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製品責任 - Nikon

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製品責任 - Nikon
製品責任
ニコングループでは、「お客様重視」と「品質優先」の考え方に基づき、商品やサービスを提供しています。
なお、品質管理会議で決定した内容は、各事業部門・各グループ
商品・サービスの品質管理
会社の情報交換の場として年 2 回開催される「QMS 推進連絡会
議」などで共有し、それぞれの業務に落とし込むことで、着実に製
品・サービスに反映しています。
■品質管理のための方針
ニコングループでは、品質基本方針を以下のように定めています。
品質管理体制のイメージ図
品質基本方針
企業理念である「信頼と創造」のもと、次の品質基本方針を掲げ、顧客
の期待を超えた商品を提供し、社会の健全な発展に貢献する。
1. 創造的、効率的な「ものづくり」をとおし、ブランド価値を高め、高品
質で差別化された商品をタイムリーに市場へ提供する。
2. 安全性の確保や環境に配慮した商品を提供し、顧客と社会の信頼
を得る。
ニコングループでは、品質基本方針を実践するため、品質管理に
関する基本規程「品質管理指針(QCD:Quality Control Directive)」
を定めています。これら方針・指針のもと、品質管理の実施に不
可欠な基本的事項と具体的な運用方法をグループ全体に周知
し、商品の企画から研究開発、製造、販売、アフターサービス、
廃棄にいたるまでのライフサイクルを通じた品質管理を徹底して
います。
■品質管理の体制
ニコングループは、全ニコン製品に共通する品質管理の基本方針
■ISO9001 の認証取得と品質優先の浸透
および実施に伴う重要事項の審議・決定を行う組織として、業務本
部長を議長に、各ユニット長を委員とする「品質管理会議」を設置
ニコングループでは、ニコンの事業部門および主要グループ会社
しています。この品質管理会議では、品質管理制度の充実に努め
において、必要に応じて ISO9001 ※ 認証を取得し、 QCD や
るとともに、制度の効果的運用に向けた指針の見直しなどを行っ
ISO9001 に基づく品質マニュアルに沿った業務を遂行しています。
ています。
調達や開発協力などを行う事業パートナーの皆様に対しても、ニ
また、品質管理会議傘下の専門組織として、QCD と計測機器類に
コングループの「品質優先」の理念にご理解をいただいた上で、品
関する事項を審議する分科会と、標準化に関する事項を審議する
質保証協定書を締結しています。
分科会をそれぞれ設けています。標準化については、さらに下部
さらに、毎年1 回ニコンで開催している品質月間講演会には事業
の組織として基本技術ごとに審議会を設置しており、設計・製造上
パートナーの皆様にも参加していただき、ニコングループの社員と
の技術の基準について審議しています。
ともに品質向上に向けたスキルアップを図っています。2016 年3月
133
期は、ニコン本社において、名古屋工業大学産学官連携センター
製品・サービスの安全確保
特任教授 加藤雄一郎氏を講師に迎えて「持続的競争優位の確立
に向けた組織的取り組み」と題した講演会を開催し、ニコングルー
プ役員・社員 39 名、事業パートナー44 名が聴講しました。
ニコングループでは、企画段階からライフサイクル全般にわたって、
※ISO9001
製品・サービスの安全性に配慮しています。
ISO が制定した品質マネジメントシステムの国際規格。ISO9000 シリーズは組織が
その一環として、QCD や各事業部門内の規則などにおいて、すべ
品質を維持管理するための仕組みを定めており、ISO9001 は審査登録機関による
ての製品・サービスに対する安全評価実施を義務づけています。
認証取得が可能。
また、国際規格などに基づいて作成した社内基準「安全設計基本」
などに従って、予見可能な危険を抽出し、これを排除するための
安全設計を行うとともに、デザインレビューや製造工程での検査な
■品質教育・意識啓発教育
どで安全性を確保しています。必要に応じて第三者認証機関の認
ニコングループでは、品質に関わる教育および意識啓発を目的に
証も取得しています。
ISO9001 内部監査員養成研修や品質工学、QC講習などを定期的
なお、製品の安全性確認を担う商品技術試験課は、欧州の認定試
に実施しています。
験機関 TÜV SÜD Product Service GmbH(ドイツ)による国際基
準に基づいた厳格な審査を受けて認証された試験を実施しており、
お客様に安全な商品をお届けするための要となっています。
■品質管理監査の実施
ニコングループでは、グループ全体における品質管理の運用状況
■製品・サービスの安全教育
を調査、確認、評価し、業務の品質およびそれによって作り上げら
れる製品の品質向上を図るため、QCD に基づいた品質管理監査
ニコングループでは、製品・サービスの安全確保には、社員の安
(QCD 監査)を実施しています。
全管理に関する高い知識と意識が不可欠との考えから、一般教育
この監査は、品質管理会議議長(品質担当役員)を監査責任者とし
と専門教育を行っています。専門教育としては、安全設計基本、製
ており、適切でない状況があった場合には逐次是正や改善を指示
造物責任法、電気用品安全法などの各種教育を定期的に実施し
し、その処置を速やかに実施させることで、品質管理活動の維持・
ています。
向上に努めています。また、重要な内容は経営委員会に報告し、
内部統制にも反映させています。2016 年 3 月期は、ニコンで 8 部
門、主要グループ会社 4 社に対して監査を実施しました。
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安全な使用に関する情報提供
事故等が起きた際の対応
ニコングループでは、商品事故が発生しないように商品の安全性を
