ドをイ
11す る こ とに よ り,直 接 ほ
か の機 器 の 電源 として供 給 ‖
t[中
の
で
N
Cd電
∫能 ,充
池 をバ ァクア ップ電源
として使 用す るこ ともで きる。
この a Si太 陽電 池充電 器 の構 成 は,集 積 型 a― si太 陽電 池 と背 山1に Ni Cd
図
612
アモルファス太 陽電池充電器 (二 洋電機 (株 )fL供 )
252
6
太陽電池の システム と応用
電 池 を着 脱 で きる よ うに配 置 され た ケー ス とか らな る。 一 般 に ,周 囲 温度 が 高
い と Ni― Cd電 池 の 容 量 が少 な くな る の で ,直 射 光 の 当 た らな い 背 面 に
Ni Cd
電 池 を配 置す る構 造 と して い る。
62に 示 す よ うに 集 積 型 a― Si太 陽 電 池 を逆 流 防 止
ドを経 て ,Ni Cd電 池 に接 続 して い る。
回路構 成 は ,基 本 的 に 図
用 ダ イオ ー
623
その 他 の応 用
そ の 他 の 応用 と して ,太 陽 電 池付 きラ ジオ,電 チゲー ム な どが あ る。
太 陽 電 池イ
│き ラジ オは ,太 陽電 池 に よ り, ラジ オ の 電 源 で あ る 二 次 電 池 を充
電 し,長 期 に使 用 で きる よ うに な って い る。 二 次 電 池 と して ,ニ ッケ ル カ ド ミ
ウム 電 池が 用 い られ て い る。 この 太 陽電 池付 きラ ジオは ,本 体 を胸 ポ ケ ッ トに
入れ ,太 陽 電 池部 は ,外 部 に 出 して充電 で きる よ うに な って い る。
63
電 力用 への応 用
631
電 力用発電 システムの基本設計
従 来,太 陽電 池の 応用分野 は,衛 星
な どを別 とすれば電 卓をは じめ とす る
'日
機 器 向けが圧 倒 的 であ ったが,近 年 コス ト低 減 の努 力 に よ り,換 気 シス
民
`L用
テムな ど小電 力の分 野 に広 が りをみせ て い る。
さらに,地 球環境問題 を背景 に電 力用 に も展 開 され るよ うに もな って きた。
本節 では電 力用発電 システムにつ い て述 べ る。
(1)電
力用発電 システ ム
商用電 力系統 と結 ばれて い るか どうか で独立型 と連系型 に分 け られ,連 系型
の うち常 時連 系 して い るか どうか で切 り替 え型 と並列連 系型 に分 け られ る。
狭義 には並 列連 系型 を連 系型 とす る場合 もあ るが, ここでは,切 り替 え型 と
ズ別す るため,連 系型 を二つ に分 けた。
a独 立型
蓄電池 あ り
太陽電 池街路灯や ,太 陽電池灯 台 の よ うに,負 荷 の消 費電力 が 夜間 に 多い場
合 な どに用 い られ る構成 であ る。昼 間は太陽電 池に よって蓄電 池 を充電 し,夜
‖1は 放電す るサ イクル を繰 り返す (図 613)。
負荷 の消 費電流 と動 作時間 を もとに,不 日照補償時 間や蓄電 池の放電深度 な
どを考慮 して,太 陽電 池 と薔電池 の容量 を決定す る。薔電 池 としては,容 量対
価格比 の高 い鉛蓄電池が最 も多 く用 い られ てい る。 太陽電 池の 発電特性 か ら
,
63
253
電 力用 へ の 応用
太陽電池
直結型 では不要
易
図 613
独立型蓄電池あ リシステムの構成
蓄電池 の充電 に通常用 い られ る定電l■ 法 な どの充電法 が と りに くいの で,蓄 電
池に とって厳 しい条件 に なる こ とが 多い。蓄電池 の寿命 と保 守 には留 意が必要
であ る。
b独 立型
蓄電池 な し
これは, 日射 量が 十分 な ときに運転 で きれば よい 負荷 の場合,た とえば灌漑
用 ポ ンプ システム な どに用 い られ る構 成 で あ る。構 成 が 簡 単で,蓄 電 池 の分
価格 を ドげ る こ とが で きる。保 守 も比較 的簡 単な ため配電線 が行 き届 か ない開
発途上国 な どに適 して い る。
ボ ンプ シ ス テ ム で は,直 流 電 動 機 を用 い た 直 結 構 成 と,交 流 電 動 機 と
VVVF(可 変電圧 可変周 波 数 )イ
ンパ ー タ を用 い た構 成 が考 え られ るが,前 者
は プ ランの問題 か ら比較的小容量 の システムに用 い られ るこ と力'多 い。
c商 用電源切 り替 え型