ニコングループでは、お客様に製品・サービスを安全にご使用い
十分考慮した上で、企画、設計、製造、品質保証、販売、物流、サー
ただくために、正しい使用方法および誤使用や不注意による事故
ビスを行い、欠陥のない商品を市場に提供するようにしています。
の未然防止のための適切な情報を、製品本体の表示や取扱説明
しかし、万一、安全にかかわる問題が発生した際は、ただちに関
書などを通じて提供しています。また、例えば無線 LAN 内蔵製品
係部門間で協力して事実関係を確認し、対応手順に則り必要な処
は各国電波法に指定された表示を、電池や充電器、AC アダプ
置を迅速に行うとともに、その情報を公開し再発防止に努めてい
ターなどは各国安全規制に適合していることの表示をするなど、
ます。
製品の販売国・地域に応じて各法規制への適合・認証マークを適
2016 年 3 月期は、安全性に関して、法令・自主規制などの違反は
切に表示しています。
ありません。
2016 年 3 月期は、安全性の表示に関する法令・自主規制などの
違反はありません。
製品・サポート|製品に関する大切なお知らせ
http://www.nikon-image.com/support/whatsnew/information/
■2016 年 3 月期に発生した品質上の問題
2015 年 7 月 9 日【更新 2016 年 2 月 29 日】
ニコンデジタル一眼レフカメラ「D750」ご愛用のお客様へ
(シャッター不具合の件)
http://www.nikon-image.com/support/whatsnew/2015/
0709.html
映像事業における事故等発生時の対応フロー
135
Column
模倣品バッテリー使用による事故の注意喚起
ニコンデジタルカメラ用 Li-ion リチャージャブルバッテリーやバッテリーチャージャー、AC アダプ
ターなどの模倣品が出回っています。これらの模倣品は、保護装置などの安全機構が装備されて
おらず、使用するとカメラの性能が十分に発揮できないだけでなく、バッテリーの異常な発熱や液
もれ、破裂、発火などの原因となります。また、最悪の場合カメラを破損し、お客様が火傷などを負
う危険性もあります。
ニコングループでは、このような事故を未然に防ぐため、注意喚起を行うとともに、2007 年よりウェ
ブサイトなどを通じて模倣品と純正品との見分け方を紹介するなど、お客様が安全に製品をご使用
EN-EL12 の純正品(左)と模倣品(右)の比較事例
いただける環境づくりにも取り組んでいます。
ニコンデジタルカメラ用アクセサリーの模倣品の安全性に関するご注意
http://www.nikon-image.com/support/whatsnew/2006/wnew061227.html
お客様の声を活かすフロー(映像事業)
お客様満足への取り組み
ニコングループは、品質・安全に優れ、社会に有用な製品・サービ
スを提供することにより、お客様の満足と信頼の向上に努めてい
ます。
■映像事業におけるお客様の声を活かした製品開発
映像事業では、コールセンターやサービス窓口などを通じて世界
中から届く一般ユーザーや、プロユーザーの声を集めています。
収集したお客様の声を分析した上で、開発・設計部門やマーケ
ティング部門、品質部門など、さまざまな視点から検討を重ね、製
品やサービスに反映し、お客様満足の向上につなげています。
コールセンターへのお問い合わせ内訳(日本/2016 年 3 月期)
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■映像事業におけるお客様の声を活かした事例
■映像事業におけるサービス向上への取り組み
事例① 操作ボタンへのご要望
映像事業部では、「お客様満足度の最大化」を常に意識して、質の
お客様の声:
高いサービスを提供できるように、さまざまな取り組みを進めてい
デジタル一眼レフカメラの背面の操作ボタンについて、D4(プロ
ます。
フェッショナルモデル)以外でも暗いところで光るようにしてほしい。
多くのお客様に、製品を身近に感じていただけるよう、修理施設や
ニコンの対応:
ダイレクトタッチポイント(お客様窓口)を設置しており、2016 年 3
2016 年春発売機種より対応し、D500 では DX フォーマットモデル
月末現在、世界 70 の国や地域にあるタッチポイントは 300 施設以
としてははじめてボタンイルミネーションを採用しました。
上にのぼります。
また、サービスレベルの向上を図るため、世界中の各拠点から
サービス責任者を集めた「サービス拠点会議」を年 2 回開催し、世
界共通目標の設定や進捗確認のほか、最新の情報交換を行い、
成功例の共有化や問題点の改善に取り組んでいます。
さらに、どの国や地域でも同様に質の高いサービスが受けられる
よう人材の育成に努めており、世界中のサービススタッフを対象に、
日本から海外へ、海外から日本へ派遣して研修を行っています。
また、光学やレンズなど、必要な基礎知識について学べる e ラー
ニング教育を実施しており、代理店なども含め、これまでにグロー
バルでのべ 2,466 名のスタッフが受講しています。このほか、
D500 の操作ボタン
2016 年 3 月期は顧客対応教育として、サービスセンターの受付者
や修理者がお客様に接する中で、実際に起こりうるコンプライアン
事例② タッチ操作へのご要望
スに関わる問題行動についてケーススタディ形式の教材を作成し、
お客様の声:
各拠点へ配布しました。
タッチ AF やタッチシャッター機能を備えたレンズ交換式デジタルカ
メラを発売してほしい。
ニコンの対応:
2015 年春発売機種のレンズ交換式アドバンストカメラ Nikon1 J5
および 2016 年春発売機種のデジタル一眼レフカメラ D500 に、
タッチ AF とタッチシャッターの機能を搭載しました。
サービス拠点会議の様子
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