太陽電 池 の 出力が足 りない ときに商用電源 に ス イ ッチ で切 り替 え る構 成 の も
の であ る。蓄電 池 あ り な しの構成 が 考え られ るが,蓄 電 池あ りで,蓄 電 した
エ ネ ル ギー が不足 した時点 で商用電源 に切 り替 え る構 成 に した ものが 多い。
商用電源 と同 じ品質 の交流 で,機 器 に電気 を供給 す るの で,構 成 は複雑 にな
るが,大 量に製造・ 販売 され て い る電 気用品が その まま利用 で き, しか も H射
量 の不足 して い る ときも商用電源 を利用 で きるので信頼性 が 高 い。
商用電源 と太陽光 発電 との切 り替 えには,手 動 の ス イ ッチ (三 方 ス イ ッチ な
ど)に よ る もの と,無 瞬断 ス イ ッチ│を 用 い た 自動 型 の もの が あ る。前 者 は制
り替 え とは, 般 に 1/4周 期 以内 (4m∞ c以 内)に 切 り替 えが行 われ る
† 無瞬
う。 コン ピュー タな どでは交流 か らiに 流に整流す る電源部 に コン デ ンサ を
もの をい"i切
lJえ な い よ うに容 量が設計
もってお り,通 常 1/4周 期 の時 1間 では直流波形 に影響 を
の
い
で講
じる場 合,5 rnsccま での瞬
されて る。 また,配 電系統 瞬停対策 を1■ 要家側
に嫌
う需要家 の場合 で も 1/4
り
断
を極端
は指導
してお
,瞬
に対応す
るよう電
力会社
停
周期以内 の切 り替 え時間で事実 L瞬 断な しとみ なせ る。
6
太陽電 池 の シ ステ ム と応 用
二易
図
614
商用電源 切 り林え 型の システム構成
御機 器 の 省略 に よる コ ス トの 低減 を11っ た もの で,篤 志 家 の 個 人住 宅 用 システ
ム な どに例 が み られ る。 無 瞬 断 ス イ ッチ に よる切 り朴 えでは ,利 用 者 が 切 り替
え た こ とを全 く認 識 で きな い ほ ど滑 ′
)か に切 り替 えが行 われ る。 コン ピュー タ
な どの瞬 ttを 嫌 う機 器 の 場 合 も,切 り替 え時 間 が きわめ て短 い ため ,全 く問題
は な い (Ⅸ 1614).
従 来 ,系 統 との 連 系 を考 え る場 合 ,制 御 機 器や 法枷ILの 問題 か す
), この 切 り
替 え二1を 採 用す るほか なか った。 近 年 ,わ が FTlに お い て も太 陽 光 をは じめ とす
る分 散 型 電 源 を普及
促 進 す るため ,法 制 面 の 整 備 が 進 み ,常 時 系統 と並 列 す
る シ ステム が 設置可能 とな って きた。
d並 列連 系 型
逆潮流 な し
切 り替 え 41の 場 合 は ,太 陽 光発 │こ の エ ネ ル ギー を,)iと して用 い る こ とを基本
と してお り,商 用電 源 は蓄電 池 の エ ネ ル ギー が 不 足 した場 合 の み 補助 的 に用 い
る とい う考 え方 で あ った 。
容 量 の 大 きな シ ステ ′、
に な る と,蓄 電 池 の 容 量 と コ ス トが か な り大 き くな っ
て しま うため 蓄 電 池 を省略 し,常 時 商 り
‖電 力 系統 か ら4く 足分 の 電 力 を財iう よ う
に した構 成 が これ であ る。
太 陽 光発電 シ ステ ムの 出 力 は常 時 系統 と並列 接 続 され て い るが , 太陽光 発 電
側 の 電 力 が 余剰 を41し た場 合 は,逆 lll流 防 止装 置 に よって系統 側 へ 電 力 を送 ′
,
な い よ うに 制 御 して い る (LX1
6 15)。
具体 的 な設 置例 は 図
645に 示 す■1場 用 シ
ステ ム で 高 lL連 系 とな って い る。
蓄 電 池 の 省略 に よ り, コ ス トと設置 スペ ー スの 低 減 が で き, また 常 時 商用 電
源 を併 用 して い るため ,シ ス テ′、
の 安 定性 は 高 い。
しか し,系 統連 系保 護 装 置 の 設 置 が必 要 で あ り,特 に わが l■ では 系統 連 系 ガ
イ ドラ イ ンに よ り大 規模 な発電 施 設 と同 等 の 保 護装 置 の 設 置 を義 務 付 け て い る
63
電 力用 へ の 応用
図
図
255
615
616
並列連系型潮 流な しシステムの構成
並列違系πЧ
逆潮流あ リシステムの構成
ため,こ の装 置が現在 の ところ大型 で コス トも高 い。 太陽 光発電 の広範 な普及
を考 え る とき,イ 、
型 で低 コス トな連系保護装 置 の開発 と法制 面での認知 力γ寺た
れ る。
e並 列連 系型
逆潮流 あ り
先 の逆潮 流 な しの システム では,太 陽光発電側 に余剰 が生 した とき も系統 に
電力 を送 るこ とが で きない。 逆潮 流あ りの システム は貴重 なエ ネル ギー を完全
に利用 で きるよ う,系 統 に も電 力 を送 るこ とが で きるよ うに した システム であ
る (図 616)。
太陽光 発電 の先進 国 ではす でに この システムが主 流に な ってい る。 イ ンバー
タな どの機 器 の小 型化 も研 究 され てお り,本 格 的 な太陽光発 電 の普 及 時代 にお
い ては,こ の システ′、
が 本命 に な る と期待 され て い る。
連 系保 護装 置は基本的 に逆 潮 流 な しの場合 とFulし c逆 潮 流防止装 置 をはず
した形 とな る。 わが 国 にお い て も,1993年 春 に,高 低 圧 一 般 配電 線 にお け る
逆潮 流あ り系統連 系 ガ イ ドライ ンが 策定 され た。
この よ うな システム では,配 電線作 業者 の安 全 を確保 す るため,系 統 が停 電
256
6
太陽電池のシステム と応用
して い る場合 ,速 や か に太陽光 発電 システム を解列 す る単独運転防止機能 が必
要 で あ る。 この機能 の あ り方につ い ては現 在議 論 が 行 われ て い る ところで あ
る。
どの家 の屋根 に も太陽電 池が設置 され るよ うな時代 に なれば,一 軒 ご とに イ
ンバ ー タ と連 系保 護装 置 を設置す るよ りも,電 力会社 が 各太陽電 池 を直流集電
して,集 ll:イ ンパ ー タで連携 し,集 中制 御 す るほ うが効率 が高 く,作 業 卜の安
全性 も向 Lし ,電 力需要 へ の 対応 もしやす い とい う提 案 もなされ てい る。
1直 流連系型 (電 気用 品
)
これ までの分 類 とは趣 きを異にす るが, この 方式 の家庭 用電気 製品が この程
れてお きた い。
Ft界 では じめ て実用化 され た こ ともあ り,特 にお、
この シ ステム は,通 常 の家庭 用電気用 品 を母体 とし,内 部 の 直流部 分 に太陽
電池 の 出力 を制御装 置 を通 して並 列 させ るよ うに した ものであ る。
太 陽電 池 の 出力が大 きい場 合 は優 先 的 に利 用 し,不 足分 は商用 電 源 か ら補
う。基本的 には並夕1連 系型 (逆 潮流 な し)と 同 じであ るが,太 陽電 池 の 出力が電
)れ ない点が異 なる。
気機 器 の 本部 には送 ′
わが 国 にお いては、近 年電気用 謂:取 締 法関係 省令 の 改正 に よ って, この方式
の システム (ソ ー ラー エ ア コン)が 電気用 品に加 え られ る こ とに な った。 これに
よ り,一 般 ユ ーザー は面 lTlな 手続 きな しに電気機 器を購 入す る場 合 と同様 に シ
ステム を設置 で きる。
(2)シ ステム設計
a設 計 フロー
ここでは代 表的 な太陽光 発電 シ ステム として,独 立型語電 池あ りの システム
を とりあげ る。 この 中 で太陽光発 電 シ ステムの設計 L必 要 とな るこ とが一通 り
でて くるので,他 の システム構 成 の場合 も参 考 にす るこ とがで きる。
設 計 フ ロー をEX」 617に 示 す。 まず重要 なの が 負荷 の 検 討 で あ る。 一般 に
,
発電 システムの効率 を lJず るため には高電圧 とす るこ とが望 ま しいハ あ ま り
の
高 い電 圧 を とる と直流用機 器の 人手や 太陽電池 モ ジュー ル側 の耐電圧 な ど 問
題が生 して くる.
作 業上 の安全性 を考慮 に入れ,並 列連 系11で も電圧 は 200V程 度 を11っ た も
のが 多い.大 規模 なシ ステムでは 400Vや それ以 卜の もの もあ る。
また 負荷 曲線 の 想定 も基本的か つ 重要 で,蓄 電 池 を使 わな い システムで も
い
負荷 の特性 を十分 につ かんでお くこ とが大切 であ る。太 陽電池 との相性 の よ
負荷 を選 定す るこ とが システム全体 の成否 を分 け る。
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